JP7275868B2 - 水電解装置異常診断用プログラム及び水電解システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、主電源装置により陽極-陰極間に通常運転電圧を印加する固体高分子電解質膜式水電解装置において、
(a)主電源装置を一時停止させ、補助電源装置により陽極-陰極間にピンホール検出電圧を印加し、
(b)ピンホール検出電圧の印加時における陽極-陰極間の電圧を検出し、
(c)検出された電圧を予め設定された閾値電圧と比較する
固体高分子電解質膜のピンホール検出方法が開示されている。
(A)固体高分子電解質膜にピンホールが発生していない場合、陽極-陰極間の電圧は、補助電源装置の印加電圧と等しくなるのに対し、固体高分子電解質膜にピンホールが発生していると、固体高分子電解質膜を通して電子が流れるために、陽極-陰極間の電圧は、補助電源装置の印加電圧より小さな値となる点、及び、
(B)陽極-陰極間の電圧を検出することによって、ピンホールの発生を検知することができる点
が記載されている。
特許文献1には電圧変化のみを用いてピンホールの発生を検知する方法が開示されている。しかし、この方法は電圧のみから間接的に抵抗値を推測する方法に過ぎず、判断を誤る可能性がある。クロスオーバーやガス透過などの影響を受ける電圧という指標一つで抵抗を予測するのは困難である。特に、電極内のガス圧が変化する(実用上の水電解システムでは水素極圧力を高くしているが、圧力は必ずしも安定ではない)と、圧力によってしきい値が変わるため、特許文献1の方法では、マイクロショートの検出はできない。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような水電解装置異常診断用プログラムを搭載した水電解システムを提供することにある。
(A)m個(m≧2)の単セルの積層体からなるn個(n≧1)のPEM形水電解スタックを備えた水電解システムにおいて、第iPEM形水電解スタック(1≦i≦n)が停止しているか否かを判断する手順A。
(B)前記第iPEM形水電解スタックの停止が検出された時には、前記第iPEM形水電解スタックに含まれる第j単セル(1≦j≦m)に対して、補助電源を用いて、電解反応及び燃料電池反応のいずれも生じない第k電圧Vi,j,k(1≦k≦p、p≧1)を電解時と同方向に印加し、前記Vi,j,kをメモリに記憶させる手順B。
(C)電流検出装置を用いて、前記Vi,j,kに対応する前記第j単セルの第k電流Ii,j,kを検出し、前記Ii,j,kを前記メモリに記憶させる手順C。
(D)前記第k電圧Vi,j,k及び前記第k電流Ii,j,kから前記第j単セルの抵抗Ri,j,kを算出し、前記Ri,j,kをメモリに記憶させる手順D。
(E)p≧2である場合において、複数の前記Ri,j,kを算出する時には、前記手順Bから前記手順Dまでをさらに(p-1)回繰り返す手順E。
(F)前記Ri,j,kの少なくとも1つ又はその組み合わせがしきい値Rc以下である時は、前記第iPEM形水電解スタックに異常がある旨を告知する手順F。
(1)前記水電解システムは、
m個(m≧2)の単セルを備えたn個(n≧1)のPEM形水電解スタックと、
第iPEM形水電解スタック(1≦i≦n)に個別に電力を供給する主電源と、
前記第iPEM形水電解スタックの酸素極に、同時に又は個別に、水を供給する水供給装置と、
前記第iPEM形水電解スタックの停止時に、前記第iPEM形水電解スタックに含まれる第j単セル(1≦j≦m)に異常診断用の電圧を印加する補助電源と、
前記第j単セルに印加される電圧を検出する電圧検出装置と、
前記第j単セルを流れる電流を検出する電流検出装置と、
前記水電解システムを制御する制御装置と
を備えている。
(2)前記制御装置には、本発明に係る水電解装置異常診断用プログラムが格納されている。
電圧V単独では単セル内にあるマイクロショート以外の電流発生要因の影響を受けやすいのに対し、条件を選んで測定された電圧Vと電流Iとから求めた抵抗値Rはそのような要因の影響を受けにくい。そのため、算出された抵抗値Rとしきい値Rcとを対比すれば、マイクロショートが発生したか否かを正確に判断することができる。
[1. PEM形水電解スタック]
図1に、単セルの断面模式図を示す。図1において、単セル22は、膜電極接合体(MEA)24と、MEA24の両側に配置された酸素極側セパレータ34及び水素極側セパレータ36とを備えている。また、MEA24は、電解質膜26と、電解質膜26の両面に接合された酸素極28及び水素極30とを備えている。
PEM形水電解スタック20は、このような単セル22が複数個積層されたものからなる。本発明において、PEM形水電解スタック20に含まれる単セル22の総数(m)は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な個数を選択することができる。また、水電解システムが複数個のPEM形水電解スタック20を備えている場合、各PEM形水電解スタック20に含まれる単セル22の総数(m)は、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
酸素極28は、電極触媒と固体高分子電解質との複合体からなる触媒層28aと、導電性材料からなる多孔質の拡散層28bの2層構造を備えている。同様に、水素極30は、電極触媒と固体高分子電解質との複合体からなる触媒層30aと、導電性材料からなる多孔質の拡散層30bの2層構造を備えている。拡散層28b、30bには、一般に、導電性繊維からなる不織布が用いられる。導電性繊維としては、例えば、カーボンファイバー、Tiファイバー、ステンレス鋼ファイバーなどがある。
さらに、酸素極側セパレータ34及び水素極側セパレータ36には、それぞれ、ガス及び水を流通させるための流路が形成されている。
H2O → 2H+ + 2e- + 1/2O2 …(1)
2H+ + 2e- → H2 …(2)
図2に、本発明に係る水電解システムの模式図を示す。図2において、水電解システム10は、
m個(m≧2)の単セルを備えたn個(n≧1)のPEM形水電解スタック20と、
第iPEM形水電解スタック20(1≦i≦n)に個別に電力を供給する主電源38と、
第iPEM形水電解スタック20の酸素極に、同時に又は個別に、水を供給する水供給装置40と、
第iPEM形水電解スタック20の停止時に、第iPEM形水電解スタック20に含まれる第j単セル(1≦j≦m)に異常診断用の電圧を印加する補助電源60と、
第j単セルに印加される電圧を検出する電圧検出装置62と、
第j単セルを流れる電流を検出する電流検出装置64と、
水電解システム10を制御する制御装置(図示せず)と
を備えている。
(a)補助電源60からの印加電圧を各第j単セルに切り換えて供給するための多段スイッチ66、及び/又は、
(b)第iPEM形水電解スタック20の水素極に、同時に又は個別に、水を循環させる水循環装置70
をさらに備えていても良い。
PEM形水電解スタック(以下、単に「スタック」ともいう)20は、高分子電解質膜を隔膜に用いたm個(m≧2)の単セルが積層されたものからなる。スタック20の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
図2に示す例において、水電解システム10は、1個のスタック20が記載されているが、これは単なる例示である。スタック20の総数(n)は、1個以上であれば良く、目的に応じて最適な個数を選択することができる。
水電解システム10が2個以上のスタック20を備えている場合、スタック20の作動数及び作動させる個体は、目的に応じて任意に選択することができる。
主電源38は、スタック20に個別に電力を供給するためのものである。本発明において、主電源38の種類は、特に限定されない。主電源38は、商用電源であっても良く、あるいは、太陽光、風力などの再生可能エネルギー由来の電源であっても良い。
なお、水電解システム10が複数個のスタック20を備えている場合において、一部のスタック20のみを作動させる時には、電力調整器(図示せず)を用いて、必要な電力が一部のスタック20に分配される。
水供給装置40は、スタック20の酸素極に、電解の原料である水を供給するためのものである。水供給装置40の構造は、各スタック20の酸素極に、同時に又は個別に、必要量の水を供給可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
(a)酸素極側循環ポンプ42を、各スタック20毎に設置するか、あるいは、
(b)1個の酸素極側循環ポンプ42を、開閉バルブを介して複数個のスタック20に接続する
のが好ましい。
酸素極側気液分離器44の排気口は、配管46eを介して酸素消費源(図示せず)に接続され、又は大気に開放されている。配管46eには、圧力計50が設けられている。
補助電源60は、第iPEM形水電解スタック(1≦i≦n)20の停止時に、第iPEM形水電解スタック20に含まれる第j単セル(1≦j≦m)に異常診断用の電圧を印加するためのものである。
補助電源60は、第j単セルに異常診断用の電圧を印加可能なものである限りにおいて、特に限定されない。第j単セルの異常診断を正確に行うためには、補助電源60は、第j単セルの大きさに見合った容量を持つものが好ましい。
なお、主電源38がワイドレンジの電源である場合、すなわち、異常診断に適した電圧を印加することが可能なものである場合、別個の補助電源60を設置することに代えて、主電源38を補助電源60として用いることもできる。
電圧検出装置62は、第j単セルに印加される電圧を検出するためのものである。また、電流検出装置64は、第j単セルを流れる電流を検出するためのものである。電圧検出装置62及び電流検出装置64は、第j単セルの電圧及び電流を検出することが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
例えば、補助電源60とは別個に、電圧検出装置62及び電流検出装置64を設置しても良い。あるいは、補助電源60として使用可能な電源には、電圧及び電流を検出する装置を備えているものがある。そのような場合には、補助電源60に内蔵されている装置を電圧検出装置62及び電流検出装置64として用いても良い。
水電解システム10は、補助電源60からの印加電圧を各第j単セルに切り換えて供給するための多段スイッチ66を備えていても良い。例えば、スタック20に含まれる単セルの総数(m)が相対的に少ない場合、単セル毎に補助電源60を設置することもできる。しかしながら、単セルの総数(m)が多くなるほど、単セル毎に補助電源60を設置するのが困難となる。このような場合、多段スイッチ66を用いて補助電源60からの印加電圧を各単セルに切り換えて供給するのが好ましい。多段スイッチ66の構造は、このような機能を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。
水電解システム10は、第iPEM形水電解スタック20の水素極に、同時に又は個別に、水を循環させる水循環装置70をさらに備えていても良い。水を電気分解する場合において、水素極側には、必ずしも水を供給する必要がない。しかし、水素極側に水を循環させると、水素極からの水素ガスの離脱を促進させることができる。
(a)部材の水素脆化の可能性が高まる、
(b)水素に還元力があるために、水素極部材が過度に還元されてしまう(性能低下や寿命低下に繋がる)、
(c)水素が対極に透過し、酸素極部材を還元してしまう
などの問題が生じる場合がある。このような場合には、水素極側に水を循環させ、水素極から残留水素ガスを排出するのが好ましい。
(a)水素極側循環ポンプ72を、各スタック20毎に設置するか、あるいは、
(b)1個の水素極側循環ポンプ72を、開閉バルブを介して複数個のスタック20に接続する
のが好ましい。
水素極側気液分離器74の排水口は、配管76dを介して酸素極側気液分離器44に接続されている。さらに、配管76dには、ニードルバルブ78cと、水移動ライン中間バルブ78dが設けられている。水電解を行うと、電解質膜内を移動するプロトンに伴われて水分子が最大で5個程度、酸素極から水素極に移動する。配管76dは、水素極側に移動した大量の水を酸素極側に戻すためのものである。
制御装置(図示せず)は、水電解システム10の動作を制御するためのものである。制御装置は、水電解システム10の一般的動作を制御する手段に加えて、第j単セルのマイクロショートを検出するための手段を備えている。マイクロショートを検出するための手段の詳細については、後述する。
図3に、複数個のPEM形水電解スタックを備えた水電解システムの模式図を示す。図3において、水電解システム10’は、合計12個のスタック20と、主電源38と、電力調整器52と、二次電池54と、水素タンク56とを備えている。
なお、電気分解の際には、スタック20の酸素極において酸素が生成する。生成した酸素は、通常、大気中に排出されるが、生成した酸素を酸素タンク(図示せず)に貯蔵し、他の用途に用いても良い。
水電解システム10’に関するその他の点については、図2に示す水電解システム10と同様であるので、説明を省略する。
本発明に係るマイクロショートの検出方法は、以下の工程を備えている。
(a)m個(m≧2)の単セルの積層体からなるn個(n≧1)のPEM形水電解スタック20を備えた水電解システム10において、第iPEM形水電解スタック20i(1≦i≦n)が停止しているか否かを判断する工程a。
(b)第iPEM形水電解スタック20iの停止が検出された時には、第iPEM形水電解スタック20iに含まれる第j単セル22j(1≦j≦m)に対して、補助電源60を用いて、電解反応及び燃料電池反応のいずれも生じない第k電圧Vi,j,k(1≦k≦p、p≧1)を電解時と同方向に印加する工程b。
(c)電流検出装置を用いて、Vi,j,kに対応する第j単セル22jの第k電流Ii,j,kを検出する工程c。
(d)第k電圧Vi,j,k及び第k電流Ii,j,kから第j単セル22jの抵抗Ri,j,kを算出する工程d。
(e)p≧2である場合において、複数のRi,j,kを算出する時には、工程(b)から工程(d)までをさらに(p-1)回繰り返す工程e。
(f)Ri,j,kの少なくとも1つ又はその組み合わせがしきい値Rc以下であるか否かを判断する工程f。
まず、m個(m≧2)の単セルの積層体からなるn個(n≧1)のPEM形水電解スタック20を備えた水電解システム10において、第iPEM形水電解スタック20i(1≦i≦n)が停止しているか否かを判断する(工程a)。
マイクロショートの有無を判定するためには、第iスタック20iは停止している必要がある。これは、電解時に流れる総電流値に比べて、マイクロショートしている箇所に流れる電流値が微弱であるためである。
次に、第iPEM形水電解スタック20iの停止が検出された時には、第iPEM形水電解スタック20iに含まれる第j単セル22j(1≦j≦m)に対して、補助電源60を用いて、電解反応及び燃料電池反応のいずれも生じない第k電圧Vi,j,k(1≦k≦p、p≧1)を電解時と同方向に印加する(工程b)。次いで、電流検出装置64を用いて、Vi,j,kに対応する第j単セル22jの第k電流Ii,j,kを検出する(工程c)。さらに、第k電圧Vi,j,k及び第k電流Ii,j,kから第j単セル22jの抵抗Ri,j,kを算出する(工程d)。
第j単セル22jに印加される第k電圧Vi,j,kは、電解反応(すなわち、酸素発生反応)及び燃料電池反応(すなわち、酸素還元反応)のいずれも生じない電圧である必要がある。これは、マイクロショート以外の原因で流れる電流を極力小さくするためである。第k電圧Vi,j,kの大きさは、電解反応及び燃料電池反応のいずれも生じない電圧である限りにおいて、特に限定されない。
第iスタック20iを停止させた直後は、酸素極及び水素極には、それぞれ、相対的に多量の酸素ガス及び水素ガスが残留している。この場合、第j単セル22jのセル電圧CVi,jは、通常、1.3Vを超える。CVi,jが1.3Vを超えている場合において、補助電源60を用いて第j単セル22jに電圧を印加した時には、第j単セル22j内において電解反応が進行するおそれがある。このような場合には、CVi,jが1.3V以下となるまで待機するのが好ましい。
一方、水素極側循環ポンプ72を備えているシステムにおいて、異常診断用の電圧印加時に水素極側の電位を0Vに維持するためには、第iスタック20iの停止と同時に水素極側循環ポンプ72も停止させ、水素極内に水素ガスを残留させておくのが好ましい。
第iスタック20iを停止させた後、酸素極への水の供給(酸素極からの酸素ガスの排出)を所定時間継続すると、水素極側には高濃度の水素ガスが残留しており、かつ、酸素極側には中~低濃度の酸素ガスが残留している状態となる。この場合、第j単セル22jのセル電圧CVi,jは、1.0~1.3Vの範囲となる。CVi,jがこの範囲にある場合、水電解反応は起こらない。また、燃料電池反応は、起きたとしてもその反応量は僅かである。
(a)第iスタック20iの酸素極への水の供給が継続されている時には、酸素極への水の供給を停止させ、
(b)補助電源60を用いて第j単セル22jに1.0~1.3Vの第k電圧Vi,j,kを印加し、電流Ii,j,kの測定及び抵抗値Ri,j,kの算出を実施する
のが好ましい。
一方、マイクロショートがある場合、測定を開始してから数秒程度で安定して電流が流れる。コンデンサ成分の充放電が終了するのに十分な時間(補助電源60にもよるが数秒以内)が経過すると、第j単セル22jを流れる電流Ii,j,kは、コンデンサー成分による電流に対してある程度大きい値となる。第k電圧Vi,j,kを電流Ii,j,kで割ることで、抵抗Ri,j,kを求めることができる。
第iスタック20iを停止させた後、一定時間が経過した時には、酸素極側への水の供給も停止されている。酸素極側への水の供給が停止され一定時間が経過すると、酸素や水素がクロスオーバーで消費されたり、気泡として残留している水素や酸素が系外に排出され、セル内のガス圧力が低下する。セル電圧が1.0~0.6V程度ある段階では、水素極側の電位はまだ0V付近にあり、水素極側の状況はセル電圧CVi,jにはほとんど影響しないため、特に、酸素極の状態がCVi,jを決める要因となる。そのため、電極内の酸素の減少に伴い、第j単セル22jのCVi,jは1.0V未満に下がる。
少なくとも、CVi,jが0.6V以下になれば、電圧印加すると速やかに電極表面の酸素が消費される。また、消費された分を補填するだけの酸素が電極表面に到達するまでの時間がかかるため、燃料電池反応がほぼ起きない。そのため、このような場合には、CVi,jが0.6V以下となるまで待機するのが好ましい。
CVi,jが0.6V以下である場合、第iスタック20iを停止させてから相当な時間が経過しており、酸素極側からの酸素ガスの排出がかなり進んで、残留ガスが少ない状態と考えられる。但し、水素極側には、水素ガスが残留している可能性がある。
一方、水素極側に水素ガスが残留している場合には、水素の電気化学的輸送に起因する電流が流れる場合がある。そのような場合において、水素極側循環ポンプ72を備えている時には、CVi,jが0.6V以下になる前後において水素極側循環ポンプ72を再起動させ、水素極側から水素ガスを排出するのが好ましい。
異常診断時に第j単セル22jに印加する第k電圧Vi,j,k(1≦k≦p)の水準(p)は、1個でも良く、あるいは、2個以上であっても良い。また、予め設定された水準の数pが2以上である場合であっても、そのうちの一つを用いて異常診断を行っても良い。
一方、p≧2である場合において、複数のRi,j,kを算出する時には、工程(b)から工程(d)までをさらに(p-1)回繰り返す(工程e)。上述したように、異常診断する際に、マイクロショート以外の要因により電流が流れる場合がある。そのような場合、予め複数水準の電圧を設定し、一つの第j単セル22jに対して異なる条件で抵抗Ri,j,kを測定し、複数のRi,j,kを用いて総合的に判断するのが好ましい。
一方、マイクロショートが生じている第j単セル20jに異なる電圧を印加すると、電圧に比例して電流も大きくなる。
なお、実際には、複数の抵抗Ri,j,kが必ずしも一致しない場合もある。そのような場合には、複数個の抵抗Ri,j,kの大きさを考慮して、総合的に判断するのが好ましい。
次に、Ri,j,kの少なくとも1つ又はその組み合わせがしきい値Rc以下であるか否かを判断する(工程f)。
第j単セル22jにマイクロショートが発生した場合、第j単セル22jの抵抗Ri,j,kは、マイクロショートが無い場合に比べて小さくなる。そのため、予めしきい値Rcを設定しておき、Ri,j,kの少なくとも1つ又はその組み合わせがしきい値Rc以下であれば、マイクロショートが発生したと判断することができる。
(a)算出された1個以上のRi,j,kとしきい値Rcとをそれぞれ直接対比し、1個以上のRi,j,kがRc以下である時にマイクロショートが発生したと判断すること、又は、
(b)2個以上のRi,j,kに基づいて算出された変数(例えば、Ri,j,kの平均値)とRcとを対比し、その変数がRc以下である時にマイクロショートが発生したと判断すること
をいう。
しきい値Rcの値は、特に限定されるものではなく、マイクロショートの原因物質の組成や、目的に応じて最適な値を選択することができる。
図6~図7に、本発明に係る水電解装置異常診断用プログラムのフロー図を示す。本発明に係る水電解装置異常診断用プログラムは、コンピュータに以下の手順を実行させるためのものからなる。
次に、S2において、m個(m≧2)の単セルの積層体からなるn個(n≧1)のPEM形水電解スタックを備えた水電解システムにおいて、第iPEM形水電解スタック(1≦i≦n)が停止しているか否かが判断される(手順A)。第iスタック(ここでは、第1スタック)が可動中である場合(S2:NO)には、マイクロショートの検出が困難である。この場合には、S3に進む。S3では、変数iに1が加算される。
一方、i>nである場合(S4:YES)には、その時点で停止しているスタックがないことを意味する。この場合には、S5に進む。S5では、制御を継続するか否かが判断される。制御を継続する場合(S5:YES)には、S1に戻り、制御を終了させるまで、上述したS1~S5の各ステップを繰り返す。
次に、13において、第iPEM形水電解スタックに含まれる第j単セル(1≦j≦m)に対して、補助電源を用いて、電解反応及び燃料電池反応のいずれも生じない第k電圧Vi,j,k(1≦k≦p、p≧1)を電解時と同方向に印加し、前記Vi,j,kをメモリに記憶させる(手順B)。Vi,j,kの印加手順の詳細については、後述する。
一方、k>pである場合(S17)には、選択可能な印加電圧が残っていないことを意味する。この場合には、S18に進む。なお、印加電圧が1水準である場合、S12、16、S17を省略することができる。
次に、S20において、変数jが単セルの総数(m)を超えている否かが判断される。j>mでない場合(S20:NO)には、選択可能な単セルが残っていることを意味する。この場合には、S12に戻り、j>mとなるまで上述したS12~S20の各ステップを繰り返す。さらに、j>mである場合(S20:YES)には、選択可能な単セルが残っていないことを意味する。この場合には、S3に戻り、上述したS3~S5及びS11~S20の各ステップを繰り返す。
(a)制御装置のモニターに異常が生じたスタック20の識別番号iを表示させる方法、
(b)警告音、警告ランプ等を用いて、操作者に告知する方法
などがある。
その後、S3に戻る。そして、制御を終了させる(S5:YES)まで、上述したS1~S5、及びS11~S30の各ステップを繰り返す。
S133では、酸素極側循環ポンプが作動している時には、これを停止させる。次に、S134において、第j単セルに、1.1V以上1.3V以下のVi,j,kを印加する(手順B3)。その後、図7のS14に進み、上述した手順(すなわち、Ii,j,kの検出、Ri,j,kの算出、及び、Ri,j,kとRcとの対比)を繰り返す。
一方、CVi,jが0.6V以下である場合(S135:YES)には、S136に進み、第j単セルに、0.1V以上0.3V以下のVi,j,kを印加する(手順B5)。その後、図7のS14に進み、上述した手順(すなわち、Ii,j,kの検出、Ri,j,kの算出、及び、Ri,j,kとRcとの対比)を繰り返す。
マイクロショート1箇所あたりの抵抗は、数十mΩ~数百mΩである。しかし、実用サイズである数十cm2~数百cm2の大面積のセルの場合、電解質膜の抵抗は、それよりさらに小さい値(数mΩ以下)となる。そのため、水電解装置の作動中に単セルの電圧変化を計測しても、マイクロショートによる電圧変化は印加電圧に比べて著しく小さいので、マイクロショートを検出するのは困難である。また、電解条件によっては、電解反応や燃料電池反応の反応電流や二重層成分の充放電電流が流れるため、マイクロショートの情報はそれらに埋もれてしまい、検出が難しい。
このように、外部に電流が流れるような構成で計測をすると、電流Vとそれに対応する電流Iが得られ、抵抗値Rを算出することができる。この値が安定していないようであれば測定条件が安定していない可能性があると判断することもできる。
20 PEM形水電解スタック
22 単セル
38 主電源
60 補助電源
Claims (5)
- コンピュータに以下の手順を実行させるための水電解装置異常診断用プログラム。
(A)m個(m≧2)の単セルの積層体からなるn個(n≧1)のPEM形水電解スタックを備えた水電解システムにおいて、第iPEM形水電解スタック(1≦i≦n)が停止しているか否かを判断する手順A。
(B)前記第iPEM形水電解スタックの停止が検出された時には、前記第iPEM形水電解スタックに含まれる第j単セル(1≦j≦m)に対して、補助電源を用いて、電解反応及び燃料電池反応のいずれも生じない第k電圧Vi,j,k(1≦k≦p、p≧1)を電解時と同方向に印加し、前記Vi,j,kをメモリに記憶させる手順B。
(C)電流検出装置を用いて、前記Vi,j,kに対応する前記第j単セルの第k電流Ii,j,kを検出し、前記Ii,j,kを前記メモリに記憶させる手順C。
(D)前記第k電圧Vi,j,k及び前記第k電流Ii,j,kから前記第j単セルの抵抗Ri,j,kを算出し、前記Ri,j,kをメモリに記憶させる手順D。
(E)p≧2である場合において、複数の前記Ri,j,kを算出する時には、前記手順Bから前記手順Dまでをさらに(p-1)回繰り返す手順E。
(F)前記Ri,j,kの少なくとも1つ又はその組み合わせがしきい値Rc以下である時は、前記第iPEM形水電解スタックに異常がある旨を告知する手順F。 - 前記手順Bは、
電圧検出装置を用いて、停止状態にある前記第iPEM形水電解スタックの前記第j単セルのセル電圧CVi,jを検出する手順B1と、
前記CVi,jが1.0V以上1.3V以下であるか否かを判断する手順B2と、
前記CVi,jが1.0V以上1.3V以下である時には、前記第j単セルに、1.1V以上1.3V以下の前記Vi,j,kを印加する手順B3と、
を備えている請求項1に記載の水電解装置異常診断用プログラム。 - 前記手順Bは、
前記CVi,jが0.6V以下であるか否かを判断する手順B4と、
前記CVi,jが0.6V以下である時には、前記第j単セルに、0.1V以上0.3V以下の前記Vi,j,kを印加する手順B5
をさらに備えている請求項2に記載の水電解装置異常診断用プログラム。 - 以下の構成を備えた水電解システム。
(1)前記水電解システムは、
m個(m≧2)の単セルを備えたn個(n≧1)のPEM形水電解スタックと、
第iPEM形水電解スタック(1≦i≦n)に個別に電力を供給する主電源と、
前記第iPEM形水電解スタックの酸素極に、同時に又は個別に、水を供給する水供給装置と、
前記第iPEM形水電解スタックの停止時に、前記第iPEM形水電解スタックに含まれる第j単セル(1≦j≦m)に異常診断用の電圧を印加する補助電源と、
前記第j単セルに印加される電圧を検出する電圧検出装置と、
前記第j単セルを流れる電流を検出する電流検出装置と、
前記水電解システムを制御する制御装置と
を備えている。
(2)前記制御装置には、請求項1から3までのいずれか1項に記載の水電解装置異常診断用プログラムが格納されている。 - 前記補助電源からの印加電圧を前記各第j単セルに切り換えて供給するための多段スイッチをさらに備えている請求項4に記載の水電解システム。
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