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JP7251129B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP7251129B2 JP2018235206A JP2018235206A JP7251129B2 JP 7251129 B2 JP7251129 B2 JP 7251129B2 JP 2018235206 A JP2018235206 A JP 2018235206A JP 2018235206 A JP2018235206 A JP 2018235206A JP 7251129 B2 JP7251129 B2 JP 7251129B2
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Description

本開示は、車両の制御装置に関し、特に遊星機構について2つのモータ側のトルクを遊星機構で合流させる車両を制御する制御装置に関する。
2つのモータのトルクを遊星機構で合流させて駆動力を得る車両が知られている。例えば特許文献1には、2つのモータから得られるトルクを、遊星歯車機構(遊星機構)を介して1つの車両駆動軸に伝達する電動車両と、その電動車両の制御装置が記載されている。特許文献1には、2つのモータのうち、一方のモータのトルクが所定トルクとなるように制御(トルク制御)し、他方のモータの回転数を制御(回転数制御)する電動車両の制御装置が記載されている。
特開2007-68301号公報
特許文献1に記載されているように、2つのモータのうち、一方のモータをトルク制御して他方のモータを回転数制御する場合に、遊星機構について2つのモータ側の回転数差を変更しようとすると、回転数制御されているモータから得られるトルクが大きく変動してしまい、その変動が出力トルクに影響を与えてしまう場合がある。出力トルクが制御の目標値から変動してしまう場合において、出力トルクに意図しない変動がある場合には、車両の運転者に違和感を与えてしまうことが考えられる。
さらに、特許文献1に記載された構成において、遊星機構を差動させるときに、遊星機構の歯車部のがたや歯車部の2つの要素が摺動接触する接触面において、静摩擦から動摩擦に移行する際に生じる抵抗として、差動時起動トルクが存在する。特許文献1では、この差動時起動トルクを考慮していないので、出力トルクが制御の目標値からさらに変動する可能性がある。さらに遊星機構を差動させるときに遅延なく反応させることが望まれる。
本開示の目的は、2つのモータ側のトルクを遊星機構で合流させて出力トルクを得る車両の制御において、2つのモータ側の回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を両立させて制御でき、さらに遊星機構を差動させるときに遅延なく反応できる構成を実現することにある。
本開示の車両の制御装置は、遊星機構について、第1モータ側のトルクと第2モータ側のトルクを前記遊星機構で合流させて出力トルクを得る合流システムを備える車両を制御する制御装置であって、前記遊星機構における前記第1モータ側の回転運動と前記第2モータ側の回転運動との回転運動差の目標値と前記出力トルクの目標値を取得する目標値取得部と、前記合流システムに対応した運動モデルの逆モデルを利用することにより、前記回転運動差の目標値と前記出力トルクの目標値を両立させる前記第1モータの補正前トルク指令値と前記第2モータの補正前トルク指令値を導出する指令値導出部と、前記第1モータ及び前記第2モータの補正前トルク指令値を、前記第1モータ及び前記第2モータにより前記遊星機構を差動させるために必要な差動時起動トルクで補正して、前記第1モータのトルク指令値と前記第2モータのトルク指令値を導出する補正部と、を有する。
本開示の車両の制御装置によれば、遊星機構は2つのモータ両側のトルクを合流させる。例えば、第1モータから得られるトルクと第2モータから得られるトルクが遊星機構において加算され、その加算結果に対応した出力トルクが得られる。また、回転運動差は第1モータ側と第2モータ側の回転運動を比較して得られる制御量である。回転運動差の具体例には、例えば回転角速度差や回転角加速度差などが含まれる。
そして、本開示によれば、回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を両立させる第1モータのトルク指令値と第2モータのトルク指令値が導出される。これにより、導出されたトルク指令値に基づいて第1モータと第2モータが制御される。このため、2つのモータ側の回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を両立させる制御が実現される。
さらに、第1モータ及び第2モータの補正前トルク指令値が、差動時起動トルクで補正されるので、遊星機構を差動させるときに遅滞なく反応させることができる。これにより、遅滞なく第1モータ側及び第2モータ側の回転数差をつけることができる。また、遊星機構を差動させるときに、出力トルクが制御の目標値から変動することを抑制できる。
本開示により、2つのモータ側のトルクを遊星機構で合流させて出力トルクを得る車両の制御において、2つのモータ側の回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を両立させて制御でき、さらに遊星機構を差動させるときに遅延なく反応できる。
本開示の実施形態の制御装置を含む車両の制御ブロックを示す図である。 図1に示す合流システムの運動モデルとその逆モデルの具体例を示す図である。 図1,図2における記号の定義を示す図である。 本開示の実施形態の車両の制御装置を構成する遊星機構を示す図である。 本開示の実施形態における運動モデルの変数とパラメータを示す図である。 比較例の制御装置を含む車両の制御ブロックを示す図である。 比較例の車両の制御装置において、遊星機構について、2つのモータ側に回転数差を発生させる状態を示す共線図(a)と、回転数差を発生させるときに差動時起動トルクが存在することを示す図(b)と、トルクが不足することを示す図(c)と、差動時起動トルクにより回転数差をつけるときの遅延が発生することを示す図(d)である。 比較例の車両の制御装置において、第1モータ側の回転数を第2モータ側の回転数より大きくして回転数差をつけるときの回転数差と、遊星機構の出力トルクと、第1モータ及び第2モータのトルク指令値の時間変化(実験結果)を示す図である。 実施形態の車両の制御装置において、第1モータ側の回転数を第2モータ側の回転数より大きくして回転数差をつけるときの回転数差と、遊星機構の出力トルクと、第1モータ及び第2モータのトルク指令値の時間変化(実験結果)を示す図である。 実施形態の車両の制御装置において、第1モータ側及び第2モータ側に回転数差をつけるときの回転数差と、遊星機構における差動時起動トルクとの関係を実験結果で示す図である。 比較例の車両の制御装置において、第1モータ側の回転数を第2モータ側の回転数より小さくして回転数差をつけるときの図8に対応する図である。 実施形態の車両の制御装置において、第1モータ側の回転数を第2モータ側の回転数より小さくして回転数差をつけるときの図9に対応する図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る車両の制御装置の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、数等は、本開示の理解を容易にするための例示であって、車両の制御装置の仕様に合わせて適宜変更することができる。以下では、すべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、実施形態の制御装置10を含む車両の制御ブロックを示す図である。車両は、制御装置10と、合流システム20とを備える。合流システム20は、第1モータ21、第2モータ22、及び遊星機構24を含んで構成される。合流システムは、遊星機構24について、第1モータ21側と第2モータ22側との2つのモータ(電動機)側から得られる動力(トルク)を、遊星機構24で合流させて駆動力(出力トルク)を得る。
車両の制御装置10は、目標値取得部12と、トルク指令値導出部14とを有する。目標値取得部12は、第1モータ21側と第2モータ22側との回転運動差の目標値と、出力トルクの目標値(Tc(ハット))とを取得する。回転運動差の目標値として第1モータ21側と第2モータ22側との回転角速度差の目標値(Δθ(ドット)(ハット))が取得される。回転角速度差の目標値は、例えばモータ効率や車両の走行条件などから決定される。また、出力トルクの目標値は、例えば車両の運転者により操作されるアクセルペダルの操作量(踏み込み量)などから決定される。
トルク指令値導出部14は、合流システム20に対応した運動モデルの逆モデルを利用することにより、回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を両立させる第1モータ21の補正前トルク指令値TM1と第2モータ22の補正前トルク指令値TM2とを導出する。このとき、各補正前トルク指令値TM1、TM2は、例えば後述の補正部16により、遊星機構24の差動時起動トルクΔT(=γM1×ΔTM1-(-γM2)×ΔTM2)で補正され、(TM1+ΔTM1)、(TM2-ΔTM2)(または(TM1-ΔTM1)、(TM2+ΔTM2))として導出される。差動時起動トルクΔTは、第1モータ21及び第2モータ22により遊星機構24を差動させるために必要なトルクであり、遊星機構24の構造により予め決定される。ここで、γM1は、後述の図4に示す入力歯車対34による、第1モータ21から入力軸35への減速比である。γM2は、後述の図4に示す入力歯車対36による、第2モータ22から入力軸37への減速比である。トルク指令値の補正後の値が、ΔTM1、ΔTM2で加算されるか減算されるかは、回転運動差の正負で決定される。補正後のトルク指令値は、第1モータ21及び第2モータ22の制御に用いられる。これにより、後述のように、遊星機構24を差動させるときに遅延なく反応できる効果を得られる。
図2は、合流システム20の運動モデルとその逆モデルの具体例を示す図である。なお図1、図2における記号の定義は図3に示すとおりである。
図2に示す具体例では、運動モデルとして、合流システム20内の運動に対応した運動方程式から得られる行列Aによる数学モデルが利用される。具体的には、第1モータ21のトルクと第2モータ22のトルクから、行列Aを用いた演算により、第1モータ21側と第2モータ22側の回転運動差(回転角速度差または回転角加速度差)と出力トルクを得る数学モデルが利用される。
図2に示す具体例では、運動モデルの逆モデルとして、行列Aの逆行列A-1による数学モデルが利用される。具体的には、制御装置10のトルク指令値導出部14が、回転運動差(回転角速度差または回転角加速度差)の目標値と出力トルクの目標値から、逆行列A-1を用いた演算により、第1モータ21の補正前トルク指令値と第2モータ22の補正前トルク指令値を導出する。
このように、図2に示す具体例では、制御装置10において、回転運動差の目標値と出力トルクの目標値から、逆行列A-1を用いた演算により、第1モータ21の補正前トルク指令値と第2モータ22の補正前トルク指令値が導出される。そして、導出された2つの補正前トルク指令値に基づいて、第1モータ21と第2モータ22のトルクが制御される。さらに、合流システム20において、第1モータ21のトルクと第2モータ22のトルクから、行列Aに対応した運動モデルに従って回転運動差と出力トルクが得られる。行列Aと逆行列A-1の乗算結果は単位行列となるため、理論上、合流システム20から得られる制御量である回転運動差と出力トルクがそれぞれの目標値に等しい値となる。
また、図1に示す具体例では、回転運動差の実測値をフィードバックして第1モータ21と第2モータ22の2つのトルク指令値を導出することにより、回転運動差の実測値が目標値に追従するように制御される。例えば、第1モータ21に取り付けられたセンサSと第2モータ22に取り付けられたセンサSから得られる2つの回転角速度(実測値)から算出された回転角速度差が制御装置10にフィードバックされる。
そして、目標値取得部12が、回転角速度差の目標値と実測値の差eに対して、比例ゲインkと積分ゲインkによるPI(Proportional-Integral)演算を実行し、その結果に対して微分演算を実行することでPID制御を行うことにより回転角加速度差(目標値)が得られる。こうして得られた回転角加速度差がトルク指令値導出部14に入力される。なお、微分演算の実行を省略し、目標値取得部12が、PI演算で回転角加速度差(目標値)を得るようにしてもよい。
制御装置10は、例えばCPUやプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができる。例えば目標値取得部12とトルク指令値導出部14がCPUやプロセッサ等の演算デバイスにより実現される。また、制御装置10の実現において、必要に応じてメモリ等のデバイスや電気電子回路が利用されてもよい。
合流システム20に対応した運動モデル(例えば図2に示す具体例)は遊星機構24の構造に応じて決まる。図1に示す具体例では、様々な構造(タイプ)の遊星機構24を利用することができる。そこで、遊星機構24の代表的な構成例を以下に説明する。なお、図1に示す遊星機構24の具体例は、以下に説明する代表的な構成例に限定されない。
図4は、遊星機構24の構成例を示す図である。図4に示す遊星機構24は、第1モータ21が接続される第1サンギアS1と、第2モータ22が接続される第2サンギアS2とを含む。より具体的には、第1モータ21の出力軸31が入力歯車対34を介して第1サンギアS1の入力軸35に接続されており、第2モータ22の出力軸32が入力歯車対36を介して第2サンギアS2の入力軸37に接続されている。
また、第2モータ22から第2サンギアS2までの伝達系には、車両が前進するときの第2サンギアS2の回転を許容し、後進方向の回転を阻止するクラッチ要素の具体例として、入力軸37にワンウェイクラッチ44が設けられている。
また、遊星機構24は、第1サンギアS1と噛み合う複数の内側ピニオン(内側プラネタリピニオン)Piと、第2サンギアS2と噛み合う複数の外側ピニオン(外側プラネタリピニオン)Poとを含む。なお、対応関係にある各外側ピニオンPoと各内側ピニオンPiも互いに噛み合っている。さらに、遊星機構24は、複数の外側ピニオンPoと複数の内側ピニオンPiを回転可能に支持するキャリア(プラネタリキャリア)Cを備えている。
遊星機構24の3要素である第1サンギアS1と第2サンギアS2とキャリアCとは、共通の回転軸線周りを回転する。図4に示した構成例では、第1サンギアS1と第2サンギアS2が2つの入力要素となり、第1サンギアS1の歯数ZS1と第2サンギアの歯数ZS2の比(ZS1/ZS2)が遊星歯車比λとなる(λ=ZS1/ZS2)。また、出力要素となるキャリアCは出力ギア38を有し、出力ギア38は被駆動ギア40と最終減速機42を介して駆動輪52に接続されている。
遊星機構24を備える合流システム20に対応した運動モデルの変数とパラメータとは図5に示すとおりである。次に、図5に示した運動モデルの変数とパラメータを利用して、合流システム20内の運動に対応した運動方程式から得られる数学モデルの具体例について説明する。
図4に示した遊星機構24を備えた合流システム20内では、第1モータ21軸上における回転運動と、第2モータ22軸上における回転運動と、キャリアC軸上における回転運動について、次式に示す運動方程式が成立している。
Figure 0007251129000001
また、第1モータ21の回転角速度と第2モータ22の回転角速度との間には、次式に示す回転数拘束条件が成立する。
Figure 0007251129000002
そして、数1式の運動方程式と数2式の回転数拘束条件から、数3式に示す運動モデルが導出される。数3式に示す運動モデルは、第1モータ21のトルクと第2モータ22のトルクから、行列Aを用いた演算により、遊星歯車軸上での第1モータ21と第2モータ22の回転角加速度差と出力トルクを得る数学モデルである。
Figure 0007251129000003
さらに、行列Aの逆行列A-1を行列Bとすると、行列Bを構成する各要素は次式のとおりとなる。
Figure 0007251129000004
図1のトルク指令値導出部14は、例えば数4式に示す逆行列A-1(行列B)を用いた演算により、回転運動差(回転角加速度差)の目標値と出力トルクの目標値から、第1モータ21の補正前トルク指令値TM1と第2モータ22の補正前トルク指令値TM2を導出する。回転角加速度差は、遊星歯車軸上での第1モータ21側の第1サンギアS1と第2モータ22側の第2サンギアS2との回転角度差Δθの2階時間微分である。
そして、図1の補正部16は、算出された補正前トルク指令値TM1、TM2を、遊星機構24の差動時起動トルクΔTにより補正することにより、補正後のトルク指令値を導出する。具体的には、補正部16には、回転角速度差の目標値(Δθ(ドット)(ハット))が入力される。回転角速度差は、第1モータ21側の第1サンギアS1の回転角速度から第2モータ22側の第2サンギアS2の回転角速度を引いた値である。補正部16は、回転角速度差の目標値が正であるか負であるかによって、第1サンギアS1及び第2サンギアS2の回転角速度の大小関係を判定する。
第1サンギアS1の回転角速度が第2サンギアS2の回転角速度より大きくなる場合には、補正部16は、遊星機構24の差動に要する差動時起動トルクΔT(=γM1×ΔTM1-(-γM2)×ΔTM2)のうち、第1モータ21のトルク変化分ΔTM1を補正前トルク指令値TM1に加算して補正する(TM1+ΔTM1)。これとともに、差動時起動トルクのうち、第2モータ22のトルク変化分ΔTM2を補正前トルク指令値TM2から減算して補正する(TM2-ΔTM2)。γM1、ΔTM1、γM2、ΔTM2は、遊星機構24及び入力歯車対34,36の構造から、予め決定される。
一方、第1サンギアS1の回転角速度が第2サンギアS2の回転角速度より小さくなる場合には、補正部16は、遊星機構24の差動に要する差動時起動トルクのうち、第1モータ21のトルク変化分ΔTM1を補正前トルク指令値TM1から減算して補正する(TM1-ΔTM1)。これとともに、差動時起動トルクのうち、第2モータ22のトルク変化分ΔTM2を補正前トルク指令値TM2に加算して補正する(TM2+ΔTM2)。これによって、補正部16は、第1モータ21の補正後トルク指令値と第2モータ22の補正後トルク指令値を導出し、制御装置10は、これらの指令値によって第1モータ21及び第2モータ22を制御する。上記では、制御装置10において、2つのモータ21,22の関係式を用いてそれぞれのトルク指令値を導出しているが、関係式の代わりに、予め求めた関係を表すマップを用いてそれぞれのトルク指令値を導出してもよい。
図1に示す制御装置10によれば、トルク制御と回転数制御を合成した複合的な制御により、第1モータ21と第2モータ22の各々が制御されており、2つのモータのトルクを協調できるため、出力トルクが回転角度差の変更の影響を受けにくい制御を実現できる。
これにより、2つのモータ側の回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を両立させる制御が実現される。例えば、2つのモータ側の回転運動差の目標値と出力トルクの目標値を互いに干渉させることなく、それら2つの目標値の両方に追従する制御が可能になる。例えば、2つのモータ側の回転運動差を目標値に追従させることにより、2つのモータに対する最適な回転数配分を実現しつつ、さらに、出力トルクを目標値に追従させることにより、振動が無い(目標値からずれてしまうショックが無い)高応答な出力トルクを実現することが可能になる。
さらに、第1モータ21及び第2モータ22の補正前トルク指令値が、遊星機構24の差動時起動トルクで補正されるので、遊星機構24を差動させるときに遅滞なく反応させることができる。これにより、遅滞なく第1モータ21側及び第2モータ22側の所望の回転数差をつけることができる。また、遊星機構24を差動させるときに、出力トルクが制御の目標値から変動することを抑制できる。
次に、実施形態の効果を比較例と比較して説明する。図6は、比較例の制御装置10を含む車両の制御ブロックを示している。比較例の制御装置10は、図1に示す制御装置10において、補正部16がない構成と同様である。トルク指令値導出部14で算出された第1モータ21及び第2モータ22のトルク指令値は、遊星機構24の差動時必要トルクで補正されることなく、第1モータ21及び第2モータ22のトルク制御に用いられる。比較例において、その他の構成及び作用は、図1の構成と同様である。
このような比較例1では、遊星機構24を差動させるときに遅れが発生する。図7(a)は、比較例の制御装置10において、遊星機構24について、2つのモータ側に回転数差を発生させる状態を示す共線図であり、図7(b)は、回転数差を発生させるときに差動時起動トルクが存在することを示す図である。図7(c)は、回転数差を発生させるときにトルクが不足することを示す図であり、図7(d)は、差動時起動トルクにより回転数差をつけるときの遅延が発生することを示す図である。以下では、遊星機構24についての第1モータ21側と第2モータ22側との回転角度差の時間微分Δθ(ドット)を、遊星機構24についての第1モータ21側と第2モータ22側との単位時間当たりの回転数である回転数差Δω(rpm)(=Δθ(ドット)×2π/60)に換算した場合を説明する。
図7(a)に示すように、比較例で遊星機構24の第1モータ側の第1サンギアS1と、第2モータ側の第2サンギアS2とで、回転数差を0(rpm)の場合(1)から0より大きいΔωに変化させた場合(2)を考える。
このとき、図7(b)に示すように、遊星機構24では、回転数差Δωの正負に応じて、正または負の値になる差動時起動トルクΔTが存在する。これにより、図7(c)に示すように、図7(a)の(1)の状態から(2)の状態に変更する場合に、遊星機構24で2つのサンギアS1,S2の間で所望の回転数差をつけるために、差動時起動トルクΔTが必要になる。このため、2つのサンギアの静止状態または一体回転の状態から、一方のサンギアのトルクをβ分増大しても、それから差動時起動トルクΔTが差し引かれるため、フィードバック制御が行われる前のフィードフォワード制御の実行において必要なトルクを得られない可能性がある。
このため、図7(d)の破線((2)-β)で示すように、迅速に回転数差Δωを発生させようとしても、現実には、実線((2)-α)で示すように、時間遅れ場発生して回転数差Δωが所望値に近づく可能性がある。
図8は、比較例の制御装置において、第1モータ21側の回転数を第2モータ22側の回転数より大きくして回転数差をつけるときの回転数差Δωと、遊星機構24の出力トルクと、第1モータ21及び第2モータ22のトルク指令値の時間変化(実験結果)を示している。図8に示すように、2つのサンギアS1,S2の回転数差Δωが0の状態から第1モータ21及び第2モータ22のトルク指令値を変化させて正の所定値(100rpm)に変化させる場合に、比較例では上記の差動時起動トルクΔTの存在により応答遅れが発生する。このとき、時間の経過に伴ってフィードバック制御が反映されることにより回転数差Δωが補正される。なお、一度、回転数差Δωを0に戻すと、差動時起動トルクが反映された状態となるので、応答遅れの発生はないか、少なくなる。このとき、第1モータ21のトルク指令値は、回転数差をつけた後の定常状態でΔTM1分増大する。また、第2モータ22のトルク指令値は、回転数差をつけた後の定常状態でΔTM2分低下する。なお、フィードバックのゲインを大きくすることで応答を高めることも考えられるが、その効果は低い。
一方、図9は、図1に示した実施形態の車両の制御装置において、第1モータ21側の回転数を第2モータ22側の回転数より大きくして回転数差をつけるときの回転数差と、遊星機構24の出力トルクと、第1モータ21及び第2モータ22のトルク指令値の時間変化(実験結果)を示している。
図9に示すように、実施形態によれば、補正部16により、補正前トルク指令値TM1、TM2が、遊星機構24の差動時起動トルクにより補正されるので、各モータのトルク指令値の最初の変化の段階でも、応答遅れをほとんど発生させずに2つのサンギアの回転数差Δωを所望値につけることができる。
図10は、実施形態の車両の制御装置10において、第1モータ21側及び第2モータ22側に回転数差をつけるときの回転数差Δωと、遊星機構24における差動時起動トルクΔTとの関係の実験結果を示している。図10に示す実験結果によれば、Δωの変化にかかわらず、正負に変化する場合のそれぞれで差動時起動トルクΔTはほぼ一定になることが分かる。
図11は、比較例の車両の制御装置10において、第1モータ21側の回転数を第2モータ22側の回転数より小さくして回転数差をつけるときの図8に対応する図である。図12は、実施形態の車両の制御装置10において、第1モータ21側の回転数を第2モータ22側の回転数より小さくして回転数差をつけるときの図9に対応する図である。
図11に示すように、比較例の場合には、図8に示す場合に対し、第1モータ21側と第2モータ22側とで回転数の関係を逆にする場合であっても、図8に示す場合と同様に、各モータのトルク指令値の最初の変化の段階で、差動時起動トルクΔTの存在により回転数差の変化に応答遅れが発生する。
一方、図12に示すように、実施形態の場合には、図9に示す場合に対し、第1モータ21側と第2モータ22側とで回転数の関係を逆にする場合であっても、図9に示す場合と同様に、各モータのトルク指令値の最初の変化の段階でも、応答遅れをほとんど発生させずに2つのサンギアS1,S2の回転数差Δωを所望値につけることができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
例えば、上記では、遊星機構24に入力歯車対34,36を介して第1モータ21及び第2モータ22から動力を伝達する場合を説明したが、遊星機構24の第1サンギアS1及び第2サンギアS2に、直接に第1モータ21及び第2モータ22から動力を伝達する構成としてもよい。この場合、回転角度差及び回転数差のそれぞれは、第1モータ21及び第2モータ22の回転角度差及び回転数差となる。
10 制御装置、12 目標値取得部、14 トルク指令値導出部、16 補正部、20 合流システム、21 第1モータ、22 第2モータ、24 遊星機構。

Claims (5)

  1. 遊星機構について、第1モータ側のトルクと第2モータ側のトルクを前記遊星機構で合流させて出力トルクを得る合流システムを備える車両を制御する制御装置であって、
    前記遊星機構における前記第1モータ側の回転運動と前記第2モータ側の回転運動との回転運動差の目標値と前記出力トルクの目標値を取得する目標値取得部と、
    前記合流システムに対応した運動モデルの逆モデルを利用することにより、前記回転運動差の目標値と前記出力トルクの目標値を両立させる前記第1モータの補正前トルク指令値と前記第2モータの補正前トルク指令値を導出する指令値導出部と、
    前記第1モータ及び前記第2モータの補正前トルク指令値を、前記第1モータ及び前記第2モータにより前記遊星機構を差動させるために必要な差動時起動トルクの前記第1モータのトルク変化分と前記第2モータのトルク変化分とで、前記回転運動差の目標値の正負に応じて補正して、前記第1モータのトルク指令値と前記第2モータのトルク指令値を導出する補正部と、
    を有する、
    車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記指令値導出部は、前記合流システム内の運動に対応した運動方程式から得られる前記運動モデルの逆モデルを利用して前記第1モータと前記第2モータの2つのトルク指令値を導出する、
    車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両の制御装置において、
    前記指令値導出部は、前記第1モータのトルクと前記第2モータのトルクから前記回転運動差と前記出力トルクを得る前記運動モデルについての逆モデルを利用する、
    車両の制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両の制御装置において、
    前記指令値導出部は、前記回転運動差と前記出力トルクの2つの目標値から、前記運動モデルに対応した行列の逆行列を用いた演算により、前記第1モータと前記第2モータの2つのトルク指令値を算出する、
    車両の制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両の制御装置において、
    前記回転運動差の実測値をフィードバックして前記第1モータと前記第2モータの2つのトルク指令値を導出することにより、前記回転運動差の実測値が目標値に追従するように制御する、
    車両の制御装置。
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