上記の概要及び以下の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものにすぎず、特許請求される実施形態を限定するものではないことを理解すべきである。本明細書において、単数形の使用は、別途具体的に記述されない限り、複数形を含む。本明細書において使用される「又は」の使用は、別途記述されない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「含んでいる」並びに他の形態、例えば「含む」及び「含まれる」の使用は限定的ではない。
本明細書において使用されるセクションの見出しは、構成目的のものにすぎず、記載される主題を限定するものと解釈すべきではない。本出願において引用される全ての文献又は文献の一部、例として、限定されるものではないが、特許、特許出願、論説、書籍、論文、並びにGenBank及びNCBIリファレンス配列記録は、参照により、本明細書において考察される文献の一部について及び全体として本明細書に明示的に組み込まれる。
本明細書に収載される実施例におけるそれぞれの配列番号に記載される配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、又は核酸塩基へのいかなる修飾からも独立していることが理解される。したがって、配列番号により定義される化合物は、独立して、糖部分、ヌクレオシド間結合、又は核酸塩基への1個以上の修飾を含み得る。ION/ISIS番号により記載される化合物は、核酸塩基配列、化学修飾、及びモチーフの組合せを示す。
定義
別途示されない限り、以下の用語は、以下の意味を有する:
「2’-デオキシヌクレオシド」は、天然存在デオキシリボ核酸(DNA)中に見出される2’-H(H)フラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態において、2’-デオキシヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み得、又はRNA核酸塩基(ウラシル)を含み得る。
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOEとも称される)は、リボシル環の2’-OH基に代わる2’-O(CH2)2-OCH3)を指す。2’-O-メトキシエチル修飾糖は、修飾糖である。
「2’-MOEヌクレオシド」(2’-O-メトキシエチルヌクレオシドとも称される)は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
「2’-置換ヌクレオシド」又は「2-修飾ヌクレオシド」は、2’-置換又は2’-修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書において使用される糖部分に関する「2’-置換」又は「2-修飾」は、H又はOH以外の少なくとも1個の2’-置換基を含む糖部分を意味する。
「3’標的部位」は、特定の化合物の最も3’側のヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
「5’標的部位」は、特定の化合物の最も5’側のヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
「5-メチルシトシン」は、5位に付着されているメチル基を有するシトシンを意味する。
「約」は、値の±10%以内を意味する。例えば、「化合物がAPOL1の約70%の阻害をもたらした」と記述される場合、APOL1レベルが60%及び80%の範囲内で阻害されることが意味される。
「投与」又は「投与すること」は、本明細書に提供される化合物又は組成物を個体に導入してその目的の機能を実施する経路を指す。使用することができる投与経路の一例としては、限定されるものではないが、非経口投与、例えば皮下、静脈内、又は筋肉内注射又は注入が挙げられる。
「同時に投与する」又は「併用投与」は、両方の薬理学的効果が患者において顕在化される任意の様式での2つ以上の化合物の投与を意味する。同時投与は、両方の化合物を単一の医薬組成物中で、同一の剤形中で、同一の投与経路により、又は同時に投与することを要求しない。両方の化合物の効果は、同時にそれら自体顕在化することを必要としない。効果は、一定期間の重複を必要とするにすぎず、同一の広がりである必要はない。同時投与又は併用投与は、並行又は連続投与を包含する。
「改善」は、関連疾患、障害、又は病態の少なくとも1つの指標、徴候、又は症状の改善又は緩和を指す。特定の実施形態において、改善としては、病態又は疾患の1つ以上の指標の進行又は重症度の遅滞化又は減速が挙げられる。指標の進行又は重症度は、当業者に公知の主観的又は客観的尺度により決定することができる。
「動物」は、ヒト又は非ヒト動物、例として、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、及び非ヒト霊長類、例として、限定されるものではないが、サル及びチンパンジーを指す。
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する任意の検出可能及び/又は計測可能な活性を意味する。特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的に対するアンチセンス化合物の不存在下の標的核酸レベル又は標的タンパク質レベルと比較した、標的核酸又はそのような標的核酸によりコードされるタンパク質の量又は発現の減少である。
「アンチセンス化合物」は、オリゴヌクレオチド及び任意選択的に1個以上の追加の特徴部、例えばコンジュゲート基又は末端基を含む化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、一本鎖及び二本鎖化合物、例えばオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有を基礎とする(occupancy-based)化合物が挙げられる。
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の不存在下の標的核酸レベルと比較した、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの低減を意味する。
「アンチセンス機序」は、ハイブリダイゼーションのアウトカム又は効果が、例えば転写又はスプライシングを含む細胞機構が付随的に失速する標的分解又は標的占有のいずれかである、化合物と標的核酸とのハイブリダイゼーションを含む全ての機序である。
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸又はその領域若しくはセグメントに相補的な核酸塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸又はその領域若しくはセグメントに特異的にハイブリダイズ可能である。
「APOL1」は、APOL1の任意の核酸又はタンパク質を意味する。「APOL1核酸」は、APOL1をコードする任意の核酸を意味する。例えば、特定の実施形態において、APOL1核酸としては、APOL1をコードするDNA配列、APOL1をコードするDNA(例として、イントロン及びエクソンを含むゲノムDNA)から転写されたRNA配列、及びAPOL1をコードするmRNA配列が挙げられる。「APOL1 mRNA」は、APOL1タンパク質をコードするmRNAを意味する。標的は、大文字又は小文字のいずれかで称することができる。
「APOL1特異的阻害剤」は、APOL1 RNA及び/又はAPOL1タンパク質の発現又は活性を分子レベルにおいて特異的に阻害し得る任意の薬剤を指す。例えば、APOL1特異的阻害剤としては、APOL1 RNA及び/又はAPOL1タンパク質の発現を阻害し得る核酸(例として、アンチセンス化合物)、ぺプチド、抗体、小分子、及び他の薬剤が挙げられる。
「二環式ヌクレオシド」又は「BNA」は、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。「二環式糖」又は「二環式糖部分」は、2個の環を含む修飾糖部分(第2の環が、第1の環中の原子の2個を連結する架橋を介して形成されており、それにより、二環構造を形成している)を意味する。特定の実施形態において、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態において、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
「分枝鎖基」は、少なくとも3個の基への共有結合を形成し得る少なくとも3つの位置を有する原子団を意味する。特定の実施形態において、分枝鎖基は、コンジュゲートリンカー及び/又は開裂可能部分を介してテザー化リガンドをオリゴヌクレオチドに連結するための複数の反応性部位を提供する。
「細胞標的化部分」は、1つ又は複数の特定の細胞タイプに結合し得るコンジュゲート基又はコンジュゲート基の一部を意味する。
「cEt」又は「拘束エチル」は、二環式糖の第2の環が4’-炭素及び2’-炭素を連結する架橋を介して形成されるリボシル二環式糖部分(架橋は、式:4’-CH(CH3)-O-2’を有し、架橋のメチル基は、S立体配置である)を意味する。
「cEtヌクレオシド」は、cEt修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
化合物中の「化学修飾」は、そのような単位の元の状態に対するその化合物中の単位のいずれかの、化学反応を介した置換又は変化を説明する。「修飾ヌクレオシド」は、修飾糖部分及び/又は修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオシドを意味する。「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖、及び/又は修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
「化学的に区別される領域」は、ある意味で同一の化合物の別の領域と化学的に異なる化合物の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾を有さないヌクレオチドを有する領域と化学的に区別される。
「キメラアンチセンス化合物」は、それぞれの位置が複数の下位単位を有する少なくとも2個の化学的に区別される領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
「開裂可能結合」は、分割され得る任意の化学結合を意味する。特定の実施形態において、開裂可能結合は、アミド、ポリアミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方又は両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、ジスルフィド、又はペプチドの中から選択される。
「開裂可能部分」は、生理学的条件下において例えば細胞、動物、又はヒト内部で開裂される結合又は原子団を意味する。
オリゴヌクレオチドに関する「相補的」は、そのようなオリゴヌクレオチド又はその1個以上の領域の核酸塩基配列が、別のオリゴヌクレオチド又は核酸又はその1個以上の領域の核酸塩基配列に、これら2個の核酸塩基配列を逆方向にアラインした場合にマッチすることを意味する。本明細書に記載の核酸塩基マッチ又は相補的核酸塩基は、別途規定されない限り、以下の対:アデニン(A)及びチミン(T)、アデニン(A)及びウラシル(U)、シトシン(C)及びグアニン(G)、並びに5-メチルシトシン(mC)及びグアニン(G)に限定される。相補的オリゴヌクレオチド及び/又は核酸は、それぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基相補性を有することを必要とせず、1個以上の核酸塩基ミスマッチを含み得る。対照的に、オリゴヌクレオチドに関する「完全に相補的」又は「100%相補的」は、そのようなオリゴヌクレオチドがいかなる核酸塩基ミスマッチも有さずにそれぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基マッチを有することを意味する。
「コンジュゲート基」は、オリゴヌクレオチドに付着されている原子団を意味する。コンジュゲート基としては、コンジュゲート部分及びコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに付着させるコンジュゲートリンカーが挙げられる。
「コンジュゲートリンカー」は、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに連結する少なくとも1個の結合を含む原子団を意味する。
「コンジュゲート部分」は、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに付着されている原子団を意味する。
オリゴヌクレオチドに関する「連続」は、互いに直接隣接しているヌクレオシド、核酸塩基、糖部分、又はヌクレオシド間結合を指す。例えば、「連続核酸塩基」は、配列内で互いに直接隣接している核酸塩基を意味する。
「設計すること」又は「~するように設計される」は、選択核酸分子と特異的にハイブリダイズする化合物を設計するプロセスを指す。
「希釈剤」は、薬理学的活性を欠くが、薬学的に必要であり、又は所望される組成物中の成分を意味する。例えば、注射組成物中の希釈剤は、液体、例えば、生理食塩水溶液であり得る。
「示差的に修飾されている」は、修飾の不存在を含む、互いに異なる化学修飾又は化学置換基を意味する。したがって、例えば、MOEヌクレオシド及び非修飾DNAヌクレオシドは、DNAヌクレオシドが非修飾であっても、「示差的に修飾されている」。同様に、DNA及びRNAは、両方が天然存在の非修飾ヌクレオシドであっても、「示差的に修飾されている」。異なる核酸塩基を含むことを除いて同一であるヌクレオシドは、示差的に修飾されていない。例えば、2’-OMe修飾糖及び非修飾アデニン核酸塩基を含むヌクレオシドと、2’-OMe修飾糖及び非修飾チミン核酸塩基を含むヌクレオシドとは、示差的に修飾されていない。
「用量」は、単一投与において、又は規定の期間において提供される化合物又は医薬剤の規定の量を意味する。特定の実施形態において、用量は、2つ以上のボーラス、錠剤、又は注射において投与することができる。例えば、特定の実施形態において、皮下投与が所望される場合、所望の用量は、単一注射により容易に収容されない容量を要求し得る。このような実施形態において、2回以上の注射を使用して所望の用量を達成することができる。特定の実施形態において、用量は、2回以上の注射において投与して個体における注射部位反応を最小化することができる。他の実施形態において、化合物又は医薬剤は、長期間にわたり又は継続的に注入により投与される。用量は、1時間、1日、1週間又は1ヵ月当たりの医薬剤の量として記述することができる。
「投与レジメン」は、1つ以上の所望の効果を達成するために設計される用量の組合せである。
「二本鎖アンチセンス化合物」は、互いに相補的であり、二本鎖を形成する2つのオリゴマー化合物を含むアンチセンス化合物であって、前記2つのオリゴマー化合物の一方は、オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物を意味する。
「有効量」は、化合物が必要とされる個体における所望の薬理学的アウトカムをもたらすために十分な化合物の量を意味する。有効量は、治療される個体の健康及び体調、治療される個体の分類群、組成物の配合、個体の医学的状態の評価、並びに他の関連因子に応じて個体間で変動し得る。
「効力」は、所望の効果を生じさせる能力を意味する。
「発現」は、遺伝子のコード情報が、細胞中に存在し、細胞中で作動する構造に変換される全ての機能を含む。このような構造としては、限定されるものではないが、転写及び翻訳の産物が挙げられる。
「ギャップマー」は、1個以上のヌクレオシドを有する外部領域間に位置するRNアーゼH開裂を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域を含むオリゴヌクレオチドであって、内部領域を含むヌクレオシドは、外部領域を含む1個又は複数のヌクレオシドと化学的に区別される、オリゴヌクレオチドを意味する。内部領域は、「ギャップ」と称することができ、外部領域は、「ウイング」と称することができる。
「ハイブリダイゼーション」は、オリゴヌクレオチド及び/又は核酸のアニーリングを意味する。特定の機序に限定されない一方、ハイブリダイゼーションの最も一般的な機序は、相補的核酸塩基間のワトソン・クリック、フーグスティーン又は逆フーグスティーン型水素結合であり得る水素結合を含む。特定の実施形態において、相補的核酸分子としては、限定されるものではないが、アンチセンス化合物及び核酸標的が挙げられる。特定の実施形態において、相補的核酸分子としては、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド及び核酸標的が挙げられる。
「直接隣接している」は、直接隣接している同一種類の要素間に介在要素が存在しないことを意味する(例えば、直接隣接している核酸塩基間に介在核酸塩基が存在しない)。
「個体」は、治療又は治療法のために選択されるヒト又は非ヒト動物を意味する。
「発現又は活性を阻害すること」は、非処理又は対照試料中の活性の発現に対する発現又は活性の低減又は遮断を指し、必ずしも発現又は活性の完全な排除を示すものではない。
「ヌクレオシド間結合」は、オリゴヌクレオチド中の隣接ヌクレオシド間の共有結合を形成する基又は結合を意味する。「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然存在のホスフェートヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。非ホスフェート結合は、本明細書において修飾ヌクレオシド間結合と称される。
「延長オリゴヌクレオチド」は、本明細書に開示のオリゴヌクレオチド、例えば親オリゴヌクレオチドに対する1個以上の付加ヌクレオシドを有するものである。
「結合ヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合により一緒に結合している隣接ヌクレオシドを意味する。
「リンカー-ヌクレオシド」は、オリゴヌクレオチドをコンジュゲート部分に結合するヌクレオシドを意味する。リンカー-ヌクレオシドは、化合物のコンジュゲートリンカー内に位置する。リンカー-ヌクレオシドは、それらがオリゴヌクレオチドと連続的である場合でも化合物のオリゴヌクレオチドの一部の成分とみなされない。
「ミスマッチ」又は「非相補的」は、第1及び第2のオリゴヌクレオチドをアラインした場合、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸の対応する核酸塩基に相補的でない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基を意味する。例えば、核酸塩基、例として、限定されるものではないが、ユニバーサル核酸塩基、イノシン、及びヒポキサンチンは、少なくとも1個の核酸塩基とハイブリダイズし得るが、それがハイブリダイズした核酸塩基に対して依然としてミスマッチ又は非相補的である。別の例として、第1及び第2のオリゴヌクレオチドをアラインした場合、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸の対応する核酸塩基にバイブリダイズし得ない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基は、ミスマッチ又は非相補的核酸塩基である。
「モジュレートすること」は、細胞、組織、臓器又は生物中の特徴を変化させ、又は調整することを指す。例えば、APOL1 RNAをモジュレートすることは、細胞、組織、臓器又は生物中のAPOL1 RNA及び/又はAPOL1タンパク質のレベルを増加又は減少させることを意味し得る。「モジュレーター」は、細胞、組織、臓器又は生物中の変化をもたらす。例えば、APOL1化合物は、細胞、組織、臓器又は生物中のAPOL1 RNA及び/又はAPOL1タンパク質の量を減少させるモジュレーターであり得る。
「MOE」は、メトキシエチルを意味する。
「モノマー」は、オリゴマーの単一単位を指す。モノマーとしては、限定されるものではないが、ヌクレオシド及びヌクレオチドが挙げられる。
「モチーフ」は、オリゴヌクレオチド中の非修飾及び/若しくは修飾糖部分、核酸塩基、並びに/又はヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
「天然」又は「天然存在」は、天然で見出されるものを意味する。
「非二環式修飾糖」又は「非二環式修飾糖部分」は、第2の環を形成するための糖の2個の原子間の架橋を形成しない修飾、例えば置換基を含む修飾糖部分を意味する。
「核酸」は、モノマーヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸としては、限定されるものではないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、及び二本鎖核酸が挙げられる。
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対合し得る複素環式部分を意味する。本明細書において使用される「天然存在の核酸塩基」は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、及びグアニン(G)である。「修飾核酸塩基」は、化学修飾されている天然存在の核酸塩基である。「ユニバーサル塩基」又は「ユニバーサル核酸塩基」は、天然存在の核酸塩基及び修飾核酸塩基以外の核酸塩基であり、任意の核酸塩基と対合し得る。
「核酸塩基配列」は、いかなる糖又はヌクレオシド間結合からも独立した核酸又はオリゴヌクレオチド中の連続核酸塩基の順序を意味する。
「ヌクレオシド」は、核酸塩基及び糖部分を含む化合物を意味する。核酸塩基及び糖部分は、それぞれ独立して、非修飾であるか又は修飾されている。「修飾ヌクレオシド」は、修飾核酸塩基及び/又は修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。修飾ヌクレオシドとしては、核酸塩基を欠く脱塩基ヌクレオシドが挙げられる。
「オリゴマー化合物」は、単一オリゴヌクレオチド及び任意選択的に1個以上の追加の特徴部、例えばコンジュゲート基又は末端基を含む化合物を意味する。
「オリゴヌクレオチド」は、互いに独立してそれぞれが修飾又は非修飾であり得る結合ヌクレオシドのポリマーを意味する。別途示されない限り、オリゴヌクレオチドは、8~80個の結合ヌクレオシドからなる。「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1個の糖、核酸塩基、又はヌクレオシド間結合が修飾されているオリゴヌクレオチドを意味する。「非修飾オリゴヌクレオチド」は、いかなる糖修飾も、核酸塩基修飾も、ヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。
「親オリゴヌクレオチド」は、配列が、異なる長さ、モチーフ、及び/又は化学構造を除いて類似する配列のより多くのオリゴヌクレオチドのための設計の基礎として使用されるオリゴヌクレオチドを意味する。新たに設計されるオリゴヌクレオチドは、親オリゴヌクレオチドと同一の又は重複する配列を有し得る。
「非経口投与」は、注射又は注入を介する投与を意味する。非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、又は頭蓋内投与、例えば鞘内若しくは脳室内投与が挙げられる。
「薬学的に許容可能な担体又は希釈剤」は、個体への投与における使用に好適な任意の物質を意味する。例えば、薬学的に許容可能な担体は、滅菌水溶液、例えばPBS又は注射水であり得る。
「薬学的に許容可能な塩」は、生理学的及び薬学的に許容可能な化合物、例えばオリゴマー化合物又はオリゴヌクレオチドの塩、すなわち親化合物の所望の生物学的活性を保持し、不所望な毒性効果を付与しない塩を意味する。
「医薬剤」は、個体に投与した場合に治療上の利益を提供する化合物を意味する。
「医薬組成物」は、個体への投与に好適な物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、1つ以上の化合物又はその塩及び滅菌水溶液を含み得る。
「ホスホロチオエート結合」は、非架橋酸素原子の1個が硫黄原子により置き換えられている修飾ホスフェート結合を意味する。ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
「リン部分」は、リン原子を含む原子団を意味する。特定の実施形態において、リン部分は、モノ、ジ、若しくはトリホスフェート、又はホスホロチオエートを含む。
「一部」は、核酸の規定数の連続(すなわち結合)核酸塩基を意味する。特定の実施形態において、一部は、標的核酸の規定数の連続塩基である。特定の実施形態において、一部は、オリゴマー化合物の規定数の連続核酸塩基である。
「予防する」は、疾患、障害、又は病態の発症、発生又は進行を数分間の期間から無期限で遅滞化するか又は阻止することを指す。
「プロドラッグ」は、個体に投与した場合に体内又はその細胞内で別の形態に代謝される体外の形態の化合物を意味する。特定の実施形態において、代謝形態は、化合物(例えば、薬物)の活性又はより活性の形態である。典型的には、体内のプロドラッグの変換は、細胞若しくは組織中に存在する酵素(例えば、内因性又はウイルス酵素)又は化学物質の作用により、及び/又は生理学的条件により容易にされる。
「低減させる」は、より小さい程度、サイズ、量、又は数に減らすことを意味する。
「RefSeq番号」は、配列が特定の標的転写産物(例えば、標的遺伝子)についてのものであることを示すために配列に割り当てられる文字及び数字の固有の組合せである。標的遺伝子に関するこのような配列及び情報(まとめて遺伝子記録)は、遺伝子配列データベースに見出すことができる。遺伝子配列データベースとしては、NCBI参照配列(NCBI Reference Sequence)データベース、GenBank、欧州ヌクレオチドアーカイブ(European Nucleotide Archive)、及び日本DNAデータバンク(DNA Data Bank of Japan)(最後の3つは、国際ヌクレオチド配列データベース共同体(International Nucleotide Sequence Database Collaboration)又はINSDCを構成する)が挙げられる。
「領域」は、少なくとも1つの識別可能な構造、機能、又は特徴を有する標的核酸の一部として定義される。
「RNAi化合物」は、少なくとも部分的に、RISC又はAgo2を介するが、RNアーゼHを介さずに作用して標的核酸及び/又は標的核酸によりコードされるタンパク質をモジュレートするアンチセンス化合物を意味する。RNAi化合物としては、限定されるものではないが、二本鎖siRNA、一本鎖RNA(ssRNA)、及びマイクロRNA、例としてマイクロRNA模倣体が挙げられる。
「セグメント」は、核酸内の領域のより小さい又は下位の一部として定義される。
「副作用」は、所望の効果以外の治療に起因する生理学的疾患及び/又は病態を意味する。特定の実施形態において、副作用としては、注射部位反応、腎機能試験異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、ミオパシー、及び倦怠感が挙げられる。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝毒性又は肝機能異常を示し得る。例えば、ビリルビンの増加は、肝毒性又は肝機能異常を示し得る。
化合物に関する「一本鎖」は、化合物が1本のオリゴヌクレオチドのみを有することを意味する。「自己相補的」は、少なくとも部分的にそれ自体にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。1個のオリゴヌクレオチドからなり、オリゴヌクレオチドが自己相補的である化合物は、一本鎖化合物である。一本鎖化合物は、相補的化合物に結合して二本鎖を形成し得る。
「部位」は、標的核酸内のユニークな核酸塩基位置と定義される。
「特異的にハイブリダイズ可能」は、所望の効果を誘導するためのオリゴヌクレオチドと標的核酸との間の十分な相補性の程度を有する一方、非標的核酸への最小の効果を示すか、又はその効果を示さないオリゴヌクレオチドを指す。特定の実施形態において、特異的ハイブリダイゼーションは生理学的条件下で生じる。
標的核酸に関して「特異的に阻害する」は、標的核酸の発現を低減させるか又は遮断する一方、非標的核酸の低減に対するより小さい効果を示し、最小の効果を示すか、又はその効果を示さない。低減は、必ずしも標的核酸発現の完全な排除を示さない。
「標準的細胞アッセイ」は、実施例に記載のアッセイ及びその妥当な変法を意味する。
「標準的インビボ実験」は、実施例に記載の手順及びその妥当な変法を意味する。
同一分子式の分子の集団に関する「ステレオランダム(stereorandom)キラル中心」は、ランダムな立体化学配置を有するキラル中心を意味する。例えば、ステレオランダムキラル中心を含む分子の集団において、ステレオランダムキラル中心の(S)立体配置を有する分子の数はステレオランダムキラル中心の(R)立体配置を有する分子の数と同一であり得るが、必ずしもそうとは限らない。キラル中心の立体化学配置は、それが立体化学配置を制御するために設計されない合成法の結果である場合にランダムとみなされる。特定の実施形態において、ステレオランダムキラル中心は、ステレオランダムホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
「糖部分」は、非修飾糖部分又は修飾糖部分を意味する。「非修飾糖部分」又は「非修飾糖」は、RNA中に見出される2’-OH(H)リボシル部分(「非修飾RNA糖部分」)、又はDNA中に見出される2’-H(H)部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。「修飾糖部分」又は「修飾糖」は、修飾フラノシル糖部分又は糖代替物を意味する。「修飾フラノシル糖部分」は、非修飾糖部分の少なくとも1個の水素又はヒドロキシルの代わりに非水素置換基を含むフラノシル糖を意味する。特定の実施形態において、修飾フラノシル糖部分は、2’-置換糖部分である。このような修飾フラノシル糖部分としては、二環式糖及び非二環式糖が挙げられる。
「糖代替物」は、核酸塩基をオリゴヌクレオチド中の別の基、例えばヌクレオシド間結合、コンジュゲート基、又は末端基に結合させ得るフラノシル部分以外のものを有する修飾糖部分を意味する。糖代替物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つ以上の位置に取り込むことができ、このようなオリゴヌクレオチドは、相補的化合物又は核酸にハイブリダイズし得る。
「相乗作用」又は「相乗作用する」は、同一用量におけるそれぞれの構成成分単独の効果の相加よりも大きい組合せの効果を指す。
「標的遺伝子」は、標的をコードする遺伝子を指す。
「標的化すること」は、所望の効果を誘導するための、標的核酸への化合物の特異的ハイブリダイゼーションを意味する。
「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写物」及び「核酸標的」は、全て、本明細書に記載の化合物により標的化され得る核酸を意味する。
「標的領域」は、1つ以上のアンチセンス化合物が標的化される標的核酸の一部を意味する。
「標的セグメント」は、化合物が標的化される標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
「末端基」は、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合している化学基又は原子団を意味する。
「治療有効量」は、治療上の利益を個体に提供する化合物、医薬剤、又は組成物の量を意味する。
「治療する」は、化合物又は医薬組成物を動物に投与してその動物における疾患、障害、又は病態の変動又は改善をもたらすことを指す。
特定の実施形態
特定の実施形態は、APOL1(APOL1)発現を阻害するための方法、化合物及び組成物を提供する。
特定の実施形態は、APOL1核酸に標的化される化合物を提供する。特定の実施形態において、APOL1核酸は、RefSeq又はGENBANKアクセッション番号NM_003661.3(参照により組み込まれる、配列番号1として本明細書に開示される)、ヌクレオチド15986452から16001905までトランケートされたNT_011520.9(配列番号2)、NM_001136541.1(配列番号3)、NM_001136540.1(配列番号4)、NM_145343.2(配列番号5)、DC339680.1(配列番号6)、AK309143.1(配列番号7)、ヌクレオチド17543446から17543655までトランケートされたNT_011520.13(配列番号8)、又はヌクレオチド36250001から36271000までトランケートされたNC_000022.11(配列番号9)に記載の配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。
特定の実施形態は、8~80個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態は、12~80個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも12個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、16個の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。
特定の実施形態は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。
特定の実施形態は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。
特定の実施形態において、化合物は、APOL1核酸のヌクレオチド5849~5907、5853~5869、5855~5873、8145~8180、8168~8216、8306~8321、8320~8338、8723~8847、8743~8760、8829~8847、8755~8840、14342~14390、及び14342~14370を標的化する。特定の実施形態において、化合物は、配列番号2の核酸塩基配列を有するAPOL1核酸のヌクレオチド5849~5907、5853~5869、5855~5873、8145~8180、8168~8216、8306~8321、8320~8338、8723~8847、8743~8760、8829~8847、8755~8840、14342~14390、及び14342~14370内で標的化する。特定の実施形態において、化合物は、配列番号2の核酸塩基配列を有するAPOL1核酸のヌクレオチド5849~5907、5853~5869、5855~5873、8145~8180、8168~8216、8306~8321、8320~8338、8723~8847、8743~8760、8829~8847、8755~8840、14342~14390、及び14342~14370内の等しい長さの一部と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基の一部を有する。特定の実施形態において、これらの化合物は、アンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドである。
特定の実施形態において、化合物は、核酸塩基5849~5907、5853~5869、5855~5873、8145~8180、8168~8216、8306~8321、8320~8338、8723~8847、8743~8760、8829~8847、8755~8840、14342~14390、及び14342~14370内の配列番号2の核酸塩基配列を有するAPOL1核酸の領域を標的化する。特定の実施形態において、化合物は、上記核酸塩基領域内の少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基を標的化する。特定の実施形態において、これらの化合物は、アンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、12~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号2のヌクレオチド5854~5869、5855~5870、8164~8179、8306~8321、8321~8336、8744~8759、8829~8844、又は14342~14357内の相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、12~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基の一部を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、12~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。
特定の実施形態において、上記修飾オリゴヌクレオチドのいずれも少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1個の修飾糖、及び/又は少なくとも1個の修飾核酸塩基を含む。
特定の実施形態において、上記修飾オリゴヌクレオチドのいずれも少なくとも1個の修飾糖を含む。特定の実施形態において、少なくとも1個の修飾糖は、2’-O-メトキシエチル基を含む。特定の実施形態において、少なくとも1個の修飾糖は、二環式糖、例えば4’-CH(CH3)-O-2’基、4’-CH2-O-2’基、又は4’-(CH2)2-O-2’基である。
特定の実施形態において、修飾糖は、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合、例えばホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。
特定の実施形態において、上記修飾オリゴヌクレオチドのいずれも少なくとも1個の修飾核酸塩基、例えば5-メチルシトシンを含む。
特定の実施形態において、上記修飾オリゴヌクレオチドのいずれも、
結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント、及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~80個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つに記載の配列を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つに記載の配列を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つに記載の配列からなる核酸塩基配列を有する。
特定の実施形態において、化合物は、配列番号13、1095、1730、76、1326、及び81のいずれか1つに記載の配列を含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合核酸塩基長である修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは、
10個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
3個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’及び3’ウイングセグメントは、cEtヌクレオシドを含み;それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~80個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164及び1925のいずれか1つに記載の配列を含むか又はそれからなる核酸塩基配列を有する、16~30個の結合核酸塩基長である修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは、
9個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し;5’ウイングセグメントは、cEtヌクレオシドを含み;3’ウイングセグメントは、5’から3’方向のcEtヌクレオシド、cEtヌクレオシド、cEtヌクレオシド、及び2’-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み;それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164に記載の配列を含むか又はそれからなる核酸塩基配列を有する、16~30個の結合核酸塩基長である修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは、
9個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し;5’ウイングセグメントは、cEtヌクレオシドを含み;3’ウイングセグメントは、5’から3’方向のcEtヌクレオシド、cEtヌクレオシド、cEtヌクレオシド、及び2’-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み;それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシド長である。
特定の実施形態において、化合物は、以下の式Tks Tks Tks Tds Gds Tds Ads Ads Gds Tds Gds mCds Aks Aks mCks mCeを含むか又はそれからなり、式中、
A=アデニン、
mC=5-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-メトキシエチル修飾ヌクレオシド、
k=cEt修飾ヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、及び
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
特定の実施形態において、化合物は、以下の化学構造:
を有するION972190又はその塩を含むか又はそれからなる。
特定の実施形態において、化合物は、以下の化学構造:
を有するION972190のナトリウム塩を含むか又はそれからなる。
上記実施形態のいずれにおいても、化合物又はオリゴヌクレオチドは、APOL1をコードする核酸に少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%相補的であり得る。
上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、化合物は、デオキシリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖であり、リボヌクレオチドを含む。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、8~80、10~30、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、又は20~30個の結合ヌクレオシド長であり得る。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。
特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物又は組成物は、修飾オリゴヌクレオチドの薬学的に許容可能な塩を含む。特定の実施形態において、塩は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、塩は、カリウム塩である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物又は組成物は、食塩水処理動物に対して4倍、3倍、又は2倍以下のアラニントランスアミナーゼ(ALT)若しくはアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)値の増加又は対照処理動物と比較して30%、20%、15%、12%、10%、5%、若しくは2%以下の肝臓、脾臓、若しくは腎臓重量の増加の少なくとも1つを有することにより実証されるとおり、高度に忍容可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物又は組成物は、対照処理動物に対してALTの増加もASTの増加も有さないことにより実証されるとおり、高度に忍容可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物又は組成物は、対照動物に対して肝臓の増加も、脾臓の増加も、腎臓重量の増加も有さないことにより実証されるとおり、高度に忍容可能である。
特定の実施形態は、上記実施形態のいずれかの化合物又は任意の薬学的に許容可能なその塩及び薬学的に許容可能な担体又は希釈剤の少なくとも1つを含む組成物を提供する。特定の実施形態において、組成物は、約40センチポアズ(cP)未満、約30センチポアズ(cP)未満、約20センチポアズ(cP)未満、約15センチポアズ(cP)未満、又は約10センチポアズ(cP)未満の粘度を有する。特定の実施形態において、上記の粘度のいずれかを有する組成物は、本明細書に提供される化合物を約100mg/mL、約125mg/mL、約150mg/mL、約175mg/mL、約200mg/mL、約225mg/mL、約250mg/mL、約275mg/mL、又は約300mg/mLの濃度において含む。特定の実施形態において、上記粘度及び/又は化合物濃度のいずれかを有する組成物は、室温又は約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、又は約30℃の温度を有する。
特定の指標
本明細書に提供される特定の実施形態は、個体におけるAPOL1に関連する疾患の治療、予防、又は改善に有用であり得る、APOL1を標的化する化合物を投与することによってAPOL1発現を阻害する方法に関する。特定の実施形態において、化合物は、APOL1特異的阻害剤であり得る。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドであり得る。
本明細書に提供される方法により治療可能、予防可能、及び/又は改善可能であるAPOL1に関連する疾患の例としては、APOL-1関連腎症、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、ESKD、糸球体損傷、ESRD、動脈腎硬化症、ループス腎炎、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患が挙げられる。
特定の実施形態において、個体におけるAPOL1に関連する疾患を治療、予防、又は改善する方法は、APOL1特異的阻害剤を含む化合物を個体に投与し、それにより疾患を治療、予防、又は改善することを含む。特定の実施形態において、個体は、APOL1に関連する疾患を有するか又は有するリスクがあると同定されている。特定の実施形態において、疾患は、APOL1関連腎症である。特定の実施形態において、APOL1関連腎症は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口投与される。特定の実施形態において、化合物を投与することは、浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、及び腎不全を改善、保存、又は予防する。
特定の実施形態において、浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、及び腎不全を治療、予防、又は改善する方法は、APOL1特異的阻害剤を含む化合物を個体に投与し、それにより浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、及び腎不全を治療、予防、又は改善することを含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口投与される。特定の実施形態において、化合物を投与することは、浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、及び腎不全を改善、保存、又は予防する。特定の実施形態において、個体は、APOL1に関連する疾患を有するか又は有するリスクがあると同定されている。
特定の実施形態において、APOL1に関連する疾患を有するか又は有するリスクがある個体におけるAPOL1の発現を阻害する方法は、APOL1特異的阻害剤を含む化合物を個体に投与し、それにより個体におけるAPOL1の発現を阻害することを含む。特定の実施形態において、化合物を投与することは、腎臓中でのAPOL1の発現を阻害する。特定の実施形態において、疾患は、APOL1関連腎症である。特定の実施形態において、APOL1関連腎症は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、個体は、浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、又は腎不全、又はそれらの症状の組合せを有するか又は有するリスクがある。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長さであり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長さであり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口投与される。特定の実施形態において、化合物を投与することは、浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、及び腎不全を改善、保存、又は予防する。
特定の実施形態において、細胞中でのAPOL1の発現を阻害する方法は、細胞を、APOL1特異的阻害剤を含む化合物と接触させ、それにより細胞中でのAPOL1の発現を阻害することを含む。特定の実施形態において、細胞は、糸球体である。特定の実施形態において、細胞は、腎臓中にある。特定の実施形態において、細胞は、APOL1関連腎症を有するか又は有するリスクがある個体の腎臓中にある。特定の実施形態において、APOL1関連腎症は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
特定の実施形態において、APOL1に関連する疾患を有するか又は有するリスクがある個体の腎臓中の浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、又は腎不全を低減又は阻害する方法は、APOL1特異的阻害剤を含む化合物を個体に投与し、それにより個体における浮腫、タンパク尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、又は腎不全を低減又は阻害することを含む。特定の実施形態において、個体は、APOL1関連腎症を有するか又は有するリスクがある。特定の実施形態において、APOL1関連腎症は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口投与される。特定の実施形態において、個体は、APOL1に関連する疾患を有するか又は有するリスクがあると同定されている。
特定の実施形態は、APOL1に関連する疾患の治療に使用されるAPOL1特異的阻害剤を含む化合物を対象とする。特定の実施形態において、疾患は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、又は他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患である。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口投与される。
特定の実施形態は、APOL1関連腎症を有するか又は有するリスクがある個体における浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、又は腎不全の低減又は阻害に使用されるAPOL1特異的阻害剤を含む化合物を対象とする。特定の実施形態において、APOL1関連腎症は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
特定の実施形態は、APOL1に関連する疾患を治療するための医薬品の製造又は調製のための、APOL1特異的阻害剤を含む化合物の使用を対象とする。特定の実施形態は、APOL1に関連する疾患を治療するための医薬品の調製のための、APOL1特異的阻害剤を含む化合物の使用を対象とする。特定の実施形態において、疾患は、APOL1関連腎症である。特定の実施形態において、疾患は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
特定の実施形態は、APOL1に関連するAPOL1関連腎症を有するか又は有するリスクがある個体における浮腫、タンパク尿、アルブミン尿、GFR低下、高脂質レベル、高コレステロールレベル、ネフローゼ症候群、高い血圧又は高血圧、腎損傷、糸球体損傷、又は腎不全を低減又は阻害するための医薬品の製造又は調製のための、APOL1特異的阻害剤を含む化合物の使用を対象とする。特定の実施形態において、APOL1関連腎症は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態は、APOL1に関連する疾患を治療するための医薬品の調製のための、APOL1特異的阻害剤を含む化合物の使用を対象とする。特定の実施形態において、疾患は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、虚脱性腎症、CKD、高血圧に起因する腎症、HIV関連腎症、鎌状赤血球腎症、動脈腎硬化症、ループス腎炎、ESKD、及び他の形態のAPOL1関連タンパク尿疾患の1つである。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、APOL1に標的化されるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号1164、13、76、81、1095、1326、1730、及び1925のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163である。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。上記実施形態のいずれにおいても、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、APOL1に標的化することができる。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチド、例えば、8~80個の結合ヌクレオシド長、10~30個の結合ヌクレオシド長、12~30個の結合ヌクレオシド長、又は16個の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1~9に記載の核酸塩基配列のいずれかに少なくとも80%、85%、90%、95%又は100%相補的である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1個の修飾糖及び/又は少なくとも1個の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、修飾糖は、二環式糖又は2’-O-メトキシエチルであり、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントを含み、ギャップセグメントは、5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントに直接隣接して且つそれらの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。
上記実施形態のいずれにおいても、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30、15~30、15~25、15~24、16~24、17~24、18~24、19~24、20~24、19~22、20~22、16~20、又は17若しくは20個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1~9に記載の核酸塩基配列のいずれかに少なくとも80%、85%、90%、95%又は100%相補的である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾糖及び/又は少なくとも1つの修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、修飾糖は、二環式糖又は2’-O-メトキシエチルであり、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントを含み、ギャップセグメントは、5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントに直接隣接して且つそれらの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、配列番号13~1941のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは、
結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、配列番号13、1095、1730、76、1326、及び81のいずれか1つに記載の配列を含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合核酸塩基長である修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは、
10個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3つの結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
3つの結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’及び3’ウイングセグメントは、cEtヌクレオシドを含み;それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、配列番号1164及び1925のいずれか1つに記載の配列を含むか又はそれからなる核酸塩基配列を有する、16~30個の結合核酸塩基長である修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは、
9つの結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3つの結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4つの結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し;5’ウイングセグメントは、cEtヌクレオシドを含み;3’ウイングセグメントは、5’から3’方向のcEtヌクレオシド、cEtヌクレオシド、cEtヌクレオシド、及び2’-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み;それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシド長である。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、以下の化学構造:
を有するION972190又はその塩を含むか又はそれからなる。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、以下の化学構造:
を有するION972190のナトリウム塩を含むか又はそれからなる。
上記方法又は使用のいずれにおいても、化合物は、非経口投与することができる。例えば、特定の実施形態において、化合物は、注射又は注入を介して投与することができる。非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、又は頭蓋内投与、例えば鞘内若しくは脳室内投与が挙げられる。
特定の化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、アンチセンス化合物であり得る。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有する。
特定の実施形態において、化合物又はアンチセンス化合物は、一本鎖である。このような一本鎖化合物又はアンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、このようなオリゴマー化合物は、オリゴヌクレオチド及び任意選択的にコンジュゲート基を含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾されている。特定の実施形態において、一本鎖アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、自己相補的核酸塩基配列を含む。
特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。このような二本鎖化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1の修飾オリゴヌクレオチド及び第1の修飾オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有する第2の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、RNAオリゴヌクレオチドである。このような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド中のチミン核酸塩基は、ウラシル核酸塩基により置き換えられている。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲート基を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの1個がコンジュゲートされている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの両方がコンジュゲートされている。特定の実施形態において、第1の修飾オリゴヌクレオチドがコンジュゲートされている。特定の実施形態において、第2の修飾オリゴヌクレオチドがコンジュゲートされている。特定の実施形態において、第1の修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシド長であり、第2の修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの1個は、配列番号13~1941のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、二本鎖である。このような二本鎖アンチセンス化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1のオリゴマー化合物及び第1のオリゴマー化合物に相補的な領域を有する第2のオリゴマー化合物を含む。このような二本鎖アンチセンス化合物の第1のオリゴマー化合物は、典型的には、修飾オリゴヌクレオチド及び任意選択的にコンジュゲート基を含むか又はそれからなる。このような二本鎖アンチセンス化合物の第2のオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、修飾されていても修飾されていなくてもよい。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物のいずれか又は両方は、コンジュゲート基を含み得る。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物は、非相補的重複ヌクレオシドを含み得る。
一本鎖及び二本鎖化合物の例としては、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド、siRNA、マイクロRNA、標的化オリゴヌクレオチド、及び一本鎖RNAi化合物、例えば小分子ヘアピンRNA(shRNA)、一本鎖siRNA(ssRNA)、及びマイクロRNA模倣体が挙げられる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、5’から3’方向で記述される場合、それが標的化される標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、10~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、12~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、12~22個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、14~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、14~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、15~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、15~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、16~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、16~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、17~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、17~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、18~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、18~21個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、18~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、20~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。換言すると、このようなオリゴヌクレオチドは、それぞれ12~30個の結合サブユニット、14~30個の結合サブユニット、14~20個のサブユニット、15~30個のサブユニット、15~20個のサブユニット、16~30個のサブユニット、16~20個のサブユニット、17~30個のサブユニット、17~20個のサブユニット、18~30個のサブユニット、18~20個のサブユニット、18~21個のサブユニット、20~30個のサブユニット、又は12~22個の結合サブユニット長である。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、14個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、16個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、17個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、18個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、19個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、8~80、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、又は20~30個の結合サブユニットのオリゴヌクレオチドを含む。特定のこのような実施形態において、本明細書に記載の化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、若しくは80個の結合サブユニット長、又は上記値の任意の2つにより定義される範囲のオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、結合サブユニットは、ヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基である。
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドに付着されている追加の特徴部又は要素、例えばコンジュゲート基をさらに含み得る。特定の実施形態において、このような化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、このような化合物は、オリゴマー化合物である。コンジュゲート基がヌクレオシド(すなわちコンジュゲート基をオリゴヌクレオチドに結合させるヌクレオシド)を含む実施形態において、コンジュゲート基のヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さにカウントされない。
特定の実施形態において、化合物は、短縮又はトランケートされていてよい。例えば、単一サブユニットは、5’末端から(5’トランケーション)、或いは3’末端から(3’トランケーション)欠失していてよい。APOL1核酸に標的化される短縮又はトランケート化合物は、化合物の5’末端から2個のサブユニットが欠失していてよく、或いは3’末端から2個のサブユニットが欠失していてよい。或いは、欠失されるヌクレオシドは、化合物全体にわたり分散していてよい。
単一の付加サブユニットが延長化合物中に存在する場合、付加サブユニットは、化合物の5’又は3’末端に局在し得る。2個以上の付加サブユニットが存在する場合、付加サブユニットは、例えば、化合物の5’末端(5’付加)、或いは3’末端(3’付加)に付加された2個のサブユニットを有する化合物中で互いに隣接し得る。或いは、付加サブユニットは、化合物全体にわたり分散していてよい。
活性を排除せずに、化合物、例えばオリゴヌクレオチドの長さを増加若しくは減少させ、及び/又はミスマッチ塩基を導入することが可能である(Woolf et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1992,89:7305-7309;Gautschi et al.J.Natl.Cancer Inst.March 2001,93:463-471;Maher and Dolnick Nuc.Acid.Res.1998,16:3341-3358)。しかしながら、オリゴヌクレオチド配列、化学構造及びモチーフの一見小さい変化は、臨床開発に要求される多くの特性の1つ以上の大きい差異をもたらし得る(Seth et al.J.Med.Chem.2009,52,10;Egli et al.J.Am.Chem.Soc.2011,133,16642)。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、干渉RNA化合物(RNAi)であり、それとしては、二本鎖RNA化合物(短鎖干渉RNA又はsiRNAとも称される)及び一本鎖RNAi化合物(又はssRNA)が挙げられる。このような化合物は、少なくとも部分的に、RISC経路を介して機能して標的核酸を分解及び/又は封鎖する(したがって、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物が挙げられる)。本明細書において使用されるsiRNAという用語は、配列特異的RNAiを媒介し得る核酸分子、例えば短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、短鎖干渉オリゴヌクレオチド、短鎖干渉核酸、短鎖干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)などを説明するために使用される他の用語と均等であることを意味する。さらに、本明細書において使用される「RNAi」という用語は、配列特異的RNA干渉、例えば転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、又はエピジェネティクスを説明するために使用される他の用語と均等であることを意味する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載のAPOL1に標的化されるオリゴヌクレオチド配列のいずれかを含み得る。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖であり得る。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の連続核酸塩基の一部を含む第1の鎖及び第2の鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの核酸塩基配列を含む第1の鎖及び第2の鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、第1の鎖が配列番号13~1941のいずれか1つのチミン(T)の代わりにウラシル(U)を有するリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、(i)配列番号13~1941のいずれかが、標的化されるAPOL1上の部位に相補的な核酸塩基配列を含む第1の鎖、及び(ii)第2の鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、糖中の2’位がハロゲン(例えば、フッ素基;2’-F)を含有するか、又はアルコキシ基(例えば、メトキシ基;2’-OMe)を含有する1個以上の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、少なくとも1個の2’-F糖修飾及び少なくとも1個の2’-OMe糖修飾を含む。特定の実施形態において、少なくとも1個の2’-F糖修飾及び少なくとも1個の2’-OMe糖修飾は、dsRNA化合物の鎖に沿って少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の連続核酸塩基について交互パターンで配置される。特定の実施形態において、化合物は、天然存在ホスホジエステル結合以外の隣接ヌクレオチド間の1個以上の結合を含む。このような結合の例としては、ホスホラミド、ホスホロチオエート、及びホスホロジチオエート結合が挙げられる。化合物は、米国特許第6,673,661号明細書に教示される化学修飾核酸分子でもあり得る。他の実施形態において、化合物は、例えば、2000年4月19日に出願された国際公開第00/63364号パンフレットにより開示される1又は2個のキャップ鎖を含有する。
特定の実施形態において、化合物の第1の鎖は、siRNAガイド鎖であり、化合物の第2の鎖は、siRNAパッセンジャー鎖である。特定の実施形態において、化合物の第2の鎖は、第1の鎖に相補的である。特定の実施形態において、化合物のそれぞれの鎖は、16、17、18、19、20、21、22、又は23個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、化合物の第1又は第2の鎖は、コンジュゲート基を含み得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載のAPOL1に標的化されるオリゴヌクレオチド配列のいずれかを含み得る。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、このような化合物は、一本鎖RNAi(ssRNAi)化合物である。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1つの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の連続核酸塩基の一部を含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1個の核酸塩基配列を含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれか1個のチミン(T)の代わりにウラシル(U)が存在するリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号13~1941のいずれかが標的化されるAPOL1上の部位に相補的な核酸塩基配列を含む。特定の実施形態において、化合物は、糖中の2’位がハロゲン(例えば、フッ素基;2’-F)を含有するか、又はアルコキシ基(例えば、メトキシ基;2’-OMe)を含有する1個以上の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、少なくとも1個の2’-F糖修飾及び少なくとも1個の2’-OMe糖修飾を含む。特定の実施形態において、少なくとも1個の2’-F糖修飾及び少なくとも1個の2’-OMe糖修飾は、化合物の鎖に沿って少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の連続核酸塩基について交互パターンで配置される。特定の実施形態において、化合物は、天然存在ホスホジエステル結合以外の隣接ヌクレオチド間の1個以上の結合を含む。このような結合の例としては、ホスホラミド、ホスホロチオエート、及びホスホロジチオエート結合が挙げられる。化合物は、米国特許第6,673,661号明細書に教示される化学修飾核酸分子でもあり得る。他の実施形態において、化合物は、例えば、2000年4月19日に出願された国際公開第00/63364号パンフレットにより開示されるキャップ鎖を含有する。特定の実施形態において、化合物は、16、17、18、19、20、21、22、又は23個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲート基を含み得る。
特定の機序
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、標的核酸にハイブリダイズし得、少なくとも1つのアンチセンス活性をもたらす。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、1個以上の標的核酸に選択的に影響する。このような化合物は、1個以上の標的核酸にハイブリダイズする核酸塩基配列を含み、1つ以上の所望のアンチセンス活性をもたらし、1個以上の非標的核酸にハイブリダイズせず、顕著に不所望なアンチセンス活性をもたらすような方式でも1個以上の非標的核酸にハイブリダイズしない。
特定のアンチセンス活性において、標的核酸への本明細書に記載の化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸を開裂させるタンパク質のリクルートメントをもたらす。例えば、特定の本明細書に記載の化合物は、標的核酸のRNアーゼH媒介開裂をもたらす。RNアーゼHは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を開裂させる細胞エンドヌクレアーゼである。このようなRNA:DNA二本鎖中のDNAは、非修飾DNAである必要はない。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、RNアーゼH活性を誘発するために十分に「DNA様」である。さらに、特定の実施形態において、ギャップマーのギャップ中1個以上の非DNA様ヌクレオシドは、忍容される。
特定のアンチセンス活性において、本明細書に記載の化合物又は化合物の一部は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)中に積まれ、最終的に標的核酸の開裂をもたらす。例えば、特定の本明細書に記載の化合物は、Argonauteによる標的核酸の開裂をもたらす。特定の実施形態において、RISC中に積まれる化合物は、RNAi化合物である。RNAi化合物は、二本鎖(siRNA)又は一本鎖(ssRNA)であり得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を開裂させるタンパク質のリクルートメントをもたらさない。特定のこのような実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸のスプライシングの変動をもたらす。特定の実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸とタンパク質又は他の核酸との間の結合相互作用の阻害をもたらす。特定のこのような実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳の変動をもたらす。
アンチセンス活性は、直接又は間接的に観察することができる。特定の実施形態において、アンチセンス活性の観察又は検出は、標的核酸若しくはそのような標的核酸によりコードされるタンパク質の量の変化、核酸若しくはタンパク質のスプライスバリアントの比の変化、及び/又は細胞若しくは動物における表現型変化の観察又は検出を含む。
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、標的核酸は、内因性RNA分子である。特定の実施形態において、標的核酸は、タンパク質をコードする。特定のこのような実施形態において、標的核酸は、mRNA及びプレmRNA、例としてイントロン、エクソン及び非翻訳領域から選択される。特定の実施形態において、標的RNAは、mRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、プレmRNAである。特定のこのような実施形態において、標的領域は、完全にイントロン内に存在する。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン/エクソンジャンクションに跨る。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン内に少なくとも50%存在する。
APOL1をコードするヌクレオチド配列としては、限定されるものではないが、以下のもの:RefSEQ番号NM_003661.3(参照により取り込まれる、配列番号1として開示される)、ヌクレオチド15986452から16001905までトランケートされたNT_011520.9(配列番号2)、NM_001136541.1(配列番号3)、NM_001136540.1(配列番号4)、NM_145343.2(配列番号5)、DC339680.1(配列番号6)、AK309143.1(配列番号7)、ヌクレオチド17543446から17543655までトランケートされたNT_011520.13(配列番号8)、又はヌクレオチド36250001から36271000までトランケートされたNC_000022.11(配列番号9)が挙げられる。
ハイブリダイゼーション
一部の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、本明細書に開示の化合物と、APOL1核酸との間で生じる。ハイブリダイゼーションの最も一般的な機序は、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン・クリック、フーグスティーン又は逆フーグスティーン型水素結合)を含む。
ハイブリダイゼーションは、変動条件下で生じ得る。ハイブリダイゼーション条件は、配列依存的であり、ハイブリダイズされる核酸分子の性質及び組成により決定される。
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズするか否かを決定する方法は、当技術分野において周知である。特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物は、APOL1核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
相補性
オリゴヌクレオチドは、そのようなオリゴヌクレオチド又はその1個以上の領域の核酸塩基配列が別のオリゴヌクレオチド又は核酸又はその1個以上の領域の核酸塩基配列に、この2個の核酸塩基配列を逆方向にアラインした場合にマッチする場合、別の核酸に相補的であると記載される。本明細書に記載の核酸塩基マッチ又は相補的核酸塩基は、別途規定されない限り、以下の対:アデニン(A)及びチミン(T)、アデニン(A)及びウラシル(U)、シトシン(C)及びグアニン(G)、並びに5-メチルシトシン(mC)及びグアニン(G)に限定される。相補的オリゴヌクレオチド及び/又は核酸は、それぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基相補性を有する必要はなく、1個以上の核酸塩基ミスマッチを含み得る。オリゴヌクレオチドは、そのようなオリゴヌクレオチドがいかなる核酸塩基ミスマッチも有さずにそれぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基マッチを有する場合、完全相補的又は100%相補的である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。化合物とAPOL1核酸との間の非相補的核酸塩基は、化合物が依然として標的核酸に特異的にハイブリダイズし得る場合、忍容され得る。さらに、化合物は、介在又は隣接セグメントがハイブリダイゼーションイベントに含まれないように、APOL1核酸の1個以上のセグメント上にハイブリダイズし得る(例えば、ループ構造、ミスマッチ、又はヘアピン構造)。
特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物又はその規定の一部は、APOL1核酸、標的領域、標的セグメント、又はそれらの規定の一部に70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%相補的であり、少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%相補的であり、又は最大70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%相補的である。特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物又はその規定の一部は、APOL1核酸、標的領域、標的セグメント、又はその規定の一部に70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、95%~100%、又はそれらの範囲間の任意数だけ相補的である。化合物と標的核酸との相補性パーセントは、定型的な方法を使用して決定することができる。
例えば、化合物の20個の核酸塩基の18個が標的領域に相補的であり、したがって特異的にハイブリダイズする化合物は、90パーセントの相補性を表す。この例において、残りの非相補的核酸塩基は相補的核酸塩基とクラスタ化するか、又は相補的核酸塩基が散在していてよく、互いにも相補的核酸塩基にも連続的である必要はない。したがって、標的核酸と完全相補性の2個の領域に挟まれた4個の非相補的核酸塩基を有する18個の核酸塩基長の化合物は、標的核酸に対して77.8%の総相補性を有する。標的核酸の領域に対する化合物の相補性パーセントは、当技術分野において公知のBLASTプログラム(ベーシックローカルアラインメント検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を使用して定型的に決定することができる。相同性パーセント、配列同一性パーセント又は配列相補性パーセントは、例えば、Smith及びWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)のデフォルト設定を使用して決定することができる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物又はその規定の一部は、標的核酸又はその規定の一部に完全に相補的(すなわち100%相補的)である。例えば、化合物は、APOL1核酸、又はその標的領域、若しくは標的セグメント若しくは標的配列に完全に相補的であり得る。本明細書において使用される「完全に相補的」は、化合物のそれぞれの核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基に相補的であることを意味する。例えば、20個の核酸塩基の化合物は、その化合物に完全に相補的な対応する標的核酸中の20個の核酸塩基の一部が存在する限り、400個の核酸塩基長の標的配列に完全に相補的である。第1及び/又は第2の核酸の規定の一部に関して、完全に相補的を使用することもできる。例えば、30個の核酸塩基の化合物の20個の核酸塩基の一部は、400個の核酸塩基長の標的配列に「完全に相補的」であり得る。30個の核酸塩基の化合物の20個の核酸塩基の一部は、標的配列が対応する20個の核酸塩基の一部(それぞれの核酸塩基は、化合物の20個の核酸塩基の一部に相補的である)を有する場合、標的配列に完全に相補的である。同時に、30個の核酸塩基の化合物全体は、標的配列に完全に相補的であってもなくてもよく、それは、化合物の残りの10個の核酸塩基も標的配列に相補的であるか否かに依存する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、標的核酸に対して1個以上のミスマッチ核酸塩基を含む。特定のこのような実施形態において、標的に対するアンチセンス活性は、そのようなミスマッチにより低減されるが、非標的に対する活性は、より大きい量だけ低減される。したがって、特定のこのような実施形態において、化合物の選択性が改善される。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特異的に位置する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の5’末端から1、2、3、4、5、6、7、又は8位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端から9、8、7、6、5、4、3、2、1位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の5’末端から1、2、3、又は4位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の3’末端から4、3、2、又は1位に存在する。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有さないオリゴヌクレオチド内に特異的に位置する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。
非相補的核酸塩基の局在は、化合物の5’末端又は3’末端におけるものであり得る。或いは、1個又は複数の非相補的核酸塩基は、化合物の内部位置に存在し得る。2個以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、それらは連続的(すなわち結合している)又は非連続的であり得る。一実施形態において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーオリゴヌクレオチドのウイングセグメント中に局在する。
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20個の核酸塩基長であり、又は最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20個の核酸塩基長である本明細書に記載の化合物は、標的核酸、例えばAPOL1核酸、又はその規定の一部に対して4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30個の核酸塩基長であり、又は最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30個の核酸塩基長である本明細書に記載の化合物は、標的核酸、例えばAPOL1核酸、又はその規定の一部に対して6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物としては、標的核酸の一部に相補的なものも挙げられる。本明細書において使用される「一部」は、標的核酸の領域又はセグメント内の定義された数の連続(すなわち結合している)核酸塩基を指す。「一部」は、化合物の定義された数の連続核酸塩基も指し得る。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも8個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも9個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも10個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも11個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも12個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも13個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも14個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも15個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも16個の核酸塩基の一部に相補的である。標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個若しくはそれより多い核酸塩基の一部、又はそれらの値の任意の2つにより定義される範囲に相補的な化合物も企図される。
同一性
本明細書に提供される化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号若しくは規定のION番号により表される化合物又はそれらの一部に対する定義された同一性パーセントも有し得る。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、修飾オリゴヌクレオチドである。本明細書において使用される化合物は、それが同一の核酸塩基対合能を有する場合、本明細書に開示の配列と同一である。例えば、ウラシル及びチミジンは両方ともアデニンと対合するため、開示DNA配列中のチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、そのDNA配列と同一であるとみなされる。本明細書に記載の化合物の短縮型及び延長型、並びに本明細書に提供される化合物に対して非同一塩基を有する化合物も企図される。非同一塩基は互いに隣接していてよく、又は化合物全体にわたり分散していてよい。化合物の同一性パーセントは、比較される配列に対して同一塩基対合を有する塩基の数に従って計算される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物又はその一部は、本明細書に開示される化合物若しくは配列番号又はそれらの一部の1つ以上と70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であり、又は少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一である。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号若しくは規定のION番号により表される化合物又はそれらの一部と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%、又はそのような値間の任意の割合だけ同一であり、化合物は、1個以上のミスマッチ核酸塩基を有するオリゴヌクレオチドを含む。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、アンチセンス化合物を含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物の一部は、標的核酸の等しい長さの一部と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の核酸塩基の一部は、標的核酸の等しい長さの一部と比較される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの一部は、標的核酸の等しい長さの一部と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の核酸塩基の一部は、標的核酸の等しい長さの一部と比較される。
特定の修飾化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、結合ヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(RNA又はDNA)であり得、又は修飾オリゴヌクレオチドであり得る。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾RNA又はDNAに対して少なくとも1個の修飾を含む(すなわち少なくとも1個の修飾ヌクレオシド(修飾糖部分及び/又は修飾核酸塩基を含む)及び/又は少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む)。
A.修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分若しくは修飾核酸塩基又は修飾糖部分及び修飾核酸塩基の両方を含む。
1.修飾糖部分
特定の実施形態において、糖部分は、非二環式修飾糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、二環式又は三環式糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代替物である。このような糖代替物は、修飾糖部分の他のタイプのものに対応する1個以上の置換を含み得る。
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1個以上の非環式置換基、例として、限定されるものではないが、2’、4’、及び/又は5’位における置換基を含む非二環式修飾フラノシル糖部分である。特定の実施形態において、フラノシル糖部分は、リボシル糖部分である。特定の実施形態において、非二環式修飾糖部分の1個以上の非環式置換基は、分枝鎖である。非二環式修飾糖部分に好適な2’-置換基の例としては、限定されるものではないが、2’-F、2’-OCH3(「OMe」又は「O-メチル」)、及び2’-O(CH2)2OCH3(「MOE」)が挙げられる。特定の実施形態において、2’-置換基は、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF3、OCF3、O-C1~C10アルコキシ、O-C1~C10置換アルコキシ、O-C1~C10アルキル、O-C1~C10置換アルキル、S-アルキル、N(Rm)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(Rm)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(Rm)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)又はOCH2C(=O)-N(Rm)(Rn)の中から選択され、それぞれのRm及びRnは、独立して、H、アミノ保護基、又は置換若しくは非置換C1~C10アルキル、並びにCookらの米国特許第6,531,584号明細書;Cookらの米国特許第5,859,221号明細書;及びCookらの米国特許第6,005,087号明細書に記載の2’-置換基である。これらの2’-置換基の特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO2)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルの中から独立して選択される1個以上の置換基によりさらに置換されていてよい。直鎖非二環式修飾糖部分に好適な4’-置換基の例としては、限定されるものではないが、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル、及びManoharanらの国際公開第2015/106128号パンフレットに記載のものが挙げられる。非二環式修飾糖部分に好適な5’-置換基の例としては、限定されるものではないが、5’-メチル(R又はS)、5’-ビニル、及び5’-メトキシが挙げられる。特定の実施形態において、非二環式修飾糖は、2個以上の非架橋糖置換基、例えば2’-F-5’-メチル糖部分並びにMigawaらの国際公開第2008/101157号パンフレット及びRajeevらの米国特許出願公開第2013/0203836号明細書に記載の修飾糖部分及び修飾ヌクレオシドを含む。
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシド又は2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、NH2、N3、OCF3、OCH3、O(CH2)3NH2、CH2CH=CH2、OCH2CH=CH2、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、及びN-置換アセトアミド(OCH2C(=O)-N(Rm)(Rn))から選択される直鎖2’-置換基を含む糖部分を含み、それぞれのRm及びRnは、独立して、H、アミノ保護基、又は置換若しくは非置換C1~C10アルキルである。
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシド又は2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCF3、OCH3、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(CH3)2、O(CH2)2O(CH2)2N-(CH3)2、及びOCH2C(=O)-N(H)CH3(「NMA」)から選択される直鎖2’-置換基を含む糖部分を含む。
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシド又は2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCH3、及びOCH2CH2OCH3から選択される直鎖2’-置換基を含む糖部分を含む。
修飾糖部分、例えば非二環式修飾糖部分を含むヌクレオシドは、ヌクレオシドの糖部分上の置換の位置により称される。例えば、2’-置換又は2-修飾糖部分を含むヌクレオシドは、2’-置換ヌクレオシド又は2-修飾ヌクレオシドと称される。
特定の修飾糖部分は、二環式糖部分をもたらす第2の環を形成する架橋糖置換基を含む。特定のこのような実施形態において、二環式糖部分は、4’及び2’フラノース環原子間の架橋を含む。特定のこのような実施形態において、フラノース環は、リボース環である。このような4’から2’への架橋糖置換基の例としては、限定されるものではないが、4’-CH2-2’、4’-(CH2)2-2’、4’-(CH2)3-2’、4’-CH2-O-2’(「LNA」)、4’-CH2-S-2’、4’-(CH2)2-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH3)-O-2’(S立体配置の場合、「拘束エチル」又は「cEt」と称される)、4’-CH2-O-CH2-2’、4’-CH2-N(R)-2’、4’-CH(CH2OCH3)-O-2’(「拘束MOE」又は「cMOE」)及びそのアナログ(例えば、Sethらの米国特許第7,399,845号明細書、Bhatらの米国特許第7,569,686号明細書、Swayzeらの米国特許第7,741,457号明細書、及びSwayzeらの米国特許第8,022,193号明細書を参照されたい)、4’-C(CH3)(CH3)-O-2’及びそのアナログ(例えば、Sethらの米国特許第8,278,283号明細書を参照されたい)、4’-CH2-N(OCH3)-2’及びそのアナログ(例えば、Prakashらの米国特許第8,278,425号明細書を参照されたい)、4’-CH2-O-N(CH3)-2’(例えば、Allersonらの米国特許第7,696,345号明細書及びAllersonらの米国特許第8,124,745号明細書を参照されたい)、4’-CH2-C(H)(CH3)-2’(例えば、Zhou,et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照されたい)、4’-CH2-C(=CH2)-2’及びそのアナログ(例えば、Sethらの米国特許第8,278,426号明細書を参照されたい)、4’-C(RaRb)-N(R)-O-2’、4’-C(RaRb)-O-N(R)-2’、4’-CH2-O-N(R)-2’、及び4’-CH2-N(R)-O-2’であり、それぞれのR、Ra、及びRbは、独立して、H、保護基、又はC1~C12アルキル(例えば、Imanishiらの米国特許第7,427,672号明細書を参照されたい)が挙げられる。
特定の実施形態において、このような4’から2’への架橋は、独立して、-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(Ra)2-、-S(=O)x-、及び-N(Ra)-から独立して選択される1~4個の結合基を含み;
式中、
xは、0、1、又は2であり;
nは、1、2、3、又は4であり;
それぞれのRa及びRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5~C7脂環式基、置換C5~C7脂環式基、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)、又はスルホキシル(S(=O)-J1)であり;
それぞれのJ1及びJ2は、独立して、H、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C1~C12アミノアルキル、置換C1~C12アミノアルキル、又は保護基である。
追加の二環式糖部分は、当技術分野において公知であり、例えばFreier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443、Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740、Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8362-8379;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wengelらの米国特許第7,053,207号明細書、Imanishiらの米国特許第6,268,490号明細書、Imanishiらの米国特許第6,770,748号明細書、Imanishiらの米国再発行特許第44,779号明細書;Wengelらの米国特許第6,794,499号明細書、Wengelらの米国特許第6,670,461号明細書;Wengelらの米国特許第7,034,133号明細書、Wengelらの米国特許第8,080,644号明細書;Wengelらの米国特許第8,034,909号明細書;Wengelらの米国特許第8,153,365号明細書;Wengelらの米国特許第7,572,582号明細書;及びRamasamyらの米国特許第6,525,191号明細書、Torstenらの国際公開第2004/106356号パンフレット、Wengelらの国際公開第1999/014226号パンフレット;Sethらの国際公開第2007/134181号パンフレット;Sethらの米国特許第7,547,684号明細書;Sethらの米国特許第7,666,854号明細書;Sethらの米国特許第8,088,746号明細書;Sethらの米国特許第7,750,131号明細書;Sethらの米国特許第8,030,467号明細書;Sethらの米国特許第8,268,980号明細書;Sethらの米国特許第8,546,556号明細書;Sethらの米国特許第8,530,640号明細書;Migawaらの米国特許第9,012,421号明細書;Sethらの米国特許第8,501,805号明細書;Allersonらの米国特許出願公開第2008/0039618号明細書;及びMigawaらの米国特許出願公開第2015/0191727号明細書を参照されたい。
特定の実施形態において、二環式糖部分及びそのような二環式糖部分を取り込むヌクレオシドは、異性体立体配置によりさらに定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書に記載)は、α-L立体配置又はβ-D立体配置であり得る。
α-L-メチレンオキシ(4’-CH2-O-2’)又はα-L-LNA二環式ヌクレオシドがアンチセンス活性を示すオリゴヌクレオチド中に取り込まれている(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。ここで、二環式ヌクレオシドの一般的説明としては、両方の異性体立体配置が挙げられる。規定の二環式ヌクレオシド(例えば、LNA又はcEt)の位置が本明細書の例示実施形態で同定される場合、それらは、別途規定されない限り、β-D立体配置である。
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1個以上の非架橋糖置換基及び1個以上の架橋糖置換基(例えば、5’-置換及び4’-2’架橋糖)を含む。
特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代替物である。特定のこのような実施形態において、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄、炭素又は窒素原子により置き換えられている。特定のこのような実施形態において、このような修飾糖部分は、本明細書に記載の架橋及び/又は非架橋置換基も含む。例えば、特定の糖代替物は、4’-硫黄原子並びに2’位(例えば、Bhatらの米国特許第7,875,733号明細書及びBhatらの米国特許第7,939,677号明細書を参照されたい)及び/又は5’位における置換を含む。
特定の実施形態において、糖代替物は、5個以外の原子を有する環を含む。例えば、特定の実施形態において、糖代替物は、6員テトラヒドロピラン(「THP」)を含む。このようなテトラヒドロピランは、さらに修飾又は置換されていてよい。このような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドとしては、限定されるものではないが、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.&Med.Chem.2002,10,841-854を参照されたい)、フルオロHNA:
(「F-HNA」、例えばSwayzeらの米国特許第8,088,904号明細書;Swayzeらの米国特許第8,440,803号明細書;及びSwayzeらの米国特許第9,005,906号明細書を参照されたい、F-HNAは、F-THP又は3’-フルオロテトラヒドロピランと称することもできる)、及び式:
を有する追加の修飾THP化合物を含むヌクレオシドが挙げられ、式中、前記修飾THPヌクレオシドのそれぞれについて、独立して、
Bxは、核酸塩基部分であり;
T3及びT4は、それぞれ独立して、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残部に結合するヌクレオシド間結合基であり、又はT3及びT4の一方は、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残部に結合するヌクレオシド間結合基であり、T3及びT4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、結合コンジュゲート基、又は5’若しくは3’-末端基であり;q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7は、それぞれ独立して、H、C1~C6アルキル、置換C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、置換C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、又は置換C2~C6アルキニルであり;R1及びR2のそれぞれは、水素、ハロゲン、置換又は非置換アルコキシ、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2、及びCNの中から独立して選択され、Xは、O、S又はNJ1であり、それぞれのJ1、J2、及びJ3は、独立して、H又はC1~C6アルキルである。
特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7がそれぞれHである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7の少なくとも1つは、H以外である。特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7の少なくとも1つは、メチルである。特定の実施形態において、R1及びR2の一方がFである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、R1は、Fであり、R2は、Hであり、特定の実施形態において、R1は、メトキシであり、R2は、Hであり、特定の実施形態において、R1は、メトキシエトキシであり、R2は、Hである。
特定の実施形態において、糖代替物は、6個以上の原子及び2個以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチド中でのその使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510及びSummertonらの米国特許第5,698,685号明細書;Summertonらの米国特許第5,166,315号明細書;Summertonらの米国特許第5,185,444号明細書;及びSummertonらの米国特許第5,034,506号明細書を参照されたい)。本明細書において使用される用語「モルホリノ」は、以下の構造:
を有する糖代替物を意味する。特定の実施形態において、モルホリノは、例えば、上記モルホリノ構造から置換基を付加するか、又は変動させることにより修飾することができる。このような糖代替物は、本明細書において「修飾モルホリノ」と称される。
特定の実施形態において、糖代替物は、非環式部分を含む。このような非環式糖代替物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例としては、限定されるものではないが、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照されたい)、並びにManoharanらの米国特許出願公開第2013/130378号明細書に記載のヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが挙げられる。
修飾ヌクレオシド中で使用することができる多くの他の二環式及び三環式糖並びに糖代替物環系が、当技術分野において公知である。
2.修飾核酸塩基
核酸塩基(又は塩基)の修飾又は置換は、天然存在の又は合成非修飾核酸塩基と構造的に区別可能であるが、機能的には天然存在の又は合成非修飾核酸塩基と交換可能である。天然核酸塩基及び修飾核酸塩基は、両方とも水素結合に関与し得る。このような核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性又は他の何らかの有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に付与し得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含む1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと称される核酸塩基を含まない1個以上のヌクレオシドを含む。
特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキル又はアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、並びにN-2、N-6及びO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-メチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオールアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ並びに他の8-置換プリン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、広域塩基(promiscuous base)、サイズ拡張塩基(size-expanded base)、及びフッ素化塩基から選択される。さらなる修飾核酸塩基としては、三環式ピリミジン、例えば1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)が挙げられる。修飾核酸塩基としては、プリン又はピリミジン塩基が他の複素環により置き換えられているもの、例えば7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン及び2-ピリドンを挙げることもできる。さらなる核酸塩基としては、Meriganらの米国特許第3,687,808号明細書に開示されているもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されているもの;及びChapters 6 and 15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166 and 442-443に開示されているものが挙げられる。
上記の修飾核酸塩基の特定のもの及び他の修飾核酸塩基の調製を教示する刊行物としては、限定されるものではないが、Manoharanらの米国特許出願公開第2003/0158403号明細書、Manoharanらの米国特許出願公開第2003/0175906号明細書;Dinhらの米国特許第4,845,205号明細書;Spielvogelらの米国特許第5,130,302号明細書;Rogersらの米国特許第5,134,066号明細書;Bischofbergerらの米国特許第5,175,273号明細書;Urdeaらの米国特許第5,367,066号明細書;Bennerらの米国特許第5,432,272号明細書;Matteucciらの米国特許第5,434,257号明細書;Gmeinerらの米国特許第5,457,187号明細書;Cookらの米国特許第5,459,255号明細書;Froehlerらの米国特許第5,484,908号明細書;Matteucciらの米国特許第5,502,177号明細書;Hawkinsらの米国特許第5,525,711号明細書;Haralambidisらの米国特許第5,552,540号明細書;Cookらの米国特許第5,587,469号明細書;Froehlerらの米国特許第5,594,121号明細書;Switzerらの米国特許第5,596,091号明細書;Cookらの米国特許第5,614,617号明細書;Froehlerらの米国特許第5,645,985号明細書;Cookらの米国特許第5,681,941号明細書;Cookらの米国特許第5,811,534号明細書;Cookらの米国特許第5,750,692号明細書;Cookらの米国特許第5,948,903号明細書;Cookらの米国特許第5,587,470号明細書;Cookらの米国特許第5,457,191号明細書;Matteucciらの米国特許第5,763,588号明細書;Froehlerらの米国特許第5,830,653号明細書;Cookらの米国特許第5,808,027号明細書;Cookらの米国特許第6,166,199号明細書;及びMatteucciらの米国特許第6,005,096号明細書が挙げられる。
特定の実施形態において、APOL1核酸に標的化される化合物は、1個以上の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。
修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然存在のヌクレオシド間結合は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、1個以上の修飾、すなわち非天然存在のヌクレオシド間結合を有する本明細書に記載の化合物は、望ましい特性、例えば向上した細胞取り込み、標的核酸についての向上した親和性、及びヌクレアーゼの存在下の増加した安定性などのため、天然存在のヌクレオシド間結合を有する化合物よりも選択されることが多い。
キラル中心を有する代表的なヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが挙げられる。キラル中心を有するヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドは、ステレオランダムヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団として、又は特定の立体化学配置のホスホロチオエート結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団として調製することができる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の全ては、ステレオランダムである。このような修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれのホスホロチオエート結合の立体化学配置のランダム選択をもたらす合成方法を使用して生成することができる。これにもかかわらず、当業者により十分理解されるとおり、それぞれの個々のオリゴヌクレオチド分子のそれぞれの個々のホスホロチオエートは、規定の立体配置を有する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、特定の独立して選択される立体化学配置の1個以上の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている。特定の実施形態において、特定のホスホロチオエート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも65%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオエート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも70%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオエート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも80%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオエート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも90%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオエート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも99%に存在する。修飾オリゴヌクレオチドのこのようなキラル濃縮された集団は、当分野において公知の合成方法、例えば、Oka et al.,JACS 125,8307(2003)、Wan et al.Nuc.Acid.Res.42,13456(2014)、及び国際公開第2017/015555号パンフレットに記載の方法を使用して生成することができる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Sp)立体配置の少なくとも1個の示されるホスホロチオエートを有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Rp)立体配置の少なくとも1個の示されるホスホロチオエートを有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている。特定の実施形態において、(Rp)及び/又は(Sp)ホスホロチオエートを含む修飾オリゴヌクレオチドは、ぞれぞれ以下の式の1つ以上を含み、式中、「B」は、核酸塩基を示す:
別途示されない限り、本明細書に記載の修飾オリゴヌクレオチドのキラルヌクレオシド間結合は、ステレオランダムであり得、又は特定の立体化学配置であり得る。
特定の実施形態において、APOL1核酸に標的化される化合物は、1個以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物のそれぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合、及びリン原子を有さないヌクレオシド間結合を含む。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、及びホスホロチオエートが挙げられる。リン含有及び非リン含有結合を調製する方法は、周知である。
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、任意のヌクレオシド間結合を使用して一緒に結合させることができる。ヌクレオシド間結合基の2つの主なクラスは、リン原子の存在又は不存在により定義される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホジエステル結合(「P=O」)(非修飾又は天然存在結合とも称される)を含有するホスフェート、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、及びホスホロチオエート(「P=S」)、及びホスホロジチオエート(「HS-P=S」)が挙げられる。代表的な非リン含有ヌクレオシド間結合基としては、限定されるものではないが、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-);シロキサン(-O-SiH2-O-);及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)が挙げられる。修飾ヌクレオシド間結合は、天然存在ホスフェート結合と比較して、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を変動させ、典型的には、増加させるために使用することができる。特定の実施形態において、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物として、又は別個のエナンチオマーとして調製することができる。代表的なキラルヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが挙げられる。リン含有及び非リン含有ヌクレオシド間結合を調製する方法は、当業者に周知である。
中性ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH2-N(CH3)-O-5’)、アミド-3(3’-CH2-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH2-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH2-O-5’)、メトキシプロピル、及びチオホルムアセタール(3’-S-CH2-O-5’)が挙げられる。さらなる中性ヌクレオシド間結合としては、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキシレートエステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホネートエステル及びアミドを含む非イオン性結合が挙げられる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3 and 4,40-65を参照されたい)。さらなる中性ヌクレオシド間結合としては、混合N、O、S及びCH2構成成分を含む非イオン性結合が挙げられる。
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターン又は修飾ヌクレオシド間結合モチーフでオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、ヌクレオシド間結合は、ギャップ化モチーフで配置される。このような実施形態において、2個のウイング領域のそれぞれのヌクレオシド間結合は、ギャップ領域中のヌクレオシド間結合と異なる。特定の実施形態において、ウイング中のヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合であり、ギャップ中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。ヌクレオシドモチーフは、独立して選択されるため、ギャップヌクレオシド間結合モチーフを有するそのようなオリゴヌクレオチドは、ギャップヌクレオシドモチーフを有しても有さなくてもよく、ギャップヌクレオシドモチーフを有する場合、ウイング長及びギャップ長は、同一であっても同一でなくてもよい。
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、交互のヌクレオシド間結合モチーフを有する領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、均一修飾ヌクレオシド間結合の領域を含む。特定のこのような実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合により均一に結合している領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートにより均一に結合している。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択され、少なくとも1個のヌクレオシド間結合はホスホロチオエートである。
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個の連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個の連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12個連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定のこのような実施形態において、少なくとも1個のそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に局在する。特定のこのような実施形態において、少なくとも1個のそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端から3ヌクレオシド以内に局在する。
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1個以上のメチルホスポネート(methylphosponate)結合を含む。特定の実施形態において、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、1個又は2個のメチルホスポネート(methylphosponate)結合を除く全てホスホロチオエート結合である結合モチーフを含む。特定の実施形態において、1個のメチルホスポネート(methylphosponate)結合は、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央のギャップ中に存在する。
特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合の数は、ヌクレアーゼ耐性を維持するように配置することが望ましい。特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数及び位置並びにホスホジエステルヌクレオシド間結合の数及び位置は、ヌクレアーゼ耐性を維持するように配置することが望ましい。特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることができ、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることができる。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を依然として維持したまま、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることができ、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることができる。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を保持したまま、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることが望ましい。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ活性を保持したまま、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることが望ましい。
3.特定のモチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、モチーフ、例えば非修飾及び/若しくは修飾糖部分、核酸塩基、並びに/又はヌクレオシド間結合のパターンを有し得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖を含む1個以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1個以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1個以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。このような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの修飾、非修飾、及び示差的修飾糖部分、核酸塩基、並びに/又はヌクレオシド間結合が、パターン又はモチーフを定義する。特定の実施形態において、糖部分、核酸塩基、及びヌクレオシド間結合のパターンは、それぞれ互いに独立している。したがって、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ及び/又はヌクレオシド間結合モチーフにより説明することができる(本明細書において使用される核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列とは独立した核酸塩基の修飾を説明する)。
a.特定の糖モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターン又は糖モチーフでオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された1つ以上のタイプの修飾糖及び/又は非修飾糖部分を含む。特定の例において、このような糖モチーフとしては、限定されるものではないが、本明細書において考察される糖修飾のいずれかが挙げられる。
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、2個の外部領域又は「ウイング」及び中央又は内部領域又は「ギャップ」を含むギャップマーモチーフを有する領域を含むか又はそれからなる。ギャップマーモチーフの3個の領域(5’-ウイング、ギャップ、及び3’-ウイング)は、ヌクレオシドの連続配列を形成し、ウイングのそれぞれのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部は、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部と異なる。具体的には、ギャップに最も近いそれぞれのウイングのヌクレオシドの少なくとも糖部分(5’-ウイングの最も3’側のヌクレオシド及び3’-ウイングの最も5’側のヌクレオシド)は、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分と異なり、したがって、ウイングとギャップとの間の境界(すなわちウイング/ギャップジャンクション)を定義する。特定の実施形態において、ギャップ内の糖部分は、互いに同一である。特定の実施形態において、ギャップは、ギャップの1個以上の他のヌクレオシドの糖部分と異なる糖部分を有する1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、2個のウイングの糖モチーフは、互いに同一である(対称ギャップマー)。特定の実施形態において、5’-ウイングの糖モチーフは、3’-ウイングの糖モチーフと異なる(非対称ギャップマー)。
特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、1~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、2~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、3~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのヌクレオシドは、全て修飾ヌクレオシドである。
特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、8~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップのそれぞれのヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。
特定の実施形態において、ギャップマーは、デオキシギャップマーである。このような実施形態において、それぞれのウイング/ギャップジャンクションのギャップ側上のヌクレオシドは非修飾2’-デオキシヌクレオシドであり、それぞれのウイング/ギャップジャンクションのウイング側上のヌクレオシドは修飾ヌクレオシドである。特定のこのような実施形態において、ギャップのそれぞれのヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。特定のこのような実施形態において、それぞれのウイングのそれぞれのヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全修飾糖モチーフを有し、修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全修飾糖モチーフを有する領域を含むか又はそれからなり、領域のそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全修飾糖モチーフを有する領域を含むか又はそれからなり、完全修飾領域内のそれぞれのヌクレオシドは、本明細書において均一修飾糖モチーフと称される同一の修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、完全修飾オリゴヌクレオチドは、均一修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、均一修飾のそれぞれのヌクレオシドは、同一の2’-修飾を含む。
b.特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターン又はモチーフでオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された修飾及び/又は非修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、それぞれの核酸塩基は、修飾されている。特定の実施形態において、核酸塩基はいずれも修飾されていない。特定の実施形態において、それぞれのプリン又はそれぞれのピリミジンは修飾されている。特定の実施形態において、それぞれのアデニンは修飾されている。特定の実施形態において、それぞれのグアニンは修飾されている。特定の実施形態において、それぞれのチミンは修飾されている。特定の実施形態において、それぞれのウラシルは修飾されている。特定の実施形態において、それぞれのシトシンは修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド中のシトシン核酸塩基の一部又は全部は、5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。特定のこのような実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端の3ヌクレオシド以内に存在する。
特定の実施形態において、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。特定のこのような実施形態において、修飾核酸塩基を含む1個のヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央ギャップに存在する。特定のこのような実施形態において、前記ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル部分である。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
c.特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターン又はモチーフでオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された修飾及び/又は非修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、本質的には、それぞれのヌクレオシド間結合基は、ホスフェートヌクレオシド間結合(P=O)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエート(P=S)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエート及びホスフェートヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、ギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合は、全て修飾されている。特定のこのような実施形態において、ウイング中のヌクレオシド間結合の一部又は全部は、非修飾ホスフェート結合である。特定の実施形態において、末端ヌクレオシド間結合は、修飾されている。特定のこのような実施形態において、ウイング中のヌクレオシド間結合の一部又は全部は、非修飾ホスフェート結合である。特定の実施形態において、末端ヌクレオシド間結合は、修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ヌクレオシド間結合モチーフは、少なくとも1個のウイング中の少なくとも1個のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含み、少なくとも1個のホスホジエステル結合は、末端ヌクレオシド間結合でなく、残りのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定のこのような実施形態において、ホスホロチオエート結合の全部は、ステレオランダムである。特定の実施形態において、ウイング中のホスホロチオエート結合の全ては、(Sp)ホスホロチオエートであり、ギャップは、少なくとも1個のSp、Sp、Rpモチーフを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、そのようなヌクレオシド間結合モチーフを含む修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている。
4.特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、上記修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)は、修飾オリゴヌクレオチド中に取り込まれる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、その修飾、モチーフ、及び全長により特徴付けられる。特定の実施形態において、このようなパラメータは、互いにそれぞれ独立している。したがって、別途示されない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間結合は、修飾でも非修飾でもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従っても従わなくてもよい。例えば、糖ギャップマーのウイング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同一であっても異なっていてもよく、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同一であっても異なっていてもよい。同様に、このようなギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンから独立した1個以上の修飾核酸塩基を含み得る。さらに、特定の例において、オリゴヌクレオチドは、全長又は範囲により、及び2個以上の領域(例えば、規定の糖修飾を有するヌクレオシドの領域)の長さ又は長さ範囲により記載され、このような状況において、規定の範囲外の全長を有するオリゴヌクレオチドをもたらすそれぞれの範囲についての数を選択することが可能であり得る。このような状況において、両方の要素が充足されなければならない。例えば、特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、15~20個の結合ヌクレオシドからなり、3個の領域A、B、Cからなる糖モチーフを有し、領域Aは、規定の糖モチーフを有する2~6個の結合ヌクレオシドからなり、領域Bは、規定の糖モチーフを有する6~10個の結合ヌクレオシドからなり、領域Cは、規定の糖モチーフを有する2~6個の結合ヌクレオシドからなる。このような実施形態は、A及びCがそれぞれ6個の結合ヌクレオシドからなり、Bが10個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含まず(ヌクレオシドのそれらの数がA、B、及びCの要件内に許容されても)、それは、そのようなオリゴヌクレオチドの全長が22であり、修飾オリゴヌクレオチドの全長の上限(20)を超過するためである。本明細書において、オリゴヌクレオチドの記載が1つ以上のパラメータに関して無記載である場合、そのようなパラメータは、限定されない。したがって、ギャップマー糖モチーフを有するとのみ記載され、さらなる記載を有さない修飾オリゴヌクレオチドは、任意の長さ、ヌクレオシド間結合モチーフ、及び核酸塩基モチーフを有し得る。別途示されない限り、全ての修飾は、核酸塩基配列から独立している。
特定のコンジュゲート化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチド(修飾又は非修飾)並びに任意選択的に1個以上のコンジュゲート基及び/又は末端基を含むか又はそれからなる。コンジュゲート基は、1個以上のコンジュゲート部分及びコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合するコンジュゲートリンカーからなる。コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドのいずれか若しくは両方の末端及び/又は任意の内部位置に付着され得る。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に付着されている。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのいずれか又は両方の末端に付着されているコンジュゲート基は、末端基である。特定のこのような実施形態において、コンジュゲート基又は末端基は、オリゴヌクレオチドの3’及び/又は5’末端に付着されている。特定のこのような実施形態において、コンジュゲート基(又は末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端に付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの3’末端付近に付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基(又は末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端に付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの5’末端付近に付着されている。
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾されている。特定の実施形態において、化合物のオリゴヌクレオチドは、標的核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)に相補的である。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、センス転写産物に相補的である。
末端基の例としては、限定されるものではないが、コンジュゲート基、キャッピング基、ホスフェート部分、保護基、修飾又は非修飾ヌクレオシド、及び独立して修飾又は非修飾である2個以上のヌクレオシドが挙げられる。
A.特定のコンジュゲート基
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1個以上のコンジュゲート基に共有結合により付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、付着されるオリゴヌクレオチドの1つ以上の特性、例として、限定されるものではないが、薬力学、薬物動態、安定性、結合、吸収、組織分布、細胞分布、細胞取り込み、電荷及びクリアランスを改変する。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、付着されるオリゴヌクレオチドに新たな特性、例えばオリゴヌクレオチドの検出を可能とするフルオロフォア又はレポーター基を付与する。
特定のコンジュゲート基及びコンジュゲート部分は、既に報告されており、例えばコレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553-6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053-1060)、チオエーテル、例えばヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306-309;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1993,3,2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533-538)、脂肪族鎖、例えばドデカンジオール若しくはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111-1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327-330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49-54)、リン脂質、例えばジヘキサデシル-rac-グリセロール若しくはトリエチル-アンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651-3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777-3783)、ポリアミン若しくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14,969-973)、又はアダマンタン酢酸、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229-237)、オクタデシルアミン若しくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,i,923-937)、トコフェロール基(Nishina et al.,Molecular Therapy Nucleic Acids,2015,4,e220;doi:10.1038/mtna.2014.72及びNishina et al.,Molecular Therapy,2008,16,734-740)、又はGalNAcクラスタ(例えば、国際公開第2014/179620号パンフレット)である。
1.コンジュゲート部分
コンジュゲート部分としては、限定されるものではないが、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物(例えば、GalNAc)、ビタミン部分、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、ホレート、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、フルオロフォア、及び色素が挙げられる。
特定の実施形態において、コンジュゲート部分は、活性薬物物質、例えばアスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-トリヨード安息香酸、フィンゴリモド、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾチアジアジド、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメチシン(indo-methicin)、バルビツール酸塩、セファロスポリン、サルファ剤、抗糖尿病薬、抗菌薬又は抗生物質を含む。
2.コンジュゲートリンカー
コンジュゲート部分は、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートリンカーを介して付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、単一化学結合である(すなわち、コンジュゲート部分は、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートリンカーを介して単結合を介して付着されている)。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、鎖構造、例えばヒドロカルビル鎖、又は繰り返し単位、例えばエチレングリコール、ヌクレオシド、若しくはアミノ酸単位のオリゴマーを含む。
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノから選択される1個以上の基を含む。特定のこのような実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル及びアミド基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1個のリン部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1個のホスフェート基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1個の中性結合基を含む。
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカー、例として上記コンジュゲートリンカーは、二官能性結合部分、例えば親化合物、例えば本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドへのコンジュゲート基の付着に有用であることが当技術分野において公知のものである。一般に、二官能性結合部分は、少なくとも2個の官能基を含む。官能基のあるものは、化合物の特定の部位に結合するように選択され、他方は、コンジュゲート基に結合するように選択される。二官能性結合部分中に使用される官能基の例としては、限定されるものではないが、求核基と反応するための求電子剤及び求電子基と反応するための求核剤が挙げられる。特定の実施形態において、二官能性結合部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから選択される1個以上の基を含む。
コンジュゲートリンカーの例としては、限定されるものではないが、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-メレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)及び6-アミノヘキサン酸(AHEX又はAHA)が挙げられる。他のコンジュゲートリンカーとしては、限定されるものではないが、置換若しくは非置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C2~C10アルケニル又は置換若しくは非置換C2~C10アルキニルが挙げられ、好ましい置換基の非限定的列記としては、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルが挙げられる。
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、このようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態において、このようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、リンカー-ヌクレオシドは、非修飾である。特定の実施形態において、リンカー-ヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジン又は置換ピリミジンから選択される任意選択的に保護されている複素環式塩基を含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。典型的には、リンカー-ヌクレオシドは、それが標的組織に到達した後に化合物から開裂されることが望ましい。したがって、リンカー-ヌクレオシドは、典型的には、互いに及び化合物の残部に開裂可能結合を介して結合している。特定の実施形態において、このような開裂可能結合は、ホスホジエステル結合である。
本明細書において、リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの成分であるとはみなされない。したがって、化合物が、規定の数若しくは範囲の結合ヌクレオシド及び/又は参照核酸との規定の相補性パーセントからなるオリゴヌクレオチドを含み、化合物が、リンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲート基も含む実施形態において、それらのリンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さまでカウントされず、参照核酸についてのオリゴヌクレオチドの相補性パーセントの決定において使用されない。例えば、化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド及び(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドと連続的な1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲート基を含み得る。このような化合物中の連続結合ヌクレオシドの総数は、30超である。或いは、化合物は、8~30個のヌクレオシドからなり、コンジュゲート基を有さない修飾オリゴヌクレオチドを含み得る。このような化合物中の連続結合ヌクレオシドの総数は、30以下である。別途示されない限り、コンジュゲートリンカーは、10個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、5個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、3個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、2個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドから開裂されることが望ましい。例えば、特定の状況において、特定のコンジュゲート部分を含む化合物は、特定の細胞タイプにより、より良好に取り込まれるが、化合物が取り込まれると、コンジュゲート基が開裂されて、非コンジュゲート又は親オリゴヌクレオチドが放出されることが望ましい。したがって、特定のコンジュゲートは、典型的には、コンジュゲートリンカー内に1個以上の開裂可能部分を含み得る。特定の実施形態において、開裂可能部分は、開裂可能結合である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、少なくとも1個の開裂可能結合を含む原子団である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、1、2、3、4、又は5個以上の開裂可能結合を有する原子団を含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、細胞又は細胞内コンパートメント、例えばリソソーム内部で選択的に開裂される。特定の実施形態において、開裂可能部分は、内因性酵素、例えばヌクレアーゼにより選択的に開裂される。
特定の実施形態において、開裂可能結合は、アミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方又は両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、又はジスルフィドの中から選択される。特定の実施形態において、開裂可能結合は、ホスホジエステルのエステルの一方又は両方である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ホスフェート又はホスホジエステルを含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲート部分又はコンジュゲート基との間のホスフェート結合である。
特定の実施形態において、開裂可能部分は、1個以上のリンカー-ヌクレオシドを含むか又はそれからなる。特定のこのような実施形態において、1個以上のリンカー-ヌクレオシドは、互いに及び/又は化合物の残部に開裂可能結合を介して結合している。特定の実施形態において、このような開裂可能結合は、非修飾ホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ホスフェートヌクレオシド間結合によりオリゴヌクレオチドの3’又は5’末端ヌクレオシドのいずれかに付着されており、ホスフェート又はホスホロチオエート結合によりコンジュゲートリンカー又はコンジュゲート部分の残部に共有結合により付着されている2’-デオキシヌクレオシドである。特定のこのような実施形態において、開裂可能部分は、2’-デオキシアデノシンである。
組成物及び医薬組成物を配合する方法
本明細書に記載の化合物は、医薬組成物又は配合物の調製のための薬学的に許容可能な活性又は不活性な物質と混合することができる。組成物及び医薬組成物を配合する方法は、多数の基準、例として、限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度、又は投与すべき用量に依存的である。
特定の実施形態は、1つ以上の化合物又はその塩を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。特定のそのような実施形態において、医薬組成物は、滅菌生理食塩水溶液及び1つ以上の化合物を含む。特定の実施形態において、このような医薬組成物は、滅菌生理食塩水溶液及び1つ以上の化合物からなる。特定の実施形態において、滅菌生理食塩水は、医薬グレードの生理食塩水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物及び滅菌水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つの化合物及び滅菌水からなる。特定の実施形態において、滅菌水は、医薬グレードの水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物及び滅菌PBSからなる。特定の実施形態において、滅菌PBSは、医薬グレードのPBSである。組成物及び医薬組成物を配合する方法は、多数の基準、例として、限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度又は投与すべき量に依存的である。
APOL1核酸に標的化される本明細書に記載の化合物は、この化合物と好適な薬学的に許容可能な希釈剤又は担体とを組み合わせることにより医薬組成物中で利用することができる。特定の実施形態において、薬学的に許容可能な希釈剤は、水、例えば注射に好適な滅菌水である。したがって、一実施形態において、APOL1核酸に標的化される化合物及び薬学的に許容可能な希釈剤を含む医薬組成物が、本明細書に記載の方法において用いられる。特定の実施形態において、薬学的に許容可能な希釈剤は、水である。特定の実施形態において、化合物は、本明細書に提供される修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。
本明細書に提供される化合物を含む医薬組成物は、動物、例としてヒトへの投与時、生物学的に活性な代謝物質又はその残留物を(直接又は間接的に)提供し得る任意の薬学的に許容可能な塩、エステル、又はそのようなエステルの塩、又は任意の他のオリゴヌクレオチドを包含する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むか又はそれからなる。したがって、例えば、本開示は、化合物の薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬学的に許容可能な塩、及び他の生物学的均等物も対象とする。好適な薬学的に許容可能な塩としては、限定されるものではないが、ナトリウム及びカリウム塩が挙げられる。
プロドラッグとしては、体内で内因性ヌクレアーゼにより開裂されて活性化合物を形成する化合物の一方又は両方の末端における追加のヌクレオシドの取り込みを挙げることができる。特定の実施形態において、化合物又は組成物は、薬学的に許容可能な担体又は希釈剤をさらに含む。
特定の選択化合物
種々の長さ、化学構造、及びモチーフの約1930個の新たに設計された化合物及び少数の既に開示されている化合物を、ヒトAPOL1 mRNAに対するそれらの効果についてインビトロでいくつかの細胞タイプにおいて試験した(実施例1)。インビトロでの単一用量における効力について試験した1930個の化合物のうち、373個の選択化合物を用量依存的阻害についてA431細胞中で試験した(実施例2)。用量応答アッセイにより試験した373個の化合物のうち、86個のオリゴヌクレオチドをげっ歯類におけるインビボ効力及び忍容性のために選択した。
インビボげっ歯類忍容性モデルにおいて、体重及び臓器重量、肝機能マーカー(例えば、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ及びビリルビン)、血液マーカー(例えば、HCT、白血球数、血小板数、RBC数、MCH、及びMCHC)、及び腎機能マーカー(例えば、BUN及びクレアチニン)を計測した。hAPOL1トランスジェニックマウスモデルにおいて、hAPOL1 mRNAのインビボ低減が計測された。
ION番号793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163を、カニクイザルにおける活性、薬物動態プロファイル及び忍容性について試験した(実施例9)。化合物のいくつかによる処理は、肝組織中でのAPOL1 mRNA発現の低減を引き起こした。具体的には、APOL1カニクイザル遺伝子配列と交差反応性であるION904763及びION972190による処理は、PBS対照と比較して肝組織中でのAPOL1 mRNA発現の有意な低減を引き起こした。ION972190は、PBS対照と比較してAPOL1 mRNA発現の最大低減を引き起こしたことが留意された。化合物による処理、特にION972190による処理は、サルにおいて十分忍容された。
したがって、改善された特性のいずれか1つ以上を有する化合物が本明細書に提供される。特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、強力で忍容性である。
以下の実施例は、APOL1に標的化されるリード化合物を同定するスクリーニング法を記載する。例えば、ION793406、904763、905469、905505、905634、905665、972190、及び972163は、高い効力及び忍容性をもたらした。ION972190は、高い効力及び忍容性を示した。
非限定的開示及び参照による組み込み
本出願に添付される配列表は、必要に応じてそれぞれの配列を「RNA」又は「DNA」のいずれかと特定するが、実際には、それらの配列は、化学修飾の任意の組合せにより修飾されていてよい。当業者は、修飾オリゴヌクレオチドを説明するための「RNA」又は「DNA」のそのような指定が、特定の例において、任意であることを容易に認識する。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖(DNAの天然2’-Hについては、2’-OH)を有するDNA又は修飾塩基(RNAの天然ウラシルについては、チミン(メチル化ウラシル))を有するRNAと記載することができる。
したがって、本明細書に提供される核酸配列、例として、限定されるものではないが、配列表中のものは、天然又は修飾RNA及び/又はDNA、例として、限定されるものではないが、修飾核酸塩基を有するそのような核酸の任意の組合せを含有する核酸を包含するものとする。さらなる例として、限定されるものではないが、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴヌクレオチドは、修飾であるか又は非修飾であるかを問わず、そのような核酸塩基配列を有する任意のオリゴヌクレオチドを包含し、その例としては、限定されるものではないが、RNA塩基を含むそのような化合物、例えば配列「AUCGAUCG」を有するもの、並びにいくつかのDNA塩基及びいくつかのRNA塩基、例えば「AUCGATCG」を有するもの、並びに他の修飾核酸塩基、例えば「ATmCGAUCG」(mCは、5位におけるメチル基を含むシトシン塩基を示す)を有する化合物が挙げられる。
本明細書に記載の特定の化合物(例えば、修飾オリゴヌクレオチド)は、1個以上の不斉中心を有し、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び絶対立体化学に関して(R)若しくは(S)として、例えば糖アノマーについてα若しくはβとして、又は例えばアミノ酸について(D)若しくは(L)としてなどで定義することができる他の立体異性配置を生じさせる。特定の立体化学配置を有すると描画又は記載される本明細書に提供される化合物には、示される化合物のみが含まれる。不特定の立体化学配置を有すると描画又は記載される本明細書に提供される化合物には、全てのこのような考えられる異性体、例として、それらのステレオランダム及び光学的に純粋な形態が含まれる。同様に、別途示されない限り、本明細書に提供される化合物の全ての互変異性体が含まれる。別途示されない限り、本明細書に記載のオリゴマー化合物及び修飾オリゴヌクレオチドは、対応する塩形態を含むものとする。
本明細書に記載の化合物は、1個以上の原子が示される元素の非放射性同位体又は放射性同位体により置き換えられているバリエーションを含む。例えば、水素原子を含む本明細書の化合物は、1H水素原子のそれぞれについて全ての考えられる重水素置換を包含する。本明細書の化合物により包含される同位体置換としては、限定されるものではないが、1Hの代わりに2H又は3H、12Cの代わりに13C又は14C、14Nの代わりに15N、16Oの代わりに17O又は18O、及び32Sの代わりに33S、34S、35S、又は36Sが挙げられる。
本明細書に記載の特定の化合物、組成物及び方法を特定の実施形態に従う具体性について記載してきた一方、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を説明するために機能するにすぎず、それを限定するものではない。本出願に引用される参照文献のそれぞれは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
実施例1:A431細胞中のヒトAPOL1のアンチセンス阻害
APOL1核酸を標的化する、種々の化学モチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計し、インビトロでのAPOL1 mRNAに対するそれらの効果について試験した。
3-10-3cEtギャップマー
以下の表中の新たに設計されたキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、3-10-3cEtギャップマーとして設計した。ギャップマーは、16個のヌクレオシド長であり、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドを含み、それぞれ3個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向のウイングセグメントによりフランキングされている。5’ウイングセグメント中のそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、cEt修飾を有する。それぞれのギャップマー全体にわたるヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー全体にわたる全てのシトシン残基は、5-メチルシトシンである。
「開始部位」は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的化される最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的化されるヒト遺伝子配列である最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列記されるそれぞれのギャップマーは、本明細書において配列番号1と指定されるヒトAPOL1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_003661.3)、又は本明細書において配列番号2と指定されるヒトAPOL1ゲノム配列(ヌクレオチド15986452から16001905までトランケートされたGENBANKアクセッション番号NT_011520.9)のいずれかに標的化される。「n/a」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドがその特定の遺伝子配列を100%の相補性で標的化しないことを示す。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、同様の培養条件を有する一連の実験において試験した。それぞれの実験についての結果を下記の別個の表に提示する。1ウェル当たり10,000個の細胞の密度において培養したA431細胞に、4,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約24時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962(フォワード配列GCTACTCCTGCTGACTGATAATG、配列番号10として本明細書に指定される;リバース配列AAGGTTGTCCAGAGCTTTACG、配列番号11として本明細書に指定される;プローブ配列TGCCCAGGAATGAGGCAGATGAG、配列番号12として本明細書に指定される)を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。表28に列記されるオリゴヌクレオチドを後の実験においてスクリーニングした。
デオキシ、MOE、及びcEtギャップマー
以下の表中の新たに設計されたキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、デオキシ、MOE、及びcEtギャップマーとして設計した。デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドは、MOE糖修飾、(S)-cEt糖修飾、又はデオキシ修飾のいずれかを有するヌクレオシドを有する。「化学構造」欄は、それぞれのオリゴヌクレオチドの糖修飾を記載する。「k」は、(S)-cEt糖修飾を示し;「d」は、デオキシリボースを示し;「e」は、MOE修飾を示す。それぞれのギャップマー全体にわたるヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー全体にわたる全てのシトシン残基は、5-メチルシトシンである。ギャップマーの糖モチーフは、以下の表中の化学構造欄に示され、「k」は、cEt糖を意味し;「e」は、2’-MOE糖を意味し;「d」は、デオキシ糖を意味し、「d」の後の数字は、デオキシヌクレオシドの数を示す。
「開始部位」は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的化される最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的化されるヒト遺伝子配列である最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列記されるそれぞれのギャップマーは、本明細書において配列番号1と指定されるヒトAPOL1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_003661.3)、又は本明細書において配列番号2と指定されるヒトAPOL1ゲノム配列(ヌクレオチド15986452から16001905までトランケートされたGENBANKアクセッション番号NT_011520.9)のいずれかに標的化される。「n/a」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドがその特定の遺伝子配列を100%の相補性で標的化しないことを示す。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、同様の培養条件を有する一連の実験において試験した。それぞれの実験についての結果を下記の別個の表に提示する。1ウェル当たり5,000個の細胞の密度において培養したA431細胞に、2,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約24時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
実施例2:A431細胞中のヒトAPOL1の用量依存的アンチセンス阻害
APOL1 mRNAの有意なインビトロ阻害を示す実施例1からのギャップマーを選択し、A431細胞中で種々の用量において試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、同様の培養条件を有する一連の実験において試験した。それぞれの実験についての結果を下記の別個の表に提示する。
細胞を1ウェル当たり10,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表中に規定される種々の濃度の3-10-3cEtギャップマーを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
細胞をさらに1ウェル当たり10,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表中に規定される種々の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットHTS7376(フォワード配列GGCAGCCTTGTACTCTTGGAA、配列番号1942として本明細書に指定される;リバース配列GCTGGTAATCCCGGTCAAAG、配列番号1943として本明細書に指定される;プローブ配列CTGGGATGGAGTTGGGAATCACAGCCX、配列番号1944として本明細書に指定される)を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
別のアッセイにおいて、細胞を1ウェル当たり10,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表中に規定される種々の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
別のアッセイにおいて、細胞を1ウェル当たり11,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表中に規定される種々の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
別のアッセイにおいて、細胞を1ウェル当たり10,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表中に規定される種々の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
実施例3:BALB/cマウスにおけるヒトAPOL1を標的化する修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
BALB/cマウスは、安全性及び効力試験に高頻度で利用される多目的マウスモデルである。マウスを上記試験から選択したアンチセンスオリゴヌクレオチドにより処理し、種々の血漿化学マーカーのレベルの変化について評価した。
処理
6~7週齢雄マウスの群に、200mg/kgの修飾オリゴヌクレオチドを1回皮下注射した。雄BALB/cマウスの1つの群にPBSを注射した。マウスを単一投与の72~96時間後に屠殺し、血漿をさらなる分析のために回収した。
試験1
肝機能に対する修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Beckman Coulter AU480,Brea,CA)を使用してトランスアミナーゼの血漿レベルを計測した。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外のトランスアミナーゼのレベルの変化を引き起こした修飾オリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。化合物ID793406、903807、903822、903853、904016、904063、904082、904084、904101、904212、904223、904224、904226、904424、904426、904443、904444、904619、904627、904628、904763、904766、905031、905032、905036、905095、905121、905123、905139、905141、905143、905146、905147、905269、905373、905408、905418、905469、905471、905491、905496、905505、905510、905511、905521、905581、905582、905633、905634、905636、905654、905655、905665、905684、905688、905690、905697、905700、905758及び905867を本試験において忍容性とみなし、さらなる評価のために選択した。
試験2
肝機能に対する修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価する第2の試験において、自動臨床化学分析装置(Beckman Coulter AU480,Brea,CA)を使用してトランスアミナーゼの血漿レベルを計測した。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外のトランスアミナーゼのレベルの変化を引き起こした修飾オリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。化合物ID969157、969160、969162、969210、969214、969231、969318、969347、969361、969362、969408、969433、969437、969479、969501、969502、971925、971973、971997、972002、972116、972139、972163、972190、972268、及び972288を本試験において忍容性とみなし、さらなる評価のために選択した。
実施例4:トランスジェニックマウスモデルにおけるhAPOL1のアンチセンス阻害の効果
遺伝子の5Kb上流及び12Kb下流でAPOL1遺伝子のみを含有する31.6Kb断片を産生するように消化されたフォスミドABC12-49114000M18を使用してトランスジェニックマウスモデルを発生させた。遺伝子断片をC57BL/6NTAcマウスからの卵中に前核注射により挿入して2つのファウンダー系統を産生した。系統1を本明細書に記載の実験に使用した。ヒトAPOL1転写産物は主に肝臓中で検出可能であり、hAPOL1タンパク質はそれらのマウスの血漿中でロバストに検出可能である。修飾オリゴヌクレオチドの効力をこのモデルにおいて評価した。
トランスジェニックマウスを12時間の明/暗サイクルで維持し、普通Purinaマウス通常食を自由給餌した。動物を実験開始前に研究施設中で少なくとも7日間馴化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を緩衝生理食塩水(PBS)中で調製し、0.2ミクロンフィルターに通して濾過することにより滅菌した。注射のためにオリゴヌクレオチドをPBS中で溶解させた。
試験1
hAPOL1トランスジェニックマウスを、それぞれ2~4匹のマウスの群に分割した。群は、25mg/kgの用量における修飾オリゴヌクレオチドの皮下注射を1週間にわたり週3回、合計3回の投与を受容した。マウスの1つの群は、25mg/kgの用量における対照オリゴヌクレオチド549148(GGCTACTACGCCGTCA、配列番号1948として指定される;既知標的を有さない3-10-3cEtギャップマー)の皮下注射を1週間にわたり週3回、合計3回の投与を受容した。マウスの1つの群は、PBSの皮下注射を1週間にわたり週3回受容した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。
7日目、動物を屠殺し、hAPOL1 mRNA発現のリアルタイムPCR分析のためにRNAを腎臓及び肝臓から抽出した。結果をRIBOGREEN(登録商標)により正規化されたPBS対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。2つの別個の実験を同様の条件を用いて実施し、別個の表に提示する。以下の表に示されるとおり、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、PBS対照と比較してhAPO1 mRNAの有意な低減をもたらした。
試験2
hAPOL1トランスジェニックマウスを、それぞれ4匹のマウスの群に分割した。群は、25mg/kgの用量における修飾オリゴヌクレオチドの皮下注射を1週間にわたり週2回、合計3回の投与を受容した。マウスの1つの群は、25mg/kgの用量における対照オリゴヌクレオチド549148の皮下注射を1週間にわたり週3回、合計3回の投与を受容した。マウスの1つの群は、PBSの皮下注射を1週間にわたり週3回受容した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。
7日目、動物を屠殺し、hAPOL1 mRNA発現の計測のリアルタイムPCR分析のためにRNAを腎臓及び肝臓から抽出した。結果をRIBOGREEN(登録商標)により正規化されたPBS対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。以下の表に示されるとおり、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、PBS対照と比較してhAPO1 mRNAの有意な低減をもたらした。
試験3:タンパク尿を有するマウスに対するAPOL1のアンチセンス阻害の効果
hAPOL1トランスジェニックマウスを、それぞれ3~4匹のマウスの群に分割した。群は、50mg/kgにおける修飾オリゴヌクレオチド972190の皮下注射を4週間にわたり週1回受容した。マウスの1つの群は、50mg/kgの用量における対照オリゴヌクレオチド549148の皮下注射を4週間にわたり週1回受容した。マウスの1つの群は、PBSの皮下注射を4週間にわたり週1回受容した。単一用量のIFNγを、1.125×107U/kgにおいて最後のオリゴヌクレオチド投与の1日後に投与してマウスにおいてタンパク尿を誘導した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。
尿を回収し、動物をIFNγ投与の48時間後に屠殺した。hAPOL1 mRNA発現の計測のリアルタイムPCR分析のためにRNAを腎臓及び肝臓から抽出した。結果をRIBOGREEN(登録商標)により正規化されたPBS対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。以下の表に示されるとおり、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、PBS対照と比較してhAPO1 mRNAの有意な低減をもたらした。さらに以下の表に示されるとおり、972190による処理は、IFNγを投与された対照動物と比較して尿アルブミン及び血漿ALTレベルの有意な低減をもたらした。結果は、APOL1を標的化する修飾オリゴヌクレオチドによる処理がAPOL1トランスジェニックマウスをタンパク尿から保護し、血漿ALTレベルの上昇を低減させたことを示す。
実施例5:CD1マウスにおけるhAPOL1に標的化される修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
CD1(登録商標)マウス(Charles River,MA)は、安全性及び効力試験に高頻度で利用される多目的マウスモデルである。マウスを上記試験から選択した3-10-3cEtギャップマーオリゴヌクレオチドにより処理し、種々の血漿化学マーカーのレベルの変化について評価した。
処理
7~8週齢雄CD1マウスの群に、25mg/kgのISISオリゴヌクレオチド(50mg/kg/週の用量)を6週間にわたり週2回皮下注射した。雄CD1マウスの1つの群にPBSを6週間にわたり週2回皮下注射した。最後の投与の48時間後にマウスを屠殺し、さらなる分析のために臓器及び血漿を回収した。2つの別個の試験を同様の条件を用いて実施し、それぞれの終点分析について別個の表に提示する。
試験1
血漿化学マーカー
肝機能及び腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Beckman Coulter AU480,Brea,CA)を使用してトランスアミナーゼ、アルブミン、ビリルビン、クレアチニン、及びBUNの血漿レベルを計測した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能又は腎機能マーカーいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血液アッセイ
全てのマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)計測及び分析、並びに種々の血球、例えば、WBC、RBC、リンパ球、単球、及び血小板の計測のためにIDEXX BioResearchに送付した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液マーカーいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
試験2
血漿化学マーカー
肝機能及び腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用してトランスアミナーゼ、ビリルビン、クレアチニン、及びBUNの血漿レベルを計測した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能又は腎機能マーカーいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血液アッセイ
全てのマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)計測及び分析、並びに種々の血球、例えば、WBC、RBC、リンパ球、単球、及び血小板の計測のためにIDEXX BioResearchに送付した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液マーカーいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
試験3
体重及び臓器重量
動物の健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、体重及び臓器重量を試験終了時に計測した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の重量のいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血漿化学マーカー
肝機能及び腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Beckman Coulter AU480,Brea,CA)を使用してトランスアミナーゼ、アルブミン、ビリルビン、クレアチニン、及びBUNの血漿レベルを計測した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能又は腎機能マーカーいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血液アッセイ
全てのマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)計測及び分析、並びに種々の血球、例えば、WBC、RBC、リンパ球、単球、及び血小板の計測のためにIDEXX BioResearchに送付した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液マーカーいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
実施例6:Sprague-DawleyラットにおけるhAPOL1に標的化される修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
Sprague-Dawleyラットは、安全性及び効力評価に使用される多目的モデルである。ラットを上記実施例に記載の試験からの3-10-3cEtギャップマーオリゴヌクレオチドにより処理し、種々の血漿化学マーカーのレベルの変化について評価した。
処理
雄Sprague-Dawleyラットを12時間の明/暗サイクルで維持し、Purina普通ラット通常食5001を自由給餌した。それぞれ4匹のSprague-Dawleyラットの群に50mg/kgのISISオリゴヌクレオチドを6週間にわたり週1回皮下注射した。最後の投与の48時間後にラットを屠殺し、さらなる分析のために臓器及び血漿を回収した。2つの別個の試験を同様の条件を用いて実施した。
試験1
肝機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用してトランスアミナーゼの血漿レベルを計測した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを計測し、結果を以下の表に提示し、IU/Lで表現する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能のいずれかのマーカーのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
腎機能
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して血液尿窒素(BUN)及びクレアチニンの血漿レベルを計測した。結果を以下の表に提示し、mg/dLで表現する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の腎機能マーカーのいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血液アッセイ
全てのラット群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)計測及び分析、並びに種々の血球、例えば、WBC、RBC、及び総ヘモグロビン含有量の計測のためにAntech Diagnosticsに送付した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液マーカーのいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
臓器重量
肝臓、脾臓及び腎臓重量を試験の終了時に計測し、以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の臓器重量の任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
試験2
肝機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用してトランスアミナーゼの血漿レベルを計測した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを計測し、結果を以下の表に提示し、IU/Lで表現する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能のいずれかのマーカーのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
腎機能
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して血液尿窒素(BUN)及びクレアチニンの血漿レベルを計測した。結果を以下の表に提示し、mg/dLで表現する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の腎機能マーカーのいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血液アッセイ
全てのラット群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)計測及び分析、並びに種々の血球、例えば、WBC、RBC、及び総ヘモグロビン含有量の計測のためにAntech Diagnosticsに送付した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液マーカーのいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。n.d.は、その特定のオリゴヌクレオチドについてそのパラメータを計測しなかったことを示す。
臓器重量
肝臓、脾臓及び腎臓重量を試験の終了時に計測し、以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の臓器重量の任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
試験3
肝機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用してトランスアミナーゼの血漿レベルを計測した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを計測し、結果を以下の表に提示し、IU/Lで表現する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能のいずれかのマーカーのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
腎機能
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して血液尿窒素(BUN)及びクレアチニンの血漿レベルを計測した。結果を以下の表に提示し、mg/dLで表現する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の腎機能マーカーのいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
血液アッセイ
全てのラット群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)計測及び分析、並びに種々の血球、例えば、WBC、RBC、及び総ヘモグロビン含有量の計測のためにAntech Diagnosticsに送付した。結果を以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液マーカーのいずれかのレベルの変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。n.d.は、その特定のオリゴヌクレオチドについてそのパラメータを計測しなかったことを示す。
臓器重量
肝臓、脾臓及び腎臓重量、並びに体重を試験の終了時に計測し、以下の表に提示する。アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の重量の任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドは、さらなる試験において排除した。
実施例7:トランスジェニックマウスモデルにおけるhAPOL1の用量依存的阻害
上記のトランスジェニックマウスhAPOL1マウスを12時間の明/暗サイクルで維持し、普通Purinaマウス通常食を自由給餌した。動物を実験開始前に研究施設中で少なくとも7日間馴化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を緩衝生理食塩水(PBS)中で調製し、0.2ミクロンフィルターに通して濾過することにより滅菌した。注射のためにオリゴヌクレオチドを0.9%のPBS中で溶解させた。
試験1
hAPOL1トランスジェニックマウスをそれぞれ4匹のマウスの群に分割した。群は、以下の表に示される5、15、又は50mg/kgの用量における3-10-3cEtギャップマーの皮下注射を4週間にわたり週1回、合計4回の投与を受容した。マウスの1つの群は、PBSの皮下注射を4週間にわたり週1回受容した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。
RNA分析
最後の投与の48時間後にマウスを屠殺し、hAPOL1のmRNA発現の計測のリアルタイムPCR分析のためにRNAを腎臓及び肝臓から抽出した。結果をRIBOGREEN(登録商標)により正規化されたPBS対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。2つの別個の実験を同様の条件を用いて実施し、別個の表に提示する。以下の表に示されるとおり、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、PBS対照と比較してhAPO1 mRNAの有意な低減をもたらした。
試験2
hAPOL1トランスジェニックマウスをそれぞれ4匹のマウスの群に分割した。群は、以下の表に示される5、15、又は50mg/kgの用量における3-10-3cEtギャップマーの皮下注射を4週間にわたり週1回、合計4回の投与を受容した。マウスの1つの群は、PBSの皮下注射を4週間にわたり週1回受容した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。
RNA分析
最後の投与の48時間後にマウスを屠殺し、hAPOL1のmRNA発現の計測のリアルタイムPCR分析のためにRNAを腎臓及び肝臓から抽出した。結果をRIBOGREEN(登録商標)により正規化されたPBS対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。2つの別個の実験を同様の条件を用いて実施し、別個の表に提示する。以下の表に示されるとおり、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、PBS対照と比較してhAPO1 mRNAの有意な低減をもたらした。
試験3
hAPOL1トランスジェニックマウスをそれぞれ4匹のマウスの群に分割した。群は、以下の表に示される1.5、5、15、又は50mg/kgの用量における修飾オリゴヌクレオチドの皮下注射を4週間にわたり週1回、合計4回の投与を受容した。マウスの1つの群は、PBSの皮下注射を4週間にわたり週1回受容した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。
RNA分析
最後の投与の48時間後にマウスを屠殺し、hAPOL1のmRNA発現の計測のリアルタイムPCR分析のためにRNAを腎臓及び肝臓から抽出した。結果をRIBOGREEN(登録商標)により正規化されたPBS対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。以下の表に示されるとおり、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、PBS対照と比較してhAPO1 mRNAの有意な低減をもたらした。
実施例8:A431細胞中のAPOL1を標的化するヒトリード化合物の用量依存的アンチセンス阻害の確認
上記試験から選択したギャップマーをA431細胞中で種々の用量において試験した。
試験1
細胞を1ウェル当たり10,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表に規定される種々の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
試験2
細胞を1ウェル当たり10,000個の細胞の密度においてプレーティングし、以下の表に規定される種々の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを自由取り込みにより形質移入した。約16時間の処理期間後、RNAを細胞から単離し、APOL1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより計測した。ヒトプライマープローブセットRTS35962を使用してmRNAレベルを計測した。APOL1 mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)により計測された総RNA含有量に従って調整した。結果を、非処理対照細胞に対するAPOL1の阻害パーセントとして提示する。
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半数(IC50)も提示する。APOL1 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞中で用量依存的に有意に低減した。
実施例9:カニクイザルにおけるヒトAPOL1を標的化するISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
カニクイザルを、上記実施例に記載の試験から選択したISISアンチセンスオリゴヌクレオチドにより処理した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの効力及び忍容性、並びに肝臓及び腎臓におけるそれらの薬物動態プロファイルを評価した。カニクイザルは、APOL1偽遺伝子を有することが報告されている。
試験されるヒトアンチセンスオリゴヌクレオチドは、カニクイザルゲノム配列と交差反応性である(ヌクレオチド15021761から15036414までトランケートされたGENBANKアクセッション番号NC_022281.1の相補鎖、配列番号1949として指定)。ヒトオリゴヌクレオチドとカニクイザル配列との間の相補性が大きいほど、ヒトオリゴヌクレオチドがカニクイザル配列と交差反応し得る可能性が高くなる。配列番号1949に対するそれぞれのオリゴヌクレオチドの開始及び終始部位を以下の表に提示する。「開始部位」は、カニクイザル遺伝子配列中でギャップマーが標的化される最も5’側のヌクレオシドを示す。「ミスマッチ」は、その長さに沿ってカニクイザル遺伝子配列とミスマッチするヒトオリゴヌクレオチドの核酸塩基の数を示す。
処理
試験前、サルを隔離飼育し、その間、動物を全身健康状態について毎日観察した。サルはそれぞれ2~4年齢であり、2~4kgの体重であった。それぞれ4匹のランダムに割り当てられた雄カニクイザルの8つの群に、30mg/kgの修飾オリゴヌクレオチド又はPBSを12週間にわたり週1回投与した。サルの1つの群は、生理食塩水の投与を12週間にわたり週1回受容した。生理食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群を比較する対照群として機能した。最後の投与の約48時間後、サルを屠殺し、分析のために組織を回収した。
忍容性の評価は、臨床観察、体重、摂餌量、及び臨床病理検査に基づいた。完全解剖を実施し、任意の肉眼異常を記録した。85日目に最終解剖を実施した。臓器重量を測定した。さらに、毒物動態評価のために血液、CSF、及び組織(解剖時)を回収した。本実施例に記載のプロトコルは、動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)により承認された。
標的低減
RNA分析
カニクイザルAPOL1のmRNA発現のリアルタイムPCR分析のためにRNAを肝臓から抽出した。RTS35787(フォワード配列:CTCCTGCTGAGTGACCATAAAG(配列番号1945);リバース配列:GGACTTCTTCGAGCCAGTTT(配列番号1946);プローブ配列:AGAGTGGTGGCTACTGCTGAACTG(配列番号1947))を使用してカニクイザルAPOL1を検出した。結果をサルシクロフィリンAにより正規化された生理食塩水対照に対するmRNAの変化パーセントとして提示する。以下の表に示されるとおり、修飾オリゴヌクレオチドによる処理は、一部のオリゴヌクレオチドについてPBS対照と比較してカニクイザルAPOL1 mRNAの低減をもたらした。
忍容性試験
体重及び臓器重量計測
動物の全身健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、体重及び臓器重量を計測した。84日目に体重を計測し、以下の表に提示する。屠殺後に臓器重量を計測し、そのデータも以下の表に提示する。結果は、体重及び臓器重量に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理の効果が、アンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲内であったことを示す。具体的には、ISIS972190による処理は、サルの体重及び臓器重量に関して十分忍容された。
肝機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、血液試料を全ての試験群から回収した。血液試料は、大腿静脈穿刺を介して投与の48時間後に回収した。サルを採血前に一晩絶食させた。K2-EDTA抗凝固剤を含有するチューブ中で血液を回収し、それを遠心分離して血漿を得た。Toshiba 200FR NEO化学分析装置(株式会社東芝、日本)を使用して種々の肝機能マーカーのレベルを計測した。ALT及びASTの血漿レベルを計測し、結果を以下の表に提示し、IU/Lで表現する。肝機能マーカーのビリルビンを同様に計測し、以下の表に提示し、mg/dLで表現する。結果は、アンチセンスオリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の肝機能に対する効果を有さなかったことを示す。具体的には、ISIS972190による処理は、サルにおける肝機能に関して十分忍容された。
腎機能
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、血液試料を全ての試験群から回収した。血液試料は、大腿静脈穿刺を介して投与の48時間後に回収した。サルを採血前に一晩絶食させた。K2-EDTA抗凝固剤を含有するチューブ中で血液を回収し、それを遠心分離して血漿を得た。Toshiba 200FR NEO化学分析装置(株式会社東芝、日本)を使用してBUN及びクレアチニンのレベルを計測した。以下の表に提示し、mg/dLで表現する。
COBAS U411分析装置、Combur 10 Test M尿スティック(Roche,Germany)、及びToshiba 120 FR自動化学分析装置(株式会社東芝、日本)を使用して屠殺前に検尿も実施した。尿を、カリウム(U-K)、マイクロタンパク質(UTP)、クレアチニン(UCRE)、アルブミン(UALB)、塩素(Ca)、ナトリウム(Na)について試験し、タンパク質/クレアチニン比を計算した(P/C)。結果を以下の表に提示する。
血漿及び尿化学データは、ISISオリゴヌクレオチドのほとんどがアンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の腎機能に対するいかなる効果も有さなかったことを示す。具体的には、ISIS972190による処理は、サルの腎機能に関して十分忍容された。
血液検査
血液パラメータに対するカニクイザルにおけるISISオリゴヌクレオチドの任意の効果を評価するため、約1.3mLの血液の血液試料を利用可能な試験動物のそれぞれから、K2-EDTAを含有するチューブ中に回収した。ADVIA120血液分析装置(Bayer,USA)を使用して試料を赤血球(RBC)数、白血球(WBC)数、個々の白血球数、例えば単球、好中球、リンパ球のもの、並びに血小板数、ヘモグロビン含有量及びヘマトクリットについて分析した。データを以下の表に提示する。
データは、オリゴヌクレオチドがこの用量におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドについての予測範囲外の血液パラメータのいかなる変化も引き起こさなかったことを示す。具体的には、ISIS972190による処理は、サルの血液パラメータに関して十分忍容された。
C反応性タンパク質及びC3活性化
カニクイザルにおけるISISオリゴヌクレオチドの任意の炎症効果を評価するため、分析のために血液試料を採取した。サルを採血前に一晩絶食させた。約1.5mLの血液をそれぞれの動物から回収し、血清分離のために抗凝固剤を有さないチューブ中に入れた。チューブを室温において少なくとも90分間保持し、次いで室温において3,000rpmにおいて10分間遠心分離して血清を得た。C3レベルを計測してオリゴヌクレオチド処理に起因する任意の補体活性化を評価した。Toshiba 200FR NEO化学分析装置(株式会社東芝、日本)を使用して、肝臓中で合成され、炎症のマーカーとして機能するC反応性タンパク質(CRP)を計測した。結果は、ISIS972190による処理がサルにおけるいかなる炎症も引き起こさなかったことを示す。
オリゴヌクレオチド濃度分析
異なる臓器中のそれぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度の定量分析を実施した。オリゴヌクレオチドのほとんどは、肝臓及び腎臓における許容可能な薬物動態プロファイルを有した。
まとめると、試験の結果は、ISIS972190がAPOL1の阻害について試験されたもののうちで最も強力であり、十分忍容される化合物であり、APOL1関連疾患の治療のための重要な候補であることを示す。