JP7237667B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、省エネルギー性に対応したトナーとして、定着工程での消費電力を低下させるために、より低い温度で定着できるトナーが求められている。また、画像安定性に対応したトナーとして、補給されたトナーの帯電量が瞬時に立ち上がるトナーが求められている。
そこで、低温定着性の優れたトナーとして、結晶性樹脂を使用したトナーが提案され(特許文献1)、帯電の立ち上がりに優れたトナーとして、低電気抵抗の酸化チタン微粒子を用いたトナーが提案されている(特許文献2)。
一方、特許文献2に記載のトナーは、低電気抵抗の酸化チタン微粒子がトナー粒子の表面に被覆されていることから、優れた帯電の立ち上がり性を示す。しかしながら、無機微粒子がトナー粒子の表面に多量に被覆されていることから、定着阻害を招き、低温定着性が損なわれる場合があった。
以上のことから、結晶性アクリル樹脂において、低温定着性と画像安定性はトレードオフ関係にある。そこで、このトレードオフ関係を脱却し、優れた低温定着性を示した上で、印字比率の異なる画像の出力においても優れた画像安定性を示すトナーの開発が急務となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、優れた低温定着性を示した上で、印字比率の異なる画像の出力においても優れた画像安定性を示すトナー、並びに該トナーの製造方法を提供することを目的とする。
該トナー粒子の表面からその中心に向かって300nm以内の領域にビニル重合体Aが存在し、
該ビニル重合体Aが、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有し、
前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記第二の重合性単量体が、エステル基またはニトリル基を有し、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21としたとき、該SP11と該SP21とが、下記式(1)と下記式(2)とを満たし、
SP11≦18.40(J/cm3)0.5 ・・・(1)
21.00(J/cm3)0.5≦SP21 ・・・(2)
該ビニル重合体A中の該第一のモノマーユニットの割合が、該ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として5.0~60.0モル%であり、
該ビニル重合体A中の該第二のモノマーユニットの割合が、該ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として20.0~95.0モル%であり、
該トナーのESCAにより測定される結合エネルギー102ev~103evにおけるSi量をAとし、結合エネルギー285ev~288evにおけるC量をBとしたとき、下記式(3)を満たすトナーが提供される。
1.0≦A/B≦3.0 ・・・(3)
該トナー粒子の表面からその中心に向かって300nm以内の領域にビニル重合体Aが存在し、
該ビニル重合体Aが、第一の重合性単量体、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体であり、
前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記第二の重合性単量体が、エステル基またはニトリル基を有し、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22としたとき、該SP12と該SP22とが、下記式(4)と下記式(5)とを満たし、
SP12≦17.72(J/cm3)0.5 ・・・(4)
18.30(J/cm3)0.5≦SP22 ・・・(5)
該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として20.0モル%~95.0モル%であり、
該トナーの電子分光化学分析法(ESCA)を用いて測定される結合エネルギーのピーク位置が102ev~103evにあるケイ素原子のピーク面積をAとし、結合エネルギーのピーク位置が285ev~288evにある炭素原子のピーク面積をBとしたとき、該Aと該Bとが下記式(3)を満たすトナーが提供される。
1.0≦A/B≦3.0 ・・・(3)
シリコーンオイルを含有するトナー組成物を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、
該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程と、
該トナー母粒子を熱処理する工程と、を経て製造される前記トナーの製造方法が提供される。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
本発明において、「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す。
本発明において、SP値とは、溶解度パラメータ(soluble parameter)の略であり、溶解性の指標となる値である。算出方法については後述する。
該トナー粒子の表面からその中心に向かって300nm以内の領域にビニル重合体Aが存在し、
該ビニル重合体Aが、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有し、
前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記第二の重合性単量体が、エステル基またはニトリル基を有する。
SP11≦18.40(J/cm3)0.5 ・・・(1)
21.00(J/cm3)0.5≦SP21 ・・・(2)
該ビニル重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として20.0モル%~95.0モル%である。
該Aと該Bとが下記式(3)を満たす。
1.0≦A/B≦3.0 ・・・(3)
まず、本発明者らは、帯電の立ち上がり性の向上の手段について検討した。トナーの帯電の立ち上がり性を向上させるためには、トナー表面のある一部で発生した電荷を、瞬時にトナー表面全体に均一に受け流すことが重要であると考えられる。本発明者らは、トナー表面全体に電荷を受け流す材料の探索を行い、シリコーンオイルに電荷発散効果があることを見出した。これは、液体であるシリコーンオイルの分子運動性の高さに由来していると考えらえる。
本発明者らは、さらに検討を進め、特定の構造を有する結晶性アクリル樹脂を用いることで、トナー表面に薄層のシリコーンオイル層を形成させることができ、所望のトナーを得ることができることを見出した。
シリコーンオイルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子の表面からその中心に向かって300nm以内の領域にビニル重合体Aが存在し、
該ビニル重合体Aが、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有し、
前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記第二の重合性単量体が、エステル基またはニトリル基を有し、
該第一のモノマーユニットのSP値と、該第二のモノマーユニットのSP値と、
該ビニル重合体A中の第一のモノマーユニットの割合と、該ビニル重合体A中の第二のモノマーユニットの割合と
を制御することで、第一のモノマーユニットと第二のモノマーユニットとがランダムに結合するのではなく、ある程度連続して結合できることを見出した。
一方、シリコーンオイルを含有していない場合、シリコーンオイルの電荷発散効果が得られず、摩擦により発生した電荷は、トナー表面に局在化するため、帯電の立ち上がり性は損なわれ、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性が得られない。さらに、トナー表面に電荷が局在化するため、静電潜像担持体や中間転写体に対する静電付着力が増加するため、優れた転写性が得られない。
トナー粒子の表面に、ビニル重合体Aが存在していることから、シリコーンオイルとの親和性が高まり、トナー表面に薄膜のシリコーンオイル層が形成される。そのため、摩擦により発生した電荷は、シリコーンオイルの電荷発散効果により、トナー表面全体に均一に受け流されることにより、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性が得られる。
一方、第一の重合性単量体が、炭素数18未満のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである場合、アルキル基の鎖長が短いため、シリコーンオイルとの親和性が低くなり、シリコーンオイルはドメイン化し、トナー表面に厚膜のシリコーンオイル層が形成される。そのため、磁性キャリアとの摩擦機会が阻害され、帯電の立ち上がり性は向上せず、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性は得られない。さらに、液架橋に伴い静電潜像担持体や中間転写体に対する非静電付着力が増加するため、優れた転写性が得られない。
また、第一の重合性単量体が、炭素数が36を超えるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである場合、かかる(メタ)アクリル酸エステルは鎖長が長いアルキル基を有するため融点が高いため、優れた低温定着性が得られない。
炭素数18~36の分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシル等が挙げられる。
第一の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ニトリル基を有する単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
エステル基を有する単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニルなどのビニルエステル、アクリルアミド、アクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル。
なかでも、下記式(A)からなる群から選ばれるビニルエステル類は、非共役モノマーであって第一の重合性単量体との反応性が適度に保たれやすく、ビニル重合体Aの結晶性をあげやすいため、低温定着性と画像安定性の抑制を両立しやすい。
SP11≦18.40(J/cm3)0.5 ・・・(1)
21.00(J/cm3)0.5≦SP21 ・・・(2)
SP12≦17.72(J/cm3)0.5 ・・・(4)
18.30(J/cm3)0.5≦SP22 ・・・(5)
SP値がSP111のモノマーユニットAを第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準としてAモル%含み、
SP値がSP112のモノマーユニットBを第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準として(100-A)モル%含む場合のSP値(SP11)は、以下の計算式を用いて算出される。
SP11=(SP111×A+SP112×(100-A))/100
第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが3以上含まれる場合も同様に計算する。
SP12も同様に、それぞれの第一の重合性単量体のモル比率を用いて算出した加重平均値とする。
ビニル重合体A中の第二のモノマーユニットの含有割合は、ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%である。
組成物中の第二の重合性単量体の含有割合は、組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%である。
また、第一のモノマーユニットの含有割合が60.0モル%より多い場合、及び第一の重合性単量体の含有割合が60.0モル%より多い場合、相対的に第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合が少ないことを意味する。そして、磁性キャリアとの摩擦による電荷が発生しにくくなる。そのため、帯電の立ち上がり性は向上せず、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性が得られない。
また、第二のモノマーユニットの含有割合が95.0モル%より多い場合、及び第二の重合性単量体の含有割合が95.0モル%より多い場合、結晶性を有する部位が少ないため、シャープメルト性が発揮できず、優れた低温定着性が得られない。
第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体含有割合は、優れた低温定着性と画像の安定性を得ることができるという観点から、好ましくは40.0モル%~95.0モル%であり、より好ましくは40.0モル%~70.0モル%である。
また、ビニル重合体Aに用いる組成物が2種以上の炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む場合も同様に、第一の重合性単量体の含有割合は、それらの合計のモル比率を表す。
また、ビニル重合体Aに用いる組成物が2種以上の第二の重合性単量体を含む場合も同様に、第二の重合性単量体の含有割合は、それらの合計のモル比率を表す。
結合エネルギーのピーク位置が285ev~288evにある炭素原子のピーク面積をBとしたとき、A/Bは下記式(3)を満たす。
1.0≦A/B≦3.0 ・・・(3)
A/Bが上記式(3)を満たす場合、トナー表面に薄膜のシリコーンオイル層が形成されていることを意味する。そのため、摩擦により発生した電荷は、シリコーンオイルの電荷発散効果により、トナー表面全体に均一に受け流されることにより、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性が得られる。
第三の重合性単量体としては、上記第二の重合性単量体として例示した単量体のうち、上記式(1)又は式(2)を満たさない単量体を用いることができる。
また、以下の単量体も用いることが可能である。例えば、スチレン、o-メチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類。なお、式(1)又は式(2)を満たす場合には、第二の重合性単量体として用いることができる。
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
Mwが上記範囲内であることで、ビニル重合体Aとの親和性が高まり、トナー表面に薄膜のシリコーンオイル層が形成される。そのため、摩擦により発生した電荷は、シリコーンオイルの電荷発散効果により、トナー表面全体に均一に受け流されることにより、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性が得られる。
ビニル重合体Aの融点は、使用する第一の重合性単量体の種類や量、第二の重合性単量体の種類や量などによって調整可能である。
重量平均分子量が500以下の成分の含有量は、好ましくは0.03質量%以下である。なお、下限は特に制限されないが、0.001質量%以上であることが好ましい。
シリコーンオイル中の重量平均分子量が500以下の成分の含有量を0.05質量%以下にする方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。一例として、加熱減圧法を以下に示す。
シリコーンオイルを高い密閉性が得られる容器に投入し、用いるシリコーンオイルの高分子量成分が熱酸化反応しない温度以下で加熱を行う。加熱温度は前記高分子量成分が熱酸化反応しない温度であれば高いほど低分子量成分を速く減らすことができる。加熱を行うとともに真空ポンプなどにより、減圧を行うことでより効率良く低分子量成分を除くことができる。減圧したときの圧力は10torr以下まで減圧することが好ましく、圧力は低いほど好ましい。重量平均分子量が500以下の成分の含有量が0.05質量%以下になったら加熱減圧を終了し、回収する。
シリコーンオイルを含有するトナー組成物を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、
溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程と、
例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風によりトナー母粒子を熱処理する工程を行うことが、印字比率の異なる画像の出力において優れた画像安定性を得ることができるという観点から好ましい。
結着樹脂には、必要に応じて、ビニル重合体A以外の樹脂を含有することもできる。結着樹脂に用いられるビニル重合体A以外の樹脂としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、スチレン系共重合体やポリエステル樹脂が好ましい。また、ビニル重合体A以外の樹脂は非晶性であることが好ましい。
トナーは、必要に応じて着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤としては、顔料を単独で使用してもよく、染料と顔料とを併用してもよい。フルカラー画像において優れた画質を得ることができるという観点から、染料と顔料とを併用することが好ましい。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
着色剤の含有量は、樹脂成分の総量に対して0.1質量部~30.0質量部であることが好ましい。
トナー粒子は、離型剤としてワックスを含んでいてもよい。かかるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸のような脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのようなアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
上記ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部あたり3質量部~8質量部であることが好ましい。
トナー粒子は、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く、かつ一定の帯電量を安定して保持できる、芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし、外添してもよい。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.2質量部~10.0質量部が好ましく、0.5質量部~10.0質量部がより好ましい。
トナーは、必要に応じて無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナーと混合してもよい。無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子又はそれらの複酸化物微粒子のような微粒子が挙げられる。無機微粒子の中でもシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子が、流動性の改良及び帯電の均一化のために好ましい。
流動性を向上させる観点からは、外添剤としての無機微粒子は、比表面積が50m2/g~400m2/gであることが好ましい。また、耐久安定性を向上させる観点からは、外添剤としての無機微粒子は、比表面積が10m2/g~50m2/gであることが好ましい。流動性向上と耐久安定性とを両立させるために、比表面積が上記範囲の無機微粒子を併用してもよい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部~10.0質量部であることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を供給するために、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
該磁性キャリアとしては、例えば以下のものが挙げられる。酸化鉄;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、及び希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、それらの酸化物粒子。フェライトなどの磁性体;磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際の磁性キャリアの混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%~15質量%であることが好ましく、より好ましくは4質量%~13質量%以下である。
トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されないが、シリコーンオイルの分散の観点から粉砕法が好ましい。その理由は、水系媒体中でトナー粒子を製造すると、シリコーンオイルは、トナー粒子の表面に析出するため、トナー粒子の表面に厚膜のシリコーンオイル層が形成される。その結果、磁性キャリアとの摩擦機会が阻害されるため、帯電の立ち上がり性は向上せず、印字比率の異なる画像の出力における優れた画像安定性が得られない。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、粉砕機で粗粉砕した後、さらに、微粉砕機で微粉砕する。
粉砕機としては、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどが挙げられる。
微粉砕機としては、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(ターボ工業(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機が挙げられる。
必要に応じて分級機や篩分機を用いて分級する。
分級機や篩分機としては、例えば以下のものが挙げられる。慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)。
加熱によるトナー粒子の表面処理を行い、トナーの円形度を増加させる。例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うこともできる。
図1に示す表面処理装置においては、原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管3を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12で分配され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段出口11における温度が100℃~300℃であることが好ましい。熱風供給手段出口11における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を抑制しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室6の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体粒子供給口14から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段8から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段7から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナーに強力な遠心力がかかり、トナーの分散性がさらに向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。
トナーの平均円形度は、0.960以上0.980以下であると、非静電付着力を低く抑えることができるため、優れた転写性を得ることができるという観点から好ましい。
有機溶剤と接触させる工程および分離工程においては、必要に応じて、表面処理工程を経たトナー粒子を、有機溶剤と接触させ、分離する。このようにすることにより、有機溶剤と親和性の高い低分子量のシリコーンオイルが洗浄され、分子量分布がシャープなシリコーンオイルの薄膜をトナー表面に形成させることができる。用いられる有機溶剤は、シリコーンオイルとの親和性があることが重要である。親和性が高すぎると、シリコーンオイルをトナー粒子から引き抜きすぎてしまい、電荷発散効果が損なわれる。具体的な有機溶剤としては、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、及びこれらの混合物などが挙げられる。
トナー粒子と有機溶剤の接触工程において、トナー粒子と有機溶剤とを混合してトナー粒子の有機溶剤分散液を得る場合、攪拌は攪拌翼による攪拌でも良く、ホモジナイザーや超音波分散機などによる攪拌でも良い。しかし、トナー粒子を均一に処理する観点から、ホモジナイザーや超音波分散機などでの攪拌下処理することが好ましい。
乾燥工程においては、上記工程で得られたトナー粒子の乾燥を行う。
その後、外添処理する方法としては、以下の方法が挙げられる。ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法。その際、必要に応じて、流動化剤等のシリカ微粒子A以外の外添剤を外添処理しても良い。
トナー粒子及び原材料の各種物性の測定方法について以下に説明する。
トナーの表層のシリコーンオイルに由来するSi量は、電子分光化学分析(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)によって求めたものである。
装置 :Quantum2000(アルバック・ファイ(株)製)
サンプル測定範囲 :Φ100μm
光電子取り込み角度 :45°
X線 :ビーム径50μm、12.5W、15kV
PassEnergy :46.95eV
Step Size :0.200eV
No of Sweeps :1~20
設定測定時間 :30min
トナー粒子の表面に存在するシリコーンオイルの割合=(A/B)
Aは、結合エネルギー(Binding Energy)のピーク位置が102ev~103evにあるケイ素(Si)原子のピーク面積を示す。
Bは、結合エネルギー(Binding Energy)のピーク位置が285ev~288evにある炭素(C)原子のピーク面積を示す。
サンプルビンに高速液体クロマトグラフ用のトルエンとシリコーンオイルを入れ、溶解させる。
シリコーンオイルが溶解したのを確認後、東ソー(株)製ディスポーザブルディスクフィルター(商品名:マイショリディスク、目開き0.5μm)を用いてろ過し、通過したものをGPCサンプルとする。
なお、サンプル溶液は、濃度が約1.0質量%となるように調整する。
装置: Prominence GPCシステム((株)島津製作所製)
検出器: RID
カラム: トルエン専用LF804 2連
温度: 45.0℃
溶媒: 高速液体クロマトグラフ用トルエン
流速: 1.0mL/min
注入量: 0.05mL
・標準ポリスチレン樹脂:商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」東ソー(株)製
ビニル重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定は、1H-NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子(株)製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料 :測定試料(ビニル重合体A)50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
同様に、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S2を算出する。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、上記積分値S1、S2及びS3を用いて、以下のようにして求める。なお、n1、n2、n3はそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S2/n2)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S3/n3)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
なお、ビニル重合体Aにおいて、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、1H-NMRの場合と同様にして算出する。
また、トナーが懸濁重合法によって製造される場合、離型剤やその他の樹脂のピークが重なり、独立したピークが観測されないことがある。それにより、ビニル重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合が算出できない場合が生じる。その場合、離型剤やその他の樹脂を使用しないで同様の懸濁重合を行うことで、ビニル重合体A’を製造し、ビニル重合体A’をビニル重合体Aとみなして分析することができる。
重合性単量体のSP値及び重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
・重合性単量体のSP値
それぞれの重合性単量体又は離型剤について、分子構造中の原子又は原子団に対して、下記の文献に記載の表からΔei及びΔviを求め、下記式よりSP値を算出する。
R. F. Fedors: “A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids”,polym.Eng.Sci.,Vol.14(2),147-154(1974)
SP値(J/cm3)0.5=(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5
Δei:各々の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)
Δvi:各々の原子又は原子団のモル体積(cm3/mol)
なお、SP11、SP21は、該重合性単量体の二重結合が重合によって開裂した状態の分子構造の原子又は原子団に対して、上記と同様の算出方法によって算出する。
SP11:第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値
SP21:第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値
まず、ビニル重合体Aを構成する重合性単量体に由来するモノマーユニットの蒸発エネルギー(Δei)及びモル体積(Δvi)をモノマーユニット毎に求め、各モノマーユニットのビニル重合体Aにおけるモル比(j)との積をそれぞれ算出する。そして、下記式によりSP31値を算出する。
SP31={4.184×(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}0.5
ビニル重合体AのTHF可溶分の分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
・標準ポリスチレン樹脂:商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」東ソー(株)製)
融点(Tp)は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
昇温速度 :10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などの酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。測定方法は、JIS-K0070-1992に準じ以下のように測定する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間静置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した該水酸化カリウム溶液の量から求める。該0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(A)本試験
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm~60μmに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
・コンタミノンN:非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃~40℃となる様に適宜調節する。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローセルに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512画素×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37μm×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200以上1.000以下の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
まず、ガラス製の容器中にあらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として前記コンタミノンNをイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。
そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.98μm~39.96μmとし、トナーの平均円形度を求める。
標準ラテックス粒子としては、例えば以下のものが挙げられる。Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈したもの。
・溶媒:トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル・メタクリロニトリル・スチレンを以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル(第一の重合性単量体) 60.0部(26.2モル%)
・メタクリロニトリル(第二の重合性単量体) 30.0部(57.9モル%)
・スチレン(第三の重合性単量体) 10.0部(15.9モル%)
・重合開始剤 t-ブチルパーオキシピバレート(日油(株)製:パーブチルPV)0.5部
上記ビニル重合体A1をNMRで分析したところ、アクリル酸ベヘニル由来のモノマーユニットが26.2モル%、メタクリロニトリル由来のモノマーユニットが57.9モル%、スチレン由来のモノマーユニットが15.9モル%含まれていた。重合性単量体及び重合性単量体由来のモノマーユニットのSP値を上記の方法により算出した。算出したSP値を含む物性値を表2,3に示す。
ビニル重合体A1の製造例において、それぞれの重合性単量体及び部数を表1に示すように変更した以外は同様にして反応を行い、ビニル重合体A2~A13を得た。ビニル重合体A2~A13についても算出したSP値を含む物性値を表2~4に示す。
BEA:ベヘニルアクリレート(アルキル基の炭素数:22)
SA:ステアリルアクリレート(アルキル基の炭素数:18)
MYA:ミリシルアクリレート(アルキル基の炭素数:30)
HA:ヘキサデシルアクリレート(アルキル基の炭素数:16)
MN:メタクリロニトリル(CH2=C(CH3)CN)
AA:アクリルアミド (CH2=CH(C=O)NH2)
VA:酢酸ビニル (CH2=CHO(C=O)CH3)
MA:アクリル酸メチル (CH2=CH(C=O)OCH3)
St:スチレン (C6H5CH=CH2)
MM:メタクリル酸メチル(CH2=C(CH3)(C=O)OCH3)
・ジメチルシリコーンオイル 100部
(信越化学工業(株)製:KF96-500CS、25℃における動粘度500mm2/S、Mw20,000)
上記を500mLのナスフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターR-100(BUCHI製)を用いて低分子量成分の低減を行った。オイルバスを用いて180℃で加熱し、100rpmで回転させながら10torrまで減圧して3時間処理を行い、低分子量低減シリコーンオイル1を得た。重量平均分子量は20,000であり、重量平均分子量500以下の成分は低分子量低減シリコーンオイル1の0.03質量%であった。
低分子量低減シリコーンオイル1の製造例において、それぞれのシリコーンオイルを表5に示すように変更した以外は同様にして反応を行い、低分子量低減シリコーンオイル2~低分子量低減シリコーンオイル6を得た。低分子量低減シリコーンオイル2~低分子量低減シリコーンオイル6の物性を表5に示す。
・ビニル重合体A1 100部
・低分子量低減シリコーンオイル1 4部
・カーボンブラック 10部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1,500rpm、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、(株)池貝製)を用いて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルを用いて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)を用いて微粉砕した。さらにファカルティ(F-300、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を11,000rpm、分散ローター回転数を7,200rpmとした。
熱処理工程を経たトナー粒子1 100部
エタノール 400部
・熱処理工程及び有機溶剤の接触工程を経たトナー粒子1 100部
・シリカ微粒子A:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ
(個数基準におけるメジアン径(D50)が120nm) 8部
トナー1の製造例において、ビニル重合体A、低分子量低減シリコーンオイル、熱処理工程、及び、有機溶剤接触工程を表6となるように変更した以外は同様の操作を行い、トナー2~トナー20を得た。トナー2~トナー20の物性を表6に示す。
・個数平均粒径0.30μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am2/kg)のマグネタイト1
・個数平均粒径0.50μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am2/kg)のマグネタイト2
・フェノール:10質量%
・ホルムアルデヒド溶液:6質量%
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト1 :58質量%
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト2 :26質量%
その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体分散型の球状の磁性キャリア1を得た。体積基準の50%粒径(D50)は、34.21μmであった。
92.0部の磁性キャリア1と8.0部のトナー1をV型混合機(V-20、(株)セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1の製造例において、表7のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2~二成分系現像剤20を得た。
上記二成分系現像剤1を用いて、評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン(株)製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C5560改造機(以下「評価機」とも記載する。)を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れた。装置の改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及び、レーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力し、紙上におけるFFh画像上のトナーの載り量が所望になるようにVDC、VD、及びレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。
FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表8に示す。
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:0.50mg/cm2
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
試験環境:低温低湿環境:温度15℃/相対湿度10%(以下「L/L」)
定着温度:150℃
プロセススピード:377mm/sec
画像濃度低下率は、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、先ず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摩擦(5往復)し、画像濃度を再度測定する。
そして、下記式を用いて摩擦前後での画像濃度の低下率を算出した。得られた画像濃度の低下率を下記の評価基準に従って評価した。評価がA~Dであれば、本発明の効果が得られているものと判断した。
画像濃度の低下率=(摩擦前の画像濃度-摩擦後の画像濃度)/摩擦前の画像濃度×100
A:画像濃度の低下率3.0%未満
B:画像濃度の低下率3.0%以上、5.0%未満
C:画像濃度の低下率5.0%以上、7.0%未満
D:画像濃度の低下率7.0%以上、9.0%未満
E:画像濃度の低下率9.0%以上
紙:CS-680(68.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/相対湿度80%(以下「H/H」))
転写効率 = {転写濃度A/(転写濃度A+転写残濃度B)}×100
A:転写効率98.0%以上
B:転写効率95.0%以上、98.0%未満
C:転写効率92.0%以上、95.0%未満
D:転写効率87.0%以上、92.0%未満
E:転写効率87.0%未満
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株))
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
定着試験環境:常温常湿環境:温度23℃/相対湿度50%(以下「N/N」)
評価機の安定化として、画像比率1%の帯チャートを用いて、100枚のA4用紙に出力を行った。その後、上記評価画像を出力し、光学濃度計で画像の濃度を測定し、画像濃度Aを求めた。
次に、画像比率80%の帯チャートを用いて、100枚のA4用紙に出力を行った。その後、上記評価画像を出力し、光学濃度計で画像の濃度を測定し、画像濃度Bを求めた。
光学濃度計はX-Riteカラー反射濃度計(X-Rite社製)を使用した。そして、下記式を用いて、濃度変動差を算出した。得られた濃度変動差を下記の評価基準に従って評価した。評価がA~Dであれば、本発明の効果が得られているものと判断した。
濃度変動差 = |画像濃度A-画像濃度B|
A:濃度変動差0.02未満
B:濃度変動差0.02%以上、0.04未満
C:濃度変動差0.04%以上、0.06%未満
D:濃度変動差0.06%以上、0.10%未満
E:濃度変動差0.10%以上
二成分系現像剤2~二成分系現像剤20を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表8に示す。
2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管
4.突起状部材
5.供給管
6.処理室
7.熱風供給手段
8.冷風供給手段
9.規制手段
10.回収手段
11.熱風供給手段出口
12.分配部材
13.旋回部材
14.粉体粒子供給口
Claims (9)
- シリコーンオイルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子の表面からその中心に向かって300nm以内の領域にビニル重合体Aが存在し、
該ビニル重合体Aが、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有し、
前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記第二の重合性単量体が、エステル基またはニトリル基を有し、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21としたとき、該SP11と該SP21とが、下記式(1)と下記式(2)とを満たし、
SP11≦18.40(J/cm3)0.5 ・・・(1)
21.00(J/cm3)0.5≦SP21 ・・・(2)
該ビニル重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として5.0モル%~60.0モル%であり、
該ビニル重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として20.0モル%~95.0モル%であり、
該トナーの電子分光化学分析法(ESCA)を用いて測定される結合エネルギーのピーク位置が102ev~103evにあるケイ素原子のピーク面積をAとし、結合エネルギーのピーク位置が285ev~288evにある炭素原子のピーク面積をBとしたとき、該Aと該Bとが下記式(3)を満たすことを特徴とするトナー。
1.0≦A/B≦3.0 ・・・(3) - 前記ビニル重合体A中の前記第二のモノマーユニットの含有割合が、前記ビニル重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、40.0モル%~95.0モル%である請求項1に記載のトナー。
- シリコーンオイルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子の表面からその中心に向かって300nm以内の領域にビニル重合体Aが存在し、
該ビニル重合体Aが、第一の重合性単量体、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体であり、
前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記第二の重合性単量体が、エステル基またはニトリル基を有し、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22としたとき、該SP12と該SP22とが、下記式(4)と下記式(5)とを満たし、
SP12≦17.72(J/cm3)0.5 ・・・(4)
18.30(J/cm3)0.5≦SP22 ・・・(5)
該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として20.0モル%~95.0モル%であり、
該トナーの電子分光化学分析法(ESCA)を用いて測定される結合エネルギーのピーク位置が102ev~103evにあるケイ素原子のピーク面積をAとし、結合エネルギーのピーク位置が285ev~288evにある炭素原子のピーク面積をBとしたとき、該Aと該Bとが下記式(3)を満たすことを特徴とするトナー。
1.0≦A/B≦3.0 ・・・(3) - 前記組成物中の前記第二の重合性単量体の含有割合が、前記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、40.0モル%~95.0モル%である請求項3に記載のトナー。
- 前記Aが前記トナー粒子のESCAを用いて測定される結合エネルギーのピーク位置が102ev~103evにあるケイ素原子のピーク面積であり、
前記Bが前記トナー粒子のESCAを用いて測定される結合エネルギーのピーク位置が285ev~288evにある炭素原子のピーク面積である請求項1~4のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルを含有する請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記シリコーンオイルのGPC測定による分子量分布において、重量平均分子量が500以下である成分の含有量が、前記シリコーンオイルの0.05質量%以下である請求項1~6のいずれか一項に記載のトナー。
- シリコーンオイルを含有するトナー組成物を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、
該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程と、
該トナー母粒子を熱処理する工程と、を経て製造される請求項1または3に記載のトナーの製造方法。
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