図及びそれらにおいて示される要素は必ずしも縮尺通りではなく、それらの多くは概略的に示される。図における要素の空間関係は、文章における記載とは異なって見えることがあり、例えば、上に及び下に、並びに上部及び底部は、それらが文章において説明される方法とは、図において逆に示されることがある。
図1に示されるように、我々が本明細書で説明する概念のいくつかの実装において、システム100は、光センサー102と接触している(又は、ごく接近している)サンプル101(例えば、気相、液相若しくは固相、又はそれらの組み合わせ又は他の形態におけるサンプル)の高分解能画像(例えば、フルカラー、グレースケール、“白黒”、又はそれらの組み合わせ)を撮ることができる。光センサーは、画像におけるピクセルのアレイに対応し得る感光素子105の二次元の配置を含む。我々は時々、簡単にするために、光センサーの要素をピクセルと呼ぶ。
我々は時々、“感光位置”との語句を用い、広義で、例えば、感光素子又はピクセル及び光源位置を含む、別々に光に敏感である、又は別々に光を発することが可能である、又は両方の、装置の任意の特徴を含む。我々は時々、光源位置との語句を用いて、光を発することが可能な要素を指す。いくつかの場合には、我々は感光位置との語句を用いて、周囲から又はサンプルからの感光を分離し得る任意のコーティング、保護層、シールド又は任意の他の特徴無しのデバイスのフィーチャの、露出した感光部分を指す。
我々は時々、“接触顕微鏡”又は“接触顕微鏡法”との語句を用いて、(a)デバイスの表面で周囲へ露出される、発光位置の高分解能セット、又は密集した感光位置の高分解能センサーと一緒に(b)撮像されることになるサンプルの一部にその表面を関連させるための装置を含む任意の装置(又は技術)を広義で指し、発光位置、発光位置から比較的離れた光検出器、及びサンプルについては、サンプルの一部が表面と接触している(又はほとんど接触している)ようにされ、利用可能な高分解能画像は、サンプルの一部が所定の場所であるときにセンサーによって得られ得る。
装置の(時々分解能と呼ばれる)感光位置又は発光位置の間隔(つまり、中心間ピッチ)は、例えば、どれだけ小さいと間隔が有用であり得るかの制限を有さずに、5マイクロメートル以下である任意の間隔であり得る。
いくつかの場合には、まあまあ良い画像が、1.4マイクロメートルの間隔によって得られ得、有用な画像は、2.2マイクロメートルの間隔によって達成されてきた。1.1マイクロメートルの間隔を有する装置は、より良い結果を生むと期待され、0.9マイクロメートルの間隔を有するであろう装置は、さらにより良い結果を生むと期待される。画像の分解能は、計算の強化を必要とすることなくセンサーの未加工の分解能と同じであり得る、又は、画像の各寸法に沿って未加工の分解能の少なくとも2倍細かい分解能に達するために、例えば複数の画像を用いて、演算により強化され得る。従って、有用な装置分解能は、例えば、5マイクロメートル以下、3マイクロメートル以下、2マイクロメートル以下、又は1マイクロメートル以下の範囲においてであり得る。
接触顕微鏡法では、サンプルが、任意の介在材料無しで、センサーの感光フィーチャ、又は光源の発光フィーチャと直接接触しているか、又は、サンプルが、感光又は発光フィーチャとほぼ接触し得るか、のいずれかである。ほぼ接触している、によって、我々は例えば、フィーチャの近接場内を、いくつかの場合には、含まれる光の波長の1/2内である距離で、又は、場合によっては含まれる光の波長内である距離で、を意味する。
我々は、サンプルをその広義において表面と関連させるための装置の概念を利用して、例えば、機械の、電気の、電気機械の、空気圧の、油圧の、重力の、又は他の特徴を用いる任意のメカニズムを含み、サンプルの一部を感光位置と接触させる、又はほぼ接触させるための、例えば運動、流れ、送達、配置又は提示(presentation)を促進する任意の種の任意のメカニズムを含む。
センサーは、感光素子の一部として、又は感光素子に加えて、のいずれかで他の部品も含み得、素子を駆動又は読込む、素子へ及び素子から信号を生成する、処理する又は送達する、並びに、他の機能を実施する。一般的に、我々がセンサーを指すとき、我々は、(a)感光素子で光を受け取り、信号又は感光素子によって検出された光の強度を表すデータを生成する集積回路又はその一部、並びに、(b)感光素子を直接駆動する、又は光生成された信号又はデータを感光素子によって送達されるようにさせる任意の電子素子、しかし(c)画像を形成するために信号又はデータを処理するために用いられる任意の電気回路でないことを意味する。
センサー102は、集積回路チップ104の一部であり得る、又は集積回路チップ104上に形成され得、均一製造モード、又はハイブリッド製造モードにおいて作製され得る。チップ104は、ヘッドボード106上に取り付けられ得、ヘッドボード106は、コントロールユニット108の一部であり得る、又はコントロールユニット108に接続され得る。いくつかの用途では、蓋又はカバー又はチャンバー又はチャンバー壁95は、センサーの露出表面103又はヘッドボードの一部又は両方に隣接した空間又はチャンバー内で、サンプル又はそれの一部に隣接する、接触する、囲む、包み込む又は含むことができる。
コントロールユニット108は、ユーザーデバイス110の一部であり得る、又はユーザーデバイス110に接続され得る。ユーザーデバイス110は、ユーザー115にインターフェース109を提供し得、ユーザーからユーザーインターフェースを通してコマンド111及び情報113を受けることができ、それらを処理することができ、それらをコントロールユニット108へ送ることができる;且つ、コントロールユニット117から情報を受けることができ、それを処理することができ、ユーザーインターフェースを通してユーザーへそれを提供することができる。いくつかの場合には、ユーザーインターフェースは、コントロールユニット108、又はヘッドボード106、又はそれらの及びユーザーデバイスの組み合わせを通して動作し得る。そして、コマンド及び情報111、113及び117は、任意の二つ以上の部品の間を通り得る。
システムは、必要に応じて、サンプルをセンサーへ送達する、センサーで保持する、及びセンサーから除去することが可能な又はそれらを引き起こす、機械、電気若しくは電子部品又はそれらの組み合わせを含み得るサンプル輸送及び管理素子131、133も含み得る。デバイス131、133は、撮像の前後でサンプルを処理することもあり、材料をサンプルと混合すること、サンプルから材料を除去すること、ソースからサンプルを取ってくること、撮像されたサンプルを処理することによって、及びシステムを操作して撮像を実施するためにサンプルに関して必要とされ得る任意の他の機能を含む。
ユーザーデバイス110は、携帯電話、他の一つの種の携帯端末、機器、システム、製造部品、ワークステーション、又は、コントロールユニットと相互作用する機能に特化したもの若しくはコントロールユニットとの相互作用に限定されない機能を有するもの若しくは二つの組み合わせを含む任意の他のユーザーデバイスであり得る。
完全な動作システム又は市販製品若しくは部品は、センサー、チップ、ヘッドボード、コントロールユニット及びユーザーデバイスの内の全てを含む必要はないが、それらの内の任意の二つ以上の組み合わせを含み得る。
様々な実装では、センサー102、チップ104、ヘッドボード106、コントロールユニット108及びユーザーデバイス110の内の二つ以上の任意の組み合わせが、それらの間で様々な機械的及び電気的接続を有し得る。加えて、機械的、流体流れ、電子的、ソフトウェア、データ処理、通信、ストレージ、及び、様々な操作のために必要とされる電気的機能が、システムのそれらのパーツの間で、並びに、それらのペア及び3つ以上の間で、様々な方法で分布し得る。機能の分布は、恣意的であり得る、又は幅広い種類の方法における商業の及び技術の考慮に基づき得る。
いくつかの場合には、我々がチップ104の感光領域を指すために用いるセンサー102は、電荷結合素子(CCD)として、又は、相補型金属酸化物半導体(COMS)センサー技術として動作し得る。他の撮像型が可能であり得る。前述のように、いくつかの実施例では、センサーはピクセル化されている、つまり、感光画素素子(ピクセル)105の行及び列(又は他のアレイ配置)に関して動作する。
センサーのピクセル分解能は、コスト、及び特定の用途に関連した他の考慮に基づいて幅広く変化し得る。典型的には、物理的ピクセル分解能は、製造技術に依存するであろう。物理的ピクセル分解能によって、我々は、単位長さ当たりの実際のピクセルの数を意味する。いくつかの場合には、CMOSデバイスは、コスト、フレームレートの制御、背景又はノイズ補正、及び振動減衰を含む優位点を有する。いくつかの場合には、既製の市販のセンサーチップが用いられ得る。いくつかの場合には、カスタムデザインのセンサー装置を提供する優位点があり得る。より小さなピクセル寸法は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0320515号明細書において説明されるような単一電子電界効果トランジスタ等の代替技術によって可能であり得る。
いくつかの実装では、センサー又は光源又はその両方に対してサンプルのわずかに異なる位置で複数の露出を撮ることによって物理的ピクセル分解能が強化され得るモードでセンサーを動作することは有用であり得る。結果として得られるデータは、その後、補間されて、効果的により高い(サブピクセル)分解能を提供する。ピクセルが光の回折限界よりも小さいセンサーは、相対的に高い物理的ピクセル分解能を生み出すことになり、従って、システムに関して特に有用であろう。一般的に、多くの実装に関して、ピクセルが小さいほど良い。一般的に、薄型裏面照射型画像センサーが、有利であろう。なぜなら、これらのセンサーでは、サンプルが、ピクセルの感光性部分に最も近いことがあり、ピクセルの感光性領域のいずれもが他の回路素子によって隠される必要がないからである。いくつかの場合には、センサーは、それぞれのピクセルに関連した、マイクロレンズ、又はカラーフィルター、又はその両方と共に製造される。いくつかの場合には、システムは、このような追加の光学素子を含まないセンサーを用いることが意図される。いくつかの実装では、このような追加の光学素子が有用であり得る。
いくつかの場合には、ピクセル分解能(物理的分解能若しくは実効分解能のいずれか、又はその両方)は、利用可能な技術を用いて可能な限り高く意図的に作製されるであろう。例えば、サブミクロンのピクセル分解能が可能である。システムの実効分解能は、幅広い種類の技術を用いてサブピクセルレベルへ強化され得る。
多くの集積回路チップは、酸化ケイ素から成る露出表面103を有する。このようなチップでは、センサーは、サンプルが配され得る、耐久性のある化学的耐性のある表面を、任意の追加の層を必要とすることなく、本質的に有するであろう。しかしながら、いくつかの場合には、追加の層又は複数の層が、様々な目的のためにセンサーの表面上に配され得る。
動作の間、センサーは、通り抜ける1010、サンプル101から散乱される、又はサンプル101から発散する入射電磁波放射(例えば、光)99に応答する。サンプルを通り抜ける、又はサンプルから散乱される、又はサンプルから発散する光は、例えば、それが通り抜ける、又は散乱される、又は発散するときに、波長において変化され得る。入射電磁波放射99、及び、透過した、散乱した又は発散した放射は、典型的には、可視光、近紫外又は近赤外の波長範囲である。例えば、我々は、光との用語を用いて、その広義において、全てのこのような範囲を含む。
サンプル101がセンサーの表面103に、接触している、又は、本質的に接触している若しくはごく接近しているので、光を屈折する又は平行にする又は向けなおすためにシステムにおいて用いられる任意の光学素子に関する必要性が存在しないことがある。
ピクセルに隣接した(又は、入射光99とピクセルとの間の経路における)サンプルの一部からの光は、そのピクセル105によって大部分は(いくつかの場合には、本質的に完全に)受けられるであろう。
この配置では、センサーのピクセルのアレイによって感知された光は、サンプルの一部の対応するアレイを直接代表するものであり、従って、サンプルの画像、高分解能であり得る画像を事実上表す。
センサーに達する光の初期のソースが環境においてである限りでは、その光は、周辺光であり得る、若しくは専用の光源119によって提供され得る。いくつかの実装では、サンプルの照射、及び、特に光源を制御すること又は周辺光を遮断すること又はその両方によって照射の均一性を制御することは有用であり得る。
サンプルの画像を撮るために、センサーは、概念的な画像キャプチャサイクルの間に駆動され、読み込まれる。画像キャプチャサイクルの間、そのピクセルの内の全てでのセンサーによって受けられる光は、チップの電子部品へ送達される電気信号(例えば、アナログ信号又はデジタル値)へ変換される。信号は、技術に応じて、並列又は直列に読み込まれ得る。ピクセルの各々からの電気信号は典型的には、14ビットデジタル値によって表される範囲等のいくらかの範囲内で、ピクセルによって感知される光の強度に対応する量子化された強度値によって表される。色情報は、例えば、複数の隣接したピクセル上のバンドパス光学フィルタ、又は、異なる色の照明による連続的撮像を用いて、様々な方法で、及び場合によっては他の方法で得られ得る。用いられる方法が何であれ、空間及び/又は時間において共に、様々なピクセルから受けられる電気信号は、サンプルのフルカラー高分解能高ダイナミックレンジ画像を表し得る。
画像の連続は、異なる露出レベル、入射光の異なる波長、異なる量の露出時間及び他のパラメーター並びにそれらの組み合わせを用いて、所与のサンプルに関して撮られ得る。加えて、連続画像は、連続サンプルに関して撮られ得、且つ分析の目的で一緒に用いられ得る。そして、所与のサンプル、例えば液体又は気体は、画像の動画像列が撮られつつ、例えばセンサーの表面に平行な方向に沿って動かされ得る。画像は、関連のない又は重複するサンプルの異なる部分であり得る。その後、連続画像は、様々な目的のために一緒に用いられ得る。画像がサンプルの関連の無い部分から取られるとき、それらは、何も画像が得られないサンプルの他の部分の特徴の表現として有用であり得る。
連続画像は、それがセンサーに沿って動くとき、非常に近い位置でのサンプルを表し得、特殊加工が、画像の分解能及び他の質を改善することを可能にし得る。センサーの生来の又は物理的分解能は、アレイの各々の寸法におけるピクセルの間隔によって表される。特定のタイミング及び数学的技術が、生来の分解能よりも高い、サブピクセル分解能とも呼ばれる、実際の超分解能を達成するために用いられ得る。加えて、所与のサンプルの二つ以上の画像が、異なる“露出”でとられ得、単一の高ダイナミックレンジ(HDR)画像へ組み合わされる。
所与の画像キャプチャサイクルの後で、且つ次の画像キャプチャサイクルの前に、センサーのピクセルから信号のセット又はデータをフラッシュする又はクリアすることが必要又は望ましいことがある。いくつかの技術では、これは、単純にセンサーピクセルを読み込むことによっていつでも行われ得る。
システムの電子的特徴に加えて、他のものの間で、サンプル101を取り扱う、含む、及び照らす、以下で説明される機械素子が存在する。
システムを形成する電子部品及び機械部品の内のいくつか又は全ては、センサー、チップ104、ヘッドボード106、コントロールユニット108、ユーザーデバイス110及びユーザーインターフェース109並びにそれらの任意の二つ以上の組み合わせを含み、個別の市販製品として製造され得る、及び再利用可能又は使い捨てのいずれかであり得る。
このような組み合わせが使い捨てのとき、それは用途に関して必要に応じてパッケージ化され得、例えば、それを保護する、水蒸気又は空気を排除する、その無菌状態を維持する又はそれらの二つ以上の任意の組み合わせである。個別の使い捨ての項目の群は、一緒にパッケージ化され得て、使用時に継続的供給を提供する。再利用可能な及び使い捨ての部品又は製品の内の二つ以上は、キットとしてパッケージ化され得る。キットは、不均衡な数の部品、例えば、比較的少ない再利用可能な部品、及び比較的多い使い捨ての部品を含み得る。
問題になっている部品のユニット又は部品のセット当たりのコストが高くなるほど、それ又はそれらは再利用されることになる可能性が高くなり、且つそれらは使い捨てにされる可能性が低くなる。サンプル101を取り扱う、含む及び照らす機械素子は、使い捨て又は再利用可能でもあり得る。要素及び部品は、それらがサンプルによって汚染を受け、従って、他のサンプルの後の撮像に関してあまり使用可能でないとされる場合に、使い捨てにされ得る。一般的に、使い捨ての要素は、より安価な製造技術を用いて、より安価な材料及び部品で作製されるであろう。いくつかの実施例では、コントロールユニット及びユーザーデバイスは再利用可能であり得、ヘッドボード、及びセンサーを備えるチップは使い捨てであり得る。いくつかの実施例では、ヘッドボードもまた再利用可能であり得、交換可能な使い捨てのチップを備え、一方で、さらなる他の実施形態では、チップもまた再利用可能であり得、それらを覆う使い捨てのサンプルチャンバーを備える。
いくつかの要素が使い捨てであり、いくつかが再利用可能であるとき、容易に接続され得、切り離され得る使い捨ての要素と再利用可能な要素との間の、電気的又は機械的結合又はその両方が存在し得る。
図2において概略的に示されるように、例えば、システム100は、システム100の任意の要素(又は要素の任意の組み合わせ)であり得る使い捨ての要素120を含み得る。使い捨ての要素120は、適切なインターフェース123、125、127を通して一以上の再利用可能な要素122、124、126に接続され得る。インターフェース123、125、127は、使い捨ての要素120が、再利用可能な要素122、124、126に容易に接続され、切り離されることを可能にする機械的及び電子的接続を両方含み得る。
図3に示されるように、読込みのためにセンサーを制御するために、及び、センサーから読み込まれる感知されたピクセル値を得て用いるために、電気信号、データ及びコマンドは、システムにおける部品から部品へ渡され、処理され、再処理されることがあり、サンプルの高分解能画像を提供する。例えば、制御信号又はコマンド140は、(例えば、ユーザーが、ユーザーインターフェース要素を起動して画像を撮ることを引き起こすとき、)ユーザーデバイス110からコントロールユニット108へ、ヘッドボードへ、チップへ、センサー102へ渡し得る。(前述のように、これらの要素の全てが所与のシステムにおいて存在する必要があるわけではない。)信号は、途中で各々の要素によって、処理され、変換される、若しくは単に伝えられる、又はそれらのいくつかの組み合わせであり得る。一般的に、処理及び変換は、チェーンのユーザーデバイス端でより高いレベルの抽象(abstraction)から、センサーでのきめ細かい、低いレベルの未加工の電気信号へ進む。システムの一以上の部品は、制御信号又はコマンド142を光源119へ、及び、制御信号又はコマンド144を機械部品145へ提供し得ることもある。信号及びコマンド140、142及び144の送達は、センサーへ及びセンサーを過ぎてサンプルを動かすための、それらを照らすための、及びそれらから画像情報を撮るための、規制された動作レジームを達成するために調整され得る。
逆に、未加工のピクセル値信号又はデータ146は、チップ104、ヘッドボード106、コントロールユニット108、ユーザーデバイス110及びユーザーインターフェース109(又はそれらのサブセット)を通ってセンサー102から戻り得る。それらの部品の各々は、一般的に、それが情報を受ける要素よりも高いレベルの抽象で、それが受ける情報を処理し得る。例えば、コントロールユニット108は、その後コントロールユニット108からユーザーデバイス110へ渡される画像データの対応するストリームを生成するために、ヘッドボードから受けられるピクセル値を処理し得る。
チップ、ヘッドボード、コントロールユニット、及びユーザーデバイスを含む各装置で、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、アナログ電気回路及びそれらの様々な組み合わせが、情報の処理、並びに、部品のチェーンに沿ったいずれかの方向における情報及びコマンドの受け渡しを引き起こし得る。
例えば、ユーザーデバイス上で動いているアプリケーション146は、コントロールユニット108への制御信号140の送信を管理し、コントロールユニット108から画像データ146を受けて処理し、画像データ146に基づいて高いレベルの結果、画像及び他の情報を生成し、どちらの場合もユーザーインターフェース109を通して、ユーザーデバイス110のユーザー151からユーザーインプット147を受け、ユーザーデバイス110のユーザー151へユーザーアウトプット153及び情報を提供することがある。アプリケーション146は、幅広い種類の目的のためにデータ処理に関する幅広い種類のアルゴリズム及び技術を含み得る。ユーザーインターフェースは、複雑で繊細なものから、単純で粗いものまで、及び間の任意の組み合わせで、幅広い機能、制御及び情報を提供し得る。所与のユーザーインターフェースは、洗練された環境において働いている高いスキルのユーザーから、物理的に困難な離れた環境において働いている未熟なユーザーまで、広範囲のユーザーから選ばれるユーザーに役立つように設計され得る。
図4に示されるように、撮像されているサンプル101(我々は時々、標本との語句をサンプルとの語句と互換的に用いる)は、粒子、小片、小粒、細胞、若しくは分子、又はそれらの組み合わせ若しくは任意の二以上の異なるタイプの組み合わせ等の、小さな同様のタイプのユニット97から成り得る、又は含み得る。ユニット97は、液体浮遊サンプルユニット97を形成するために液体95において浮遊され得る若しくは運ばれ得る、ガス浮遊サンプルユニットを形成するためにガスにおいて取り込まれ得る(図示されない)、センサーの表面上で浮遊されていない、取り込まれていない形態(例えば、粉末)において残され得る(図示されない)、又は、いくつかの実施例のみに名前を付けるために固体の統合されたマトリックス、ゲルの若しくは他の一体型自立材料、例えば組織の断面層において保持され得る。我々は時々、マトリックスとの用語を用いて、非常に広義に、例えば、サンプルユニットが保持される任意の材料を含み、液体、気体、固体、ゲル又は任意の他の材料を含む。
図4では、一般的に、サンプルユニットは、センサー表面に接触していることがある、又は接触していないことがある。しかしながら、図5に示されるように、サンプルユニットが浮遊される、取り込まれる、保持される、又は配されるモード又は方法が何であれ、サンプルユニットの内の少なくともいくつか(例えば、本質的に全て)を、センサーの露出し、覆われていない表面103に接触して撮像させることは有用であり得、いくつかの場合には重要であり得る。それらを接触させることは、サンプルユニットの最も高い分解能、最も鮮明な画像を確保するのを助けるであろう。いくつかの場合には、いくつかのサンプルユニットが、覆われていないセンサー表面に直接接触していないとき、例えば、それらがセンサー表面を覆う層と接触しているときに、又は、いくつかの場合には、ユニットが表面センサーから短い距離にあるときに、有用な結果である可能性もある。いくつかの実施例では、結果として得られる画像は、そう鮮明でないことがあるが、それでもなお画像は有用であり得る。
サンプルユニットは、幅広い種類の方法、又はそれらの組み合わせにおいて、センサー表面と接触させられ得る。有用なアプローチは、サンプルユニットが浮遊される、取り込まれる、保持される又は配されるモード又は方法に依存し得る。
例えば、サンプルが、粉末、又は、動かずにセンサーでの所定の場所に静的である気体又は液体のマトリックスを含むとき、サンプルユニットはマトリックスよりも密であり、その内部で自由に動くと仮定すると、サンプルユニットをセンサー表面に接触させる単純な方法は、サンプルユニットがセンサーに対して沈ませることを重力に許可することである。
図6に示されるように、いくつかの場合には、例えば、サンプルユニットが非固体材料において運ばれるとき、力93が、センサー表面に向かってサンプルに対して適用され得て、サンプルユニットをセンサー表面と接触させることを強いる。これは、特にサンプルが静的である(センサーに対して動かない)ときに有用であり得る。
いくつかの場合には、力93は、センサー表面に対して平行である(又はいくつかの場合には平行でない)平坦面160を有し得る(図1における要素95一部であり得る)圧力素子91へ適用され得る。圧力素子は、重力によって駆動されるように、つまり、センサー表面に向かって沈むように配され得る、又は、一以上の要素又は構造161によって積極的に駆動され得て、圧力素子をセンサー表面に向かって動かす、又は二つの組み合わせである。
サンプルがすべてほぼ同じサイズの場合、又はサンプルユニットが圧縮可能である場合、そのとき、例えば平行表面160を用いてサンプル上をプレスすることは、全てのサンプルユニットをセンサー表面に接触させるであろう。しかしながら、サンプルユニットがほぼすべて均一なサイズではなく、圧縮可能ではない場合、そのとき、いくつかのサンプルユニットは、センサー表面から離れてマトリックスにおいて残り得る。
上述のように、撮像されることになるサンプルは、撮像時にセンサーに対して静的に保持され得る、又は、撮像時にセンサーに対して動き得る、又は、二つのモードのいくつかの組み合わせが用いられ得る。加えて、マトリックスが動くかどうかにかかわらず、サンプルユニットは、いくつかの場合には、例えば、サンプルユニットが生きている場合、又は進行中の化学反応又は生体反応が存在する場合、マトリックス内で動いていることがある。
図7に示されるように、サンプルが撮像のためにセンサーで静的に保持されることになる場合、いくつかの実装では、(図7において概略的に示される)構造162が提供され得て、センサーへサンプルを送達し164、撮像のためのセンサーでそれを静的に保持し、その後、例えば、他の一つのサンプルがその後撮像されることになる場合、センサーからそれを除去166することを可能にする、またはさせる。構造は、センサーの隣接した位置へサンプルの流れ又は輸送を許可する又は引き起こす、且つ撮像後にセンサーから離れるサンプルの流れ又は輸送を許可する又は引き起こす、流れ又は輸送要素168、170を含み得る。構造は、撮像のために所定の場所に静的にサンプルを保持する保持要素172も含み得る。幅広い種類の流れ又は輸送要素、及び保持要素、並びにそれらの組み合わせが、提供され得る。典型的には、センサーを覆う、又はそうでなければセンサーと意図された外部光源との間に介在した任意の構造162が、ソースから構造を通してサンプルへ、その後センサーへ光を通すことを可能にするために、透明又は半透明である必要があるであろう。
いくつかの実装では、図8に示されるように、撮像の静的モードに関して、例えば、サンプルは、センサー表面上にある量のサンプルを堆積させること、サンプル上に、カバーガラス等の、平坦な底部を有する光学的に透明な蓋178を横たえること、及び、蓋が、センサー表面上へ沈む、又はセンサー表面へ表面張力によってひきつけられる、又はセンサー表面に向かって押されることを許可すること、によってセンサー表面103の所定の場所に維持され得て、各々の場合においてセンサー表面でサンプルチャンバー180を形成する。サンプルチャンバーは、センサーとおよそ同じ長さ、幅であり得、且つセンサー表面で例えば50マイクロメートルのチャンバー厚さを有し得る。いくつかの場合には、チャンバー厚さは、10ナノメートルほどの薄さであり得る、又は10センチメートルほどの厚さであり得る。多くの用途において、チャンバーの厚さは、狭い範囲、例えば約100ナノメートルと5ミリメートルとの間内に含まれるであろう。多くの用途では、厚さは、約500ナノメートルから約50,000ナノメートルのさらに狭い範囲になるであろう。
いくつかの実装では、図38に示されるように、カバー片178は、フレキシブルなフィルム182によって適切な位置に保持されるプラスチック(例えば、PET、ポリ(エチレンテレフタレート))フィルムであり得る。いくつかの場合には、カバー片又は蓋は、センサーとおよそ同じ長さ及び幅である底部分を有する成形プラスチック(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)-PMMA又は他の一つの光学的に透明なポリマー)であり得る。底部分は、底部分よりも広く、センサーを支えるチップのカプセル化された部分を超えて伸びる頂部分に結合され得る。頂部分及び底部分は両方とも光学的に透明であり得る。底部分の下面は、光学的に平坦であり得、いくつかの場合には、頂面も同様である。いくつかの場合には、下面又は上面は、(フレネルレンズにおけるように離散的に又は連続的に)湾曲することがあり、コンデンサー又は他のコリメート要素としての役割を果たし得る、又は他の構造を有することがあり、例えば、光源を調製する、又は照明を形作る。いくつかの場合には、頂部分及び底部分は、一つのピースとして一体的に形成され得る。いくつかの場合には、頂部分及び底部分はそれぞれ、一緒に結合される、より固いピース及びあまり固くないピースであり得る。頂部分がPMMAで作製され得、底部分がガラスで作製され得て、例えば、より大きな光学平坦性を提供する、又は、頂部分がPMMAで作製され得、底部分がポリジメチルシロキサン(PDMS)、しばしばシリコーンと呼ばれる高分子有機ケイ素化合物、で作製され得て、スペーシングフィーチャ又はガスケットフィーチャ又はその両方を含む。
実施例では、チャンバーは、頂部を有するが、側壁又は端壁を必ずしも有さない(それは一以上のこのような壁を有し得るが)。我々がチャンバーとの用語を用いるとき、我々はそれを用いて広義で、例えば、任意の要素が空間を完全に包み込む壁を有するかどうかに関わらず一以上の壁を有する任意の要素、又は、標本のための空間を規定する又は画定する一以上の表面を有する任意の要素、又は、標本のための空間を何らかの方法で画定する任意の要素、を含む。チャンバーは、例えば、壁を有して頂部を有さない、又は、頂部を有して壁を有さない、オープンチャンバーであり得る。
チャンバーは、センサーで、又はセンサーの近傍において、若しくはセンサーの一部において、サンプル空間を含む(include)、又は包み込む、又は包含する(contain)。サンプル空間は、いくつかの場合には、センサーの長さ及び幅、並びに、センサーと蓋との間の、又は、センサーと標本若しくはサンプル若しくはマトリックスの頂部との間の厚さによって画定される容積を有する。いくつかの場合には、チャンバー壁及びサンプル空間は、直角プリズムでないことがあり、任意の形状であり得る。
サンプルの容積が、チャンバーにおけるセンサー表面と接触して配される、又はそうでなければサンプル空間において配されるとき、サンプルの容積は、サンプル空間の容積より大きいことがある。超過分は、サンプル空間の一以上の開放側又は他の出口から排出され得る又は絞り出され得る。我々がチャンバーを指すとき、我々は、センサーでサンプル空間を含み、センサーに隣接した追加の空間を含み得る、一般的に閉ざされた空間を意味する。
図9に示されるように、いくつかの実施例では、蓋202は、シンプルな平らなカバーガラスよりも複雑な形態を有し得る。例えば、蓋202は、センサー102の端204を超えて伸びる206ことがある、且つ、下方に伸びてチップ105又は(示される実施例においては)ヘッドボード106に対して接触して密封することがある。いくつかの実施例では、ヘッドボード、センサー、又は、蓋の側壁の底部に沿った圧縮可能なガスケット210が存在し、ヘッドボード又はセンサーと側壁との接触の至る所に伸びている。このガスケットは、ヘッドボード又はセンサーに対して蓋を密封する役割を果たして、超過のサンプル流体212の漏れを防ぐ。撮像されることになるサンプルは、表面張力又は毛管作用によって、センサーの頂面と底面214との間の空間において保持される。
いくつかの実装では、センサーに対して効果的な配向において蓋を維持するために(例えば、蓋の底面214の端を、センサーの上面216の対応する端と位置合わせさせる)、ヘッドボード又は蓋上の一以上のピン191又は穴、並びに、蓋及びヘッドボードの内の他方上の一以上の対応する穴192又はピンは、蓋が所定の位置に置かれるとき、対になり得る。様々な他のアライメント及び配向装置が用いられ得、磁気ピン及びパッド、噛み合い歯、羽根及び溝、ボール及びソケット、又は二以上のそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されるわけではない。
まとめると、図9によって示される実装を用いるために、流体サンプルの必要とされるよりも大きい容積が、例えば、センサー上へ分配され得る。外壁208がヘッドボードの表面に対して当たり、密封するまで、蓋202は、ピン191及び対である穴192によってサンプル上へ下げられ、下にプレスされる。(手によって、又は機械の、磁気の、電気機械の若しくは他の装置によって行われ得る)蓋を下にプレスすること218は、超過の流体212をセンサーの周囲から排出されるようにして、蓋が除去されるまで超過分は捕捉される、蓋の壁によって生成される堀の中へ流れ落ちさせる。撮像は、いくつかの場合には、蓋及びサンプルを通って下に通ってセンサーに当たる光によって、蓋が押し下げられている間に行われる。毛管作用は、サンプル空間内で正確な容積を維持することになり、且つ、蓋を下に引き、それを所定の場所に保持する接着力を提供することもありつつ、超過の容積は、堀において形成される湖に留まることになる。例えば、10μLの血液がセンサー表面103上に配され得る。チャンバー蓋が下げられるとき、例えば0.04μLの正確な容積が形成され(例えば10mm2のセンサー領域を備える4マイクロメートルの厚さ)、サンプル空間に保持され得る。超過のサンプルは、センサーを超えて表され206、湖212内に流れ得る。いくつかの場合には、超過の流体は、直角プリズムの又は逆角錐台又は他の一つのこのような固体の形状を有し得る、且つ、蓋が下がるときに適切な姿勢を維持するためにチャンバー壁に沿った対応するチャネル内に突き出る垂直羽根を有し得る、チャンバー壁と、密接にフィッティングするチャンバー蓋との間のギャップの側面で引き上げられ得る。
いくつかの場合には、所与の種類のサンプルユニット又は正確に特定された容積のサンプルに関して(例えば、血球計算、又はサンプルユニットの数がサンプルの正確な容積に関して数えられることになる他の分析に関して)、センサーによって撮像されるサンプルの容積は、センサーの頂面の幅及び長さによって、並びに、蓋の平坦な底面とその表面との間のギャップ220の高さによって正確に制御される。いくつかの場合には、容積は、正確である必要がないことがあるが、ギャップ高さは、正確な量、又は特定の量を超えない、又は特定の量を下回らない、又はそれらの条件の組み合わせである必要があり得る。
幅広い種類の技術及び装置が用いられて、ギャップの高さ(例えば、正確な高さ)を形成し、維持する。我々は広義にそれらの技術及び装置をスペーシングフィーチャと呼ぶ。特に、スペーシングフィーチャは、蓋の下面上に、センサーの上面上に、両方の表面上に、サンプル内部で、側壁208の寸法を制御することによって、且つシステムの要素、又はそれらの任意の二以上の組み合わせの間での他の種類のスペーサ―によって、提供され得る。両方の正確なギャップ高さを提供し、また、超過のサンプルの収集のためのダムを密封する蓋のために、蓋202又はガスケット210は、弾力材で作製され得て、蓋の側壁の底端がガスケットを通してヘッドボード又はチップに対して当たって密封した後でさえ、蓋の頂部上の圧力218が、蓋を適切なレベルで押さえ込んで正確なギャップ高さを形成するようにする。しかしながら、弾力性の蓋の場合には、サンプルが保持される空間の容積の精度を確保するために、蓋は、あまり柔らかい又はフレキシブルであるべきではない。
いくつかの実装では、スペーシングフィーチャの一種は、微小球又は均一なサイズ、例えば3.0μm又は5.0μmである他の種類のビーズを含み得る。正確な且つ均一な間隔、従ってサンプル空間の容積を規定するために、ビーズサイズの精度を特定することが有用であり得、例えば、ビーズは、プラスマイナス100ナノメートルの精度を有する4.0μmとして特定され得る。ビーズは、様々な異なる方法において用いられ得る。
図10に示されるように、いくつかの実装では、サンプルがセンサー表面103へ送達されるとき、ビーズ230がサンプル内に含まれ、例えば、サンプルは、(ビーズよりも小さい)サンプルユニットが浮遊される液体マトリックスを有する。チャンバー蓋がその後サンプル上に沈む、又はサンプル上へと押し下げられることを許可される場合、サンプルにおいて十分なビーズが存在していて、それらが液体内でまあまあ良く分散していると仮定すると、そのとき、均一で正確なギャップ高さが達成され得る。この目的のために、例えば、ビーズは、サンプルのマイクロリットル当たり10,000~50,000ビーズの割合でサンプルに存在し得る。サンプルにおけるビーズの均一な分布を維持することは、ビーズがサンプルにおいてほぼ中立浮力を有するように選択される場合、単純な機械的攪拌によって行われ得る。
いくつかの場合には、ビーズは、サンプルユニットとおよそ同一のサイズであり得る。いくつかの実装では、二つの異なるサイズのビーズが含まれ得る。より大きなサイズは、意図された間隔を画定する。より小さなサイズは、より小さなビーズがまあまあ均一にサンプルを通して分散していて、サンプルの単位容積当たりのより小さなビーズの数が既知であると仮定して、サンプル空間の容積が意図されたようなものであるかを検証するためにカウントされ得る。ビーズは、光がセンサーへと通り抜けることを可能にするために透明であり得る、又は着色され若しくは蛍光性であり若しくは不透明若しくはそれらの特徴の二つ以上の組み合わせであり得る。
図11に示されるように、いくつかの実施例では、ビーズ230は、それらを印刷すること、又はいくつかの他の方法では、表面へそれらを接着させる方法で表面上へそれらを堆積することによってチャンバー蓋202の下面214へ付着し得る。印刷又は堆積は、透明な接着剤、又は、ビーズを接着させる他の媒体236を含み得る、又は、プラズマボンディング若しくは高い接着性を誘起する他の一つの処理を用いる表面活性化によって達成され得る。
図12に示されるように、いくつかの実施例では、ビーズは、例えば、蓋又は表面が半溶融状態である間に、蓋の形成の間又は後に表面内に埋め込まれ得る。
図13に示されるように、いくつかの実装では、スペーシングフィーチャは、蓋が形成されるときにチャンバー蓋の下面に成形された突起240を含み得、(図10における距離220と同一の)正確に選択された距離242で突き出るであろう。突起は、形状、形態及び頻度によって、並びにパターンにおいて配され得て、蓋がセンサー表面上へ下がるときに、正確な距離がセンサーにわたって均一に維持されるようにする。チャンバー蓋を成形するための一つの材料はPDMSであり得る。スペーシングフィーチャがチャンバー蓋において一体的に形成されることになる実施例では、スペーサ―(我々は時々、スペーシングフィーチャをスペーサ―と呼ぶ)は、ディンプル、凹凸、若しくはリッジ又はそれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実装では(例えば、図9における要素208を参照)、チャンバー蓋の側壁は、一体的に成形され得る。側壁は、液体がサンプル空間の端から排出できるための開口部を含み得る。
図14に示されるように、いくつかの実施例では、突起若しくはビーズを担う追加の層244又は他のスペーシングフィーチャが、形成され得、蓋の底面へ付着し得る。そのとき、異なる間隔が、必要とされる寸法の突起、ビーズ又は他のスペーシングフィーチャを有する異なる層を付着することによって一般的な蓋を用いて達成され得る。いくつかの場合には、スペーシングフィーチャ248は、エンボス加工によって薄層上で形成され得る。いくつかの場合には、フィーチャは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)シートにおいてキャストされ得る。
いくつかの場合には、スペーシングフィーチャは、ゼログラフィーを用いて、蓋の下面上に(若しくは、蓋の下面にその後付着されるであろうシート、例えばアセテートシート上に)、又はセンサー表面上に、又は二つの組み合わせの上に印刷され得る。トナー粒子は典型的にはおよそ8μmの直径であり、いくつかの用途に関して上手く機能することになるが、より小さなサイズ及びより大きなサイズのトナー粒子が利用可能であり、用いられ得る。
いくつかの場合には、センサーの表面上にスペーシングフィーチャを形成する、又は付着することが有用であり得、可能であり得る。
上述のスペーシングフィーチャの内の任意の二つ以上の幅広い種類の組み合わせ、及び他のものが所与のシステムにおいて用いられ得る。
多くの場合において、サンプル空間に関して小さい高さ及び正確な容積が重要であるので、チャンバー蓋上の下面は非常に平坦であり滑らかであることが重要であり得る。蓋の射出成形は、この目的のためにあまり上手く機能しないことがある。
図15に示されるように、いくつかの実施例では、蓋の材料が半溶融又は半流動であるとき、製造中に、はめ込みガラス250が、(例えば、プラズマボンディング、又は透明なエポキシ若しくは他の接着剤を用いて、)チャンバー蓋へ結合され得る、又は、蓋に据え付けられ得る。はめ込みガラスの露出表面252は、センサーに面する下面としての役割を果たし得る。スペーシングフィーチャは、はめ込みガラス上に、又ははめ込みガラスによって提供され得る。いくつかの場合には、はめ込みガラスは、追加のピースのガラスへ結合され得る、又はそれ自身が十分な厚さであり得、チャンバー蓋を含む。
蓋を滑らかに下へ持ってきて、その底部を表面に対して平行に且つ表面上方で厳格に意図された最終高さへ維持することが望ましいことがある。この目的のために、例えば、重力、磁力、ばね、モーター、圧電材料、平行四辺形屈曲部、側壁摩擦及びダッシュポット並びにそれらの任意の二以上の組み合わせを用いるメカニズムを含む、幅広い種類の装置が用いられ得る。
チャンバーにおけるサンプル空間の意図された高さ、従って容積を測定し、確保するための一以上の方法を提供することもまた有用であり得、既知の濃度の染料を用いる吸光、既知の濃度において加えられたマイクロビーズの集計、及び、異なる位置から照らされるチャンバー蓋の底面上のマーカー/スポットによる三角法、又は、それらの及び他のアプローチの内の二つ以上の組み合わせを含む。
いくつかの場合には、チャンバー蓋は、単独で又は様々な追加の層及びシートと共に、使い捨ての、一回使用のシステムの要素であり得る。蛍光免疫測定又は他の化学分析に関する試薬を用いる種類の実装では、後に説明されるように、試薬は、使い捨ての蓋の底部上に印刷され得る、またはそうでなければ塗布され得る。
ここまでに我々が説明してきた特徴の内のいくつかは、静的サンプル、つまりセンサーの表面上に配されていて、撮像の間にそこに保持され、その後除去されて捨てられるもの、の撮像に関して特に有用である。
いくつかの実装では、我々は時々、フローシステム又は輸送システムと呼び、サンプルは流れ、又はセンサーを過ぎて輸送されて、撮像が“急いで(on-the-fly)”行われる。我々は時々、フローシステムとの語句を用いて、広義で、サンプルが、例えば、撮像の間に、又はイベントを撮像する間にセンサーを過ぎて輸送される輸送システムを含む任意のシステムを指す。連続画像は、センサーがそれらを撮ることが可能な限り速く撮られ得る。流れの速度に応じて、これは所与のサンプルユニットが一以上の連続画像において撮られることが可能であることを意味し、例えば、サンプルユニットのサブピクセル分解能画像、及び三次元構造の計算を可能にする。いくつかの場合には、流速及び画像キャプチャサイクルは、各サンプルユニットがおよそ一度のみ撮像されるように時間が決められ得る。
図16に示されるように、フローシステム300は、センサー102及び、図1に関して説明された一以上の関連部品301を含み、一以上のサンプル輸送及び管理素子302を含む。いくつかの場合には、流れるサンプルは、流体、空気、気体、粉末、又は、ソースから引き出され得、センサーへ輸送され、その後配され得る任意の他の材料の供給であり得る、サンプルソース306から引き出されることになる。供給は、制限されたサンプルであり得、その流れは、短期間の時間内で始まって終わる。又は、供給は、制限されないことがあり、流れは、不定の及び潜在的に非常に長い期間の時間の間続き得る。いくつかの場合には、画像は、時折のみ撮られ得、撮像の間の期間において、多くのサンプルユニットが撮像されることなくセンサーを通り過ぎ得る。センサーを通り過ぎた一部のサンプルは、サンプルシンク308へ送達され得て、再利用される又は廃棄されることになる。
流れ輸送及び管理素子は、例えばサンプルがソースから引き出され、シンクへ送達されることが可能な機械的な素子及び電気機械の素子を含み得、導管、ポンプ、リザーバー、メーター、フィルター、通路、流れの制約、ミキサー、セパレーター、クリーナー、試薬のソース、希釈剤、及び、サンプルと混合される他の材料、並びに、幅広い種類の他の加工及び流れ装置及び材料を必要に応じて含む。流れ輸送及び管理素子は、センサーによる撮像によって流れの活動を調整するために、撮像電子機器及び光源を含む、システムの能動素子に結合され得る。
図17から20、54及び55に示されるように、いくつかの実装では、流れ輸送及び管理素子は、サンプルチャンバーへの流れにおいて送達されるサンプルの流入部315に関する、及び、撮像された後にサンプルチャンバーから連れ去られるサンプルの流出部317に関する流路を提供する、取込及び排出フローフィーチャ328及び330を含むように形成された光学的に透明なチャンバー蓋316を含み得る。図に示される実施例では、各々のフローフィーチャは、サンプルの一部が沿って流れ得る一般的に平面の傾斜面319、323、及び、流路の断面を減少させて、サンプルの一部を小さな開口331、333へ向かって又は離れて流れさせる楕円面327、329を含む。
センサー102を囲む領域301(我々は時々301を用いて、領域301を画定するカプセル化の内周を指す)は、エポキシ樹脂等のカプセル化材料で作製されているカプセル化フィーチャ310によって画定される。カプセル化フィーチャの外周は、矩形である。内周301は、センサーの反対側の端の内の二つに対して平行であり、近く、センサーの反対端で壁346及び341に制約される一般的に三角形のインバウンドリザーバー及びアウトバウンドリザーバー340及び342を形成する。要素301は、341及び340に続いており、カプセル化が撮像チップの端を覆うことも意味する。チャネルプレート350は、蓋の主な部分の底部の下に形成され、付着される。蓋が設置されるとき、底面352は、カプセル化フィーチャの頂面354に対して耐える。チャネルプレートが蓋の主な部分の底面の下に突き出る距離、ヘッドボードの上へのセンサー表面の高さ、及びヘッドボードの上へのカプセル化フィーチャの頂面の高さ、-並びに、センサー表面の平坦度、カプセル化フィーチャの頂面、及び蓋の主な部分の底面-は、所定の寸法及び形態を有する正確なサンプル空間360が形成されるように設計され、製造される。サンプル空間の全体的な高さは、いくつかの実施例では、10マイクロメートル~100マイクロメートルのオーダー上であり得る。ヘッドボードの頂面から突き出ている一以上のピン370は、蓋の上の一以上の対応する穴372と対になり、それが設置されるときに蓋を適切に正しい方向に置く。カプセル化フィーチャは、蓋が下げられるときに蓋がカプセル化フィーチャをわずかに押し込んで液密シールを形成してカプセル化された領域からサンプルの漏れの機会を減少させるように、PDMSなどの多少弾力性の材料で作製され得る。コネクタ312は、コントロールユニットへのヘッドボードからの電子的結合を提供する。
サンプルの流入部315は、フローフィーチャ328を通って、小さな開口331を通って、インバウンドリザーバー340内に、その後サンプル空間360内に流れる、又は組下げられる。サンプル部は、サンプル空間360内に組み上げられ得る、又は毛管作用若しくは毛管吸引によってそれの中に引き上げられ得る。その後、サンプルの流出部317は、アウトバウンドリザーバー341において集まり得、小さな穴333を通して、フローフィーチャ330を通して、サンプルシンクへと引き出され得る。図50は、カプセル化が、センサーの周りに、図17の六角形の井戸301よりも、矩形の井戸を形成する、ヘッドボード及びセンサー上のカプセル化フィーチャのバージョンの上面図写真を示し;この場合、対角線上に反対の角が、インバウンドリザーバー及びアウトバウンドリザーバー340及び342として用いられる。
いくつかの実装では、図17から20の設計は、活性領域を囲むセンサーチップの不活性化領域上へ直接接着される図54及び55に示されるようなより小さいチャンバーフィーチャを提供することによって変更され得る。蓋は、その周囲でセンサーチップのボンディングパッドを覆う“ダム・アンド・フィル”カプセル化内部で、画像センサーチップの表面上に直接接着され得る;(図55において“Oberflache poliert”と記された)このようなチャンバーの中央ブロックの底面上の研磨面は、撮像チャンバーの頂部を構成する。
いくつかの実施例では、(後に説明される)ポイント・オブ・ケア血液分析を含む用途を含み、幅広い種類の他の形態のチャンバー蓋が用いられ得る。いくつかの実装は、(所定の場所に蓋がない)図51、(所定の場所に蓋を有する)図52、及び(側断面の壊れた図において概略的に)図53に示される、自動的に高さ調節が可能なチャンバー蓋802を用い得る。例えば、チャンバー蓋は、上部のより薄いより広い上側部分804及び下部のより狭いより厚い下側部分806を含む、(例えばPMMAの)矩形の透明なブロックであり得る。下側部分は、(センサーチップカプセル化814フィーチャにおける)対応する開口部812内に(全ての側面810上に約10μmから約100μmのギャップ808を有して)適合するための長さ及び幅を有する。開口部は、センサーの活性領域816の上に位置する。我々が時々透明なブロックと呼ぶ蓋は、開口部内で上下に浮かび得る818。
使用において、血液又は他の標本及びマイクロビーズの希釈された懸濁液の小さな容積(例えば、約10μl)は、活性領域上へ堆積され、透明なブロックが、カプセル化フィーチャの開口部内で、その上へ降りた。懸濁液と、センサーの表面と、蓋、及び、いくつかの場合には、磁石、バネクリップ等の重量によって増大された、ブロックの底面との間の毛管現象は、マイクロビーズに止められるまで、蓋の上へ引き下げる力を生成し、超過の血液が開口部の側面でのギャップに沿って逃げる。この設計は、(マイクロビーズのサイズの選択によって設定される)フレキシブルなチャンバー高さ及びチャンバー容積を生み出し、蒸発又は沈降に起因してセルの運動を最小化する。いくつかの場合には、蓋の上側部分は、取扱いの容易ためにブロックの頂面へ接着されたガラスの四角形であり得る。ガラス又は他の光学窓のより小さな四角形が、より良い平坦度のために底面へ接着され得る。
ブロックが、開口部内へ降りるときに、センサー表面に対して平行なその底面によって下りない場合、そのとき、血液サンプルは、下端からその底面の上端へ向かって流れることがあり、センサーにわたって細胞濃度の勾配を生成する。この効果は、カプセル化フィーチャにおける開口部及びブロックの外壁に沿って溝及び羽根を加えることによって、又は、開口部の深さ及びブロックの下部の高さを増加することによって、又は、平行な閉鎖を維持するために追加の機械的若しくは電気機械部品を組み込むことによって減少されることがあり、それが所定の位置にスライドするときに蓋の傾斜を低減又は排除する。
図21に示されるように、操作の静的及びフローモードの両方へ適用し得るいくつかの実装では、他の配置が、蓋371の底面とセンサー373の頂面との間のギャップを制御可能に調節するために有用であり得る。ギャップを調節可能にすることは、異なるサイズのサンプルユニットを包含するサンプルに関して、例えば、異なる所望のサンプル容積に関しても、システムが容易に調節されることを可能にする。(図21において概略的に示される)メカニズム376は、値の範囲において任意の所望のギャップ375に調節を達成可能にするために用いられ得る。幅広い種類のメカニズムが用いられ得る。いくつかの配置では、それらは手動である。いくつかの配置では、それらは自動又は半自動である。可能性のあるメカニズムは、レンズマウントねじリング、レバーアーム及びねじ、又はそれらの組み合わせである。用いられ得るアクチュエータは、モーター及び圧電素子又はそれらの組み合わせを含む電気機械アクチュエータ、並びに油圧アクチュエータである。蓋の形状及びサイズは、調節メカニズムを促進するために変化され得る。例えば、蓋は、円筒形であり得、且つ、蓋を回すことがギャップのサイズを調節することになるように、大きな“ボルト”上の雌ねじと対になるための雄ねじを担い得る。蓋の底部は、単純な平レンズであり得る。蓋は、ギャップが調節メカニズムによって調節され得るように、例えば、準拠したガスケットによって、ヘッドボードの表面へ付着した非回転プレートであり得る。
いくつかの場合には、図22に示されるように、チャンバー蓋は、その周囲394がチップ又はヘッドボードへ付着した、円筒形の又は他の閉鎖形状を有するバルーン390において開口部392でそれを付着することによって吊るされ得る。バルーンは、蓋の上に引き下げる張力396を提供し得、同時に、流体サンプルを包含するためのガスケットとしての役割を果たし得る。
いくつかの使用では、センサーの頂部及び蓋の底部は、平行である必要が無い。いくつかの場合には、一端が他よりもより厚いギャップ375を提供するために蓋の底部を配することが有用であり得る。このような傾きが流体流れの方向に対して垂直に配向される場合、これは、観測の間にサイズによって、流れる粒子を物理的にソーティングする単純な方法を提供し得る。このような手段によって、チャンバーは、いくつかのピクセルを覆う最小の容積が、単一の蛍光性の又はそうでなければ検出可能な分子等の、単一のサンプルユニットのみを包含するように、消失高さへ徐々に減少され得る。蓋の底面が凸状である場合、このような消失チャンバー高さの領域は、蓋を倒す又は傾けることによってセンサーを横切って異なる位置へ掃引され得る。幅広い種類の他の形態のギャップが規定され得る。このような配置は、特に静的モードにおいて有用であり得る。
センサー表面の寸法は、撮像若しくは計算又はシステムの他の用途のための最も大きな領域を提供するために、最も大きい利用可能な寸法で選択され得る。しかしながら、いくつかの実装では、センサー及びその支持要素が、包み込まれた又はそうでなければ到達するのが困難な位置へ送達され得るように、より小さい(例えば、非常により小さい)センサーを有することが有用であり得る。より大きな全体のセンサー領域が有用であるいくつかの実装では、センサーは、非常により大きなセンサー表面を形成するためにタイル張りにされ(tiled)得る。例えば、非常に広視野の高分解顕微鏡法が、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,009,646号明細書において記載されるような三面接合(buttable)CMOS画像センサーアレイアーキテクチャを用いて、大きな事実上シームレスのモザイクへと一緒に複数のセンサーをタイル張りすることによって可能であり得る。
大きなセンサー領域は、統計分析を含む用途において特に有用であり得る。例えば、血液細胞計算では、患者の血液の任意の部分は一般的に、任意の他の部分として比較的小さいサンプル上で実施されたカウントによって示されるのと同じ割合において同様の構成を有するという仮定が為される。より大きなサンプル及び対応するより大きなセンサー領域を提供することによって、計算の統計的精度は上昇する。センサーをタイル張りにするかどうかの他の一つの考慮は、製造されたセンサーが製造の間にそれらが廃棄されることを要求する不具合を有する割合に起因して、より大きなセンサーが一般的に比例以上に高価であることである。タイル張りは取り付け、信号調整、及び光感受性の均一性において困難さを与え得るが、いくつかの用途では、より小さな安価なタイル張りされたセンサーを用いることと、単一のより大きなタイル張りされていないセンサーを用いることとの間の歩み寄りが、要求に基づいて為され得る。単一の隣接したより大きなセンサー領域を生成するためのタイル張りに加えて、複数の非隣接のセンサーが、以下で説明されるように、同様の統計的利益を達成するためにいくつかの用途において並列に(in parallel)用いられ得る。
二つの直交寸法のそれぞれにおける、センサーの寸法、センサー上のピクセルのピッチ、及び、ピクセルの総数は、用途、コスト及び利用可能な技術に応じて幅広く変化し得る。例えば、センサーの各寸法は、0.1ミリメートルから10センチメートルの範囲であり得、ピクセルの総数は、5千から1000億のオーダーであり得、ピッチは、0.1ミクロンから5ミクロンのオーダーであり得る。
図23に示されるように、いくつかの場合には、比較的小さい表面積のセンサー401(例えば、80ピクセル×80ピクセルセンサー)が、一以上の光源405の近傍においてツール403上に取り付けられ得る。ツールは、十分に小さく、例えば、全体で0.1ミリメートル以下であり、ボディ411における隠された又は閉じられた又はそうでなければアクセスできない空間409内へ、その空間、又は空間の壁の表面415内のいくつかの材料413の検査のために、ツールが挿入されることを可能にする。ツールは、アクセスできない空間内へ到達するのに必要な程長いことがある延長407を含み得、ユーザーがセンサーの反対側の端からツールを操作することを可能にするための延長又はツールを囲む、又はそれらの中にあるデバイスを含み得る。いくつかの実装では、ツールは、このような延長無しで比較的小さいことがあり、例えば消化管に沿った蠕動によって受動的に、又は、組み込まれた小型のモーター、ホイール、トレッド、プロペラ、ジェット、又は他の推進手段、又はそれらの組み合わせを用いて能動的に動かされ得る。いくつかの場合には、センサーは、ツールが操作されることがありセンサーの表面を撮像又は集計のために空間内の材料に対して押すことができるように、ツールの表面を超えて突き出るために取り付けられる。ソース405からの光は、材料から反射され得る、又は材料を通って透過され得て、センサーに到達する。コントローラー417は、延長を備えるツールを場合にはワイヤーによって、又は、小さなツールの場合にはワイヤレス伝送によって、又はいくつかの場合にはそれらの組み合わせによって、ツール、光及びセンサーからの出力信号を操作する、引き起こす及び受け取るために用いられる機械の、電気機械の、又は電子の素子を含み得る。(図23では、センサーは、図を容易に理解するために、撮像される材料と接触して示されていない)。
様々な実装は、生物の及び無生物の、多様な固体材料の顕微鏡検査のために用いられ得、材料が透明である、半透明である、又は光散乱である場合、センサー表面と接触させられ得る表面を有する。これは特に、滑らかな、平坦な表面を有する材料に関する場合であり、変形可能な材料に関しては、優れた分解能の鮮明な画像を生成するためにセンサー表面と密接な接触が為され得る。いくつかの場合には、ツールは、患者の身体内の組織上の検査、又は、検査及び治療のいずれかのために用いられる内視鏡であり得る。検査の間、ユーザーは、患者の身体の内部の壁の、又は、血液、骨、筋肉、皮膚、軟骨又は他の材料を含む、それの中の材料の画像を撮ることをトリガーし得る。典型的には、内視鏡検査を用いて材料を見ることは、ある種の肉眼検査である傾向にある。我々が本明細書で記載するシステムによって、顕微鏡法の一態様、“内視顕微鏡法(endomicroscopy)”は、単独で、又は標準的な巨視的内視鏡と組み合わせてのいずれかで、内視鏡を用いるプロセスにおいて含まれ得る。内視顕微鏡法を実行するための方法は、以前に説明されている(例えば、多くの中で、Watson TF, Neil MA, Juskaitis R, Cook RJ, and Wilson T 2002 “Video-rate confocal endoscopy”, J Microsc. 207:37-42;米国特許第7,267,647号明細書;米国特許第7,330,305号明細書;米国特許出願公開第2003/0233028号明細書;米国特許出願公開第2008/0013900号明細書)が、本明細書で説明されるシステムよりも複雑で高価である。非常に小型のCMOSセンサーを用いる米国特許出願公開第2011/0063428号明細書も参照のこと。
いくつかの場合には、ツールは、染料、染色剤、抗体及び他の特定の試薬並びにそれらの内の任意の二以上の組み合わせを含む、細胞化学的な及び組織化学的な分析のために用いられる材料を運ぶこともあり得る。いくつかの場合には、“光学生検”を提供するためのこのような分析モードにおける内視鏡の使用は、通常の生検に関する必要性を低下させ、結果の取得を加速し、お金を節約し、より便利に且つ使用を容易にし得る。
多くの用途の中で、実装は、内部器官又は他の身体組織が、組織の外部表面に対して、又は、手術によって生成された又は露出された組織の内部表面に対して、センサーを単純に押し付けることによってインサイチュにおいて調べられ得る術中病理のために用いられ得る。典型的な場合に関して、センサーは、大きな感光領域を有し得る。組織は、このような実装によって、又は、上述のように生体染色剤又は蛍光染料等の様々な造影剤の適用の後に得られた、新鮮な生きている切断された新生ラットの肺における虚脱肺胞の低倍率及び高倍率画像(それぞれ上部画像及び下部画像)を示す図39に示されるように、染色しないで見られ得る。これらの実装は、主な腫瘍塊の外科的切除の後に残るがん組織の検出に関して(例えば、参照によって組み込まれる米国特許出願第2011/0280820号明細書を参照)、追加の潜在的に健康な組織の切除を要求することなく、且つ、通常の組織学的方法に従った面倒で時間のかかる組織の凍結又は固定、セクショニング、取り付け及び染色を必要とすることなく、顕微分析が手術の経過の間に必要とされるときに実質的な優位点を病理学的評価に許可する。標準的な生検に対するさらに重要な優位点は、これらの実装が連続画像のために組織に沿ってセンサーを単純に動かすことによって組織の潜在的に非限定的な領域を撮像することが可能であることである。これらの実装を用いて得られる画像は、上述のように標準的な電気通信及びインターネット機能を用いて、手術室の近くの、又は手術から離れた病理学者へと送信され得る。
いくつかの場合には、ツールは、非医療の目的のために、例えば、パイプ又はチューブ又は穴又は他の非生体キャビティ内部の検査のために用いられ得る。
システムの実装では、サンプルユニットを照らすために用いられる光は、他の特徴の内、幅広い種類の波長及び波長のバンド、強度、持続期間、コヒーレンス並びに方向を有し得る。加えて、光は、サンプルユニット、センサー及びシステムに対して様々な位置を有する幅広い種類のソース、及び複数の種類のソースから提供され得る。いくつかの場合には、光は、未処理の、変更されていない周辺光であり得る。いくつかの場合には、光は、前述のパラメーターのそれぞれ又は二つ以上において注意深く制御され得、センサーは、制御された光のみがサンプルユニット又はセンサーに到達することを確保するために隠され得る。いくつかの場合には、照明光は、サンプルユニットにおいて蛍光を励起するための役割を果たすことになり、センサーは蛍光に対してのみ応答するように設計されるであろう。いくつかの場合には、光はサンプルユニットそれ自身内から、例えば、化学発光、生物発光、ソノルミネッセンス及びエレクトロルミネッセンス、並びにそれらの内の二以上の組み合わせからとして、生じるであろう。
図24に示されるように、幅広い種類の制御電子機器400が、システムの一つ又は二以上の素子内で、システム404の外部の装置において提供されることがあり、言及された光パラメーターの内の各々又は二以上に従って光制御装置402を制御する。電子機器400はまた、システム404の動作と協調して光制御装置を制御し得る。協調は、空間的位置に関して、時間と共に、及び他の方法で行われ得る。
多くの用途では、サンプルユニットとセンサーとの間に介在した任意の材料又はコーティング又は層無しで、製造されたセンサーの活性センサー領域と直接接触させることが、サンプルユニットに関して可能であり、望ましい。光センシングを実施するチップレベルフィーチャにサンプルユニットがより近い程、結果として得られる画像の分解能はより高くなり得る(例えば、より鮮明になり、あまりぼやけないことがある)。そのため、図56に示されるように、薄型裏面照射型シリコン画像センサーは、有用な実施形態を表す。なぜなら、それらは、サンプルユニット831と、センサーの各ピクセルのフォトダイオード部832、つまり、その後、関連したピクセルの読み出し回路835によってその電子が検出される電子-正孔ペア834を入射光が生成するときに光833に応答する領域、との間の距離を減少させるからである。
しかしながら、いくつかの用途に関して、層又はコーティング又は材料は、センサー表面上に配され得る。我々は時々、層との用語によってこれらを非常に広義に呼ぶ。層が用いられるとき、一つの層、又は一つよりも多い層が存在し得る。層は、印刷、堆積、コーティング、接着(gluing)、スパッタリング、重力、分子力及び他のもの並びにそれらの内の任意の二以上の組み合わせを含む幅広い種類の技術によって適用され得る。層は、例えば、硬い、又はフレキシブルなことがある。
層は、薄膜コーティング(例えば、ダイヤモンド、Al2O3、パリレン[ポリ(p-キシリレン)誘導ポリマー]、又は他のもの)を含み得、化学気相堆積等の様々な方法においてナノメートルから多くのミクロン厚さまでにおいて堆積され得て、流れる粒子からの摩耗(abrasion)、洗浄及び他の影響等の摩耗(wear)に対してセンサー表面を保護する。摩耗及び他のダメージからの保護は、商業的意味により重要な実用的な考慮事項である。層はまた、非特異的付着を減少するための、若しくは(非特異的な、又は抗体に関して、高い特異性を有するいずれかの)付着を増加するための、摩擦を減少するための若しくは増加するための、疎水性を減少するための若しくは増加するための、又はそれら及び他の効果の組み合わせを減少するための若しくは増加するための、コーティングを含み得る。
CMOS画像センサーは典型的には、ピクセル当たり一つのマイクロレンズである、ピクセルの上に配されるマイクロレンズアレイ、及びマイクロレンズの下にあるカラーフィルターを含む。我々が説明してきた実施例の内の多くでは、センサーの感光素子は、このようなマイクロレンズアレイ若しくはカラーフィルター又はその両方によって覆われていない。しかしながら、いくつかの実装では、図58に示されるように、センサー102上の層は、ピクセル842当たり、一つのマイクロレンズ841、及びいくつかの場合には一つのカラーフィルター845、を有するマイクロレンズアレイを含み得る。このような実装における各ピクセルの上のマイクロレンズは、わずかに増加した感度を含む、いくらかの潜在的な優位点を提供する。このようなマイクロレンズアレイが含まれるとき、画像の分解能とサンプルの距離との間の関係は、我々が上記でそれを説明してきたように、マイクロレンズ表面844からの標本843の距離に関して作り直され得る。
いくつかの場合には、センサー表面上に置かれた一以上の層は、サンプルユニットの照明に関連する目的のために用いられ得る。
例えば、図25に示されるように、金フィルム表面420は、センサー102の表面上の層として提供され得、金フィルムの露出表面上である、又は金フィルムの露出表面に非常に近いサンプル蛍光分子又は粒子422の表面プラズモン421励起を可能にする。センサーの感光性活性領域を超えている金フィルムの領域426へ、例えば、プリズム425を用いて、表面プラズモン照射424を導入することによって、表面プラズモン照射は、センサーによって検出されるべきではない。しかし、表面プラズモンポラリトンは、センサーの活性領域を横切ってフィルムにおいて伝播し得る。活性領域におけるフィルム上の蛍光分子によって放出される蛍光428は、金フィルムが透明であるほど十分に薄いので、又は、それがセンサーの各ピクセルの表面の上で一以上のギャップを残すようにパターニングされているのいずれかなので、センサーによって検出されるべきである。
このようにして、サンプル蛍光分子の蛍光イメージングは、周辺光量の波長を変化することによって、且つ、それがセンサー上へ直接衝突している場合のように、照明をブロックするための波長固有のフィルターに関する必要性無しで、任意の波長で直接可能であるべきである。サンプルユニットの蛍光励起の効率は、表面上の、又は表面に付着した共鳴増幅構造を組み込むことによって増加され得る。例えば、金ナノ粒子430が、その目的のために表面上に提供され得る。
いくつかの実装では、表面プラズモンは、例えば、分子結合の表面プラズモン共鳴測定のためにそれ自身が用いられ得る。いくつかの場合には、表面プラズモン共鳴測定は、蛍光イメージングと共に、蛍光相関分光法と共に、及び、他の蛍光測定技術と共に、組み合わされて同時に行われ得る。
層は金フィルムである必要はないが、センサーに到達することになり、分子の蛍光を引き起こすのに適切であろう表面プラズモン挙動によって特徴づけられる、光に対して透明な任意の他の材料であり得る。
代わりに、層が、活性領域の外側から活性領域内へと延びる、1μm幅未満のいわゆるナノワイヤとして堆積される場合、層は、より厚く不透明な金、又は表面プラズモンをサポートする他の材料であり得る。このようなナノワイヤは、表面プラズモンポラリトンの比較的長い範囲の伝搬が可能である(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、K. Leosson et al., Optics Express 14 (2006) 314-319を参照)。ただし、これらのストリップが、それらが横切るピクセルの表面上を部分的に覆うのみである場合、ナノワイヤ近くの蛍光体によって放出される蛍光光子の少なくとも一部は、その表面の覆われていない部分を通ってセンサーの感光部分内へ通り得る。
他の技術は、センサーの前に介在したブロッキングフィルターなしで、任意の恣意的な波長で蛍光イメージングを達成するために用いられ得る。いくつかの場合には、表面上の又は表面に非常に近い蛍光体の全内部反射蛍光が、その目的のためにシステムと併用して用いられ得る。図26に示されるように、(TiO2等の)透明な高屈折率材料の薄層440(例えば、100nm厚さ)は、シリコンセンサー表面上の配される、(SiO2等の)より低い屈折率を有する透明な材料の薄層442上に配される。励起波長での光445は、光が、全内部反射に関する臨界角を超える角度で、より高い屈折率の層とより低い屈折率の層との間の界面(及び、標本446を包含する空気媒体101又は水と、高屈折率層との間の界面)に出会うように、プリズム面フィーチャ444を通って高屈折率層440内に斜めに導入される。導入された光はこうして高屈折率層において伝播するが、全内部反射によってその層において包含されるので、センサーに到達せず、センサーによって検出されない。しかしながら、伝播された励起光のエバネッセント波は、高屈折率層の表面に十分に近い標本446内で蛍光体447を励起し、蛍光放射448が臨界角未満で屈折率界面に出会うことになり、そのためセンサー102内へ層を通り抜けることになることをもたらす。
幅広い種類の技術及び装置が、光をサンプルユニットに送達するために、及びサンプルユニットからセンサーに送達するために用いられ得る。照明技術が何であれ、多くの用途において、センサーにわたって均一である照明を提供することが有用である。
最も単純なアプローチの内の一つは、サンプルユニットを照らすために周辺光を頼ることである。日光又は建物の照明からほとんどどこでも周辺光が利用可能であることは、いくつかの用途及びシステムの使用を特に安価にし、離れた場所においてを含む、世界中全てで実行可能にする。
図27に示されるように、いくつかの用途では、コリメート光452に関するメカニズム450を提供することが有用であり、それが本質的に同じ方向454からセンサーの全ての部分に到着するようになる。サンプルユニットのフルカラー画像、又はいくつかの場合には、特定の波長若しくは様々な目的のための波長のバンドでの画像を撮るために、多色光源460とセンサー表面との間にフィルター458が介在されることが可能なように設計されるフィルターメカニズム456を提供することが有用でもある。フィルターメカニズムは、フィルターが、任意の順序で適用され得、高速で切り替えられ得るように、配され得る。いくつかの場合には、光源は、高速で切り替えられ得るLEDs又はレーザー等の単色の又は準単色のソースを含み得る。いくつかの実装では、いかなる組み込まれたフィルタリング装置を有さない単色のセンサーであるセンサーを提供することが望ましい。
コリメート装置は、不透明な材料のシートにおけるピンホールと同じくらい単純であり得る。いくつかの場合には、コリメータは、平行チューブ又は光ファイバーの非常に密なアレイの形態における(微小孔とも呼ばれる)大規模並列マイクロチャネルプレートであり得る。いくつかの用途では、光学レンズは、コリメーションのために用いられ得る。
いくつかの実施例では、サンプル、光源、センサー及びシステムの他の要素は、不透明な壁を有し得る筺体、又は部分的な筺体において保持され、例えば、周辺光を排除し、又は低下して、筺体内の光が、強度、スペクトル品質、方向、センサーへの距離及び他のパラメーターに関して注意深く制御されることを可能にする。いくつかの場合には、筺体が存在せず、光は周辺光と併用して制御される。いくつかの実装では、周辺光及び制御された光源は、組み合わされて、センサーでの撮像に関する光を提供する。
幅広い種類の照明配置が従って可能である。
一つの例の照明セットアップでは、LED光源は、一以上のレンズ、反射器、又は、ソースとサンプルとの間の他のコリメート装置と共に配される。LED光源は、選択されたスペクトル特性を有する単一のLEDであり得る、又は、LED光源は、単色LEDのアレイ、若しくは、赤色、緑色及び青色LEDs若しくはレーザー等の複合狭帯域ソースのアレイ、又は、液晶(LED)若しくは有機LED(OLED)ディスプレイ等の小型化されたカラーディスプレイ、又は、アレイ上の任意の位置である範囲の色及び強度にわたって光を提供するために制御され得るRGBレーザーカラープロジェクションディスプレイであり得る。重要なことは、フルカラー画像が、赤色、緑色及び青色光源等によって連続して得られた画像を適切に組み合わせることによって単色の(黒色及び白色)センサーを用いて得られ得ることである。アレイは、いくつかの場合には、センサーの中央に狙いを定めるドームとして配され得る。いくつかの実施例では、単一の光源(単色の又はRGB)は、ある範囲の位置を通して物理的にスキャンされ得る。いくつかの実施例では、プロジェクションディスプレイ又はアレイは、ある範囲の位置を通して電子的に(例えば、ラスターモードにおいて)スキャンされ得る。アナモルフィック反射器ペア又はプリズムは、図62に示されるように、このようなアレイスキャンに関する特に有用な平行光学系としての役割を果たし得る。適切な且適切に位置するアナモルフィックプリズム1002に入るOLEDアレイ1001上の点1000からの光は、内部で凸状の1003及び凹状の1004内部表面から反射され、標本チャンバー1006を通り抜けて画像センサー活性領域1005を満たす平行ビーム1008として現れる。任意の他の点1007からの光は、平行ビーム1009としてアナモルフィックプリズムから同様に現れるが、異なる角度から画像センサー上に衝突する。画像は、一度にアレイの一つの位置からの照明を用いて集められ得て、累積の結果が、既知のアルゴリズム(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、Irani, M. and Peleg, S. (1991) Improving resolution by image registration、CVGIP: Graphical Models and Image Processing 53:231-239; A.M. Tekalp, M.K. Ozkan, and M.I. Sezan, (1992) “High-Resolution Image Reconstruction for Lower-Resolution Image Sequences and Space-Varying Image Restoration”や、 IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing (San Francisco, CA), pp. III-169-172, March 23-26, 1992; Hardie R, et al. (1997) Joint MAP registration and high-resolution image estimation using a Sequence of undersampled imagesや、IEEE Trans Image Process 6:1621-1633; Elad M, Hel-Or Y (2001) A fast super-resolution reconstruction algorithm for pure-translational motion and common space-invariant blurや、IEEE Trans Image Process 10:1187-1193; Farsiu S, et al. (2004) Fast and robust multiframe super resolutionや、IEEE Trans Image Process 13:1327-1344; Farsiu S, et al. (2006) Multiframe demosaicing and super-resolution of color imagesや、IEEE Trans Image Process 15:141-159.に記載されるアルゴリズム)に従って(センサーの元々の分解能よりも高い)サブピクセル分解能を達成するために統合された。
図60に示されるように、広帯域照明940が用いられる場合、波長成分は、プリズム又は回折格子950等の様々な装置によって分散され得る。この分散を、センサーピクセルアレイ(960)の一次元にわたって、長い波長(例えば、赤色、952)から短い波長(例えば、紫色、954)へ配向することによって、可動部なしでサンプルの吸光分光法を実行することが可能である。サンプルが均一である場合、単一の画像で十分であり得る。サンプルが不均一粒子の懸濁液である場合、個別の粒子の吸収スペクトルは、それらがスペクトル分散の軸に対して平行に流れ、それによって連続フレームにおいて波長をインクリメンタルに変化させる照明に出会うときに、連続フレームにおいて粒子をトラックすることによって実行され得る。多数の小さなピクセルを備えるセンサーは、これらの手段によって高いスペクトル分解能をもたらし得る。
幅広い範囲のモードの照明が、とりわけ、その方向、偏光、及び伝播に関して可能でもある。
いくつかの実装では、光は、センサーに対して垂直な方向からセンサーで、又はそうでなければ光がセンサー表面へとサンプル及びセンサー上の任意の層を直接通り抜けることを可能にする角度で、受けられる。
いくつかの実装では、図28に示されるように、センサー102は、光源からの直接光の大部分がセンサーによって吸収され得ない暗視野照明モードにおいて動作される。いくつかの場合には、光は、それがセンサー表面から主に反射されるように、傾斜した角度472でサンプルユニット474へ向かう。サンプルユニットが入射光を散乱する場合、そのとき、散乱光476の少なくとも一部は傾斜した角度未満でセンサー表面にぶつかり、センサーに十分に入ることがあり、センサーによって検出されることがある。いくつかの実施形態では、光は、センサー表面に対してほぼ0度である角度で、つまり、“グレージング”照明として、向かう。このような暗視野照明の優位点の中で、それは、それらが屈折率において差異がある場合、それらの周囲と吸光度がほとんど違わない(そのため、通常の透過撮像によって検出が困難である)特徴の検出を可能にする;センサーのピクセルより小さい(サブピクセルフィーチャ)、最小限吸収する(つまり、薄暗い)物体は、こうして容易に撮像され得る。なぜなら、光を散乱することによって、それらは暗い背景に対して高いコントラストを備える目に見える輝点を構成するからである。
照明のいくつかのモードは、光及びフィルムの偏光特性を利用することが可能であり、システムが偏光顕微鏡法モードにおいて用いられることを可能にする。図29に示されるように、このようなモードでは、センサーは、所定の偏光485の光のみがセンサーへ移動することを可能にする一以上の薄膜層480によって覆われ得る。加えて、光源に関連したフィルター484は、所定の偏光483の光のみを通すように配され得る。センサー上の層及び光源フィルターの組み合わせは、幅広い種類の偏光技術が、撮像及び撮像分析のために用いられることを可能にする。例えば、分子が規則的に配列される標本の領域は、適切に配向されるときに増加された明るさとしてこのような交差偏光子を通して検出可能な複屈折を示し得て、分裂装置又は横紋筋等の生物学的構造又は特定の結晶材料の強化された可視化を可能にする。
いくつかの実施例では、偏光顕微鏡法は、フレネルの式によって記載されるように、異なる屈折率の媒体の間の境界での偏光の既知の挙動を利用することによって、センサー上の薄膜偏光子なしで可能である。そのため、ブルースター角でセンサー表面上に入射するp偏光は、高い効率によってセンサーに入ることになり、標本における適切に配向された複屈折材料が強化されたコントラストを表すことになる明視野を生成する。
サンプルユニットの蛍光は、我々が説明しているシステムにおける幅広い範囲の撮像機会を提供する。一般的に、サンプルユニットにおける蛍光は、比較的より短い波長での光によって励起され得て、比較的より長い波長での発光を引き起こす。
我々は、我々の説明において蛍光との用語を用いるが、発光分子又は粒子の励起状態寿命がナノ秒よりも長い、操作の有用なモードが利用可能である;これらの類似の現象は時々、ルミネッセンス及びりん光として呼ばれる。
いくつかの実装では、それら自身が蛍光性ではないサンプルユニットは、蛍光タグ付け分子又は粒子を用いてタグ付けされ得る。量子ドット等の特に明るいタグによって、このような明るい蛍光粒子が結合している個別の分子の運動を追うことが可能である。
図30に示されるように、蛍光イメージングでは、サンプルユニット492から放射される光494はしばしば、ソースから送達される励起光490よりもセンサーで数桁のオーダーで強くない。効果的にサンプルユニットからセンサーに到達する光を検出するために、ソース光がセンサーに到達することをブロックすることが有用である。通常の光学顕微鏡との関連では、これは、サンプルとセンサーとの間の、スペクトルの(例えば、ロングパス又はバンドパス)発光フィルターによって行われ得る。サンプルがセンサーに接触している我々が説明するシステムでは、このようなフィルターに関する空間が本質的に存在しない。典型的に1mm厚さ以上である通常の発光フィルターは、ある距離によってセンサーからサンプルを分離することになり、分解能の損失につながる。我々のシステムにおいてフィルター488がセンサーの表面上に介在することになる限りは、フィルターは可能な限り薄いべきである。
図31に示されるように、非常に薄いフィルター500は、取り除かれるべき光の波長での相殺的干渉を引き起こす、高屈折率及び低屈折率が交互である十分に透明な材料の層のセット502によって、我々のシステムにおけるセンサー上に形成され得る。光の不要な(励起)波長をブロックするように調整されたこのようなセットは、ブラッグ反射器を構成し得、λ/4nH及びλ/4nLに等しいそれぞれの厚さで堆積される交互の層によって、4分の1波長のスタックとして通常は構成され、ここで、λはブロックされる(つまり、反射される)波長であり、nH及びnLは、それぞれ、その波長での、高屈折率材料及び低屈折率材料の屈折率である。多くの材料は、このような層、例えば、TiO2及びSiO2の交互の層として堆積され得る。
入射光と、サンプルユニットからの光との間の区別への他の一つのアプローチは、光に対する、センサーにおけるシリコンの固有の応答性を利用するであろう。シリコン画像センサーは典型的に、深紫外線範囲において光に応答しない。従って、深紫外線範囲内の波長での光のソースを用いること、及び、その範囲よりも長い波長での蛍光から得られる光を検出することによって、撮像は効果的に進めることができる。
入射光と、サンプルユニットからの光との間の区別へのいくつかのアプローチは、図40に示されるような量子ドット光検出器技術を採用するセンサーを用いるであろう。このようなセンサーの実施例では、センサーの感光層650は、その表面的な一つ653が少なくとも透明である、電圧バイアスされた導電層(電極)の間で、参照によって本明細書にすべて組み込まれる、V. Sukhovatkin et al., Science 324 (2009) 1542-1544によって及び米国特許第8310022号明細書において記載されるような通常のCMOSデバイスの有用な範囲の外側の、改善された光応答に関する多励起子生成粒子であり得る、又は、米国特許出願公開第2012/0223291号明細書において記載されるようなフラーレンと混合され得る、適切な量子ドット651を含む。例えば、吸収された光子による電子-正孔ペア生成に起因する電荷656は、裏面照射型CMOS画像センサーと同様の方法で、より深い導電層654から電気回路652によって読み出される。我々のシステムのいくつかの実装では、このアプローチは、適切な量子ドットが活性波長の範囲にわたって作製され得るので、この種類のセンサーが、特定の蛍光プローブの、発光バンドにおける波長657に応答し、励起バンドにおける波長655に応答しないように設計され得るという優位点を提供する。そのため、このような適切に設計された画像センサーは、画像センサーの表面と標本との間に任意の追加のスペクトルフィルターを介在する必要なく、それらの特定のプローブを用いて、例えば、透明な表面的な導電層653に並置される、センサーと接触するサンプル658によって蛍光顕微鏡検査法を実行するために用いられ得る。
加えて、蛍光又は化学発光等の低光量の実装では、光信号を増幅することが有用であり得る。これは、例えば、近接焦点(proximity-focus)マイクロチャネルプレート(MCP)画像増強管を画像センサーの表面に結合することによって、又は、いくつかのバージョンでは、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,285,018号明細書に記載されるような電子衝撃CMOS画像センサー(EB-CMOS-IS)を採用することによって、のように、いくつかの方法で行われ得る。MCP又はEB-CMOS-ISは、前方の窓なしで動作することになる。EB-CMOS-ISに関して図59に示されるように、標本910は、光電陰極表面912と接触して配されることになる。標本910を通り抜ける又は標本910から放射される光914は、光電陰極に到達するときに、センサーチップ920に対して負である、印加電圧918によって加速される光電子916の放出を引き起こす。半導体シリコンに関して、一つの電子-正孔ペアは、およそ3.6電子ボルトの入射エネルギー毎に生成され、加速された光電子がセンサーピクセル922に当たるときにゲインを引き起こす。上述の量子ドット技術センサーに関して、鮮明に調整されたスペクトル応答性を備える光電陰極材料の賢明な選択は、光電陰極の表面と標本との間に介在した励起ブロックフィルターの必要なく、我々の方法に従う蛍光顕微鏡検査法のためにこれらの装置が用いられることを可能にする。同様の電子衝撃アーキテクチャは、CCDセンサーによって採用され得る。
サンプルユニットが実質的に光を散乱しない(例えば、サンプルが、センサー表面上へ吸着した分子単層である)いくつかの実装では、入射光と検出された光との区別は、前述のような暗視野照明(図28を参照)を具現するためのソース光の入射の角度を活用することによって、それらのそれぞれの波長について心配することなく、達成され得る。実質的に傾斜した角度からセンサー及びサンプルユニットへ励起光を送達することによって、その光は、センサーには入ることはないが、センサー表面上の蛍光体によっていまだに吸収され得る。蛍光体からの蛍光放射は、典型的には、入射の励起角度に制限されることはなく、等方的になるので、放射された光子の内のいくらかは、センサーに入ることができ、センサーによって検出されることができる非グレージング角でセンサー上に入射するであろう。
いくつかの実施例では、200nmのAg又はAu等の薄い金属フィルムにおける2次元ナノホールアレイによって作られる非常に薄いスペクトルフィルターが、(Ghaemi, H. F., Thio, T., Grupp, D. E., Ebbesen, T. W. and Lezec, H. J. (1998) Surface plasmons enhance optical transmission through subwavelength holes. Phys. Rev. B 58, 6779-6782; Xiao, S., Mortensen, N.A., and Qiu, M. (2007) Enhanced transmission through arrays of subwavelength holes in gold films coated by a dielectric layer. J. Eur. Opt. Soc. 2, 07009によって記載されるように)センサー表面上に堆積され得る。穴サイズ及び周期性の適切な選択な選択によって、透過は、発光波長に対して選択的に調節されることができ、一方で、フィルム(薄いフィルター)は、励起及び他の波長を効果的にブロックする。
蛍光に関する薄膜フィルターのスペクトル特性は、センサーにわたって均一であることを必要としない。図61に示されるように、異なる透過波長を有するフィルターは、完全なセンサーから単一のピクセルまでの範囲のそれぞれの領域の上に堆積され得て、例えば、蛍光体が同一の波長によって全て励起され得るが、異なる波長で蛍光を発する場合、単一画像のサブフィールドにおいて複数の異なる蛍光体によって異なる標本の蛍光イメージングを可能にする。懸濁液又は溶液における同一のサンプルにおける異なる蛍光体は、サンプルが異なるフィルターのサブフィールドの上を流れるとき、連続フレームにおいてモニターされ得る。センサーピクセルアレイ960の一方向に沿って範囲980においてインクリメンタルにより長い透過波長のフィルター(例えば、青より長い波長のみを通すフィルター982から赤より長い波長のみを通すフィルター984へ)を堆積すること、並びに、同一の範囲にわたって及び同一の方向に沿って、しかし方向に沿って適切に(例えば、青954から赤952へ)動かされた広帯域励起の波長940を(例えば、回折格子950を介して)分散することによって、単一のフレームにおける均一なサンプルの、又は逐次的なフレームにおける不均一なサンプルのマイクロ蛍光分光法を、それらが同一の軸に沿って流れるときに、実行するすることが可能であり得る。
いくつかの実装は、励起光と放射された蛍光の波長との間を区別する必要なく、効果的な撮像を達成するために、蛍光放射の経時変化を利用し得る。蛍光は、光子の吸収が蛍光体をより高いエネルギー状態へ駆動するときに生じ、そこから、(平均では、励起状態寿命である)いくらかの期間の時間、且つ振動モードを介したいくらかのエネルギーの損失の後で、蛍光体は、より長い波長の光子の発光と共に、より低いエネルギー状態へと緩和する。励起状態寿命は、それぞれの蛍光体の特徴であり、大部分の蛍光体に関してナノ秒又は数ナノ秒未満から、フォトルミネッセンス又はりん光材料に関してミリ秒又はより長くへと変化する。照明との同調性におけるシャッターのタイミングを計ることによって、入射光は遮断され得、シャッターはすぐに開けられ、励起状態が枯渇するまで開いたまま維持されて、ピクセルが全ての蛍光/ルミネッセンス発光を統合することを可能にする。
全てのピクセルが同時にリセットされ得、且つそれらの電荷が同時に輸送され得る、全体的なシャッター電気回路を組み込むCMOS画像センサーは、図32に示されるように、この時間領域蛍光イメージング戦略を採用することに関して特に有利である。トリガーパルス660は、ピクセルが、露出又は統合期間の開始でリセットされる661ときに、閉鎖をシミュレートすること、及びシャッターを再び開くことを制御する。LEDs、レーザー又はレーザーダイオード又はそれらの組み合わせは、それらが励起状態寿命未満においてスイッチがオン及びオフされ得る適切な実施形態におけるように、励起光源として有利に用いられ得る。共鳴空洞LEDsは、例えば、GHzの速度で変調され得る。リセットフェーズ661の終わりの前にLED又は他の励起光源を正確に短く点滅させること662によって、CMOSセンサーのピクセルは、そのソース照明に起因する信号を廃棄することになり、リセットの後、減衰する蛍光に起因する信号を検出するであろう。その後、蛍光信号は、露出時間663の間に統合され得、その後、累積された電荷は、ピクセル値が行によってそこから読み出される665センサー上のマスクされた暗い領域へ迅速に移される664。適切なタイミングのシーケンスによって、同様の戦略が、より一般的なローリングシャッター画像センサーによっても実装され得る。Eu3+又は他のランタニドを包含するもの等の、比較的長い励起状態寿命を示す発光性分子又は粒子は、我々の装置によるこのような時間領域蛍光イメージングに関して特に有利であり得る。
システムに関するいくつかの照明モードは、蛍光相関分光法(FCS)として知られる技術を用い得る。従来のFCSでは、共焦点の又は多光子の励起顕微鏡法は、照明又は撮像又はその両方が、典型的にはゼロ又は一つの蛍光分子を包含する希薄サンプルの小さな(例えば、フェムトリットル)容積へ閉じ込められることを確保するように用いられる。その時々での蛍光における変動は、分子の拡散、結合及び他のプロセスのインジケーターとして検出される。我々のシステムでは、FCSは、非常に希薄な酵素、抗体、核酸又は他の分子をこのような結合分子なしで二以上のピクセルによって全ての方向において離隔される個別のピクセルでセンサー表面へ結合することによって、又は、このような個別のピクセルを覆うチャンバー蓋上の別々のスポットへ同様の結合を実行することによって、実行されることができ、大部分の個別のピクセルは、それらの表面でゼロ若しくは一つのこのような分子を結合するようになり、その後、例えば、蛍光性の基質、リガンド又は検体によってサンプルユニットをインキュベートする。
本明細書で我々が説明するシステムは、測定、集計、分析、撮像及び他の活動、並びにそれらの組み合わせにおける非常に広範囲の用途を有する。議論の利便性のために、我々は用途の内の二つの主なカテゴリーを考慮し得、一方は、生物である、又は生物に関するサンプルユニットに関するものであり、他方は、非生物であるサンプルユニットに関するものである。多くの用途を組織化する他の方法もまた可能である。
生物に関して、用途の重要なカテゴリーは、動物、特に人間、並びに、薬、バイオテクノロジー、製薬、医療、ヒト生物学、化学的性質、及び人間の細胞、並びに同様のトピックに関する。
用途の特定のグループは血液を含む。システムは、血液における細胞の種類を検出して分析すること、血液における様々な種類の細胞を数えること、血液における細胞の正常性を決定すること、血液における細胞の機能をモニタリングすること、及び血液の化学的性質を分析することにおいて用いられ得る。
白血球、赤血球及び血小板等の特定の種類の細胞又は細胞要素が、注意深く制御された血液の容積において数えられる血球計算は、先進国における医療制度において至る所に存在する。血球計算は、病理診断及び健康状態、それらの重症度を決定すること、及びこのような状態の経時変化を決定することにおいて非常に有用である。2億5千万超の血球計算が、米国において毎年行われる。血球計算の一般的な形式は、血液における様々な異なる要素及びそれらの特性を数え、全血球計算(CBC)として知られている。
血球計算は、高価であり得、専用の研究所において、例えば、病院又はクリニックにおいて動作される高価な大きい専用の機器上で実施される傾向にあり得る。従って、それらは貧しい又は遠隔の人々が常に利用可能であるとは限らない。この送達モデルはまた、所要時間を遅らせることがあり、患者にとって血球計算を不便なものにし得る。ある量の血液を得ることは一般的に、このような研究所によって実施される計算に関して必要とされ、熟練した専門家による静脈穿刺を患者が受けることを典型的には要求する;この手順は、例えば、小児又は老人患者においてしばしば困難である。
我々が説明するシステムは、患者の場所で(つまり、“ポイント・オブ・ケア(point-of-care)”で)便利に実施される、迅速で安価な血球計算を提供し得る。血球計算の能力は、貧しく遠隔の人々を含む非常に幅広い人々へ利用可能にされ得る。加えて、世界の先進領域では、システムは、血球計算を、臨床医のオフィスにおいて、患者の家又はオフィスにおいて、病院のベッドのそばで、及び事実上任意の他の場所において、取ることを可能にする。血球計算は、より速く、より安価に、より便利に、あまり洗練されていなユーザーによって、及び、現在の技術によってよりも速い結果のターンアラウンド(turnaround)によって、取られ得る。システムは、トレーニングされた又はされていないほとんど誰でもが、血球計算をいつでもどこでも実施することを可能にするであろう。
前述のように、システムは、蓋とセンサー表面との間に小さな、正確に制御されたサンプル空間容積を画定するように構成され得る。図33に示されるように、いくつかの実装では、(概略的に示される)サンプル空間容積510は、どこでも撮られ得、且つCBC等の血球計算を実施するために用いられ得る、軽量のポータブルの安価なハンドヘルドのバッテリー駆動の装置512内に収容され得る。小さな容積の血液514のみが、患者から必要とされ、指516をちくりと刺すこと515によって引き出され得る。血液は、サンプル表面511上へ血液の液滴を直接絞り、その後血液の上へ蓋を下げて正確な容積を形成することから、例えば、染色剤518を有する又は有さない予め測定された容積の希釈剤内へ、混合後、そこからセンサーとチャンバー蓋との間のすでに形成されたサンプル空間内へ、毛細管又はピペット513によって輸送すること、までの範囲である技術によってサンプル空間へ輸送され得る。
いったん血液がサンプル空間にあると、装置のユーザーは、キーボード519等の、ユーザーインターフェースを通してコマンドを提供することによって血球計算の性能を制御することが可能である。ディスプレイ517は、血球計算を制御することにおいてユーザーを助けることができ、結果をユーザーへ与えることができる。装置は、メモリ、ストレージ、ワイヤレスの及び有線の通信装置、並びに一以上のマイクロプロセッサを含む様々なハードウェアを含み得る。装置におけるソフトウェア520は、いくつかの場合には、オペレーティングシステム522、ワイヤレスの及び有線の入力/出力ドライバ524、インターフェース制御ソフトウェア528、センサー530を駆動して読み込むためのソフトウェア、及び、装置上で撮られた画像を読み込むためのアルゴリズム526を含み得、典型的な又は特別な血球計算プロトコルを用いて血球計算を実施して、血球計算から患者についての情報を推論する。
装置のサイズ、重量、利便性、単純性、コスト及び他の特徴は、幅広い範囲の特徴を示し得る。
いくつかの単純なシステムは、血液を集め、それをサンプル空間へ送達し、読み込みのために他の一つの場所へ血液が運ばれつつ、汚染からそれを保護するためにサンプル空間を包み込むのに必要不可欠な素子のみを含み得る。例えば、病院では、このような装置は、サンプルを集めるためにナースによって用いられ得て、その後、それが読み込まれ、病院の通信ネットワークへ通信されることになる近くのナースステーションで血球計算ユニットに接続され得る。
また、いくつかの安価なシステムは、サンプル空間においてサンプルの画像を撮り、画像をデジタルに保存
管するだけであろう単純なソフトウェア及びハードウェアを含み得る。保存された画像はその後、血球計算が、通信された画像から読み込まれるであろう他の一つの場所へとワイヤレスで送られ得る。
いくつかの場合には、システムは、サンプルを受け入れて処理すること、画像を撮ること、血球計算を実施すること、結果を分析すること、及び、医療提供者へと実験室によって今送達されたものと比較可能な全血球計算レポートを表示して小型のプリンター上で印刷することが可能な完全なシステムを含み得る。
いくつかの場合には、フィールドにおける使用のために、無菌のランセット、染色剤を有する予め測定された希釈剤、溶液測定のマイクロピペット、サンプル空間を包含する装置、及び場合によっては使用に関する説明書を含み得るキットが提供され得る。
いくつかの実装では、サンプル空間及びセンサーは、携帯電話等の既存の携帯端末に差し込まれる、携帯端末に取り付けられる、携帯端末と通信するであろう小さく安価な装置において提供され得る。装置は、画像を撮り、それを保存するのに必要不可欠なハードウェア及びソフトウェアを含み得、電話は、カウントを実施するためのソフトウェアを保存し実行し得、結果をローカルに且つ他の一つの場所へワイヤレスに報告し得る。或いは、形態電話は、装置から画像を撮り得て、血球計算が実施されることになる他の一つの場所へそれを送信し得る。
幅広い種類のカウントは、サンプルにおける赤血球の総数、サンプルにおける白血球の総数、及びサンプルにおける血小板の総数を含んで実施され得る。数えられ、測定され、又は計算され得る他の特徴は、容積当たりの赤血球の数、赤血球によって占められる平均体積分率(ヘマトクリット値)、赤血球の平均直径及び容積、赤血球当たりのヘモグロビンの平均含有量、血液の成分の形態学的側面、より広い種類の細胞のサブタイプのカテゴリー化及び集計、つまり、差動(differential)血球計算を含み、好中球、総リンパ球、細胞表面抗原に基づいて識別されるリンパ球サブタイプ、単球、好塩基球、好酸球、網状赤血球、鎌状細胞、並びに他の通常の及び異常な血液細胞、並びにそれらの内の二以上の任意の組み合わせを含む。
CBCsのいくつかの実装では、絶対的な白血球及び赤血球のカウントが、細胞(細胞質)及び核のサイズ、形状及び色を含む(及びそれらから導出される)形態学的基準に基づいて、実施され得る。例えば、赤色の、核を欠いている直径8μmの丸い細胞は、赤血球を示唆し得る。直径が7μmより大きい丸い核を有し、トルイジンブルー又はゲンチアナバイオレットによって密に染色される、直径10μmの丸い細胞は、リンパ球を示唆し得る。単一の視野が、100万の血液細胞の約半分を包含し得る。サンプルにおけるこのような多くの数によって、意味のある統計情報が、比較的希少な又は曖昧な細胞に関してさえ並列に迅速に収集され得る。いくつかの細胞の識別は、適切な造影剤に結合される、細胞型に特有の抗体の使用によって促進され得る。
そのため、図33に示されるようなCBCに関するセンサー装置の使用では、微量の血液、例えば、10マイクロリットルが、針で刺すことから使い捨ての容積測定の輸送ピペット513によって回収され得、抗凝結剤(例えば、ヘパリン、EDTA)、一以上の造影剤(染色剤、標識された抗体等)、(チャンバー高さを設定するためのスペーサ―としての、且つ撮像される容積を確認するための信託の(fiduciary)粒子としての)マイクロビーズ、及びいくつかの場合には、当浸透圧の希釈剤518、の予め組み込まれているバイアルへ加えられ得る。バイアル含有量は、反転及び指タップによってちょっとの間手動で混合され、その後、画像センサーの表面へと輸送ピペットによって輸送される。その後、サンプルチャンバー蓋は、液滴の上へ下げられ、照明デバイス(ない場合は、周囲)が、チャンバーの上の所定の場所に閉じ、スイッチが入れられて、一以上の(例えば、色又はサブピクセル分解能に関して)画像が撮られて、処理される。
古典的なCBCでは、異なる種類の細胞の絶対濃度のみが決定される。我々が説明するセンサー装置及びシステムを用いて、様々なカウントにおける細胞の機能性及び健康が、以下で説明されるように、機能性プローブ(例えば、蛍光カルシウムセンサー)の使用、刺激への細胞性応答のビデオイメージングによって、及び他の方法で決定されることもあり得る。
一度サンプル空間が血球計算のために用いられると、それは汚染されたと考えられ得、例えば、再利用を可能にするために、複数のランセットと共にキットにおいて含まれ得る、洗浄剤又はフラッシング剤を用いて洗浄又はフラッシングすることを必要とすると考えられ得る。いくつかの場合には、サンプル空間、センサー及び蓋は、各使用後に、使い捨てに、交換可能に作製され得る。
コストが下がることになり、カウントがより容易に且つ単純に行えるようになるので、血球計算が認識され、用いられるモードを変える可能性があるであろう。例えば、全血球計算のどの部分を定められたときに実施するかの選択を各血球計算に関して微調整し、急いでカスタマイズすることが可能であろう。ユーザーは、カウントされる要素を選択でき、装置の各々の異なる使用に関してそれらを変えることができる。加えて、装置は、一つのみ又は少量の固有のカウント及び測定のために構成されることになるように作製され得る。
(いくつか挙げると、排泄物、尿、痰、脳脊髄液、リンパ液等の)他の人間の体液及び物質もまた、血液に関して上記で説明された操作の一以上の特徴及びモードによって、画像を撮り、計算又は測定を実施し、結果を与えるように構成されることになるハンドヘルドのワイヤレス装置を用いた計算及び測定を受け得る。
いくつかの実装では、バクテリアは、図41に示されるようなセンサーの表面へ固定される固有の抗体を用いることによって検出され得る。例えば、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、炭疽菌及び他のものに関する固有の抗体が用いられ得る。抗体260を付着するための一つの方法は、チオール化学物質261を用いて、抗体に関するリンカー262を、センサー102の表面上に堆積されている、薄い透明な金の層263、又はパリレン若しくは他の薄い透明な官能化材料の層、又はそれらの組み合わせに付着することである。このような方法で、表面は、固有の抗体に一致する特定のバクテリア264に敏感であるように作製される。空気、水又は他の流体をセンサーを過ぎて流すことによって、流体において運ばれる関連性のあるバクテリアは、抗体に付着され得、その後カウントされ得る又は測定され得る。この集計(counting)は、数ある中でも蛍光性粒子、ビーズ、発色性酵素及び基質に結合される同様の抗体の溶液による、付着したバクテリアの後続のインキュベーションによって促進され得る。このような装置は、バイオセーフティ及び環境アセスメント用途の広い範囲において用いられ得る。
我々が説明するシステムによる特に効果的な方法で行われ得る分析の一つのクラスは、血清、脳脊髄液(CSF)及び他の流体並びにそれらの組み合わせの生化学分析に関する蛍光免疫測定として呼ばれる。我々は、蛍光免疫測定との用語を広義で用いて、関連したアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)も含む。しかしながら、我々のシステムの実装の中での多くの蛍光免疫測定は、酵素を必要としないであろう。いくつかの実装では、図34に示されるように、センサーの個別のピクセル540が、それぞれ異なる固有の抗体542、アプタマー、ポリヌクレオチド若しくはレセプター又はそれらの組み合わせ、及び、蛍光標識付きの548リガンド544、例えば、特に上述の分子によって結合される心臓トロポニン-I(cTn-I)分子によってスポットされる、大規模並列モードにおいて、センサーは動作され得る。これらの個別のピクセルは、全ての方向において少なくとも二つの標識付きでないピクセルによって離隔されて、標識付きのピクセル間のクロストークを最小化する。
リガンドは、ピクセルへ付着された抗体542へ結合される。血液がサンプルにあるとき、血液におけるcTn-I分子554は、蛍光標識付きのcTn-I分子を置き換えることができ、置き換えの程度、それゆえ血液におけるcTn-Iの濃度が、そのピクセルで検出される蛍光における変化に基づいて測定され得る。各々のピクセルは、すぐ近くの標識付きのピクセルからのクロストークを最小限にするためにセンサーの3×3(又はより大きな)ピクセル領域546の中央であり得る。そのため、それぞれの抗体への、流体サンプルにおけるサンプルユニットである抗原又は分子554の結合は、抗原又は流体の分子的特徴の分析を提供するためにセンサーによって検出され得る。いくつかの実施例では、流体のpH及び流体におけるイオンは、同様の方法でセンサー上の固有のピクセル位置へ結合している蛍光pHセンサー又はイオンセンサーによって検出され得る。小分子の蛍光のpH及びイオンプローブは市販であり、pH、Ca2+、Mg2+、K+、Na+、Cl-及び他のイオン並びに代謝産物に関する蛍光タンパク質又はオリゴヌクレオチドセンサーが存在する。
いくつかの実装では、これらのアッセイの変形は、蛍光性ADP類似物(analog)と共に予めロードされたADP(キナーゼ反応の生成物)に対する固定化抗体を用いること、及び、分析下のサンプルに対して問題になっているキナーゼに関する基質を加えることによって、任意のタンパク質キナーゼ又はATPaseを検出することへの一般的なアプローチを提供し得る。ホスファターゼ及びプロテアーゼに関するこの方法及び関連した方法は、参照によって組み込まれる米国特許第7,727,752号明細書において記載される。これらの方法は、例えば、画像センサー表面102上の固有の部位で、予めロードされた抗体をマイクロ印刷することによって、我々の、レンズの無い顕微鏡の多重化された用途において用いられ得る。
代わりに、且つ有利には、図57に示されるように、抗体、ポリヌクレオチド、又は他の固有の結合試薬、酵素、蛍光センサー又は他のプローブ860、862、864は、センサー表面877へ間隔876で使い捨ての、一回使用のチャンバー蓋874の底面872上のスポット位置866、868、870で、直接的に又は透過性のゲル内でのいずれかで、スポットされ得て、蛍光、光吸収反応生成物又は各スポットからの他の光学的に検出可能な信号882、884、886が、その下で主に直接的にピクセル又は複数のピクセル865、867、869によって主に検出されるようにして、その各々は、隣接したスポットからの非常に少ない蛍光を検出し得る。この配置は、非常に少量の血液を用いて迅速に且つ並列に、多数のタンパク質、代謝産物、電解質若しくは他の成分又はそれらの内の二以上の組み合わせの濃度を同時に決定することを可能にするであろう。これらの測定は、CBCに関しては血液細胞成分の分析、又は上述のような他の試験として、同時に且つ同一のサンプル上で、実行され得る。従って、流体サンプルの包括的アッセイは、小さな空間において、便利に、低コストで、素早く達成され得る。いくつかの実装では、結合ユニットのスポットは、撮像装置の感光位置との線上のピクセル上へ直接堆積され得る。信号が、スポットされるピクセル及びそのすぐ隣へとよりきつく制限され得るので、より高い分解能を可能にし得るが、センサーが一回使用であることを必要とし得る。
図35に示されるように、蛍光免疫測定及び他の光学分子選択性及びイオン選択性プローブの用途は、所与のサンプルにおいて現れ得る異なる種類560、562、564のサンプルユニットに関する他の機能を分析、撮像、カウント、検出、実施するための(大規模な)並列モードにおいてセンサーを用いることに基づき得る広範囲の用途の内のいくつかに過ぎない。いくつかの大規模並列用途では、光の検出を頼りにする多量の異なる機能は、(我々が時々、機能部位570、572、574とそれらを呼ぶ)センサーの(多量の)それぞれの異なる個別のピクセル又はピクセルの群で同時に実施される。典型的には、機能は、異なるそれぞれの種類のサンプルユニットの特徴、例えば、それらの存在、サイズ、数、活動、化学的、機械的、光学的若しくは物理的挙動又は特性、変化する特性、並びにそれらの内の任意の組み合わせに基づいているものである。特徴は、センサーのピクセルで検出される光576の特性、例えば、その強度、波長、タイミング、又はそれらの内の任意の二以上の組み合わせにおいて表される。センサーのそれぞれの機能部位で実施されることになる機能は全て、抗原の検出等の機能の単一のクラスの異なる実施例、又は異なるバージョンであり得る。いくつかの実装では、完全に異なる機能は、センサー上の異なる機能部位で実施され得る。一旦、任意のこれらの特徴又はそれらの組み合わせを示す光が検出されると、対応する信号580、582、584が生成され、情報の処理が並列又は直列に進み得、すぐに行われ得る又は遅れ得る。
センサーの大規模並列使用の用途は、ゲノミクス、細胞レベル又は分子レベルでの遺伝学、DNAの配列決定、生化学分析、分子動力学、薬剤スクリーニング、病原菌識別、粒子分析、細胞分析、細胞生理学及び行動のハイコンテントスクリーニング、並びに多くの他のものである。
前述のように、システムが適切である多くの広いクラスの用途が存在する。それらの広いクラスの内の一つは、ポイント・オブ・ケア診断である。
ポイント・オブ・ケア診断は、状態、診断、予後、特徴、又は、患者の過去の、現在の、又は未来の状態を示す他の要因を決定するために、患者の任意の位置でシステムが用いられ得る任意の活動を広義で含む。いくつかの場合には、活動は、内部及び外部組織、流体、並びに、患者の他の観測できる状態の可視化、患者の一部である若しくは患者から導出されるサンプルユニットの識別又は分類、このようなサンプルユニットの列挙、及び、(いくつか挙げると、それらの容積、光学密度、形状及びサイズを含む)このようなサンプルユニットの幅広い種類の特徴の測定、並びにそれらの活動の任意の組み合わせを含み得る。分析の対象は、いくつか挙げると、血液細胞、細胞診標本における他の細胞、原虫、バクテリア、寄生虫、(尿結晶、円柱(cast)等の)粒子、又は化学分析であり得る。ポイント・オブ・ケアは、任意の場所であり得、病院又はクリニック内、施設で、家又はオフィスにおいて、インドア又はアウトドアで、及び世界のどこでもを含む。ポイント・オブ・ケア診断ワークは、いつでも且つ任意の周囲条件において行われ得る。
図36に示されるように、医療用途の幅広いクラスは、人間の施術者592が、例えばリアルタイムで、患者594の状態を決定すること、及び、場合によっては、患者の場所598とは異なる場所596を含む任意の場所から決定をすることを可能にすることを目的として、生きている組織590を撮像する分野においてであろう。例えば、病理学者は、例えば、患者が他の一つの場所で手術等の処置を受けながら、リアルタイムにおいて皮膚又は組織の状態(例えば、それが癌性であるかどうか)の決定をすることができる。典型的には、これは、外科医が、生検をとること、及び、病理学者が顕微鏡での分析を実施してその後待っている外科医へ報告し戻す、廊下の先の研究所へとそれ送ること、によって行われる。我々が説明してきたシステムを用いて、生検ステップは排除され得る。代わりに、外科医が、手術の間に患者の組織、例えば前立腺組織へ直接センサー表面599を適用して、前立腺の悪性部位を除去することを可能にし得る。センサーは、組織を撮像することになり、結果として得られる画像は、場所598で直接見られることができる、又は、廊下の先の若しくは世界における任意の場所での病理学者へ電子的に600送られることができる。
いくつかの場合には、患者と共に位置していない施術者による組織の可視化は有用であり得、システムは、患者と共にいる施術者602が、センサーを組織へ適用し、画像を撮り、考慮のために遠隔の施術者へそれを送信することを可能にするであろう。
図37に示されるように、組織609がローカルで又はリモートですぐに見るために撮像される任意の用途において、組織を照らすための光610は、組織の側面から送達され得る。撮像されている組織は、隣接した組織616を通して達成される散乱光照射によって照らされ得る。いくつかの実装では、センサー617を包み込むチャンバーは存在せず、センサーは、例えばプローブ620の終わりで組織へ容易に適用するために、システムの囲む部分から突き出る618ように構成されることになり、小さなLEDs又は他の微小な光源622が検出器表面における感光ピクセルの周辺に又は散在して取り付けられ得る。生体染色剤、抗体若しくは他の造影剤又はそれらの組み合わせ624は、例えば、我々が他の場所において言及した目的のために及び方法において、撮像前に組織表面へ適用され得る。撮像は、透過モード、側面照射(実際上は暗視野)モード、若しくは蛍光モード、又はそれらの組み合わせにおいて行われ得る。蛍光モードでは、関連する癌細胞によって選択的に取り込まれる、固有の表面抗原、又は蛍光、又は蛍光性分子、又はそれらの組み合わせを用いて、固有の(例えば、癌性の)細胞型を検出するために、蛍光免疫標識が用いられ得る。後者の例は、5-アミノレブリン酸であり、グリオーマ細胞によって選択的に取り込まれ、それらによって非常に蛍光性のプロトポルフィリンIXへ変換される非蛍光分子である(例えば、Hebeda KM, Saarnak AE, Olivo M, Sterenborg HJCM, Wolber JG. 5-aminolevulinic acid induced endogenous porphyrin fluorescence in 9L and C6 brain tumors and in the normal brain. Acta Neurochir 1998; 140: 503-13; Stummer W, Stocker S, Wagner S, et al. Intraoperative detection of malignant gliomas by 5-aminolevulinic acid-induced porphyrin fluorescence. Neurosurgery 1998; 42: 518-26;米国特許出願公開第2006/000429号明細書)。
通常の及び異常な組織の、静的組織学的な、組織化学的な及び免疫-組織化学的な態様をモニタリングすることに関するこのような実装の有用性に加えて、敗血症、又は、怪我、虚血若しくは脳卒中への組織応答を評価することにおける診断の重要さであり得る、微小循環等の、組織の動的な態様をモニタリングすることに関しても有用であるだろう。CMOS画像センサー617の速い読み出し速度は、このような動的撮像に関する優れた時間分解能を有利に達成することができ、より高いフレームレートは、センサーの制限されたサブフレームのみを読み込むことによって達成され得る。速く変化する画像のぼやけは、各フレーム統合期間の間に一度だけ生じさせるために、単一の非常に短いパルスのLED又は他の光源を時間調整する、ストロボ照明、によってさらに減少させることができる。赤血球内のヘモグロビンによって強く吸収される緑色の光等の適切な照明の使用は、このような動的撮像のコントラストを強化することができる。交互のフレームを照射するための二つの波長の各々を用いることによって、追加の生理学的に又は病理学的に関連する情報が得られ得る。
例えば、それぞれオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収最大を用いることで、このような実装は、局所的な血液酸素化における動的な微視的変化のモニタリングを可能にするであろう。関連する分子の蛍光を励起するための適切な波長のLED又は他の光源を、その励起照明のセンサーによる検出を防ぐための上述のような方法と併用して用いることで、このような実装は、組織代謝、イオンレベル、膜電位及び対象となる他の生理学的パラメータにおける動的変化のモニタリングを可能にするであろう。例えば、還元型のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド、NADHは、その酸化型NAD+から、それぞれおよそ350nm及びおよそ460nmでの前者の励起ピーク及び発光ピークによって、区別することができ、組織の還元状態及び細胞のエネルギー特性の微視的モニタリングを可能にする。遺伝的に符号化された蛍光プローブの発現、又は外因性の蛍光プローブの用途は、このような実装の用途の範囲を伸ばす。
他のポイント・オブ・ケア用途は、細胞表面抗原を対象とする抗体を用いて、固有の細胞型を検出することにおいて広く有用である。いくつかの実施例では、このアプローチは、例えばAIDSを有する患者との関連で、免疫システムの能力の程度を測定することにおいて有用である。
患者の血液におけるCD4+ヘルパーTリンパ球の絶対数は、比較的高価で時間のかかるフローサイトメトリーに代わるアプローチにおいてセンサーを用いて、迅速に且つ容易に決定され得る。この文脈における我々のシステムの用途では、患者の血液の正確なマイクロリットルスケールの容積は、ポイント・オブ・ケアで引き出され得る。正確な容積は、ウシ血清アルブミン及び対象となる細胞のマーカーを包含する緩衝生理学的食塩水によって定量的に希釈されるであろう。いくつかの場合には、マーカーは、(そのFITC-標識付きの抗-CD4[Leu-3a]として、例えばBecton-Dickinsonから入手可能である)蛍光式結合の一次抗体であり得る。いくつかの場合には、マーカーは、CD+4細胞の非蛍光性検出のために用いられる、2.8マイクロメートルのビーズ結合の抗体(例えば、Dynabeads抗-CD4)を含み得る。いくつかの場合には、希釈剤における既知量の非結合マーカービーズ(例えば、Becton-Dickinson TruCount)のサンプルにおける含有は、細胞数の絶対較正を可能にする。
いくつかの実装では、マーカーを有する希釈された血液サンプルはその後、センサーに隣接したサンプルチャンバー内に導入され、撮像される。画像から、細胞が検出されて、アルゴリズムを用いてカウントされる。形態学的基準は、アルゴリズムによって適用され得て、カウントから、CD4+非リンパ球細胞(例えば、CD4-dim 単球亜集団)を排除する。
いくつかの実施例では、同様の技術は、CD19+ B細胞を同定してカウントするために用いられ得る。これらの実施例では、マーカーは、(例えば、そのFITC-標識付きの抗-CD19としてBecton-Dickinsonから入手可能な)抗-CD19モノクローナル抗体であり得る。これらのカウントは例えば、B細胞リンパ腫、移植片拒絶反応、特定の自己免疫疾患に対して、及び他の目的のために広く用いられるリツキシマブ(Bリンパ球の表面上で主に見出される、CD20に対するモノクローナル抗体)による処理に対する患者の応答をモニタリングすることにおいて有用である。
いくつかの実施例では、このアプローチは、マーカーが(例えば、そのFITC-接合の抗-CD66abceとしてMilliporeから入手可能な)抗-CD66abceモノクローナル抗体であり得る、CD66+顆粒球を識別し、カウントするために用いられ得る。これらのカウントは、例えば、好中球、最も豊富な種類の顆粒球の血液濃度が典型的には高められる、感染症を診断することにおいて有用である。いくつかの実施例では、このアプローチは、例えば、マーカーとして、識別可能に異なるサイズのマイクロビーズにそれぞれ結合された、抗-A血液型及び抗-B血液型IgG Fab’フラグメントの使用によって、ABO血液型を決定するために用いられ得る。そのため、種類A患者からの血液は、抗-A Fab’に結合されるサイズのみのビーズによって修飾された赤血球を示すことになり、種類B患者からの血液は、抗-B Fab’に結合されるサイズのみのビーズによって修飾された赤血球を示すことになり、種類AB患者からの血液は、両方のサイズのビーズによって修飾された赤血球を示すことになり、種類O患者からの血液は、完全にビーズ無しの赤血球を示すことになるであろう。Rhステータス(+又は-)の決定は、第3の識別可能なマーカーに結合される抗-RhD血液型Fab’の同様の希釈剤における組み込みによって、又は、後続の別個の試験によって、同様に実行され得る。
センサーシステムの用途の広いカテゴリーは、顕微鏡検査によって検出され得る種類の寄生虫症のシンプル且つ容易なポイント・オブ・ケア検出に関する。このような寄生虫症は、トリパノソーマ症、リーシュマニア症及びマラリアを含む。サンプルユニットとしての寄生虫の検出は、画像上のパターン認識によって行われ得る。パターン認識は、サンプルへ(ギムザ、ライトギムザ、ゲンチアナバイオレット、トルイジンブルー、メチレンブルー及び他のもの、又はそれらの組み合わせ等の)所定の染色剤を適用することによって強化され得る。寄生虫検出は、蛍光性のdsDNA-挿入染料等の染料、特に、SYBR Green(登録商標)、場合によっては、チアゾールオレンジ、PicoGreen(登録商標)、及び他のもの(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、R. Guy et al., Malar. J. 6 (2007) 89を参照)、等の蛍光性の細胞透過性の染料によって、又は、3-アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド(APAD)等の光学的に検出可能な寄生虫の酵素固有反応物(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,124,141号明細書を参照)によって、強化されることもある。いくつかのアプローチでは、寄生虫は、抗体標識を受けることができる。特定の場合では、上述のような偏光顕微鏡法技術が用いられることがあり、そのため、マラリア感染した赤血球内で細胞内の熱帯熱マラリア原虫寄生虫のヘモゾイン色素顆粒は、複屈折を示し、上述の方法を用いて交差偏光子を介して暗い細胞の背景に対する明るいスポットとして容易に検出され得る(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、C. Lawrence and J.A. Olson, Am. J. Clin. Pathol. 86 (1986) 360-363; S. Kapishnikov et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 109 (2012) 11184-11187を参照)。
いくつかの実装では、センサーシステムは、排泄物サンプルの撮像によって診断され得る種類の腸内寄生虫症を診断するために用いられ得る。これらの疾患に関連した寄生虫は、多くの中で、ランブル鞭毛虫、赤痢アメーバ、(クリプトスポリジウム及び他のもの等の)芽胞形成性原虫、大腸バランチジウム、並びに、回虫(線虫)、ヒト鞭虫(鞭虫)、十二指腸鉤虫及びアメリカ鉤虫(鉤虫)等の寄生蠕虫を含み得る。このような場合では、排泄物サンプルは、流体としてサンプルチャンバーへ送達され得るスラリー又は液体を形成するために希釈され得る。いくつかの場合ンいは、希釈剤は、高張液であり得、浮揚によって寄生虫オーシスト又は卵の分離及び濃縮を促進する。染色剤もまた、サンプルにおいて含まれ得る。
上述のDNA-結合性蛍光染料は、センサーシステムが細胞周期をモニターするために用いられ得る、細胞の倍数性を推定するために、活発に分節する細胞を可視化するために、及び、異常な細胞を検出するためにも用いられることがあり、様々な文脈における全ての臨床的優位性は癌の診断及び病気分類を含む。異数性のインジケーターとしてのDNA含量、並びに精子の頭部サイズ及び運動性は、精子の品質の重要な尺度であり、センサーシステムによって測定され得る。
(我々が議論する他の用途を行うように、)ポイント・オブ・ケアへ、及び研究の文脈コンテクストにおいての両方へ適用する用途の幅広いセットは、細胞機能アッセイである。例えば、センサーシステムは、血液及び他の細胞型の機能のポイント・オブ・ケア分析のために効果的に用いられ得る。
例えば、血液における好中球活性化は、着色された生成物へのテトラゾリウム塩3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-yl)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)、3,3’,5,5’-テトラメチル-ベンジジン(TMB)若しくは他の発色性基質の、若しくは、ルミノールの酸素化時でのケミルミネッセンスの、解放されたミエロペルオキシダーゼによる、還元を検出することによって、又は、蛍光発生基質の使用による脱顆粒時のエラスターゼ解放を検出することによって、試験され得る。また、白血球活性化の撮像は、斜照明若しくは暗視野照明の散乱を用いて細胞の、関連する脱顆粒をモニタリングすることによって、又は、例えば、活性酸素種、顆粒のpH等に関する、様々な蛍光プローブを用いて蛍光における変化を介して達成され得る。また、幅広い種類の血液細胞型の活性化は、カルシウム過渡現象又は膜貫通電位の変化の蛍光検出を介してセンサーシステムを用いて決定され得、好中球、リンパ球及び血小板を含む。特にリンパ球に関して、活性化は、細胞分裂に関する迅速なサロゲートとしての表面上のCD69抗原の免疫蛍光検出によって;蛍光性若しくは発色性基質を用いて、脱顆粒によって解放されるトリプシンライクなセリンエステラーゼ活性化の検出によって;又は、蛍光プローブを用いたミトコンドリア膜電位散逸の検出によって、決定されることもある。これらの活性化インジケーターの測定は、アポトーシスを受けている様々な種類の細胞を識別するためにも用いられ得る。
いくつかの場合には、血小板活性化は、(上記で説明された好中球に関しては)脱顆粒を、又は活性化固有の表面抗原の出現(例えば、参照によって本明細書の組み込まれる、C.S. Abrams et al., Blood 75 (1990) 128-138を参照)を用いて決定され得る。
血小板活性化は、集合に基づいて検出され、分析されることもある。いくつかの場合には、血小板の運動性、及び血小板凝集塊の増加したサイズをモニタリングすることは、CD42(糖たんぱく質1b)等の、蛍光標識付きの、又はビーズ標識付きの抗血小板抗体によって促進され得る(例えば、P. Metcalfe, Vox Sanguinis 87 (Suppl 1) (2004) S82-S86を参照)。
移動力、走化性、収縮性及び形状変化を含む細胞ダイナミクスをモニタリングすることは、分化、薬及び他の化学的効果並びに他のものの、幅広い種類の臨床の及び研究のアッセイを含む、多くの他の用途に関して用いられ得る。
センサーシステムの用途の幅広いカテゴリーは、細胞遺伝学である。いくつかの実施例では、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション接触顕微鏡法は、危険因子有用性(例えば、BRCA1、ApoE4)又は診断性の対立遺伝子又は遺伝学的異常(例えば、トリソミー21)の幅広い範囲に関してスクリーンをかけるために用いられ得る。
我々が言及してきた実施例の多くは、血液の特徴を撮像することを含んだが、広範囲の用途は、他の種類の細胞及び粒子を撮像することにおいて、及び、幅広い種類の生化学分析においても存在する。多くの場合では、生化学分析を受けることになる細胞若しくは粒子又はサンプルは、液体において保持される、又は、分析のために溶液へ加えられ得る。例えば、センサーシステムは、尿、脳脊髄液、糞便、腹水、骨髄穿刺液、並びに、廃水、飲料水及び水泳用水を含む水においてサンプルユニットをカウントする、識別する及び分析するために用いられ得る。
センサー、装置及びシステム並びにすでに説明されたそれらのカテゴリーの一部に加えて、又はそれらの一部として、センサーシステムは、使用の範囲を有する多様な異なる固有の装置において実装され得る。
例えば、センサーを用いる装置の幅広い一般的なクラスは、比較的低いコストで且つ便利にどこでも用いるために使い捨ての(例えば、一回使用の使い捨ての)接触顕微鏡である。使い捨ての接触顕微鏡は、いくつか挙げると、家、オフィス、フィールド位置において、病院及び他の臨床のセッティングにおいて、研究所及び研究センターにおいて、産業の文脈、並びに工場での使用のために幅広く分布され得る。これらの用途は、医療又は生物学的な文脈に限定されない。
使い捨ての接触顕微鏡は、サンプルが、後続の使用に関してセンサー又はチャンバーを汚染することになる性質である状況において有用であり得る。汚染は、装置の後続の使用を、後のサンプルに関して不正確にする、又は、サンプルに関連する危険性のために危険若しくは勧められなくするのいずれかであり得る。加えて、装置は、遠隔の又はアクセスできない文脈において用いられることがあり、したがって、使用の間にセンサー又は装置を洗浄することは実用的ではない。いくつかの文脈では、使用されたときの装置の状態が、厳密に、製造されパッケージ化されたときのようであることを確保することが有用であり得る。例えば、装置は、単一の使用のために、滅菌され、パッケージ化され得る。いくつかの場合には、装置又は関連するキットは、一回より多く使用することが不適切であるように、衰える又は状態を変化させる又はサンプルと組み合わされる、コーティング又は材料又は供給物又は試薬を含み得る。
我々が使い捨ての接触顕微鏡に言及するとき、我々は、システムを用いる装置の使い捨て部分、及び我々が説明してきた技術を意味する。それらの部分は、センサー、及びヘッドボード上の少量の関連する電気回路のみを含み得る、又は、完全な動作する装置若しくは機器を含むそれ以下のシステムの他の要素を含み得る。典型的な場合では、使い捨てである完全な装置の量は、処分における価値の損失が、可能な限り小さいが処分を望ましくさせる文脈と一致させるように限定されるであろう。いくつかの場合には、例えば、携帯端末は、使い捨てのセンサー及びヘッドボードがその中に配置され、除去され得るポートを有し得る。装置は、長い期間の時間の間繰り返して用いられ得、各使用に関して、フレッシュなセンサー及びヘッドボードは、パッケージ又は供給物から取られ得、装置において設置され得、用いられ得、その後取り除かれて廃棄され得る、又はリサイクルされ得る。
いくつかの実施例では、センサーチップは単独で使い捨て部分であり得、カップリングメカニズムは、チップのコネクタが、再利用可能な装置の一部であるヘッドボード上の対応するコンタクトへの良好な接続をつくることを可能にするために用いられ得る。いくつかの実装では、サンプルチャンバーは、使い捨ての要素の一部である。いくつかの場合には、チャンバーは、再利用可能である。いくつかの実装では、チャンバー蓋は単独で、使い捨て部分である。機械の、流体の、電気機械の、電子の及びソフトウェアを含む、センサーシステムのあらゆる要素は、使い捨てにつくられ得る、及びそれらの内の任意の二以上の様々な組み合わせであり得る。
いくつかの場合には、センサー、最小限のヘッドボード及びサンプルチャンバーは、使い捨ての要素を構成し得て、携帯端末等の再利用可能な装置におけるセンサーシステムの全ての他の要素に結合されることになる。
我々は単一使用の使い捨ての装置及び、装置の要素を説明してきたが、いくつかの実装では、使い捨ての要素は、単一使用に限定される必要はなく、いくらかの又はかなり多くの数の場合のためにさえ使用され得て、その後廃棄される。事情、位置、安全性、速度、清潔さ、及び他の要因は、使用回数に影響を与えるであろう。
いくつかの場合には、使い捨ての装置は、廃棄される又は破壊される必要が恒久的になく、修復され、リサイクルされ、再利用され得る。修復は、洗浄、滅菌、ラベルの張り替え、修正若しくはパーツの変更又はそれらの組み合わせを含み得る。
センサー、チャンバー、システムの他の要素の洗浄に関して、洗浄は重要であり、洗浄を失敗するとデータ汚染又は安全上の問題をもたらす。しかしながら、動作のフローモードでは、チャンバーを通るサンプル流体の層流は、チャンバーにおけるサンプルのいかなる“古い”部分を残すことなく、チャンバーを通ってサンプルを運ぶ傾向にあるであろう。センサー又はチャンバーへの古いサンプル部分の付着が存在しない場合、汚染がない可能性が高く、洗浄は必要ないことがある。いかなる場合でも、動作のフローモードでは、動いていないサンプルの任意の部分は検出され得て、オペレーターに警告するためにアラートが作動する。
いくつかの場合には、洗浄がフローモードにおいて行われることになる場合、正又は負の圧力パルスを流れるサンプルへ適用することによって、古い材料をサンプルチャンバーから押し出すことで行われ得る。或いは、流れが反転されることがあり、古い材料を押しのける。いくつかの場合には、チャンバーは、石鹸又は消毒剤によって満たされ得る。一般的に、センサーの表面は、ガラスライク材料であるので、汚染及び除染に対してそれらの耐久性は堅牢である。
いくつかの場合には、使い捨てのユニットが使用のためにその中に設置される再利用可能な装置は、照明素子、制御素子及び読み出し素子を包含する装置であり得る。再利用可能な装置は、自己完結型であり得る、又は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、ワークステーション、若しくは、分析、ストレージ、ユーザーインタラクション及び様々な他の特徴並びにそれらの組み合わせを提供し得る他の一つの装置等のホストへのアクセサリであり得る。システムのアーキテクチャが、このような再利用可能な装置、使い捨てのユニット及びホストを含むとき、システムは以下のように用いられ得る。
未加工のサンプル又は標本が液体である、又は溶液へ加えられるときの場合では、使い捨てのユニットは、再利用可能な装置において設置されることになり、標本は、そのソースから、例えば、ピペットを用いて輸送されることになり、センサーアセンブリのサンプルチャンバーのローディング入口内に送達されることになる。毛管作用は、センサー表面を横切ってサンプルを広げることになり、超過の流体は、側面へ流れることになる。いくつかの場合には、乾燥した又は液体のサンプルは、代わりに、チャンバーを含まないユニットのセンサーの表面の上へ直接適用され得る、又はいずれかの方法が用いられ得る。(我々が時々、再利用可能な装置と互換的に、又はその一部として言及する)コントロールユニットは、サンプル、チャンバー及びセンサーの上で閉じられることになり、(周辺光が用いられない限り)その照明器を位置に持っていく。その後画像が撮られ得る。画像キャプチャの後で、使い捨てのユニットは除去され得る、廃棄され得る、又はリサイクルされ得る。
市販のピペットを含む、幅広い種類のピペットが用いられ得て、サンプルをソースからチャンバーへ輸送する。いくつかの実装では特別に設計され、特別な目的のピペットは、サンプルを輸送して撮像するのに有用であり得る。いくつかの場合には、ピペットは、サンプルを得ることができ、サンプルの正確な容積をセンサー表面若しくはチャンバー入口又は両方へ送達することができる安価な使い捨てのピペットであり得る。このような使い捨ての容積測定のピペットに関して多くの可能性のある設計が存在し、例えば、一以上の容積較正マークを備えるガラス毛細管、及び、流体をロードし、排出する内部ピストンとしての役割を果たすためのぴったりしたワイヤー及び棒である。
マイクロリットル量の血液の収集、輸送及び定量的希釈に関する有用なピペット設計は、図42に示されるように形成され得る。この設計のいくつかの実施例では、隣接する同じ長さの毛細管632、634のペアは各々、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5059398号明細書において説明されるように、充填容積を正確に決定する、各々における同様のプリセット位置で使い捨ての疎水性ガス透過性の栓635を組み込む。正確な充填容積は、毛細管の内径、及び栓の底部から毛細管の底部への距離によって決定される。一つの毛細管632は、使用時に所定の容積633の血液を、毛管作用によって、引き上げるために用いられる。他の毛細管634は、血液と混合するための、任意の広い範囲の染色剤、造影剤、抗凝血剤、マイクロビーズ及び他の材料並びにそれらの組み合わせを含み得る正確な容積の補足流体636で、毛管作用によって、予めロードされる。この補足流体の毛細管は、血液-収集毛細管よりも大きい又は小さい直径であり得、血液の正確な所定の溶液に対する補足流体の正確な所定の容積の意図された混合比率を調整する。毛細管の底部は、使用までパッケージングによって密封される。所定の容積の血液633を充填した後、ピペットの先端は、ピペット先端によって水密シールを為すぴったりした先端638内へ挿入される。指によって押し下げられ得るダブルプランジャー637は、流体が排出されるときに先端によって促進される、意図された比率における迅速且つ効率的な混合によって、両方の流体の同時排出を可能にする。両方の毛細管は、破損からの保護のために、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0239866号明細書において記載されるような強くフレキシブルなポリマーチューブ639で覆われ得る。疎水性ポリマーシースはまた、血液-収集毛細管の充填を促進することになり、血液が二つの毛細管の間の溝をかけ上がることを防止する。摩擦ガスケット640は、補足流体毛細管の頂部へとフレキシブルなポリマー内部に配され得て、補足流体毛細管の頂部を密封し、且つ、ピペット含有量の意図された排出まで“アップ”ポジションにおいてダブルプランジャーを維持することの両方をする。
いくつかの場合には、サンプルをセンサーへロードする装置は、センサー又は関連したチャンバー若しくはヘッドボードへ付着し得て、サンプル流体を受け取ることができ、取り扱うことができ、他の一つの装置による処理のために画像を送達することができる、自己完結型の、自己ローディングのポータブルの、軽量な、安価で使用が容易な接触顕微鏡を形成する。このようなユニットは、幅広い種類の形態において実装され得、高範囲の要素を含んでいることがある。
いくつかの実装では、例えば、ピペットは、センサー、及び、使い捨てのユニット等の読み出しユニットと組み合わされ得て、自己完結型の安価で使用が容易なピペット顕微鏡を形成する。このようなピペット顕微鏡では、図43に示されるように、流体サンプルは、ボタン670を押し下げ、解放することによってピペット内に引き込まれ得て、センサー672でチャンバー671内に引き込まれることになる正確な容積の流体サンプルをもたらす。
このような用途では、及び、使い捨てであるセンサーユニットを含む他のものでは、例えば、我々は時々、センサーを含むセンサーユニット673及び読み出しユニット674に言及する。我々は、読み出しユニットとの用語を用いて、広義に、例えば、任意の回路、ソフトウェア、ファームウェア、又は、センサーユニットからの未加工の信号若しくはデータを受けることができ、後に処理され得、保存され得、分析され得、且つ他の方法で用いられ得る画像になる形態においてそれらを体系化し、保存することができる他の機能ユニットを含む。
このような用途では、読み出しユニットは、コネクタ675、又は有線の若しくはワイヤレスのインターフェースを含み得、ユニットが、装置、又は、画像を処理し、保存し、分析し、若しくは用いるシステムの他の部分へ電子的に接続されることを可能にする。電子的接続は、連続的であり得る、又は、特定の回数でのみ規定され得る。例えば、実験助手は、画像を撮るためにピペット顕微鏡を用いることができ、後に読み出しユニットを作業台の画像-処理ユニットへと差し込むことができる。多くの用途に関して、画像を見ること、及び、タッチスクリーン676、コントロールキー677、又は、読み出しユニットにおいて組み込まれる他のインターフェースを用いてデータを分析することに十分であろう。
いくつかの場合には、図44に示されるように、複数のセンサーユニットが連動され得、例えば、標準的な実験室のマルチウェルプレート682におけるように異なるサンプル流体の複数のプール又はウェル681からロードされ得る。センサーユニット683の連動したセットは、並列にリーダユニット機能を提供可能な一以上の電気機械コントローラー684によって動作され得る。ロボットのプレートハンドリング機器685と併用して、これは、多数のサンプルの迅速な顕微鏡イメージング及び分析を可能にするであろう。
我々が議論してきた実施例用途の多数は、サンプルの単一の画像を撮り、その後個別に画像を分析することを含むが、複数の関連画像を撮ること、及びそれらを一緒に処理することを含む広範囲の用途が存在する。複数の画像は、所与のサンプルの異なるスペクトル画像であり得る、又は、所与のサンプルの異なる回数で撮られた画像であり得る、又は、例えば、流れる流体の異なるサンプルのように逐次とられたサンプルの異なる部分の画像であり得る。
いくつかの実装では、例えば、低速度撮影の(time-lapse)画像が撮られ得る。このアプローチは、従来の顕微鏡上にインキュベーションチャンバーを組み立てることに対する、又は補完する、より単純な、安価な、ポータブルの、コンパクトな代替品としてのインキュベーションの低速度撮影の画像のために用いられ得る。我々が説明しているセンサーシステムがこの目的のために用いられるとき、インキュベートされることになる細胞は、センサー表面上に直接固定され得る。例えば、図45に示されるように、いくつかの場合にはサンプル流体692内の細胞690は、サンプルチャンバー694内に単純にロードされ得る。センサーユニット102及び関連する照明695及び読み出しユニット696は、その後、例えば従来の組織培養インキュベーター697内に容易にロードされ得る。インキュベートする細胞をセンサーの表面に直接接触することに由来する追加の優位点は、熱膨張及び収縮に由来する、従来の顕微鏡を用いるインキュベーションの低速度撮影の写真撮影ともにしばしば生じるような、撮像されている焦点面(又は、同じく、画像の焦点)における変化が存在しなくなることである。
このようなコンパクトなセンサーシステムは、他の非光学形態の顕微鏡法、特に、原子間力顕微鏡法(AFM)等の多数のモードの走査型プローブ顕微鏡法と併用した、光学顕微鏡法を提供するために用いられ得ることもある。これらの技術では、ナノメーター寸法の先端を有し得る、デリケートなプローブが、非常に小さい標本の非常に近くにもたらされる。プローブ先端の適切な位置調整は、光学顕微鏡の可視化によって助けられるつまらないプロセスである。加えて、光学顕微鏡法は、走査プローブによって提供される情報を補完し得る追加の情報を提供し得る。この理由のために、走査プローブ機器は、大きな倒立のレンズベースの光学顕微鏡の上に一般的に取り付けられる。本明細書で説明されるセンサーシステムは、これらの用途においてそれらのレンズベースの顕微鏡を完全に置き換えることができ、より安価で、よりコンパクトな組み合わされた機器を可能にする。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願番号13/095,175の図16を参照のこと。
同様の理由のために、センサーシステムを用いる低速度撮影の撮像は、個別の解離細胞、胚芽、又は、培養液中で成長している若しくは発達している移植された組織等の、経時変化を受ける幅広い種類のサンプルにおける低速度撮影の映画の(cine)顕微鏡法を達成するために広く適用され得る。
前述のように、幅広い領域(spectrum)の用途は、サンプルが生物学的特徴若しくは非生物学的特徴、又は両方を有する、フローモードにおけるシステムを用いることを含み得る。
典型的には一度に一つの細胞を見る、フローサイトメトリーシステムは、例えば、癌及び血液疾患の診断と関連して、流れる容積における細胞の集計、測定又は識別のために幅広く用いられる。これらのシステムは、典型的には大きく、高価である。細胞形状を追加で測定し得る、イメージングフローサイトメトリーシステムは、さらにより高価であり得る。典型的には、フローサイトメーターは、一以上の波長帯における、光吸収及び散乱、並びに、蛍光上のデータを提供する。我々の装置は、イメージングフローサイトメーターとして用いられ得て、サイズ、形状、及び、複数の波長での照明による光学密度を含む複数の形態学的パラメーターを生み出し得る画像のシーケンスを生成する。サンプルにおける細胞による光散乱は、(薄いスペクトルフィルターを用いることによって一以上の波長での、場合によっては、前述のように、全内部反射率、表面プラズモン、蛍光寿命又は関連する技術を用いることによって複数の波長での)蛍光のように、暗視野又は斜照明を用いることによってモニターされ得ることもある。少なくとも二つの異なる表面分子の撮像もまた、抗体、アプタマー、ペプチド毒素、又は、二つ以上の識別可能に異なるサイズのマイクロビーズに結合される他の固有のリガンドを用いて可能であろう。そのため、我々のシステムは、大きく高価なフローサイトメーターシステムのそれ以上の豊富さの、多次元のセルの説明を生み出している複数のチャンネルのデータ(サイズ、形状、光散乱、複数の波長での吸光及び蛍光、複数のセル表面マーカーのビーズ標識化、並びに他の複数の測定、並びにそれらの組み合わせ)を提供し得る。我々が説明するシステムは、用いるためにより安価な、より小さい、より速い、及びより容易であるという優位点を有する。我々のシステムでは、我々は、同時に並列に非常の多数の細胞を分析し得る。いくつかの場合には、我々のシステムは、単一の撮像フレームにおいて何十万もの細胞を処理し得る。結果として得られる大量のデータは、強力な統計分析を可能にする。
いくつかの実装では、データは、電気的又は化学的又はサンプルユニットについての他の情報等の非画像データを意味し得え、撮像は、幅広い種類の方法においてこのような非画像データと画像データを組み合わせ得る。画像及び非画像データは、別々に、単一のセンサー上で、又は並列センサー上で一度に並列に収集され得る。時間変化する非画像データは、一以上のピクセル値を非画像(つまり、光依存でない)データへ割り当てることによって、ビデオ又は他の時系列画像セットにおいて保存され得る。
この点に関して我々が議論してきた多くの実施例では、サンプルにおけるサンプルユニットは、サンプルを横切って必然的に生じるどんな分布を有することを可能にし、サンプルユニットは、サンプルにおける、それらの密度、挙動、粒度又は分布を変化するように変えられない。いくつかの実装では、サンプルを操作して、分布、挙動、粒度若しくは密度、又はサンプルユニットの他の特徴(又は、それらの内の二以上の任意の組み合わせ)における変化を引き起こすことが有用である。
いくつかの場合には、図46に示されるように、このような変化は、表面への細胞702の付着を強化するために、又は、細胞拡散、つまり、球状703から平たいモルフォロジーへの変換(例えば、全血球計算を補助する白血球の拡散)等の、表面と接触する形状における変化を強化するために、又は、生理学的変化(例えば、分化、脱顆粒)若しくは病理学的変化(例えば、アポトーシス)を引き起こすために、分子層701によってセンサー表面102をコーティングすることによって促進され得る。いくつかの場合には、固有のリガンド又は抗体は、(後に議論されるような、バクテリア等の)標本を濃縮するために用いられ得る。
いくつかの場合には、サンプル内のサンプルユニットの再分布は、センサー表面に向かって、センサー表面に対してサンプルユニットを運ぶこと(つまり、集中させること)を目的とし得る。いくつかの実装では、サンプルユニットの集中は、音響流体技術を用いて達成され得る。例えば、圧電駆動素子は、共鳴振動を提供し得る。いくつかの場合には、圧電素子は、チャンバー蓋の一部として、ガラス又は他の硬い透明な材料へ結合され得る。圧電素子における中央開口部は、光が通ることを可能にし得る。代わりに、図47に示されるような流れるサンプルの場合では、(つまり、幅と比較して非常に薄い高さ711を有する)層流のヘレ-ショウ流れは、画像センサーの上流で反射器715と音響キャリア714との間で最初に規定されるチャンバー712において規定され得、センサーを横切って維持され得る。圧電素子710は、センサーのわずかな距離上流のこのフローチャンバーの屋根を構成する、キャリアへ結合される。圧電素子又は他の振動素子は、例えば、センサー表面に対する距離に対して選択される4分の1波長モードにおいて動作され得て、サンプルユニットを流れの底部へ運ぶための圧力勾配及び定在波を設けるようにして、層流のヘレ-ショウ流れとして維持されるであろう位置が、チャンバー蓋713の下、且つセンサー表面102を横切ってそれらを運ぶ(例えば、P. Glynne-Jones et al., Lab Chip 12 (2012) 1417; M. Hill et al., SPIE newsroom (2010) 10.1117/2.1201007.003170を参照)。
この点への多くの議論が、生物学の、医学の、又は化学のサンプル上に焦点を当てられてきた。物理的粒子及びサンプルユニットに関する広範囲の用途も存在する。これらのサンプルユニットは、静的モード又はフローモードにおいてセンサーシステムを用いる、直接的な又は間接的な撮像、測定及び分析に対して影響を受けやすい、幅広い種類の材料、サイズ、形状、光学特性、安定性、数、密度、及び他の特性、並びにそれらの組み合わせであり得る。サンプルは、液体、固体、気体、ゲル、懸濁液、エマルション、又はそれらの任意の組合せであり得る。サンプルユニットは、粒子、分子、ポリマー、化学物質、顆粒、クラスター、凝集であり得、任意の他の様々な形態において現れ得る。それらは、透明な、不透明な、半透明であり得、他の光学特性の範囲を有し得る。撮像及び分析は、調査、取得、試験、品質管理、分布、輸送、及び幅広い種類の他の目的、並びにそれらの組み合わせに関して用いられ得る。
観測下で粒子へ様々な力を適用することによって、粒子の多数の有用な特徴が決定され得る。そのため、例えば、測定されるサイズの粒子の浮遊密度(それゆえ、質量)は、上述の音響力等の課せられた力に応答するそれらの運動から推論され得、一方で、粒子のゼータ電位は、流体流れの横方向にチャンバーにわたって課せられる電界に応答するそれらの運動に注目することによって測定され得る。
同様に、これらの装置は、分子の有用な特徴を決定するために適用され得る。上述のような接触顕微鏡法は、マイクロスケール上の多くの同様の種類の生化学分析を実行するために用いられ得る。そのため、例えば、アクリルアミド、アガロース、又は他の種類のゲルは、画像センサーの表面上にキャストされ得る、又は、予めキャストされたゲルが、その表面へ適用され得る。タンパク質又は核酸などの高分子サンプルがゲル上の別々のサイトでロードされるとき、サンプルの分子量は、様々な吸光又は蛍光染料の適用によって可視化される、表面を横切って適用される電界に応答するそれらの泳動から推論され得る。少量、及びマイクロメータースケールの泳動を検出可能であるおかげで、顕微鏡の実装は、このような分析のランタイムを、多数の分又は時間から、秒又は数分へ減少させることができ、且つ、ゲル電気泳動、等電点電気泳動法、及び、通常のレンズベースの顕微鏡法を用いる、J. Zheng等の[参照によって本明細書に組み込まれる、Anal. Chem. 71 (1999) 5003-5008]によって示されるような他の同様の分析法に関して、必要とされる材料を減少させることができる。接触顕微鏡の実装は、上述の装置を用いて、減少したコストで、且つ、標準的なレンズベースの顕微鏡に関して不適切である場所及び環境において、これらのマイクロスケールの分析を実行可能にさせるであろう。
用途が特に有用であり得る分野は、採掘、精錬、製粉、醸造、ブレンド、混合、紡糸(spinning)、線維及び薄板の引き出し(drawing)、被覆、乳化、電力、エンジン、モーター、潤滑、配管、下水、生物反応器、飲料水、空気洗浄、大気環境、及び他のものの範囲、並びにそれらの組み合わせを含む。システム及びセンサーのユニットは安価な、ポータブルの、いくつかの場合には、使い捨ての、且つ使用が容易であり得るので、それらは、大量に複製され得、分配され得、幅広い分野において、通常はアクセスできない場所において用いられ得る。
例えば、掘削用途では、センサーユニット及びシステムは、入口掘削流体及び出口切断の掘削機での(at-bore)分析のために用いられ得る。分析は、現在の技術よりも、より素早く、より容易に、より頻繁に、且つより幅広く実施され得る。掘削のために用いられる入口流体におけるサンプルユニットのサイズ、形状、整合性、及び色は、掘削の安全性、有効性、効率性に重要であり得る。出口切断の分析は、掘削が進んで通る地層についての主要な情報を提供する。サンプルユニットの定量分析は、我々が説明するシステムによって比較的容易であり、有用である。
高価な又は重要な設備における劣化を識別することは一般的に、設備を機能させなくするよりもコストがかかり、我々のシステムは、摩耗破片(wear debris)分析によって機械的状態のモニタリングに関して有用であり得る。例えば、図面48に示されるように、摩耗粒子のサイズ又は形状又は両方における変化は、航空エンジン722、他の形態のモーター、遠心ポンプ、変速機等の設備の回転する部分における差し迫った致命的な故障を示し得る。このような場合では、潤滑剤における摩耗破片は、潤滑剤ライン721の再循環経路において、又は、このような経路のシャントにおいてシステムのセンサーユニット720を置くことによってリアルタイムで追跡され得、分析され得る。画像は、継続的に若しくは定期的に、センサーから遠隔のシステムによって撮られ得、分析され得て、新しい粒子形状の統計的に十分な出現の存在を検出する。有利には、この形態学的アプローチは、セラミック及び他の非鉄成分へ、並びに、鉄を含むものへ適用され得、且つ、振動解析法よりも敏感であり得る。
いくつかの実施例では、フローにおけるサンプルユニットの分布は、例えば、スラリーにおいて、又は食品生産物において、又は掘削において、測定され得、分析され得る。サンプルユニットの分散の均一性が確認され得る。
接触顕微鏡法は、センサー表面に接触している、又は非常に近くにあるサンプルユニットに関する光を撮るピクセル化されたセンサーの観点において、ここまで説明されてきた。接触顕微鏡法の追加のモード、又はそれらの組み合わせもまた、可能である。例えば、図49に示されるように、小さな光源の密なアレイ731の各要素730は、順次的な照明を提供し得、センサーは、光電子倍増管(PMT)センサー732、フォトダイオード若しくは他の光検出器等の単一の高感度光センサー、又は非常に多数のこのような検出器であり得る。動作中では、サンプルは、光源のアレイに接触される。アレイにおける光源は、個別に制御され、いくつかのモードでは、互いに個別に照らされる733。サンプルを通って透過する、又は散乱する、又はサンプルの蛍光によって生成される光は、センサーによって検出され、測定される。その後、画像は、測定の連続から発展され得る。いくつかの実装では、ディスプレイアレイは、マイクロOLEDディスプレイであり得る(例えば、2.0μmより小さいピクセルサイズを有するカスタム開発された、より高分解のピクセルディスプレイが可能であるべきであり、より高分解の画像を提供することになるが、MicroOLED, Grenoble, Franceから入手可能な4.7μmピクセルディスプレイ)。有機LEDが用いられるとき、LEDsによって表されるピクセルの発光部分とサンプルとの間に透明な電極層が存在し得る。
同時に照らされる光源の群、繰り返しの照明、照明のパターン及びシーケンスを含む、様々な照明レジームが可能であろう。いくつかの実装では、光源のカスタムアレイは、特に効果的であり得る。例えば、平らよりも、湾曲した又は起伏のある表面において構成されたアレイは、特に非平面状の標本に合うのに有用であり得る。いくつかのレジームでは、密なアレイの光源及び密なアレイのセンサーの両方を用いることが可能であり、有用であり得る。このアプローチの他の優位点の内、LEDs等の光源素子は、CMOSピクセル等のセンサー素子よりも少ない部品を有することがあり、任意の所与のフィーチャサイズのシリコンウエハ製造技術によって、光源ピクセルはセンサーピクセルよりも小さく作製され得るようになる。これは、より高分解能の接触顕微鏡の画像をもたらし得る。加えて、マルチスペクトルの透過光又は蛍光イメージングは、標本と検出器との間に交換可能又は可変のスペクトルフィルター734、調整可能な回折格子、プリズム、レンズ及び他の光学素子を配すること、及び、透過光に関する広域スペクトル(例えば、白色)光発光素子、又は蛍光イメージングに関する短波(例えば、UV)発光素子を用いることによって単純に達成され得る。
密なアレイの光源が用いられ、サンプルが光源アレイの表面で配されるとき、多くの同様の用途、特徴、動作アプローチ及び本明細書で説明されるシステムの他の態様もまた適用されるであろう。我々は、我々の議論においてセンサー装置との用語を、センサーアレイだけではなく、照明アレイに、及びそれらの組み合わせにも広義に用いる。実際、LEDsがフォトダイオードとして動作され得るときも、原則として、適切な構成されたアレイは、感光若しくは発光モード又は一度に二つの組み合わせにおいて代わりに動作され得る。
我々が説明してきた接触光学顕微鏡システムは、(我々が説明してきたように)大きな分野の使用及び用途を広げる、コスト、利便性及び携帯性に関する多くの優位点を有し、従来の顕微鏡法を用いて通常は利用可能ではないであろう個別の且つ繰り返しの使用を可能にさせる。加えて、大量のセンサー装置が安価に製造され得るので、且つ大量のピクセル又は照明源が一か所で利用可能であるので、ピクセル及び照明源の大規模並列使用、並びに、大量のセンサーユニット又は照明ユニットの大規模並列使用は、従来の顕微鏡法による場合よりも実用的である。我々は、いくつかの大規模並列用途をすでに議論してきた。大規模並列処理のいくつかの場合には、我々が説明してきた多くの中で多数の異なる動作が、単一センサー内で、又は複数のセンサーにわたってのいずれかで並列に行われ得る。並列に行われている異なる動作は、それらが両方とも所与のサンプルを対象としている、又はサンプルに関する同様の技術を用いる、又はそうでなければ一緒に行うのが便利である若しくは有用であること以外に、互いにいかなる関係性を有する必要がない。
大規模並列動作の他の実施例は、複数のセンサー装置を並列に用いた、創薬に関する化合物のハイスループットスクリーニングを含む。このスクリーニングは、前述のような蛍光相関分光法に関するセンサー装置を用いて行われ得る、又は、センサーのピクセル当たりの、より多くの量の(酵素又は抗体又は他のもの等の)結合した試薬によって行われ得る。結合した蛍光性リガンドからの信号はその後、異なるリガンド濃度でモニターされ得る。各画像センサーアレイ上の別々の位置で、変化する濃度において異なる試薬を有する大規模並列実装は、例えば、作用の未知のメカニズムによって薬のターゲットの迅速な識別を、及び結合親和性に関する情報を可能にし得る。蛍光免疫測定に関して、結合した蛍光リガンドを目標の抗体から移して、操作は検体によって行われ得る。
幅広い範囲の製造物は、我々が説明してきた原理及びアーキテクチャに基づいて、製造され、送達され得る。製造物は、センサーユニット、センサーユニット及び読み出しユニット、センサーユニット及びヘッドボード、サンプルチャンバー、チャンバー蓋、センサーユニット及びピペット、センサーユニット及びポンプ、システム装置、携帯端末、他の設備へのプラグインとアタッチメント、ピペット、予めロードされたピペット、画像プロセッサ、ソフトウェア、光源、完全な装置におけるサンプルチャンバー及び光源及びセンサー及びヘッドボード及び電子機器、並びに、これらの二つ以上の組み合わせ、同様に、他の部品を含み得る。
センサー及びシステム及び幅広い用途によって実施される幅広い範囲の操作を考慮すると、いくつかは撮像に関連し、いくつかは分析に関連し、並びに、いくつかは分析及び撮像の組み合わせに関連することを認識することが有用であり得る。
他の実装、特徴及び態様もまた、以下の特許請求の範囲及び他の特許請求の範囲の範疇内である。