JP7225665B2 - ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法、および粘着テープ - Google Patents
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Description
(2)(1)に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、前記ポリオレフィン系樹脂がエチレン系共重合体である、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
(3)(1)または(2)に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、前記滑剤が脂肪酸アミドである、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
(4)(1)から(3)までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、ゲル分率が35%以上である、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
(5)(1)から(4)4までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、前記気泡断面が開口する面の平均気泡径が400μm以下である、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
(6)(1)から(5)までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、前記気泡断面が開口する面の表面粗さRaが、1μm以上5μm以下である、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
(7)(1)から(6)までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの厚さが、0.1mm以上0.5mm以下であり、前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの密度が0.10g/cm3以上0.50g/cm3以下であるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。
(8)(1)から(7)のいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する方法であって、 ポリオレフィン系樹脂と滑剤と二酸化珪素とを含有するポリオレフィン系架橋樹脂を発泡させて、架橋発泡シートを作製し、前記架橋発泡シートを、前記架橋発泡シートの厚み方向に垂直な方向にスライスして、スライスにより形成されるスライス面で、気泡断面を開口させるポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法。
(9)(8)に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法であって、前記架橋発泡シートをスライスした後、前記スライス面を加熱し、前記架橋発泡シートを圧縮および延伸するポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法。
(10)粘着テープであって、(1)から(7)までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートと、前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける前記気泡断面が開口する表面上に設けられた粘着剤を含む粘着剤層と、を備える粘着テープ。
(11)(10)に記載の粘着テープであって、前記粘着剤がアクリル系粘着剤である、粘着テープ。
(12)(10)または(11)に記載の粘着テープであって、電子・電気機器を構成する部品を、前記電子・電気機器を構成する本体部に接着固定するために用いられる、粘着テープ。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態に係るポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、ポリオレフィン系樹脂と、滑剤と、二酸化珪素と、を含む。
本発明の実施形態に係るポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートが含むポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂を挙げることができる。なお、上記した密度の定義は、「超低密度」とは0.910g/cm3未満であり、「低密度」とは0.910g/cm3以上0.940g/cm3以下であり、「高密度」とは0.940g/cm3より大きく0.965g/cm3以下であることをいう。
本発明の実施形態に係るポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、接着性およびスライス加工性の向上のために、所定量の滑剤および二酸化珪素を含む。ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの「接着性」とは、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート上に粘着剤層を設けて、粘着テープの用途で用いることを想定した性能を示す。接着性は、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートと粘着剤層との間の剥離強度によって評価することができる。ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの「スライス加工性」とは、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートに対してスライス加工を良好に施すことができる性能を示す。スライス加工とは、厚み方向に垂直な方向にポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートをスライスして、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを、より薄型化する加工である。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの特性に対する影響が許容範囲であれば、さらに、他の成分を含有していてもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂であって、ハロゲンを含まない樹脂としては、例えば、ポリスチレン;ポリメチルメタクリレートやスチレン-アクリル酸共重合体などのアクリル樹脂;スチレン-ブタジエン共重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体;ポリ酢酸ビニル;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタール;ポリビニルピロリドン;石油樹脂;セルロース;酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体;低分子量ポリエチレン;高分子量ポリエチレン;飽和アルキルポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリテート等の芳香族ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステルスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ビニル重合性モノマーおよび含窒素ビニルモノマーを有する共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂であって、ハロゲンを含まない樹脂は、さらに、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ジメチルシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどのエラストマーを含むこととしてもよい。ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂であって、ハロゲンを含む樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂などが挙げられる。本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂として、上記した樹脂のうちの一種類の樹脂を含有することとしてもよく、複数種類の樹脂を含有することとしてもよい。ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける所望の物性に合わせて、含有する樹脂の種類、および、含有する樹脂の含有量を適宜設定すればよい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、その厚み方向に垂直な2つの表面のうちの少なくとも一方の表面で、気泡断面が開口している。気泡断面が開口する面における平均気泡径は、400μm以下とすることが好ましく、380μm以下とすることがより好ましく、350μm以下とすることがさらに好ましい。気泡断面が開口する面における平均気泡径を、より小さくし、例えば400μm以下とすることで、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの表面平滑性の低下を抑え、既述した粘着剤との接着性の低下を抑えることができる。このような接着性の低下の抑制は、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート表面の平滑性の低下を抑えることにより、粘着剤との接触面積をより大きく確保できるために得られる効果と考えられる。また、気泡断面が開口する面における平均気泡径は、250μm以上とすることが好ましく、270μm以上とすることがより好ましい。気泡断面が開口する面における平均気泡径を、より大きくし、例えば250μm以上とすることで、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける密度の上昇を抑え、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの柔軟性を確保することが容易になる。 気泡断面が開口する面における平均気泡径は、例えば、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける後述するゲル分率、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する際にポリエチレン系樹脂に加える発泡剤の種類および量、後述する発泡工程における温度および時間等によって調節することができる。
独立気泡率(%)=[1-(V0-V)/V0]×100
本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法に特に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂に対して滑剤および二酸化珪素を配合した樹脂組成物から、架橋発泡シートを作製する工程(以下、架橋発泡シート形成工程とも呼ぶ)と、上記架橋発泡シートを、その厚み方向に垂直な方向にスライスして、スライスにより形成されるスライス面で、気泡断面を開口させる工程(以下、スライス工程とも呼ぶ)と、を有することが好ましい。さらに、上記架橋発泡シートをスライスした後、架橋発泡シートを加熱して、さらに圧縮および延伸する工程(以下、加熱・圧縮・延伸工程とも呼ぶ)を有していてもよい。本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法としては、長尺状に形成した樹脂シートをロールツーロール方式によって連続搬送して、各工程に供する態様を採用することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂に対して滑剤および二酸化珪素を配合した樹脂組成物から、架橋発泡シートを形成する架橋発泡シート形成工程は、上記樹脂組成物をシート状に成形するシート化工程と、上記樹脂組成物を架橋させてポリオレフィン系架橋樹脂を形成する架橋工程と、上記ポリオレフィン系架橋樹脂を発泡させる発泡工程と、を含む。本実施形態では、好ましくは、シート化工程、架橋工程、発泡工程の順で行なっている。ただし、架橋発泡シート形成工程において、各工程の順序の入れ替え、あるいは、複数の工程を同時に行なうことも可能である。
スライス工程とは、既述したように、上記架橋発泡シートを、その厚み方向(ZD方向:Thickness Direction)に垂直な方向にスライスして、スライスにより形成されるスライス面で、気泡断面を開口させる工程である。架橋発泡シートの厚み方向に垂直な方向とは、架橋発泡シートのMD方向(Machine Direction)およびTD方向(Transverse Direction)によって規定されるMD-TD面に平行な方向をいう。架橋発泡シート形成工程で得られた架橋発泡シートを2分割する場合には、分割後の架橋発泡シートは、一方の面にスキン面を有し、他方の面に、気泡断面が開口するスライス面を有する。スライス工程における分割の数は、3分割以上であってもよい。このようなスライス工程を行なうことで、架橋発泡シートの少なくとも一方の面にスライス面を形成することができると共に、架橋発泡シートを、より薄くすることができる。そのため、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する際に、スライス工程を採用することで、比較的薄いポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する製造効率を高めることができる。また、架橋発泡シートの一方の面をスキン面として、他方の面をスライス面とする場合には、本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおいて、表裏のそれぞれの面において、異なる機能を付与することが可能になる。
スライス工程の後には、架橋発泡シートを加熱して、さらに圧縮および延伸する加熱・圧縮・延伸工程を行なうこととしてもよい。ただし、これらの工程は必須ではない。また、例えば、架橋発泡シートを加熱する工程のみを行なうこととしてもよい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法は、上記した製造方法に限定されることなく、従来から公知の異なる方法を採用することが可能である。一例を以下に示す。まず、ポリオレフィン系樹脂、化学架橋剤、滑剤、二酸化珪素、および、気泡核剤としてタルクを混合して樹脂組成物を調製した後、押出機にてペレットを作製する。次に並列した二段式のタンデム型押出機の第一押出機に、上記ペレットを供給して溶融混練する。そして、第一押出機の途中から、発泡剤として超臨界状態の炭酸ガス(二酸化炭素)を圧入して、溶融状態の樹脂組成物と二酸化炭素を均一に混合混練した上で、発泡剤を含む溶融樹脂組成物を第二押出機に連続的に供給する。第二押出機では、上記溶融樹脂組成物を溶融混練しつつ、発泡に適した樹脂温度に冷却し、その後、第二押出機の先端に取り付けた金型の円環ダイから押出発泡させて、円筒状の発泡体を得る。この円筒状の発泡体をカッターにより切開して、発泡シートを得ることとしてもよい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートは、粘着テープを作製するために好適に用いることができる。粘着テープを作製するには、本実施形態のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートのスキン面もしくは気泡断面が開口する面、または、スキン面と気泡断面が開口する面との両面に、粘着剤層を積層すればよい。粘着剤層を積層する面を、気泡断面が開口する面とする場合には、この気泡断面が開口する面における平均気泡径および表面粗さRaの値を、既述した範囲とすることで、粘着剤との接着性を高めることができる。
樹脂発泡シートの厚さは、ISO 1923(1981)「発泡プラスチック及びゴム一線寸法の測定方法」に従って測定した。具体的には、樹脂発泡シートを平坦な台に静置させ、10cm2の面積を持つ円形測定子をつけたダイヤルゲージを、樹脂発泡シート表面に10g/10cm2の一定圧力で接触させて測定した。
樹脂発泡シートの密度は、JIS K6767(1999)「発泡プラスチック-ポリエチレン-試験方法」に準じて測定・計算した。具体的には、10cm角の試験片(樹脂発泡シート)の厚さおよび質量を測定し、以下の式によって密度を求めた。
密度(g/cm3)=試験片の質量(g)/[試験片面積100(cm2)×試験片の厚さ(cm)]
樹脂発泡シートのゲル分率の測定は、次のようにして実施した。樹脂発泡シートを約0.5mm角に切断したものを、0.1mgの精度で100mg秤量した。秤量した樹脂発泡シートを、140℃のテトラリン200mLに3時間浸漬した後、100メッシュのステンレス製金網で自然濾過し、金網上の不溶解分を1時間120℃下で熱風オーブンにて乾燥した。次いで、乾燥した不溶解分を、シリカゲルを入れたデシケータ内で30分間冷却し、この不溶解分の質量を精密に秤量し、次の式に従って発泡体のゲル分率を百分率で算出した。
ゲル分率(%)=[不溶解分の質量(mg)/秤量した樹脂発泡シートの質量(mg)]×100
平均気泡径は、樹脂発泡シートの気泡断面が開口する面において、MD方向とTD方向のそれぞれについての平均気泡径を求め、その後、MD方向の平均気泡径とTD方向の平均気泡径とを平均することにより求めた。以下では、MD方向の平均気泡径の測定方法について説明する。
平均弦長t(mm)=60(mm)/気泡数
画像倍率=画像上のスケールバーの長さの実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
d(mm)=t(mm)/[0.616×画像倍率]
樹脂発泡シートの表面粗さRaは、樹脂発泡シートの気泡断面が開口する面について、JIS B0601-2001の表面粗さ測定法に準拠して測定した。具体的には、株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定機SE-2300を用いて、測定長30mm、測定スピード0.5mm/s、カットオフ値2.5mmに設定して測定した。
各々の樹脂発泡シートについて、スライス加工性を評価した。各々の樹脂発泡シートは、後述するようにスライス加工を経て製造されている。ここでは、スライス加工直後のシートではなく、スライス加工を経て最終的に得られた各々の樹脂発泡シートの形状に基づいて、スライス加工性の評価を行なった。評価結果は、以下のように示す。なお、以下の基準において、「スライス面が平滑である」とは、表面粗さRaが7μm以下であることを指し、「スライス面に凹凸がある」とは、表面粗さRaが7μmを超えることを指す。また、「カット不良が発生した」とは、樹脂発泡シートの幅方向端部において、ひだ状の変形が生じたことを示し、「カット不良がない」とは、樹脂発泡シートの幅方向端部において、上記のような変形が生じなかったことを示す。このような変形の有無は、目視により明確に判別できるものであった。
A:スライス面が平滑で、幅方向端部のカット不良がない。
B:スライス面が平滑であるが、幅方向端部のカット不良が発生した 。
C:スライス面に凹凸があり、幅方向端部のカット不良が発生した。
樹脂発泡シートの接着性を評価するために、樹脂発泡シートにおける気泡断面が開口する面に、アクリル系粘着剤を含む粘着剤層として、市販の両面粘着テープ(住友スリーエム社製、製品番号「KRE-19」)を貼り合わせた。そして、剥離強度を測定することによって、樹脂発泡シートと粘着剤との接着性を評価した。接着性は、JIS Z0237:2009「粘着テープ・粘着シート試験方法」に一部準拠して測定した。具体的には、樹脂発泡シートと粘着剤層とを貼り合わせた後に、粘着剤層を有するシートを幅19mm、長さ150mmに裁断し、裁断したシートに対して質量2kgのゴムローラを1往復させて樹脂発泡シートと粘着剤層とを圧着させ、温度23℃、湿度50%の条件下に30分静置して、試験片とした。このような試験片を用いて、オリエンテック社製テンシロン万能試験機UCT-500にて、樹脂発泡シートと粘着剤層との間で180度剥離試験を行ない、剥離強度を測定した。評価結果は、以下のように示す。
A:剥離強度が5N以上。
B:剥離強度が3N以上、5N未満。
C:剥離強度が3N未満。
スライス加工性の評価結果と、接着性の評価結果とに基づいて、総合評価を行なった。評価結果は、以下のように示す。
A:スライス加工性の評価結果と接着性の評価結果の双方が「A」
B:上記「A」以外であって、スライス加工性の評価結果と接着性の評価結果のうちのいずれも「C」ではない。
C:スライス加工性の評価結果と接着性の評価結果のうちの少なくとも一方が「C」である。
ポリオレフィン系樹脂として、エチレン-酢酸ビニル共重合体(密度:0.936g/cm3、MFR:1.5g/10分、酢酸ビニル含有量:15質量%。東ソー社製「ウルトラセン630」。EVAと表わす)を用い、滑剤として、ヒドロキシ脂肪酸アミドを用いた。上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に、滑剤0.06質量部と、二酸化珪素0.006質量部とを配合した。さらに、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを含むペレット(永和化成工業社製「パンスレンH7330」)5.4質量部、熱安定剤(BASFジャパン株式会社製「イルガノックス1010」)0.11質量部、顔料としてカーボンブラック1.7質量部を配合した。これらの材料を、ヘンシェルミキサーにて混合し、スクリュ直径60mmの押出機に投入し、シリンダー内温度が160℃となるように温度調節した状態で溶融・混練した後、押出成形により、厚さ0.65mmのポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
ポリオレフィン系樹脂、ヒドロキシ脂肪酸アミド、二酸化珪素、発泡剤、熱安定剤、および顔料に係る組成、並びに、MD方向の延伸率などを表1に記載の通り実施した以外は、実施例1と同様にして作製した。
ポリオレフィン系樹脂として、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(密度:0.930g/cm3、MFR:6.0g/10分、アクリル酸エチル含有量:15質量%。デュポン社製「エルバロイAC2615」。EEAと表わす)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
ヒドロキシ脂肪酸アミドおよび二酸化珪素の含有量を、表2の通りとしたこと以外は、実施例9と同様にして作製した。
架橋工程における照射線量を異ならせたこと以外は、実施例6と同様にして作製した。
加熱工程における加熱の対象となる面を、スキン面としたこと以外は、実施例6と同様にして作製した。
ポリオレフィン系樹脂、ヒドロキシ脂肪酸アミド、二酸化珪素、発泡剤、熱安定剤、および顔料に係る組成、並びに、MD方向の延伸率などを表1に記載の通り実施した以外は、実施例1と同様にして作製した。
ポリオレフィン系樹脂として、実施例9,10と同様のエチレン-アクリル酸エチル共重合体を用い、ポリオレフィン系樹脂、ヒドロキシ脂肪酸アミド、二酸化珪素、発泡剤、熱安定剤、および顔料に係る組成、並びに、MD方向の延伸率などを表1に記載の通り実施した以外は、実施例1と同様にして作製した。
Claims (10)
- ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、
ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上0.5質量部以下の滑剤と、0.005質量部以上0.05質量部以下の二酸化珪素と、を含有し、
前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの2つの表面のうちの少なくとも一方の表面で、気泡断面が開口し、前記気泡断面が開口する表面の平均気泡径が400μm以下であり、ゲル分率が35%以上であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。 - 請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、
前記ポリオレフィン系樹脂がエチレン系共重合体である、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。 - 請求項1または請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、
前記滑剤が脂肪酸アミドである、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、
前記気泡断面が開口する面の表面粗さRaが、1μm以上5μm以下である、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートであって、
前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの厚さが、0.1mm以上0.5mm以下であり、
前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの密度が0.10g/cm3以上0.50g/cm3以下である
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートを製造する方法であって、
ポリオレフィン系樹脂と滑剤と二酸化珪素とを含有するポリオレフィン系架橋樹脂を発泡させて、架橋発泡シートを作製し、
前記架橋発泡シートを、前記架橋発泡シートの厚み方向に垂直な方向にスライスして、
スライスにより形成されるスライス面で、気泡断面を開口させる
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法。 - 請求項6に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法であって、
前記架橋発泡シートをスライスした後、前記スライス面を加熱し、前記架橋発泡シートを圧縮および延伸する
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートの製造方法。 - 粘着テープであって、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートと、
前記ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シートにおける前記気泡断面が開口する表面上に設けられた粘着剤を含む粘着剤層と、
を備える粘着テープ。 - 請求項8に記載の粘着テープであって、
前記粘着剤がアクリル系粘着剤である、粘着テープ。 - 請求項8または請求項9に記載の粘着テープであって、
電子・電気機器を構成する部品を、前記電子・電気機器を構成する本体部に接着固定するために用いられる、粘着テープ。
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