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JP7224208B2 - 医用処理装置、および医用診断システム - Google Patents

医用処理装置、および医用診断システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医用処理装置、および医用診断システムに関する。
従来、X線CT装置等の医用診断装置において、装置の各ユニットの個体差(線質の差、散乱線の影響の差等)、設置環境の違い等に起因して生じる測定値のずれを補正するためのキャリブレーションデータの収集が行われている。このキャリブレーションデータの収集は、例えば、X線管に適用される管電圧(kV)、X線検出器により検出される列数、撮影時のX線の照射範囲(FOV:Field of View)、X線管の回転速度、X線検出器の設定(ゲイン)、X線管により照射される焦点サイズ等の条件ごとに実施されている。
しかしながら、従来の技術では、キャリブレーションデータの収集を行う際の条件の組み合わせが多いほど収集に要する時間が長くなってしまう。このため、例えば、X線CT装置の据付時や、管球等のハードウェア部品の交換時等に、キャリブレーションデータの収集に時間を要してしまい、被検体に対する撮影に遅れが生じる場合があった。
特開2001-70297号公報
本発明が解決しようとする課題は、キャリブレーションの時間を短縮することである。
実施形態の医用処理装置は、データ取得部と、データ生成部とを備える。データ取得部は、第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータを取得する。データ生成部は、第1のキャリブレーションデータに基づいて、第1のスキャン条件とは異なる第2のスキャン条件に対応する第2のキャリブレーションデータを生成するための第1の学習済みモデルに対して、第1のキャリブレーションデータを入力することで、第2のキャリブレーションデータを生成する。
第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成図。 第1の実施形態に係るメモリ41に格納されるデータの一例を示す図。 第1の実施形態に係るメモリ41に格納されたキャリブレーションデータの一例を示す図。 第1の実施形態に係るキャリブレーション機能57の機能構成の一例を示す図。 第1の実施形態に係る処理回路50の学習処理の一連の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態に係る学習機能58による学習処理の概念を説明する図。 第1の実施形態に係る処理回路50によるキャリブレーションデータの生成処理の一連の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態に係るキャリブレーション機能57によるキャリブレーションデータの生成処理の概念を説明する図。 第1の実施形態に係るキャリブレーション機能57によるキャリブレーションデータの生成処理の他の例を説明する図。 第2の実施形態における学習機能58による学習処理の概念を説明する図。 第2の実施形態に係るキャリブレーション機能57によるキャリブレーションデータの生成処理の概念を説明する図。 実施形態に係る医療施設に設置されたX線CT装置1とクラウド上にあるサーバ装置SとがネットワークNWを介して接続される様子の一例を示す図。
以下、実施形態の医用処理装置、および医用診断システムを、図面を参照して説明する。医用処理装置は、例えば、X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層診断)装置等の医用画像に対する処理を行って被検体を診断する医用診断装置である。以下の説明において、医用処理装置がX線CT装置である場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成図である。X線CT装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。図1では、説明の都合上、架台装置10をZ軸方向から見た図とX軸方向から見た図の双方を掲載しているが、実際には、架台装置10は一つである。本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム17の回転軸または寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して水平である軸をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直である方向をY軸方向とそれぞれ定義する。X線CT装置1またはコンソール装置40は、「医用処理装置」の一例である。
架台装置10は、例えば、X線管11と、ウェッジ12と、コリメータ13と、X線高電圧装置14と、X線検出器15と、データ収集システム(以下、DAS:Data Acquisition System)16と、回転フレーム17と、制御装置18とを有する。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生させる。X線管11は、真空管を含む。例えば、X線管11は、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管である。
ウェッジ12は、X線管11から被検体Pに照射されるX線量を調節するためのフィルタである。ウェッジ12は、X線管11から被検体Pに照射されるX線量の分布が予め定められた分布になるように、自身を透過するX線を減衰させる。ウェッジ12は、ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。ウェッジ12は、例えば、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したものである。
コリメータ13は、ウェッジ12を透過したX線の照射範囲を絞り込むための機構である。コリメータ13は、例えば、複数の鉛板の組み合わせによってスリットを形成することで、X線の照射範囲(FOV)を絞り込む。コリメータ13は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
X線高電圧装置14は、例えば、高電圧発生装置と、X線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)および整流器等を含む電気回路を有する。高電圧発生装置は、X線管11に印加する高電圧を発生させる。X線制御装置は、X線管11に発生させるべきX線量に応じて高電圧発生装置の出力電圧を制御する。高電圧発生装置は、上述した変圧器によって昇圧を行うものであってもよいし、インバータによって昇圧を行うものであってもよい。X線高電圧装置14は、回転フレーム17に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(不図示)の側に設けられてもよい。
X線検出器15は、X線管11が発生させ、被検体Pを通過して入射したX線の強度を検出する。X線検出器15は、検出したX線の強度に応じた電気信号(光信号等でもよい)をDAS16に出力する。X線検出器15は、例えば、複数のX線検出素子列を有する。複数のX線検出素子列のそれぞれは、X線管11の焦点を中心とした円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたものである。複数のX線検出素子列は、スライス方向(列方向、row方向)に配列される。
X線検出器15は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。それぞれのシンチレータは、シンチレータ結晶を有する。シンチレータ結晶は、入射するX線の強度に応じた光量の光を発する。グリッドは、シンチレータアレイのX線が入射する面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(一次元コリメータまたは二次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。光センサアレイは、シンチレータにより発せられる光の光量に応じた電気信号を出力する。X線検出器15は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であってもよい。
DAS16は、例えば、増幅器と、積分器と、A/D変換器とを有する。増幅器は、X線検出器15の各X線検出素子により出力される電気信号に対して増幅処理を行う。積分器は、増幅処理が行われた電気信号をビュー期間(後述)に亘って積分する。A/D変換器は、積分結果を示す電気信号をデジタル信号に変換する。DAS16は、デジタル信号に基づく検出データをコンソール装置40に出力する。検出データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、及び収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値である。ビュー番号は、回転フレーム17の回転に応じて変化する番号であり、例えば、回転フレーム17の回転に応じてインクリメントされる番号である。従って、ビュー番号は、X線管11の回転角度を示す情報である。ビュー期間とは、あるビュー番号に対応する回転角度から、次のビュー番号に対応する回転角度に到達するまでの間に収まる期間である。DAS16は、ビューの切り替わりを、制御装置18から入力されるタイミング信号によって検知してもよいし、内部のタイマーによって検知してもよいし、図示しないセンサから取得される信号によって検知してもよい。フルスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、全周囲分(360度分)の検出データ群を収集する。ハーフスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、半周囲分(180度分)の検出データを収集する。
回転フレーム17は、X線管11、ウェッジ12、およびコリメータ13と、X線検出器15とを対向支持する円環状の部材である。回転フレーム17は、固定フレームによって、内部に導入された被検体Pを中心として回転自在に支持される。回転フレーム17は、更にDAS16を支持する。DAS16が出力する検出データは、回転フレーム17に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム)に設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、受信機によってコンソール装置40に転送される。なお、回転フレーム17から非回転部分への検出データの送信方法として、前述の光通信を用いた方法に限らず、非接触型の任意の送信方法を採用してよい。回転フレーム17は、X線管11等を支持して回転させることができるものであれば、円環状の部材に限らず、アームのような部材であってもよい。
X線CT装置1は、例えば、X線管11とX線検出器15の双方が回転フレーム17によって支持されて被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-TypeのX線CT装置(第3世代CT)であるが、これに限らず、円環状に配列された複数のX線検出素子が固定フレームに固定され、X線管11が被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-TypeのX線CT装置(第4世代CT)であってもよい。
制御装置18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する処理回路と、モータやアクチュエータ等を含む駆動機構とを有する。制御装置18は、コンソール装置40または架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43からの入力信号を受け付けて、架台装置10および寝台装置30の動作を制御する。
制御装置18は、例えば、回転フレーム17を回転させたり、架台装置10をチルトさせたり、寝台装置30の天板33を移動させたりする。架台装置10をチルトさせる場合、制御装置18は、入力インターフェース43に入力された傾斜角度(チルト角度)に基づいて、Z軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム17を回転させる。制御装置18は、図示しないセンサの出力等によって回転フレーム17の回転角度を把握している。また、制御装置18は、回転フレーム17の回転角度を随時、処理回路50に提供する。制御装置18は、架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置して移動させ、架台装置10の回転フレーム17の内部に導入する装置である。寝台装置30は、例えば、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体を含む。寝台駆動装置32は、モータやアクチュエータを含む。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、支持フレーム34に沿って、天板33の長手方向(Z軸方向)に移動させる。天板33は、被検体Pが載置される板状の部材である。
寝台駆動装置32は、天板33だけでなく、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動させてもよい。また、上記とは逆に、架台装置10がZ軸方向に移動可能であり、架台装置10の移動によって回転フレーム17が被検体Pの周囲に来るように制御されてもよい。また、架台装置10と天板33の双方が移動可能な構成であってもよい。また、X線CT装置1は、被検体Pが立位または座位でスキャンされる方式の装置であってもよい。この場合、X線CT装置1は、寝台装置30に代えて被検体支持機構を有し、架台装置10は、回転フレーム17を、床面に垂直な軸方向を中心に回転させる。
コンソール装置40は、例えば、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、ネットワーク接続回路44と、処理回路50とを有する。第1の実施形態では、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40の各構成要素の一部または全部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、検出データや投影データ、再構成画像(CT画像)等を記憶する。これらのデータは、メモリ41ではなく(或いはメモリ41に加えて)、X線CT装置1が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。外部メモリは、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)と称されるシステムにより実現される。PACSとは、各種画像診断装置によって撮影された画像等を体系的に記憶するシステムである。
図2は、メモリ41に格納されるデータの一例を示す図である。図2に示すように、メモリ41には、例えば、撮影条件41-1や、DAS16により出力される検出データ41-2、処理回路50により生成される投影データ41-3、再構成画像41-4、キャリブレーションデータ41-5、学習済みモデル41-6等の情報が格納される。学習済みモデル41-6については後述する。
キャリブレーションデータ41-5とは、X線CT装置1の各ユニットの個体差(線質の差、散乱線の影響の差等)、設置環境の違い等に起因して生じる測定値のずれを補正するためのデータである。例えば、X線CT装置1の据付時や、管球等のハードウェア部品の交換が行われた場合、X線CT装置1の本撮影の前に、このキャリブレーションデータの収集が行われる。このキャリブレーションデータは、X線CT装置1の撮影条件ごとに準備され、撮影条件と関連付けてメモリ41に格納される。例えば、このキャリブレーションデータは、X線管11に適用される管電圧(kV)、X線検出器15により検出される列数、撮影時のX線の照射範囲(FOV:Field of View)、X線管11の回転速度、X線検出器15の設定(ゲイン)、X線管11により照射される焦点サイズ等の条件ごと(条件の組み合わせごと)に準備され、撮影条件と関連付けてメモリ41に格納される。
例えば、本撮影時には、ある撮影条件での撮影により検出された検出データ41-2から、同条件と関連付けられたキャリブレーションデータを減算する処理を行うことで測定値のずれが補正される。すなわち、第1のスキャン条件で被検体をスキャンすることで得られたデータに対して、第1のスキャン条件と対応する第1のキャリブレーションデータを用いて補正を行い、第2のスキャン条件で被検体をスキャンすることで得られたデータに対して、第2のスキャン条件と対応する第2のキャリブレーションデータを用いて補正を行うことで、測定値のずれが補正される。
図3は、メモリ41に格納された撮影条件ごとのキャリブレーションデータの一例を示す図である。図示のように、例えば、第1の条件(条件1(管電圧kV)が“120kV”,条件2(列数)が“80”,条件3(FOV)が“500mm”)とキャリブレーションデータ“CD1”とが関連付けられてメモリ41に格納されている。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路50によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者による各種操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)画像等を表示する。ディスプレイ42は、例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)であってもよい。
入力インターフェース43は、操作者による各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す電気信号を処理回路50に出力する。例えば、入力インターフェース43は、検出データまたは投影データを収集する際の収集条件、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、タッチパネル、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、カメラ、赤外線センサ、マイク等により実現される。入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)により実現されてもよい。
ネットワーク接続回路44は、例えば、プリント回路基板を有するネットワークカード、或いは無線通信モジュール等を含む。ネットワーク接続回路44は、接続する対象のネットワークの形態に応じた情報通信用プロトコルを実装する。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット、セルラー網、専用回線等を含む。
処理回路50は、X線CT装置1の全体の動作を制御する。処理回路50は、例えば、システム制御機能51、前処理機能52、再構成処理機能53、画像処理機能54、スキャン制御機能55、表示制御機能56、キャリブレーション機能57、学習機能58等を実行する。処理回路50は、例えば、ハードウェアプロセッサがメモリ41に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。学習機能58は、「学習部」の一例である。
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))等の回路(circuitry)を意味する。メモリ41にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。
コンソール装置40または処理回路50が有する各構成要素は、分散化されて複数のハードウェアにより実現されてもよい。処理回路50は、コンソール装置40が有する構成ではなく、コンソール装置40と通信可能な処理装置によって実現されてもよい。処理装置は、例えば、一つのX線CT装置と接続されたワークステーション、あるいは複数のX線CT装置に接続され、以下に説明する処理回路50と同等の処理を一括して実行する装置(例えば、クラウドサーバ)である。すわなち、本実施形態の構成を、X線CT装置と、他の処理装置とがネットワークを介して接続されたX線CTシステム(医用診断システム)として実現することも可能である。
システム制御機能51は、例えば、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、処理回路50の各種機能を制御する。
前処理機能52は、DAS16により出力された検出データ41-2に対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正、キャリブレーションデータを用いた補正処理等の前処理を行って投影データ41-3を生成し、生成した投影データ41-3をメモリ41に記憶させる。キャリブレーションデータを用いた補正処理は、再構成処理機能53により行われてもよい。
再構成処理機能53は、前処理機能52により生成された投影データ41-3に対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等による再構成処理を行って再構成画像41-4を生成し、生成した再構成画像41-4をメモリ41に記憶させる。
画像処理機能54は、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、再構成画像41-4を公知の方法により、三次元画像や任意断面の断面像データに変換する。三次元画像への変換は、前処理機能52によって行われてもよい。
スキャン制御機能55は、X線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32に指示することで、架台装置10における検出データの収集処理を制御する。スキャン制御機能55は、位置合わせ画像、本撮影画像、および診断に用いる画像を撮影する際、キャリブレーションデータを収集する撮影の際の各部の動作をそれぞれ制御する。
表示制御機能56は、ディスプレイ42の表示態様を制御する。例えば、表示制御機能56は、ディスプレイ42を制御して、処理回路50によって生成されたCT画像や、操作者による各種操作を受け付けるGUI画像等を表示させる。
図4は、キャリブレーション機能57の機能構成の一例を示す図である。キャリブレーション機能57は、例えば、データ取得機能57-1と、データ生成機能57-2とを有する。データ取得機能57-1は、ある基準条件で動作する架台装置10からキャリブレーションデータ(以下、「基準キャリブレーションデータ」と呼ぶ)を収集し、メモリ41に基準キャリブレーションデータBDとして格納する。データ生成機能57-2は、データ取得機能57-1により取得された基準キャリブレーションデータBDと、メモリ41に格納された学習済みモデル41-6とに基づいて、基準条件とは異なる条件のキャリブレーションデータを生成する(以下、「生成キャリブレーションデータ」と呼ぶ)。データ取得機能57-1は、「データ取得部」の一例である。データ生成機能57-2は、「データ生成部」の一例である。
基準キャリブレーションデータBDは、スキャン制御機能55の制御下において、キャリブレーション用のファントム(例えば、水ファントム)が天板33上に載置された状態で、基準条件で動作する架台装置10において検出される検出データ(実データ)である。基準条件は、例えば、操作者による入力インターフェース43の操作に基づいて決定される。一方、生成キャリブレーションデータGDは、基準キャリブレーションデータBDを学習済みモデル41-6に入力した際に出力されるデータ(推定データ)である。
学習機能58は、第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータと、第1のスキャン条件とは異なる第2のスキャン条件に対応する第2のキャリブレーションデータとの関係を学習して、学習済みモデルを生成する。学習機能58は、第1のキャリブレーションデータに基づいて、第2のキャリブレーションデータを生成するための学習済みモデルを生成する。例えば、学習機能58は、第1のキャリブレーションデータをモデルに入力した際に出力されるデータと、第2のキャリブレーションデータとの差分が小さくなるように、モデル内の種々のパラメータを、SGD(Stochastic Gradient Descent)、Momentum SGD、AdaGrad、RMSprop、AdaDelta、Adam(Adaptive moment estimation)などの勾配法を利用して学習する。学習機能58は、例えば、ニューラルネットワーク、ロジスティック回帰分析、サポートベクターマシンに基づく技術などの任意の機械学習により生成されたモデルを用いるものであってよい。学習機能58の詳細については後述する。
上記構成により、X線CT装置1は、ヘリカルスキャン、コンベンショナルスキャン、ステップアンドシュート等の態様で被検体Pのスキャンを行う。ヘリカルスキャンとは、天板33を移動させながら回転フレーム17を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンする態様である。コンベンショナルスキャンとは、天板33を静止させた状態で回転フレーム17を回転させて被検体Pを円軌道でスキャンする態様である。コンベンショナルスキャンを実行する。ステップアンドシュートとは、天板33の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行う態様である。
[処理フロー(学習段階)]
以下、第1の実施形態における処理回路50の処理フローについて説明する。処理回路50の処理には、学習済みモデルを生成する学習処理と、学習済みモデルを使用して生成キャリブレーションデータを生成する生成処理とが含まれる。以下においては、まず、処理回路50による学習処理について説明する。図5は、処理回路50の学習処理の一連の流れを示すフローチャートである。図6は、学習機能58による学習処理の概念を説明する図である。図5に示すフローチャートの処理は、例えば、X線CT装置1の出荷時(利用環境への据付け前)等に、X線CT装置1の操作者が、入力インターフェース43を操作して学習処理の開始を指示した場合に開始される。なお、以下においては、学習データである、撮影条件ごと(例えば、管電圧(kV)ごとの)のキャリブレーションデータが既に収集されて、メモリ41に格納されているものとする。撮影条件ごとのキャリブレーションデータは、1又は複数個のデータ(データセット)である。例えば、あるスキャン条件(管電圧が「120kV」)に対応するキャリブレーションデータは、複数個のデータ(データセット)であってよい。
まず、学習機能58は、メモリ41に格納されたキャリブレーションデータ(検出データ)の中から、1組の学習データを取得する(ステップS100)。この1組の学習データは、例えば、第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータと、第1のスキャン条件とは異なる第2のスキャン条件に対応する第2のキャリブレーションデータとの組である。図6に示す例では、例えば、学習機能58は、第1のスキャン条件(管電圧が「120kV」)に対応する第1のキャリブレーションデータD1と、第2のスキャン条件(管電圧が「80kV」)に対応する第2のキャリブレーションデータD2とを取得する。すなわち、第1のスキャン条件及び第2のスキャン条件は、それぞれ同一種類のパラメータ(管電圧)を含み、第1のスキャン条件と第2のスキャン条件の間で、同一種類のパラメータの値が互いに異なる。
次に、学習機能58は、第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータを、モデルに入力し、その処理結果(出力結果)を得る(ステップS102)。図6に示す例では、学習機能58は、第1のキャリブレーションデータD1をモデルM1に入力し、その処理結果を得る。
次に、学習機能58は、処理結果のデータと、第2のキャリブレーションデータD2との間の差分を算出する(ステップS104)。
次に、学習機能58は、算出した差分に基づいて、モデルM1の内部パラメータを更新する(ステップS106)。例えば、学習機能58は、算出した差分が小さくなるように、モデルM1の内部パラメータを更新する。このように内部パラメータの更新が行われた第1のモデルM1が、第1の学習済みモデルとなる。学習機能58は、この第1の学習済みモデルをメモリ41に格納する(ステップS108)。
次に、学習機能58は、全ての学習データの組について処理を完了したか否かを判定する(ステップS110)。図6に示す例では、第1のキャリブレーションデータD1と、第1および第2のスキャン条件の各々とは異なる第3のスキャン条件(管電圧が「100kV」)に対応する第3のキャリブレーションデータD3との組についての処理、および、第1のキャリブレーションデータD1と、第1から第3のスキャン条件の各々とは異なる第4のスキャン条件(管電圧が「135kV」)に対応する第4のキャリブレーションデータD4との組についての処理が完了していない。この場合、学習機能58は、これらの組についてもステップS100以降の同様な処理を繰り返す。これにより、第1の学習済みモデルとは異なる第2の学習済みモデルおよび第3の学習済みモデルがメモリ41に格納される。
一方、学習機能58は、全ての学習データについて処理が完了したと判定した場合、本フローチャートの処理を終了する。
なお、X線CT装置1の利用環境への据付け後に、該X線CT装置1において取得されたキャリブレーションデータを用いて学習済みモデルを生成するようにしてもよい。これにより、X線CT装置1が本撮影を行う状況(設置環境)を考慮した精度の高い学習済みモデルを生成することができる。
なお、X線CT装置1とは異なる他のモデル生成装置で生成された汎用の学習済みモデルがX線CT装置1のメモリ41に格納されて出荷されるような場合、上記の学習機能58による学習処理は行われなくてもよい。あるいは、学習機能58は、この汎用の学習済みモデルに対して、該X線CT装置1において取得されたキャリブレーションデータをさらに学習するようにしてもよい。これにより、X線CT装置1の個体差(各ユニットの個体差)を考慮した精度の高い学習済みモデルを生成することができる。
[処理フロー(キャリブレーションデータの生成処理)]
次に、処理回路50によるキャリブレーションデータの生成処理について説明する。図7は、処理回路50によるキャリブレーションデータの生成処理の一連の流れを示すフローチャートである。図8は、キャリブレーション機能57によるキャリブレーションデータの生成処理の概念を説明する図である。本フローチャートの処理は、例えば、X線CT装置1の据付時やハードウェア部品の交換後等に、X線CT装置1の操作者が、入力インターフェース43を操作してキャリブレーションデータの生成処理の開始を指示した場合に開始される。
まず、キャリブレーション機能57(データ取得機能57-1)は、キャリブレーション用のファントム(例えば、水ファントム)が天板33上に載置された状態のX線CT装置1において、基準キャリブレーションデータBD1を取得する(ステップS200)。基準キャリブレーションデータを取得するための基準条件(例えば、管電圧(kV))は、例えば、操作者による入力インターフェース43の操作に基づいて決定される。図8に示す例では、基準条件として管電圧が120kVに設定されている。
次に、キャリブレーション機能57(データ生成機能57-2)は、メモリ41に格納された複数の学習済みモデル41-6のうち、必要となるキャリブレーションデータを出力するように学習された学習済みモデル41-6を選択する(ステップS202)。学習済みモデル41-6は、例えば、操作者による入力インターフェース43の操作に基づいて選択されてもよい。また、予め設定された学習済みモデル41-6が選択されるようにしてもよいし、メモリ41に格納された全ての学習済みモデル41-6が選択されるようにしてもよい。図8に示す例では、第1の学習済みモデルTM1、第2の学習済みモデルTM2、および第3の学習済みモデルTM3が選択されている。
次に、キャリブレーション機能57は、取得した基準キャリブレーションデータBDを、選択された学習済みモデル41-6の各々に入力し、モデルの出力である生成キャリブレーションデータGDを生成する(ステップS204)。
図8に示す例において、第1の学習済みモデルTM1は、基準キャリブレーションデータBD(管電圧が120kV)に基づいて、生成キャリブレーションデータ(管電圧が80kV)を生成するように学習されている。キャリブレーション機能57は、基準キャリブレーションデータBDを、第1の学習済みモデルTM1に入力することで、第1の生成キャリブレーションデータGD1(管電圧が80kV)を生成する。また、第2の学習済みモデルTM2は、基準キャリブレーションデータBD(管電圧が120kV)に基づいて、生成キャリブレーションデータ(管電圧が100kV)を生成するように学習されている。キャリブレーション機能57は、基準キャリブレーションデータBDを、第2の学習済みモデルTM2に入力することで、第2の生成キャリブレーションデータGD2(管電圧が100kV)を生成する。また、第3の学習済みモデルTM3は、基準キャリブレーションデータBD(管電圧が120kV)に基づいて、生成キャリブレーションデータ(管電圧が135kV)を生成するように学習されている。キャリブレーション機能57は、基準キャリブレーションデータBDを、第3の学習済みモデルTM3に入力することで、第3の生成キャリブレーションデータGD3(管電圧が135kV)を生成する。
次に、キャリブレーション機能57は、生成された生成キャリブレーションデータGDをメモリ41に格納する(ステップS206)。以上により、キャリブレーション機能57は、本フローチャートの処理を終了する。
以上、説明した第1の実施形態のX線CT装置1によれば、基準キャリブレーションデータに基づいて、複数の生成キャリブレーションデータを生成することで、キャリブレーションの時間を短縮することができる。また、据付後のX線CT装置1が撮影を行う際の状態(設置環境)に合わせて最適なキャリブレーションデータを生成することができる。
なお、上記においては、撮影条件ごとに学習済みモデルを個別に生成する(複数個の学習済みモデルを生成する)例を説明したがこれに限られない。図9は、キャリブレーション機能57によるキャリブレーションデータの生成処理の他の例を説明する図である。図示のように、学習機能58は、基準キャリブレーションデータBDが入力された場合に、複数の撮影条件と対応付けられた複数の生成キャリブレーションデータGD(GD1からGD3)を出力するような1つの学習済みモデルTM4を生成してもよい。キャリブレーション機能57は、学習済みモデルTM4に対して基準キャリブレーションデータBDを入力することで、複数の生成キャリブレーションデータGD(GD1からGD3)を一度に生成することができる。
また、例えば、基準キャリブレーションデータBD(列数が80列)に基づいて、生成キャリブレーションデータ(列数が320列)を生成するように学習された学習済みモデルを利用することで、列数が「320列」である撮影条件用のファントムを準備する必要がなくなる。これにより、キャリブレーション用のファントムの大きさを縮小することができる。また、ファントムを利用せずに、空気を対象とした撮影を行うことにより得られたキャリブレーションデータ(すなわち、天板33上に何もない状態で撮影を行うことにより得られたキャリブレーションデータ)を学習した学習済みモデルを生成することで、キャリブレーション時におけるファントムの利用をなくすことができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、ある1つの撮影条件(1つのパラメータ、例えば、管電圧(kV))に着目し、ある基準条件での基準キャリブレーションデータ(例えば、管電圧120kV)から、他の条件と対応付けられる生成キャリブレーションデータ(例えば、管電圧80kV)を生成する例を説明した。これに対して、第2の実施形態では、複数の撮影条件(2以上のパラメータ、例えば、管電圧(kV)と列数)に着目し、ある基準条件(2以上のパラメータ)での基準キャリブレーションデータから、他の条件(2以上のパラメータ)と対応付けられるキャリブレーションデータを生成する。このため、構成などについては第1の実施形態で説明した図および関連する記載を援用し、詳細な説明を省略する。
[学習処理]
図10は、第2の実施形態における学習機能58による学習処理の概念を説明する図である。図示のように、学習機能58は、第1のスキャン条件(管電圧が「120kV」,列数が「320列」)に対応する第1のキャリブレーションデータPD1と、第2のスキャン条件(管電圧が「80kV」,列数が「80列」)に対応する第2のキャリブレーションデータPD2との関係を学習することで、第1の学習済みモデルを生成する。また、学習機能58は、第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータPD1と、第3のスキャン条件(管電圧が「80kV」,列数が「160列」)に対応する第3のキャリブレーションデータPD3との関係を学習することで、第2の学習済みモデルを生成する。また、学習機能58は、第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータPD1と、第4のスキャン条件(管電圧が「80kV」,検出素子の列数が「320列」)に対応する第3のキャリブレーションデータPD3との関係を学習することで、第3の学習済みモデルを生成する。
上記のように、学習機能58により学習される学習データにおいて、第1のスキャン条件から第4のスキャン条件の各々は、複数のパラメータを含む。また、第1のスキャン条件と、第2から第4のスキャン条件の各々との間で、複数のパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータの値は異なるものである。また、第1のスキャン条件及び第2のスキャン条件は、X線CTシステムに関する条件である。少なくとも1つのパラメータは、X線CTシステムに含まれるX線管11に適用する管電圧、X線管11の回転速度、X線管11から照射されるX線の焦点サイズ、X線の線質を調整するためのフィルタ(例えば、ウェッジ12)の種類、X線CTシステムに含まれるX線検出器15でX線を検出する列数、又はX線検出器15のゲインを含む。
[キャリブレーションデータの生成処理]
図11は、第2の実施形態におけるキャリブレーション機能57によるキャリブレーションデータの生成処理の概念を説明する図である。図示のように、キャリブレーション機能57は、基準キャリブレーションデータPBD(管電圧が「120kV」,列数が「320列」)を、第1の学習済みモデルTPM1に入力することで、第1の生成キャリブレーションデータPGD1(管電圧が「80kV」,列数が「80列」)を生成する。また、キャリブレーション機能57は、基準キャリブレーションデータBDを、第2の学習済みモデルTPM2に入力することで、第2の生成キャリブレーションデータPGD1(管
電圧が「80kV」,列数が「160列」)を生成する。また、キャリブレーション機能57は、基準キャリブレーションデータBDを、第3の学習済みモデルTPM3に入力することで、第3の生成キャリブレーションデータPGD3(管電圧が「80kV」,列数が「320列」)を生成する。
以上、説明した第2の実施形態のX線CT装置1によれば、基準キャリブレーションデータに基づいて、複数の生成キャリブレーションデータを生成することで、キャリブレーションの時間を短縮することができる。また、据付後のX線CT装置1が撮影を行う際の状態(設置環境)に合わせて最適なキャリブレーションデータを生成することができる。また、複数の撮影条件に着目し、ある基準条件の基準キャリブレーションデータから、他の条件と対応付けられるキャリブレーションデータを生成することで、多様な撮影条件に対応したキャリブレーションデータを短時間で準備することができる。
なお、上記の実施形態では、出荷時等にX線CT装置1内で学習済みモデルを生成し、または学習済みモデルを各X線CT装置1に応じて変更する例を説明したがこれに限られない。例えば、図12に示すように、各医療施設H1からHN(Nは任意の自然数)に設置されたX線CT装置1と、クラウド上にあるサーバ装置SとがネットワークNWを介して接続され、サーバ装置SからX線CT装置1に対して学習済みモデルが提供されるようにしてもよい。また、X線CT装置1が、据付後の該X線CT装置1において取得された基準キャリブレーションデータをサーバ装置Sに送信し、サーバ装置S内に格納された学習済みモデルを用いてサーバ装置S内で生成キャリブレーションデータを生成してX線CT装置1に送信するようにしてもよい。X線CT装置1とサーバ装置Sとの組み合わせは、「医用処理装置」または「医用診断システム」の一例である。
なお、X線CT装置1の出荷時等に、X線CT装置1とは別体のモデル生成装置で生成された汎用の学習済みモデルがX線CT装置1のメモリ41に格納されるような態様の場合、他のモデル生成装置においてモデル生成に利用された学習データと、据付後のX線CT装置1から得られた基準条件のデータとを比較することで、個々のX線CT装置におけるデータのバラツキの程度を把握することができる。例えば、管球のバラツキを把握することで、線質のバラツキを把握することができるため、CT値を均一化するための補正に展開することができる。
また、管球のOLP(Over Load Protection)によって焦点移動が起こることがわかっているが、OLPとデータとの相関を学習することでキャリブレーション時のOLPと本撮影時のOLPの差からキャリブレーションデータを補正することができる。また、管球アライメントによっても線質は変化するため、アライメント時のデータからパラメータを最適化することもできる。また、管球だけではなく、検出素子の温度ドリフトといった検出素子側の変化に対しても各温度と対応付けられた学習データを学習することで、温度に応じたキャリブレーションデータを短時間で準備することができる。また、リング成分の抽出、パック間段差といった多様な撮影条件に対応したキャリブレーションデータを短時間で準備することができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを格納するメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行することにより、
第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータを取得し、
前記第1のキャリブレーションデータに基づいて、前記第1のスキャン条件とは異なる第2のスキャン条件に対応する第2のキャリブレーションデータを生成するための第1の学習済みモデルに対して、前記第1のキャリブレーションデータを入力することで、前記第2のキャリブレーションデータを生成する、
医用処理装置。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の軽減、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…X線CT装置,10…架台装置,11…X線管,12…ウェッジ,13…コリメータ,14…X線高電圧装置,15…X線検出器,16…データ収集システム,17…回転フレーム,18…制御装置,30…寝台装置,31…基台,32…寝台駆動装置,33…天板,34…支持フレーム,40…コンソール装置,50…処理回路,51…システム制御機能,52…前処理機能,53…再構成処理機能,54…画像処理機能,55…スキャン制御機能,56…表示制御機能,57…キャリブレーション機能,58…学習機能

Claims (12)

  1. 第1のスキャン条件に対応する第1のキャリブレーションデータを取得するデータ取得部と、
    前記第1のキャリブレーションデータに基づいて、前記第1のスキャン条件とは異なる第2のスキャン条件に対応する第2のキャリブレーションデータを生成するための第1の学習済みモデルに対して、前記第1のキャリブレーションデータを入力することで、前記第2のキャリブレーションデータを生成するデータ生成部と、
    を備えた、医用処理装置。
  2. 前記データ生成部は、前記第1のキャリブレーションデータに基づいて、前記第1のスキャン条件及び前記第2のスキャン条件とは異なる第3のスキャン条件に対応する第3のスキャン条件に対応する第3のキャリブレーションデータを生成するための、前記第1の学習済みモデルとは異なる第2の学習済みモデルに対して、前記第1のキャリブレーションデータを入力することで、前記第3のキャリブレーションデータを生成する、請求項1に記載の医用処理装置。
  3. 前記第1の学習済みモデルは、前記第1のキャリブレーションデータに基づいて、前記第1のスキャン条件及び前記第2のスキャン条件とは異なる第3のスキャン条件に対応する第3のスキャン条件に対応する第3のキャリブレーションデータをさらに生成するためのモデルであり、
    前記データ生成部は、前記第1の学習済みモデルに対して、前記第1のキャリブレーションデータを入力することで、前記第2のキャリブレーションデータ及び前記第3のキャリブレーションデータを生成する、請求項1に記載の医用処理装置。
  4. 前記第1のスキャン条件及び前記第2のスキャン条件は、それぞれ複数のパラメータを含み、
    前記第1のスキャン条件と前記第2のスキャン条件の間で、前記複数のパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータの値は異なる、
    請求項1に記載の医用処理装置。
  5. 前記第1のスキャン条件及び前記第2のスキャン条件は、X線CTシステムに関する条件であり、
    前記少なくとも1つのパラメータは、前記X線CTシステムに含まれるX線管に適用する管電圧、前記X線管の回転速度、前記X線管から照射されるX線の焦点サイズ、前記X線の線質を調整するためのフィルタの種類、前記X線CTシステムに含まれるX線検出器でX線を検出する列数、又は前記X線検出器のゲインを含む、請求項4に記載の医用処理装置。
  6. 前記第1のスキャン条件で被検体をスキャンすることで得られたデータに対して、前記第1のキャリブレーションデータを用いて補正を行い、前記第2のスキャン条件で被検体をスキャンすることで得られたデータに対して、前記第2のキャリブレーションデータを用いて補正を行う、請求項1に記載の医用処理装置。
  7. 前記第1のスキャン条件及び前記第2のスキャン条件は、それぞれ同一種類のパラメータを含み、
    前記第1のスキャン条件と前記第2のスキャン条件の間で、前記同一種類のパラメータの値が互いに異なる、
    請求項1に記載の医用処理装置。
  8. 前記第1のキャリブレーションデータと前記第2のキャリブレーションデータとの関係を学習することで、前記第1の学習済みモデルを生成する学習部をさらに備える、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の医用処理装置。
  9. 前記学習部は、利用環境への据付け前に前記医用処理装置から取得された前記第1のキャリブレーションデータと前記第2のキャリブレーションデータとの関係を学習することで、前記第1の学習済みモデルを生成する、
    請求項8に記載の医用処理装置。
  10. 前記学習部は、利用環境に据付けられた前記医用処理装置から取得された前記第1のキャリブレーションデータと前記第2のキャリブレーションデータとの関係を学習することで、前記第1の学習済みモデルを生成する、
    請求項8に記載の医用処理装置。
  11. 前記第1の学習済みモデルは、前記医用処理装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置により提供される、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の医用処理装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の医用処理装置を含む医用診断システム。
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