JP7222976B2 - ガスバリア性積層体 - Google Patents
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Description
しかし、一般にプラスチックフィルムは、ガラスに比べて、大気中の水蒸気や酸素等の透過が大きく、透明プラスチックフィルムをディスプレイデバイスの支持基板として使用する場合、前記支持基板を透過した水蒸気や酸素等が、ディスプレイデバイス内部の素子等に作用し、デバイスの性能が低下したり、寿命が短くなるという問題があった。
この問題を解決するため、水蒸気や酸素の透過を抑制する特性を有するフィルム(以下、この特性を「ガスバリア性」といい、ガスバリア性を有する積層体を「ガスバリア性積層体」という。)をディスプレイデバイスの封止材料として用いることが提案されている。
例えば、特許文献1には、透明プラスチックフィルム表面に、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッター法等により、金属酸化物からなる透明ガスバリア層を積層したフレキシブルディスプレイ基板が記載されている。
また、特許文献2には、基材の少なくとも片面に、ポリシラザン膜にプラズマ処理を施して形成されたガスバリア層を有するガスバリアフィルムが記載されている。
このような中、さらに高性能なディスプレイデバイス等が求められており、電子デバイス用部材等に使用されるガスバリア積層体にも、ガスバリア性に加えて、耐熱性、耐溶剤性、層間密着性に優れ、複屈折率が低く光学等方性に優れる等、様々な特性に優れることが要求されるようになってきている。
上記要求に対し、例えば、特許文献3には、ガラス転移温度(Tg)が140℃以上の熱可塑性樹脂及び硬化性単量体を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層を有するガスバリアフィルムが記載されている。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[10]を提供するものである。
[1]下地層及びガスバリア層を含むガスバリア性積層体であって、前記下地層が、硬化性単量体を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記硬化性単量体は、分子内に1つの反応性官能基が他の反応性官能基と、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のいずれか一方、又は両方を介在して連結する構造を有し、当該ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が18以上である長スペーサーを有する硬化性単量体を含む、ガスバリア性積層体。
[2]前記硬化性単量体が、さらに、1つの反応性官能基と他の反応性官能基とが、ポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基のいずれも介在さずに連結する構造、又は1つの反応性官能基が他の反応性官能基と、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のいずれか一方、もしくは両方を介在して連結する構造を有しており、当該ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基の主鎖を構成する炭素原子の数の合計が16以下である短スペーサーを有する硬化性単量体を含む、上記[1]に記載のガスバリア性積層体。
[3]前記下地層が、さらに熱可塑性樹脂を含む、上記[1]又は[2]に記載のガスバリア性積層体。
[4]前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が130℃以上である、上記[3]に記載のガスバリア性積層体。
[5]前記熱可塑性樹脂が、ポリスルホン系樹脂、又は脂環式炭化水素系樹脂である、上記[3]又は[4]に記載のガスバリア性積層体。
[6]前記下地層の厚さが0.1~50μmである、上記[1]~[5]のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
[7]前記下地層の破断伸度が3.5%以上である、上記[1]~[6]のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
[8]前記ガスバリア層は、硬化した塗膜である、上記[1]~[7]のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
[9]前記ガスバリア層は、硬化したポリシラザン系化合物を含む層に改質処理を施したものである、上記[1]~[8]のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
[10]前記ガスバリア性積層体が、さらに工程シートを含む、上記[1]~[9]のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
本発明のガスバリア性積層体は、下地層及びガスバリア層を含むガスバリア性積層体であって、前記下地層が、硬化性単量体を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記硬化性単量体は、分子内に1つの反応性官能基が他の反応性官能基と、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のいずれか一方、又は両方を介在して連結する構造を有し、当該ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が18以上である長スペーサーを有する硬化性単量体(以下、長スペーサーを有する硬化性単量体を、「長スペーサー硬化性単量体」ということがある)を含む。
本発明は、下地層及びガスバリア層を含むガスバリア性積層体の、下地層を構成する反応性官能基を有する、長スペーサー硬化性単量体の分子内において、反応性官能基間に、スペーサーとなるポリアルキレン基及び/又はポリオキシアルキレン基を介在させ、ポリアルキレン基やポリオキシアルキレン基に含まれる炭素原子の数の合計を18以上とすることで、優れたフレキシブル性を付与することができる。また、後述する特定の短スペーサーを有する硬化性単量体とを組み合わせることにより、フレキシブル性のみならず耐溶剤性を同時に満たすガスバリア性積層体を得ることが容易である。
なお、本明細書において、「スペーサー」とは、ポリアルキレン基、ポリオキシアルキレン基のような、柔軟性を付与する分子鎖を意味するものとする。
本発明のガスバリア性積層体を構成する下地層は、硬化性単量体を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。
〈硬化性樹脂組成物〉
硬化性樹脂組成物は、硬化性単量体を含む。さらに後述する熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、重合開始剤やその他の成分を混合し、適当な溶媒に溶解又は分散させることにより調製することができる。
本発明に用いる硬化性単量体は、1つの反応性官能基が他の反応性官能基と、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のいずれか一方、又は両方を介在して連結する構造を有しており、当該ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が18以上である長スペーサー硬化性単量体を含む。長スペーサーに関し、1つの反応性官能基が、ポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を2つ以上介在して他の反応性官能基と連結する場合には、ポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数は、2つ以上のポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基の、主鎖を構成する炭素原子の数の合計である。また、硬化性単量体が一分子中に3つ以上の反応性官能基を有する場合、任意の2つの反応性官能基の間に介在するポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が、必ず18以上である。
長スペーサーとしてのポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が16以下であると、フレキシブル性が低下することがある。また、下地層の耐溶剤性を向上させる観点から、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が70以下であることが好ましく、42以下であることがより好ましい。
一つの反応性官能基と、他の反応性官能基は同じであっても、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
同様に、長スペーサー硬化性単量体の分子内に含まれるポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン基としては、特に制限されず、好ましくは、前記アルキレン基に酸素原子が結合したものが好ましい。また、それらを複数組み合わせ、用いてもよい。
さらに、長スペーサー硬化性単量体は、スペーサーとしてポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基が連結された構造を有するものでもよく、アルキレン基の繰り返し構造又はオキシアルキレン基の繰り返し構造が不連続である立体配置となっていてもよい。
Z-[Ym-(O-Y)n-R]k (1)
Zはk価の有機基であり、Rは、反応性官能基を示す。
Yは、アルキレン基を表し、O-Yは、オキシアルキレン基を表す。
kは2~6の整数であり、m、nは、それぞれ独立に、0又は1以上の整数であり、m及びnが同時に0となることはない。
一つの[Ym-(O-Y)n-R]で表される基において、Y及びO-Yは不連続でもよく、順列も任意である。mは[Ym-(O-Y)n-R]で表される基におけるすべてのアルキレン基の総和、nは[Ym-(O-Y)n-R]で表される基におけるすべてのオキシアルキレン基の総和である。Ymを構成する各Yまたは(O-Y)nを構成する各O-Yとして、2種以上のアルキレン基又はオキシアルキレン基を用いてもよい。k個の[Ym-(O-Y)n-R]で表される基において、それぞれのY及びO-Yの順列、m及びnの値、Y及びO-Yに用いられるアルキレン基及びオキシアルキレン基の種類は互いに独立である。
なお、m又はnが1である場合、Y又はO-Yは単なるアルキレン基又はオキシアルキレン基であるが、このような場合も含めて、本発明ではYm、(O-Y)nをポリアルキレン基、ポリオキシアルキレン基と呼ぶ。
2・m1+2・m2+2・n1+2・n2≧18 (2)
2・mi+2・ni+2・mj+2・nj≧18 (3)
また、長スペーサー硬化性単量体のみを用いる時は、耐溶剤性の観点から、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が18以上26以下であることが好ましく、より好ましくは18以上24以下、さらに好ましくは18以上22以下である。
前記硬化性単量体が、長スペーサー硬化性単量体と短スペーサー硬化性単量体のいずれも含む場合には、ガスバリア性積層体のフレキシブル性と下地層の耐溶剤性の両立の観点から、アルキレン基及びオキシアルキレン基のそれぞれの炭素数の合計が28以上70以下であることが好ましく、28以上42以下であることがより好ましい。
短スペーサー硬化性単量体が有する一つの反応性官能基と他の官能性反応基は同じであっても、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
短スペーサー硬化性単量体は、スペーサーとしてポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基が連結された構造を有するものでもよく、アルキレン基の繰り返し構造又はオキシアルキレン基の繰り返し構造が不連続である立体配置となっていてもよい。
Z-[(Y)m-(O-Y)n-R]k (11)
Zはk価の有機基であり、Rは、反応性官能基を示す。
Yは、アルキレン基を表し、O-Yは、オキシアルキレン基を表し、kは2~6の整数であり、m、nは、それぞれ独立に、0又は1以上の整数であり、m及びnは同時に0をとってもよい。
2・m11+2・m12+2・n11+2・n12≦16 (12)
2・m1i+2・n1i+2・m1j+2・n1j≦16 (13)
炭素原子数が6~20の芳香族の炭化水素基として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、クリセン環、フルオランテン環、及びピレン環等から2~6つの水素原子をとり除くことで形成される2~6価の基が挙げられる。
脂環式の炭化水素基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基や、ジシクロペンタニル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等の縮合環基から水素原子をとり除くことで形成される2~6価の基が挙げられる。
前記炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1~20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~16のアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N-スルホニルアミド基、また、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子等が挙げられる。
有機基は、炭素原子数が6~20の芳香族の炭化水素基を有する2~6価の有機基であることが好ましい。このような有機基を有する硬化性単量体は、熱可塑性樹脂との相溶性に優れ、熱可塑性樹脂がポリスルホン系樹脂である場合、ポリスルホン系樹脂との相溶性に優れるためさらに好適である。炭素原子数が6~20の芳香族の炭化水素基を有する2~6価の有機基としては、上記の炭素原子数が6~20の芳香族の炭化水素基それ自体のほか、ビスフェノール基、フルオレン基、ビフェニル基等が挙げられる。
また、2官能の(メタ)アクリル酸誘導体としては、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能の(メタ)アクリル酸誘導体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5官能の(メタ)アクリル酸誘導体としては、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
6官能の(メタ)アクリル酸誘導体としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
同様に、短スペーサー硬化性単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の下地層に用いる硬化性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、非晶性熱可塑性樹脂が好ましい。非晶性熱可塑性樹脂を用いることで、透明性に優れる樹脂フィルムやガスバリア性積層体が得られ易くなる。
ここで、非晶性熱可塑性樹脂とは、示差走査熱量測定において、融点が観測されない熱可塑性樹脂をいう。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジオールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法や溶融エステル交換法で反応させる方法や、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させる方法や、環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させる方法によって得ることができる。
熱可塑性樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここでガラス転移温度(Tg)は、粘弾性測定(周波数11Hz、昇温速度3℃/分で0~250℃の範囲で引張モードによる測定)により得られたtanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)の最大点の温度をいう。
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常、100,000~3,000,000、好ましくは200,000~2,000,000、より好ましくは500,000~2,000,000の範囲である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは、1.0~5.0、より好ましくは、2.0~4.5の範囲である。重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
硬化性単量体と熱可塑性樹脂との質量比が上記の範囲であれば、耐溶剤性、又はフレキシブル性が得やすくなる。
本発明の範囲に含まれる長スペーサー硬化性単量体と短スペーサー硬化性単量体を同時に用い、かつ、長スペーサー硬化性単量体のアルキレン基及びオキシアルキレン基のそれぞれの炭素数の合計が28以上である場合、ガスバリア性積層体のフレキシブル性と下地層の耐溶剤性の両立の観点から、それぞれの硬化性単量体との質量比は、好ましくは、長スペーサー硬化性単量体:短スペーサー硬化性単量体=80:20~20:80、より好ましくは、70:30~30:70、さらに好ましくは、60:40~40:60である。
また、長スペーサー硬化性単量体のアルキレン基及びオキシアルキレン基のそれぞれの炭素数の合計が27以下である場合には、ガスバリア性積層体のフレキシブル性と下地層の耐溶剤性の両立の観点から、それぞれの硬化性単量体との質量比は、好ましくは、長スペーサー硬化性単量体:短スペーサー硬化性単量体=100:0~60:40、より好ましくは、100:0~70:30であることが好ましい。
硬化性樹脂組成物中の硬化性単量体と熱可塑性樹脂とが上記質量比を満たし、かつ長スペーサー硬化性単量体と短スペーサー硬化性単量体との質量比が上記の範囲にあると、下地層は耐溶剤性を維持したままフレキシブル性が得やすくなる。
また、硬化性樹脂組成物中の硬化性単量体の含有量が上記範囲であれば、例えば、硬化樹脂層を溶液キャスト法等によって得る場合、効率よく溶媒を除去することができるため、乾燥工程の長時間化によるカールの発生の問題が解消される。
有機過酸化物としては、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類;t-ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、p-メンタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド類;t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類;等が挙げられる。
アゾ系化合物としては、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2-フェニルアゾ-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
重合開始剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記硬化性樹脂組成物を硬化させる方法は、用いる重合開始剤や硬化性単量体の種類に応じて適宜決定することができる。
ガスバリア層は、ガスバリア性を有する限り、材質等は特に限定されない。例えば、ガスバリア層としては、気相成膜無機層、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂層、高分子化合物を含む層に改質処理をして得られる層が挙げられる。
また、本発明のガスバリア層は、気相成膜無機層のように蒸着、スパッタリング等により得られるものであってもよいし、塗膜を硬化したものであってもよいが、ガスバリア性積層体のフレキシブル性をさらに高める観点からは、ガスバリア層が、硬化した塗膜であることが好ましい。
本発明では、ガスバリア層は、厚さが薄く、ガスバリア性に優れる層を効率よく形成できることから、気相成膜無機層、及び高分子化合物が好ましい。また、ガスバリア層は、塗膜を硬化して得ることに適しており、ガスバリア性の高いガスバリア性積層体が得られ易い、高分子化合物を含む層にイオン注入等の改質処理を施したものであることがより好ましい。また、別の態様として、下地層の耐溶剤性が十分でない場合には、ガスバリア層は気相成膜無機層であることが好ましい。
また、ポリシラザン系化合物は、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
これらのイオンは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、より簡便に注入することができ、特に優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、水素、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、及びクリプトンからなる群から選ばれる少なくとも一種のイオンが好ましい。
真空紫外光を照射して改質する紫外線照射処理としては、例えば、特開2017-095758号公報等に記載の方法を採用することができる。
他の層としては、例えば、溶解防止層、工程シート、接着剤層が挙げられる。
工程シートとしては、特に限定されず、紙;ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム;ガラス等が挙げられる。
また、工程シートとしては、取り扱い易さの点から、紙や、プラスチックフィルム上に剥離剤層を設けたものであってもよい。剥離層は、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、アルキッド系剥離剤、オレフィン系剥離剤等、従来公知の剥離剤を用いて形成することができる。
剥離剤層の厚さは、特に制限されないが、通常、0.02~2.0μm、好ましくは0.05~1.5μmである。
塗膜の乾燥温度は、使用する溶媒等により適宜調整するが、通常、30~150℃、好ましくは、50~100℃である。加熱時間は、通常、数秒から数十分である。
なお、工程シート上に下地層を形成する方法はこれに限られず、例えば、別途形成した下地層を工程シート上に転移させることによって工程シート上に下地層を得てもよい。
このような本発明の一態様であるガスバリア性積層体が有する層構成としては、例えば、以下に示す態様が挙げられる。
・工程シート/下地層/ガスバリア層/接着剤層/剥離フィルム
・工程シート/下地層/溶解防止層/ガスバリア層/接着剤層/剥離フィルム
前記した層構成の態様は、ガスバリア性積層体を封止材として使用する前の状態を表したものである。
ガスバリア性積層体を封止材として使用する際には、通常、剥離フィルムを剥離除去し、露出した接着剤層の面と被封止物の面とを接着させて封止体を得るものである。また、封止材の接着剤層の面と被封止物の面とを接着させた後には、通常、工程シートを剥離除去し、下地層を露出させて以下に示す層構成とすることができる。
・下地層/ガスバリア層/接着剤層
・下地層/溶解防止層/ガスバリア層/接着剤層
なお、工程シートは、上述のとおり、下地層がガスバリア性積層体の支持体としての機能を十分有していない場合に、剥離除去されるまでの間、ガスバリア性積層体の支持体または保護材として機能する。
この場合のガスバリア性積層体の構成は、特に限定されない。例えば、下地層とガスバリア層からなるガスバリア性積層体を2枚積層する場合、ガスバリア性積層体の構成としては下記に示すものが挙げられる。
(下地層/ガスバリア層/接着剤層/下地層/ガスバリア層)
(下地層/ガスバリア層/接着剤層/ガスバリア/下地層)
(ガスバリア層/下地層/接着剤層/下地層/ガスバリア層)
粘着剤層の形成方法は特に限定されず、公知の方法を利用することができる。
粘着剤層の厚さは、通常0.5~200μm、好ましくは1~100μmである。
上記の剥離フィルムとしては、上述の工程シートと同じものを用いることができる。
ガスバリア性積層体の、40℃、相対湿度90%雰囲気下における水蒸気透過率は、通常1g・m-2・day-1以下であり、好ましくは0.8g・m-2・day-1以下であり、より好ましくは0.5g・m-2・day-1以下であり、さらに好ましくは0.1g・m-2・day-1以下である。なお、水蒸気透過率は、実施例の評価方法のように公知の方法で測定することができる。
本発明の封止体は、被封止物を、本発明のガスバリア性積層体を封止材として、封止されてなるものである。
被封止物としては、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、無機EL素子、無機ELディスプレイ素子、電子ペーパー素子、液晶ディスプレイ素子、及び太陽電池素子からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
本発明の封止体の作製方法は、特に限定されないが、例えば、封止材とする本発明のガスバリア性積層体が、以下に示す態様であった場合には、先ず工程シートを剥離除去し、露出した接着剤層の面と被封止物の面とを貼り合わせ、所望の条件で接着させて封止体を得るものである。
・工程シート/下地層/溶解防止層/ガスバリア層/接着剤層/剥離フィルム
通常、工程シートは、接着剤層の面と被封止物の面とを接着させた後には、剥離除去される。
このような封止体の作製方法によれば、下地層がガスバリア性フィルムの支持体としての機能を十分有していない場合であっても、すなわち、下地層の厚さが非常に薄い場合等であっても、工程シートが剥離除去されるまでの間、工程シートがガスバリア性フィルムの支持体として機能するため、ガスバリア性積層体の破断や変形が防止され、取り扱い性に優れる。
下地層を25mm×25mmの試験片に裁断し、試験片をキシレン溶媒中に2分間浸漬させ、浸漬前後の試験片の変化を目視により観察し、下記の基準に従い耐溶剤性を評価した。
○:変化なし。
△:若干のカールがみられるが、実用上問題ない。
×:白化、膨潤、カール等、外形変化が生じる。
(2)光学等方性
下地層を10mm×10mmの試験片に裁断し、下地層の面内位相差(リターデーション)を、位相差測定装置(Oji Scientific Instruments社製、KOBRA-WR)を用い測定し、下記の基準に従い光学等方性を評価した。
○:リターデーション値が10nm未満
×:リターデーション値が10nm以上
(3)水蒸気透過率(WVTR)
ガスバリア性積層体を50cm2の面積の円形状の試験片に裁断し、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、装置名:AQUATRAN)を用い、40℃90%RH条件下にてガス流量20sccmで水蒸気透過率(g・m-2・day-1)を測定した。なお、測定装置の検出下限は0.0005g・m-2・day-1である。ガスバリア性積層体は、下地層を形成するのに用いたPETフィルムを剥がすと自立性に劣るため、当該PETフィルムが積層された状態で測定を行った。ガスバリア層の水蒸気透過率はPETフィルムよりもはるかに小さいため、PETフィルムの積層によるWVTRへの影響は小さい。
(4)破断伸度
下地層を15mm×150mmの試験片に裁断し、JIS K7127:1999に従い、破断伸度を測定した。具体的には、上記試験片を、引張試験機(島津製作所社製,オートグラフ)にて、チャック間距離100mmに設定した後、200mm/minの速度で引張試験を行い、破断伸度(%)を測定した。なお、試験片が降伏点を持たない場合には引張り破断ひずみを、降伏点を持つ場合には引張り破断呼びひずみを破断伸度とした。
(1)下地層の形成
下地層となる硬化性樹脂組成物1を以下のように調製した。
<硬化性樹脂組成物1>
熱可塑性樹脂として、ポリスルホン樹脂(PSF)のペレット(BASF社製、ULTRASON S6010、Tg=187℃)100質量部を1,3-ジオキソランとトルエンの混合溶媒(1,3-ジオキソラン:トルエンの質量比が7:3であるもの)に溶解して、PSFの25質量%溶液を調製した。次いで、この溶液に、硬化性単量体として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、A-BPE-10、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:20)122質量部、及び重合開始剤として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、Irgacure819)5質量部を添加、混合して、硬化性樹脂組成物1を調製した。なお、本実施例及び他の実験例において使用した硬化性単量体および重合開始剤は溶媒を含まず、全て固形分100%の原料である。
次に、工程シートとしてのポリエチレンテレフテレート(PET)フィルム(東洋紡社製、PET100A-4100、厚さ100μm)の易接着層面とは反対の面に、硬化性樹脂組成物をハンドコートにて塗布し、得られた塗膜を90℃で3分間加熱することで塗膜を乾燥させた。
さらに、この乾燥させた塗膜上に、PETフィルム(東洋紡社製、PET100A-4100、厚さ100μm)を易接着面とは反対の面が対向するように積層し、ベルトコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、製品名:ECS-401GX)を使用し、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、製品名:H04-L41)にて、紫外線ランプ高さ100mm、紫外線ランプ出力3kw、光線波長365nmの照度が400mW/cm2、光量が800mJ/cm2(オーク製作所社製、紫外線光量計UV-351にて測定)となる条件で硬化反応を行い、厚さ25μmの下地層を形成した。
次いで、前記塗膜上に積層した前記PETフィルムを剥離し、下地層上にポリシラザン化合物(ペルヒドロポリシラザン(PHPS)を主成分とするコーティング剤(メルクパフォーマンスマテリアルズ社製、アミアクカNL-110-20、溶媒:キシレン)をスピンコート法により塗布し、6時間真空乾燥させることで、ペルヒドロポリシラザンを含む、厚さ200nmの高分子化合物層(ポリシラザン層)を形成した。
次に、プラズマイオン注入装置(日本電子社製、RF電源:「RF」56000;栗田製作所社製、高電圧パルス電源:PV-3-HSHV-0835)を用いて、ガス流量100sccm、Duty比0.5%、印加DC電圧-6kV、周波数1000Hz、印加RF電力1000W、チャンバー内圧0.2Pa、DCパルス幅5μsec、処理時間200秒の条件で、アルゴンガス由来のイオンを高分子化合物層(ポリシラザン層)の表面に注入し、ガスバリア層を形成した。このように、下地層上にガスバリア層を積層することにより、ガスバリア性積層体を作製した。
得られた下地層単層の耐溶剤性、光学等方性、破断伸度、またガスバリア性積層体の水蒸気透過率(WVTR)の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)下地層の形成
実施例1において、硬化性樹脂組成物1の代わりに下記硬化性樹脂組成物2を用い下地層(乾燥後の厚さ:25μm)を形成した以外は、実施例1と同様に、下地層上にガスバリア層を積層することにより、ガスバリア性積層体を作製した。
得られた下地層単層の耐溶剤性、光学等方性、破断伸度、またガスバリア性積層体の水蒸気透過率(WVTR)の評価を行った。結果を表1に示す。
<硬化性樹脂組成物2>
熱可塑性樹脂として、ポリスルホン樹脂(PSF)のペレット(BASF社製、ULTRASON S6010、Tg=187℃)100質量部を1,3-ジオキソランとトルエンの混合溶媒(1,3-ジオキソラン:トルエン=7:3)に溶解して、PSFの25質量%溶液を調製した。次いで、この溶液に、硬化性単量体として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、ABE-300、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:6)61質量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、A-BPE-20、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:34)61質量部、及び重合開始剤として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、Irgacure819)5質量部を添加、混合して、硬化性樹脂組成物2を調製した。
実施例2において、硬化性樹脂組成物2の代わりに硬化性樹脂組成物3を用い下地層(乾燥後の厚さ:25μm)を形成した以外は、実施例1と同様に、下地層上にガスバリア層を積層することにより、ガスバリア性積層体を作製した。
得られた下地層単層の耐溶剤性、光学等方性、破断伸度、またガスバリア性積層体の水蒸気透過率(WVTR)の評価を行った。結果を表1に示す。
<硬化性樹脂組成物3>
硬化性樹脂組成物2において、硬化性単量体について、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、ABE-300、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:6)を52.3質量部及びエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、A-BPE-20、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:34)を69.7質量部に変更した以外は、硬化性樹脂組成物2と同様に硬化性樹脂組成物3を調製した。
実施例1において、ガスバリア層(イオンを注入したポリシラザン層)の代わりに、スパッタリング法により、厚さ60nmの窒化ケイ素からなるガスバリア層を積層し、硬化性樹脂組成物1において、硬化性単量体としてエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(A-BPE-10)の代わりにエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(A-BPE-20)とした(硬化性樹脂組成物1’とする)以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を作製した。
得られた下地層単層の耐溶剤性、光学等方性、破断伸度、またガスバリア性積層体の水蒸気透過率(WVTR)の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、硬化性樹脂組成物1の代わりに下記硬化性樹脂組成物4を用い下地層(乾燥後の厚さ:25μm)とした以外は、実施例1と同様に下地層上にガスバリア層を積層することにより、ガスバリア性積層体を作製した。
得られた下地層単層の耐溶剤性、光学等方性、破断伸度、またガスバリア性積層体の水蒸気透過率(WVTR)の評価を行った。結果を表1に示す。
<硬化性樹脂組成物4>
熱可塑性樹脂として、ポリスルホン樹脂(PSF)のペレット(BASF社製、ULTRASON S6010、Tg=187℃)100質量部を1,3-ジオキソランとトルエンの混合溶媒(1,3-ジオキソラン:トルエン=7:3)に溶解して、PSFの25質量%溶液を調製した。次いで、この溶液に、硬化性単量体として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、ABE-300、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:6)122質量部、及び、重合開始剤として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、Irgacure819)1質量部を添加、混合して、硬化性樹脂組成物4を調製した。
実施例1において、硬化性樹脂組成物1の代わりに下記硬化性樹脂組成物5を用い下地層(乾燥後の厚さ:25μm)とした以外は、実施例1と同様に下地層上にガスバリア層を積層することにより、ガスバリア性積層体を作製した。
得られた下地層単層の耐溶剤性、光学等方性、またガスバリア性積層体の水蒸気透過率(WVTR)、破断伸度の評価を行った。結果を表1に示す。
<硬化性樹脂組成物5>
熱可塑性樹脂として、ポリスルホン樹脂(PSF)のペレット(BASF社製、ULTRASON S6010、Tg=187℃)100質量部を1,3-ジオキソランとトルエンの混合溶媒(1,3-ジオキソラン:トルエン=7:3)に溶解して、PSFの25質量%溶液を調製した。次いで、この溶液に、硬化性単量体として、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、A-DCP、2つのアクリロイル基間のオキシエチレン鎖の炭素数の合計:2)122質量部、及び、重合開始剤として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、Irgacure819)1質量部を添加、混合して、硬化性樹脂組成物5を調製した。
また、実施例1では、長スペーサー硬化性単量体のスペーサーの炭素数が少ないことに起因して、フレキシブル性に優れかつ耐溶剤性を有するガスバリア性積層体が得られることが分かった。
また、実施例2及び3では、ガスバリア性積層体の下地層として、長スペーサー硬化性単量体と短スペーサー硬化性単量体との質量比を特定の範囲に組み合わせることで、フレキシブル性に優れかつ耐溶剤性を有するガスバリア性積層体が得られることが分かった。
これに対し、短スペーサー硬化性単量体のみを用いた比較例1、2は、実施例と比較してフレキシブル性に劣る。
2:下地層
3:ガスバリア層
Claims (8)
- 下地層及びガスバリア層を含むガスバリア性積層体であって、前記下地層が、硬化性単量体を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記硬化性単量体は、分子内に1つの反応性官能基が他の反応性官能基と、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のいずれか一方、又は両方を介在して連結する構造を有し、当該ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のそれぞれの主鎖を構成する炭素原子の数の合計が18以上である長スペーサーを有する硬化性単量体を含み、
前記硬化性単量体が、さらに、1つの反応性官能基と他の反応性官能基とが、ポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基のいずれも介在さずに連結する構造、又は1つの反応性官能基が他の反応性官能基と、ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のいずれか一方、もしくは両方を介在して連結する構造を有しており、当該ポリアルキレン基及びポリオキシアルキレン基の主鎖を構成する炭素原子の数の合計が16以下である短スペーサーを有する硬化性単量体を含み、
前記下地層の破断伸度が3.5%以上である、
ガスバリア性積層体。 - 前記下地層が、さらに熱可塑性樹脂を含む、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
- 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が130℃以上である、請求項2に記載のガスバリア性積層体。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリスルホン系樹脂、又は脂環式炭化水素系樹脂である、請求項2又は3に記載のガスバリア性積層体。
- 前記下地層の厚さが0.1~50μmである、請求項1~4のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記ガスバリア層は、硬化した塗膜である、請求項1~5のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記ガスバリア層は、硬化したポリシラザン系化合物を含む層に改質処理を施したものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記ガスバリア性積層体が、さらに工程シートを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
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