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JP7211025B2 - 構造部材 - Google Patents

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JP7211025B2
JP7211025B2 JP2018213130A JP2018213130A JP7211025B2 JP 7211025 B2 JP7211025 B2 JP 7211025B2 JP 2018213130 A JP2018213130 A JP 2018213130A JP 2018213130 A JP2018213130 A JP 2018213130A JP 7211025 B2 JP7211025 B2 JP 7211025B2
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Description

本発明は、構造部材に関する。
自動車や航空機、さらには産業機械の構造部材として、種々の材料で構成された部材が用いられる場合がある。例えば、繊維強化樹脂で構成された部分を含む構造部材が用いられる場合がある。自動車の車体を構成する構造部材として、繊維強化樹脂で構成された部分を含む部材を用いた例が特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、サイドシルおよび第2フロアフレームに連結されたパネル部材を、合成樹脂で構成されたパネル状の粘弾性部材と、当該粘弾性部材の内部に埋め込まれた炭素繊維部材と、で構成することが開示されている。
特許文献2には、自動車の車体下部の剛性を補強するための帯板材を、炭素繊維強化樹脂で構成することが開示されている。
これら文献に開示のように、炭素繊維強化樹脂をはじめとする繊維強化樹脂で構成部材を構成することにより、高い剛性を得ることができる。
特開2015-174611号公報 特開2017-61170号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に開示の技術では、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることには課題がある。即ち、上記特許文献1,2に開示の部材は、内部に炭素繊維が埋め込まれた中実の部材であるので、高い曲げ剛性は得られるものの、板厚方向の曲げ剛性は十分に活かしきれておらず、捩り剛性の向上を図ろうとする場合には部材厚みを増加させることが必要となる。よって、上記特許文献1,2に開示の技術では、捩り剛性の向上を図り、高い振動減衰効果を得ようとすると質量増加を招くこととなる。
なお、上記のような問題は、自動車等の車体に限らず種々の構造体において、同じである。また、繊維強化樹脂以外の材料を用いた構造部材においても、同様の問題が存在する。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる構造部材を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る構造部材は、所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、前記バー部材の内部空間における、前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、前記断面視において、前記バー部材は、断面が四角形断面であり、前記外周壁が角部を有し、前記内部閉断面部は、前記四角形断面の前記角部を稜線として設けられており、前記開口部は、前記外周壁の前記長手方向に亘って連続するように形成されている。
上記構成の構造部材では、バー部材が開断面形状であり、閉断面ではないので、捩り剛性をコントロールすることができる。
また、上記構成の構造部材では、内部空間における外周壁に沿った部分に、内部閉断面部を有するので、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における捩り剛性のコントロールがより確実に可能であり、高い振動減衰効果を得ることができる。
また、上記構成の構造部材では、角部を稜線として内部閉断面部が設けられているので、高い強度を得ることができる。また、上記構成の構造部材でも、内部空間における外周壁に沿った部分に、内部閉断面部を有するので、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における捩り剛性のコントロールがより確実に可能であり、高い振動減衰効果を得ることができる。
また、上記構成の構造部材では、四角形断面の各角部を稜線として内部閉断面部が設けられているので、さらに高い強度を得ることができる。また、上記構成の構造部材でも、内部空間における外周壁に沿った部分に、内部閉断面部を有するので、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における捩り剛性のコントロールがより確実に可能であり、高い振動減衰効果を得ることができる。
従って、上記構成の構造部材では、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる。
なお、上記において「中空構造であり」との記載は、バー部材自体が中空構造であることを意味しており、バー部材の中空部内に別部材(例えば、発泡充填剤など)が充填形成された構成も含むものである。
また、上記において「角部」とは、角に丸みのない形態だけでなく、R15以下の角丸を有し構成された形態も含むことを意味している。
本発明の一態様に係る構造部材は、所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、前記バー部材の内部空間における、前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、前記断面視において、前記バー部材は、前記外周壁が5つ以上の角部を有し、前記内部閉断面部は、前記角部を稜線として設けられており、前記開口部は、前記外周壁の前記長手方向に亘って連続するように形成されている。
上記構成の構造部材でも、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる。
なお、上記においても「中空構造であり」との記載は、バー部材自体が中空構造であることを意味しており、バー部材の中空部内に別部材(例えば、発泡充填剤など)が充填形成された構成も含むものである。
また、上記においても「角部」とは、角に丸みのない形態だけでなく、R15以下の角丸を有し構成された形態も含むことを意味している。
本発明の一態様に係る構造部材は、所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、前記バー部材の内部空間における、前記バー部材の前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、前記断面視において、前記バー部材は、断面が略円形断面、略楕円形断面、および略中円形断面の何れかであり、前記開口部は、前記外周壁の前記長手方向に亘って連続するように形成されている。
上記構成の構造部材では、バー部材が開断面形状であり、閉断面ではないので、捩り剛性をコントロールすることができる。
また、上記構成の構造部材では、内部空間における外周壁に沿った部分に、内部閉断面部を有するので、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における捩り剛性のコントロールがより確実に可能であり、高い振動減衰効果を得ることができる。
従って、上記構成の構造部材では、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる。
なお、上記においても「中空構造であり」との記載は、バー部材自体が中空構造であることを意味しており、バー部材の中空部内に別部材(例えば、発泡充填剤など)が充填形成された構成も含むものである。
上記態様に係る構造部材において、前記断面視において、前記開口部は、前記外周壁の1箇所のみに設けられている、こととしてもよい。
上記態様に係る構造部材において、前記断面視で、前記開口部は、前記外周壁の複数の箇所に設けられており、前記複数の箇所に設けられた前記開口部のそれぞれにおいて、当該開口部を構成する前記外周壁の端部同士を連結する接着層をさらに備え、前記断面視において、前記複数の箇所に設けられた前記開口部は、互いに離間した位置に設けられた第1開口部と第2開口部とを含み、前記第1開口部は、当該第1開口部を構成する前記外周壁の端部同士の間隔である第1間隔が、前記第2開口部を構成する前記外周壁の端部同士の間隔である第2間隔よりも広くなるように設けられている、こととしてもよい。
上記態様に係る構造部材において、前記断面視で、前記内部閉断面部の内方空間は、多角形状または弧形状である、とすることとしてもよい。
上記態様に係る構造部材において、前記断面視で、前記バー部材が、前記外周壁を構成する壁を有する外殻構成部材と、前記外殻構成部材における前記内部空間に収容される内殻構成部材と、を有し、前記内部閉断面部が、前記外殻構成部材の壁内面と、前記内殻構成部材の壁外面と、の間で設けられている、とすることとしてもよい。
上記構成の構造部材では、外殻構成部材と、その内部空間に収容される内殻構成部材との組み合わせを以って、内部空間における外周壁に沿った部分に内部閉断面部を有するバー部材を構成することとしているので、一体構造のバー部材とする場合に比べて、製造時における煩雑な作業を回避することができ、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の一態様に係る構造部材は、所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、前記バー部材の内部空間における、前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、前記断面視において、前記バー部材は、前記外周壁を構成する壁を有する外殻構成部材と、前記外殻構成部材における前記内部空間に収容される内殻構成部材と、を有し、前記内部閉断面部は、前記外殻構成部材の壁内面と、前記内殻構成部材の壁外面と、の間で設けられており、前記断面視において、前記外殻構成部材は複数の構成部材から構成されており、前記内殻構成部材は複数の構成部材から構成されており、前記内部閉断面部は、前記外殻構成部材の壁内面と、前記内殻構成部材の壁外面との間に設けられており前記断面視において、前記外殻構成部材を構成する前記複数の構成部材の内の2つの前記構成部材は、端部同士の間に前記外殻構成部材の外側開口部が設けられるように配設され、前記開口部は、前記外側開口部であり、前記断面視において、前記内殻構成部材を構成する前記複数の構成部材の内の2つの前記構成部材は、端部同士の間に前記内殻構成部材の内側開口部が設けられるように、且つ、前記外側開口部の内側に配設され、前記外側開口部および前記内側開口部のそれぞれは、前記長手方向に亘って連続するように形成されている。
上記構成の構造部材では、バー部材が開断面形状であり、閉断面ではないので、捩り剛性をコントロールすることができる。
また、上記構成の構造部材では、内部空間における外周壁に沿った部分に、内部閉断面部を有するので、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における捩り剛性のコントロールがより確実に可能であり、高い振動減衰効果を得ることができる。
また、上記構成の構造部材では、外殻構成部材と、その内部空間に収容される内殻構成部材との組み合わせを以って、内部空間における外周壁に沿った部分に内部閉断面部を有するバー部材を構成することとしているので、一体構造のバー部材とする場合に比べて、製造時における煩雑な作業を回避することができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、上記構成の構造部材では、外殻構成部材および内殻構成部材のそれぞれを、複数の構成部材から構成することとしているので、さらに製造時における煩雑な作業を回避するのに優位であり、製造コストの低減を図ることができる。
従って、上記構成の構造部材でも、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる。
なお、上記においても「中空構造であり」との記載は、バー部材自体が中空構造であることを意味しており、バー部材の中空部内に別部材(例えば、発泡充填剤など)が充填形成された構成も含むものである。
上記態様に係る構造部材において、前記断面視で、前記外殻構成部材が、それぞれがハット状の断面形状を有し、互いに対向配置される第1バー構成部材および第2バー構成部材で構成され、前記内殻構成部材が、それぞれがハット状の断面形状を有し、互いに対向配置される第3バー構成部材および第4バー構成部材で構成されている、とすることとしてもよい。
上記構成の構造部材では、2つのバー構成部材の組み合わせにより外殻構成部材を構成し、2つのバー構成部材の組み合わせにより内殻構成部材を構成することとしているので、製造時における煩雑な作業を回避することができる。即ち、1つの部材で外殻構成部材を構成し、1つの部材で内殻構成部材を構成する場合に比べて、予め制作しておいた、それぞれ2つのバー構成部材を組み付けることで外殻構成部材および内殻構成部材を構成することができるので、製造時における煩雑な作業を回避することができる。
上記態様に係る構造部材において、前記断面視で、前記第1バー構成部材と前記第2バー構成部材の一端部同士の間および他端部同士の間を連結する連結部をさらに備え、前記第1バー構成部材と前記第2バー構成部材とは、前記一端部同士の間に第1間隔が空き、前記他端部同士の間に前記第1間隔よりも狭い第2間隔が空くように対向配置されており、前記内部空間には、前記一端部の側に第1内部閉断面部が設けられ、前記他端部の側に第2内部閉断面部が設けられており、前記第1内部閉断面部の閉断面面積が前記第2内部閉断面部の閉断面面積よりも大きい、とすることとしてもよい。
上記構成の構造部材では、上記一端部同士の間の第1間隔と、上記他端部同士の間第2間隔との広狭に合わせて、第1内部閉断面部の閉断面面積を第2内部閉断面部の閉断面面積よりも大きくしているので、曲げ荷重入力時における捩り剛性をバー部材全体でバランスさせることが可能となる。よって、上記構成の構造部材では、さらに高い振動減衰効果を得ることができる。
上記態様に係る構造部材において、前記バー部材が繊維強化樹脂より形成されている、とすることとしてもよい。
上記構成の構造部材では、バー部材を繊維強化樹脂より形成することとしているので、高い曲げ剛性を確保するのに優れる。
なお、上記態様に係る構造部材においては、長手方向に強化繊維が50%以上配向されてなる繊維強化樹脂によりバー部材を構成することが、高い曲げ剛性の確保および高い振動減衰効果の確保という観点から望ましい。
上記の構造部材では、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる。
第1実施形態に係る車体の下面構成を示す模式下面図である。 車体の下面の一部構成を示す模式下面図である。 車体における車室内の構成を示す模式斜視図である。 補強部材の構成を示す模式斜視図である。 図4のV-V断面を示す図であって、補強部材におけるバー部材の構成を示す模式断面図である。 バー構成部材の構成を示す模式図である。 (a)は、比較例に係るバー部材の構成を示す模式断面図であり、(b)は、参考例に係るバー部材の構成を示す模式断面図である。 実施例、参考例、および比較例の各々における、単位質量当たりの歪エネルギを示すグラフである。 (a)は、変形例1に係る角部の構成を示す模式断面図であり、(b)は、変形例2に係る角部の構成を示す模式断面図であり、(c)は、変形例3に係る角部の構成を示す模式断面図である。 (a)は、第2実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図であり、(b)は、第3実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図である。 (a)は、第4実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図であり、(b)は、第5実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図である。 (a)は、第6実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図であり、(b)は、第7実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図である。 (a)は、第8実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図であり、(b)は、第9実施形態に係るバー部材の構成を示す模式断面図である。 車体の簡易バネモデルを示す模式図である。 炭素繊維強化樹脂製部材における剛性と内部に蓄積される歪エネルギとの関係を示すグラフである。
[構造部材における捩り剛性と振動減衰性との関係に関する検討]
先ず、本願発明者等は、繊維強化樹脂で構成された部分を含む構造部材における、捩り剛性と振動減衰性との関係に関する検討を行った。以下、その検討結果を説明する。
本願発明者等は、繊維強化樹脂で構成された部分を含む構造部材を車両の車体に採用した場合の、捩り剛性と振動減衰性との関係について鋭意検討した。
車体において、乗員が感じる乗り心地に対して影響を与える車体の挙動モードは、主に次の2つの挙動モードに分類される。
〈第1の車体モード〉捩り変形に伴う車体捩りモードであって、車両の旋回時における車体の中心軸回りの捩りモーメントに基づく位相遅れに起因した車体全体の捩れ変位運動であり、剛性に関連した車体モードである。
〈第2の車体モード〉曲げ変形に伴う膜振動モードであって、路面上に存在する突起物の乗り上げ時や荒れた路面の走行時におけるフロアパネルによる上下変位運動であり、振動に関連した車体モードである。
繊維強化樹脂の一種である炭素繊維強化樹脂は異方性材料であり、繊維強化樹脂内の繊維を長手方向へ一方向に配置することで、捩れ損失係数が曲げ損失係数よりも高い値を有する異方性材料であるため、上記特許文献2に開示の帯板材が保有する振動減衰能力(歪エネルギ蓄積能力)をさらに高めることが望ましい。
即ち、上記特許文献2に開示の帯板材を構成する炭素繊維強化樹脂が材料自身の物理的性質として高い歪エネルギ蓄積能力を保有していたとしても、帯板材がフロアパネル(またはフロアパネルに連結されたフレーム部材)と同じ変形挙動を行う場合には、当該挙動に伴う捩り変形に対応した歪エネルギのエネルギ散逸能力が高く、曲げ変形に対応した歪エネルギ散逸能力は低いため、帯板材が保有する振動減衰能力を有効に活用し使い切ることが困難である。
本願発明者等は、上記のような事項を踏まえて、炭素繊維強化樹脂の歪エネルギ蓄積能力について、第1の検証解析を行った。これについて、図14および図15を用いて説明する。
図14に示すように、歪エネルギについて車体の全体構造を見た場合に、通常の車体構造では、バネ定数Kbの車体系機構と、バネ定数Kcfの炭素繊維強化樹脂部およびバネ定数Kjの締結部からなる部材系機構と、が並列接続された簡易バネモデルとして表すことができる。
よって、本願発明者等は、図14に示す簡易バネモデルを数値解析することにより、炭素繊維強化樹脂部の剛性と蓄積される歪エネルギとの相関関係を求めた。
図15に示すように、本願発明者等が行った数値解析の結果、炭素繊維強化樹脂部内に蓄積される歪エネルギは、剛性が極めて低い領域を除いて、剛性が高いほど歪エネルギが低くなり、剛性が低い部分に歪エネルギのピーク点が存在するという物理的性質の知見を得るに至った。
車体全体としては、剛性の低下により車体振動の位相遅れを生じさせない安心感を損ない、乗り心地の低下を招くおそれがある。即ち、車体剛性の確保と、炭素繊維強化樹脂部内に蓄積され散逸される歪エネルギの増加と、の両立を図ることが重要となる。
以上のような知見に基づき提案の、本発明の実施形態を以下で説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
以下の説明で用いる図面のうち、図1から図3における「Fr」は車体前方、「Re」は車体後方、「Le」は車体左方、「Ri」は車体右方を示し、完成車体を想定した場合の車両の前進方向を基準にした方向である。
[第1実施形態]
1.車体1の下面および車室1b内の構成
本実施形態に係る車体1の下面および車室1b内の構成について、図1から図3を用いて説明する。図1は、車体1の下面構成を示す模式下面図であり、図2は、車体1の下面の一部構成を示す模式下面図であり、図3は、車体1における車室1b内の構成を示す模式斜視図である。
本実施形態に係る車両の車体1は、モノコック式の車体である。図1から図3に示すように、車体1は、車室1bの下面(底面)を構成するフロアパネル2と、エンジンルーム1aと車室1bとを仕切るダッシュパネル3と、ダッシュパネル3から前方に向けて延びるように設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4と、フロアパネル2の後側端部分から後方に向けて延びるように設けられた左右一対のリヤサイドフレーム5と、を備える。
なお、ダッシュパネル3は、フロアパネル2の前端部分から上方に向けて延びるように設けられている。
さらに、車体1は、フロアパネル2の左右両端部分に配設された左右一対のサイドシル6と、左右一対のサイドシル6の各前端部分から上方に向けて延びるように設けられた左右一対のヒンジピラー7と、左右一対のサイドシル6の各中間部分から上方に向けて延びるように設けられた左右一対のセンターピラー8と、左右一対のヒンジピラー7の各上端部分から斜め後ろに向けて延びるように設けられた左右一対のフロントピラー9と、左右一対のフロントピラー9の各後端部分から後方に向けて延びるように設けられた左右一対のルーフサイドレール10と、を備える。
なお、左右一対のルーフサイドレール10は、センターピラー8に対して、その上端部分であって後端部分にそれぞれ接合されている。
図1から図3に示すように、車体1のフロアパネル2は、下方からの平面視で略矩形状に構成されたトンネル部11を備える。トンネル部11は、車幅方向(Le-Ri方向)の中央部分において、前後方向(Fr-Re方向)に延び、車室1bに対して突出した状態で設けられている。
また、トンネル部11の左右両端部分には、それぞれが前後方向(Fr-Re方向)に延びる左右一対のトンネルフレーム部12が設けられている。左右一対のトンネルフレーム部12のそれぞれは、断面形状が略ハット状であり、フロアパネル2の下面と協働して前後方向(Fr-Re方向)に略並行した状態で延びる略矩形状の閉断面を構成している。
左右一対のサイドシル6のそれぞれと左右一対のトンネルフレーム部12のそれぞれとの各間の部分には、前後方向(Fr-Re方向)に延び、断面形状が略ハット状のフロアフレーム13がそれぞれ設けられている。フロアフレーム13のそれぞれは、車体1の後側(Re側)に行くに従って車体1の外側となるように配設されており、フロアパネル2の下面と協働して前後方向(Fr-Re方向)に略並行した状態で延びる略矩形状の閉断面を構成している。
それぞれのフロアフレーム13の前端部分は、フロントサイドフレーム4の後端部分に接合されている。
フロアパネル2は、車室1b内にトンネル部11を架橋する状態で左右方向(Le-Ri方向)に延びるように設けられたクロスメンバ14,15を備えている。クロスメンバ14,15のそれぞれは、断面形状が略ハット状に設けられている。そして、クロスメンバ14,15のそれぞれは、トンネル部11の側壁部分からサイドシル6の側壁部分に亘りフロアパネル2の上面と協働して左右方向(Le-Ri方向)に延びる略矩形状の閉断面を構成している。
クロスメンバ14は、ヒンジピラー7とセンターピラー8との中間部分に対応する位置に配設され、クロスメンバ14の前側壁部には、フロアフレーム13の前端側部分にフロアパネル2を挟んで接合された上側フレーム16の後端部分が接合されている。
クロスメンバ15は、クロスメンバ14と略並行する状態で配設されており、センターピラー8に対応する位置に配設されている。
車室1b内には、左右一対の前席シート(図示を省略。)が配設されている。各シートは、当該シートの強度および剛性を確保するためのシートフレーム(図示を省略。)をそれぞれ備え、左右一対のシートレール17に対して摺動できるようになっている。
図3に示すように、左右一対のシートレール17のうち、車幅方向の外側のシートレール17は、前端部分(前側シート取付部)がクロスメンバ14の車幅方向の外側部分に固定され、後端部分(後側シート取付部)がクロスメンバ15の車幅方向の外側部分に固定されている。
左右一対のシートレール17のうち、車幅方向の内側のシートレール17は、前端部分(前側シート取付部)がクロスメンバ14の車幅方向の内側部分に固定され、後端部分(後側シート取付部)がクロスメンバ15の車幅方向の内側部分に固定されている。
また、フロアパネル2の下側には、複数の補強部材21~27が配設されている。
2.補強部材21~27の構成と車体1の部材への取付構成
補強部材21~27の構成と車体1の部材への取付構成について、図2および図4を用いて説明する。図4は、補強部材21(補強部材21~27の一例)の構成を示す模式斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係る車体1では、複数の補強部材21~27が左右対称の形態を以って配設されている。そして、補強部材21は、車体1の右側のサイドシル6とトンネルフレーム部12との間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。
補強部材22は、トンネル部11を跨ぐ状態で左右のトンネルフレーム部12の間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。補強部材23は、車体1の左側のサイドシル6とトンネルフレーム部12との間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。
補強部材24は、補強部材23よりも車体1の前方側において、車体1の左側のサイドシル6とトンネルフレーム部12との間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。補強部材25は、トンネル部11を跨ぐ状態で左右のトンネルフレーム部12同士の間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。
補強部材26は、補強部材25よりも車体1の後方側において、トンネル部11を跨ぐ状態で左右のトンネルフレーム部12同士の間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。補強部材27は、補強部材26の後端部分と、補強部材22および補強部材21の各一端とを繋ぎ、且つ、トンネルフレーム部12に対して固定箇所Pで固定されている。
なお、本実施形態では、補強部材21~27のうち、補強部材22,25,26については、トンネル部(フロアトンネル)を架橋するトンネルメンバとして配設されている。
図4に示すように、補強部材21は、一の方向であるY方向に沿って延びるように設けられたバー部材210と、バー部材210の両端部のそれぞれに固定された固定部材211,212とを有する。各固定部材211,212には、ボルトの挿通(矢印A,B)を許す孔211a,212aが設けられている。固定部材211,212は、ボルトの締結を以って補強部材21を車体1の各部に対して固定するための部材である。
バー部材210は、上述のようにY方向に沿って延びるように設けられた長尺状の部材であって、略各筒形状を有する部材である。
なお、図4では、図示を省略しているが、補強部材22~27についても、補強部材21と同様の構成を有する。ただし、車体1に対して用いる場所に応じて長尺筒部の長さや断面サイズなどは適宜設定されている。
ここで、本実施形態に係る補強部材21~27では、バー部材210の主たる部分が炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を用いて構成されている。具体的な構成については、後述する。
3.補強部材21~27のバー部材の断面構成
補強部材21~27のバー部材の断面構成について、図5および図6を用いて説明する。図5は、図4のV-V断面を示す図であり、図6は、バー部材210の構成要素であるバー構成部材213~216の構成を示す模式図である。なお、図5では、補強部材21のバー部材210を一例として図示しているが、補強部材22~27の各バー部材についても略同じ断面構成を有する。
図5に示すように、補強部材21におけるバー部材210は、内部空間210aを有する中空構造の部材であって、略閉断面形状(完全な閉断面形状ではなく、断面において狭い間隔が空けられてなる開断面形状)を有する。そして、バー部材210の内部空間には、バー部材210の外周壁に沿った部分に、閉断面形状を有する内部閉断面部210b~210eが設けられている。なお、本実施形態において、内部閉断面部210b,210dが「第1内部閉断面部」に相当し、内部閉断面部210c,210eが「第2内部閉断面部」に相当する。
具体的には、バー部材210は、4つのバー構成部材213~216と、2つの接着層217,218と、から構成されている。バー構成部材213~216のそれぞれは、CFRPを用いて構成されている。図6に示すように、バー構成部材213~216のそれぞれは、母材である樹脂2131と、強化材である炭素繊維2132とからなる。本実施形態では、一例として、長手方向(図4のY方向)に炭素繊維が50%以上配向されている。
なお、本実施形態において、バー構成部材213が「第1バー構成部材」に相当し、バー構成部材214が「第2バー構成部材」に相当し、バー構成部材215が「第3バー構成部材」に相当し、バー構成部材216が「第4バー構成部材」に相当する。また、本実施形態において、バー構成部材213とバー構成部材214とで「外殻構成部材」を構成し、バー構成部材215とバー構成部材216とで「内殻構成部材」を構成することとしている。
図5に戻って、横断面(長手方向に直交する方向での断面)において、バー構成部材213は、外周壁213c~213eと、フランジ部213f,213gとから構成されている。換言すると、バー構成部材213は、略ハット状の断面形状を有する。外周壁213cと外周壁213dとが突合せとなる箇所は、丸みをもった角部213aとなっており(矢印C1で示す部分)、外周壁213cと外周壁213eとが突合せとなる箇所も、丸みをもった角部213bとなっている(矢印C2で示す部分)。
同様に、横断面において、バー構成部材214は、外周壁214c~214eと、フランジ部214f,214gとから構成されている。換言すると、バー構成部材214も、略ハット状の断面形状を有する。外周壁214cと外周壁214dとが突合せとなる箇所は、丸みをもった角部214aとなっており(矢印C3で示す部分)、外周壁214cと外周壁214eとが突合せとなる箇所も、丸みをもった角部214bとなっている(矢印C4で示す部分)。
横断面において、バー構成部材215は、内壁215a~215eから構成されており、略ハット状の断面形状を有する。同様に、バー構成部材216は、内壁216a~216eから構成されており、略ハット状の断面形状を有する。
バー構成部材213とバー構成部材214とは、フランジ部213fとフランジ部214fとが間隔(開口)G1を空けて対向し、フランジ部213gとフランジ部214gとが間隔(開口)G2を空けて対向するように、向い合せの状態で配置されている。これにより、バー部材210では、バー構成部材213とバー構成部材214とで、四角形断面形状を有することとなる。なお、本実施形態において、間隔G1が「第1間隔」に相当し、間隔G2が「第2間隔」に相当する。そして、間隔G1と間隔G2とは、次の関係を満たすように設定されている。
G1>G2 ・・(数1)
バー構成部材215とバー構成部材216とは、内壁215aと内壁216aとが間隔を空けて対向し、内壁215cと内壁216cとが間隔を空けて対向するように、向い合せの状態で内部空間210a内で配置されている。
接着層217は、バー構成部材213のフランジ部213fとバー構成部材214のフランジ部214fとの間を連結するように形成されている。バー構成部材215の内壁215aおよびバー構成部材216の内壁216aも、バー構成部材213のフランジ部213fおよびバー構成部材214のフランジ部214fに対して接着層217により固定されている。
接着層218は、バー構成部材213のフランジ部213gとバー構成部材214のフランジ部214gとの間を連結するように形成されている。バー構成部材215の内壁215cおよびバー構成部材216の内壁216cも、バー構成部材213のフランジ部213gおよびバー構成部材214のフランジ部214gに対して接着層218により固定されている。
接着層217,218は、例えば、シリコーン系接着剤などを樹脂材料により形成されており、バー構成部材213~216の樹脂2131よりも剛性が低い。なお、本実施形態において、接着層217,218のそれぞれは、「連結部」に相当する。
また、本実施形態において、バー構成部材213のフランジ部213fが「一端部」に相当し、フランジ部213gが「他端部」に相当する。同様に、バー構成部材214のフランジ部214fが「一端部」に相当し、フランジ部214gが「他端部」に相当する。
バー部材210における内部閉断面部210bは、バー構成部材213の外周壁213c,213dの壁内面とバー構成部材215の内壁215a,215bの壁外面とで囲まれることで構成され、角部213aを稜線として設けられている。内部閉断面部210bは、X方向寸法がW1であり、Z方向寸法がH1である。
バー部材210における内部閉断面部210cは、バー構成部材213の外周壁213c,213eの壁内面とバー構成部材215の内壁215c,215dの壁外面とで囲まれることで構成され、角部213bを稜線として設けられている。内部閉断面部210cは、X方向寸法がW2であり、Z方向寸法がH2である。
バー部材210における内部閉断面部210dは、バー構成部材214の外周壁214c,214dの壁内面とバー構成部材216の内壁216a,216bの壁外面とで囲まれることで構成され、角部214aを稜線として設けられている。内部閉断面部210dは、X方向寸法がW3であり、Z方向寸法がH3である。
バー部材210における内部閉断面部210eは、バー構成部材214の外周壁214c,214eの壁内面とバー構成部材216の内壁216c,216dの壁外面とで囲まれることで構成され、角部214bを稜線として設けられている。内部閉断面部210eは、X方向寸法がW4であり、Z方向寸法がH4である。
各内部閉断面部210b~210eにおける寸法W1~W4,H1~H4は、次のような関係を満たすように設定されている。
H1≒H3 ・・(数2)
H2≒H4 ・・(数3)
H1<H2 ・・(数4)
H3<H4 ・・(数5)
W1≒W3 ・・(数6)
W2≒W4 ・・(数7)
W1>W2 ・・(数8)
W3>W4 ・・(数9)
以上の(数2)~(数9)に示すように、本実施形態に係るバー部材210においては、内部閉断面部210b,210dの閉断面面積が、内部閉断面部210c,210eの閉断面面積よりも大きく設定されている。即ち、図5の断面において、相対的に広い間隔G1が空けられた側(X方向右側)の内部閉断面部210b,210dの閉断面面積が、相対的に狭い間隔G2が空けられた側(X方向左側)の内部閉断面部210c,210eの閉断面面積よりも大きく設定されている。
また、上記の(数8)および(数9)に示すように、バー構成部材215,216のX方向での中心Ax2は、バー構成部材213,214のX方向での中心Ax1に対してX方向左側へオフセットされている。
4.バー部材210の単位質量当たりの歪エネルギ
本実施形態に係るバー部材210の単位質量当たりの歪エネルギについて、図7および図8を用いて説明する。図7(a)は、比較例に係るバー部材910の断面構成を示す模式断面図であり、図7(b)は、参考例に係るバー部材810の断面構成を示す模式断面図である。図8は、比較例および参考例との比較で、実施例に係るバー部材の単位質量当たりの歪エネルギを示すグラフである。
(実施例)
実施例に係るバー部材は、図5に示した断面構成を有するバー部材210である。
(比較例)
比較例に係るバー部材910は、図7(a)に示すように、中実の矩形断面を有するバー部材である。なお、バー部材910も、実施例と同様に、炭素繊維強化樹脂により構成されている。
(参考例)
参考例に係るバー部材810は、中空構造の略閉断面形状を有する。図7(b)に示すように、バー部材810は、2つのバー構成部材813,814と接着層817,818とから構成されている。バー構成部材813,814は、実施例と同様に、炭素繊維強化樹脂により構成されている。そして、参考例に係るバー部材810では、内部空間810aに内部閉断面部は形成されていない。
また、参考例に係るバー部材810では、バー構成部材813とバー構成部材814との間の間隔が、X方向の両側で略同一となっている。
接着層813,814については、実施形態に係るバー部材210の接着層217,218と同様にシリコーン系樹脂などで形成されている。
(単位質量当たりの歪エネルギ)
図8に示すように、実施例および参考例に係るバー部材210,810では、比較例に係るバー部材910に比べて単位質量当たりの歪エネルギE210,E810が高い。具体的には、参考例に係るバー部材810の端子質量当たりの歪エネルギE810は、比較例に係るバー部材910の単位質量当たりの歪エネルギE910に対して、2倍以上の値を示している。
また、実施例に係るバー部材210の端子質量当たりの歪エネルギE210は、比較例に係るバー部材910の単位質量当たりの歪エネルギE910に対して、6倍以上の値を示している。
5.効果
本実施形態に係る補強部材21~27では、炭素繊維強化樹脂で構成されたバー構成部材213~216を有するバー部材210を備えるので、高い曲げ剛性を有する。また、バー部材210は、略閉断面形状であり、完全な閉断面ではないので、捩り剛性をコントロールすることができる。
さらに、本実施形態に係る補強部材21~27では、内部空間210aにおける外周壁213c~213e,214c~214eに沿った部分に、内部閉断面部210b~210eを有するので、質量増加を抑制しながら、曲げ荷重入力時における捩り剛性のコントロールがより確実に可能であり、高い振動減衰効果を得ることができる。
従って、本実施形態に係る補強部材21~27では、質量増加を抑制しながら、高い曲げ剛性を確保し、且つ、曲げ荷重入力時における高い振動減衰効果を得ることができる。
また、本実施形態に係る補強部材21~27では、角部213a,213b,214a,214bを稜線として内部閉断面部210b~210eが設けられているので、高い強度を得ることができる。
また、本実施形態に係る補強部材21~27では、4つのバー構成部材213~216により、内部空間210aに内部閉断面部210b~210eを有するバー部材210を構成することとしているので、製造時における煩雑な作業を回避することができる。即ち、1つの部材で、内部空間に内部閉断面部を有するバー部材を形成する場合に比べて、予め制作しておいた4つのバー構成部材213~216を組み付けることでバー部材210を形成することができるので、製造時における煩雑な作業を回避することができる。
また、本実施形態に係る補強部材21~27では、間隔G1と間隔G2との広狭に合わせて、X方向右側の内部閉断面部210b,210dの閉断面面積をX方向左側の内部閉断面部210c,210eの閉断面面積よりも大きくしているので、曲げ荷重入力時における捩り剛性をバー部材210の全体でバランスさせることが可能となる。よって、本実施形態に係る補強部材21~27では、さらに高い振動減衰効果を得ることができる。
また、本実施形態に係る補強部材21~27では、バー部材210におけるバー構成部材213~216を炭素繊維強化樹脂より形成することとしているので、高い曲げ剛性を確保するのに優れる。
6.バー構成部材の角部についての変形例
上記バー部材210におけるバー構成部材213,214における角部213a,213b,214a,214bについて、角丸の角部であるとしたが、以下のような変形例を採用することもできる。
(変形例1)
図9(a)に示すように、変形例1に係るバー構成部材313の角部313aは、丸みを持たない角部となっている(矢印D1)。
(変形例2)
図9(b)に示すように、変形例2に係るバー構成部材413の角部413aは、外周側および内周側の両方に丸みを持った角部となっている(矢印D2,D3)。角部413aの曲率半径R1は、15mm以下(例えば、4mm~10mm以下)である。
(変形例3)
図9(c)に示すように、変形例3に係るバー構成部材513の角部513aは、外周側が丸みを持ち(矢印D4)、内周側が丸みを持たない角部となっている(矢印D5)。
なお、角部513aにおける外周側の曲率半径R2についても、15mm以下(例えば、4mm~10mm以下)である。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るバー部材610の構成について、図10(a)を用いて説明する。図10(a)は、本実施形態に係るバー部材610の断面構成を示す模式断面図である。
図10(a)に示すように、本実施形態に係るバー部材610は、2つのバー構成部材613,614と2つの接着層617,618とから構成されている。バー構成部材613,614は、上記バー構成部材213,214と同様に、略ハット状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。
バー構成部材613は、3つの外周壁613c~613eと、2つのフランジ部613f,613gと、4つの内壁613i~613lと、で構成されている。
バー構成部材614も、3つの外周壁614c~614eと、2つのフランジ部614f,614gと、4つの内壁614i~614lと、で構成されている。
バー構成部材613とバー構成部材614とは、上記第1実施形態に係るバー構成部材213とバー構成部材214と同様に、フランジ部613fとフランジ部614fとが間隔を空けて対向し、フランジ部613gとフランジ部614gとが間隔を空けて対向するように、向い合せに対向配置されている。そして、フランジ部613fとフランジ部614fとの間には、接着層617が形成され、フランジ部613gとフランジ部614gとの間には、接着層618が形成されている。
バー部材610においても、内部空間610aを有する略閉断面形状が構成され、外周壁613c~613e,614c~614eに沿った部分に4つの内部閉空間部610b~610eが設けられている。本実施形態に係るバー部材610でも、内部閉断面部610bは、角部613aを稜線として設けられ、内部閉断面部610cは、角部613bを稜線として設けられ、内部閉断面部610dは、角部614aを稜線として設けられ、内部閉断面部610eは、角部614bを稜線として設けられている。
なお、本実施形態に係るバー部材610においても、フランジ部613fとフランジ部614fとの間隔と、フランジ部613gとフランジ部614gとの間隔と、の広狭に応じて、内部閉断面部610b,610dの閉断面面積が、内部閉断面部610c,610eの閉断面面積よりも大きくなっている。
本実施形態に係るバー部材610は、2つのバー構成部材613,614と2つの接着層617,618とで構成されているが、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができる。
また、角部613a,613b,614a,614bについては、上記変形例1~変形例3と同様のバリエーション構成を採用することが可能である。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るバー部材710の構成について、図10(b)を用いて説明する。図10(b)は、本実施形態に係るバー部材710の断面構成を示す模式断面図である。
図10(b)に示すように、本実施形態に係るバー部材710も、2つのバー構成部材713,714と2つの接着層717,718とから構成されている。バー構成部材713,714は、上記バー構成部材213,214および上記バー構成部材613,614と同様に、略ハット状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。
バー構成部材713は、3つの外周壁713c~713eと、2つのフランジ部713f,713gと、3つの内壁713i,713j,713mと、で構成されている。
バー構成部材714は、3つの外周壁714c~714eと、2つのフランジ部714f,714gと、で構成されている。本実施形態に係るバー構成部材714は、内壁を有さない。
バー構成部材713とバー構成部材714とは、上記第1実施形態および上記第2実施形態と同様に、フランジ部713fとフランジ部714fとが間隔を空けて対向し、フランジ部713gとフランジ部714gとが間隔を空けて対向するように、向い合せに対向配置されている。そして、フランジ部713fとフランジ部714fとの間には、接着層717が形成され、フランジ部713gとフランジ部714gとの間には、接着層718が形成されている。
バー部材710においては、内部空間710aを有する略閉断面形状が構成され、外周壁713cに沿った部分に1つの内部閉空間部710fが設けられている。本実施形態に係るバー部材710では、上記第1実施形態および上記第2実施形態とは異なり、内部閉断面部710fは、角部713a,713b,714a,714bを稜線としては設けられていない。
なお、本実施形態に係るバー部材710においても、フランジ部713fとフランジ部714fとの間の間隔が、フランジ部713gとフランジ部714gとの間の間隔に比べて広い、との構成は、上記第1実施形態および上記第2実施形態と同じである。
本実施形態に係るバー部材710では、内部閉断面部710fが角部713a,713b,714a,714bを稜線とせず設けられているが、振動減衰性の観点で上記第1実施形態および上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係るバー部材の構成について、図11(a)を用いて説明する。図11(a)は、本実施形態に係るバー部材を構成するバー構成部材720の断面構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態に係るバー部材では、接着層を備えていない。
図11(a)に示すように、本実施形態に係るバー構成部材720は、略U字状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。バー構成部材720は、3つの外周壁720c~720eと、4つの内壁720j~720mと、で構成されている。そして、バー構成部材720は、Z方向の下方に開口部720bを有する。
バー構成部材720においては、内部に内部空間720aが構成されており、外周壁720c~720eに沿った部分に2つの内部閉空間部720h~720iが設けられている。本実施形態に係るバー構成部材720でも、内部閉断面部720hは、角部720fを稜線として設けられ、内部閉断面部720iは、角部720gを稜線として設けられている。内部閉断面部720hは、外周壁720c,720dと内壁720j,720kとで構成されている。内部閉断面部720iは、外周壁720c,720eと内壁720l,720mとで構成されている。
なお、本実施形態に係るバー構成部材720においても、内部閉断面部720hと内部閉断面部720iとの広狭を付けるようにすることもできる。
本実施形態に係るバー構成部材720を備えるバー部材でも、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができる。
また、本実施形態に係るバー部材では、Z方向の下方に開口部を有するバー構成部材720を採用しているので、矢印Eで示すように飛水があった場合にも、開口部720bから水や泥が外部に排出され、内部空間720a内に水や泥が残留し難い。よって、本実施形態に係るバー部材では、耐食性に優れ、高い耐候性を有する。
なお、角部720f,720gについては、上記変形例1~変形例3と同様のバリエーション構成を採用することが可能である。
[第5実施形態]
第5実施形態に係るバー部材の構成について、図11(b)を用いて説明する。図11(b)は、本実施形態に係るバー部材を構成するバー構成部材730の断面構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態に係るバー部材でも、上記第4実施形態に係るバー部材と同様に、接着層を備えていない。
図11(b)に示すように、本実施形態に係るバー構成部材730は、略U字状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。バー構成部材730は、3つの外周壁730c~730eと、2つの内壁730j,730kと、で構成されている。そして、バー構成部材730も、上記第4実施形態に係るバー構成部材720と同様に、Z方向の下方に開口部730bを有する。
バー構成部材730においては、内部に内部空間730aが構成されており、外周壁730c~730eに沿った部分に2つの内部閉空間部730h,730iが設けられている。本実施形態に係るバー構成部材730でも、内部閉断面部730hは、角部730fを稜線として設けられ、内部閉断面部730iは、角部730gを稜線として設けられている。内部閉断面部730hは、外周壁730c、730dと内壁730jとにより構成されている。内部閉断面部730iは、外周壁730c,730eと内壁730kとで構成されている。
なお、本実施形態に係るバー構成部材730においても、内部閉断面部730hと内部閉断面部730iとの広狭を付けるようにすることもできる。
本実施形態に係るバー構成部材730を備えるバー部材でも、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができるとともに、上記第4実施形態に係るバー部材と同様に、耐食性に優れ、高い耐候性を有する。
さらに、本実施形態に係るバー構成部材730では、三角形の内部閉断面部730h,730iを有することにより、稜線部の角度変化を高効率に抑制することができる。
なお、角部730f,730gについては、上記変形例1~変形例3と同様のバリエーション構成を採用することが可能である。
[第6実施形態]
第6実施形態に係るバー部材の構成について、図12(a)を用いて説明する。図12(a)は、本実施形態に係るバー部材を構成するバー構成部材740の断面構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態に係るバー部材では、上記第1実施形態等と同様に接着層を備えていてもよいし、上記第4実施形態に係るバー部材と同様に、接着層を備えていなくてもよい。
図12(a)に示すように、本実施形態に係るバー構成部材740は、略四角形状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。バー構成部材740は、5つの外周壁740c~740gと、4つの内壁740p~740sと、で構成されている。そして、バー構成部材740では、X方向右側の部分において、外周壁740eと外周壁740fとの間に開口部740bを有する。なお、外周壁740e,740fにおける開口部740bを臨む部分については、上記第1実施形態等と同様にフランジ形状とすることもできる。
バー構成部材740においては、内部に内部空間740aが構成されており、外周壁740c~740gに沿った部分に4つの内部閉空間部740l~740oが設けられている。本実施形態に係るバー構成部材740でも、内部閉断面部740lは、角部740hを稜線として設けられ、内部閉断面部740mは、角部740iを稜線として設けられ、内部閉断面部740nは、角部740jを稜線として設けられ、内部閉断面部740oは、角部740kを稜線として設けられている。内部閉断面部740lは、外周壁740c、740eと内壁740pとにより構成されている。内部閉断面部740mは、外周壁740c,740gと内壁740qとで構成されている。内部閉断面部740nは、外周壁740d、740fと内壁740rとにより構成されている。内部閉断面部740oは、外周壁740d、740gと内壁740sとにより構成されている。
なお、本実施形態に係るバー構成部材740においても、内部閉断面部740l,内部閉断面部740l~740oの間で互いに広狭を付けるようにすることもできる。
本実施形態に係るバー構成部材740を備えるバー部材でも、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができるとともに、上記第5実施形態と同様に、三角形の内部閉断面部740l~740oを有することにより、稜線部の角度変化を高効率に抑制することができる。
なお、角部740h~740kについては、上記変形例1~変形例3と同様のバリエーション構成を採用することが可能である。
[第7実施形態]
第7実施形態に係るバー部材の構成について、図12(b)を用いて説明する。図12(b)は、本実施形態に係るバー部材を構成するバー構成部材750の断面構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態に係るバー部材では、上記第1実施形態等と同様に接着層を備えていてもよいし、上記第4実施形態に係るバー部材と同様に、接着層を備えていなくてもよい。
図12(b)に示すように、本実施形態に係るバー構成部材750は、略四角形状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。バー構成部材750は、5つの外周壁750c~750gと、互いに連続するように形成された4つの内壁750p~750sと、で構成されている。そして、バー構成部材750でも、X方向右側の部分において、外周壁750eと外周壁750fとの間に開口部750bを有する。なお、外周壁750e,750fにおける開口部750bを臨む部分については、上記第1実施形態等と同様にフランジ形状とすることもできる。
バー構成部材750においては、内部に内部空間750aが構成されており、外周壁750c~750gに沿った部分に4つの内部閉空間部750l~750oが設けられている。本実施形態に係るバー構成部材750でも、内部閉断面部750lは、角部750hを稜線として設けられ、内部閉断面部750mは、角部750iを稜線として設けられ、内部閉断面部750nは、角部750jを稜線として設けられ、内部閉断面部750oは、角部750kを稜線として設けられている。内部閉断面部750lは、外周壁750c、750eと内壁750pとにより構成されている。内部閉断面部750mは、外周壁750c,750gと内壁750qとで構成されている。内部閉断面部750nは、外周壁750d、750fと内壁750rとにより構成されている。内部閉断面部750oは、外周壁750d、750gと内壁750sとにより構成されている。
なお、本実施形態に係るバー構成部材750においても、内部閉断面部750l~750oの間で互いに広狭を付けるようにすることもできる。
本実施形態に係るバー構成部材750を備えるバー部材でも、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができるとともに、上記第6実施形態と同様に、三角形の内部閉断面部750l~750oを有することにより、稜線部の角度変化を高効率に抑制することができる。
なお、角部750h~750kについては、上記変形例1~変形例3と同様のバリエーション構成を採用することが可能である。
[第8実施形態]
第8実施形態に係るバー部材の構成について、図13(a)を用いて説明する。図13(a)は、本実施形態に係るバー部材を構成するバー構成部材760の断面構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態に係るバー部材では、上記第1実施形態等と同様に接着層を備えていてもよいし、上記第4実施形態に係るバー部材と同様に、接着層を備えていなくてもよい。
図13(a)に示すように、本実施形態に係るバー構成部材730は、一部に凹入した部分を有する略多角形状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。バー構成部材760は、外周壁760c~760oと、4つの内壁760ac,760bb,760cb,760dbと、で構成されている。そして、バー構成部材760でも、X方向右側の部分において、外周壁760mと外周壁760nとの間に開口部760bを有する。なお、外周壁760m,760nにおける開口部760bを臨む部分については、上記第1実施形態等と同様にフランジ形状とすることもできる。
バー構成部材760においては、内部に内部空間760aが構成されており、外周壁760c~760oに沿った部分に4つの内部閉空間部760ab,760ba,760ca,760daが設けられている。本実施形態に係るバー構成部材760では、内部閉断面部760abは、3つの角部760p,760aa,760zを稜線として設けられ(F,F12,F11)、内部閉断面部760baは、3つの角部760q~760sを稜線として設けられ(F~F)、内部閉断面部760caは、3つの角部760t~760vを稜線として設けられ(F~F)、内部閉断面部760daは、3つの角部760w~760yを稜線として設けられている(F~F10)。
内部閉断面部760abは、外周壁760d、760m,760gと内壁760acとにより構成されている。内部閉断面部760baは、外周壁740i,740n,760lと内壁760bbとで構成されている。内部閉断面部760caは、外周壁760h、760k,760oと内壁760cbとにより構成されている。内部閉断面部760daは、外周壁760c、760f,760oと内壁760dbとにより構成されている。
なお、本実施形態に係るバー構成部材760においても、内部閉断面部760ab,760ba,760ca,760daの間で互いに広狭を付けるようにすることもできる。
本実施形態に係るバー構成部材760を備えるバー部材でも、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができるとともに、矢印F~F12で示すように、12の稜線を設けることにより、曲げ強度の向上が図られている。即ち、数多くの稜線を設けることにより、バー構成部材760の撓みを抑制することができ、曲げ強度の向上を図ることができる。
なお、角部760p~760z,760aaについては、上記変形例1~変形例3と同様のバリエーション構成を採用することが可能である。
[第9実施形態]
第9実施形態に係るバー部材の構成について、図13(b)を用いて説明する。図13(b)は、本実施形態に係るバー部材を構成するバー構成部材770の断面構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態に係るバー部材では、上記第1実施形態等と同様に接着層を備えていてもよいし、上記第4実施形態に係るバー部材と同様に、接着層を備えていなくてもよい。
図13(b)に示すように、本実施形態に係るバー構成部材770は、略楕円形状または略長円形状の断面形状を有するCFRPからなる部材である。バー構成部材770は、外周壁770cと、6つの内壁770f~770kと、で構成されている。そして、バー構成部材770も、X方向右側に開口部770bを有する。なお、バー構成部材770の断面形状については、略円形断面であってもよい。
バー構成部材770においては、内部に内部空間770aが構成されており、外周壁770cに沿った部分に2つの内部閉空間部770d,770eが設けられている。内部閉断面部770dは、外周壁770cと3つの内壁770f~770hとにより構成されている。内部閉断面部770eは、外周壁770cと3つの内壁770i~770kとで構成されている。内壁770f,770iは、外周壁770cに間隔をおいて沿うように弧状に形成されている。
なお、本実施形態に係るバー構成部材770においても、内部閉断面部770dと内部閉断面部770eとの広狭を付けるようにすることもできる。
本実施形態に係るバー構成部材770を備えるバー部材でも、上記第1実施形態に係るバー部材210と同じ効果を得ることができるとともに、捩り強度の向上が図られている。即ち、バー構成部材770では、捩り中心Ax770に対して、均等な距離L~Lに構成部位を配置する構造を採用することにより、最も応力が高くなる最外部位に均等に応力を分布させることができ、局所的な強度低下の発生を抑制することができる。
[その他の変形例]
上記第1実施形態から上記第9実施形態では、繊維強化樹脂製の構造部材の一例として、車体1の下面の補強に用いられる補強部材21~27を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、車幅方向左右のサスタワー間を架橋するストラットタワーバに用いることも可能である。
また、本発明では、ある部位を補強するための部材だけでなく、構造部材そのものとして、上記のような構成の部材を採用することでも、上記同様の効果を得ることができる。例えば、車体であれば、ルーフサイドレールやセンターピラー、さらにはフロントピラーなどに適用することも可能である。
また、上記構成の構造部材については、自動車等の車体に限らず種々の構造体(例えば、産業機器など)に適用することも可能である。
また、上記第1実施形態から上記第7実施形態では、バー部材210,610,710,720,730,740,750の断面形状として、略四角形断面を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、断面形状について、四角形に限らず円形や楕円形や長円形、さらには三角形あるいは五角形よりも多角の多角形断面などを採用することも可能である。
また、上記第1実施形態から上記第3実施形態では、複数のバー構成部材213~216,313,413,513,613,614,713,714によりバー部材210,610,710を構成することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、1つの部材で一体形成されたバー部材を採用することも可能である。
また、上記第1実施形態から上記第9実施形態では、繊維強化樹脂の一例として炭素繊維強化樹脂を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)や、アラミド繊維強化樹脂(ArFRP)や、炭化ケイ素繊維強化樹脂(SiCFRP)や、非鉄金属などの金属繊維を用いた繊維強化樹脂などを採用することも可能である。
また、本発明では、バー構成部材を繊維強化樹脂以外の材料、例えば、アルミニウム合金や鋼材などを用いて構成することもできる。
さらに、本発明では、外殻構成部材である外周壁と、内殻構成部材である内壁と、の一方を繊維強化樹脂を用いて構成し、他方を繊維強化樹脂以外の材料を用いて構成することもできる。
1 車体
21~27 補強部材(構造部材)
210,610,710 バー部材
210a,610a,710a 内部空間
210b~210e,610b~610e,710f,720h,720i,730h,730i,740l~740o,750l~750o,760ab,760ba,760ca,760da,770d,770e 内部閉断面部
213~216,313,413,513,613,614,713,714,720,730,740,750,760,770 バー構成部材
213a~213b,214a~214b,313a,413a,513a,613a~613b,614a~614b,713a~713b,714a~714b,720f,720g,730f,730g,740h~740k,750h~750k,760p~760z,760aa 角部
213c~213e,214c~214e,613c~613e,614c~614e,713c~713e,714c~714e,720c~720e,730c~730e,740c~740g,750c~750g,760c~760o,770c 外周壁
215a~215e,216a~216e,613i~613l,614i~614l,713j~713m,720j~720m,730j,730k,740p~740s,750p~750s,760ac,760bb,760cb,760db,770f~770k 内壁
217~218,617~618,717~718 接着層(連結部)
2131 部材(樹脂)
2132 炭素繊維(強化繊維)

Claims (11)

  1. 所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、
    前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、
    前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、
    前記バー部材の内部空間における、前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、
    前記断面視において、前記バー部材は、断面が四角形断面であり、前記外周壁が角部を有し、
    前記内部閉断面部は、前記四角形断面の前記角部を稜線として設けられており
    前記開口部は、前記外周壁の前記長手方向に亘って連続するように形成されている、
    構造部材。
  2. 所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、
    前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、
    前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、
    前記バー部材の内部空間における、前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、
    前記断面視において、前記バー部材は、前記外周壁が5つ以上の角部を有し、
    前記内部閉断面部は、前記角部を稜線として設けられており、
    前記開口部は、前記外周壁の前記長手方向に亘って連続するように形成されている、
    構造部材。
  3. 所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、
    前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、
    前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、
    前記バー部材の内部空間における、前記バー部材の前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、
    前記断面視において、前記バー部材は、断面が略円形断面、略楕円形断面、および略中円形断面の何れかであり、
    前記開口部は、前記外周壁の前記長手方向に亘って連続するように形成されている、
    構造部材。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の構造部材において、
    前記断面視において、前記内部閉断面部の内方空間は、多角形状または弧形状である、
    構造部材。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の構造部材において、
    前記断面視において、前記開口部は、前記外周壁の1箇所のみに設けられている、
    構造部材。
  6. 請求項1から請求項4の何れかに記載の構造部材において、
    前記断面視において、前記開口部は、前記外周壁の複数の箇所に設けられており、
    前記複数の箇所に設けられた前記開口部のそれぞれにおいて、当該開口部を構成する前記外周壁の端部同士を連結する接着層をさらに備え、
    前記断面視において、前記複数の箇所に設けられた前記開口部は、互いに離間した位置に設けられた第1開口部と第2開口部とを含み、
    前記第1開口部は、当該第1開口部を構成する前記外周壁の端部同士の間隔である第1間隔が、前記第2開口部を構成する前記外周壁の端部同士の間隔である第2間隔よりも広くなるように設けられている、
    構造部材。
  7. 請求項1から請求項4の何れかに記載の構造部材において、
    前記断面視において、前記バー部材は、前記外周壁を構成する壁を有する外殻構成部材と、前記外殻構成部材における前記内部空間に収容される内殻構成部材と、を有し、
    前記内部閉断面部は、前記外殻構成部材の壁内面と、前記内殻構成部材の壁外面と、の間で設けられている、
    構造部材。
  8. 所定の方向に延びる長尺状の構造部材であって、
    前記構造部材の長手方向に延びるように形成された、中空構造のバー部材を備え、
    前記バー部材を前記長手方向に直交する方向に断面視する場合に、前記バー部材の外周壁は、一部に開口部を有する開断面形状であり、
    前記バー部材の内部空間における、前記外周壁に沿った部分であって、前記開口部と異なる位置に、閉断面形状を有する内部閉断面部を有し、
    前記断面視において、前記バー部材は、前記外周壁を構成する壁を有する外殻構成部材と、前記外殻構成部材における前記内部空間に収容される内殻構成部材と、を有し、
    前記内部閉断面部は、前記外殻構成部材の壁内面と、前記内殻構成部材の壁外面と、の間で設けられており、
    前記断面視において、前記外殻構成部材は複数の構成部材から構成されており、前記内殻構成部材は複数の構成部材から構成されており、
    前記内部閉断面部は、前記外殻構成部材の壁内面と、前記内殻構成部材の壁外面との間に設けられており
    前記断面視において、前記外殻構成部材を構成する前記複数の構成部材の内の2つの前記構成部材は、端部同士の間に前記外殻構成部材の外側開口部が設けられるように配設され、
    前記開口部は、前記外側開口部であり、
    前記断面視において、前記内殻構成部材を構成する前記複数の構成部材の内の2つの前記構成部材は、端部同士の間に前記内殻構成部材の内側開口部が設けられるように、且つ、前記外側開口部の内側に配設され、
    前記外側開口部および前記内側開口部のそれぞれは、前記長手方向に亘って連続するように形成されている、
    構造部材。
  9. 請求項7または請求項8に記載の構造部材において、
    前記断面視において、
    前記外殻構成部材は、それぞれがハット状の断面形状を有し、互いに対向配置される第1バー構成部材および第2バー構成部材で構成され、
    前記内殻構成部材は、それぞれがハット状の断面形状を有し、互いに対向配置される第3バー構成部材および第4バー構成部材で構成されている、
    構造部材。
  10. 請求項9に記載の構造部材において、
    前記断面視において、前記第1バー構成部材と前記第2バー構成部材の一端部同士の間および他端部同士の間を連結する連結部をさらに備え、
    前記第1バー構成部材と前記第2バー構成部材とは、前記一端部同士の間に第1間隔が空き、前記他端部同士の間に前記第1間隔よりも狭い第2間隔が空くように対向配置されており、
    前記内部空間には、前記一端部の側に第1内部閉断面部が設けられ、前記他端部の側に第2内部閉断面部が設けられており、
    前記第1内部閉断面部の閉断面面積は、前記第2内部閉断面部の閉断面面積よりも大きい、
    構造部材。
  11. 請求項1から請求項10の何れかに記載の構造部材において、
    前記バー部材は、繊維強化樹脂により形成されている、
    構造部材。
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