JP7177297B1 - 光硬化型インクジェット用インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記A~Eを含有し、A/Dの比が1/9~9/1であり、インク組成物中におけるAとDの合計量が5~40%であり、分子量500未満の光重合開始剤の含有量が0.2%未満であり、粘度が100cps以下であり、かつ表面張力が32.0mN/m以下である光硬化型インクジェット用インク組成物。
A.エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤
B.分子量500以上のチオキサントン系高分子光増感剤
C.(メタ)アクリレート系化合物
D.重量平均分子量500~3,000、かつ粘度4,000cps未満のアミン変性オリゴマー
E.表面調整剤
【選択図】なし
Description
溶剤型インクジェット用インク組成物を用いて印刷を行う場合には、印刷後においてこのインク組成物を乾燥や固化させる必要があり、そのような工程を経ないと、印刷後の印刷物をその後の加工工程で加工することが困難になる。
このような後加工を念頭においた印刷工程においては、光硬化型インクジェット用インク組成物のなかでも無溶剤のものを使用することが好ましい。但し、印刷後速やかに加工を行うために、光硬化型インクジェット用インク組成物をすぐに硬化させるために、光重合開始剤のなかでも特に反応性が高い、低分子量の光重合開始剤を選択したりした。
しかしながらこのような反応性が高い低分子量の光重合開始剤を採用すると、光硬化後の光硬化型インクジェット用インク組成物の塗膜から、未反応の開始剤や開始剤断片等、光重合開始剤に由来する成分がマイグレーションする可能性があった。
又、特許文献2に示すように、アミド結合を4つ有する特定の化合物を有し、かつ分子量が400~2,000の光重合開始剤を有するインクジェットインク組成物が知られている。
そして、特許文献3に示すように、アシルホスフィン構造を有する高分子開始剤、重合性化合物、着色剤を含有する、マイグレーションが少ないインクジェット用インク組成物は知られている。
又、増感剤としてOMNIPOL TXを含有できること、重合性化合物としてトリプロピレングリコールジアクリレートやEO変性トリメチロールプロパントリアクリレートを使用できることも知られている。
しかしながら、これらの特許文献に記載された発明のような、他の物品へのマイグレーション防止の観点から光重合開始剤を高分子量化させた組成物であると、光硬化型のインクジェット用インク組成物が高粘度化する可能性があった。
1.下記A~Eを含有し、A/Dの比が1/9~9/1であり、インク組成物中におけるAとDの合計量が5~40%であり、分子量500未満の光重合開始剤の含有量が0.2%未満であり、粘度が100cps以下であり、かつ表面張力が32.0mN/m以下である光硬化型インクジェット用インク組成物。
A.エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤
B.分子量500以上のチオキサントン系高分子光増感剤
C.(メタ)アクリレート系重合性化合物
D.重量平均分子量500~3,000、かつ粘度4,000cps未満のアミン変性光重合性オリゴマー
E.表面調整剤
2.分子量500未満の増感剤の含有量が0.2%未満である、1に記載の光硬化型インクジェット用インク組成物。
3.平均粒子径が500nm以下の顔料を含有する1又は2に記載の光硬化型インクジェット用インク組成物。
なお本発明では、光硬化型インクジェット用インク組成物を印刷し硬化して形成した印刷部において、未反応の開始剤や開始剤断片を含め、基材を通り抜けて疑似食品(エタノール水溶液)へ移行した開始剤由来の成分を全てマイグレーション成分という。
更に、本発明における光硬化型インクジェット用インク組成物は印刷用であり、三次元造形物を得るためのものではない。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物はエチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤を含有する。そして、本発明においては、1種又は2種以上のエチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤を、光硬化型インクジェット用インク組成物に含有させることができる。
エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤が有するエチレン性不飽和結合は、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリレート基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種又は2種以上の結合である。又、エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤がエチレン性不飽和結合を二つ以上有する場合、それらは同一であっても、異なってもよい。更に、エチレン性不飽和結合として(メタ)アクリルアミド基を少なくとも一つ有することが好ましい。エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤がラジカル系光重合開始剤である場合においては、(メタ)アクリルアミド基の含有により光の吸収波長が長波長側にシフトし、高エネルギーで危険性の高い短波長光線を使用しなくてもよいため光硬化反応の安全性が高くなり、又、(メタ)アクリルアミド基の重合性が高いため、それを含有する光硬化型インクジェット用インク組成物の光硬化性が高くなる。エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤がカチオン系光重合開始剤であるときのもの、又はエチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤がアニオン系光重合開始剤であるときのものと併用する場合においては、(メタ)アクリルアミド基が酸性条件下でも、塩基性条件下でも、優れた耐加水分解性を有するため、硬化前の組成物の安定性も硬化後の硬化物の耐久性も良好となる。
エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤に用いられる光ラジカル重合開始性官能基は、光照射により活性ラジカルを発生させるものであって、又、光重合反応後、硬化物中に共有結合を介して構造単位として存在できる水素引抜き型光ラジカル重合開始性官能基を有することが好ましい。これらの光重合開始性官能基は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
又チオキサントン系高分子光重合開始剤 を併用しても良く、しなくても良い。
エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤は、ポリエーテル骨格とウレタン結合を有する二価の有機基と該有機基に結合したベンゾフェノン骨格を繰り返し単位として1つ以上、及び、該繰り返し単位に結合した1つ以上の(メタ)アクリルアミド単位、を有する。ポリエーテル骨格の柔軟性とウレタン結合の強靭性の相互作用により、インク組成物及びその硬化後塗膜の樹脂フィルムへの密着性が優れ、又、高分子光重合開始剤の分子量を容易に調整することが可能であり、インク組成物の粘度を適宜に調整することができる。本発明は、このようなインク組成物及びその硬化後塗膜の樹脂フィルムへの密着性が優れる効果を有することを前提とした発明である。
本発明中のエチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤は、高分子量であって、かつエチレン性不飽和性を有する基と、光重合開始性を有する基をそれぞれ1つ以上有する化合物であり、これらの基以外の高分子の構造を問わず、1つの高分子に、それぞれの基を有することが必要である。このような構造を備えることにより、本発明の効果を発揮できる。
そして、本発明中のエチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤の一例としては、下記表1に記載のエチレン性不飽和基、エチレン性不飽和基の個数/ベンゾフェノン基の個数、及び数平均分子量を有するものを示すことができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。これらの中でも、発光ダイオード(LED)光に対する硬化性が良好である観点から、トリアジン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましい。前記光重合開始剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、フェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸のエトキシ変性グリセロールトリエステル(Phenyl(2,4,6-rimethylbenzoyl)phosphinic acidglycerol ethoxylated triester)(Omnipol-TP(IGM Resins B.V.社))、ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられる。又チオキサントン系高分子光重合開始剤を併用しても良く、しなくても良い。
ここで高分子ではない光重合開始剤として、分子量が500未満の光重合開始剤の含有量を0.20質量%未満とすることが好ましく、0.15質量%未満とすることがより好ましく、0.10質量%未満とすることが更に好ましい。このように分子量が500未満の光重合開始剤の含有量を低くすることにより、光硬化後のインク組成物層における低分子量の成分の含有量を削減することができ、マイグレーションの発生を抑制することができる。
更に、この高分子開始剤の具体例としては、例えば、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)α-(1-オキソ-2-プロペニル)-ω-(4-ベンゾイル-フェノキシ)-、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
分子量500以上のチオキサントン系高分子光増感剤として、Omnipol TX((2-カルボキシメトキシチオキサントン)-(ポリテトラメチレングリコール250)ジエステル)(数平均分子量:660)(IGM Resins B.V.社製)、Genopol TX-1(数平均分子量:820)(RaHN社製)等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物の全重合性成分の合計量100質量部に対して、分子量500以上のチオキサントン系高分子光増感剤を0.05~10.0質量部となるように含有することが好ましい。そして、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上であり、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは6.0質量部以下である。
本発明においてはその他の高分子増感剤を使用できる。アシルフォスフィン系高分子増感剤として、SpeedCure 7010(分子量1839)(ランブソン社製)等、更に、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパン)(Lamberti社製、「ESACURE KIP 150」、「ESACURE1」)、ポリエチレングリコール200-ジ(β-4(4-(2-ジメチルアミノ-2-ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、(カルボキシメトキシメトキシベンゾフェノン)-(ポリエチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol BP」)等があげられる。これらは単独で用いても、複数組み合わせて用いてもよい。
本発明において高分子増感剤を含有させることにより、高分子重合開始剤と協同して、硬化性を向上させると共に、マイグレーションしにくい高分子増感剤にすることにより、硬化後に残留する揮発性成分やマイグレーション成分を削減できる。
本発明は、その効果を阻害しない範囲において、高分子ではないその他の増感剤を含有できるが、含有させなくてもよい。なお、チオキサントン系光増感剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
チオキサントン系光増感剤としては、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等が挙げられ、チオキサントン系光増感剤では、商品名「DETX」(2,4-ジエチルチオキサントン)、「ITX」(Lambson社)等が挙げられる。
なお、下記のアミノベンゾエート化合物は増感剤であっても、D.(メタ)アクリル酸アミド系化合物と同等の作用を発揮するものとした。
過剰添加を防止する観点から、その他の増感剤を含有させる場合には、本発明による効果を毀損しない範囲にて、光重合性成分全体を100質量部としたときに、その他の光増感剤を0.3~10.0質量部含有できる。更に、1.0質量部以上含有してもよく、9.0質量部以下含有させてもよい。
ここでその他の光増感剤として、分子量が500未満の増感剤の含有量を0.20質量%未満とすることが好ましく、0.15質量%未満とすることがより好ましく、0.10質量%未満とすることが更に好ましい。このように分子量が500未満の増感剤の含有量を低くすることにより、光硬化後のインク組成物層における低分子量の成分の含有量を削減することができ、マイグレーションの発生を抑制することができる。
本発明におけるC.(メタ)アクリレート系重合性化合物は、光重合性化合物の1種であり、以下の化合物から1種以上を採用できる。なお、下記のD.アミン変性光重合性オリゴマーを包含しない。
C.(メタ)アクリレート系重合性化合物としては、モノマーとして、単官能の(メタ)アクリレート系重合性化合物及び多官能の(メタ)アクリレート系重合性化合物が挙げられる。
本発明におけるC.(メタ)アクリレート系重合性化合物の、全光重合性成分中の含有量は、50.0質量%以上が好ましく、60.0質量%以上がより好ましく、65.0質量%以上が更に好ましい。又97.0質量%以下が好ましく、95.0質量%以下がより好ましく、90.0質量%以下が更に好ましい。
単官能の(メタ)アクリレート系重合性化合物としては、アルキル(メタ)アクリレート系化合物、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物、エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、その他の(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
本発明において、単官能の(メタ)アクリレート系重合性化合物の、全光重合性成分中の含有量は、15.0質量%以上が好ましく、20.0質量%以上がより好ましく、25.0質量%以上が更に好ましい。又70.0質量%以下が好ましく、65.0質量%以下がより好ましく、60.0質量%以下が更に好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物が単官能のアルキル(メタ)アクリレート系化合物を含有する場合の、全光重合性成分中の含有量は、10.0質量%以上が好ましく、12.0質量%以上がより好ましく、15.0質量%以上が更に好ましい。又85.0質量%以下が好ましく、80.0質量%以下がより好ましく、75.0質量%以下が更に好ましい。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-エチルヘキシルEO変性(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、p-クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール変性(メタ)アクリレート類等が挙げられる。本発明においては、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物を含有させることが好ましく、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有させることがより好ましい。
全重合性成分中のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物の含有量は、20.0質量%以上が好ましく、25.0質量%以上がより好ましく、30.0質量%以上が更に好ましい。又65.0質量%以下が好ましく、60.0質量%以下がより好ましく、55.0質量%以下が更に好ましい。
ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H-ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,6-ジブロモ-4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノール3EO(エチレンオキサイド)付加(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、1,3-ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO繰返し単位数400、700等)、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート等)、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート(エトキシ化(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート等)、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化コハク酸(メタ)アクリレート、エトキシ化トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート等のアルコキシ系及び又はフェノキシ系(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート等が挙げられる。
その他の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、ジフェニル-2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性-2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシ-1-(メタ)アクリロキシ-3-メタクリロキシプロパン、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、エチルジグリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド4級塩、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、クレゾール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、1-(メタ)アクリロイルピペリジン-2-オン、2-(メタ)アクリル酸-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デシ-2-イルメチル、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、マレイミド等が挙げられる。
多官能重合性化合物(不飽和結合を2つ以上備えた化合物)としては、例えば下記の多官能(メタ)アクリレート系化合物やビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物等を用いることができる。
多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトール等の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー等を使用できる。これらの多官能(メタ)アクリレート系化合物の中でもポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、ジアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが更に好ましい。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1-ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸-2-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジメチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸-6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-m-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-o-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル等が挙げられる。
中でもPO変性されていても良いネオペンチルグリコールジアクリレート及び/又はEO変性トリメチロールプロパントリアクリレート及び/又は3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートと、ジプロピレングリコールジアクリレートを含有することが更に好ましく、中でもPO変性されていても良いネオペンチルグリコールジアクリレートと、ジプロピレングリコールジアクリレートを含有することが最も好ましい。
なお、EO変性とはエチレンオキサイド変性であり、PO変性とはプロピレンオキサイド変性である。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物が含有できる多官能(メタ)アクリレート系化合物の含有量は、光重合性成分全体に対して15.0質量%以上が好ましく、20.0質量%以上がより好ましく、25.0質量%以上が更に好ましい。又55.0質量%以下が好ましく、50.0質量%以下がより好ましく、45.0質量%以下が更に好ましい。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物が、ジプロピレングリコールジアクリレートと、PO変性されていても良いネオペンチルグリコールジアクリレートを含有するときに、ジプロピレングリコールジアクリレートと、PO変性されていても良いネオペンチルグリコールジアクリレートの質量比は、1/10~10/1が好ましく、3/7~7/3がより好ましく、4/6~6/4が更に好ましい。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物は、(メタ)アクリル酸アミド系化合物を含有しても良く、含有しなくても良い。(メタ)アクリル酸アミド系化合物としては、例えば、アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。中でもアクリロイルモルフォリンが好ましい。
なお、これらの(メタ)アクリル酸アミド系化合物は、上記の各(メタ)アクリレート系化合物等と重複する化合物が該当する場合がある。重複する場合であっても、それぞれの化合物に該当するものとして考慮される。
光重合性成分全体に対して(メタ)アクリル酸アミド系化合物を含有するときの含有量は、2.0質量%以上が好ましく、4.0質量%以上がより好ましく、6.0質量%以上が更に好ましい。又20.0質量%以下が好ましく、18.0質量%以下がより好ましく、15.0質量%以下が更に好ましい。
アミン変性光重合性オリゴマーとしては、重量平均分子量500~3,000、かつ粘度4,000cps未満のものである。そして、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物を含むアミン変性オリゴマーを採用できる。
アミン変性オリゴマーは、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル化アミン化合物における光重合性官能基は、可視光又は紫外線や電子線等の電離放射線を含む不可視光により重合反応し、分子間に架橋結合を形成し得る官能基が挙げられる。又、光重合性官能基は、光照射により直接活性化して光重合反応する狭義の光重合性官能基、光重合性官能基と光重合開始剤とを共存させて光照射した時に光重合開始剤から発生した活性種の作用により重合反応が開始、促進される広義の光重合性官能基のいずれも含まれる。
光重合性成分全体に対するアミン変性光重合性オリゴマーは、3.0質量%以上が好ましく、4.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上が更に好ましい。又26.0質量%以下が好ましく、24.0質量%以下がより好ましく、22.0質量%以下が更に好ましい。
アミン変性光重合性オリゴマーの含有量が3.0質量%未満であると、LED硬化性及びメタハラ硬化性に劣ることになる。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物には、使用するインクジェットヘッドや被印刷物に応じて、表面調整剤として、光硬化型インクジェット用インク組成物に使用される公知の界面活性剤が特に制限なく使用でき、例えば、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等が挙げられる。前記界面活性剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
表面調整剤が含有される場合において、表面調整剤の含有量は特に限定されず、光硬化型インクジェット用インク組成物の表面張力が32.0mN/m以下となる含有量であることが好ましい。表面張力が32.0mN/mを超える場合、基材に対する濡れ性不足のため、画質不良を起こす。
-不飽和カルボン酸系化合物-
不飽和カルボン酸系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、それらの塩及びそれらの酸無水物等が挙げられる。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物には、上記の光重合性成分の他に、ビニル化合物を配合できる。このようなビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸に由来する構造を有していないビニル化合物であり、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニルカルバゾール、ビニルメチルオキサゾリジノン等が挙げられる。
ビニル化合物を含有するときの光重合性成分全体に対する、ビニル化合物の含有量は、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上が更に好ましい。又10.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下が更に好ましい。
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p-ヒドロキシスチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-t-ブトキシスチレン、p-t-ブトキシカルボニルスチレン、p-t-ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
アリレート系化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物として、前記化合物以外の「その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物」を用いることができる。
そのような化合物としては、例えば、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、三員環化合物類(例えば、ビニルシクロプロパン類、1-フェニル-2-ビニルシクロプロパン類、2-フェニル-3-ビニルオキシラン類、2,3-ジビニルオキシラン類等)、環状ケテンアセタール類(例えば、2-メチレン-1,3-ジオキセパン、ポジオキソラン類、2-メチレン-4-フェニル-1,3-ジオキセパン、4,7-ジメチル-2-メチレン-1,3-ジオキセパン、5,6-ベンゾ-2-メチレン-1,3-ジオセパン等)等が挙げられる。
上記アミン変性光重合性オリゴマー以外のオリゴマーとして、環境面を考慮して植物由来のジカルボン酸成分やジオール成分を使用して得たポリエステルポリオールを原料としたポリウレタンオリゴマー及び/又はポリウレタンポリウレアオリゴマーを採用することもできる。
植物油変性多官能ポリエステルアクリレートオリゴマーとしては、アクリレート基を分子内に2~6つ有する植物油変性ポリエステルアクリレートオリゴマーであれば制限なく用いることができる。
このうち、例えば、EBECRYL 450、452、820、1622や、トール油脂肪酸変性6官能ポリエステルアクリレート(例えば、AgiSyn 716等)からなる群より選ばれる1種以上を用いると、光硬化型インクジェット用インク組成物のバイオマス度を高くでき好ましい。
これらのオリゴマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和結合を備えた硬化性樹脂としてのポリマーは、上述のモノマーやオリゴマーとともに高分子量化する成分であり、紫外線等の活性エネルギー線が照射される前から大きな分子量を備えているので、インク組成物の粘弾性の向上に役立つ成分である。 このようなポリマーは、例えば、低粘度の液体であるモノマー中に溶解又は分散された状態で用いられる。エチレン性不飽和結合を備えたポリマーとしては、ポリジアリルフタレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル樹脂、アクリル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ポリジアリルフタレートは、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れているので好ましく用いることができる。
又、エチレン性不飽和結合を備えたポリマーを含有しなくてもよいが、含有する場合には、光重合性成分全体に対するエチレン性不飽和結合を備えたポリマーの含有量としては、0~50.0質量%が好ましく、0~30.0質量%がより好ましく、0~20.0質量%が更に好ましい。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物は顔料を含有する。顔料は、インク組成物に着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分であり、例えば着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような顔料としては、従来からインク組成物に使用されている例えば下記の有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。
そして、顔料の平均粒子径は500nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、350nm以下がさらに好ましい。顔料の平均粒子径を500nm以下にすることにより、光硬化型インクジェット用インク組成物はより高い硬化性を発揮できる。
これらの顔料の中でもジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド、キナクリドン等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、鉄黒、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)アルミニウムペースト、ブロンズパウダー等の金属パウダー等が例示される。
光硬化型インクジェット用インク組成物に含有される顔料の平均粒子径(D50)は、着色力の観点から50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。又、分散安定性の観点から500nm以下が好ましく、350nm以下がより好ましい。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物が着色剤として顔料を採用するとき、上記E.表面調整剤とは異なる顔料分散剤及び/又は顔料分散用樹脂を配合してもよい。
顔料分散剤としては、公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤(例えば、ポリエーテル変性シリコンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等)、フッ素系界面活性剤、オキシアルキレンエーテル系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、リン系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
又、顔料分散用樹脂として、高分子分散剤(例えば、カルボジイミド系、ポリエステル系、ポリアミン系、ポリエステルアミン系、ポリウレタン系、脂肪酸アミン系分散剤、ポリアクリレート系、ポリカプロラクトン系、ポリシロキサン系、多鎖型高分子非イオン系、高分子イオン系の分散剤等)等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物が顔料分散剤や顔料分散用樹脂を含む場合には、使用する顔料の合計量を100質量部としたときに、顔料分散剤や顔料分散用樹脂を1~200質量部含有することが好ましい。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物は、その他の成分として、界面活性剤、重合禁止剤、保存性向上剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、保湿剤、pH調整剤等の各種添加剤を含有してもよい。又、硬化性ではない樹脂を配合しても良く、配合しなくても良い。又、溶剤を含有させても良いが、含有しなくても良い。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物には、必要に応じ、溶剤を配合することができる。前記溶剤としては、エステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤等が挙げられる。又、前記溶剤としては、1気圧下における沸点が150~220℃であるものが挙げられる。前記溶剤は、インク組成物の硬化性、環境問題等の観点から、極力使用されないことが好ましく、前記溶剤の割合は、インク組成物中、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等である。
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等である。
消泡剤は、シリコーン系消泡剤、プルロニック(登録商標)系消泡剤等である。
又表面張力は32.0mN/m未満であることが好ましい。
次に、これらの材料を用いて本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物を製造する方法について説明する。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物は、例えば、湿式サーキュレーションミル、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、DCPミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、ジーナスPY、DeBEE2000等)、パールミル等の分散機を使用して各成分を分散混合し、必要により光硬化型インクジェット用インク組成物の粘度を調整して得ることができる。なお、光硬化型インクジェット用インク組成物は、顔料と上記顔料分散剤及び上記光重合性モノマーを混合することにより、予めベースインク組成物を得て、そこに所望の組成となるよう上記の成分の残余の分を添加して調製してもよい。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物による印刷方法を説明する。
使用するインクジェット印刷装置は特に限定されず、光硬化型インクジェット用インク組成物を、インクジェット記録方式用プリンター装置のプリンターヘッドに供給し、このプリンターヘッドからインク組成物を印刷対象の基材に吐出した後、基材に着弾したインク組成物を活性エネルギー線で露光し硬化させる方法等が挙げられる。活性エネルギー線としては、発光ダイオード(LED)や各種ランプや電極から照射される紫外線、電子線、可視光線等が挙げられる。特に発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性に優れる。
又基材も特に限定されず、従来公知の光硬化型インクジェット用インク組成物が適用可能な基材であれば特に限定されず、前記基材としては、例えば、プラスチック、紙、カプセル、ジェル、金属箔、ガラス、木材、布等が挙げられる。又、前記プラスチックとしては、その基材として、例えば、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、セルロース系ポリマー(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等)、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、塩化ビニル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィンポリマー、エチレン・プロピレン共重合体ポリマー等)、ポリアミド系ポリマー(例えば、ナイロン、芳香族ポリアミドポリマー等)、ポリスチレン系ポリマー(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体ポリマー等)、ポリイミド系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニルスルフィド系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、及びポリエポキシ系ポリマー、これらのポリマーのブレンド物等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
例えば、基材への吐出(画像の印字)は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用プリンターの低粘度対応のプリンターヘッドに供給し、基材に対して塗膜の膜厚が、例えば、1~60μmとなるように該インク組成物をプリンターヘッドから吐出することにより行うことができる。又、光での露光、硬化(画像の硬化)は、画像として基材に塗布された本発明のインク組成物の塗膜に光を照射することにより行うことができる。
上記塗膜の硬化における光源としては、紫外線(UVランプ)、紫外線(メタルハライドランプ)、紫外線(発光ダイオード(LED))、電子線、可視光線等を挙げることができる。発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線とは、「発光ピーク波長が360~420nmの範囲である紫外線を発生する、発光ダイオードから照射される光」とする。
下記表2~5に記載の各実施例及び各比較例の光硬化型インクジェット用インク組成物を調製し、それぞれの光硬化型インクジェット用インク組成物に関する試験結果を表2~5に記載した。
下記表2~5にて使用した成分は以下のとおり
P.Y.150 :ピグメントイエロー150
P.R.122 :ピグメントレッド122
P.R.254 :ピグメントレッド254
P.B.15:4 :ピグメントブルー15:4
P.Bk.7 :カーボンブラック
S56000 :高分子分散剤(Solsperse56000、日本ルーブリゾール社製)
CN371NS:アミン変性(メタ)アクリレートオリゴマー(分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物、サートマーアルケマ社)
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
(PO)NPGDA:PO(プロポキシレン)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート
A1~12:上記表1に記載のエチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド(数平均分子量:348)(アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤)
TX:(2-カルボキシメトキシチオキサントン)-(ポリテトラメチレングリコール250)ジエステル(数平均分子量:660)((Omnipol TX)IGM Resins B.V.社)
DETX:2,4-ジエチルチオキサントン(IGM RESINS B.V.社製)
UV22:キノン系重合禁止剤(BASF社)
BYK-377:シリコーン系界面活性剤(固形分100%)(BYK社)
表2~5の記載の配合組成(質量%)となるように各成分を配合し、撹拌混合して、実施例及び比較例の光硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
(粘度)
実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット用インク組成物をE型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を使用して、温度25℃、ローター回転速度10rpmの条件で、粘度(cps)を測定した。
各光硬化型インクジェット用インク組成物について、動的濡れ性試験機(商品名:WET-6000、レスカ社製)を使用して、温度25℃で表面張力(mN/m)を測定した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製E5100)の表面に、実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット用インク組成物を、バーコーターNo.6を用いて塗布し、各塗工物を得た。ついで、フォセオンテクノロジー社製LEDランプを用いて積算光量80mJ/cm2の照射条件にて波長395nmのLEDを照射し、下記評価基準に従って評価した。
〇:綿棒で擦ってもインク塗膜の取られなし
×:綿棒で擦るとインク塗膜の取られあり
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製E5100)の表面に、実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット用インク組成物を、バーコーターNo.6を用いて塗布し、各塗工物を得た。ついでコンベア式光照射装置(ヘレウス社製STM-250E-16、ランプ:Z-8ランプ(メタルハライドタイプ))を用いて、120W×50m/min、UV積算光量75mJ/cm2〔UV積算光量は、測定器としてEIT社製UVIMAP(UM 365H-S)を用い、測定レンジ:250-260nm、280-320nm、320-390nm、395-445nmでの照射量を測定して求めた〕の照射条件で照射し、下記評価基準に従って評価した。
〇:綿棒で擦ってもインク塗膜の取られなし
×:綿棒で擦るとインク塗膜の取られあり
実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット用インク組成物を、シングルパスプリンターにて2軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製P2161)の表面に、印刷速度48m/minで印刷し、次いで照射エネルギー500mJにてLED照射して硬化して、各塗工物を得た。これらの塗工物を13mm×13mmにカットし、試験片を得た。
マイグレーション評価用セルに50%エタノール水溶液を200mL入れ、試験片の印刷面の裏側に50%エタノール水溶液が接する状態で、40℃にて、10日間静置した。10日後にエタノール水溶液を回収し、回収した200mLのエタノール水溶液中に内部標準液(テルフェニル)を0.2mg添加した。内部標準液添加後のエタノール水溶液を固相抽出カートリッジに通した後、保持された成分をメタノール1mLで抽出した。これにより、試験片からエタノール水溶液中に溶出した成分が200倍に濃縮されたメタノール溶液を得た。
各メタノール溶液に対し、GC/MS分析にて、内部標準液(1000ppb)のピーク面積と、マイグレーション成分のピーク面積を比較した。GC/MSの結果から、ろ液中の光重合開始剤由来成分のマイグレーション成分の濃度を算出し、下記評価基準に従って評価した。
〇:10ppb以下
△:10ppbより多く1ppm以下
×:1ppmより多い
これに対して、高分子ではない開始剤と増感剤を含有した比較例1によれば、マイグレーションが発生した。高分子開始剤と高分子増感剤のいずれか一方のみを使用した比較例2及び3によれば、LED硬化性及びメタハラ硬化性に劣っており開始剤由来のマイグレーションを評価できなかった。アミン変性オリゴマーを含有しない比較例4によっても、LED硬化性及びメタハラ硬化性に劣っていた。又、表面調整剤を含有しない比較例5によれば、表面張力が高すぎることに起因してドットの濡れ広がりが低位となった。
高分子開始剤とアミン変性オリゴマーのインク組成物中における合計量が40%を超えた比較例6によれば、インク組成物の粘度が100cpsを超えておりインクジェット用インクとしての使用が困難であった。前記合計量が5%未満であった比較例7によれば、LED硬化性及びメタハラ硬化性に劣っていた。又、高分子開始剤/アミン変性オリゴマーの比率が1/9~9/1の範囲外にあった比較例8及び9によっても、LED硬化性及びメタハラ硬化性に劣っていた。
Claims (3)
- 下記A~Eを含有し、A/Dの比が1/9~9/1であり、インク組成物中におけるAとDの合計量が5~40%であり、分子量500未満の光重合開始剤の含有量が0.2%未満であり、粘度が100cps以下であり、かつ表面張力が32.0mN/m以下である光硬化型インクジェット用インク組成物。
A.エチレン性不飽和結合含有高分子光重合開始剤
B.分子量500以上のチオキサントン系高分子光増感剤
C.(メタ)アクリレート系重合性化合物
D.重量平均分子量500~3,000、かつ粘度4,000cps未満のアミン変性光重合性オリゴマー
E.表面調整剤 - 分子量500未満の増感剤の含有量が0.2%未満である、請求項1に記載の光硬化型インクジェット用インク組成物。
- 平均粒子径が500nm以下の顔料を含有する請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェット用インク組成物。
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