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JP7148001B2 - ホウ素含有シリカ分散体及びその製造方法 - Google Patents

ホウ素含有シリカ分散体及びその製造方法 Download PDF

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JP7148001B2 JP2021571000A JP2021571000A JP7148001B2 JP 7148001 B2 JP7148001 B2 JP 7148001B2 JP 2021571000 A JP2021571000 A JP 2021571000A JP 2021571000 A JP2021571000 A JP 2021571000A JP 7148001 B2 JP7148001 B2 JP 7148001B2
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Description

本発明は、ホウ素含有シリカ分散体及びその製造方法に関する。より詳しくは、積層セラミックコンデンサ等のセラミックス材料の焼結助剤として好適に使用することができるホウ素含有シリカ分散体及びその製造方法に関する。
シリカ粒子は、樹脂や樹脂原料等と混合することで、強度や硬度、耐熱性、絶縁性等の特性を向上できるため、接着材料、歯科用材料、光学部材、コーティング材料、ナノコンポジット材料等の用途に好適に用いられている。また、微小な粒径を有するシリカ粒子は、その硬度からシリコンウエハ等の研磨剤としても使用されている。
シリカ粒子は凝集しやすいため、従来シリカ粒子の分散安定性を高める技術が開発されている(特許文献1~4参照)。
また、シリカをベースとするガラスは、例えば、低温同時焼成基板の製造等において、 セラミックに混合することで焼結温度を低下させる材料(焼結助剤)として使用されている。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)など電子部品の小型化に伴い、それを構成する各種磁器を形成するためのセラミック粉末の微粒化が進められている。MLCC作成時に、誘電体層の焼結特性を調整するために焼結助剤として添加しているガラス粉末についても、微粒化が図られている。
このような焼結助剤として、例えば、低融点ガラスを用いる技術が開発されているが、Q値が低い点で高周波材料用途において充分ではなかった。
また、例えば特許文献5には、組成として,酸化物換算で,Alを含有せず,40~97モルの量のSiOと,50モル%以下の量の,MgO,CaO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属酸化物と,又は更に,60モル%以下の量のLiO,NaO及びKOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物とを含んでなり,平均粒子径が20nm以上1000nm未満の球状ガラス微粒子が開示されている。
また微細な誘電体粉末と微細な焼結助剤を均一に混合するため、及び、焼成温度を更に低下させるために、焼結助剤としてホウ素ドープシリカ分散体が使用されている。例えば特許文献6には、組成として, 酸化物換算で,SiOを40~95モル%,Bを0.5~40モル%,及びZnOを0.5~40モル%の量でそれぞれ含有し,かつ平均粒子径が20nm以上1000nm未満であることを特徴とする,球状ガラス微粒子が開示されている。特許文献7には、酸化珪素および酸化ホウ素を含有し、粒度分布における累積個数50%での粒径D50が30~100nmであり、かつ粒径の変動係数(標準偏差/平均粒径)が50%以下であるガラス粉末を溶媒中に分散してなることを特徴とするガラスゾルが開示されている。
特開2003-176123号公報 特開2005-231954号公報 特開2019-182688号公報 特開2017-117847号公報 特開2010-254574号公報 特開2011-068507号公報 特開2008-184351号公報
上述の通り、従来、種々のホウ素ドープシリカ分散体が開発されているが、従来のホウ素ドープシリカ分散体はホウ素とシリカとの結合性が充分でないため、誘電体粉末等との混合におけるハンドリング性を高めるために限外ろ過によりホウ素ドープシリカ分散体を濃縮すると、遊離しやすいホウ素成分が除去されてしまい、ホウ素ドープシリカ分散体中のホウ素含有量が減少する問題があった。また、従来のホウ素ドープシリカ分散体は、シリカ粒子の濃度が高い場合に分散安定性が充分でなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来よりも、高濃度で分散安定性に優れ、かつ、ホウ素とシリカとの結合性が高いホウ素含有シリカ分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、ホウ素含有シリカ分散体について種々検討したところ、ホウ素含有シリカ分散体を所定の方法による限外ろ過後の固形分濃度が5~30質量%であり、ホウ素含有シリカ分散体を1000時間静置したときの粒子の沈降率が4%以下であり、限外ろ過して乾燥したときの酸化物換算でのBの割合が、SiO及びBの合計100質量%に対して、0.2~10.0質量%であるホウ素含有シリカ分散体が、従来のホウ素含有シリカ分散体よりも、高濃度で分散安定性に優れ、かつ、ホウ素とシリカとの結合性が高いことを見出し、課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ホウ素原子を含む非晶質シリカ粒子と分散媒とを含むホウ素含有シリカ分散体であって、該ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡写真において無作為に選んだ40個の粒子によって求めた平均粒子径が10~100nmであり、上記ホウ素含有シリカ分散体は固形分濃度が5~30質量%であり、上記ホウ素含有シリカ分散体を1000時間静置したときの粒子の沈降率が4%以下であり、上記ホウ素含有シリカ分散体を下記の方法で限外ろ過して乾燥したときの酸化物換算でのSiO及びBの割合は、SiO及びBの合計100質量%に対して、それぞれ90.0~99.8質量%、0.2~10.0質量%であるホウ素含有シリカ分散体である。
<限外ろ過の方法>
分画分子量:13,000の限外ろ過膜を用いて供給液流量:3660ml/分でホウ素含有シリカ分散体の体積の6倍量の純水を逐次添加して水洗する。
上記ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、下記の方法により求める粒度分布の平均粒子径D50が10~100nmであることが好ましい。
<粒度分布の算出方法>
動的光散乱式粒子径分布測定装置により体積平均粒子径の測定を行う。測定時の粒子濃度が測定に適した濃度(ローディングインデックス=0.01~1の範囲)になるようにホウ素含有非晶質シリカ粒子を含むスラリーをイオン交換水で希釈する。
測定時間は60秒とする。
粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.46、形状:真球形、密度(g/cm):1.00、
溶媒条件:水、屈折率:1.333、粘度は30℃:0.797、20℃:1.002とする。
得られた体積基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値を、平均粒子径D50(nm)とする。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記透過型電子顕微鏡写真において無作為に選んだ40個の粒子に基づいて求めた粒子径の変動係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径)が0.25以下であることが好ましい。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記粒度分布のD90/D10が4.0以下かつD100が300nm以下であることが好ましい。
上記ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、下記の方法により求める平均円形度が0.65以上であることが好ましい。
<平均円形度の算出方法>
透過型電子顕微鏡で撮影したTEM像のファイルを画像解析ソフトで読み込み、粒子解析のアプリケーションを用い、40個の粒子の平均円形度を測定する。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、該分散体の乾燥物を下記の条件で焼成したときのホウ素含有量の減少率が10質量%以下であることが好ましい。
<焼成条件>
乾燥物5~10gをアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/時で1000~1100℃まで昇温し、そのまま5時間保持後、室温まで降温する。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、下記の方法により測定する粘度が15mPa・s以下であることが好ましい。
<粘度の測定方法>
温度25℃のホウ素含有シリカ分散体について振動式粘度計により粘度測定を行う。
本発明はまたホウ素含有シリカ分散体を製造する方法であって、上記製造方法は、ケイ素原子を含む種粒子を得る工程(A)と、
工程(A)で得られたケイ素原子を含む種粒子と、工程(A)で得られた種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物と、ホウ素原子含有化合物とを混合する工程(B)とを含むホウ素含有シリカ分散体の製造方法でもある。
上記ホウ素原子含有化合物の使用量はホウ素原子数換算で、ケイ素原子を含む種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物とにおける合計のケイ素原子100モル%に対して0.4~10モル%であることが好ましい。
上記ケイ素原子を含む種粒子の使用量はケイ素原子数換算で、ケイ素原子を含む種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物とにおける合計のケイ素原子100モル%に対して1~20モル%であることが好ましい。
上記混合工程(B)において、塩基性触媒を、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物におけるケイ素原子及びホウ素原子含有化合物におけるホウ素原子の合計100モル%に対して10~50モル%添加することが好ましい。
本発明のホウ素含有シリカ分散体は、上述の構成よりなり、高濃度で分散安定性に優れ、かつ、ホウ素とシリカとの結合性が高いため、積層セラミックコンデンサ等のセラミックス材料の焼結助剤等に好適に使用することができる。
実施例1で得られたシリカ分散体1のTEM写真(倍率:50,000倍)である。 実施例3で得られたシリカ分散体3のTEM写真(倍率:100,000倍)である。 比較例1で得られた比較シリカ分散体1のTEM写真(倍率:50,000倍)である。 比較例2で得られた比較シリカ分散体2のTEM写真(倍率:30,000倍)である。 比較例3で得られた比較シリカ分散体3のTEM写真(倍率:5,000倍)である。 比較例4で得られた比較シリカ分散体4のTEM写真(倍率:50,000倍)である。 実施例1で得られた乾燥粉体1、比較例1、2で得られた比較乾燥粉体1、2についてのTG測定結果である。 実施例1で得られた乾燥粉体1、比較例1、2で得られた比較乾燥粉体1、2についてのDTA分析結果である。 実施例1で得られた乾燥粉体1、比較例1で得られた比較乾燥粉体1を使用したMLCCについてのHALT試験評価結果である。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
<ホウ素含有シリカ分散体>
本発明のホウ素原子を含む非晶質シリカ粒子と分散媒とを含むホウ素含有シリカ分散体であって、上記方法で行う限外ろ過後の固形分濃度が5~30質量%であり、1000時間静置したときの粒子の沈降率が4%以下である。これにより、高濃度であっても分散安定性に優れるため、誘電体粉末等との混合におけるハンドリング性に優れることとなる。
限外ろ過後の固形分濃度として好ましくは10~25質量%であり、より好ましくは12~20質量%であり、更に好ましくは15~18質量%である。
上記1000時間静置したときの粒子の沈降率として好ましくは3%以下であり、より好ましくは2%以下であり、更に好ましくは1%以下である。
上記沈降率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記方法で限外ろ過して乾燥したときの酸化物換算でのSiO及びBの割合が、SiO及びBの合計100質量%に対して、それぞれ90.0~99.8質量%、0.2~10.0質量%である。シリカ粒子においてホウ素の結合が充分でない場合、限外ろ過を行うとBの割合が減少するが、本発明のホウ素含有シリカ分散体は上記方法で限外ろ過してもBの割合を上記範囲に保つことができる。
の割合として好ましくは0.9~7.0質量%であり、より好ましくは1.7~5.2質量%であり、更に好ましくは2.6~4.5質量%である。
SiOの割合として好ましくは93.0~99.1質量%であり、より好ましくは94.8~98.3質量%であり、更に好ましくは95.5~97.4質量%である。
上記SiO及びBの割合は、実施例に記載の方法により求めることができる。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記方法で限外ろ過して乾燥したときの酸化物換算でのSiO及びBの割合が、上記範囲であればよいが、限外ろ過前の段階での酸化物換算でのSiO及びBの割合がSiO及びBの合計100質量%に対して、それぞれ90.0~99.8質量%、0.2~10.0質量%であることが好ましい。上記Bの割合が10.0質量%以下であると、ホウ素含有シリカ分散体を積層セラミックコンデンサ(MLCC)等の電子部品材料として用いた場合、電子機器の耐久性がより向上することとなる。
上記ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、無作為に選んだ40個の粒子についての透過型電子顕微鏡写真に基づいて求めた平均粒子径(以下、TEM平均粒子径ともいう。)が10~100nmである。
上記TEM平均粒子径は、一次粒子径であり、一次粒子径が100nm以下であると、例えば、積層セラミックコンデンサ等に用いられるサブミクロンの誘電体粉末のようなセラミック粉末と同等かそれ以下の粒径であるため、このようなセラミック粉末との混合においてもセラミック粉末の粒界に容易に納まるように分散でき、セラミック粉末間において、より均質かつ薄い粒界相を形成できる。
上記TEM平均粒子径として好ましくは15~75nmであり、より好ましくは20~50nmであり、更に好ましくは25~30nmである。
上記ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、上記方法により求める粒度分布の平均粒子径D50が10~100nmであることが好ましい。より好ましくは15~75nmであり、更に好ましくは20~50nmであり、特に好ましくは25~30nmである。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記、透過型電子顕微鏡写真において無作為に選んだ40個の粒子に基づいて求めた粒子径の変動係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径)が0.25以下であることが好ましい。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記粒度分布のD90/D10が4.0以下であることが好ましい。D10とは体積基準での10%積算粒径を意味し、D90とは体積基準での90%積算粒径を意味する。
90/D10は、体積基準粒度分布のシャープさの指標である。この値(D90/D10)が大きい程、粒度分布がブロードであることを意味し、この値が小さい程、粒度分布がシャープであることを意味する。D90/D10が4.0以下であれば、粒子径のバラツキが大きくなりすぎることを充分に抑制し、誘電体粉末等の他の材料と混合した際の流動性及び成形性低下を充分に抑制するとともに、他の材料とより均一に分散させることができる。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、D100が300nm以下であることが好ましい。より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。
上記ホウ素含有シリカ分散体において上記粒度分布のD90/D10が4.0以下かつD100が300nm以下である形態は本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記ホウ素含有シリカ分散体におけるホウ素含有非晶質シリカ粒子は、上記方法により求める平均円形度が0.65以上であることが好ましい。これにより誘電体粉末等の他の材料と混合した際の流動性及び成形性低下を充分に抑制するとともに、他の材料とより均一に分散させることができる。また、樹脂成形時に成形金型の摩耗を抑制することもできる。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、該分散体の乾燥物を上記条件で焼成したときのホウ素含有量の減少率が10質量%以下であることが好ましい。本発明のホウ素含有シリカ分散体は、ホウ素とシリカとの結合性が高いため、焼成によるホウ素含有量の減少を抑制することができる。
上記ホウ素含有量の減少率としてより好ましくは9.5質量%以下であり、更に好ましくは9質量%以下である。
上記ホウ素含有量の減少率は実施例に記載の方法により求めることができる。
上記ホウ素含有シリカ分散体は、上記方法により測定する粘度が15mPa・s以下であることが好ましい。これにより本発明のホウ素含有シリカ分散体は、ハンドリング性により優れることとなる。
上記粘度としてより好ましくは10mPa・s以下であり、更に好ましくは5mPa・s以下である。上記粘度はまた0.01mPa・s以上であることが好ましい。
本発明のホウ素含有シリカ分散体は、溶媒を含むことが好ましい。溶媒としては特に制限されないが、水、メタノール、エタノール、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、酢酸2-メトキシ-1-メチルエチル等が挙げられる。中でも好ましくは水である。
本発明のホウ素含有シリカ分散体は、ホウ素含有非晶質シリカ粒子、溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては特に制限されないが、ホウ素含有シリカ分散体の未反応原料やアンモニア、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、尿素、エタノールアミン、テトラメチル水酸化アンモニウム等が挙げられる。
上記その他の成分の含有割合は特に制限されないが、ホウ素含有シリカ分散体100モル%に対して0~10質量%であることが好ましい。より好ましくは0~5質量%であり、更に好ましくは0~1質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
<ホウ素含有シリカ分散体の製造方法>
本発明のホウ素含有シリカ分散体の製造方法は特に制限されないが、ケイ素原子を含む種粒子を得る工程を行い、得られた種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物と、ホウ素原子含有化合物とを混合することにより製造することができる。
本発明は、ケイ素原子を含む種粒子を得る工程(A)と、工程(A)で得られたケイ素原子を含む種粒子と、工程(A)で得られた種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物と、ホウ素原子含有化合物とを混合する工程(B)とを含むホウ素含有シリカ分散体の製造方法でもある。
上記工程(B)において、ケイ素原子を含む種粒子を用いることにより、シリカ粒子にホウ素を均一にドープすることができる。
工程(B)で用いる「種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物」は、工程(A)で得られたもの以外のものであれば、化合物の組成について種粒子と同じであってもよい。
ホウ素含有シリカ分散体の製造方法では、ケイ素原子含有化合物の加水分解物にホウ素原子含有化合物から析出させたホウ素を反応させて製造することが好ましい。ケイ素原子含有化合物の加水分解速度はホウ素の析出速度に対して遅いため、通常はこれらが別々の粒子として析出してしまうが、ケイ素原子を含む種粒子を用いることにより、種粒子が反応場となって、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物が加水分解するとともにホウ素が巻き込まれて粒子が成長することができるため、ホウ素を均一にドープすることができると考えられる。
上記工程(A)は、ケイ素原子を含む種粒子を得る限り特に制限されないが、ケイ素含有化合物を分解する工程であることが好ましい。
上記工程(A)で用いるケイ素含有化合物は特に制限されないが、ケイ素アルコキシド等が好ましい。
上記工程(A)においてケイ素アルコキシドを用いる場合、ケイ素アルコキシドが加水分解されて種粒子として、二酸化ケイ素、オルトケイ酸、メタケイ酸、メタ二珪酸等が生じる。
上記ケイ素原子を含む種粒子の平均粒子径としては特に制限されないが40個の粒子についての透過型電子顕微鏡写真に基づいて求めた平均粒子径が5~15nmであることが好ましい。より好ましくは10~13nmである。
また、上記方法で測定する粒度分布の平均粒子径D50が1~15nmであることが好ましい。より好ましくは5~10nmである。
上記ケイ素原子を含む種粒子が二酸化ケイ素である場合、好ましくはケイ素アルコキシドを加水分解して得られたもの(ケイ素アルコキシドの加水分解物)を用いることが好ましい。
ケイ素アルコキシドとして好ましくはテトラメトキシシラン等のメチルシリケート;テトラエトキシシラン等のエチルシリケート;テトライソプロポキシシラン等のイソプロピルシリケート等が挙げられる。中でも好ましくはエチルシリケートであり、より好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS)である。
上記加水分解物は、ケイ素アルコキシドと水と触媒とを反応させて得ることが好ましい。
触媒としては塩基性触媒が好ましく、より好ましくは、アルギニン、リシン、ヒスチジン、トリプトファン等の塩基性アミノ酸であり、更に好ましくはアルギニンである。
アルギニンを用いることでより小さい種粒子を得ることができる。
上記工程(A)における触媒の使用量は特に制限されないが、ケイ素アルコキシド100モル%に対して0.5~3モル%であることが好ましい。より好ましくは1.5~2.5モル%である。
上記工程(A)における反応温度は特に制限されないが、40~70℃であることが好ましい。より好ましくは55~65℃である。40℃以上であると種粒子の粒子径が小さくなりすぎることを充分に抑制し、必要な大きさの種粒子を得ることができる。70℃以下であると種粒子が大きくなりすぎることを充分に抑制し、また原料が揮発することをより充分に抑制することができる。
上記工程(A)における原料の添加方法は特に制限されないが、水と触媒との混合物にケイ素アルコキシドを添加することが好ましい。
上記工程(B)におけるケイ素原子を含む種粒子の使用量は、ケイ素原子数換算で、ケイ素原子を含む種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物とにおける合計のケイ素原子100モル%対して1~20モル%であることが好ましい。上記種粒子の使用量を1モル%以上とすることにより、最終的に得られる粒子の粒子径が大きくなりすぎることを充分に抑制することができる。また、上記種粒子の使用量を1モル%以上とすることにより、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物の加水分解速度に対して種粒子の成長速度がより好適な範囲となり、種粒子上以外で新たな粒子が生じることを抑制し、粒度分布が広がることを充分に抑制することができる。
また、上記使用量を20モル%以下とすることにより、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物の加水分解を充分に進行させることができる。
上記種粒子の使用量としてより好ましくは5~20モル%であり、更に好ましくは10~15モル%である。
上記工程(B)におけるホウ素原子含有化合物の使用量は、ホウ素原子数換算で、ケイ素原子を含む種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物とにおける合計のケイ素原子100モル%に対して0.4~10モル%であることが好ましい。上記ホウ素原子含有化合物の使用量を10モル%以下とすることにより、ホウ酸塩が形成して凝集及び沈降することを充分に抑制することができる。また、上記ホウ素原子含有化合物の使用量を10モル%以下とすることにより、未反応のホウ素原子含有化合物が残存することも充分に抑制し、未反応ホウ素原子含有化合物による凝集も充分に抑制することができる。
上記ホウ素原子含有化合物の使用量としてより好ましくは2~8モル%であり、更に好ましくは4~6モル%である。
上記工程(B)において、塩基性触媒を用いることが好ましい。
これにより触媒としての作用の他に、塩基を添加することにより反応液における分散性を充分に高め、粘度を充分に下げる効果を得ることもできる。
塩基性触媒としては特に制限されないが、上述の塩基性アミノ酸やエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチル水酸化アンモニウム等が挙げられる。上記塩基性触媒は、1種のみ用いてもよいが、2種以上を併用することが好ましい。
塩基性触媒として好ましくはアンモニア、塩基性アミノ酸である。
アンモニアを用いることにより、得られる粒子の形状をより球形に近いものとすることができる。また、アルギニンを用いることにより、得られる粒子の粒子径をより小さくすることができる。
塩基性触媒としてアンモニアとアルギニンとを併用する形態は本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記工程(B)における塩基性触媒の使用量は、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物におけるケイ素原子及びホウ素原子含有化合物におけるホウ素原子の合計100モル%に対して10~50モル%であることが好ましい。塩基性触媒の使用量が50モル%以下であれば、周囲の粒子を巻き込みネッキングが生じない程度に粒子の成長反応を抑制することができるため、粒子が大粒子化せず、沈降することを低減できる。
上記塩基性触媒の使用量としてより好ましくは20~40モル%であり、更に好ましくは25~35モル%である。
塩基性触媒としてアンモニアを使用する場合の使用量としては、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物におけるケイ素原子及びホウ素原子含有化合物におけるホウ素原子の合計100モル%に対して10~50モル%であることが好ましい。
アンモニアの使用量を10モル%以上とすることにより、分散性をより向上させ粒子の沈降を充分に抑制することができる。アンモニアの使用量を50モル%以下とすることにより、ホウ酸アンモニウムの発生を充分に抑制し、これによる凝集を充分に抑制することができる。50モル%以下とすることにより円形度をより好適な範囲とすることができる。上記アンモニアの使用量としてより好ましくは20~40モル%であり、更に好ましくは25~35モル%である。
上記工程(B)における種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物は種粒子とは異なるものであって、ケイ素原子を含むものであれば特に制限されないが、上述のケイ素アルコキシドが好ましい。より好ましくはエチルシリケートであり、更に好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS)である。
上記工程(B)におけるホウ素原子含有化合物は、ホウ素原子を含むものであれば特に制限されないが、例えば、ホウ素アルコキシド;酸化ホウ素;メタホウ酸、オルトホウ酸等のホウ素のオキソ酸;ホウ酸アンモニウム及びこの水和物等が挙げられる。中でも好ましくはホウ素アルコキシド;ホウ酸アンモニウム及びこの水和物である。
ホウ素アルコキシドとして好ましくはトリメトキシボラン等のメチルボレート;ホウ酸トリエチル等のエチルボレート;トリイソプロポキシボラン等のイソプロピルボレート等が挙げられる。中でも好ましくはエチルボレートであり、より好ましくはホウ酸トリエチル(TEOB)である。
上記工程(B)において溶媒を用いることが好ましい。溶媒として好ましくは水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~3のアルコール類である。より好ましくは水及び上記アルコールの混合溶媒である。
上記アルコール類として好ましくはエタノールである。
上記溶媒として水とアルコール類との混合溶媒を用いる場合、アルコール類の割合は水100質量%に対して140~150質量%であることが好ましい。より好ましくは143~147質量%である。この理由は定かではないが、アルコール類が少なすぎても多すぎても添加されたケイ素原子含有化合物が溶液になじみにくくなり、液中にエマルジョン状態で存在して反応が逐次的に進行しない。これにより粒子同士のネッキングが発生したり、新しい二次粒子が生成されてしまう。
上記工程(B)において原料の添加方法は特に制限されないが、工程(B)は、溶媒、種粒子及び塩基性触媒を混合する工程(B1)と、工程(B1)で得られた混合液に、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物及びホウ素原子含有化合物を添加する工程(B2)とを含むことが好ましい。
上記工程(B1)の温度は特に制限されないが20~30℃であることが好ましい。
上記工程(B1)では、攪拌することが好ましい。
上記工程(B2)におけるケイ素原子含有化合物及びホウ素原子含有化合物を添加する方法は特に制限されず、これらを別々に添加しても、混合して添加してもよい。好ましくは混合して添加する形態である。
上記工程(B2)において、ケイ素原子含有化合物及びホウ素原子含有化合物を一括添加しても逐次添加してもよいが、逐次添加することが好ましい。
上記工程(B2)において、ケイ素原子含有化合物及びホウ素原子含有化合物を固体として添加しても、溶液として添加してもよいが、溶液として添加することが好ましい。
ケイ素原子含有化合物及びホウ素原子含有化合物の混合溶液を、工程(B1)で得られた混合液に滴下することが好ましい。
滴下時間としては特に制限されないが、2~4時間が好ましい。より好ましくは2時間である。
上記工程(B2)の温度は特に制限されないが45~65℃であることが好ましい。45℃以上であれば反応がより進行しやすく、65℃以下であれば原料の揮発を充分に抑制することができる。
上記工程(B2)では、攪拌することが好ましい。
本発明のホウ素含有シリカ分散体の製造方法は、上記工程(B)の後、熟成工程を行うことが好ましい。
熟成温度は特に制限されないが20~30℃であることが好ましい。
熟成時間は特に制限されないが12~16時間であることが好ましい。
本発明のホウ素含有シリカ分散体の製造方法は、上記工程(B)又は熟成工程後に濃縮工程を行ってもよい。
上記濃縮工程における濃縮方法は特に制限されないが、好ましくは限外ろ過する方法が挙げられる。
<セラミックス材料の焼結助剤>
本発明のホウ素含有シリカ分散体は、ホウ素を含み低温焼結性に優れるため、積層セラミックコンデンサ等のセラミックス材料の焼結助剤として好適に用いることができる。
本発明は、本発明のホウ素含有シリカ分散体を含む焼結助剤でもある。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
1、各種測定は以下のようにして行った。
(1)粒度分布の平均粒径
実施例及び比較例で得た分散体について、動的光散乱法粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル製Nanotrac WaveII UT151)により粒度分布測定を行った。
測定時の粒子濃度を適した濃度(ローディングインデックス=0.01~1の範囲)にホウ素含有非晶質シリカ粒子を含むスラリーをイオン交換水で適宜希釈した。固形分が沈降している試料は、超音波洗浄器(ASONE製ASU-10)にサンプル瓶ごと浸して超音波処理を10分間行い、試料の懸濁液を準備した。
測定時間は60秒とした。
粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.46、形状:真球形、密度(g/cm):1.00、
溶媒条件:水、屈折率:1.333、粘度は30℃:0.797、20℃:1.002とした。
(2)顕微鏡観察での粒径分析
実施例および比較例で得られた合成スラリーおよび分散体について粒径分析を行った。電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM-7000F)または透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM-2100F)を用いて、写真に少なくとも50個以上見える倍率で試料を撮影した。撮影した画像ファイルを画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング社製、A像くん)で読み込み、円形粒子解析のアプリケーションを用いて輪郭が明確な粒子40個の粒径を測定した。
(i)SEMでの観察
試料台にマイクロスパチュラで溶液を1滴乗せて、105℃で2~3分乾燥させる。得られたサンプルをプラチナコーター(日本電子社製、JFC-1600)により60秒でコートする。
コートした試料を電界放射型走査電子顕微鏡により観察した。測定条件は次のように設定した。(加速電圧15.00kV、WD10mm)
(ii)TEMでの観察
支持膜なしマイクログリッド(日本電子社製、図番規格:CV 200MESH)を使用した。マイクログリッドのセルを分析するスラリーに浸漬させ、セルに着いた余分な水分を飛ばし、ヘアドライヤーで完全に乾燥させた。乾燥させた試料を透過型電子顕微鏡により観察した。
(3)熱減量分析
実施例および比較例で得られたシリカ乾燥粉体について熱分析装置(株式会社リガク製、Thermo plas EVO TG 8120)により焼成工程における重量減量分析を行った。測定条件は次のように設定した。(リファレンス:アルミナ、サンプルパン:白金、試料重量:10mg、雰囲気:Air、測定温度範囲:25-1000℃、昇温速度:10.0℃/min)
(4)元素分析(ホウ素の含有量及び減少率の算出)
実施例及び比較例で得たシリカ乾燥粉体及びシリカ焼成物(焼成粉)について、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製:型番 ZSX PrimusII)の含有元素スキャニング機能であるEZスキャンにより元素分析を行った。
具体的には、測定サンプル台にプレスしたサンプルをセットし、次の条件を選択(測定範囲:B-U、測定径:30mm、試料形態:金属、測定時間:標準、雰囲気:真空)することで、粉体中のSi含有量及びB含有量を測定した。得られた測定値を酸化物に換算しSiOおよびB含有量を算出した。粉体中のSi含有量及びB含有量に基づいて、粉体中のSiO換算量とB換算量の和を100重量部とした場合に対するBの含有量(重量部)を算出した。
焼成粉はそれ単体ではプレスしても成型できないため、PVA溶液と混合し造粒させて加圧成型しやすくした。具体的には、焼成粉に対してPVAが0.8~1.5質量%になるように10質量%PVA水溶液を少しずつ添加しながら全体が均一になるまで乳鉢で混合した。混合粉を110℃1時間乾燥し、乳鉢で解砕した。目開き150μm前後のふるいに通して焼成粉のXRF測定サンプルとした。
ホウ素の減少率は、以下の式によって求めた。
ホウ素の減少率(%)=(シリカ乾燥粉体のBの含有量-シリカ焼成物Bの含有量)/(シリカ乾燥粉体のBの含有量)×100
(5)粘度
得られた分散体について温度25℃で振動式粘度計(株式会社エー・アンド・デイ社製、SV-1H)により粘度測定を行った。20mLのスクリュー管(マルエム社製、型番No.5(白)、本体高さ55mm、外径27mm)に各分散体18mLを入れて測定した。
(6)沈降率
実施例及び比較例で得られた分散体18mLを20mLのスクリュー管に計り入れ、24~26℃で1000時間静置した後、分散体の高さ(a)と沈降物の高さ(b)とを測定し、下記数式(1)より沈降率を算出した。
b/a×100( % ) (1)
2、シリカ分散体、乾燥粉体、焼成物の製造
<実施例1>
(i)種粒子(シード)の製造
イオン交換水(5361.5g)とL(+)-アルギニン(和光純薬社製、10.5g)を混合してヒーターを用いて60℃まで加熱する。150rpmで撹拌し、そこに正珪酸エチル(多摩化学社製、628.0g)を添加する。正珪酸エチルを添加してから7時間後に加熱を止め、加熱停止後から約16時間後に回収した。得られたシードスラリー1は透明で沈殿物はなかった。
(ii)シリカ分散体の製造
イオン交換水(1368.5g)と工業用アルコール製剤(甘糟化学産業社製、アルコゾールP-5、1376.1g)とシードスラリー1(997.2g)とを混合させた。さらにL(+)-アルギニン(1.33g)と25%アンモニア水(大盛化工社製、81.0g)を加えてヒーターを用いて溶液温度を55℃とした。その溶液を750rpmにて撹拌し、そこに、正珪酸エチル(675.9g)とホウ酸トリエチル(東京化成工業社製、26.2g)の混合溶液を240分かけて添加した後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で、液量に対して6倍水洗することにより、シリカ分散体1を得た。得られたシリカ分散体1中のシリカ粒子はアモルファスであった。
(iii)シリカ乾燥粉体の製造
上記シリカ分散体1を蒸発皿へ移し、105℃で一晩乾燥し、水分を除去し、シリカ乾燥粉体1を得た。
(iv)シリカ焼成物(焼成粉)の製造
上記シリカ乾燥粉体1を乳鉢で解砕し、アルミナ製坩堝に20g充填して、大気雰囲気中で200℃/時で1100℃まで昇温し、そのまま5時間保持後、室温まで降温した。こうして得られた焼成物を乳鉢で解砕し、シリカ焼成物1を得た。得られたシリカ焼成物1はアモルファスであった。また、シリカ乾燥粉体1及びシリカ焼成物(焼成粉)1の元素分析を行いホウ素の減少率を求めたところホウ素の減少率は、8.3%であった。
<実施例2>
(i)種粒子(シード)の製造
イオン交換水(5361.5g)とL(+)-アルギニン(和光純薬社製、10.5g)を混合してヒーターを用いて60℃まで加熱する。150rpmで撹拌し、そこに正珪酸エチル(多摩化学社製、628.0g)を添加する。正珪酸エチルを添加してから7時間後に加熱を止め、加熱停止後から約16時間後に回収した。得られたシードスラリー2は透明で沈殿物はなかった。
(ii)シリカ分散体の製造
イオン交換水(1368.5g)と工業用アルコール製剤(甘糟化学産業社製、アルコゾールP-5、1376.1g)とシードスラリー2(997.2g)とを混合させた。さらにL(+)-アルギニン(1.33g)と25%アンモニア水(大盛化工社製、81.0g)を加えてヒーターを用いて溶液温度を55℃とした。その溶液を750rpmにて撹拌し、そこに、正珪酸エチル(675.9g)とホウ酸アンモニウム・八水和物(和光純薬社製、11.3g)6.5質量%水溶液を240分かけて同時添加した後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で15質量%前後になるまで濃縮し、液量に対して6倍水洗することにより、シリカ分散体2を得た。得られたシリカ分散体2中のシリカ粒子はアモルファスであった。
次に実施例1の(iii)と同じ操作を行いシリカ乾燥粉体2を得、実施例1の(iv)において1000℃まで昇温する以外は同じ操作を行いシリカ焼成物2を得た。得られたシリカ焼成物2はアモルファスであった。また、シリカ乾燥粉体2及びシリカ焼成物(焼成粉)2の元素分析を行いホウ素の減少率を求めたところホウ素の減少率は、6.5%であった。
<実施例3>
(i)種粒子(シード)の製造
実施例1と同様にして種粒子を合成する。
(ii)シリカ分散体の製造
イオン交換水(339.1g)と工業用アルコール製剤(甘糟化学産業社製、アルコゾールP-5、764.5g)とシードスラリー1(554g)とを混合させた。さらにL(+)-アルギニン(0.7g)と25%アンモニア水(大盛化工社製、216.5g)を加えてヒーターを用いて溶液温度を50℃とした。その溶液を180rpmにて撹拌し、そこに、正珪酸エチル(375.5g)とホウ酸トリエチル(東京化成工業社製、14.5g)の混合溶液を240分かけて添加した後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で15質量%前後になるまで濃縮し、液量に対して6倍水洗することにより、シリカ分散体3を得た。得られたシリカ分散体3中のシリカ粒子はアモルファスであった。
次に実施例1の(iii)と同じ操作を行いシリカ乾燥粉体3を得、実施例1の(iv)において1000℃まで昇温する以外は同じ操作を行いシリカ焼成物3を得た。得られたシリカ焼成物はアモルファスであった。また、シリカ乾燥粉体3及びシリカ焼成物(焼成粉)3の元素分析を行いホウ素の減少率を求めたところ10%であった。
<比較例1>
(i)種粒子(シード)の製造
実施例1と同様にして種粒子を合成する。
(ii)シリカ分散体の製造
イオン交換水(6392g)と工業用アルコール製剤(甘糟化学産業社製、アルコゾールP-5、7644g)とシードスラリー1(5540g)とを混合させた。さらにL(+)-アルギニン(7g)と25%アンモニア水(大盛化工社製、1664g)を加えてヒーターを用いて溶液温度を40℃とした。その溶液を120rpmにて撹拌し、そこに、正珪酸エチル(3753g)を240分かけて添加した後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で15質量%前後になるまで濃縮し、液量に対して6倍水洗することにより、比較シリカ分散体1を得た。得られた比較シリカ分散体1中のシリカ粒子はアモルファスであった。
次に実施例1の(iii)と同じ操作を行い、比較シリカ乾燥粉体1を得、実施例1の(iv)において1000℃まで昇温する以外は同じ操作を行い、比較シリカ焼成物1を得た。得られた比較シリカ焼成物1はアモルファスであった。
<比較例2>
(i)シリカの製造
正珪酸エチル(119g)と酸化ホウ素(和光純薬社製、1.8g)を工業用アルコール製剤(甘糟化学産業社製、アルコゾールP-5、1184g)と混合し溶解させる。その溶液を300rpmにて撹拌し、そこに、25%アンモニア水(大盛化工社製、10g)を添加し12時間撹拌した後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で15質量%前後になるまで濃縮し、液量に対して6倍水洗することにより、比較シリカ分散体2を得た。得られた比較シリカ分散体2中のシリカ粒子はアモルファスであった。静置すると固形分は沈降した。
次に実施例1の(iii)と同じ操作を行い、比較シリカ乾燥粉体2を得、実施例1の(iv)において1000℃まで昇温する以外は同じ操作を行い、比較シリカ焼成物2を得た。得られた比較シリカ焼成物2はアモルファスであった。また、比較シリカ乾燥粉体2のホウ素量を測定した結果、ホウ素が検出されなかったことから、種粒子が存在しないとシリカ粒子にホウ素がドープされず、限外濾過工程においてホウ素がシリカ粉体から除去されてしまったと考えられる。
<比較例3>
(i)シリカの製造
ホウ酸(和光純薬社製、9.5g)を純水(101g)に溶解させ、さらに25%アンモニア水(1058g)を添加する。これをA液とする。正珪酸エチル(99.5g)を工業用アルコール製剤(595g)と混合し、B液とする。A液を400rpmにて撹拌し、そこに、B液を添加し30分撹拌する。そこに、25%アンモニア水(1512g)と純水(838g)の混合溶液を加え、18時間撹拌した後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で15質量%前後になるまで濃縮し、液量に対して6倍水洗することにより、比較シリカ分散体3を得た。得られた比較シリカ分散体3中のシリカ粒子はアモルファスであった。静置すると固形分は沈降した。
次に実施例1の(iii)と同じ操作を行い、比較シリカ乾燥粉体3を得、実施例1の(iv)において1000℃まで昇温する以外は同じ操作を行い、比較シリカ焼成物3を得た。得られた比較シリカ焼成物3はアモルファスであった。また、比較シリカ乾燥粉体3のホウ素量を測定した結果、ホウ素が検出されなかったことからシリカ粒子にホウ素がドープされず、限外濾過工程においてホウ素がシリカ粉体から除去されてしまったと考えられる。
<比較例4>
(i)種粒子(シード)の製造
実施例1と同様にして種粒子を合成する。
(ii)シリカ分散体の製造
イオン交換水(456.2g)と工業用アルコール製剤(甘糟化学産業社製、アルコゾールP-5、458.7g)とシードスラリー1(332.4g)とを混合させた。さらに25%アンモニア水(大盛化工社製、81.0g)を加えてヒーターを用いて溶液温度を45℃とした。その溶液を490rpmにて撹拌し、そこに、正珪酸エチル(225.3g)とホウ酸トリエチル(東京化成工業社製、23.4g)の混合溶液を240分かけて添加したが、ゲル化した。ホウ酸トリエチルの添加量が過剰であったため系中のアンモニアと反応して凝集作用が働いたと考えられる。ゲル化したものに水を加え、20μmフィルターでゲル状凝集物を除いた後、旭化成製UF膜モジュール「マイクローザ」型式ACP-1013D(限外ろ過膜の分画分子量:13,000)を用いて供給液流量:3660ml/分で15質量%前後になるまで濃縮し、液量に対して6倍水洗することにより、比較シリカ分散体4を得た。得られた比較シリカ分散体4中のシリカ粒子はアモルファスであった。
次に実施例1の(iii)と同じ操作を行い、比較シリカ乾燥粉体4を得、実施例1の(iv)において1000℃まで昇温する以外は同じ操作を行い、比較シリカ焼成物4を得た。得られたシリカ焼成物はアモルファスであった。また、比較シリカ乾燥粉体4及び比較シリカ焼成物(焼成粉)4の元素分析を行いホウ素の減少率を求めたところ11%であった。
実施例1~3、比較例1~4における原料の組成および得られたシリカ分散体の各種物性と表1に示す。
Figure 0007148001000001
実施例1~3、比較例1~4で得られたシリカ分散体のTEM写真を図1~6に示す。
実施例1、比較例1および2で得られた乾燥粉体について、熱減量分析によるTG分析結果を図7に、DTA分析結果を図8に示す。
熱減量分析の結果、本願実施例1のシリカ乾燥粉体は、加熱による重量減少は確認されなかった。比較例2の重量減少は加水分解が完了しないまま縮合し粒子形成なされたために原料の有機部が残存したものであると考えられる。このことから、実施例1では十分に加水分解され、揮発成分の少ないシリカ粒子が生成されていることが示唆されている。
MLCCのHALT試験
実施例1と比較例1の粉体をMLCC材料として使用し、HALT試験に供した。MLCCはBaTiOを主剤とし、実施例1と比較例1で得られた粉体をBaTiOに対して0.1重量%の割合で添加し作成した。ドーパントとしてY-Dy-Mg-Mn-V系を使用した。MLCCの形状は3225サイズで層間厚みは3μmとした。
作製したMLCCを用いてHALT試験を実施した。HALT試験では印加電圧は全て40(V/μm)一定とし、加速温度140℃,加速電圧128Vの条件で評価した。
結果を表2及び図9に示す。表2及び図9から明らかなように、実施例1に記載のホウ素含有シリカは優れた平均故障時間(MTTF)を示した。
Figure 0007148001000002

Claims (10)

  1. ホウ素原子を含む非晶質シリカ粒子と分散媒とを含むホウ素含有シリカ分散体であって、
    該ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡写真において無作為に選んだ40個の粒子によって求めた平均粒子径が10~100nmであり、
    該ホウ素含有シリカ分散体は、固形分濃度が5~30質量%であり、
    該ホウ素含有シリカ分散体を1000時間静置したときの粒子の沈降率が4%以下であり、該ホウ素含有シリカ分散体を下記の方法で限外ろ過して乾燥したときの酸化物換算でのSiO及びBの割合は、SiO及びBの合計100質量%に対して、それぞれ90.0~99.8質量%、0.2~10.0質量%であり、
    該分散体の乾燥物を下記の条件で焼成したときのホウ素含有量の減少率が10質量%以下であることを特徴とするホウ素含有シリカ分散体。
    <限外ろ過の方法>
    分画分子量:13,000の限外ろ過膜を用いて供給液流量:3660ml/分でホウ素含有シリカ分散体の体積の6倍量の純水を逐次添加して水洗する。
    <焼成条件>
    乾燥物5~10gをアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/時で1000~1100℃まで昇温し、そのまま5時間保持後、室温まで降温する。
  2. 前記ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、下記の方法により求める粒度分布の平均粒子径D50が10~100nmであることを特徴とする請求項1に記載のホウ素含有シリカ分散体。
    <粒度分布の算出方法>
    動的光散乱式粒子径分布測定装置により体積平均粒子径の測定を行う。測定時の粒子濃度が測定に適した濃度(ローディングインデックス=0.01~1の範囲)になるようにホウ素含有非晶質シリカ粒子を含むスラリーをイオン交換水で希釈する。
    測定時間は60秒とする。
    粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.46、形状:真球形、密度(g/cm):1.00、
    溶媒:水、屈折率:1.333、粘度:30℃:0.797、20℃:1.002とする。
    得られた体積基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値を、平均粒子径D50(nm)とする。
  3. 前記ホウ素含有シリカ分散体は、透過型電子顕微鏡写真において無作為に選んだ40個の粒子に基づいて求めた粒子径の変動係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径)が0.25以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のホウ素含有シリカ分散体。
  4. 前記ホウ素含有シリカ分散体は、下記の方法により求める粒度分布のD90/D10が4.0以下かつD100が300nm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のホウ素含有シリカ分散体。
    <粒度分布の算出方法>
    動的光散乱式粒子径分布測定装置により体積平均粒子径の測定を行う。測定時の粒子濃度が測定に適した濃度(ローディングインデックス=0.01~1の範囲)になるようにホウ素含有非晶質シリカ粒子を含むスラリーをイオン交換水で希釈する。
    測定時間は60秒とする。
    粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.46、形状:真球形、密度(g/cm ):1.00、
    溶媒条件:水、屈折率:1.333、粘度は30℃:0.797、20℃:1.002とする。
    得られた体積基準粒度分布曲線において積算値が10%、90%、100%のときの粒径値を、それぞれ、平均粒子径D 10 (nm)、D 90 (nm)D 100 (nm)とする。
  5. 前記ホウ素含有非晶質シリカ粒子は、下記の方法により求める平均円形度が0.65以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のホウ素含有シリカ分散体。
    <平均円形度の算出方法>
    透過型電子顕微鏡で撮影したTEM像のファイルを画像解析ソフトで読み込み、粒子解析のアプリケーションを用い、40個の粒子の平均円形度を測定する。
  6. 前記ホウ素含有シリカ分散体は、下記の方法により測定する粘度が15mPa・s以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のホウ素含有シリカ分散体。
    <粘度の測定方法>
    温度25℃のホウ素含有シリカ分散体について振動式粘度計により粘度測定を行う。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のホウ素含有シリカ分散体を製造する方法であって、
    該製造方法は、ケイ素原子を含む種粒子を得る工程(A)と、
    工程(A)で得られたケイ素原子を含む種粒子と、工程(A)で得られた種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物と、ホウ素原子含有化合物とを混合する工程(B)とを含み、
    該工程(B)において、該ケイ素原子含有化合物の加水分解物にホウ素原子含有化合物から析出させたホウ素を反応させることを特徴とするホウ素含有シリカ分散体の製造方法。
  8. 前記ホウ素原子含有化合物の使用量はホウ素原子数換算で、ケイ素原子を含む種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物とにおける合計のケイ素原子100モル%に対して0.4~10モル%であることを特徴とする請求項7に記載のホウ素含有シリカ分散体の製造方法。
  9. 前記ケイ素原子を含む種粒子の使用量はケイ素原子数換算で、ケイ素原子を含む種粒子と、該種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物とにおける合計のケイ素原子100モル%に対して1~20モル%であることを特徴とする請求項7又は8に記載のホウ素含有シリカ分散体の製造方法。
  10. 前記混合工程(B)において、塩基性触媒を、種粒子とは異なるケイ素原子含有化合物におけるケイ素原子及びホウ素原子含有化合物におけるホウ素原子の合計100モル%に対して10~50モル%添加することを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載のホウ素含有シリカ分散体の製造方法。
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