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JP7145848B2 - マルチアングル効率を有する反射防止被膜を含む光学レンズ - Google Patents

マルチアングル効率を有する反射防止被膜を含む光学レンズ Download PDF

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JP7145848B2 JP2019515594A JP2019515594A JP7145848B2 JP 7145848 B2 JP7145848 B2 JP 7145848B2 JP 2019515594 A JP2019515594 A JP 2019515594A JP 2019515594 A JP2019515594 A JP 2019515594A JP 7145848 B2 JP7145848 B2 JP 7145848B2
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Description

本発明は、広範囲の入射角にわたる可視光の反射を大いに低減する反射防止被膜をその主面の少なくとも1つの上に含む光学レンズに関する。光学レンズは、眼科用レンズ、特に眼鏡レンズであり得る。
反射防止被膜は通常、干渉薄層を含む多層積層(通常は、高屈折率及び低屈折率の誘電材料又はゾル・ゲル材料に基づく交互層)からなる。光学物品の透明基板上に堆積されると、このような被覆の機能は、可視光スペクトルの比較的大きな部分内の光学物品-空気界面における光反射を低減し、したがって光透過率を増加する。したがって、このようにして被覆された基板はその透過光/反射光比を増加させ、これによりその前に位置する物体の可視性を改善する。光学物品において最大反射防止効果を実現することが求められる場合、基板の両面(前面と後面)にこのタイプの被覆を備えることが好ましい。
反射防止被覆は通常、眼科光学の分野において使用される。しかし、これまでに開発されたほとんどの反射防止被膜は、可視領域における(典型的には380~780nmのスペクトル範囲内の)法線に近い入射(0°~15°の入射角θ)におけるレンズ面上の光反射を低減するように設計され最適化された。一般的に、光学レンズの前面及び/又は後面上の可視領域における平均光反射率Rは15°において面当たり2.5%未満である。
しかし、平均光反射率Rは入射角θに依存し、市販の反射防止被膜は、15°より高い入射角に対して低いR値を提供するように設計されてこなかった。これら市販の反射防止被膜のほとんどは、15°を越えると増加し例えば40°において2倍大きくなり得るRを有する。
広い角度範囲(典型的には[0°-45°]、好適には[0°-50°])にわたって低R値を有する反射防止被膜を有することは特に興味があるだろう。眼科用レンズの場合、装着者及び観察者の両方はこの改善から恩恵を受けるだろう。
観察者の視点からは、これらの恩恵は主として美的なものである。前面及び側面鏡効果が低減され、これにより、観察者が装着者の前に位置するか横方向位置に位置するかに関わらず装着者の眼のより良好な視力を有する能力に繋がるであろう。観察者もまた、装着者の一方の側から他方の側へ移動する際に反射によりあまり悩まされないであろう。
装着者の視点からは、[30°-45°]の入射角に含まれる光の反射光線を低減することは、このような入射角を有する光がレンズの裏側からの反射と不快感とを生じるので、極めて重要である。
上記を考慮すると、改善された美的外観を同時に有する一方で他の被覆の機能特性に影響を与えることなく高い入射角を特に考慮する可視範囲において広範囲の入射角にわたって高効率を有する新規な反射防止被覆(特に、拡大された入射角範囲にわたって反射の均一色及び色強度を表す反射防止被覆)を有する光学レンズの必要性がある。光学レンズが315~400nmのUVA帯域及び/又は280~315nmのUVB帯域内のレンズの後面上の反射を低減するように設計されるということも望ましい。これらのUVA及びUVB帯域は実際、網膜にとって特に有害である。
本発明の必要性に対処するためにそして従来技術の上記欠点を救済するために、本出願人は、前主面と後主面とを有する基板を含む光学レンズであって、これら主面の少なくとも1つは、
-入射角θの範囲[0°-50°]において、前記被覆された主面上の平均光反射率R(θ)は範囲[20°-50°]に含まれる入射角θminに対して最小値Rvminを提示し、
-Rvmin/R(15°)<0.95、R(15°)は前記被覆された主面上の15°の入射角θに対する平均光反射率となるように反射防止被覆により被覆される光学レンズを提供する。
本発明の前述の及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面と併せて考察されると以下の詳細な説明を読むことにより当業者に容易に明らかになる。
本発明による光学レンズ(実線)及び比較レンズ(点線)の前主面の入射角θ(度)に応じた平均光反射率R(%)のプロットを表す。 本発明による光学レンズ(実線)及び比較レンズ(点線)の後主面の入射角θ(度)に応じた平均光反射率R(%)のプロットを表す。
本明細書で使用されるように、物品がその表面上に1つ又は複数の層又は被覆を含む場合、「層又は被覆を物品上に堆積する」は、層又は被覆が物品外側被覆(すなわち、基板から最も遠い被覆)の未被覆(露出)表面上に堆積されることを意味する。
本明細書で使用されるように、基板/被覆「上に」存在する又は基板/被覆「上へ」堆積された被覆は、(i)基板/被覆の上に配置されており、(ii)基板/被覆に必ずしも接触していなく、すなわち1つ又は複数の中間被覆が基板/被覆と当該被覆間に交互配置され得る(が、好適には前記基板/被覆と接触する)、(iii)基板/被覆を必ずしも完全には覆わない、被覆として定義される。「被覆1が被覆2の下に位置すると言われる」場合、被覆2は被覆1より基板からより遠くにあるということを理解すべきである。
用語「被覆」は、基板及び/又は別の被覆(例えばゾル・ゲル被覆又は有機樹脂で作られた被覆)と接触し得る任意の層、積層、又は膜層を意味するものと理解される。被覆は、湿式処理、気体式処理、及び膜転写を含む様々な方法を通じて堆積又は形成され得る。
本明細書では、用語「レンズ」は、様々な性質の1つ又は複数の被覆により被覆され得るレンズ基板を含む好適には透明な有機又は無機ガラスレンズ又はレンズブランク(特に、眼科用レンズ又はレンズブランク)を意味する。レンズは無限焦点、単焦点、二焦点、三焦点、及び累進レンズから選択され得る。
用語「眼科用レンズ」は、眼を保護する及び/又は視力を補正するために眼鏡フレームに適応化されたレンズを意味するために使用される。眼科光学が本発明の好適な分野であるが、本発明は、光反射を防止することが有益であり得る他のタイプの光学レンズ(例えば写真又は天文学における光学機器のレンズ、光学的照準レンズ、接眼バイザー、照明システムの光学系など)へ適用され得るということが理解される。
本明細書では、別途規定しない限り、光学素子/材料は前記光学物品を介した像の観測がコントラストの重大損失無しに知覚される場合(すなわち、前記光学物品を介した像の形成が像の品質に悪影響を与えることなく得られる場合)に透明であると理解される。
光学レンズは、その前主面、後主面、又は両主面において少なくとも1つの機能被覆により被覆される。本明細書で使用されるように、基板の後面は、物品を使用する際に装着者の眼から最も近い面を意味するように意図されており、通常は凹面である。逆に、基板の前面は、物品を使用する際に装着者の眼から最も遠い面であり、通常は凸面である。光学レンズはまた、プラノレンズであり得る。
基板は、本発明の意味では、非被覆基板を意味するものと理解されるべきであり、通常は2つの主面を有する。基板は特に、光学物品(例えば眼鏡フレームに搭載されることになる眼科用レンズ)の形状を有する光学的に透明な材料であり得る。この文脈では、用語「基板」は光学レンズ(より詳細には眼科用レンズ)の基礎構成材料を意味するものと理解される。この材料は、1つ又は複数の被覆又は層の積層の支持体として働く。
本発明の物品の基板は、眼科業界において使用される眼科品質等級の透明材料から概して選択される無機又は有機基板(例えば熱可塑性又は熱硬化性プラスチックで作られる有機基板)であり得る。
特に好ましいクラスの基板材料と呼ばれるものは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタラート及びポリカーボネートの共重合体、ポリノルボルネンなどのポリオレフィン、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)の重合体及び共重合体などのアルキレングリコールビスアリルカーボネートの重合又は(共)重合から生じる樹脂(例えばPPG Industries社により商標名CR-39(登録商標)下で市販される、対応市販レンズはESSILORからのORMA(登録商標)レンズと呼ばれる)、ビスフェノールAから導出されるものなどのポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの(メタ)アクリル又はチオ(メタ)アクリル重合体及び共重合体、ウレタン及びチオウレタン重合体及び共重合体、エポキシ重合体及び共重合体、エピスルフィド重合体及び共重合体である。
反射防止被覆を任意選択的被覆基板上へ蒸着する(例えば、耐摩耗性層及び/又は傷防止被覆により又はプライマー被覆により)前に、前記任意選択的被覆基板の表面は通常、反射防止被覆の接着性を強化するように物理的又は化学的表面活性化処理に付される。このような前処理は通常、真空下で行われる。このような前処理は、エネルギー種及び/又は反応種によるボンバードメント、例えばイオンビーム(「イオン前洗浄」すなわち「IPC:Ion Pre-Cleaning」)、又は電子ビーム、コロナ放電処理、イオン粉砕処理、紫外線処理、又は通常は酸素又はアルゴンプラズマを使用する真空下のプラズマ媒介処理であり得る。このような前処理はまた、酸性又は塩基性処理及び/又は溶媒(水、過酸化水素又は任意の有機溶媒)ベースの処理であり得る。
本発明による反射防止被覆は特に、0°~45°(好適には0°から50°)の範囲のレンズに対する入射角を有する可視放射の反射を最小化するように設計される。
本発明によると、入射角は眼科用レンズ表面上の入射光線と入射点における表面に対する法線とのなす角度である。この光線は、例えば国際比色分析CIE Lにおいて定義された標準光源D65などの光源である。通常、入射角は0°(法線入射)から90°(すれすれの入射)まで変化する。入射角の通常範囲は0°~75°である。観察者の視点からは、入射角はまた観測角度である。
反射防止被覆は、光学物品の面上へ堆積され最終光学物品の反射防止特性を改善する被覆として定義される。反射防止被覆は、可視スペクトルの比較的大きな部分全体にわたる光学物品-空気界面における光反射を低減することを可能にする。定義により、反射防止被膜は、15°の入射角に対して2.5%以下の平均光反射率Rを基板の主面へ与える。
入射角θの範囲[0°-50°]では、反射防止被膜により被覆された基板の主面上の平均光反射率R(θ)は範囲[20°-50°]に含まれる入射角θminに対して最小値Rvminを提示する。θminは好適には範囲[20°-35°]内に含まれる。
さらに、Rvmin/R(15°)<0.95、R(15°)は前記被覆された主面上の15°の入射角θに対する平均光反射率である。好適には、Rvmin/R(15°)<0.9、より好適には<0.8。RvminはR(15°)より少なくとも5%、好適には少なくとも10%、より好適には少なくとも20%だけ小さいということと、R(θ)が15°(図1、2に示すように)より高い入射角に対して最小値に達するということとは、これまで開発された反射防止被膜が、単調増加する入射角θに応じたRの変動を呈示するので、極めて例外的である。
実際、レンズ上の反射は不快感と損傷視力との原因である。この影響を正しく測定するために、装着者のレンズ上に到達する光はすべての入射角において積分される必要がある。このことは「高い入射角で到達する光が、低い入射角で到達する光と同じ程度にR(θ)に寄与する」ということを意味する。本発明におけるR(θ)の特定変動は、なぜ本反射防止被膜が広範囲の入射角に対して非常に効率的であるかの理由である。
好ましい実施態様では、反射防止被膜は、R(35°)<R(θ)(θ=0°、10°又は15°)及び/又はR(30°)<R(θ)(θ=0°、10°又は15°)となるようにされる。入射角θに応じたRの漸進的変化は15°~θmin間(より好適には0°~θmin間)で単調減少することが好ましい。
本明細書では、R(θ)で表される「平均光反射率」(「視感反射率」とも呼ばれる)はISO標準規格13666:1998に定義されたとおりである:すなわち、これは380~780nmの全可視スペクトル全体にわたる平均の重み付けスペクトル反射である。R(θ)は、ISO8980-4標準規格に従って測定されるが、この標準規格において指示される入射角(すなわち、17°未満の入射角、典型的には15°)の範囲に限定されない。R(θ)は0°~90°(典型的には0°~50°)の範囲の任意の入射角において測定され得る。
本発明の一実施形態では、反射防止被覆は、R(15°)が前記反射防止被膜により被覆された主面上で1.5%以下、好適には1%以下、より好適には0.75%以下であるようにされる。
本発明の別の実施態様では、反射防止被覆は、R(35°)が前記反射防止被膜により被覆された主面上で1.5%以下、好適には1%以下、より好適には0.6%以下であるようにされる。
本発明のいくつかの態様では、反射防止被覆は、R(θ)が前記反射防止被膜により被覆された主面上で0°~45°の範囲の各入射角θに対して1.5%以下、好適には1%以下であるようにされる。さらに好適には、反射防止被覆は、R(θ)が前記反射防止被膜により被覆された主面上の0°~40°の範囲の各入射角θに対して0.6%以下であるようにされる。
0°~θmaxの範囲の入射角に対して光学面上の反射防止処理のグローバル効率は、以下のパラメータにより定量化され得る:
Figure 0007145848000001
係数αが最小であればグローバル反射現象は最小になる。
入射角の様々な領域にわたる反射防止被覆の性能の比較のために、係数αは、一定で1%に等しいモデルR(θ)関数に対して1%に等しい係数αを有するように数値定数Kにより正規化される。Kは、θmaxだけに依存し、次式により定義される:
Figure 0007145848000002
このやり方により、範囲[0°-40°]全体にわたるレンズの性能が範囲[0°-50°]全体にわたる別のレンズと比較され得る。
係数αの近似値はいくつかの単純化により計算され得る。R(θ)はRがほぼ一定のθのいくつかの領域を提示するので、係数αを次式により定義し得る:
Figure 0007145848000003
ここで、
Figure 0007145848000004
はθ1~0°範囲全体にわたるRの平均値であり、
Figure 0007145848000005
は範囲θ1~θmax全体にわたるRの平均値である。
θ1は低入射角の領域とθminを含む高入射角の領域とを分離するように選択される。特に、θ1は40°~15°の範囲内で選択され得る。
この定義により、近似係数αの2つの積分は、純粋に幾何学的であり、正確に計算され得、一定で1%に等しいモデルR(θ)関数に対して1%に等しい係数αを有するように数値定数Kにより再正規化される。
特に、θmaxは35°より高く、好適には40°より高い。いくつかの実施形態では、θmaxは、45°より高く、さらには50°より高い方が良い。θmaxが最大であれば、より多くの入射光が係数αへ組み込まれる。
0°~θmaxの範囲の入射角に対する、光学レンズなどの2つの対向面を有する基板上の反射防止処理のグローバル効率は、次のパラメータにより定量化され得る:
Figure 0007145848000006
ここで、R front(θ)は入射角θに対する基板の前主面の平均光反射率を表し、R rear(θ)は入射角θに対する基板の後主面の平均光反射率を表す。
係数α2の近似値は係数αと同様なやり方で計算され得る。特に、数値定数K2は、一定で1%に等しいモデル関数R front(θ)及びR rear(θ)に対して1%に等しい係数α2を有するように計算される。
特定実施形態では、θmaxは45°へ設定され、θ1は25°へ設定され、
Figure 0007145848000007
は前面及び後面に関してR(15°)へ設定され、
Figure 0007145848000008
は前面及び後面に関してR(35°)へ設定され、係数α2のその結果の式は次式であり、その計算は実験的部分において詳述される:
α2=0.159.(R front(15°)+R rear(15°))+0.341.(R front(35°)+R rear(35°))
このパラメータは、低い及び高い入射角の両方を考慮するので特に有意義である。
低いα又はα2値は、反射防止処理の高マルチアングル効率を示す。本光学レンズのパラメータα2は好適には0.7以下であり、より好適には0.6以下であり、さらに好適には0.55以下である。反射防止特性のマルチアングル効率のこのような高レベルは、両主面上に本発明による反射防止被膜を有する光学レンズにより達成される。
本発明による反射防止被膜のパラメータαは好適には、次の値のうちの任意の1つの値以下である:0.85、0.75、0.70、0.60、0.50及び0.40。レンズの前面上の反射防止被膜は、0.85以下、より好適には0.75以下、さらにより良好には0.70、0.60、又は0.50以下のαパラメータを有することが好ましい。レンズの前面上の反射防止被膜は、0.70以下、より好適には0.60以下、さらにより良好には0.50以下、さらにより良好には0.40以下のαパラメータを有することが好ましい。
本発明のいくつかの態様では、反射防止被覆は、R係数が前記反射防止被膜により被覆された主面上で2.5%、2%、1.5%、1%、0.8%、又は0.6%以下であるようにされる。
本出願では、Rで表される「平均反射率」はISO13666:1998標準規格において定義されるようなものである、すなわち、これは、全可視スペクトル400~700nmにわたる平均の(非重み付け)スペクトル反射である。RはISO8980-4標準規格に従って(すなわち17°(本出願では15°)未満の入射角に対して)測定される。
本発明による光学レンズは、可視スペクトルTv内で好適には以下の値のうちの任意の1つの値以上の相対的光透過係数を有する:87%、88%、89%、90%、92%、95%。前記係数Tvは、好適には87%~98.5%、より好適には87%~97%、さらにより良好には87%~96%の範囲である。別の実施形態では、Tvは89%~98%、好適には90%~97%の範囲である。
系の「視感透過率」とも呼ばれる係数Tvは、標準規格NF EN 1836において定義されるようなものであり、同範囲の各波長における眼の感度に従って重み付けされD65照明条件(昼光)下で測定される380~780nm波長範囲内の平均値に関係する。
国際比色分析(international colorimetric)CIE Lにおける本発明の光学レンズの比色分析係数は、標準光源D65と観察者(10°、標準観察者)とを考慮して380~780nmの間で計算された。
本発明の実施形態によると、基板の主面の少なくとも1つの上に堆積される反射防止被覆は、
-色度Cは、15°の入射角に対して22以下、好適には≦20、より好適には≦15である、及び/又は、
-前記反射防止被膜により表示される残色は、入射角15°に対して、240°~300°、好適には250°~290°、より好適には260°~280°の範囲の色相角(h)を有し、したがって青色~紫色反射を有する被覆を生じるようにされる。反射防止積層の残留反射光の色は、15°の入射角に対して青色であり、緑色-黄色領域内の最小反射を有するということが好ましい。実際、最小反射が,15°の入射角に対して明所視条件(550nm当たりの)における最高眼感度を越えて緑色-黄色領域内にあれば、35°の入射角に対する最小反射は、明所視状態における最高眼感度未満の領域内の可視スペクトルの青色端(短波長)方向にシフトされることになる。したがって、最小反射は15°~35°の入射角に対して知覚されることになる、最小反射は、明所視状態における正確に最高眼感度においてある。
好適には、本発明の反射防止被覆は入射角θに従って滑らかな知覚残留反射色変動を示し、このことは「被覆基板が観測される入射角が何であってもレンズ面全体にわたる様々な色相の著しい色勾配も様々な色強度の著しい色勾配もなく、したがって改善された美的外観に繋がる」ということを意味する。
反射防止被膜は通常、国際公開第2013/098531号パンフレットに開示される誘電体及び/又はゾル・ゲル材料及び/又は有機/無機層で構成された単層又は多層積層である。反射防止被膜は高屈折率(HI)を有する少なくとも1つの層と低屈折率(LI)を有する少なくとも1つの層との積層を含む多層被覆であることが好ましい。より好適には、反射防止被膜は低屈折率を有する少なくとも2つの層と高屈折率を有する少なくとも2つの層とを含む。反射防止被覆における総層数は、好適には3以上、より好適には4以上、そして好適には8以下、より好適には7以下、さらに好適には6以下である。
本出願では、反射防止被覆の層は、その屈折率が1.55より高い、好適には1.6以上、より好適には1.8以上、さらに好適には1.9以上であると高屈折率を有する層であると言われる。前記HI層は好適には3未満の屈折率を有する。反射防止被覆の層は、その屈折率が1.55以下、好適には1.50以下、より好適には1.48以下であると低屈折率層であると言われる。前記LI層は好適には1.1を越える屈折率を有する。特に規定されない限り、本発明において参照される屈折率は550nmの波長、25℃において表現される。
本明細書で使用されるように、反射防止被覆の層は1nm以上厚さを有するものとして定義される。したがって、反射防止被覆の層の数をカウントする場合、1nm未満の厚さを有するいかなる層も考慮されない。反射防止被覆の層の数をカウントする場合、副層(存在する場合)もまた考慮されない。
HI層とBI層は、本発明の一実施形態に従ってそのようにし得るが積層内で互い違いになる必要はない。2つ(又はそれを越える数)のHI層が互いの上に蒸着され得、同様に2つの(又はそれを越える数)LI層が互いの上に蒸着され得る。
高屈折率層は当該技術分野において十分に知られている。高屈折率層は通常、限定しないがジルコニア(ZrO)、二酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)、五酸化タンタル(Ta)、酸化ネオジム(Nd)、酸化プラセオジム(Pr)、チタン酸プラセオジム(PrTiO)、La、酸化ニオブ(Nb)、Y、窒化シリコン、及び酸化シリコンなどの1つ又は複数の金属酸化物を含む。任意選択的に、HI層はさらに、上に示したように1.55を越える屈折率を有するという条件で低屈折率を有するシリカ又は他の材料を含み得る。好適な材料は、ZrO、Al、Ta、Nb及びそれらの混合物を含む。
好適な実施形態では、本発明による反射防止被膜は二酸化チタン(TiO)を含まない。
LI層はまたよく知られており、限定しないが、SiO、MgF2などの酸化ケイ素、又はシリカとアルミナの混合(特にアルミナドープシリカ)を含み得る。後者は反射防止被覆熱抵抗を増加することに寄与する。LI層は、層全重量に対して好適には少なくとも重量比80%のシリカ、より好適には少なくとも重量比90%のシリカを含む層であり、さらに好適にはシリカ層からなる。
任意選択的に、LI層はさらに、結果層の屈折率が1.55以下であるという条件で、高屈折率を有する材料を含み得る。
SiOとAlの混合物を含むLI層が使用される場合、LI層は、このような層内のSiO+Al全重量に対する重量比で、好適には1~10%、より好適には1~8%、さらに好適には1~5%のAlを含む。
例えば、重量比4%又はそれ以下のALでドープされたSiO、又は重量比8%のALでドープされたSiOが採用され得る。Umicore Materials AG社により市販されるLIMA(登録商標)(550nmにおける屈折率n=1.48~1.50)又はMerck KGaA社により市販されるL5(登録商標)(500nmにおける屈折率n=1.48)など市場で入手可能なSiO/Al混合物が使用され得る。
LI層は、材料内に含まれる空気がLI層の平均屈折率を低下させるナノポーラス層の形式で作製され得る。本発明の好適な実施形態では、LI層はナノポーラス層ではない。
反射防止被覆外側層は一般的に低屈折率層であり、特に層全重量に対して好適には少なくとも重量比80%のシリカ、より好適には少なくとも重量比90%のシリカを含むシリカベースの層(例えば、アルミナドープシリカ層)であり、さらに好適にはシリカ層からなる。
反射防止被膜は好適には、その外側層の下に、低屈折率層及び高屈折率層で構成された60nm以下(好適には30nm以下)の厚さを有する二重層を含み、前記高屈折率層は反射防止被膜の外側層と直接接触する。前記二重層の高屈折率層は好適には、以下に説明される導電層である。前記二重層の低屈折率層は、上述のとおりであり、35nm以下、好適には30nm以下、より好適には25nm以下の物理的厚さを有することが好ましい。
この二重層は、積層の広範囲の入射角にわたって光学的頑強性と比色分析安定性とを改善できるようにする。実際、このような二重層を有する反射防止被膜は、入射角(0°~45°)に従って残留反射色の弱い変動としたがって良好な美的性能とを提示する。
一般的に、HI層は10~120nmの範囲の物理的厚さを有し(静電防止HI層は通常、より薄い厚さを有し)、LI層は10~100nmの範囲の物理的厚さを有する。
通常、反射防止被覆合計厚は、1マイクロメートル未満、好適には800nm以下、より好適には500nm以下、さらに好適には250nm以下である。反射防止被覆合計厚は通常は100nmより厚く、好適には150nmより厚い。
本発明の一実施形態では、反射防止被覆は副層上へ蒸着される。このような反射防止被覆の副層は反射防止被覆に属さないということに注意すべきである。
本明細書で使用されるように、反射防止被覆の副層又は接着層は、比較的厚い被覆を意味するように意図されおり、前記被覆の耐摩耗性及び/又は傷耐性などの機械的性質を改善するために及び/又は基板又は下地被覆に対するその接着性を強化するように、使用される。副層は好適には1.55以下の屈折率を有する。
その比較的厚い厚さのために、副層は通常、基板上へ直接蒸着されれば、特に下地被覆(通常、耐摩耗及び傷防止被覆である)又は基板に近い屈折率を有する場合、反射防止光学的活動に関与しない。
副層は、反射防止被覆の耐摩耗性を増進するために十分な厚さを有すべきであるが、好適には、副層性質に依存して相対的透過率τを著しく低減し得る光吸収が引き起こされ得る程度ではない。その厚さは通常300nm未満、より好適には200nm未満でありかつ通常90nmより厚く、より好適には100nmより厚い。
副層は、好適にはSiOベースの層を含み、層全重量に対して好適には少なくとも重量比80%のシリカ、より好適には少なくとも重量比90%のシリカを含み、さらに好適にはシリカ層からなる。このようなシリカベース層の厚さは、通常は300nm未満、より好適には200nm未満でありかつ通常90nmより厚い、より好適には100nmより厚い。
別の実施形態では、このSiOベース層は上に定義されたような量のアルミナドープシリカ層であり、好適にはアルミナドープシリカ層からなる。
特定の実施形態では、副層はSiO層からなる。
単層型の副層が好適に使用されることになる。但し、副層は、特に副層と下地被覆(又は、副層が基板上へ直接蒸着されれば基板)が実質的に異なる屈折率を有する場合は積層化(多層化)され得る。これは、特に下地被覆(通常は、耐摩耗性及び/又は傷防止被覆である)又は基板が高屈折率(すなわち1.55以上、好適には1.57以上の屈折率)を有する場合に適用される。
この場合、副層は、一般的に主層と呼ばれる90~300nmの厚い層に加えて、任意選択的被覆基板と通常はシリカベース層であるこのような90~300nmの厚い層との間にはさまれた好適には最大で3つの追加層、より好適には最大で2つの追加層を含み得る。これらの追加層は好適には、その機能が必要に応じて副層/下地被覆界面又は副層/基板界面における反射を制限する薄層である。
多層副層は好適には、主層に加え、高屈折率と80nm以下、より好適には50nm以下、最も好適には30nm以下の厚さを有する層を含む。高屈折率を有するこのような層は、必要に応じて、高屈折率を有する基板又は高屈折率を有する下地被覆に直接接触する。当然、この実施形態は基板(又は下地被覆)が1.55未満の屈折率を有しても使用され得る。
代替案として、副層は、主層と高屈折率を有する前述の層とに加え、1.55以下、好適には1.52以下、より好適には1.50以下の屈折率を有するSiOベース材料(すなわち、好適には少なくとも重量比80%のシリカを含む)であって、高屈折率を有する前記層がその上に蒸着された80nm以下、より好適には50nm以下、さらに好適には40nm以下の厚さを有する、SiOベースの材料で作られた層を含む。通常は、この場合、副層は、任意選択的被覆基板上に30~40nm厚のSiO層、4~10nm厚のZrO又はTa層、その後副層主層の順番で蒸着される層を含む。
本発明のいくつかの態様では、反射防止被覆は少なくとも1つの導電層を含む。この層は静電防止部品として働く。理論により束縛されることなく、少なくとも1つの導電層は、反射防止被覆積層がかなりの静電荷を発現及び/又は保持するのを防止する。
静電荷(コロナ放電により印可される電荷)を生成するために1枚の布で摩擦した又は任意の他の手順を使用した後に得られる静電荷をガラスが排出する能力は、前記電荷が消散するのにかかる時間を測定することにより定量化され得る。したがって、帯電防止ガラスは約数百ミリ秒(ms)、好適には500ms以下の放電時間を有し、一方、帯電ガラスは約数十秒の放電時間である。本出願では、放電時間は仏国特許第2943798号明細書に開示された方法に従って測定される。
本明細書で使用されるように、「導電層」又は「帯電防止層」は、非帯電防止基板の表面(すなわち、500msを越える放電時間を有する)上のその存在のために、静電荷がその表面上へ印加された後に500ms以下の放電時間を有することができるようにする層を意味するように意図されている。
導電層は、その反射防止特性が影響されないという条件で積層内の様々な場所に(通常は反射防止被覆内に又はそれと接触して)配置され得る。導電層は、好適には反射防止被覆の2つの層の間に配置される及び/又はこのような反射防止被覆の高屈折率を有する層に隣接する。好適には、導電層は、反射防止被覆の低屈折率を有する層の直下に配置され、最も好適には、反射防止被覆の外側層の直下に配置される。
導電層は反射防止被覆の透明性を変えることがないように十分に薄くなければならない。特定実施形態では、少なくとも1つの導電層が1.55より大きい屈折率を有する。導電層は、好適には導電性及び高透明性材料から、一般的には任意選択的ドープ金属酸化物から作られる。この場合、その厚さは、好適には1~15nm、より好適には1~10nmの範囲である。好適には、導電層は、インジウム、錫、酸化亜鉛及びそれらの混合物から選択された任意選択的ドープ金属酸化物を含む。錫酸化インジウム(In:Sn、錫ドープ酸化インジウム)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、酸化インジウム(In)及び酸化錫(SnO)が好適である。最も好適な実施形態では、導電性及び光学的透明層はITO層と標記される錫インジウム酸化物層又は酸化錫層である。
一般的には、導電層は、積層内で、しかしその薄い厚さのために限定されたやり方で反射防止特性を得ることに貢献し、反射防止被覆内の高屈折率を有する層を表す。これは、ITO層又は酸化錫などの導電性及び高透明性材料から作られた層の場合である。
本発明の光学レンズは、UV光に対する最良健全保護を許容するように、可視領域内の反射を低減することに加えて、UVA放射範囲とUVB放射範囲(それぞれ315~380nmと280~315nm)内の反射を低減するように構成され得る。
眼鏡装着者が、UVA放射範囲とUVB放射範囲(網膜にとって特に有害である)における後面上の反射を大いに低減する眼科用レンズを両方の眼のそれぞれの眼の前に装着することが望ましい。このようなレンズはまた、コントラスト感度の増加のおかげで増加された視覚特性を提供し得る。
レンズの前面上でUV光を反射することは、装着者の前方から来て装着者の眼(法線入射、0~15°)に到達するかもしれない紫外線の大部分が通常は眼科用レンズ基板により吸収されるので、あまり問題ではない。他方で、装着者の背後に位置する光源から生じる紫外線は、紫外領域内で効率的である反射防止被覆をレンズが備えていなければレンズ後面上で反射し、装着者の眼に到達し得、したがって場合によっては装着者の健康に影響を及ぼす。レンズ後面上へ反射し装着者の眼に到達し得る光線は30~45°の狭い入射角範囲(斜め入射)を有するということが認められる。
この点に関し、可視領域において極良好な反射防止性能を呈示する光学レンズの後主面上の反射防止被膜(そして任意選択的にその前主面上の反射防止被膜)は、露出基板又は可視領域内だけで効率的である従来の反射防止被膜を含む基板と比較して、好適には紫外線(特に紫外線A及び紫外線B)反射を同時に著しく低減することができる。
ISO13666:1998標準規格において定義された関数W(λ)により重み付けられた280nm~380nm間の後主面上の平均反射率RUVは35°の入射角に対し、5%未満、好適には4.5%未満、より好適には4%以下、さらにより良好には3%以下であることが好ましい。別の実施形態では、ISO13666:1998標準規格において定義された関数W(λ)により重み付けられた280nm~380nm間の後主面上の平均反射率RUVは30°の入射角と45°の入射角の両方に対して好適には5%未満である。前記平均反射率RUVは次の関係式により定義される:
Figure 0007145848000009
ここで、R(λ)は所与波長におけるレンズスペクトル反射率を表し、W(λ)は太陽スペクトル放射照度Es(λ)と効率相対スペクトル関数S(λ)との積に等しい重み関数を表す。いくつかの実施形態では、この係数は後面上の30°~45°の範囲の入射角で測定され得る。
紫外線透過率を計算できるようにするスペクトル関数W(λ)は、ISO13666:1998標準規格に従って定義される。スペクトル関数W(λ)は、UVA線と比較して少ないUVB線(UVB線はUVA線より有害である)をグローバルに放射する太陽スペクトルエネルギーE(λ)とスペクトル効率S(λ)との両方を同時に考慮するので、装着者のこのような放射線の相対的スペクトル効率により緩和された紫外線太陽放射分布を表現できるようにする。紫外線領域におけるそれらの3つの関数の値はISO13666:1998標準規格において開示された表(国際公開第2012/076714号パンフレットの頁6に再掲される)内に与えられる。
上記耐UV性能は、広範囲の入射角に対し低R係数を維持する反射防止被膜により提供される。
いくつかの実施形態では、Ruvは5%未満であり、Rvmin/R(15°)<0.95。この性能は特に光学物品の後面に好適である。
他の実施形態では、Ruvは5%より高く、Rvmin/R(15°)<0.95、好適には<0.9、より好適には<0.8であり得る.この性能は、特にUV反射が最小化される必要のない光学物品の前面に好適である。
光学物品の前主面及び/又は後主面は本発明に従って同一又は異なる反射防止被膜(すなわち上述のRvminとRvmin/R(15°)特性を有する反射防止被膜)により被覆され得る。好適には、光学レンズの両主面は本発明に従って同一又は異なる反射防止被膜により被覆される。
本発明の一実施形態では、光学物品の前面は、Rvmin/R(15°)<0.9(好適には<0.8)を有する本発明による反射防止被膜により被覆される。
光学レンズがその主面のそれぞれの上に反射防止被膜を含む場合、光学レンズの前面の反射防止被膜は後面のものと必ずしも同一ではない。この場合、光学レンズの前面が、基板の後面のものより可視領域においてより効率的である反射防止被覆により被覆されることが可能である。したがって、好適な実施形態では、光学レンズの前面は、この前面上の可視領域R内の平均反射率が0.8%未満(より好適には0.5%未満)となるように反射防止被覆により被覆される。好適には、この前面上の平均光反射率R(θ)は、15°の入射角に対して0.8%未満(より好適には0.5%未満)である。さらに好適には、ISO13666:1998標準規格に従って定義された関数W(λ)により重み付けられた280nm~380nm間の平均反射率RUVは、光学レンズの後面上より前面上でより高い(通常、45°の入射角に対し>5%又は10%)。
本発明の好適な実施形態によると、反射防止被覆は、基板から離れる方向に以下の層を含む:
-100~300nm(好適には120~180nm)の厚さを有する単層副層、
-5~25nm(好適には8~15nm)の厚さを有する高屈折率層、
-20~50nm(好適には25~45nm)の厚さを有する低屈折率層、
-75~150nm(好適には80~120nm)の厚さを有する高屈折率層
-10~30nm(好適には15~28nm)の厚さを有する低屈折率層、
-好適には導電層である3~20nmの厚さ(好適には4~15nm)を有する高屈折率層、
-40~90nm(好適には45~75nm)の厚さを有する外側低屈折率層。
多層副層が堆積される場合、上記単層副層は好適には、以下の層を含む3層副層により置換される:
i)15~80nm(好適には20~50nm)の厚さを有する低屈折率層、
ii)3~40nm(好適には4~25nm)の厚さを有する高屈折率層、
iii)100~300nm(好適には105~160nm)の厚さを有する低屈折率層。
したがって、本発明は薄層で作られた積層を含む改良概念を有する反射防止被覆を提供し、その厚さ及び材料は、美的外観及び頑強特性を有する一方で広範囲の入射角にわたって可視領域と任意選択的に紫外領域との両方において極良好な反射防止性能を取得するように選択された。
いくつかの用途では、基板の主面は光学的及び/又は機械的性質を改善するために1つ又は複数の追加機能被覆により被覆されることが好ましい。光学系において古典的に使用されるこれらの機能被覆は、限定しないが、耐衝撃性及び/又は接着性プライマー、耐摩耗性及び/又は傷防止被覆、偏光被覆、フォトクロミック被覆、着色被覆、又は2つ以上のこのような被覆で作られた積層(特に摩耗及び/又は傷防止被覆により被覆された耐衝撃性プライマー被覆)であり得る。
本発明の反射防止被膜は好適には、摩耗防止及び/又は傷防止被覆上に堆積される。摩滅及び/又は傷防止被覆(硬質被覆)は好適にはポリ(メタ)アクリレート又はシランに基づく硬質被膜である。本発明における推奨硬質摩滅及び/又は傷防止被覆は、シラン加水分解物水解物ベース組成(ゾル・ゲル法)(特に米国特許出願第2003/0165698号明細書及び米国特許第4,211,823号明細書及び欧州特許第614957明細書に記載されるエポキシシラン水解物ベース組成)から得られる被覆を含む。
耐摩耗性及び/又は傷防止被覆(硬化後)の厚さは、一般的には2~10μm、好適には3~5μmである。
耐摩耗性被覆及び/又は傷防止被覆を蒸着する前に、衝撃抵抗及び/又は最終製品内の後の層の接着性を改善するために基板上へプライマー被覆を塗布することが可能である。この被覆は、眼科用レンズなどの透明な高分子材料の物品に伝統的に使用される任意の耐衝撃性プライマー層であり得る。この被覆は、好適にはポリウレタンラテックス又はアクリルラテックスで作られ、好適には0.2~2.5μm(より好適には0.5~1.5μm)の硬化後厚さを有する。
プライマー被覆及び耐摩耗性及び/又は傷防止被覆は国際公開第2007/088312号パンフレットに説明されたものから選択され得る。
本発明による光学レンズはまた、反射防止被覆上に形成されるとともにその表面特性を修正することができる疎水性及び/又は撥油性被覆(汚れ止め上部被覆)などの被覆を含み得る。これらの被覆は好適には、反射防止被覆の外側層上へ蒸着される。通常、それらの厚さは10nm以下であり、好適には1~10nm、より好適には1~5nmである。これらは通常フルオロシラン又はフルオロシラザン型の被覆である。これらは、好適には分子毎に少なくとも2つの加水分解基を含むフルオロシラン又はフルオロシラザン前駆体を蒸着することにより得られるかもしれない。フルオロシラン前駆体は好適にはフルオロポリエーテル成分、より好適には、ペルフルオロポリエーテル成分を含む。
Optool DSX(商標)、KY130(商標)、OF210(商標)、Aulon(商標)は、市販疎水性及び/又は撥油性被覆の例である。これらの被覆に関するより詳細な情報は国際公開第2012076714号パンフレットに開示される。
疎水性被覆の代わりに、防曇性を提供する親水性被覆、又は界面活性剤を伴うと防曇性を提供する防曇性前駆体被覆が使用され得る。このような防曇性前駆体被覆の例は国際公開第2011/080472号パンフレットに記載されている。
反射防止被覆の様々な層及び任意選択的副層は好適には、以下の方法のうちの任意のものに従って真空下で気相堆積により堆積される:i)蒸着(任意選択的にイオンビーム支援)により;ii)イオンビーム噴霧法により;iii)陰極スパッタにより;iv)プラズマ支援化学気相堆積により。これらの様々な方法は“Thin Film Processes”及び“Thin Film Processes II,”Vossen & Kern,Ed.,Academic Press,1978及び1991それぞれに説明される。特に推奨される方法は真空下蒸着である。
好適には、反射防止被覆の層及び任意選択的副層のそれぞれの層の堆積は真空下蒸着により行われる。
プライマー、硬質被覆、及び汚れ止め保護膜などの他の被覆は、回転塗布、浸漬塗布、噴霧塗布、蒸着、スパッタ、化学気相堆積及びラミネーションを含む当該技術分野において知られた方法を使用して堆積され得る。
以下の実施例は本発明をさらに詳細であるが非限定的なやり方で示す。別途記載のない限り、本出願に開示されるすべての厚さは物理的厚さに関する。
1.材料及び方法
本実施例に使用される光学物品は、屈折率約1.5(HC1.5で表される欧州特許第0614957号明細書に記載のものなど)又は約1.6(HC1.6で表される)の硬質被覆層で被覆された65mm径、約1.5又は約1.6の屈折率、及び-2.00ジオプタの度数を有するレンズ基板を含む。
反射防止被覆の副層及び層は、真空下蒸着(蒸発源:電子銃)により基板を加熱することなく堆積された。実施例13では、使用されたSiO/Al混合物はMerck KGaA社により市販される混合物L5(登録商標)だった(500nmにおいて屈折率n=1.48)。
蒸着枠は、酸化物を蒸発させるための電子銃(ESV14 8kV)が取り付けられるとともにアルゴンイオン(IPC)を使用して基板の表面を用意する予備段階のためのイオン銃(Commonwealth Mark II)を備えたLeybold 1104マシンである。
層の厚さは石英微量天秤により制御された。スペクトル測定は、URAアクセサリ(Universal Reflectance Accessory)を有する可変入射分光器Perkin Elmer Lambda 850上で行われた。
光学物品を作製するための方法は、基板を導入する工程と、アルゴンイオンビーム(陽極電流:1A、陽極電圧:100V、中和電流:130mA)により基板の表面を活性化する工程と、イオン照射を止める工程と、その後、連続蒸着により反射防止被覆の様々な層を形成する工程と、最後に換気工程とを含む。
2.光学レンズ上の反射防止処理のグローバル効率の評価
光学レンズ上の反射防止処理の広い角度範囲全体にわたるグローバル効率を定量化するために、次のように定義されたパラメータαが使用された、θはレンズ面上の入射角である:
Figure 0007145848000010
このパラメータは以下の理由のために45°より高い入射角を考慮しない。第1に、装着者の視点では、後面上の反射は、もはや45°の入射角を越えて眼に到達しない。第2に、観察者の視点では、45°より高い入射角における眼鏡の観察は典型的でない例外的状況に対応する。
このパラメータの計算を簡単にするために、Rが2つの間隔にわたってほぼ一定であるという仮説がなされた:
Rv(θ)≒Rv(15),0≦θ≦25°
Rv(θ)≒Rv(35),25≦θ≦45°
これは、0°~25°の範囲の入射角が25°~45°の範囲の入射角より2倍低い寄与を提供するということを明らかにする以下の近似マルチアングルパラメータを生ずる:
Figure 0007145848000011
15°及び35°における寄与の再正規化後、式は次のようになる:
α≒a.R(15°)+b.R(35°)、ここでa=0.318、b=0.682。
再正規化は、R(15°)及びR(35°)が1%に等しい場合にαを1%に設定するやり方である。aとbのそれぞれの値は、低入射角領域及び高入射角領域に関して受光されたそれぞれの光量を示す。
そして最後に、光学レンズの2つの主面を考慮することにより、以下のパラメータ式が得られる:
α2=0.159.(R front(15°)+R rear(15°))+0.341.(R front(35°)+R rear(35°))、ここで、R front(θ)及びR rear(θ)はそれぞれ、入射角θに対する基板の前主面及び後主面上の平均光反射率R(θ)を表す。
3.結果
本発明に従って作製された様々な反射防止被膜の構造とそれらの光学特性とが以下の表に示される。副層は灰色である。
Figure 0007145848000012
Figure 0007145848000013
Figure 0007145848000014
Figure 0007145848000015
Figure 0007145848000016
Figure 0007145848000017
Figure 0007145848000018
前面及び後面の2つの比較反射防止被膜の構造とそれらの光学特性とが以下の表に示される。これらの反射防止被覆は、低入射角に対し1%を十分に下回るR値を有する通常性能を示すが、Rは入射角と共に単調に増加する。特に、これらの比較例に関して報告されたRの最小値は基準入射角に対して得られる:θmin=0°。この特徴は本発明とは異なる。
Figure 0007145848000019
本発明による反射防止被膜は、R(15°)より少なくとも5%だけ低いRvminを有し、光学レンズの両主面上の可視光線の反射を大いに低減し得る。
後面被覆(実施例1~4、10、12)に関して、後主面上の有害UV光の反射の低下は、Ruv(35°)が3%未満であるので著しい。
前面被覆(実施例5~9、11、13、14)に関して、Rvminは、R(15°)より少なくとも10%低く、実施例5、7、8では20%も低い。この結果、グローバル反射係数αは、比較例Aと比較して発明実施例では小さく、0.6未満の値に達し、時には、0.5未満に達し、実施例6、8では0.4未満にすら達する。
実際、1.5の屈折率を有する基板上に堆積された実施例5、7の被覆は、広範囲の入射角が考慮されると、比較被覆Aにより反射される光のほぼ半分を反射する:α=0.88と比較して約0.45のα(図1を参照)。
同じ結果は、比較被覆Bと比較して1.5の屈折率を有する基板上に堆積された実施例1、3の被覆に関して観測される(図2を参照)。
図1と図2により示すように、本発明による光学レンズは、入射角θと考察される主面とに依存して、比較レンズと比較して30~55%だけ減少されたR(θ)を有する。改善は、15°の入射角に関しては約30~35%であり、35°の入射角に関しては45~55%である。平均光反射率R(θ)は、30°~23°の範囲の入射角θminに対して最小値Rvminを提示する。
本発明による光学レンズは、美的欠陥がなく、透過時に中間色、高い耐磨耗性、接着性、熱的安定性、前主面上の低減された鏡効果知覚及び後主面上の低減された反射知覚を有する。
ORMA(登録商標)基板(屈折率1.5、ESSILORから入手可能)で作られたレンズL1~L3が、以下の被覆構成により作製され、前面(観察者の視点の)及び後側(装着者の視点の)上の反射に関して訓練パネルにより評価された。スケールは0(高反射)から10(全くの無反射)である。感知可能差異は5%と推定される。ESSILORから入手可能であり比較例AとB被覆により被覆されたORMA(登録商標)基板で作られた比較レンズがこの試験に含まれた。
Figure 0007145848000020
この評価は、本発明によるレンズは既に入手可能なレンズより著しく小さい反射を示し、装着者のための強化された快適性を提供するということを実証した。
本光学レンズの別の利点は、被覆基板が観測される入射角が何であっても反射時のそれらの魅力的外観である。入射角が0°から45°へ変化する場合の反射時に知覚される残留反射色(色相角)は、正常視力を有する観察者に関してほぼ同じである。

Claims (19)

  1. 表主面と裏主面とを有する基板を含み、前記表主面、及び前記裏主面の少なくとも一方の主面が反射防止被膜により被覆されてなる光学レンズであって
    入射角θの範囲[0°-50°]において、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上の平均光反射率R(θ)は、範囲[20°-50°]に含まれる入射角θminに対して最小値Rvminを提示し、
    不等式Rvmin/R(15°)<0.95を満足する、ことを特徴とする光学レンズ。
    ここで、R(θ)は、ISO13666:1998標準規格において定義される380nm~780nmの全可視スペクトルにおける重み付けスペクトル反射平均であり、R(15°)は、前記被覆された前記少なくとも1方の主面上の15°の入射角θに対する平均光反射率であり、
    前記反射防止被膜が後面被膜の場合、ISO13666:1998標準規格において定義された関数W(λ)により重み付けられた280nm~380nm間の後面上の平均反射率R UV は、35°の入射角に対し、5%未満である。
  2. 不等式Rvmin/R(15°)<0.9を満足する、請求項1に記載の光学レンズ。
  3. 不等式Rvmin/R(15°)<0.8を満足する請求項2に記載の光学レンズ。
  4. 前記R(15°)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で1.5%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学レンズ。
  5. 前記R(15°)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で1.0%以下である、請求項4に記載の光学レンズ。
  6. 前記R(15°)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で0.75%以下である、請求項4に記載の光学レンズ。
  7. 前記被覆された前記少なくとも1方の主面上の35°の入射角θに対する平均光反射率であるR(35°)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で1.5%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  8. 前記R(35°)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で1.0%以下である、請求項7に記載の光学レンズ。
  9. 前記R(35°)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で0.6%以下である、請求項7に記載の光学レンズ。
  10. 前記R(θ)は、0°~45°の範囲の各入射角θに対して、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で1.5%以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  11. 前記R(θ)は、0°~45°の範囲の各入射角θに対して、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上で1.0%以下である、請求項10に記載の光学レンズ。
  12. (θ)は、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上の0°~40°の範囲の各入射角θに対して0.6%以下である、請求項1~11のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  13. 前記入射角θの範囲[0°-50°]において、前記被覆された前記少なくとも一方の主面上の前記平均光反射率R(θ)は、範囲[20°-35°]に含まれる入射角θminに対して最小値Rvminを提示する、請求項1~12のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  14. 前記反射防止被膜は、15°の入射角に対して、240°~300°の範囲の国際比色分析系CIE Lに定義される色相角hを有する残色を表示する、請求項1~13のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  15. 前記基板の前記表主面と前記裏主面との両方は、請求項1に記載の前記Rvmin、及び前記Rvmin/R(15°)特性を有する同一、又は異なる反射防止被膜により被覆される、請求項1~14のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  16. 不等式0.159(R front(15°)+R rear(15°))+0.341(R front(35°)+R rear(35°))≦0.7を満足する請求項15に記載の光学レンズ。
    ここで、R front(θ)、及びR rear(θ)は、それぞれ、入射角θに対する前記基板の前記表主面、及び前記裏主面上の平均光反射率R(θ)を表す。
  17. 前記反射防止被膜により被覆される前記少なくとも1つの主面は、前記裏主面であり、280nm~380nmの前記裏主面上の平均反射率RUVは、35°の入射角に対して5%未満であり、
    前記平均反射率RUVは、ISO13666:1998標準規格に定義された関数W(λ)によって重み付けられた平均である、請求項1~16のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  18. さらに、眼鏡フレーム用の眼科用レンズとして定義される請求項1~17のいずれか一項に記載の光学レンズ。
  19. 前記反射防止被膜は、15°の入射角に対して2.5%以下の平均光反射率Rvを少なくとも1つの主面へ与える、請求項1~18のいずれか一項に記載の光学レンズ。
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