JP7145818B2 - ポリマー、吸着剤 - Google Patents
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Description
スピロ炭素原子を有するポリマーとしては、例えば、特許文献1には、以下式で表されるポリマーが開示されている。
また、本発明は、上記ポリマーを含む吸着剤の提供も課題とする。
フェノール性水酸基と反応して共有結合を形成し得る基を3個以上有する化合物Bとを、少なくとも反応させて得られるポリマー。
(2) 化合物Aが、後述する式(A2)で表される化合物を含む、(1)に記載のポリマー。
(3) 化合物Aが、後述する式(A3)で表される化合物を含む、(1)または(2)に記載のポリマー。
(4) 化合物Aが、後述する式(A4)~式(A7)で表される化合物のいずれかを含む、(1)~(3)のいずれかに記載のポリマー。
(5) フェノール性水酸基と反応して共有結合を形成し得る基が、カルボキシ基、カルボン酸クロリド基、式(C)で表される基、および、脱離基-CH2-で表される基からなる群から選択される基である、(1)~(4)のいずれかに記載のポリマー。
(6) 化合物Bが、後述する式(B1)で表される化合物を含む、(1)~(5)のいずれかに記載のポリマー。
(7) q1が1以上の整数であり、Yb1が電子求引性基である、(6)に記載のポリマー。
(8) ハロゲン原子が、フッ素原子または塩素原子である、(6)または(7)に記載のポリマー。
(9) 化合物Bが、後述する式(B4)で表される化合物、または、後述する式(B5)で表される化合物を含む、請求項1~8のいずれかに記載のポリマー。
(10) (1)~(9)のいずれかに記載のポリマーを含む吸着剤。
また、本発明によれば、上記ポリマーを含む吸着剤を提供できる。
なお、本発明において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
化合物Aは、剛直、かつ、屈曲した部分構造を有する化合物である。また、化合物Bは、3つ以上の反応点を有する化合物である。化合物Aと化合物Bとを反応させる際に、化合物Aが密集しようとすると、互いの立体反発によって緻密には充填しきれず、結果として、分子レベルの空隙が生じると推測される。この空隙が生じることにより、比表面積が大きくなり、優れた吸着性を示すと考えられる。
なお、本発明のポリマーはいわゆる架橋構造を有するポリマーに該当するが、架橋構造を有するポリマーは比表面積が小さく、かつ、吸着性に劣ることも予想されたが、本発明においては上記予想に反して優れた効果が得られることが知見された。
本発明のポリマーは、後述する化合物Aと、後述する化合物Bとを、少なくとも反応させて得られるポリマーである。
以下では、まず、ポリマーの合成に使用される原料について詳述する。
化合物Aは、式(A1)で表される部分構造を有し、2~3個のフェノール性水酸基を有する化合物である。
式(A1)で表される部分構造が剛直かつ屈曲した構造であることから、ポリマー中において分子レベルの大きさの微細で、かつ、ランダムな空隙を形成し得る。
なお、フェノール性水酸基とは、芳香環基に置換した水酸基を意味する。フェノール性水酸基の数は2~3個であり、比表面積がより大きい点、および、各種成分の吸着性がより優れる点の少なくとも一方の効果が得られる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、2個が好ましい。
2価の連結基としては、例えば、-O-、-CO-、-COO-、-CONH-、-S-、-SO2-、-NRA-(RAは、水素原子、または、アルキル基を表す。)、2価の炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルケニレン基(例:-CRa7=CRa8-)、アルキニレン基(例:-C≡C-)、および、アリーレン基)、または、これらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。なお、Ra7およびRa8の定義は、後述する通りである。
La3およびLa4は、それぞれ独立に、単結合または-O-を表す。
水酸基以外の置換基の種類は特に制限されず、後述するZa1およびZa2で水酸基以外の置換基として例示される基が挙げられる。
Za1およびZa2は、それぞれ独立に、水酸基以外の置換基を表す。
Za1およびZa2で表される置換基の種類は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子など)、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基およびアニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、および、シリル基が挙げられる。
上記置換基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、置換基としては、炭化水素基が好ましく、アルキル基またはアリール基が好ましい。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1~5が好ましく、1~3がより好ましく、1がさらに好ましい。
式(A3)中のZa1、Za2、m1、n1、m2、および、n2の定義は、上述した式(A2)中の各基の定義と同じである。
Ya1およびYa2は、それぞれ独立に、-CRa11Ra12-、-O-、または、単結合を表す。
Ra1~Ra12は、水素原子または置換基を表す。
Ra1~Ra12で表される置換基の種類は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子等)、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基およびアニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、および、シリル基が挙げられる。
上記置換基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、置換基としては、炭化水素基が好ましく、アルキル基またはアリール基が好ましい。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1~5が好ましく、1~3がより好ましく、1がさらに好ましい。
形成される環の種類は特に制限されず、芳香環であっても、非芳香環であってもよい。芳香環としては、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環およびフルオレン環)または芳香族複素環が挙げられる。非芳香環としては、脂肪族炭化水素環が挙げられる。
なお、Xa1が-O-である場合、Ya1は-O-でないことが好ましく、Xa2が-O-である場合、Ya2は-O-でないことが好ましい。
式(A4)~式(A7)中のm1およびn1の定義は、上述した式(A2)中の各基の定義と同じである。
化合物Bは、フェノール性水酸基と反応して共有結合を形成し得る基(以下、単に「特定基」ともいう。)を3個以上有する化合物である。つまり、化合物Bは、化合物Aが有するフェノール性水酸基と反応する箇所が3箇所以上ある化合物に該当し、化合物Bはいわゆる3価以上の繰り返し単位となり得る。
特定基としては、本発明の効果がより優れる点で、カルボキシ基(-COOH)、カルボン酸クロリド基(-COCl)、式(C)で表される基、および、脱離基-CH2-で表される基からなる群から選択される基が好ましい。なお、脱離基-CH2-で表される基は、脱離基-CH2-*で表される*が結合位置に該当する。
式(C)で表される基は、脱離基と、脱離基に直接結合するsp2炭素原子とからなる基に該当する。上記式(C)で表される基は、例えば、脱離基を有する芳香族炭化水素基に含まれる部分構造、または、脱離基を有する芳香族複素環基(ただし、脱離基は芳香族複素環基中の炭素原子と結合する)に含まれる部分構造に該当する。
特定基の数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、3~5個が好ましく、3~4個がより好ましく、4個がさらに好ましい。
なお、化合物Bは、特定基以外の他の基を有していてもよい。他の基としては、上述したRa1~Ra12で表される置換基として例示される基のうち特定基に該当しない基が挙げられる。
式(B1) (Xb1)p1-Ar1-(Yb1)q1
式(B2) (Xb2)p2-Ar2-(Yb2)q2
式(B3) (Xb3)p3-Lb
Yb1は、ハロゲン原子以外の置換基を表す。置換基の種類は特に制限されず、Ra1~Ra12で表される置換基で例示した基のうちハロゲン原子以外の基が挙げられる。本発明の効果がより優れる点で、電子求引性基が挙げられる。
電子求引性基とは、ハメット(Hammett)の置換基定数σp値(シグマパラ値)が0より大きい置換基であり、例えば、ハロゲン原子が置換した炭化水素基(例えば、トリフルオロメチル基)、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基、ジアルキルアミド基、および、ヘテロ環基が挙げられる。
これら電子求引性基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
以下、ハメットの置換基定数σ値について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる。例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版,1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊,122号,96~103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165~195ページなどに詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σp値により限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。
芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、トリアジン環が挙げられる。
なお、上記Xb1は、単環芳香環基中の炭素原子(sp2炭素原子)に結合していることが好ましい。
q1は、0以上の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、q1は1以上の整数が好ましく、1または2がより好ましく、2がさらに好ましい。
p1とq1との合計は、Ar1の種類によって異なり、例えば、Ar1がベンゼン環の場合、p1とq1との合計は3~6である。
Ar2は、2つ以上の環から構成される多環基を表す。
多環基を構成する環同士は、縮合していてもよいし、単結合で連結する形であってもよいし、1つの炭素原子を共有する形で連結していてもよい。
多環基を構成する環は、芳香環であっても、非芳香環であってもよく、芳香環であることが好ましい。芳香環としては、芳香族炭化水素環および芳香族複素環が挙げられ、芳香族炭化水素環が好ましい。
なお、多環基を構成する環が芳香環である際に、上記Xb2は上記芳香環中の炭素原子(sp2炭素原子)に結合していることが好ましい。
p2は、3以上の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、p2は3~5が好ましく、3~4がより好ましく、4がさらに好ましい。
q2は、0以上の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、q2は0~2が好ましい。
Lbは、単環芳香環基、または、炭素原子を表す。
単環芳香環基としては、単環芳香族炭化水素環基および単環芳香族複素環基が挙げられる。単環芳香族複素環基に含まれるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、および、硫黄原子が挙げられる。
p3は、Lbが単環芳香環基の場合には3~6の整数を表し、Lbが炭素原子の場合には4を表す。
つまり、化合物A、化合物B、および、他の化合物を反応させて本発明のポリマーを得てもよい。
他の化合物としては、例えば、式(A1)で表される部分構造を有さず、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物Xが挙げられる。化合物Xは、必要に応じて、フェノール性水酸基以外の他の基を有していてもよい。
また、他の化合物としては、特定基を1または2個有する化合物Yが挙げられる。化合物Yは、必要に応じて、特定基以外の他の基を有していてもよい。
化合物Xがフェノール性水酸基以外の他の基を有する場合、および、化合物Yが特定基以外の他の基を有する場合、形成されるポリマーに他の基を導入することができ、結果として吸着性を制御できる。
なお、一例として、特定基以外の他の基を有する化合物Yとしては、以下が挙げられる。
なお、化合物Aと化合物Bとを反応させる際、反応条件を制御することにより、特定基の一部を残存させるように調整することができる。
例えば、化合物Bが特定基として、カルボキシル基と、式(C)で表される基とを有する場合、化合物Aと化合物Bとの反応条件によっては、カルボキシル基の一部、又は全てが残存するようにして、得られるポリマーの親水性を高めて、親水的な物質や、イオン性の物質の吸着能を高めることもできる。
また、例えば、6個の式(C)で表される基を有する化合物B(例えば、ヘキサフルオロベンゼン)を用いて、その一部(1個または2個)の脱離基が残存するように、ポリマーを得ることもできる。
なお、化合物Aと化合物Bとを反応させる際には、少なくとも一部の化合物Bに関しては、化合物Bが有する3個以上の特定基をフェノール性水酸基と反応させることが好ましい。つまり、ポリマー中に化合物B由来の3価以上の繰り返し単位が含まれるように、化合物Aと化合物Bとを反応させることが好ましい。
化合物Aと化合物Bとを反応させる際の条件は特に制限されず、公知の条件が採用される。
化合物Aと化合物Bとを反応させる際には、加熱条件下にて実施してもよい。加熱温度は特に制限されないが、30~200℃が好ましく、50~150℃がより好ましい。
反応時間は特に制限されないが、0.1~96時間が好ましく、2~24時間がより好ましい。
反応は、溶媒存在下に実施してもよい。溶媒としては、水および有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、ハロゲン系溶媒(例:ジクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロホルム)、ケトン系溶媒(例:アセトン)、アミド系溶媒(例:N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド系溶媒(例:ジメチルスルホキシド)、アルコール系溶媒(例:メタノール)、炭化水素系溶媒(例:ベンゼン、ヘキサン)、エステル系溶媒(例:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン系溶媒(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル系溶媒(例:アセトニトリル)、および、エーテル系溶媒(例:テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン)が挙げられる。
例えば、上記反応は、塩基性化合物の存在下にて実施してもよい。塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、および、ピリジンが挙げられる。
上述したように、化合物Bは3価以上の繰り返し単位になり得るため、得られるポリマーは架橋構造を有する。つまり、ポリマーは、内部に空隙を有する架橋構造を有する。
化合物A由来の繰り返し単位としては、例えば、以下式で表される繰り返し単位が好ましい。以下式中の各基の定義は、上述した式(A2)中の各基の定義と同じである。
本発明のポリマーの用途は特に制限されず、高い比表面積を利用した各種用途(例えば、吸着剤、分離材料、および、センサ)などが挙げられる。
より具体的には、(1)水素ガスおよびメタンガスなどのガスの貯蔵、輸送、分離、および、精製、(2)消臭、(3)毒ガスの除去、(4)放射性廃棄物の分離回収および除染、(5)人工透析、(6)クロマトグラフィーの担体、(7)有機合成反応の反応場、反応容器、または、触媒、(8)空気中、水中、または、血液中からの有害物質の除去、(9)センサ受容層と用いることで、有害物質、危険物(ニトロ化合物、ガソリンなど)、および、生体マーカー物質の検知、空気または呼気の分析、ならびに、これを応用した診断、(10)イオンまたはプロトンの伝導体、(11)ドラックデリバリーシステム、などに利用できる。
また、本発明のポリマーは、各種成分の吸着性に優れる。特に、各種溶媒の吸着性に優れる。溶媒としては、例えば、ハロゲン系溶媒(例:ジクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロホルム)、ケトン系溶媒(例:アセトン)、アミド系溶媒(例:N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド系溶媒(例:ジメチルスルホキシド)、アルコール系溶媒(例:メタノール)、炭化水素系溶媒(例:ベンゼン、ヘキサン)、エステル系溶媒(例:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン系溶媒(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル系溶媒(例:アセトニトリル)、および、エーテル系溶媒(例:テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン)が挙げられる。
2,2’,3,3’-テトラヒドロ-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビ[1H-インデン]-6,6’-ジオール(化合物Aに相当)(5.00g)、ジメチルホルムアミド(DMF)(65mL)(超脱水、FFWK製)、炭酸カリウム(8.96g)(FFWK製)を500mL三口フラスコに入れ、窒素気流下、内温70℃に加熱した。
その後、テトラフルオロテレフタロニトリル(1.62g)(東京化成工業製)をDMF(50mL)に溶解させ、5時間かけて上記内温70℃のフラスコに滴下した。
反応溶液がゲル化した後、DMF(140mL)で希釈し、そのまま70℃で2時間撹拌した。反応溶液を水2Lに加えて、撹拌した後、ろ過により得られた固体を水(1L)にて60℃で1時間撹拌洗浄した。その後、ろ過により固形分を回収して、60℃で14時間送風乾燥して、以下のポリマーP-01(4.11g)を得た。
使用する原料を以下のスキームに記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、ポリマーP-02およびP-03を合成した。
公知の方法(例えば、特許文献1に記載の方法)に従って、以下のスキームのように、ポリマーC-01およびポリマーC-02を合成した。
<BET比表面積測定>
上記合成した各種ポリマーを用いて、BET比表面積測定を実施した。
測定で使用するサンプル量は一律約50mgとし、Belprep-flow(マイクロトラック・ベル製)を用い、窒素気流下、80℃で6時間の加熱前処理をサンプルに対して行った。その後、Belsorp-miniII(マイクロトラック・ベル製)を使用して、液体窒素温度下でのN2吸着等温線を得て、解析ソフトBelmasterを用い、BET法によるBET比表面積を求めた。解析で使用する圧力レンジは、P/P0=0.05~0.15とした。
A:300m2/g以上
B:200m2/g以上300m2/g未満
C:100m2/g以上200m2/g未満
D:100m2/g未満
上記合成した各種ポリマーを用いて、吸着性評価を実施した。
各サンプルを密閉容器中で、室温にて、3分間にわたって各種溶媒の飽和蒸気に晒した際の、質量上昇率を評価した。質量上昇率は、「{(吸着後のサンプルの質量)-(吸着前のサンプルの質量)}/(吸着前のサンプルの質量)×100」として求めた。
溶媒としては、ジクロロメタン、アセトン、および、ヘキサンを用いた。
(ジクロロメタンの評価基準)
A:90質量%以上
B:80質量%以上90質量%未満
C:70質量%以上80質量%未満
D:70質量%未満
A:50質量%以上
B:40質量%以上50質量%未満
C:30質量%以上40質量%未満
D:30質量%未満
A:30質量%以上
B:25質量%以上30質量%未満
C:20質量%以上25質量%未満
D:20質量%未満
特に、実施例1~3の比較より、化合物Aが、式(A3)で表される化合物を含む場合、より優れた効果が得られることが確認された。
Claims (6)
- 式(A2)で表される化合物Aと、
前記化合物A中の前記フェノール性水酸基と反応して共有結合を形成し得る基を3個以上有する化合物Bとを、少なくとも反応させて得られるポリマーであって、
前記化合物Bが、式(B1)で表される化合物を含む、ポリマー。
式(B1) (X b1 ) p1 -Ar 1 -(Y b1 ) q1
X b1 は、ハロゲン原子を表す。
Y b1 は、ハロゲン原子以外の置換基を表す。
Ar 1 は、単環芳香環基を表す。
p1は、3以上の整数を表す。q1は、0以上の整数を表す。
式(A2)中、L a1 およびL a2 は、それぞれ独立に、アルキレン基を表す。
L a3 およびL a4 は、それぞれ独立に、単結合または-O-を表す。
Z a1 およびZ a2 は、それぞれ独立に、水酸基以外の置換基を表す。
m1およびn1は、それぞれ独立に、1または2を表し、n1とm1との合計は2または3である。
m2およびn2は、それぞれ独立に、0~2の整数を表す。 - m2およびn2は、それぞれ独立に、0または1の整数である、請求項1に記載のポリマー。
- q1が1以上の整数であり、Yb1が電子求引性基である、請求項1または2に記載のポリマー。
- 前記ハロゲン原子が、フッ素原子または塩素原子である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリマー。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のポリマーを含む吸着剤。
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