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JP7145626B2 - 包装用積層フィルムおよび包装体 - Google Patents

包装用積層フィルムおよび包装体 Download PDF

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JP7145626B2 JP2018044645A JP2018044645A JP7145626B2 JP 7145626 B2 JP7145626 B2 JP 7145626B2 JP 2018044645 A JP2018044645 A JP 2018044645A JP 2018044645 A JP2018044645 A JP 2018044645A JP 7145626 B2 JP7145626 B2 JP 7145626B2
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Description

本発明は、食品などの被包装物を包装するための積層フィルムおよびこの積層フィルムで前記被包装物が包装された包装体に関する。
スライスチーズは、通常、個装された複数のスライスチーズを複数束ねて外装した包装体として市販されているが、個装された各スライスチーズは、フィルム(インナーフィルム)でスライスチーズを巻回して直接包装されている。詳しくは、個装されたスライスチーズのインナーフィルムは、フィルムの両端が重なり合う重合部(背貼部)と、フィルムの両側部とがシールされている。前記背貼部のシール(センターシール)は、通常、パートコート法(部分的に接着剤を塗布してフィルム同士を接着する方法)によってシールされる。一方、フィルムの両側部のシール(サイドシール)は、熱接着(ヒートシール)されるが、近年、ヒートシールの方法は、従来の金属ヒートシールバーを使用する方法から、1~3mm孔から高圧高温エアーを吹き付けてヒートシールする方法に変わりつつある。金属ヒートシールバーを使用する方法では、金属ヒートシールバーとフィルムが密着するという問題があり、摩擦抵抗が原因で高速包装が実現できなかったが、高圧高温エアーを吹き付ける方法では、摩擦抵抗を受けない為、金属ヒートシールバーを使用する方法よりも高速包装が可能である。そのため、近年は、高圧高温エアーを吹き付ける方法が主流になりつつあり、この高速包装化に伴い、インナーフィルムに対し、より低温度でのヒートシール性が求められている。さらに、スライスチーズは、高温のチーズをフィルム上でシート状に成形し、冷却することにより調製されるが、冷却後に包装フィルムを剥離すると、包装フィルムと同時にチーズの表層が剥離し、商品価値を損なう場合がある。従って、インナーフィルムには、離型性(剥離性)に優れ、且つ容易に開封もできるという特性も求められている。
このような特性を充足する包装フィルムとして、特開2006-232345号公報(特許文献1)には、ヒートシール可能なポリオレフィン系樹脂で構成された基材層と、この基材層の表面に形成され、かつショ糖脂肪酸エステルを含む多価アルコール脂肪酸エステルで構成され、かつラウリル硫酸ナトリウムを含まない被覆層とで構成された包装フィルムが開示されている。この文献の実施例では、ポリプロピレン系共押出フィルムの非コロナ放電処理面に、ショ糖脂肪酸エステルをトルエンに溶解させたコーティング剤を塗布した後、乾燥させて包装用フィルムを製造している。
しかし、この包装フィルムでは、100℃以下の低温度での接着強度が低く、ヒートシール性が十分でない。
特開2014-181076号公報(特許文献2)には、基材フィルムの少なくとも一方の面に、飽和共重合ポリエステルおよび離型剤を含む熱接着性層が直接または間接的に形成されたスライスチーズ包装用フィルムが開示されている。この文献には、前記離型剤として、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、縮合リシノール酸エステルが例示されている。実施例では、飽和共重合ポリエステル100重量部に対して離型剤1重量部を混合し、溶剤に溶解させた溶液を乾燥重量2g/mとなるように塗布している。
しかし、この包装用フィルムでも、スライスチーズに対する剥離性(身離れ性)と、低温でのヒートシール性とを両立できなかった。すなわち、スライスチーズのインナーフィルムに要求されるシール性と離型性とは、相反する特性であるため、両特性を両立させるのは困難であった。さらに、低温でのヒートシール性を向上させると、加熱していない状態でも接着性が発現し易く、例えば、ロール状態で保管したり、搬送する場合、ブロッキングが発生し易くなる。また、低温ヒートシール性およびアンチブロッキング性についても、両特性はトレードオフの関係にあり、両立が困難であった。
特開2006-232345号公報(請求項1および2、実施例) 特開2014-181076号公報(請求項1および7~8、実施例)
従って、本発明の目的は、密着包装した被包装物の剥離性を向上でき、かつ低温でのヒートシール性も向上できる包装用積層フィルムおよびこの積層フィルムで前記被包装物が包装された包装体を提供することにある。
本発明の他の目的は、低温でのヒートシール性を向上でき、かつアンチブロッキング性も向上できる包装用積層フィルムおよびこの積層フィルムで前記被包装物が包装された包装体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、適度なヒートシール性を有し、密封した被包装物を容易に開封できる包装用積層フィルムおよびこの積層フィルムで前記被包装物が包装された包装体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、基材層の少なくとも一方の面に、ガラス転移温度の異なる複数種を組み合わせた飽和共重合ポリエステル100重量部に対して、ショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質を含む離型剤0.4~7重量部を含むヒートシール層を重量0.4~1.3g/mで積層することにより、密着包装した被包装物の剥離性を向上でき、かつ低温でのヒートシール性も向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の包装用積層フィルムは、基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に、直接または間接的に積層されたヒートシール層とを含む包装用積層フィルムであって、前記ヒートシール層が、飽和共重合ポリエステルおよび離型剤を含み、前記飽和共重合ポリエステルが、第1の飽和共重合ポリエステルと、この第1の飽和共重合ポリエステルよりも低いガラス転移温度を有する第2の飽和共重合ポリエステルとを含み、前記離型剤が、ショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質を含み、前記ヒートシール層の重量が0.4~1.3g/mであり、前記離型剤の割合が、飽和共重合ポリエステル100重量部に対して0.4~7重量部である。前記離型剤は、HLB2~8のショ糖脂肪酸エステル(特に、ショ糖飽和C12-24脂肪酸エステル)を含んでいてもよい。前記リン脂質は、レシチンであってもよい。前記ヒートシール層は、100℃以下で熱接着可能であってもよい。前記第1の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度は50~100℃であってもよい。前記第2の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度は-30℃以上50℃未満であってもよい。前記第1の飽和共重合ポリエステルと、前記第2の飽和共重合ポリエステルとの重量割合は、前者/後者=80/20~10/90であってもよい。前記基材層は、ポリエステルを含んでいてもよい。前記包装用積層フィルムは、スライスチーズを密着させて個装するためのフィルムであってもよい。
本発明には、前記包装用積層フィルムで被包装物を包装した包装体も含まれる。前記被包装物は、前記包装用積層フィルムと密着していてもよい。前記被包装物はスライスチーズであり、スライスチーズの個装体であってもよい。
本発明では、基材層の少なくとも一方の面に、ガラス転移温度の異なる複数種を組み合わせた飽和共重ポリエステル100重量部に対して、ショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質を含む離型剤0.4~7重量部を含むヒートシール層が重量0.4~1.3g/mで積層されているため、密着包装した被包装物の剥離性を向上でき、かつ低温でのヒートシール性も向上できる。また、低温でのヒートシール性を向上でき、かつアンチブロッキング性も向上できる。そのため、例えば、スライスチーズを個装するためのインナーフィルムとして利用すると、スライスチーズの身離れが良く、高速包装も可能となると上に、ロール状に巻いて保管してもブロッキングの発生を抑制できる。さらに、適度なヒートシール性を有しており、密封した被包装物を容易に開封できる。
図1は、実施例におけるスライスチーズに対する離型性の測定方法を説明するための概略工程図である。 図2は、実施例におけるヒートシール性の測定方法を説明するための概略工程図である。
[基材層]
本発明の包装用積層フィルムは、基材層を含む。基材層は、柔軟性や成形性などの点から、熱可塑性樹脂を含むのが好ましく、通常、熱可塑性樹脂フィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂(ハロゲン含有樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂など)、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステルなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、ヒートシール層に対する密着性などに優れる点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどの飽和ホモポリエステルを利用できる。これらのうち、PETなどのポリC2-4アルキレン-C6-10アリレートが好ましい。
ポリエステル(特に、飽和ホモポリエステル)は、結晶性樹脂であるのが好ましく、融点は、例えば180~300℃、好ましくは200~280℃、さらに好ましくは240~270℃程度である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、樹脂の融点およびガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定できる。
ポリエステル(特に、飽和ホモポリエステル)の数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算で5000~1000000程度の範囲から選択でき、例えば10000~500000、好ましくは12000~300000、さらに好ましくは15000~100000程度である。
基材層は、前記熱可塑性樹脂フィルムの単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。
基材層は、熱可塑性樹脂フィルム(特に、ポリエステルフィルム)の無延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸フィルムであってもよい。二軸延伸フィルムの場合、フィルム引取方向(MD方向)および幅方向(TD方向)の延伸倍率は、それぞれ1.5倍以上(例えば、1.5~10倍)であってもよく、例えば2~8倍、好ましくは2~5倍程度である。
熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂に加えて、慣用の添加剤を含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、防腐剤、殺菌剤、可塑剤、充填剤、離型剤、ブロッキング防止剤、撥水剤、滑剤、結晶核成長剤、着色剤、粘度調整剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して30重量部以下(例えば0.1~10重量部)であってもよい。
基材層の平均厚みは、例えば1~100μm、好ましくは5~50μm、さらに好ましくは10~30μm(特に12~20μm)程度である。
なお、本明細書および特許請求の範囲では、平均厚みは、JIS K7130(1999年)A法に準拠して測定できる。
基材層の表面(特に、ヒートシール層との接触面)は、表面処理(例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理など)されていてもよい。
[ヒートシール層]
本発明の包装用積層フィルムは、前記基材層の少なくとも一方の面に、直接または間接的に積層されたヒートシール層を含む。ヒートシール層は、飽和共重合ポリエステルおよび離型剤を含む。本発明では、ヒートシール層が、特定の飽和共重合ポリエステルと特定の離型剤との組み合わせを含むことにより、トレードオフの関係にある被包装物の剥離性と低温ヒートシール性とを両立できる。
(飽和共重合ポリエステル)
飽和共重合ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとの共重合体、ジカルボン酸とジオールとヒドロキシカルボン酸との共重合体、ヒドロキシカルボン酸の共重合体、ラクトンの共重合体のいずれであってもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸などのC8-20芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC4-12アルカンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などのC4-12シクロアルカンジカルボン酸などが挙げられる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2-10アルカンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどのC4-12シクロアルカンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールA-アルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオールなどが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、β-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどのC4-8ラクトンなどが挙げられる。
飽和共重合ポリエステルは、これらの重合成分を適宜組み合わせて調製された複数種の飽和共重合ポリエステルを含み、具体的には、ガラス転移温度を調整することにより、第1の飽和共重合ポリエステルと、この第1の飽和共重合ポリエステルよりも低いガラス転移温度を有する第2の飽和共重合ポリエステルとを含んでいる。本発明では、ガラス転移温度の異なる飽和共重合ポリエステルを組み合わせることにより、低温でのヒートシール性と離型性とを両立できる。
飽和共重合ポリエステルは、ガラス転移温度が目的の範囲に調整されていればよく、重合成分の組み合わせは限定されないが、例えば、ジカルボン酸とジオールと共重合体において、ジカルボン酸および/またはジオールとして、複数種の重合成分を用いた共重合体であってもよい。飽和共重合ポリエステルは、非晶性ポリエステルであってもよい。
このような飽和共重合ポリエステルは、ポリC2-4アルキレン-C6-10アリレート骨格を主骨格とする共重合体であってもよく、例えば、ポリC2-4アルキレンアリレートの構成単位のうち、C2-4アルキレングリコールの一部を、ポリオキシC2-4アルキレングリコール、C5-10アルキレングリコール、脂環式ジオール(シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなど)、芳香族ジオール(ビスフェノールA、ビスフェノールA-アルキレンオキサイド付加体など)などの他のジオールで置換したコポリエステル、テレフタル酸などの対称芳香族ジカルボン酸の一部を、フタル酸、イソフタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族C6-12ジカルボン酸などの他のジカルボン酸で置換したコポリエステルであってもよい。C2-4アルキレングリコールと他のジオールとのモル比は、前者/後者=99/1~10/90程度の範囲から選択でき、例えば95/5~20/80、好ましくは90/10~30/70、さらに好ましくは80/20~50/50程度である。対称芳香族ジカルボン酸と他のジカルボン酸とのモル比は、前者/後者=99/1~10/90程度の範囲から選択でき、例えば95/5~20/80、好ましくは90/10~30/70、さらに好ましくは80/20~50/50程度である。
共重合ポリエステルのガラス転移温度の調整方法も、特に限定されず、前述のように、共重合成分の割合や種類を適宜選択することにより調整してもよく、さらにポリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなど)および/または多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)と組み合わせてもよく、分子量を調整してもよい。
第1の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度Tgは、50℃以上であればよいが、ヒートシール層が100℃以下で熱接着できる点から、例えば50~100℃、好ましくは55~90℃、さらに好ましくは60~80℃(特に65~70℃)程度である。第1の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度が低すぎると、シール性が低下する虞があり、逆に高すぎると、低温でのヒートシール性が低下する虞がある。
第1の飽和共重合ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、GPCを用いてポリスチレン換算で3000~50000程度の範囲から選択でき、例えば5000~30000、好ましくは10000~25000、さらに好ましくは15000~20000程度である。分子量が小さすぎると、シール性が低下する虞があり、逆に高すぎると、低温でのヒートシール性が低下する虞がある。
第1の飽和共重合ポリエステルの水酸基価は、例えば1~50mgKOH/g、好ましくは2~30mgKOH/g、さらに好ましくは3~20mgKOH/g(特に4~10mgKOH/g)程度である。
第2の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度Tgは、50℃未満であればよいが、ブロッキングを抑制できる点から、例えば-30℃以上50℃未満、好ましくは-20~30℃(例えば-15~20℃)、さらに好ましくは-10~10℃(特に0~5℃)程度である。第2の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度が低すぎると、ブロッキングが発生する虞があり、逆に高すぎると、低温でのヒートシール性が低下する虞がある。
第2の飽和共重合ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、GPCを用いてポリスチレン換算で5000~100000程度の範囲から選択でき、例えば10000~50000、好ましくは15000~30000、さらに好ましくは20000~25000程度である。分子量が小さすぎると、ブロッキングが発生する虞があり、逆に高すぎると、低温でのヒートシール性が低下する虞がある。
第2の飽和共重合ポリエステルの水酸基価は、例えば1~50mgKOH/g、好ましくは2~30mgKOH/g、さらに好ましくは3~20mgKOH/g(特に4~10mgKOH/g)程度である。
第1の飽和共重合ポリエステルと、第2の飽和共重合ポリエステルとの重量割合は、前者/後者=90/10~5/95程度の範囲から選択でき、例えば80/20~10/90(例えば70/30~15/85)、好ましくは60/40~20/80、さらに好ましくは50/50~30/70(特に45/55~35/65)程度である。第1の飽和共重合ポリエステルの割合が少なすぎると、シール性が低下したり、ブロッキングが発生する虞があり、逆に多すぎると、低温ヒートシール性が低下する虞がある。
(離型剤)
離型剤は、ショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質を含む。本発明では、離型剤がショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質を含むことにより、密着包装した被包装物の剥離性を改善でき、さらに前記飽和共重合ポリエステルとの組み合わせにより、剥離性と低温シール性とを両立できる。
ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などのC4-30飽和脂肪酸などが挙げられる。不飽和脂肪酸としては、例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などのC10-30不飽和脂肪酸などが挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルは、単独の脂肪酸のエステルであってもよく、混酸エステル(または混合脂肪酸エステル、例えば、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との混合脂肪酸エステル)であってもよい。
これらの脂肪酸のうち、C12-24飽和または不飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびエルカ酸から選択された少なくとも1種のC14-22飽和または不飽和脂肪酸)が好ましく、ステアリン酸などのC12-24飽和脂肪酸(好ましくはC14-22飽和脂肪酸、さらに好ましくはC16-20飽和脂肪酸)が特に好ましい。
代表的なショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖飽和脂肪酸エステル[例えば、ショ糖モノ乃至オクタカプリル酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタラウリン酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタパルミチン酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタステアリン酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタベヘン酸エステルなどのショ糖とC8-24飽和脂肪酸(特にC10-22飽和脂肪酸)とのモノ乃至オクタエステル類]、ショ糖不飽和脂肪酸エステル[例えば、ショ糖モノ乃至オクタオレイン酸エステルなどのショ糖とC12-24不飽和脂肪酸(特にC16-22不飽和脂肪酸)とのモノ乃至オクタエステル類)など]などが例示できる。これらのショ糖脂肪酸エステルは、単独で又は2種以上組み合わせてもよく、例えば、エステル化度の異なるショ糖脂肪酸エステルの混合物であってもよい。
特に、ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖トリステアリン酸エステル、ショ糖テトラステアリン酸エステル、ショ糖ヘキサステアリン酸エステルなどのショ糖モノ乃至オクタC12-24飽和脂肪酸エステル(特にショ糖モノ乃至ヘキサC14-22飽和脂肪酸エステル)およびこれらの混合物であってもよい。
ショ糖脂肪酸エステルがエステル化度の異なるショ糖脂肪酸エステルの混合物である場合、ショ糖脂肪酸エステル中のモノエステル体含量は80重量%以下であってもよく、例えば5~60重量%、好ましくは8~50重量%(例えば10~40重量%)、さらに好ましくは12~30重量%(特に15~25重量%)程度である。
ショ糖脂肪酸エステルの親水性-親油性バランス(HLB)は1~16程度の範囲から選択でき、剥離性と低温シール性とを両立できる点から、例えば1.5~10、好ましくは2~7(例えば2.2~5)、さらに好ましくは2.5~4(特に2.8~3.5)程度である。なお、本明細書および特許請求の範囲において、HLB値はグリフィン法に準拠して測定できる。
リン脂質には、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質が含まれ、離型性に優れる点から、グリセロリン脂質が好ましい。グリセロリン脂質としては、例えば、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリンなどが挙げられる。これらのグリセロリン脂質は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンが好ましく、ホスファチジルコリンが特に好ましい。
グリセロリン脂質は、大豆レシチンや卵黄レシチンなどの天然物由来のレシチンであってもよく、このレシチン中の特定のグリセロリン脂質濃度を調整した分別レシチン(機能性改質レシチン)であってもよい。
これらのうち、分別レシチンが好ましく、ホスファチジルコリン含量が高い分別レシチンが特に好ましい。分別レシチン中のホスファチジルコリン含量は、低温でのヒートシール性を向上できる点から、例えば30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上(例えば60~80重量%程度)であってもよい。
これらのうち、低温でのヒートシール性の向上効果が大きい点から、ショ糖脂肪酸エステルが好ましく、剥離性とシール性とを両立できる点から、HLB2~8のショ糖脂肪酸エステル(特に、HLB3~7のショ糖飽和C12-24脂肪酸エステル)が特に好ましい。
離型剤は、ショ糖脂肪酸および/またはリン脂質に加えて、他の離型剤を含んでいてもよい。他の離型剤としては、例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、ワックスなどが挙げられる。これら他の離型剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。他の離型剤の割合は、離型剤中、例えば30重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
本発明では、ショ糖脂肪酸エステルおよびリン脂質の合計割合は、離型剤中50重量%であってもよく、例えば70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上であり、ショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質100重量%であってもよい。離型剤中のショ糖脂肪酸エステルおよびリン脂質の合計割合が少なすぎると、密着包装した被包装物の剥離性が低下する虞がある。
さらにショ糖脂肪酸エステルの割合が離型剤中50重量%であると、特に好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの割合は、離型剤中70重量%以上であってもよく、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上であり、ショ糖脂肪酸エステル100重量%(ショ糖脂肪酸エステルのみ)であってもよい。
本発明では、離型剤(ショ糖脂肪酸エステルおよび/またはリン脂質)の割合は、飽和共重合ポリエステル100重量部に対して0.4~7重量部に調整する必要がある。離型剤の割合は、好ましくは0.6~5重量部、さらに好ましくは0.8~3重量部、最も好ましくは1~2重量部であり、被包装物の剥離性が重要な用途では、例えば0.8~6重量部、好ましくは1~5重量部、さらに好ましくは1.5~4重量部(特に2~3重量部)程度である。離型剤の割合が少なすぎると、被包装物の剥離性が低下し、逆に多すぎると、ヒートシール性が低下する。
(他の添加剤)
ヒートシール層は、前記飽和共重合ポリエステルおよび前記離型剤に加えて、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤としては、基材層の熱可塑性樹脂フィルムに添加される慣用の添加剤として例示された添加剤を例示できる。前記添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。他の添加剤の割合は、飽和共重合ポリエステル100重量部に対して30重量部以下であってもよく、好ましくは10重量部以下(例えば0.1~10重量部)であってもよい。
(ヒートシール層の特性)
ヒートシール層は、前述のように、特定の共重飽和ポリエステルと特定の離型剤とを組み合わせているため、低温でのヒートシール性が可能であり、好ましくは100℃以下(例えば70~100℃程度)の温度で熱接着可能である。また、低温でのヒートシール性だけでなく、シール後も被包装部を安定して密封できる上に、開封も容易である。さらに、シール性が優れているにも拘わらず、被包装物の剥離性に優れており、例えば、スライスチーズを密封して包装しても、開封する際の身離れが良好である。
ヒートシール層は、基材層の少なくとも一方の面に、直接または間接的に積層されていればよく、両面に積層されていてもよいが、通常、片面に積層されている。さらに、ヒートシール層が基材層の片面に積層されている場合、ヒートシール層を積層する領域は、少なくとも一部の領域が積層されていればよく、包装体の種類に応じて適宜選択でき、スライスチーズなどの被包装物では、片面の全面に積層されていてもよい。
ヒートシール層(基材層の両面に積層した場合、片面の重量)の重量は0.4~1.3g/mに調整する必要がある。ヒートシール層の重量は、好ましくは0.42~1g/m(例えば0.45~0.8g/m)、さらに好ましくは0.5~0.7g/m(特に0.55~0.65g/m)程度である。重量が少なすぎすると、低温ヒートシール性などのシール性が低下し、逆に多すぎると、シール強度が強すぎて、円滑な開封が困難となり、ロール状に保管した際などにブロッキングが発生する。
(アンカー層)
ヒートシール層が基材層の少なくとも一方の面に間接的に積層される場合、基材層とヒートシール層との間には、ヒートシール層と基材層との接着性を調整するために、アンカー層が介在していてもよい。アンカー層は、市販の基材層の上に形成されている易接着層であってもよい。
アンカー層は、慣用の接着成分を含んでいればよい。慣用の接着成分としては、例えば、ビニル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤(熱可塑性ポリウレタン系接着剤、二液硬化型ポリウレタン系樹脂など)、セルロース系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。基材層がポリエステルフィルムである場合、接着成分は、低分子量のポリエステル、脂肪族ポリエステル、非晶性ポリエステルなどのポリエステル系接着剤であってもよい。
アンカー層は、前記接着成分に加えて、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤としては、基材層の熱可塑性樹脂フィルムに添加される慣用の添加剤として例示された添加剤を例示できる。前記添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。他の添加剤の割合は、接着成分100重量部に対して30重量部以下であってもよく、好ましくは10重量部以下(例えば0.1~10重量部)であってもよい。
本発明では、基材層がポリエステルフィルムである場合、ヒートシール層が飽和共重合ポリエステルを含み、基材層との接着性に優れるため、アンカー層を介在させずに、基材層にヒートシール層を直接積層しても十分な接着性を担保できる。そのため、基材層にヒートシール層を直接積層するのが好ましい。
アンカー層の平均厚みは、例えば0.01~5μm、好ましくは0.05~2.5μm、さらに好ましくは0.1~1.5μm程度である。
(他の層)
本発明の包装用積層フィルムにおいて、基材層の一方の面のみにヒートシール層が積層されている場合、他方の面には、慣用の機能層を積層してもよい。特に、スライスチーズなどの被包装物を包装する場合、通常、包装用積層フィルムを折り返して被包装物を密封するため、基材層とヒートシール層とを接着(積層フィルムの表面と裏面とを接着)する必要が生じる。そのため、基材層とヒートシール層との接着性を調整する目的で、機能層として、離型層および/または接着層を積層してもよい。
離型層としては、ヒートシール層の離型剤として例示された離型剤などを含んでいてもよく、例えば、硬化性のシリコーン樹脂を含んでいてもよい。離型層は、基材層の熱可塑性樹脂フィルムに添加される慣用の添加剤として例示された添加剤を含んでいてもよく、例えば、シリカ粒子などのブロッキング防止剤をさらに含んでいてもよい。離型層は、他方の面に対して、一部の領域に形成してもよく、全面に形成してもよい。離型層の平均厚みは、例えば0.01~5μm、好ましくは0.05~3μm、さらに好ましくは0.1~2μm程度である。
接着層としては、アンカー層の接着成分として例示された接着成分を含んでいてもよい。接着層は、他方の面の一部の領域に形成する場合が多く、特に、包装状態において裏面のヒートシール層と接触する領域の一部に形成してもよい。接着層の平均厚みは、例えば0.01~5μm、好ましくは0.05~3μm、さらに好ましくは0.1~2μm程度である。
また、装飾性などの目的で、機能層として印刷層を積層してもよい。印刷層としては、顔料を含む慣用のインキ組成物で形成された層であってもよい。印刷層は、他方の面に対して、一部の領域に形成してもよく、全面に形成してもよい。印刷層の平均厚みは、例えば0.1~3μm、好ましくは0.3~2μm、さらに好ましくは0.5~1.5μm程度である。
[包装用積層フィルムおよび包装体]
本発明の包装用積層フィルムは、基材層とヒートシール層との低温でのヒートシール性に優れており、基材層とヒートシール層とを温度90℃、荷重1kg/cm、1秒で熱接着した層間の剥離強度は40~150g/15mmであってもよく、好ましくは50~130g/15mm、さらに好ましくは60~120g/15mm(特に80~100g/15mm)程度である。層間の剥離強度が小さすぎると、シール性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、開封性が低下したり、ブロッキングが発生する虞がある。
本発明の包装用積層フィルムは、ヒートシール層の被包装物に対する剥離性(離型性)に優れており、加熱密着させたスライスチーズとの5℃における剥離強度は4.2g/15mm以下であってもよく、好ましくは4g/15mm以下、さらに好ましくは3.9g/15mm以下(例えば3.5~3.9g/15mm)であってもよい。この剥離強度が大きすぎると、被包装物に対する剥離性が低下する虞がある。
本発明の包装用積層フィルムは、透明性にも優れており、全光線透過率は30%以上であってもよく、好ましくは30~100%、さらに好ましくは40~98%(特に50~95%)程度であってもよい。本明細書および特許請求の範囲において、全光線透過率は、JIS K7105に準拠して測定できる。
本発明の包装用積層フィルムは、慣用の方法により製造でき、例えば、基材層の上に、ヒートシール層を形成するための液状組成物をコーティングして乾燥する方法によって製造してもよい。この液状組成物は、ヒートシール層を形成するための飽和共重合ポリエステルおおよび離型剤に加えて、飽和共重合ポリエステルを溶解または分散可能な溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、例えば、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール類、シクロヘキサノールなどの脂環族アルコール類など)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのジアルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、炭化水素類[例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、脂環族炭化水素類(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエンなどの芳香族炭化水素類が汎用され、ケトン類と芳香族炭化水素類との混合溶媒が好ましい。ケトン類と芳香族炭化水素類とを混合する場合、芳香族炭化水素類の割合は、ケトン類100重量部に対して10~100重量部、好ましくは20~80重量部、さらに好ましくは30~50重量部程度である。
溶媒の割合は、飽和共重合ポリエステル100重量部に対して、例えば100~5000重量部、好ましくは300~3000重量部、さらに好ましくは500~2000重量部(特に1000~1500重量部)程度である。
コーティング方法としては、慣用の塗布手段、例えば、スプレー、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、ディップコーターなどを用いる方法を利用できる。また、必要であれば、ホットメルトコーターを用いてもよい。さらに、必要であれば、前記液状組成物を複数回に亘ってコーティングしてもよい。
乾燥方法は、自然乾燥であってもよいが、生産性の点から、加熱乾燥が好ましい。加熱温度は50℃以上であってもよく、例えば50~150℃、好ましくは60~130℃、さらに好ましくは80~120℃程度である。
このようにして得られた包装用積層フィルムは、各種の被包装物を包装するために利用できるが、ヒートシール層の被包装物の剥離性に優れるため、被包装物を密着させて包装するのが好ましい。さらに、本発明の包装用積層フィルムは、基材層とヒートシール層とを低温でシールできるため、スライスチーズを密着させて個装するためのフィルム(インナーフィルム)として利用するのが特に好ましい。フィルムの平面形状は、被包装物の種類に応じて適宜選択でき、円形状、四角形状などであってもよく、スライスチーズの場合、長方形状である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りであり、実施例及び比較例で得られた包装用積層フィルムの特性は、以下の方法で評価した。
[使用材料]
PETフィルム:フタムラ化学(株)製「FE2001」、厚み16μm
第1の飽和共重合ポリエステル:東洋紡(株)製「バイロン(登録商標)200」、Tg67℃、Mn17000、水酸基価6mgKOH/g
第2の飽和共重合ポリエステル:東洋紡(株)製「バイロン(登録商標)50DS」、Tg4℃、Mn23000、水酸基価5mgKOH/g、溶剤に溶解した溶液(固形分41重量%)
PVDC:塩化ビニリデン系樹脂、旭化成(株)製「PVDCラテックスL-509」
ショ糖脂肪酸エステル(HLB3):三菱ケミカルフーズ(株)製「リョートー(登録商標)シュガーエステルS-370」、HLB約3、モノエステル含量約20%
ショ糖脂肪酸エステル(HLB5):三菱ケミカルフーズ(株)製「リョートー(登録商標)シュガーエステルS-570」、HLB約5、モノエステル含量約30%
ショ糖脂肪酸エステル(HLB7):三菱ケミカルフーズ(株)製「リョートー(登録商標)シュガーエステルS-770」、HLB約7、モノエステル含量約40%
レシチンA:辻製油(株)製「SLP-PC70」、ホスファチジルコリン含量70%
レシチンB:辻製油(株)製「SLP-PIパウダーA」
レシチンC:辻製油(株)製「SLP-ホワイト」
グリセリン脂肪酸エステル:三菱ケミカルフーズ(株)製「リョートー(登録商標)ポリグリエステルB-100D」
ソルビタン脂肪酸エステル:ソルビタントリオレエート、和光純薬工業(株)製
ステアリン酸エステル:テトラグリセリンペンタエステル、阪本薬品工業(株)製「SYグリスターTS-3S」
オレイン酸エステル:テトラグリセリンペンタエステル、阪本薬品工業(株)製「SYグリスターPO-3S」
縮合リシノール酸エステル:テトラグリセリンエステル、阪本薬品工業(株)製「SYグリスターCR-310」
市販のスライスチーズ:明治乳業(株)製「明治北海道十勝チーズ」
[離型性(チーズ剥離性)]
スライスチーズ包装用フィルムの離型性の評価は、以下の方法で行った。
(1)実施例及び比較例のフィルムを250mm×100mmの大きさに切る。
(2)冷蔵庫に保管していた市販のスライスチーズを包装フィルムから取り出し、実施例及び比較例で得られた包装用積層フィルムで再度包装する。詳しくは、図1の工程(A)に示すように、包装用積層フィルム1の長手方向の中心線(折り返し線)1aにスライスチーズの一端を合わせて、包装用積層フィルム1のヒートシール層の上にスライスチーズを載せる。次に、包装用積層層フィルム1を折り返し線1aで折り畳んでスライスチーズを挟んだ後、工程(B)に示すように、折り畳んだ積層フィルムの開口部の3辺を荷重1kg/cm、温度90℃、時間1秒の条件で1cm幅でヒートシール(3点ヒートシール)して、スライスチーズを積層フィルム内に密封させる。すなわち、スライスチーズ2は、包装用積層フィルム1を折り畳んで包装され、工程(C)に示すように、折り畳みにより対向したヒートシール層同士が、開口部の熱接着により一体化してヒートシール部1bを形成している。
(3)包装したスライスチーズ個装体を、300gの錘を乗せた状態でオーブンに入れ70℃で3分間加熱する。
(4)加熱したスライスチーズ個装体を冷蔵庫(5℃)に一時間放置する。
(5)冷蔵庫(5℃)に一時間放置したスライスチーズ個装体を取り出し、図1の工程(C)に示す破線のように、積層フィルム(折り畳む前の積層フィルム)の長手方向に沿って幅15mmに切る。
(6)幅15mmに切ったスライスチーズ個装体のヒートシール部1b(積層フィルムの折り畳みにより、積層フィルム同士が密着した部分)を手で剥がし(予めヒートシール部1bを剥がした状態で試験機に供し)、引張試験機((株)島津製作所製「AGS-X」)を使用して、引張り速度300mm/分の条件で、剥がしたフィルム端に荷重を加え、積層フィルムがスライスチーズから剥がれるのに要する力を測定する。更に剥がした積層フィルムにスライスチーズが付着していないかを目視で観察する。
[熱接着強度(ヒートシール強度)]
包装用積層フィルムの低温度における熱接着強度の評価は、以下に示すように、チーズを積層フィルムの間に挟まずに行った。その理由は、チーズを積層フィルムの間に挟むと、ヒートシール部の積層フィルム間にも微量のチーズが介在し、熱接着強度値にばらつきが生じる為である。
(1)実施例及び比較例で得られた包装用積層フィルムを250mm×100mmの大きさに切る。
(2)スライスチーズを挟まないこと以外は、チーズ剥離性の評価と同様の方法で、包装用積層フィルムを折り畳んで、折り返し線近傍を1点ヒートシールした。詳しくは、図2の工程(a)に示すように、包装用積層フィルム11を折り返し線11aで折り畳んで、工程(b)に示すように、折り返し線11aから10mm隙間をあけて、折り返し線に平行に1cm幅でヒートシールして(1点ヒートシール)して、工程(c)に示すように、ヒートシール部11bを形成する。
(3)図2の工程(c)に示す破線のように、積層フィルム(折り畳む前の積層フィルム)の長手方向に沿って幅15mmに折り畳んだ積層フィルムを切る。
(4)幅15mmに切った積層フィルムの開放端部(折り返し端部の反対側または対向側の端部)を、引っ張り試験機にセットして、引張り速度300mm/分の条件で剥離強度(g/15mm)を測定する。
実施例1~13
第1の飽和共重合ポリエステル40重量部、第2の飽和共重合ポリエステル60重量部(固形分換算)と表1に示す離型剤0.5~5重量部を混合し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解した溶液(溶液中の溶媒量:メチルエチルケトン860重量部、トルエン340重量部)を、乾燥重量0.6~1.3g/mとなるようにPETフィルムの片面に塗布し、100℃で30秒乾燥して、片面に熱接着性層(ヒートシール層)を有するスライスチーズ包装用積層フィルムを製造した。
比較例1~11
第1の飽和共重合ポリエステル40重量部と第2飽和共重合ポリエステル60重量部との混合樹脂、またはPVDCに、表1に示す離型剤0.3~10.0重量部を混合し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解した溶液(溶液中の溶媒量:メチルエチルケトン860重量部、トルエン340重量部)を、乾燥重量0.3~1.5g/mとなるようにPETフィルムの片面に塗布し、100℃で30秒乾燥して、片面に熱接着性層(ヒートシール層)を有するスライスチーズ包装用積層フィルムを製造した。
実施例および比較例で得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0007145626000001
表1の結果から明らかなように、実施例で得られた積層フィルムは、チーズ剥離性に優れ、かつ低温でのヒートシール強度も適度な範囲であった。特に、ショ糖脂肪酸エステルを配合した実施例は、レシチンを配合した実施例に比べて、安定して両特性のバランスをとることができた。
これに対して、比較例で得られた積層フィルムは、両特性を両立できなかった。
また、比較例4で得られた積層フィルムは、ヒートシール強度が高すぎて、開封が困難であったが、ヒートシール層のタックが強く、ヒートシール前の折り畳んだだけの状態で接着し、ブロッキングが発生した。
さらに、比較例5で得られた積層フィルムは、まだら模様の状態であり、外観性も低かった。
本発明の包装用積層フィルムは、被包装物に対する離型性(または剥離性)に優れており、種々の被包装物を包装するのに有用である。すなわち、本発明の包装用積層フィルムは、ヒートシール層と被包装物とを接触させて包装(および開封)するための包装用フィルムとして使用できる。被包装物体としては、特に限定されず、基材層の種類や機能(例えば、ガスバリア性など)などに応じて、例えば、食品[例えば、畜肉加工品(ハム、ソーセージ、ベーコン、焼豚、チキンなど)、饅頭類(蒸し饅頭、中華饅頭など)、おにぎり、糖菓、菓子パン類、カステラ、スライスチーズ、チョコレート、キャラメル、餡類などなど]、医薬品又は化学品(例えば、薬品又は薬剤など)などが例示できる。被包装物は、室温で固形、半固形又は流動物であってもよい。なお、包装の形態は、饅頭類やカステラ、スライスチーズなどのように個装であってもよい。
これらの被包装物のうち、本発明の包装用積層フィルムは、食品の包装に用いるためのフィルム(食品用包装フィルム)として好適に利用でき、特に、加熱して溶融した状態や流動性を有する状態で包装された後、冷却固化して密着する食品(スライスチーズ、チョコレート、蒲鉾など)に好ましく利用でき、スライスチーズが特に好ましく利用できる。
1,11…包装用積層フィルム
1a,11a…折り返し線
1b,11b…ヒートシール部
2…スライスチーズ

Claims (8)

  1. 基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に、直接または間接的に積層されたヒートシール層とを含む包装用積層フィルムであって、
    前記ヒートシール層が、飽和共重合ポリエステルおよび離型剤を含み、
    前記飽和共重合ポリエステルが、第1の飽和共重合ポリエステルと、この第1の飽和共重合ポリエステルよりも低いガラス転移温度を有する第2の飽和共重合ポリエステルとを含み、
    前記第1の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度が50~100℃であり、前記第2の飽和共重合ポリエステルのガラス転移温度が-30℃以上50℃未満であり、
    前記第1の飽和共重合ポリエステルと、前記第2の飽和共重合ポリエステルとの重量割合が、前者/後者=80/20~10/90であり、
    前記離型剤が、HLB2~8のショ糖脂肪酸エステルを含み、
    前記ヒートシール層の重量が0.4~1.3g/mであり、
    前記離型剤の割合が、飽和共重合ポリエステル100重量部に対して0.4~7重量部である包装用積層フィルム。
  2. HLB2~8のショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖飽和C12-24脂肪酸エステルである請求項1記載の包装用積層フィルム。
  3. ヒートシール層が、100℃以下で熱接着可能である請求項1または2記載の包装用積層フィルム。
  4. 基材層がポリエステルを含む請求項1~のいずれかに記載の包装用積層フィルム。
  5. スライスチーズを密着させて個装するためのフィルムである請求項1~のいずれかに記載の包装用積層フィルム。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の包装用積層フィルムで被包装物を包装した包装体。
  7. 被包装物が包装用積層フィルムと密着している請求項記載の包装体。
  8. 被包装物がスライスチーズであり、スライスチーズの個装体である請求項または記載の包装体。
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