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JP7131789B2 - 着用型姿勢制御練習機及び姿勢制御練習方法 - Google Patents

着用型姿勢制御練習機及び姿勢制御練習方法 Download PDF

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Description

本発明は、着用型姿勢制御練習機及び姿勢制御練習方法に関する。
超高齢化社会となったわが国では、介護が必要な状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けたいとの要望がある。このような要望を受けて、住まい、医療、介護、疾病予防、及び生活支援を一体的に提供することを目標として地域における包括的なケアシステムの構築に向けて様々な方策が検討されている。
包括的なケアシステムの構築は重要であるが、そもそも介護が必要な状態とならないことが重要である。介護が必要な状態が長くなれば、経済的な負担によって我が国の介護保険制度の存続も困難となってしまう。ところで、厚生労働省の国民生活基盤調査(平成22年)によれば、65歳以上の要介護者において寝たきりの状態になった直接的な原因の第4位が転倒による骨折であった。割合にすると、全体の9.3%を占める。したがって、転倒を予防することは寝たきりになることを防ぐ有効な対策となる。
次に先行技術について説明する。転倒の原因となる平衡障害を診断するための装置として、特許文献1のような装置が知られている。また、平衡協調系の機能を検査する装置として特許文献2のような装置が知られている。
特開2008-73267号公報 特表平11-502429号公報
特許文献1の装置は、静止状態かつ立位状態の被検者の腰に取り付けて使用する。この装置は、加速度計を備えており、前後方向と左右方向の加速度を加速度計で測定する。2方向の加速度から求めた所定のパラメータは、ふらつきの計測値又は評価値として採用することが可能であるとされている。
特許文献1の装置は、単にふらつきを評価するだけの装置に過ぎない。したがって、姿勢制御の練習を行うことはできない。
特許文献2の装置は、頭部に取り付けて使用する。この装置は、アルコール水準器と、頭部への装置の取付具と、アルコール水準器と取付具とを連結する連結具とを備える。頭部がふらつくと取付具及び連結具を経てアルコール水準器が動揺して、ふらつきが視覚化される。この装置では、身体はふらついていない状態でも頭部が揺れるとその揺れが敏感にアルコール水準器に反映されてしまう。したがって、正確に身体の揺れを測定することができないことがある。
本発明は、着用者の膝部の位置に関する情報を着用者にフィードバックすることでより効果的に姿勢の制御練習を行うことができる着用型の姿勢制御練習機及び姿勢制御練習方法を提供することを目的とする。
着用型の姿勢制御練習機であって、着用者の膝部の位置を示す光の照射部と、光の照射部を着用者の身体に支持する支持部とを備える着用型姿勢制御練習機(以下、単に練習機と呼ぶことがある。)によって、上記の課題を解決する。また、着用者の身体に装着された照射部から着用者の膝部の位置を示す光を照射して、着用者は、光点の位置を目視確認しながら膝部の位置を調節する姿勢制御練習方法によって上記の課題を解決する。
着用者は、照射部から照射された光によって、自身の膝部の位置に関する情報のフィードバックを受けて、膝部の位置を一定に維持するように練習を行うことが可能になる。着用者は、練習を繰り返すことによって、自身の姿勢制御能力を向上させることが可能になる。
上記の練習機において、照射部は、着用者が視認可能な位置に膝部の位置を示す光を照射するものであることが好ましい。これにより、照射部により照射された光を着用者が直接に視認して確認することができる。このようにすれば、膝部の位置をディスプレイ等の表示機器に表示する必要がなくなる。装置の構成も簡素になり、しかも膝部の位置に関して演算装置などを使用した情報処理を省略することが可能になる。
上記の練習機において、光は、高指向性の光とすることが好ましい。高指向性の光は拡散しにくく直進するため、膝部の位置を確認する際の視認性を向上させて膝部の位置をより正確に着用者にフィードバックすることが可能である。
上記の練習機は、照射部から発せられた光を反射させる反射部をさらに備えることが好ましい。反射部を利用することによって、照射部を設ける位置を最適化することが可能になる。例えば、反射部を利用して光を屈折させる構成を採用することによって装置を小型化したり、練習する際の動作の妨げとなりにくい位置など所望の位置に照射部を配置することが可能になる。
上記の練習機において、反射部は、着用者の膝部の位置に配される構成とすることが好ましい。この構成によれば膝部に配された反射部に光を照射することにより任意の方向に膝部の位置を示す光を照射することが可能になる。
上記の練習機において、支持部は、弾性素材から構成される帯状の部材とすることが好ましい。このようにすることで練習機を着用者の身体の任意の部分に巻き付けて固定することが可能になる。例えば、支持部を着用者の脚に固定することができる。
上記の練習機は、膝部の位置を示す光を照射する的をさらに備えるものとすることが好ましい。的を設けることによって、光を照射する目標が与えられる。目標を設定することによって練習が単調になるのを防ぐことが可能になる。的に向けて光を照射する練習を繰り返すことによって自身の姿勢制御能力を効率的に向上させることが可能になる。
本発明によれば、着用者の膝部の位置に関する情報を着用者にフィードバックすることでより効果的に姿勢の制御練習を行うことができる着用型の姿勢制御練習機を提供することが可能になる。
姿勢制御練習機の一実施形態を示す斜視図である。 図1の姿勢制御練習機を着用した状態を示す斜視図である。 姿勢制御練習機を使用している状態を示す図である。 試験例1から試験例3に係る練習の効果を矩形面積によって評価したグラフである。 試験例1から試験例3に係る練習の効果を総軌跡長によって評価したグラフである。 試験例1から試験例3に係る練習の効果を膝関節動揺によって評価したグラフである。
以下、図面を参照しながら、姿勢制御練習機の一実施形態について説明する。以下に示す実施形態は一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明者が研究を重ねたところ、姿勢制御の能力には、視覚系、前庭迷路系、及び/又は体性感覚系からの感覚入力と、感覚入力をもとに身体を安定させようとする下肢関節の協調的な働きが必要であること、中でも視覚と下肢関節との協調的な働きが重要であることがわかってきた。膝関節は、体幹や股関節などの上位の部分からの影響と、足部や足関節などの下位からの影響を受けてその位置が変化する。すなわち、膝関節は、それよりも上位の身体の各部位の動きと、それよりも下位の身体の各部位の動きを反映する重要な部分である。
本実施形態の姿勢制御練習機は、膝部の位置を示す光を任意の対象物に照射して、その光の位置情報を着用者に対して視覚的にフィードバックすることによって、視覚と下肢関節との協調的な働きを強化する練習を効率的に行えるようにしたものである。
図1に示したように、本実施形態に係る姿勢制御練習機1は、着用者5の膝部51の位置を示す光の照射部11と、光の照射部11を着用者5の身体に支持する支持部12とを備える。この姿勢制御練習機1は、図2に示したように、身体に着用して使用する。着用者の膝部の位置を示す光は、照射部から任意の対象物に対して直接に照射されるものであってもよいし、照射部から発せられる光の反射を利用して任意の対象物に照射されるものであってもよい。
光の照射部は、着用者5の膝部51の位置を示す光を照射可能なものであればよい。光の照射部としては、光線が拡散し難く指向性が高い光を発することができる光源を使用することが好ましい。指向性が高い光としては、レーザー光やスポット光が挙げられる。スポット光は、LEDや白熱灯などの光源、レンズ、及び/又は反射板を利用して発生させることが可能である。指向性が高い光を使用すれば、光が拡散し難いため、膝部の位置を示す光が壁などの対象物に照射された際に、光点の視認性を向上させることが可能である。本実施形態に係る姿勢制御練習機1では、図1に示したように、筒状のレーザー光の発生装置を照射部11として使用している。その他、レーザーダイオードなどを利用することによってより小型にした光源を照射部として使用してもよい。
支持部は、光の照射部を着用者の身体の任意の部分に支持することができるものであればよい。例えば、支持部としては、着用者の身体に対して着脱可能に構成された、帯状の部材、板状の部材、又はクリップなどの取付具が挙げられる。支持部を取り付ける身体の部分としては、例えば、着用者の脚部、腰部、胴部、又は肩部などの任意の部分などが挙げられる。本実施形態に係る姿勢制御練習機1においては、支持部12は、弾性素材から構成される帯状の部材である。弾性素材としては、例えば、合成ゴム、加硫ゴムなどを含有する素材や編物などの伸縮性の生地を使用すればよい。
本実施形態の姿勢制御練習機1においては、支持部12は、弾性素材から構成されているため、身体を動かした際に、支持部12の位置がずれにくく、膝部の位置を示す光の位置もまたずれにくくなっている。例えば、膝関節の上又は下に支持部12を固定した場合は、支持部が膝関節の動きに干渉することを防いで、支持部12をずれにくくすることが可能である。また、身体を動かした際に支持部が身体の動きにあわせて伸縮するため、痛みや圧迫感などの不快感が生じにくいようになっている。
本実施形態の姿勢制御練習機1は、図2に示したように、帯状の支持部12を着用者の膝関節と脛の間に巻き付けることによって固定することが可能である。そして、支持部12の表面及び裏面のうち一方の面には、図1に示したように、第1面ファスナー121が設けられている。そして、支持部12の表面及び裏面のうち他方の面の端部には、第1の面ファスナーに係合可能な第2面ファスナーが設けられている。このため、図2に示したように、膝関節の下に支持部12を巻き付けた状態で第1面ファスナー121と第2面ファスナーとを係合させることにより、支持部12を着用者5の脚に固定することが可能になっている。なお、図1においては、それぞれの面ファスナーの部分にハッチングを付した。
上述のように支持部12には、支持部の一端部から他端部を覆うように第1面ファスナー121が設けられている。このため、後述する電源14、スペーサー13、照射部11などの部材などを対応する面ファスナーによって支持部12に対して自由に固定することができる。第1面ファスナー121に対応する面ファスナーを利用することによって、その他の部材、例えば、より小型化した照射部、反射部などを支持部12に対して直接に固定することも可能である。
本実施形態の姿勢制御練習機1では、光の照射部11として、筒状の光源を利用している。筒状の光源を利用すると、着用者が姿勢制御の練習を行う際に照射部12が着用者5の膝部に干渉しやすくなる。そこで本実施形態の姿勢制御練習機1では、スペーサー13を介して、照射部11を支持部11に対して固定することで、着用者の膝部に照射部12が干渉し難いようにされている。
スペーサー13は、弾性素材から構成される板状の部材であり、光の照射部11が膝部など着用者の身体に干渉しないように、身体から離れた位置に光の照射部を固定する目的で配される。スペーサー13の裏面には、支持部12に設けられた第1面ファスナー121と係合可能な第3面ファスナーが設けられている。そして、スペーサー13の表面には、図1に示したように、照射部11の一端部に設けられた第5面ファスナー111と係合可能な、第4面ファスナー131が設けられている。照射部11は、以上の各面ファスナーを係合させることによって、支持部12に対して固定される。
図1に示したように、本実施形態の姿勢制御練習機1は、電源14を備えている。電源14の裏面には第6面ファスナーが配されている。電源14は、第6面ファスナーを支持部12の第1面ファスナー121に係合することによって、支持部12に固定される。電源14は、照射部11に対して有線接続されており、照射部11に対して電力を供給する。電源には、スイッチ(図示略)が配されており、照射部からの光の照射の有無を切り替えることができる。
図1に示したように、本実施形態の姿勢制御練習機1では、照射部11が上向きに配置されているため、上方に光が照射される。このため、光の照射方向を変更するために、光を反射させる反射部15を利用している。反射部15は、着用者5の膝部51の位置に配されており、照射部15から照射される光を光軸に交差する方向に屈折させることが可能になっている。このため、着用者の正面側に配置した壁などの任意の対象物に対して光を照射することが可能である。
上述のように、本実施形態の姿勢制御練習機1は、反射部15を備えているため、照射部として筒状のものなど安価で調達できるものの比較的に嵩張るものや、明度が高く視認性に優れるものの比較的に嵩張るものであっても利用することが可能になる。このように、反射部15を利用すれば、照射部を配置する位置を自由に設定することが可能になるので、設計の自由度を向上させることが可能になる。
上述のように、本実施形態の姿勢制御練習機1では、反射部15を利用して、着用者が視認可能な位置に膝部の位置を示す光が照射される。着用者は、壁などの任意の対象物に照射された光を目視確認することで、自身の膝部の位置を視覚的に確認することが可能となる。着用者は、光の位置を一定に保つように練習を繰り返すことによって、視覚と下肢関節との協調的な働きを強化し、姿勢を制御する能力を向上させることができる。
本実施形態の姿勢制御練習機1は、図3に示したように、壁などの任意の対象物に固定することが可能な的17を備える。上記の姿勢制御の練習を行う際に、目標が存在しないとどうしても練習が単調になる。的17を設けることによって、光を的17の中に照射され続けるように意識するようになり練習に目標ができて、集中力を維持することが可能になる。これにより、練習の効率を向上させることができる。
本実施形態の姿勢制御練習機1においては、図1に示したように、反射部15は、一対の支持棒161の先端部に設けられた軸に反射部15が回転可能な状態で支持されおり、着用者5の膝蓋の部分に配置される。一対の支持棒161は、照射部15の光軸に交差する方向に突出する鍔部16に基端部が固定される。反射部15としては、例えば、反射鏡、又はプリズムなどを利用することができる。プリズムは光を全反射する性質を備えているため、反射鏡を利用した場合よりも光の反射率を高くすることができるので好ましい。反射率を上昇させることによって、照射部から照射される光の視認性をより向上させることが可能になる。
上記の実施形態に係る姿勢制御練習機1では、反射部15の回転の中心となる軸が照射部11の光軸に対して交差するように設けられている。このため、反射部15を回転させることにより膝部の位置を示す光を照射する方向を光軸の方向に沿って微調整することが可能である。例えば、膝部51の高さに的17の高さが厳密に一致するように的17を固定していなくても、的17の位置にあわせて反射部15を照射部11の軸方向に回転させることによって、的17の近傍に光が照射されるように微調整することができる。
また、鍔部16を照射部11に対して回転可能に挿通した状態とすることによって、反射部15が光を反射する方向を照射部11の光軸に交差する方向に回転させることが可能になる。これによって、練習を行う前に、光が照射される方向を微調整することが可能になる。
上記の実施形態に係る姿勢制御練習機1では、反射部15は、支持棒161及び鍔部16を介して、照射部11に固定されている。このため、照射部11が変位すると反射部15も一体に変位し、反射部15を回転させない限り、反射部15に対する光の入射角と反射角は常に一定に保たれる。したがって、照射部11が揺動等によって変位することに起因して的や壁などの対象物に照射される光点の位置が振れることがなく好ましい。
本実施形態の姿勢制御練習機1の装置構成は、簡素なものである。着用者が姿勢制制御の練習を行う際には、照射部11から照射された光を着用者が直接に目視確認しながら膝部51の位置を調節することによって練習を行う。このため、光点の位置を検出したり、解析したりする装置やプログラムが不要になる。装置構成が簡素なため、故障し難く、安価で提供することができる。姿勢制御練習機1は、簡単に持ち運ぶことができる。また、光を照射する壁などの対象物があれば、場所を問わずに練習を行うことが可能である。
上記の実施形態の姿勢制御練習機は、膝関節の下に支持部12を固定するようにしたものである。これを膝関節の上に支持部を固定し、照射部を下方に向けて突出するように配置してもよい。また、上記の実施形態に係る姿勢制御練習機では、筒状の照射部を採用した。これを釦状などより小型の照射部に変更してもよい。その場合は、着用者の膝関節に支持部を固定して、支持部に照射部を固定すればよい。このようにすれば、光源から照射される光の方向を変換せずとも、そのまま着用者の膝部の位置を示す光として利用することができる。
上記の実施形態の姿勢制御練習機では、着用者の膝関節の下に支持部を固定する構成とした。支持部は、着用者の腰部、胴部、肩部など膝部から離れた部分に支持部を介して光の照射部を取り付ける構成としてもよい。その場合は、反射部を着用者の膝部に配することが好ましい。そして、膝部に配された反射部に対して照射部から光を照射するようにすることが好ましい。
以下、着用型姿勢制御練習機とそれを使用した姿勢制御練習方法の実施例を挙げてより具体的に説明する。
着用型姿勢制御練習機とそれを使用した姿勢制御練習方法の効果を確かめるために、以下の試験を行った。試験は、普段は運動する習慣がなく、運動機能、及び平衡機能に問題が認められない健常な若年の学生3名を対象にした。これらの学生にくじ引きを行ってもらい、試験例1、試験例2、及び試験例3の3群に無作為に振り分けた。なお、試験例1、及び試験例2では、若年の健常者を対象としたことを考慮し、試験の難易度を上昇させるために、図3に示したように、弾性素材で構成したマット6(There Band社のバランスパッド)の上で練習を実施した。
[試験例1]
試験例1では、学生に図1に示した着用型姿勢制御練習機を着用してもらった。着用に際しては、図2に示したように、膝蓋骨の前に反射部が位置するようにした。そして、着用型練習機を着用した状態で、図3に示したように、上記のマット6の上に学生に片足立ちとなってもらい、胸の前で両手を交差する姿勢(以下、練習姿勢という。)をとってもらった。この状態では、図3に示したように、照射部から壁7に固定した直径10cmの的17の近傍にレーザー光が照射されるように、反射部を調節した。的17は、マット6の先端から2m先に固定されるようにした。的17の高さは、学生の膝関節裂隙から足底までの長さとマット6の厚みとの和と同じとなるように壁7に対して固定した。
学生には、レーザー光が的17の円内に留まるように姿勢を制御するように指示して練習を開始した。練習では、上記の練習姿勢でレーザーを円内にとどめる動作を1分間行う。この1分間の練習を1セットとする。荷重を支えていない浮かせた状態の足が床に触れたらストップウォッチを止めて、体勢を整えた後、練習を再開する。これを1回の練習につき3セット行った。練習は、週に3回の頻度で2週間にわたって行った。
[試験例2]
試験例2では、姿勢制御練習機を装着しなかったこと以外は、試験例1と同様の条件で練習を行った。支持部から下腿部に加わる圧迫力を試験例1と同様にするために、学生には帯状の支持部のみを装着してもらった。練習は、学生に対して上記の練習姿勢で的を注視した状態でその姿勢を維持するように指示して行った。
[試験例3]
試験例3では、学生に全く練習を行ってもらわなかった。
[練習の効果の評価]
上記の試験例1、試験例2、及び試験例3に割り振られた各学生の姿勢制御の能力を以下の方法で評価した。評価は、練習(介入)を行う前の時点、練習開始後1週間が経過した時点、及び練習開始後2週間が経過した時点で行った。
姿勢を制御する能力を評価する指標として、足圧中心が動揺する程度と、膝関節が動揺する程度を採用した。前者では、足圧中心によって描かれる軌跡の長さ(総軌跡長という。)と、足圧中心の前後方向の最大の移動距離と足圧中心の左右方向の最大の移動距離との積で求められる面積(矩形面積という。)とを求めた。
総軌跡長と矩形面積とは、重心動揺計(アニマ社製グラビコーダGP-7)で測定した値を使用して求めた。足圧中心の測定に際しては、上記のマット6の下に重心動揺計を設置した。
膝関節の動揺については、三軸加速度計(共和電業社製AS-5TG)で測定した値を使用して求めた。測定に際しては、足の腓骨頭に三軸加速度計を装着して、サンプリング周波数を100Hzとした。膝関節の動揺幅は、三軸加速度計で前後方向、鉛直方向、及び左右方向の加速度を測定し、三平方の定理を用いて合成した最大振れ幅を算出した。この際、Root Mean Square(RMS)を用いた。RMSは、信号波形の二乗平方根であり、加速度のRMSは加速度信号の平均振れ幅を示す。このことから、RMSを膝関節の動揺を示す指標とした。RMSの値が大きいほど動揺が大きいと判断される。RMSは以下の数1によって求められる。ただし、α(t)は加速度信号であり、TはRMS算出範囲時間である。
Figure 0007131789000001
足圧中心、及び加速度は、以下のようにして測定した。試験例1から試験例3の各学生に上記のマット6の上に裸足で乗ってもらう。そして、マット6の上に引いた線に母指の先端が一致するように足の位置を調節してもらう。視線は、2m先の壁に各学生の眼の高さにあわせて貼り付けた目印を注視してもらう。試験例1から試験例3の各学生に上記のマット6の上で片足立ちの状態で両手を胸の前で交差した姿勢(以下、測定姿勢という。)をとってもらう。各学生が測定姿勢となり重心動揺計をモニターして各学生のバランスが安定したとことを確認して、足圧中心及び加速度を30秒間にわたって測定する。
上述の通り、練習の効果を評価するための測定は、練習(介入)を行う前の時点、練習開始後1週間が経過した時点、及び練習開始後2週間が経過した時点の計3回にわたって行った。各回における測定回数は3回とした。そして、3回の測定により得られた数値を平均化した。矩形面積、総軌跡長、及び膝関節動揺について、試験例1から試験例3の結果を図4ないし図5のグラフに示す。図4ないし図5のグラフでは、練習(介入前)の矩形面積、総軌跡長、又は膝関節動揺の各値を100%として、練習後の値の増加又は減少の割合を示した(%Before Internvention;%BI)。
図4から明らかなように、図1に示した姿勢制御練習装置を装着して練習を行った試験例1では、練習前と比較して、練習開始後1週間後に矩形面積が約47%の減少を示し、2週間後には約55%の減少を示した。総軌跡長については、図5に示したように、練習前と比較して、練習開始後1週間後に約40%の減少を示した。膝関節動揺については、図6に示したように、練習前と比較して練習開始後1週間後に約15%の減少を示し、2週間後には約25%の減少を示した。
一方、姿勢制御練習装置を使用せずに、自身の膝の位置について視覚的なフィードバックを与えなかった試験例2では、図4に示したように、練習前と比較して練習開始後2週間後に矩形面積が約10%の減少を示した。総軌跡長については、図5に示したように、練習前と比較して、練習開始後1週間後に約10%の減少を示した。膝関節動揺については、図6に示したように、練習前と比較して練習開始後2週間後に約30%の増加を示した。
姿勢制御の練習を行わなかった試験例3では、図4及び図5に示したように、矩形面積及び総軌跡長について2週間経過後も共に変化がほとんどなかった。膝関節の揺動については、図6に示したように、2週間経過後に50%増加した。
試験例1から試験例3の比較から明らかなように、図1の姿勢制御練習装置を膝部に装着して練習を行った場合は、他の2群に比べて、矩形面積、総軌跡長、及び膝関節動揺の全てにおいて顕著な低下を示すことがわかる。これは試験例1の練習方法では、立位における姿勢調節に大きな役割を果たす股関節と足間接の間に位置する膝関節の動揺が視覚化され、着用者が足圧中心の動揺を速やかにかつ効率よく制御することが可能になったためであると思われる。
以上より、膝部の位置を視覚的にフィードバックして練習を行うことができる姿勢制御練習機及び練習方法によれば、膝部の位置を視覚的にフィードバックしない試験例2の姿勢制御の練習に比べて、より効率よく、より短期間に姿勢制御能力を向上させることができることが明らかになった。
1 姿勢制御練習機
5 着用者
51 膝部
11 照射部
12 支持部
15 反射部
17 的

Claims (9)

  1. 着用型の姿勢制御練習機であって、着用者の膝部の位置を示す光の照射部と、光の照射部を着用者の身体に支持する支持部とを有しており、
    前記光は着用者の膝部から照射され、
    着用者は、その場に立ち止まった状態で、着用者の膝部の位置を示す光点の位置を一定に保つように目視確認しながら膝部の位置を調節することで姿勢制御の練習を行う着用型姿勢制御練習機。
  2. 照射部は、着用者が視認可能な位置に膝部の位置を示す光を照射する請求項1に記載の着用型姿勢制御練習機。
  3. 光は、高指向性の光である請求項1又は2に記載の着用型姿勢制御練習機。
  4. 照射部から発せられた光を反射させる反射部をさらに有する請求項1ないし3のいずれかに記載の着用型姿勢制御練習機。
  5. 反射部は、着用者の膝部の位置に配される請求項4に記載の着用型姿勢制御練習機。
  6. 支持部は、弾性素材から構成される帯状の部材である請求項1ないし5のいずれかに記載の着用型姿勢制御練習機。
  7. 支持部は、弾性素材から構成される帯状の部材であって、着用者の脚に固定可能なものである請求項1ないし6のいずれかに記載の着用型姿勢制御練習機。
  8. 膝部の位置を示す光を照射する的をさらに備える請求項1ないし7のいずれかに記載の着用型姿勢制御練習機。
  9. 支持部は膝関節の上又は下に固定され、
    照射部は下方又は上方に突出する形状である請求項1ないし8のいずれかに記載の着用型姿勢制御練習機。
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