(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電力変換装置10の構成を示す。本実施形態に係る電力変換装置10は、図1に示すように、第1変換回路1と、第2変換回路2と、プリチャージ回路3と、第1出力切替回路5aと、第2出力切替回路5bとを備えている。
第1変換回路1は、直流電源4の高電位側となる第1入力点101と基準電位点100との間に電気的に接続されている。第1変換回路1は、第1出力点103と基準電位点100との間に発生する電圧の大きさ、および、第2出力点104と基準電位点100との間に発生する電圧の大きさを、ゼロ、第1レベル、第2レベルの3段階で切り替える。
第2変換回路2は、直流電源4の低電位側となる第2入力点102と基準電位点100との間に電気的に接続されている。第2変換回路2は、基準電位点100と第3出力点105との間に発生する電圧の大きさ、および、基準電位点100と第4出力点106との間に発生する電圧の大きさを、ゼロ、第3レベル、第4レベルの3段階で切り替える。
第1出力切替回路5aは、第1出力点103と第3出力点105との間に電気的に接続され、第13のスイッチング素子Q13および第14のスイッチング素子Q14を有している。第1出力切替回路5aは、第1出力端子OUT1の電位を、第1変換回路1の第1出力点103と第2変換回路2の第3出力点105との間で切り替える。
第2出力切替回路5bは、第2出力点104と第4出力点106との間に電気的に接続され、第15のスイッチング素子Q15および第16のスイッチング素子Q16を有している。第2出力切替回路5bは、第2出力端子OUT2の電位を、第1変換回路1の第2出力点104と第2変換回路2の第4出力点106との間で切り替える。
第1変換回路1は、第1~6のスイッチング素子Q1~Q6と、第1キャパシタC1とを有している。第1~4のスイッチング素子Q1~Q4は、第1入力点101と基準電位点100との間において、電気的に直列に接続されている。第1~4のスイッチング素子Q1~Q4は、第1入力点101側から第1のスイッチング素子Q1、第2のスイッチング素子Q2、第3のスイッチング素子Q3、第4のスイッチング素子Q4の順で、直列に接続されている。
第5~6のスイッチング素子Q5~Q6は、第2のスイッチング素子Q2および第3のスイッチング素子Q3の直列回路と、電気的に並列に接続されている。第5~6のスイッチング素子Q5~Q6は、高電位側から第5のスイッチング素子Q5、第6のスイッチング素子Q6の順で、直列に接続されている。
第1キャパシタC1は、第2のスイッチング素子Q2および第3のスイッチング素子Q3の直列回路、および、第5のスイッチング素子Q5および第6のスイッチング素子Q6の直列回路と、電気的に並列に接続されている。第1変換回路1は、第2のスイッチング素子Q2と第3のスイッチング素子Q3との接続点を第1出力点103とし、第5のスイッチング素子Q5と第6のスイッチング素子Q6との接続点を第2出力点104としている。
第2変換回路2は、第7~12のスイッチング素子Q7~Q12と、第2キャパシタC2とを有している。第7~10のスイッチング素子Q7~Q10は、基準電位点100と第2入力点102との間において、電気的に直列に接続されている。第7~10のスイッチング素子Q7~Q10は、基準電位点100側から第7のスイッチング素子Q7、第8のスイッチング素子Q8、第9のスイッチング素子Q9、第10のスイッチング素子Q10の順で、直列に接続されている。
第11~12のスイッチング素子Q11~Q12は、第8のスイッチング素子Q8および第9のスイッチング素子Q9の直列回路と、電気的に並列に接続されている。第11~12のスイッチング素子Q11~Q12は、高電位側から第11のスイッチング素子Q11、第12のスイッチング素子Q12の順で、直列に接続されている。
第2キャパシタC2は、第8のスイッチング素子Q8および第9のスイッチング素子Q9の直列回路、および、第11のスイッチング素子Q11および第12のスイッチング素子Q12の直接回路と、電気的に並列に接続されている。第2変換回路2は、第8のスイッチング素子Q8と第9のスイッチング素子Q9との接続点を第3出力点105とし、第11のスイッチング素子Q11と第12のスイッチング素子Q12との接続点を第4出力点106としている。
プリチャージ回路3は、直流電源4より電力の供給が開始されてから第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでの始動期間において、直流電源4から出力される直流電圧をスローアップして第1キャパシタC1および第2キャパシタC2に印加するための回路である。プリチャージ回路3は、第1のスイッチング素子Q1と並列に接続された第1のプリチャージ回路3aと、第4のスイッチング素子Q4と並列に接続された第2のプリチャージ回路3bと、第7のスイッチング素子Q7と並列に接続された第3のプリチャージ回路3cと、第10のスイッチング素子Q10と並列に接続された第4のプリチャージ回路3dとを有する。
第1のプリチャージ回路3aは、抵抗素子31aとスイッチング素子32aとを直列接続した回路である。第2のプリチャージ回路3bは、抵抗素子31bとスイッチング素子32bとを直列接続した回路である。第3のプリチャージ回路3cは、抵抗素子31cとスイッチング素子32cとを直列接続した回路である。第4のプリチャージ回路3dは、抵抗素子31dとスイッチング素子32dとを直列接続した回路である。抵抗素子31aと31bの抵抗値は同値であり、抵抗素子31cと31dの抵抗値は同値である。抵抗素子31aと31cの抵抗値は同値であってもよいし、異なっていてもよい。一般に、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4としては容量の大きいキャパシタが使用されるので、第1キャパシタC1の充電経路と第2キャパシタC2の充電経路は独立して考えることができるからである。
直流電源4より電力の供給が開始してから第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでの始動期間において、第1~4のプリチャージ回路3a~3dのスイッチング素子32a~32dがオンし、それ以外のスイッチング素子は全てオフする。このとき、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2は、直流電源4に直列に接続されることになる。
つまり、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでは、第1入力点101と第2入力点102との間には、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の充電経路が形成される。そのため、この電力変換装置10によれば、定常動作に必要なキャパシタ(第1キャパシタC1、第2キャパシタC2)を、第1変換回路1および第2変換回路2のスイッチング素子を動作させなくても充電することができる、という利点がある。
また、本実施形態に係る電力変換装置10は、図示を省略しているが、上記の構成に加えて、インダクタを備えている。インダクタは、第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2と、系統電源との間に電気的に接続されている。
以下、本実施形態に係る電力変換装置10について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態では、電力変換装置10が、直流電源4としての太陽光発電装置に電気的に接続して使用される住宅用のパワーコンディショナに備えられた場合を例示するが、電力変換装置10の用途を限定する趣旨ではない。電力変換装置10は、たとえば家庭用燃料電池、蓄電装置など、太陽光発電装置以外の直流電源4に電気的に接続して使用されてもよく、また、たとえば店舗、工場、事務所など非住宅に用いられてもよい。さらに、電力変換装置10は、パワーコンディショナ以外に用いられてもよい。
<電力変換装置の構成>
本実施形態の電力変換装置10は、図1に示すように、太陽光発電装置からなる直流電源4に接続箱(図示せず)を介して電気的に接続される。本実施形態では、電力変換装置10は、第1変換回路1、第2変換回路2、第1出力切替回路5a、および第2出力切替回路5bに加えて、プリチャージ回路3、第3キャパシタC3、第4キャパシタC4、第1電圧検出部7a、第2電圧検出部7b、判断部8、および制御部9を備えている。
第1変換回路1の第1出力点103および第2出力点104と第2変換回路2の第3出力点105および第4出力点106は、第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bとインダクタを介して、系統電源(商用電力系統)に電気的に接続される。具体的には、電力変換装置10の出力(第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bの出力)は、インダクタを介して、分電盤(図示せず)に設けられた連系ブレーカ(図示せず)に電気的に接続されることにより、系統電源に接続される。
次に、電力変換装置10の各部の構成について詳しく説明する。
プリチャージ回路3は、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでの始動期間において、第1入力点101および第2入力点102間への印加電圧の大きさを時間経過に伴って徐々に大きくするスローアップ回路である。プリチャージ回路3の具体的な動作については後述する。
第3キャパシタC3および第4キャパシタC4は、第1入力点101と第2入力点102との間に電気的に直列に接続されている。第3キャパシタC3の回路定数(キャパシタンス)と第4キャパシタC4の回路定数(キャパシタンス)とは同値である。そのため、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との各々の両端電圧は、それぞれ直流電源4の出力電圧E〔V〕を用いてE/2〔V〕で表されることになる。
ここで、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との接続点は基準電位点100である。基準電位点100は回路グラウンドであって、基準電位点100の電位は0〔V〕であると仮定する。そうすると、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との各々の両端電圧がE/2〔V〕である場合、第1入力点101の電位はE/2〔V〕となり、第2入力点102の電位は-E/2〔V〕となる。
第1変換回路1は、上述したように第1入力点101と基準電位点100との間に直列に接続された第1~4のスイッチング素子Q1~Q4と、第2のスイッチング素子Q2および第3のスイッチング素子Q3の直列回路と並列に接続され、高電位側から第5のスイッチング素子Q5、第6のスイッチング素子Q6の順で直列に接続された第5~6のスイッチング素子Q5~Q6と、第2のスイッチング素子Q2および第3のスイッチング素子Q3の直列回路並びに第5のスイッチング素子Q5および第6のスイッチング素子Q6の直列回路と並列に接続された第1キャパシタC1とを有している。第1~6の各スイッチング素子Q1~Q6は、ここでは一例としてデプレッション型のnチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。
第1のスイッチング素子Q1のドレインは第1入力点101に電気的に接続されている。第2のスイッチング素子Q2のドレインは第1のスイッチング素子Q1のソースに電気的に接続されている。第3のスイッチング素子Q3のドレインは第2のスイッチング素子Q2のソースに電気的に接続されている。第4のスイッチング素子Q4のドレインは第3のスイッチング素子Q3のソースに電気的に接続されている。さらに第4のスイッチング素子Q4のソースは、基準電位点100に電気的に接続されている。第2のスイッチング素子Q2のソース(第3のスイッチング素子Q3のドレイン)は第1出力点103となる。
第5のスイッチング素子Q5のドレインは第1のスイッチング素子Q1のソースに電気的に接続されている。第6のスイッチング素子Q6のドレインは第5のスイッチング素子Q5のソースに電気的に接続されている。さらに第6のスイッチング素子Q6のソースは、第4のスイッチング素子Q4のドレインに電気的に接続されている。第5のスイッチング素子Q5のソース(第6のスイッチング素子Q6のドレイン)は第2出力点104となる。
第1キャパシタC1は、一端が第2のスイッチング素子Q2のドレインおよび第5のスイッチング素子Q5のドレインに電気的に接続され、他端が第3のスイッチング素子Q3のソースおよび第6のスイッチング素子Q6のソースに電気的に接続されている。言い換えれば、第1キャパシタC1は、一端が第1のスイッチング素子Q1を介して第1入力点101に電気的に接続され、他端が第4のスイッチング素子Q4を介して基準電位点100に電気的に接続されている。
第2変換回路2は、上述したように基準電位点100と第2入力点102との間に直列に接続された第7~10のスイッチング素子Q7~Q10と、第8のスイッチング素子Q8および第9のスイッチング素子Q9の直列回路と並列に接続され、高電位側から第11のスイッチング素子Q11、第12のスイッチング素子Q12の順で直列に接続された第11~12スイッチング素子Q11~Q12と、第8のスイッチング素子Q8および第9のスイッチング素子Q9の直列回路並びに第11のスイッチング素子Q11および第12のスイッチング素子Q12の直列回路と並列に接続された第2キャパシタC2とを有している。ここで、第2変換回路2は、基本的には第1変換回路1と同様の構成であって、第7~10のスイッチング素子Q7~Q10が第1~4のスイッチング素子Q1~Q4に相当し、第11~12のスイッチング素子Q11~Q12が第5~6のスイッチング素子Q5~Q6に相当し、第2キャパシタC2が第1キャパシタC1に相当する。第7~12の各スイッチング素子Q7~Q12は、第1~6の各スイッチング素子Q1~Q6と同様にデプレッション型のnチャネルMOSFETが用いられている。
第7のスイッチング素子Q7のドレインは基準電位点100に電気的に接続されている。第8のスイッチング素子Q8のドレインは第7のスイッチング素子Q7のソースに電気的に接続されている。第9のスイッチング素子Q9のドレインは第8のスイッチング素子Q8のソースに電気的に接続されている。第10のスイッチング素子Q10のドレインは第9のスイッチング素子Q9のソースに電気的に接続されている。さらに第10のスイッチング素子Q10のソースは、第2入力点102に電気的に接続されている。第8のスイッチング素子Q8のソース(第9のスイッチング素子Q9のドレイン)は第3出力点105となる。
第11のスイッチング素子Q11のドレインは第7のスイッチング素子Q7のソースに電気的に接続されている。第12のスイッチング素子Q12のドレインは第11のスイッチング素子Q11のソースに電気的に接続されている。さらに第12のスイッチング素子Q12のソースは、第10のスイッチング素子Q10のドレインに電気的に接続されている。第11のスイッチング素子Q11のソース(第12のスイッチング素子Q12のドレイン)は第4出力点106となる。
第2キャパシタC2は、一端が第8のスイッチング素子Q8のドレインおよび第11のスイッチング素子Q11のドレインに電気的に接続され、他端が第9のスイッチング素子Q9のソースおよび第12のスイッチング素子Q12のソースに電気的に接続されている。言い換えれば、第2キャパシタC2は、一端が第7のスイッチング素子Q7を介して基準電位点100に電気的に接続され、他端が第10のスイッチング素子Q10を介して第2入力点102に電気的に接続されている。
第1出力切替回路5aは、上述したように第1変換回路1の第1出力点103と第2変換回路2の第3出力点105との間に直接に接続された第13のスイッチング素子Q13および第14のスイッチング素子Q14とを有している。
第13のスイッチング素子Q13のドレインは第1出力点103に電気的に接続されている。第14のスイッチング素子Q14のドレインは第13のスイッチング素子Q13のソースに電気的に接続されている。第14のスイッチング素子Q14のソースは第3出力点105に電気的に接続されている。第13のスイッチング素子Q13のソース(第14のスイッチング素子Q14のドレイン)は第1出力端子OUT1となる。
第2出力切替回路5bは、上述したように第1変換回路1の第2出力点104と第2変換回路2の第4出力点106との間に直接に接続された第15のスイッチング素子Q15および第16のスイッチング素子Q16とを有している。
第15のスイッチング素子Q15のドレインは第2出力点104に電気的に接続されている。第16のスイッチング素子Q16のドレインは第15のスイッチング素子Q15のソースに電気的に接続されている。第16のスイッチング素子Q16のソースは第4出力点106に電気的に接続されている。第15のスイッチング素子Q15のソース(第16のスイッチング素子Q16のドレイン)は第2出力端子OUT2となる。
なお、第13~16のスイッチング素子Q13~Q16は、直列に接続された複数のスイッチング素子により構成されてもよい。これにより、第13~16のスイッチング素子Q13~Q16として、安価で高性能なMOSFETなどの低耐圧スイッチング素子を使用することができるので、安価で高性能な電力変換装置を提供することができる。とくに、図1に示した例では、第13~16のスイッチング素子Q13~Q16を、直列に接続された3個のスイッチング素子により構成しているので、電力変換装置10を構成する全てのスイッチング素子Q1~Q16の耐圧を全てE/4〔V〕とすることができる。
図1において、第1~16のスイッチング素子Q1~Q16の各々には第1~16のダイオードがそれぞれ逆並列に接続されている。これら第1~16のダイオードは、それぞれ第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16の寄生ダイオードである。つまり、第1のスイッチング素子Q1の寄生ダイオードは第1のダイオードを構成し、同様に、第2,3…の各スイッチング素子Q2,Q3…の寄生ダイオードはそれぞれ第2,3…のダイオードを構成する。たとえば第1のダイオードは、第1のスイッチング素子Q1のドレイン側をカソード、ソース側をアノードとする向きに接続されている。
第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16のゲートは、制御部9に電気的に接続されている。制御部9は、第1~6のスイッチング素子Q1~Q6のオン/オフを個別に切り替え可能であって、これにより第1変換回路1を制御する。また、制御部9は、第7~12のスイッチング素子Q7~Q12のオン/オフを個別に切り替え可能であって、これにより第2変換回路2を制御する。また、制御部9は、第13~16のスイッチング素子Q13~Q16のオン/オフを個別に切り替え可能であって、これにより第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bを制御する。また、制御部9は、第1~4のプリチャージ回路3a~3dのスイッチング素子32a~32dのオン/オフを個別に切り替え可能であって、これによりプリチャージ回路3を制御する。
なお、制御部9は、第1変換回路1、第2変換回路2、プリチャージ回路3、第1出力切替回路5a、および第2出力切替回路5bのそれぞれについて個別に設けられていてもよい。また、図1では、単相分の電力変換装置10の構成を示しているが、同様の回路が複数相分、例えば3相分備えられてもよい。
<電力変換装置の基本動作>
上述した構成の電力変換装置10の基本動作について、図2~5を参照して簡単に説明する。なお、図中の太線は、電流経路を表している。
ここでいう電力変換装置10の基本動作とは、始動期間の経過後、つまり第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電された後の電力変換装置10の動作である。第1キャパシタC1についての規定電圧は第3キャパシタC3の両端電圧の半分(1/2)であり、第2キャパシタC2についての規定電圧は第4キャパシタC4の両端電圧の半分(1/2)である。
電力変換装置10の基本動作時において、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との各々の両端電圧はそれぞれE/2〔V〕となり、第1入力点101の電位はE/2〔V〕であり、第2入力点102の電位は-E/2〔V〕である。また、規定電圧に充電された第1キャパシタC1と第2キャパシタC2との各々の両端電圧はそれぞれE/4〔V〕となる。
電力変換装置10は、第1変換回路1、第2変換回路2、第1出力切替回路5a、および第2出力切替回路5bを構成する第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16のスイッチングパターンを切り替えることにより、第1入力点101と第2入力点102との間に印加される直流電圧(E〔V〕)を交流電圧に変換して第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から出力する。
図2は、第1変換回路1の第1出力点103の電位を切り替えるための4つのスイッチングパターンを示す。第1出力点103の電位は、第1のスイッチング素子Q1、第2のスイッチング素子Q2、第3のスイッチング素子Q3、および第4のスイッチング素子Q4のスイッチングパターンを切り替えることにより、E/2〔V〕、E/4〔V〕、0〔V〕の3段階のレベルに切り替えられる。
図2(a)のスイッチングパターンでは、第1のスイッチング素子Q1および第2のスイッチング素子Q2はオンの状態にあり、第3のスイッチング素子Q3および第4のスイッチング素子Q4はオフの状態にある。この状態では、第1出力点103は、第2のスイッチング素子Q2および第1のスイッチング素子Q1を介して第1入力点101に電気的に接続される。したがって、第1出力点103は第1入力点101と同電位(E/2〔V〕)になる。
図2(b)のスイッチングパターンでは、第1のスイッチング素子Q1および第3のスイッチング素子Q3はオンの状態にあり、第2のスイッチング素子Q2および第4のスイッチング素子Q4はオフの状態にある。この状態では、第1出力点103は、第3のスイッチング素子Q3、第1キャパシタC1、および第1のスイッチング素子Q1を介して第1入力点101に電気的に接続される。したがって、第1出力点103は第1入力点101の電位(E/2〔V〕)より第1キャパシタC1の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ低い電位、つまりE/4(=E/2-E/4)〔V〕となる。
図2(c)のスイッチングパターンでは、第2のスイッチング素子Q2および第4のスイッチング素子Q4はオンの状態にあり、第1のスイッチング素子Q1および第3のスイッチング素子Q3はオフの状態にある。この状態では、第1出力点103は、第2のスイッチング素子Q2、第1キャパシタC1、および第4のスイッチング素子Q4を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第1出力点103は基準電位点100の電位(0〔V〕)より第1キャパシタC1の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ高い電位、つまりE/4(=0+E/4)〔V〕となる。
図2(d)のスイッチングパターンでは、第3のスイッチング素子Q3および第4のスイッチング素子Q4はオンの状態にあり、第1のスイッチング素子Q1および第2のスイッチング素子Q2はオフの状態にある。この状態では、第1出力点103は、第3のスイッチング素子Q3および第4のスイッチング素子Q4を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第1出力点103は基準電位点100と同電位(0〔V〕)になる。
図2(b)のスイッチングパターンと図2(c)のスイッチングパターンは、いずれも第1出力点103の電位をE/4〔V〕とするスイッチングパターンであるが、直流電源から系統電源へ電流が流れるとき、すなわち直流電圧を交流電圧に変換する場合には、図2(b)のスイッチングパターンでは第1キャパシタC1が充電され、図2(c)のスイッチングパターンでは第1キャパシタC1が放電されるので、第1電圧検出部7aにより検知される第1キャパシタC1の両端電圧に応じていずれかのスイッチングパターンを選択することにより、第1キャパシタC1の両端電圧を規定電圧に維持することができる。なお、系統電源により蓄電池を充電する場合など、系統電源から直流電源へ電流が流れるとき、すなわち交流電圧を直流電圧に変換する場合には、逆に、図2(b)のスイッチングパターンでは第1キャパシタC1が放電され、図2(c)のスイッチングパターンでは第1キャパシタC1が充電される。この場合も、第1電圧検出部7aにより検知される第1キャパシタC1の両端電圧に応じていずれかのスイッチングパターンを選択することにより、第1キャパシタC1の両端電圧を規定電圧に維持することができる。
図3は、第1変換回路1の第2出力点104の電位を切り替えるための4つのスイッチングパターンを示す。第2出力点104の電位は、第1のスイッチング素子Q1、第5のスイッチング素子Q5、第6のスイッチング素子Q6、および第4のスイッチング素子Q4のスイッチングパターンを切り替えることにより、E/2〔V〕、E/4〔V〕、0〔V〕の3段階のレベルに切り替えられる。
図3(a)のスイッチングパターンでは、第1のスイッチング素子Q1および第5のスイッチング素子Q5はオンの状態にあり、第6のスイッチング素子Q6および第4のスイッチング素子Q4はオフの状態にある。この状態では、第2出力点104は、第5のスイッチング素子Q5および第1のスイッチング素子Q1を介して第1入力点101に電気的に接続される。したがって、第2出力点104は第1入力点101と同電位(E/2〔V〕)になる。
図3(b)のスイッチングパターンでは、第1のスイッチング素子Q1および第6のスイッチング素子Q6はオンの状態にあり、第5のスイッチング素子Q5および第4のスイッチング素子Q4はオフの状態にある。この状態では、第2出力点104は、第6のスイッチング素子Q6、第1キャパシタC1、および第1のスイッチング素子Q1を介して第1入力点101に電気的に接続される。したがって、第2出力点104は第1入力点101の電位(E/2〔V〕)より第1キャパシタC1の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ低い電位、つまりE/4(=E/2-E/4)〔V〕となる。
図3(c)のスイッチングパターンでは、第5のスイッチング素子Q5および第4のスイッチング素子Q4はオンの状態にあり、第1のスイッチング素子Q1および第6のスイッチング素子Q6はオフの状態にある。この状態では、第2出力点104は、第5のスイッチング素子Q5、第1キャパシタC1、および第4のスイッチング素子Q4を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第2出力点104は基準電位点100の電位(0〔V〕)より第1キャパシタC1の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ高い電位、つまりE/4(=0+E/4)〔V〕となる。
図3(d)のスイッチングパターンでは、第6のスイッチング素子Q6および第4のスイッチング素子Q4はオンの状態にあり、第1のスイッチング素子Q1および第5のスイッチング素子Q5はオフの状態にある。この状態では、第2出力点104は、第6のスイッチング素子Q6および第4のスイッチング素子Q4を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第2出力点104は基準電位点100と同電位(0〔V〕)になる。
図3(b)のスイッチングパターンと図3(c)のスイッチングパターンは、いずれも第2出力点104の電位をE/4〔V〕とするスイッチングパターンであるが、電流が流れる方向に応じて、図3(b)のスイッチングパターンでは第1キャパシタC1が充電または放電され、図3(c)のスイッチングパターンでは第1キャパシタC1が放電または充電されるので、第1電圧検出部7aにより検知される第1キャパシタC1の両端電圧に応じていずれかのスイッチングパターンを選択することにより、第1キャパシタC1の両端電圧を規定電圧に維持することができる。
図4は、第2変換回路2の第3出力点105の電位を切り替えるための4つのスイッチングパターンを示す。第3出力点105の電位は、第7のスイッチング素子Q7、第8のスイッチング素子Q8、第9のスイッチング素子Q9、および第10のスイッチング素子Q10のスイッチングパターンを切り替えることにより、-E/2〔V〕、-E/4〔V〕、0〔V〕の3段階のレベルに切り替えられる。
図4(a)のスイッチングパターンでは、第10のスイッチング素子Q10および第9のスイッチング素子Q9はオンの状態にあり、第8のスイッチング素子Q8および第7のスイッチング素子Q7はオフの状態にある。この状態では、第3出力点105は、第9のスイッチング素子Q9および第10のスイッチング素子Q10を介して第2入力点102に電気的に接続される。したがって、第3出力点105は第2入力点102と同電位(-E/2〔V〕)になる。
図4(b)のスイッチングパターンでは、第10のスイッチング素子Q10および第8のスイッチング素子Q8はオンの状態にあり、第9のスイッチング素子Q9および第7のスイッチング素子Q7はオフの状態にある。この状態では、第3出力点105は、第8のスイッチング素子Q8、第2キャパシタC2、および第10のスイッチング素子Q10を介して第2入力点102に電気的に接続される。したがって、第3出力点105は第2入力点102の電位(-E/2〔V〕)より第2キャパシタC2の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ高い電位、つまり-E/4(=-E/2+E/4)〔V〕となる。
図4(c)のスイッチングパターンでは、第9のスイッチング素子Q9および第7のスイッチング素子Q7はオンの状態にあり、第10のスイッチング素子Q10および第8のスイッチング素子Q8はオフの状態にある。この状態では、第3出力点105は、第9のスイッチング素子Q9、第2キャパシタC2、および第7のスイッチング素子Q7を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第3出力点105は基準電位点100の電位(0〔V〕)より第2キャパシタC2の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ低い電位、つまり-E/4(=0-E/4)〔V〕となる。
図4(d)のスイッチングパターンでは、第8のスイッチング素子Q8および第7のスイッチング素子Q7はオンの状態にあり、第10のスイッチング素子Q10および第9のスイッチング素子Q9はオフの状態にある。この状態では、第3出力点105は、第8のスイッチング素子Q8および第7のスイッチング素子Q7を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第3出力点105は基準電位点100と同電位(0〔V〕)になる。
図4(b)のスイッチングパターンと図4(c)のスイッチングパターンは、いずれも第3出力点105の電位を-E/4〔V〕とするスイッチングパターンであるが、電流が流れる方向に応じて、図4(b)のスイッチングパターンでは第2キャパシタC2が放電または充電され、図4(c)のスイッチングパターンでは第2キャパシタC2が充電または放電されるので、第2電圧検出部7bにより検知される第2キャパシタC2の両端電圧に応じていずれかのスイッチングパターンを選択することにより、第2キャパシタC2の両端電圧を規定電圧に維持することができる。
図5は、第2変換回路2の第4出力点106の電位を切り替えるための4つのスイッチングパターンを示す。第4出力点106の電位は、第10のスイッチング素子Q10、第12のスイッチング素子Q12、第11のスイッチング素子Q11、および第7のスイッチング素子Q7のスイッチングパターンを切り替えることにより、-E/2〔V〕、-E/4〔V〕、0〔V〕の3段階のレベルに切り替えられる。
図5(a)のスイッチングパターンでは、第10のスイッチング素子Q10および第12のスイッチング素子Q12はオンの状態にあり、第11のスイッチング素子Q11および第7のスイッチング素子Q7はオフの状態にある。この状態では、第4出力点106は、第12のスイッチング素子Q12および第10のスイッチング素子Q10を介して第2入力点102に電気的に接続される。したがって、第4出力点106は第2入力点102と同電位(-E/2〔V〕)になる。
図5(b)のスイッチングパターンでは、第10のスイッチング素子Q10および第11のスイッチング素子Q11はオンの状態にあり、第12のスイッチング素子Q12および第7のスイッチング素子Q7はオフの状態にある。この状態では、第4出力点106は、第11のスイッチング素子Q11、第2キャパシタC2、および第10のスイッチング素子Q10を介して第2入力点102に電気的に接続される。したがって、第4出力点106は第2入力点102の電位(-E/2〔V〕)より第2キャパシタC2の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ高い電位、つまり-E/4(=-E/2+E/4)〔V〕となる。
図5(c)のスイッチングパターンでは、第12のスイッチング素子Q12および第7のスイッチング素子Q7はオンの状態にあり、第10のスイッチング素子Q10および第11のスイッチング素子Q11はオフの状態にある。この状態では、第4出力点106は、第12のスイッチング素子Q12、第2キャパシタC2、および第7のスイッチング素子Q7を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第4出力点106は基準電位点100の電位(0〔V〕)より第2キャパシタC2の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ低い電位、つまり-E/4(=0-E/4)〔V〕となる。
図5(d)のスイッチングパターンでは、第11のスイッチング素子Q11および第7のスイッチング素子Q7はオンの状態にあり、第10のスイッチング素子Q10および第12のスイッチング素子Q12はオフの状態にある。この状態では、第4出力点106は、第11のスイッチング素子Q11および第7のスイッチング素子Q7を介して基準電位点100に電気的に接続される。したがって、第4出力点106は基準電位点100と同電位(0〔V〕)になる。
図5(b)のスイッチングパターンと図5(c)のスイッチングパターンは、いずれも第4出力点106の電位を-E/4〔V〕とするスイッチングパターンであるが、電流が流れる方向に応じて、図5(b)のスイッチングパターンでは第2キャパシタC2が放電または充電され、図5(c)のスイッチングパターンでは第2キャパシタC2が充電または放電されるので、第2電圧検出部7bにより検知される第2キャパシタC2の両端電圧に応じていずれかのスイッチングパターンを選択することにより、第2キャパシタC2の両端電圧を規定電圧に維持することができる。
第1出力切替回路5aは、第1出力端子OUT1の電位を、第1変換回路1の第1出力点103の電位と第2変換回路2の第3出力点105の電位との間で切り替える。すなわち、第13のスイッチング素子Q13をオン、第14のスイッチング素子Q14をオフにすれば、第1出力点103と第1出力端子OUT1が電気的に接続され、第1出力端子OUT1は第1出力点103と同電位になる。第13のスイッチング素子Q13をオフ、第14のスイッチング素子Q14をオンにすれば、第3出力点105と第1出力端子OUT1が電気的に接続され、第1出力端子OUT1は第3出力点105と同電位になる。したがって、電力変換装置10は、第1出力端子OUT1の電位を、E/2〔V〕、E/4〔V〕、0、-E/4〔V〕、-E/2〔V〕の5段階に切替可能である。
第2出力切替回路5bは、第2出力端子OUT2の電位を、第1変換回路1の第2出力点104の電位と第2変換回路2の第4出力点106の電位との間で切り替える。すなわち、第15のスイッチング素子Q15をオン、第16のスイッチング素子Q16をオフにすれば、第2出力点104と第2出力端子OUT2が電気的に接続され、第2出力端子OUT2は第2出力点104と同電位になる。第15のスイッチング素子Q15をオフ、第16のスイッチング素子Q16をオンにすれば、第4出力点106と第2出力端子OUT2が電気的に接続され、第2出力端子OUT2は第4出力点106と同電位になる。したがって、電力変換装置10は、第2出力端子OUT2の電位を、E/2〔V〕、E/4〔V〕、0、-E/4〔V〕、-E/2〔V〕の5段階に切替可能である。
電力変換装置10からは、第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2の電位差に相当する電圧が出力されることになる。制御部9は、図2~5に示したスイッチングパターンと、第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bのスイッチングパターンを制御することにより、所望の電圧を第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から出力する。例えば、制御部9は、PWM(Pulse Width Modulation)信号のオンデューティを変化させながらスイッチングパターンの切り替えを行うことで、正弦波に近似した出力電圧を出力する。
なお、図2の4つのスイッチングパターンと図3の4つのスイッチングパターンは、第1のスイッチング素子Q1および第4のスイッチング素子Q4を共用するので、図2(a)または図2(b)のスイッチングパターンと図3(c)または図3(d)のスイッチングパターンを同時に実現することはできず、図2(c)または図2(d)のスイッチングパターンと図3(a)または図3(b)のスイッチングパターンを同時に実現することはできない。しかし、第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2から同じ電圧を出力可能なスイッチングパターンは複数存在するので、第1キャパシタC1の両端電圧などに応じて適切なスイッチングパターンが選択されればよい。
また、図5の4つのスイッチングパターンと図6の4つのスイッチングパターンは、第7のスイッチング素子Q7および第10のスイッチング素子Q10を共用するので、図4(a)または図4(b)のスイッチングパターンと図5(c)または図5(d)のスイッチングパターンを同時に実現することはできず、図4(c)または図4(d)のスイッチングパターンと図5(a)または図5(b)のスイッチングパターンを同時に実現することはできない。しかし、第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2から同じ電圧を出力可能なスイッチングパターンは複数存在するので、第2キャパシタC2の両端電圧などに応じて適切なスイッチングパターンが選択されればよい。
本実施形態に係る電力変換装置10の基本動作では、第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bのスイッチング素子Q13~Q16を、出力電圧の極性が切り替えられる時のみに動作するように制御可能である。そのため、スイッチング素子Q13~Q16のデューティー制御の周波数は、第1変換回路1および第2変換回路2を構成するスイッチング素子Q1~Q12のデューティー制御の周波数よりもかなり低くなる。したがって、それぞれのスイッチング素子Q13~Q16に代えて、より耐圧の低い複数のスイッチング素子を直列に接続した構成とすることができる。本実施形態に係る電力変換装置10では、第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bのスイッチング素子Q13~Q16において、直列に接続された複数のスイッチング素子に入力される制御信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングのずれや、スイッチング素子の特性の差異などに起因する、複数のスイッチング素子のオンオフのタイミングの多少のずれが生じても、スナバ回路などにより電圧の急上昇を抑制し、適切に保護することができるからである。
以上説明したように、本実施形態の電力変換装置10において、基本動作時に第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16に印加される電圧は、E/4〔V〕以下に抑えられる。
<プリチャージ回路の構成>
本実施形態においては、第1~4のプリチャージ回路3a~3dは、図1に示すように、それぞれ、抵抗素子31a~31dと、スイッチング素子32a~32dとを備えている。抵抗素子31aと31bの抵抗値は同値であり、抵抗素子31cと31dの抵抗値は同値である。第1~4のプリチャージ回路3a~3dのそれぞれにおいて、抵抗素子31a~31dとスイッチング素子32a~32dは直列に接続されている。
第1のプリチャージ回路3aは、第1のスイッチング素子Q1と並列に接続され、第2のプリチャージ回路3bは、第4のスイッチング素子Q4と並列に接続され、第3のプリチャージ回路3cは、第7のスイッチング素子Q7と並列に接続され、第4のプリチャージ回路3dは、第10のスイッチング素子Q10と並列に接続される。スイッチング素子32a~32dは、制御部9によって制御され、個別にオン/オフが切り替わる。
このプリチャージ回路3が作動されるときは、スイッチング素子32a~32dがオン状態とされる。これにより、抵抗素子31a、第1キャパシタC1、抵抗素子31b、抵抗素子31c、第2キャパシタC2、および抵抗素子31dが直流電源4に電気的に接続される。このとき、抵抗素子31a~31dの抵抗値、および第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の容量値で決まる時定数により、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の各両端電圧は、直流電源4の投入時点から時間経過に伴って徐々に大きくなる。言い換えれば、プリチャージ回路3は、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧の大きさを、時間経過に伴ってスローアップするように調整する。
一方、プリチャージ回路3が作動されないときは、スイッチング素子32a~32dがオフ状態とされる。
制御部9は、始動期間にはスイッチング素子32a~32dをオンとしてプリチャージ回路3を作動させ、通常期間において第1キャパシタC1または第2キャパシタC2を充電しないときにはスイッチング素子32a~32dをオフとしてプリチャージ回路3を作動させない。ここで、始動期間は、直流電源4の投入から、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の充電が完了するまでの期間であってもよい。
<電力変換装置の始動動作>
ここでいう電力変換装置10の始動動作とは、直流電源4より電力の供給が開始した時点から、始動期間が経過し基本動作に移行して通常期間が開始するまでの電力変換装置10の動作である。なお、直流電源4が太陽光発電装置であれば、太陽光発電装置の出力が規定値以下では電力変換装置10は動作を停止しており、太陽光発電装置の出力が規定値を超えると直流電源4より電力の供給が開始して電力変換装置10が始動動作を開始する。
本実施形態に係る電力変換装置10は、プリチャージ回路3を備え、直流電源4の投入直後の始動期間に第1変換回路1、第2変換回路2、第1出力切替回路5a、および第2出力切替回路5bへの印加電圧を徐々に大きくして、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16に印加される電圧を低く抑えている。つまり、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでは、第1変換回路1、第2変換回路2、第1出力切替回路5a、および第2出力切替回路5bへの印加電圧が低く抑えられることになるので、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16に印加される電圧は低く抑えられる。そのため、この電力変換装置10によれば、スイッチング素子(Q1~Q16)の耐圧を下げることができる、という利点がある。
電力変換装置10は、始動時点では第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が充電されていないため、スイッチング素子32a~32dをオン状態にし、それら以外の全てのスイッチング素子をオフ状態にして、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を直流電源4に直列に接続し、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電する。
第1のスイッチング素子Q1、第4のスイッチング素子Q4、第7のスイッチング素子Q7、および第10のスイッチング素子Q10をオン状態にすることによっても、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を直流電源4に直列に接続することができるが、第1キャパシタC1が全く充電されていない状態で、第1のスイッチング素子Q1、第4のスイッチング素子Q4、第7のスイッチング素子Q7、および第10のスイッチング素子Q10をオン状態にすると、これらのスイッチング素子のそれぞれの両端に基本動作中よりも高い電圧がかかりうる。上述したように、電力変換装置10の基本動作においては、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16に印加される電圧をE/4〔V〕以下に抑えることができるので、これらのスイッチング素子の耐圧はE/4〔V〕でよいが、始動動作においてE/4〔V〕以上の電圧がかかることがあれば、始動動作だけのためにE/4〔V〕よりも高い耐圧を有するスイッチング素子を使用しなければならなくなる。
このような課題を解決するために、本実施形態の電力変換装置10においては、第1のスイッチング素子Q1、第4のスイッチング素子Q4、第7のスイッチング素子Q7、および第10のスイッチング素子Q10にそれぞれ並列接続された第1~4のプリチャージ回路3a~3dを設け、制御部9が、始動動作において、第1のスイッチング素子Q1、第4のスイッチング素子Q4、第7のスイッチング素子Q7、および第10のスイッチング素子Q10に代えて、第1~4のプリチャージ回路3a~3dのスイッチング素子32a~32dをオン状態にし、それら以外のスイッチング素子をオフ状態にして、抵抗値が全て同値である4つの抵抗素子31a~31dを介して第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を直流電源に接続することにより、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2にかかる電圧をスローアップしつつ第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電する。判断部8は、第1電圧検出部7aにより検出された第1キャパシタC1の電圧と、第2電圧検出部7bにより検出された第2キャパシタC2の電圧が、規定電圧(E/4〔V〕)に達したか否かを判断する。制御部9は、判断部8により第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の電圧が規定電圧に達したと判断されると、スイッチング素子32a~32dをオフ状態に切り替える。これにより、始動動作においても、全てのスイッチング素子の両端にかかる電圧はE/4〔V〕以下に抑えられるので、耐圧がE/4〔V〕であるスイッチング素子を使用することができる。
始動期間には、第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bのスイッチング素子Q13~Q16を全てオフ状態とすることによって、第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2を系統電源から切り離している。そのため、電力変換装置10の始動期間には、系統電源からの電圧が第1変換回路1および第2変換回路2に印加されることない。
電力変換装置10の基本動作中にも、同様にして、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電することができる。これにより、第1キャパシタC1または第2キャパシタC2が放電により規定電圧よりも低い電圧になった場合であっても、適切なタイミングで充電して規定電圧に戻すことができる。
電力変換装置10の基本動作中に、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2の一方のみを選択的に充電することもできる。制御部9は、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2の電圧に所定値以上の差が生じたときに、電圧が低い方のキャパシタに接続されるプリチャージ回路のスイッチング素子をオンにしてそのキャパシタを充電する。第1キャパシタC1を充電する場合は、制御部9は、第1のプリチャージ回路3aのスイッチング素子32aおよび第2のプリチャージ回路3bのスイッチング素子32bをオン状態にする。このとき、第1キャパシタC1は、抵抗素子31aおよび抵抗素子31bを介して第3キャパシタC3と直列に接続されるので、第1キャパシタC1のみを充電することができる。第2キャパシタC2を充電する場合は、制御部9は、第3のプリチャージ回路3cのスイッチング素子32cおよび第4のプリチャージ回路3dのスイッチング素子32dをオン状態にする。このとき、第2キャパシタC2は、抵抗素子31cおよび抵抗素子31dを介して第4キャパシタC4と直列に接続されるので、第2キャパシタC2のみを充電することができる。このように、本実施形態の電力変換装置10によれば、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2の電圧に所定値以上の差が生じた場合であっても、適切なタイミングで電圧が低い方のキャパシタのみを充電することができるので、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2の両端電圧のアンバランスを適切に正すことができ、電力変換装置10を適正に動作させることができる。
<効果>
以上説明した本実施形態の電力変換装置10によれば、第1変換回路1および第2変換回路2のスイッチング素子を動作させなくてもフライングキャパシタを充電することができ、スイッチング素子にかかる耐圧を低くすることが可能である。
また、本実施形態の電力変換装置10は、直流電源4の第1入力点101と第2入力点102との間に電気的に直列に接続された第3キャパシタC3および第4キャパシタC4を備え、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4の接続点を基準電位点100としているので、第1入力点101と第2入力点102との間に単一の直流電源4が接続されれば、第1変換回路1と第2変換回路2との各々に、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4とで分圧された電圧をそれぞれ印加することができる。
また、本実施形態の電力変換装置10は、本実施形態のようにプリチャージ回路3a~3dを備えることにより、直流電源4の投入直後の始動期間において、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧をスローアップするように構成されるので、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでに第1変換回路1および第2変換回路2へ印加される電圧を低く抑えることができる。したがって、電力変換装置10は、基本動作を行う通常期間だけでなく、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が充電されていない始動期間においても、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16への印加電圧をE/4〔V〕以下に抑えることができるので、スイッチング素子(Q1~Q16)の耐圧を下げることができ、安価で高性能な電力変換装置を実現することができる。
また、本実施形態に係る電力変換装置10は、第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bを構成するスイッチング素子を全てオフ状態とすることにより、第1変換回路1および第2変換回路2と系統電源との間を電気的に切り離すことができる。したがって、電力変換装置10は、始動期間には第1出力切替回路5aおよび第2出力切替回路5bを構成するスイッチング素子を全てオフ状態とすることにより、系統電源から第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16に電圧が掛かることはなく、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16に印加される電圧を低く抑えられる。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る電力変換装置10の構成を示す。本実施形態に係る電力変換装置10は、図1に示した実施形態1に係る電力変換装置10に備えられていた第2のプリチャージ回路3bおよび第3のプリチャージ回路3cに代えて、第5のプリチャージ回路3eを備える。その他の構成および動作は、実施形態1と同様である。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
第5のプリチャージ回路3eは、実施形態1の第2のプリチャージ回路3bのスイッチング素子32bと第3のプリチャージ回路3cのスイッチング素子32cを1つのスイッチング素子32fにまとめたものである。すなわち、第5のプリチャージ回路3eは、直列に接続された2つの抵抗素子31bおよび31cと、1つのスイッチング素子32eを備え、第4のスイッチング素子Q4および第7のスイッチング素子Q7に並列に接続される。
本実施形態においても、始動動作において、又は基本動作中に第1キャパシタC1または第2キャパシタC2の電圧が規定電圧を下回ったときに、制御部9は、第1、第4、および第5のプリチャージ回路3a、3d、および3eのスイッチング素子32a、32d、および32eをオン状態にして、4つの抵抗素子31a~31dを介して第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を直流電源に接続することにより、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2にかかる電圧をスローアップしつつ第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電する。判断部8は、第1電圧検出部7aにより検出された第1キャパシタC1の電圧と、第2電圧検出部7bにより検出された第2キャパシタC2の電圧が、規定電圧(E/4〔V〕)に達したか否かを判断する。制御部9は、判断部8により第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の電圧が規定電圧に達したと判断されると、スイッチング素子32a、32d、および32eをオフ状態に切り替える。これにより、全てのスイッチング素子の両端にかかる電圧はE/4〔V〕以下に抑えられるので、耐圧がE/4〔V〕であるスイッチング素子を使用することができる。
本実施形態の構成によれば、電力変換装置10の構成をより簡略化することができるので、安価で小型な電力変換装置を実現することができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記各実施形態において、第1~16のスイッチング素子Q1~Q16、スイッチ素子34としては、デプレッション型のnチャネルMOSFETに限らず、その他の半導体スイッチが用いられていてもよい。たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、GaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップの半導体材料を用いたパワー半導体デバイスが用いられる。
本発明のある態様の電力変換装置は、直流電源の高電位側となる第1入力点と基準電位点との間に電気的に接続され、第1キャパシタおよび複数のスイッチング素子により第1出力点および第2出力点の電位を切り替える第1変換回路と、直流電源の低電位側となる第2入力点と基準電位点との間に電気的に接続され、第2キャパシタおよび複数のスイッチング素子により第3出力点および第4出力点の電位を切り替える第2変換回路と、第1出力点と第3出力点との間に電気的に接続され、第1出力端子の電位を、第1出力点の電位と第3出力点の電位との間で切り替える第1の出力切替回路と、第2出力点と第4出力点との間に電気的に接続され、第2出力端子の電位を、第2出力点の電位と第4出力点の電位との間で切り替える第2の出力切替回路と、直流電源より電力の供給が開始されてから第1キャパシタおよび第2キャパシタが規定電圧に充電されるまでの始動期間において、直流電源から出力される直流電圧をスローアップして第1キャパシタおよび第2キャパシタに印加するためのプリチャージ回路と、第1キャパシタまたは第2キャパシタの電圧を検出する電圧検出部と、電圧検出部により検出された第1キャパシタまたは第2キャパシタの電圧が規定電圧に達したか否かを判断する判断部と、複数のスイッチング素子のオンオフを制御する制御部と、を備える。第1変換回路は、第1入力点と基準電位点との間において、第1入力点側から第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子、第3のスイッチング素子、第4のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第1~4のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子および第3のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続され、高電位側から第5のスイッチング素子、第6のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第5~6のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子および第3のスイッチング素子の直列回路並びに第5のスイッチング素子および第6のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続された第1キャパシタとを有し、第2のスイッチング素子と第3のスイッチング素子との接続点を第1出力点とし、第5のスイッチング素子と第6のスイッチング素子との接続点を第2出力点としており、第2変換回路は、基準電位点と第2入力点との間において、基準電位点側から第7のスイッチング素子、第8のスイッチング素子、第9のスイッチング素子、第10のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第7~10のスイッチング素子と、第8のスイッチング素子および第9のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続され、高電位側から第11のスイッチング素子、第12のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第11~12のスイッチング素子と、第8のスイッチング素子および第9のスイッチング素子の直列回路並びに第11のスイッチング素子および第12のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続された第2キャパシタとを有し、第8のスイッチング素子と第9のスイッチング素子との接続点を第3出力点とし、第11のスイッチング素子と第12のスイッチング素子との接続点を第4出力点としており、第1の出力切替回路は、第1出力点と第1出力端子との間に接続された第13のスイッチング素子と、第3出力点と第1出力端子との間に接続された第14のスイッチング素子とを有する。第2の出力切替回路は、第2出力点と第2出力端子との間に接続された第15のスイッチング素子と、第4出力点と第2出力端子との間に接続された第16のスイッチング素子とを有する。プリチャージ回路は、第1のスイッチング素子と電気的に並列に接続された第1のプリチャージ回路と、第4のスイッチング素子と電気的に並列に接続された第2のプリチャージ回路と、第7のスイッチング素子と電気的に並列に接続された第3のプリチャージ回路と、第10のスイッチング素子と電気的に並列に接続された第4のプリチャージ回路とを有する。第1~4のプリチャージ回路は、それぞれ、直列接続された抵抗素子とスイッチング素子とを有する。
この態様によれば、充電されていない第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電するときにも、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16への印加電圧を低く抑えることができるとともに、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が充電された状態でのみ第1~16の各スイッチング素子を動作させるので、スイッチング素子の耐圧を下げることができ、安価で高性能な電力変換装置を実現することができる。
第13~16のスイッチング素子は、それぞれ、直列に接続された複数のスイッチング素子により構成されてもよい。
この態様によれば、第13~16のスイッチング素子の耐圧をさらに下げることができ安価で高性能な電力変換装置を実現することができる。
制御部は、始動期間において、第1~4のプリチャージ回路のスイッチング素子をオン状態に、それら以外のスイッチング素子をオフ状態にし、判断部により第1キャパシタまたは第2キャパシタの電圧が規定電圧に達したと判断されると、第1~4のプリチャージ回路のスイッチング素子をオフ状態に切り替えてもよい。
この態様によれば、充電されていない第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電するときにも、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16への印加電圧を低く抑えることができるので、スイッチング素子の耐圧を下げることができ、安価で高性能な電力変換装置を実現することができる。
第1のプリチャージ回路の抵抗素子の抵抗値と第2のプリチャージ回路の抵抗素子の抵抗値とが同じであってもよく、第3のプリチャージ回路の抵抗素子の抵抗値と第4のプリチャージ回路の抵抗素子の抵抗値とが同じであってもよい。
この態様によれば、第1~16の各スイッチング素子Q1~Q16への印加電圧を低く抑えることができるので、スイッチング素子の耐圧を下げることができ、安価で高性能な電力変換装置を実現することができる。
第2のプリチャージ回路と第3のプリチャージ回路のスイッチング素子を1つにしてもよい。
この態様によれば、電力変換装置の構成をより簡略化することができるので、安価で小型な電力変換装置を実現することができる。
制御部は、第1キャパシタと第2キャパシタの電圧に所定値以上の差が生じたときに、電圧が低い方のキャパシタに接続されるプリチャージ回路のスイッチング素子をオンにしてそのキャパシタを充電してもよい。
この態様によれば、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2の電圧にアンバランスが生じた場合であっても、適切に正すことができるので、電力変換装置を適正に動作させることができる。
この態様によれば、安価な構成により電圧調整回路を実現することができる。