JP7115732B2 - 寒天組成物、寒天組成物を含有する食品及び寒天易溶化剤 - Google Patents
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Description
ゲル化を阻害するための澱粉加水分解物の含有量は、寒天組成物全体に対し、1:3~1:10重量%であることが好ましく、1:3~1:5重量%であることがより好ましい。
言い換えると、本発明に係る寒天組成物は、寒天のゾル-ゲル転移温度の35~45℃より高い温度であれば溶解することができる。
また、粘度が高いものは煮詰めが難しいという問題もあった。例えば澱粉などの糊化する素材は煮詰めそのものが難しく、粘度が上昇して寒天の溶解を阻害するため、さらにゲル化を難しくする傾向にあった。
ボンレスハムやロースハムなどの中で比較的低価格に仕上げるハムは、大豆タンパクやリン酸塩、調味液、カラギナンなどが水に分散されたピックル液を肉にインジェクションして歩留を上げている。この肉はケーシングに詰められ70~80℃で熱処理される。この時、この温度(70~80℃)で溶解できるカラギナンなどは、均一に溶解して肉汁を抱え込み、冷却されて肉組織内でゼリーとなり、保水や食感に寄与する。従来、寒天は高温でないと溶解しないため、熱処理しても溶けず機能を発揮することが出来なかった。本発明に係る寒天組成物はこの問題を改善し、容易にインジェクションができ、70℃の加熱でも溶解し機能を発揮することができる。また、一度ゲル化した寒天は、カラギナンより耐熱性があり、肉本来の味たちもいいという結果を得た。同様にウインナーやベーコン類なども有効である。
一方、魚肉製品では、寒天組成物を魚肉スリミ、澱粉、リン酸塩、調味料などと水を加えて混錬して使用できる。この魚肉混錬物はケーシングに充填され、クリップ止め後熱処理される。このとき寒天組成物は、容易に溶解し、冷却工程によりゲル化する。寒天組成物が使用されたソーセージは、従来のタンパク変成したぼそぼそ感の食感が改善し、また味たちもよく品質向上につなげることができる。
佃煮などで使われる澱粉、タマリンドなどの増粘剤や寒天のたれは、佃煮素材に絡みつき液だれ防止として利用される。特に寒天は艶(照り)を出す素材として有効である。しかしながら、他の多糖類に比べて寒天を溶解するのが容易でない。一般的には素材と調味料を一緒に混ぜて煮詰めていくが、寒天は、塩分が多く糖度が高い溶液では溶解できないので、別に水で溶解してから加えなければならない。このため手間と煮詰め時間を要する。本発明に係る寒天組成物では、高糖度で直接溶解するため煮詰め時間の短縮ができる。同様に、焼き肉のタレや中華ダレ、ソース類などにも幅広く応用できる。
ドレッシング用途において寒天は、溶解後ゲル化してしまうので使いづらい素材である。このため低分子の凝固力の弱い寒天が開発され利用されている。しかし、水分保持力が弱いことと比重分離しやすいことなどの問題がある。一方、凝固阻害された食酢、砂糖等を加えて作製した本発明に係る寒天組成物のペーストは、これらの欠点を改善できる。
食感の腰とツルミが付与される機能を期待して麺類に寒天を加えることが検討されてきた。従来は、麺を成形しやすく、麺としての食感が整う範囲で加水されていて、生麺では加水量は対粉(小麦粉など)に対し決まっている。このため粉末寒天を混ぜて溶解する場合には、寒天に十分な水が得られず、生麺を茹でて麺が加熱されても寒天が十分溶解できない。また溶解水は、中華麺ではかん水であったり、うどんでは塩水であったりするためこれらの塩類が寒天の溶解を阻害している。しかしながら、本発明に係る寒天組成物を使用すると、加熱による溶解が容易で、特に寒天がゲル化する冷麺で特に食感の腰とツルミが付与される。本発明に係る寒天組成物を入れる麺としての用途は、中華麺、うどん、冷や麦、素麺、パスタ、蕎麦や広くは春雨、ビーフンなども含まれる。
一方、粉末寒天ではなく寒天をあらかじめ湯に溶かし混合することも検討されている。小麦粉や蕎麦粉などは、湯ではα化が始まり付着性が強くなり、またべとついて食味を壊してしまう。このため冷水を使うが、寒天溶液の場合ゲル化してこれを壊さなければならない。壊したゲルも微細にはなるが、不均一化しているため麺の成型性を阻害する。本発明のように、寒天と澱粉加水分解物の重量比率が1:3~1:10にあり、加熱溶解後冷却してゲル化が阻害されていることを特徴とする寒天組成物を使用すれば、容易に低温で溶解でき、且つゲル化阻害しているので容易に麺に利用することができる。
小麦粉の代わりに米粉を使用した麺も、例えばグルテンフリーとして利用されている。従来、澱粉より作られる麺もあるが風味が足りないばかりかツルミに劣る。米麺は、餅餅した柔らかさはあるがグルテンの持つ腰が出ない。本寒天製剤を加えることにより改善を図ることができる。小麦アレルギーを持つ人に麺を利用戴く上で有効である。
本発明に係る寒天組成物を入れた麺は生麺ばかりでなく、乾麺、即席麺、冷凍麺、LL麺などにも利用できる。
製パンにおいても、麺同様に本発明に係る寒天組成物が利用できる。本発明に係る寒天組成物は、小麦粉やイーストなどと混合し水を加えて混捏され、発酵され焼成される。二次発酵時において加温により、従来の寒天よりも溶解する比率が高く、効果を発揮しやすい。本発明に係る寒天組成物を添加すると発酵時嵩高になり、焼成後も焼き縮みが少ない。また保湿性も高くパサつき感も少ない。米粉パンではこれが顕著に表れ老化を遅らせることができる。パンの配合としてはリッチパン、リーンパン両方に有効である。製パン類としては、食パンや菓子パン、フランスパン、コッペパン、サンドウィッチ、ハンバーガーバンズ他パイやデニッシュ、万頭、ドーナツ、パンケーキなども応用できる。また小麦パンばかりでなく全粒パン、ライ麦パンなどのパンや米粉パンにも応用できる。流通も冷凍パン、チルドパン、常温パンなどに有効である。
本発明に係る寒天組成物は、特に常温で流通する水分活性の低い菓子に有効である。例えばグミゼリー、半生乾燥ゼリー、チョコレート、チューインガム、キャラメル、ビスケット、せんべい、焼き菓子、羊羹、かりんとう(油菓子)、豆菓子などである。この場合は出来るだけ溶解水を少なくすることが求められ、本発明の寒天組成物は、高糖度でも溶解が容易で、例えば半生チョコのべたつき防止や融点コントロール、ソフトクッキーや焼まんじゅうのしっとり感の保持、キャラメルの口腔内付着性防止、チューイングガムの噛み応えと食感保持など多くの機能が期待できる。和菓子にも糖度の高い餡製品など多くの応用が可能である。
デザート・乳製品として、生クリームに低温で凝固阻害された寒天組成物のペーストを混合することにより気泡のオーバーランが良く、気泡が保持されやすく、味たちもよくすることができる。このペーストをUHTにて無菌的に作り、ヨーグルト発酵ベースと混合すると、滑らかで従来のペクチンよりも保形性のあるソフトヨーグルトが出来る。同様にドリンクヨーグルトでは、濃厚な食感ながら切れのいいべたつかないドリンクヨーグルトが出来る。さらにハードヨーグルトにおいても寒天の溶解が容易になり使いやすい。
また、プロセスチーズやチーズフードにおいてナチュラルチーズに溶融塩を加えて溶融する際に本発明に係る寒天組成物を加えることで、容易に高濃度で溶解でき、食感改良、剥離性向上、歩留向上などの効果が得られる。
飲料としてのコーヒー乳飲料やココア飲料、トマト・青汁などの野菜飲料、果汁飲料、スムージーなども同様に、本発明に係る寒天組成物を加えることで、飲料のボディー感やキレを付与することができる。
(実施例1)
伊那寒天(重量平均分子量200000:伊那食品工業製)70部と澱粉加水分解物(DE3のデキストリン:松谷化学製)30部、メタリン酸ナトリウム(太平化学産業製)7部を粉体混合し、水2200部に分散し、沸騰して完全に加熱溶解させた。この溶液をドラムドライ(楠木製作所製)にて120℃にて乾燥させた。粉砕機にて粉末化させ、寒天のランダムコイル状態の分子がデキストリン分子及びメタリン酸ナトリウムと分子状態で混合されている寒天組成物(実施例1)を得た。
澱粉加水分解物及びメタリン酸ナトリウムいずれも添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る寒天組成物を得た。
メタリン酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る寒天組成物を得た。
実施例1および比較例1~2で作製した寒天組成物において寒天組成物中の寒天量が0.7%となる量にぶどう糖10%を混合し、45℃、50℃、60℃の温水を合計100%になるように加え混合攪拌し、それぞれの寒天組成物溶液を作製した。対照として100℃の熱水に同様にそれぞれ加え混合攪拌し、寒天組成物溶液を作製した。これを容器に入れ10℃の水槽でゲル化させ、テクスチャーアナライザーTA.XT.Plus(英弘精機)にてゲル強度を測定し、以下の数式にて溶解率Aを求めた。これらの結果を表1に示した。尚、ぶどう糖を混合するのは、だまにならないように均一な溶液をつくるためである。
伊那寒天(重量平均分子量200000:伊那食品工業製)と澱粉加水分解物(DE3のデキストリン:松谷化学製)、メタリン酸ナトリウム(太平化学産業製)を表2に示す割合にて粉体混合し、水2200部に分散し、沸騰して完全に加熱溶解させた。この溶液をドラムドライ(楠木製作所製)にて乾燥させ、粉砕機にて粉末化させ、寒天のランダムコイル状態の分子がデキストリン分子及びメタリン酸ナトリウムと分子状態で混合されている寒天組成物(実施例2~5)を得た。
実施例2~6で作製した寒天組成物において寒天組成物中の寒天量が0.5%となる量にぶどう糖10%を混合し、60℃及び100℃の熱水を合計100%になるようにそれぞれ加え混合攪拌し、寒天組成物溶液を作製した。これを容器に入れ10℃の水槽でゲル化させ、テクスチャーアナライザーTA.XT.Plus(英弘精機)にてゲル強度を測定した。この結果を表3に示した。
(実施例7)
表4に示す配合にて、あらかじめ小麦粉に寒天組成物又は粉末寒天を粉体混合し、混錬機に移し食塩水を加え常温下で混錬し、実施例7に係るうどんの生地を得た。なお、寒天組成物として、実施例2の寒天組成物を使用した。生地は圧延し、切出機で厚さ5mm、幅5mmに切り出し、麺とした。麺は沸騰したお湯で15~20分茹で、直に冷水で洗い水を切った物を官能評価に用いた。なお、食感・麺のこしは茹でた後15分経過したものを調べた。
寒天組成物を添加しなかったこと以外は実施例7と同様にして、比較例3に係るうどんを作製した。
寒天組成物の代わりに粉末寒天を0.43部使用したこと以外は実施例6と同様にして、比較例4に係るうどんを作製した。
茹でた麺の食感を5人のパネラーによって評価した。評価は5人の評価に基づいて、以下の3段階とした。結果を表4に示す。
○:コシ、ツルミがあり良好な食感
△:コシが足りない、ツルミが無いなど食感が良好ではない。
×:コシ、ツルミが無く食感が悪い。
麺の硬さはテクスチャーアナライザーTA.XT.Plus(英弘精機)を使用し、歯型のプランジャーを使用し、測定深さ3mmまでの最高の値を硬さ(g)とした。測定温度は、10℃である。
(実施例8)
市販のナチュラルチーズ80部をチーズ乳化機に入れ、あらかじめポリリン酸Na2部と、実施例3の寒天組成物とを分散した水20部を加え、攪拌しながら80℃まで昇温し10分間混合した後、カップ型容器に充填して5℃まで冷却することによって、実施例8に係るチーズを得た。硬さは5℃で24時間放置後、テクスチャーアナライザー(プランジャー:断面積1cm2円柱)TA.XT.Plus(英弘精機)を使用して深さ5mmまでの最高強度を硬さ(g/cm2)とした。
寒天組成物を添加しなかったこと以外は実施例8と同様にして、比較例5に係るチーズを作製した。
寒天組成物の代わりに粉末寒天を0.1重量%使用したこと以外は実施例8と同様にして、比較例6に係るチーズを作製した。
容器に充填し、冷却凝固させたチーズの容器からの剥離性を5人のパネラーにより評価した。結果を表5に示す。
○:容器から綺麗に剥離する。
△:剥離しにくい箇所がある。
×:剥離が悪い。
(実施例9)
下記の表6に示す配合にて、あらかじめ伊那寒天、澱粉加水分解、メタリン酸Naを粉体混合し、水94.3%に分散、加熱溶解した。沸騰1~2分で火を止め、重量を100%に調製し、容器に流し冷却してゲル化後、高速撹拌機にてゲルを粉砕し、寒天組成物のペーストを得た。
比較例7として表6の寒天組成物ペーストの替わりに水のみを使用して表7のチーズフードを作製した。
比較例8として表6の寒天組成物ペーストの替わりにメタリン酸ナトリウムのみを含まない寒天組成物ペーストを使用して表7のチーズフードを作製した。
比較例9として表6の寒天組成物ペーストの替わりに伊那寒天のみを含まない寒天組成物ペーストを使用して表7のチーズフードを作製した。
(食感)
凝固させたチーズフードの食感を5人のパネラーにより評価した。
○:濃厚感があり、滑らかで良好な食感。
△:濃厚感が足りない、滑らかでないなど物足りない食感。
×:食感が悪い。
(実施例10)
あらかじめリン酸塩を冷水に溶解させ、続いて亜硝酸塩を加え溶解させる。実施例1の寒天組成物・ブドウ糖・食塩調味料を前述のリン酸塩溶液に分散し、アスコルビン酸ナトリウムを加えることで、インジェクション液(ピックル液)を調整した。
ローラー等を使用し表面積を増加させた豚肉に、上記ピックル液の60~80%をインジェクションした。残りのインジェクション液と原材料豚肉を真空式のタンブラーに入れ真空度90%にし、40分間回転作動20分間寝かせの作業を16時間続けた。ケーシングに処理肉を充填し、70℃で加温し冷却後、実施例10に係るハムを得た。
寒天組成物を添加しなかったこと以外は実施例10と同様にして、比較例10に係るハムを作製した。
寒天組成物の代わりに粉末寒天を0.35重量%使用したこと以外は実施例10と同様にして、比較例11に係るハムを作製した。
加熱処理後冷蔵保存したハムの食感を5人のパネラーにより評価した。結果を表9に示す。
○:しっとりしつつ、弾力のある良好な食感。
△:○に比べ弾力が少ない。物足りない食感。
×:パサつき感があり食感的に劣る。
下記の式にて、歩留りを求めた。結果を表9に示す。
加熱後の重量÷加熱前重量×100
(実施例11)
表10の配合にて、比較例12をコントロールとして、イギリスパンを下記の条件にて常法により実施例11に係るパンを作製した。寒天組成物として、実施例4の寒天組成物を使用した。寒天組成物の添加量は小麦粉100に対して1.42とし、加水量は、コントロールの70から73へ増やして試験を行なった。
寒天組成物を添加しなかったこと以外は実施例11と同様にして、比較例12に係るパンを作製した。
寒天組成物の代わりに粉末寒天を0.2重量%使用したこと以外は実施例11と同様にして、比較例13に係るパンを作製した。
捏ね上げ温度:28℃
発酵時間・温度:60分、28℃/75%
ベンチタイム:20分
ホイロ条件:37℃/85%、40分
焼成温度:200℃
焼成時間:30分
発酵(ホイロは福島工業株式会社製ドゥコンディショナーQBX-162DC2を使用)
焼成(パヴァイエ社製のオーブンを使用した)
初期強度及び3日後の強度は、テクスチャーアナライザー:TA.XT.Plus(英弘精機)を使用して測定した(プランジャーは断面積1cm2の円柱タイプ,測定温度20℃)にて測定した。結果を表10に示す。
10cm×10cm×10cmに切断したパンを手で上部から押して、手を離した時の戻り具合を肉眼的に評価した。
(評価)
官能により生地のきめや食味、見た目、復元性を5点評価した。結果を表10に示す。
点数が大きいほど良好な結果とした。
(実施例12)
ゼラチン7部、グラニュー糖25部、還元澱粉糖化物50部、液糖ソルビトール20部、水20部を加熱溶解し糖度80まで煮詰める。あらかじめ液糖ソルビトール10部に寒天組成物(実施例2)を分散し、煮詰めたゼラチン溶液に加えしっかり撹拌し火を止める。クエン酸、5倍濃縮果汁、香料・色素を加え80℃でホールドし、脱泡する。モールドに充填し冷却・乾燥させ実施例12の寒天入りグミを作製した。
比較例14として寒天組成物を添加しないこと以外は実施例12と同様にしてグミを作製した。
比較例15として寒天組成物の替わりに粉末寒天を使用したこと以外は実施例12と同様にしてグミを作製した。
(噛みごたえ)
寒天入りグミの食感を5人のパネラーにより評価した。
○:比較例15より噛み応えがある。
△:噛み応えがある。
×:比較例15より噛み応えがない。
○:付着性がない。
△:○に比べ若干付着性がある。
×:付着性が若干ある。
(実施例13)
下記の表12に示す配合にて、あらかじめ寒天組成物ペーストを作製した。伊那寒天、澱粉加水分解、メタリン酸Naを粉体混合し、水94.3部に分散、加熱溶解した。沸騰1~2分で火を止め、重量を100部に調製し、容器に流し冷却後、撹拌機にて撹拌し寒天組成物のペーストを得た。
比較例16として伊那寒天、澱粉加水分解物、メタリン酸ナトリウムを使用する替わりにペクチンを使用したこと以外は実施例13と同様にしてソフトヨーグルトを作製した。
比較例17としてメタリン酸ナトリウムを使用しないこと以外は実施例13と同様にしてソフトヨーグルトを作製した。
比較例18として伊那寒天(重量平均分子量20万)の替わりに粉末寒天を使用したこと以外は実施例13と同様にしてソフトヨーグルトを作製した。
(ホエーの分離)
○:分離なく、均一な状態。
△:表面に若干ホエーの分離が見られる。
ソフトヨーグルトの食感を当社5人のパネラーにより評価した。結果を表14に示す。
○:滑らかで濃厚感があり、切れの良い食感。
△:滑らかで濃厚感がある食感であるがわずかに糊状感がある。
×:糊状感を感じる。
(実施例14)
合計200gとなるように、原料昆布100部を、醤油40部、水飴30部、砂糖15部、水100部と混合し、90℃で60分煮詰めた(Brix50~55)。火を止める直前に、実施例2の寒天組成物0.62部を砂糖5部と粉体混合し、昆布の佃煮に投入してしっかり混ぜ合わせた。火を止め粗熱をとり、実施例14に係る佃煮を得た。
寒天組成物の代わりに粉末寒天を0.2部使用したこと以外は実施例14と同様にして、比較例19に係る佃煮を作製した。
原料昆布100部を、醤油40部、水飴30部、砂糖20部、粉末寒天0.2部、水100部を90℃で60分煮詰める(Brix55~60)ことにより、比較例20に係る佃煮を作製した。
(つや)
○:均一につやがある。
△:均一でないなど若干つやが足りない。
○:経時的にもたれ落ちが無い。
△:経時的にたれ落ちが見られる。
×:初めからたれが下に落ちる。
(実施例15)
全ての原材料を、UHT(120℃,1分)を用いて加熱溶解し、希釈用のベースシロップ(糖度 55、pH 3.8)を作製した。なお、寒天組成物として、実施例1の寒天組成物を使用したものは実施例15とした。
比較例21として寒天組成物及び粉末寒天のいずれも使用していないこと以外は実施例15と同様にしてベースシロップを作製した。
比較例22として寒天組成物の替わりに粉末寒天を使用したこと以外は実施例15と同様にしてベースシロップを作製した。
(粘度)
5倍量の水で希釈した際の粘度を測定した。結果を表16に示す。
測定条件:B型粘度計 ローターNo.1 60rpm
(実施例16)
常法に従いフラワーペーストを作製した。デンプンを加熱後に寒天組成物1を0.26%添加して実施例16に係るフラワーペーストを作製した。比較として伊那寒天UP-37を0.1%使用して同様な方法でフラワーペーストを作製した。
寒天組成物を使用したものは比較より保形性があり、進展性も良くフィルムへの付着性が比較より少なかった。
(実施例17)
常法に従いキャラメルを作製した。最終加熱後に寒天組成物1を0.26%添加して実施例17に係るキャラメル作製した。比較として伊那寒天UP-37を0.1%使用して同様な方法でキャラメルを作製した。
寒天組成物を使用したものは比較より保形性があり、歯への付着がなく進展性も良くフィルムへの付着性が少なかった。
(実施例18)
表6で作製したペーストを冷凍前に10%添加し、常法に従い実施例18に係る冷菓を作製した。添加していないものに比べ、スプーンどおりが良く、且つ常温で溶けにくいものができた。
Claims (6)
- 寒天、重量平均分子量が8000~800000である澱粉加水分解物及び重合リン酸塩の分子が互いに絡み合った構造を有することを特徴とする寒天組成物。
- 寒天、重量平均分子量が8000~800000である澱粉加水分解物及び重合リン酸塩を水に添加して加熱溶解し、45~180℃で乾燥することを特徴とする寒天組成物の製造方法。
- 前記寒天及び前記澱粉加水分解物の重量比率が10:1~1:3であることを特徴とする請求項1記載の寒天組成物。
- 前記寒天及び前記澱粉加水分解物の重量比率が1:3~1:10であることを特徴とする請求項1記載の寒天組成物。
- 請求項1、3、または4記載の寒天組成物を含有することを特徴とする食品。
- 重量平均分子量が8000~800000である澱粉加水分解物及び重合リン酸塩を含有することを特徴とする寒天易溶化剤。
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