JP7111260B2 - 感熱接着シート及び感熱接着シートを貼合した物品の製造方法 - Google Patents
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Description
重合性のモノマー或いはオリゴマー成分を含有せず、90℃未満では固形でべたつきが無く、90℃~200℃で軟化するホットメルト型の感熱接着剤や感熱接着シートを用いる場合は、前記課題は解決されるが、低温環境下では柔軟性に欠けるため、自動車等のような0℃以下の寒冷環境下で使用されたり、家電製品やモバイル端末機等の冷熱が繰り返されたりする用途では、熱可塑性貼合材と成形物との膨張差から発生する歪みを接着剤層が緩和しきれず、熱可塑性貼合材と成形物との間に浮きや剥がれが生じやすい問題があった。
すなわち、本発明は、-50℃~200℃の範囲内で、且つ周波数3Hzで測定された引っ張りの損失正接(tanδ)のピーク温度を、90℃以上に少なくとも一以上及び-20℃以下に少なくとも一以上有し、且つ100℃における引っ張り貯蔵弾性率(E’a100)が5×105Pa~1×108Paである感熱接着剤層(a)を有し、前記感熱接着剤層を接着層として熱可塑性貼合材(B)を成形物(C)の表面へ貼合するために用いられる感熱接着シート(A)を提供するものである。
本発明の感熱接着シート(A)は、接着剤層として、-50℃~200℃の範囲内で、且つ周波数3Hzで測定された引っ張りの損失正接(tanδ)のピーク温度を90℃以上に少なくとも一以上及び-20℃以下に少なくとも一以上有し、且つ100℃における引っ張り貯蔵弾性率(E’a100)が5×105Pa~1×108Paである感熱接着剤層(a)を使用する。感熱接着剤層(a)を感熱接着シート(A)の接着層として使用することで、熱可塑性貼合材(B)を90℃~200℃に加熱して成形物(C)の表面へ貼合する際、感熱接着シート(A)を構成する前記感熱接着剤層(a)によって感熱接着を可能とするとともに、熱可塑性貼合材(B)から発生しうる気体による気泡の形成や熱可塑性貼合材(B)の曲面反発による剥がれを抑制でき、外観を損なうことなく貼合物を得ることができる。更には、前記感熱接着剤層(a)は、前記貼合物が高温多湿環境下や寒冷環境下や冷熱環境下に放置されても、熱可塑性貼合材(B)或いは成形物(C)の少なくとも一方から発生しうる気体による気泡の形成を抑制でき、熱膨張差で発生する歪みによる剥がれを抑制できる。このように、感熱接着剤層(a)は、適切な硬さと接着強度を兼ね備えた感熱接着シート(A)の接着剤層となる。
前記感熱接着剤層(a)は、接着剤組成物により形成され、例えば剥離ライナー等の表面に後述する接着剤組成物を有機溶剤等に溶解した接着剤組成物の溶液を塗工し、乾燥等させることによって製造することができる。
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
なお係る重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と称する)分析により標準ポリスチレンを検量線作成に用いた換算値として算出した値である。
本発明の方法に使用する感熱接着シート(A)は、例えば剥離ライナーの表面に、前記接着剤組成物を有機溶剤等に溶解した接着剤組成物の溶液を塗工し、必要に応じて乾燥し感熱接着剤層(a)を形成することによって製造することができる。
加熱貼付後の180°引き剥がし接着力は、前記2kgローラーで1往復の加圧の代わりに、熱プレス装置(テスター産業株式会社製、「TP-750エアープレス」)にて140℃で15秒間加熱するとともに0.2MPaの圧力で加圧して試料を作製し、前記と同様にして、-20℃雰囲気下、23℃及び相対湿度50%RH雰囲気下、並びに90℃雰囲気下の各々にて、前記ポリカーボネートシートを180°方向へ50mm/分の速度で引っ張った際の引き剥がし抵抗力を測定することで得られる。
なお、温度-20℃及び90℃で測定する場合は、湿度無制御とする。
本発明の物品の製造方法は、上述した感熱接着シートの感熱接着剤層(a)を接着層として熱可塑性貼合材(B)を成形物(C)の表面に貼合した物品の製造方法である。
本発明の方法で貼合する前記熱可塑性貼合材(B)としては、例えばプラスチック製の透明部材等が挙げられる。
本発明の方法で貼合される前記成形物(C)としては、具体的には意匠性や遮光性等を付与することを目的とした加飾層を備えた成形物等が挙げられる。
本発明の物品の製造方法、すなわち前記熱可塑性貼合材(B)と成形物(C)とを前記感熱接着シート(A)で接着し貼合した物品を製造する方法は、-50℃~200℃の範囲内で、且つ周波数3Hzで測定された引っ張りの損失正接(tanδ)がピーク温度を90℃以上に少なくとも一以上及び-20℃以下に少なくとも一以上有し、且つ100℃における引っ張り貯蔵弾性率(E’a100)が5×105Pa~1×108Paである感熱接着剤層(a)を有する感熱接着シート(A)を接着層として使用し、熱可塑性貼合材(B)を90℃~200℃に加熱して成形物(C)の表面へ貼合する貼合方法を含む。
加熱後の感熱接着シート(A)における前記感熱接着剤層(a)表面へ前記成形物(C)を押し当てる際の圧力は、0.1MPa程度以上が好ましい。または、前記感熱接着シート(A)の熱可塑性の剥離ライナー表面側を加圧する際は、0.1MPa程度以上の圧縮空気で加圧することが好ましい。
第3の態様の物品の製造方法では、感熱接着シート(A)が積層された熱可塑性貼合材(B)を予め成形しておくことによって形状を安定させ、加熱して成形物(C)の表面へ貼合する際の熱可塑性貼合材(B)の変形によって生じる歪みを軽減し、貼合後の浮きや剥がれを低減するこができる。また、本発明の感熱接着シートは、常温接着性が低いことから、予め成形物(C)の形状に成形された熱可塑性貼合材(B)を、感熱接着シートを介して成形物(C)に容易に嵌合させることができ、成形後の熱可塑性貼合材(B)と成形物(C)とを密着接合させることができる。
内部を脱気し窒素置換した反応器に、溶媒として乾燥トルエン1,240質量部を入れ、撹拌しながら、1,2-ジメトキシエタン52.0質量部、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0質量部、アニオン重合開始剤としてsec-ブチルリチウム2.98mmolを含有するシクロヘキサンとn-ヘキサンの混合溶液5.17質量部、メタクリル酸メチル54 .0 質量部をこの順に加え、25℃で1時間反応させた。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99 .9%以上であった。次に反応液を-30℃に冷却し、アクリル酸n-ブチル220.0質量部を2時間かけて滴下し、滴下終了後-30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸n-ブチルの重合転化率は99 .9%以上であった。続いてこの反応液にメタクリル酸メチル70.0質量部を加え、一晩25℃にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止させた。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を大量のメタノールに注ぎ、濾物を真空乾燥し、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)としてポリメタクリル酸メチルを36質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)としてポリアクリル酸n-ブチルを64質量%含有する、ポリメタクリル酸メチル-ポリアクリル酸n-ブチル-ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体(k-1)を得た。得られたトリブロック共重合(k-1)の重量平均分子量(Mw)を上述の方法のGPC測定により求めたところ、82,000であった。また、トリブロック共重合体(k-1)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリメタクリル酸メチルの重合体ブロックのTgは103℃、ポリアクリル酸n-ブチルの重合体ブロックのTgは-51℃であった。
前記ブロック共重合体(k-1)と同様にして、メタクリル酸メチルとアクリル酸n-ブチルの使用量を調整し、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)としてポリメタクリル酸メチルを30質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)としてポリアクリル酸n-ブチルを70質量%含有する、ポリメタクリル酸メチル-ポリアクリル酸n-ブチル-ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体(k-2)を得た。得られたトリブロック共重合体(k-2)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、84,000であった。また、トリブロック共重合体(k-2)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリメタクリル酸メチルの重合体ブロックのTgは103℃、ポリアクリル酸n-ブチルの重合体ブロックのTgは-52℃であった。
前記ブロック共重合体(k-1)と同様にして、メタクリル酸メチルとアクリル酸n-ブチルの使用量を調整し、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)としてポリメタクリル酸メチルを40質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)としてポリアクリル酸n-ブチルを60質量%含有する、ポリメタクリル酸メチル-ポリアクリル酸n-ブチル-ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体(k-3)を得た。得られたトリブロック共重合体(k-3)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、79,000であった。また、トリブロック共重合体(k-3)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリメタクリル酸メチルの重合体ブロックのTgは104℃、ポリアクリル酸n-ブチルの重合体ブロックのTgは-51℃であった。
前記ブロック共重合体(k-1)と同様にして、メタクリル酸メチルとアクリル酸n-ブチルの使用量を調整し、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)としてポリメタクリル酸メチルを50質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)としてポリアクリル酸n-ブチルを50質量%含有する、ポリメタクリル酸メチル-ポリアクリル酸n-ブチル-ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体(k-4)を得た。得られたトリブロック共重合体(k-4)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、76,000であった。また、トリブロック共重合体(k-4)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリメタクリル酸メチルの重合体ブロックのTgは104℃、ポリアクリル酸n-ブチルの重合体ブロックのTgは-52℃であった。
前記ブロック共重合体(k-1)と同様にして、メタクリル酸メチルとアクリル酸n-ブチルの使用量を調整し、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)としてポリメタクリル酸メチルを27質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)としてポリアクリル酸n-ブチルを73質量%含有する、ポリメタクリル酸メチル-ポリアクリル酸n-ブチル-ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体(k-5)を得た。得られたトリブロック共重合体(k-5)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、83,000であった。また、トリブロック共重合体(k-5)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリメタクリル酸メチルの重合体ブロックのTgは103℃、ポリアクリル酸n-ブチルの重合体ブロックのTgは-53℃であった。
内部を脱気し窒素置換した反応器に、溶媒として乾燥シクロヘキサン5,000質量部 、アニオン重合開始剤としてsec-ブチルリチウムの10.5質量%を含有するシクロヘキサン溶液2質量部を仕込み、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン28質量部を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン70質量部を加えて1時間反応させた後、引き続いてブタジエン345質量部を加えて2時間重合を行った後、さらにスチレン70質量部を加えて1時間反応することにより、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応液を得た。
この反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を前記ブロック共重合体に対して10質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条
件で10時間反応を行った。
放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾
燥することにより、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)としてポリスチレンを30質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)として水素化ポリブタジエンを70質量%含有する、ポリスチレン-水素化ポリブタジエン-ポリスチレンのトリブロック共重合体(k-6)のペレットを得た。得られたトリブロック共重合体(k-6)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、200,000であった。また、トリブロック共重合体(k-6)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリスチレンの重合体ブロックのTgは97℃、水素化ポリブタジエンの重合体ブロックのTgは-23℃であった。
前記ブロック共重合体(k-6)と同様にして、スチレンとブタジエンの使用量を調整し、ハードブロック(90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2))としてポリスチレンを67質量%含有し、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)として水素化ポリブタジエンを33質量%含有する、ポリスチレン-水素化ポリブタジエン-ポリスチレンのトリブロック共重合体(k-7)を得た。得られたトリブロック共重合体(k-7)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、100,000であった。また、トリブロック共重合体(k-7)の各重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、ポリスチレンの重合体ブロックのTgは98℃、水素化ポリブタジエンの重合体ブロックのTgは-23℃であった。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル50質量部、メタクリル酸メチル30質量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル20質量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリル0.5質量部を酢酸エチル150質量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合させることによって(メタ)アクリルランダム共重合体(k-8)の溶液物を得た。得られた(メタ)アクリルランダム共重合体(k-8)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、470,000であった。また、(メタ)アクリルランダム共重合体(k-8)のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、変曲点は観察されなかった。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メタクリル酸メチル80質量部、アクリル酸エチル15質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル5質量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリル0.7質量部を酢酸エチル150質量部に溶解し、窒素置換後、85℃で10時間重合させることによって(メタ)アクリルランダム共重合体(k-9)の溶液物を得た。得られた(メタ)アクリルランダム共重合体(k-9)の重量平均分子量(Mw)を前記方法のGPC測定により求めたところ、220,000であった。また、(メタ)アクリルランダム共重合体(k-9)のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、Tgは72℃であった。
<感熱接着シート(A-1)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-1)135質量部をトルエン165質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-1)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は36質量部、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は64質量%となった。
重剥離側の剥離ライナーAとして、片面に非シリコーン系化合物で剥離処理した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「TN100-75μm」)の剥離処理面上に、乾燥後の厚さが100μmとなるように前記接着剤組成物(a-1)を塗布し、70℃で3分間及び120℃で4分間乾燥し、軽剥離側の剥離ライナーBとして、片面にシリコーン系化合物で剥離処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業株式会社製「50E-0010BD」)の剥離処理面とを貼り合せ、感熱接着シート(A-1)を作製した。
<感熱接着シート(A-2)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-2)54質量部とトリブロック共重合体(k-3)81質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-2)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は平均36質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は平均64質量%となった。なお、接着剤組成物(a-2)中のトリブロック共重合体(k-2)及びトリブロック共重合体(k-3)のブロック共重合体混合物中の重合体ブロック(S1)、(S2)の含有率は、それぞれ上記「1.感熱接着シート(A)」の「感熱接着剤層(a)」の項目で説明したブロック共重合体混合物中の重合体ブロック(S1)、(S2)の含有率の式(1)に基づき算出した。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-2)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-2)を作製した。
<感熱接着シート(A-3)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-3)122質量部と、粘着付与剤としてパインクリスタルKE-311(荒川化学工業株式会社製、超淡色ロジン誘導体)13質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-3)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は40質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は60質量%となった。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-3)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-3)を作製した。
<感熱接着シート(A-4)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-2)54質量部とトリブロック共重合体(k-4)81質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-4)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は平均42質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は58質量%となった。なお、接着剤組成物(a-4)中のトリブロック共重合体(k-2)及びトリブロック共重合体(k-4)のブロック共重合体混合物中の重合体ブロック(S1)、(S2)の含有率は、それぞれ上記「1.感熱接着シート(A)」の「感熱接着剤層(a)」の項目で説明したブロック共重合体混合物中の重合体ブロック(S1)、(S2)の含有率の式(1)に基づき算出した。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-4)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-4)を作製した。
<感熱接着シート(A-5)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-2)135質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-5)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は平均30質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は平均70質量%となった。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-5)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-5)を作製した。
<感熱接着シート(A-6)の作製>
前記実施例1の感熱接着シート(A-1)の作製とは別に、実施例1で用いた剥離ライナーB(ポリエチレンテレフタレートフィルム「50E-0010BD」)の剥離処理面上に、乾燥後の厚さが100μmとなるように前記接着剤組成物(a-1)の溶液を塗布し、70℃で3分間及び120℃で4分間乾燥し、先に作製しておいた感熱接着シート(A-1)の接着剤面どうしと仮貼合し、その後120℃に加熱した熱ラミネーター(テスター産業株式会社製、「SA-1010小型卓上テストラミネーター」を速度1m/分、圧力0.2MPaで通し、接着剤層間を接着させ、接着剤層の厚さ200μmの感熱接着シート(A-6)を作製した。
<感熱接着シート(A-7)の作製>
乾燥後の厚さが50μmとなるように前記接着剤組成物(a-1)を塗布したこと以外は、前記実施例1の感熱接着シート(A-1)と同様にして、感熱接着シート(A-7)を作製した。
<感熱接着シート(A-8)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-6)108質量部とトリブロック共重合体(k-7)27質量部をトルエン315質量部へ撹拌溶解し、固形分30質量%の接着剤組成物(a-8)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は平均37.4質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は平均62.6質量%となった。なお、接着剤組成物(a-8)中のトリブロック共重合体(k-6)及びトリブロック共重合体(k-7)のブロック共重合体混合物中の重合体ブロック(S1)、(S2)の含有率は、それぞれ上記「1.感熱接着シート(A)」の「感熱接着剤層(a)」の項目で説明したブロック共重合体混合物中の重合体ブロック(S1)、(S2)の含有率の式(1)に基づき算出した。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-8)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-8)を作製した。
<感熱接着シート(A-13)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-1)122質量部と、粘着付与剤としてYSポリスターTH130(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペンフェノール樹脂)13質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-13)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は36質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は64質量%となった。
前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-13)を作製した。
<感熱接着シート(A-9)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-5)135質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-9)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は27質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は73質量%となった。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-9)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-9)を作製した。
<感熱接着シート(A-10)の作製>
前記トリブロック共重合体(k-4)135質量部をトルエン156質量部へ撹拌溶解し、固形分45質量%の接着剤組成物(a-10)の溶液を得た。トリブロック共重合体中の90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)の含有率は50質量%、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)の含有率は50質量%となった。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-10)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにして、感熱接着シート(A-10)を作製した。
<感熱接着シート(A-11)の作製>
前記アクリル共重合樹脂(k-8)の固形分100質量部に対し、イソシアヌレート系架橋剤としてコロネートHXR(東ソー業株式会社製、固形分100質量%)を5質量部添加し、撹拌機を用いて20分間攪拌することによって、固形分43質量%の接着剤組成物(a-11)の溶液を得た。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-11)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにし、40℃雰囲気下に5日間放置して、感熱接着シート(A-11)を作製した。
<感圧接着シート(A-12)の作製>
市販の厚さ50μmのアクリル系感圧接着シート(DIC株式会社製、「ダイタックZB7012W」)を使用した。上記感圧接着シートは、軽剥離ライナー/アクリル系感圧接着層/重剥離ライナーの積層構成を有する。
<感熱接着シート(A-14)の作製>
前記(メタ)アクリルランダム共重合樹脂(k-9)の固形分100質量部に対し、イソシアヌレート系架橋剤としてコロネートHXR(東ソー業株式会社製、固形分100質量%)を2.5質量部添加し、撹拌機を用いて20分間攪拌することによって、固形分42質量%の接着剤組成物(a-14)の溶液を得た。
接着剤組成物(a-1)の溶液に代えて接着剤組成物(a-14)の溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが100μmとなるようにし、40℃雰囲気下に5日間放置して、感熱接着シート(A-14)を作製した。
市販の厚さ0.3mmのポリカーボネートシート(帝人株式会社製、「パンライトPC-2151」)を各評価に適した大きさに裁断して使用した。
市販の厚さ0.125mmのポリカーボネートシート(帝人株式会社製、「パンライトPC-2151」)を各評価に適した大きさに裁断して使用した。
市販の厚さ3mmのポリカーボネート成形物(帝人株式会社製、「住友ベークライト株式会社製、「ポリカエースECK100UU」)を各評価に適した大きさに裁断して使用した。
前記実施例及び比較例で得られた接着シートから順次剥離ライナーを除去して600μmの厚さまで積層した後、120℃の乾燥機中に30秒間放置して各層間を感熱接着させた。幅5mm及び測定部の長さを20mmとし、両端の持ち手の長さを各20mmに裁断した長方形状のものを試験片とした。両面の剥離ライナーを剥離除去し、引っ張りの動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、RSA III)を用いて、昇温速度5℃/分、測定周波数3.0Hz、測定温度範囲-50~200℃の範囲で測定し、-20℃、25℃、100℃、150℃それぞれにおける引っ張り貯蔵弾性率(E’a-20、E’a25、E’a100、E’a150)及び損失正接(tanδ)を測定した。得られた損失正接(tanδ)のグラフから、ピーク温度の有無及びその温度及びピーク温度における損失正接(tanδ)を読み取った。
前記実施例及び比較例で得られた接着シートを30cm角の大きさに裁断し、実施例1~9及び比較例1~3、5の接着シートの剥離ライナーB(PETフィルム「50E-0010BD)或いは比較例4で使用した接着シートの軽剥離側の剥離ライナーを除去し、同じ大きさの熱可塑性貼合材(B-1)へハンドローラーで仮貼合し、その後120℃に加熱した熱ラミネーター(テスター産業株式会社製、「SA-1010小型卓上テストラミネーター」)へ速度1m/分、圧力0.2MPaで通し、熱可塑性貼合材(B-1)へ接着シートを感熱接着させた。
次に、前記試料を10cm角に裁断し、残り片面の剥離ライナーを除去し、12cm角の大きさの成形物(C-1)の表面に載せ、熱プレス装置(テスター産業株式会社製熱プレス機「TP-750エアープレス」)にセットし、熱可塑性貼合材(B-1)の表面側のみを圧力0.2MPaで140℃で15秒間加熱し、前記試料を成形物(C-1)の表面に感熱接着させ、貼合物を得た。
なお、比較例4は感圧接着シートであるが、前記と同条件にて貼合物を作製した。以下の評価においても、断りが無い限り、他の実施例や比較例と同条件にて貼合物を作製して使用した。
得られた前記貼合物の外観を、下記基準にて目視評価した。
◎:微細な気泡或いは剥がれは全く無かった。
〇:ごくわずかに微細な気泡或いは剥がれが有ったが、外観上問題ないレベルであった。
×:気泡或いは剥がれが有り、外観上劣るものであった。
前記貼付物を、続けて温度85℃及び相対湿度85%RHの環境下に250時間放置した後、貼付物の外観の変化を前記同様の基準で目視評価した。
<高温多湿環境放置後の耐発泡性及び耐剥がれ性の評価>
◎:放置前と比較し、微細な気泡或いは剥がれの増加は全く無かった。
〇:放置前と比較し、ごくわずかに微細な気泡或いは剥がれの増加が有ったが、外観上問題ないレベルであった。
×:放置前と比較し、気泡或いは剥がれが増加し、外観上劣るものとなっていた。
前記貼付物を、温度-20℃の環境下で30分間放置し、引き続き温度85℃の環境下で30分間放置する条件を250回繰り返した後、貼付物の外観を前記高温多湿環境放置後の耐発泡性及び耐剥がれの評価方法と同様の基準で目視評価した。
走査型プローブ顕微鏡(SPM)の位相モードで、前記実施例及び比較例で得られた接着シートの接着剤表面の任意箇所を、1μmの視野範囲で走査して得られた画像について、相分離の形態を目視確認した。また、任意の5点以上の重合体ブロック(S2)で形成されたドメインの長辺の長さを測長して平均し、重合体ブロック(S2)のドメインの大きさとした。走査型プローブ顕微鏡として、Pacific Nanotechnology社製「Nano-DST」を使用し、クロースコンタクトモードで測定した。
実施例及び比較例で得られた接着シートを30cm角の大きさに裁断し、実施例1~9及び比較例1~3、5の接着シートの剥離ライナーB(PETフィルム「50E-0010BD)或いは比較例4で使用した接着シートの軽剥離側の剥離ライナーを除去し、同じ大きさの熱可塑性貼合材(B-2)へハンドローラーで仮貼合し、その後120℃に加熱した前記熱ラミネーターへ速度1m/分、圧力0.2MPaで通し、熱可塑性貼合材(B-2)へ接着シートを感熱接着させた。
次に、前記試料を幅1cm、長さ10cmに裁断し、温度23℃及び相対湿度50%RH環境下で、残り片面の剥離ライナーを除去し、幅2cm、長さ12cmの大きさに切断した成形物(C-1)の表面に載せ、2kgローラーで1往復加圧し、1分間以内に恒温槽を備えたテンシロン型引っ張り試験機(株式会社エー・アンド・ディ製、RTG-1210)にて、前記環境下のまま接着シートが積層された熱可塑性貼合材(B-2)を180°方向へ50mm/分の引っ張り速度で引っ張った際の引き剥がし抵抗力を測定した。
なお、スティックスリップ現象で剥離する場合は、断続する引き剥がし抵抗力の各ピークの平均値を引き剥がし接着力とした。
前記貼付直後の引き剥がし接着力の評価と同様にして、幅1cm、長さ10cmに裁断し、温度23℃及び相対湿度50%RH環境下で、残り片面の剥離ライナーを除去し、幅2cm、長さ12cmの大きさに切断した成形物(C-1)の表面へ載せた後、前記熱プレス装置にセットし、熱可塑性貼合材(B-2)の表面側のみを圧力0.2MPaで140℃で15秒間加熱し、前記試料を成形物(C-1)の表面に感熱接着させ、貼合物を得た。得られた貼合物を、前記貼付直後の引き剥がし接着力の評価と同様にして、加熱接着後の23℃雰囲気下での引き剥がし抵抗力を測定した。前記と同様にして貼合物を作製し、温度90℃環境下及び-20℃環境下での引き剥がし抵抗力を測定した。
なお、スティックスリップ現象で剥離する場合は、断続する引き剥がし抵抗力の各ピークの平均値を引き剥がし接着力とした。
前記実施例及び比較例で得られた接着シートを30cm角の大きさに裁断し、実施例1~9及び比較例1~3、5の接着シートの剥離ライナーB(PETフィルム「50E-0010BD)或いは比較例4で使用した接着シートの軽剥離側の剥離ライナーを除去し、同じ大きさの熱可塑性貼合材(B-1)へハンドローラーで仮貼合し、その後120℃に加熱した前記熱ラミネーターへ速度1m/分、圧力0.2MPaで通し、熱可塑性貼合材(B-1)へ感熱接着シートを接着させた。
次に、前記試料を10cm角に裁断し、残り片面の剥離ライナーを除去し、接着層表面に12cm長さに裁断した直径0.2mmのポリウレタン銅線(サンコー電商有限会社製、UEW)を等間隔に5本載せ、熱可塑性貼合材(B-1)側から前記熱プレス装置にて、圧力0.2MPaで140℃で15秒間加熱し、熱可塑性貼合材(B-1)と接着シートと金属線が積層された箇所の減少厚さを測定し、埋設率を下記基準で算出した。さらに、埋設率が25%を超えるものを○、超えないものを×とした。
埋設率[%]=熱プレス前後での減少厚さ[μm]/接着シートの厚さ[μm]×100
実施例及び比較例で得られた接着シートを30cm角の大きさに裁断し、片面の剥離ライナーを除去し、同じ大きさの熱可塑性貼合材(B-2)へハンドローラーで仮貼合し、その後120℃に加熱した前記熱ラミネーターへ速度1m/分、圧力0.2MPaで通し、熱可塑性貼合材(B-2)へ接着シートを感熱接着させた。
次に、5cm角の大きさに裁断し、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下にて、ブライトアニールされた厚さ1mmのSUS304のステンレス板上に置き、2kgローラーで300mm/分の速度で1往復加圧した。1分後に90°方向へ手で1m/分程度の引っ張り速度で剥離し、貼り位置の修正しやすさの評価として、接着シートを積層した熱可塑性貼合材(B-2)の剥離のしやすさを評価した。
◎:剥離しやすく、熱可塑性貼合材(B-2)の変形も見られなかった。
〇:ごくわずかに剥離が重いが、熱可塑性貼合材(B-2)の変形は見られなかった。 ×:剥離が重く、熱可塑性貼合材(B-2)の変形が見られた。
全光線透過率Ttとヘイズは、実施例及び比較例で得られた接着シートから両面の剥離ライナーを除去し、全光線透過率Tt及びヘイズを株式会社村上色彩技術研究所製「HR-100型」を使用し、測定した。
一方、比較例1、3、4で得られた感熱接着シート及び感圧接着シートでは、100℃における引っ張り貯蔵弾性率が規定の範囲を下回っており、接着シートが積層された熱可塑性貼合材を140℃に加熱して成形物表面へ貼合する工程において、熱可塑性貼合材から発生しうる気体による気泡の形成や熱可塑性貼合材の剥がれが発生しており、外観上劣る貼合物となっている。また、比較例2で得られた感熱接着シートは、100℃における引っ張り貯蔵弾性率が規定の範囲を上回っており、前記貼合工程での気泡の形成は無いものの、冷熱が繰り返さる環境に放置された際に気泡の形成及び剥がれを生じており、外観上劣る貼合物となっている。比較例5で得られた感熱接着シートは、100℃における引っ張り貯蔵弾性率が規定の範囲内にあるが、-20℃以下の温度域に引っ張りの損失正接(tanδ)のピーク温度を有しておらず、冷熱が繰り返さる環境に放置された際に気泡の形成及び剥がれを生じており、外観上劣る貼合物となった。
2 重合体ブロック(S2)のドメイン
Claims (11)
- -50℃~200℃の範囲内で、且つ周波数3Hzで測定された引っ張りの損失正接(tanδ)のピーク温度を90℃以上に少なくとも一以上及び-20℃以下に少なくとも一以上有し、且つ100℃における引っ張り貯蔵弾性率(E’a100)が5×105Pa~1×108Paである感熱接着剤層(a)を有し、
前記感熱接着剤層(a)が、-20℃以下にガラス転移温度を有する重合体ブロック(S1)と90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)とを有するブロック共重合体を含有し、前記ブロック共重合体中における前記重合体ブロック(S2)の含有率が29質量%~49質量%であり、
前記ブロック共重合体は、前記重合体ブロック(S1)が、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、ブタジエン、ブタジエンの水素添加物、イソブテン、及びイソブテンの水素化物からなる群から選択される少なくとも1種からなる重合体ブロックであり、前記重合体ブロック(S2)が、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びスチレンからなる群から選択される少なくとも1種からなる重合体ブロックであり、
前記ブロック共重合体の前記重合体ブロック(S1)と前記重合体ブロック(S2)の組み合わせは、
前記重合体ブロック(S1)がメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの少なくとも1種からなる重合体ブロックであり、前記重合体ブロック(S2)がメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの少なくとも1種からなる重合体ブロックである、
もしくは、
前記重合体ブロック(S1)がブタジエン、ブタジエンの水素添加物、イソブテン、及びイソブテンの水素化物からなる群から選択される少なくとも1種からなる重合体ブロックであり、前記重合体ブロック(S2)がスチレンの重合体ブロックであり、
前記感熱接着剤層(a)を接着層として熱可塑性貼合材(B)を成形物(C)の表面に貼合するために用いられる感熱接着シート。 - 前記感熱接着剤層(a)中の粘着付与剤の含有量が、前記ブロック共重合体の総量100質量部に対して0質量部、又は1質量部~30質量部である、請求項1記載の感熱接着シート。
- 前記感熱接着剤層(a)が、前記ブロック共重合体として、前記重合体ブロック(S1)がポリアクリル酸n-ブチルからなり、前記重合体ブロック(S2)がポリメタクリル酸メチルからなるブロック共重合体を含有するか、又は、前記重合体ブロック(S1)が水素化ポリブタジエンからなり、前記重合体ブロック(S2)がポリスチレンからなるブロック共重合体を含有する、請求項1又は2に記載の感熱接着シート。
- 前記感熱接着剤層(a)が、90℃以上のガラス転移温度を有する重合体ブロック(S2)が形成するドメインの大きさが平均160nm以上のブロック共重合体を含有する、請求項1~3いずれか一項に記載の感熱接着シート。
- 前記感熱接着剤層(a)が、10μm~300μmの範囲の厚さを有するものである、請求項1~4いずれか一項に記載の感熱接着シート。
- 前記熱可塑性貼合材(B)の厚さが、0.05mm~5mmである、請求項1~5いずれか一項に記載の感熱接着シート。
- 前記熱可塑性貼合材(B)及び前記成形物(C)の少なくとも一方が、温度85℃及び相対湿度85%RHの環境下に24時間放置された場合に気体を発生し得る被着体である請求項1~6いずれか一項に記載の感熱接着シート。
- 前記感熱接着剤層(a)と前記熱可塑性貼合材(B)の間、または、前記感熱接着剤層(a)と前記成形物(C)の間に、前記感熱接着シートの厚みの35%以下の厚みの加飾層或いは金属加工層が積層された請求項1~7のいずれかに記載の感熱接着シート。
- 請求項1~8に記載の感熱接着シートの感熱接着剤層(a)を接着層として熱可塑性貼合材(B)を成形物(C)の表面に貼合した物品の製造方法において、
前記感熱接着シートの前記感熱接着剤層(a)と前記熱可塑性貼合材(B)とを貼合して積層物を形成する工程[1]と、
前記工程[1]の後、前記熱可塑性貼合材(B)或いは前記感熱接着剤層(a)を90℃~200℃に加熱し、前記積層物の感熱接着剤層(a)と前記成形物(C)とを加圧して貼合する工程[2]と、を含む物品の製造方法。 - 請求項1~8に記載の感熱接着シートの感熱接着剤層(a)を接着層として熱可塑性貼合材(B)を成形物(C)の表面に貼合した物品の製造方法において、
前記感熱接着シートの前記感熱接着剤層(a)を90℃~200℃に加熱し、前記感熱接着シート(A)の前記感熱接着剤層(a)と前記成形物(C)とを加圧して貼合する工程[3]と、
前記工程[3]の後、前記熱可塑性貼合材(B)を90℃~200℃に加熱し、前記熱可塑性貼合材(B)と前記感熱接着剤層(a)とを加圧して貼合する工程[4]と、を含む物品の製造方法。 - 請求項1~8に記載の感熱接着シートの感熱接着剤層(a)を接着層として熱可塑性貼合材(B)を成形物(C)の表面に貼合した物品の製造方法において、
前記感熱接着シートの前記感熱接着剤層(a)と前記熱可塑性貼合材(B)とを貼合して積層物を形成する工程[1]と、
前記工程[1]の後、前記積層物の前記熱可塑性貼合材(B)或いは前記感熱接着剤層(a)を90℃~200℃に加熱し、前記成形物(C)と同型の型枠に加圧し、前記積層物を前記成形物(C)の形状へ成形する工程[5]と、
成形した前記積層物を前記成形物(C)の表面に被せ、前記熱可塑性貼合材(B)或いは前記成形物(C)の少なくとも一方の側から前記感熱接着剤層(a)を90℃~200℃に加熱して、前記感熱接着剤層(a)と前記成形物(C)とを貼合する工程[6]と、を含む物品の製造方法。
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