定義
具体的な官能基および化学用語の定義がより詳細に下に記載される。化学元素はHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、具体的な官能基はそこに記載のとおりに一般に定義される。加えて、有機化学の一般の法則、さらには具体的な官能部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本明細書に記載の化合物は1以上の不斉中心を含み得、それゆえに種々の立体異性体形態、例としてエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、または幾何異性体の形態であり得るか、または立体異性体の混合物の形態であり得る(ラセミ混合物、および1以上の立体異性体が富化された混合物を包含する)。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得る;または好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照。加えて、本発明は、他の異性体が実質的にない個々の異性体としての、およびその代わりに、種々の異性体の混合物としての化合物を網羅する。
式中、
は、そこに直接結合する部分の立体配置が特定されない単結合であり、
は存在しないかまたは単結合であり、
または
は単結合または二重結合である。
特に明記しない限り、本明細書中に表される構造は、一つ以上の同位体濃縮された原子の存在の点で異なる化合物をも包含することを意味する。例えば、デューテリウムまたはトリチウムによる水素の置換、18Fによる19Fの置換、または13Cまたは14Cによる12Cの置換以外は本発明の構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。そのような化合物は、例えば生物学的アッセイにおける分析用ツールまたはプローブとして有用であり得る。
値の範囲が列挙されるとき、その範囲内の各値および部分範囲を網羅することが意図される。例えば「C1~6アルキル」はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5、およびC5~6アルキルを網羅することが意図される。
「脂肪族」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよび炭素環式基を指す。同様に、「ヘテロ脂肪族」という用語は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルおよび複素環式基を指す。
用語「アルキル」は、1個から10個までの炭素原子を有する、直鎖のまたは分岐の飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1~10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1~9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例は、メチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)(例として、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(C4)(例として、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル)、ペンチル(C5)(例として、n-ペンチル、3-ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3-メチル-2-ブタニル、第三級アミル)、およびヘキシル(C6)(例として、n-ヘキシル)を含む。アルキル基の追加の例は、n-ヘプチル(C7)、n-オクチル(C8)等を含む。別段の定めのない限り、アルキル基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換アルキル」)、または1以上の置換基(例として、Fなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、非置換C1~10アルキルである(非置換C1~6アルキルなど、例として-CH3(Me)、非置換エチル(Et)、非置換プロピル(Pr、例として、非置換n-プロピル(n-Pr)、非置換イソプロピル(i-Pr))、非置換ブチル(Bu、例として、非置換n-ブチル(n-Bu)、非置換tert-ブチル(tert-Buまたはt-Bu)、非置換sec-ブチル(sec-Bu)、非置換イソブチル(i-Bu)など)である。ある態様において、アルキル基は、置換C1~10アルキル(置換C1~6アルキルなど、例として-CF3、Bn)である。
「ハロアルキル」という用語は、水素原子の1つ以上がハロゲン、例えばフルオロ、ブロモ、クロロまたはヨードで独立に置換された、置換アルキル基である。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2ハロアルキル」)。ハロアルキル基の例は、-CHF2、-CH2F、-CF3、-CH2CF3、-CF2CF3、-CF2CF2CF3、-CCl3、-CFCl2、-CF2Cl等を包含する。
「ヘテロアルキル」という用語は、主鎖の内部の(すなわち隣接する炭素原子間に挿入された)および/または1つ以上の末端位置(単数もしくは複数)に位置する、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1、2、3または4個のヘテロ原子)を更に包含するアルキル基を指す。特定の態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~20個の炭素原子と1個以上のヘテロ原子とを有する飽和基を指す(「ヘテロC1~20アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~9個の炭素原子と1個以上のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~9アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~18個の炭素原子と1個以上のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~18アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~16個の炭素原子と1個以上のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~16アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1~14個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~14アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1~12個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~12アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1~10個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~10アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1~8個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~8アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~6個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~6アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~4個の炭素原子と、1個または2個のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~4アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~3個の炭素原子と1個のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~3アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、主鎖内部に1~2個の炭素原子と1個のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1~2アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子と1個のヘテロ原子とを有する飽和基である(「ヘテロC1アルキル」)。いくつかの態様において、本明細書において定義されるヘテロアルキル基は、親鎖中の1個以上のヘテロ原子、および少なくとも1個の不飽和炭素を有する、部分的に不飽和の基、例えばカルボニル基である。例えば、ヘテロアルキル基は、1個以上の炭素原子が不飽和カルボニル基となるように、その親鎖中にアミドまたはエステル官能基を含んでもよい。特に明記しない限り、ヘテロアルキル基の各々は独立に、非置換(「非置換ヘテロアルキル」)であるか、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。特定の態様において、ヘテロアルキル基は、非置換ヘテロC1~20アルキルである。ある態様において、ヘテロアルキル基は、置換ヘテロC1~20アルキルである。特定の態様において、ヘテロアルキル基は、置換ヘテロC1~10アルキルである。
「アルケニル」という用語は、2個から10個までの炭素原子および1以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1、2、3、または4重結合)を有し、直鎖のまたは分岐の炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C
2~9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C
2~8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C
2~7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C
2~6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C
2~5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C
2~4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C
2~3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C
2アルケニル」)。1以上の炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニルにおいて、など)または末端(1-ブテニルにおいて、など)であり得る。C
2~4アルケニル基の例は、エテニル(C
2)、1-プロペニル(C
3)、2-プロペニル(C
3)、1-ブテニル(C
4)、2-ブテニル(C
4)、ブタジエニル(C
4)等を包含する。C
2~6アルケニル基の例は、前述のC
2~4アルケニル基ならびにペンテニル(C
5)、ペンタジエニル(C
5)、ヘキセニル(C
6)等を含む。アルケニルの追加の例は、ヘプテニル(C
7)、オクテニル(C
8)、オクタトリエニル(C
8)等を包含する。別段の定めのない限り、アルケニル基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換アルケニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は、非置換C
2~10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換C
2~10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合(例として、-CH=CHCH
3または
)は、(E)または(Z)二重結合であってもよい。
「ヘテロアルケニル」という用語は、主鎖の内部の(すなわち隣接する炭素原子間に挿入された)および/または1つ以上の末端位置(単数もしくは複数)に位置する、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1、2、3または4個のヘテロ原子)を更に包含するアルケニル基を指す。特定の態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~10個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する基(「ヘテロC2~10アルケニル」)を指す。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~9個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~9アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~8個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~8アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~7個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~7アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~6個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~6アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~5個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1または2個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~5アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~4個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1または2個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~4アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~3個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~3アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、主鎖内部に2~6個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1または2個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~6アルケニル」)。特に明記しない限り、ヘテロアルケニル基の各々は独立に、非置換(「非置換ヘテロアルケニル」)であるか、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルケニル」)。特定の態様において、ヘテロアルケニル基は、非置換ヘテロC2~10アルケニルである。特定の態様において、ヘテロアルケニル基は、置換ヘテロC2~10アルケニルである。
「アルキニル」という用語は、2個から10個までの炭素原子、1以上の炭素-炭素三重結合(例えば1、2、3または4三重結合)および直鎖のまたは分岐の炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1以上の炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニルにおいて、など)または末端(1-ブチニルにおいて、など)であり得る。C2~4アルキニル基の例は、限定せずに、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)等を包含する。C2~6アルケニル基の例は、前述のC2~4アルキニル基ならびにペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)等を包含する。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)等を包含する。別段の定めのない限り、アルキニル基の各々は独立して、任すなわち非置換であるか(「非置換アルキニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、非置換C2~10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換C2~10アルキニルである。
「ヘテロアルキニル」という用語は、主鎖の内部の(すなわち隣接する炭素原子間に挿入された)および/または1つ以上の末端位置(単数もしくは複数)に位置する、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1、2、3または4個のヘテロ原子)を更に包含するアルキニル基を指す。特定の態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~10個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する基(「ヘテロC2~10アルキニル」)を指す。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~9個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~9アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~8個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~8アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~7個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~7アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~6個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個以上のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~6アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~5個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~5アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~4個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~4アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~3個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~3アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、主鎖内部に2~6個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2個のヘテロ原子と、を有する(「ヘテロC2~6アルキニル」)。特に明記しない限り、ヘテロアルキニル基の各々は独立に、非置換(「非置換ヘテロアルキニル」)であるか、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。特定の態様において、ヘテロアルキニル基は、非置換ヘテロC2~10アルキニルである。特定の態様において、ヘテロアルキニル基は、置換ヘテロC2~10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」という用語は、非芳香環系中に3~14個の環構成炭素原子とゼロ個のヘテロ原子とを有する非芳香族の環状炭化水素基のラジカルを指す(「C3~14カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~10個の環構成炭素原子を有する(「C3~10カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~8個の環構成炭素原子を有する(C3~8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~7個の環構成炭素原子を有する(「C3~7カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~6個の環構成炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、4~6個の環構成炭素原子を有する(「C4~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5~6個の環構成炭素原子を有する(「C5~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5~10個の環構成炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示的なC3~6カルボシクリル基は、限定なしに、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)などを包含する。例示的なC3~8カルボシクリル基は、限定なしに、上記のC3~6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)などを包含する。例示的なC3~10カルボシクリル基は、限定なしに、上記のC3~8カルボシクリル基、ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などを包含する。上記の例が示すように、特定の態様において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)であるか、または、多環式(例えば二環系(「二環式カルボシクリル」)もしくは三環系(「三環カルボシクリル」)などの縮合型、架橋型またはスピロ環系を含有する)どちらかであり、飽和し得、または1つ以上の炭素-炭素二重もしくは三重結合を含有し得る。「カルボシクリル」はまた、上記で定義されるカルボシクリル環が、1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合し、結合点がカルボシクリル環上にある環系が含まれ、そのような場合、炭素数は、継続して炭素環系内の炭素数を指定する。特に明記しない限り、カルボシクリル基の各々は独立に非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。特定の態様において、カルボシクリル基は、非置換C3~14カルボシクリルである。特定の態様において、カルボシクリル基は、置換C3~14カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3~14個の環構成炭素原子を有する単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3~14シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~10個の環構成炭素原子を有する(「C3~10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~8個の環構成炭素原子を有する(「C3~8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~6個の環構成炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、4~6個の環構成炭素原子を有する(「C4~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5~6個の環構成炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5~10個の環構成炭素原子を有する(「C5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例は、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)を包含する。C3~6シクロアルキル基の例は、上記のC5~6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)を包含する。C3~8シクロアルキル基の例は、上記のC3~6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)を包含する。特に明記しない限り、シクロアルキル基の各々は独立に、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。特定の態様において、シクロアルキル基は非置換C3~14シクロアルキルである。特定の態様において、シクロアルキル基は置換C3~14シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「複素環式」の用語は、環構成炭素原子と、1~4つの環構成ヘテロ原子とを有する3-14員の非芳香環系のラジカルを指し(「3-14員ヘテロシクリル」)、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、原子価が許す限り、結合点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)であるか、または、多環式(例えば二環系(「二環式ヘテロシクリル」)もしくは三環系(「三環ヘテロシクリル」)などの縮合型、架橋型またはスピロ環系)であり得、飽和し得、または1つ以上の炭素-炭素二重もしくは三重結合を含有し得る。ヘテロシクリル多環系は、1つ以上のヘテロ原子を1つまたは両方の環に包含し得る。「ヘテロシクリル」はまた、上記で定義されるヘテロシクリル環が1つ以上のカルボシクリル基と縮合し、結合点がヘテロシクリルまたはカルボシクリル環上どちらかにある環系、または、上記で定義されるヘテロシクリル環が1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合し、結合点がヘテロシクリル環上にある環系を包含し、そのような場合には、環員数は、継続してヘテロシクリル環系の環員数を指定する。特に明記しない限り、ヘテロシクリルの各々は独立に非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。特定の態様において、ヘテロシクリル基は、非置換3-14員ヘテロシクリルである。特定の態様において、ヘテロシクリル基は、置換3-14員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
例示的な1個のヘテロ原子を含有する3員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アジリジニル、オキシラニルおよびチイラニル(thiiranyl)を包含する。例示的な1個のヘテロ原子を含有する4員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルを包含する。例示的な1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロシクリル基は限定なしに、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンを包含する。例示的な2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロシクリル基は、限定なしに、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルを包含する。例示的な3個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロシクリル基は、限定なしに、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルを包含する。例示的な1個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロシクリル基は、限定なしに、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルを包含する。例示的な2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロシクリル基は、限定なしに、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルを包含する。例示的な3個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロシクリル基は、限定なしに、トリアジニルを包含する。例示的な1個のヘテロ原子を含有する7員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルを包含する。例示的な二環式ヘテロシクリル基は、限定なしに、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ-1,8-ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7-テトラヒドロピラノ[3,4-b]ピロリル、5,6-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-b]ピロリル、6,7-ジヒドロ-5H-フロ[3,2-b]ピラニル、5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラニル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニル、などを包含する。
「アリール」という用語は、芳香族環系において提供された6~14個の環炭素原子およびゼロ個のへテロ原子を有する、単環式のまたは多環式の(例として、二環式のまたは三環式の)4n+2芳香族環系(例として、環式のアレイ中に共有される6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6~14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例としてフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例として、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例としてアントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、上に定義されるとおり、アリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合されており、ラジカルまたは付着点がアリール環上にある環系をも包含する。かかる実例において、炭素原子数は、アリール環系中の炭素原子数を通して指定する。別段の定めのない限り、アリール基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換アリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、非置換C6~14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換C6~14アリールである。
「アラルキル」は「アルキル」の下位概念であり、アルキル部分上に結合点がある、アリール基で置換されているアルキル基を指す。
「ヘテロアリール」という用語は、環構成炭素原子と1~4つの環構成ヘテロ原子とを芳香環系内に提供されて有する5-14員の単環式もしくは多環式(例えば二環式、三環系)の4n+2(例えば6、10または14個のπ電子が環状配列で共有される)芳香環系のラジカルを指し(「5-14員ヘテロアリール」)、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、原子価が許す限り、結合点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環系は、1つ以上のヘテロ原子を1つまたは両方の環に包含し得る。「ヘテロアリール」は、上記で定義されるヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合し、結合点がヘテロアリール環上にある環系を包含し、そのような場合には、環員数は、継続してヘテロアリール環系の環員数を指定する。「ヘテロアリール」はまた、上記で定義されるヘテロアリール環が、1つ以上のアリール基と縮合し、結合点がアリールまたはヘテロアリール環上にある環系をも包含し、そのような場合には、環員数は、縮合多環(アリール/ヘテロアリール)系内の環員数を指定する。1つの環がヘテロ原子を含有しない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)では、結合点は、どちらかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば2-インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環(例えば5-インドリル)どちらかの上にあり得る。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4員の環ヘテロ原子を有する5~10員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~10員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の芳香族環系であって、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別段の定めのない限り、ヘテロアリール基の各々は独立して、非置換(「非置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、非置換5~14員のヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換5~14員のヘテロアリールである。
例示的な1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定なしにピロリル、フラニルおよびチオフェニルを包含する。例示的な2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定なしにイミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル基、チアゾリルおよびイソチアゾリルを包含する。例示的な3個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定なしにトリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアソリルを包含する。例示的な4個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定なしにテトラゾリルを包含する。例示的な1個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール基は限定なしに、ピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は、限定なしにピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルを包含する。例示的な3または4個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール基は、限定なしにそれぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルを包含する。例示的な1個のヘテロ原子を含有する7員のヘテロアリール基は、限定なしにアゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルを包含する。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基は、限定なしにインドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルを包含する。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基は、限定なしにナフチリジニル、プトレリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルを包含する。例示的な三環式ヘテロアリール基は、限定なしにフェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびフェナジニルを包含する。
「ヘテロアラルキル」は、「アルキル」の下位概念であり、アルキル部分上に結合点がある、ヘテロアリール基によって置換されているアルキル基を指す。
「不飽和結合」という用語は、二重または三重結合を指す。
「不飽和」または「部分的に不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を包含する部分を指す。
「飽和の」という用語は、二重または三重結合を含有しない部分を指し、すなわち、部分が単結合のみを含有する。
接尾辞「-エン(ene)」を基に付けることは、基が二価の部分であることを示し、例えば、アルキレンはアルキルの二価部分であり、アルケニレンはアルケニルの二価部分であり、アルキニレンはアルキニルの二価部分であり、ヘテロアルキレンはヘテロアルキルの二価部分であり、ヘテロアルケニレンはヘテロアルケニルの二価部分であり、ヘテロアルキニレンはヘテロアルキニルの二価部分であり、カルボシクリレンはカルボシクリルの二価部分であり、ヘテロシクリレンはヘテロシクリルの二価部分であり、アリーレンはアリールの二価部分であり、ヘテロアリーレンはヘテロアリールの二価部分である。
特に明示しない限り、基は任意に置換される。「任意に置換される」という用語は、置換されているかまたは非置換であることを指す。特定の態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、任意に置換される。「任意に置換される」とは、置換または非置換であり得る基を指す(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロアルキル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロアルケニル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロアルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリールまたは「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。通常、「置換される」という用語は、基上に存在する少なくとも1つの水素が、妥当な置換基、例えば、置換されることにより、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離または他の反応等により自発的に変換を受けない化合物をもたらす置換基で置換されることを意味する。特に明記しない限り、「置換された」基は、基内の1つ以上の置換可能位置に置換基を有し、いずれかの所与の構造中の1つの位置よりも多くが置換されるときに、置換基は各位置で同じであるかまたは異なるかどちらかである。「置換される」という用語は、有機化合物の全ての妥当な置換基による置換を包含することが企図され、本明細書に記載される、安定化合物の形成をもたらす置換基のいずれかを包含する。本発明は、安定化合物をに到達するためにいずれかおよび全てのそのような組合せを企図する。本発明の目的のため、窒素等のヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たし、安定部分をもたらす水素置換基および/または本明細書に記載のいずれかの好適な置換基を有し得る。本発明は、本明細書に記載の例示的な置換基により、いずれかの様式で限定されることを意図されていない。
例示的な炭素原子置換基は、これらに限定されないが、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3
+X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)3、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(ORcc)2、-P(Rcc)3
+X-、-P(ORcc)3
+X-、-P(Rcc)4、-P(ORcc)4、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3
+X-、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3
+X-、-OP(Rcc)4、-OP(ORcc)4、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員ヘテロアリールを包含し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される;ここでX-は、対イオンである;
または、炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccで置き換えられる;
Raaの各々は独立して、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRaa基は連結して、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rbbの各々は独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、-P(=O)(N(Rcc)2)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRbb基は連結して、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;ここでX-は、対イオンである;
Rccの各々は独立して、水素、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRcc基は連結して、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rddの各々は独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)(ORee)2、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリールから選択されるか(ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている)、または2個のジェミナルRdd置換基は連結して、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX-は、対イオンである;
Reeの各々は独立して、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリル、および3~10員のヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;
Rffの各々は独立して、水素、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリールおよび5~10員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRff基は連結して、3~10員のヘテロシクリルまたは5~10員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;および
Rggの各々は独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)3
+X-、-NH(C1~6アルキル)2
+X-、-NH2(C1~6アルキル)+X-、-NH3
+X-、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO2(C1~6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1~6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO2(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)2、-OC(=NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(=NH)NH2、-NHC(=NH)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1~6アルキル)、-SO2N(C1~6アルキル)2、-SO2NH(C1~6アルキル)、-SO2NH2、-SO2C1~6アルキル、-SO2OC1~6アルキル、-OSO2C1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)3、-OSi(C1~6アルキル)3、-C(=S)N(C1~6アルキル)2、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)(OC1~6アルキル)2、-P(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(OC1~6アルキル)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールである;または、2つのジェミナルRgg置換基は連結して、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX-は、対イオンである。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)またはヨウ素(ヨード、-I)を指す。
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、基-OHを指す。用語「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシ」は、延長線上で考えると(by extension)、親分子へ直接付着されている(attached to)酸素原子が、水素以外の基で置換されているヒドロキシル基を指し、-ORaa、-ON(Rbb)2、-OC(=O)SRaa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-OC(=O)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-OS(=O)Raa、-OSO2Raa、-OSi(Raa)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3
+X-、-OP(ORcc)2、-OP(ORcc)3
+X-、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、および-OP(=O)(N(Rbb)2)2から選択される基を包含し、ここでX-、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。
「アミノ」という用語は、-NH2基を指す。その延長で、「置換アミノ」という用語は、一置換アミノ、二置換アミノまたは三置換アミノを指す。特定の態様において、「置換アミノ」は一置換アミノまたは二置換アミノ基である。
「一置換アミノ」という用語は、親分子に直接結合する窒素原子が、1つの水素と水素以外の1つの基で置換されたアミノ基を指し、-NH(Rbb)、-NHC(=O)Raa、-NHCO2Raa、-NHC(=O)N(Rbb)2、-NHC(=NRbb)N(Rbb)2、-NHSO2Raa、-NHP(=O)(ORcc)2および-NHP(=O)(N(Rbb)2)2から選択される基を包含し、式中、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されるとおりであり、-NH(Rbb)基のRbbは水素ではない。
「二置換アミノ」という用語は、親分子に直接結合する窒素原子が、水素以外の2つの基で置換されたアミノ基を指し、-N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbSO2Raa、-NRbbP(=O)(ORcc)2および-NRbbP(=O)(N(Rbb)2)2から選択される基を包含し、式中、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されるとおりであり、ただし親分子に直接結合する窒素原子は、水素で置換されていない。
「三置換アミノ」という用語は、親分子に直接結合する窒素原子が、3つの基で置換されたアミノ基を指し、-N(Rbb)3および-N(Rbb)3
+X-から選択される基を包含し、式中、RbbおよびX-は、本明細書で定義されるとおりである。
「スルホニル」という用語は、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raaおよび-SO2ORaaから選択される基を指し、RaaおよびRbbは、本明細書で定義されるとおりである。
用語「スルフィニル」とは、基-S(=O)Raaを指し、ここで、Raaは、本明細書において定義されるとおりである。
「アシル」という用語は、-C(=O)RX1、-C(=O)ORX1、-C(=O)-O-C(=O)RX1、-C(=O)SRX1、-C(=O)N(RX1)2、-C(=S)RX1、-C(=S)N(RX1)2、-C(=S)O(RX1)、-C(=S)S(RX1)、-C(=NRX1)RX1、-C(=NRX1)ORX1、-C(=NRX1)SRX1および-C(=NRX1)N(RX1)2の一般式を有する基を指し、式中、RX1は水素、ハロゲン、置換もしくは非置換ヒドロキシル、置換もしくは非置換チオール、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アシル、環状もしくは非環状・置換もしくは非置換・分岐状もしくは非分岐状脂肪族、環状もしくは非環状・置換もしくは非置換・分岐状もしくは非分岐状ヘテロ脂肪族、環状もしくは非環状・置換もしくは非置換・分岐状もしくは非分岐状アルキル、環状もしくは非環状・置換もしくは非置換・分岐状もしくは非分岐状アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノもしくはジ脂肪族アミノ、モノもしくはジヘテロ脂肪族アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、モノもしくはジヘテロアルキルアミノ、モノもしくはジアリールアミノ、またはモノもしくはジヘテロアリールアミノであるか、または、2つのRX1基は一緒になって5~6員の複素環式環を形成する。例示的なアシル基は、アルデヒド(-CHO)、カルボン酸(-CO2H)、ケトン、ハロゲン化アシル、エステル、アミド、イミン、カーボネート、カルバマートおよび尿素を包含する。アシル基の置換基は、限定なしに、安定部分をもたらす本明細書に記載の置換基のいずれかを包含する(例えば脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、イミノ、オキソ、イソシアノ、チオオキソ、シアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシ、など。それらの各々は、更に置換されるかまたは置換されないであり得る)。
「カルボニル」という用語は、親分子に直接結合する炭素がSP混成し、酸素、窒素または硫黄原子で置換された基、例えば、ケトン(例えば、-C(=O)Raa)、カルボン酸(例えば、-CO2H)、アルデヒド(-CHO)、エステル(例えば、-CO2Raa、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa)およびアミド(例えば、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-C(=S)N(Rbb)2))、およびイミド(例えば、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa)、-C(=NRbb)N(Rbb)2)、から選択される基を指し、式中、RaaおよびRbbは、本明細書で定義されるとおりである。
用語「シリル」とは、基-Si(Raa)3を指し、ここで、Raaは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「ボロニル」とは、ボラン、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボリン酸、およびボリン酸エステル、例えば例えば、式-B(Raa)2、-B(ORcc)2および-BRaa(ORcc)のボロニル基を指し、ここで、RaaおよびRccは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「ホスフィノ」とは、基-P(Rcc)3を指し、ここで、Rccは、本明細書において定義されるとおりである。例示的なホスフィノ基は、トリフェニルホスフィンである。
用語「ホスフィの」は、基-O(P=O)(ORcc)Raaを指し、ここで、RaaおよびRccは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「ホスホルアミド」は、基-O(P=O)(N(Rbb)2)2を指し、ここで、各々のRbbは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「スタニル」は、基-Sn(Rcc)3を指し、ここで、Rccは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「ゲルミル」は、基-Ge(Rcc)3を指し、ここで、Rccは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「アルセニル(arsenyl)」は、基-As(Rcc)3を指し、ここで、Rccは、本明細書において定義されるとおりである。
「オキソ」という用語は、=O基を指し、「チオオキソ」という用語は、=S基を指す。
窒素原子は、原子価が許す限り、置換または非置換であり得、一級、二級、三級、および四級の窒素原子を包含する。例示的な窒素原子の置換基は、これらに限定されないが、水素、OH、ORaa、N(Rcc)2、CN、C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員ヘテロアリールを包含するか、またはN原子へ付着された2個のRcc基は連結されて、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、ここでRaa、Rbb、Rcc、およびRddは、本明細書において定義されているとおりである。
特定の態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基である(また本明細書では「アミノ保護基」とも称する)。窒素保護基は、限定なしに、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(RCC)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例えばアラルキル、ヘテロアラルキル)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3-14員ヘテロシクリル、C6-14アリールおよび5-14員ヘテロアリール基を包含し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5つのRdd基で置換され、式中、Raa、Rbb、RccおよびRddは本明細書で定義されるとおりである。窒素保護基は当分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載のものを包含する。
定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロケイ皮酸アミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド、およびo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含する。
カルバマート基などの窒素保護基(例として、-C(=O)ORaa)は、これらに限定されないが、メチルカルバマート、エチルカルバマート、9-フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチルカルバマート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバマート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバマート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバマート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバマート(t-Bumeoc)、2-(2’-および4’-ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t-ブチルカルバマート(BOC)、1-アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8-キノリルカルバマート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p-ニトベンジルカルバマート、p-ブロモベンジルカルバマート、p-クロロベンジルカルバマート、2,4-ジクロロベンジルカルバマート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9-アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2-メチルチオエチルカルバマート、2-メチルスルホニルエチルカルバマート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバマート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバマート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバマート、3,5-ジメトキシベンジルカルバマート、o-ニトロベンジルカルバマート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバマート、t-アミルカルバマート、S-ベンジルチオカルバマート、p-シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート,シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p-デシルオキシベンジルカルバマート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバマート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1-ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバマート、2-フラニルメチルカルバマート、2-ヨードエチルカルバマート、イソボルニルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1-メチルシクロブチルカルバマート、1-メチルシクロヘキシルカルバマート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバマート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバマート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバマート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6-トリメチルベンジルカルバマートを包含する。
スルホンアミド基などの窒素保護基(例として、-S(=O)2Raa)は、これらに限定されないが、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含する。
他の窒素保護基は、これらに限定されないが、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボロン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含する。ある態様において、窒素保護基は、ベンジル(Bn)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、トリフェニルメチル(Tr)、トシル(Ts)、ブロシル(Bs)、ノシル(Ns)、メシル(Ms)、トリフリル(Tf)、またはダンシル(Ds)である。
特定の態様において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基である(また、本明細書では「ヒドロキシル保護基」とも称する)。酸素保護基は、限定なしに、-Raa、-N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-S(=O)Raa、-SO2Raa、-Si(Raa)3、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3
+X-、-P(ORcc)2、-P(ORcc)3
+X-、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2および-P(=O)(N(Rbb)2)2を包含し、式中、X-、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されるとおりである。酸素保護基は当分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載のものが含まれる。
例示的な酸素保護基は、これらに限定されないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、アリル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、ジフェニルメチル、p,p’-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4’-ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4"-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4"-トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4"-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3-(イミダゾール-1-イル)ビス(4’,4"-ジメトキシフェニル)メチル、1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-1’-ピレニルメチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イル、ベンゾイソチアゾリルS,S-ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ギ酸、ギ酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p-クロロフェノキシ酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-オキソペンタノアート(レブリアート)、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバル酸、アダマントアート(adamantoate)、クロトン酸、4-メトキシクロトン酸、安息香酸、p-フェニル安息香酸、2,4,6-トリメチル安息香酸(メシト酸)、メチルカルボネート、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、エチルカルボネート、2,2,2-トリクロロエチルカルボネート(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルカルボネート(TMSEC)、2-(フェニルスルホニル)エチルカルボネート(Psec)、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボネート(Peoc)、イソブチルカルボネート、ビニルカルボネート、アリルカルボネート、t-ブチルカルボネート(BOCまたはBoc)、p-ニトロフェニルカルボネート、ベンジルカルボネート、p-メトキシベンジルカルボネート、3,4-ジメトキシベンジルカルボネート、o-ニトロベンジルカルボネート、p-ニトロベンジルカルボネート、S-ベンジルチオカルボネート、4-エトキシ-1-ナフチルカルボネート、メチルジチオカルボネート、2-ヨード安息香酸、4-アジドブチラート、4-ニトロ-4-メチルペンタノアート、o-(ジブロモメチル)安息香酸、2-ホルミルベンゼンスルホン酸、2-(メチルチオメトキシ)エチル、4-(メチルチオメトキシ)酪酸、2-(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ酢酸、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノコハク酸、(E)-2-メチル-2-ブテン酸、o-(メトキシアシル)安息香酸、α-ナフトアート、硝酸、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’-テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN-フェニルカルバマート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシラート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を包含する。ある態様において、酸素保護基は、シリルである。ある態様において、酸素保護基は、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリル(TMS)、イソイソプロピルシロキシメチル(TOM)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、アリルカーボネート、2,2,2-トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカーボネート、メトキシメチル(MOM)、1-エトキシエチル(EE)、2-メトキシ-2-プロピル(MOP)、2,2,2-トリクロロエトキシエチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2-トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、p-メトキシフェニル(PMP)、トリフェニルメチル(Tr)、メトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、アリル、p-メトキシベンジル(PMB)、t-ブチル、ベンジル(Bn)、アリル、またはピバロイル(Piv)である。
ある態様において、硫黄原子上に存在する保護基は、硫黄保護基である(「チオール保護基」としてもまた言及される)。硫黄保護基として、これらに限定されないが、-Raa、-N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-S(=O)Raa、-SO2Raa、-Si(Raa)3、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3
+X-、-P(ORcc)2、-P(ORcc)3
+X-、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、および-P(=O)(N(Rbb)2)2が挙げられ、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりである。硫黄保護基は、当該分野において周知であり、本明細書において参考として援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis、T. W. Greene and P. G. M. Wuts、第3版(John Wiley & Sons、1999年)において詳細に記載されるものを含む。ある態様において、硫黄保護基は、アセタミドメチル、t-Bu、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル、2-ピリジン-スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
「対イオン」または「アニオン対イオン」は、電気的中性を維持するために正荷電基と会合した負荷電基である。アニオン対イオンは、一価(すなわち、1つの形式負電荷を包含する)であってもよい。アニオン対イオンは、二価または三価などの多価(すなわち、1つの形式負電荷よりも多くを包含する)であり得る。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-)、NO3
-、ClO4
-、OH-、H2PO4
-、HCO3
-、HSO4
-、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、10-カンファースルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホネート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホネート、など)、カルボキシレートイオン(例えば、アセテート、プロピオネート、ベンゾエート、グリセレート、ラクテート、タルトレート、グリコレート、グルコネート、など)、BF4
-、PF4
-、PF6
-、AsF6
-、SbF6
-、B[3,5-(CF3)2C6H3]4
-、B(C6F5)4
-、BPh4
-、Al(OC(CF3)3)4
-、およびカルボランアニオン(例えば、CB11H12
-または(HCB11Me5Br6)-)を包含する。例示的な多価であり得る対イオンは、CO3
2-、HPO4
2-、PO4
3-、B4O7
2-、SO4
2-、S2O3
2-、カルボキシレートアニオン(例えば、タルタレート、シトレート、フマレート、マレエート、マレート、マロネート、グルコネート、スクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバセート、サリチレート、フタレート、アスパルテート、グルタメートなど)、およびカルボランを包含する。
用語「脱離基」には、合成有機化学の分野におけるその通常の意味を与えられ、求核試薬により置き換えられることができる原子または基を指す。例えば、Smith, March’s Advanced Organic Chemistry、第6版(501-502)を参照。好適な脱離基の例として、これらに限定されないが、ハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI(ヨウ素))、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル-カルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシルおよびハロギ酸が挙げられる。いくつかの場合において、脱離基は、スルホン酸エステル、例えばトルエンスルホネート(トシレート、-OTs)、メタンスルホネート(メシレート、-OMs)、p-ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシレート、-OBs)、-OS(=O)2(CF2)3CF3(ノナフレート、-ONf)、またはトリフルオロメタンスルホネート(トリフレート、-OTf)である。いくつかの場合において、脱離基は、p-ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシレートである。いくつかの場合において、脱離基は、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノナフレートである。脱離基はまた、ホスフィンオキシド(例えば、Mitsunobu反応の間に形成されるもの)、または、エポキシドまたは環状スルフェートなどの内部脱離基であってもよい。他の非限定的な脱離基の例は、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。さらなる例示的な脱離基として、これらに限定されないが、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、および活性化された置換されたヒドロキシル基(例えば、-OC(=O)SRaa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-OC(=O)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-OS(=O)Raa、-OSO2Raa、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-OP(=O)2Raa、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、および-OP(=O)(NRbb)2、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりである)が挙げられる。
本発明で用いられる「少なくとも1つ」という成句の使用は、1、2、3、4またはそれ以上の場合を指すが、範囲、例えば、例えば端を含めて1~4、1~3、1~2、2~4、2~3、または3~4の場合をもまた包摂する。
「非水素基」は、水素以外の具体的な可変要素について定義されるいずれかの基を指す。
用語「炭水化物」または「糖」とは、多価アルコールのアルデヒド性またはケトン性の誘導体を指す。炭水化物は、比較的小さな分子を有する化合物(例えば糖)、ならびに巨大分子またはポリマー性の物質(例えば、デンプン、グリコーゲン、およびセルロース多糖)を含む。用語「糖」とは、単糖、二糖、または多糖を指す。単糖は、より小さな炭水化物に加水分解することができないという点において、最も単純な炭水化物である。ほとんどの単糖は、一般式CyH2yOyにより表すことができ(例えば、C6H12O6(グルコースなどのヘキソース))、ここでyは、3以上の整数である。上記の一般式により表されない特定の多価アルコールもまた、単糖とみなされ得る。例えば、デオキシリボースは、式C5H10O4のものであり、単糖である。単糖は、通常、5または6個の炭素原子からなり、それぞれ、ペントースおよびヘキソースとして言及される。単糖がアルデヒドを含む場合、それはアルドースとして言及される;そして、それがケトンを含む場合、それはケトースとして言及される。単糖はまた、アルドースまたはケトースの形態においては3、4または7個の炭素原子からなってもよく、それぞれ、トリオース、テトロース、およびヘプトースとして言及される。グリセルアルデヒドおよびジヒドロキシアセトンは、それぞれ、アルドトリオースおよびケトトリオースとみなされる。アルドテトロース糖の例は、エリスロースを含み;ケトテトロース糖は、エリトルロースを含む。アルドペントース糖は、リボース、アラビノース、キシロース、およびリキソースを含み;ケトペントース糖は、リブロース、アラブロース、キシルロースおよびリキスロースを含む。アルドヘキソース糖の例は、グルコース(例えばデキストロース)、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、およびイドースを含み;ケトヘキソース糖は、フルクトース、プシコース、ソルボース、およびタガトースを含む。ケトヘプトース糖は、セドヘプツロースを含む。単糖の、ヒドロキシル基(-OH)を付帯する各々の炭素原子は、最初と最後の炭素を例外として、不斉性であり、これは、当該炭素原子を、2つの可能な立体配置(RまたはS)を有する立体中心とする。この不斉性に起因して、任意の所与の単糖式について、多数の異性体が存在し得る。例えばアルドヘキソースであるD-グルコースは、式C6H12O6を有し、このうち、その6個の炭素原子のうちの2つを除く全てが不斉中心であり、D-グルコースを、16(すなわち24)個の可能な立体異性体のうちの1つにしている。DまたはLの指定は、カルボニル基から最も遠い不斉炭素の配向に従って行われる;標準的なフィッシャー投影法において、ヒドロキシル基分子の右側にある場合はD糖であり、そうでない場合はそれはL糖である。直鎖単糖のアルデヒドまたはケトン基は、異なる炭素原子上のヒドロキシル基と可逆的に反応して、ヘミアセタールまたはヘミケタールを形成し、2個の炭素原子の間の酸素架橋によりヘテロ環式環を形成するであろう。5または6個の原子を有する環は、それぞれ、フラノースおよびピラノースの形態と称され、直鎖形態との平衡において存在する。直鎖形態から環状形態への変換の間に、アノマー炭素と称されるカルボニル酸素を含む炭素原子は、2つの可能な立体配置を有する不斉中心となる:酸素原子は、環の平面の上または下のいずれかの位置を取り得る。もたらされる可能な一対の立体異性体は、アノマーと称される。αアノマーにおいて、アノマー炭素上の-OH保護基は、環の、-CH2OH側鎖とは反対側(トランス)に位置する。-CH2OH保護基およびアノマーのヒドロキシルが環の平面の一方の側(シス)上にある代替形態は、βアノマーと称される。2つ以上の連結した単糖単位を含む炭水化物は、それぞれ、二糖または多糖(例えば三糖)と称される。2つ以上の単糖単位は、グリコシド結合として知られる共有結合により一緒に結合しており、これは、一方の単糖からの水素の喪失および他方からのヒドロキシル基の喪失をもたらす脱水反応を介して形成される。例示的な二糖として、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、セロビオース、キシロビオース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、マンノビオース、メリビオース、ニゲロース、またはルチノースが挙げられる。例示的な三糖として、これらに限定されないが、イソマルトトリオース、ニゲロトリオース、マルトトリオース、メレチトース、マルトトリウロース、ラフィノース、およびケストースが挙げられる。炭水化物という用語はまた、本明細書において記載される炭水化物の他の天然または合成の立体異性体を含む。
これらのおよび他の例示的な保護基は、詳細な説明、例および請求の範囲において、より詳細に記載される。本発明は、上の例示的な保護基のリストによりどのようにも限定されることを意図されない。
他の定義
以下の定義は、本願全体にわたり用いられる、より一般的な用語である。
本明細書で用いられる「塩」という用語は、いずれかおよび全ての塩を指し、薬学的に許容し得る塩を包摂する。
用語「薬学的に許容し得る塩」は、正当な医学的見識の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答等がなく、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は、当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19(参照により本明細書に組み込まれる)に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機の酸および塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸など)で、または有機酸(酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸)で、または当該技術分野において知られている他の方法(イオン交換など)を使用するることによって、形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1~4アルキル)4
-塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属の塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切な場合、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオン(ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸など)を使用して形成されたアミンカチオンを包含する。
用語「溶媒和物」は、通常ソルボリシス反応によって、溶媒と結び付いた化合物またはその塩の形態を指す。この物理的な結び付きは、水素結合を包含してもよい。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等を包含する。本明細書に記載の化合物は、例として結晶形態で調製されてもよく、溶媒和されてもよい。好適な溶媒和物は、薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物の両方を包含する。ある実例において、溶媒和物は、例えば1以上の溶媒分子が、結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、単離できるであろう。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を網羅する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノラート、およびメタノラートを包含する。
用語「水和物」は、水と結び付いた化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数が、水和物中の化合物分子数に対して一定の比である。したがって、化合物の水和物は、例えば一般的式R・xH2O(ここでRは、化合物であり、xは、0より大きい数である)によって表されてもよい。所与の化合物は、1より多いタイプの水和物を形成してもよく、例として、一水和物(xは、1である)、低級水和物(xは、0より大きく1より小さい数であり、例として、ヘミ水和物(R・0.5H2O))、および多水和物(xは、1より大きい数であり、例として、二水和物(R・2H2O)および六水和物(R・6H2O))包含する。
用語「互変異性体(tautomer)」または「互変異性体の(tautomeric)」は、水素原子の少なくとも1つの形式的な移動と、原子価の少なくとも1つの変化(例として、単結合~二重結合、三重結合~単結合、またはその逆)とからもたらされる、2以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の厳密な比は、温度、溶媒、およびpHを包含する数個の因子に依存する。互変異性体化(すなわち、互変異性体の対を提供する反応)は、酸または塩基によって触媒されてもよい。例示的な互変異性体化は、ケト-エノール、アミド-イミド、ラクタム-ラクチム、エナミン-イミン、およびエナミン-(異なる)エナミン互変異性化を包含する。
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質または順序、または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
相互の鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは、「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えば、それが4つの異なる基へ結合している)とき、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対立体配置によって特徴付けられ得、CahnおよびPrelogのRおよびS順位則によって、または分子が偏光面を回転させる様式によって、記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、夫々(+)または(-)異性体として)指定される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーまたはその混合物のいずれかとして存在し得る。等しい割合のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼称される。
用語「多形」は、化合物(またはその塩、水和物、または溶媒和物)の結晶形態を指す。すべての多形は、同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、および可溶性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、および加溶媒分解によってまたは生理条件下で本明細書に記載の化合物になる化合物を指し、これはin vivoで薬学的に活性である。かかる例は、これらに限定されないが、コリンエステル誘導体等、N-アルキルモルホリンエステル等を包含する。本明細書に記載の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体の両方の形態で活性を有するが、酸感応性形態においてはしばしば、可溶性、組織適合性、または遅延放出の利点を哺乳生物に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換または非置換のアミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物などの、当該技術分野の専門家に周知の酸誘導体を包含する。本明細書に記載の化合物上にぶら下がっている(pendant)酸性基に由来する、単純な脂肪族または芳香族のエステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいて、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。本明細書に記載の化合物の、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル、アリール、C7~C12置換アリール、およびC7~C12アリールアルキルエステルが、好ましいこともある。
用語「組成物」および「処方物」は、交換可能に使用される。
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、いずれの年齢群の男性または女性、例として、小児対象(例として、幼児、子ども、未成年)または成人対象(例として、若年成人、中年成人、または高齢成人))または非ヒト動物を指す。ある態様において、非ヒト動物は、哺乳動物(例として、霊長類(例として、カニクイザルまたはアカゲザル)、商業的に関連する哺乳動物(例として、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、またはイヌ)、またはトリ(例として、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、またはシチメンチョウなどの商業的に関連するトリ)をである。ある態様において、非ヒト動物は、魚類、爬虫類、または両生類の動物である。非ヒト動物は、発生のいずれのステージでの雄または雌であってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子組み換え動物であってもよい。用語「患者」は、疾患の処置を必要とするヒト対象を指す。対象はまた、植物であってもよい。ある態様において、植物は、陸生植物である。ある態様において、植物は、非維管束性の陸生植物である。ある態様において、植物は、維管束性の陸生植物である。ある態様において、植物は、種子植物である。ある態様において、植物は、栽培植物である。ある態様において、植物は、双子葉植物である。ある態様において、植物は、単子葉植物である。ある態様において、植物は、顕花植物である。いくつかの態様において、植物は、穀草植物、例えば、トウモロコシ(maize)、トウモロコシ(corn)、コムギ、イネ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、またはアワである。いくつかの態様において、植物は、マメ科植物、例えば、マメ植物(bean plant)、例えば、ダイズ植物である。いくつかの態様において、植物は、高木または灌木である。
用語「生体試料」は、組織試料(組織切片および組織の針生検など);細胞試料(例として、細胞学的スメア(Papまたは血液スメアなど)または顕微解剖によって得られた細胞の試料);その生物全体の試料(酵母または細菌の試料など);または細胞画分、フラグメントまたはオルガネラ(細胞を溶解し、そのコンポーネントを遠心分離または別のやり方によって分離することによって得られた、など)を包含するいずれの試料を指す。生体試料の他の例は、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿汁、生検組織(例として、外科生検または針生検によって得られた)、乳頭吸引液、母乳、膣液、唾液、スワブ(口腔内スワブなど)、または第一の生体試料に由来する生体分子を含有するいずれの材料を包含する。
用語「標的組織」とは、血管および/またはリンパ管を含む対象の任意の生体組織(細胞の群、身体の部分、または器官を含む)、またはその一部であって、本発明の化合物、粒子、および/または組成物が送達される対象であるものを指す。標的組織は、処置される必要があり得る、異常または不健康な組織であり得る。標的組織はまた、予防される必要があり得る、通常よりも高い異常または不健康となるリスク下にある、正常または健康な組織であってもよい。ある態様において、標的組織は、肝臓である。ある態様において、標的組織は、肺である。「非標的組織」とは、血管および/またはリンパ管を含む対象の任意の生体組織(細胞の群、身体の部分、または器官を含む)、またはその一部であって、標的組織ではないものを指す。
用語「投与する(施す)」、「投与すること(施すこと)」、または「投与(施し)」は、対象中へ、対象において、または対象上、本明細書に記載の化合物またはその組成物をインプラントすること、吸収させること、摂取させること、注射すること、吸入させること、または別のやり方で導入することを指す。
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載の疾患を食い止めること、緩和すること、その発病を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の兆候または症状が発症したかまたは観察された後に、施されてもよい。他の態様において、処置は、疾患の兆候または症状の非存在下で施されてもよい。例えば、処置は、症状の発病に先立って(例として、症状の既往に照らして)、罹患しやすい(susceptible)対象に施されてもよい。処置はまた、例えば、再発を遅延させるかまたは予防するために、症状が消散した後でも継続されてもよい。
用語「状態」、「疾患」、および「障害」は、交換可能に使用される。
本明細書において記載される化合物の「有効量」とは、所望される生物学的応答を誘発させるために十分な量を指す。本明細書において記載される化合物の有効量は、所望される生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されている状態、投与の様式、ならびに対象の年齢および健康などの要因に依存して変化し得る。ある態様において、有効量は、治療有効量である。ある態様において、有効量は、予防的処置である。ある態様において、有効量は、単一の用量中の本明細書において記載される化合物の量である。ある態様において、有効量は、複数の用量中の、本明細書において記載される化合物の組み合わせた量である。
本明細書において記載される化合物の「治療有効量」とは、状態の処置において治療的利益を提供するか、または状態に関連する1つ以上の症状を遅延もしくは最小化させるために十分な量である。化合物の治療有効量とは、単独で、または他の治療と組み合わせて、状態の処置において治療的利益を提供する治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善するか、状態、またはその症状、兆候もしくは原因を軽減または回避するか、および/または別の治療剤の治療効力を増強する量を包含し得る。ある態様において、治療有効量は、MALT1の阻害および/またはMALT1の分解を促進することのために十分な量である。ある態様において、治療有効量は、がん(例えばDLBCL)を処置するために十分な量である。ある態様において、治療有効量は、MALT1の阻害および/またはMALT1の分解を促進すること、およびがん(例えばDLBCL)を処置することのために十分な量である。
本明細書において記載される化合物の「予防有効量」とは、状態、または状態に関連する1つ以上の兆候もしくは症状を予防するか、その再発を予防するために十分な量である。化合物の予防有効量とは、単独で、または他の剤と組み合わせて、状態の予防において予防的利益を提供する治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善するか、または別の予防剤の予防効力を増強する量を包含し得る。ある態様において、予防有効量は、MALT1の阻害および/またはMALT1の分解を促進することのために十分な量である。ある態様において、予防有効量がん(例えばDLBCL)を処置するために十分な量である。ある態様において、予防有効量は、MALT1の阻害および/またはMALT1の分解を促進すること、およびがん(例えばDLBCL)を処置することのために十分な量である。
本明細書において用いられる場合、用語「阻害する」または「阻害」とは、酵素に関する場合、例えばMALT1に関する場合、当該酵素の活性の低下を指す。いくつかの態様において、当該用語は、酵素活性、例えばMALT1活性のレベルの、初期レベル(これは、例えば酵素活性の基線レベルであってよい)よりも統計学的に有意に低いレベルまでの低下を指す。いくつかの態様において、当該用語は、酵素活性、例えばMALT1活性のレベルの、初期レベル(これは、例えば酵素活性の基線レベルであってよい)の75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、0.0001%未満のレベルまでの低下を指す。
用語「がん」とは、悪性腫瘍を指す(Stedman’s Medical Dictionary、第25版;Hensyl編;Williams & Wilkins:Philadelphia、1990年)。例示的ながんとして、これらに限定されないが、以下が挙げられる:聴神経腫瘍;腺がん;副腎がん;肛門がん;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ脈管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、血管肉腫);虫垂がん;良性単クローン性ガンマグロブリン異常症;胆道がん(例えば、胆管細胞がん);膀胱がん;乳がん(例えば、乳房の腺がん、乳房の乳頭がん、乳がん、乳房の髄様がん);脳がん(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例えば、子宮頚部腺がん);絨毛がん;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸がん(例えば、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺がん);結合組織がん;上皮がん;上衣腫;内皮肉腫(endotheliosarcoma)(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道の腺がん、バレット腺がん);ユーイング肉腫;眼のがん(例えば、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃の腺がん);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮がん、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮がん)、咽頭がん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、上咽頭がん、中咽頭がん));血液がん(例えば、白血病、例えば急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL));リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症)、ヘアリーセル白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫および原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;ならびにT細胞NHL、例えば前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫);上記のような1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物;および多発性骨髄腫)、重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例として、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞がん);肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞がん);肺がん(例として、気管支がん、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺がん)平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例として、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例として、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例として、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌がん(例として、胃腸すい管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例として、骨のがん);卵巣がん(例として、嚢胞腺がん、卵巣胎児性がん、卵巣腺がん);乳頭腺がん;膵臓がん(例として、膵臓腺がん、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例として、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例として、前立腺腺がん);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例として、扁平上皮がん(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞がん(BCC));小腸がん(例として、虫垂がん);軟部組織肉腫(例として、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺がん;小腸がん;汗腺がん;滑膜腫;精巣がん(例として、精上皮腫、精巣胚性がん腫);甲状腺がん(例として、甲状腺の乳頭がん、甲状腺乳頭がん(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例として、外陰部パジェット病)。
用語「免疫療法」とは、免疫応答を誘導するか、増強するか、またはこれを抑制することにより、疾患の処置を促進する治療剤を指す。免疫応答を誘発させるかまたはこれを増幅するように設計された免疫療法は、活性化免疫療法として分類され、一方、低下させるか抑制する免疫療法は、抑制免疫療法として分類される。免疫療法は、典型的には、必ずしもではないが、バイオ治療剤である。多数の免疫療法が、がんを処置するために用いられる。これらは、限定されないが、モノクローナル抗体、養子細胞移入、サイトカイン、ケモカイン、ワクチンおよび小分子阻害剤を含む。
用語「生物製剤(biologic)」、「生物薬剤(biologic drug)」、および「生物学的生成物(biological product)」とは、ワクチン、血液および血液成分、アレルゲン剤(allergenic)、体細胞、遺伝子治療、組織、核酸およびタンパク質などの、広範な生成物を指す。生物製剤は、糖、タンパク質、または核酸、またはこれらの物質の複合的な組み合わせを含んでもよく、あるいは、細胞および組織などの生体であってもよい。生物製剤は、多様な天然のソース(例えば、ヒト、動物、微生物)から単離されたものであってもよく、生物工学的方法および他の技術により生成されてもよい。
用語「小分子」または「小分子治療剤」とは、天然に存在するか、または人工的に作出された(例えば化学合成を介して)下にかかわらず、相対的に低い分子量を有する分子を指す。典型的には、小分子有機化合物である(すなわち、それは炭素を含む)。小分子は、複数の炭素-炭素結合、立体中心、および他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、およびヘテロ環式環など)を含んでもよい。ある態様において、小分子の分子量は、約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol、または約100g/mol以下である。ある態様において、小分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上の範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも約200g/molであり、約500g/mol以下である)もまた、可能である。ある態様において、小分子は、薬物(例えば、連邦規則集(C.F.R.)において提供されるとおり、米国食品医薬品局により承認された分子)などの治療活性剤である。小分子はまた、1つ以上の金属原子および/または金属イオンと錯体形成していてもよい。この場合において、小分子はまた、「有機金属小分子」としても言及される。好ましい小分子は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて、生物学的効果をもたらすという点において、生物学的に活性である。小分子として、これらに限定されないが、放射性核種およびイメージング剤が挙げられる。ある態様において、小分子は、薬物である。好ましくは、必ずしもではないが、薬物は、適切な政府の機関または規制当局により、ヒトまたは動物における使用について安全かつ有効であると既にみなされているものである。例えば、ヒトでの使用について承認されている薬物は、FDAにより、本明細書において参考として援用される21C.F.R.§§330.5、331~361、および440~460下において列記される;獣医学での使用のための薬物は、FDAにより、本明細書において参考として援用される21C.F.R.§§500~589により列記される。全ての列記された薬物は、本発明による使用のために受入可能であると考えられる。
用語「治療剤」とは、所望される(通常は有益な)効果をもたらす治療特性を有する、任意の物質を指す。例えば、治療剤は、疾患を処置するか、寛解させるか、および/またはこれを予防することができる。本明細書において開示されるような治療剤は、生物製剤または小分子治療剤であってもよい。
用語「化学療法剤」とは、がんのための化学療法において有用であることが知られている治療剤を指す。
「血液がん」は、造血細胞または組織に影響を及ぼすがんを含む。血液がんとして、異常な血液学的な内容および/または機能に関連するがんを含む。血液がんの例として、これらに限定されないが、以下が挙げられる:白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL))、リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症)、ヘアリーセル白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、T細胞NHL、例えば前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫)、上記のような1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物、多発性骨髄腫、重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病)急性非リンパ性白血病(ANLL)、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性骨髄単球性白血病(AMMoL)、真性赤血球増加症、ウィルムス腫瘍、およびユーイング肉腫。
用語「E3ユビキチンリガーゼ」または「E3リガーゼ」とは、E2ユビキチン共役酵素を動員する任意のタンパク質であって、ユビキチンがロードされており、タンパク質基質を認識し、E2タンパク質からタンパク質基質へのユビキチンの移行を補助するかまたはこれを直接的に触媒するものを指す。
ある態様の詳細な説明
本明細書において提供されるのは、MALT1の阻害剤であり、特定のE3リガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)を動員してMALT1の分解を促進する、二官能性化合物である。一側面において、本開示は、式Iの化合物、およびその薬学的に受入可能な塩、溶媒和物、水和物、多型、共結晶、互変異生体、立体異性体、放射性標識された誘導体、プロドラッグ、および医薬組成物を提供する。化合物は、それを必要とする対象におけるMALT1活性に関連する疾患(例えば、自己免疫性疾患、炎症性疾患、がん(例えばDLBCL))の処置および/または予防のために有用である。
化合物
本明細書において記載される化合物は、MALT1およびE3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)と相互作用する。本明細書において記載されるように、治療効果は、化合物による、MALT1の阻害、分解、調節、結合、または修飾の結果であってもよい。治療効果は、化合物による、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)の阻害、調節、結合、または修飾の結果であってもよい。治療効果は、化合物による、MALT1をユビキチン化してそれをプロテアソーム分解のために標識するような、E3ユビキチンリガーゼの阻害、調節、結合、または修飾による、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)の動員の結果であってもよい。化合物は、本明細書において記載される任意の組成物、キット、または方法における使用のために、その薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグとして、提供されてもよい。
一側面において、開示されるのは、式Iの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中:
Aは、縮合二環式ヘテロアリール環であり;
Bは、フェニルまたはピリジニルであり;
R
1およびR
3の各々の場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のヘテロアルキル、-OR
A、-N(R
A)
2、-SR
A、-CN、-SCN、-C(=NR
A)R
A、-C(=NR
A)OR
A、-C(=NR
A)N(R
A)
2、-C(=O)R
A、-C(=O)OR
A、-C(=O)N(R
A)
2、-NO
2、-NR
AC(=O)R
A、-NR
AC(=O)OR
A、-NR
AC(=O)N(R
A)
2、-OC(=O)R
A、-OC(=O)OR
A、-OC(=O)N(R
A)
2、または窒素原子に結合している場合は窒素保護基であり;
R
2は、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、置換または非置換のアルキルヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアリールアルキレン、-O-、-N(R
A)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NR
A-、-NR
AC(=O)-、-NR
AC(=O)O-、-NR
AC(=O)N(R
A)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(R
A)-であり;
R
Aの各々の場合は、独立して、水素、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基、または2つのR
A基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成し;
Lは、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のアルケニレン、置換または非置換のアルキニレン、置換または非置換のカルボシクリレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-N(R
A)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NR
A-、-NR
AC(=O)-、-NR
AC(=O)R
A-、-C(=O)R
A-、-NR
AC(=O)O-、-NR
AC(=O)N(R
A)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(R
A)-、またはこれらの組み合わせ;
Eは、E3ユビキチンリガーゼ結合部分であり;
mおよびnは、各々独立して、0または1であり、ただし、m+n=1である;
kは、0、1、2、3、または4であり;および
pは、0、1、2、3、または4である。
式Iの化合物のある態様において、
Aは、縮合二環式ヘテロアリール環であり;
Bは、フェニルまたはピリジニルであり;
R1およびR3の各々の場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のヘテロアルキル、-ORA、-N(RA)2、-SRA、-CN、-SCN、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、-C(=NRA)N(RA)2、-C(=O)RA、-C(=O)ORA、-C(=O)N(RA)2、-NO2、-NRAC(=O)RA、-NRAC(=O)ORA、-NRAC(=O)N(RA)2、-OC(=O)RA、-OC(=O)ORA、-OC(=O)N(RA)2、または窒素原子に結合している場合は窒素保護基であり;
R2は、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、置換または非置換のアルキルヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアリールアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(RA)-であり;
RAの各々の場合は、独立して、水素、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基であるか、または2つのRA基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成し;
Lは、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のアルケニレン、置換または非置換のアルキニレン、置換または非置換のカルボシクリレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(RA)-であり;
Eは、E3ユビキチンリガーゼ結合部分であり;
mおよびnは、各々独立して、0または1であり、ただし、m+n=1である;
kは、0、1、2、3、または4であり;および
pは、0、1、2、3、または4である。
ある態様において、Aは、縮合二環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも1つの原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。ある態様において、Aは、少なくとも1個の窒素原子を含む縮合二環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、少なくとも2個の窒素原子を含む縮合二環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、少なくとも3個の窒素原子を含む縮合二環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、フェニルと縮合した単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、フェニルと縮合した5員の単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、フェニルと縮合した6員の単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、別の単環式ヘテロアリールと縮合した単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、別の5員の単環式ヘテロアリールと縮合した5員の単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、6員の単環式ヘテロアリールと縮合した5員の単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、別の6員の単環式ヘテロアリールと縮合した6員の単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、Aは、9員の、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも1つの原子は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。ある態様において、Aは、9員の、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも2個の原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。ある態様において、Aは、9員の、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも3個の原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。ある態様において、Aは、10員の、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも1つの原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。ある態様において、Aは、10員の、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも2個の原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。ある態様において、Aは、10員の、縮合二環式ヘテロアリール環であって、ここで、環中の少なくとも3個の原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。
ある態様において、Bは、フェニルまたはピリジニルである。ある態様において、Bは、フェニルである。ある態様において、Bは、ピリジニルである。
ある態様において、Bは、式:
のものであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3である。
ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のヘテロアルキル、-ORA、-N(RA)2、-SRA、-CN、-SCN、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、-C(=NRA)N(RA)2、-C(=O)RA、-C(=O)ORA、-C(=O)N(RA)2、-NO2、-NRAC(=O)RA、-NRAC(=O)ORA、-NRAC(=O)N(RA)2、-OC(=O)RA、-OC(=O)ORA、-OC(=O)N(RA)2、または窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。
ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。
ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、置換または非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、置換または非置換のヘテロアリール または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。
ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6ヘテロアルキルである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、置換または非置換のC1~6アルキル、または置換もしくは非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R1の各々の場合は、独立して、置換または非置換の5員のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のC1~6ヘテロアルキルである。
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Cl、Br、または非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたは置換されたC
1~6アルキルである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたは置換されたC
1~6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、置換されたC
1~6アルキル、または非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、非置換の5員のヘテロアリールまたは置換されたC
1~6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Cl、Br、メチル、エチル、イソプロピル、
である。
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Cl、Br、メチル、イソプロピル、
である。
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Cl、
である。
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたは
である。
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたは
である。
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたはイソプロピルである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Cl、Br、またはメチルである。
ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のヘテロアルキル、-ORA、-N(RA)2、-SRA、-CN、-SCN、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、-C(=NRA)N(RA)2、-C(=O)RA、-C(=O)ORA、-C(=O)N(RA)2、-NO2、-NRAC(=O)RA、-NRAC(=O)ORA、-NRAC(=O)N(RA)2、-OC(=O)RA、-OC(=O)ORA、-OC(=O)N(RA)2、または窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。
ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。
ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、置換または非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、置換または非置換のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。
ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換の5員のヘテロアリール。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6ヘテロアルキルである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、置換または非置換のC1~6アルキル、または置換もしくは非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R3の各々の場合は、独立して、置換または非置換の5員のヘテロアリール、または置換もしくは非置換のC1~6ヘテロアルキルである。
ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Cl、Br、または非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Clまたは置換されたC
1~6アルキルである。ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Clまたは置換されたC
1~6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、置換されたC
1~6アルキル、または非置換の5員のヘテロアリールである。ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、非置換の5員のヘテロアリールまたは置換されたC
1~6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Cl、Br、メチル、エチル、イソプロピル、
である。
ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Cl、Br、メチル、イソプロピル、
である。
ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Cl、
である。
ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Clまたは
である。
ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Clまたは
である。
ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Clまたはイソプロピル。ある態様において、R
3の各々の場合は、独立して、Cl、Br、またはメチルである。
ある態様において、R
1の各々の場合は、Clであり;R
3の各々の場合は、独立して、Clまたは
ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたは
であり;R
3の各々の場合は、Clである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたはイソプロピルであり;R
3の各々の場合は、Clである。ある態様において、R
1の各々の場合は、独立して、Clまたはメチルであり;R
3の各々の場合は、Clである。
R2は、A~Lを連結するか、またはB~Lを連結する、二価の部分である。ある態様において、R2は、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、置換または非置換のアルキルヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアリールアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(RA)-である。
ある態様において、R2は、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、置換または非置換のアルキルヘテロアリーレン、または-O-である。ある態様において、R2は、置換または非置換のC1~6アルキレン、置換または非置換の6員のヘテロシクリレン、置換または非置換の5員のヘテロアリーレン、置換または非置換のC1~6ヘテロアルキレン、置換または非置換のC1~6アルキルヘテロアリーレン、または-O-である。
ある態様において、R
2は、置換または非置換のC
1~4アルキレンである。ある態様において、R
2は、非置換のC
1~4アルキレンである。ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
ある態様において、R
2は、置換または非置換のC
1~4アルキルヘテロアリーレンであり、ここで、ヘテロアリーレンは、少なくとも1個の窒素を含む5員の環である。ある態様において、R
2は、置換または非置換のC
1~4アルキルヘテロアリーレンであり、ここで、ヘテロアリーレンは、少なくとも2個の窒素を含む5員の環である。ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
ある態様において、R
2は、置換または非置換のヘテロアルキレンである。ある態様において、R
2は、置換または非置換のC
1~6ヘテロアルキレンである。ある態様において、R
2は、置換または非置換のC
1~4ヘテロアルキレンである。ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、置換または非置換のヘテロシクリレンである。ある態様において、R
2は、置換または非置換の6員のヘテロシクリレンである。ある態様において、R
2は、環中に1または2個の窒素原子を含む、置換または非置換の6員のヘテロシクリレンである。ある態様において、R
2は、
または
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
ある態様において、R
2は、
である。
Lは、R2とEとを連結する二価の部分である。ある態様において、Lは、2015年7月6日に出願された米国特許出願U.S.S.N. 14/792,414において記述される任意の「L」基であり、当該出願は、本明細書において参考として援用される。ある態様において、Lは、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のアルケニレン、置換または非置換のアルキニレン、置換または非置換のカルボシクリレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(RA)-、またはこれらの組み合わせである。
ある態様において、Lは、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のアルケニレン、置換または非置換のアルキニレン、置換または非置換のカルボシクリレン、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(RA)-である。
ある態様において、Lは、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のアルケニレン, 置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のヘテロアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、または-OC(=O)N(RA)-である。
ある態様において、Lは、置換または非置換のアルキレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、または-NRAC(=O)-である。ある態様において、Lは、置換または非置換のC1~30ヘテロアルキレンである。ある態様において、Lは、置換または非置換のC1~20ヘテロアルキレン。ある態様において、Lは、-NRAC(=O)RA-または-C(=O)RA-;ここで、RAは、独立して、水素、置換または非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。
ある態様において、Lは、
;R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはC
1~4アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはC
1~2アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはメチルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはメチルであり;およびtは、2または4である。ある態様において、R
4は、水素であり;およびtは、2である。ある態様において、R
4は、水素であり;およびtは、4である。ある態様において、R
4は、メチルであり;およびtは、2である。ある態様において、R
4は、メチルであり;およびtは、4である。
ある態様において、Lは、
であり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6。ある態様において、tは、2または4である。
ある態様において、Lは、
であり;R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはC
1~4アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはC
1~2アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素またはメチルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、R
4は、水素であり;およびtは、3である。ある態様において、R
4は、メチルであり;およびtは、3である。
ある態様において、Lは、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、および-OC(=O)N(RA)-からなる群より選択される1つ以上の基を含む。ある態様において、Lは、置換または非置換のヘテロシクリレン、置換または非置換のアリーレン、置換または非置換のヘテロアルキレン、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)O-、および-NRAC(=O)N(RA)-からなる群より選択される1つ以上の基を含む。
ある態様において、Lは、
であり;ここで、R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;R
50は、置換または非置換のヘテロシクリレン、または置換もしくは非置換のアリーレンであり;およびR
60は、置換または非置換のヘテロシクリレン、または置換もしくは非置換のアリーレンである。ある態様において、R
4は、水素またはC
1~4アルキルであり;tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;R
50は、置換または非置換のヘテロシクリレン;およびR
60は、置換または非置換のアリーレンである。ある態様において、R
4は、水素またはC
1~2アルキルであり;tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;R
50は、置換または非置換のヘテロシクリレンであり;およびR
60は、置換または非置換のアリーレンである。ある態様において、R
4は、水素またはメチルであり;tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;R
50は、非置換のヘテロシクリレン;およびR
60は、非置換のアリーレンである。ある態様において、R
4は、水素であり;tは、3であり;R
50は、非置換のヘテロシクリレンであり;およびR
60は、非置換のアリーレンである。ある態様において、R
4は、メチルであり;tは、3であり;R
50は、非置換のヘテロシクリレンであり;およびR
60は、非置換のアリーレンである。
ある態様において、Lは、
であり;ここで、R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。ある態様において、tは、2または4である。
ある態様において、Lは、:
であり、
R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、-R
2-L-は:
であり、
R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、-R
2-L-は:
であり、
R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、-R
2-L-は、
であり、
R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、-R
2-L-は、
であり、
R
4は、水素またはC
1~6アルキルであり;およびtは、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基であるか、あるいは、2つのRA基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基であるか、あるいは、2つのRA基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリールであるか、あるいは、2つのRA基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のC1~6アルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換の5~6員のヘテロシクリル、置換または非置換のフェニル、置換または非置換の5~6員のヘテロアリールであるか、あるいは、2つのRA基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のC1~6アルキル、置換または非置換のC1~30ヘテロアルキル、置換または非置換の5~6員のヘテロシクリル、置換または非置換のフェニル、置換または非置換の5~6員のヘテロアリールであるか、あるいは、2つのRA基は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のC1~6アルキル、または置換もしくは非置換のC1~30ヘテロアルキルである。ある態様において、RAは、独立して、水素、置換または非置換のC1~6アルキル、または置換もしくは非置換のC1~20ヘテロアルキルである。
ある態様において、kは、0、1、2、3、または4である。ある態様において、kは、0、1、2、または3である。ある態様において、kは、0、1、または2である。ある態様において、kは、0または1である。ある態様において、kは、1または2である。
ある態様において、pは、0、1、2、3、または4である。ある態様において、pは、0、1、2、または3である。ある態様において、pは、0、1、または2である。ある態様において、pは、0または1である。ある態様において、pは、1または2である。
ある態様において、kは、0、1、または2であり;およびpは、0、1、または2である。ある態様において、kは、1または2であり;およびpは、0または1である。ある態様において、kは、0または1であり;およびpは、1または2である。ある態様において、kは、1であり;およびpは、2である。ある態様において、kは、2であり;およびpは、1である。
Eは、E3ユビキチンリガーゼ結合部分である。Eは、任意のE3ユビキチンリガーゼに結合するか、またはこれに結合することができる全ての部分を含む。例えば、ある態様において、Eは、セレブロンなどのE3ユビキチンリガーゼに結合することができる;および他の態様において、Eは、VHLなどのE3ユビキチンリガーゼに結合することができる。ある態様において、Eは、複数の異なるE3ユビキチンリガーゼに結合することができる。ある態様において、Eは、セレブロンに結合する。ある態様において、Eは、VHLに結合する。
近年、セレブロンに結合する小分子が発見された。これらの薬物は、免疫調節剤であるサリドマイド、レナリドミドおよびポマリドミドを含み、これらは、多発性骨髄腫および骨髄異形成症候群の処置において有用であり、現在、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む多様なリンパ系腫瘍において、臨床的に評価されているところである。研究により、セレブロンは、多発性骨髄腫および活性型B細胞様びまん性大B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)の両方において、レナリドミドおよびポマリドミドについての標的であることが確認されている。DLBCL細胞株において、レナリドミド処置は、ABC-DLBCL細胞の増殖をin vitroで優先的に抑制し、ヒト腫瘍異種移植モデルにおいて腫瘍の増殖を遅延させ、非ABC-DLBCL細胞に対する効果は最小限であったことが見出された。
ヒトセレブロン(CRBN)は、約51kDaの見かけの分子量を有する442アミノ酸のタンパク質である。(CRBNタンパク質配列については、Higgins et al., Neurology. 2004, 63, 1927-31を参照。CRBNの構造に関するさらなる情報については、、Hartmann et al., PLoS One. 2015, 10, e0128342.を参照。ヒトCRBNは、ATP依存的LonプロテアーゼドメインのN末端部分(81から317までの237アミノ酸)を含み、保存されたWalker AおよびWalker Bモチーフ、11個のカゼインキナーゼIIリン酸化部位、4個のタンパク質キナーゼCリン酸化部位、1個のN-連結グリコシル化部位、および2個のミリストイル化部位を含まない。CRBNは、精巣、脾臓、前立腺、肝臓、膵臓、胎盤、腎臓、肺、骨格筋、卵巣、小腸、末梢血白血球、結腸、脳および網膜において広く発現し、ここでCRBNは、細胞質、核および周辺の膜に位置する(Chang et al., Int. J. Biochem. Mol. Biol. 2011, 2, 287-94.)。
ある態様において、Eは、セレブロンの修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。ある態様において、Eは、セレブロンの修飾因子である。ある態様において、Eは、セレブロンの結合剤である。ある態様において、Eは、セレブロンの阻害剤である。ある態様において、Eは、セレブロンのリガンドである。ある態様において、Eは、2015年7月6日に出願された米国特許出願、U.S.S.N. 14/792,414、および2013年8月13日に出願された国際特許出願、PCT/US2013/054663において開示されるセレブロンの任意の修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドであり、これらの出願の両方が、本明細書において参考として援用される。ある態様において、Eは、セレブロンのバリアントの修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。ある態様において、Eは、セレブロンのアイソフォームの修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。
ある態様において、Eは、ヘテロアリール環を含む。ある態様において、Eは、縮合二環式ヘテロアリール環を含む。ある態様において、Eは、縮合二環式ヘテロアリール環およびヘテロ環式環を含む。ある態様において、Eは、フタルイミド基、またはそのアナログまたは誘導体を含む。ある態様において、Eは、フタルイミド-グルタルイミド基、またはそのアナログまたは誘導体を含む。ある態様において、Eは、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC-885(Matyskiela et al., Nature 2016, 535, 252-257)、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピぺリジン-2,6-ジオン、またはそのアナログまたは誘導体である。
全長フォンヒッペル・リンダウ腫瘍抑制タンパク質(VHL)は、213個のアミノ酸を含む。(VHLタンパク質配列については、Duan et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1995, 92, 6459-63を参照。VHLの構造に関するさらなる情報については、Stebbins et al., Science 1999, 284, 455-61 and Minervini et al., Sci. Rep. 2015, 5, 12605を参照。)第2のVHL遺伝子産物は、コドン54のメチオニンからの内部翻訳開始により生じ、160アミノ酸のタンパク質(「pVHL19」)を産生する。VHLは、2つの主要な構造ドメインを有する:主にβ-シートからなるN末端ドメイン(β-ドメイン)、および、アミノ酸155と192との間の、主にαヘリックスからなる、より小さなC末端ドメイン(α-ドメイン)。α-ドメインは、3つのαヘリックスからなり、これが、エロンギンCから提供される第4のαヘリックスと組み合わされる。β-ドメインは、αドメインの反対側にあり、他のタンパク質に自由に接触することができる。
ある態様において、Eは、VHLの修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。ある態様において、Eは、VHLの修飾因子である。ある態様において、Eは、VHLの結合剤である。ある態様において、Eは、VHLの阻害剤である。ある態様において、Eは、セレブロンのリガンドである。ある態様において、Eは、本明細書において参考として援用されるGaldeano, C. et al. J. Med. Chem. 2014, 57, 8657において列記されるVHLの任意のリガンドである。ある態様において、Eは、VHLのバリアントの修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。ある態様において、Eは、VHLのアイソフォームの修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。ある態様において、Eは、VHLの遺伝子産物(例えばpVHL19)の修飾因子、結合剤、阻害剤、またはリガンドである。
ある態様において、Eは、ペプチド骨格構造を含む。ある態様において、Eは、式:
のものであり;式中、R
5は、ヘテロアリール環であり、およびR
6は、水素またはC
1~4アルキルである。ある態様において、R
5は、少なくとも1個の窒素を含む5員のヘテロアリール環である。ある態様において、R
5は、置換または非置換のオキサゾリニル、または置換もしくは非置換のチアゾリニルである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-aの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;およびA、R
1、R
2、R
3、L、E、n、m、pおよびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-bの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、A、R
1、R
2、R
3、L、E、pおよびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-cの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、A、R
1、R
2、R
3、L、E、およびpは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-dの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、A、R
1、R
2、R
3、L、E、およびpは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-eの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、A、R
1、R
3、L、E、およびpは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-fの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;ならびにR
1、R
2、R
3、L、E、およびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-gの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、R
1、R
2、R
3、L、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-hの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、A、R
1、R
2、R
3、L、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-iの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、R
1、R
3、L、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-jの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、R
1、R
2、R
3、L、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-kの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;Yは、CHまたはNであり;Zは、NH、S、またはOであり;ならびにR
1、R
2、R
3、L、E、およびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-lの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;ならびにR
1、R
2、R
3、L、E、およびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-mの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;ならびにR
1、R
2、R
3、L、E、およびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-nの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;ならびにR
1、R
2、R
3、L、E、およびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-oの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、Xは、N、CH、またはCR
3であり;ならびにR
1、R
2、R
3、L、E、およびkは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-pの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、tは、2または4であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-qの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
式I-qの化合物のある態様において、tは、2または4であり;ならびにR1、R3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-rの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、tは、2または4であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-sの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
式I-sの化合物のある態様において、tは、2、3、または4であり;ならびにR1、R3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-tの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
式I-tの化合物のある態様において、tは、2、3、または4であり;ならびにR1、R3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-uの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであって、式中、tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
式I-uの化合物のある態様において、tは、2、3、または4であり;ならびにR1、R3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、式I-vの化合物:
またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;ならびにR
1、R
3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
式I-vの化合物のある態様において、tは、2、3、または4であり;ならびにR1、R3、およびEは、本明細書において定義されるとおりである。
ある態様において、式Iの化合物は、表1の化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグである。
表1
ある態様において、式Iの化合物は、表2の化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグである。
表2
ある態様において、式Iの化合物は、100,000nM未満、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満または1nMnM未満のKiで、MALT1を阻害する。
ある態様において、式Iの化合物は、100,000nM未満、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nMnM未満または1nM未満のIC50で、MALT1を阻害する。
ある態様において、式Iの化合物は、別のタンパク質に対して、MALT1を選択的に阻害する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、別のパラカスパーゼと比較して、MALT1を選択的に阻害する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、PCASP2(パラカスパーゼ2)に対して、MALT1を選択的に阻害する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、PCASP3(パラカスパーゼ3)に対してMALT1を選択的に阻害する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、PCASP2またはPCASP3に対して、MALT1を選択的に阻害する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、PCASP2およびPCASP3に対して、MALT1を選択的に阻害する。ある態様において、選択性は、約2倍~約5倍である。ある態様において、選択性は、約5倍~約10倍である。ある態様において、選択性は、約10倍~約20倍である。ある態様において、選択性は、約20倍~約50倍である。ある態様において、選択性は、約50倍~約100倍である。ある態様において、選択性は、約100倍~約200倍である。ある態様において、選択性は、約200倍~約500倍である。ある態様において、選択性は、約500倍~約1000倍である。ある態様において、選択性は、少なくとも約1000倍である。
ある態様において、式Iの化合物は、100,000nM未満、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、または1nM未満のKdで、E3ユビキチンリガーゼに結合する。
ある態様において、式Iの化合物は、100,000nM未満、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、または1nM未満のKdで、セレブロンに結合する。
ある態様において、式Iの化合物は、100,000nM未満、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、または1nM未満のKdで、VHLに結合する。
ある態様において、式Iの化合物は、別のタンパク質と比較して、E3ユビキチンリガーゼに選択的に結合する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、別のタンパク質に対して、セレブロンに選択的に結合する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、別のE3ユビキチンリガーゼに対して、セレブロンに選択的に結合する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、別のタンパク質に対して、VHLに選択的に結合する。いくつかの態様において、式Iの化合物は、別のE3ユビキチンリガーゼに対してVHLに選択的に結合する。ある態様において、選択性は、約2倍~約5倍である。ある態様において、選択性は、約5倍~約10倍である。ある態様において、選択性は、約10倍~約20倍である。ある態様において、選択性は、約20倍~約50倍である。ある態様において、選択性は、約50倍~約100倍である。ある態様において、選択性は、約100倍~約200倍である。ある態様において、選択性は、約200倍~約500倍である。ある態様において、選択性は、約500倍~約1000倍である。ある態様において、選択性は、少なくとも約1000倍である。
ある態様において、式Iの化合物は、100,000nM以下、50,000nM以下、20,000nM以下、10,000nM以下、5,000nM以下、3,500nM以下、2,500nM以下、1,000nM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、90nM以下、80nM以下、70nM以下、60nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下、10nM以下、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、または1nM以下の濃度で、MALT1のうちの10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、60%以下、65%以下、70%以下、75%以下、80%以下、85%以下、90%以下、95%以下、99%以下、または100%以下の分解を促進する。
ある態様において、式Iの化合物は、1,000nMの濃度で、MALT1のうちの10~30%、31~50%、または50~99%の分解を促進する。ある態様において、式Iの化合物は、100nMの濃度で、MALT1のうちの10~30%、31~50%、または50~99%の分解を促進する。
ある態様において、式Iの化合物は、1,000nMの濃度で、MALT1のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の分解を促進する。ある態様において、式Iの化合物は、100nMの濃度で、MALT1のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の分解を促進する。
医薬組成物、キットおよび投与
本開示は、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、および任意に薬学的に受入可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本明細書において記載される医薬組成物は、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、および薬学的に受入可能な賦形剤を含む。
ある態様において、式Iの化合物は、医薬組成物において有効量で提供される。ある態様において、有効量は、治療有効量である。ある態様において、有効量は、予防有効量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、増殖性疾患を処置するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、増殖性疾患を予防するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、血液がんを処置するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、血液がんを予防するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、自己免疫障害を処置するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、自己免疫障害を予防するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、炎症性疾患を処置するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、炎症性疾患を予防するために有効な量である。ある態様において、有効量は、それを必要とする対象において、疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、炎症性疾患、または自己免疫障害)を発症するリスクを軽減するために有効な量である。ある態様において、有効量は、は、対象または細胞においてタンパク質の活性(例えば、異常な活性、例えば増大した活性)を阻害するために有効な量である。
ある態様において、対象は、動物である。動物は、いずれの性別のものであってもよく、発達の任意の段階におけるものであってよい。ある態様において、本明細書において記載される対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、非ヒト動物である。ある態様において、対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、非ヒト哺乳動物である。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜化された動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどの伴侶動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜動物である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒト霊長類などの研究動物である。ある態様において、動物は、遺伝子操作された動物である。ある態様において、動物は、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウスおよびトランスジェニックブタ)である。ある態様において、対象は、魚類または爬虫類である。
ある態様において、有効量は、MALT1の活性を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%、阻害するために有効な量である。ある態様において、有効量は、MALT1のうちの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の分解を促進するために有効な量である。ある態様において、有効量は、本段落において記載されるパーセンテージと本段落において記載される別のパーセンテージとの間の範囲(両端を含む)で、MALT1の活性を阻害する、および/またはMALT1の分解を促進するために有効な量である。
本開示は、それを必要とする対象においてがんを処置することにおける使用のための、MALT1および/またはE3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)と相互作用する化合物を含む、医薬組成物を提供する。ある態様において、組成物は、血液がんを処置することにおける使用のためのものである。ある態様において、組成物は、リンパ性腫瘍を処置することにおける使用のためのものである。ある態様において、組成物は、白血病、リンパ腫、または多発性骨髄腫を処置することにおける使用のためのものである。ある態様において、組成物は、非ホジキンリンパ腫を処置することにおける使用のためのものである。ある態様において、組成物は、DLBCLを処置することにおける使用のためのものである。ある態様において、組成物は、ABC-DLBCLを処置することにおける使用のためのものである。
本開示は、MALT1および/またはE3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)と相互作用する化合物を含む、がんの処置のための医薬組成物を提供する。ある態様において、医薬組成物は、血液がんの処置のためのものである。ある態様において、医薬組成物は、リンパ性腫瘍の処置のためのものである。ある態様において、医薬組成物は、白血病、リンパ腫、または多発性骨髄腫の処置のためのものである。ある態様において、医薬組成物は、非ホジキンリンパ腫の処置のためのものである。ある態様において、医薬組成物は、DLBCLの処置のためのものである。ある態様において、医薬組成物は、ABC-DLBCLの処置のためのものである。
本明細書において記載されるような化合物または組成物は、1つ以上のさらなる医薬剤(例えば、治療的におよび/または予防的に活性な剤)と組み合わせて投与することができる。化合物または組成物は、それらの活性(例えば、それを必要とする対象において疾患を処置することにおける、それを必要とする対象において疾患を予防することにおける、および/またはそれを必要とする対象において疾患を発症するリスクを軽減することにおける、活性(例えば、効力および/または有効性))を改善する、バイオアベイラビリティーを改善する、安全性を改善する、薬物耐性を低下させる、代謝を低下させるかおよび/もしくは調節する、排出を阻害する、ならびに/または対象または細胞における分布を調節する、さらなる医薬剤と組み合わせて投与することができる。また、使用される治療は、同じ障害について所望される効果を達成してもよく、および/または、それは異なる効果を達成してもよいことが理解されるであろう。ある態様において、本明細書において記載される化合物およびさらなる医薬剤を含む、本明細書において記載される医薬組成物は、化合物およびさらなる医薬剤のうちの一方を含むが、両方は含まない医薬組成物においては不在の相乗効果を示す。
化合物または組成物は、例えば併用治療として有用であり得る1つ以上のさらなる医薬剤と同時に、これに先立ち、またはこれに続いて、投与することができる。医薬剤は、治療活性剤を含む。医薬剤はまた、予防活性剤を含む。医薬剤は、薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)において提供されるとおり、米国食品医薬品局によりヒトまたは獣医学的使用について承認された化合物)などの有機小分子、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミンおよび細胞を含む。ある態様において、さらなる医薬剤は、疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、および/または炎症性疾患)を処置および/または予防するために有用な医薬剤である。各々のさらなる医薬剤は、その医薬剤について決定された用量および/または時間スケジュールにおいて投与することができる。さらなる医薬剤はまた、互いと一緒に、および/または本明細書において記載される化合物または組成物と共に、単一の用量において投与しても、異なる用量において別々に投与してもよい。レジメンにおいて使用される特定の組み合わせは、本明細書において記載される化合物とさらなる医薬剤との適合性、および/または達成されるべき所望される治療および/または予防効果を考慮するであろう。一般的に、組み合わせにおけるさらなる医薬剤は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルにおいて利用されることが期待される。いくつかの態様において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、個々に利用されるものよりも低いであろう。
さらなる医薬剤として、これらに限定されないが、抗増殖剤、抗がん剤、血管新生抑制剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、および抗ウイルス剤が挙げられる。ある態様において、さらなる医薬剤は、抗ウイルス剤である。ある態様において、さらなる医薬剤は、免疫療法剤である。ある態様において、さらなる医薬剤は、抗増殖剤である。ある態様において、さらなる医薬剤は、抗がん剤である。ある態様において、抗がん剤として、これらに限定されないが、以下が挙げられる:エピジェネティックな、または転写の修飾因子(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、有糸分裂阻害剤(例えば、タキサンおよびビンカアルカロイド)、細胞シグナル伝達経路阻害剤(例えば、チロシンタンパク質キナーゼ阻害剤)、タンパク質安定性の修飾因子(例えば、プロテアソーム阻害剤)、Hsp90阻害剤、糖質コルチコイド、全トランス型レチノイン酸、抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびメゲストロール)、LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリンおよびロイプロリド)、抗アンドロゲン薬(例えば、フルタミドおよびビカルタミド)、光線力学的治療剤(例えば、ベルテポルフィン(BPD-MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4、およびデメトキシ-ヒポクレリン(hypocrellin)A(2BA-2-DMHA))、ナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、およびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU))、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファンおよびトレオスルファン)、トリアゼン(例えば、ダカルバジン、テモゾロミド)、白金含有化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)、タキソイド(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル等価物、例えばナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA-パクリタキセル、Taxoprexin)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG-パクリタキセル、パクリタキセル・ポリグルメックス(poliglumex)、CT-2103、XYOTAX)、腫瘍活性型プロドラッグ(TAP)ANG1005(3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep-2)、パクリタキセル-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1に結合したパクリタキセル)、およびグルコース共役パクリタキセル、例えば、2’-パクリタキセルメチル2-コハク酸グルコピラノシル;ドセタキセル、タキソール)、エピポドフィリン(epipodophyllin)(例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、トポテカン、9-アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、イリノテカン、クリスナトール(crisnatol)、マイトマイシンC)、代謝拮抗薬、DHFR阻害剤(例えば、メトトレキサート、ジクロロ、トリメトレキサート、エダトレキサート)、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、およびEICAR)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、ヒドロキシウレアおよびデフェロキサミン)、ウラシルアナログ(例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラチトレキセド(ratitrexed)、テガフール-ウラシル、カペシタビン)、シトシンアナログ(例えば、シタラビン(ara C)、シトシンアラビノシド、およびフルダラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ビタミンD3アナログ(例えば、EB 1089、CB 1093、およびKH 1060)、イソプレニル化阻害剤(例えば、ロバスタチン)、ドーパミン作動性神経毒(例えば、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオン)、細胞周期阻害剤(例えば、スタウロスポリン)、アクチノマイシン(例えば、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン)、ブレオマイシン(例えば、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン)、MDR阻害剤(例えば、ベラパミル)、Ca2+ATPアーゼ阻害剤(例えば、タプシガルジン)、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI-606)、セジラニブ(RECENTINTM、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS-354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI-571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP-701)、ネラチニブ(HKI-272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマクサニブ(セマクサニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、乳酸ドビチニブ(TKI258、CHIR-258)、BIBW 2992(TOVOKTM)、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(VELCADE))、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD-001)、リダフォロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF-4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)およびOSI-027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルビジン(procarbizine)、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンパテシン(campathecin)、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモリド、カルミノマイシン、アミノプテリン、およびヘキサメチルメラミン。
ある態様において、さらなる医薬剤は、免疫療法である。ある態様において、免疫療法は、がんの処置において有用である。例示的な免疫療法として、これらに限定されないが、T細胞治療、インターフェロン、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロンγ)、ワクチン、造血成長因子、モノクローナル血清療法、免疫刺激剤および/または免疫調節剤(例えば、IL-1、2、4、6、または12)、免疫細胞増殖因子(例えば、GM-CSF)および抗体が挙げられる。ある態様において、免疫療法は、T細胞療法である。ある態様において、T細胞治療は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)である。ある態様において、免疫療法は、抗体である。ある態様において、抗体は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体、抗TIM3抗体、抗OX40抗体、抗GITR抗体、抗LAG-3抗体、抗CD137抗体、抗CD27抗体、抗CD28抗体、抗CD28H抗体、抗CD30抗体、抗CD39抗体、抗CD40抗体、抗CD47抗体、抗CD48抗体、抗CD70抗体、抗CD73抗体、抗CD96抗体、抗CD160抗体、抗CD200抗体、抗CD244抗体、抗ICOS抗体、抗TNFRSF25抗体、抗TMIGD2抗体、抗DNAM1抗体、抗BTLA抗体、抗LIGHT抗体、抗TIGIT抗体、抗VISTA抗体、抗HVEM抗体、抗Siglec抗体、抗GAL1抗体、抗GAL3抗体、抗GAL9抗体、抗BTNL2(ブチロフィリン)抗体、抗B7-H3抗体、抗B7-H4抗体、抗B7-H5抗体、抗B7-H6抗体、抗KIR抗体、抗LIR抗体、抗ILT抗体、抗MICA抗体、抗MICB抗体、抗NKG2D抗体、抗NKG2A抗体、抗TGFβ抗体、抗TGFβR抗体、抗CXCR4抗体、抗CXCL12抗体、抗CCL2抗体、抗IL-10抗体、抗IL-13抗体、抗IL-23抗体、抗ホスファチジルセリン抗体、抗ニューロピリン抗体、抗GalCer抗体、抗HER2抗体、抗VEGFA抗体、抗VEGFR抗体、抗EGFR抗体、または抗Tie2抗体である。ある態様において、抗体は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、ピジリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、PF-06801591、ウトミルマブ(utomilumab)、PDR001、PBF-509、MGB453、LAG525、AMP-224、INCSHR1210、INCAGN1876、INCAGN1949、サマリズマブ(samalizumab)、PF-05082566、ウレルミブ(urelumab)、リリルマブ(lirilumab)、ルリズマブ(lulizumab)、BMS-936559、BMS-936561、BMS-986004、BMS-986012、BMS-986016、BMS-986178、IMP321、IPH2101、IPH2201、バルリルマブ(varilumab)、ウロクプルマブ(ulocuplumab)、モナリズマブ(monalizumab)、MEDI0562、MEDI0680、MEDI1873、MEDI6383、MEDI6469、MEDI9447、AMG228、AMG820、CC-90002、CDX-1127、CGEN15001T、CGEN15022、CGEN15029、CGEN15049、CGEN15027、CGEN15052、CGEN15092、CX-072、CX-2009、CP-870893、ルカツムマブ(lucatumumab)、ダセツズマブ(dacetuzumab)、Chi Lob 7/4、RG6058、RG7686、RG7876、RG7888、TRX518、MK-4166、MGA271、IMC-CS4、エマクツズマブ(emactuzumab)、トラスツズマブ、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、カビラリズマブ(cabiralizumab)、マルゲツキシマブ(margetuximab)、エノブリツズマブ(enoblituzumab)、モガムリズマブ、パニツムマブ、カルルマブ(carlumab)、ベバシズマブ、リツキシマブ、またはセツキシマブである。
ある態様において、本明細書において記載される化合物または医薬組成物は、限定されないが、外科手術、放射線療法、および移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)を含む、抗がん治療と組み合わせて投与することができる。
ある態様において、化合物または医薬組成物は、個体である。ある態様において、化合物または医薬組成物は、粉末である。ある態様において、化合物または医薬組成物を、液体中に溶解して、溶液を作製してもよい。ある態様において、化合物または医薬組成物を、水中に溶解して、水溶液を作製してもよい。ある態様において、医薬組成物は、非経口注射のための液体である。ある態様において、医薬組成物は、経口投与(例えば経口摂取)のための液体である。ある態様において、医薬組成物は、静脈内注射のための液体(例えば水溶液)である。ある態様において、医薬組成物は、皮下注射のための液体(例えば水溶液)である。
適切な薬学的に受入可能な賦形剤と共に所望される投与量で処方された後、本発明の医薬組成物は、ヒトまたは他の動物に、処置されている疾患または状態に依存して、経口で、非経口で、大槽内に、腹腔内に、局所的に、頬側などに投与することができる。
ある態様において、式Iの化合物を含む医薬組成物は、経口でまたは非経口で、1日または数日にわたり(投与の様式に依存して)、1つ以上の用量の投与において約0.001mg/kg~約200mg/kgを送達するために十分な各々の医薬組成物の投与レベルにおいて、投与される。ある態様において、所望される治療および/または予防効果を得るために、用量あたりの有効量は、1日1回以上で、対象の体重1kgあたり1日あたり、約0.001mg~約200mg、約0.001mg~約100mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約50mg、好ましくは約0.1mg~約40mg、好ましくは約0.5mg~約30mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mgで変化する。ある態様において、本明細書において記載される化合物は、所望される治療および/または予防効果を得るために、1日1回以上で、対象の体重1kgあたり1日あたり約0.001mg~約200mg、約0.001mg~約100mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約50mg、好ましくは約0.1mg~約40mg、好ましくは約0.5mg~約30mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、およびより好ましくは約1mg~約25mgを送達するために十分な投与レベルであってよい。所望される投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎、3日毎、毎週、2週間毎、3週間毎、または4週間毎に送達することができる。ある態様において、所望される投与量は、複数回の投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回またはそれより多くの投与)を用いて送達することができる。ある態様において、本明細書において記載される組成物は、剤が非特異的な効果を引き起こす用量よりも低い用量で投与される。
ある態様において、医薬組成物は、単位用量あたり約0.001mg~約1000mgの用量で投与される。ある態様において、医薬組成物は、単位用量あたり約0.01mg~約200mgの用量で投与される。ある態様において、医薬組成物は、単位用量あたり約0.01mg~約100mgの用量で投与される。ある態様において、医薬組成物は、単位用量あたり約0.01mg~約50mgの用量で投与される。ある態様において、医薬組成物は、単位用量あたり約0.01mg~約10mgの用量で投与される。ある態様において、医薬組成物は、単位用量あたり約0.1mg~約10mgの用量で投与される。
本明細書において記載される医薬組成物は、薬理学の分野において公知の任意の方法により、調製することができる。一般的に、かかる調製方法は、式Iの化合物を含む組成物を、キャリアおよび/または1つ以上の他の副成分と組み合わせるステップ、ならびに次いで、、必要であるかおよび/または望ましい場合は生成物を所望される単一または複数の用量単位に成形および/またはパッケージングするステップを含む。
医薬組成物は、バルクで、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、調製され、パッケージングされ、および/または販売され得る。本明細書において用いられる場合、「単位用量」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投薬量、および/または、かかる投薬量の、例えば二分の一または三分の一など、かかる投薬量の好都合な画分に等しい。
本発明の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/またはいずれの追加の成分の相対量は、処置される対象の固有性(identity)、サイズ、および/または状態に応じて、およびさらに、組成物が投与されるべき経路に応じて、変動し得る。例えば、組成物は、0.1%と100%(w/w)との間で活性成分を含んでもよい。
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容し得る賦形剤は、不活性希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油を包含する。ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料(flavoring)、および香料(perfuming agents)もまた、組成物中に存在していてもよい。
例示的な希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な造粒および/または分散剤は、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例として、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例として、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例として、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアラート、エチレングリコールジステアラート、グリセリルモノステアラート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例として、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween 80)、ソルビタンモノパルミタート(Span 40)、ソルビタンモノステアラート(Span 60)、ソルビタントリステアラート(Span 65)、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート(Span 80))、ポリオキシエチレンエステル(例として、ポリオキシエチレンモノステアラート(Myrj 45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例として、Cremophor(商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij 30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F-68、Poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはこれらの混合物を包含する。
例示的な結合剤は、デンプン(例として、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例として、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例として、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、および落葉松アラボガラクタン)、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ワックス、水、アルコール、および/またはこれらの混合物を包含する。
例示的な保存剤は、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤を包含する。ある態様において、保存剤は、抗酸化剤である。他の態様において、保存剤は、キレート剤である。
例示的な酸化防止剤は、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを包含する。
例示的なキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩および水和物(例として、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸およびその塩および水和物(例として、クエン酸一水和物)、フマル酸およびその塩および水和物、リンゴ酸塩およびその塩および水和物、リン酸およびその塩および水和物、および酒石酸およびその塩および水和物を包含する。例示的な抗菌性保存剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを包含する。
例示的な抗真菌性保存剤は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を包含する。
例示的なアルコール保存剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールを包含する。
例示的な酸性保存剤は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を包含する。
他の保存剤は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylを包含する。
例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な天然オイルは、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽を包含する。例示的な合成油は、これらに限定はされないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびこれらの混合物を包含する。
経口および非経口投与のための液体剤形は、これらに限定されないが、薬学的に許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含する。活性剤に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸酢酸エチルエチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの、可溶化剤および乳化剤、およびこれらの混合物を含んでもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤などのアジュバント、甘味料、香味料、および香料を包含し得る。非経口投与のためのある態様において、本発明の剤は、CREMOPHOR EL(登録商標)、(ポリエトキシル化ヒマシ油)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルバート、シクロデキストリン、ポリマー、およびこれらの組合せなどの可溶化剤と混合される。
注射用調製物において、例えば、無菌の注射用水性または油性の懸濁液は、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して、知られている技術に従って処方され得る。無菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の無菌の注射用溶液、懸濁液、またはエマルション、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液であり得る。許容し得るビヒクルおよび溶媒のうち採用され得るのは、水、Ringer溶液(U.S.P.)、および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、無菌の固定油は従来、溶媒または懸濁媒体として採用されている。この目的において、合成モノ-またはジグリセリドを包含するいずれの無刺激性の固定油も採用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用の調製物に使用される。
注射用処方物は、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、または使用に先立ち、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、活性剤は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容し得る賦形剤またはキャリア、および/または、a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどのバインダー、c)グリセロールなどの湿潤剤(humectant)、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、あるシリカート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤(wetting agent)、h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、およびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤のケースにおいて、剤形はまた、緩衝剤を包含してもよい。
類似の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤ならびに高分子量のポリエチレングリコールなどを用いる軟質または硬質の充填されたゼラチンカプセル中で、充填剤として使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒の固体投与形態は、製薬の分野において周知の腸溶性コーティング剤および他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルにより、調製することができる。それらは、任意に、不透明化剤を含んでもよく、また、腸管の特定の部位においてのみ、またはここにおいて優先的に、任意に遅延された様式において、活性成分を放出する組成のものであってもよい。用いることができる包埋組成物の例は、ポリマー性の物質およびロウを含む。類似の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤ならびに高分子量のポリエチレングリコールなどを用いる軟質または硬質の充填されたゼラチンカプセル中で、充填剤として使用することができる。
活性剤は、上に述べたとおりの1以上の賦形剤をもつマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野において知られている他のコーティングなどの、コーティングおよび外郭で調製され得る。かかる固体剤形において、活性剤は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1個の不活性希釈剤と混和され得る。かかる固体剤形はまた、通常の実践の場合、不活性な希釈剤以外に追加の物質、例として、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤(ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなど)を含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤のケースにおいて、剤形はまた、緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、それらが、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。
局所投与のために好適な処方物は、液体または半液体の調製物、例えば、リニメント剤、ローション、ゲル、アプリカント(applicant)、水中油型または油中水型エマルジョン、例えばクリーム、軟膏またはペースト剤;または溶液もしくは懸濁液、例えば滴下剤を含む。皮膚表面への局所投与のための処方物は、薬物を、ローション、クリーム、軟膏または石鹸などの皮膚科学的に受入可能なキャリアと共に分散させることにより、調製することができる。有用なキャリアは、皮膚上にフィルムまたは層を形成して投与を限局して除去を阻害することができる。内部組織表面への局所投与のために、剤は、液体の組織接着剤または組織表面への吸着を増強することが知られている他の物質中に分散させることができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビン溶液を有利に用いてもよい。あるいは、ペクチン含有処方物などの組織コーティング溶液を用いてもよい。眼用処方物、点耳剤、および点眼剤もまた、本発明の範囲内であるものとして企図される。加えて、本開示は、経皮貼付剤の使用を企図し、これは、身体への剤の制御された送達を提供するという、さらなる利点を有する。かかる投与形態は、剤を適切な媒体中で溶解または分散することにより作製することができる。吸収促進剤もまた、皮膚を越えての剤の流動を増大させるために、用いることができる。速度は、速度制御膜を提供することにより、または、剤をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることにより、制御することができる。
加えて、局所用処方物のためのキャリアは、水アルコール系(例えば、クイド(quid)およびゲル)、無水のオイル、またはシリコーンベースの系、またはエマルジョン系の形態であってもよく、これは、これらに限定されないが、水中油型、油中水型、水中油中水型(water-in-oil-in-water)およびシリコーン中水中油型(oil-in-water-in-silicone)のエマルジョンを含む。エマルジョンは、薄いローション(これはまた、スプレーまたはエアロゾル送達のためにも好適であり得る)、クリーミーなローション、軽いクリーム、重いクリームなどを含む、広範なコンシステンシーをカバーすることができる。エマルジョンはまた、マイクロエマルジョン系を含んでもよい。他の好適な局所用キャリアとして、無水の固体および半固体(ゲルおよびスティックなど);ならびに水性ベースのムース系が挙げられる。
また、本開示により包含されるのは、キット(例えば、医療用パック)である。提供されるキットは、本明細書において記載される医薬組成物または化合物および容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/またはディスペンサーパッケージ、または他の好適な容器)を含んでもよい。いくつかの態様において、提供されるキットは、任意にさらに、本明細書において記載される医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための医薬用賦形剤を含む、第2の容器を含んでもよい。いくつかの態様において、第1の容器において提供される本明細書において記載される医薬組成物または化合物および第2の容器は、組み合わされて、1つの単位投与形態を形成する。
したがって、一側面において、提供されるのは、本明細書において記載される化合物または医薬組成物を含む第1の容器を含む、キットである。ある態様において、キットは、それを必要とする対象において疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、炎症性疾患)を処置するために有用である。ある態様において、キットは、それを必要とする対象において疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、炎症性疾患)を予防するために有用である。ある態様において、キットは、それを必要とする対象において疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、炎症性疾患)を発症するリスクを軽減するために有用である。ある態様において、キットは、対象または細胞においてMALT1の活性(例えば、増大した活性などの異常な活性)を阻害するために有用である。ある態様において、キットは、対象または細胞においてMALT1の分解を促進するために有用である。
ある態様において、本明細書において記載されるキットは、キットを使用するための指示をさらに含む。本明細書において記載されるキットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局により必要とされるような情報を含んでもよい。ある態様において、キット中に含まれる情報は、処方の情報であうr。ある態様において、キットおよび指示は、それを必要とする対象において疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、炎症性疾患)を処置することを提供する。ある態様において、キットおよび指示は、それを必要とする対象において疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、炎症性疾患)を予防することを提供する。ある態様において、キットおよび指示は、それを必要とする対象において疾患(例えば、増殖性疾患、血液がん、自己免疫性疾患、炎症性疾患)を発症するリスクを軽減することを提供する。ある態様において、キットおよび指示は、対象または細胞においてMALT1の活性(例えば、増大した活性などの異常な活性)を阻害することを提供する。ある態様において、キットおよび指示は、対象または細胞においてMALT1の分解を促進する。本明細書において記載されるキットは、本明細書において記載される1つ以上のさらなる医薬剤を、別の組成物として含んでもよい。
処置の方法
CBM複合体内で足場タンパク質として作用することに加えて、MALT1はまた、ABC-DLBCLなどの特定のがんにおいて構成的に活性化されるタンパク質の分解活性を有する。MALT1阻害剤は、ABC-DLBCLのバイアビリティーを阻害することが知られており、これが、MALT1の阻害および/または分解を、ABC-DLBCLの処置のための魅力的な方法としている。
サリドマイド、レナリドミド、およびポマリドミドを含む免疫調節剤は、セレブロンに結合する。セレブロンは、多発性骨髄腫およびABC-DLBCLの両方において、レナリドミドおよびポマリドミドのための標的である。さらに、DLBCL細胞株において、レナリドミド処置は、in vitroでABC-DLBCL細胞の増殖を優先的に抑制し、ヒト腫瘍異種移植モデルにおいて腫瘍の増殖を遅延させ、ここで、非ABC-DLBCL細胞に対する効果は最小限であった。
加えて、(2S,4R)-1-((S)-2-アセタミド-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミドなどの化合物は、VHLに効果的に結合する。
したがって、MALT1に結合し、および/またはこれを阻害し、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン、VHL)に結合する二官能性化合物の使用は、MALT1の活性に依存する疾患を処置する方法を提供する。
本開示は、がんを処置するための方法を提供する。ある態様において、本願は、血液がんを処置する方法を提供する。ある態様において、本願は、リンパ性腫瘍を処置する方法を提供する。ある態様において、本願は、白血病、リンパ腫、または多発性骨髄腫を処置する方法を提供する。ある態様において、本願は、非ホジキンリンパ腫を処置する方法を提供する。ある態様において、本願は、DLBCLを処置する方法を提供する。ある態様において、本願は、ABC-DLBCLを処置する方法を提供する。ある態様において、本願は、MALT1の分解を促進する方法を提供する。ある態様において、本願は、MALT1の分解およびE3ユビキチンリガーゼへの結合を促進する方法を提供する。ある態様において、E3ユビキチンリガーゼは、セレブロンである。ある態様において、E3ユビキチンリガーゼは、VHLである。
ある態様において、方法は、それを必要とする対象(例えば、がんを有する対象)に、MALT1と相互作用する化合物、例えば、MALT1の阻害剤、MALT1の修飾因子、MALT1の結合剤である化合物、MALT1を修飾する化合物、またはMALT1の分解を促進する化合物を投与することを含む。化合物はまた、E3ユビキチンリガーゼの阻害剤、E3ユビキチンリガーゼの修飾因子、E3ユビキチンリガーゼの結合剤、E3ユビキチンリガーゼを修飾する化合物、またはE3ユビキチンリガーゼと別のタンパク質との相互作用を妨害する化合物であってもよい。ある態様において、方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様において、方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
本開示はまた、がんの処置における使用のための、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物を提供する。ある態様において、がんは、血液がんである。ある態様において、がんは、リンパ性腫瘍である。ある態様において、がんは、白血病、リンパ腫、または多発性骨髄腫である。ある態様において、がんは、非ホジキンリンパ腫である。ある態様において、がんは、DLBCLである。ある態様において、がんは、ABC-DLBCLである。
本開示はまた、がんの処置のための医薬の製造における、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物の使用を提供する。ある態様において、がんは、血液がんである。ある態様において、がんは、リンパ性腫瘍である。ある態様において、がんは、白血病、リンパ腫、または多発性骨髄腫である。ある態様において、がんは、非ホジキンリンパ腫である。ある態様において、がんは、DLBCLである。ある態様において、がんは、ABC-DLBCLである。
ある態様において、本発明の方法は、対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物の有効量を投与することを含む。いくつかの態様において、有効量は、治療有効量である。いくつかの態様において、有効量は、予防有効量である。
ある態様において、処置されている対象は、動物である。動物は、いずれの性別のものでもよく、発達の任意の段階におけるものであってよい。ある態様において、対象は、哺乳動物である。ある態様において、処置されている対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜化された動物である。ある態様において、対象イヌまたはネコなどの伴侶動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜動物である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒト霊長類などの研究動物である。ある態様において、動物は、遺伝子操作された動物である。ある態様において、動物は、トランスジェニック動物である。
本明細書において記載される特定の方法は、1つ以上のさらなる医薬剤を、本明細書において記載される化合物と組み合わせて投与することを含んでもよい。さらなる医薬剤は、式Iの化合物と同じ時点において、または式Iの化合物とは異なる時点において、投与することができる。例えば、式Iの化合物および任意のさらなる医薬剤は、同じ投与スケジュールまたは異なる投与スケジュールにおけるものであってよい。式Iの化合物のうちの全てまたは一部の用量を、さらなる医薬剤のうちの全てまたは一部の用量の前に投与しても、さらなる医薬剤のうちの全てまたは一部の用量の後に投与しても、さらなる医薬剤の投与スケジュール内に投与しても、またはこれらの組み合わせであってもよい。式Iの化合物およびさらなる医薬剤の投与のタイミングは、異なるさらなる医薬剤について、異なっていてもよい。
ある態様において、さらなる医薬剤は、がんの処置において有用な剤を含む。ある態様において、さらなる医薬剤は、血液がんの処置において有用である。ある態様において、さらなる医薬剤は、リンパ性腫瘍の処置において有用である。ある態様において、さらなる医薬剤は、白血病、リンパ腫、または多発性骨髄腫の処置において有用である。ある態様において、さらなる医薬剤は、非ホジキンリンパ腫の処置において有用である。ある態様において、さらなる医薬剤は、DLBCLの処置において有用である。ある態様において、さらなる医薬剤は、ABC-DLBCLの処置において有用である。ある態様において、さらなる医薬剤は、抗がん剤である。ある態様において、さらなる医薬剤は、本明細書において記述される任意の抗がん剤である。ある態様において、さらなる医薬剤は、免疫療法である。ある態様において、さらなる医薬剤は、本明細書において記述される任意の免疫療法である。
別の側面において、本開示は、MALT1の分解を促進するための方法を提供し、該方法は、対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物を投与することを含む。
別の側面において、本開示は、MALT1の分解およびE3ユビキチンリガーゼへの結合を促進するための方法を提供し、該方法は、対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に受入可能な塩、共結晶、互変異生体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多型、同位体が濃縮された誘導体、またはプロドラッグ、もしくは組成物を投与することを含む。ある態様において、E3ユビキチンリガーゼは、セレブロンである。ある態様において、E3ユビキチンリガーゼは、VHLである。
例
本明細書に記載の発明がより完全に理解され得るために、以下の例を記す。本出願に記載の例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物および方法を説明するために提示されるが、これらの範囲を限定するものとして、決して解釈されるべきではない。
式Iの化合物は、以下に詳細に記載される合成スキームおよび手順を用いて調製することができる。
合成中間体の調製
3-クロロ-1H-ピラゾール-5-アミン(4)
3-クロロ-1H-ピラゾール(1):塩化銅(II)(65.0g、481mmol)および濃HCl(20mL)を、アセトニトリル(600mL)中の1H-ピラゾール-3-アミン(20.0g、241mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間にわたり撹拌し、次いで、硝酸イソペンチル(56.4g、481mmol)を滴加した。混合物を室温で2日間にわたり撹拌し、次いでアンモニア水溶液(10%、1L)でクエンチした、水相をEtOAcで抽出し(5×500mL)、組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=20:1)、緑色のオイルとして表題の化合物を生じた(10.3g、42%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 12.84 (bs, 1H), 7.62 (s, 1H), 6.29 (s, 1H).
3-クロロ-1-ニトロ-ピラゾール(2):濃硝酸(63%、2.5g、39mmol)を、氷酢酸(5.2mL)中の3-クロロ-1H-ピラゾール(4.0g、39mmol)の溶液に0℃で添加した。1時間にわたり撹拌した後、無水酢酸(15.5g、152mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間にわたり撹拌し、次いで10%炭酸ナトリウム溶液(100mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(3×100mL)。組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=10:1)、黄色固体として表題の化合物を生じた(4.1g、70%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.91(d, 1H), 6.91 (d, 1H).
3-クロロ-5-ニトロ-1H-ピラゾール(3):アニソール(20mL)中の3-クロロ-1-ニトロ-ピラゾール(4.0g、27mmol)の溶液を、オートクレーブ中で140℃まで加熱し、140℃で一晩撹拌した。0℃まで冷却した後、反応混合物をヘキサン(200mL)で希釈し、30分間にわたり0℃で撹拌し、ろ過した。固体を回収し、ヘキサン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、黄色固体として表題の化合物を生じた(2.1g、51%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 14.96 (bs, 1H), 7.30 (s, 1H).
3-クロロ-1H-ピラゾール-5-アミン(4):塩化スズ(II)(12.8g、68mmol)を、メタノール(200mL)および濃HCl(10mL)中の3-クロロ-5-ニトロ-1H-ピラゾール(2.0g、13.6mmol)の溶液に、0℃で少しずつ添加した。反応混合物を室温で6時間にわたり撹拌し、減圧下において有機溶媒を除去した。残渣を、水(20mL)で希釈し、Na2CO3でpH7まで中和し、次いで、EtOAcで抽出した(3×50mL)。組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過して濃縮し、表題の化合物を生じ(1.4g、87%)、これをさらなる精製なしで用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.55 (bs, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.21 (s, 1H).
7-[(1S)-1-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]-2-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(7)
tert-ブチル(4S)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-オキソ-ペンタノエート(5):
CDI(4.4g、27mmol)を、THF(100mL)中のN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-L-アラニン(5.0g、24.6mmol)の溶液に0℃で添加し、反応混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。別のフラスコ中で、塩化マグネシウムイソプロピル(THF中2M、73.8mmol)を、THF(100mL)中の3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン酸(5.9g、37mmol)の溶液に0℃で滴加し、反応混合物を室温で3時間にわたり撹拌し、この溶液を、アシルイミダゾール溶液に0℃で撹拌しながら滴加した。生じた混合物を室温まで加温し、一晩撹拌し、次いで10%クエン酸水溶液(100mL)でクエンチした。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出し(2×100mL)、組み合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液および鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=10:1)、オイルとして表題の化合物を生じた(1.60g、22%)。MS m/z 323.79 [M+Na]
+.
tert-ブチル7-[(1S)-1-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]-2-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボキシレート(6):
DMF-DMA(0.25mL)中の化合物tert-ブチル(4S)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-オキソ-ペンタノエート(567mg、1.9mmol)の溶液を、120℃で1時間にわたり加熱し、次いで80℃まで冷却し、EtOH(2.5mL)中の3-クロロ-1H-ピラゾール-5-アミン(221mg、1.9mmol)の溶液を、反応混合物に添加した。生じた混合物を2時間にわたり80℃で混合し、冷却し、減圧下において濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=5:1~1:1)、オイルとして表題の化合物を生じた(340mg、44%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.61 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 5.96 (m, 1H), 3.08 (s, 3H), 1.76 (m, 3H), 1.60 (s, 9H), 1.47-0.90 (m, 9H). MS m/z 432.97 [M+Na]+.
7-[(1S)-1-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]-2-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(7):
TFA(5mL)中のtert-ブチル7-[(1S)-1-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]-2-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボキシレート(340mg、0.83mmol)の溶液を、一晩室温で撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をTHF(10mL)およびK2CO3溶液(2N、10mL、20mmol)中で溶解し、Boc2O(200mg、0.91mol)を添加した。6時間にわたり撹拌した後、減圧下において有機溶媒を除去し、混合物をH2O(20mL)で希釈し、ヘキサンで洗浄した(3×30mL)。水相を1NのHClでpH4まで酸性化させ、次いで酢酸エチル/THF(4:1、3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過して濃縮し、表題の化合物を生じた(230mg、79%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.90 (bs, 1H), 8.79 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 2.99 (s, 3H), 1.66 (m, 3H), 1.26-0.89 (m, 9 H). MS m/z 353.15 [M-H]-
(S)-1-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-(メチルアミノ)エチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(11)
3-クロロ-5-ニトロ-2-(トリアゾール-2-イル)ピリジン(8):1H-トリアゾール(760mg、11mmol)を、THF(50mL)中の2,3-ジクロロ-5-ニトロ-ピリジン(965mg、5mmol)および無水炭酸カリウム(1.03g、7.5mmol)の懸濁液に添加し、混合物を一晩室温で撹拌した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水および鹹水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=5:1~1:1)、表題の化合物を生じた(505mg、44%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.39 (d, 1H), 9.15 (d, 1H), 8.34 (s, 2H).
5-クロロ-6-(トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(9):塩化スズ(II)2水和物(4.75g、21mmol)を、濃HCl(25mL)およびEtOH(100mL)中の3-クロロ-5-ニトロ-2-(トリアゾール-2-イル)ピリジン(950mg、4.2mmol)の懸濁液に、室温で少しずつ添加し、次いで、混合物を一晩撹拌した。溶媒を減圧下において除去し、残渣をH2O(100mL)で希釈し、3NのNaOH水溶液でpH9まで塩基性化(basicify)し、次いで、EtOAcで抽出した(2×100mL)。組み合わせた有機層を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過して濃縮し、黄色固体として表題の化合物を生じた(795mg、97%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.05 (s, 2H), 7.82 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.21 (bs, 2H). MS m/z 195.95 [M+H]+.
tert-ブチル(S)-(1-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)エチル)(メチル)カルバメート(10):ジフェニルホスホリルアジド(0.20mL)およびトリエチルアミン(302mg、3mmol)を、ジオキサン(10mL)中の7-[(1S)-1-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]-2-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(283mg、0.8mmol)の溶液に添加した。生じた黄色の溶液を室温で30分間にわたり撹拌した。5-クロロ-6-(トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(156mg、0.8mmol)を添加し、反応混合物を100℃まで加熱し、1時間にわたり撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を、水で希釈し(30mL)、EtOAcで抽出した(3×30mL)。組み合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液および鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣を調製HPLCにより精製して、表題の化合物を生じた(170mg、39%)。MS m/z 547.38 [M+H]+.
(S)-1-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-(メチルアミノ)エチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(11):ジオキサン(4N、10mL)中のHClの溶液を、EtOAc(10mL)中のtert-ブチル(S)-(1-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)エチル)(メチル)カルバメート(170mg、0.31mmol)の溶液に0℃で滴加した。生じた混合物を、3時間にわたり室温で混合し、次いで、減圧下において濃縮して、表題の化合物(125mg、83%)をHCl塩として生じた。1H NMR (400 MHz, D2O): δ 8.45 (s, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.24 (d, 1H), 7.92 (s, 2H), 6.76 (s, 1H), 5.05 (m, 1H), 2.55 (s, 3H), 1.74 (d, 3H). MS m/z 447.4 [M+H]+.
2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(17)
ベンジル(2S)-2-ヒドロキシプロパノエート(12):
ベンジルブロミド(242g、1.42mol)を、アセトニトリル(1L)中の(2S)-2-ヒドロキシプロパン酸(106g、1.18mol)および炭酸セシウム(503g、1.53mol)の懸濁液に室温で添加し、生じた混合物を還流下において2日間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水(2L)でクエンチし、EtOAcで抽出し(3×800mL)、組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=10:1~5:1)、表題の化合物を生じた(150g、70%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.38 (m, 5H), 5.22 (s, 2H), 4.33 (q, 1H), 1.44 (d, 3H).
ベンジル(2S)-2-メトキシプロパノエート(13):NaH(60%、15.0g、374mmol)を、THF(100mL)中のベンジル(2S)-2-ヒドロキシプロパノエート(33.7g、187mmol)の溶液に0℃でN2下において添加した。混合物を、30分間にわたり室温で撹拌し、0℃まで冷却し、ヨードメタン(53.1g、374mmol)を滴加した。混合物を室温で一晩撹拌し、水(500mL)でクエンチし、EtOAcで抽出し(3×400mL)、組合せた有機相を鹹水で洗浄し(400mL×1)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=20:1)、表題の化合物を生じた(7.6g、21%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.35 (m, 5H), 5.22 (s, 2H), 3.95 (q, 1H), 3.39 (s, 3H), 1.42 (d, 3H).
(2S)-2-メトキシプロパン酸(14):EtOH(100mL)中のベンジル(2S)-2-メトキシプロパノエート(7.6g、39mmol)およびPd/C(10%、0.7g)の懸濁液を水素下において室温で3時間にわたり撹拌し、次いでろ過した。ろ過物を減圧下において濃縮して、表題の化合物を生じ(3.76g、92%)、これを、さらなる精製なしで用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.28 (bs, 1H), 3.94 (q, 1H), 3.45 (s, 3H), 1.48 (d, 3H).
tert-ブチル(4S)-4-メトキシ-3-オキソ-ペンタノエート(15):CDI(4.39g、27.1mmol)を、THF(100mL)中の(2S)-2-メトキシプロパン酸(2.56g、24.6mmol)の溶液に0℃で添加し、反応混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。別のフラスコ中で、塩化マグネシウムイソプロピル(THF中2M、37mL、74mmol)を、THF(100mL)中の3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン酸(5.91g、37mmol)の溶液に0℃で滴加し、反応混合物を、室温で3時間にわたり撹拌し、この溶液を、アシルイミダゾール溶液に0℃で撹拌しながら滴加した。生じた混合物を室温まで加温し、一晩撹拌し、次いで10%クエン酸水溶液(100mL)でクエンチした。水相をEtOAcで抽出し(3×100mL)、組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=30:1)、表題の化合物を生じた(3.90g、78%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.83 (q, 1H), 3.54 (2d, 2H), 3.46 (s, 3H), 1.47 (s, 9H), 1.31 (d, 3H).
tert-ブチル2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボキシレート(16):DMF-DMA(1.25mL)中のtert-ブチル(4S)-4-メトキシ-3-オキソ-ペンタノエート(1.96g、9.7mmol)の溶液を120℃で1時間にわたり加熱し、次いで80℃まで冷却して、EtOH(12.5mL)中の3-クロロ-1H-ピラゾール-5-アミン(1.14g、0.97mmol)の溶液を添加した。生じた混合物を2時間にわたり80℃で混合し、次いで減圧下において濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=5:1~1:1)、表題の化合物を生じた(1.60g、53%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.66 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 5.26 (q, 1H), 3.22 (s, 3H), 1.62 (d, 3H), 1.56 (s, 9H). MS m/z 312.24 [M+H]+.
2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(17):TFA(1mL)中のtert-ブチル2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボキシレート(160mg、0.053mmol)の溶液を一晩室温で撹拌した。溶媒を除去して、表題の化合物を生じた(130mg、99%)、これを、さらなる精製なしで用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.75 (bs, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 5.40 (q, 1H), 3.21 (s, 3H), 1.65 (d, 3H). MS m/z 256.31 [M+H]+.
2-クロロ-7-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(20)
tert-ブチル4-メチル-3-オキソペンタノエート(18):CDI(8.1g、50.0mmol)を、THF(120mL)中のイソ酪酸(4g、45.5mmol)の溶液に0℃で添加し、反応混合物を、室温で3時間にわたり撹拌した。別のフラスコ中で、塩化マグネシウムイソプロピル(THF中2M、69mL、136.5mmol)を、THF(120mL)中のマロン酸モノ-tert-ブチルエステル(11.0g、68.3mmol)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を、室温で3時間にわたり撹拌し、次いで、上のアシルイミダゾール溶液に0℃で滴加した。反応混合物を室温まで加温し、一晩撹拌し、氷冷10%クエン酸水溶液(300mL)中に注ぎ、水相をEtOAcで抽出した(3×300mL)。組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過して濃縮し、表題の化合物を生じた(8.3g、98%の収率)、さらなる精製なしで用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 3.41 (s, 2H), 2.72 (m, 1H), 1.43 (s, 9H), 1.13 (d, 6H).
tert-ブチル2-クロロ-7-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボキシレート(19):DMF-DMA(1.8mL)中のtert-ブチル4-メチル-3-オキソペンタノエート(2.52g、13.6mmol)の溶液を120℃で1時間にわたり加熱した。溶液を80℃まで冷却し、EtOH(21mL)中の3-クロロ-1H-ピラゾール-5-アミン(1.6g、13.6mmol)の溶液を添加した。生じた混合物を2時間にわたり80℃で混合した。溶媒を真空中で除去し、次いで減圧下において濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:EtOAc=40:1)、表題の化合物を生じた(2.1g、52%の収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.76 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 4.30 (m, 1H), 1.57 (s, 9H), 1.52 (d, J=7.2 Hz, 6H). MS m/z 296.45 [M+H]+.
2-クロロ-7-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(20):TFA/DCM(6mL/3mL)中の化合物19(300mg、1.0mmol)の溶液を1時間にわたり室温で撹拌した。溶媒を減圧下において濃縮して、表題の化合物を生じ(257mg、100%の収率)、さらなる精製なしで用いた。
tert-ブチルN-[[1-(5-アミノ-3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(22)
tert-ブチルN-[[1-(3-クロロ-5-ニトロ-2-ピリジル)ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(21):DMF(10mL)中の2,3-ジクロロ-5-ニトロ-ピリジン(579mg、3.0mmol)、tert-ブチルN-(1H-ピラゾール-4-イルメチル)カルバメート(592mg、3.0mmol)および炭酸カリウム(621mg、4.5mmol)の懸濁液を50℃まで加熱し、18時間にわたり撹拌し、次いで冷却してろ過した。ろ過物を、水で希釈し(100mL)、EtOAcで抽出した(3×100mL)。組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=20:1)、表題の化合物を生じた(705mg、66%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 9.20 (d, 1H), 8.70 (d, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 4.85 (bs, 1H), 4.30 (m, 2H), 1.26 (s, 9H). MS m/z 353.85 [M+H]
+.
tert-ブチルN-[[1-(5-アミノ-3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(22):鉄粉末(158mg、2.8mmol)を、飽和NH4Cl溶液(0.5mL)およびEtOH(5mL)中のtert-ブチルN-[[1-(3-クロロ-5-ニトロ-2-ピリジル)ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(100mg、0.28mmol)の溶液に添加した。混合物を還流下において加熱し、1時間にわたり撹拌し、次いで室温まで冷却し、Celatomを通してろ過し、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=100:1~20:1)、白色固体として表題の化合物を生じた(81mg、88%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.79 (s, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.16 (d, 1H), 5.96 (s, 2H), 4.03 (m, 2H), 1.39 (s, 9H). MS m/z 324.35 [M+H]+.
tert-ブチルN-[2-[(3-アミノ-5-クロロ-2-ピリジル)オキシ]エチル]カルバメート(24)
tert-ブチルN-[2-[(5-クロロ-3-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]エチル]カルバメート(23):DEAD(6.98g、40mmol)を、THF(70mL)中の5-クロロ-3-ニトロ-ピリジン-2-オール(3.50g、20mmol)、tert-ブチルN-(2-ヒドロキシエチル)カルバメート(3.23g、20mmol)およびPPh
3(11.56g、44mmol)の懸濁液に0℃で添加した。室温で一晩撹拌した後、反応を、水(250mL)中に注ぎ、EtOAcで抽出した(3×100mL)。組合せた有機相を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=100:1~10:1)、白色固体として表題の化合物を生じた(2.4g、38%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.35 (d, 1H), 8.30 (d, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.53 (t, 2 H), 3.59 (m, 2H), 1.45 (s, 9H). MS m/z 318.24 [M+H]
+.
tert-ブチルN-[2-[(3-アミノ-5-クロロ-2-ピリジル)オキシ]エチル]カルバメート(24):鉄粉末(4.22g、75.5mmol)を、飽和NH4Cl溶液(5mL)およびEtOH(20mL)中のtert-ブチルN-[2-[(5-クロロ-3-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]エチル]カルバメート(2.40g、7.6mmol)の溶液に添加した。混合物を還流下において3時間にわたり撹拌した。反応を室温まで冷却し、次いで、Celatomを通してろ過し、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=10:1~1:1)、黄色固体として表題の化合物を生じた(1.60g、74%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.45 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.94 (m, 1H), 4.39 (t, 2 H), 3.55 (m, 2H), 1.40 (s, 9H). MS m/z 288.06 [M+H]+.
(S)-1-(6-(4-(アミノメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)-5-クロロピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(26);(S)-1-(2-(2-アミノエトキシ)-5-クロロピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(28)
tert-ブチルN-[[1-[5-[[2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル]カルバモイルアミノ]-2-ピリジル]ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(25):ジフェニルホスホリルアジド(0.25mL)およびトリエチルアミン(0.4mL、3mmol)を、ジオキサン(10mL)中の2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(255mg、1.0mmol)の溶液に添加した。生じた黄色の溶液を室温で30分間にわたり撹拌した。tert-ブチルN-[[1-(5-アミノ-3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(387mg、1.2mmol)を添加し、反応混合物を還流下において1時間にわたり撹拌した。冷却後、混合物を、水で希釈し(50mL)、EtOAcで抽出し(3×30mL)、組合せた有機相を飽和NaHCO
3溶液および鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣を調製HPLCにより精製して、表題の化合物を生じた(175mg、32%)。
(S)-1-(6-(4-(アミノメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)-5-クロロピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(26):ジオキサン(4N、10mL)中のHClの溶液を、EtOAc(10mL)中のtert-ブチルN-[[1-[5-[[2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル]カルバモイルアミノ]-2-ピリジル]ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(150mg、0.26mmol)の溶液に0℃で滴加した。生じた混合物を、3時間にわたり室温で混合し、次いで、減圧下において濃縮して、表題の化合物(113mg、91%)をHCl塩として生じた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.80 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.37 (bs, 3H), 8.31 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 5.42 (m, 1H), 4.00 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.59 (d, 3 H). MS m/z 476.4 [M+H]+.
tert-ブチルN-[2-[[5-クロロ-3-[[2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル]カルバモイルアミノ]-2-ピリジル]オキシ]エチル]カルバメート(27):ジフェニルホスホリルアジド(0.26mL)およびトリエチルアミン(0.4mL、3mmol)を、ジオキサン(10mL)中の2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボン酸(255mg、1.0mmol)の溶液に添加した。生じた黄色の溶液を室温で30分間にわたり撹拌し、次いで、tert-ブチルN-[2-[(3-アミノ-5-クロロ-2-ピリジル)オキシ]エチル]カルバメート(574mg、2mmol)を添加し、混合物を、還流下において1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、混合物を、水で希釈し(50mL)、EtOAcで抽出した(3×30mL)。組合せた有機相を飽和NaHCO3溶液および鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をHPLCにより精製して、表題の化合物を生じた(133mg、25%)。
(S)-1-(2-(2-アミノエトキシ)-5-クロロピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(28):ジオキサン(4N、5mL)中のHClの溶液を、EtOAc(5mL)中tert-ブチルN-[2-[[5-クロロ-3-[[2-クロロ-7-[(1S)-1-メトキシエチル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル]カルバモイルアミノ]-2-ピリジル]オキシ]エチル]カルバメート(200mg、0.37mmol)の溶液に0℃で滴加した。生じた混合物を、3時間にわたり室温で混合し、次いで、減圧下において濃縮して、表題の化合物(150mg、92%)をHCl塩として生じた。1H NMR (400 MHz, D2O): δ 8.50 (s, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 6.59 (s, 1H), 5.24 (m, 1H), 4.46 (m, 2H), 3.39 (m, 2H), 3.20 (s, 3 H), 1.49 (d, 3H). MS m/z 440.4 [M+H]+.
化合物29および30は、化合物26と類似の様式において、示された出発材料およびtert-ブチルN-[[1-(5-アミノ-3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-4-イル]メチル]カルバメート(19)を使用して調製し、その後続けてジオキサン中でHClによりBoc基を脱保護した。化合物はまた、調製HPLCによるさらなる精製の後で、TFA塩として単離することができた。
2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(31)を、米国仮特許出願番号2016/0058872において報告される手順に従って調製し、その内容は、本明細書において参考として援用される。
3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(36)
tert-ブチル3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロパノエート(32):金属ナトリウム(64mg、0.03等量)を、THF(100mL)中のジエチレングリコール(29.5g、0.278mmol)の溶液に添加した。混合物を1時間にわたり撹拌してナトリウムを溶解させ、次いでtert-ブチルアクリレート(12.4g、97mmol)を添加した。生じた混合物を2日間にわたり混合し、次いで減圧下において濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=1:1)、無色のオイルとして表題の化合物を生じた(9.1g、40%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 3.75 (m, 4H), 3.64 (m, 6H), 2.53 (t, 2H), 2.40 (s, 1H), 1.45 (s, 9H).
tert-ブチル3-(2-(2-オキソエトキシ)エトキシ)プロパノエート(33):tert-ブチル3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロパノエート(8.6g、37mmol)を、DCM(150mL)中のデス・マーチンペルヨージナン(DMP、18.8g、44mmol)およびピリジン(7.0g、88mmol)の懸濁液に0℃で添加した。生じた混合物を室温で16時間にわたり混合し、次いでろ過し、DCMで洗浄した(3×50mL)。ろ過物および洗浄物を組み合わせ、飽和NaHCO3溶液および鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過および濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン:EtOAc=10:1~3:1)、黄色のオイルとして表題の化合物を生じた(4.1g、48%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.76 (s, 1H), 4.16 (s, 2H), 3.50-3.80 (m, 6H), 2.53(t, 2H), 1.46 (s, 9H).
tert-ブチル3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(35):10%のPd/C(100mg)を、MeOH(200mL)中のレナリドミド(34)(1.0g、3.9mmol)およびtert-ブチル3-(2-(2-オキソエトキシ)エトキシ)プロパノエート(1.8g、7.7mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で水素の雰囲気下において16時間にわたり撹拌した。固体をろ過し、ろ過物を減圧下において濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより(DCM:MeOH=30:1~20:1)、次いでHPLCにより精製して、表題の化合物を生じた(425mg、23%)。
3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(36):TFA(1.5mL)を、DCM(6mL)中のtert-ブチル3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(400mg、0.84mmol)の溶液に0℃で添加した。混合物を室温で1時間にわたり撹拌し、溶媒を減圧下において除去して、TFA塩として表題の化合物を生じた(380mg、92%の収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.00 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 6.80 (d, 1H), 5.10 (m, 1H), 4.15 (2d, 2H), 3.60 (m, 2H), 3.50 (m, 2H), 3.36 (m, 6H), 2.95 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.44 (t, 2H), 2.30 (m, 1H), 2.00 (m, 1H). MS m/z 420.7 [M+H]+.
化合物37~39は、化合物36と類似の様式において、示された出発材料およびレナリドミド(34)またはポマリドミドのいずれかを使用して調製した。
3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(41)
tert-ブチル3-(2-(2-(2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(40):ジイソプロピルエチルアミン(10mL)を、DMF(10mL)中の2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(31)(1.2g、4.3mmol)およびNH
2-PEG2-tBu(1g、4.3mmol)の溶液に添加した。溶液を90°Cで2時間にわたり加熱し、次いで冷却し、水で希釈し(50mL)、pH4~5まで10%のKHSO
4で酸性化させた。混合物を酢酸エチルで抽出し(3×50mL)、組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)、黄色固体として表題の化合物を生じた(470mg、22%の収率)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.09 (s, 1H), 7.49 (m, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 4.92 (m, 1H), 3.72 (m, 4H), 3.64 (m, 4H), 3.46 (t, 2H), 2.67~2.94 (m, 3H), 2.51 (t, 2H), 2.13 (m, 1H), 1.44 (s, 9H); MS m/z 512.17 (M+Na)
+.
3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(41):TFA(6mL)を、DCM(20mL)中のtert-ブチル3-(2-(2-(2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(740mg、1.51mmol)の溶液に添加し、溶液を2時間にわたり撹拌した。溶媒を除去して、黄色固体として表題の化合物を生じた(615mg、94%の収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.62 (s, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.91 (d, 1H), 6.54 (br s, 1H), 4.93 (m, 1H), 3.77 (t, 2H), 3.73 (t, 2H), 3.67 (s, 4H), 3.46 (t, 2H), 2.86 (m, 1H), 2.77 (m, 2H), 2.65 (t, 2H), 2.13 (m, 1H); MS m/z 434.25 [M+H]+.
化合物42は、化合物41と類似の様式において、tert-ブチル1-アミノ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサヘンイコサン-21-オエートおよび(31)を使用して調製した。
9-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)ノナン酸(46)
tert-ブチル9-ブロモノナノエート(43):9-ブロモノナン酸(5.5g、23.2mmol)をtert-ブチルアセテート(70mL)中で溶解した。HClO
4(1.8g)を、溶液に添加し、混合物を一晩撹拌し、次いでNaHCO
3水溶液(50mL)の添加によりクエンチした。混合物をろ過し、ろ過物をEtOAcで抽出した(2×50mL)。組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル/EtOAc:50/1)、無色のオイルとして表題の化合物を生じた(3.6g、49%の収率)。
2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(44):4-ヒドロキシイソベンゾフラン-1,3-ジオン(3.6g、22mmol)、3-アミノピぺリジン-2,6-ジオン(3.6g、22mmol)およびKOAc(8.6g、88mmol)を酢酸(70mL)中で溶解した。反応混合物を120℃で1時間にわたり撹拌し、次いで冷却し、水(100mL)で希釈した。生じた混合物をEtOAcで抽出した(2×100mL)。組み合わせた有機抽出物をNaHCO3および鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)ろ過した。溶媒を除去し、固体を真空下において乾燥させて、青色固体として表題の化合物を生じた(4.0g、67%の収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 11.30 (br s, 1H), 11.10 (s, 1H), 7.65 (dd, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.24 (d, 1H), 5.07 (m, 1H), 2.87 (m, 1H), 2.53 (m, 2H), 2.02 (m, 1H).
9-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)ノナン酸(46):DMF(100mL)中のtert-ブチル9-ブロモノナノエート(2.5g、8.53mmol)、2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(2.34g、8.53mmol)、K2CO3(2.35g、17.06mmol)およびKI(0.71g、4.27mmol)の混合物を24時間にわたり撹拌し、次いで水(200mL)で希釈した。生じた混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。組み合わせた有機抽出物をNaHCO3および鹹水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、残渣を調製HPLCにより精製して、白色固体として化合物45を生じた(0.73g)。この材料をDCM(70mL)とTFA(7mL)との混合物中で溶解した。混合物を5時間にわたり撹拌し、次いで水(200mL)で希釈した。混合物を分離し、水相をDCMで抽出した(2×100mL)。組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、乾燥させて濃縮し、白色固体として表題の化合物を生じた(0.64g、2つのステップにわたり17%の収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.00 (br s, 1H), 11.1 (s, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.44 (d, 1H), 5.08 (m, 1H), 4.20 (t, 2H), 2.87 (m, 1H), 2.55 (m, 2H), 2.19 (t, 2H), 2.02 (m, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.45 (m, 4H), 1.29 (m, 6H); MS m/z 429.3 [M-H]-。
(S)-3-(2-(2-(2-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(55)
メチル2-(ブロモメチル)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ベンゾエート(48):塩化チオニル(26.2g、0.22mol)を、メタノール(60mL)中の3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(20g、0.13mol)の溶液に0℃で滴加した。反応を1時間にわたり還流し、溶媒を除去して、メチルエステルを生じた(22.3g、定量的収率)。DCM(100mL)中でエステル(22.3mol、0.13mol)を溶解し、0℃まで冷却した。内部温度を0~5℃に保ちつつ、イミダゾール(26.5g、0.39mol)およびTBDMSCl(24.2g、0.16mol)を添加し、反応を1時間にわたり0℃で撹拌した。混合物を水(100mL)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した(3×100mL)。組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル/酢酸エチル=100:1)、TBS保護されたメチルエステル(47)を生じた(37.9g、定量的収率)。CCl
4(200mL)中のTBS保護されたメチルエステル(37.9g、0.13mol)とNBS(26.7g、0.15mol)との混合物を、脱気してN
2でパージした。AIBN(2.3g、14mmol)を添加し、反応を一晩還流した。冷却後、沈殿をろ過しCCl
4(50mL)で洗浄した。ろ過物を濃縮し、残渣を水(200mL)中で懸濁し、EtOAcで抽出した(3×200mL)。組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、表題の化合物を生じ(52g、定量的収率)、これをさらなる精製なしで用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.51 (dd, 1H), 7.23 (m, 1H), 7.00 (dd, 1H), 5.02 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 1.26 (s, 9H), 0.31 (s, 6H).
(S)-メチル5-アミノ-4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(49):アセトニトリル(50mL)中のメチル2-(ブロモメチル)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ベンゾエート(7.29g、20.3mmol)、(S)-メチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノエートヒドロクロリド(4g、20.3mmol)、およびDIEA(5.24g、40.6mmol)の混合物を40°Cで一晩加熱した。混合物を冷却し、EtOAc(200mL)で希釈し、1NのHCl、飽和炭酸水素ナトリウムおよび鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(DCM/メタノール=100:1)、明黄色粉末として表題の化合物を生じた(4.2g、51%の収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.44 (d, 1H), 7.34 (m, 1H), 6.96 (d, 1H), 6.38 (br s, 1H), 5.37 (br s, 1H), 4.90 (m, 1H), 4.35 (dd, 2H), 3.65 (s, 3H), 2.44 (m, 3H), 2.35 (m, 1H), 1.00 (s, 9H), 0.26 (s, 6H).
(S)-メチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(50):TBAF(6.3g、20.0mmol)を、THF(20mL)中の(S)-メチル5-アミノ-4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4.2g、10.0mmol)の溶液に添加し、反応混合物を2時間にわたり撹拌した。溶液を水(50mL)中に注ぎ、EtOAcで抽出した(3×50mL)。組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、表題の化合物を生じ(3.6g、定量的収率)、これをさらなる精製なしで用いた。
(S)-メチル5-アミノ-4-(4-(4-(ブロモメチル)ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(51):アセトニトリル(20mL)中の(S)-メチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(3.6g、12.3mmol)、1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(9.7g、36.9mmol)、および炭酸カリウム(1.7g、12.3mmol)の混合物を50°Cで一晩加熱した。混合物を冷却し、ろ過し、アセトニトリルで洗浄した(10mL)。ろ過物を濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(DCM/メタノール=100:1)、表題の化合物を生じた(1.28g、22%の収率)。MS m/z 475.34 [M+H]+
(S)-tert-ブチル4-(4-((2-(1-アミノ-5-メトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルオキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(52):tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.69g、9.1mmol)を、DCM(10mL)中の(S)-メチル5-アミノ-4-(4-(4-(ブロモメチル)ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(1.23g、2.6mmol)の溶液に添加した。反応を5時間にわたり撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(DCM/メタノール=20:1)、表題の化合物を生じた(1.1g、73%の収率)。
(S)-メチル5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-4-(4-(ピペラジン-1-イルメチル)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(53):TFA(3mL)を、DCM(6mL)中の(S)-tert-ブチル4-(4-((2-(1-アミノ-5-メトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルオキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.1g、1.9mmol)の溶液に添加した。反応を2時間にわたり撹拌した。溶媒を除去して、TFA塩として表題の化合物を生じた(1.1g、86%の収率)。
(S)-tert-ブチル3-(2-(2-(2-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルオキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(54):DMF(5mL)中の(S)-メチル5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-4-(4-(ピペラジン-1-イルメチル)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)ペンタノエート(173mg、0.26mmol)、tert-ブチル3-(2-(2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(122mg、0.34mmol)、およびDIEA(139mg、1.08mmol)の溶液を100°Cで一晩加熱した。混合物を冷却し、水(30mL)中に注ぎ、EtOAcで抽出した(3×30mL)。組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して(DCM/メタノール=20:1)、表題の化合物を生じた(130mg、67%の収率)。MS m/z 709.52 [M+H]+
(S)-3-(2-(2-(2-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(55):TFA(5mL)を、DCM(5mL)中の(S)-tert-ブチル3-(2-(2-(2-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルオキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパノエート(130mg、0.18mmol)の溶液に添加した。反応を2時間にわたり撹拌し、溶媒を除去して、表題の化合物を生じた(160mg、ほぼ定量的な収率)。MS m/z 653.6 [M+H]+
tert-ブチル((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(56)を、Galdeano, C. et. al. J. Med. Chem. 2014, 57, 8657において記載される合成手順に従って調製し、その内容は、本明細書において参考として援用される。
例の化合物の調製
例1.N-((S)-1-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-1-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-N-メチル-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド
tert-ブチル(S)-(17-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-16-メチル-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサ-16-アザオクタデシル)カルバメート:HATU(20mg、0.045mmol)、2,2-ジメチル-4-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-5-アザイコサン-20-オイック酸(10mg、0.026mmol)およびDIEA(20μL、0.11mmol)を、DMF(3mL)中の(S)-1-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-(メチルアミノ)エチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(10mg、0.021mmol)の溶液に添加した。反応を30分間にわたり撹拌し、混合物をHPLCにより精製して、オイルとして表題の化合物を生じた(10mg、56%)。MS m/z 795.57 [M+H]
+.
N-((S)-1-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-1-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-N-メチル-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(例1):tert-ブチル(S)-(17-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-16-メチル-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサ-16-アザオクタデシル)カルバメート(10mg、0.013mmol)をDCM(10mL)中に溶解した。TFA(1mL)を添加し、混合物を30分間にわたり撹拌した。溶媒を減圧下において除去し、残渣をDMA(3mL)中で溶解した。2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(6mg、0.019mmol)およびトリエチルアミン(18μL、0.125mmol)を添加し、混合物を90℃で24時間にわたり撹拌した。混合物をHPLCにより精製して、黄色のオイルとして表題の化合物を生じた(3mg、25%)。MS m/z 950.48 [M+H]+.
例2~3は、例1と類似の様式において、示されたアミン出発材料および2,2-ジメチル-4-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-5-アザイコサン-20-オイック酸を使用して調製し、その後続けて、2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(31)による反応を行った。
例4.N-((S)-1-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)-N-メチルプロパンアミド
N-((S)-1-(2-クロロ-6-(3-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)ウレイド)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)-N-メチルプロパンアミド(例4):(S)-1-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-(メチルアミノ)エチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(10mg、0.021mmol)を、DMF(1.5mL)中で、3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(10mg、0.023mmol)およびHATU(17mg、0.042mmol)と共に溶解した。DIEA(20μL、0.103mmol)を添加し、混合物を30分間にわたり撹拌した。混合物を逆相HPLCにより精製して、褐色のオイルとして表題の化合物を生じた(8mg、42%)。
1H NMR (500 MHz DMSO) δ 11.00 (s, 1H), 10.19 (br, 1H), 8.63 (s, 2H), 8.57 (d, 1H), 8.46 (d, 1H), 8.14 (s, 2H), 7.26 (m, 1H), 6.94 (m, 2H), 6.78 (d, 1H), 5.69 (m, 1H), 5.10 (dd, 1H), 4.22 (d, 1H), 4.11 (d, 1H), 3.54 (m, 4H), 3.42 (m, 4H), 3.27 (t, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.92 (m, 1H), 2.60 (m, 3H), 2.31 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.67 (d, 3H). MS m/z 848.66 [M+H]
+.
例5~8は、例4と類似の様式において、示されたアミン出発材料および3-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピぺリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(36)を使用して調製した。
例9.N1-(2-((5-クロロ-3-(3-(2-クロロ-7-((S)-1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレイド)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-N16-((2S)-1-((4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-4,7,10,13-テトラオキサヘキサデカンジアミド
tert-ブチル(S)-1-((5-クロロ-3-(3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレイド)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-3-アザノナデカン-19-オエート(57):HATU(35mg、0.091mmol)、tert-ブチル1-ヒドロキシ-1-オキソ-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-オエート(28)(19mg、0.055mmol)およびDIEA(40μL、0.227mmol)を、DMF(5mL)中の(S)-1-(2-(2-アミノエトキシ)-5-クロロピリジン-3-イル)-3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレア塩酸塩(20mg、0.045mmol)の溶液に添加した。30分間にわたり撹拌した後、混合物をHPLCにより精製して、無色のオイルとして表題の化合物を生じた(25mg、71%の収率)。MS m/z 772.60 [M+H]
+.
N1-(2-((5-クロロ-3-(3-(2-クロロ-7-((S)-1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレイド)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-N16-((2S)-1-((4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-4,7,10,13-テトラオキサヘキサデカンジアミド(例9):tert-ブチル(S)-1-((5-クロロ-3-(3-(2-クロロ-7-(1-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-イル)ウレイド)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-3-アザノナデカン-19-オエート(57)(25mg、0.032mmol)をDCM(10mL)中で溶解した。TFA(1mL)を添加し、混合物を30分間にわたり撹拌し、次いで減圧下において濃縮した。別のフラスコ中で、tert-ブチル((2S)-1-((4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(56)(18mg、0.033mmol)を、DCM(10mL)およびTFA(1mL)中で溶解し、30分間にわたり撹拌し、次いで減圧下において濃縮した。この材料をDMF(5mL)中で溶解し、HATU(25mg、0.065mmol)およびDIEA(56μL、0.320mmol)と共にもう一方のフラスコに添加した。30分間にわたり撹拌した後、混合物をHPLCにより精製して、無色のオイルとして表題の化合物を生じた(24mg、65%の収率)。MS m/z 1130.74 [M+H]+.
例10は、例9と類似の様式において、示されたアミン出発材料およびtert-ブチル1-ヒドロキシ-1-オキソ-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-オエートを使用して調製し、その後、tert-ブチル((2S)-1-((4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(56)のBoc基の除去の後で、化合物(59)とカップリングさせた。
例11~19は、例4と類似の様式において、示されたアミンおよび酸の出発材料を使用して調製した。
MALT1の分解アッセイ
表3は、本開示の例の化合物から得られた実験データの結果を提供する。特に、OCI-Ly3細胞を、示された濃度の例1~19の存在下において48時間にわたり増殖させた。タンパク質を抽出し、ウェスタンブロットにより分析し、メンブレンをMALT1、CRBN、およびアクチンについてイムノブロットした。ウェスタンブロットのバンドを、Image Labソフトウェアを用いて定量した。結果をアクチンについて正規化し、ビヒクル処置された細胞に相対的なMALT1の分解の%として表した。表3は、中程度~高レベルのMALT1の分解が達成されたことを示す。
表3.
MALT1の分解の機構的検証
セレブロン(CRBN)ノックアウト細胞を用いた機構的検証。野生型CRBNノックアウト293T細胞を、10μMの例1またはビヒクルで24時間にわたり処置し、タンパク質ライセートを回収した。80μgのタンパク質をウェスタンブロットにより分析し、MALT1、CRBNおよびアクチンについてイムノアッセイした。図2において示されるとおり、例1は、CRBN依存的なMALT1の分解を促進した。
まとめると、これらの結果は、本発明の化合物が、能動的にE3ユビキチンリガーゼセレブロンをMALT1に動員し、それがMALT1をプロテアソーム分解機構に誘導することにより、迅速かつ効率的なMALT1の分解を誘導したことを示唆する。
均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、1または1より多いことを意味してもよいが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。ある群の1以上のメンバー間に「または」を包含するクレームまたは記載は、その群のメンバーのうち、1つ、1つより多いか、または、すべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係があるか、を満たすと考えるが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。本発明は、その群のうち、正確に1つのメンバーが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を包含する。本発明は、その群のメンバーのうち、1つより多いかまたはすべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を包含する。
しかも、本発明は、列挙されたクレームの1以上からの1以上の限定、要素、節、および記述用語(descriptive terms)が、別のクレーム中へ導入される、すべての変動、組み合わせ、および順列を網羅する。例えば、別のクレームに従属するいずれのクレームも、同じ基本クレームに従属するいずれか他のクレーム中に見出される1以上の限定を包含するように修飾され得る。要素が、例として、マーカッシュ群形式において列挙されたものとして提示されている場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(単数または複数)も群から除去され得る。一般に、本発明、または本発明の側面が、特定の要素および/または特長を含むとして見なされる場合、本発明のある態様または本発明のある側面は、かかる要素および/または特長からなるか、または実質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書中、in haec verbaで具体的に表明されていない。用語「含むこと(comprising)」および「含有すること(containing)」が、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意する。範囲が与えられるとき、エンドポイントも包含される。しかも、別段の指示がないか、またはそれとは別に、文脈および当業者の理解から明らかでない場合に限り、範囲として表現された値は、いずれか具体的な値、または本発明の異なる態様において述べられた範囲内の部分範囲を、文脈が明確に別段の指図をしない限り範囲の下限の単位の10倍まで、想定し得る。
本出願は、種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公刊物を参照し、これらのすべては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書がコントロールする(control)ものとする。加えて、先行技術に属する本発明のいずれか特定の態様は、クレームのいずれかの1以上からはっきりと除外され得る。かかる態様は当業者に知られていると思われるので、それらは、除外が本明細書においてはっきりと表明されていない場合であっても、除外され得る。本発明のいずれか特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかのクレームから、いずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本明細書に記載の具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはせいぜいルーチンな実験法を使用して確かめる能力があるであろう。本明細書に記載の本態様の範囲は、上の記載に限定されることを意図せず、むしろ添付のクレームに表明されているとおりである。当業者は、以下のクレームにおいて定義されるとおり、本発明の精神または範囲から逸脱せずに、この記載への種々の変化および修飾がなされてもよいことを解するであろう。