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JP7097183B2 - 防振基礎 - Google Patents

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JP7097183B2 JP2018005448A JP2018005448A JP7097183B2 JP 7097183 B2 JP7097183 B2 JP 7097183B2 JP 2018005448 A JP2018005448 A JP 2018005448A JP 2018005448 A JP2018005448 A JP 2018005448A JP 7097183 B2 JP7097183 B2 JP 7097183B2
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Description

本発明は、振動発生源が設置される防振基礎に関する。
従来より、振動発生源である機械を基礎の上に設置する場合、この機械による振動を低減するため、以下のような構造が提案されている(特許文献1~3参照)。
特許文献1には、中空の杭体と、この杭体内に進退自在に配置された重錘と、この重錘と杭体との間に設けられた弾性体と、を備える制振杭が示されている。この制振杭を地盤に打ち込んで構造物を支持することで、構造物と地盤との間で伝達される振動により、重錘に反力を生じさせて振動を低減させる。
特許文献2には、地盤中に打ち込まれた杭と、この杭の頭部に構築された矩形ブロック状の基礎と、基礎の四隅に立設された支柱と、支柱に上下方向へ位置調整可能に取り付けられた重錘と、を備える基礎制振装置が示されている。基礎上に据え付けた振動機器を運転し、振動機器と基礎側とが共振した場合に、支柱に対する重錘の取り付け高さを変更する。
特許文献3には、杭と、この杭の上に構築されたマット基礎増厚部と、マット基礎増厚部の上に防振材を介して構築されて機器が載置される機器基礎と、を備える基礎構造が示されている。機器の荷重は、マット基礎増厚部から杭に伝達されるので、マット基礎の厚さを薄くできる。
特許2690357号公報 特開2001-295300号公報 特開2002-167779号公報
本発明は、基礎上に振動発生源を設置した後であっても、基礎の固有周期を振動発生機械の固有周期から外れるように容易に調整可能な防振基礎を提供することを課題とする。
本発明者らは、振動発生機械の振動を低減させる防振基礎として、振動発生機械が設置された浮き基礎体をばね材が設置された杭で支持することで、防振基礎を大型化することなく、杭やばね材が負担する鉛直荷重を増大できるとともに、浮き基礎体を支えるばね材を調整または交換することで、防振基礎の固有周期を振動発生機械の固有周期帯から外れるように容易に調整できる点に着眼して、本発明に至った。
第1の発明の防振基礎(例えば、後述の防振基礎1)は、振動発生源(例えば、後述の振動発生機械3)から地盤(例えば、後述の地盤2)に伝わる振動を低減させる防振基礎であって、前記地盤に埋設された杭(例えば、後述の杭10)と、当該杭の上面に設けられたばね(例えば、後述のばね20)と、当該ばねの上に設けられたコンクリート製の浮き基礎体(例えば、後述の浮き基礎体30)と、当該浮き基礎体に固定されて前記ばねを上下に貫通して前記杭の内部に挿入された連結部材(例えば、後述の連結部材40)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、杭、ばね、浮き基礎体を直列に配置したので、浮き基礎体の上に振動発生機械を設置した後であっても、ばねの構成を適宜変更することで、防振基礎の固有周期が振動発生源の固有周期から外れるように容易に調整可能である。よって、振動発生源と防振基礎との共振現象を抑制して、振動発生源から周辺地盤に伝播する振動を低減できる。
また、従来では、地盤上に厚くて重くどっしりしたマッシブな基礎を設け、その基礎上にばねを介して浮き基礎体を設ける場合や、地盤上にコンクリート基礎を設け、そのコンクリート基礎上にばねを介して浮き基礎体を設ける場合があった。しかしながら、本発明によれば、地盤に杭を埋設し、この杭でばねを介して浮き基礎体を支持したので、各杭に加わる基礎の重量が大きくなるため、従来の二重基礎構造のように、基礎や底板コンクリートを大型化して重量を増大させる必要はなく、防振基礎の建設コストを低減できる。
第2の発明の防振基礎は、前記ばねは、皿ばね(例えば、後述の皿ばね21)であることを特徴とする。
この発明によれば、浮き基礎体を皿ばねを介して杭で支持した。この皿ばねは、浮き基礎体と杭上面との間の僅かな高さ空間であっても設置可能である。また、皿ばねの高さ方向と水平方向との寸法比を変えたり、皿ばねを複数枚重ねたりすることで、様々なばね特性を得ることができる。よって、浮き基礎型式の防振基礎の固有周期を容易に調整できる。
第3の発明の防振基礎は、前記浮き基礎体の壁面と前記杭との間の地盤上または底板コンクリート上には、前記浮き基礎体の水平移動を規制する水平移動規制部材(例えば、後述の水平移動規制部材50)が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、水平移動規制部材を浮き基礎体の壁面と杭との間の地盤上または底板コンクリート上に設けた。よって、地震により大きな水平力が浮き基礎体に作用した際には、浮き基礎体が水平移動規制部材に当接することで、浮き基礎体の水平移動を抑制できる。また、水平移動規制部材を浮き基礎体の内側に設置したので、振動発生源の配置の自由度を確保できる。
第4の発明の防振基礎は、前記ばねは、前記浮き基礎体の上面および下面のそれぞれに設けられ、前記連結部材は、当該各ばねを上下に貫通して前記杭の内部に挿入されることを特徴とする。
この発明によれば、浮き基礎体の上面および下面のそれぞれにばねを設けたので、振動発生源の挙動は、振動発生源と浮き基礎体とを併せて1つの質点として、直列ばね形式による1質点系の振動系とみなすことができる。よって、既に防振基礎を構築し、浮き基礎体の上に振動発生源を設置した後であっても、浮き基礎体の上面のばねを適宜調整あるいは交換することで、防振基礎の固有周期を容易に変更できる。
本発明によれば、基礎の上に振動発生源を設置した後であっても、基礎の固有周期を振動発生源の固有周期から外れるように容易に調整できる防振基礎を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る防振基礎の側面図である。 図1に示す防振基礎のA-A断面図である。 図1に示す防振基礎の破線Cで囲んだ部分の拡大断面図である。 防振基礎を構成する皿ばねによる振動低減効果に関するパラメータ解析結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る防振基礎の部分拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る防振基礎の平面図および部分拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る防振基礎の部分拡大断面図である。
本発明は、振動発生機械の振動を低減させるための浮き基礎型式の防振基礎構造である。第1実施形態は、振動発生機械が設置された浮き基礎体の下面周縁に切り欠き部を設け、その切り欠き部をばねを介して杭で支持した浮き基礎型式(図1~図3)である。第2実施形態は、浮き基礎体の上面および下面のそれぞれにばねを配置し、これら上下のばねを介して浮き基礎体と杭とを連結した浮き基礎型式(図5)である。第3、4実施形態は、浮き基礎体に切り欠き部を設けず、ばねを介して浮き基礎体と杭とを連結した浮き基礎型式(図6、図7)である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る防振基礎1の側面図である。図2は、図1の防振基礎1のA-A断面図である。
防振基礎1は、振動発生機械3から地盤2に伝わる振動を低減させるものであり、地盤2上に構築されている。この防振基礎1の上には、振動発生源としての振動発生機械3が設置されている。
防振基礎1は、地盤2の表面に打設された底板コンクリート4と、底板コンクリート4を貫通して地盤2に埋設された複数本の筒状の杭10と、これら杭10の上面に設けられたばね20と、ばね20の上に設けられた浮き基礎体30と、浮き基礎体30に固定されてばね20を上下に貫通し杭10の内部に上下動可能に挿入された連結部材40と、底板コンクリート4上に設けられて浮き基礎体30の水平移動を規制する水平移動規制部材50と、を備える。振動発生機械3は、浮き基礎体30の上に設置されている。
図3は、図1の防振基礎1の破線Cで囲んだ部分の拡大断面図である。
浮き基礎体30は、鉄筋コンクリート造の略直方体形状であり、底板コンクリート4の上に僅かな隙間70を空けて配置されている。浮き基礎体30と底板コンクリート4との隙間70は、ばね20が縮んで浮き基礎体30が沈み込んだ場合であっても、浮き基礎体30が底板コンクリート4に衝突しない程度の幅となっている。
また、この浮き基礎体30の下面周縁部には、切り欠き部31が形成されている。この切り欠き部31は、壁面31Aと天井面31Bとで構成される。浮き基礎体30のうち杭10の直上となる位置には、上下に延びる貫通孔32が形成され、この貫通孔32には、円筒形状のスリーブ33が取り付けられている。
杭10は、浮き基礎体30の周縁部に沿って配置されている。具体的には、浮き基礎体30の切り欠き部31の天井面31Bの下に配置されている、この杭10は、円筒形状のPHC杭(Pretensioned Spun High Strength Concrete Piles)などの既製コンクリート杭である。この杭10の上端部には、図3に示すように、鋼製のパイルキャップ11が取り付けられている。パイルキャップ11は、杭10の内部を塞ぐ閉塞部12と、閉塞部12の周縁部から杭10の内壁面に沿って延びる筒状の壁部13と、壁部13の上端に設けられて杭10の上端面に係止する円環状の係止部14と、を備える。
ばね20は、円環状の鋼製の皿ばね21が複数枚積層されて構成されている。このばね20は、杭10の上端面に係止されたパイルキャップ11の係止部14の上に設けられている。なお、ばね20を構成する皿ばね21の枚数は、振動発生機械3により発生する振動の周波数や目標とする振動の減衰率に基づいて、適宜決定されてよい。
連結部材40は、図3に示すように、上下方向に延びる円柱形状のガイド部41と、このガイド部41の上端に鍔状に形成された係止部42と、を備える。連結部材40のガイド部41は、浮き基礎体30のスリーブ33に上から挿入され、このスリーブ33および皿ばね21の内部を貫通して、杭10に取り付けたパイルキャップ11の内部まで延びている。
連結部材40の係止部42は、ボルト43で浮き基礎体30に固定されている。これにより、振動発生機械3により振動が発生した際に、連結部材40ががたつくのを防止している。なお、このボルト43は、不要である場合には省略することができる。
また、連結部材40のガイド部41の外周面には、表面処理または注油を行うことにより、スリーブ33、皿ばね21、およびパイルキャップ11の壁部13に対する摩擦抵抗が低減されている。ガイド部41の外周面とスリーブ33との間には、地震発生時に浮き基礎体30に水平変位が生じた場合であっても、スリーブ33の内周面がガイド部41に衝突しない程度に、隙間71が形成されている。
また、ガイド部41をパイルキャップ11の内部に挿入した状態では、ガイド部41の先端とパイルキャップ11の閉塞部12との間に隙間72が形成されるようになっている。ガイド部41の先端とパイルキャップ11の閉塞部12との隙間72の幅は、浮き基礎体30と底板コンクリート4との隙間70の幅と同程度であり、ばね20が縮んでガイド部41が沈み込んだ場合であっても、ガイド部41の先端とパイルキャップ11の閉塞部12とが衝突しないようになっている。
水平移動規制部材50は、切り欠き部31の壁面31Aと杭10との間に設けられており、浮き基礎体30の四辺に沿って直線状に延びる壁である。この水平移動規制部材50は、底板コンクリート4にボルト51で固定されている。浮き基礎体30の外壁面と水平移動規制部材50との間の隙間73の幅は、上述のスリーブ33の内周面とガイド部41との隙間71の幅よりも狭くなっている。これにより、地震発生時に浮き基礎体30に水平移動した場合、浮き基礎体30の水平移動を水平移動規制部材50が規制するため、スリーブ33の内周面がガイド部41に衝突しないようになっている。
防振基礎1は、以下のように動作する。振動発生機械3を運転すると、振動が発生するが、この振動は、ばね20で減衰されて杭10に伝達される。このとき、連結部材40のガイド部41が杭10に取り付けたパイルキャップ11の内部を上下動することにより、浮き基礎体30は上下に振動する。また、連結部材40のガイド部41および水平移動規制部材50は、想定を上回る地震荷重が加わった際に、浮き基礎体30が杭10から落下するのを防止するフェールセーフ機構として機能するとともに、浮き基礎体30が水平方向に移動するのを規制する。
また、浮き基礎体30の切り欠き部31の直下で杭10の外側近傍には、図示しないジャッキを取り付けるためのジャッキスペース60が設けられている。ばね20のメンテナンスを行う際には、このジャッキスペース60にジャッキを配置し、底板コンクリート4に反力をとって浮き基礎体30を支持する。底板コンクリート4を設けることで、ジャッキで浮き基礎体30を支持した際に、ジャッキが沈み込むのを防止している。
次に、上述の防振基礎の実施例について説明する。
杭およびばねの構造について、以下のように設定する。
杭:φ300mmのPHC杭を用いる。埋め込み杭とし、先端支持力のみで支持するものとする。
杭の支持地盤:N(値)=50
ばね:皿ばね1枚(外径250mm、内径127mm、厚さ10mm、高さ7mm)
杭の先端面の面積Aは、以下の式(1)により求められる。
Figure 0007097183000001
したがって、杭の長期許容支持力Rは、以下の式(2)により求められる。
Figure 0007097183000002
皿ばねが50%撓んだ場合の荷重をfs50とし、このときの撓み量をts50とすると、fs50は、93.6kNつまり9.55tとなる。よって、fs50<Rpとなり、例えば、皿ばねが50%撓んだ場合でも杭が沈下しないと判断される。
また、この場合、皿ばねのばね定数kは、以下の式(3)により求められる。
Figure 0007097183000003
次に、杭1本当りにかかる荷重Wを求める。振動発生機械および浮き基礎体について、以下のように設定する。
浮き基礎体の高さh:2m
単位面積当りの振動発生機械の重量m:2t/m
杭1本の負担面積A:1.4m
杭1本にかかる荷重Wは、鉄筋コンクリートの比重Sを2.4として、以下の式(4)で求められる。
Figure 0007097183000004
以上より、皿ばね1枚の防振振動数(固有振動数)fは、重力加速度Gを980(cm/S)として、以下の式(5)により求められる。
Figure 0007097183000005
同様に、皿ばね2枚を上下に直列に配置した場合の防振振動数(固有振動数)fは、以下の式(6)により求められる。
Figure 0007097183000006
同様に、皿ばね3枚を上下に直列に配置した場合の防振振動数(固有振動数)fは、以下の式(7)により求められる。
Figure 0007097183000007
図4は、皿ばねによる振動低減効果に関するパラメータ解析結果であり、皿ばねを1枚単体で配置した場合、2枚直列に配置した場合、3枚直列に配置した場合における共振曲線を比較した図である。図4中、横軸は振動発生機械の振動数(Hz)であり、縦軸は振動低減効果(dB)である。図4より、振動発生機械の振動数が皿ばねの防振振動数から離れるに従って、振動低減効果が大きくなることが判る。例えば、振動発生機械の振動数が25Hzの場合、皿ばねを1枚単体で用いると、杭に伝わる振動を15.1dB低減でき、皿ばねを2枚直列で用いると、杭に伝わる振動を21.8dB低減でき、皿ばねを3枚直列で用いると、杭に伝わる振動を25.5dB低減できると推定される。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)杭10、ばね20、浮き基礎体30を直列に配置したので、浮き基礎体30の上に振動発生機械3を設置した後であっても、ばね10の構成を適宜変更することで、防振基礎の固有周期が振動発生機械3の固有周期から外れるように容易に調整できる。
また、浮き基礎体30の切り欠き部31の下に杭10を設けたので、切り欠き部を設けない場合に比べて、振動発生機械3の重心高さを低くできるため、振動発生機械3の重心から地盤までの距離が短くなるため、杭10に作用するロッキング力(モーメント力)を低減できる。その結果、振動発生機械3から発生する加振力の周辺地盤2に伝播する振動伝達率を低く抑えることができる。
また、地盤2に杭10を設け、この杭10でばね20を介して浮き基礎体30を支持したので、従来の二重基礎構造のように、地盤に基礎を設ける必要がなく、コストを低減できる。
(2)水平移動規制部材50を浮き基礎体30の切り欠き部31の壁面31Aと杭10との間の地盤2に設けた。よって、地震により大きな水平力が浮き基礎体30に作用した場合に、浮き基礎体30が水平移動規制部材50に当接することで、浮き基礎体30の水平移動を抑制できる。また、水平移動規制部材50を浮き基礎体30の内側に設置したので、振動発生機械3の配置の自由度を確保できる。
(3)浮き基礎体30の切り欠き部31の直下で杭10の外側近傍にジャッキスペース60が設けたので、このジャッキスペース60にジャッキを配置し、浮き基礎体30を支持することで、ばね20を構成する皿ばね21の交換や増減を容易にできる。
(4)ばね20として複数枚の皿ばね21を用いた。よって、皿ばね21として既製品を利用できるので、コストを削減できる。また、皿ばね21は厚み(高さ)が小さいので、防振基礎1の高さを低く抑えることができる。また、皿ばね21の枚数を変更するだけで、ばね20の特性を容易に調整できるので、防振基礎1の設計の自由度が高くなる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る防振基礎1Aの部分拡大断面図である。
本実施形態では、ばね20A、20Bを浮き基礎体30の上面および下面のそれぞれに設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、杭10の中間高さ位置には、段差部15が形成されている。杭10の段差部15には、ばね20Aが配置され、杭10の上端面には、ばね20Bが配置されている。ばね20Aは、浮き基礎体30の下面に配置されており、ばね20Bは、浮き基礎体30の上面に配置されている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(4)に加えて、以下のような効果がある。
(5)浮き基礎体30の上面および下面のそれぞれにばね20A、20Bを設けたので、振動発生機械3の挙動は、振動発生機械3と浮き基礎体30とを併せて1つの質点として、直列ばね形式による1質点系の振動系とみなすことができる。よって、既に防振基礎1を構築し、浮き基礎体30の上に振動発生機械3を設置した後であっても、浮き基礎体30の上面のばね20Bを適宜調整あるいは交換することで、防振基礎1の固有周期を容易に変更できる。
〔第3実施形態〕
図6は、本発明の第3実施形態に係る防振基礎1Bの平面図および部分拡大断面図である。
本実施形態では、浮き基礎体30Bおよび水平移動規制部材50Bの構造が、第1実施形態と異なる。
すなわち、浮き基礎体30Bは、切り欠き部が設けられておらず、一様な厚さとなっている。
杭10は、上端面の高さ位置が底板コンクリート4の上面と面一となるように配置されている。
水平移動規制部材50Bは、平面視で略L字形状であり、防振基礎1Bの対角線上の出隅部に一対設けられている。この一対の水平移動規制部材50Bは、浮き基礎体30Bの外側の底板コンクリート4上に設けられている。各水平移動規制部材50Bは、それぞれ、浮き基礎体30Bの隣り合う2側面を覆っており、各水平移動規制部材50Bと浮き基礎体30Bとの間には、隙間73が確保されている。
本実施形態によれば、上述の(1)、(4)に加えて、以下のような効果がある。
(6)略L字形状の水平移動規制部材50Bを浮き基礎体30Bの出隅部に一対設置することで、1つの水平移動規制部材50Bで浮き基礎体30Bの2方向の移動を規制可能である。
(7)浮き基礎体30Bに切り欠き部を設けないので、浮き基礎体30Bの建設コストを低減できる。
〔第4実施形態〕
図7は、本発明の第4実施形態に係る防振基礎1C部分拡大断面図である。
本実施形態では、杭10の上端面の高さ位置が底板コンクリート4の上面より下方となっている点が、第3実施形態と異なる。
本実施形態によれば、上述の(1)、(4)、(6)、(7)に加えて、以下のような効果がある。
(8)杭10の上端面の高さ位置が底板コンクリート4の上面より下方としたので、底板コンクリート4の上面と浮き基礎体30Bとの隙間70の幅を小さくできる。よって、浮き基礎体30Bの上面の高さ位置を限りなく低くでき、浮き基礎体30Bの上面に設置される振動発生機械3の操作性を向上できる。また、浮き基礎体30Bおよび振動発生機械3の高さ位置を低くできるので、地震発生時に作用する水平荷重を低減でき、優れた構造安全性を確保できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、ばね20に風雨が当たらないように、ばね20をカバーで覆ってもよい。
また、上述の各実施形態では、ばね20として皿ばね21を用いたが、これに限らず、ばね高さを低くする必要がない場合は、コイルスプリングを用いてもよい。
また、第1、2実施形態では、ジャッキスペース60を杭10の近傍に設けたが、これに限らず、杭10の近傍に設けなくてもよい。
また、第3実施形態では、図6に示すように、水平移動規制部材50Bを防振基礎1Bの対角線上の出隅部に一対設けたが、これに限らず、水平移動規制部材50Bを防振基礎1Bの全ての出隅部に合計4つ設けてもよい。
また、上述の各実施形態では、水平移動規制部材50、50Bを底板コンクリート4上に設けたが、これに限らず、地盤2上に設けてもよい。
1、1A、1B、1C…防振基礎 2…地盤 3…振動発生機械(振動発生源)
4…底板コンクリート
10…杭 11…パイルキャップ 12…閉塞部 13…壁部 14…係止部
15…段差部 20、20A、20B…ばね 21…皿ばね
30、30B…浮き基礎体 31…切り欠き部 31A…壁面 31B…天井面
32…貫通孔 33…スリーブ
40…連結部材 41…ガイド部 42…係止部 43…ボルト
50、50B…水平移動規制部材 51…ボルト 60…ジャッキスペース
70…浮き基礎体と底板コンクリートとの隙間 71…スリーブとガイド部との隙間
72…ガイド部とパイルキャップの閉塞部との隙間
73…浮き基礎体と水平移動規制部材との隙間

Claims (3)

  1. 振動発生源から地盤に伝わる振動を低減させる防振基礎であって、
    前記地盤上に設けられた底板コンクリートと、
    前記地盤に埋設されて前記底板コンクリートを貫通して上方に延びる複数の杭と、
    当該杭の上面に設けられて上下に伸縮可能な皿ばねと、
    当該皿ばねの上に設けられて前記底板コンクリートから離れた上方に位置するコンクリート製の浮き基礎体と、
    記皿ばねの内部を上下に貫通して前記杭の内部に上下動可能に挿入された円柱形状のガイド部と、当該ガイド部の上端に鍔状に形成されて前記浮き基礎体に固定された係止部と、有する連結部材と、を備え、
    前記複数の杭は、平面視で、前記浮き基礎体の周縁部に沿って設けられることを特徴とする防振基礎。
  2. 前記浮き基礎体は、略直方体形状であり、
    当該浮き基礎体の下面周縁部には、切り欠き部が形成され、
    前記皿ばねは、前記切り欠き部の天井面と前記杭の上面との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の防振基礎。
  3. 前記浮き基礎体の壁面と前記杭との間の地盤上または前記底板コンクリート上には、前記浮き基礎体の水平移動を規制する水平移動規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の防振基礎。
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