JP7096397B2 - がん特異的突然変異に対し抗原特異性を有するt細胞を単離する方法 - Google Patents
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Description
本明細書と同時提出され、且つ、以下の通り識別されるコンピューター可読のヌクレオチド/アミノ酸の配列表が、参照により、本明細書中にその全体が組み込まれる:2014年9月30日付ファイル名「718292ST25.TXT」、29,568バイトのASCII(テキスト)ファイル1件。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いる養子細胞療法(ACT)は、一部のがん患者において有益な臨床反応をもたらし得る。それにもかかわらず、がんや他の病気を、ACTを使用して首尾よく広範に治療することへの障害が残っている。例えば、がん抗原を特異的に認識するT細胞は、同定すること及び/又は患者から単離することが困難であり得る。従って、がん反応性T細胞を得る方法の改善についてのニーズがある。
本発明の一実施形態は、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞を単離する方法であって、それぞれの遺伝子が、突然変異アミノ酸配列をコードするがん特異的突然変異を含有する、患者のがん細胞の核酸中の1以上の遺伝子を同定すること;患者の自己抗原提示細胞(APC)を、突然変異アミノ酸配列を提示するよう誘導すること;患者の自己T細胞と、突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCとを共培養すること;及び(a)突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCと共培養されて、且つ(b)患者によって発現される主要組織適合性複合体(MHC)分子の関係で提示される突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する、自己T細胞を選択し、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する、単離されたT細胞を提供することを含む、方法を提供する。
本発明の一実施形態は、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞を単離する方法を提供する。本発明は多くの利点を提供する。例えば、本発明の方法は、患者の全MHC分子拘束性の多数の突然変異を、一度に迅速に評価し得、患者の突然変異反応性T細胞の全レパートリーを同定し得る。更に、本発明の方法は、免疫原性がん突然変異を、(a)がん特異的サイレント突然変異(突然変異アミノ酸配列をコードしない)及び(b)非免疫原性アミノ酸配列をコードするがん特異的突然変異と区別することにより、T細胞によって標的とされ得る1以上のがん特異的突然変異アミノ酸配列を同定し得る。更に、本発明は、患者に特有のがん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞を提供し得、それにより、例えば、患者のがんを治療又は予防するための養子細胞療法のための細胞を調製するのに有用であり得る、単離された、T細胞の「個人向け」集団(“personalized” population)を提供する。本発明の方法はまた、例えばcDNAライブラリーを用いるもの等の、がん抗原を同定する従来の方法における固有の技術的バイアスを回避し得、それらの方法よりも時間と労力が少ない場合もある。例えば、本発明の方法は、T細胞と、特に上皮がん(例)に関して作製が困難であり得る腫瘍細胞株とを共培養することなく、突然変異応答性T細胞を選択し得る。特定の理論又はメカニズムには縛られないが、本発明の方法は、正常な非がん性細胞の破壊を最少化又は回避し、それによって毒性を低減又は除去しつつ、がん細胞の破壊を目的とするT細胞を同定及び単離し得ると考えられる。従って、本発明はまた、例えば、化学療法単独、外科手術又は放射線等の他のタイプの治療に反応しないがん等のがんを、首尾よく治療又は予防するT細胞を提供し得る。
ードするがん特異的突然変異を含有する、少なくとも1の遺伝子を同定することを含む。しかし、本発明の方法を用いて同定され得る、かかるがん特異的突然変異を含有する遺伝子の数は限定されず、1超(例えば、約2、約3、約4、約5、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約20、約25、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約150、約200、約400、約600、約800、約1000、約1500、約2000若しくはそれ以上、又は上記の値のうちの任意の2つによって規定される範囲)の遺伝子が挙げられ得る。同様に、本発明の一実施形態においては、該方法は、突然変異アミノ酸配列をコードする、少なくとも1のがん特異的突然変異を同定することを含む。しかし、本発明の方法を用いて同定され得る、かかるがん特異的突然変異の数は限定されず、1超(例えば、約2、約3、約4、約5、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約20、約25、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約150、約200、約400、約600、約800、約1000、約1500、約2000若しくはそれ以上、又は上記の値のうちの任意の2つによって規定される範囲)のがん特異的突然変異が挙げられ得る。1超のがん特異的突然変異が同定される実施形態においては、がん特異的突然変異は、同一の遺伝子又は異なる遺伝子中に位置し得る。
ゲノムシークエンサー,454 Life Sciences(Branford,CT)、ILLUMINA SOLEXAゲノムアナライザー(Illumina Inc.,San Diego,CA)、若しくはILLUMINA HISEQ 2000ゲノムアナライザー(Illumina)を用いて(例)、又はRonaghi et al.,Science,281(5375):363-365(1998)(例)に記載の通りに、行われるような)1塩基合成(sequencing-by-synthesis)(「パイロシークエンシング」としても知られる)、(SOLIDプラットフォーム(Life Technologies Corporation,Carlsbad,CA)又はPOLONATOR G.007プラットフォーム(Dover Systems,Salem,NH)を用いて(例)行われるような)シークエンシング・バイ・ライゲーション(sequencing-by-ligation)、(PACBIO RS system(Pacific Biosciences(Menlo Park,CA)又はHELISCOPE platform(Helicos Bioscie
nces(Cambridge,MA)を用いて(例)行われるような)単一分子配列決定、(Oxford Nanopore Technologies(Oxford,UK)のGRIDONプラットフォーム、Nabsys(Providence,RI)によって開発されたハイブリダイゼーション・アシステッドナノポアシークエンンシング(HANS)プラットフォーム、プローブ-アンカーライゲーション(cPAL)と呼ばれるDNAナノボール(DNB)テクノロジーによる、リガーゼベースのDNA配列決定プラットフォームを用いて(例)行われるような)単一分子配列決定のための技術、単一分子配列決定のための電子顕微鏡ベースの技術、及びイオン半導体シークエンシングが挙げられる。
意の好適な数の、連続したアミノ酸を更に含み得る。突然変異の各側に隣接する、内在性タンパク質由来の連続したアミノ酸の数は限定されず、例えば、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、又は上記の値のいずれか2つによって規定される範囲であり得る。好ましくは、ペプチド(複数可)は、突然変異アミノ酸(複数可)の各側に、内因性タンパク質由来の約12の連続したアミノ酸を含む。
よって提示される突然変異アミノ酸配列に遭遇するように、自己T細胞と自己APCとを共培養することを含み得る。本発明の一実施形態においては、自己T細胞は、直接自己APCに接触して共培養される。
、約0.05ng/mL~約10μg/mL(例、0.05ng/mL、0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、100ng/mL、1μg/mL、5μg/mL又は10μg/mL))でパルスした、抗原陰性APC、又は(b)突然変異アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が導入されたAPCとの共培養の際に、ネガティブコントロールによって分泌されるIFN-γの量と比較して、T細胞が、IFN-γを、少なくとも2倍多く分泌する場合、突然変異アミノ酸配列に対する「抗原特異性」を有すると考えられ得る。ネガティブコントロールは、例えば、(a)同濃度の関係性のないペプチド(例、野生型アミノ酸配列、又は突然変異アミノ酸配列と異なる配列を有する他の何らかのペプチド)でパルスした抗原陰性APC、又は(b)関係性のないペプチド配列をコードするヌクレオチド配列が導入されたAPCと共培養された(例、末梢血単核細胞(PBMC)由来の)自己T細胞であり得る。自己T細胞はまた、突然変異アミノ酸を含む、より高濃度のペプチドでパルスした抗原陰性APCと共培養した際、ネガティブコントロール(例えば上記のネガティブコントロール)と比較して、T細胞がより多くの量のIFN-γを分泌する場合、突然変異アミノ酸配列に対する「抗原特異性」を有し得る。IFN-γ分泌は、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)等の、当該技術分野で公知の方法によって測定され得る。
れた複数の突然変異アミノ酸配列又は自己APC上にパルスされたペプチドプール中の複数の突然変異アミノ酸配列)を発現する自己APCと共培養される本発明の実施形態においては、自己T細胞を選択することは、自己T細胞を、複数の各突然変異アミノ酸配列に対する抗原特異性に関して、別々に評価することを更に含み得る。例えば、本発明の方法は、本発明の他の態様に関して本明細書に記載される通り(例えば、各々が、コンストラクトによってコードされる(又はプール中に含まれる)異なる突然変異アミノ酸配列を提示する、別々のAPC集団を提供することにより)、患者の自己APCを、コンストラクトによってコードされる(又はプール中に含まれる)各突然変異アミノ酸配列を提示するよう、別々に誘導することを更に含み得る。該方法は、本発明の他の態様に関して本明細書に記載される通り、患者の自己T細胞と、各突然変異アミノ酸配列を提示する、異なる自己APC集団とを、別々に、共培養することを更に含み得る。該方法は、本発明の他の態様に関して本明細書に記載される通り、(a)突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCと共培養されて、且つ(b)患者によって発現されるMHC分子の関係で提示される突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する、自己T細胞を、別々に選択することを更に含み得る。これに関して、該方法は、複数の突然変異アミノ酸配列をコードするTMGコンストラクトによってコードされる(又はプール中に含まれる)どの突然変異アミノ酸配列が、自己T細胞によって免疫学的に(例、除去プロセスによって)認識されるのかを決定することを含み得る。
胞が、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するように、集団の全細胞が単一のT細胞のクローンである、細胞のクローン集団であり得る。本発明の一実施形態においては、細胞集団は、本明細書に記載の通り、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞を含むクローン集団である。本発明の一実施形態においては、細胞集団のうちの約1%~約100%、例えば約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%、又は上記の値のいずれか2つによって規定される範囲が、突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞を含む。特定の理論又はメカニズムには縛られないが、突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞を、高い割合で含む細胞集団では、好都合なことに、T細胞の機能(例、T細胞が、がん細胞の破壊を目的とする能力、及び/又はがんを治療若しくは予防する能力)を妨げ得る、不適切な細胞の割合が低い可能性があると考えられる。
囲)、好ましくは約1000万~約1300億細胞(例、約2000万細胞、約3000万細胞、約4000万細胞、約6000万細胞、約7000万細胞、約8000万細胞、約9000万細胞、約100億細胞、約250億細胞、約500億細胞、約750億細胞、約900億細胞、約1000億細胞、約1100億細胞、約1200億細胞、約1300億細胞又は上記の値のいずれか2つによって規定される範囲)、より好ましくは約1億細胞~約1300億細胞(例、約1億2000万細胞、約2億5000万細胞、約3億5000万細胞、約4億5000万細胞、約6億5000万細胞、約8億細胞、約9億細胞、約30億細胞、約300億細胞、約450億細胞、約500億細胞、約750億細胞、約900億細胞、約1000億細胞、約1100億細胞、約1200億細胞、約1300億細胞(又は上記の値のいずれか2つによって規定される範囲)であり得る。
Jones et al.,Science 330:228-231(2010)に記載の通り、凍結保存した腫瘍組織(OCTに包埋)及び正常末梢血細胞の全エクソーム配列決定を、Personal Genome Diagnostics(PGDx、B
altimore、MD)により行った。配列の、それぞれの塩基での、明確で質の高い平均読み取り数は、腫瘍及び正常の(PBMCの)DNAについて、それぞれ155及び160であった。
患者3737を、制度審査委員会(IRB)承認のプロトコル:「転移性消化管がんにおけるリンパ球枯渇療法後の、短期間培養自己腫瘍浸潤リンパ球を用いた第II相試験(治験登録ID:NCT01174121)」に登録した。該プロトコルは、消化管がん患者における、ex vivoで増幅した自己腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の養子移入の安全性と有効性を評価するために計画した。
簡潔に述べると、全エクソーム配列決定によって同定された各非同義置換突然変異について、対応するアミノ酸の変異(野生型タンパク質配列の12アミノ酸が隣接する)をコードする、「ミニ遺伝子」コンストラクトを作製した。複数のミニ遺伝子を遺伝学的に融合させて、TMGコンストラクトを作製した。これらのミニ遺伝子コンストラクトは、コドンを最適化し、DNA String construct(Life Technologies,Carlsbad CA)として合成した。次いで、TMGを、In-Fusion technology(Clontech,Mountain View,CA)を用いてpcDNA3.1ベクターにクローニングした。部位特異的突然変異誘発を用いて、9つの「野生型復帰」TMG-1コンストラクト(Gene Oracle,Mountain View,CA)を作製した。標準的サンガー配列決定(Macro
gen and Gene Oracle)により、全TMGのヌクレオチド配列を確認した。
単球由来の未成熟DCを、プラスチック付着法を用いて作製した。簡潔に述べると、自己フェレーシス試料を融解し、洗浄し、純粋なAIM-V培地(Life Technologies)を用いて5~10×106細胞/mlに設定し、次いで、適切なサイズの組織培養フラスコ中、約1×106細胞/cm2で、37℃、5%CO2でインキュベーションした。90分後、非接着細胞を回収し、フラスコをAIM-V培地でしっかり洗浄し、次いでAIM-V培地で更に60分間インキュベーションした。次いで、フラスコをAIM-V培地で再びしっかり洗浄し、次いで、付着細胞をDC培地でインキュベーションした。DC培地は、5%ヒト血清(当所で回収、処理)、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、800IU/ml GM-CSF並びに800U/ml IL-4を含有するRPMIで構成されていた(培地サプリメントはLife Technologiesから、サイトカインはPeprotechから)。3日目に、新しいDC培地を培養物に加えた。フレッシュな、又は凍結/融解したDCを、最初の刺激後5~7日目の実験に用いた。全実験において、フローサイトメトリーを用いて、CD11c、CD14、CD80、CD86、及びHLA-DR(すべてBD Bioscienceから)の発現について細胞を表現型解析し、細胞が、主に未成熟DC(CD11c+、CD14-、CD80low、CD86+、及びHLA-DR+;データは示さず)であることを確認した。
Technologies)、10μg/mlゲンタマイシン(CellGro,Manassas,VA)、2mM L-グルタミン(Life Technologies)、及び200U/ml IL-4(Peprotech)を添加したIMDM培地(Life Technologies)で構成されていた。3日目からフレッシュなB細胞培地を加え、その後2~3日ごとに培地を添加又は交換した。放射線照射3T3-CD40Lフィーダー細胞も必要に応じて更に添加した。抗原提示B細胞は、通常、最初の刺激後2~3週の実験において用いた。
タンデムミニ遺伝子をコードするプラスミドを、制限酵素SacIIで線状化した。GFPをコードする、コントロールのpcDNA3.1/V5-His-TOPOベクターを、NotIで線状化した。制限消化を、EDTA、酢酸ナトリウム及びエタノール沈殿で終結させた。プラスミドの完全消化を、標準的なアガロースゲル電気泳動によって確認した。message machine T7 Ultra kit(Life Technologies)を用い、製造業者による指示の通り、約1μgの線状化プラスミドを、IVT RNAの生成に用いた。LiCl2法を用いてRNAを沈殿させ、RNAの純度及び濃度を、NanoDrop分光光度計を用いて評価した。次いで、RNAをマイクロチューブに等分し、使用するまで-80℃で保存した。
APC(DC又はB細胞)を回収し、PBSで1回洗浄し、次いでOpti-MEM(Life Technologies)に10~30×106細胞/mlで再懸濁した。
IVT RNA(4μg又は8μg)をギャップ2mmのエレクトロポレーションキュベットの底に等分して入れ(aliquoted to the bottom)、50μl又は100μlのAPCをキュベットに直接加えた。従って、エレクトロポレーションで使用するRNA終濃度は80μg/mlであった。エレクトロポレーションは、BTX-830矩形波エレクトロポレーターを用いて行った。DCは150V、10ミリ秒、1パルスでエレクトロポレーションし、B細胞は150V、20ミリ秒、1パルスでエレクトロポレーションした。これらの設定を用いたトランスフェクション効率は、GFP RNAで評価したところ、決まって70~90%の間であった(データ示さず)。全工程を室温で行った。エレクトロポレーション後直ちに、細胞を、適切なサイトカインを添加したDC培地又はB細胞培地を含有するポリプロピレンチューブに移した。トランスフェクションした細胞を、37℃、5%CO2で一晩(12~14時間)インキュベーションした。共培養アッセイにおける使用に先立ち、細胞を、PBSで1回洗浄した。
自己B細胞を回収し、洗浄し、次いで、IL-4を添加したB細胞培地に1×106細胞/mlで再懸濁し、次いで、1μg/mlの25マーペプチドで、一晩(12~14時間)、37℃、5%CO2でインキュベーションした。一晩パルスした後、次いで、B細胞をPBSで2回洗浄し、次いでT細胞培地に再懸濁し、直ちに共培養アッセイに用いた。用いたペプチドは:突然変異ERBB2IP(
細胞選別を必要とする全実験において、BD FACSAria IIu及びBD FACSJazzを用いた。表示した実験においては、選別したT細胞を、30ng/ml抗CD3抗体(OKT3)及び3000IU/ml IL-2を含有する50/50培地中の過剰放射線照射(4000rad)同種異系フィーダー細胞(ドナーが異なる3種類の白血球除去輸血サンプルのプール)を用いて増幅した。限界希釈クローニングを、96ウェル丸底プレート中で、1ウェルあたり5e4フィーダー細胞及び1ウェルあたり1~
2T細胞で、上記の刺激条件を用いて行った。培地を、刺激後約1週間から始めて、その後一日おきに、又は必要に応じて、交換した。細胞は、通常、最初の刺激の約2~3週後に、アッセイにおいて用いるか、又は更に増幅させた。
APCとしてDCを使用する場合、96ウェル平底又は丸底のプレート1ウェル当たり、約3.5×104~7×104のDCを用いた。APCとしてB細胞を使用する場合、96ウェル丸底プレート1ウェル当たり、約2×105の細胞を用いた。ELISPOTアッセイにおいては、1ウェルあたり1×103~1×104のエフェクターT細胞を用い、フローサイトメトリーアッセイにおいては、1ウェルあたり1×105のエフェクターT細胞を用いた。T細胞は、通常解凍し、IL-2を含有する50/50培地(3000IU/ml IL-2)中に2日間静置(rest)し、次いで、共培養アッセイに先立ち、PBSで(3回)洗浄した。共培養は、すべて、外的に添加されたサイトカインの非存在下で行った。すべてのアッセイについて、ポジティブコントロールとして、プレート結合OKT3(0.1μg/ml又は1μg/ml)を用いた。
、刺激後約t=22~26時間で評価した。簡潔に述べると、細胞をペレット化し、FACS緩衝液(1%FBS及び2mM EDTAを添加した1×PBS)で洗浄し、次いで、暗所中4℃で約30分間、適切な抗体で染色した。BD FACSCanto IIフローサイトメーターでの取得に先立ち、細胞を、FACS緩衝液で少なくとも1回洗浄した。データは、すべて、生きている単細胞(PI陰性)にゲートした。
Inc)を用いて解析した。
力価を測定した、以下の抗ヒト抗体を細胞表面染色に用いた:CCR7-FITC(クローン:150503)、CD45RO-PE-Cy7(クローン:UCHL1)、CD62L-APC(クローン:DREG-56)、CD27-APC-H7(クローン:M-T271)、CD4-efluor 605NC(クローン:OKT4)、CD57-FITC(クローン:NK-1)、CD28-PE-Cy7(クローン:CD28.2)、CD127-APC(クローン:eBioRDR5)、CD3-AF700(クローン:UCHT1)、CD4-FITC、PE-Cy7、APC-H7(クローン:SK3)、CD8-PE-Cy7(クローン:SK1)、Vβ22-PE(クローン:IMMU 546)、Vβ5.2-PE(クローン:36213)、OX40-PE-Cy7又はFITC(クローン:Ber-ACT35)、4-1BB-APC(クローン:4B4-1)、及びCD107a-APC-H7(クローン:H4A3)。CD4-efluor605NC(eBioscience)、Vβ22-PE及びVβ5.2-PE(Beckman Coulter)並びに4-1BB-APC及びOX40-PE-Cy7(BioLegend)を除いて、抗体はすべてBD Biosciences由来であった。細胞内サイトカイン染色のために、適切に力価測定した、以下:IFN-γ-FITC(クローン:4S.B3)、IL-2-APC(クローン:MQ1-17H12)、TNF-PerCPCy5.5又はAPC(クローン:MAb11)、IL-17-PE(クローン:eBio64DEC17)、及びIL-4-PE-Cy7(クローン:8D4-8)の抗ヒト抗体を用いた。IL-4-PE-Cy7(BD Bioscience)以外のICS抗体は、すべて、eBioscience由来であった。IO Mark Β Mark TCR V kitを用いて、TCR-Vβのレパートリーを評価した(Beckman Coulter)。
サンガー配列決定を用いて、全エクソーム配列決定によって見出されたERBB2IP突然変異を検証した。RNeasy Mini kit(Qiagen)を用いて、スナップ凍結したT細胞又は腫瘍組織(OCTブロック)から全RNAを抽出した。次いで、全RNAを、オリゴdTプライマー(Life Technologies)と共にThermoScript逆転写酵素を用いてcDNAに逆転写した。次いで、正常cDNA及び腫瘍cDNAを、突然変異に隣接する以下のERBB2IPプライマー:ERBB2IP Seq Forward:5’-TGT TGA CTC AAC AGC CAC AG-3’(配列番号47)及びERBB2IP Seq Reverse:5’-CTG GAC CAC TTT TCT GAG GG-3’(配列番号48)を用いたPCRにおいて、鋳型として用いた。Phusion DNAポリメラーゼ(Thermo Scientific)を、推奨される3ステッププロトコル(58℃のアニーリング温度(15秒)及び72℃の伸長(30秒)を伴う)で用いた。標準的なアガロースゲル電気泳動及びゲル抽出(Clontech)により、PCR産物を単離した。同一のPCRプライマー(Macrogen)を用いて、産物を直接配列決定した。
RNeasy Mini kit(Qiagen,Venlo,Netherlands)を用いて、スナップ凍結したT細胞又は腫瘍組織(OCTブロック)から全RNAを抽出した。次いで、全RNAを、qScript cDNA Supermix(Quanta Biosciences,Gaithersburg,MD)を用いてcDNAに逆転写した。遺伝子特異的Taqmanプライマー並びに、ヒトβ-アクチン(カタログ番号:401846)及びERBB2IP(カタログ番号:4331182)に対するプローブセットは、Life Technologiesから購入した。定量的PCRは、7500 Fast Real Time PCR機を用い、TAQMAN Fast
Advanced Master Mix(いずれもApplied Biosystemsから)を用いて行った。標準的なアガロースゲル電気泳動により、増幅産物の特異性を確認した。算出された閾値サイクル(Ct)はすべて30以下であった。
DNeasy blood and tissue kit(Qiagen)を用いて、末梢血、T細胞及び凍結した腫瘍組織から単離したゲノムDNAに対して、immunoSEQ,Adaptive Biotechnologies(Seattle,WA)により、TCR-Vβディープシークエンシングを行った。サンプル当たりの、実益性のある(productive)TCRの読み取り総数は、279,482~934,672の範囲であった。TCR頻度の算出においては、TCRの、実益性のある再配列のみを用いた。
T細胞をペレット化し、全RNAを単離した(RNeasy Mini kit,Qiagen)。次いで、TCRのα鎖及びβ鎖の定常プライマーを用いて、全RNAで、製造業者(SMARTer RACE cDNA amplification kit,Clontech)による指示通りに、5’RACEを行った。キットのプログラム1を、伸長時間を変更(3分ではなく2分)して、PCRに用いた。α鎖及びβ鎖定常プライマーの配列は、TCR-α、5’-GCC ACA GCA CTG TGC TCT TGA AGT CC-3’(配列番号49);TCR-β、5’-CAG GCA GTA TCT GGA GTC ATT GAG-3(配列番号50)である。次いで、標準的なアガロースゲル電気泳動及びゲル抽出(Clontech)により、TCRのPCR産物を単離した。その後、産物は直接配列決定したか、又はTOPO-TAクローニングした後、個々のコロニーの配列決定を行った(Macrogen)。既知のVβ22+T細胞クローンの配列決定のために、qScript cDNA Supermix(
Quanta Biosciences)を用いて、RNAからcDNAを生成した。次いで、これらのcDNAを、TCR-β定常プライマー(上記)及びVβ22特異的プライマー:5’-CAC CAT GGA TAC CTG GCT CGT ATG C-3’(配列番号51)を用いるPCRにおいて鋳型として用いた。標準的なアガロースゲル電気泳動及びゲル抽出(Clontech)により、PCR産物を単離した。TCR-β定常鎖のネステッドプライマー:5’-ATT CAC CCA CCA GCT CAG-3’(配列番号52)を用いて、産物を直接配列決定した(Macrogen)。
自己フェレーシス試料を解凍し、5%の当所ヒト血清、10μg/mlゲンタマイシン(CellGro)、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシン、1.25μg/mlアンフォテリシンB(Fungizone)並びに2mM L-グルタミン(いずれもLife Technologiesから)を添加した、RPMI及びAIM-V培地の50/50混合物からなるT細胞培地中、2×106細胞/mlに設定した。2×106細胞(1ml)を、レトロウイルスによる形質導入前の2日間、50ng/mlの可溶性OKT3(Miltenyi Biotec)及び300IU/ml rhu IL-2(Chiron)を含む24ウェルプレート中で刺激した。一過性レトロウイルス上清を生成するために、リポフェクタミン2000(Life Technologies)を用いて、Vβ22陽性ERBB2IP突然変異特異的TCRをコードするレトロウイルスベクターMSGV1(1.5μg/ウェル)及びエンベロープをコードするプラスミドRD114(0.75μg/ウェル)を、レトロウイルスパッケージング細胞株293GP(6ウェルのポリ-D-リジンコーティングプレート1ウェル当たり1×106細胞、トランスフェクションの前日にプレーティング)に共トランスフェクションした。トランスフェクション後42~48時間で、レトロウイルス上清を回収し、DMEM培地で1:1に希釈し、レトロネクチンでコーティングした(10μg/ml,Takara)非組織培養処理6ウェルプレートに向けて、32℃で2時間、2,000gで遠心分離した。次いで、活性化T細胞(ウェル当たり2×106、IL-2を含有するT細胞培地中0.5×106細胞/ml)を、レトロウイルスプレートへ、300gで10分間スピンした。活性化T細胞を、一晩形質導入し、プレートから取り出し、IL-2を含有するT細胞培地中で更に培養した。GFP及びモックの形質導入コントロールを、形質導入実験に含めた。細胞は、通常、レトロウイルス形質導入の10~14日後にアッセイした。
本実施例は、それぞれの遺伝子が、突然変異アミノ酸配列をコードするがん特異的突然変異を含有する、患者のがん細胞の核酸中の1以上の遺伝子を同定する方法を実例で示す。
細胞療法(ACT)プロトコルに登録した。患者3737の臨床的特徴を表1に示す。
本実施例は、患者の自己APCを、突然変異アミノ酸配列を提示するよう誘導する方法;患者の自己T細胞集団と、突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCとを共培養する方法;及び(a)突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCと共培養されて、(b)患者によって発現されるMHC分子の関係で提示される突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する、自己T細胞を選択する方法を実例で示す。
DC、又は緑色蛍光タンパク質(GFP)RNA若しくは、全エクソーム配列決定によって同定された種々の突然変異をコードする、表示したタンデムミニ遺伝子(TMG)コンストラクトをトランスフェクションしたDCとの共培養後に、フローサイトメトリーによる検出で、表示した表現型を有するとされた3737-TILのパーセンテージを示す。モックトランスフェクションした細胞は、核酸の添加なしで、トランスフェクション試薬のみで処理した。データを、生きているCD3+細胞にゲートした。
本実施例は、実施例2で同定したERBB2IP特異的CD4+T細胞のTCR-Vβ22鎖で(そのα鎖と対応させて)遺伝的に改変した自己オープンレパートリー末梢血T細胞(autologous open repertoire peripheral
blood T cells)が、突然変異ERBB2IPペプチドに対する特異的反応性を付与したことを示す。
本実施例は、実施例2で同定した自己細胞を用いて、がんを治療する方法を実例で示す。
本実施例は、実施例4の細胞の、in vitroの表現型及び機能を実例で示す。
反応性の、少数のCD4+T細胞集団もあるようであった(表9及び10)。これらのVβ22陰性細胞を、野生型(wt)ERBB2IP、突然変異型(mut)ALK又はmutERBB2IP 25アミノ酸長ペプチドで一晩パルスした自己B細胞と共培養する前に、FACSで選別し、次いで、IL-2含有培地中で2日間静置した(rest)。フローサイトメトリーを用いて、Vβ22の発現を評価し、刺激後6時間(h)の、CD4+集団におけるIL-2(表13C)、TNF(表13B)、及びIFN-γ(表13A)の細胞内産生を検出した。表示した表現型を有する細胞のパーセンテージを表13A~13Cに示す。
本実施例は、実施例4の細胞のin vivoでの持続性を実証する。
った。定量的RT-PCRによって決定された通り、元の肺病変及び再発肺病変の両方において、比較的高レベルのERBB2IP発現が観察され(図4C)、サンガー配列決定により、すべての腫瘍病変において、ERBB2IP突然変異の存在が確認された。
本実施例は、突然変異反応性Th1細胞の、実施例4の抗腫瘍応答への寄与を実証する。
胞に更にゲートした後にVβ22+であったことを示す(表20)。再治療TILと、野生型(wt)又は突然変異型(mut)ERBB2IPの25アミノ酸長ペプチドで一晩パルスした自己B細胞とを、6時間共培養した。フローサイトメトリーを用いて、CD4+の集団における細胞内TNF産生を検出した(表20)。
実施例8~10についての材料及び方法を以下に示す。
すべての患者の材料は、国立がん研究所の施設内治験審査委員会が承認した臨床試験の過程で得た。患者2359及び患者2591を、Dudley et al.,J.Clin.Oncol.,26:5233-9(2008)に記載されている臨床試験(それぞれ、試験登録ID:NCT00096382及びID:NCT00335127)に登録した。患者に切除術を施し、それからTIL株と腫瘍細胞株の両方を樹立した。本研究に使用するTILは、Dudley et al.,J.Immunother.,26:332-42(2003)に記載の方法により作製した。簡潔に述べると、腫瘍断片を切除し、IL-2含有培地中で培養した。増幅したTIL培養物の数を、自己又はHLA適合腫瘍の認識についてスクリーニングし、急速増幅プロトコル(REP)(Riddell et al.,Science,257:238-41(1992))を用いて、反応性TILの数を、IL-2、抗CD3抗体及び放射線照射したフィーダー細胞により、患者注入用に大量増幅した(Riddell et al.,Science,257:238-41(1992))。一部少数のTILに第2のREPを施した。T細胞及び
腫瘍細胞を、共培養アッセイ用に、200μLの培地(5%ヒト血清を添加したAIM-V培地)を含む96ウェルプレート中1:1の割合で、16時間(hr)培養した。
該方法は、Robbins et al.,Nat.Med.,19:747-52(2013)に記載されている。ゲノムDNA精製、ライブラリー構築、約20,000のコード遺伝子のエクソーム捕獲(capture)、並びに腫瘍試料及び正常試料の次世代配列決定を、Personal Genome Diagnostics(Baltimore,MD)で行った。要約すると、腫瘍試料及び正常試料由来のゲノムDNAを断片化し、Illumina TRUSEQ library construction(Illumina,San Diego、CA)に用いた。エクソン領域は、Agilent SURESELECT 50Mb kit(version 3)を、製造業者の指示書(Agilent,Santa Clara、CA)に従って溶液中に捕捉した。HISEQ 2000 Genome Analyzer(Illumina)を用いて、各フラグメントの各末端から100塩基を得るペアエンド配列決定を行った。配列データを、参照用のヒトゲノム配列にマッピングし、配列改変を、5,000万塩基超の腫瘍DNA及び正常DNAの比較によって決定した。各試料について80億塩基超の配列データを得たが、該塩基の多くは、捕獲されたコード領域由来であった。腫瘍試料及び正常試料において、4300万塩基超の標的DNAを解析し、正常DNA試料及び腫瘍DNA試料における各塩基で、平均42~51の読み取りを得た。
黒色腫試料由来の非同義突然変異を、全エクソーム配列決定データから同定した。同定された突然変異アミノ酸6残基(そのN-及びC-末端両側に、両側の12アミノ酸が隣接する)を含有するポリペプチドをコードするタンデムミニ遺伝子コンストラクトを合成し(Integrated DNA Technologies,Coralville,Iowa)、次いで、IN-FUSION Advantage PCR Cloning Kit(Clontech)を用い、製造業者の指示書に従って、pcDNA3.1発現ベクターにクローニングした。
腫瘍細胞株及びペプチドでパルスした標的細胞に対する応答を、15μg/mlの抗I
FN-γモノクローナル抗体1D1K(Mabtech、Inc.,Cincinnati,OH)でコーティングした96ウェルPVDF膜フィルタープレート(EMD Millipore,Billerica,MA)を用いて、IFN-γELISPOTアッセイで定量した。結合したサイトカインを、1μg/mlのビオチン化抗IFN-γ抗体7-B6-1(Mabtech)を用いて検出した。HLA-A*0201、HLA-A*0205又はHLA-C*0701を発現するHEK293細胞を、ペプチドで、37℃で2時間パルスした。以下のペプチド:MART-1:AAGIGILTV(配列番号54)、突然変異KIF2C:RLFPGLTIKI(配列番号55)、突然変異POLA2:TRSSGSHFVF(配列番号56)を使用した。T細胞を、標的細胞又は50ng/ml PMA及び1μMイオノマイシンを含有する培地(PMA/I)と一晩共培養した。105T細胞あたりのスポット数を算出した。
本実施例は、TIL2359が、ミニ遺伝子ライブラリースクリーニングによって評価される通り、突然変異抗原を認識することを実例で示す。
って認識される突然変異KIF2Cエピトープを同定するための試みにおいて、高親和性でHLA-A*0205に結合すると予測された、KIF2C突然変異を包含するペプチドを合成し(Hoof et al.,Immunogenetics,61:1-13(2009))、HLA-A*0205を安定して発現するHEK293細胞にパルスした(表21)。残基10~19に対応するデカマーでパルスしたHEK293-A*0205細胞は、TIL2359 T細胞から多量のIFN-γの放出を促進し、該ペプチドは、最低濃度0.1nMで認識された。対照的に、対応するWTペプチドは、10μMで、有意なIFN-γ放出を誘導しなかった(図5E)。
本実施例は、TIL2591が、ミニ遺伝子ライブラリースクリーニングにより同定された突然変異抗原を認識することを実例で示す。
1 RNAに由来するcDNAの両方が、1258位にWT及び突然変異ヌクレオチドの両方を含有する一方、患者2591のPBMCから単離したゲノムDNAは、WT配列に対応することが示された、このことにより、これが、Mel2591細胞におけるヘテロ接合性体細胞突然変異を表すことが示された。
本実施例は、ミニ遺伝子ライブラリースクリーニングにより同定した、消化管(GI)がんに存在する突然変異抗原に対して反応性のT細胞を同定する方法を実例で示す。
mutations)が評価される。「突然変異コール」は、配列が、生物情報学を用いて突然変異として同定される、任意に設定された閾値である。この場合、第1パスとしては、閾値は比較的高かった(例えば、同定された突然変異が真の突然変異であるという、高水準の信頼性を提供した)。次いで、閾値が低下し、同定された突然変異が真の突然変異であるという信頼性の水準は低くなったが、同定された突然変異が真の突然変異である可能性は残った。
Claims (21)
- 患者におけるがんの治療又は予防のための医薬の製造方法であって、
それぞれの遺伝子が、突然変異アミノ酸配列をコードするがん特異的突然変異を含有する、患者のがん細胞の核酸中の1以上の遺伝子を同定すること;
患者の自己抗原提示細胞(APC)を、突然変異アミノ酸配列を提示するよう誘導すること;
患者の自己T細胞と、突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCとを共培養すること;(a)突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCと共培養されて、且つ(b)患者によって発現される主要組織適合性複合体(MHC)分子の関係で提示される突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する、自己T細胞を選択し、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する、単離されたT細胞を提供すること;
選択された自己T細胞の数を増幅して、がん特異的突然変異によってコードされる突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有するT細胞集団を得ること;及び
該T細胞集団を該医薬へと製剤化すること
ここで、該医薬は注射用に製剤化される
を含む、方法。 - それらの細胞の数を増幅することが、選択された細胞を、フィーダーPBMC、インターロイキン(IL)-2、及びOKT3抗体と共に培養することを含む、請求項1の方法。
- がんが上皮がんである、請求項1又は2の方法。
- がんが胆管がん、黒色腫、結腸がん又は直腸がんである、請求項1又は2の方法。
- T細胞集団が患者に対して自己である、請求項1~4のいずれか1項の方法。
- 患者の自己APCを、突然変異アミノ酸配列を提示するよう誘導することが、突然変異アミノ酸配列を含むペプチド又はペプチドプールでAPCをパルスすることを含み、プール中の各ペプチドは異なる突然変異アミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか1項の方法。
- 患者の自己APCを、突然変異アミノ酸配列を提示するよう誘導することが、突然変異アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をAPCに導入することを含む、請求項1~5のいずれか1項の方法。
- 自己APCに導入されるヌクレオチド配列がタンデムミニ遺伝子(TMG)コンストラクトであり、各ミニ遺伝子が異なる遺伝子を含み、各遺伝子が突然変異アミノ酸配列をコードするがん特異的突然変異を含む、請求項7の方法。
- 患者由来の、腫瘍の複数断片からの自己T細胞のそれぞれを別々に、突然変異アミノ酸配列を提示する自己APCと共培養すること、及び複数断片のそれぞれからのT細胞を、突然変異アミノ酸配列に対する抗原特異性に関して別々に評価することを更に含む、請求項1~8のいずれか1項の方法。
- 突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する自己T細胞を選択することが、突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する自己T細胞を選択的に増殖させることを含む、請求項1~9のいずれか1項の方法。
- 突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する自己T細胞を選択することが、プログラム細胞死1(PD-1)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン3(TIM-3)、4-1BB、OX40、及びCD107aのいずれか1以上を発現するT細胞を選択することを含む、請求項1~10のいずれか1項の方法。
- 突然変異アミノ酸配列に対し抗原特異性を有する自己T細胞を選択することが、(i)突然変異アミノ酸配列を提示するAPCとの共培養に際して、ネガティブコントロールによって分泌される1以上のサイトカインの量と比較して、より多くの量の1以上のサイトカインを分泌するか、又は(ii)突然変異アミノ酸配列を提示するAPCとの共培養に際して、1以上のサイトカインを分泌するネガティブコントロールT細胞の数と比較して、少なくとも2倍の多さの数のT細胞が1以上のサイトカインを分泌するT細胞を選択することを含む、請求項1~11のいずれか1項の方法。
- 1以上のサイトカインが、インターフェロン(IFN)-γ、インターロイキン(IL)-2、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、顆粒球/単球コロニー刺激因子(GM-CSF)、IL-4、IL-5、IL-9、IL-10、IL-17及びIL-22を含む、請求項12の方法。
- がん細胞の核酸中の1以上の遺伝子を同定することが、がん細胞の全エクソーム、全ゲノム、又は全トランスクリプトームを配列決定すること含む、請求項1~13のいずれか1項の方法。
- 静脈内投与用の医薬を製剤化することを含む、請求項1~14のいずれか1項の方法。
- 非経口投与用の医薬を製剤化することを含む、請求項1~14のいずれか1項の方法。
- 医薬を、意図されたレシピエントの血液と等張であるように製剤化することを含む、請求項1~16のいずれか1項の方法。
- 通常の生理食塩水、電解質溶液、水中5%デキストロース、乳酸リンゲル液、およびヒト血清アルブミンの1以上を医薬中に製剤化することを含む、請求項1~17のいずれか1項の方法。
- 1以上の他の医薬的に活性な物質または薬剤を医薬に製剤化することを含む、請求項1~18のいずれか1項の方法。
- 1以上の他の医薬的に活性な物質または薬剤が、1以上の化学療法剤を含む、請求項19の方法。
- 1以上の化学療法剤が、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、およびビンクリスチンのうちの1以上を含む、請求項20の方法。
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