JP7095200B2 - 信号検出装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の意識状態検出装置10の一例を示した概略ブロック図である。本実施形態では、車両の運転者等の被測定者である人体に取り付けられ、人体の特定部位の位置情報を検出することが可能となる複数の位置情報検出器20からなる位置情報検出手段と、人体に取り付けられ、人体の生理情報を検出することが可能となる生理情報検出器21からなる生理情報検出手段と、位置情報検出手段および生理情報検出手段から得られる検出信号に基づき被測定者の意識状態を判定するための情報処理装置30を備えている。位置情報検出器20は、例えば加速度センサや角速度センサ、それらを統合したモーションセンサを用いることができる。生理情報検出器21は、例えば心電センサや心拍センサ、脳波計や光トポグラフィー、それらを統合した脳活動計測装置を用いることができる。
情報処理装置30は、位置情報検出手段および生理情報検出手段から得られる検出信号を受信することが可能な信号受信部40と、該検出信号から被測定者の意識状態を特徴付ける状態特徴量を演算する信号処理部50と、状態特徴量から被測定者の意識状態を推定する状態推定部60と、状態推定部60における意識状態判定の基準情報を格納する記憶部70と、状態推定部60において推定した被測定者の意識状態を被測定者に知らせる表示部80を有している。
信号受信部40は、位置情報検出手段および生理情報検出手段から得られる検出信号を情報処理装置30に受信できる手段であれば特に限定されないが、好ましくはBluetooth(登録商標)通信など無線により受信できる形態がよい。
信号処理部50は、複数の位置情報検出器20からの検出信号を、それぞれ個別に演算し、位置情報検出器20が取り付けられた人体の特定部位の動きに応じた各状態特徴量を選択する。状態特徴量は、例えば、複数の位置情報検出器20からの検出信号から、一定時間の時間経過に対する検出信号の変化(人体の特定部位が動く加速度や角速度等の動的変化量)に対する平均値(Mean)、標準偏差(Std)、分散(Var)、歪度(Skew)、尖度(Kurt)などを算出する。また、これらの算出値は被測定者の意識状態の変化に伴い変化するが、特に変化が顕著な状態特徴量を選ぶことで、被測定者ごとに異なる人体の特定部位の特徴的な動作を示す状態特徴量を選択することができる。
状態推定部60において被測定者の意識状態を判定するため、予め、被測定者が平常時に車両などを運転している際の検出信号を取得し、被測定者ごとの判定基準として、記憶部70に格納しておく。これは被測定者の注意が散漫である状態を一意に定義することが難しく、またその傾向も個人によって異なるためである。被測定者の意識状態は、被測定者ごとの判定基準に対する逸脱度を評価することで判定する。その判定には体動判定61、眠気判定62、漫然判定63の3つの判定プロセス(図2)を設けることで、特に被測定者の漫然生起状態65を、眠気を感じていない(非眠気生起状態)にも関わらず体動が無く(非体動生起状態)、正常状態64とは異なる状態として判定が可能となる。
図3の学習フェーズでは、被測定者が平常時に車両などを運転している際に位置情報検出器20および生理情報検出器21から得られる検出信号をML秒計測100する。ML秒計測100は、できる限り短い時間で且つ安定した判定基準を得るために180秒程度が好適であるが、安定した判定基準が得られるならば、その計測時間に制限はない。受信110された検出信号に基づき、検出信号ごとにノイズ除去を目的としたフィルタリング処理111、およびRR間隔算出112等の前処理を行い、体動特徴量計算120、眠気特徴量計算130および漫然特徴量計算140の各状態特徴量をそれぞれ算出した後、各状態特徴量の集合に対してそれぞれ特異値分解手段として、特異値分解(SVD)や固有値分解する方法があるが、ここでは特異値分解することで主成分空間を作成し、記憶領域70に記憶させ被測定者ごとの判定基準を作成する。この被測定者の判定基準となる主成分空間を求める処理を学習フェーズと呼ぶ。なお、本発明において、被測定者が正常状態64にあるとは、例えば車両の運転者の場合、頭や顔を触るなど、ハンドルから手を離して運転操作と関係のない動作をするような体動がなく、瞼の開き具合やあくびなどの表情や仕草に現れ読み取ることができる眠気がなく、点滅光のような瞬間的に発生する外的刺激に対して反応する時間が300ミリ秒から400ミリ秒前後であり、その反応時間がおおよそ一定である状態のことをいう。
被測定者の意識状態をリアルタイムで判定する手順は図4に示す。例えば、車両などを運転中の被測定者の意識状態を判定するためには、被測定者に取り付けられた位置情報検出器20および生理情報検出器21から得られる検出信号をMC秒計測200する。MC秒計測200は、できる限り短い時間で且つ学習フェーズで得た主成分空間と比較可能な状態特徴量を得るために3秒間程度が好適であるが、被測定者ごとに異なる判定基準となる主成分空間に対し比較可能な体動特徴量計算220、眠気特徴量計算230および漫然特徴量計算240の各状態特徴量が計算できるならば、その計測時間に制限はない。計算された各状態特徴量220、230および240は、学習フェーズのSVDの際に得られた右特異ベクトルを使って、同じく学習フェーズで求めた主成分空間上に射影する(221、231および241)。射影された各状態特徴量と学習フェーズで求めた判定基準を比較することで体動判定222、眠気判定232および漫然判定242を行う。各状態特徴量と判定基準との比較は、射影された点と正常時の分布間の距離を適当な距離尺度を用いて定義し、射影された点が判定基準の正常時の分布に近い場合は正常、また正常時の分布から遠く離れていれば異常と判定する。この処理を識別フェーズと呼ぶ。体動判定222、眠気判定232および漫然判定242の比較結果から、図2の流れ図に従い被測定者の意識状態を判定し提示する。
本発明は、体動判定61、眠気判定62、漫然判定63の3つの判定を組み合わせ、関連のある複数の変数を管理することから、各判定モデルに主成分分析を用いた多変量統計的プロセス管理(Multivariate Statistical Process Control:MSPC)のフレームワークを取り入れた。具体的には、生理情報(例えば、心電図データまたは心拍データ)に加えて、身体動作の情報として加速度・角速度データを取得し、これらの情報を総合的に判定することで、車両などを運転中の運転者等の意識状態を評価する。
主成分分析を用いたMSPCでは、主成分分析によって多変量データを低次元空間に縮約し、T2統計量とQ統計量を求め、この2つの指標がそれぞれに設定された管理限界を超えたときに異常であると判定する。このうち、以下の実施例では異常判定にT2統計量を用いることとし、以下の手順で求める。
ドライビングシミュレータ(以下、DSと記す。)上で意識低下を起こしやすい状況を再現し、被験者実験により検証用データの収集を行う。高速道路上での定常走行運転は、ドライバ(被測定者)の機能低下を誘発する単調作業とされている。そこで、DS上で高速道路を模した一周約30[km]の実験コースを作成し、走行条件を変化させることで正常、眠気、漫然状態の運転状態を再現する。以下の実験では、実験実施者が表1に示す条件下で運転するように被測定者に指示する。
被測定者である運転者の身体動作計測には位置情報検出器として加速度および角速度センサが内蔵されたモーションセンサ(ATR-Promotions社製TSND121)を用いる。当該センサを図1に示す被測定者の右上腕(S1)、左上腕(S2)、右前腕(S3)、左前腕(S4)、右足甲部(S5)の計5箇所に装着する。また各モーションセンサで3軸(X・Y・Z軸方向)分の加速度および角速度(加速度・角速度データ)をそれぞれサンプリング周波数100[Hz]で計測し、これをBluetooth(登録商標)通信により情報処理装置30へリアルタイムで送信する。その後、収集した加速度・角速度データに対して、フィルタリング処理111、211で身体動作と関係のない高周波成分を、例えば、カットオフ周波数12.5[Hz]のローパスフィルタにより除去する。同様に、フィルタリング処理111、211で道路形状に沿うような比較的ゆっくりとしたハンドル操作(具体的には高速道路上のカーブを曲がる場合など)に対応する低周波成分を、例えば、カットオフ周波数0.1[Hz]のハイパスフィルタにより除去する。これらのフィルタリング処理111、211の結果、車両の振動成分のほか、センサの取付位置の違いや道路形状に依存して変化する成分を加速度・角速度データから除去できる。
生理情報の測定には、生理情報検出器として心電センサを用い、具体的にはTSND121の外部入力端子に心電計測用アンプ(ATR-Promotions社製TS-EMG01)を接続し、心電図データを計測する。心電図データはサンプリング周波数1[kHz]で計測し、データ収集後にRR間隔算出112、212でR波を検出してR-R間隔値(RRI)を算出する。心電計測用アンプを接続したTSND121は被測定者の腹部(S-ecg)に装着する。なお、心電センサの代わりに心拍センサを用いた場合は、RR間隔算出112、212の処理でR波を検出せずに、心拍間隔をRRIとする。
状態推定部60の判定精度を評価するために、実験中の被測定者の疲労や眠気、注意力の変化を数値化して記録する。このために、実験実施者によって、眠気指標と漫然指標の2つの指標を以下の手順でそれぞれ作成し、判定精度の評価に用いる。具体的には、眠気指標から眠気ラベルを、漫然指標から漫然ラベルをそれぞれ作成し、各ラベルの値(0または1)と眠気判定62、および漫然判定63の各判定結果(0または1)の値が一致した場合を判定成功とする。
運転中の被測定者の顔映像を複数名の実験実施者(例えば、3名)が観察し、表情や仕草から眠気レベルを5秒間隔で次の6段階に評価する:「全く眠くなさそう(0)」「ぼんやりしてそう(1)」「やや眠そう(2)」「眠そう(3)」「かなり眠そう(4)」「非常に眠そう(5)」。その後、複数名の実験実施者の評価値を平均した値を眠気の基準変数(眠気指標)とする。
被測定者の眠気指標が0または1(全く眠くなさそう、または、ぼんやりしてそう)の場合を非眠気状態(正常)とし、これを眠気ラベル「0」と定義する。一方、眠気指標が2以上の場合を眠気生起状態66(異常)とし、これを眠気ラベル「1」と定義する。
実験実施者が、運転中の被測定者にランダムに点灯するLEDを提示し、LEDが点灯したタイミングで手元のスイッチをできるだけ素早く押すよう指示する。これによって、1種類の刺激が提示されてから1種類の反応をするまでの時間、いわゆる単純反応時間(以下、単に反応時間という)を測定する。また、測定した反応時間を注意力の基準変数とする。
次に、図5に示した反応時間の頻度分布情報から、反応時間の遅延が基準値以上の場合を漫然生起状態65とし、これを検出対象と定義する。ただし、反応時間の遅延の基準値を求めるにあたり、反応時間の分布は図5に示すように正の値方向に偏りがあり非対称形の分布形状を示す。そこで、分布の非対称性を抑制するために横軸を対数変換したのち、被測定者ごとに反応時間の平均と標準偏差(SD)を求め、これを反応時間の遅延の基準値とする。すなわち、被測定者ごとに平均±1SD範囲内の反応時間を非漫然状態(正常)とし、これを漫然ラベル「0」と定義する。一方、平均+1SD以上の反応時間を漫然生起状態65(異常)とし、これを漫然ラベル「1」と定義する。なお、平均-1SD以下の反応時間はなお早反応(フライング)の可能性が高いため、検出対象からは除外する。
漫然判定63における、漫然特徴量計算140および240では、加速度・角速度データから被測定者の不注意状態における動きや姿勢の特徴を表す指標(動作特徴量)を求める。動作特徴量としては、ある時間区間内での加速度・角速度データの平均値や分散、また周波数エントロピーなど種々の特徴量を求めることができる。しかし、ハンドル操作などある一定の姿勢または動きを続けている中で発生する意識低下に伴う動きの変化は非常に小さく、従来の行動識別等で用いられる動作特徴量ではその変化を捉えることが非常に難しい。そこで、ある時間区間内での手足の姿勢や動きの時間変化量に着目し、以下の手順で漫然特徴量を求める。
図8および9を参照し、漫然特徴量の算出手順を説明する。図8および9の(a)は運転中の被測定者のある時間区間における反応時間の推移を表し、図中の水平線は漫然指標における正常または異常の判定閾値を表す。このうち、図8(a)では反応時間の遅延が閾値を超えている区間があり、この時に漫然生起状態が生じていると定義する。次に、測定したp個の変数からなる時系列データ(加速度・角速度データ)から、窓幅W[秒]分のデータを切り出し、これを部分時系列Xwとする。図8および9の(b)では右前腕のx軸加速度をW=30[秒]分切り出した例を示す。ただし、図8および9(a)(b)の横軸はそれぞれサンプル番号で、n=0,1,…,(W×fs)-1であり、fsは測定値のサンプリング周波数[Hz]を表す。図8および9(a)(b)ではfs=100[Hz]である。次に、部分系列Xwを時間方向にサブウィンドウ幅Ws[秒]ごとに分割し、サブウィンドウごとに平均値xm(i,k)を求める。ただし、i=1,2,…,pであり、k=1,2,…,floor(W/Ws)とし、floor(a)はa以下の最大の整数を表す。図8および9(c)は、(b)の時系列データをサブウィンドウ幅Ws=0.5[秒]ごとに平均化した例を示す。次に、隣り合うサブウィンドウ間での変化量:Dxm(i,k)=xm(i,k+1)-xm(i,k)を求める。ただし、k=1,2,…,floor(W/Ws)-1、である。また、以下では、変化量Dxm(i,k)を動的変化量と呼ぶ。図8および9(d)は、(c)の平均化された時系列データについて動的変化量を求めた例を示す。その後、変数i(i=1,2,…,p)ごとに(floor(W/Ws)-1)個の動的変化量Dxm(i,k)のヒストグラム形状を規定する統計量(平均,分散,歪度,尖度など)を求める。
次に、被測定者ごとに各モーションセンサの加速度・角速度データから漫然特徴量(動的変化量)を求め、漫然ラベル「0」が付与されたデータと漫然ラベル「1」が付与されたデータごとにそれぞれ平均値を計算し、平均値の差の検定を実施した。被測定者5名分でこの操作を行い、漫然判定63に重要な特徴量の探索を行った。また、実用性を考慮し探索対象とするセンサを左右前腕のセンサ(S3およびS4)に絞り、表2の70種の特徴量について検討した。ここで、表2では動的変化量Dxm(i,k)の平均値をDifMean、標準偏差値をDifStd、分散値をDifVar、歪度をDifSkew、尖度をDifKurtとそれぞれ表記している。また、ax、ay、azは3軸加速度を、Magは3軸合成加速度を、gx、gy、gzは3軸角速度をそれぞれ表す。表2の各特徴量について、漫然ラベル「0」と「1」とで動的変化量の平均値の差を検定し、有意水準5%で有意な差が認められた特徴量(表2内の太字の特徴量)から、DifMean(動的変化量の平均値)とDifSkew(動的変化量の歪度)を漫然判定63のための特徴量として採用した。窓幅W=60[秒]、サブウィンドウ幅Ws=1[秒]とし、スライド幅1秒ごとに動的変化量の平均値と歪度を、右前腕(S3)および左前腕(S4)で計測された加速度・角速度データごとに求めた((3軸加速度+3軸角速度)×左右2センサ×2特徴量の計24次元)。
体動判定61における、体動特徴量計算120および220では、右前腕(S3)および左前腕(S4)で計測された加速度・角速度データについて、窓幅内での分散値を軸ごとに求めた。窓幅、スライド幅ともに3秒とした((3軸加速度+3軸角速度)×左右2センサの計12次元)。
眠気判定62における、眠気特徴量計算130および230は、心電図データからRR間隔(RRI)算出112、212を実行し、RRIの平均値(meanNN)、RRIの標準偏差(SDNN)、RRIの差分(RRI[n+1]-RRI[n])のRMS(RMSSD)、RRIの分散(Total Power)、RRIの差分(RRI[n+1]-RRI[n])が50msecを越える数(NN50)、心拍変動の低周波成分(0.04Hz以上0.15Hz未満)のパワー(LF)、心拍変動の高周波成分(0.15Hz以上0.4Hz未満)のパワー(HF)、LFとHFの比(LF/HF)の8特徴量を求めた。窓幅120秒、スライド幅1秒とした(計8次元)。
車両などの運転者等の不注意状態を一意に定義することは難しく、またその傾向も個人によって異なる。このことから、被測定者が平常時に車両などを運転している際に取得したデータから判定モデルを構築し、平常時の状態からの逸脱度を評価することで、被測定者の不注意状態を検出する。この時、モーションセンサと心電センサの測定値を判定モデルへの入力値とする。ただし、モーションセンサの測定値(加速度や角速度)には、ハンドルの持ち替えやハンドル操作以外の手や体の動きも反映されている。そのため、測定値から直ちに漫然状態を判定することは難しいため、以下の3つの判定プロセスにより段階的に被測定者の状態を判定する。
被測定者である車両などの運転者がハンドル持ち替え、頭をかく、坐り直しなどの運転操作以外の比較的大きな動きがあった場合、加速度や角速度が大きく変化する。このことから、まず体動の有無を評価し、体動生起状態67と判定した場合、その区間ではその後の眠気判定62、漫然判定63のプロセスを実行しない。また体動有無の判定(体動判定61)には、例えば、正常状態64を再現した表1の条件Aで取得した被測定者のデータを用いて、主成分分析によるMSPC手法を適用した。
眠気有無の判定(眠気判定62)には、例えば、正常状態64を再現した表1の条件Aで取得した被測定者のデータを用いて、主成分分析によるMSPC手法を適用する。また非眠気状態と判定した場合、その区間では漫然判定63を行う。
漫然有無の判定(漫然判定63)には、例えば、正常状態64を再現した表1の条件Aで取得した被測定者のデータを用いて、主成分分析によるMSPC手法を適用する。最終的にStep1で非眠気状態と判定されたが反応時間が遅延した場合を、漫然生起状態65として判定する。以上の判定プロセスは図2のように整理できる。
判定モデルの構築を図3および4を使い説明する。まず、図3では正常状態64を再現した表1の条件Aで取得した被測定者の心電図データ、加速度・角速度データを使って、体動判定61、眠気判定62および漫然判定63におけるそれぞれの正常時の主成分空間を作成し記憶122、132および142する。主成分空間の作成には、例えば、眠気判定62ではML=180秒分の心電図データから、窓幅120秒、スライド幅1秒として、8つの眠気特徴量を60サンプル分求め、それらをSVDによる主成分分析によって次元削減することでr次元の主成分空間を求める。これが非眠気状態時の特徴量の分布となる。体動判定61や漫然判定63のアルゴリズムにおいても入力データや算出する状態特徴量が違うだけで同じ手法で正常時の主成分空間を作成し記憶する。
次に、図4の処理では、MC秒毎に体動判定61、眠気判定62および漫然判定63におけるそれぞれの状態特徴量220、230および240を求め、それを学習フェーズのSVDの際に得られた右特異ベクトルを使って、同じく学習フェーズで求めた主成分空間上に射影する。射影された点と正常時の分布との距離をT2統計量により求め、距離が近い場合は正常、遠く離れてT2統計量の上限値(管理限界)を超えていれば異常と判定する。このとき、管理限界は任意に設定できるが、例えば、正常状態64を再現した表1の条件Aで取得されたデータの99%または95%が正常であると判定されるように設定する。
図6は図3および図4のアルゴリズムを実行した結果、状態推定部60にて構成された体動判定61の主成分空間122、222の一例である。図6内で黒丸(●)は学習フェーズにおいて得られたデータ(状態特徴量)をそれぞれ主成分空間上に射影した結果を表す。なお、学習フェーズにおける体動判定61のための主成分空間122を構成する際は、ハンドルから手を離して運転操作と関係のない動作をするような体動がない時に得られたデータを主に用いる。一方、白丸(○)は識別フェーズで新しく得られたデータ(状態特徴量)を主成分空間上に射影した結果を表す。また、射影された白丸と黒丸群の距離で体動・眠気・漫然状態を判定する。例えば、図6の体動判定61の主成分空間122、222において、学習フェーズで得られたデータの分布と大きく離れている白丸(○)のデータは体動生起状態67と判定される。
20 位置情報検出器
21 生理情報検出器
30 情報処理装置、情報処理端末
31 情報処理装置
Claims (4)
- 被測定者に装着され、被測定者の特定部位に取り付けられた加速度センサ、角速度センサ、もしくはそれらを統合したモーションセンサのいずれか一以上による位置情報検出器と、被測定者に取り付けられた心電センサ、心拍センサ、脳波計、光トポグラフィー、もしくはそれらを統合した脳活動計測装置のいずれか一以上による生理情報検出器と、前記各検出器によって計測される計測結果を処理する処理装置を備え、
該処理装置は、
一定時間に取得された前記各検出器による計測結果から、時間経過に対する計測結果の変化によって被測定者の意識状態を特徴付ける状態特徴量を算出するとともに、多変量統計的プロセス管理を用いて二以上の状態特徴量を選択する状態特徴量算出手段と、
前記状態特徴量の集合について特異値分解する特異値分解手段と、
前記特異値分解手段に基づき主成分空間を作成する主成分空間作成手段と、
前記主成分空間を記憶する記憶手段と、
被測定者の通常時における前記主成分空間に対し、測定時間ごとに算出される状態特徴量を射影する状態特徴量射影手段と、
前記状態特徴量射影手段による射影結果により、通常時の状態特徴量の分布と射影された測定時間における状態特徴量の分布とを比較し、通常時における主成分空間の分布と投影された点との距離をT2統計量により求めたうえで、その距離が予め定めたT2統計量の管理限界を超えて離れているか否かにより被測定者の測定時間における意識状態について、正常、体動異常、眠気異常および漫然異常を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする信号検出装置。 - 前記位置情報検出器は、被測定者の利き腕に取り付けられており、前記生理情報検出器は、心電センサであることを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
- 前記位置情報検出器は、該被測定者の両腕に取り付けられており、前記生理情報検出器は、心電センサであることを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
- 前記意識状態に係る正常、体動異常、眠気異常および漫然異常を判定する判定手段に基づく結果は、車両を操作する運転者の意識状態に係る正常、体動異常、眠気異常および漫然異常を判定するものであり、該意識状態の判定によって該運転者の異常な信号を検出するものであることを特徴とする請求項1から3に記載の信号検出装置。
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