実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図1~図25を用いて説明する。
<表示装置の構成例1>
まず、図1及び図2を用いて、本実施の形態の表示装置について説明する。
本実施の形態の表示装置は、表示部及び駆動回路部を有する。表示部は、液晶素子及び第1のトランジスタを有する。駆動回路部は、第2のトランジスタを有する。液晶素子は、画素電極、液晶層、及び共通電極を有する。第1のトランジスタの構造は、第2のトランジスタの構造とは異なる。第1のトラシジスタは、画素電極と電気的に接続される。第1のトランジスタは、第1の領域を有する。画素電極、共通電極、及び第1の領域は、可視光を透過する機能を有する。可視光は、第1の領域及び液晶素子を透過して、表示装置の外部に射出される。トランジスタが有する第1の領域は、例えば、画素電極と接続される領域であってもよい。
本実施の形態の表示装置は、第1のトランジスタが可視光を透過する領域を有する。例えば、第1のトランジスタと画素電極のコンタクト部が、可視光を透過するため、当該コンタクト部を表示領域に設けることができる。これにより、画素の開口率を高め、光取り出し効率を高めることができる。また、画素における光取り出し効率を高めることが可能であるため、バックライトユニットの輝度を低減することが可能である。したがって、表示装置の消費電力を低減させることができる。また、表示装置の高精細化を実現できる。
本実施の形態の表示装置は、表示部のトランジスタの構造と、駆動回路部のトランジスタの構造とが異なる。そのため、表示部と駆動回路部それぞれで、適した構造のトランジスタを採用することができる。また、駆動回路部のトランジスタの作製工程の一部は、表示部のトランジスタの作製工程の一部と兼ねることができる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えることができる。そして、工程の増加に起因する歩留まりの低下を抑制できる。例えば、本実施の形態の表示装置の作製方法では、表示部のトランジスタのゲート電極と、駆動回路部のトランジスタのゲート電極とを、同一工程で形成することができる。
表示部は、さらに、走査線及び信号線を有する。走査線及び信号線は、それぞれ、第1のトランジスタと電気的に接続される。走査線及び信号線は、それぞれ、金属層を有する。走査線及び信号線に金属層を用いることで、走査線及び信号線の抵抗値を下げることができる。駆動回路部のトランジスタ及び配線等についても、金属層を用いる。走査線及び信号線は、それぞれ、駆動回路部のトランジスタ及び配線等と同一の工程で形成されることが好ましい。
また、走査線は、第1のトランジスタのチャネル領域と重なる部分を有することが好ましい。第1のトランジスタのチャネル領域に用いる材料によっては、光が照射されることで第1のトランジスタの特性が変動することがある。走査線が、第1のトランジスタのチャネル領域と重なる部分を有することで、外光またはバックライトの光などが、チャネル領域に照射されることを抑制できる。これにより、第1のトランジスタの信頼性を高めることができる。
図1に、本実施の形態の表示装置の断面図を示す。
図1(A)に示す表示装置10Aは、基板11、基板12、トランジスタ14、トランジスタ16、及び液晶素子15等を有する。表示装置10Aの基板12側に、バックライトユニット13が配置されている。
トランジスタ14は、表示装置10Aの表示部に設けられている。トランジスタ16は、表示装置10Aの駆動回路部に設けられている。トランジスタ14とトランジスタ16は互いに異なる部分を有する。2つのトランジスタは、例えば、半導体層の種類、またはトランジスタの形状等が互いに異なる。表示部及び駆動回路部に、それぞれ適した構造のトランジスタを設けることで、表示装置の性能を向上させることができる。
液晶素子15は、画素電極21、液晶層22、及び共通電極23を有する。画素電極21は、絶縁層26に設けられた開口を介して、トランジスタ14と電気的に接続されている。絶縁層26上には、画素電極21と同一の工程及び同一の材料を用いて形成された導電層25が設けられている。導電層25は、接続体29を介して、共通電極23と電気的に接続されている。
バックライトユニット13からの光45aは、基板12、絶縁層26、画素電極21、液晶層22、共通電極23、及び基板11を介して、表示装置10Aの外部に射出される。光45aが透過するこれらの層の材料には、可視光を透過する材料を用いる。
バックライトユニット13からの光45bは、基板12、トランジスタ14、絶縁層26、画素電極21、液晶層22、共通電極23、及び基板11を介して、表示装置10Aの外部に射出される。表示装置10Aにおいて、液晶素子15と電気的に接続されるトランジスタ14は、可視光を透過する領域を有する構成である。したがって、トランジスタ14が設けられている領域も、表示領域として使用することができる。これにより、画素の開口率を高めることができる。開口率が高いほど光取り出し効率を高めることができる。したがって、表示装置の消費電力を低減することができる。また、高精細な表示装置を実現できる。
本実施の形態の表示装置は、タッチセンサが搭載された表示装置(入出力装置またはタッチパネルともいう)に適用することができる。
図1(B)に示す表示装置10Bは、表示装置10Aの基板11側に、タッチセンサユニット31が配置された構成である。
図1(C)に示す表示装置10Cは、表示装置10Aの基板11と共通電極23との間に、タッチセンサユニット31及び絶縁層32が設けられた構成である。表示装置10Cは、さらに、導電層27及び導電層28を有する。
絶縁層26上に、画素電極21と同一の工程及び同一の材料を用いて形成された導電層27が設けられている。絶縁層32に接して、共通電極23と同一の工程及び同一の材料を用いて形成された導電層28が設けられている。導電層28は、タッチセンサユニット31と電気的に接続されている。導電層28は、接続体29を介して、導電層27と電気的に接続されている。これにより、基板12側に接続された1つまたは複数のFPCによって、液晶素子15を駆動する信号とタッチセンサユニット31を駆動する信号の双方を表示装置10Cに供給することができる。基板11側にFPC等を接続する必要がなく、表示装置の構成をより簡略化できる。基板11側と基板12側の双方にFPCを接続する場合に比べて、電子機器に組み込みやすく、また、部品点数を削減できる。
表示装置10Cでは、一対の基板間に、タッチセンサユニット31を設けることができるため、基板枚数を削減し、表示装置の軽量化及び薄型化を実現できる。
[画素について]
次に、本実施の形態の表示装置が有する画素について、図2を用いて説明する。
図2(A1)に、画素900の上面概略図を示す。図2(A1)に示す画素900は、4つの副画素を有する。図2(A1)では、画素900において、副画素が縦に2つ、横に2つ配列している例を示している。各副画素には、透過型の液晶素子930LC(図2(A1)(A2)には図示しない)及びトランジスタ914等が設けられている。図2(A1)では、画素900に、配線902及び配線904が、それぞれ2本ずつ設けられている。図2(A1)に示す各副画素では、液晶素子の表示領域(表示領域918R、表示領域918G、表示領域918B、及び表示領域918W)を示している。
画素900は、配線902及び配線904等を有する。配線902は、例えば走査線として機能する。配線904は、例えば信号線として機能する。配線902と配線904とは、互いに交差する部分を有する。
トランジスタ914は、選択トランジスタとして機能する。トランジスタ914のゲートは、配線902と電気的に接続されている。トランジスタ914のソースまたはドレインの一方は、配線904と電気的に接続されており、他方は、液晶素子930LCと電気的に接続されている。
ここで、配線902及び配線904は遮光性を有する。またこれ以外の層、すなわち、トランジスタ914、トランジスタ914に接続する配線、コンタクト部、容量等を構成する各層には、可視光に対する透過性を有する膜を用いると好適である。図2(A2)は、図2(A1)に示す画素900を、可視光を透過する透過領域900tと、可視光を遮る遮光領域900sと、に分けて明示した例である。このように、可視光に対する透過性を有する膜を用いてトランジスタを作製することで、配線902及び配線904が設けられる部分以外を透過領域900tとすることができる。液晶素子の透過領域をトランジスタ、トランジスタに接続する配線、コンタクト部、容量等と重ねることができるため、画素の開口率を高めることができる。
なお、画素の面積に対する透過領域の面積の割合が高いほど、透過光の光量を増大させることができる。例えば、画素の面積に対する、透過領域の面積の割合は、1%以上95%以下、好ましくは10%以上90%以下、より好ましくは20%以上80%以下とすることができる。特に40%以上または50%以上とすることが好ましく、60%以上80%以下であるとより好ましい。
また、図2(A2)に示す一点鎖線A-Bの切断面に相当する断面図を図2(B)に示す。なお、図2(B)では、上面図において図示していない、液晶素子930LC、着色膜932CF、遮光膜932BM、容量素子915等の断面も合わせて図示している。
図2(B)に示すように、バックライトユニット13からの光は、破線の矢印に示す方向に射出される。バックライトユニット13の光は、トランジスタ914と液晶素子930LCとのコンタクト部、トランジスタ914、及び容量素子915等を介して外部に取り出される。したがって、トランジスタ914、及び容量素子915を構成する膜などについても、可視光に対する透過性を有すると好ましい。トランジスタ914、容量素子915等が有する可視光に対する透過性の領域の面積が広いほど、バックライトユニット13の光を効率良く使用することができる。
なお、図2(B)に示すように、バックライトユニット13からの光は、着色膜932CFを介して外部に取り出してもよい。着色膜932CFを介して取り出すことで、所望の色に着色することができる。着色膜932CFとしては、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)等から選択することができる。
図2(B)では、バックライトユニット13からの光は、まず、トランジスタ914、及び容量素子915等に入射する。そして、トランジスタ914、及び容量素子915等を透過した光は、液晶素子930LCに入射する。そして、液晶素子930LCを透過した光は、着色膜932CFを介して外部に取り出される。
図2に示すトランジスタ、配線、容量素子等には、以下に示す材料を用いることができる。なお、これらの材料は、本実施の形態で示す各構成例における可視光を透過する半導体層及び導電層にも適用することができる。
トランジスタが有する半導体膜は、可視光に対する透過性を有する半導体材料を用いて形成することができる。可視光に対する透過性を有する半導体材料としては、金属酸化物、または酸化物半導体(Oxide Semiconductor)等が挙げられる。酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
トランジスタが有する導電膜は、可視光に対する透過性を有する導電性材料を用いて形成することができる。可視光に対する透過性を有する導電性材料は、インジウム、亜鉛、錫の中から選ばれた一種、または複数種を含むことが好ましい。具体的には、In酸化物、In-Sn酸化物(ITO:Indium Tin Oxideともいう)、In-Zn酸化物、In-W酸化物、In-W-Zn酸化物、In-Ti酸化物、In-Sn-Ti酸化物、In-Sn-Si酸化物、Zn酸化物、Ga-Zn酸化物などが挙げられる。
また、トランジスタが有する導電膜に、不純物元素を含有させる等して低抵抗化させた酸化物半導体を用いてもよい。当該低抵抗化させた酸化物半導体は、酸化物導電体(OC:Oxide Conductor)ということができる。
例えば、酸化物導電体は、酸化物半導体に酸素欠損を形成し、当該酸素欠損に水素を添加することで、伝導帯近傍にドナー準位が形成される。酸化物半導体にドナー準位が形成されることで、酸化物半導体は、導電性が高くなり導電体化する。
なお、酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きい(例えば、エネルギーギャップが2.5eV以上である)ため、可視光に対して透光性を有する。た、上述したように酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する酸化物半導体である。したがって、酸化物導電体は、ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して酸化物半導体と同程度の透光性を有する。
また、酸化物導電体は、トランジスタが有する半導体膜に含まれる金属元素を一種類以上有することが好ましい。同一の金属元素を有する酸化物半導体を、トランジスタを構成する層のうち2層以上に用いることで、製造装置(例えば、成膜装置、加工装置等)を2以上の工程で共通で用いることが可能となるため、製造コストを抑制することができる。
本実施の形態に示す表示装置が有する画素の構成とすることで、バックライトユニットから射出される光を効率よく使用することができる。したがって、消費電力が抑制された、優れた表示装置を提供することができる。
<表示装置の構成例2>
次に、図3~図8を用いて、本実施の形態の表示装置について説明する。
まず、図3~図5を用いて、表示装置100Aについて説明する。
図3は、表示装置100Aの斜視図である。図3では、明瞭化のため、偏光板130などの構成要素を省略して図示している。図3では、基板61を破線で示す。
図4は、表示装置100Aの断面図である。
図5に、表示装置100Aが有するトランジスタ201A及びトランジスタ206Aの作製方法を説明する断面図を示す。
図3に示す表示装置100Aは、表示部62及び駆動回路部64を有する。表示装置100Aには、FPC72及びIC73が実装されている。
表示部62は、複数の画素を有し、画像を表示する機能を有する。
画素は、複数の副画素を有する。例えば、赤色を呈する副画素、緑色を呈する副画素、及び青色を呈する副画素によって1つの画素が構成されることで、表示部62ではフルカラーの表示を行うことができる。なお、副画素が呈する色は、赤、緑、及び青に限られない。画素には、例えば、白、黄、マゼンタ、またはシアン等の色を呈する副画素を用いてもよい。なお、本明細書等において、副画素を単に画素と記す場合がある。
表示装置100Aは、走査線駆動回路及び信号線駆動回路のうち、一方または双方を有していてもよい。または、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の双方を有していなくてもよい。表示装置100Aが、タッチセンサ等のセンサを有する場合、表示装置100Aは、センサ駆動回路を有していてもよい。本実施の形態では、駆動回路部64として、走査線駆動回路を有する例を示す。走査線駆動回路は、表示部62が有する走査線に、走査信号を出力する機能を有する。
表示装置100Aでは、IC73が、COG方式などの実装方式により、基板51に実装されている。IC73は、例えば、信号線駆動回路、走査線駆動回路、及びセンサ駆動回路のうち、一つ又は複数を有する。
表示装置100Aには、FPC72が電気的に接続されている。FPC72を介して、IC73及び駆動回路部64には外部から信号及び電力が供給される。また、FPC72を介して、IC73から外部に信号を出力することができる。
FPC72には、ICが実装されていてもよい。例えば、FPC72には、信号線駆動回路、走査線駆動回路、及びセンサ駆動回路のうち、一つ又は複数を有するICが実装されていてもよい。
表示部62及び駆動回路部64には、配線65から、信号及び電力が供給される。当該信号及び電力は、IC73から、またはFPC72を介して外部から、配線65に入力される。
図4は、表示装置100Aの、表示部62、駆動回路部64、及び配線65を含む断面図である。図4以降に示す表示装置の断面図では、表示部62として、1つの副画素の表示領域68とその周囲に位置する非表示領域66を示す。
表示装置100Aは、横電界方式の液晶素子を用いた透過型の液晶表示装置の一例である。
図4に示すように、表示装置100Aは、基板51、トランジスタ201A、トランジスタ206A、液晶素子40、配向膜133a、配向膜133b、接続部204、接着層141、着色層131、遮光層132、オーバーコート121、基板61、及び偏光板130等を有する。
表示装置100Aは、表示部62に、トランジスタ206Aを有する。また、表示装置100Aは、駆動回路部64に、トランジスタ201Aを有する。
トランジスタ206Aは、可視光を透過する領域を有し、当該領域は、表示領域68に含まれている。トランジスタ206Aは、可視光を遮る領域を有し、当該領域は、非表示領域66に含まれている。
一方、トランジスタ201Aは、駆動回路部64に設けられているため、可視光を透過する領域の有無は問わない。
トランジスタ206Aは、導電層221、絶縁層211、半導体層231、導電層222a、導電層222b、絶縁層225、及び導電層223を有する。
トランジスタ201Aは、導電層291、絶縁層211、半導体層293、導電層294a、導電層294b、絶縁層295、及び導電層296を有する。
半導体層231は、絶縁層211を介して導電層221と重なる。半導体層231は、絶縁層225を介して導電層223と重なる。
半導体層293は、絶縁層211を介して導電層291と重なる。半導体層293は、絶縁層295を介して導電層296と重なる。半導体層293は、図5(D)に示す通り、チャネル領域293aと一対の低抵抗領域293b(ソース領域及びドレイン領域ともいえる)を有する。なお、本明細書及び図面等では、チャネル領域293a及び低抵抗領域293bをまとめて半導体層293と示すことがある。一対の低抵抗領域293bの間にチャネル領域293aが設けられている。また、図4及び図5(E)に示す通り、一対の低抵抗領域293bのうち、一方は導電層294aと電気的に接続され、他方は導電層294bと電気的に接続される。
半導体層231及び半導体層293は、金属酸化物を有する。半導体層231は、インジウムを含むことが好ましく、In-M-Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)膜であることがさらに好ましい。金属酸化物の詳細は、後述する。
導電層222a及び導電層222bはそれぞれ半導体層231と接続する。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。導電層222aは、信号線224と電気的に接続される。導電層222bは、画素電極111と電気的に接続される。
導電層222a及び導電層222bは、可視光を透過する導電性材料を用いて形成される。これにより、画素電極111とトランジスタとの接続部を表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
導電層221及び導電層296は、それぞれ、ゲートとして機能する。導電層221は、ゲート及び走査線として機能することが好ましい。
導電層223及び導電層291は、それぞれ、バックゲートとして機能する。
導電層294a及び導電層294bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
導電層222a及び導電層222bに用いることができる可視光を透過する導電性材料は、銅やアルミニウムなどの可視光を遮る導電性材料と比較して抵抗率が大きいことがある。走査線及び信号線などのバスラインは、信号遅延を防ぐため、抵抗率が小さい導電性材料(金属材料)を用いて形成することが好ましい。ただし、画素の大きさや、バスラインの幅、バスラインの厚さなどによっては、バスラインに可視光を透過する導電性材料を用いることができる。
具体的には、導電層221、導電層291、信号線224、導電層294a、及び導電層294bは、抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これらの導電層は、それぞれ、金属、合金等、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これら導電層は、可視光を遮る導電性材料を用いて形成されてもよい。
導電層221及び導電層291に可視光を遮る導電層を用いることで、バックライトの光が半導体層231のチャネル領域及び半導体層293のチャネル領域に照射されることを抑制できる。このように、半導体層のチャネル領域を、可視光を遮る導電層と重ねると、光によるトランジスタの特性変動を抑制できる。これにより、トランジスタの信頼性を高めることができる。
半導体層231の基板61側に、遮光層132が設けられ、半導体層231の基板51側に、可視光を遮る導電層221が設けられていることで、外光及びバックライトの光がチャネル領域に照射されることを抑制できる。
本発明の一態様において、可視光を遮る導電層は、半導体層の一部と重なり、半導体層の他の一部とは重ならなくてもよい。例えば、可視光を遮る導電層は、少なくともチャネル領域と重なっていればよい。
絶縁層211、絶縁層225、及び絶縁層295は、それぞれ、ゲート絶縁層として機能する。
トランジスタ201A及びトランジスタ206Aは、それぞれ、チャネルの上下にゲートが設けられているトランジスタである。
導電層221及び導電層223は、電気的に接続されていることが好ましい。同様に、導電層291及び導電層296は、電気的に接続されていることが好ましい。2つのゲートが電気的に接続されている構成のトランジスタは、他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化して配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することが可能である。また、回路部の占有面積を縮小できるため、表示装置の狭額縁化が可能である。また、このような構成を適用することで、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
導電層223及び導電層296には、それぞれ、金属材料及び酸化物導電体の一方を単層で、または双方を積層して用いることができる。
トランジスタ206Aは、半導体層231として酸化物半導体層を用い、導電層223に酸化物導電体(OC)層(以下、酸化物導電層とも記す)を用いる構成とすることができる。同様に、トランジスタ201Aは、半導体層293として酸化物半導体層を用い、導電層296に酸化物導電層を用いる構成とすることができる。このとき、酸化物半導体層と酸化物導電層を、酸化物半導体を用いて形成することが好ましい。
トランジスタ201A及びトランジスタ206Aは、絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層215に覆われている。なお、絶縁層212及び絶縁層213を、トランジスタの構成要素とみなすこともできる。トランジスタは、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏する絶縁層で覆われていることが好ましい。絶縁層215は、平坦化層として機能することができる。
絶縁層211、絶縁層225、及び絶縁層295は、それぞれ、過剰酸素領域を有することが好ましい。ゲート絶縁層が過剰酸素領域を有することで、チャネル領域中に過剰酸素を供給することができる。チャネル領域に形成されうる酸素欠損を過剰酸素により補填することができるため、信頼性の高いトランジスタを提供することができる。
絶縁層212は、窒素または水素を有することが好ましい。絶縁層212と、半導体層293の低抵抗領域と、が接することで、絶縁層212中の窒素または水素が低抵抗領域中に添加される。低抵抗領域は、窒素または水素が添加されることで、キャリア密度が高くなる。または、絶縁層213が窒素または水素を有し、絶縁層212が窒素または水素を透過することで、窒素または水素が低抵抗領域中に添加されてもよい。
トランジスタ201Aは、トランジスタ206Aよりも電界効果移動度が高く、オン電流が高い構造である。また、トランジスタ201Aは、トランジスタ206Aよりも寄生容量が小さい構造である。そのため、トランジスタのサイズが小さくても高速動作が可能である。駆動回路部64の面積を縮小することができる。したがって、表示装置の非表示領域の面積を縮小することができ、狭額縁な表示装置を実現できる。
ここで、トランジスタ206Aのチャネル長は、導電層222aと導電層222bの間の距離であり、トランジスタ201Aのチャネル長は、導電層296の長さである。しかし、実際のトランジスタ特性では、半導体層293の一対の低抵抗領域の間の距離が、トランジスタ201Aの実効的なチャネル長となる。プロセス条件にはよっては、導電層296の端部で低抵抗領域とチャネル領域が区切られず、低抵抗領域が導電層296の端部よりもチャネル方向に進行していることがある。この場合、トランジスタ201Aの実効チャネル長が短くなるため、電界効果移動度が見かけ向上する効果をもたらす。このことからも、トランジスタ201Aは、電界効果移動度が高く、オン電流が高い構造であるといえる。
また、トランジスタ201A及びトランジスタ206Aでは、半導体層に金属酸化物を用いる。
金属酸化物を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
また、トランジスタの半導体層が金属酸化物を有すると、ソース-ドレイン間の絶縁耐圧を高めることができる。その結果、トランジスタの信頼性を高めることができる。
トランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した金属酸化物を有することが好ましい。これにより、トランジスタのオフ電流を低くすることができる。例えば画素のトランジスタにおいては、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
本発明の一態様では、表示部62のトランジスタと、駆動回路部64のトランジスタを同一基板上に形成する。そして、駆動回路部64のトランジスタとして、高速駆動が可能なトランジスタを形成することができる。すなわち、駆動回路として、別途、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、表示装置の部品点数を削減することができる。また、表示部62においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
表示領域68には、液晶素子40が設けられている。液晶素子40は、FFS(Fringe Field Switching)モードが適用された液晶素子である。
液晶素子40は、画素電極111、共通電極112、及び液晶層113を有する。画素電極111と共通電極112との間に生じる電界により、液晶層113の配向を制御することができる。液晶層113は、配向膜133aと配向膜133bの間に位置する。
画素電極111は、導電層222bと電気的に接続される。
共通電極112は、櫛歯状の上面形状(平面形状ともいう)、またはスリットが設けられた上面形状を有していてもよい。共通電極112には、1つまたは複数の開口を設けることができる。
画素電極111と共通電極112の間には、絶縁層220が設けられている。画素電極111は、絶縁層220を介して共通電極112と重なる部分を有する。また、画素電極111と着色層131とが重なる領域において、画素電極111上に共通電極112が配置されていない部分を有する。
液晶層113と接する配向膜を設けることが好ましい。配向膜は、液晶層113の配向を制御することができる。表示装置100Aでは、共通電極112及び絶縁層220と液晶層113との間に配向膜133aが位置し、オーバーコート121と液晶層113との間に配向膜133bが位置している。
液晶材料には、誘電率の異方性(Δε)が正であるポジ型の液晶材料と、負であるネガ型の液晶材料がある。本発明の一態様では、どちらの材料を用いることもでき、適用するモード及び設計に応じて最適な液晶材料を用いることができる。
なお、ここでは液晶素子40としてFFSモードが適用された素子を用いたが、これに限られず様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、VA-IPSモード、ゲストホストモード等が適用された液晶素子を用いることができる。
また、表示装置100Aにノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用してもよい。垂直配向モードとしては、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層113に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性を示す。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良または破損を軽減することができる。
表示装置100Aは、透過型の液晶表示装置であるため、画素電極111及び共通電極112の双方に、可視光を透過する導電性材料を用いる。また、トランジスタ206Aが有する導電層の一つまたは複数に、可視光を透過する導電性材料を用いる。これにより、表示領域68に、トランジスタ206Aの少なくとも一部を、設けることができる。図4では、導電層222bに、可視光を透過する導電性材料を用いる場合を例に挙げて説明する。
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種以上を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、タングステンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、チタンを含むインジウム酸化物、チタンを含むITO、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを含むZnO、またはシリコンを含むITO(ITSO)等の可視光に対する透過性を有する導電性材料が挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。または、半導体層の材料として用いることができる金属酸化物を低抵抗化させた、上述の酸化物導電体(OC)を用いることができる。
導電層222b、画素電極111、及び共通電極112のうち、一つまたは複数に酸化物導電層を用いることが好ましい。酸化物導電層は、トランジスタ206Aの半導体層に含まれる金属元素を一種類以上有することが好ましい。例えば、導電層222bは、インジウムを含むことが好ましく、In-M-Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)膜であることがさらに好ましい。同様に、画素電極111及び共通電極112は、それぞれ、インジウムを含むことが好ましく、In-M-Zn酸化物膜であることがさらに好ましい。
導電層222b、画素電極111、及び共通電極112のうち、一つまたは複数を、酸化物半導体を用いて形成してもよい。同一の金属元素を有する酸化物半導体を、表示装置を構成する層のうち2層以上に用いることで、製造装置(例えば、成膜装置、加工装置等)を2以上の工程で共通で用いることが可能となるため、製造コストを抑制することができる。
酸化物半導体は、膜中の酸素欠損、及び膜中の水素、水等の不純物濃度のうち少なくとも一方によって、抵抗を制御することができる半導体材料である。そのため、酸化物半導体層へ酸素欠損及び不純物濃度の少なくとも一方が増加する処理、または酸素欠損及び不純物濃度の少なくとも一方が低減する処理を選択することによって、酸化物導電層の有する抵抗率を制御することができる。
なお、このように、酸化物半導体を用いて形成された酸化物導電層は、キャリア密度が高く低抵抗な酸化物半導体層、導電性を有する酸化物半導体層、または導電性の高い酸化物半導体層ということもできる。
また、酸化物半導体層と、酸化物導電層を同一の金属元素で形成することで、製造コストを低減させることができる。例えば、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで製造コストを低減させることができる。また、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることによって、酸化物半導体層を加工する際のエッチングガスまたはエッチング液を共通して用いることができる。ただし、酸化物半導体層と、酸化物導電層は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、表示装置の作製工程中に、膜中の金属元素が脱離し、異なる金属組成となる場合がある。
例えば、絶縁層220に水素を含む窒化シリコン膜を用い、画素電極111に酸化物半導体を用いると、絶縁層220から供給される水素によって、酸化物半導体の導電率を高めることができる。
表示装置100Aの、液晶層113よりも基板61側には、着色層131及び遮光層132が設けられている。着色層131は、少なくとも、副画素の表示領域68と重なる部分に位置する。画素(副画素)が有する非表示領域66には、遮光層132が設けられている。遮光層132は、トランジスタ206Aの少なくとも一部と重なる。
着色層131及び遮光層132と、液晶層113と、の間には、オーバーコート121を設けることが好ましい。オーバーコート121は、着色層131及び遮光層132等に含まれる不純物が液晶層113に拡散することを抑制できる。
基板51及び基板61は、接着層141によって貼り合わされている。基板51、基板61、及び接着層141に囲まれた領域に、液晶層113が封止されている。
表示装置100Aを、透過型の液晶表示装置として機能させる場合、偏光板を、表示部62を挟むように2つ配置する。図4では、基板61側の偏光板130を図示している。基板51側に設けられた偏光板よりも外側に配置されたバックライトからの光45は偏光板を介して入射する。このとき、画素電極111と共通電極112の間に与える電圧によって液晶層113の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板130を介して射出される光の強度を制御することができる。また、入射光は着色層131によって特定の波長領域以外の光が吸収されるため、射出される光は例えば赤色、青色、または緑色を呈する光となる。
また、偏光板に加えて、例えば円偏光板を用いることができる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。円偏光板により、表示装置の表示の視野角依存を低減することができる。
また、液晶素子40は、ゲスト・ホスト液晶モードを用いて駆動されることが好ましい。ゲスト・ホスト液晶モードを用いる場合、偏光板を用いなくてよい。偏光板による光の吸収を低減できるため、光取り出し効率を高め、表示装置の表示を明るくすることができる。
接続部204では、配線65と導電層251が互いに接続し、導電層251と接続体242は互いに接続している。つまり、接続部204では、配線65が、導電層251と接続体242を介して、FPC72と電気的に接続している。このような構成とすることで、FPC72から、配線65に、信号及び電力を供給することができる。
配線65は、トランジスタ201Aが有する導電層294a、294b、及びトランジスタ206Aが有する信号線224と同一の材料、同一の工程で形成することができる。導電層251は、液晶素子40が有する画素電極111と同一の材料、同一の工程で形成することができる。このように、接続部204を構成する導電層を、表示部62や駆動回路部64に用いる導電層と同一の材料、同一の工程で作製すると、工程数の増加を防ぐことができ好ましい。
駆動回路部64と表示部62は、それぞれ、複数の構造のトランジスタを有していてもよい。例えば、走査線駆動回路が有するシフトレジスタ回路、バッファ回路、及び保護回路のうち、一以上の回路に、2つのゲートが電気的に接続されている構成のトランジスタを用いることが好ましい。
[トランジスタ201A及びトランジスタ206Aの作製方法]
次に、表示装置100Aにおける、トランジスタ201Aとトランジスタ206Aの作製方法について、図5を用いて説明する。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、それぞれ、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層成膜(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法の例として、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法及び熱CVD法等が挙げられる。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法が挙げられる。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、それぞれ、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット印刷、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
表示装置を構成する薄膜は、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、もしくはリフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法と、がある。
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光としては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、及びこれらを混合させた光が挙げられる。そのほか、紫外線、KrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。露光に用いる光としては、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra-violet)及びX線等が挙げられる。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
まず、基板51上に、導電層221及び導電層291を形成する。次に、基板51上、導電層221上、及び導電層291上に絶縁層211を形成する。次に、絶縁層211上に、半導体層231及び半導体層293を形成する(図5(A))。
このように、トランジスタ201Aのバックゲートとして機能する導電層291と、トランジスタ206Aのゲートとして機能する導電層221とは、同一の工程で形成することができる。また、絶縁層211は、トランジスタ201Aのゲート絶縁層とトランジスタ206Aのゲート絶縁層とを兼ねることができる。また、トランジスタ201Aの半導体層293と、トランジスタ206Aの半導体層231とは、同一の工程で形成することができる。
基板51は、搬送が容易となる程度に剛性を有し、かつ作製工程にかかる温度に対して耐熱性を有する。基板51に用いることができる材料としては、例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂、半導体、金属または合金などが挙げられる。ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等が挙げられる。
基板51上に、下地膜として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜等の絶縁層を形成することが好ましい。例えば、基板51としてガラスを用いる場合、下地膜を形成することで、ガラスに含まれる不純物などが、トランジスタ側に入り込むことを防止できる。
導電層221及び導電層291は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。以降で説明する他の導電層についても、形成方法は同様である。
導電層221及び導電層291には、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、もしくはタングステン等の金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることができる。
絶縁層211としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
半導体層に金属酸化物を用いる場合、絶縁層211は、当該半導体層と接する酸化物絶縁層を有することが好ましい。これにより、半導体層との界面特性を向上させることができる。例えば、絶縁層211は、導電層221上及び導電層291上の窒化物絶縁層と、窒化物絶縁層上の酸化物絶縁層とを有することが好ましい。また、絶縁層211が、加熱により酸素を放出する酸化物絶縁層を有すると、加熱処理により、絶縁層211に含まれる酸素を、半導体層(金属酸化物)に移動させることができ、好ましい。
半導体層231及び半導体層293は、金属酸化物膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該金属酸化物膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
金属酸化物膜は、インジウムを含むことが好ましく、In-M-Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)膜であることがさらに好ましい。
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、PLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法などを用いてもよい。
次に、半導体層231に接する導電層222a及び導電層222bを形成する(図5(B))。
導電層222a及び導電層222bには、酸化インジウム、ITO、インジウム亜鉛酸化物、タングステンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、チタンを含むインジウム酸化物、チタンを含むITO、ZnO、ガリウムを含むZnO、またはITSO等の可視光に対する透過性を有する導電性材料を用いることができる。または、半導体層の材料として用いることができる金属酸化物を低抵抗化させた、上述の酸化物導電体(OC)を用いることができる。
次に、半導体層231上に、絶縁層225及び導電層223を形成する。この工程と同時に、半導体層293上に、絶縁層295及び導電層296を形成する(図5(C))。
このように、トランジスタ201Aのゲートとして機能する導電層296と、トランジスタ206Aのバックゲートとして機能する導電層223とは、同一の工程で形成することができる。また、トランジスタ201Aの絶縁層295と、トランジスタ206Aの絶縁層225とは、同一の工程で形成することができる。
絶縁層225、絶縁層295、導電層223、及び導電層296は、絶縁層225及び絶縁層295となる絶縁膜と、導電層223及び導電層296となる導電膜とを成膜した後、レジストマスクを形成し、当該絶縁膜及び当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
ここでは、絶縁層225の端部及び導電層223の端部は、半導体層231の端部よりも外側に位置するよう、絶縁層225及び導電層223を形成する。また、絶縁層295の端部及び導電層296の端部は、トランジスタ201Aのチャネル長方向において、半導体層293の端部よりも内側に位置するよう、絶縁層295及び導電層296を形成する。
絶縁層225及び絶縁層295の材料としては、絶縁層211に用いることができる材料を援用できる。
半導体層に金属酸化物を用いる場合、絶縁層225及び絶縁層295は、当該半導体層と接する酸化物絶縁層を有することが好ましい。これにより、半導体層との界面特性を向上させることができる。例えば、絶縁層225及び絶縁層295は、半導体層上の酸化物絶縁層と、酸化物絶縁層上の窒化物絶縁層とを有することが好ましい。また、絶縁層225及び絶縁層295が、加熱により酸素を放出する酸化物絶縁層を有すると、加熱処理により、絶縁層225及び絶縁層295に含まれる酸素を、半導体層(金属酸化物)に移動させることができ、好ましい。
導電層223及び導電層296の材料としては、導電層221及び導電層291に用いることができる材料(金属など)、並びに、導電層222a及び導電層222bに用いることができる材料(透光性を有する導電性材料など)を援用できる。特に、上述の酸化物導電体(OC)を用いることが好ましい。
次に、半導体層293、絶縁層295、導電層296、絶縁層225、及び導電層223等を覆うように、絶縁層212を形成し、絶縁層212上に絶縁層213を形成する。そして、絶縁層212及び絶縁層213に、半導体層293(一対の低抵抗領域293b)に達する開口と、導電層222aに達する開口とを形成する(図5(D))。
絶縁層212は、水素を含むことが好ましい。絶縁層212に含まれる水素が、絶縁層212と接する半導体層293に拡散し、半導体層293の一部が低抵抗化する。絶縁層212に接する半導体層293は低抵抗領域293bとして機能するため、トランジスタ201Aのオン電流の増大及び電界効果移動度の向上が可能である。また、半導体層293のうち、絶縁層295と接する部分は、チャネル領域293aとして機能する。低抵抗領域293bの抵抗率は、チャネル領域293aの抵抗率よりも低い。
絶縁層213の材料としては、絶縁層211に用いることができる材料を援用できる。絶縁層213は、酸化物絶縁層を有することが好ましい。例えば、絶縁層213として、酸化物絶縁層と、窒化物絶縁層との積層膜を用いることができる。
次に、絶縁層212及び絶縁層213に設けられた開口を埋めるように、導電層294a、導電層294b、及び信号線224を形成する(図5(E))。導電層294aは、一対の低抵抗領域293bのうち一方と接続される。導電層294bは、一対の低抵抗領域293bのうち他方と接続される。信号線224は、導電層222aと電気的に接続される。
以上の工程により、トランジスタ201Aとトランジスタ206Aを形成することができる。上記の通り、トランジスタ201Aの作製工程の一部とトランジスタ206Aの作製工程の一部は同時に行うことができる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えることができる。
[表示装置100Aの変形例]
次に、表示装置100Aとは異なる、トランジスタ201Aとトランジスタ206Aを用いた表示装置について、図6及び図7を用いて説明する。これら表示装置は、表示装置100Aとは、液晶素子40の構造が異なる。また、表示部62のトランジスタの構成が、表示装置100Aとは異なる表示装置100Bについて、図8を用いて説明する。なお、これらの表示装置の斜視図は、図3に示す表示装置100Aと同様である。なお、以下の表示装置の構成例において、先の表示装置と同様の構成については説明を省略することがある。
図6(A)に示す表示装置140Aは、先に示した表示装置100Aと、画素電極111と共通電極112の形状が異なる。
画素電極111及び共通電極112の双方が、櫛歯状の上面形状(平面形状ともいう)、またはスリットが設けられた上面形状を有していてもよい。
図6(A)に示す表示装置140Aでは、画素電極111及び共通電極112が、同一平面上に設けられている。
または、上面から見て、一方の電極のスリットの端部と、他方の電極のスリットの端部が揃っている形状であってもよい。この場合の断面図を図6(B)に示す。
または、上面から見て、画素電極111及び共通電極112が互いに重なる部分を有していてもよい。この場合の断面図を図6(C)に示す。
または、表示部62は、上面から見て、画素電極111及び共通電極112の双方が設けられていない部分を有していてもよい。この場合の断面図を図6(D)に示す。
図7に示す表示装置140Bは、縦電界方式の液晶素子を用いた透過型の液晶表示装置の一例である。
液晶素子40は、画素電極111、共通電極112、及び液晶層113を有する。液晶層113は、画素電極111と共通電極112との間に位置する。配向膜133aは画素電極111に接して設けられている。配向膜133bは共通電極112に接して設けられている。
図8に示す表示装置100Bは、表示部62に、トランジスタ206Bを有する。また、表示装置100Bは、駆動回路部64に、トランジスタ201Bを有する。
トランジスタ201Bは、トランジスタ201A(図4など)と同様の構成である。つまり、表示装置100Bは、表示装置100Aと、表示部62のトランジスタの構造が異なり、それ以外は表示装置100Aと同様の構成である。
トランジスタ206Bは、トランジスタ206Aと、ゲートとして機能する導電層の構成が異なる。トランジスタ206Aは、導電層291と同一の工程及び同一の材料で形成された導電層221を有する。一方、トランジスタ206Bは、導電層291と別の工程及び別の材料で形成された導電層229を有する。
導電層229は、可視光を透過する導電性材料を用いて形成される。これにより、画素電極111と導電層222bとの接続部だけでなく、導電層229が設けられた部分も表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。図8に示す表示装置100Bは、導電層222a、導電層222b、半導体層231、及び導電層229が可視光を透過し、信号線224が可視光を遮る構成である。トランジスタ206Bにおいて、導電層222aの一部、導電層222bと画素電極111との接続部、半導体層231、及び導電層229は、表示領域68に位置する。トランジスタ206Bにおいて、導電層222aと信号線224との接続部は、非表示領域66に位置する。
走査線は非表示領域66に位置すると、可視光の透過性が限定されず、金属などの抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成することができる。そのため、導電層229は、走査線とは別に設けられていることが好ましい。例えば、導電層291と同一の工程及び同一の材料で形成された走査線と、導電層229とが、非表示領域66において接続されていることが好ましい。
上記トランジスタ201Aとトランジスタ206Aの作製方法において、導電層229を形成する工程を追加し、かつ、導電層291を形成する工程で、導電層221を同時に形成しないよう変更することで、トランジスタ201Bとトランジスタ206Bとを作製することができる。導電層229に金属酸化物を用いる場合、導電層291上に金属酸化物が接することで、導電層291が酸化する恐れがある。そのため、導電層291より先に導電層229を形成することが好ましい。
図8では、1つの副画素の表示領域68に、共通電極112の開口が1つ設けられている例を示す。表示装置の高精細化に伴い、1つの副画素の表示領域68の面積は小さくなる。そのため、共通電極112に設ける開口は複数に限られず、1つとすることができる。すなわち、高精細な表示装置においては、画素(副画素)の面積が小さいため、共通電極112の開口が1つであっても、副画素の表示領域全体に亘って、液晶を配向させるために十分な電界を生成することができる。
[材料について]
次に、本実施の形態の表示装置の各構成要素に用いることができる材料等の詳細について、説明を行う。なお、既に説明した構成要素については説明を省略する場合がある。また、以降に示す表示装置及びタッチパネル、並びにそれらの構成要素にも、以下の材料を適宜用いることができる。
本発明の一態様の表示装置が有する基板の材質などに大きな制限はなく、様々な基板を用いることができる。例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、半導体基板、セラミック基板、金属基板、またはプラスチック基板等を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、表示装置の軽量化及び薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示装置を実現できる。
本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタは、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれの構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、酸化物半導体、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
例えば、第14族の元素、化合物半導体または酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体またはインジウムを含む酸化物半導体などを半導体層に適用できる。
トランジスタのチャネルが形成される半導体に、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ電流を低減できるため好ましい。
酸化物半導体を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
酸化物半導体については、上述の説明及び実施の形態4などを参照できる。
表示装置が有する各絶縁層、オーバーコート等に用いることのできる絶縁材料としては、有機絶縁材料または無機絶縁材料を用いることができる。有機絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。無機絶縁層としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等が挙げられる。
トランジスタのゲート、ソース、ドレインのほか、表示装置が有する各種配線及び電極等の導電層には、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることができる。または、酸化インジウム、ITO、インジウム亜鉛酸化物、タングステンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、チタンを含むインジウム酸化物、チタンを含むITO、ZnO、ガリウムを含むZnO、またはITSO等の可視光に対する透過性を有する導電性材料を用いてもよい。また、不純物元素を含有させる等して低抵抗化させた、多結晶シリコンもしくは酸化物半導体等の半導体、またはニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。また、グラフェンを含む膜を用いることもできる。また、不純物元素を含有させた酸化物半導体等の半導体を用いてもよい。または、銀、カーボン、もしくは銅等の導電性ペースト、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを用いて形成してもよい。導電性ペーストは、安価であり、好ましい。導電性ポリマーは、塗布しやすく、好ましい。
なお、酸化物半導体の抵抗率を制御することで、酸化物導電層を形成してもよい。
接着層141としては、熱硬化樹脂、光硬化樹脂、または2液混合型の硬化性樹脂などの硬化性樹脂を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、またはシロキサン樹脂などを用いることができる。
接続体242としては、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、または異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
着色層131は特定の波長域の光を透過する有色層である。着色層131に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、及び顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
遮光層132は、例えば、隣接する異なる色の着色層131の間に設けられる。例えば、金属材料、または、顔料もしくは染料を含む樹脂材料を用いて形成されたブラックマトリクスを遮光層132として用いることができる。なお、遮光層132は、駆動回路部64など、表示部62以外の領域にも設けると、導波光などによる光漏れを抑制できるため好ましい。
<表示装置の構成例3>
次に、図9~図11を用いて、本実施の形態の表示装置について説明する。
図9に、表示装置100Cの断面図を示す。図10及び図11に、表示装置100Cが有するトランジスタ201C及びトランジスタ206Cの作製方法を説明する断面図を示す。
表示装置100Cは、表示部62及び駆動回路部64が有するトランジスタの構造が、表示装置100Aと異なる。その他の構成は、表示装置100Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
表示装置100Cは、表示部62に、トランジスタ206Cを有する。また、表示装置100Cは、駆動回路部64に、トランジスタ201Cを有する。
トランジスタ206Cは、可視光を透過する領域を有し、当該領域は、表示領域68に含まれている。トランジスタ206Cは、可視光を遮る領域を有し、当該領域は、非表示領域66に含まれている。
一方、トランジスタ201Cは、駆動回路部64に設けられているため、可視光を透過する領域の有無は問わない。
トランジスタ206Cは、導電層221、絶縁層211、半導体層231、導電層222b、及び導電層222cを有する。
トランジスタ201Cは、導電層291、絶縁層292、半導体層293、導電層294a、及び導電層294bを有する。
トランジスタ201Cとトランジスタ206Cは、半導体層に用いる材料が異なる。具体的には、トランジスタ201Cに、低温ポリシリコン(以下、LTPS(Low Temperature Poly-Silicon))を用い、トランジスタ206Cに金属酸化物を用いる。
駆動回路部64のトランジスタにLTPSを用いることで、金属酸化物を用いる場合と比較して、電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには駆動回路部64の占有面積を縮小でき、表示装置の狭額縁化が可能である。
また、表示部62のトランジスタに金属酸化物を用いることで、LTPSを用いる場合と比較して、オフ電流を低くすることが可能であり、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを表示部62に適用することで、表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層231は、絶縁層211を介して導電層221と重なる。
半導体層231は、金属酸化物を有する。
半導体層293は、絶縁層292を介して導電層291と重なる。半導体層293は、図10(C)に示す通り、チャネル領域293a及び一対の低抵抗領域293bを有する。半導体層293はさらにLDD(Lightly Doped Drain)領域を有していてもよい。図10(C)等では、チャネル領域293aと低抵抗領域293bの間にLDD領域293cを有する例を示す。なお、本明細書及び図面等では、チャネル領域293a、低抵抗領域293b、及びLDD領域293cをまとめて半導体層293と示すことがある。一対の低抵抗領域293bの間にチャネル領域293aが設けられている。一対の低抵抗領域293bのうち、一方は導電層294aと電気的に接続され、他方は導電層294bと電気的に接続される。なお、図10(C)に示すトランジスタ201Cは、LDD領域293cが絶縁層292を介して導電層291と重ならない構造であるが、LDD領域が絶縁層292を介して導電層291と重なる構造であってもよい。
半導体層293は、LTPSを有する。
導電層222b及び導電層222cはそれぞれ半導体層231と接続する。導電層222b及び導電層222cのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。導電層222cは、信号線として機能することが好ましい。導電層222bは、画素電極111と電気的に接続される。
導電層222bは、可視光を透過する導電性材料を用いて形成される。これにより、画素電極111とトランジスタとの接続部を表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
導電層294a及び導電層294bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
導電層221及び導電層291は、それぞれ、ゲートとして機能する。導電層221は、ゲート及び走査線として機能することが好ましい。
導電層221、導電層291、導電層222c、導電層294a、及び導電層294bは、抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これらの導電層は、それぞれ、金属、合金等、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これら導電層は、可視光を遮る導電性材料を用いて形成されてもよい。
つまり、本発明の一態様において、表示部62のトランジスタは、ソース電極とドレイン電極とが異なる材料を用いて形成される、という特徴を有する。例えば、トランジスタ206Cでは、導電層222bと導電層222cとが異なる材料を用いて形成される。
導電層221に可視光を遮る導電層を用いることで、バックライトの光が半導体層231のチャネル領域に照射されることを抑制できる。このように、チャネル領域を、可視光を遮る導電層と重ねると、光によるトランジスタ206Cの特性変動を抑制できる。これにより、トランジスタ206Cの信頼性を高めることができる。
半導体層231の基板61側に、遮光層132が設けられ、半導体層231の基板51側に、可視光を遮る導電層221が設けられていることで、外光及びバックライトの光がチャネル領域に照射されることを抑制できる。
絶縁層211及び絶縁層292は、それぞれ、ゲート絶縁層として機能する。
トランジスタ201C及びトランジスタ206Cは、絶縁層217、絶縁層218、及び絶縁層215に覆われている。なお、絶縁層217及び絶縁層218を、トランジスタの構成要素とみなすこともできる。トランジスタは、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏する絶縁層で覆われていることが好ましい。絶縁層215は、平坦化層として機能することができる。
絶縁層211及び絶縁層217は、それぞれ、過剰酸素領域を有することが好ましい。半導体層231に接する絶縁層が過剰酸素領域を有することで、チャネル領域中に過剰酸素を供給することができる。チャネル領域に形成されうる酸素欠損を過剰酸素により補填することができるため、信頼性の高いトランジスタを提供することができる。
また、絶縁層217として、酸素を含む雰囲気下で成膜した酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。さらに、当該酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜上に絶縁層218として、窒化シリコン膜などの酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を形成することが好ましい。酸素を含む雰囲気下で形成した酸化物絶縁膜は、加熱により多くの酸素を放出しやすい絶縁膜とすることができる。このような酸素を放出する酸化絶縁膜と、酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層した状態で、加熱処理を行うことにより、半導体層231に酸素を供給することができる。その結果、半導体層231中の酸素欠損、及び半導体層231と絶縁層217の界面の欠陥を修復し、欠陥準位を低減することができる。これにより、極めて信頼性の高い表示装置を実現できる。
また、絶縁層292として、水素を含む絶縁膜を形成することが好ましい。これにより、水素を含む絶縁層292から半導体層293中に水素を供給し、半導体層293中の欠陥を水素で終端することができる。
[トランジスタ201C及びトランジスタ206Cの作製方法]
次に、図10及び図11を用いて、表示装置100Cにおける、トランジスタ201C及びトランジスタ206Cの作製方法について説明する。なお、以降のトランジスタの作製方法において、先のトランジスタの作製方法と同様の工程、材料については、説明を省略することがある。
まず、基板51上に下地層216を形成する(図10(A))。
次に、下地層216上に、スパッタリング法またはCVD法などを用いて、半導体膜を形成する。本実施の形態では、プラズマCVD装置を用いて、非晶質シリコン膜を成膜する。
次に、非晶質シリコン膜に対して加熱処理を行うことが好ましい。これにより、非晶質シリコン膜中から、水素を脱離させることができる。具体的には、400℃以上550℃以下の温度で加熱することが好ましい。例えば、非晶質シリコン膜の含有水素量を5atom%以下とすることで、結晶化工程での製造歩留まりを高めることができる。なお、非晶質シリコン膜の含有水素量が低い場合、加熱処理を省略してもよい。
次に、半導体膜を結晶化させることで、結晶構造を有する半導体層293を形成する(図10(A))。
半導体膜の上方よりレーザ光を照射することで半導体膜を結晶化させることができる(図10(A)の矢印参照)。レーザ光としては、例えば、193nm、248nm、308nm、または351nmの波長を用いることができる。または、金属の触媒元素(ニッケルなど)を用いて、半導体膜を結晶化させてもよい。
平坦な面上に半導体膜を形成することで、均一にレーザ光を照射することが容易となり好ましい。そのため、他の半導体層及び導電層を形成する前に、半導体層293を形成することが好ましい。したがって、LTPSを用いたトランジスタは、金属酸化物またはアモルファスシリコン等を用いたトランジスタよりも先にその一部(半導体膜など)を形成することが好ましい。
次に、結晶構造を有する半導体層293にチャネルドープを行ってもよい。
次に、結晶構造を有する半導体層293を加工し、島状の半導体層293を形成する(図10(B))。
半導体膜の加工方法としては、ウエットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いることができる。
次に、下地層216上及び半導体層293上に絶縁層292を形成する(図10(C))。絶縁層292は、絶縁層211に用いることのできる材料を援用できる。
そして、絶縁層292上に導電層221及び導電層291を形成する(図10(C))。
このように、トランジスタ201Cのゲートとして機能する導電層291と、トランジスタ206Cのゲートとして機能する導電層221とは、同一の工程で形成することができる。
次に、半導体層293の一部に不純物元素を添加することで、チャネル領域293a及び低抵抗領域293bを形成する。不純物元素を複数回添加する(ライトドープとヘビードープを行う)ことで、チャネル領域293aと低抵抗領域293bの間にLDD領域293cを形成してもよい。導電層291、さらには導電層291を作製するために用いたマスクは、不純物元素の添加の際のマスクとして機能することができる。
nチャネル型のトランジスタを作製する場合、不純物元素としては、半導体層293にn型の導電性を付与する不純物を用いる。例えば、P、As、Sb、S、Te、Se等の元素を用いることができる。
pチャネル型のトランジスタを作製する場合、不純物元素としては、半導体層293にp型の導電性を付与する不純物を用いる。例えば、B、Al、Ga等の元素を用いることができる。
次に、絶縁層292、導電層221、及び導電層291上に絶縁層211を形成する(図10(D))。
次に、加熱処理を行う。これにより、半導体層293に添加した不純物を活性化させる。当該加熱処理は、導電層291及び導電層221の酸化を防ぐため、絶縁層211を形成した後に行うことが好ましい。
また、絶縁層292または絶縁層211に、水素を含む絶縁層を用いた場合、加熱により、水素を含む絶縁層から半導体層293中(特にチャネル領域293a中)に水素を供給し、半導体層293中の欠陥を水素で終端することができる。当該加熱処理は、水素を脱離させるために非晶質シリコン膜に対して行った加熱処理よりも低い温度で行う。
次に、絶縁層211上に半導体層231を形成する(図11(A))。半導体層231の形成方法は、トランジスタ206Aの作製方法の記載を援用できる。
次に、絶縁層211及び絶縁層292に、半導体層293(一対の低抵抗領域293b)に達する開口を形成する。
そして、半導体層231と接して導電層222bを形成する。また、半導体層231と接して導電層222cを形成する。また、絶縁層211及び絶縁層292に設けられた開口を埋めるように、導電層294a及び導電層294bを形成する(図11(B))。導電層294aは、一対の低抵抗領域293bのうち一方と接続される。導電層294bは、一対の低抵抗領域293bのうち他方と接続される。
導電層294a、導電層294b、及び導電層222cは、同一の工程及び同一の材料を用いて形成することができる。
導電層222bに金属酸化物を用いる場合、導電層294a、導電層294b、及び導電層222c上に金属酸化物が接することで、これら導電層が酸化する恐れがある。そのため、これら導電層より先に導電層222bを形成することが好ましい。
絶縁層211及び絶縁層292に開口を設ける前に導電層222bを形成してもよい。
次に、半導体層231、絶縁層211、導電層294a、導電層294b、導電層222b、及び導電層222cを覆うように、絶縁層217を形成し、絶縁層217上に絶縁層218を形成する(図11(C))。
上述の通り、絶縁層217には、酸化物絶縁膜を用いることが好ましく、絶縁層218には窒化物絶縁膜を用いることが好ましい。これら絶縁膜の材料としては、絶縁層211に用いることができる材料が挙げられる。
以上の工程により、トランジスタ201Cとトランジスタ206Cを形成することができる。上記の通り、トランジスタ201Cの作製工程の一部とトランジスタ206Cの作製工程の一部は同時に行うことができる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えることができる。
<表示装置の構成例4>
次に、図12及び図13を用いて、本実施の形態の表示装置について説明する。
図12に、表示装置100Dの断面図を示す。図13に、表示装置100Dが有するトランジスタ201D及びトランジスタ206Dの作製方法を説明する断面図を示す。
表示装置100Dは、表示部62及び駆動回路部64が有するトランジスタの構造が、表示装置100Aと異なる。その他の構成は、表示装置100Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
表示装置100Dは、表示部62に、トランジスタ206Dを有する。また、表示装置100Dは、駆動回路部64に、トランジスタ201Dを有する。
トランジスタ206Dは、可視光を透過する領域を有し、当該領域は、表示領域68に含まれている。トランジスタ206Dは、可視光を遮る領域を有し、当該領域は、非表示領域66に含まれている。
一方、トランジスタ201Dは、駆動回路部64に設けられているため、可視光を透過する領域の有無は問わない。
トランジスタ206Dは、導電層221、絶縁層211、半導体層231、導電層222b、導電層222c、絶縁層225、及び導電層223を有する。
トランジスタ201Dは、トランジスタ201Cと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、トランジスタ201Cの導電層294a及び導電層294bは、絶縁層211及び絶縁層292の開口を介して半導体層293と接続されていたが、トランジスタ201Dの導電層294a及び導電層294bは、絶縁層211及び絶縁層292に加えて、絶縁層212及び絶縁層213の開口を介して半導体層293と接続されている。
トランジスタ201Dとトランジスタ206Dは、半導体層に用いる材料が異なる。具体的には、トランジスタ201Dに、LTPSを用い、トランジスタ206Dに金属酸化物を用いる。
上述の通り、駆動回路部64のトランジスタにLTPSを用いることで、金属酸化物を用いる場合と比較して、電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには駆動回路部64の占有面積を縮小でき、表示装置の狭額縁化が可能である。
また、表示部62のトランジスタに金属酸化物を用いることで、LTPSを用いる場合と比較して、オフ電流を低くすることが可能であり、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを表示部62に適用することで、表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層231は、絶縁層211を介して導電層221と重なる。半導体層231は、絶縁層225を介して導電層223と重なる。半導体層231は、図13(C)に示す通り、チャネル領域231aと一対の低抵抗領域231b(ソース領域及びドレイン領域ともいえる)を有する。なお、本明細書及び図面等では、チャネル領域231a及び低抵抗領域231bをまとめて半導体層231と示すことがある。一対の低抵抗領域231bの間にチャネル領域231aが設けられている。また、図12及び図13(C)に示す通り、一対の低抵抗領域231bのうち、一方は導電層222cと電気的に接続され、他方は導電層222bと電気的に接続される。
半導体層231は、金属酸化物を有する。
導電層222b及び導電層222cのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。導電層222cは、信号線として機能することが好ましい。導電層222bは、画素電極111と電気的に接続される。トランジスタ206Dでは、導電層222bと導電層222cとが異なる材料を用いて形成される。
導電層222bは、可視光を透過する導電性材料を用いて形成される。これにより、画素電極111とトランジスタとの接続部を表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
導電層223は、ゲートとして機能する。導電層221は、バックゲートとして機能する。導電層221は、走査線と同一の工程及び同一の材料で形成されることが好ましい。
導電層221及び導電層222cは、抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これらの導電層は、それぞれ、金属、合金等、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これら導電層は、可視光を遮る導電性材料を用いて形成されてもよい。
導電層221に可視光を遮る導電層を用いることで、バックライトの光が半導体層231のチャネル領域に照射されることを抑制できる。このように、チャネル領域を、可視光を遮る導電層と重ねると、光によるトランジスタ206Dの特性変動を抑制できる。これにより、トランジスタ206Dの信頼性を高めることができる。
半導体層231の基板61側に、遮光層132が設けられ、半導体層231の基板51側に、可視光を遮る導電層223が設けられていることで、外光及びバックライトの光がチャネル領域に照射されることを抑制できる。
本発明の一態様において、可視光を遮る導電層は、半導体層の一部と重なり、半導体層の他の一部とは重ならなくてもよい。例えば、可視光を遮る導電層は、少なくともチャネル領域と重なっていればよい。具体的には、図12等に示すように、チャネル領域と隣接する低抵抗領域は、導電層221と重ならない領域を有する。なお、低抵抗領域を、先の説明の酸化物導電体(OC)と読み替えてもよい。酸化物導電体(OC)は、先の説明のように、可視光に対して透光性を有するため、低抵抗領域を透過させて光を取り出すことができる。
また、トランジスタ206Dの半導体層にシリコン、代表的にはアモルファスシリコン、または低温ポリシリコンなどを用いる場合、上述した低抵抗領域に相当する領域は、シリコン中にリン、ボロンなどの不純物が含まれた領域ともいえる。なお、シリコンのバンドギャップは、概ね1.1eVである。また、シリコン中にリン、ボロンなどの不純物が含まれると、バンドギャップはさらに低くなる場合がある。したがって、トランジスタ206Dの半導体層にシリコンを用いる場合、シリコン中に形成される低抵抗領域は、可視光に対して透光性が低いため、当該低抵抗領域を透過させて光を取り出すことが難しい場合がある。しかしながら、本発明の一態様では、酸化物半導体(OS)、及び酸化物導電体(OC)ともに、可視光に対して透光性を有するため、画素または副画素の開口率を向上させることができる。
絶縁層211、絶縁層225、及び絶縁層292は、それぞれ、ゲート絶縁層として機能する。
トランジスタ201D及びトランジスタ206Dは、絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層215に覆われている。これらの層については、表示装置100Aにおける説明を援用できる。
[トランジスタ201D及びトランジスタ206Dの作製方法]
次に、表示装置100Dにおける、トランジスタ201D及びトランジスタ206Dの作製方法について、図13を用いて説明する。
まず、トランジスタ201C及びトランジスタ206Cの作製方法(図10(A)から図11(A)まで)と同様に、基板51上に、下地層216、島状の半導体層293、絶縁層292、導電層221、導電層291、絶縁層211、及び半導体層231を形成する(図13(A))。
つまり、トランジスタ201D及びトランジスタ206Dの作製工程では、トランジスタ201Dのゲートとして機能する導電層291と、トランジスタ206Dのゲートとして機能する導電層221とを、同一の工程で形成することができる。
次に、半導体層231上に、絶縁層225及び導電層223を形成する(図13(B))。以降の工程については、トランジスタ201A及びトランジスタ206Aの作製方法も参照できる。
ここでは、絶縁層225の端部及び導電層223の端部は、トランジスタ206Dのチャネル長方向において、半導体層231の端部よりも内側に位置するよう、絶縁層225及び導電層223を形成する。
次に、絶縁層211、半導体層231、絶縁層225、及び導電層223を覆うように、絶縁層212を形成し、絶縁層212上に絶縁層213を形成する。そして、絶縁層212及び絶縁層213に、半導体層293(一対の低抵抗領域293b)に達する開口と、半導体層231(一対の低抵抗領域231b)に達する開口とを形成する。
次に、絶縁層212及び絶縁層213に設けられた開口を埋めるように、導電層294a、導電層294b、導電層222b、及び導電層222cを形成する(図13(C))。導電層294aは、一対の低抵抗領域293bのうち一方と接続される。導電層294bは、一対の低抵抗領域293bのうち他方と接続される。導電層222bは、一対の低抵抗領域231bのうち一方と接続される。導電層222cは、一対の低抵抗領域231bのうち他方と接続される。
導電層294a、導電層294b、及び導電層222cは、同一の工程及び同一の材料を用いて形成することができる。
導電層222bに金属酸化物を用いる場合、導電層294a、導電層294b、及び導電層222c上に金属酸化物が接することで、これら導電層が酸化する恐れがある。そのため、これら導電層より先に導電層222bを形成することが好ましい。
絶縁層212及び絶縁層213に開口を設ける前に導電層222bを形成してもよい。
以上の工程により、トランジスタ201Dとトランジスタ206Dを形成することができる。上記の通り、トランジスタ201Dの作製工程の一部とトランジスタ206Dの作製工程の一部は同時に行うことができる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えることができる。
<表示装置の構成例5>
次に、図14及び図15を用いて、本実施の形態の表示装置について説明する。
図14に、表示装置100Eの断面図を示す。図15に、表示装置100Eが有するトランジスタ201E及びトランジスタ206Eの作製方法を説明する断面図を示す。
表示装置100Eは、表示部62及び駆動回路部64が有するトランジスタの構造が、表示装置100Aと異なる。その他の構成は、表示装置100Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
表示装置100Eは、表示部62に、トランジスタ206Eを有する。また、表示装置100Eは、駆動回路部64に、トランジスタ201Eを有する。
トランジスタ206Eは、可視光を透過する領域を有し、当該領域は、表示領域68に含まれている。トランジスタ206Eは、可視光を遮る領域を有し、当該領域は、非表示領域66に含まれている。
一方、トランジスタ201Eは、駆動回路部64に設けられているため、可視光を透過する領域の有無は問わない。
トランジスタ206Eは、導電層221、絶縁層211、半導体層231、不純物半導体層232、導電層222a、及び導電層222bを有する。
トランジスタ201Eは、導電層291、絶縁層292、半導体層293、導電層294a、及び導電層294bを有する。
トランジスタ201Eとトランジスタ206Eは、半導体層に用いる材料の結晶構造が異なる。具体的には、トランジスタ201Eに、LTPSを用い、トランジスタ206Eにアモルファスシリコンを用いる。
駆動回路部64のトランジスタにLTPSを用いることで、アモルファスシリコンを用いる場合と比較して、電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには駆動回路部64の占有面積を縮小でき、表示装置の狭額縁化が可能である。
また、表示部62のトランジスタにアモルファスシリコンを用いることで、表示部62に対してレーザ結晶化の工程が不要となる。そのため、駆動回路部64にのみレーザ照射をすればよく、基板の一面全体にレーザ光を照射する必要はない。つまり、レーザ結晶化を行う面積を少なくすることができる。
基板の一面全体にレーザ光を照射する場合、線状レーザビームを用いることが好適であるが、線状レーザビームを照射するためのレーザ装置は、装置自体が高価であり、かつ、ランニングコストが高い。駆動回路部64のみにレーザを照射する場合、基板の一面全体にレーザを照射する場合に比べて、大幅にコストを抑えることが可能となる。また、大判基板への適用も容易である。
半導体層231は、絶縁層211を介して導電層221と重なる。
半導体層231は、アモルファスシリコンを有する。
半導体層293は、絶縁層292を介して導電層291と重なる。半導体層293は、一対の低抵抗領域の間にチャネル領域を有する。一対の低抵抗領域のうち、一方は導電層294aと電気的に接続され、他方は導電層294bと電気的に接続される。
半導体層293は、LTPSを有する。
導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、不純物半導体層232を介して、半導体層231と電気的に接続する。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。導電層222aは、信号線224と電気的に接続される。導電層222bは、画素電極111と電気的に接続される。
導電層222a及び導電層222bは、可視光を透過する導電性材料を用いて形成される。これにより、画素電極111とトランジスタとの接続部を表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
導電層294a及び導電層294bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
導電層221及び導電層291は、それぞれ、ゲートとして機能する。導電層221は、ゲート及び走査線として機能することが好ましい。
導電層221、導電層291、信号線224、導電層294a、及び導電層294bは、抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これらの導電層は、それぞれ、金属、合金等、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これら導電層は、可視光を遮る導電性材料を用いて形成されてもよい。
絶縁層211及び絶縁層292は、それぞれ、ゲート絶縁層として機能する。
トランジスタ201E及びトランジスタ206Eは、絶縁層212及び絶縁層215に覆われている。これらの層については、表示装置100Aにおける説明を援用できる。
[トランジスタ201E及びトランジスタ206Eの作製方法]
次に、表示装置100Eにおける、トランジスタ201E及びトランジスタ206Eの作製方法について、図15を用いて説明する。
まず、トランジスタ201C及びトランジスタ206Cの作製方法(図10(A)から図10(D)まで)と同様に、基板51上に、下地層216、島状の半導体層293、絶縁層292、導電層221、導電層291、及び絶縁層211を形成する(図15(A))。
つまり、トランジスタ201E及びトランジスタ206Eの作製工程では、トランジスタ201Eのゲートとして機能する導電層291と、トランジスタ206Eのゲートとして機能する導電層221とを、同一の工程で形成することができる。
次に、絶縁層211上に、半導体層231及び不純物半導体層232を形成する(図15(B))。ここでは、半導体層231となるアモルファスシリコン膜を形成し、不純物半導体層232となる一導電型を付与する不純物元素が添加されたアモルファスシリコン膜を形成した後、レジストマスクを形成し、2層まとめてエッチングする。その後、レジストマスクを除去する。
次に、絶縁層211、半導体層231、及び不純物半導体層232上に、導電層222a及び導電層222bを形成する(図15(C))。ここで、導電層222a及び導電層222bとなる導電膜をエッチングする際に、不純物半導体層232の一部がエッチングされ、半導体層231が露出する。
次に、絶縁層211、半導体層231、導電層222a、及び導電層222bを覆うように、絶縁層212を形成する。そして、絶縁層212に、半導体層293(一対の低抵抗領域293b)に達する開口と、導電層222aに達する開口とを形成する。このとき、絶縁層292及び絶縁層211にも同時に開口を設けてもよい。または、事前に、絶縁層292及び絶縁層211に、半導体層293に達する開口を設けてもよい。
次に、絶縁層212等に設けられた開口を埋めるように、導電層294a、導電層294b、及び信号線224を形成する(図15(D))。導電層294aは、一対の低抵抗領域293bのうち一方と接続される。導電層294bは、一対の低抵抗領域293bのうち他方と接続される。信号線224は、導電層222aと接続される。
導電層294a、導電層294b、及び信号線224は、同一の工程及び同一の材料を用いて形成することができる。
以上の工程により、トランジスタ201Eとトランジスタ206Eを形成することができる。上記の通り、トランジスタ201Eの作製工程の一部とトランジスタ206Eの作製工程の一部は同時に行うことができる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えることができる。
<表示装置の構成例6>
次に、図16及び図17を用いて、本実施の形態の表示装置について説明する。
図16に、表示装置100Fの断面図を示す。図17に、表示装置100Fが有するトランジスタ201F及びトランジスタ206Fの作製方法を説明する断面図を示す。
表示装置100Fは、表示部62及び駆動回路部64が有するトランジスタの構造が、表示装置100Aと異なる。その他の構成は、表示装置100Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
表示装置100Fは、表示部62に、トランジスタ206Fを有する。また、表示装置100Fは、駆動回路部64に、トランジスタ201Fを有する。
トランジスタ206Fは、可視光を透過する領域を有し、当該領域は、表示領域68に含まれている。トランジスタ206Fは、可視光を遮る領域を有し、当該領域は、非表示領域66に含まれている。
一方、トランジスタ201Fは、駆動回路部64に設けられているため、可視光を透過する領域の有無は問わない。
トランジスタ206Fは、トランジスタ206Eと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、トランジスタ206Eの導電層222aは、絶縁層212の開口を介して信号線224と電気的に接続されていたが、トランジスタ206Fの導電層222aは、絶縁層212及び絶縁層213の開口を介して信号線224と電気的に接続されている。
トランジスタ201Fは、導電層291、絶縁層211、半導体層293、導電層294a、導電層294b、絶縁層295、及び導電層296を有する。
トランジスタ201Fとトランジスタ206Fは、半導体層に用いる材料が異なる。具体的には、トランジスタ201Fに、金属酸化物を用い、トランジスタ206Fにアモルファスシリコンを用いる。
駆動回路部64のトランジスタに金属酸化物を用いることで、アモルファスシリコンを用いる場合と比較して、電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには駆動回路部64の占有面積を縮小でき、表示装置の狭額縁化が可能である。
半導体層293は、絶縁層211を介して導電層291と重なる。半導体層293は、絶縁層295を介して導電層296と重なる。半導体層293は、一対の低抵抗領域の間にチャネル領域を有する。一対の低抵抗領域のうち、一方は導電層294aと電気的に接続され、他方は導電層294bと電気的に接続される。
半導体層293は、金属酸化物を有する。
導電層294a及び導電層294bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
導電層296は、ゲートとして機能する。導電層291はバックゲートとして機能する。
導電層291、導電層294a、及び導電層294bは、抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これらの導電層は、それぞれ、金属、合金等、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これら導電層は、可視光を遮る導電性材料を用いて形成されてもよい。
絶縁層211及び絶縁層295は、ゲート絶縁層として機能する。
トランジスタ201F及びトランジスタ206Fは、絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層215に覆われている。これらの層については、表示装置100Aにおける説明を援用できる。
[トランジスタ201F及びトランジスタ206Fの作製方法]
次に、表示装置100Fにおける、トランジスタ201F及びトランジスタ206Fの作製方法について、図17を用いて説明する。
まず、トランジスタ201A及びトランジスタ206Aの作製方法(図5(A))と同様に、基板51上に、導電層221、導電層291、及び絶縁層211を形成する(図17(A))。
つまり、トランジスタ201F及びトランジスタ206Fの作製工程では、トランジスタ201Fのゲートとして機能する導電層291と、トランジスタ206Fのゲートとして機能する導電層221とを、同一の工程で形成することができる。
次に、トランジスタ201E及びトランジスタ206Eの作製方法(図15(B)、(C))と同様に、絶縁層211上に、半導体層231、不純物半導体層232、導電層222a、及び導電層222bを形成する(図17(B))。
次に、トランジスタ201D及びトランジスタ206Dの作製方法(図13(A)、(B))と同様に、半導体層293、絶縁層295、及び導電層296を形成する(図17(C))。
次に、絶縁層211、半導体層231、導電層222a、導電層222b、半導体層293、絶縁層295、及び導電層296を覆うように、絶縁層212及び絶縁層213を形成する。そして、絶縁層212及び絶縁層213に、半導体層293(一対の低抵抗領域293b)に達する開口と、導電層222aに達する開口を形成する。
次に、絶縁層212及び絶縁層213に設けられた開口を埋めるように、導電層294a、導電層294b、及び信号線224を形成する(図17(D))。導電層294aは、一対の低抵抗領域293bのうち一方と接続される。導電層294bは、一対の低抵抗領域293bのうち他方と接続される。信号線224は、導電層222aと接続される。
導電層294a、導電層294b、及び信号線224は、同一の工程及び同一の材料を用いて形成することができる。
以上の工程により、トランジスタ201Fとトランジスタ206Fを形成することができる。上記の通り、トランジスタ201Fの作製工程の一部とトランジスタ206Fの作製工程の一部は同時に行うことができる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えることができる。
<表示装置の構成例7>
次に、図18~図20を用いて本実施の形態の表示装置について説明する。以下で例示する表示装置110A~表示装置110Cは、駆動回路部64のトランジスタの半導体層が、金属酸化物を有する点で共通する。トランジスタの半導体層が金属酸化物を有すると、ソース-ドレイン間の絶縁耐圧を高めることができる。その結果、駆動回路部64のトランジスタの信頼性を高めることができる。
図18に、表示装置110Aの断面図を示す。表示装置110Aは、表示装置100Dにおける、表示部62のトランジスタと駆動回路部64のトランジスタの構造を逆にした構成といえる。このように、本実施の形態の表示装置の構成例において、表示部62のトランジスタと駆動回路部64のトランジスタの構造を逆にした構成も、本発明の一態様である。
表示装置110Aが有するトランジスタ202A及びトランジスタ207Aは、トランジスタ201D及びトランジスタ206Dの作製方法(図13)を参照して作製することができる。
図19に、表示装置110Bの断面図を示す。表示装置110Bは、表示装置100Cにおける、表示部62のトランジスタと駆動回路部64のトランジスタの構造を逆にした構成といえる。
表示装置110Bは、表示部62に、トランジスタ207Bを有する。また、表示装置100Cは、駆動回路部64に、トランジスタ202Bを有する。
トランジスタ207Bは、可視光を透過する領域を有し、当該領域は、表示領域68に含まれている。トランジスタ207Bは、可視光を遮る領域を有し、当該領域は、非表示領域66に含まれている。
一方、トランジスタ202Bは、駆動回路部64に設けられているため、可視光を透過する領域の有無は問わない。
トランジスタ207Bは、導電層221、絶縁層233、半導体層231、導電層222b、及び導電層222cを有する。トランジスタ207Bは、トランジスタ201Cの構成における導電層294aまたは導電層294bを、導電層222bに変更した構成である。
トランジスタ202Bは、導電層291、絶縁層211、半導体層293、導電層294a、導電層294b、絶縁層217、及び導電層296を有する。トランジスタ202Bは、トランジスタ206Cに、バックゲートとして機能する導電層296を追加した構成である。
トランジスタ207Bとトランジスタ202Bは、半導体層に用いる材料が異なる。具体的には、トランジスタ202Bの半導体層293に、金属酸化物を用い、トランジスタ207Bの半導体層231にLTPSを用いる。
導電層222bと導電層296は、同一の工程及び同一の材料を用いて形成することができる。これら導電層は、絶縁層217と絶縁層218との間に設けられることが好ましい。ここで、導電層222bと導電層296として、酸化物半導体膜を形成し、絶縁層218として、水素を含む絶縁膜(特に、水素を含む窒化物絶縁膜)を形成することが好ましい。絶縁層218に含まれる水素が、絶縁層218と接する導電層222bと導電層296に拡散し、導電層222bと導電層296が低抵抗化する。これにより、導電層222bと導電層296を酸化物導電層とすることができる。酸化物導電層は、可視光を透過する導電層である。これにより、画素電極111とトランジスタとの接続部を表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
図20に、表示装置110Cの断面図を示す。
表示装置110Cは、表示部62に、トランジスタ207Cを有する。また、表示装置110Cは、駆動回路部64に、トランジスタ202Cを有する。
トランジスタ207Cは、導電層221、絶縁層211、半導体層231、不純物半導体層232、導電層222c、及び導電層222dを有する。導電層222dは、可視光を透過する導電層222bと電気的に接続されている。
トランジスタ202Cは、導電層291、絶縁層211、半導体層293、導電層294a、導電層294b、絶縁層217、絶縁層218、及び導電層296を有する。
トランジスタ202Cとトランジスタ207Cは、半導体層に用いる材料が異なる。具体的には、トランジスタ202Cに、金属酸化物を用い、トランジスタ207Cにアモルファスシリコンを用いる。
駆動回路部64のトランジスタに金属酸化物を用いることで、アモルファスシリコンを用いる場合と比較して、電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには駆動回路部64の占有面積を縮小でき、表示装置の狭額縁化が可能である。
半導体層231は、絶縁層211を介して導電層221と重なる。
半導体層231は、アモルファスシリコンを有する。
半導体層293は、絶縁層211を介して導電層291と重なる。半導体層293は、絶縁層217及び絶縁層218を介して導電層296と重なる。半導体層293は、一対の低抵抗領域の間にチャネル領域を有する。一対の低抵抗領域のうち、一方は導電層294aと電気的に接続され、他方は導電層294bと電気的に接続される。
半導体層293は、金属酸化物を有する。
導電層222c及び導電層222dは、それぞれ、不純物半導体層232を介して、半導体層231と電気的に接続する。導電層222c及び導電層222dのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。導電層222cは、信号線として機能することが好ましい。導電層222dは、導電層222bを介して画素電極111と電気的に接続される。
導電層222bは、可視光を透過する導電性材料を用いて形成される。これにより、画素電極111とトランジスタとの接続部を表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
導電層294a及び導電層294bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
導電層221及び導電層296は、ゲートとして機能する。導電層291はバックゲートとして機能する。
導電層221、導電層291、導電層222c、導電層222d、導電層294a、及び導電層294bは、抵抗率が小さい導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これらの導電層は、それぞれ、金属、合金等、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。これら導電層は、可視光を遮る導電性材料を用いて形成されてもよい。
絶縁層211、絶縁層217、及び絶縁層218は、ゲート絶縁層として機能する。
絶縁層217、絶縁層218、及び絶縁層215については、先の表示装置100Cにおける説明を援用できる。
<表示装置の構成例8>
図21に、表示装置120Aの断面図を示す。図22に、表示装置120Bの断面図を示す。
図21に示す表示装置120Aは、表示部62と駆動回路部64の双方に、LTPSを用いたトランジスタを適用した構成である。具体的には、半導体層293及び半導体層231にLTPSを用いる。
トランジスタ208Aが有する導電層222bは、画素電極111と電気的に接続される。導電層222bは、可視光を透過する材料を用いて形成する。これにより、導電層222bと画素電極111との接続部を、表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
図22に示す表示装置120Bは、表示部62と駆動回路部64の双方に、アモルファスシリコンを用いたトランジスタを適用した構成である。具体的には、半導体層293及び半導体層231にアモルファスシリコンを用いる。
トランジスタ208Bが有する導電層222dは、導電層222bを介して画素電極111と電気的に接続される。導電層222bは、可視光を透過する材料を用いて形成する。これにより、導電層222bと画素電極との接続部を、表示領域68に設けることができる。したがって、副画素の開口率を高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。
<表示装置の構成例9>
本発明の一態様は、タッチセンサが搭載された表示装置(入出力装置またはタッチパネルともいう)に適用することができる。上述の各表示装置の構成を、タッチパネルに適用することができる。本実施の形態では、図4に示す表示装置100Aにタッチセンサを搭載する例を主に説明する。
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
本実施の形態では、静電容量方式の検知素子を有するタッチパネルを例に挙げて説明する。
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成、表示素子を支持する基板及び対向基板の一方または双方に検知素子を構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
図23及び図24に、タッチパネルの一例を示す。図23(A)は、タッチパネル350Aの斜視図である。図23(B)は、図23(A)を展開した斜視概略図である。なお、明瞭化のため、代表的な構成要素のみを示している。図23(B)では、基板61及び基板162を破線で輪郭のみ明示している。図24は、タッチパネル350Aの断面図である。
タッチパネル350Aは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせた構成である。
タッチパネル350Aは、入力装置375と、表示装置370とを有し、これらが重ねて設けられている。
入力装置375は、基板162、電極127、電極128、複数の配線137、及び複数の配線138を有する。FPC72bは、複数の配線137及び複数の配線138の各々と電気的に接続する。FPC72bにはIC73bが設けられている。
表示装置370は、対向して設けられた基板51と基板61とを有する。表示装置370は、表示部62及び駆動回路部64を有する。基板51上には、配線65等が設けられている。FPC72aは、配線65と電気的に接続される。FPC72aにはIC73aが設けられている。
表示部62及び駆動回路部64には、配線65から、信号及び電力が供給される。当該信号及び電力は、外部またはIC73aから、FPC72aを介して配線65に入力される。
図24は、表示部62、駆動回路部64、FPC72aを含む領域、及びFPC72bを含む領域等の断面図である。
基板51と基板61とは、接着層141によって貼り合わされている。基板61と基板162とは、接着層169によって貼り合わされている。ここで、基板51から基板61までの各層が、表示装置370に相当する。また、基板162から電極124までの各層が入力装置375に相当する。つまり、接着層169は、表示装置370と入力装置375を貼り合わせているといえる。
図24に示す表示装置370の構成は、図4に示す表示装置100Aと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
基板51には、接着層167によって、偏光板165が貼り合わされている。偏光板165には、接着層163によって、バックライト161が貼り合わされている。
バックライト161としては、直下型のバックライト、またはエッジライト型のバックライト等が挙げられる。LEDを備える直下型のバックライトを用いると、複雑なローカルディミングが可能となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
基板162には、接着層168によって、偏光板166が貼り合わされている。偏光板166には、接着層164によって、保護基板160が貼り合わされている。電子機器にタッチパネル350Aを組み込む際、保護基板160を、指またはスタイラスなどの被検知体が直接触れる基板として用いてもよい。保護基板160には、基板51及び基板61等に用いることができる基板を適用することができる。保護基板160には、基板51及び基板61等に用いることができる基板の表面に保護層を形成した構成、または強化ガラス等を用いることが好ましい。当該保護層は、セラミックコートにより形成することができる。または、当該保護層は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの無機絶縁材料を用いて形成することができる。
入力装置375と表示装置370の間に偏光板166を配置してもよい。その場合、図24に示す保護基板160、接着層164、及び接着層168を設けなくてよい。つまり、タッチパネル350Aの最表面に基板162が位置する構成とすることができる。基板162には、上記の保護基板160に用いることができる材料を適用することが好ましい。
基板162の基板61側には、電極127及び電極128が設けられている。電極127及び電極128は同一平面上に形成されている。絶縁層125は、電極127及び電極128を覆うように設けられている。電極124は、絶縁層125に設けられた開口を介して、電極127を挟むように設けられる2つの電極128と電気的に接続している。
入力装置375が有する導電層のうち、表示領域68と重なる導電層(電極127、128等)には、可視光を透過する材料を用いる。
電極127、128と同一の導電層を加工して得られた配線137が、電極124と同一の導電層を加工して得られた導電層126と接続している。導電層126は、接続体242bを介してFPC72bと電気的に接続される。
<表示装置の構成例10>
図25に、タッチパネルの一例を示す。図25(A)は、タッチパネル350Bの斜視図である。図25(B)は、図25(A)を展開した斜視概略図である。なお、明瞭化のため、代表的な構成要素のみを示している。図25(B)では、基板61を破線で輪郭のみ明示している。
タッチパネル350Bは、画像を表示する機能と、タッチセンサとしての機能と、を有する、インセル型のタッチパネルである。
タッチパネル350Bは、対向基板のみに、検知素子を構成する電極等を設けた構成である。このような構成は、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成に比べて、タッチパネルを薄型化もしくは軽量化することができる、または、タッチパネルの部品点数を少なくすることができる。
図25(A)、(B)において、入力装置376は、基板61に設けられている。また、入力装置376の配線137及び配線138等は、表示装置379に設けられたFPC72と電気的に接続する。具体的には、接続部63において、配線137(または配線138)の1つと、基板51側に設けられた導電層とが、接続体(導電性の粒子など)を介して電気的に接続している。
このような構成とすることで、タッチパネル350Bに接続するFPCを1つの基板側(ここでは基板51側)にのみ配置することができる。また、タッチパネル350Bに2以上のFPCを取り付ける構成としてもよいが、図25(A)、(B)に示すように、タッチパネル350Bには1つのFPC72を設け、FPC72から、表示装置379と入力装置376の両方に信号を供給する構成とすると、構成をより簡略化できるため好ましい。
タッチパネル350Bは、一つのFPCにより、画素を駆動する信号と検知素子を駆動する信号が供給される。そのため、電子機器に組み込みやすく、また、部品点数を削減することが可能となる。
IC73は入力装置376を駆動する機能を有していてもよい。入力装置376を駆動するICをさらにFPC72上に設けてもよい。または、入力装置376を駆動するICを基板51上に実装してもよい。
<表示装置の構成例11>
図26(A)、(B)に、本実施の形態の表示装置が有する画素の一例である断面図をそれぞれ示す。図26(A)、(B)の断面図は、図2(B)の断面図の変形例ということもできる。
図26(A)、(B)は、透過型の液晶表示装置の一例である。図26(A)、(B)に示すように、バックライトユニット13からの光は、破線の矢印に示す方向に射出される。
図26(A)、(B)において、バックライトユニット13の光は、トランジスタ914と液晶素子930LCとのコンタクト部、トランジスタ914、及び配線コンタクト部916等を介して外部に取り出される。
図26(A)では、トランジスタ914のゲート電極、半導体層、ソース電極、及びドレイン電極が可視光に対する透過性を有する例を示す。ソース電極またはドレイン電極の一方は、液晶素子930LCと電気的に接続されており、他方は配線904と電気的に接続されている。
図26(A)では、配線コンタクト部916において、それぞれ可視光に対する透過性を有する2つの導電層が接続されている。具体的には、ソース電極及びドレイン電極と同一の工程、同一の材料で形成された第1の導電層と、ゲート電極と同一の工程、同一の材料で形成された第2の導電層と、が接続されている。また、第2の導電層は、配線902と接続されている。これにより、第1の導電層、第2の導電層、及び配線902を電気的に接続させることができる。配線902及び配線904は、抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。配線902及び配線904は遮光性を有していてもよい。
図26(B)では、トランジスタ914の半導体層と、ソース電極またはドレイン電極の一方と、が可視光に対する透過性を有する例を示す。ソース電極またはドレイン電極の一方は、液晶素子930LCと電気的に接続されている。
図26(B)において、配線904は、トランジスタ914のソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。また、配線902は、トランジスタ914のゲートとして機能する。これら配線は抵抗率の低い導電性材料を用いて形成されることが好ましい。配線902及び配線904は遮光性を有していてもよい。図26(B)に示すトランジスタ914はバックゲートを有する。バックゲートの透光性は特に限定されない。
図26(B)では、配線コンタクト部916において、それぞれ可視光に対する透過性を有する2つの導電層が接続されている。具体的には、ソース電極またはドレイン電極の一方と同一の工程、同一の材料で形成された第1の導電層と、第2の導電層と、が接続されている。また、第2の導電層は、配線902と接続されている。これにより、第1の導電層、第2の導電層、及び配線902を電気的に接続させることができる。
トランジスタ914、配線コンタクト部916等が有する透光性の領域の面積が広いほど、バックライトユニット13の光を効率良く使用することができる。
以上のように、本実施の形態の表示装置は、表示部のトランジスタが可視光を透過する領域を有する。そのため、画素の開口率を高め、光取り出し効率を高めることができる。したがって、表示装置の消費電力を低減させることができる。
また、本実施の形態の表示装置は、表示部と駆動回路部とでトランジスタの構造が異なる。そして、当該表示装置の作製方法において、駆動回路部のトランジスタの作製工程の一部が、表示部のトランジスタの作製工程の一部を兼ねる。これにより、表示装置の作製工程の増加を抑えつつ、表示部と駆動回路部それぞれに適した構造のトランジスタを採用できる。したがって、作製コストを抑えつつ、表示装置の性能を高めることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置で行うことができる動作モードについて図27を用いて説明する。
なお、以下では、通常のフレーム周波数(代表的には60Hz以上240Hz以下)で動作する通常動作モード(Normal mode)と、低速のフレーム周波数で動作するアイドリング・ストップ(IDS)駆動モードと、を例示して説明する。
なお、IDS駆動モードとは、画像データの書き込み処理を実行した後、画像データの書き換えを停止する駆動方法のことをいう。一旦画像データの書き込みをして、その後、次の画像データの書き込みまでの間隔を延ばすことで、その間の画像データの書き込みに要する分の消費電力を削減することができる。IDS駆動モードは、例えば、通常動作モードの1/100乃至1/10程度のフレーム周波数とすることができる。静止画は、連続するフレーム間でビデオ信号が同じである。よって、IDS駆動モードは、静止画を表示する場合に特に有効である。IDS駆動を用いて画像を表示させることで、消費電力が低減されるとともに、画面のちらつき(フリッカー)が抑制され、眼精疲労も低減できる。
図27(A)~図27(C)は、画素回路、及び、通常駆動モードとIDS駆動モードを説明するタイミングチャートである。なお、図27(A)では、第1の表示素子501(ここでは反射型の液晶素子)と、第1の表示素子501に電気的に接続される画素回路506と、を示している。また、図27(A)に示す画素回路506では、信号線SLと、ゲート線GLと、信号線SL及びゲート線GLに接続されたトランジスタM1と、トランジスタM1に接続される容量素子CsLCとを示している。
トランジスタM1は、データD1のリークパスと成り得る。よって、トランジスタM1のオフ電流は小さいほど好ましい。トランジスタM1としては、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を有するトランジスタを用いることが好ましい。金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)または酸化物半導体(oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。以下、トランジスタの代表例として、チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう。)を用いて説明する。OSトランジスタは、多結晶シリコンなどを用いたトランジスタよりも非導通状態時のリーク電流(オフ電流)が極めて低い特徴を有する。トランジスタM1にOSトランジスタを用いることでノードND1に供給された電荷を長期間保持することができる。
なお、図27(A)に示す回路図において、液晶素子LCはデータD1のリークパスとなる。したがって、適切にIDS駆動を行うには、液晶素子LCの抵抗率を1.0×1014Ω・cm以上とすることが好ましい。
なお、上記OSトランジスタのチャネル領域には、例えば、In-Ga-Zn酸化物、In-Zn酸化物などを好適に用いることができる。また、上記In-Ga-Zn酸化物としては、代表的には、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]近傍の組成を用いることができる。
図27(B)は、通常駆動モードでの信号線SL及びゲート線GLにそれぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。通常駆動モードでは通常のフレーム周波数(例えば60Hz)で動作する。図27(B)に、期間T1からT3までを表す。各フレーム期間でゲート線GLに走査信号を与え、信号線SLからデータD1をノードND1に書き込む動作を行う。この動作は、期間T1からT3までで同じデータD1を書き込む場合、または異なるデータを書き込む場合でも同じである。
一方、図27(C)は、IDS駆動モードでの信号線SL及びゲート線GLに、それぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。IDS駆動では低速のフレーム周波数(例えば1Hz)で動作する。1フレーム期間を期間T1で表し、その中でデータの書き込み期間を期間TW、データの保持期間を期間TRETで表す。IDS駆動モードは、期間TWでゲート線GLに走査信号を与え、信号線SLのデータD1を書き込み、期間TRETでゲート線GLをローレベルの電圧に固定し、トランジスタM1を非導通状態として一旦書き込んだデータD1を保持させる動作を行う。なお、低速のフレーム周波数としては、例えば、0.1Hz以上60Hz未満とすればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、タッチセンサの駆動方法の例について、図面を参照して説明する。
<センサの検知方法の例>
図28(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図28(A)では、パルス電圧出力回路551、電流検出回路552を示している。なお図28(A)では、パルス電圧が与えられる電極521、電流の変化を検知する電極522をそれぞれ、X1乃至X6、Y1乃至Y6のそれぞれ6本の配線として示している。また図28(A)は、電極521及び電極522が重畳することで形成される容量553を図示している。なお、電極521と電極522とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路551は、X1乃至X6の配線に順にパルス電圧を印加するための回路である。X1乃至X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量553を形成する電極521と電極522の間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量553の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接または接触を検出することができる。
電流検出回路552は、容量553での相互容量の変化による、Y1乃至Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1乃至Y6の配線では、被検知体の近接または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
なお、パルス電圧出力回路551及び電流検出回路552の一方または両方を、図4等に示す基板51上または基板61上に形成してもよい。例えば、表示部62や駆動回路部64などと同時に形成すると、工程を簡略化できることに加え、タッチセンサの駆動に用いる部品数を削減することができるため好ましい。また、パルス電圧出力回路551及び電流検出回路552の一方または両方を、IC73に実装してもよい。
特に、基板51に形成されるトランジスタとして、チャネルが形成される半導体層に多結晶シリコンや単結晶シリコンなどの結晶性シリコンを用いると、パルス電圧出力回路551や電流検出回路552等の回路の駆動能力が向上し、タッチセンサの感度を向上させることができる。
図28(B)には、図28(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図28(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図28(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なおY1乃至Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示している。
X1-X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1乃至Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1乃至X6の配線の電圧の変化に応じてY1乃至Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
<表示装置の駆動方法例>
図29(A)は、表示装置の構成例を示すブロック図である。図29(A)ではゲート駆動回路GD(走査線駆動回路)、ソース駆動回路SD(信号線駆動回路)、複数の画素pixを有する表示部を示している。なお図29(A)では、ゲート駆動回路GDに電気的に接続されるゲート線x_1乃至x_m(mは自然数)、ソース駆動回路SDに電気的に接続されるソース線y_1乃至y_n(nは自然数)に対応して、画素pixではそれぞれに(1,1)乃至(n,m)の符号を付している。
図29(B)は、図29(A)で示す表示装置におけるゲート線及びソース線に与える信号のタイミングチャート図である。図29(B)では、1フレーム期間ごとにデータ信号を書き換える場合と、データ信号を書き換えない場合と、に分けて示している。なお図29(B)では、帰線期間等の期間を考慮していない。
1フレーム期間ごとにデータ信号を書き換える場合、x_1乃至x_mのゲート線には、順に走査信号が与えられる。走査信号がHレベルの期間である水平走査期間1Hでは、各列のソース線y_1乃至y_nにデータ信号Dが与えられる。
1フレーム期間ごとにデータ信号を書き換えない場合、ゲート線x_1乃至x_mに与える走査信号を停止する。また水平走査期間1Hでは、各列のソース線y_1乃至y_nに与えるデータ信号を停止する。
1フレーム期間ごとにデータ信号を書き換えない駆動方法は、特に、画素pixが有するトランジスタとしてチャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を適用する場合に有効である。酸化物半導体が適用されたトランジスタはシリコン等の半導体が適用されたトランジスタに比べて極めてオフ電流を小さくすることが可能である。そのため、1フレーム期間ごとにデータ信号の書き換えを行わずに前の期間に書き込んだデータ信号を保持させることができ、例えば1秒以上、好ましくは5秒以上に亘って画素の階調を保持することもできる。
また、画素pixが有するトランジスタとしてチャネルが形成される半導体層に多結晶シリコンなどを適用する場合には、画素が有する保持容量の大きさをあらかじめ大きくしておくことが好ましい。保持容量が大きいほど、画素の階調を長時間に亘って保持することができる。保持容量の大きさは、保持容量に電気的に接続するトランジスタや表示素子のリーク電流に応じて設定すればよいが、例えば、1画素あたりの保持容量を5fF以上5pF以下、好ましくは10fF以上5pF以下、より好ましくは20fF以上1pF以下とすると、1フレーム期間ごとにデータ信号の書き換えを行わずに前の期間に書き込んだデータ信号を保持させることができ、例えば数フレームまたは数10フレームの期間に亘って画素の階調を保持することが可能となる。
<表示部とタッチセンサの駆動方法の例>
図30(A)乃至(D)は、一例として図28(A)、(B)で説明したタッチセンサと、図29(A)、(B)で説明した表示部を1sec.(1秒間)駆動する場合に、連続するフレーム期間の動作について説明する図である。なお図30(A)では、表示部の1フレーム期間を16.7ms(フレーム周波数:60Hz)、タッチセンサの1フレーム期間を16.7ms(フレーム周波数:60Hz)とした場合について示している。図30及び図31の1F、2F・・・は、表示部またはタッチセンサのフレームを示す。
本発明の一態様の表示装置は、表示部の動作とタッチセンサの動作は互いに独立しており、表示期間と平行してタッチ検知期間を設けることができる。そのため図30(A)に示すように、表示部及びタッチセンサの1フレーム期間を共に16.7ms(フレーム周波数:60Hz)と設定することができる。また、タッチセンサと表示部のフレーム周波数を異ならせてもよい。例えば図30(B)に示すように、表示部の1フレーム期間を8.3ms(フレーム周波数:120Hz)と設定し、タッチセンサの1フレーム期間を16.7ms(フレーム周波数:60Hz)とすることもできる。また、図示しないが、表示部のフレーム周波数を33.3ms(フレーム周波数:30Hz)としてもよい。
また表示部のフレーム周波数を切り替え可能な構成とし、動画像の表示の際にはフレーム周波数を大きく(例えば60Hz以上または120Hz以上)し、静止画像の表示の際にはフレーム周波数を小さく(例えば60Hz以下、30Hz以下、または1Hz以下)することで、表示装置の消費電力を低減することができる。またタッチセンサのフレーム周波数を切り替え可能な構成とし、待機時と、タッチを感知した時とでフレーム周波数を異ならせてもよい。
また本発明の一態様の表示装置は、表示部におけるデータ信号の書き換えを行わずに、前の期間に書き換えたデータ信号を保持することで、表示部の1フレーム期間を16.7msよりも長い期間とすることができる。そのため、図30(C)に示すように、表示部の1フレーム期間を1sec.(フレーム周波数:1Hz)と設定し、タッチセンサの1フレーム期間を16.7ms(フレーム周波数:60Hz)とすることもできる。
なお、表示部におけるデータ信号の書き換えを行わずに、前の期間に書き換えたデータ信号を保持する構成については、先に説明のIDS駆動モードを参照することができる。なお、IDS駆動モードについては、表示部におけるデータ信号の書き換えを特定の領域だけ行う、部分IDS駆動モードとしてもよい。部分IDS駆動モードとは、表示部におけるデータ信号の書き換えを特定の領域だけ行い、それ以外の領域においては、前の期間に書き換えたデータ信号を保持する構成である。
また、本実施の形態に開示するタッチセンサの駆動方法によれば、図30(C)に示す駆動を行う場合、継続してタッチセンサの駆動を行うことができる。そのため、図30(D)に示すようにタッチセンサにおける被検知体の近接または接触を検知したタイミングで、表示部のデータ信号を書き換えることもできる。
ここで、タッチセンサのセンシング期間に表示部のデータ信号の書き換え動作を行うと、データ信号の書き換え時に生じるノイズがタッチセンサに伝わることで、タッチセンサの感度を低下させてしまう恐れがある。したがって、表示部のデータ信号の書き換え期間と、タッチセンサのセンシング期間とをずらすように駆動することが好ましい。
図31(A)では、表示部のデータ信号の書き換えと、タッチセンサのセンシングとを交互に行う例を示している。また、図31(B)では、表示部のデータ信号の書き換え動作を2回行うごとに、タッチセンサのセンシングを1回行う例を示している。なお、これに限られず3回以上の書き換え動作を行うごとにタッチセンサのセンシングを1回行う構成としてもよい。
また、画素pixに適用されるトランジスタのチャネルが形成される半導体層に、酸化物半導体を用いる場合、オフ電流を極めて低減することが可能なため、データ信号の書き換えの頻度を十分に低減することができる。具体的には、データ信号の書き換えを行った後、次にデータ信号を書き換えるまでの間に、十分に長い休止期間を設けることが可能となる。休止期間は、例えば0.5秒以上、1秒以上、または5秒以上とすることができる。休止期間の上限は、トランジスタに接続される容量や表示素子等のリーク電流によって制限されるが、例えば1分以下、10分以下、1時間以下、または1日以下などとすることができる。
また、画素pixに適用されるトランジスタのチャネルが形成される半導体層に、LTPSまたはアモルファスシリコンを用いる場合、画素のデータ信号を保持するノードにSRAMを設け当該データ信号を保持する構成としてもよい。当該構成とすることでデータ信号の書き換えの頻度を十分に低減することができる。なお、データ信号の書き換えの頻度としては、上述の半導体層に酸化物半導体を用いる場合と同等とすることができる。
図31(C)では、5秒間に1度の頻度で表示部のデータ信号の書き換えを行う例を示している。図31(C)では、表示部はデータ信号を書き換えたのち、次のデータ信号の書き換え動作までの期間は、書き換え動作を停止する休止期間が設けられている。休止期間では、タッチセンサがフレーム周波数iHz(iは表示装置のフレーム周波数以上、ここでは0.2Hz以上)で駆動することができる。また図31(C)に示すように、タッチセンサのセンシングを休止期間に5i回行い、表示部のデータ信号の書き換え期間には行わないようにすると、タッチセンサの感度を向上させることができ好ましい。また、図31(D)に示すように、表示部のデータ信号の書き換えとタッチセンサのセンシングを同時に行うと、駆動のための信号を簡略化することができる。
また、表示部のデータ信号の書き換え動作を行わない休止期間では、表示部へのデータ信号の供給を停止するだけでなく、ゲート駆動回路GD及びソース駆動回路SDの一方または双方の動作を停止してもよい。さらに、ゲート駆動回路GD及びソース駆動回路SDの一方または双方への電力供給を停止してもよい。このようにすることで、ノイズをより低減し、タッチセンサの感度をさらに良好なものとすることができる。また、表示装置の消費電力をさらに低減することができる。
本発明の一態様の表示装置は、2つの基板で表示部とタッチセンサが挟持された構成を有する。よって、表示部とタッチセンサの距離を極めて近づけることができる。このとき、表示部の駆動時のノイズがタッチセンサに伝搬しやすくなり、タッチセンサの感度が低下してしまう恐れがある。本実施の形態で例示した駆動方法を適用することで、薄型化と高い検出感度を両立した、タッチセンサを有する表示装置を実現できる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層に用いることができる金属酸化物について説明する。なお、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いる場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と読み替えてもよい。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC-OS(c-axis-aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体などがある。
また、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層には、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite oxide semiconductor)を用いてもよい。
なお、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層は、上述した非単結晶酸化物半導体またはCAC-OSを好適に用いることができる。また、非単結晶酸化物半導体としては、nc-OSまたはCAAC-OSを好適に用いることができる。
なお、本発明の一態様では、トランジスタの半導体層として、CAC-OSを用いると好ましい。CAC-OSを用いることで、トランジスタに高い電気特性または高い信頼性を付与することができる。
以下では、CAC-OSの詳細について説明する。
CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
CAC-OSは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(c-axis aligned crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC-OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図32(A)~(C)に、携帯情報端末を示す。本実施の形態の携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳、または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンまたはスマートウォッチとして用いることができる。本実施の形態の携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図32(A)~(C)に示す携帯情報端末は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図32(A)~(C)に示す携帯情報端末が有する機能はこれらに限定されず、その他の機能を有していてもよい。
図32(A)~(C)に示す携帯情報端末は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、図32(A)~(C)に示す携帯情報端末は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば、図32(C)に示す腕時計型の携帯情報端末820は、無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
図32(A)に示す携帯情報端末800は、筐体811、表示部812、操作ボタン813、外部接続ポート814、スピーカ815、マイク816等を有する。携帯情報端末800の表示部812は平面を有する。
図32(B)に示す携帯情報端末810は、筐体811、表示部812、操作ボタン813、外部接続ポート814、スピーカ815、マイク816、カメラ817等を有する。携帯情報端末810の表示部812は曲面を有する。
図33(C)に、腕時計型の携帯情報端末820を示す。携帯情報端末820は、筐体811、表示部812、スピーカ815、操作キー818(電源スイッチまたは操作スイッチを含む)等を有する。携帯情報端末820の表示部812の外形は円形状である。携帯情報端末の表示部812は、平面を有する。
本発明の一態様の表示装置を、表示部812に用いることができる。これにより、開口率が高い表示部を有する携帯情報端末を作製することができる。
本実施の形態の携帯情報端末は、表示部812にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部812に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン813の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部812に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末の向き(縦か横か)を判断して、表示部812の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部812に触れること、操作ボタン813の操作、またはマイク816を用いた音声入力等により行うこともできる。
図33(A)に示すテレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7102が組み込まれている。表示部7102では、映像を表示することが可能である。本発明の一態様の表示装置を表示部7102に用いることができる。これにより、開口率が高い表示部を有するテレビジョン装置を作製することができる。また、ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。リモコン操作機7111が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7102に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7111に、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図33(B)に示すコンピュータ7200は、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、コンピュータは、本発明の一態様の表示装置をその表示部7203に用いることにより作製される。これにより、開口率が高い表示部を有するコンピュータを作製することができる。
図33(C)に示すカメラ7300は、筐体7301、表示部7302、操作ボタン7303、シャッターボタン7304等を有する。またカメラ7300には、着脱可能なレンズ7306が取り付けられている。
本発明の一態様の表示装置を、表示部7302に用いることができる。これにより、開口率が高い表示部を有するカメラを作製することができる。
ここではカメラ7300を、レンズ7306を筐体7301から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ7306と筐体7301とが一体となっていてもよい。
カメラ7300は、シャッターボタン7304を押すことにより、静止画または動画を撮像することができる。また、表示部7302はタッチパネルとしての機能を有し、表示部7302をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ7300は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体7301に組み込まれていてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、本発明の一態様の表示装置に用いることができるトランジスタを作製し、信頼性試験を行った結果について説明する。
本実施例では、半導体層に金属酸化物(酸化物半導体)を用いたトランジスタを2種類作製した。
試料1として、ボトムゲートトップコンタクト(Bottom Gate Top Contact、BGTC)構造のトランジスタを作製した。当該トランジスタのチャネル長は3.25μmとし、チャネル幅は2μmとした。当該トランジスタには、バックゲートを設けた。一対のゲート電極には、いずれも可視光を透過する金属酸化物膜を用いた。また、ソース電極及びドレイン電極についても、可視光を透過する金属酸化物膜を用いた。
試料2として、セルフアライン型のトップゲート(Top Gate Self-Alignment、TGSA)構造のトランジスタを作製した。当該トランジスタのチャネル長は3μmとし、チャネル幅は3μmとした。当該トランジスタには、バックゲート電極を設けた。ゲート電極(上側のゲート電極)には、可視光を透過する金属酸化物膜を用いた。また、バックゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極については、金属膜を用いた。
試料1及び試料2に対して、光を照射しながらGBT(Gate Bias Temperature)ストレス試験を行った。GBTストレス試験は信頼性試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化を、評価することができる。光は試料の上側から照射した。つまり、試験中、試料1及び試料2では、可視光を透過する金属酸化物膜である上側のゲート電極を介して、半導体層のチャネル領域に光が照射される。
GBTストレス試験では、トランジスタが形成されている基板を一定の温度に維持し、トランジスタのソース電位とドレイン電位を同電位とし、第1のゲート電位にはソース電位及びドレイン電位とは異なる電位を一定時間与える。
本実施例では、GBTストレス試験として、試料温度60℃、光照射環境(白色LEDにて約10000lxの光を照射)の環境において、第1のゲート電位Vg=-30V、ドレイン電位Vd=0V、ソース電位Vs=0V、及び第2のゲート(バックゲート)電位Vbg=-30Vを1時間印加した。
なお、トランジスタの電気特性の変動量の指標として、トランジスタのしきい値電圧(以下、Vthともいう)の経時変化(以下、ΔVthともいう)を用いた。なお、Vthとは、Id-Vg特性において、Id=1.0×10-12[A]の時のVgの値と定義する。ここで、ΔVthは、例えば、ストレス開始時のVthが+0.50Vであり、ストレス100sec経過時のVthが、-0.55Vであったとすると、ストレス100sec経過時のΔVthは、-1.05Vとなる。
GBTストレス試験において、試料1及び試料2の試験結果を、図34に示す。なお、図34において、左軸は、トランジスタのしきい値電圧の変化量(ΔVth)を示す。
図34に示すように、試料1のしきい値電圧の変化量(ΔVth)は、-1.0Vであり、試料2のΔVthは、-1.1Vであった。このように、試料1及び試料2は、高い信頼性を有することが分かった。
本実施例で作製したトランジスタは、光が照射されても、信頼性が高く、電気特性の変動量が小さい。よって、画素の表示領域に当該トランジスタを設けることが可能であり、画素の開口率を高めることができる。
本実施例では、本発明の一態様の表示装置に用いることができるトランジスタを作製し、特性を評価した。
具体的には、本実施例では、図4等に示すトランジスタ201Aに相当するトランジスタを3つ作製し、Id-Vg特性の測定、GBTストレス試験、及び定電流ストレス試験を行った。なお、本実施例で作製したトランジスタのチャネル長Lは2μm、チャネル幅Wは3μmとした。
[トランジスタの作製]
まず、ガラス基板上に、バックゲートとして機能する導電層291を形成した。導電層291は、スパッタリング装置を用いて厚さ約100nmのタングステン膜を成膜した後、当該タングステン膜を加工することにより形成した。
次に、基板及び導電層291上に、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211を形成した。絶縁層211は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)装置を用いて、厚さ約50nmの窒化シリコン膜、厚さ約300nmの窒化シリコン膜、厚さ約50nmの窒化シリコン膜、厚さ約50nmの酸化窒化シリコン膜を順に成膜することで形成した。
次に、絶縁層211上に半導体層293を形成した。半導体層293は、スパッタリング装置を用いて2層の金属酸化物層(第1の金属酸化物層、第2の金属酸化物層)を順に成膜した後、2層の金属酸化物層を島状に加工することで形成した。
第1の金属酸化物層には、厚さ約40nmのIn-Ga-Zn膜を用い、第2の金属酸化物層には、厚さ約5nmのIn-Ga-Zn膜を用いた。第1の金属酸化物層は、CAC-IGZOを有し、第2の金属酸化物層は、CAAC-IGZOを有する。
第1の金属酸化物層は、基板温度を130℃として、流量180sccmのアルゴンガスと、流量20sccmの酸素ガスとをスパッタリング装置のチャンバー内に導入し、圧力を0.6Paとし、インジウムと、ガリウムと、亜鉛とを有する金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])に、2.5kwの交流電力を印加することで形成した。なお、成膜ガス全体に占める酸素の割合から、「酸素流量比」と記載する場合がある。第1の金属酸化物層の成膜時における酸素流量比は10%である。
第2の金属酸化物層は、上記第1の金属酸化物層の成膜条件においてスパッタリングガスの流量を変えて成膜した。具体的には、チャンバーへのアルゴンガスの導入を停止し、流量200sccmの酸素ガスをスパッタリング装置のチャンバー内に導入することで形成した。なお、第2の金属酸化物層の成膜時における酸素流量比は100%である。
次に、絶縁層211及び半導体層293上に、PECVD装置を用いて、絶縁層295となる厚さ約150nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。その後、窒素雰囲気下、温度350度、1時間の条件で加熱処理を行った。
次に、酸素供給処理として、PECVD装置を用いて、酸素プラズマ処理を行った。
次に、酸化窒化シリコン膜上に、スパッタリング装置を用いて、導電層296となる2層の金属酸化物層(第3の金属酸化物層、第4の金属酸化物層)を順に形成した。
第3の金属酸化物層には、厚さ約10nmのIn-Ga-Zn膜を用い、第4の金属酸化物層には、厚さ約90nmのIn-Ga-Zn膜を用いた。
第3の金属酸化物層は、基板温度を170℃として、流量200sccmの酸素ガスをスパッタリング装置のチャンバー内に導入し、圧力を0.6Paとし、インジウムと、ガリウムと、亜鉛とを有する金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])に、2.5kwの交流電力を印加することで形成した。第3の金属酸化物層の成膜時における酸素流量比は100%である。
第4の金属酸化物層は、上記第3の金属酸化物層の成膜条件においてスパッタリングガスの流量を変えて成膜した。具体的には、流量180sccmのアルゴンガスと、流量20sccmの酸素ガスとをスパッタリング装置のチャンバー内に導入することで形成した。なお、第4の金属酸化物層の成膜時における酸素流量比は10%である。
次に、酸化窒化シリコン膜と2層の金属酸化物層とを島状に加工することで、ゲート絶縁層として機能する絶縁層295及びゲートとして機能する導電層296を形成した。
次に、半導体層293の露出した領域に対して、アルゴン及び窒素雰囲気下でプラズマ処理を行い、低抵抗領域を形成した。
次に、半導体層293、絶縁層295、及び導電層296上に、絶縁層212及び絶縁層213を形成した。絶縁層212は、PECVD装置を用いて、厚さ約100nmの窒化シリコン膜を成膜することで形成した。絶縁層213は、PECVD装置を用いて、厚さ約300nmの酸化窒化シリコン膜を成膜することで形成した。その後、窒素雰囲気下、温度350度、1時間の条件で加熱処理を行った。
次に、絶縁層213上に、ソース及びドレインとして機能する導電層294a及び導電層294bを形成した。導電層294a及び導電層294bは、スパッタリング装置を用いて、厚さ約50nmのチタン膜、厚さ約400nmのアルミニウム膜、厚さ約100nmのチタン膜を順に成膜した後、当該3層の導電膜を加工することにより形成した。
次に、絶縁層213、導電層294a、及び導電層294b上に、絶縁層215として、厚さ約1.5μmのアクリル膜を形成した。その後、窒素雰囲気下、温度250度、1時間の条件で加熱処理を行った。
[トランジスタのId-Vg特性]
次に、トランジスタのId-Vg特性を測定した結果について説明する。トランジスタのId-Vg特性の測定条件としては、ゲートとして機能する導電層296に印加する電圧(ゲート電圧(Vg))、及びバックゲートとして機能する導電層291に印加する電圧(バックゲート電圧(Vbg))を、-15Vから+20Vまで0.25Vのステップで印加した。また、ソースとして機能する導電層に印加する電圧(ソース電圧(Vs))を0V(comm)とし、ドレインとして機能する導電層に印加する電圧(ドレイン電圧(Vd))を、0.1V及び20Vとした。
図35に、Id-Vg特性の測定結果を示す。なお、図35において、第1縦軸はId(A)であり、第2縦軸は電界効果移動度(μFE(cm2/Vs))であり、横軸はVg(V)である。なお、電界効果移動度は、Vdを20Vとして測定した際の値である。
図35において、サブスレショールド係数(S値)は0.15V/dec、しきい値電圧Vthは0.13V、μFEは、44cm2/Vsが得られた。このように、本実施例では、電界効果移動度が高く、優れたスイッチング特性を有するトランジスタを作製できた。
[GBTストレス試験]
次に、トランジスタのGBT試験を行った結果について説明する。本実施例では、GBTストレス試験として、ゲートに正の電圧を印加する試験(PBTS)と、光を照射しながらゲートに負の電圧を印加する試験(NBITS)を行った。PBTSでは、トランジスタが形成されている基板を60℃に保持し、トランジスタのソースとドレインに0V、ゲートに30Vの電圧を印加し、この状態を1時間保持した。NBITSでは、10000lxの白色LED光を照射した状態でゲートに-30Vの電圧を印加し、この状態を3600秒間保持した。
図36に、GBTストレス試験の結果を示す。図36において、しきい値の変動量(ΔVth)は±1V以下と良好な結果となっていることがわかる。GBTストレス試験において、良好結果が得られている要因として、本実施例のトランジスタは、半導体層293として、積層されたCAC-OS膜及びCAAC-OS膜を有するため、埋め込みチャネルが形成されていること等があると推測できる。
[定電流ストレス試験]
次に、トランジスタの定電流ストレス試験を行った結果について説明する。定電流ストレス試験は、大気雰囲気下、暗状態(Dark)で行った。定電流ストレス試験では、基板の温度を60℃とし、ソース電位を接地電位(GND)、ドレイン電位を10V、ゲート電位を0.82Vとし、約18時間保持した。
図37に、定電流ストレス試験の結果を示す。図37において、縦軸はドレイン電流(Id)の劣化率(changing rate of Id)であり、横軸はストレス時間(stresstime)である。図37に示すように、本実施例のトランジスタは電流値の変動が小さい。本実施例のトランジスタは、半導体層293として、積層されたCAC-OS膜及びCAAC-OS膜を有するため、これらの膜を有さないOSトランジスタまたはLTPSトランジスタに比べて、電流値の変動が小さい傾向が見られた。
本実施例のトランジスタは、電界効果移動度が高く、優れたスイッチング特性を有するため、駆動回路部が有するトランジスタとして好適である。また、本実施例のトランジスタは電流値の変動が小さいため、有機ELディスプレイの画素トランジスタにも好適であり、ディスプレイの輝度劣化を抑制することができる。
本実施例では、本発明の一態様の表示装置に用いることができるトランジスタを作製し、特性を評価した。
具体的には、本実施例では、図4等に示すトランジスタ201Aに相当するトランジスタを作製し、Id-Vd特性を測定した。なお、本実施例で作製したトランジスタのチャネル長Lは3μm、チャネル幅Wは3μmとした。
[トランジスタの作製]
まず、ガラス基板上に、バックゲートとして機能する導電層291を形成した。導電層291は、スパッタリング装置を用いて厚さ約100nmのタングステン膜を成膜した後、当該タングステン膜を加工することにより形成した。
次に、基板及び導電層291上に、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211を形成した。絶縁層211は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)装置を用いて、厚さ約250nmの窒化シリコン膜、厚さ約50nmの窒化シリコン膜、厚さ約5nmの酸化窒化シリコン膜を順に成膜することで形成した。
次に、絶縁層211上に半導体層293を形成した。半導体層293は、スパッタリング装置を用いて2層の金属酸化物層(第1の金属酸化物層、第2の金属酸化物層)を順に成膜した後、2層の金属酸化物層を島状に加工することで形成した。
第1の金属酸化物層には、厚さ約40nmのIn-Ga-Zn膜を用い、第2の金属酸化物層には、厚さ約5nmのIn-Ga-Zn膜を用いた。第1の金属酸化物層は、CAC-IGZOを有し、第2の金属酸化物層は、CAAC-IGZOを有する。
第1の金属酸化物層は、基板温度を130℃として、流量180sccmのアルゴンガスと、流量20sccmの酸素ガスとをスパッタリング装置のチャンバー内に導入し、圧力を0.6Paとし、インジウムと、ガリウムと、亜鉛とを有する金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])に、2.5kwの交流電力を印加することで形成した。なお、成膜ガス全体に占める酸素の割合から、「酸素流量比」と記載する場合がある。第1の金属酸化物層の成膜時における酸素流量比は10%である。
第2の金属酸化物層は、上記第1の金属酸化物層の成膜条件においてスパッタリングガスの流量を変えて成膜した。具体的には、チャンバーへのアルゴンガスの導入を停止し、流量200sccmの酸素ガスをスパッタリング装置のチャンバー内に導入することで形成した。なお、第2の金属酸化物層の成膜時における酸素流量比は100%である。
次に、熱処理を行った。当該熱処理として、加熱温度を350℃とし、窒素雰囲気で1時間熱処理を行った後、窒素と酸素との混合ガス雰囲気下で、1時間の熱処理を行った。
次に、絶縁層211及び半導体層293上に、PECVD装置を用いて、絶縁層295となる厚さ約150nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。その後、窒素雰囲気下、温度350度、1時間の条件で加熱処理を行った。次に、酸素供給処理として、PECVD装置を用いて、酸素プラズマ処理を行った。さらに、酸化窒化シリコン膜上に、絶縁層295となる厚さ約20nmの酸化アルミニウム膜を形成した。
次に、酸化アルミニウム膜上に、スパッタリング装置を用いて、導電層296となる3層の導電層を形成した。具体的には、スパッタリング装置を用いて、厚さ約50nmのチタン膜、厚さ約200nmのアルミニウム膜、厚さ50nmのチタン膜を順に成膜した。
次に、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、及び3層の導電層を島状に加工することで、ゲート絶縁層として機能する絶縁層295及びゲートとして機能する導電層296を形成した。
次に、半導体層293の露出した領域に対して、アルゴン及び窒素雰囲気下でプラズマ処理を行い、低抵抗領域を形成した。
次に、半導体層293、絶縁層295、及び導電層296上に、絶縁層212及び絶縁層213を形成した。絶縁層212は、PECVD装置を用いて、厚さ約100nmの窒化シリコン膜を成膜することで形成した。絶縁層213は、PECVD装置を用いて、厚さ約300nmの酸化窒化シリコン膜を成膜することで形成した。その後、窒素雰囲気下、温度350度、1時間の条件で加熱処理を行った。
次に、絶縁層213上に、ソース及びドレインとして機能する導電層294a及び導電層294bを形成した。導電層294a及び導電層294bは、スパッタリング装置を用いて、厚さ約100nmのモリブデン膜を成膜した後、当該モリブデン膜を加工することにより形成した。
次に、絶縁層213、導電層294a、及び導電層294b上に、絶縁層215として、厚さ約1.5μmのアクリル膜を形成した。その後、窒素雰囲気下、温度250度、1時間の条件で加熱処理を行った。
[トランジスタのId-Vd特性]
次に、トランジスタのId-Vd特性を測定した結果について説明する。トランジスタのId-Vd特性は、ゲート電圧を1.6Vとし、ドレイン電圧を0Vから15Vの範囲で、0.2V間隔で掃引することで測定した。
図38に、Id-Vd特性を測定した結果を示す。なお、図38において、縦軸はId/W(A/μm)であり、横軸はVd(V)である。図38に示すように、本実施例のトランジスタは、Vdが変化してもIdはほとんど変化していないことがわかった。
また、本実施例のトランジスタと同様の構造で、チャネル長Lが2μm、チャネル幅Wが20μmのトランジスタを作製し、ゲート電圧Vgを10V、ドレイン電圧Vdを5Vとしたとき、オン電流は、2.18×10-4Aであった。この値は、LTPSトランジスタと同等の値である。OSトランジスタにおいて、LTPSトランジスタでは困難な短チャネル長を採用することで、LTPSトランジスタと同等のオン電流を実現できることがわかった。
本実施例のトランジスタは、オン電流が高く、駆動回路部が有するトランジスタとして好適である。また、本実施例のトランジスタは、Vdが変化してもIdはほとんど変化しないため、有機ELディスプレイの画素トランジスタにも好適であり、ディスプレイの輝度劣化を抑制することができる。