JP7087321B2 - ラミネート積層体 - Google Patents
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Description
本発明で用いるポリエステルフィルムとしては、例えば、プラスチックポリエステルを溶融押出しし、必要に応じ、長手方向および/または幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルム(1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルム)を用いることができる。プラスチックポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等に代表されるポリエステル、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、寸法安定性、透明性の点でポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフタレートに他の成分を共重合した共重合体が好ましく、特に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルフィルムの透明度は、特に限定されるものではないが、透明性が求められる包装材料として使用する場合には、50%以上の光線透過率をもつものが望ましい。
またポリエステルフィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、コロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、表面粗面化処理等の表面処理が施されていてもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾等が施されてもよい。
本発明では、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12等に代表されるポリアミドフィルムをガスバリア層の基材として使用する(以下、基材フィルムと呼ぶことがある)。ポリアミド基材フィルムは、耐破袋性、耐ピンホール性の点で他の樹脂基材フィルムよりも優れている。本発明においてポリアミド基材フィルムに使用されるポリアミド樹脂としては、たとえば、ε-カプロラクタムを主原料としたナイロン6を挙げることができる。また、その他のポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタム、ω-アミノ酸、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるポリアミド樹脂を挙げることができる。具体的には、ラクタム類としては、先に示したε-カプロラクタムの他に、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、ω-アミノ酸類としては、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、9-アミノノナン酸、1,1-アミノウンデカン酸を挙げることができる。また、二塩基酸類としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2 ,6-ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸を挙げることができる。さらに、ジアミン類としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)-トリメチルヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4,4’-アミノシクロヘキシル) メタン、メタキシリレンジアミン等を挙げることができる。そして、これらを重縮合して得られる重合体またはこれらの共重合体、たとえばナイロン6、7、11、12、6.6、6.9、6.11、6.12、6T、6I、MXD6(メタキシレンジパンアミド6)、6/6.6、6/12、6/6 T、6/6I、6/MXD6等を用いることができる。加えて、本発明の蒸着前のポリアミド樹脂積層フィルムロールを製造する場合には、上記したポリアミド樹脂を単独で、あるいは、2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、科学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。上記の表面前処理は、各種の樹脂フィルムと金属酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂フィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層、その他等を任意に形成して、被覆層とすることもできる。
被覆層の形成による基材層と無機薄膜層との密着強度の向上には、コスト、衛生性の点からポリエステル樹脂の使用が好ましい。本発明に用いる共重合ポリエステル樹脂は、本来それ自身で水に分散または溶解しない本質的に水不溶性のものであり、好ましくはその分子量は5000~50000であり、その好ましい重合組成は、全酸成分に対し、芳香族ジカルボン酸60~99.5モル%、脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジカルボン酸0~40モル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸0.5~10モル%である。またこのポリエステル系樹脂として、アクリル系モノマーをグラフト共重合したアクリルグラフトポリエステル樹脂を使用することにより、膜の硬化が進み、凝集力を向上させることができるので好ましい。以下詳細に説明する。
酸-n-ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシルプロピルなど、更には良く知られた単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N-メチロ-ルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルエーテル類、N-ビニルピロリドン、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエンなどを例示することができ、これらの中から一種または複数種を選んで用いることができる。
共重合ポリエステル樹脂に対するラジカル重合性単量体のグラフト化反応の実施に際しては、溶媒に加温下溶解されている共重合ポリエステル樹脂に対し、ラジカル重合性単量体混合物とラジカル開始剤を一時に添加して行なってもよいし、別々に一定時間を要して滴下した後、更に一定時間撹拌下に加温を継続して反応を進行せしめてもよい。また、ある種のモノマーをさきに一時に添加しておいてから別種のモノマー、開始剤を別々に一定時間を要して滴下した後、更に一定時間撹拌下に加温を継続して反応を進行させることも必要に応じて行なわれる。
からイソプロピルアルコールを選定して両者を75/25の重量比で混合して得た混合溶媒系を使用し共重合ポリエステルの溶解性を調節した場合には、テトラヒドロフランの場合と全く同一のポリエステル樹脂、同一のラジカル重合性単量体組成比、同一のポリエステル/ラジカル重合性単量体比、同一の樹脂固形分で反応を行なってもグラフト化反応の進行にともなう系の増粘もゲル化も観察されない。また、それに続く水系化により良好な水系分散体を与える。このことから混合溶媒系の使用は、製造時の樹脂固形分濃度を高めることができ、製造時に使用する有機溶媒量を低減できる合理的なプロセスであることがわかる。
本発明の積層フィルムは、前記被覆層の上方に無機薄膜層が積層されている。無機薄膜層は無機酸化物からなる薄膜である。無機薄膜層を形成する材料は、薄膜にできるものなら特に制限はないが、ガスバリア性の観点から、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物(複合酸化物)等の無機酸化物が好ましく挙げられる。特に、薄膜層の柔軟性と緻密性を両立できる点からは、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物が好ましい。この複合酸化物において、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合比は、金属分の質量比でAlが20~70%の範囲であることが好ましい。Al濃度が20%未満であると、バリア性が低くなる場合があり、一方、70%を超えると、無機薄膜層が硬くなる傾向があり、印刷やラミネートといった二次加工の際に膜が破壊されてバリア性が低下する虞がある。なお、ここでいう酸化ケイ素とはSiOやSiO2等の各種珪素酸化物又はそれらの混合物であり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl2O3等の各種アルミニウム酸化物又はそれらの混合物である。
本発明においては、前記無機薄膜層の上に保護層を有する。プラスチックフィルム上に積層した無機薄膜層は完全に密な膜ではなく、微小な欠損部分が点在している。無機薄膜層上に後述する特定の保護層用樹脂組成物を塗工して保護層を形成することにより、無機薄膜層の欠損部分に保護層用樹脂組成物中の樹脂が浸透し、結果としてガスバリア性が安定するという効果が得られる。加えて、保護層そのものにもガスバリア性を持つ材料を使用することで、積層フィルムのガスバリア性能も大きく向上することになる。
ウレタン樹脂(A)は、下記ポリイソシアネート成分(B)に下記ポリオール成分(C)を、通常の方法により反応させることにより得られる。さらに、ジオール化合物(例えば1,6-ヘキサンジオール等)やジアミン化合物(例えばヘキサメチレンジアミン等)等の2個以上の活性水素を有する低分子化合物を鎖延長剤として反応させることにより鎖延長することも可能である。
ウレタン樹脂(A)の合成に用いることのできるポリイソシアネート成分(B)としては、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が含まれる。ポリイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート化合物が使用される。
ポリオール成分(特にジオール成分)としては、低分子量のグリコールからオリゴマーまで用いることはできるが、ガスバリア性の観点から、通常、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の直鎖状または分岐鎖状C2-10アルキレングリコール)、(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)等の低分子量グリコールが使用される。好ましいグリコール成分は、C2-8ポリオール成分[例えば、C2-6アルキレングリコール(特に、エチレングリコール、1,2-または1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール)等]、ジまたはトリオキシC2-3アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)であり、特に好ましいジオール成分はC2-8アルキレングリコール(特にC2-6アルキレングリコール)である。
ウレタン樹脂の酸価は10~60mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。より好ましくは15~55mgKOH/gの範囲内、さらに好ましくは20~50mgKOH/gの範囲内である。ウレタン樹脂の酸価が前記範囲であると、水分散液とした際に液安定性が向上し、また保護層は高極性の無機薄膜層上に均一に堆積することができるため、コート外観が良好となる。
本発明の積層フィルムを包装材料として用いる場合には、シーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層を含むことが必要となる。ヒートシール性樹脂層は通常、無機薄膜層側すなわち保護層面に設けられるが、基材フィルムの外側(被覆層形成面の反対側の面)に設けることもある。ヒートシール性樹脂層の形成は、通常押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂等を使用できる。ヒートシール性樹脂層の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは25μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、好ましくは80μm以下、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。厚みが20μm以下であると、生産性が悪くなる。一方、80μm以上であると、コストアップになり、また透明性も悪くなる。
本発明の積層フィルムには、ポリエステルフィルムとポリアミド基材フィルムとの間に、印刷層や他のプラスチック基材および/または紙基材を少なくとも1層以上積層していてもよい。
本発明で用いられる接着剤層は、汎用的なラミネート用接着剤が使用できる。たとえば、ポリ(エステル)ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリエチレンイミン系、エチレン-(メタ)アクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、(変性)ポリオレフィン系、ポリブタジェン系、ワックス系、カゼイン系等を主成分とする(無)溶剤型、水性型、熱溶融型の接着剤を使用することができる。この中でも、レトルト処理に耐え得る耐湿熱性と、各基材の寸法変化に追随できる柔軟性を考慮すると、ウレタン系またはポリエステル系が好ましい。上記接着剤層の積層方法としては、たとえば、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法、ロールコート法、ディップコート法、ナイフコート法、スプレーコート法、フォンテンコート法、その他の方法で塗布することができ、レトルト後に十分な接着性を発現するため、乾燥後の塗工量は1~8g/m2が好ましい。より好ましくは2~7g/m2、さらに好ましくは3~6g/m2である。塗工量が1g/m2未満であると、全面で貼り合せることが困難になり、接着力が低下する。また、8g/m2以上を超えると、膜の完全な硬化に時間がかかり、未反応物が残りやすく、接着力が低下する。
本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
実施例、比較例で得られたガスバリア層積層フィルムの保護層面とは反対側の面に、ウレタン系2液硬化型接着剤(三井化学社製「タケラック(登録商標)A525S」と「タケネート(登録商標)A50」とを13.5:1(質量比)の割合で配合)を用いて、厚さ12μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5100」)をドライラミネート法により貼り合せ、さらに積層フィルムの保護層面に、同様の接着剤を用いてヒートシール性樹脂層として厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「P1147」)をドライラミネート法により貼り合わせ、40℃で4日間エージングを施すことによって、評価用のラミネートガスバリア性積層体(以下「ラミネート積層体A」と称することもある)を得た。なお、ウレタン系2液硬化型接着剤で形成された接着剤層の乾燥後の厚みはいずれも約4μmであった。
上記(1)で作製したラミネート積層体Aについて、JIS-K7126 B法に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX-TRAN(登録商標)1/50」)を用い、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で、常態の酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の測定は、ラミネート積層体の基材フィルム側からヒートシール性樹脂層側に酸素が透過する方向で行った。他方、上記(1)で作製したラミネート積層体に対して、120℃の熱水中に30分間保持する湿熱処理を行い、40℃で2日間(48時間)乾燥し、得られた湿熱処理後のラミネート積層体について上記と同様にして酸素透過度(レトルト後)を測定した。
上記で作製したラミネート積層体Aを幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT-II-500型」)を用いてラミネート強度(常態)を測定した。なお、ラミネート強度の測定は、引張速度を200mm/分とし、実施例および比較例で得られた各積層フィルムの金属酸化物層(積層フィルム層)とナイロンフィルム層との層間に水をつけて剥離角度90度で剥離させたときの強度を測定した。
他方、上記で作製したラミネート積層体Aに対して、温度120℃の加圧熱水中に保持するレトルト処理を30分間施した後、直ちに、得られたレトルト処理後のラミネート積層体から上記と同様にして試験片を切り出し、上記と同様にしてラミネート強度(レトルト処理後)を測定した。
上記(1)で作製したラミネート積層体Aの四方を、テストシーラー(西部機械株式会社製)を用いて180℃×2kg×2秒の条件で10mm巾のシールを行い、内寸 52mm× 115mmの製袋品を作成した。前述の袋を40℃×7日間保管した後、袋を開封した直後に匂いセンサー(新コスモス電機社製XP-329IIIR)を袋の中に差し入れ、1分経過後の数値を測定し、溶剤移行性の有無を以下のように判断した。
数値800以下 :移行性○
数値800以上 :移行性×
[ポリエステル樹脂(A)]
ポリエステル樹脂として、自己架橋性無水マレイン酸をグラフト鎖として含有する水分散性アクリルグラフトポリエステル樹脂である、竹本油脂社製「AGN201」(固形分25%)を用意した。
ウレタン樹脂として、市販のメタキシリレン基含有ウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)WPB341」;固形分30%)を用意した。このウレタン樹脂の酸価は25mgKOH/gであり、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)は130℃であった。また、1H-NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対する芳香族または芳香脂肪族ジイソシアネートの割合は、85モル%であった。
シランカップリング剤として、市販の信越化学社製「(登録商標)KBM603」;固形分100%)を用意した。
ウレタン樹脂として、市販のポリエステルウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)W605」;固形分30%)を用意した。このウレタン樹脂の酸価25mgKOH/gであり、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)は100℃であった。また、1H-NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対する芳香族または芳香脂肪族ジイソシアネートの割合は、55モル%であった。
<エチレン-ビニルアルコール系共重合体溶液の調製>
精製水20.996部とn-プロピルアルコール(NPA)51部の混合溶媒に、エチレン-ビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノール(登録商標)V2603、日本合成化学社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化して得られた重合体、エチレン比率26モル%、酢酸ビニル成分のケン化度約100%、以下、EVOHと略記)15部を加え、更に濃度が30%の過酸化水素水13部とFeSO4の0.004部を添加して攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却してカタラーゼを3000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を除去し、これにより固形分15%のほぼ透明なエチレン-ビニルアルコール共重合体溶液(EVOH溶液)を得た。
<無機層状化合物分散液の調製>
無機層状化合物であるモンモリロナイト(商品名:クニピア(登録商標)F、クニミネ工業社製)4部を精製水96部中に攪拌しながら添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定にて充分に分散した。その後、40℃にて1日間保温し固形分4%の無機層状化合物分散液を得た。
<添加剤>
塩酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業社製、商品名;ジルコゾール(登録商標)ZC-20、固形分20%)
<塗工液(E)の調製>
混合溶剤A(精製水40%とn-プロピルアルコール60%からなる溶剤)62.30部に、EVOH溶液を31.75部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95部を添加した。この混合液100部に対して、3部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。以上の操作から得られた混合液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97部に対して塩酸化ジルコニウム0.75部と、混合溶剤A2.25部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し、固形分5%の保護層用塗工液3を得た。
カルボジイミド系架橋剤として、市販の日清紡社製「カルボジライト(登録商標)SV-02」;固形分40%)を用意した。
テトラエトキシシランを0.02mol/Lの塩酸で加水分解した溶液をけん化度99%、重合度2400のポリビニルアルコール樹脂(PVA)の5重量%水溶液に、重量比でSiO2/PVA=60/40となる割合で加え、ガスバリア性保護層溶液(G)とした。
(1)被覆層に用いる塗工液1の調製
下記の塗剤を混合し、塗工液1を作成した。ここでポリエステル樹脂(A)の固形分換算の質量比は表1に示す通りである。
水 33%
イソプロパノール 7%
ポリエステル樹脂(A) 60%
下記の塗剤を混合し、塗工液2を作成した。ここでウレタン樹脂(B)の固形分換算の質量比は表1に示す通りである。
水 30%
イソプロパノール 30%
ウレタン樹脂(B) 40%
ポリカプロアミドをスクリュー式押出し機で260℃に加熱溶融し、Tダイよりシート状に押出し、次いで、この未延伸シートを加熱ロールと冷却ロールの間で、80℃で3.3倍縦延伸した。そして、得られた一軸延伸フィルムの片面に,上記塗布液1をファウンテンバーコート法により塗布した。次にテンターに導き、120℃で4.0倍横方向に延伸後、215℃で熱固定を行い、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムに0.075g/m2の被覆層が形成された積層フィルムを得た。
上記(3)で得られたフィルムの被覆層形成面に、無機薄膜層として二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物層を、電子ビーム蒸着法により形成した。蒸着源としては、3mm~5mm程度の粒子状のSiO2(純度99.9%)およびAl2O3(純度99.9%)を用いた。ここで複合酸化物層の組成は、SiO2/Al2O3(質量比)=70/30であった。またこのようにして得られたフィルム(無機薄膜層/被覆層含有フィルム)における無機薄膜層(SiO2/Al2O3複合酸化物層)の膜厚は13nmであった。このようにして被覆層および無機薄膜層を備えた蒸着フィルムを得た。
上記(2)で調製した塗工液2をグラビアロールコート法によって(4)で得られた蒸着フィルムの無機薄膜層上に塗布し、190℃で乾燥させ、保護層を得た。乾燥後の塗布量は0.27g/m2(Dry)であった。
以上のようにして、基材フィルムの上に被覆層/無機薄膜層/保護層を備えたポリアミド基材積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、上記の通り、ラミネート積層体を作製して酸素透過度、ラミネート強度、溶剤移行性を評価した。結果を表1に示す。
保護層形成用の塗工液を調製するにあたり、基材の種類、樹脂の配合量、付着量および種類を表1に示す通りとなるよう変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムおよびラミネート積層体を作製し、酸素透過度、ラミネート強度、および引裂き強度、および溶剤移行性を評価した。結果を表1に示す。
Claims (4)
- ポリエステルフィルム、ポリアミド基材積層フィルム、ヒートシール性樹脂がラミネートされてなるラミネート積層体であって、前記ポリアミド基材積層フィルムは、前記ポリアミド基材フィルムの少なくとも片面には、被覆層、無機薄膜層および保護層が、他の層を介して又は介さずにこの順に積層されてなる積層フィルムであって、前記被覆層はポリエステル樹脂を含んでおり、前記保護層はメタキシリレン基を含有するウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂の酸価が10~60mgKOH/gの範囲内、ガラス転移温度が120℃以上であることを特徴とするラミネート積層体。
- 前記保護層がケイ素系架橋剤またはカルボジイミドの少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1に記載のラミネート積層体。
- 前記被覆層に含有されるポリエステル樹脂が無水マレイン酸グラフトポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のラミネート積層体。
- 前記無機薄膜層が、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物からなる層である請求項1~3のいずれかに記載のラミネート積層体。
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