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JP7084387B2 - 修飾インジゴ化合物及び修飾インジゴ化合物を使用して基材を染色する方法 - Google Patents

修飾インジゴ化合物及び修飾インジゴ化合物を使用して基材を染色する方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2016年6月22日に出願された米国仮特許出願第62/353,193号の優先権を主張し、引用によりその全内容を本明細書に援用する。
本発明は、修飾インジゴ化合物及びそれらの使用方法に関する。
インジゴにより染色された布地、特にデニム布地は、達成可能な広範囲のシェード(shades)と、経時的に変化することにより特色が出る布地の能力のために、消費者にとって望ましい。しかしながら、デニム布地用の綿糸のインジゴ染色は、主に、インジゴ化合物による染色の課題のために、困難なプロセスである。例えば、インジゴは、ほとんどの溶媒に難溶性であり、綿に対する親和性が低い。インジゴは化学構造式:
Figure 0007084387000001
により表される。
インジゴは水に不溶性である。したがって、インジゴを用いて染色するには、インジゴを、まず、強力な還元剤、例えばハイドロサルファイトナトリウムなどにより還元することによって、インジゴをロイコインジゴ又はホワイトインジゴとして知られている可溶性化合物に転化させる。ロイコインジゴは化学構造式:
Figure 0007084387000002
により表される。
典型的にはロープ又はシートの形態の綿糸は、次に、ロイコインジゴを含有する染浴に浸漬される。例えば、一貫した染め色を得るために、例えば、ロイコインジゴの濃度が正確に保たれた染浴中に浸漬することによって、糸を染料溶液と接触させなければならない。もし染浴中のロイコインジゴの濃度が厳密な許容範囲内に保たれないと、得られる染色糸は望ましくないむらを含むであろう。綿糸が取り出されると、ロイコインジゴは、大気中の酸素と迅速に反応して鮮やかに着色した不溶性のインジゴに戻る。ロイコインジゴは綿に対する親和性が低いため(及び、糸の芯を未染色のままにしておくのが一般的に望ましいことから、糸を染浴中に長時間浸すことは非現実的であるため)、この染色及び酸化プロセスは、典型的には、所望の浸透深さとインジゴのシェードを得るために何度も繰り返される。さらに、ロイコインジゴは水への溶解度が比較的低く、綿に対する親和性が限られているため、ロイコインジゴを含有する染浴を用いた染色は、一般的に、染浴中のロイコインジゴの濃度が極めて低いままであることを必要とする。
しかしながら、ロイコインジゴは酸素の存在下で非常に不安定であるため、染浴は、不溶性インジゴへのロイコインジゴの転化を妨げる条件下に常に維持されなければならない。従って、染浴は、不溶性インジゴへのロイコインジゴの転化を妨げる、かなりの濃度の還元剤、例えば、ハイドロサルファイトナトリウムなどを含有しなければならない。ロイコインジゴの溶解度を改善するために、染浴は、かなりの量のpH調整剤、例えば水酸化ナトリウムなども含まなければならない。pH調整剤によって、染浴は、高いpH、例えば約11~13のpHに保たれる。多くのプロセスにおいて、染浴は、また、例えば、綿糸を浸漬する機械的動作(それ自体が浴中に酸素を導入する)の間などで、染浴と接触する酸素の量を減らすために、泡で覆われる。一貫した染め色を達成するために、染浴中のこれらの薬剤の各々の濃度を非常に狭い範囲内に保つことが重要であるが、これを連続染色プロセスの期間にわたって維持することは困難である。
染色プロセスを複雑にすることに加えて、ロイコインジゴの使用は、多くの追加費用ももたらす。例えば、染色プロセスからの廃水は、典型的には、多量のハイドロサルファイトナトリウム還元剤によって生じた高レベルの硫酸ナトリウムを含む。高濃度のこの塩のために、廃水を再生することは困難である。したがって、染色プロセスは大量の水を使用し、大量の廃水を生じる。染浴中の還元剤の量を減らすために、予め還元されたロイコインジゴ(往々にして、単に予備還元インジゴとも称される)が、往々にして使用される。しかしながら、予備還元ロイコインジゴ原料は、染浴に導入される前に窒素ブランケット下に保たれる必要があるため、予備還元ロイコインジゴ原料のコストが増大する。
インジゴ染色プロセスの複雑な性質のために、インジゴによる綿糸の泡染色も研究されてきた。泡染色は、水性染料を泡に変換し、次に、例えば加圧下で噴霧することなどによって、一貫した均一な染め色をもたらす制御された条件下で泡を基材に適用する方法である。しかしながら、典型的な泡は大部分が空気であるため、水溶性のロイコインジゴはこの空気中に存在する酸素と反応して不溶性インジゴを生成するので、インジゴによる泡染色は困難であることが証明されている。したがって、泡を発生させるために窒素又は他の不活性ガスを使用しなくてはならない。もちろん、酸素フリー雰囲気中で泡染色法を実施することはそれ自身の課題を提示する。
部分的にこれらの課題のために(並びに糸の取扱い及び一貫性に課題のために)、インジゴ泡染色は、布地の染色のために調査されてきたが、まだ織編用糸(textile yarn)の染色に商業的に使用されていない。織編用糸の走行するシートを泡染色する方法の一実施形態が米国特許出願公開第2013/0283545号にある。
従来のインジゴ染色では、綿糸を、ロイコインジゴ(可溶性及び還元型のインジゴ)の浴中に順次浸漬する。インジゴをロイコ状態に還元してインジゴを比較的水溶性にするために、高アルカリ濃度pH 11+と強力な還元剤が使用される。ロイコインジゴが酸化してインジゴに戻るのを防ぐために、追加のアルカリ及び還元剤が染浴に加えられる。インジゴは、還元するのが難しいだけでなく、還元状態及び可溶性を保つことも難しい。ロイコインジゴは空気に非常に敏感であり、空気にさらされると非常に迅速に不溶性インジゴに戻る。
溶解性に必要とされる染浴の高いpHは、ロイコインジゴ及び綿の両方に負の反発電荷を与え、綿に対する親和性を低くし、少量の可溶性ロイコインジゴのみが浴から綿に移行する。染浴を出た後、糸は空中に持ち上げられ-染浴から引き上げられ、インジゴに戻るように空気酸化される。これによって、染浴から糸上に染料が「固着」し、そして、部分的に機械的捕捉によって綿に結合する。染料が固着したら、さらなる浸漬及びスカイイングにより、より多くのロイコインジゴを糸に付加することができる。このプロセスは、必要なシェードを形成するために多数回(約6~8回)繰り返される。より少ない浸漬(理想的には1回)で染色することが好ましいであろうが、これは、ロイコインジゴと綿との間により高い親和性を必要とするであろう。ハイドロサルファイトナトリウムのような染色プロセスで使用される補助化学物質を最低限に抑える又は排除することも好ましいであろう。
当技術分野で必要とされているものは代替のインジゴ化合物である。
本出願は、添付の図面と併せて読むとよりいっそう理解が深まる。主題を説明するために、図面に主題の例示的な実施形態が示されている。しかしながら、本明細書に開示されている主題は、開示されている特定の組成物、方法、装置及びシステムに限定されない。さらに、図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
図1は、ジメチルスルホキシド中での化合物17の紫外-可視(UV-Vis)スペクトルである。 図2は、水中での化合物4のUV-Visスペクトルである。 図3は、室温で1日間及び2日間貯蔵された後の、水中の希釈3%化合物8のUV-Visスペクトルである。 図4は、メタノール中での化合物2のUV-Visスペクトルである。 図5は、メタノール中での化合物6のUV-Visスペクトルである。 図6は、ジメチルスルホキシド中でのインジゴのUV-Visスペクトルである。 図7は、メタノール中での化合物35のUV-Visスペクトルである。 図8は、メタノール/水中での化合物37のUV-Visスペクトルである 図9は、水中での化合物41のUV-Visスペクトルである。 図10は、空気安定性を調べるために、水に溶解され、次いで異なる条件下で8℃で1日間貯蔵された化合物8のUV-Visスペクトルである。 図11Aは、室温で貯蔵された0.01wt.%の化合物8の水溶液について、2日間かけて得られたUV-Visスペクトルである。図11Bは、室温で貯蔵された0.01wt.%の化合物8の水溶液について、5日間かけて得られたUV-Visスペクトルである。 図12は、0.1M NaCl(水溶液)を含有し、室温で貯蔵された、0.01wt.%の化合物8の水溶液について、5日間かけて得られたUV-Visスペクトルである。5日間で、最初の化合物の9%がインジゴに転化した。 図13は、化合物8についての、2つの条件での分解の相対速度を示すグラフである。 図14は、室温で貯蔵され、各日でかせ染色に使用された、0.6wt.%の化合物8の水溶液についての、3日間かけて得られたUV-Visスペクトルである。 図15は、室温での貯蔵時間の関数としての、水中での化合物4のUV-Visスペクトルであり、化合物8と比較した相対的不安定性を示している。 図16は、ロイコインジゴの水性原液を蒸留水で希釈した後に得られた溶液のUV-Visスペクトルである(詳細については表1を参照)。 図17は、化合物8を使用して染色したパッケージ染色糸を使用して織られた3×1ツイル綿布の画像である。 図18Aは、化合物8(左)又はインジゴ(右)のいずれかにより染色され、続いて米国繊維化学技術及び染色技術協会(American Association of Textile Chemists and Colorists(AATCC))の洗濯堅牢度試験の2Aに1サイクルかけられたポリエステル糸の画像である。図18Bは、化合物8により染色された後に家庭用洗濯機に1回かけられたポリエステル及び綿編み靴下の画像である。 図19は、ロイコインジゴ、化合物8(C8)又は化合物35(C35)のいずれかにより染色された精練及び未精練の綿かせについての色測定データを示すグラフである。 図20A~20Cは、化合物8により染色された3×1ツイル綿布の画像である。図20Aは、100℃に4分間さらされた染色布の画像である。図20Bは、150℃に4分間さらされた染色布の画像である。図20Cは、180℃に4分間さらされた染色布の画像である。 図21は、1M NaOH(水溶液)で前処理され、3wt.%溶液を使用して化合物8により染色され、1M NaOH(水溶液)を使用して加水分解され、水ですすがれ、乾燥された綿かせの画像である。下側のかせの場合には、大気水蒸気(atmospheric steam)を使用してインジゴへの変換を実施した。 図22は、化合物8の3wt.%水溶液を使用してマスクの助けを借りてエアブラッシングされた3×1ツイル綿布の画像である。 図23は、化合物8を含有する染浴の濃度を変えることによって制御した染色された綿かせについてのシェードの深みを示す画像である。 図24A及び24Bは、化合物8のシェードの深みが、リング染色を保持したまま染浴の濃度を変えることによって制御されることを示す画像である。 図25は、化合物8を使用して染色された綿かせの断面の画像である。 図26は、2回の連続染色サイクルで化合物8により染色された綿かせの画像である。 図27は、実験室規模のロープ染色装置を使用して化合物8により染色されたリング染色綿ロープの画像である。 図28Aは、水中での溶解度試験から化合物8について予測された濃度に対する実際の濃度の折れ線グラフである。図28Bは、予測された濃度の関数としての、遠心分離中に除去された未溶解固形分パーセントの折れ線グラフである。 図29Aは、水中での溶解度試験から化合物35について予測された濃度に対する実際の濃度の折れ線グラフである。図29Aは、予測された濃度の関数としての、遠心分離中に除去された未溶解固形分パーセントの折れ線グラフである。 図30Aは、水中での溶解度試験から化合物37について予測された濃度に対する実際の濃度の折れ線グラフである。図30Bは、予測された濃度の関数としての、遠心分離中に除去された未溶解固形分パーセントの折れ線グラフである。 図31Aは、水中での溶解度試験からの化合物41について予測された濃度に対する実際の濃度の折れ線グラフである。図31Bは、予想濃度の関数としての、遠心分離中に除去された未溶解固形分パーセントの折れ線グラフである。 図32は、化合物8を含有するスクリーン印刷インキを用いてスクリーン捺染された、染色のために作製した3×1ツイル綿布である。
本開示は、基材を染色するのに使用するための染料化合物であって、インジゴの化学構造上に1つ又は2つ以上の修飾を有するインジゴ誘導体又はその塩を含み、インジゴ誘導体は、還元剤の不在下及び酸素の存在下で0.2%w/vを超える水溶解度を有し、修飾を除去することによってインジゴに転化し、インジゴの化学構造が以下:
Figure 0007084387000003
のとおりである、染料化合物を提供する。
本開示は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、又はそれらの塩も提供する。
Figure 0007084387000004
ここで、R~R、R、R、n及びmは本明細書で定義される。
本開示は、(i)本明細書に記載の1種又は2種以上の化合物と、(ii)水とを含む組成物も提供する。
本開示は、さらに、(i)本明細書に記載の1種又は2種以上の化合物と、(ii)前記化合物をインジゴに変換する試薬又は装置とを含むキットも提供する。
本開示は、さらに、本明細書に記載の化合物を水と混合することを含む、基材を染色するための浴を調製する方法を提供する。
本開示は、(i)テキスタイルを水性浴及び本明細書に記載の化合物と接触させること、及び(ii)工程(i)の化合物を加水分解することを含む、基材を染色する方法も提供する。
本開示は、さらに、本明細書に記載の方法に従って製造された染色基材を提供する。
本発明の他の態様及び実施形態は、本発明の以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
例示的な実施形態の詳細な説明
本開示の実施形態は、ロイコインジゴの代わりに修飾インジゴ化合物を使用して、例えば綿糸などの基材をインジゴ染色するための改良された方法に関する。この方法は、従来のインジゴ染色法に勝る多くの利点を提供する。例えば、ロイコインジゴとは対照的に、修飾インジゴ化合物は酸素の存在下で安定である。したがって、大気中の酸素との接触によって、修飾インジゴ化合物はインジゴに転化しない。そのため、修飾インジゴ化合物は、例えば還元剤を使用することなどによって、染料を大気中の酸素との接触から保護することなく、従来の浸漬又は泡糸染色プロセスを用いて糸を染色するのに適している。
本発明者らは、インジゴ又はロイコインジゴの修飾が、綿に対するその親和性を高め、多数回の浸漬、染浴中での還元剤の使用、又は糸を空中に持ち上げる必要性のうちの1つ以上の必要性を潜在的になくすことができることを見出した。
好ましくは、この修飾は、環境に優しく、そして原子効率がよい。この修飾は、また、糸上に標準的なインジゴを残すために単純な試薬又は条件にさらされたときに、迅速かつ完全に除去可能である。
したがって、本開示の実施形態の染色方法は、染浴中に還元剤を必要とせずに実施することができる。そのため、染料溶液中の還元剤の量を著しく減少させることができ、あるいは、より好ましくは、還元剤を染料溶液から完全に排除することができる。
修飾インジゴ化合物の酸素安定性も、この染料を、泡染色プロセスが行われる雰囲気と実質的に接触する泡染色プロセスにとって非常な有利なものにせしめる。一つには、空気中でのロイコインジゴの不安定性のために、インジゴによる織編用糸の泡染色はまだ商業的に開発されていない。これは、少なくとも部分的には、ロイコインジゴを含有する泡を糸に適用するために必要とされる大量の不活性ガスによる。対照的に、修飾インジゴ化合物は、空気中で、すなわち不活性ガス環境を必要とせずに行われる泡染色プロセスによって、織編用糸に適用することができる。
本開示の修飾インジゴ化合物は加水分解によりインジゴに転化する傾向があるため、水との接触は、本開示の修飾インジゴ化合物が水不溶性インジゴに転化し始めることをもたらすことがある。染色プロセスは、好ましくは、糸を、修飾インジゴ化合物を含有する水溶液と接触させることを含むため、水溶液中の修飾インジゴ化合物の安定性は商業的に重要である(例えば染浴の維持のために)。特に、本開示の修飾インジゴ化合物は、インジゴへの実質的な転化が起こる前に、商業的にかなりの量の時間、水溶液中に残存することができる。
いくつかの実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中(室温)に少なくとも5分間留まる。他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも10分間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴ化合物への実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも30分間留まる。さらに他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも1時間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも3時間留まる。他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも10時間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも15時間留まる。さらに他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも20時間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも1日間留まる。他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも1日半の期間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも2日間留まる。さらに他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも3日間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも5日間留まる。他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも1週間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも10日間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも2週間留まる。さらに他の実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも3週間留まる。さらなる実施形態において、本開示の修飾インジゴ化合物は、水不溶性インジゴへの実質的な転化が起こる前に、水溶液中に少なくとも1ヶ月間(すなわち30日間)留まる。
修飾インジゴ化合物はまた、従来のロイコインジゴと比較して改善された水溶性を有することができる。
本開示の修飾インジゴ化合物はまた、ロイコインジゴと比較した場合に増大した水溶解度を有する。したがって、当該修飾インジゴ化合物を用いて糸を染色することは、従来の染色方法と比較して、接触時間当たりより多くのインジゴ染料を糸上に配置することができる方法を提供する。このようにして、本開示の修飾インジゴ化合物を使用することによって、1回の浸漬当たりに糸が染浴中で費やす時間量及び/又は糸がかけられる浸漬の回数を減らすことによって、プロセスの速度、ひいてはアウトプットを増加させることができる。さらに、従来のロイコインジゴ染料浴を使用したときに必要とされるものよりも比較的短い接触時間及び/又はより少ない浸漬回数を使用して、より濃いインジゴ染め物を得ることができる。いくつかの実施形態において、例えば、水性染料溶液中の修飾インジゴ化合物の濃度は、少なくとも0.3wt.%、少なくとも0.5wt.%、少なくとも0.6wt.%、少なくとも0.8wt.%、少なくとも1wt.%、少なくとも2wt.%、少なくとも3wt.%、少なくとも5wt.%、少なくとも10wt.%、少なくとも15wt.%、又は少なくとも20wt.%であることができる。
本開示の修飾インジゴ化合物の改善された水溶性は、また、プロセスを単純化し、それによって、染浴が制御され、より具体的には、修飾インジゴ化合物が染浴中で実質的に一定の濃度に維持される。これは、ひいては、追加の化学物質を含めることが最低限に抑えられ、コストの削減と環境負荷の低減をもたらす。
上記のように、本明細書で開示される修飾インジゴ化合物は、(a)ロイコインジゴよりも高い酸素安定性(例えば室温で測定できる)及び(b)ロイコインジゴよりも高い水溶性(例えば室温で測定できる)の有益な組み合わせを有する。いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物は、さらに、(c)綿に対してロイコインジゴよりも高い親和性を有することができる。
本開示において、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の言及を含み、そして文脈が明らかにそうでないと示さない限り、特定の値への言及は少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「1種の材料」への言及は、当業者に知られている、そのような材料の少なくとも1種とその等価物などへの言及である。
ある値が「約」又は「実質的に」という記述子の使用による近似値として表現される場合、その特定の値が別の実施形態を成すことが理解されるだろう。一般的に、用語「約」又は「実質的に」の使用は、開示された主題によって得ようとする所望の特性に応じて変わり得る近似値を示し、その機能に基づいて、それが使用される特定の文脈で解釈されるべきである。当業者は、これを日常的な問題として解釈することができるであろう。場合によっては、特定の値に使用される有効数字の数は、単語「約」又は「実質的に」の程度を決定する1つの非限定的な方法であり得る。他の場合では、一連の値で使用される段階的変化を使用して、各値について用語「約」又は「実質的に」に利用可能な意図された範囲を決定することができる。存在する場合、すべての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。すなわち、範囲内に記載された値への言及は、その範囲内のあらゆる値を含む。
あるリストが提示された場合、特記しない限り、そのリストの各個々の要素及びそのリストのあらゆる組み合わせは、別々の実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、「A、B、又はC」として提示された実施形態のリストは、実施形態、「A」、「B」、「C」、「A又はB」、「A又はC」、「B又はC」又は「A、B、又はC」を含むと解釈されるべきである。
明確にするために本明細書で別々の実施形態の文脈で記載されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。すなわち、明らかに不適合又は除外されない限り、各個々の実施形態は他の任意の実施形態と組み合わせることができるとみなされ、そのような組み合わせは別の実施形態であると見なされる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴は、別々に又は任意のサブコンビネーションで提供することもできる。さらに、特許請求の範囲は、いかなる任意選択の要素も除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。そのため、この記載は、請求項に記載の要素の列挙又は「否定的な」限定の使用に関連して「単独で」、「のみ」などのような排他的用語の使用の先行詞として役立つことを意図する。最後に、実施形態は一連のステップの一部又はより一般的な構造の一部として説明することができるが、各ステップはそれ自体独立した実施形態と見なすこともできる。
I.化合物
当該技術分野における問題を解決するために、本発明者らは、現行の染色プロセスにおけるよりも綿に強く結合しやすく、水溶性であり、染色後の1つの単純な工程でインジゴに転化することができ、費用効率が高くもしくは現行のプロセスに対し費用の節約をもたらし、ロイコインジゴよりも安定であり、及び/又は標準的なインジゴとは異なって水に容易に溶解し、そしてスカイイングなしに迅速かつ容易に転化してインジゴに容易に戻る修飾染料分子を開発した。
さらに、修飾染料分子による糸の芯染色が可能であり、制御可能であり;製造水と廃水が大幅に削減され;プロセスに必要な化学物質が削減され;分子、補助化学物質及び排水が標準的な排水処理プロセスに適しているようであり;修飾がいくつかの簡単なステップでインジゴに導入され;安定であり;その分子はその修飾された形態で染色工場に供給されることができ;還元剤が必要でない。かかる利点は、以下に論じるものを含む全ての形態の染色を用いて集めることができる。
本開示は、基材を染色するのに使用するための染料化合物を提供する。当該染料化合物は、インジゴの化学構造上に1つ又は2つ以上の修飾を有するインジゴ誘導体又はその塩を含む。本発明者らは、これらの化合物が加水分解によってインジゴに転化することを見出した。いくつかの実施形態において、加水分解は、加水分解剤、熱、水蒸気又はそれらの組み合わせを使用して達成される。有利には、これらの化合物は、例えば水溶液中などの酸化剤の存在下で実質的に安定であることが見出された。この性質をロイコインジゴは共有していない。好ましくは、当該化合物は、酸素の存在下で実質的に安定であることが見出された。これらの化合物は、例えばロイコインジゴなどの他のインジゴ誘導体よりも空気中でより安定であることも見出された。
用語「実質的に安定」は、当該化合物がその構造及びその特性を維持する能力を指す。いくつかの実施形態において、当該化合物の安定性は、還元されず、酸化されず、又は本明細書で論じる組成物又は方法の別の成分と反応することなく維持される。他の実施形態において、当該化合物はその水溶性を維持するため、安定である。さらなる実施形態において、当該化合物はインジゴに転化しないため、安定である。望ましくは、水溶液中の化合物の約50wt.%未満、例えば約45wt.%未満、約40wt.%未満、約35wt.%未満、約30wt.%未満、約25wt.%未満、約20wt.%未満、約15wt.%未満、約10wt.%未満又は約5wt.%未満などが、還元剤の不在下、大気条件下で、約12時間で分解する。分解は、限定するわけではないが、ガスクロマトグラフィー、紫外可視分光光度法、核磁気共鳴、質量分析又はそれらの組み合わせなどの、化合物を定量することができる任意の分析技術を用いて測定することができる。いくつかの実施形態において、水溶液中の化合物の約0.001~約50wt.%、約0.001~約45wt.%、約0.001~約40wt.%、約0.001~約35wt.%、約0.001~約30wt.%、約0.001~約25wt.%、約0.001~約20wt.%、約0.001~約15wt.%、約0.001~約10wt.%又は約0.001~約5wt.%が、還元剤の不在下、大気条件下で、約12時間で分解する。さらなる実施形態において、水溶液中の化合物の0.001~約5wt.%が、還元剤の不在下、大気条件下で、約12時間の期間で分解する。
本発明者らは、本明細書に記載の化合物がインジゴよりも高い水溶解度を有することも見出した。いくつかの実施形態において、当該染料化合物は約0.2%w/v以上の水溶解度を有する。好ましい実施形態において、この水溶解度は、還元剤の不在下で約0.2%w/v以上である。他の好ましい実施形態において、この水溶解度は、酸素の存在下で約0.2%w/v以上である。さらなる実施形態において、この水溶解度は、約10~約100%w/v、約20~約100%w/v、約30~約100%w/v、約40~約100%w/v、約50~約100%w/v、約60~約100%w/v、約70~約100%w/v、約80~約100%w/v、約90~約100%w/v、約95~約100%w/v、約98~約100%w/v、約99~約100%w/v又は約100%w/vである。本明細書に記載の化合物の水溶解度は、限定するわけではないが、撹拌しながら溶解した後、遠心分離、濾過することにより可溶性固形分を単離することなどの、当業者に公知の技術を用いて測定することができる。次いで、不溶性固形分を乾燥し、秤量し、そして、溶解度を計算する。
本明細書で使用される用語「インジゴ」は、以下の化合物を指す。
Figure 0007084387000005
同様に、用語「ロイコインジゴ」は「インジゴホワイト」と互換的に用いられ、以下の化合物を指す。いくつかの実施形態において、ロイコインジゴは中性形態で存在する。
Figure 0007084387000006
ロイコインジゴは、脱プロトン化された形態、例えば一方又は両方の酸素原子上で脱プロトン化された形態などでも存在することができる。したがって、用語「ロイコインジゴ」は、以下のモノナトリウム、モノカリウム、モノリチウム、ジナトリウム、ジカリウム又はジリチウム類似体などのアニオン及びジアニオン形態を包含することがある。
Figure 0007084387000007
したがって、1つ又は2つ以上の修飾は、その修飾を欠いている染料誘導体の水溶性を高めるように設計されている。本明細書で使用される用語「増強する」は、本明細書で定義されるように、修飾を欠いている色素誘導体の溶解性を改善すること、基材に対するインジゴ化合物の親和性を改善すること、修飾の除去によってインジゴに転化するインジゴ化合物を提供すること、又はそれらの組み合わせを意味する。いくつかの実施形態において、修飾は加水分解によって除去される。
いくつかの実施形態において、修飾はインジゴ誘導体の水溶性を高める。修飾は、インジゴ骨格又はインジゴ誘導体上の任意の位置で行われる。いくつかの実施形態において、1つ又は2つ以上の修飾は、インジゴ又はインジゴ誘導体上の置換基である。他の実施形態において、置換基は、1つ又は2つ以上の炭素原子上にある。さらなる実施形態において、置換基は、一方又は両方の窒素原子上にある。さらに他の実施形態において、置換基は、一方又は両方の酸素原子上にある。修飾は、当業者により選択されることができ、修飾としては、限定するわけではないが、アシル、アルキル、アルコキシ、アミド、アミン、酸無水物、アリール、カーバメート、CN、シクロアルキル、エステル、ハライド、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、イミン、メシラート、NO、オキシム、スルホネート、トシレート又は尿素が挙げられ、各置換基は任意に置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、修飾は、軸を中心に回転対称であるインジゴ化合物をもたらす。他の実施形態において、修飾は、軸を中心に回転非対称であるインジゴ化合物をもたらす。しかしながら、この修飾は、(E)-3,3’-(3,3’-ジオキソ-[2,2’-ビインドリン-1,1’-ジイル]-1,1’-ジカルボニル)ビス(1-メチルピリジン-1-イウム)のメチルスルホネート塩ではない染料化合物をもたらす。
本明細書で使用される用語「wt.%」又は「質量%」は、溶液の総質量に基づく、言及した化合物の質量を指す。例えば、0.01wt.%の化合物Aを含有する水溶液中の化合物Aの量は、水溶液中の成分の総質量に基づく。
用語「アルキル」は、本明細書において、直鎖飽和脂肪族炭化水素基及び分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を指すために使用される。一実施形態において、アルキル基は、1~約10個の炭素原子を有する、すなわち、C1-10アルキルである。別の実施形態において、アルキル基は、1~約6個の炭素原子を有する、すなわちC1-6アルキルである。さらなる実施形態において、アルキル基は、1~約4個の炭素原子を有する、すなわちC1-4アルキルである。アルキルは、置換されていなくても、あるいは、本明細書に記載のように置換されていてもよい。置換基の安定性及び原子価によって許容される場合、置換基は任意の炭素原子上に存在することができる。いくつかの例では、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル又はデシルである。
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、結合点が酸素原子を介しており、アルキル基が上で定義したものであるO-(アルキル)基を指す。いくつかの例では、アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ又はデコキシである。
「エステル」は、-COOR基を指し、C原子を介して結合している。Rとしては、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アシル」は、C原子を介して結合している-C(O)R基を指す。Rとしては、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「カルボキシル」とは、C原子を介して結合している-C(O)OH基を指す。
「アミン」は、N原子を介して結合している-NH、-NHR又は-NRを指す。各Rとしては、独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アミド」は、C原子を介して結合している-C(O)NR基を指す。各Rとしては、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「スルファート(sulfate)」は、S原子を介して結合している-SOR基を指す。各Rとしては、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「スルホナート(sulfonate)」は、S原子を介して結合している-SOR基を指す。各Rとしては、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「カーバマート(carbamate)」は、O原子を介して結合している-OC(O)NR基を指す。各Rとしては、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「尿素」は、N原子を介して結合している-NRC(O)NR基を指す。各Rとしては、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「イミン」は、C原子を介して結合している-C(R)=NR基を指す。Rとしては、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「オキシム」は、C原子を介して結合している-C(R)=NOH基を指す。Rとしては、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「チオエーテル」は、C原子を介して結合している-SR基を指す。Rとしては、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「酸無水物」は、C原子を介して結合している-C(O)OC(O)Rを指す。Rとしては、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ハロゲン」及び「ハライド」は互換的に使用され、Cl、Br、F又はI基を指す。
「シクロアルキル」は、炭素及び水素を含有し、飽和又は部分的に不飽和していてもよい単環式又は多環式基を指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~約12個の環原子を含む、すなわち、C3-12シクロアルキルである。他の実施形態において、シクロアルキル基は、3~約8個の環原子を含む、すなわち、C3-8シクロアルキルである。さらなる実施形態において、シクロアルキル基は5~約7個の環原子を含む、すなわちC5-7シクロアルキルである。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、置換されていなくても、あるいは、本明細書に記載のように置換されていてもよい。置換基の安定性及び原子価によって許容される場合、置換基は任意の炭素原子上に存在することができる。
「ヘテロシクリル」は、3~12個の炭素原子と、窒素、酸素又は硫黄である1~6個のヘテロ原子とを含む飽和環、すなわちC3-12ヘテロシクリルを指す。ヘテロシクリルは、縮合環系又は橋かけ環系を含んでいてもよい、単環式、二環式、三環式又は四環式の環である。ヘテロシクリル中のヘテロ原子は任意に酸化されていてもよい。ヘテロシクリルは、環(1つ又は複数)の任意の原子を介して分子の残りの部分に結合していてもよい。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは3~約18個の環原子を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、4~約8個の環原子を含む。他の実施形態において、ヘテロシクリル基は、5~約7個の環原子を含む。いくつかの好ましい実施形態において、ヘテロシクリルとしては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、モノサッカリジル、例えば、テトラヒドロピラニル(グルコース)など、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これら限定されない。ヘテロシクリルは、置換されていなくても、あるいは、本明細書に記載のように置換されていてもよい。置換基の安定性及び原子価によって許容される場合、置換基は炭素原子又はヘテロ原子上に存在することができる。
用語「アリール」は、橋かけ環系、スピロ環系及び/又は縮合環系を包含する6~15員単環式、二環式又は三環式炭化水素環系であって、複数の環のうちの少なくとも1つの環が芳香族である環系を指す。アリール基は、6個(すなわち、フェニル)又は約9~約15個の環原子、例えば、約6~約8個の環原子又は約9~約11個の環原子を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、アリール基としては、ナフチル、インダニル、インデニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル、及び6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリールは、置換されていなくても、あるいは、本明細書に記載のように置換されていてもよい。置換基の安定性及び原子価によって許容される場合、置換基は任意の炭素原子上に存在することができる。
本明細書で使用される用語「アリールオキシ」は、結合点が酸素原子を介しており、アリール基が上で定義したものであるO-(アリール)基を指す。いくつかの例では、アルキルはフェノキシ又はナフトキシである。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1つ又は2つ以上の環ヘテロ原子を含む5~18員不飽和又は部分不飽和基(例えば、C5-18ヘテロアリール)を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、単環式、二環式、三環式又は四環式である。他の実施形態において、ヘテロアリール中のヘテロ原子は任意に酸化されている。ヘテロアリールは、環(1つ又は複数)の任意の原子を介して分子の残りの部分に結合していてもよい。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、3~約18個の環原子を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、4~約8個の環原子を含む。他の実施形態において、ヘテロアリール基は、5~約7個の環原子を含む。ヘテロアリールの例としては、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラザニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジリル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアピラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、及びチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールはピリジルである。他の実施形態において、ヘテロアリールはイミダゾールである。ヘテロアリールは、置換されていないか、あるいは、本明細書に記載のように置換されていてもよい。置換基の安定性及び原子価によって許容される場合、置換基は炭素原子又はヘテロ原子上に存在することができる。例えば、イミダゾールの1個のN原子が置換されていてもよい。さらに、任意の利用可能な炭素原子が酸素に二重結合していてもよい。すなわち、炭素原子はオキソ(=O)基又はホルミル基(CH=O)を含む。
「置換された」は、言及した基が、結合している1つ又は2つ以上のさらなる基、ラジカル又は部分を有し得ることを意味する。かかる基としては、独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CN、ハライド、NO、SOR(式中、Rは、H、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばSOH又はSOCl、C(O)OR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、OC(O)OR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばOCOアルキルなど、OC(O)R(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばOC(O)アルキルなど、PO(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、NR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、又は第4級アミン、例えばR=(CH(R10[式中、zは、1又は2以上であり(例えばzは1~10、1~5、2~10、2~8、あるいは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。)、R10は、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、Xは、本明細書に記載の対アニオンである。]が挙げられるが、これらに限定されない。R=(CH(R10の例としては、限定するわけではないが、R10-N(CH、R10-N(CHCH、R10-NH(CH、R10-NH(CHCH、R10-NHCH、R10-NH(CHCH)又はR10-NHが挙げられる。置換基自体は置換されていてもよく、例えば、シクロアルキル置換基はそれ自体、その環炭素のうちの1つ又は2つ以上にハライド置換基を有していてもよい。いくつかの実施形態において、上記の置換基は、NR(式中、Rは、H、OH、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばN(CHなどでさらに置換されていてもよい。例えば、置換基は、ベタイニル(OC(O)CHN(CH)、コリニル(OCHCHN(CH)又はカルニチニル(OC(O)CHCH(OH)CHN(CH)であることができる。用語「任意に置換されていてもよい」は、特定の基、ラジカル又は部分による任意の置換を意味する。
用語「対アニオン」は、本明細書中で使用される場合、ベース分子の電荷のバランスをとるアニオンを指す。いくつかの実施形態において、安定な塩を提供する任意のアニオンを選択することができる。他の実施形態において、アニオンは、アセタート、プロピオナート、ラクタート、シトラート、タルトラート、スクシナート、フマラート、マレアート、マロナート、マンデラート、フタラート、Cl、Br、I、F、ホスファート、ニトラート、スルファート、メタンスルホナート、エタンスルホナート、ホスホナート、ナフタレンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、カンファースルホナート、メタンスルファート、エタンスルファート、ナフタレンスルファート、ベンゼンスルファート、トルエンスルファート、カンファースルファート、ビスルファート、スルフィット又はビスルフィットである。
他の態様では、インジゴ化合物は、本明細書で定義されているように、基材に対して親和性を有する。用語「基材への親和性」は、本明細書で使用される場合、ロイコインジゴのみならず、染料化合物の本明細書に記載されているように基材を染色する能力を指す。いくつかの実施形態において、テキスタイルに対するインジゴ化合物の親和性は、ロイコインジゴと比較して約2~約3倍に等しいか又はその範囲内である。いくつかの実施形態において、親和性は、テキスタイル、例えば綿などに対するものである。かかる測定は、ハイドロサルファイトナトリウムのような後処理法を用いてインジゴ含有量を定量し、続いて、参照により本明細書に援用するHauser, Improved Determination of Indigo, Textile Chemist and Coloris & American Dyestuff Reporter, 32(2):33, December 2000に記載のUV-Vis分光光度法により行うことができる。
さらなる態様において、インジゴ化合物は、修飾を除去することによって、インジゴに転化する。
さらに他の態様において、インジゴ化合物は以下のものではない。
(i)N,N’-ジニコチノイル[2,2’-ビインドリニデン]-3,3’-ジオン;
(ii)N,N’-ジニコチノイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオンのN’’,N’’’-メチルピリジニウムビス(メチルスルファート)塩;
(iii)N,N’-ジアセチル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(iv)N,N’-ジプロピオニル-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(v)N,N’-ジ-イソブチリル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vi)N,N’-ジピバロイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vii)N,N’-ビス(シクロヘキシルカルボニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(viii)N,N’-ビス(3-フェニルプロピオニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(ix)N,N’-ビス(エトキシカルボニルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(x)N,N’-ビス(2-フェニルアセチル)-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(xi)N,N’-ビス-(p-メトキシフェニルアセチル)2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xii)N,N’-ビス(1-ナフチルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xiii)N,N’-ビス(2-フェニルブチリル)-2,2’-インドリニリデン-3,3’-ジオン;又は
(xiv)(E)-1,1’-ジ(アダマンタン-1-カルボニル)-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン。
したがって、いくつかの実施形態において、化合物は式(I)の化合物又はその塩である。
Figure 0007084387000008
及びRは、同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、R及びRの一方はHである。さらなる実施形態において、R及びRの一方はSOHである。
及びRは、独立に、H、SO、SO、PO(R、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、C(O)NR、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)又はC(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)であることができる。いくつかの実施形態において、R及びRは、独立に、H、SO、SO、PO(R、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、C(O)NR、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)又はC(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。
いくつかの実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えば、C(O)-(例えばC(O)-(C1-6アルコキシ)などのエステルで置換されたC1-6アルキル)、又はC(O)(アリールで置換されたC1-6アルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えば、C(O)-(例えばC(O)メトキシ、C(O)プロポキシ、C(O)ブトキシ、C(O)ペントキシもしくはC(O)ヘキソキシなどのエステルで置換されたC1-6アルキル)、あるいは、C(O)(アリールで置換されたC1-6アルキル、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CNもしくはハライドで置換されたフェニルで、置換されたナフチルで、インダニルで、インデニルで、アントリルで、フェナントリルで、フルオレニルで、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルで、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルで、又は6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルで置換されたC1-6アルキル);C(O)-(C3-6アルキル、例えばn-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、ペンチル又はヘキシルなど)である。さらなる実施形態において、Rは、C(O)NRであり、ここで、R及びRは、独立に、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。さらなる実施態様において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。他の実施形態において、RはSOHである。好ましくは、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいピリジル)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよい2-ピリジル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい3-ピリジル)又はC(O)-(任意に置換されていてもよい4-ピリジル)などである。さらなる実施形態において、ピリジルは、1つ又は2つ以上のC1-6アルキル、例えばメチル又はエチルなどで置換されている。好ましくは、ピリジルはピリジル環のN原子上で置換されている。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよいフェニル)などである。好ましくは、R基のフェニルは、1つ又は2つ以上のSOH、SOCl、NO、NH、OH、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルで置換されている。さらなる実施態様において、RはC(O)NRであり、ここで、R及びRの一方又は両方は、H、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、例えばメチルヒドロキシ、エチルヒドロキシ、プロピルヒドロキシ、ブチルヒドロキシ、ペンチルヒドロキシもしくはヘキシルヒドロキシなど、又は任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、例えばCHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHCHCHC(O)OHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、例えばC(O)O-(任意に置換されていてもよい無水コハク酸)などである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)O(ヘテロシクリルで置換されたアルキル)、例えばC(O)O(例えばグルコシルなどの単糖で置換されたアルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)CHOH、C(O)CHCHOH、C(O)CHOHCHOH、C(O)CHCHOHCH又はC(O)CHCHOHCHOHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)OCHOH、C(O)OCHCHOH、C(O)OCHOHCHOH、C(O)OCHCHOHCH又はC(O)OCHCHOHCHOHなどである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O(任意に置換されていてもよいC1-9グリコール)、例えばC(O)OCHCHOCH、C(O)(OCHCHOCH又はC(O)(OCHCHOCHなどである。さらなる実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、OH、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、OH、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいアリールなどである。例えば、SO中のRはOHである。他の実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいアリールなどである。例えば、SO中のRはC(O)OHで置換されたアリールである。
いくつかの実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)(例えばC(O)C1-6アルコキシなどのエステルで置換されたC1-6アルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えば、C(O)(例えばC(O)メトキシ、C(O)プロポキシ、C(O)ブトキシ、C(O)ペントキシもしくはC(O)ヘキソキシなどのエステルで置換されたC1-6アルキル)、あるいは、C(O)(アリール(例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CNもしくはハライドなどで置換されたフェニル)で、置換されたナフチルで、インダニルで、インデニルで、アントリルで、フェナントリルで、フルオレニルで、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルで、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルで、又は6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルで置換されたC1-6アルキル);C(O)-(C3-6アルキル、例えばn-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、ペンチル又はヘキシルなど)である。他の実施形態において、RはC(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)である。さらなる実施形態において、Rは、C(O)NRであり、ここで、R及びRは、独立に、H、もしくは、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。さらなる実施態様において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらなる実施形態において、RはC(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。なおさらなる実施態様において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。他の実施形態において、RはSOHである。好ましくは、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいピリジル)、例えば、C(O)-(任意に置換されていてもよい2-ピリジル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい3-ピリジル)、又はC(O)-(任意に置換されていてもよい4-ピリジル)などである。さらなる実施形態において、ピリジルは、1つ又は2つ以上のC1-6アルキル、例えばメチル又はエチルなどで置換されている。好ましくは、ピリジルはピリジル環のN原子上で置換されている。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよいフェニル)などである。好ましくは、R基のフェニルは、1つ又は2つ以上のSOH、SOCl、NO、NH、OH、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び置換基で置換されている。さらなる実施態様において、RはC(O)NRであり、ここで、R及びRの一方又は両方は、H、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、例えばメチルヒドロキシ、エチルヒドロキシ、プロピルヒドロキシ、ブチルヒドロキシ、ペンチルヒドロキシもしくはヘキシルヒドロキシなど、又は任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、例えばCHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHCHCHC(O)OHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、例えばC(O)O-(任意に置換されていてもよい無水コハク酸)などである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)O(ヘテロシクリルで置換されたアルキル)、例えばC(O)O(例えばグルコシルなどの単糖で置換されたアルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)CHOH、C(O)CHCHOH、C(O)CHOHCHOH、C(O)CHCHOHCH又はC(O)CHCHOHCHOHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)OCHOH、C(O)OCHCHOH、C(O)OCHOHCHOH、C(O)OCHCHOHCH又はC(O)OCHCHOHCHOHなどである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O(任意に置換されていてもよいC1-9グリコール)、例えばC(O)OCHCHOCH、C(O)(OCHCHOCH又はC(O)(OCHCHOCHなどである。さらなる実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいアリールなどである。例えば、SO中のRは、C(O)OHで置換されたアリールである。他の実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。例えば、SO中のRは、C(O)OHで置換されたアリールである。
特定の実施形態において、R及びRは、R及び/又はR基によって与えられる特性、すなわち、数例を挙げると溶解性及び加水分解に影響を及ぼさないように選択される。いくつかの実施形態において、R及びRは、独立に、H、ハライド、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC1-6アルコキシ、SOH、は任意に置換されていてもよいアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、Cl、Br、F又はIなどのハライドである。いくつかの実施形態において、Rは、Cl、Br、F又はIなどのハライドである。いくつかの実施形態において、Rは、C1-6アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルなどである。さらなる実施形態において、Rは、C1-6アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ又はヘキソキシなどである。さらに他の実施形態において、RはSOHである。さらなる実施形態において、Rは、C1-6アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルなどである。他の実施形態において、Rは、C1-6アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ又はヘキソキシである。さらなる実施形態において、RはSOHである。
式(I)の構造において、m及びnは、独立に、0~4である。いくつかの実施形態において、mとnは同じである。他の実施形態において、mとnは異なる。さらなる実施形態において、mは0である。さらに他の実施形態において、nは0である。さらに他の実施形態において、m及びnは1である。さらなる実施形態において、m及びnは2である。他の実施形態において、m及びnは3である。さらなる実施形態において、m及びnは4である。
いくつかの態様において、R及びRが両方とも1-メチル-ピリド-3-イル又はピリド-3-イルである場合、R及びRはHではない。しかしながら、R及びRが両方とも1-メチル-ピリド-3-イル又はピリド-3-イルである場合、R及びRがHである化合物、すなわち以下の化合物は、本明細書に記載される方法において使用されてもよい。
(i)N,N’-ジニコチノイル[2,2’-ビインドリニデン]-3,3’-ジオン;
(ii)N,N’-ジニコチノイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオンのN’’,N’’’-メチルピリジニウムビス(メチルスルファート)塩;
(iii)N,N’-ジアセチル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(iv)N,N’-ジプロピオニル-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(v)N,N’-ジ-イソブチリル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vi)N,N’-ジピバロイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vii)N,N’-ビス(シクロヘキシルカルボニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(viii)N,N’-ビス(3-フェニルプロピオニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(ix)N,N’-ビス(エトキシカルボニルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(x)N,N’-ビス(2-フェニルアセチル)-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(xi)N,N’-ビス-(p-メトキシフェニルアセチル)2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xii)N,N’-ビス(1-ナフチルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xiii)N,N’-ビス(2-フェニルブチリル)-2,2’-インドリニリデン-3,3’-ジオン;又は
(xiv)(E)-1,1’-ジ(アダマンタン-1-カルボニル)-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン。
いくつかの好ましい実施形態において、式(I)の化合物は式(I-A)~(I-I)のものである。
Figure 0007084387000009
これらの構造において、R及びRは、独立に、H又はC1-6アルキルであり、Xは、ハライド、スルファート、C1-6アルキルスルファート、ビスルファート又はホスファートである。いくつかの実施形態において、R及びRはHである。他の実施形態において、R及びRはC1-6アルキルである。さらなる実施形態において、Xはハライドである。さらに他の実施形態において、Xは、C1-6アルキルスルファート、例えばMeSOなどである。さらなる実施形態において、Xはビスルファートである。他の実施形態において、Xはホスファートである。式(I-C)の化合物に関して、XがCHSO である場合、R及びRの両方がCHでない。
いくつかの実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物としては以下のものが挙げられる。
Figure 0007084387000010
Figure 0007084387000011
他の好ましい実施形態において、式(I)の化合物は以下のものである。
Figure 0007084387000012
式中、XはCHSOではない。
いくつかの好ましい実施形態において、式(I)の化合物は式(I-J)~(I-R)のものである。
Figure 0007084387000013
Figure 0007084387000014
これらの構造において、R及びRは、独立に、ハライド、好ましくはBrであり、R及びRは、独立に、H又はC1-6アルキルであり、Xは、ハライド、スルファート、C1-6アルキルスルファート、ビスルファート又はホスファートである。いくつかの実施形態において、R及びRはHである。他の実施形態において、R及びRはC1-6アルキルである。さらなる実施形態において、Xはハライドである。さらに他の実施形態において、XはC1-6アルキルスルファートである。さらなる実施形態において、Xはビスルファートである。他の実施形態において、Xはホスファートである。
他の実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は以下のものである。
Figure 0007084387000015
Figure 0007084387000016
上記化合物において、Xは本明細書に記載の対アニオンである。さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物としては、以下のもの又はそれらの塩が挙げられる。
Figure 0007084387000017
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は、以下のものである。
Figure 0007084387000018
Figure 0007084387000019
Figure 0007084387000020
Figure 0007084387000021
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は、式(I-S)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000022
式(I-S)のこの構造において、R及びR10は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CN、ハライド、NO、SOR(式中、Rは、H、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばSOH又はSOClなど、C(O)OR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、OC(O)OR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばOC(O)アルキル、OC(O)R(式中、R、はH、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばOC(O)アルキル、PO(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、NR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、又は第四級アミンであり、xは0~5であり、yは0~5である。いくつかの実施形態において、R及びR10はSOH又はSOClである。他の実施形態において、R及びR10は、NO、NH、OH、ハライド、C1-6アルキル、アリール、C3-8シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。さらなる実施形態において、xは1である。さらに他の実施形態において、yは1である。さらなる実施形態において、x及びyは1である。さらに他の実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は、以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000023
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は式(I-T)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000024
式(I-T)のこの構造において、各Rは、独立に、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。いくつかの態様において、各Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。いくつかの態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアリール、例えば任意に置換されていてもよいフェニルである。さらなる態様において、Rは、C(O)OHで置換されたアリールである。
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は、式(I-T1)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000025
式(I-T1)のこの構造において、R及びR10は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CN、ハライド、NO、SOR(式中、Rは、H、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばSOH又はSOClなど、C(O)R(式中、Rは、H、NH、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、C(O)OR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、OC(O)OR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばOC(O)アルキル、OC(O)R(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、例えばOC(O)アルキル、PO(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、NR(式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。)、又は第四級アミンであり、xは0~5であり、yは0~5である。いくつかの実施形態において、R及びR10は、C(O)OR、例えばCOHなど、C(O)NH、又はNOなどである。他の実施形態において、R及びR10はC1-6アルキルである。さらなる実施形態において、xは1である。さらに他の実施形態において、yは1である。さらなる実施形態において、x及びyは1である。
いくつかの実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000026
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は式(I-V)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000027
式(I-U)のこの構造において、各Rは、独立に、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。他の態様において、RはHである。
いくつかの実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000028
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は式(I-W)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000029
式(I-W)のこの構造において、R及びRの一方又は両方は、H、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。いくつかの実施形態において、R及びRの一方又は両方は、メチルヒドロキシ、エチルヒドロキシ、プロピルヒドロキシ、ブチルヒドロキシ、ペンチルヒドロキシ又はヘキシルヒドロキシである。他の実施形態において、R及びRの一方又は両方がCHC(O)OH、CHCHC(O)OH又はCHCHCHC(O)OHである。
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は、以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000030
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は式(I-X)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000031
式(I-X)のこの構造において、一方又は両方Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。いくつかの態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、例えばC(O)O(ヘテロシクリルで置換されたアルキル)など、例えばC(O)O(例えばグルコシルなどの単糖で置換されたアルキル)である。他の態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、例えばC(O)OCHOH、C(O)OCHCHOH、C(O)OCHOHCHOH、C(O)OCHCHOHCH又はC(O)OCHCHOHCHOHなどである。さらなる態様において、Rは、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば任意に置換されていてもよい無水コハク酸などである。さらに他の態様では、Rは、任意に置換されていてもよいC1-9グリコール、例えばC(O)OCHCHOCH、C(O)(OCHCHOCH又はC(O)(OCHCHOCHなどである。
他の実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000032
Figure 0007084387000033
さらなる実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は式(I-Y)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000034
式(I-X)のこの構造において、一方又は両方のRは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル(例えば、置換メチル、n-プロピル、置換i-プロピル、又は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CNもしくはハライドで置換されたフェニルで置換されたアルキル)、ナフチルで置換されたアルキル、インダニルで置換されたアルキル、アントリルで置換されたアルキル、フェナントリルで置換されたアルキル、フルオレニルで置換されたアルキル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルで置換されたアルキル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルで置換されたアルキル、又は6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルで置換されたアルキル)、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキルである。いくつかの態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、例えばC(O)CHOH、C(O)CHCHOH、C(O)CHOHCHOH、C(O)CHCHOHCH又はC(O)CHCHOHCHOHなどである。他の態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、例えばエステルで置換されたC1-6アルキルなど、例えば、C(O)メトキシ、C(O)プロポキシ、C(O)ブトキシ、C(O)ペントキシ又はC(O)ヘキソキシである。
他の実施形態において、式(I)によって包含される好ましい化合物は以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000035
さらなる実施形態において、化合物は式(II)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000036
式(II)の構造において、R、R、R及びRの全てがHでない。R及びRは同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、R又はRはHである。他の実施形態において、R及びRはHである。
及びRは、独立に、H、SO、SO、PO(R、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、C(O)NR、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)、又はC(O)O-(任意に置換されてもよいヘテロシクリル)である。
いくつかの実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)(例えばC(O)C1-6アルコキシなどのエステルで置換されたC1-6アルキル)などである。他の実施形態において、RはC(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)である。さらなる実施形態において、Rは、C(O)NRであり、ここで、R及びRは、独立に、H、もしくは任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。なおさらなる実施形態において、RはC(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。さらなる実施態様において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。他の実施形態において、RはSOHである。好ましくは、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいピリジル)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよい2-ピリジル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい3-ピリジル)又はC(O)-(任意に置換されていてもよい4-ピリジル)などである。さらなる実施形態において、ピリジルは、1つ又は2つ以上のC1-6アルキル、例えばメチル又はエチルなどで置換されている。好ましくは、ピリジルはピリジル環のN原子上で置換されている。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよいフェニル)などである。好ましくは、R基のフェニルは、1つ又は2つ以上のSOH、SOCl、NO、NH、OH、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び置換基で置換されている。さらなる実施態様において、RはC(O)NRであり、ここで、R及びRの一方又は両方は、H、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、例えばメチルヒドロキシ、エチルヒドロキシ、プロピルヒドロキシ、ブチルヒドロキシ、ペンチルヒドロキシもしくはヘキシルヒドロキシなど、又は任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、例えばCHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHCHCHC(O)OHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、例えばC(O)O-(任意に置換されていてもよい無水コハク酸)などである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)O(ヘテロシクリルで置換されたアルキル)、例えばC(O)O(例えばグルコシルなどの単糖で置換されたアルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)CHOH、C(O)CHCHOH、C(O)CHOHCHOH、C(O)CHCHOHCH又はC(O)CHCHOHCHOHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)OCHOH、C(O)OCHCHOH、C(O)OCHOHCHOH、C(O)OCHCHOHCH又はC(O)OCHCHOHCHOHなどである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-9グリコール)、例えばC(O)OCHCHOCH、C(O)(OCHCHOCH又はC(O)(OCHCHOCHなどである。さらなる実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいアリールなどである。例えば、SO中のRはC(O)OHである。他の実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいアリールなどである。例えば、SO中のRはC(O)OHで置換されたアリールである。
いくつかの実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)(例えばC(O)C1-6アルコキシなどのエステルで置換されたC1-6アルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)である。さらなる実施形態において、Rは、C(O)NRであり、ここで、R及びRは、独立に、H、もしくは、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。さらなる実施態様において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である。他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらなる実施形態において、RはC(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)である。さらに他の実施形態において、RはC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。さらに他の実施形態において、RはC(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。他の実施形態において、RはSOHである。好ましくは、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいピリジル)、例えば、C(O)-(任意に置換されていてもよい2-ピリジル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい3-ピリジル)、又はC(O)-(任意に置換されていてもよい4-ピリジル)などである。さらなる実施形態において、ピリジルは、1つ又は2つ以上のC1-6アルキル、例えばメチル又はエチルなどで置換されている。好ましくは、ピリジルはピリジル環のN原子上で置換されている。他の実施形態において、Rは、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよいフェニル)などである。好ましくは、R基のフェニルは、1つ又は2つ以上のSOH、SOCl、NO、NH、OH、ハライド、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び置換基で置換されている。さらなる実施態様において、RはC(O)NRであり、ここで、R及びRの一方又は両方は、H、任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル、例えばメチルヒドロキシ、エチルヒドロキシ、プロピルヒドロキシ、ブチルヒドロキシ、ペンチルヒドロキシもしくはヘキシルヒドロキシなど、又は任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、例えばCHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHCHCHC(O)OHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、例えばC(O)O-(任意に置換されていてもよい無水コハク酸)などである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)O(ヘテロシクリルで置換されたアルキル)、例えばC(O)O(例えばグルコシルなどの単糖で置換されたアルキル)などである。他の実施形態において、Rは、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)CHOH、C(O)CHCHOH、C(O)CHOHCHOH、C(O)CHCHOHCH又はC(O)CHCHOHCHOHなどである。さらに他の実施形態において、Rは、C(O)O(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、例えばC(O)OCHOH、C(O)OCHCHOH、C(O)OCHOHCHOH、C(O)OCHCHOHCH又はC(O)OCHCHOHCHOHなどである。さらなる実施形態において、Rは、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-9グリコール)、例えばC(O)OCHCHOCH、C(O)(OCHCHOCH又はC(O)(OCHCHOCHなどである。さらなる実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいアリールなどである。例えば、SO中のRは、C(O)OHで置換されたアリールである。他の実施形態において、RはSOであり、ここで、Rは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。例えば、SO中のRは、C(O)OHで置換されたアリールである。
いくつかの実施形態において、R及びRは、独立に、H、ハライド、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC1-6アルコキシ、SOH、又は任意に置換されていてもよいアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、Cl、Br、F又はIなどのハライドである。いくつかの実施形態において、Rは、Cl、Br、F又はIなどのハライドである。いくつかの実施形態において、Rは、C1-6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルなどである。さらなる実施形態において、Rは、C1-6アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ又はヘキソキシなどである。さらに他の実施形態において、RはSOHである。さらなる実施形態において、Rは、C1-6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルなどである。他の実施形態において、Rは、C1-6アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ又はヘキソキシなどである。さらなる実施形態において、RはSOHである。
いくつかの実施形態において、R及びRは、独立に、H、SO、SO、PO(R、C(O)NR、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、又はC(O)O-(任意に置換されてもよいヘテロシクリル)である。好ましくは、R及びRの両方がSOHでない。他の実施形態において、R及びRは、独立に、H、SO、SO、PO(R、C(O)NR、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-9グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6グリコリル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC1-6ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)又はC(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)である。
いくつかの実施形態において、R及びRは、独立に、H、SOH又はC(O)C1-6アルク-C(O)C1-6アルコキシである。さらなる実施形態において、R又はRはHである。さらなる実施形態において、R及びRはHである。他の実施形態において、R又はRはSOHである。なおさらなる実施形態において、R及びRはSOHである。他の実施形態において、R及びRの両方がHである場合、R及びRは両方ともではない。さらなる実施形態において、Rは、C(O)C1-6アルク-C(O)C1-6アルコキシ、例えばC(O)CHC(O)CHCHなどである。さらに他の実施形態において、RはHである。さらなる実施形態において、RはSOHである。他の実施形態において、Rは、C(O)C1-6アルク-C(O)C1-6アルコキシ、例えばC(O)CHC(O)CHCHなどである。さらなる実施形態において、R及びRの一方又は両方は、C(O)(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、例えばC(O)(任意に置換されていてもよいピリジル)などである。他の実施形態において、R及びRの一方又は両方は、C(O)(任意に置換されていてもよいC1-6アルキル)、例えばC(O)(例えばC(O)OCHCHなどのC(O)O(C1-6アルキル)で置換されたC1-6アルキル)、C(O)-(置換メチル)、C(O)-(置換t-ブチル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいエチル)、C(O)-(非置換プロピル)、C(O)-(アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CN又はハライドで置換されたプロピル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいn-ブチル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいi-ブチル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいペンチル)、又はC(O)-(任意に置換されていてもよいヘキシル)などである。したがって、この例では、R又はRのうちの一方は、C(O)C1-6アルクC(O)C1-6アルコキシ、例えばC(O)CHC(O)OCHCHなどであり、他方はHである。他の例では、R及びRはC(O)C1-6アルクC(O)C1-6アルコキシ、例えばC(O)CHC(O)OCHCHなどである。さらなる実施形態において、R及びRの一方又は両方は、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、OH、CN又はハライドで置換されたフェニル)など、C(O)-(置換ナフチル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいインダニル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいインデニル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアントリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいフェナントリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいフルオレニル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル)、又はC(O)-(任意に置換されていてもよい6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル)などである。例えば、R又はRの一方又は両方はC(O)(COHで置換されたフェニル)である。
式(II)の構造において、m及びnは、独立に、0~4である。いくつかの実施形態において、mとnは同じである。他の実施形態において、mとnは異なる。さらなる実施形態において、mは0である。さらに他の実施形態において、nは0である。さらに他の実施形態において、m及びnは1である。さらなる実施形態において、m及びnは2である。他の実施形態において、m及びnは3である。さらなる実施形態において、m及びnは4である。
いくつかの態様では、式(II)の化合物は、
(i)1H,1’H-[2,2’-ビインドール]-3,3’-ジイルジアセテート;
(ii)3,3’-ビス(フェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(iii)3,3’-ビス(p-メトキシフェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(iv)3,3’-ビス(1-ナフチルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(v)3,3’-ビス(フェニルブチリルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(vi)3,3’-ビス(ピバロイルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(vii)3,3’-ビス(1-アダマンチルカルボニルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(viii)3,3’-ビス(エトキシカルボニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
ではない。
さらなる実施形態において、式(II)によって包含される好ましい化合物は、式(II-A)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000037
式(II-A)のこの構造において、各Rは、独立に、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、任意に置換されていてもよいC5-8シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、例えば、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールである。いくつかの態様において、一方のRはHである。さらなる態様において、両方のRはHである。
いくつかの実施形態において、式(II)によって包含される好ましい化合物は、以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000038
さらなる実施形態において、式(II)によって包含される好ましい化合物は、式(II-B)のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000039
式(II-B)のこの構造において、両方のRがHではないという条件で、一方又は両方のRは、H、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル又は任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。いくつかの態様において、一方又は両方のRは、任意に置換されたC1-6アルキル、例えばエステルで置換されたC1-6アルキルなどである。他の態様において、一方のRは、任意に置換されていてもよいC(O)C1-6アルク-C(O)C1-6アルコキシ、例えばC(O)CHC(O)CHCHなどであり、他方はHである。さらなる態様において、両方のRは、任意に置換されていてもよいC(O)C1-6アルク-C(O)C1-6アルコキシ、例えばC(O)CHC(O)CHCHなどである。
さらに他の態様において、一方のRはHである。さらなる態様において、一方又は両方のRは、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、例えば任意に置換されていてもよいピリジルなどである。
さらに他の態様において、一方又は両方のRは、置換メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、置換t-ブチル、i-ブチル、ペンチル又はヘキシルである。
さらなる態様において、Rの一方又は両方は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、OH、CN又はハライドで置換された置換フェニル;置換ナフチル;任意に置換されていてもよいインダニル;任意に置換されていてもよいインデニル;任意に置換されていてもよいアントリル;任意に置換されていてもよいフェナントリル;任意に置換されていてもよいフルオレニル;任意に置換されていてもよい1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル;任意に置換されていてもよい6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル;又は任意に置換されていてもよい6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニルである。
さらに他の実施形態において、式(II)によって包含される好ましい化合物は、以下のもの又はその塩である。
Figure 0007084387000040
上記の化合物は、許容可能な酸、塩基、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から誘導された塩の形態で使用されてもよい。したがって、本明細書に記載の化合物は遊離塩基又はその塩として存在することができる。好ましくは、塩は、イオン相互作用、共有結合相互作用又はそれらの組み合わせを介して形成される。例えば、塩は、化合物内の例えばN原子などのヘテロ原子をアルキル化し、ヘテロ原子に対アニオンをイオン結合させることによって形成することができる。対アニオンは、当業者によって選択されることができ、そして上記及び下記の記載から特定される酸に由来するそれらのアニオンが挙げられる。
塩は、例えば、カルボン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸及びフタル酸など、塩酸(Cl)、臭化水素酸(Br)、ヨウ化水素酸(I)、フッ化水素酸(F)、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、及び同様に既知の許容可能な酸などの有機及び無機酸から形成することができる。いくつかの実施形態において、塩は、硫酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、ハロゲン化物塩、亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩である。さらなる実施形態において、当該化合物は硫酸塩である。他の実施形態において、当該化合物はアルキル硫酸塩、例えばメチル硫酸塩又はエチル硫酸塩として存在する。さらなる実施形態において、当該化合物は、ヨウ化物塩、塩化物塩、臭化物塩又はフッ化物塩などのハロゲン化物塩として存在する。他の実施形態において、当該化合物は硫酸水素塩として存在する。さらなる実施形態において、当該化合物はリン酸塩として存在する。
他の実施形態において、塩は、無機塩基、望ましくは、例えばナトリウム、リチウム又はカリウムを含むアルカリ金属塩、例えばアルカリ金属水酸化物からも形成することができる。無機塩基の例としては、限定するわけではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられる。
塩は、有機塩基、例えばアンモニウム塩、モノ-、ジ-及びトリメチルアンモニウム、モノ-、ジ-及びトリエチルアンモニウム、モノ-、ジ-及びトリプロピルアンモニウム、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1-メチルピペリジニウム、4-エチルモルホリニウム、1-イソプロピルピロリジニウム、1,4-ジメチルピペラジニウム、1-n-ブチルピペリジニウム、2-メチルピペリジニウム、1-エチル-2-メチルピペリジニウム、モノ-、ジ-及びトリエタノールアンモニウム、エチルジエタノールアンモニウム、n-ブチルモノエタノールアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、フェニルモノエタノールアンモニウム、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、コリン、ベタイン、カルニチンなどからも形成することができる。一例では、塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、及びそれらの混合物の中から選択される。
本明細書で論じられている化合物は、本明細書で規定される構造の互変異性型を、そのような形態を形成することができる場合に、包含することもある。
織編用糸の染色に特に有用であることが判明した修飾インジゴ化合物の実施形態は、アミン基のうちの少なくとも1つがアミド-ピリジン又はその塩で官能化されているインジゴ化合物を含むものである。例えば、いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物は、以下の基本構造を有する化合物又はその塩から選択され得る。
Figure 0007084387000041
上に示した基本構造を有する化合物とは、上記の構造中の各位置にさらなる図示されていない置換基が含まれていてもよいことを意味する。例えば、いくつかの実施形態において、各ピリジン環の窒素原子は、メチル基、エチル基又はプロピル基などのアルカン置換基を含むことができ、これは以下の構造で 1’ 及びR 2’ によって表される。いくつかの実施形態において、塩は、カチオンとして作用する各ピリジン環の窒素原子とアニオンとによって形成されている。アニオンは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、塩化メチルなど)及びスルファート類、例えば、メチルスルファート、エチルスルファートなどからなる群から選択される。例えば、カチオンは、以下の構造のうちの1つを含んでもよい。
Figure 0007084387000042
特に好ましい修飾インジゴ化合物塩を以下に示す。
Figure 0007084387000043
本明細書に記載のメカニズムによって容易にインジゴに転化可能であることに加えて、これらの化合物の各々は、それらを本明細書に記載の染色に特に好適なものにする酸素安定性、水安定性、及び水溶性の特に有益な組み合わせを有することが見出された。
いくつかの実施形態において、橋かけは、ピリジン環を修飾インジゴ化合物の残りの部分に結合させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物は、以下の基本構造を有する化合物又はその塩から選択することができる:
Figure 0007084387000044
式中、R3’及びR4’は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピルなど、又はアルコキシド基であることができる。上に示した基本構造を有する化合物は、上記の構造中の各位置にさらなる図示されていない置換基が含まれていてもよいことが意図されている。さらに、上記構造において、各ピリジン環の窒素原子は、R1’及びR2’で表されるアルカン置換基、例えばメチル基、エチル基又はプロピル基などを含んでいてもよい。他の実施形態において、上記構造中のR1’及びR2’は単に水素であってもよい。いくつかの実施形態において、塩は、アニオンとして作用する各ピリジン環の窒素原子とカチオンとによって形成されていることができる。カチオンは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、塩化メチルなど)及びスルファート類、例えば、メチルスルファート、エチルスルファートなどからなる群から選択される。
ピリジン環の窒素原子が3位にある上記の構造とは対照的に、ピリジン環の窒素原子もまた2又は4位のいずれかに位置していてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、修飾インジゴ化合物は、以下の基本構造を有する化合物又はその塩から選択することができる:
Figure 0007084387000045
上記と同様に、上に示した基本構造を有する化合物は、上記構造中の各位置がさらなる図示しない置換基を含んでもよいことが意図されている。例えば、いくつかの実施形態において、各ピリジン環の窒素原子は、上記構造中のR1’及びR2’で表すことができるアルカン置換基、例えばメチル基、エチル基又はプロピル基などを含んでいてもよい。他の実施形態において、上記構造中のR1’及びR2’は単に水素であってもよい。さらに、いくつかの実施形態において、上記構造においてピリジン環を修飾インジゴ化合物の残りの部分に連結するR3’及びR4’で表される橋かけがなくてもよい。
他の実施形態において、R3’及びR4’は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピルなど、又はアルコキシド基であることができる。いくつかの実施形態において、塩は、カチオンとして作用する各ピリジン環の窒素原子とカチオンとによって形成されている。アニオンは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、塩化メチルなど)及びスルファート類、例えば、メチルスルファート、エチルスルファートなどからなる群から選択される。例えば、いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物は以下の塩から選択することができる:
Figure 0007084387000046
ピリジン環の窒素原子が2、3又は4位にある上記の構造とは対照的に、ピリジン環の窒素原子は1又は5位のいずれかに位置していてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、修飾インジゴ化合物は、以下の基本構造を有する化合物又はその塩から選択され得る:
Figure 0007084387000047
上に示した基本構造を有する化合物は、上記の構造中の各位置がさらなる図示されていない置換基を含んでもよいことが意図されている。例えば、いくつかの実施形態において、各ピリジン環の窒素原子は、上記構造中のR1’及びR2’で表すことができるアルカン置換基、例えばメチル基、エチル基又はプロピル基などを含んでいてもよい。他の実施形態において、上記構造中のR1’及びR2’は単に水素であってもよい。さらに、いくつかの実施形態において、上記構造においてピリジン環を修飾インジゴ化合物の残りの部分に連結するR3’及びR4’で表される橋かけがなくてもよい。他の実施形態において、R3’及びR4’は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピルなど、又はアルコキシド基であることができる。
II.製造方法
上記の化合物は、既知の化学合成技術によって調製することができる。当業者に知られているそのような好ましい技術の中には、合成化合物の構築に関する従来の教科書に記載されている合成方法が含まれる。
アミン基のうちの少なくとも1つがアミド-ピリジン又はその塩により官能化されたインジゴ化合物を含む上記の化合物は、概して、スキーム1~3に従って調製することができる。
Figure 0007084387000048
いくつかの実施形態において、全ての又は実質的に全ての水を除去するために、このプロセスの終わりに修飾インジゴ化合物を乾燥させることが望ましい場合がある。そうすることで、修飾インジゴ化合物を含む粉末を調製することができる。この粉末は容易に輸送及び貯蔵することができ、輸送及び/又は貯蔵中にインジゴに変換されない。さらに、この粉末は、工場で容易に溶解して染料を形成することができる。あるいは、修飾インジゴ化合物は、輸送及び/又は貯蔵のために非水性溶媒に加えられてもよい。
いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物は、染色が行われる工場で、及び/又は、染色プロセスの直前に調製されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、調製プロセスにおける1つ又は2つ以上の工程は、染色のために修飾インジゴ化合物を使用する直前に実施することができる。一例として、以下の化合物:
Figure 0007084387000049
は、基本構造(次の式:
Figure 0007084387000050
で表される。)を酸、例えば塩酸などに接触させることによって調製することができる。かかる工程は、工場で、使用直前に容易に実施することができる。これは、例えば、中間構造体が染色プロセスで使用される修飾インジゴ化合物よりも安定であり、及び/又は、より保存が容易であることができる場合に、特に有益であろう。
III.上記化合物を含む組成物
本発明において有用な組成物は、一実施形態において、希釈剤中に上記の化合物を含む。本明細書で使用される用語「希釈剤」は、本明細書で論じられている化合物のいくつか又は全てを可溶化することができる液体化合物を指す。いくつかの実施形態において、希釈剤は水である。他の実施形態において、希釈剤は、水及び有機溶剤、例えば低蒸気圧有機溶剤などを含む。さらなる実施形態において、希釈剤は有機溶剤を含む。有機溶剤の例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、アルコール、例えばグリセロールなど、ケトン、アミン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
組成物は、基材を染色するための当該組成物において有用である任意の適切な不活性又は非活性成分を含んでもよい。組成物は、さらに、Denim, Manufacture, Finishing and Applications, 1st Edition, Ed.: Roshan Paul, Woodhead Publishing, April 23, 2015; Handbook of Textile and Industrial Dyeing, Principles, Processes and Types of Dyes, 1st Edition, Ed.: M. Clark, Woodhead Publishing, October 25, 2011; 及びHandbook of Textile and Industrial Dyeing, Volume 2: Applications of Dyes, 1st Edition, Ed.: M. Clark, Woodhead Publishing, October 25, 2011(これらの全ては引用により本明細書に援用する。)に記載されているものなどの標準的な染色用化学物質を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、標準的な染色用化学物質によって、染色のための基材を調える(すなわち前処理工程)。他の実施形態において、標準的な染色用化学物質は、基材を染色する工程において有用である。さらなる実施形態において、標準的な染色用化学物質は、デニムを染色するのに有用である。さらに他の実施形態において、標準的な染色用化学物質は、染色が完了した後、すなわち、例えば加水分解工程、中和工程又はすすぎ工程などの後処理工程で有用である。これらの化合物としては、限定するわけではないが、酸、カチオン剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、安定剤、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤又は湿潤剤のうちの1種又は2種以上が挙げられる。当業者は、基材の染色前、染色中又は染色後に、標準的な染色用化学物質を使用できるかどうかを決定することができるであろう。
他の実施形態において、組成物はカチオン剤を含む。いくつかの実施形態において、カチオン剤は、アンモニウム塩、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、重合ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチル-アンモニウムクロリド、又はこれらの組み合わせなどである。
組成物は可溶化剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、可溶化剤は、有機溶剤、界面活性剤又は乳化剤である。他の実施形態において、有機溶剤は低蒸気圧有機溶剤である。有機溶剤の例としては、限定するわけではないが、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、グリセロール、又はこれらの組み合わせが挙げられる。さらなる実施形態において、界面活性剤は、グリセリルモノステアレート、ポリオキソエチル化ヒマシ油、ポリソルベート、例えばTween(登録商標)界面活性剤など、ナトリウムラウリルスルファート、ナトリウムドデシルスルファート、ソルビタンエステル、例えばSpan(登録商標)又はArlacel(商標)界面活性剤など、ステアリルアルコール、セチルアルコール、トリエタノールアミン、又はTriton(商標)X-100界面活性剤である。
組成物は、安定化剤を含んでもよい。当業者は、かかる薬剤を選択することができ、かかる薬剤としては、限定されないが、NaCl、NaSO、界面活性剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、中でも、グリセリルモノステアレート、ポリオキソエチル化ヒマシ油、ポリソルベート、例えばTween(登録商標)界面活性剤など、ナトリウムラウリルスルファート、ナトリウムドデシルスルファート、ソルビタンエステル、例えばSpan(登録商標)又はArlacel(商標)界面活性剤など、ステアリルアルコール、セチルアルコール、トリエタノールアミン、又はTriton(商標)X-100界面活性剤である。
IV.上記化合物の使用方法
本明細書に記載の染色方法は実用的であり実行可能である。したがって、当該インジゴ染色方法は、コストを下げ、処理量を増やし、そしてデニム染色プロセスの持続可能性を改善する。実際に、本明細書で論じた化合物は、既存のプラントで、機械的装置にはほとんど又は全く変更を必要とせずに、現在利用されているロイコインジゴ法の代わりに利用することができ。本明細書に記載の染色方法及び技術は、引用により本明細書に援用するDenim, Manufacture, Finishing and Applications, 1st Edition, Ed.: Roshan Paul, Woodhead Publishing, April 23, 2015; Handbook of Textile and Industrial Dyeing, Principles, Processes and Types of Dyes, 1st Edition, Ed.: M. Clark, Woodhead Publishing, October 25, 2011; and Handbook of Textile and Industrial Dyeing, Volume 2: Applications of Dyes, 1st Edition, Ed.: M. Clark, Woodhead Publishing, October 25, 2011に記載されたものなどから当業者によって選択されることができる。
本開示のいくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物によるインジゴ染色のプロセスは、2つの基本工程を含む。第1工程では、基材、例えば織編用糸などを、修飾インジゴ化合物を含む染料溶液と接触させる。この接触の結果として、基材は、ある量の修飾インジゴ化合物を取り込む。例えば、綿糸を染料溶液と接触させた場合には、染料溶液は糸の表面を被覆するとともに、糸の表面の下方の或る距離まで浸透する。得られた糸内に含まれる染料溶液の量は、接触時間及び染料溶液中の修飾インジゴの濃度を制御することによって制御することができる。所望量の染料溶液を含むように基材を接触させた場合には、染料処理基材を染料溶液との接触から引き上げる。
本方法は、本明細書に記載の1種又は2種以上の化合物を基材と接触させることによって基材を染色するのに有用である。この方法は、本明細書に記載の化合物の1種もしくは2種以上、あるいは、以下の化合物を基材と接触させることによって基材を染色することにも使用される:
(i)N,N’-ジニコチノイル[2,2’-ビインドリニデン]-3,3’-ジオン;
(ii)N,N’-ジニコチノイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオンのN’’,N’’’-メチルピリジニウムビス(メチルスルファート)塩;
(iii)N,N’-ジアセチル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(iv)N,N’-ジプロピオニル-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(v)N,N’-ジ-イソブチリル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vi)N,N’-ジピバロイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vii)N,N’-ビス(シクロヘキシルカルボニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(viii)N,N’-ビス(3-フェニルプロピオニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(ix)N,N’-ビス(エトキシカルボニルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(x)N,N’-ビス(2-フェニルアセチル)-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(xi)N,N’-ビス-(p-メトキシフェニルアセチル)2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xii)N,N’-ビス(1-ナフチルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xiii)N,N’-ビス(2-フェニルブチリル)-2,2’-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xiv)(E)-1,1’-ジ(アダマンタン-1-カルボニル)-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(xv)1H,1’H-[2,2’-ビインドール]-3,3’-ジイルジアセテート;
(xvi)3,3’-ビス(フェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xvii)3,3’-ビス(p-メトキシフェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xviii)3,3’-ビス(1-ナフチルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xix)3,3’-ビス(フェニルブチリルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xx)3,3’-ビス(ピバロイルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xxi)3,3’-ビス(1-アダマンチルカルボニルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;又は
(xxii)3,3’-ビス(エトキシカルボニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル。
本明細書で使用される用語「基材(substrate)」は、本明細書に記載の化合物を使用して染色することができる材料を指す。基材は、天然基材、合成基材、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、基材は天然物である。他の実施形態において、基材は合成物である。さらなる実施形態において、基材は天然成分及び合成成分を含む。当業者は、天然基材を、限定するわけではないが、植物性又は動物性基材から選択することができる。植物繊維としては、とりわけ、綿、カポック、大麻、竹、フラックス、サイザル麻、ジュート、ケナフ、ラミー、竹、大豆又はココヤシが挙げられる。動物性基材としては、とりわけ、シルク、ウール、皮革、毛、羽毛が挙げられる。いくつかの実施形態において、動物性基材は、シルク、ウール、皮革又は羽毛である。他の実施形態において、基材は、合成繊維、例えば合成ポリマーなどを含む。合成基材は、ビスコース又はリヨセル法を使用して、好ましくは再生/紡糸セルロース法から製造することができる。したがって、合成基材としては、限定するわけではないが、レーヨン、例えばリヨセル(TENCEL(登録商標))など、ポリアミド、例えばナイロンなど、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリオレフィン又はスパンデックスが挙げられる。いくつかの実施形態において、合成基材は、ポリアミド、例えばナイロンなどである。他の実施形態において、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。さらなる実施形態において、ポリオレフィンはポリプロピレン又はポリエチレンである。さらに他の実施形態において、ポリアクリレートはポリアクリロニトリルのコポリマーである。当技術分野で合成基材を染色するために使用される方法とは対照的に、本明細書に記載される方法は、染色プロセス中に、基材を、例えば基材のTまで加熱することを必要としない。
本開示は、主に綿糸の染色に関して説明されているが、本明細書に開示される修飾インジゴ化合物及び染色方法は、限定するわけではないが、セルロース材料を含む繊維、例えば、シルク、ウール、レーヨン、リヨセル、フラックス、リネン、ラミーなど、並びにそれらの組み合わせを含む材料などの、任意の数の異なるテキスタイル材料を染色するために使用することもできる。
基材は、本明細書に記載の化合物による染色を可能にする任意の物理的形態又は形状であることができる。したがって、基材は、単一の繊維、又は、他の形態にある集合された多数の繊維であることができる。いくつかの実施形態において、基材は、糸、シート又はパッケージの形態にある。他の実施形態において、基材は糸である。さらなる実施形態において、基材はパッケージである。他の実施形態において、基材は布地である。糸は、糸のシート又はパッケージ、例えばカーペットなどを形成するように組み合わせられていてもよい。同様に、繊維は、シート、例えばテキスタイルなどを形成するために織られていてもよい。いくつかの実施形態において、染料基材又はテキスタイルはデニムである。さらなる実施形態において、基材は、布地又はテキスタイル、例えば衣類又は衣料品などである。
本明細書で使用される場合、用語「糸(yarn)」は、布地の製造に適する長さの絡み合ったテキスタイル繊維又はフィラメントを意味すると理解されるべきである。いくつかの実施形態において、インジゴ染色は、糸又は糸のロープに対して行われる。他の実施形態において、糸はパッケージに変換され、パッケージは、製織又は編成作業に使用することができる。例えば、インジゴ染色糸は、往々にして、デニム布地に織られる。より具体的には、この染色糸は、デニム布地織りにおいて経糸として使用される。しかしながら、いくつかの方法では、糸を、デニム織りなどにより織って織物にし、次いで染色することができる。したがって、特に断らない限り、糸という用語は、本明細書において、個々の糸、糸のロープ、糸のパッケージ、糸のシート、及び布地で存在する糸のいずれかを包括的に指すものとして理解されるべきである。
さらに、本明細書で使用されるとき、用語「綿糸」は、綿繊維を含む任意の糸として理解されるべきである。いくつかの実施形態において、綿糸は100%の綿繊維を含むことができる。他の実施形態において、綿糸は、綿繊維と他の天然又は合成繊維/フィラメントとの混合物を含むことができる。例えば、綿糸は、綿と、ポリエステル、ナイロン、エラストマー材料、例えばエラスタン(すなわちスパンデックス)など、又はそれらの混合物とのブレンドを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態において、綿の一部又は綿の全部が処理されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、綿を疎水性にするように、綿の少なくとも一部が処理されてもよい。したがって、特に断らない限り、綿糸という用語は、本明細書において、綿及び他の材料の混合物などの、綿繊維を含む任意の糸を包括的に指すものとして理解されるべきである。
本明細書で使用される用語「接触」は、それによって基材が染料化合物と接触するいかなるルートも指す。いくつかの態様において、基材を、希釈剤の不在下で、化合物と直接接触させる。他の実施形態において、基材を、染料化合物を含む組成物と接触させる。さらなる実施形態において、基材を、染料化合物を含む水性浴と接触させる。さらに他の実施形態において、基材を、染料化合物を含む水性浴に浸漬する。さらなる実施形態において、染料化合物は泡の形態であり、泡は、例えば基材に泡をスプレーすることによって基材に適用される。基材を染料化合物と接触させるために、例えば、浸染、ロープ染色、スラッシャー染色、スプレー染色、連続染色、ピース染色、スペース染色、パッケージ染色、かせ染め、製品染め(garment dyeing)、ペイントブラシ染色、エアブラシ染色、ブロッチ染色又は泡染色などの技術を利用することができる。
有利には、染料化合物を含む浴は、上記化合物をロイコ型の化合物に変換するための還元剤を欠く。他の実施形態において、染料化合物を含む浴は、アルカリ剤を欠く。さらなる実施形態において、染料化合物を含む浴は、ハイドロサルファイトナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、グルコース、水素化ホウ素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、二酸化チオ尿素、セロビオース、グリセルアルデヒド又はフルクトースである還元剤を欠く。
基材を染色するために水性浴が使用される場合、水性浴は1種又は2種以上の化合物を水と混合することによって調製される。いくつかの実施形態において、各浴は、浴の質量を基準にして約0.5wt.%~約70wt.%の当該化合物を含む。他の実施形態において、浴は、浴の質量を基準にして約1wt.%~約50wt.%の当該化合物を含む。さらなる実施形態において、浴は、浴の質量を基準にして約2wt.%~約30wt.%の当該化合物を含む。さらに他の実施形態において、浴は、浴の質量を基準にして、約5~約25wt.%の当該化合物を含む。さらなる実施形態において、浴は、浴の質量を基準にして、約10~約20wt.%の当該化合物を含む。他の実施形態において、浴は、浴の質量を基準にして約12~約18wt.%の当該化合物を含む。さらなる実施形態において、浴は、浴の質量を基準にして約14~約16wt.%の当該化合物を含む。好ましくは、浴は、浴の質量を基準にして、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30wt.%の当該化合物を含む。より好ましくは、各浴は、浴の質量を基準にして、約1~約3wt.%~約70wt.%の当該化合物を含む。さらにより好ましくは、各浴は、浴の質量を基準にして、約2wt.%~約70wt.%の当該化合物を含む。
当該化合物及び水に加えて、水性浴は、当該化合物を含む組成物について上述したものなどの他の追加の成分を含んでいてもよい。これらの化合物としては、限定するわけではないが、酸、カチオン剤、苛性剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、加水分解剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、安定剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、湿潤剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、基材の染色前、染色中又は染色後に、標準的な染色用化学物質を使用できるかどうかを決定することができるであろう。いくつかの実施形態において、水性浴は可溶化剤を欠く。他の実施形態において、水性浴は可溶化剤を含む。さらなる実施形態において、水性浴は、酸性である、すなわち約7未満のpHを有する。いくつかの実施形態において、水性浴は、約0.5~約7、約1~約7、約1~約6、約1~約5、約1~約4、約1~約3、約1~約2、約1、約2、約3、約4、約5、約6又は約6のpHを有する。
基材を染色するのに十分な時間、基材を水溶液に接触させ続ける、すなわち染色する。いくつかの実施形態において、時間は、基材に浸透する染料の程度に依存する。他の実施形態において、時間は、達成される基材の所望の色に依存する。さらなる実施形態において、時間は、基材に適用される染料の濃度に依存する。さらに他の実施形態において、基材を水溶液に約5秒~約10時間接触させ続ける。さらなる実施形態において、基材を、染料化合物に、約5、10、20、30もしくは45秒間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、30もしくは45分間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10時間接触させ続ける。
基材は、また、適切な温度で水溶液に接触させ続ける。いくつかの実施形態において、染色温度は、染色プロセスのいかなる構成成分も劣化させない任意の温度である。いくつかの実施形態において、温度は、周囲温度である。他の実施形態において、温度は、約20~約40℃、例えば約10~約35℃、又はおよそ室温である。
別の工程では、染料処理基材に取り込まれた修飾インジゴ化合物は、加水分解の過程を経てインジゴに変換される。いくつかの実施形態において、基材を加水分解剤と接触させる。この加水分解剤は、基材中に含まれる修飾インジゴ化合物と反応して、修飾インジゴ化合物をインジゴに変換することができる。例えば、染料溶液に接触させた綿糸を次に適切な加水分解剤に接触させると、綿糸中に含まれる修飾インジゴがインジゴに変換され、それによってインジゴ染色糸が生じる。
いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物を加水分解してそれをインジゴに変換するために、基材をアルカリ剤と接触させることができる。基材とアルカリ加水分解剤との接触は、多くの異なる方法で行うことができる。例えば、基材を、アルカリ剤を含む溶液、例えば水性加水分解浴中に浸漬するか、又は、アルカリ剤を含む溶液を基材上にスプレーすることができる。修飾インジゴ化合物をインジゴに変換することによって、インジゴ染色基材が生じる。
多くの染色プロセスにおいて、望ましいシェードのインジゴを得るために、この2段階プロセスを複数回繰り返す必要があるだろう。したがって、多くの染色プロセスにおいて、基材上の修飾インジゴ化合物がいったんインジゴに変換されると、基材を、修飾インジゴ化合物を含む染料溶液に再び接触させる。いくつかの実施形態において、基材を、最初の染浴として使用されたのと同じ浴と接触させる。他の実施形態において、基材を、同じ量又は異なる量の染料化合物を含む別の染浴と接触させる。当業者は、基材を染料化合物と接触させる必要な回数を決定することができるだろう。例えば、当業者は、基材を染浴に浸漬する回数を決定することができるであろう。例えば、Denim, Manufacture, Finishing and Applications, 1st Edition, Ed.: Roshan Paul, Woodhead Publishing, April 23, 2015; Handbook of Textile and Industrial Dyeing, Principles, Processes and Types of Dyes, 1st Edition, Ed.: M. Clark, Woodhead Publishing, October 25, 2011; and Handbook of Textile and Industrial Dyeing, Volume 2: Applications of Dyes, 1st Edition, Ed.: M. Clark, Woodhead Publishing, October 25, 2011を参照のこと。これらの教示は全て、引用により本明細書に援用する。基材を染料化合物に1回接触させるだけでよいが、典型的には、基材を染料化合物に少なくとも2回接触させる。いくつかの実施形態において、染料化合物は、約4~約25回、約5~約20回、約6~約18回、約7~約16回、約8~約14回、約8~約12回、約8~10回、約9~16回、約9~約14回、約9~約12回、約12~約18回、約12~約16回、1~約25回、2~約20回、約3~約18回、約4~約16回、約5~約15回、約5~約12回、約5~約10回、約5~約8回、又はそれらの間の任意の他の範囲で接触させる。
さらなる工程は、染色された基材中の染料化合物をインジゴに加水分解することを含む。いくつかの実施形態において、染料化合物の加水分解は、水を含む溶液を用いて行われる。他の実施形態において、加水分解は水を用いて行われる。水は、新鮮な水源からのものであることができ、あるいは、再利用されてもよい。したがって、水は、限定するわけではないが、酸、カチオン剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、マーセル化剤、有機溶剤、pH緩衝剤、浸透促進剤、塩、安定剤、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤又は湿潤剤などの他の成分を含み得る。いくつかの実施形態において、リンス水は、酸、カチオン剤、キレート化剤、分散剤、発泡剤、有機溶剤、pH緩衝剤、浸透促進剤、塩、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤又は湿潤剤を含む。
加水分解は、染料化合物をインジゴに変換することができる任意の化合物又は条件を用いて行われる。いくつかの実施形態において、加水分解は、加水分解剤を含む水性組成物中で行われる。他の実施形態において、当業者は、加水分解剤を選択することができ、加水分解剤としては、限定するわけではないが、塩基、熱、水蒸気又はそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、加水分解剤はアルカリ剤である。好ましくは、アルカリ剤は、加水分解のpHが約11超に確実に上昇させる。例えば、塩基は、酸化物、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、又はアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩である。いくつかの実施形態において、加水分解は酸化物を用いて行われる。他の実施形態において、加水分解は、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムなどを用いて行われる。さらなる実施形態において、加水分解は、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなどを用いて行われる。さらに他の実施形態において、加水分解は、アルカリ土類金属の水酸化物を用いて行われる。
加水分解は高温を用いて実施することもできる。したがって、いくつかの実施形態において、加水分解は、染色された基材をヒートプレートと接触させること又は染色された基材に熱風を吹き付けることなどによって、熱を使用して実施することができる。当業者は、染料化合物の加水分解に使用するのに適した温度を選択することができるであろう。例えば、熱は少なくとも約80℃の温度を成す。いくつかの実施形態において、熱は、約80~約200℃、例えば、約100~約200℃、約120~約200℃、約150~約200℃、約180~約200℃、約80~約100℃、約80~約120℃、約80~約140℃、約80~約160℃、約80~約180℃、あるいは、約80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は約200℃の温度を成す。
同様に、水蒸気を用いて加水分解を実施してもよい。いくつかの実施形態において、染色された基材上に水蒸気が吹き付けられるか、又は、水蒸気の雰囲気を含むユニットに染色された基材を通過させる。水蒸気の温度は上記の温度であることが望ましい。
加水分解が完了した後、所望の染料浸透又は色が基材によって達成されるまで、さらなる染色工程及び加水分解工程を利用することができる。染色された基材を、加水分解の前に乾燥させることが望ましいこともある。したがって、いくつかの実施形態において、基材は、本明細書に記載のように染色され、乾燥され、そして本明細書に記載のように加水分解される。いくつかの実施形態において、染色工程は、1~約50、2~約30、5~約25、10~約20、あるいは、1から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25回繰り返される。同様に、加水分解工程は、染色工程を繰り返した数と同じ回数繰り返されてもよい。いくつかの実施形態において、加水分解は、1~約50、2~約30、5~約25、10~約20、あるいは、1から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25回繰り返される。
染色及び加水分解後、当業者に公知の技術を用いて基材をすすぐことができる。同様に、すすぎ工程は、染色工程及び加水分解工程のうちの1又は2つ以上の間に行われてもよい。好ましくは、1又は2回以上のすすぎ工程は、全ての染色工程及び加水分解工程が完了した後に行われる。しかしながら、加水分解が、熱、例えばアイロン、熱風又は水蒸気などを用いて行われる実施形態において、すすぎ工程が必要とされないことがある。すすぎ工程が行われる状況では、すすぎ工程を、1~約50、2~約30、5~約25、10~約20、あるいは、1から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25回繰り返すことができる。
望ましくは、すすぎは水溶液を用いて行われる。いくつかの実施形態において、水性すすぎ溶液は水を含む。他の実施形態において、水性すすぎ溶液は、水と、本明細書に記載のものなどのさらなる成分、例えば有機溶剤などを含む。さらなる実施形態において、水性すすぎ溶液は中和剤を含む。本明細書で使用される用語「中和剤」は、もし使用される場合には、加水分解剤を中和する化合物を指す。例えば、中和剤は、染色された基材のpHを約5~約9、例えば約6~約8、約6~約7、約6、6.5、7、6.5、7、7.5、8、8.5又は9のpHに調整する。いくつかの例では、中和剤は、すすぎ溶液のpHによって決定した場合に、酸又は塩基である。他の例では、中和剤は、酸、例えば酢酸などである。さらなる例では、中和剤は、塩基、例えばアンモニアなどである。さらに他の例では、中和剤はpH調整水である。さらなる実施形態において、水性すすぎ溶液は緩衝剤を含む。
染色は、基材の所望の色が達成されるまで行われる。当業者は、所望の色を、カラー分光光度計などの技術及び機器を使用して決定することができる。
しかしながら、基材を再び染料溶液と接触させる前に、インジゴ染色された基材をすすいで残留加水分解剤を除去することが望ましいであろう。残留加水分解剤の除去は、染浴の有効性を低下させるであろう加水分解剤による染料溶液の汚染を防ぐのに役立つ。したがって、いくつかの実施形態において、プロセスは、残留加水分解剤を除去するためにインジゴ染色糸をすすぐ工程である第3の工程を含むことができる。すすぎ工程は、インジゴ染色された糸を単に水と接触させることを含んでもよい。あるいは、アルカリ加水分解剤が使用される場合、すすぎ工程は、インジゴ染色された糸を、加水分解剤を中和することができる薬剤、例えば弱酸性剤などと接触させることを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、修飾インジゴ化合物を加水分解することは、染料処理基材を高温で熱処理することを含んでもよい。例えば、染料処理基材は、60℃を超える、あるいは80℃を超える、あるいは100℃を超える高温にさらされてもよい。基材それ自体が、上記の温度を得る必要があることはない。むしろ、修飾インジゴ化合物のインジゴへの変換を引き起こすのに十分な期間、基材を高温にさらす。加水分解が起こる速度を増大させるために、熱処理は染料処理糸を水分に富んだ雰囲気と接触させることを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、染料処理糸を水蒸気と接触させてもよい。染料処理糸に熱(及び必要に応じて湿気、例えば水蒸気)を加えることによって、修飾インジゴ化合物の加水分解を引き起こし、インジゴへの変換に必要な時間が短縮する。いくつかの実施形態において、例えば、熱(例えば空気熱、接触熱など)及び必要に応じて水分の適用は、修飾インジゴ化合物を、15分間未満、10分間未満、8分間未満、6分間未満、5分間未満、又は3分間未満でインジゴに変換するように制御することができる。
本明細書に開示されている改良された方法による綿糸の染色は、様々な染色方法によって実施することができる。いくつかの実施形態において、例えば、染色は改良型浸漬方法を使用して実施することができる。この改良型浸漬方法は、綿糸のインジゴ染色に使用される従来の浸漬法とほぼ同じ方法で実施することができる。この方法では、各糸が第1の端部で染浴に入りそして第2の端部で染浴から出るように1又は2本以上の糸が連続的に走行する。このプロセスは浸漬として知られている。糸の特定の部分が染浴中で費やす時間の長さは、インジゴ前駆体の望ましい取り込みをもたらすように慎重に制御することができる。従来の方法では、染料処理された糸が染浴からいったん出ると、糸が空気にさらされる短い期間の間にロイコインジゴはインジゴに迅速に転化する。1又は2本以上の糸は、所望のシェードのインジゴを得るために、一連の染浴及びその後の空気曝露を連続的に通過してもよい。
本方法の実施形態において、ロイコインジゴ染浴を、本明細書に記載の様々な実施形態にしたがう修飾インジゴ化合物を含む染浴に置き換えることができる。例えば、染浴は、一般的に、修飾インジゴ化合物の水溶液を含むことができる。水及び修飾インジゴ化合物に加えて、染浴は、湿潤剤、増粘剤、キレート化剤、pH緩衝剤及び安定剤のうちの1種又は2種以上を含んでいてもよい。特に、前述のように、多くの実施形態において、修飾インジゴ化合物を含む染浴は、還元剤を含んでいなくてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、染浴は、実質的に、水と修飾インジゴ化合物からなることができる。さらに、修飾インジゴ化合物は、安定性を維持するために強力な還元剤及び高pH環境を必要としないので、染浴の実施形態は9未満、もしくは8未満、又は7未満のpHを有することができる。いくつかの実施形態において、染浴は、ほぼ中性、すなわち約7のpHを有することがある。
さらに、染料処理糸を単に空気にさらすというよりも、修飾インジゴ化合物をより効率的にインジゴに変換するのに有効な処理に、例えば本明細書に記載されているものなどに、染料処理糸をかけることができる。重要なことは、従来の方法とほぼ同じように所望のシェードのインジゴを得るために、1又は2本以上の糸を一連の染浴に連続的に通過させることができる。したがって、大規模な商業用染色装置は、資本の大きな支出を必要とせずに、本明細書に開示されている改良された染色方法を利用できるように容易に変換することができると考えられる。
いくつかの実施形態において、染色は泡染色プロセスによって行うことができ、この方法では、糸が染色チャンバを通過するときに、修飾インジゴ化合物を含む泡を糸と接触させることができる。修飾インジゴ化合物の実施形態の酸素安定性のために、染色チャンバ内の雰囲気は酸素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、染色チャンバは空気を含んでもよい。泡染色法を用いて、糸への染料の浸透の深さを注意深く制御することも可能である。
他の実施形態において、染色は、染料(例えば、修飾インジゴ化合物を含む水溶液)を糸にスプレー、ペインティング、はけ塗り、ロール塗り及び/又は捺染することなどの代替方法によって行うことができる。いくつかの実施形態において、染色は、スプレーを用いて行われる。さらなる実施形態において、染色は、ペインティングを用いて行われる。他の実施形態において、染色は、はけ塗りを用いて行われる。さらなる実施形態において、染色は、ロール塗りを用いて行われる。さらに他の実施形態において、染色は、デジタル捺染又はスクリーン捺染などの印刷を使用して行われる。
いくつかの実施形態において、基材、例えば綿糸などを、修飾インジゴ化合物を含む染料と接触させる前に、苛性剤又はカチオン剤で前処理されてもよい。当業者は、特定の苛性剤又はカチオン剤を、染色のために基材を調製するために利用できる試薬から容易に選択することができる。かかる前処理に使用することができる苛性剤の例としては、無機アルカリ、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物など、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムなど、並びに、アミン族のメンバー、例えばジエタノールアミン、トリメチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、液体アンモニアなど、又はそれらの組み合わせなどの有機アルカリが挙げられる。そのような前処理において使用することができるカチオン剤の例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、重合アリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリ-DADMAC)、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(AOETMAC)、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(CHPTAC、Quat 188)など、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
そのような前処理は、一貫した望ましいリング染色効果を可能にすることが見出された。デニム布地を製造するために使用される綿糸は、一般的に「リング染色」されているため、各糸の芯は未染色のまま、すなわち一般的に白色のままである。このようにして、デニム布地の摩耗及び/又はすり減りは、摩耗及び/又はすり減った領域で布地を構成する糸の芯を露出させ、デニム衣類に望ましい特徴的な退色効果をもたらす。芯の染色を回避するために、綿糸の染色に使用される染料の濃度及び接触時間の長さは、典型的には、最低限に抑えなければならない。しかしながら、本明細書に記載のように綿糸を前処理することによって、糸の芯を染色せずに、(a)糸を、比較的高濃度の修飾インジゴ化合物を有する染料と接触させること、(b)糸を、比較的長時間にわたって前記染料と接触させること、又は(c)それらの組み合わせが可能である。
V.上記化合物を含むキット
本明細書に記載の1種又は2種以上の染料化合物と、当該化合物をインジゴに変換する試薬又は装置とを含むキットも提供される。有利には、上記化合物は乾燥状態で安定であるので、それらは将来の使用のために、より容易に輸送及び/又は貯蔵することができる。
いくつかの実施形態において、上記化合物をインジゴに変換する試薬は塩基である。他の実施形態において、上記化合物をインジゴに変換する試薬は熱を発生する装置である。他の実施形態において、上記化合物をインジゴに変換する試薬は水蒸気を発生する装置である。
記載した実施形態は、独特かつ新規な修飾インジゴ化合物と、当該修飾インジゴ化合物を用いて基材、例えば綿糸などを染色するための独特かつ新規な方法を提供し、その各々は当業界にあるものに勝る多くの利点を有する。本発明を具体化するいくつかの特定の構造を本明細書で示し説明したが、基本的な発明の概念の精神及び範囲から逸脱することなく、部分の様々な変更及び再構成を行うことができることは当業者に明らかである。添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、本明細書で示し説明した特定の形態に限定されない。
以下の実施例は、本開示内に記載されている概念のいくつかを例示するために提示されている。各実施例は、組成、調製方法及び使用の特定の個々の実施形態を提供すると考えられるが、実施例のいずれも、本明細書に記載されるより一般的な実施形態を限定すると見なされるべきではない。
以下の実施例では、使用される数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを確実にするための努力がなされたが、いくらかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。特記しない限り、温度は℃であり、圧力は大気圧又は大気圧近傍である。
VI.態様
態様1.糸の染色方法であって、(a)糸を、修飾インジゴ化合物を含む染料溶液と接触させ、それによって染料処理糸を製造する工程;及び(b)染料処理糸上に存在する修飾インジゴ化合物を加水分解して修飾インジゴ化合物をインジゴに変換し、それによりインジゴ染色糸を製造する工程を含み、ここで、修飾インジゴ化合物は酸素の存在下で安定である、糸の染色方法。
態様2.さらに、(c)工程(a)及び(b)を1又は2回以上繰り返す工程を含む、態様1に記載の方法。
態様3.修飾インジゴ化合物を加水分解することが、処理糸をアルカリ剤と接触させる工程を含む、態様1に記載の方法。
態様4.さらに、(c)インジゴ染色糸をすすいで残留アルカリ剤を除去する工程を含む、態様3の方法。
態様5.さらに、(d)工程(a)~(c)を1又は2回以上繰り返す工程を含む、態様4に記載の方法。
態様6.すすぎが、インジゴ染色糸を水と接触させることを含む、態様4及び5のいずれか1つに記載の方法。
態様7.すすぎが、インジゴ染色糸を、加水分解剤を中和することができる薬剤と接触させることを含む、態様4及び5のいずれか1つに記載の方法。
態様8.修飾インジゴ化合物を加水分解することが、染料処理糸を高温での熱処理にかけることを含む、態様1に記載の方法。
態様9.高温が少なくとも80℃である、態様8の方法。
態様10.高温が少なくとも100℃である、態様9の方法。
態様11.熱処理が、さらに、染料処理糸を水蒸気と接触させることを含む、態様8~10のいずれか1つに記載の方法。
態様12.修飾インジゴ化合物をインジゴに変換するために、熱処理が10分間未満を要する、態様8~11のいずれか1つに記載の方法。
態様13.修飾されたインジゴ化合物をインジゴに変換するために、熱処理が6分間未満を要する、態様12の方法。
態様14.糸を修飾インジゴ化合物と接触させることが、糸を、修飾インジゴ化合物を含む水溶液と接触させることを含む、態様1~13のいずれか1つに記載の方法。
態様15.糸を修飾インジゴ化合物と接触させることが、糸を水溶液中に浸漬することを含む、態様14の方法。
態様17.水溶液が、実質的に、水と、修飾インジゴ化合物と、以下:湿潤剤、増粘剤、キレート化剤、pH緩衝剤及び安定剤のうちの1種又は2種以上とからなる、態様14及び15のいずれか1つに記載の方法。
態様18.水溶液が、実質的に水及び修飾インジゴ化合物からなる、態様14及び15のいずれか1つに記載の方法。
態様19.水溶液が還元剤を含まない、態様14及び15のいずれか1つの方法。
態様20.水溶液のpHが9未満である、態様14~19のいずれか1つに記載の方法。
態様21.水溶液のpHが8未満である、態様20に記載の方法。
態様22.水溶液のpHが7未満である、態様21に記載の方法。
態様23.インジゴ化合物が水溶液中に少なくとも0.5wt.%の濃度で存在する、態様14~22のいずれか1つに記載の方法。
態様24.インジゴ化合物が水溶液中に少なくとも1wt.%の濃度で存在する、態様23の方法。
態様25.インジゴ化合物が水溶液中に少なくとも2wt.%の濃度で存在する、態様24の方法。
態様26.糸を修飾インジゴ化合物と接触させることが、修飾インジゴ化合物を含む泡を糸に適用することを含む、態様1~13のいずれか1つに記載の方法。
態様27.修飾インジゴ化合物が水溶液中で少なくとも1時間安定である、態様1~226のいずれかに記載の方法。
態様28.修飾インジゴ化合物が水溶液中で少なくとも12時間安定である、態様27に記載の方法。
態様29.修飾インジゴ化合物が水溶液中で少なくとも1日間安定である、態様28に記載の方法。
態様30.修飾インジゴ化合物が水溶液中で少なくとも1週間安定である、態様29に記載の方法。
態様31.修飾インジゴ化合物がロイコインジゴよりも高い水溶解度を有する、態様1~30のいずれか1つに記載の方法。
態様32.修飾インジゴ化合物が、綿に対して、ロイコインジゴよりも高い親和性を有する、態様1~31のいずれか1つに記載の方法。
態様33.さらに、糸を苛性剤又はカチオン剤で前処理することを含む、態様1~32のいずれか1つに記載の方法。
態様33.1.糸を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される苛性剤により前処理することを含む、態様33に記載の方法。
態様33.2.糸を、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、重合ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリ-DADMAC)、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(AOETMAC)、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチル-アンモニウムクロリド(CHPTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたカチオン剤により前処理することを含む、態様33の方法。
態様34.修飾インジゴ化合物が、アミン基のうちの少なくとも1つがアミド-ピリジン又はその塩で官能化されているインジゴ化合物を含む、態様1~33のいずれか1つに記載の方法。
態様35.修飾インジゴ化合物が、以下の基本構造を有する化合物又はその塩から選択される、態様34に記載の方法。
Figure 0007084387000051
態様36.塩が、メチル硫酸塩、ヨウ化物塩又は塩化物塩である、態様35記載の方法。
態様37.修飾インジゴ化合物が以下の化合物から選択される、態様35記載の方法。
Figure 0007084387000052
態様38.修飾インジゴ化合物が、以下の基本構造を有する化合物又はその塩から選択される、態様34に記載の方法。
Figure 0007084387000053
態様39.塩が、メチル硫酸塩、ヨウ化物塩又は塩化物塩である、態様38に記載の方法。
態様40.修飾インジゴ化合物が以下の化合物から選択される、態様38に記載の方法。
Figure 0007084387000054
態様41.下記基本構造を有する化合物又はその塩。
Figure 0007084387000055
態様42.塩が、メチル硫酸塩、ヨウ化物塩又は塩化物塩である、態様41に記載の化合物。
態様43.修飾インジゴ化合物が以下の化合物から選択される、態様41に記載の化合物。
Figure 0007084387000056
態様44.修飾インジゴ化合物が、
Figure 0007084387000057
である、態様43の化合物。
態様45.修飾インジゴ化合物が、
Figure 0007084387000058
である、態様43の化合物。
態様46.修飾インジゴ化合物が、
Figure 0007084387000059
である、態様43の化合物。
VII.実施例
全てのUV-Visスペクトルは、Varian Cary 6000i UV-Vis分光光度計を用いて得た。
インジゴとニコチノイルクロリド/イソニコチノイルクロリドとの反応例
実施例1:化合物2及び6の合成
Figure 0007084387000060
不活性雰囲気(Ar又はN)下、コンデンサー及びメカニカルスターラーを取り付けた1.0Lフラスコ中の無水ピリジン(200mL)中のインジゴ(54g、0.206mol)の懸濁液に、イソニコチノイルクロリド(92g、0.515mol、2.5当量)を、効率的に撹拌しながら少しずつ加えた。反応混合物を50℃に6時間加熱した(反応の進行をTLC(DCM中5%MeOH、Rf 0.5)で追跡した。この後、深紅/ピンク色の反応混合物を放冷し、ピリジンの大部分を真空下で除去した。得られた反応混合物を、撹拌しながら30分間かけて冷水(500mL)中に注ぐことによって、クエンチした。このようにして形成された固体沈殿物を濾過により単離しそして冷水で徹底的に洗浄した。深紅色固体を真空乾燥し、次に、ジクロロメタン(1L)中に溶解させた。この溶液を、無水硫酸ナトリウムを用いてさらに乾燥させた。深紅色の溶液を濾過し、乾燥するまで真空下で濃縮して、深紫/赤色固体(60g、収率61.8%)を得た。HNMR及びMSによる特徴付けにより、所望の化合物を確認した。
Figure 0007084387000061
Figure 0007084387000062
実施例2:化合物28の合成
Figure 0007084387000063
不活性雰囲気(Ar又はN)下、コンデンサー及びメカニカルスターラーを備えたフラスコ中の無水ピリジン(50mL)中のインジゴ(5.2g、20mmol)の懸濁液に、2-ニコチノイルクロリド(14.2g、80mmol、4当量)を、効率的に撹拌しながら少しずつ加えた。褐色の反応混合物は非常に粘性が高く温かくなり、それを室温で30分間撹拌し、次に50℃に徐々に数時間加熱した(反応の進行をTLC(DCM中5%MeOH、Rf 0.3)により追跡した)。得られた反応混合物を、撹拌しながら30分間かけて冷水(200mL)中に注ぐことによって、クエンチした。濾過により単離された固体沈殿物は未反応のインジゴであることが判明した。水相をジクロロメタン(3×50mL)中に抽出し、乾燥させて濃縮し、褐色固体を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。主要生成物が黄色固体として単離され(TLCで黄色に染色、上記と同様にRf=0.3)、NMRによって特徴付けた。分析は上記構造と一致しなかった。これは、インジゴと反応したときに、2-誘導体が3-及び4-誘導体とは全く異なる挙動をすることを示している。
Figure 0007084387000064
実施例3:化合物15の合成
Figure 0007084387000065
不活性雰囲気(Ar又はN)下、コンデンサー及びメカニカルスターラーを備えたフラスコ中の無水ピリジン(100mL)中のインジゴ(20g、0.076mol)の懸濁液に、イソニコチノイルクロリド(13g、0.076mol、1当量)を、効率的に撹拌しながら少しずつ加えた。反応混合物を50℃に6時間加熱した(反応の進行をTLC(5%MeOHのDCM溶液、Rf 0.6)で追跡した;TLCもいくらかの二置換生成物の存在を示した。)。この後、深紅/ピンク色の反応混合物を放冷し、ピリジンの大部分を真空下で除去した。得られた反応混合物を、撹拌しながら30分間かけて冷水(500ml)中に注ぐことによって、クエンチした。このようにして形成された固体析出物を濾過により単離し、冷水で徹底的に洗浄した。深紅色固体を真空乾燥し、次に、ジクロロメタン(1L)中に溶解させた。この溶液を、無水硫酸ナトリウムを用いてさらに乾燥させた。深紅色溶液を濾過し、乾燥するまで真空下で濃縮して、深紫色/赤色固体を得た。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1%MeOH/ジクロロメタン)によって分離した。純粋生成物を、明るいピンク色の固体として収率25%(7g)で分離した。
Figure 0007084387000066
ニコチノイル/イソニコチノイル誘導体の第4級化
実施例4:化合物3及び7の合成
Figure 0007084387000067
アセトン中の前駆体(化合物2又は6)の還流溶液に、ヨウ化メチル(3.2当量)を20分かけて滴下添加した。混合物をさらに5時間還流させ、次いで0℃に冷却した。析出した生成物を濾過により単離し、酢酸エチル:石油エーテル(1:1)で洗浄し、乾燥させた。褐色固体を定量的収率で単離した。
化合物3:Mw,756.33,C3022
Figure 0007084387000068
実施例5:化合物16の合成
Figure 0007084387000069
アセトン中の前駆体の還流溶液に、ヨウ化メチル(1.25当量)を20分かけて滴下添加した。混合物をさらに18時間還流させ、次いで0℃に冷却した。析出した生成物を濾過により単離し、酢酸エチル:石油エーテル(1:1)で洗浄し、乾燥させた。
Mw,614.14,C2919IN
実施例6:化合物18の合成
Figure 0007084387000070
アセトン(250mL)を加えた耐圧フラスコに化合物6(0.05mol)を入れた。溶液をクロロメタンガスで飽和させ、密封した。フラスコを撹拌しながら100℃に48時間加熱した。この後、フラスコを室温に放冷した(TLCは出発物質の完全な消費を示した)。析出した生成物を濾過により単離し、アセトンで洗浄し、恒量まで乾燥させた。乾燥後、紫色固体を単離し、それをH NMRにより特徴付けた(収率59%)。
Figure 0007084387000071
実施例7:化合物3Bの合成
Figure 0007084387000072
アセトン(250mL)を加えた耐圧フラスコに化合物2(0.05mol)を入れた。溶液をクロロメタンガスで飽和させ、密封した。フラスコを撹拌しながら100℃に48時間加熱した。この後、フラスコを室温に放冷した。析出した生成物を濾過により単離し、アセトンで洗浄し、恒量になるまで乾燥させた。乾燥後、紫色固体を単離した。
実施例8:化合物4、8及び41の合成
Figure 0007084387000073
化合物2又は6を、無水硫酸ジアルキル(RSO、R=Me,Et;5当量)と共に、不活性雰囲気で撹拌しながら50℃で18時間加熱した。この後のTLCは出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を室温に放冷した後、無水ジエチルエーテル(20当量)を加え、混合物を30分間撹拌した。この後、撹拌を止め、析出した化合物を沈降させた。上澄みをアルゴン圧下でフィルター付きカニューレを介して除去した。残留硫酸ジメチルを確実に除去するために、この工程をさらに2回繰り返した。固体残渣をAr流下で乾燥させ、Ar下で貯蔵して、ほぼ定量的収率で生成物を得た。
Figure 0007084387000074
Figure 0007084387000075
Figure 0007084387000076
実施例9:化合物17の合成
Figure 0007084387000077
化合物15を、無水硫酸ジメチル(5当量)と共に、不活性雰囲気下、撹拌しながら50℃で18時間加熱した。この後のTLCは出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を室温に放冷した後、無水ジエチルエーテル(20当量)を加え、混合物を30分間撹拌した。この後、撹拌を止め、析出した化合物を沈降させた。上澄みをアルゴン圧下でフィルター付きカニューレを介して除去した。残留硫酸ジメチルを確実に除去するために、この工程をさらに2回繰り返した。固体残渣をAr流下で乾燥させ、Ar下で貯蔵して、ほぼ定量的収率で生成物を得た。
Figure 0007084387000078
ニコチノイル/イソニコチノイル誘導体のプロトン化
実施例10:化合物35の合成
Figure 0007084387000079
化合物6(0.060mol;上記のとおり調製)を、ジクロロメタン(1L)を加えたフラスコに入れた。そのようにして形成された溶液に、時々撹拌しながら室温で塩化水素ガス流を通した。数分後、反応混合物は増粘し、析出物が形成された。混合物をHClガス雰囲気下に1時間放置した。溶媒を真空下で除去し、生成物を無水DCM(2×50mL)と同時蒸発させ、恒量になるまで乾燥させて、紫色固体の化合物35を得た(定量的収率)。
Figure 0007084387000080
実施例11:化合物44の合成
Figure 0007084387000081
化合物2(0.060mol;上記のとおり調製)を、ジクロロメタン(1L)を加えたフラスコに入れた。溶液に、時々撹拌しながら室温で塩化水素ガス流を通した。数分後、反応混合物は増粘し、析出物が形成された。混合物をHClガス雰囲気下に1時間放置した。溶媒を真空下で除去し、生成物を無水DCM(2×50mL)と同時蒸発させ、恒量になるまで乾燥させた。
実施例12:化合物37の合成
Figure 0007084387000082
アルゴン雰囲気下、0℃で、ジクロロメタン(30mL)中の化合物6(5.0g、10.6mmol)の溶液に、メタノール(25mL)中の無水硫酸(0.021mol、2.1g)の溶液を30分間かけて滴下添加した。混合物を撹拌しながら0℃でさらに30分間撹拌し、次に室温に温めた。1時間後、無水ジエチルエーテル(100mL)を加え、混合物を10分間撹拌し、次に撹拌を止め、析出した固体を沈降させた。上澄みをアルゴン圧下でフィルター付きカニューレにより除去した。各回50mLのジエチルエーテルを用いてこの工程を2回繰り返した。生成物を定量的収率で鮮やかな赤色の固体として単離した(7.0g)。
Mw C282012,668.47;図8は、メタノール/水中の化合物37のUV-Visスペクトルである。質量分析は対応するイオンの形成と一致した。
化合物37は加水分解条件下でインジゴに加水分解する。
インジゴとアルコキシエーテルとの反応
実施例13:化合物13の合成
Figure 0007084387000083
トリホスゲン(23.8g、80mmol)を0℃でピリジンに加え、次いで混合物を室温に温めた。室温で30分間撹拌した後、インジゴ(10.5g、40mmol)を一度に加え、反応物を室温で一晩撹拌した。次に混合物を氷浴中で冷却し、激しく撹拌しながら氷冷した4M HClaq中に注ぎ、析出した固体を濾過により単離した。固体をさらに冷4M HClaqで洗浄し、続いてHOで洗浄した。次に、固体を、真空下、40℃で乾燥させて、灰色固体を得た。この粗製物を以下の反応に使用した。
実施例14:化合物14、25、29、30及び33の合成
Figure 0007084387000084
上記で調製した化合物13(3.0g、7.7mmol)を適切な溶媒(30mL)に懸濁し、不活性雰囲気下で氷浴中で冷却した。これに、アルコキシ化合物のTHF溶液(表1において「R」として示される)を15分間かけて撹拌しながら滴下添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次に18時間かけて室温に温めた(反応の進行を5%MeOH/DCMのTLCで追跡した)。溶媒を真空下で除去し、続いてジエチルエーテル(200ml)を加え、デカントする前に30分間撹拌した。褐色残渣をDCMに溶解し、フラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。画分をH NMRにより特徴付けた。
Figure 0007084387000085
ロイコインジゴの反応
これらの反応は、酸塩化物の存在下で亜鉛及び酢酸ナトリウムによるインジゴの酸化によってロイコインジゴを現場(in situ)で生成することによって行った。
実施例15:化合物24Bの合成
Figure 0007084387000086
酢酸ナトリウム(1.03g、12.5mmol)及び亜鉛(3.25g、50mmol)を含む無水酢酸エチル(50mL)中のインジゴ(1.31g、5mmol)の懸濁液に、エチルマロニルクロリド(8.3g、50mmol)を加えた。反応混合物を40℃で30分間撹拌した。懸濁液を室温に放冷し、次いで濃縮乾固した。残留物を熱アセトンで抽出した。粗製物を、20%酢酸エチル:石油エーテルで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。該生成物を淡黄色固体として単離した(0.5g、26%)。
Figure 0007084387000087
実施例16:化合物22の合成
Figure 0007084387000088
酢酸ナトリウム(0.8g、9.5mmol)及び亜鉛(2.49g、38mmol)を含む無水酢酸エチル(50ml)中のインジゴ(1.0g、3.8mmol)の懸濁液に、イソニコチノイルクロリド(2.0g、11.4mmol)を加えた。反応混合物を40℃で30分間撹拌した。懸濁液を室温に放冷し、次いで濃縮乾固した。残留物を熱アセトンで抽出した。粗製物を、20%酢酸エチル:石油エーテルで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。生成物を淡黄色固体として単離し、H NMRにより二置換生成物、化合物22(0.4g、22%)であることを確認した。
Figure 0007084387000089
実施例17:化合物20の合成
Figure 0007084387000090
インジゴ(0.824g、3.1mmol)をピリジンに溶解させ、これに塩化3-ベンゾイルクロリドスルホニルクロリド(3g、12.4mmol)を加えた。混合物を50℃に18時間加熱した。この後、深紅色の混合物を冷水(100ml)に注ぎ入れ、30分間撹拌した。固体を濾過により単離し、真空乾燥し(1.98g、収率69%)、特徴付けた。
実施例18:化合物27の合成
Figure 0007084387000091
インジゴ(5.2g、20mmol)をピリジンに溶解させ、これに3-スルホイルクロリド安息香酸(17.4g、80mmol)を加えた。混合物を50℃に18時間加熱した。この後、深紅色の混合物を冷水(100ml)に注ぎ入れ、30分間撹拌した。混合物を真空下で濃縮してピリジンを除去し、粗製物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。単離された主画分をH NMRによって特徴付けた。
実施例19:化合物11の合成
Figure 0007084387000092
ピリジン(0.125mL)を含むTHF中のN,N’-ジスクシンイミジルカーボネート(7.68g、30mmol)の懸濁液に急速撹拌しながら45℃でインジゴ(2.62g、10mmol)を少しずつ加えた。反応混合物をこの温度で48時間撹拌した(反応の進行をTLC、5%MeOH/DCMによりモニターした)。この後、TLCは相当量の未反応インジゴがまだ存在することを示した。これを濾過により除去し、そして固体をDCMで洗浄した。有機濾液を濃縮乾固し、DCMに再溶解させ、NaHCOで洗浄した後、HOで洗浄し、次いで乾燥させた。真空下での濃縮により暗褐色油を得、それをカラムクロマトグラフィーにより精製した。
実施例20:化合物23の合成
Figure 0007084387000093
酢酸ナトリウム(0.8g、9.5mmol)及び亜鉛(2.49g、38mmol)を含む無水酢酸エチル(50mL)中のインジゴ(1.0g、3.8mmol)の懸濁液にクロロスルホン酸(2.2g、19mmol)を加えた。反応混合物を40℃で30分間撹拌した。懸濁液を室温に放冷し、次いで濾過して亜鉛を除去した。黄褐色の濾液を濃縮乾固して、暗黄色油を得た。
実施例21:化合物24Aの合成
Figure 0007084387000094
酢酸ナトリウム(1.03g、12.5mmol)及び亜鉛(3.25g、50mmol)を含む無水酢酸エチル(50mL)中のインジゴ(1.31g、5mmol)の懸濁液に、エチルマロニルクロリド(8.3g、50mmol)を加えた。反応混合物を40℃で少なくとも1時間撹拌した。懸濁液を室温に冷却し、次いで濃縮乾固した。残留物を熱アセトンで抽出した。粗製物を、20%酢酸エチル:石油エーテルで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。
実施例22:化合物38の合成
Figure 0007084387000095
この化合物は、対応する遊離塩基を使用して、実施例6の化合物18に関する手順を使用して調製した。
実施例23:化合物39の合成
Figure 0007084387000096
この化合物は、対応する遊離塩基を使用して、実施例12の化合物37に関する手順を使用して調製した。
実施例24:化合物43の合成
Figure 0007084387000097
この化合物は、化合物6をDCMに溶解し、続いて、100℃の密閉耐圧管中で、ジクロロメタン/エタノール、ジクロロメタン/BuBr、エタノール、エタノール/ピリジン又はイソプロパノール中のクロロエタンガスを加えることによって調製した。次に、化合物を精製し、単離した。
実施例25:化合物8の貯蔵安定性
(a)試験1
化合物8の安定性は、この化合物のサンプルを水中に希釈して0.01及び3wt.%の溶液を得ることによって求めた。次に、溶液を室温で5日間貯蔵した。1、2及び5日後の溶液のUV-Visスペクトルを得た。図3及び11Aは、両方の濃度で、室温で少なくとも2日間貯蔵した後の色素化合物の堅牢性を示すUV-Visスペクトルである。化合物の41%が5日間でインジゴに転化したことを示す図11Aを参照されたい。
(b)試験2
化合物8の長期安定性は、この化合物のサンプルを水中に希釈して0.1M NaCl(水溶液)を含む0.01wt.%溶液を得ることによって求めた。次に、溶液を室温で5日間貯蔵した。溶液のUV-Visスペクトルを5日間にわたり毎日得た。5日間で化合物の9%しかインジゴに転化しなかったことを示す図12を参照されたい。
(c)試験3
化合物8の安定性及び同時染色能力(concurrent dyeing ability)を評価した。具体的には、室温で貯蔵された0.6wt.%の化合物8を含む水溶液について、UV-Visスペクトルを3日間にわたって得た。各時点で、少量の染料溶液を取り出し、水で60倍に希釈してUV-Visスペクトルを収集した。図14を参照。UV-Visデータを収集する前に、この溶液を用いて綿かせを染色した。染色され、加水分解された綿かせのシェードの深みは、3日間にわたって保たれた。
(d)試験4
硫酸ナトリウムの濃度を様々に変えた2wt.%の化合物8の水溶液を調製し、次に、1日の室温貯蔵後に、0.45ミクロンPVDFシリンジフィルターを通して濾過した。次に、フィルターを120℃で乾燥させ、室温に冷却し、秤量して、貯蔵中に溶液から析出した不溶性固体の量を定量した。
Figure 0007084387000098
対照実験では、10mLの蒸留水でフラッシュし、次いで120℃で乾燥させたシリンジフィルターについて、質量変化(-0.35%)を求めた。データは、硫酸ナトリウム濃度が増加するにつれて1日後に溶液から除去される不溶性固体の量が減少することを示し、これは硫酸ナトリウムの存在下での染浴安定性の向上と整合する。
実施例26:化合物8の空気安定性
化合物8の空気安定性は、この化合物を水中に希釈して0.01wt.%溶液を得ることによって求めた。次に、溶液を、様々な条件下、8℃で1日間貯蔵して、空気安定性を調べた。実線は、大気条件下での化合物8の水溶液の安定性を表す。破線は、溶液を15分間窒素パージし、続いてゴム隔膜を備えたバイアル中で1日間貯蔵した後の、化合物8の水溶液の安定性を表す。図10を参照。溶液のUV-Visスペクトルを得た。
データは、窒素下で貯蔵された溶液及び大気条件下で貯蔵された溶液について、1日後に得られたスペクトルが一致していることを実証している。データは、化合物8が、室温で2日間の貯蔵後でも、溶液中で空気安定であることも示している。
実施例27:化合物35の貯蔵安定性
化合物8の安定性は、水中の化合物8の0.01wt.%水溶液を調製することによって求めた。次に、溶液を室温で2日間貯蔵した。1日後及び2日後の溶液のUV-Visスペクトルを得た。図11Bは、両方の濃度で、室温で少なくとも2日間の貯蔵後の染料化合物の堅牢性を示すUV-Visスペクトルである。
実施例28:化合物8の相対反応速度
この実施例では、化合物8について、2つの条件での分解の相対反応速度を求めた。一方の溶液は0.01wt.%の化合物8及び0.1M NaCl水溶液を含み、他方の溶液は0.01wt.%の化合物8を含んでいた。両方の溶液を室温で貯蔵し、UV-Vis分光光度法を用いて加水分解をモニターした。図13を参照。データは、塩を含む溶液の加水分解速度が、塩を含まない室温の場合の6分の1であることを示した。
実施例29:化合物4の安定性
化合物4の安定性を決定した。3wt.%の化合物4の水溶液を調製し、室温で2日間貯蔵した。各溶液について、UV-Visスペクトルを、貯蔵前、3時間後、1日後、及び2日後に得た。次に、溶液を300倍に希釈し、図15のUV-Visスペクトルを得た。
図15を図14と比較することで、化合物8と比較した化合物4の相対的不安定性を確認できる。
実施例30:修飾インジゴ染料とロイコインジゴとの比較
ロイコインジゴの水性原液及び化合物8の水溶液を得たときに何が起こるかを比較する安定性及び目視観察を行った。ロイコインジゴ原液は、0.2wt.%のインジゴ粉末、0.5wt.%の%NaOH及び0.5wt.%のハイドロサルファイトナトリウムを使用してロイコインジゴ原液を調製し、この原液を50~60℃に30分間加熱し、次いで原液を室温に放冷した。3wt.%の化合物8を含む水溶液を調製した。次に、各溶液1mLを蒸留水20mLに加え、物理的観察を行った。表3を参照。
Figure 0007084387000099
図16は、ロイコインジゴの水性原液を蒸留水で希釈した後に得られた溶液のUV-Visスペクトルである。ハイドロサルファイトナトリウムのような過剰の還元剤が存在しない場合、ロイコインジゴが10秒間未満で転化してインジゴに戻ることが明らかである。
実施例30:綿布の染色
3wt.%の化合物8を含む水溶液を使用して染色されたパッケージ染色糸を使用して3×1ツイル綿布を織った。具体的には、パッケージを水ですすぎ、3wt.%の化合物を含む水溶液で処理し、1M NaOH(水溶液)で加水分解し、次に、水ですすいだ。図17を参照。
実施例31:ポリエステルの染色
ポリエステル糸を、3wt.%の化合物8を含む水溶液により、又は0.2wt.%のインジゴ粉末、0.5wt.%のNaOH及び0.5wt.%のハイドロサルファイトナトリウムを含み、予め50~60℃に30分間加熱されたインジゴ溶液により染色し、室温に放冷し、1M NaOH(水溶液)を用いて加水分解し、次いですすいだ。染色されたポリエステル糸を、次に、引用により本明細書に援用するAATCC テクニカルマニュアル, 米国繊維化学技術及び染色技術協会, Vol. 91, pages 1-510, 2016に記載されている洗濯堅牢度試験の2Aに1サイクルかけた。これは5回の家庭用洗濯に相当する。インジゴを使用して染色された糸を、次に、スカイイングし、すすいだ。図18Aは、化合物8により染色された糸(左)がインジゴにより染色された糸(右)と比較して優れた洗濯堅牢度を示したことを示している。
実施例32:ポリエステルの染色対綿の染色
ポリエステル及び綿編み靴下を化合物8により染色し、次に、1回の家庭用洗濯で洗浄した。靴下は、次のように染色した:(1)水で予め湿らせ、(2)化合物8の3wt.%水性染浴中に浸し、(3)1M NaOH(水溶液)中で加水分解し、(4)水ですすぐ。図18Aは、染色後の靴下の色を示す。重要なのは、ポリエステル靴下は綿靴下と同様に堅牢に着色されていたということである。
実施例33:色測定
Hunterlabs Benchtop分光光度計を使用して、ロイコインジゴ、化合物8(C8)又は化合物35(C35)の溶液により染色された綿かせについて、国際照明委員会(CIE)のL色測定値を得た。例えば、Color Technology in the Textile Industry, Second Edition, American Association of Textile Colorists and Chemists, 1997を参照のこと。具体的には、ロイコインジゴ溶液を実施例31に記載したように調製した。3wt.%の化合物8又は化合物35を含む個々の水溶液を調製した。次いで、実施例32の手順を用いて精練及び未精練の綿かせを染色し、各かせの色を測定した。
図19及びデータは、化合物8又は35により染色されたかせが、従来のインジゴ染色法と一致する同様のL、a及びb値を与えたことを実証している。
実施例34:熱処理を伴う綿布染色
化合物8により染色された染料(PFD)3×1ツイル綿布を、3wt.%の化合物8を含む水溶液中への浸漬、パディング、50℃での乾燥によって作製した。次に、サンプルを、熱処理のために実験室規模の幅出機に別々に設置した。100℃(左)、150℃(中央)及び180℃(右)にさらされた染色織物を示す図20を参照されたい。
図20の画像は、熱を加えると180℃で化合物8のインジゴへの比較的急速な転化が起こったこと、150℃ではより遅い転化が起こったこと、100℃では転化が起こらなかったことを示す。
実施例35:熱処理及び前処理を伴う綿織物染色
綿かせを、1M NaOH(水溶液)で前処理し、化合物8の3wt.%水溶液により染色し、1M NaOH(水溶液)を用いて加水分解し、次に、水ですすいだ。1つのかせを50℃で乾燥させると、色は紫のままであった。図21の上方のかせを参照。もう一方のかせを50℃で乾燥させ、次いで大気条件下で30分間水蒸気にさらしたところ、青色の色相が得られた。図21の下方のかせを参照。
図21のこれらの画像は、かせを化合物8により染色することができ、続いて大気水蒸気を用いてインジゴへの変換が可能であることを示している。
実施例35:エアブラッシング
PFD 3×1ツイル綿布を、化合物8の3wt.%水溶液を使用してマスクの助けを借りてエアブラッシングした。50℃で乾燥させた後、布帛を1M NaOH(水溶液)浴中に浸漬することにより加水分解させ、続いて水ですすぎ、50℃で乾燥させた。
図22の画像は、化合物8の水性染料溶液を使用するエアブラッシングが、布地を染色することに成功し、直接的で単純な方法であることを示している。
実施例36:浸染によるシェードの変化
染色された綿かせのシェードの深みは、染浴の濃度を変えることによって制御した。この染色プロセスは、(1)綿かせを1M NaOH(水溶液)で前処理すること、(2)化合物8の10、6、3又は0.5wt.%水溶液の染浴中に浸漬すること、(3)1M NaOH(水溶液)中で加水分解させること、及び(4)水ですすぐことを伴った。10、6、3及び0.5wt.%溶液の場合の色の変化(上から下へ)を示す図23を参照されたい。
図23の画像は、染浴濃度を変えることによって一回の浸漬でシェードの深みを容易に制御できることを示している。
実施例37:リング染色を用いたシェードの変動
綿かせのシェードの深みは、リング染色を保持しながら染浴の濃度を変えることによって制御した。この染色プロセスは、(1)1M NaOH(水溶液)で上記綿かせを前処理すること、(2)化合物8の0.6、3、6又は10wt.%水性染浴中に浸漬すること、(3)1M NaOH(水溶液)中で加水分解させること、及び(4)水ですすぐことを伴った。様々な濃度で染色されたかせを示す図24を参照されたい。
図24の画像は、リング染色を維持したまま染浴濃度を変えることによってシェードの深みを制御できることを示している。
実施例38:糸の芯染色
化合物8を用いて綿かせを染色した。この染色プロセスは、(1)綿かせを水で予め湿らせること、(2)湿った綿かせを化合物8の3wt.%水性染浴に浸漬すること、(3)1M NaOH(水溶液)中で加水分解すること、及び(4)水ですすぐことを伴った。
図25の断面画像は、化合物8を使用して芯染色糸を容易に製造する能力を実証している。
実施例39:連続染色サイクル
綿かせを、1回又は2回の連続染色サイクルで化合物8を用いて染色した。各サイクルについて、このプロセスは、(1)1M NaOH(水溶液)で前処理すること、(2)水性化合物8の3wt.%染浴に浸漬すること、(3)1M NaOH(水溶液)中で加水分解させること、及び(4)水ですすぐことを伴った。図26の左側のサンプルは、1サイクル又は1回の浸漬後の綿かせである。右側のサンプルは、2サイクル又は2回の浸漬後の綿かせである。
図26の画像は、シェードの深みを、連続した浸漬サイクルで増大させることができることを示している。
実施例40:ロープ染色実験からのリング染色
実験室規模のRoaches SkyPadロープ染色機を使用して、化合物8により染色されたリング染色綿ロープを作製した。綿ロープを、0.8~3.2m/分の速度で一連の浴に通過させ、浴の間でパジングした(約50%ウェットピックアップ)。このプロセスは、(1)1M NaOH(水溶液)で前処理すること、(2)化合物8の3wt.%水溶液中に浸漬すること、(3)1M NaOH(水溶液)中で加水分解させること、及び(4)水ですすぐことを伴った。染色されたロープを、次に、水で徹底的にすすぎ、続いてオーブン中60℃で乾燥させた。
図27の画像は、化合物8を使用した連続ロープ染色の実証中に一貫したシェード及びリング染色が達成されたことを示す。
実施例41:溶解度試験
この実施例では、化合物8、35、37及び41の溶解度を測定した。既知量の染料を既知量の水に加え、次いで溶液を撹拌することによって、溶液を調製した。別に、既知濃度の各溶液を30分間遠心分離して、未溶解固体を分離した。上澄みをデカントし、残りの未溶解固体を50℃で乾燥させ、その後、秤量して可溶性部分のwt.%を求めた。
水中での溶解度試験結果を用いて、化合物8を含む水溶液について予測された濃度に対する実際の濃度(図28A-予測;図28B-実際)、化合物35を含む水溶液について予測された濃度に対する実際の濃度(図29A-予測;図29B-実際)、化合物37を含む水溶液について予測された濃度に対する実際の濃度(図30A-予測;図30B-実際)、化合物41を含む水溶液について予測された濃度に対する実際の濃度(図31A-予測;図31B-実際)を求めた。実際の濃度は、未溶解の固体を除去するために染料溶液を徹底的に遠心分離することによって決定した。次いで、未溶解固体を単離し、乾燥させ、秤量した。
表4は、一連の修飾インジゴ化合物について測定された最高の溶解度を示す。全ての場合において、水中での化合物の非常に高い溶解度のために、水中での真の最大溶解度は決定されなかったことに留意されたい。全ての化合物について、最大溶解度は、遠心分離中に単離された不溶性固体の量について補正した。
Figure 0007084387000100
化合物8の場合、除去された平均固形分パーセントは約2%であった。化合物35の場合、除去された平均固形分パーセントは約26%であった。化合物37の場合、除去された平均固形分パーセントは約26%であった。化合物41の場合、除去された平均固形分パーセントは約9%であった。
実施例42:スクリーン捺染
化合物8を含むスクリーン捺染インキを用いてPFD3×1ツイル綿布をスクリーン捺染した。インクは3wt.%の水溶液を添加することによって調製した。%化合物8~0.5wt.%メチルセルロース水溶液。加水分解は、印刷領域上に1MのNaOH(水溶液)を噴霧し、続いて水ですすぐことによって実施した。
図32は、本明細書に記載の化合物をスクリーン捺染法にも利用できることを示している。
本発明をその好ましい特定の実施形態とともに説明してきたが、前述の説明とそれに続く実施例は例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えて等価物を代用することができ、さらに他の態様、利点及び変更が当業者には明らかであることを理解するであろう。本明細書に記載された実施形態に加えて、本発明は、本明細書に記載の本発明の特徴と本発明の特徴(features)を補足する引用した先行技術文献に記載の特徴との組み合わせからもたらされる発明を企図及び特許請求する。同様に、任意の記載された材料、特徴(feature)又は物品は、他の任意の材料、特徴又は物品と組み合わせて使用されてもよく、そのような組み合わせは本発明の範囲内で考慮される。
本明細書で引用又は記載した各特許、特許出願及び刊行物の開示は、すべての目的のために、引用によりそれらの全内容が本明細書に援用される。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
基材を染色するのに使用するための染料化合物であって、前記染料化合物は、インジゴの化学構造上に1つ又は2つ以上の修飾を有するインジゴ誘導体又はその塩を含み、前記インジゴ誘導体は、還元剤の不在下及び酸素の存在下で0.2%w/vを超える水溶解度を有し、前記修飾を除去することによってインジゴに転化し、インジゴの前記化学構造が以下:
Figure 0007084387000101
のとおりである、染料化合物。
[態様2]
前記染料化合物が、
(i)N,N’-ジニコチノイル[2,2’-ビインドリニデン]-3,3’-ジオン;
(ii)N,N’-ジニコチノイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオンのN’’,N’’’-メチルピリジニウムビス(メチルスルフェート)塩;
(iii)N,N’-ジアセチル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(iv)N,N’-ジプロピオニル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(v)N,N’-ジ-イソブチリル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vi)N,N’-ジピバロイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(vii)N,N’-ビス(シクロヘキシルカルボニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(viii)N,N’-ビス(3-フェニルプロピオニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(ix)N,N’-ビス(エトキシカルボニルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(x)N,N’-ビス(2-フェニルアセチル)-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(xi)N,N’-ビス-(p-メトキシフェニルアセチル)2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xii)N,N’-ビス(1-ナフチルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xiii)N,N’-ビス(2-フェニルブチリル)-2,2’-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(xiv)(E)-1,1’-ジ(アダマンタン-1-カルボニル)-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
(xv)1H,1’H-[2,2’-ビインドール]-3,3’-ジイルジアセテート;
(xvi)3,3’-ビス(フェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xvii)3,3’-ビス(p-メトキシフェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xviii)3,3’-ビス(1-ナフチルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xix)3,3’-ビス(フェニルブチリルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xx)3,3’-ビス(ピバロイルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
(xxi)3,3’-ビス(1-アダマンチルカルボニルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;又は
(xxii)3,3’-ビス(エトキシカルボニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
ではない、態様1に記載の染料化合物。
[態様3]
前記1つ又は2つ以上の修飾が、その修飾を欠いている染料化合物の水溶性を高める、態様1に記載の染料化合物。
[態様4]
前記1つ又は2つ以上の修飾が、インジゴ又はインジゴ誘導体上の置換基である、態様1~3のいずれか一つに記載の染料化合物。
[態様5]
前記置換基が一方又は両方の窒素原子上にある、態様4に記載の染料化合物。
[態様6]
前記置換基が1つ又は2つ以上の炭素原子上にある、態様4又は5に記載の染料化合物。
[態様7]
前記置換基が、一方又は両方の酸素原子上にある、態様4~6のいずれか一つに記載の染料化合物。
[態様8]
前記置換基が、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハライド、アシル、アミン、エステル、アミド、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、スルホネート、カーバメート、尿素、イミン、オキシム、酸無水物、CN、NO 、メシレート又はトシレートであり、各置換基は任意に置換されていてもよい、態様4~7のいずれか一つに記載の染料化合物。
[態様9]
前記還元剤が、ハイドロサルファイトナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、グルコース、水素化ホウ素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、二酸化チオ尿素、セロビオース、グリセルアルデヒド、又はフルクトースである、態様1~8のいずれか一つに記載の染料化合物。
[態様10]
式(I)又は(II):
Figure 0007084387000102
[式中、R 及びR は、独立に、H、SO 、SO 、PO (R 、C(O)NR 、C(O)-(任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC 1-9 グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)-(任意に)置換ヘテロシクリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)O-(任意に置換される)C 1-9 グリコリル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)であり;又は
及びR は、独立に、H、ハライド、任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル、任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル、任意に置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、置換されていてもよいアリール、又はSO Hであり;
及びR は、独立に、H、SO 、SO 、PO (R 、C(O)NR 、C(O)-(任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC 1-9 グリコリル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル)、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール))、C(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアリール)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC 1-9 グリコリル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル)、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、又はC(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)であり;
及びR は、独立に、H、もしくは任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル、又は任意に置換されていてもよいアリールであり;
は、H、任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル、任意に置換されていてもよいC 3-8 シクロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、又は任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
m及びnは、独立に、0~4である。]
により表される化合物、又はその塩。
[態様11]
前記化合物が式(I)のものである場合、R 及びR が両方とも1-メチル-ピリジル-3-イルであるときに、R 及びR がHではない、態様10に記載の化合物。
[態様12]
mが0である、態様10又は11に記載の化合物。
[態様13]
nが0である、態様10~12のいずれか一つに記載の化合物。
[態様14]
がハライドである、態様10又は11に記載の化合物。
[態様15]
がハライドである、態様10、11又は14のいずれか一つに記載の化合物。
[態様16]
がC 1-6 アルキルである、態様10、11又は15のいずれか一つに記載の化合物。
[態様17]
がC 1-6 アルキルである、態様10、11、14又は16のいずれか一つに記載の化合物。
[態様18]
又はR の一方がHである、態様10~17のいずれか一つに記載の化合物。
[態様19]
及びR の一方がSO Hである、態様10~18のいずれか一つに記載の化合物。
[態様20]
式(I):
Figure 0007084387000103
により表される、態様10~19のいずれか一つに記載の化合物。
[態様21]
及びR の一方又は両方がC(O)-(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)である、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様22]
及びR の一方又は両方が、C(O)-(任意に置換されていてもよいピリジル)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよい2-ピリジル)、C(O)-(任意に置換されていてもよい3-ピリジル)、又はC(O)-(任意に置換されていてもよい4-ピリジル)などである、態様10~21のいずれか一つに記載の化合物。
[態様23]
前記ピリジルがC 1-6 アルキルで置換されている、態様22記載の化合物。
[態様24]
前記ピリジルが1つ又は2つ以上のメチル又はエチルで置換されている、態様22又は23に記載の化合物。
[態様25]
前記ピリジルがN-原子上で置換されている、態様22~24のいずれか一つに記載の化合物。
[態様26]
及びR の一方又は両方が、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよいフェニル)などである、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様27]
及びR の一方又は両方がC(O)NR であり、ここで、R 及びR の一方又は両方が、H、任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル、又は任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキルである、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様28]
及びR の一方又は両方が、C(O)O-(任意に置換されていてもよいヘテロシクリル)、例えばC(O)O-(任意に置換されていてもよいピロリドン)などである、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様29]
及びR の一方又は両方が、独立に、C(O)O-(任意に置換されていてもよいアルキル)、例えばC(O)O(ヘテロシクリルにより置換されたアルキル)、例えばC(O)O(グルコシルにより置換されたアルキル)などである、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様30]
及びR の一方又は両方が、独立に、C(O)(任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル)である、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様31]
及びR の一方又は両方が、独立に、C(O)O(任意に置換されていてもよいC 1-6 ヒドロキシアルキル)である、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様32]
及びR の一方又は両方が、独立に、C(O)(任意に置換されていてもよいC 1-9 グリコール)である、態様10~20のいずれか一つに記載の化合物。
[態様33]
式(II):
Figure 0007084387000104
により表される、態様10~19のいずれか一つに記載の化合物。
[態様34]
及びR の一方又は両方がHである、態様33に記載の化合物。
[態様35]
及びR の一方又は両方がHである、態様33又は34に記載の化合物。
[態様36]
及びR の一方がSO Hである、態様33又は34に記載の化合物。
[態様37]
及びR の一方又は両方が、C(O)(任意に置換されていてもよいヘテロアリール)、例えばC(O)(任意に置換されていてもよいピリジル)などである、態様33又は34に記載の化合物。
[態様38]
及びR の一方又は両方がC(O)(任意に置換されていてもよいC 1-6 アルキル)である、態様33又は34に記載の化合物。
[態様39]
前記C 1-6 アルキルがC(O)O(C 1-6 アルキル)、例えばC(O)OCH CH などで置換されている、態様38に記載の化合物。
[態様40]
及びR の一方又は両方が、C(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)、例えばC(O)-(任意に置換されていてもよいアリール)などである、態様33又は34に記載の化合物。
[態様41]
前記フェニルがCO Hで置換されている、態様40記載の化合物。
[態様42]
酸又は塩基付加塩である、態様1~41のいずれか一つに記載の化合物。
[態様43]
硫酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩又はハロゲン化物塩である、態様1~42のいずれか一つに記載の化合物。
[態様44]
前記ハロゲン化物塩が、ヨウ化物塩、塩化物塩、臭化物塩又はフッ化物塩である、態様43に記載の化合物。
[態様45]
アルキル硫酸塩である、態様43に記載の化合物。
[態様46]
メチル硫酸塩又はエチル硫酸塩である、態様45に記載の化合物。
[態様47]
式(IA):
Figure 0007084387000105
(式中、R 及びR は、独立に、H又はC 1-6 アルキルであり、
Xは、ハライド、スルファート、C 1-6 アルキルスルファート、ビスルファート、又はホスファートであり、
ただし、XがCH SO である場合、R 及びR は両方ともCH でない。)
により表される、態様10又は11に記載の化合物。
[態様48]
式(IB)又は(IC):
Figure 0007084387000106
(式中、R 及びR は、独立に、H又はC 1-6 アルキルであり、
Xは、ハライド、スルファート、C 1-6 アルキルスルファート、ビスルファート、又はホスファートである。)
により表される、態様10に記載の化合物。
[態様49]
Figure 0007084387000107
Figure 0007084387000108
(式中、Xは対アニオンである。)
である、態様10に記載の化合物。
[態様50]
Figure 0007084387000109
(式中、Xは、アセタート、プロピオナート、ラクタート、シトラート、タルトラート、スクシナート、フマラート、マレアート、マロナート、マンデラート、フタラート、Cl、Br、I、F、ホスファート、ニトラート、スルファート、エタンスルホナート、ホスホナート、ナフタレンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、カンファースルホナート、メタンスルファート、エタンスルホナート、ナフタレンスルファート、ベンゼンスルファート、トルエンスルファート、カンファースルファート、ビスルファート、スルフィット又はビスルフィットである。)
である、態様10に記載の化合物。
[態様51]
Figure 0007084387000110
Figure 0007084387000111
(式中、Xは対アニオンである。)
である、態様10に記載の化合物。
[態様52]
Figure 0007084387000112
である、態様10に記載の化合物。
[態様53]
Figure 0007084387000113
Figure 0007084387000114
Figure 0007084387000115
Figure 0007084387000116
である、態様10に記載の化合物。
[態様54]
Figure 0007084387000117
である、態様10に記載の化合物。
[態様55]
Figure 0007084387000118
である、態様10に記載の化合物。
[態様56]
Figure 0007084387000119
Figure 0007084387000120
である、態様10に記載の化合物。
[態様57]
Figure 0007084387000121
である、態様10に記載の化合物。
[態様58]
Figure 0007084387000122
Figure 0007084387000123
である、態様10に記載の化合物。
[態様59]
N,N’-ジニコチノイル[2,2’-ビインドリニデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジニコチノイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオンのN’’,N’’’-メチルピリジニウムビス(メチルスルフェート)塩;
N,N’-ジアセチル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジプロピオニル-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジ-イソブチリル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジピバロイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(シクロヘキシルカルボニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(3-フェニルプロピオニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(エトキシカルボニルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(2-フェニルアセチル)-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス-(p-メトキシフェニルアセチル)2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(1-ナフチルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(2-フェニルブチリル)-2,2’-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(E)-1,1’-ジ(アダマンタン-1-カルボニル)-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
1H,1’H-[2,2’-ビインドール]-3,3’-ジイルジアセテート;
3,3’-ビス(フェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(p-メトキシフェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(1-ナフチルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(フェニルブチリルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(ピバロイルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(1-アダマンチルカルボニルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;又は
3,3’-ビス(エトキシカルボニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
ではない、態様10に記載の化合物。
[態様60]
加水分解、例えば加水分解剤、熱、水蒸気又はそれらの組み合わせを使用する加水分解によってインジゴに転化する、態様1~59のいずれか一つに記載の化合物。
[態様61]
酸素の存在下、例えば水溶液中などの酸素の存在下で実質的に安定である、態様1~60のいずれか一つに記載の化合物。
[態様62]
インジゴよりも高い水溶解度を有する、態様1~61のいずれか一つに記載の化合物。
[態様63]
(i)態様1~62のいずれか一つに記載の化合物と(ii)水とを含む組成物。
[態様64]
さらに、酸、カチオン剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤のうちの1種又は2種以上を含む、態様63に記載の組成物。
[態様65]
(i)態様1~62のいずれか一つに記載の1又は2種以上の化合物;及び
(ii)前記化合物をインジゴに変換する試薬及び/又は装置;
を含むキット。
[態様66]
試薬(ii)が、塩基、熱を発生する装置、又は水蒸気を発生する装置を含む、態様65に記載のキット。
[態様67]
態様1~62のいずれか一つに記載の化合物を水と混合することを含む、基材を染色するための浴を調製する方法。
[態様68]
前記水が酸性である、態様67に記載の方法。
[態様69]
前記水が、さらに、1種又は2種以上のさらなる成分を含む、態様67又は68に記載の方法。
[態様70]
前記さらなる成分が、酸、カチオン剤、苛性剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、加水分解剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤である、態様69に記載の方法。
[態様71]
(i)基材を、態様1~62のいずれか一つに記載の化合物を含む水性浴に接触させる工程;及び
(ii)工程(i)の化合物を加水分解する工程;
を含む、基材を染色する方法。
[態様72]
天然基材、例えば、植物繊維、例えば綿、カポック、大麻、竹、フラックス、サイザル麻、ジュート、ケナフ、ラミー、竹、大豆もしくはココヤシなど、又は、動物性基材、例えばシルク、ウール、皮革もしくは羽毛など、あるいは合成基材を染色する方法であって、
(i)前記基材を、態様1~62のいずれか一つに記載の1又は2種以上の化合物、あるいは、以下:
N,N’-ジニコチノイル[2,2’-ビインドリニデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジニコチノイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオンのN’’,N’’’-メチルピリジニウムビス(メチルスルフェート)塩;
N,N’-ジアセチル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジプロピオニル-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジ-イソブチリル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ジピバロイル-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(シクロヘキシルカルボニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(3-フェニルプロピオニル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(エトキシカルボニルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(2-フェニルアセチル)-[2,2’-ビ-インドリニリデン]-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス-(p-メトキシフェニルアセチル)2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(1-ナフチルアセチル)-2,2’-ビ-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
N,N’-ビス(2-フェニルブチリル)-2,2’-インドリニリデン-3,3’-ジオン;
(E)-1,1’-ジ(アダマンタン-1-カルボニル)-[2,2’-ビインドリニリデン]-3,3’-ジオン;
1H,1’H-[2,2’-ビインドール]-3,3’-ジイルジアセテート;
3,3’-ビス(フェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(p-メトキシフェニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(1-ナフチルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(フェニルブチリルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(ピバロイルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
3,3’-ビス(1-アダマンチルカルボニルオキシ)-2,2’-ビ-インドリル;又は
3,3’-ビス(エトキシカルボニルアセトキシ)-2,2’-ビ-インドリル;
のうちの1種を含む水性浴に接触させる工程;
(ii)工程(i)の化合物を加水分解させる工程、
を含む、方法。
[態様73]
さらに、工程(i)及び(ii)を繰り返すことを含む、態様71又は72に記載の方法。
[態様74]
前記水性浴が、さらに、安定化剤、例えばNaCl、Na SO 、又はそれらの組み合わせなどを含む、態様71~73のいずれか一つに記載の方法。
[態様75]
前記加水分解が、塩基、熱、水蒸気、又はそれらの組み合わせを使用して行われる、態様71~74のいずれか一つに記載の方法。
[態様76]
前記塩基が、水酸化物塩基、アルカリ土類塩基、又は炭酸塩である、態様75に記載の方法。
[態様77]
前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムである水酸化物塩基である、態様75に記載の方法。
[態様78]
前記塩基が、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである炭酸塩である、態様75に記載の方法。
[態様79]
熱が、少なくとも約80℃、例えば約80~約200℃、例えば約80~約100℃、約80~約120℃、約80~約150℃、又は約80~約180℃の温度を成す、態様74に記載の方法。
[態様80]
さらに、(iii)工程(ii)からの前記基材をすすぐ工程、を含む、態様71~79のいずれか一つに記載の方法。
[態様81]
さらに、工程(i)~(iii)を繰り返すことを含む、態様80に記載の方法。
[態様82]
すすぎが水溶液を用いて行われる、態様80又は81に記載の方法。
[態様83]
前記水溶液が、さらに、有機溶剤、酸、カチオン剤、苛性剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、加水分解剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤を含む、態様82に記載の方法。
[態様84]
前記水溶液が、さらに、中和剤又は緩衝剤を含む、態様82又は83に記載の方法。
[態様85]
染色された前記基材のpHが約5~約9に調整される、態様84に記載の方法。
[態様86]
さらに、(iv)工程(i)の前に前記基材をカチオン剤又は苛性剤で前処理する工程を含む、態様71~85のいずれか一つに記載の方法。
[態様87]
前記カチオン剤が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、重合ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチル-アンモニウムクロリド、又はそれらの組み合わせである、態様86に記載の方法。
[態様88]
前記苛性剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、液体アンモニア、又はそれらの組み合わせである、態様86に記載の方法。
[態様89]
前記基材がテキスタイルである、態様71~88のいずれか一つに記載の方法。
[態様90]
前記基材が、天然基材、例えば、植物繊維、例えば綿、カポック、大麻、竹、フラックス、サイザル麻、ジュート、ケナフ、ラミー、竹、大豆もしくはココヤシなど、又は、動物性基材、例えばシルク、ウール、皮革、毛、もしくは羽毛などである、態様71又は73~89のいずれか一つに記載の方法。
[態様91]
前記基材が、合成基材、例えばナイロンなどのポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、又はスパンデックスなどである、態様89に記載の方法。
[態様92]
前記基材が糸である、態様71~91のいずれか一つに記載の方法。
[態様93]
前記基材がヤーンのパッケージである、態様71~91のいずれか一つに記載の方法。
[態様94]
前記基材が布地である、態様71~91のいずれか一つに記載の方法。
[態様95]
前記基材が染色されたデニム布地である、態様71~91又は94に記載の方法。
[態様96]
前記処理が、浸染、ロープ染色、スラッシャー染色、スプレー染色、連続染色、ピース染色、スペース染色、パッケージ染色、かせ染め、製品染め、ペイントブラシ染色、エアブラシ染色、ブロッチ染色又は泡染色を含む、態様71~95のいずれか一つに記載の方法。
[態様97]
前記処理が、スクリーン捺染又はデジタル捺染を含む、態様71~95のいずれか一つに記載の方法。
[態様98]
前記浴が泡であり、前記泡がテキスタイルに適用される、態様71~96のいずれか一つに記載の方法。
[態様99]
前記水性浴が、さらに、酸、カチオン剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、マーセル化剤、pH緩衝剤、浸透促進剤、塩、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤のうちの1種又は2種以上を含む、態様71~97のいずれか一つに記載の方法。
[態様100]
前記水性浴が、前記化合物をロイコ型の化合物に変換するための還元剤を欠いている、態様71~99のいずれか一つに記載の方法。
[態様101]
前記還元剤が、ハイドロサルファイトナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、グルコース、水素化ホウ素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、二酸化チオ尿素、セロビオース、グリセルアルデヒド、フルクトース、又はそれらの組み合わせである、態様100に記載の方法。
[態様102]
前記水性浴がアルカリ剤を欠いている、態様71~96のいずれか一つに記載の方法。
[態様103]
前記水性浴のpHが約9未満である、態様71~102のいずれか一つに記載の方法。
[態様104]
前記水性浴が、前記浴の質量を基準にして約0.5質量%~約70質量%の前記化合物を含む、態様71~103のいずれか一つに記載の方法。
[態様105]
前記浴が、前記浴の質量を基準にして約1質量%~約50質量%の前記化合物を含む、態様104に記載の方法。
[態様106]
前記浴が、前記浴の重量を基準にして約2質量%~約30質量%の前記化合物を含む、態様105に記載の方法。
[態様107]
水溶液中の前記化合物の約50、45、40、35、30、25、20、15、10又は5質量%未満が、還元剤の不在下、大気条件下で、約12時間で分解する、態様106に記載の方法。
[態様108]
態様71~107のいずれか一つに記載の方法に従って製造された染色された基材。

Claims (47)

  1. 基材を染色するのに使用するための染料化合物であって、前記染料化合物は、インジゴの化学構造上に1つ又は2つ以上の修飾を有するインジゴ誘導体又はその塩を含み、前記インジゴ誘導体は、10℃~40℃の範囲内の温度で、還元剤の不在下及び/又は酸素の存在下で0.2%w/vを超える水溶解度を有し、前記修飾を除去することによってインジゴに転化し、前記インジゴ誘導体は、式(Ia)又は(Ib):
    Figure 0007084387000124
    (式中、Xは対イオンである。)
    により表される、染料化合物。
  2. Xは、アセタート、プロピオナート、ラクタート、シトラート、タルトラート、スクシナート、フマラート、マレアート、マロナート、マンデラート、フタラート、Cl、Br、I、F、ホスファート、ニトラート、スルファート、エタンスルホナート、ホスホナート、ナフタレンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、カンファースルホナート、メタンスルファート、エタンスルホナート、ナフタレンスルファート、ベンゼンスルファート、トルエンスルファート、カンファースルファート、ビスルファート、スルフィット又はビスルフィットである、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物は、
    Figure 0007084387000125
    である、請求項2に記載の化合物。
  4. 加水分解剤熱、水蒸気又はそれらの組み合わせを使用することを含む加水分解によってインジゴに転化する、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 10℃~40℃の範囲内の温度の水溶液中の酸素の存在下で実質的に安定である、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 10℃~40℃の範囲内の温度でインジゴよりも高い水溶解度を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
  7. (i)請求項1~のいずれか一項に記載の化合物と(ii)水とを含む組成物。
  8. さらに、酸、カチオン剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤のうちの1種又は2種以上を含む、請求項に記載の組成物。
  9. (i)請求項1~のいずれか一項に記載の1又は2種以上の化合物;及び
    (ii)前記化合物をインジゴに変換する試薬及び/又は装置;
    を含むキット。
  10. 試薬(ii)が、塩基、熱を発生する装置、又は水蒸気を発生する装置を含む、請求項に記載のキット。
  11. 請求項1~のいずれか一項に記載の化合物を水と混合することを含む、基材を染色するための浴を調製する方法。
  12. 前記水が酸性である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記水が、さらに、1種又は2種以上のさらなる成分を含む、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記さらなる成分が、酸、カチオン剤、苛性剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、加水分解剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤である、請求項13に記載の方法。
  15. (i)基材を、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物を含む水性浴に接触させる工程;及び
    (ii)工程(i)の化合物を加水分解する工程;
    を含む、基材を染色する方法。
  16. さらに、工程(i)及び(ii)を繰り返すことを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記水性浴が、さらにNaCl、NaSO、又はそれらの組み合わせからなる群から選択された安定化剤を含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記加水分解が、塩基、熱、水蒸気、又はそれらの組み合わせを使用して行われる、請求項15に記載の方法。
  19. 前記塩基が、水酸化物塩基、アルカリ土類塩基、又は炭酸塩である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムである水酸化物塩基である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記塩基が、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである炭酸塩である、請求項18に記載の方法。
  22. 熱が、80~200℃、80~100℃、80~120℃、80~150℃、又は80~180℃を含む少なくとも80℃の温度を成す、請求項18に記載の方法。
  23. さらに、(iii)工程(ii)からの前記基材をすすぐ工程、を含む、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. さらに、工程(i)~(iii)を繰り返すことを含む、請求項23に記載の方法。
  25. すすぎが水溶液を用いて行われる、請求項23に記載の方法。
  26. 前記水溶液が、さらに、有機溶剤、酸、カチオン剤、苛性剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、加水分解剤、マーセル化剤、浸透促進剤、pH緩衝剤、塩、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記水溶液が、さらに、中和剤又は緩衝剤を含む、請求項25又は26に記載の方法。
  28. 染色された前記基材のpHが5~9に調整される、請求項27に記載の方法。
  29. さらに、(iv)工程(i)の前に前記基材をカチオン剤又は苛性剤で前処理する工程を含む、請求項15~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記カチオン剤が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、重合ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチル-アンモニウムクロリド、又はそれらの組み合わせである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記苛性剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、液体アンモニア、又はそれらの組み合わせである、請求項29に記載の方法。
  32. 前記基材がテキスタイル、糸、糸のパッケージ、布地、染色されたデニム布地、植物繊維を含む天然基材、合成基材、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記天然基材が、綿、カポック、大麻、竹、フラックス、サイザル麻、ジュート、ケナフ、ラミー大豆及びココヤシ繊維からなる群から選択された植物繊維を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記合成基材が、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、又はスパンデックスを含む、請求項32に記載の方法。
  35. 前記処理が、浸染、ロープ染色、スラッシャー染色、スプレー染色、連続染色、ピース染色、スペース染色、パッケージ染色、かせ染め、製品染め、ペイントブラシ染色、エアブラシ染色、ブロッチ染色又は泡染色を含む、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記処理が、スクリーン捺染又はデジタル捺染を含む、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記浴が泡であり、前記泡がテキスタイルに適用される、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記水性浴が、さらに、酸、カチオン剤、キレート化剤、保色剤、着色剤、分散剤、発泡剤、マーセル化剤、pH緩衝剤、浸透促進剤、塩、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤、増粘剤、トレーサー、粘度調整剤、又は湿潤剤のうちの1種又は2種以上を含む、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記水性浴が、前記化合物をロイコ型の化合物に変換するための還元剤を欠いている、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記還元剤が、ハイドロサルファイトナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、グルコース、水素化ホウ素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、二酸化チオ尿素、セロビオース、グリセルアルデヒド、フルクトース、又はそれらの組み合わせである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記水性浴がアルカリ剤を欠いている、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記水性浴のpHが未満である、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記水性浴が、前記浴の質量を基準にして0.5質量%~70質量%の前記化合物を含む、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記浴が、前記浴の質量を基準にして1質量%~50質量%の前記化合物を含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記浴が、前記浴の重量を基準にして2質量%~30質量%の前記化合物を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 水溶液中の前記化合物の50、45、40、35、30、25、20、15、10又は5質量%未満が、還元剤の不在下、大気条件下で、12時間で分解する、請求項45に記載の方法。
  47. 請求項15~46のいずれか一項に記載の方法に従って製造された染色された基材。
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