以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照しながら説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<一実施形態>
[空中写真撮影管理システム全体の概要]
まず、本発明の一実施形態に係る空中写真撮影管理システムの概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る空中写真撮影管理システムの概要を示す概略構成図である。
図1に示す空中写真撮影管理システム1は、撮影計画データに基づいて、ドローン等の無人航空機を用いた空中写真の撮影作業を管理するためのシステムである。撮影計画データは、カメラが搭載された無人航空機を用いた空中写真の撮影作業における、撮影予定位置の情報を少なくとも含むデータである。さらに、上記撮影予定位置に加えて、撮影計画データに、撮影予定位置の情報に基づいて構成される撮影計画コース、飛行高度、撮影対象範囲、又は、対空標識の設置予定位置の中から少なくとも一以上の情報が含まれていてもよい。なお、以下の説明において、対空標識を「対標」と記すことがある。
空中写真撮影管理システム1は、クライアント端末装置100と、サーバー200と、携帯可能なタブレット端末装置300Ta~300Tcから構成される。クライアント端末装置100、サーバー200、及びタブレット端末装置300Ta~300Tcは、インターネット等のネットワークNを介して(クラウド環境で)、相互に通信可能に接続されている。
クライアント端末装置100は、サーバー200と通信可能に接続された、無人航空機を用いた撮影作業を管理する管理者Mにより使用される端末装置である。クライアント端末装置100は、管理者Mからの指示に基づいてプロジェクト(現場)ごとに撮影計画データを作成し、サーバー200にアップロードする機能を有する。ネットワークを通じて、サーバーの持つ情報や機能にアクセスして利用できるように構成されたコンピューター若しくはソフトウェアは、「ウェブクライアント」とも呼ばれる。
クライアント端末装置100は、例えばプロジェクト情報の作成、プロジェクトの進捗管理、ユーザー登録及びファイル管理(作業記録情報や撮影結果データ等の授受)等の機能を有する。クライアント端末装置100は、多種多様な複数のプロジェクトを一元管理し、タブレット端末装置300Ta~300Tcと同期して、オンタイムな情報共有が可能である。
サーバー200は、プロジェクト(現場)ごとに作成された撮影計画データを記録している。図1では、プロジェクトA~C(現場A~C)ごとに撮影計画データが作成され、サーバー200に記録されている様子を表している。ネットワークを通じて、ウェブクライアントへ情報や機能を提供するコンピューター若しくはソフトウェアは、「ウェブサーバー」とも呼ばれる。なお、撮影計画データは、クライアント端末装置100以外の端末装置によって作成されてもよい。
タブレット端末装置300Ta~300Tcは、プロジェクトA~Cの現場A~Cごとに用意される。例えば現場Aでは、現場担当者Fa(若しくは現場責任者)が、タブレット端末装置300Taを用いて、無人航空機300Daを用いた空中写真の撮影作業を実施及び管理する。同様に、現場B,Cでは、現場担当者Fb又はFc(若しくは各現場責任者)がそれぞれ、タブレット端末装置300Tb又は300Tcを用いて、無人航空機300Db又は300Dcを用いた空中写真の撮影作業を実施及び管理する。
なお、図1では、3つのタブレット端末装置300Ta~300Tcを示したが、サーバー200に接続可能なタブレット端末装置の数はこの例に限らない。以下の説明において、タブレット端末装置300Ta~300Tcを区別しない場合には、単に「タブレット端末装置300T」と称する。また、無人航空機300Da~300Dcを区別しない場合には、単に「無人航空機300D」と称する。
さらに、現場担当者Fa~Fcを区別しない場合には、単に「現場担当者300F」と称する。無人航空機300Dは、無人飛行のための機構に加え、不図示のカメラ及びGPS(Global Positioning System)受信機を備える。なお、GPS受信機に代えて、人工衛星を使用して地上の現在位置を計測する他の全地球測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を備えていてもよい。
空中写真撮影管理システム1では、管理者Mは、クライアント端末装置100を用いて、複数のプロジェクトの現場を一元管理し、ネットワークN(クラウド環境)を通じて現場担当者Fとの間でリアルタイムな情報伝達(情報共有)を行うことができる。また、空中写真を撮影して撮影結果データを取得した後、後処理実施後の成果物をサーバー200に登録することが可能である。また、管理者Mは、各発注者50と成果物(帳票など)を共有することができる。
このように本実施形態に係る空中写真撮影管理システム1は、現場担当者Fと管理者Mをスマートに結ぶクラウドサービスを構築し、確実で正確な現場遂行を行うことを可能にする支援ツールを提供する。また、複数の現場を一元管理する仕組みを作り、現場作業の進捗管理及びリアルタイムな情報伝達(オンタイムな情報共有)を行う。
管理者Mは、クライアント端末装置100において表示される画面(例えばウェブ画面)から撮影計画データを作成、更新する。現場担当者Fは、タブレット端末装置300Tでオンタイムな情報確認を行い、タブレット端末装置300Tの支援ツールで安全で確実な現場遂行を実施する。実施内容の情報はサーバー200(クラウド環境)に蓄積及び更新され、管理者Mは、現場における作業実施の成功(過不足や精度など)の確認が行える。
さらに、空中写真撮影管理システム1では、タブレット端末装置300Tが備えるGPS受信機363(図4参照)、カメラ362、音声案内機能などを利用して計測作業を支援する。
[クライアント端末装置の構成]
図2は、クライアント端末装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、クライアント端末装置100は、各種の処理を行う演算処理装置110、記憶装置120、入力装置130、及び出力装置140から構成される。
演算処理装置110は、地図描画部111、撮影計画登録部112、対空標識点の記作成部113、撮影記録表示処理部114、状況確認表示処理部115、帳票表示処理部116、及びサーバー通信部117を備える。演算処理装置110はCPU(Central Processing Unit)を備え、そのCPUが記憶装置120に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、演算処理装置110の各部の機能が実現される。演算処理装置110は、CPUに代えてMPU(Micro Processing Unit)などの他の演算処理装置を備えていてもよい。
演算処理装置110の各部の機能について説明する。
地図描画部111は、表示部141に表示される背景地図(サーバー200から受信した地図データ)上に、例えば撮影計画データ及び撮影結果データの各座標情報、若しくは他の情報を重ね合わせた地図を描画する処理を行う。このような背景地図上に様々な情報を重ね、それらの情報を用いて分析を行うシステムは、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)と呼ばれる。以下、地理情報システムを「GIS」と表記する。
撮影計画登録部112は、操作部131からの指示に従い、ネットワークNを介してサーバー200に撮影計画データを登録する処理を行う。
対空標識点の記作成部113は、サーバー通信部117を介して200サーバーから受信した、撮影現場に設置された対空標識の位置情報、及び、撮影現場で撮影された対空標識の画像データを含む、対空標識の情報より点の記を作成し出力する。
撮影記録表示処理部114は、ネットワークNを介して、サーバー200から受信した撮影記録情報を表示部141に表示する処理を行う。
状況確認表示処理部115は、ネットワークNを介して、サーバー200から受信した各作業工程の状況に関する情報を表示部141に表示する処理を行う。
帳票表示処理部116は、ネットワークNを介して、サーバー200から受信した帳票データを表示部141に表示する処理を行う。
サーバー通信部117は、ネットワークNを通じて、サーバー200との間で各種データの送受信を行う通信インターフェースである。サーバー通信部117により、クライアント端末装置100は、サーバー200と相互に通信可能に接続される。
記憶装置120には、各種の情報(プログラム、データ、パラメーターなど)が記憶される。記憶装置120として、ハードディスクや不揮発性の半導体メモリ等の補助記憶装置が用いられる。なお、クライアント端末装置100が、これらの不揮発性の記憶部を備えない場合には、記憶装置120としてRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置が用いられる。
入力装置130は、操作部131を備える。操作部131は、例えばキーボード、マウス、又は表示部141の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等で構成される。管理者が操作部131に対し操作を行い、指示を入力することが可能である。
出力装置140は、表示部141、及びスピーカー142を備える。表示部141は、演算処理装置110で生成された表示データの表示処理を行う。表示部141としては、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等よりなる表示装置が用いられる。スピーカー142は、演算処理装置110で処理された音声信号に基づいて出力処理を行う。なお、クライアント端末装置100が備えるより具体的な機能については後述する。
[サーバーの構成]
図3は、サーバー200の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバー200は、各種の処理を行う演算処理装置210、記憶装置220から構成される。
演算処理装置210は、ユーザー認証部211、ファイルデータ更新部212、撮影記録情報更新部213、帳票作成部214、撮影結果データ更新部215、データアップロード部216、クライアント通信部217、及びタブレット通信部218を備える。演算処理装置210はCPUを備え、そのCPUが記憶装置220に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、演算処理装置210の各部の機能が実現される。演算処理装置210は、CPUに代えてMPUなどの他の演算処理装置を備えていてもよい。
演算処理装置210の各部の機能について説明する。
ユーザー認証部211は、ユーザーを識別してユーザーごとに、空中写真撮影管理システム1が提供するサービスの利用許可又は利用制限を行う。これにより、ユーザーが使用するクライアント端末装置100又はタブレット端末装置300Tに、自分が割り当てられたプロジェクト、若しくは、閲覧又は変更を許可されたプロジェクトのみが表示される。なお、ユーザー認証部211は、サーバー200に直接アクセスするユーザーを認証する処理も行う。
ファイルデータ更新部212は、撮影計画データや現地においてタブレット端末装置300Tで撮影された対空標識の写真データ等の、ファイルデータの更新処理を行う。
撮影記録情報更新部213は、現地で用いられたタブレット端末装置300Tで作成された、撮影記録情報の更新処理を行う。
帳票作成部214は、撮影計画データや対空標識の写真データ、撮影記録情報等を元に、帳票データを作成する処理を行う。
撮影結果データ更新部215は、無人航空機300Dに搭載したカメラにより撮影された、空中写真の撮影結果データ(座標情報)の更新処理を行う。
データアップロード部216は、ネットワークNを通じて、クライアント端末装置100又はタブレット端末装置300Tから送信されたデータの受信処理を行う。
クライアント通信部217は、ネットワークNを通じて、クライアント端末装置100との間で各種データの送受信を行う通信インターフェースである。クライアント通信部217により、サーバー200は、クライアント端末装置100と相互に通信可能に接続される。
タブレット通信部218は、ネットワークNを通じて、タブレット端末装置300Tとの間で各種データの送受信を行う通信インターフェースである。タブレット通信部218により、サーバー200は、タブレット端末装置300Tと相互に通信可能に接続される。
記憶装置220には、各種の情報(プログラム、データ、パラメーターなど)が記憶される。本実施形態では、記憶装置220は、ユーザーデータ221、撮影計画データ222、撮影記録データ223、ファイルデータ224、及び地図データ225を記憶している。記憶装置220として、ハードディスクや不揮発性の半導体メモリ等の補助記憶装置が用いられる。
ユーザーデータ221には、ユーザーの認証に必要な情報が含まれる。例えばユーザーデータ21として、ユーザーのID(識別情報)とパスワード、許可するサービス、担当するプロジェクトのそれぞれが対応付けられている。
撮影計画データ222は、クライアント端末装置100がアップロードした撮影計画データである。
撮影記録データ223は、撮影記録情報更新部213の処理対象である撮影記録情報のデータである。
ファイルデータ224は、現地においてタブレット端末装置300Tで撮影された対空標識の写真データ等である。
地図データ225は、クライアント端末装置100及びタブレット端末装置300Tの画面に表示される背景地図を構成するデータである。なお、サーバー200が備えるより具体的な機能については後述する。
[タブレット端末装置の構成]
図4は、タブレット端末装置300Tの構成例を示すブロック図である。図4に示すように、タブレット端末装置300Tは、各種の処理を行う演算処理装置310、記憶装置350(記憶部の一例)、入力装置360、出力装置370、及び記録媒体インターフェース(図中、「記録媒体I/F」と表記)380から構成される。
演算処理装置310は、作業工程管理画面処理部320、確認用画面処理部330、地図描画部340、音声再生処理部341、及びサーバー通信部342を備える。演算処理装置310はCPUを備え、そのCPUが記憶装置350に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、演算処理装置310の各部の機能が実現される。演算処理装置310は、CPUに代えてMPUなどの他の演算処理装置を備えていてもよい。
(作業工程管理画面処理部)
作業工程管理画面処理部320は、記憶装置350に記憶された撮影計画データ351に基づいて、現場における撮影作業の作業工程管理に用いる作業工程管理画面を作成する処理を行う。この作業工程管理画面処理部320は、撮影計画取得部321、撮影計画更新部322、及び作業完了確認部323を備える。
撮影計画取得部321は、ネットワークNを介して、サーバー200から該当現場の撮影計画データ351を取得し、記憶装置350に記憶する処理を行う。
撮影計画更新部322は、記憶装置350に記憶された撮影計画データ351の更新処理を行う。撮影計画データ351の更新が必要な例としては、対空標識の設置位置の変更がある。
作業完了確認部323は、確認用画面処理部330で作成された画面(撮影作業結果確認画面)において最終のチェック項目の全てがチェック操作されたかどうかを確認し、撮影現場における撮影作業の全ての作業工程が実施済みであるか否かを判定する処理を行う。作業完了確認部323は、撮影現場における撮影作業の全ての作業工程が実施済みであると判定した場合には、撮影作業の全ての作業工程が実施済みであることを表示部371に表示(明示)する処理を行う。
(確認用画面処理部)
確認用画面処理部330は、作業工程管理画面処理部320で作成された作業工程管理画面において選択された現場に対応する撮影計画データ351に基づいて、無人航空機300Dによる撮影作業又は撮影結果データに関する確認用画面を作成する処理を行う。この確認用画面処理部330は、対空標識設置記録作成部331、撮影記録情報更新部332、撮影位置情報取得部333、採否登録画面作成部334、採否登録部335、及び差異判定部336を備える。
対空標識設置記録作成部331は、入力装置360のGPS受信機363(図4では、「GPS」と表記)で測定された対空標識の位置座標、及びカメラ362で撮影された対空標識の設置場所の写真データを用いて、対空標識の設置記録データの登録及び更新の処理を行う。対空標識設置記録作成部331は、少なくともGPS受信機363において取得した対空標識の位置情報、及び、対空標識を撮影した画像データを含む、対空標識の情報をサーバー通信部342によりサーバー200へ送信する。
撮影記録情報更新部332は、撮影作業に関して作成される撮影記録情報の更新処理を行う。
撮影位置情報取得部333は、無人航空機300Dに搭載されたカメラにより撮影された空中写真の撮影位置を示す情報(例えば緯度及び経度)を、記録媒体に格納された撮影結果データから取得する。
採否登録画面作成部334は、少なくとも撮影計画データ351に含まれる撮影予定位置の情報に基づく撮影計画コースと撮影された空中写真の撮影位置とを表した地図と、撮影結果データの採用又は不採用を選択させるための採否ボタンとを含む採否登録画面530(後述する図15参照)を作成する処理を行う。
採否登録部335は、採否登録画面530の採否ボタンに対する操作に応じて、無人航空機300Dを用いて得られた撮影結果の採用又は不採用の登録処理を行う。
差異判定部336は、撮影計画データ351において指定された撮影予定位置と、実際に無人航空機300Dで撮影された空中写真の撮影位置との距離を算出し、算出した距離が所定の距離を超えるか否かの判定処理を行う。または、差異判定部336は、空中写真の撮影位置と、空中写真の撮影位置が含まれる該当撮影計画コース上の隣接する空中写真の撮影位置ないしは該当撮影計画コースに隣接する他の撮影計画コース上の空中写真の撮影位置とを比較する。そして、比較結果に基づいて、各撮影位置で撮影された空中写真の撮影範囲のオーバーラップ部分が所定のオーバーラップ率を満たすか否かの判定処理を行う。なお、隣接する空中写真(撮影範囲)のオーバーラップ率は、各撮影位置における地表面からの高さとカメラの焦点距離、隣接する撮影位置間の距離などの情報から求められる。
そして、差異判定部336は、撮影予定位置と実際の撮影位置との距離が所定の距離を超える場合、又は隣接する空中写真の撮影範囲のオーバーラップ部分が所定のオーバーラップ率を満たさない場合には、警告出力処理を行う。
地図描画部340は、作業工程管理画面処理部320及び確認用画面処理部330で作成された画面内に表示される、背景地図上に撮影計画データ及び撮影結果データの各座標情報、若しくは他の情報を重ね合わせた地図を描画する処理を行う。
音声再生処理部341は、出力装置370の表示部371に表示された確認用画面内の複数のチェック項目のうち、選択されたチェック項目を音声で再生するための処理を行う。即ち音声再生処理部314は、該当チェック項目に基づいて音声信号を生成し、その音声信号をスピーカーへ送信する。
サーバー通信部342は、ネットワークNを通じて、サーバー200との間で各種データの送受信を行う通信インターフェースである。サーバー通信部342により、タブレット端末装置300Tは、サーバー200と相互に通信可能に接続される。
記憶装置350は、サーバー通信部342によりサーバー200から受信した撮影計画データ351、及び記録媒体インターフェース380により記録媒体(図示略)から読み出された無人航空機300Dにより撮影された空中写真の撮影結果データを記憶する。
入力装置360は、タッチパネル361、カメラ362、及びGPS受信機363(位置情報取得部の一例)を備える。
タッチパネル361は、表示部141の表示面に重ねられて配置された入力デバイスであり、指先や専用の入力ペンで画面に触れることで入力を行うことができる。演算処理装置310は、タッチパネル361で生成された入力信号に基づく処理を行う。
カメラ362(撮像部の一例)は、被写体を撮影して映像信号を生成し、映像信号に基づく映像データが撮影記録データ223として記憶装置220に記憶される。カメラ362は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサにより構成される。
GPS受信機363(位置情報取得部の一例)は、複数のGPS衛星から信号を受信し、受信した信号に基づいて自機の現在位置(緯度及び経度)を計算する。
出力装置370は、表示部371、及びスピーカー372を備える。
表示部371は、演算処理装置310の作業工程管理画面処理部320や確認用画面処理部330、地図描画部340等で生成された表示データの表示処理を行う。表示部141としては、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等よりなる表示装置が用いられる。スピーカー372は、演算処理装置310で処理された音声信号に基づいて音声を出力する処理を行う。
記録媒体インターフェース380は、メモリカード等の記録媒体に対してデータの入出力処理を行う。なお、タブレット端末装置300が備えるより具体的な機能については後述する。
[プロジェクト管理画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられるプロジェクト管理画面について説明する。図5は、空中写真撮影管理システム1で用いられるプロジェクト管理画面のトップ画面の一例を示す。図5に示すプロジェクト管理画面400は、現場担当者F(図1参照)が使用するタブレット端末装置300Tの表示部371に表示される場合を例に説明するが、管理者Mが使用するクライアント端末装置100からも閲覧可能に構成される。
まず現場担当者Fは、タブレット端末装置300Tを操作し、認証用画面においてユーザーID及びパスワードを入力した上でプロジェクト管理画面400を開く。プロジェクト管理画面400は、現場担当者Fの担当で登録されているプロジェクトごとに概要を表示する。例えば概要として、プロジェクト名称、地域名、種別、目的、ステータス、精度、撮影範囲の面積、登録日、ブロック番号、撮影日、更新日、納品日、及び撮影実績の各項目が表示される。図5では、3件のプロジェクトについて各プロジェクトの概要を示す枠401a~401cが表示されている。以下の説明で枠401a~401cを区別しない場合には、枠401と表記する。現場担当者Fがタッチパネル361によりプロジェクトの枠401(線又は枠内)をタッチすると、表示内容が選択されたプロジェクトの詳細画面に移行する。
プロジェクト管理画面400は、測量の種別(画面右上)や、作業ステータス(画面左上)に基づいて、表示を切り替えることが可能に構成されている。図5は、測量種別が“UAV”(無人航空機300D)、かつ、作業ステータスが“未対応”の例である。例えば測量の種別として、全て、UAV、TLS、及びMMSの各項目が用意されている。また、例えば作業ステータスとして、全て、未対応、処理中、処理済み、完了、完了以外の項目が用意されている。
プロジェクトの概要の情報が更新された場合、更新された内容が強調表示されるため、更新の見落としが防止される。図5では、枠401a~401cの各々のステータス“未実施”が強調表示されている。サーバー200に登録されたユーザーデータ221に基づいてユーザーのアクセスが制御されるため、現場担当者F及び管理者Mは、自分がアクセスを許可されているプロジェクト情報のみが表示される。
このようなプロジェクト管理画面400により、複数のプロジェクトの概要が一覧で表示されるとともに、進捗状況や業務種別により表示内容が切り替えられる。それにより、現場担当者F及び管理者Mは、測量現場のみならず、現場から離れたオフィスや移動中の車内等においても、プロジェクトの進捗などの把握が可能となる。空中写真撮影管理システム1で提供される支援ツールを使用することにより、現場担当者Fと管理者Mとの間で情報共有ができるため、従前のような個別連絡(電話等)の手間が省けるとともに、プロジェクトに関する情報の連絡漏れを防ぐことができる。
[作業工程管理画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられる作業工程管理画面について説明する。図6は、空中写真撮影管理システム1で用いられる作業工程管理画面のトップ画面の一例を示す。
作業工程管理画面処理部320は、タッチパネル361により、プロジェクト管理画面400(図5参照)の枠401がタッチされたことを検知すると、図6に示すように、該当するプロジェクトの作業工程管理画面410を表示部371に表示する。図6は、プロジェクト管理画面400において枠401bで示された“K川河川敷管理プロジェクト”が選択された場合の例である。
作業工程管理画面410は、プロジェクト名称領域411、基本情報領域412、範囲図領域413、及び作業フロー領域414から構成される。
画面上側のプロジェクト名称領域411には、プロジェクト名称、作業ステータス、戻るボタンのアイコン等が表示される。また、画面左側の基本情報領域412には、選択されたプロジェクトの基本情報が表示される。例えば基本情報として、担当者名、目的、精度、撮影範囲の面積、ブロック番号、成果物、登録日、更新日、撮影日、納品日、及び詳細の各項目が表示される。例えば、更新日を表示することにより、現場担当者Fは急な撮影計画の変更にも気付くことができる。直近に更新された情報は、強調表示することが望ましい。
画面右側の範囲図領域413には、実施対象の撮影作業における撮影範囲413aを示す範囲図が表示される。また範囲図領域413の範囲図には、撮影範囲413aの他に、人口集中地区(DID)、航空機制限地区など、撮影作業に注意が必要な情報を重ね合わせて表示することができる。撮影作業に注意が必要なその他の情報としては、主要道路、鉄道、送電線、電波塔、露天風呂などが挙げられる。現場担当者Fは、これらの情報を地図上に表示したい場合には、タッチパネル361により、対応するチェックボックスにチェックマークを入力する。範囲図領域413は、撮影範囲413aをGISで確認できるように構成されているため視認性が良く、このことは作業前に注意すべき個所の発見などの、安全管理につながる。
画面下側の作業フロー領域414には、対象のプロジェクトを構成するブロックの番号(♯N)と、ブロックごとの作業フローが表示されている。なお、ブロックの番号に代えてブロック名称を使ってもよい。ブロックは、プロジェクトの対象地域を、撮影作業が実施される単位でさらに分割した地域若しくは領域を指す。ブロックの番号の表示部分には、ブロックに関する情報を呼び出すためのリンク情報が埋め込まれている。また、作業フローの表示に関しては、ブロックごとに作業進捗に応じて、各工程の表示部分の色が変化するように構成されているため、ブロックごとの作業進捗が一目でわかる。また、作業フローと進捗を示すことにより、現場において誰でも作業フローの工程に沿って、撮影作業を実施することができる。また、撮影作業の手順の間違いや作業漏れの防止にも繋がる。
さらに、作業フロー領域414には、サーバー200にアップロードされている撮影計画データをタブレット端末装置300Tに取り込むための撮影計画取得ボタン414aが、ブロックごとに設けられている。現場担当者Fが、表示された各ブロックの作業フローの中から、例えば現在位置に対応するブロックの撮影計画取得ボタン414aをタッチすると、撮影計画取得部321はサーバー200から撮影計画データ351を受信し、記憶装置350に記憶する。
このような作業工程管理画面410により、作業フローと作業進捗を同時に確認できるので、現場担当者Fによる撮影作業の管理を容易に行うことができる。また、現場担当者Fは、人口集中地区があるなどの周辺状況を確認することができるため、無人航空機300Dのフライト時に注意すべき箇所などを把握することができる。
[対空標識(着手)確認画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられる対空標識(着手)確認画面を参照して、作業工程“対標(着手)”について説明する。
図7は、空中写真撮影管理システム1で用いられる対標(着手)確認画面の一例を示す。図7に示す対標(着手)確認画面420は、現場において対空標識の設置作業開始時に用いられる確認用画面である。
確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、作業工程管理画面410(図6参照)の“対標(着手)”ボタン414bがタッチされたことを検知すると、対標(着手)確認画面420を表示部371に表示する。現場担当者Fは、撮影計画で定めた対空標識の設置予定場所に対空標識を実際に設置する前に、対標(着手)確認画面420の内容を確認する。
対標(着手)確認画面420は、プロジェクト名称領域421、作業工程領域422、基本情報領域423、及び地図領域424から構成される。
画面上側のプロジェクト名称領域421は、プロジェクト名称の他に、“地図”ボタン421a、“撮影計画図”ボタン421b、“諸元”ボタン421c、“前へ”ボタン421d、及び、“次へ”ボタン421eの各アイコンが表示される。本実施形態は、ブロックごとに作業フローが実施できるように構成されており、“前へ”ボタン421dや“次へ”ボタン421eをタッチすることにより、強調表示される作業工程が切り替わる(作業フローが流れる)。この対標(着手)確認画面420において“前へ”ボタン421dがタッチされると、作業工程管理画面410へ移行し、“次へ”ボタン421eがタッチされると、対標(作業)確認画面460(図9参照)へ移行する。
また、対標(着手)確認画面420は、作業フローの表示切替とは別に、“地図”ボタン421a、“撮影計画図”ボタン421b、又は“諸元”ボタン421cがタッチされることにより、地図画面430、撮影計画図画面440、又は諸元画面450(図8参照)に切り替わる。これらの“地図”ボタン421a、“撮影計画図”ボタン421b、又は“諸元”ボタン421cは、後述する各作業工程の確認用画面において共通である。したがって、地図画面430、撮影計画図画面440、及び諸元画面450により、撮影作業の詳細をいつでも確認することができる。これらの画面の詳細については、図8において後述する。
画面中央やや上側の作業工程領域422には、撮影作業に含まれる作業工程の名称が表示される。図7では、例えば作業工程として、対標(着手)、対標(作業)、撮影記録、フライト前チェック、フライト直前チェック、及びフライトの各作業が表示され、現在選択されている作業工程の“対標(着手)”が下線により強調表示される。
画面中央の基本情報領域423には、対空標識の設置作業に関する基本情報が表示される。例えば作業工程の基本情報として、撮影範囲の面積、標定点の数量、検証点の数量、計測手法、作業日、作業者、及び備考などの項目が表示される。現場担当者Fは、基本情報領域423にある“標定点の数量”を確認することで、設置する対空標識の全体数量を確認することができる。現場担当者Fは、対空標識の設置作業に着手するときに、タッチパネル361を操作して、基本情報領域423上の作業者や計測手法などの各項目に情報を入力する。
さらに画面右側の地図領域424には、背景地図上に、撮影計画コース424a及び対標設置予定場所の情報を重ねた地図が表示される。図7では、12の撮影計画コース424aが表示されているが、コース数は12に限定されない。
[地図画面、撮影計画画面、諸元画面]
次に、地図画面430、撮影計画図画面440、及び諸元画面450について説明する。図8は、地図画面430、撮影計画図画面440、及び諸元画面450の一例を示す。
地図画面430は、表示情報選択領域431、及び地図領域432を有する。表示情報選択領域431には、撮影計画コース432aや計画された対標の位置432bなどの情報を表示するための“ON/OFF”のチェックボックス、地図領域432には、現在地を地図上に表示するための“ON/OFF”ボタン等の各アイコンが設けられている。地図画面430では、現在地と計画された対標の位置432bや撮影計画コース432aとを照らし合わせながら、現在地と計画された各情報との関係を確認することができる。
撮影計画図画面440は、GPS受信機363を使って取得された現在地(作業現場)を、PDF形式の地図(撮影計画図441)上に表示する。撮影計画図441は、例えばPDF拡張形式であるGeoPDF形式のデータとして作成される。GeoPDFは、PDFデータに位置情報(緯度、経度)を持たせることで地理情報システム(GIS)のデータとして簡単に利用できるファイル形式である。
諸元画面450は、詳細情報領域451、及び地図領域452を有する。詳細情報領域451には、使用する無人航空機300D、無人航空機300Dに搭載するカメラ、撮影計画コース数、対地高度などの撮影諸元(詳細情報)が表示される。地図領域452には、撮影計画コース452aが表示される。
また、地図画面430は、タブレット端末装置300TのGPS受信機363が、電波を受信しているGPS衛星数を表示できるので、画面上に表示されるタブレット端末装置300Tの位置情報(現在地)の正確さや、フライトに必要なGPS衛星数が足りているかなどを簡易的に確認することができる。また、現場担当者Fは、GISにより撮影作業の現場の詳細や周辺の状況を確認することができる。
本実施形態では、タブレット端末装置300Tは、サーバー200から撮影計画データを取り込み、ボタン1つで諸元画面450、撮影計画図画面440、及び地図画面430を切り替えて表示することができる。そのため、現場担当者Fは、撮影計画を紙に出力する必要がなく、撮影作業に必要な情報の確認が容易になる。また、タブレット端末装置300Tが自身の現在位置を撮影計画図画面440上に表示できることから、現場担当者Fは、対標の設置位置などが計画通りであるかなどの確認が容易となる。
[対標(作業)確認画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられる対標(作業)確認画面を参照して、作業工程“対標(作業)”について説明する。
図9は、空中写真撮影管理システム1で用いられる対標(作業)確認画面の一例を示す。図9に示す対標(作業)確認画面460は、現場において対空標識の設置作業時に用いられる確認用画面である。
確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、対標(着手)確認画面420(図7参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、対標(作業)確認画面460を表示部371に表示する。現場担当者Fは、撮影範囲内に対空標識を実際に設置する際に、対標(作業)確認画面460の各チェック項目を確認する。
対標(作業)確認画面460は、プロジェクト名称領域461、作業工程領域462、表示情報選択領域463、及び地図領域464から構成される。
画面上側のプロジェクト名称領域461には、対標(着手)確認画面420(図7参照)のプロジェクト名称領域421と同じ内容が表示されている。
画面中央やや上側の作業工程領域462には、対標(着手)確認画面420の作業工程領域422と同様に、撮影作業に含まれる作業工程の名称が表示され、現在選択されている作業工程の“対標(作業)”が下線により強調表示される。
表示情報選択領域463には、地図領域464に表示させる地図情報を選択することができる。外側標定点、内側標定点、検証点、フライトライン、対象範囲、対標設置位置、基地局等の情報を地図領域に表示したい場合は、チェックボックスにチェックマークを入れることで、背景図上に重ね合わせて表示することができる。
地図領域464には、背景地図上に、計画された対空標識の設置予定位置467a(設置予定位置の一例)、タブレット端末装置300Tの現在位置467b(通常は一重丸で表示)の各情報を重ねた地図が表示される。
また、地図領域464には、対空標識を撮影するためのシャッターボタンである対標撮影ボタン466a、現在地の位置情報の取得の有無を切り替えるGPSボタン466b、及び、現在地の標高を取得するための標高ボタン466cの各アイコンが表示される。図9では、GPSボタン466b及び標高ボタン466cはともに、オフ状態である。さらに、地図領域464の左上には、外側標定点465a、内側標定点465b、及び検証点465cのそれぞれの実施数が表示される。さらに、地図領域464の左下には、GPS衛星の使用数、精度、DOP(Dilution of Precision)の各情報が表示される。
確認用画面処理部330は、撮影計画データに基づいて、対空標識の設置予定位置の確認用画面としての対標(作業)確認画面460を生成し、GPS受信機363により取得されたタブレット端末装置300Tの現在位置を対標(作業)確認画面460に表示する。それにより、計画した設置予定位置に対空標識を設置できるよう、現場担当者Fを誘導することができる。
そして、設置予定場所に到達した現場担当者Fは、対標(作業)確認画面460を参照し正確な位置に対空標識を設置する。その際に、GPSボタン466bをタッチすることで、設置場所の位置情報が取得され、その場で、設置予定位置との位置の照合ができる。併せて、対空標識を設置した位置が地図領域464上にプロットされるため、現場担当者Fは、対空標識の設置漏れがないか、対空標識を計画と離れた位置に設置していないかなどを確認できる。ここで取得した位置情報は、記憶装置350に記録する。
また、確認用画面処理部330は、実際の対空標識の設置位置(撮影位置)と対応する対空標識の設置予定位置との距離が所定の距離(制限値)を超えている場合には、警告出力処理を行うように構成されている。このような2点間の距離の算出、比較、警告出力処理は、後述する差異判定部336により行われる。
対空標識の設置完了後、現場担当者Fが対標撮影ボタン466aをタッチすることでカメラ362が起動し、タブレット端末装置300Tは、設置した対空標識を撮影して写真データを記憶装置350に記録する。その他、対標設置作業時の現場状況等の必要項目を対標(作業)確認画面460内にて入力する。設置時間等はタブレット端末装置300Tが自動的に取得する。これらの情報を登録することで、対空標識の設置作業が完了する。
上述したように、空中写真撮影管理システム1では、タブレット端末装置300TのGPS受信機363の位置情報取得機能を使って、計画に沿った作業ができるように構成されている。工事現場などでは日々、現地の地形や状況が変わるため、現場担当者Fは撮影計画図があっても対空標識の設置位置を間違えることがある。しかし、GPS受信機363の位置情報取得機能を利用することにより、対空標識の設置ミスを防ぐことができ、精度担保につながる。
また、対空標識を設置した後に、タブレット端末装置300Tにより対空標識を設置した場所を撮影し、必要事項を現地で直接入力、ないしは、タブレット端末装置300Tにより自動取得することで、対空標識の設置にかかる情報(いわゆる「点の記」の必要項目)を記憶装置350に記憶する。本実施形態により、対空標識の設置作業の管理、及び対空標識の設置状況の進捗管理が行え、全ての対空標識の設置が終了した時点で、タブレット端末装置300Tからサーバー200に対し作業完了報告が行われる。
[対標画像画面]
図10に、撮影された対空標識の画像及び設置位置が表示された対標画像画面の一例を示す。図10に示す対標画像画面470の左側には、撮影した対空標識の画像471が表示され、対標画像画面470の右側には、撮影した対空標識の設置位置を示す情報(緯度、経度)を重ねた地図472が表示される。対標画像画面470には、OKボタンとキャンセルボタンが設けられている。OKボタンがタッチされると、対空標識の画像471が写真データ353(図4参照)として記録される。また、キャンセルボタンがタッチされると、対空標識の画像471は記録されない。この場合は、対空標識の写真撮影が再度必要となる。
[撮影記録情報画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられる撮影記録情報画面を参照して、作業工程“撮影記録”について説明する。
図11は、空中写真撮影管理システム1で用いられる撮影記録情報画面の一例を示す。確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、対標(作業)確認画面460(図9参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、撮影記録情報画面480を表示部371に表示する。撮影記録情報画面480は、撮影記録を残すための画面であり、作業実施後の報告書等に記載する項目や、作業時の天気などの気象情報などが記録される。
撮影記録情報画面480は、プロジェクト名称領域481、作業工程領域482、作業体制情報領域483、及び作業条件領域484から構成される。
プロジェクト名称領域481及び作業工程領域482は、図7に示したプロジェクト名称領域421及び作業工程領域422と同じである。図11の作業工程領域482では、現在選択されている作業工程の“撮影記録”が下線により強調表示される。
作業体制情報領域483には、例えば国土地理院発行の「公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)」に基づく作業体制の情報が表示される。図11では、作業体制の情報として、現場班長、操縦者、モニタ監視者、整備者、機体監視者、及び保安員の各項目が表示される。
作業条件領域484には、作業時の気象等の条件(以下「作業条件」と記述する)が表示される。図11では、作業条件として、例えば天気、煙霧、気温、気圧、風向、風速、記録時刻、及び状況写真(例えばサムネイル485a~485c)が表示される。また、作業条件領域484には、各種の情報を取得する自動設定ボタン484aのアイコンが設けられている。天気などの気象の情報は、現場担当者Fが自動設定ボタン484aをタッチすることで、ネットワークNを介してタブレット端末装置300Tがインターネットに接続して気象情報を提供するサイト等より自動的に取得できるため、作業の効率化を図ることができるとともに、作業条件の記録漏れなどを防ぐことができる。また、現場担当者Fは、上記情報により即座に撮影対象の周辺の天候や風速等を確認できるため、安全なフライトの助けとなる。例えば確認用画面処理部330は、無人航空機300Dを飛ばすのに適さない環境(例えば風速5m/s以上、衛星数5以下、DOP3以上)の場合には、撮影記録情報画面480に注意メッセージを表示し、また、音声アナウンスで警告を出すことで現場担当者Fに対して注意を喚起させる。
また、作業条件領域484には、写真ボタン485のアイコンが設けられている。写真ボタン485がタッチされると、タブレット端末装置300Tのカメラ362が起動し、カメラ362が現場の状況を撮影する。現場担当者Fは、気になるような箇所があれば、その場で写真を撮影しておくことで、後処理(解析)の現場担当者との情報共有を容易に行うことができる。
[フライト前確認画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト前確認画面を参照して、作業工程“フライト前チェック”について説明する。
図12は、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト前確認画面の一例を示す。確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、撮影記録情報画面480(図11参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、フライト前確認画面490を表示部371に表示する。フライト前確認画面490には、無人航空機300Dを飛行させる前に確認すべきチェック項目が表示される。
フライト前確認画面490は、プロジェクト名称領域491、作業工程領域492、チェック項目領域493、及び使用機器領域494から構成される。
プロジェクト名称領域491及び作業工程領域492は、図7に示したプロジェクト名称領域421及び作業工程領域422と同じである。図12の作業工程領域492では、現在選択されている作業工程の“フライト前チェック”が下線により強調表示される。
チェック項目領域493には、無人航空機300Dのフライト前に確認すべき種々のチェック項目と、チェック項目ごとにチェックボックスが表示されている。例えばチェック項目として、「UAV機器の確認」、「プロポ、タブレット接続の確認」、「バッテリーの確認」、「フライトモード、ゴーホーム高度、高度制限の確認」、「機体キャリブレーションの確認(必要であれば)」、及び「機体正常動作の確認(テストフライト)」が表示される。また、チェック項目として、「カメラ・レンズの確認」、「カメラの設定(記録方法、ISO、絞り、シャッター速度)の確認」、及び「ピントの確認(テストショット)」が表示される。プロポとは、無線操縦システム(RC)を構成する部品の単位であり、少なくとも送信機を含む。
フライト前確認画面490において、現場担当者Fがスタートボタン495をタッチすると、音声案内により、チェック項目が1項目ずつ読まれる。現場担当者Fは、一項目ずつ音声とともにフライト前のチェックを実施する。そして、現場担当者Fは、各チェック項目の確認が完了したら、タッチパネル361により、対応するチェックボックスにチェックマークを入力し、確認ボタン496をタッチすると確認作業が完了する。
使用機器領域494には、撮影に使用する機器や部品についての情報が表示される。図12では、UAV(無人航空機)、カメラ、及びレンズの各情報が表示されている。
このようなフライト前確認画面490では、音声案内により、無人航空機300Dのフライト前の確実な安全管理の実行が可能になるとともに、設定ミスや選択ミスを防止することができる。また、音声案内を行うことで、表示のみの場合と比較して、現場担当者Fにより強く注意を喚起させることができる。
[フライト直前確認画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト直前確認画面を参照して、作業工程“フライト直前チェック”について説明する。
図13は、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト直前確認画面の一例を示す。確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、フライト前確認画面490(図12参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、フライト直前確認画面500を表示部371に表示する。フライト直前確認画面500には、フライト前チェック完了後であって無人航空機300Dを飛行させる直前に確認すべきチェック項目が表示される。なお、フライト前確認画面490において確認ボタン496がタッチされていない場合、すなわち、フライト前確認が完了していない場合は、フライト直前確認画面500の操作ができなくするように設定してもよい。
フライト直前確認画面500は、プロジェクト名称領域501、作業工程領域502、チェック項目領域503、及び地図領域504から構成される。
プロジェクト名称領域501及び作業工程領域502は、図7に示したプロジェクト名称領域421及び作業工程領域422と同じである。図13の作業工程領域502では、現在選択されている作業工程の“フライト直前チェック”が下線により強調表示される。
チェック項目領域503は、無人航空機300Dのフライト前チェックが完了してからフライトまでに確認すべき種々のチェック項目と、チェック項目ごとにチェックボックスが表示されている。例えばチェック項目として、「対標設置完了、対標付近の障害確認」、「保安員の配置確認」、「カメラの設定は正しいか」、「機体・カメラ・ジンバルのバッテリー残量確認」、及び「記録媒体の残量確認」が表示される。また、チェック項目として、「機体・カメラ・ジンバルの取付機器に緩みはないか」、「周辺電波の確認」、「気象・衛星情報の記録」、及び「機体・プロポ・タブレット端末装置・カメラの接続確認」が表示される。
また、チェック項目領域503には、撮影記録情報画面480(図11参照)の自動設定ボタン484aと同じ機能を持つ自動設定ボタン503aのアイコンが設けられている。
地図領域504は、背景地図上に、撮影計画コースの情報を重ねた地図が表示される。図13では、撮影計画コースが、フライトが実施されたコースを表す実施コース504a、フライトが実施されていないコースを表す未実施コース504b、及び実施コースの中で採用されたコースを表す実施済み(採用)コース504cに分類して表示される。例えば、実施コース504aは赤、未実施コース504bは白、実施済み(採用)コース504cは緑色などで表示される。さらに、地図領域504の下方には、コース数とフライト時間を示すフライト情報505が表示される。
現場担当者Fは、フライト直前確認画面500において、タッチパネル361を操作してフライトさせるコース(若しくは区間)を選択し、コース数とフライト時間を確認することができる。その後、現場担当者Fが不図示のスタートボタンをタッチすると、音声案内により、チェック項目が1項目ずつ読まれる。現場担当者Fは、一項目ずつ音声とともにフライト直前のチェックを実施する。また、現場担当者Fは、自動設定ボタン503aをタッチし、フライト毎の気象・GPS衛星情報を記録する。ここで、例えば無人航空機300Dを飛ばすのに適さない環境である場合には、画面上に注意メッセージを出したり、音声アナウンスで警告を出したりする。そして、現場担当者Fは、各チェック項目の確認が完了したら、タッチパネル361により、対応するチェックボックスにチェックマークを入力し、不図示の確認ボタンをタッチすると確認作業が完了する。
このようなフライト直前確認画面500においても、音声案内により、無人航空機300Dのフライト直前の確実な安全管理の実行が可能になるとともに、設定ミスや選択ミスを防止することができる。また、音声案内を行うことで、表示のみの場合と比較して、現場担当者Fにより強く注意を喚起させることができる。さらに、撮影計画コースを着色して表示部371に表示することにより、現場担当者Fは、撮影作業の漏れや正確性を確認することができる。
[フライト画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト画面を参照して、作業工程“フライト”について説明する。
図14は、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト画面の一例を示す説明図であり、図14Aは離陸ボタンが操作される前のフライト画面の例、図14Bは離陸ボタンが操作された後のフライト画面の例を示す。
確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、フライト直前確認画面500(図13参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、図14Aに示すようなフライト画面510を表示部371に表示する。
フライト画面510は、プロジェクト名称領域511、作業工程領域512、及びフライト情報領域513から構成される。
プロジェクト名称領域511及び作業工程領域512は、図7に示したプロジェクト名称領域421及び作業工程領域422と同じである。図14Aの作業工程領域512では、現在選択されている作業工程の“フライト”が下線により強調表示される。
フライト情報領域513には、最終的な安全確認を促すメッセージ、コース数、及びフライト時間が表示される。また、フライト情報領域513には、離陸ボタン514のアイコンが表示される。
フライト画面510では、最終案内が音声により実施され、現場担当者Fは、無人航空機300Dが離陸すると同時に離陸ボタン514をタッチする。確認用画面処理部330は、フライト情報としてフライト開始時刻(後述する図15及び図16の離陸時刻)を記憶装置350に記録するとともに、サーバー通信部342によりサーバー200にフライト実施の情報を送信する。これにより、サーバー200を通じてクライアント端末装置100より管理者Mにフライト実施が通知される。
無人航空機300Dのフライト中は、図14Bに示すように、フライト情報領域513に、フライト中を示すメッセージ(例えば“フライトGO”)、フライトコース(例えば21コース中の7コース目)、フライト時間515、及び着陸ボタン516のアイコンが表示される。フライト時間515は、離陸ボタン514がタッチされてからの経過時間である。また、フライト時間(例えば5分、10分のような一定間隔)や、予定のフライト時間に対する残り時間などを音声で案内するようにしてもよい。また、確認用画面処理部330は、無人航空機300Dの予定の飛行時間に対する残り時間が少なくなった場合には、警告出力処理を行う。
そして、現場担当者Fが、無人航空機300Dが着陸すると同時に着陸ボタン516をタッチすることで、フライト終了時刻(図15及び図16の記録時刻)が記憶装置350に記録される。
このようなフライト画面510では、音声案内により、無人航空機300Dのフライト中における確実な安全管理の実行が可能になるとともに、表示のみの場合と比較して、現場担当者Fにより強く注意を喚起させることができる。また、離陸ボタン514及び着陸ボタン516に対する操作に基づいて、フライト状況を記録するため、フライト実施内容の確実な記録が可能となる。
[採否登録画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられる採否登録画面について説明する。図15は、空中写真撮影管理システム1で用いられる採否登録画面の一例を示す。
フライト終了後、現場担当者Fが、無人航空機300Dからメモリカード等の記録媒体を取出してタブレット端末装置300Tの記録媒体インターフェース380に装着すると、確認用画面処理部330は、記録媒体から撮影された空中写真の撮影結果データを読み込む。なお、不図示のメニュー画面において撮影結果取込ボタンがタッチされることで、確認用画面処理部330により採否登録画面530が表示されるようにしてもよい。
採否登録画面530は、フライト記録領域531と、地図領域532とから構成される。
フライト記録領域531には、例えばフライト番号(図中、「フライトNo」)、離陸ボタン514がタッチされた時刻である離陸時刻、着陸ボタン516がタッチされた時刻である記録時刻、風速、撮影コース、写真枚数、採否、及び備考の各項目が表示される。採否に関しては、現場担当者Fは、採用の場合は“〇”、不採用の場合は“×”を、不図示のプルダウンメニューから選択する。
地図領域532には、少なくとも撮影計画データ351に含まれる撮影予定位置の情報に基づく撮影計画コースと、撮影された空中写真の撮影位置とを表した地図が表示される。図15では、撮影計画コースC1,C2、複数の空中写真の撮影位置532aが表示されている。
無人航空機300Dのカメラで撮影された空中写真の撮影位置を示す情報(例えば緯度及び経度)は、撮影位置情報取得部333が、記録媒体から読み込んだ撮影結果データから空中写真ごとに取得する。例えば、撮影結果データがExifである場合、撮影結果データに撮影位置等の撮影条件に関する情報(メタデータ)が付加されているので、撮影位置を示す情報を抽出することが可能である。
現場担当者Fは、写真枚数や撮影位置などが地図領域532の地図上に表示されるので、これらの情報を参照してフライト記録領域531の採否判定の採用の場合の“〇”又は不採用の場合の“×”を選択する。採否登録部335は、フライト記録領域531の採否判定で、採用の場合の“〇”が選択されている場合、地図領域532の下方に設置してあるOKボタン533がタッチされることで撮影結果データの採用の登録処理を行う。図15の例では、撮影計画コースC1上に写真抜け532b(破線で囲まれた部分)が見られる。このような撮影結果データは採用できないため、フライト記録領域531の採否判定は、不採用の“×”が選択され、OKボタン533がタッチされることで当該撮影結果データの不採用の処理を行う。なお、キャンセルボタン534がタッチされた場合は、それまでに入力した採否判定やその他撮影記録等の更新内容が反映されることなく、元の状態に戻ることになる。
また、差異判定部336は、撮影計画コース上の指定された撮影予定位置と空中写真の撮影位置との距離を算出し、算出した距離が所定の距離を超えるか否かの判定処理を行う。そして、撮影予定位置と実際の撮影位置との距離が所定の距離を超える場合には、警告出力処理を行う。また、差異判定部336は、隣接する空中写真の撮影範囲のオーバーラップ部分が所定のオーバーラップ率を満たさない場合にも、警告出力処理を行うようにしてもよい。オーバーラップ率が基準を満たさない状態は、撮影位置のずれの一態様とも言える。さらに、差異判定部336は、写真抜けの場合にも、警告出力処理を行う。
このような採否登録画面530によれば、撮影計画コースと、撮影された空中写真の撮影位置とを表した地図を表示するので、写真抜けや撮影計画コースからの位置ずれを確認することができる。また、空中写真の撮影位置が撮影計画に対してずれている場合に、自動で警告出力処理が行われる。写真抜けの場合も自動で警告出力処理が行われる。それにより、現場担当者Fは、撮影位置のずれや写真抜けがあることを確認し、即座に再度撮影作業を実施することで良好な撮影結果データを取得することが可能になる。
[フライト結果画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト結果画面を参照して、作業工程“フライト結果”について説明する。
図16は、空中写真撮影管理システム1で用いられるフライト結果画面の一例を示す。確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、フライト画面510(図14参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、図16に示すようなフライト結果画面540を表示部371に表示する。
フライト結果画面540は、プロジェクト名称領域541、作業工程領域542、及びフライト結果領域543から構成される。フライト結果画面540の下部に設けられた撮影結果取込ボタン544がタッチされると、確認用画面処理部330は、記録媒体から読み込んだ撮影結果データに基づいて、フライト結果領域543にフライト結果の表を表示する。
プロジェクト名称領域541及び作業工程領域542は、図7に示したプロジェクト名称領域421及び作業工程領域422と同じである。図16の作業工程領域542では、現在選択されている作業工程の“フライト結果”が下線により強調表示される。
フライト結果領域543には、フライト結果が表形式で表示される。フライトする度にフライト番号が振られ、フライト番号ごとに1つのレコードが記録される。1つのレコードは、フライト番号、基地標高、離陸時刻、記録時刻、風速、コース、写真番号(数量)、採否、備考の各項目から構成される。例えば、フライト番号“3”のレコードでは、基地標高が“10”、離陸時刻が“9:54”、記録時刻が“9:54”、風速“1”、コースが“2,5”、写真番号が“222”、採否が“〇”である。
このようなフライト結果画面540によれば、プロジェクトのブロック(撮影作業)のコース数や写真枚数、フライト毎の採否などを確認できる。また、フライト結果画面540に表示された各項目の情報は、サーバー200に送信され、例えばクライアント端末装置100により撮影記録として帳票に出力される。
なお、本実施形態では、予定数量の空中写真が取得できるまで、「フライト直前チェック」→「フライト」→「フライト結果」の工程を繰り返す。このように構成することで、撮影作業の確実な実施が可能になり、良好な撮影結果データを取得することができる。
[撮影作業結果確認画面]
次に、空中写真撮影管理システム1で用いられる撮影作業結果確認画面を参照して、作業工程“結果確認”について説明する。
図17は、空中写真撮影管理システム1で用いられる撮影作業結果確認画面の一例を示す。確認用画面処理部330は、タッチパネル361により、フライト結果画面540(図16参照)の“次へ”ボタン421eがタッチされたことを検知すると、図17に示すような撮影作業結果確認画面550を表示部371に表示する。撮影作業結果確認画面550により、最後にブロックの撮影作業の結果を確認する。
撮影作業結果確認画面550は、プロジェクト名称領域551、作業工程領域552、及びチェック項目領域553から構成される。
プロジェクト名称領域551及び作業工程領域552は、図7に示したプロジェクト名称領域421及び作業工程領域422と基本的には同じである。ただし、プロジェクト名称領域421の右端付近には、“次へ”ボタン421eに代わって“完了”ボタン551aが表示されている。図17の作業工程領域552では、現在選択されている作業工程の“結果確認”が下線により強調表示される。
チェック項目領域553には、無人航空機300Dのフライト後に確認すべき種々のチェック項目と、チェック項目ごとにチェックボックスが設けられている。例えばチェック項目として、「撮影コース、写真に不足はないか」、「写真抜けはないか」、「ピンぼけなど写真は明瞭に撮影されているか」、「バックアップは取得したか」、「機体等の破損が無いか」、及び「対標・機材は撤収したか」が表示される。
撮影作業結果確認画面550において、現場担当者Fは、スタートボタン555をタッチすると、音声案内により、チェック項目が1項目ずつ読まれる。一項目ずつ音声とともにフライト後のチェックを実施する。そして、現場担当者Fは、全てのチェック項目を確認してチェックボックスにチェックマークを入力し、かつ“完了”ボタン551aをタッチすると、対象ブロックの撮影作業内の全ての作業工程が完了する。それを受けて、図6に示す作業工程管理画面410の作業フローが実施済みとして各作業工程の表示部分が着色される。
[撮影作業完了後のプロジェクト画面]
図18は、撮影作業完了後の作業工程管理画面のトップ画面の一例を示す。
図18に示すように、撮影作業完了後の作業工程管理画面410では、作業フロー領域414内のブロック“1”の作業フローの全ての作業工程の表示部分が着色(図18ではドット表示)される。それにより、対象プロジェクトのブロック“1”の全ての作業工程が完了したことを確認することができる。
[撮影作業管理処理手法の手順]
次に、空中写真撮影管理システム1の撮影作業管理処理手法の手順例について説明する。
図19は、空中写真撮影管理システム1の撮影作業管理処理手法の手順例を示すフローチャートである。
まず、管理者Mは、クライアント端末装置100からサーバー200に対してログイン処理を行い(S1)、サーバー200が管理者Mを正常に認証すると、クライアント端末装置100はサーバー200にログインし、サーバー200と相互に通信可能に接続する。
次いで、クライアント端末装置100は、管理者Mの操作に基づいて、撮影計画を作成し、撮影計画データをサーバー200にアップロードする(S2)。サーバー200のデータアップロード部216は、クライアント端末装置100から送信された撮影計画データを受信し、記憶装置220に記憶する。
一方、現場担当者Fは、タブレット端末装置300Tからサーバー200に対してログイン処理を行い(S11)、サーバー200が現場担当者Fを正常に認証すると、タブレット端末装置300Tはサーバー200にログインし、サーバー200と相互に通信可能に接続する。
次いで、タブレット端末装置300Tは、現場担当者Fの操作に基づいて、サーバー200に対して撮影計画の取得要求を行い(図6の撮影計画取得ボタン414a)、サーバー200から撮影計画データをダウンロードする(S12)。次いで、現場担当者Fは、表示部371に表示された撮影計画データ(図8の諸元画面450など)を確認する(S13)。
次いで、タブレット端末装置300Tは、現場担当者Fの操作に基づいて、対空標識の設置状況の登録、及びカメラ362による対空標識の撮影を行う。タブレット端末装置300Tは、この対空標識の設置状況の登録及び撮影についての情報をサーバー200へ送信する(S14)。次いで、タブレット端末装置300Tは、現場担当者Fの操作に基づいて、登録された対空標識の設置状況の情報(図9の対標(作業)確認画面460を参照)をチェックする(S15)。
ここで、タブレット端末装置300Tは、対空標識の設置が制限値内で実施されていないなどの場合には(S15のNG)、ステップS14に戻って対象の対空標識の設置状況の登録及び撮影を再度行う。
また、タブレット端末装置300Tは、対空標識の設置が所定の基準範囲内(制限値内)で実施されている場合には(S15のOK)、対空標識の設置状況を確認し、対空標識の設置状況の確認結果をサーバー200へ送信する(S16)。次いで、クライアント端末装置100は、サーバー200に送信された対空標識の設置状況の情報を、サーバー200から受信して状況確認表示処理部115により表示部141に表示する(S3)。これにより、管理者Mは、現場における対空標識の設置状況を確認することができる。
次いで、タブレット端末装置300Tは、撮影作業の撮影記録情報(図11の撮影記録情報画面480を参照)を記憶装置350に登録(記憶)し、その撮影記録情報をサーバー200へ送信する(S17)。次いで、クライアント端末装置100は、サーバー200にアップロードされた撮影記録情報を、サーバー200からダウンロードして撮影記録表示処理部114により表示部141に表示する(S4)。これにより、管理者Mは、現場における撮影記録登録状況を確認することができる。
次いで、タブレット端末装置300Tは、担当者Fの操作に基づいて、登録した撮影記録情報をチェックする(S18)。ここで、タブレット端末装置300Tは、登録した撮影記録情報に問題がある場合には(S18のNG)、ステップS17に戻って撮影記録情報の再登録を行う。
次いで、タブレット端末装置300Tは、登録した撮影記録情報に問題がない場合には(S18のOK)、現場担当者Fの操作に基づいて、フライト前チェックを行うとともに、そのチェック結果をサーバー200へ送信する(S19)。ここでのフライト前チェックには、少なくともフライト前確認画面490(図12参照)を用いたフライト前チェックが含まれ、さらにフライト直前確認画面500(図13参照)を用いたフライト直前チェックが含まれてもよい。次いで、クライアント端末装置100は、サーバー200に送信されたフライト前チェックの結果を、サーバー200から受信して状況確認表示処理部115により表示部141に表示する(S5)。これにより、管理者Mは、現場におけるフライト前チェック状況を確認することができる。
次いで、フライト前チェックが完了した後、操縦者が無人航空機300Dを離陸(フライト)させると、タブレット端末装置300Tは、現場担当者Fの操作に基づいて、フライト画面510(図14参照)により、フライト時間表示等のフライト時処理を行うとともに、そのフライト実施の情報をサーバー200へ送信する(S20)。次いで、クライアント端末装置100は、サーバー200に送信されたフライト実施の情報を、サーバー200から受信して状況確認表示処理部115により表示部141に表示する(S6)。これにより、管理者Mは、現場における無人航空機300Dのフライトの有無を確認することができる。
次いで、タブレット端末装置300Tは、現場担当者Fの操作に基づいて、採否登録画面530(図15参照)により無人航空機300Dを用いて撮影された撮影結果データの採用又は不採用の登録をチェックする(S21)。ここで、タブレット端末装置300Tは、撮影結果データの不採用が登録された場合には(S21のNG)、ステップS20の前に戻ってフライト直前確認画面500(図13参照)を用いてフライト直前チェックを行うことを含めたステップS20のフライト時処理を行う。
次いで、タブレット端末装置300Tは、撮影結果データの採用が登録された場合には(S21のOK)、さらにタブレット端末装置300Tは、フライト結果画面540(図16参照)により、残りコースの有無(即ち予定数量の空中写真の撮影を完了したか)をチェックする(S22)。ここで、タブレット端末装置300Tは、残りコースがある場合には(S22のNG)、ステップS19に戻ってフライト前チェックから再開する。
次いで、タブレット端末装置300Tは、残りコースがない場合には(S22のOK)、撮影作業結果確認画面550(図17参照)により、フライト後チェックを行うとともに、フライト後チェックの結果をサーバー200へ送信する(S23)。次いで、クライアント端末装置100は、サーバー200に送信されたフライト後チェックの結果を、サーバー200から受信して状況確認表示処理部115により表示部141に表示する(S7)。これにより、管理者Mは、現場におけるフライト後チェック状況を確認することができる。
次いで、タブレット端末装置300Tは、現場担当者Fの操作に基づいて、撮影作業結果確認画面550(図17参照)において全てのチェック項目について確認が行われたか否かをチェックする(S24)。ここで、タブレット端末装置300Tは、全てのチェック項目について確認が行われていない場合には(S24のNG)、ステップS23に戻ってフライト後チェックを再度行う。
また、タブレット端末装置300Tは、全てのチェック項目について確認が行われた場合には(S24のOK)、撮影作業結果確認画面550の“完了”ボタン551aがタッチされたことにより撮影作業の全ての作業工程の完了を確認し、撮影作業の全ての作業工程が完了したという情報をサーバー200へ送信する(S25)。次いで、クライアント端末装置100は、サーバー200に送信された撮影作業の全ての作業工程が完了したという情報を、サーバー200から受信して状況確認表示処理部115により表示部141に表示する(S8)。これにより、管理者Mは、現場において撮影作業の全ての作業工程が完了(計測完了)したことを確認することができる。このステップS8の処理が終了後、本フローチャートの処理を終了する。
この後、タブレット端末装置300Tは、撮影記録情報や撮影結果データ等を用いて、データ処理を行い、納品物生成(帳票生成等)を行う。以下、納品物生成処理手法について説明する。
[納品物生成処理手法の手順]
図20は、空中写真撮影管理システム1の納品物生成処理手法の手順例を示すフローチャートである。この納品物生成処理は、クライアント端末装置100が単独でも実行してもよいし、クライアント端末装置100がサーバー200などの他のシステムと協働して実行してもよい。
まず、クライアント端末装置100は、計測結果(撮影記録情報や撮影結果データ等)を、サーバー200から受信する(S31)。次いで、クライアント端末装置100は、計測結果をデータ処理し、帳票等の納品物を生成する(S32)。クライアント端末装置100がサーバー200と連係する場合には、サーバー200の帳票作成部214により帳票が作成される。
次いで、クライアント端末装置100は、納品物データをサーバー200へ送信する(S33)。そして、クライアント端末装置100は、管理者Mの操作に基づいて、納品物データにセキュリティ保護をかけて公開処理(登録)を行う(S34)。納品物データへのアクセスが許可された発注者50(図1参照)は、サーバー200に登録された納品物データを自身が使用する端末装置に表示する。複数の発注者50にアクセス許可を出すことにより、各発注者50は、サーバー200に登録された納品物を共有することができる。
[一実施形態の効果]
上述のように構成される一実施形態によれば、現場担当者Fが、撮影予定位置を含む撮影計画データを、サーバー200からタブレット端末装置300Tに取り込み、タブレット端末装置300Tに撮影計画コースと現在位置を表示することで、現場において対空標識を撮影計画通りに設置することが可能となる。また、本実施形態によれば、対空標識の設置精度が担保されるとともに、手戻りの発生を防止する効果がある。
また、本実施形態によれば、サーバー200(クラウド環境)を通じて、現場の情報をリアルタイムで現場担当者F(タブレット端末装置300T)から管理者M(サーバー経由でクライアント端末装置)に報告することが可能となることにより、現場担当者Fと管理者Mによる迅速な情報共有が可能になる。
また、本実施形態によれば、サーバー200を介して(クラウド環境で)現場担当者Fと管理者Mがデータを共有することにより、急な撮影計画の変更に対し、変更内容を即座に撮影計画に反映及び更新することができる。
また、本実施形態によれば、アプリケーションを利用して撮影記録を自動化し、現場担当者Fの手間を削減することができる。さらに、本実施形態によれば、各確認用画面のチェック項目を音声で案内することにより、目視の場合と比較して、無人航空機300Dのフライトの前に、安全管理がより確実に実施されることが期待でき、設定ミスや選択ミス等を防止することができる。
さらに、本発明は上述した各実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウェアで実現してもよい。