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JP7069604B2 - 沈降シリカの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、沈降シリカの製造法に関する。
近年、二酸化炭素の増加に伴い、地球温暖化が危惧されている。二酸化炭素排出量が規制され始め、化石燃料の代替エネルギーが世界中で探索されている。その一つとしてバイオマスエネルギーが注目を集めている。籾殻を燃料としてボイラーを稼働させる工場を有する企業が世界で増加している。籾殻の原料は光合成で生育したイネであるため、籾殻を燃焼しても二酸化炭素を増大させたということにはならない。そのため地球環境に負荷をかけないことを目指す企業がこの技術に注目している。
しかし、籾殻を燃焼した後に灰が残るが、この灰の処分に企業は苦労している。籾殻には二酸化ケイ素を多量に含んでいるため、コンクリートに混ぜて建築材料として利用されている場合もあるが、非常に安価で取引されるため、企業にとって処理に費用がかかっている。
一方で、いわゆる水ガラスと呼ばれるケイ酸ナトリウム水溶液から工業用の沈降シリカを得る方法は以前から検討され、現在では多くの工業製品が出ている。水ガラスから得られる沈降シリカは、シリカゲルと異なり、粒状で、ろ過しやすく、品質が安定している。沈降シリカの分散時の粒径は、比較的小さく、数μmの場合や1μm以下の場合もある。沈降シリカは、その大きさや比表面積等に応じて、塗料の艶消し、タイヤ、歯磨きの研磨剤等の幅広い用途に応用されている。例えば、特許文献1には、インクジェット記録紙填料やフィルムのアンチブロッキング剤に応用可能な比表面積の大きい沈降シリカの製造法が記載されている。また、特許文献2、3には、タイヤ用途の高分散シリカの製法が記載されている。
沈降シリカは、典型的には、加熱しながら水ガラスと硫酸などの鉱酸を同時に一定の時間をかけてpHを8-10のアルカリ性に保ちながら水に滴下し、最後にpH3に調整し、安定状態に戻し、ろ過、水洗、加熱することによって得られることが良く知られている(非特許文献1)。
また、特許文献2、3では、水ガラスをシリカ重量濃度換算で0.5~7%になるように低濃度になるまで希釈し、陽イオン交換樹脂によってナトリウムカチオンを取り除き、加熱することで数nm程度の小さなシリカ粒子が安定に分散した状態である、いわゆるシード液を調製し、それに対して水ガラスと硫酸を同時滴下することによって、高分散かつ粒径の小さなシリカを得ることに成功している。しかし、イオン交換樹脂工程を入れるとコストが上がってしまう。
また、特許文献4には、希釈したケイ酸ナトリウム水溶液に、希釈したケイ酸ナトリウム水溶液と濃硫酸を滴下することにより、沈降シリカを製造する方法が開示されている。
沈降シリカ製造に用いられる水ガラスは、珪砂にアルカリを添加し1000℃程度に加熱融解して得られるものであり、この高温加熱にも石油エネルギーが用いられている。したがって、通常の水ガラスから得られる沈降シリカを用いる製品は二酸化炭素を増加させている製品と言える。特許文献1~4に用いられている水ガラス、すなわちケイ酸ソーダは鉱物由来であり、シリカとアルカリのモル比SiO/NaO=2~4のものが使用されている。
特許文献5では、籾殻灰等を水酸化ナトリウム水溶液に懸濁し、100℃前後で加熱、攪拌することで得られるケイ酸アルカリ水溶液を、濃硫酸と同時に水に滴下することにより、沈降シリカを得ている。しかし、この方法では、粒径の大きな沈降シリカしか得られない。
また、特許文献6では、籾殻灰から得た水ガラスを希釈し、それに酸を加えて沈降シリカを得ているが、水ガラスに直接酸を加えているため、短時間かつ高濃度の状態でpHが凡そ9から3の大きな範囲で変化するので、一部ゲル化が起こっている。また、この方法では、粒径の大きな沈降シリカしか得られない。
特許第4596998号 特開2011-157453 特開2012-106911 米国特許4681750 WO2015/186045 特許第5128040号
Emily D. E. R. Hyde, Ahmad Seyfaee, Frances Neville, and Roberto Moreno-Atanasio, Industrial & Engineering Chemistry Research, 2016, 55, 8891-8913.
本発明は、分散性がよく、且つ表面積の大きい沈降シリカを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々検討の結果、まず、籾殻灰をアルカリで抽出してケイ酸アルカリ水溶液を調製し、次いで、ケイ酸アルカリ水溶液を水で希釈し、所定のpHに調整してシード液を調製し、次いで、シード液にpHを維持しながらケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸を同時に滴下することにより、分散性がよく、且つ表面積の大きい沈降シリカが簡便に製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を包含する。
[1]
沈降シリカの製造方法であって、
下記工程A~Cを含む、方法:
(A)シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2を調製する工程;
(B)前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHを8~10に調整することにより、シード液を調製する工程;
(C)前記シード液に、前記ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸を滴下することにより、沈降シリカを調製する工程。
[2]
前記工程Bが、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1を希釈することを含む、前記方法。
[3]
前記希釈が、前記pH調整の前に実施される、前記方法。
[4]
前記希釈後の前記ケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度が、0.03%(w/w)~1.0%(w/w)である、前記方法。
[5]
前記シード液中のシリカ濃度が、0.03%(w/w)~1.0%(w/w)である、前記方法。
[6]
前記工程Bにおいて、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHが、鉱酸の添加により8~10に調整される、前記方法。
[7]
前記工程Bにおいて、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHが、鉱酸の添加により2~4に調整された後に、さらにアルカリの添加により8~10に調整される、前記方法。
[8]
前記pH調整に用いられるアルカリが、ケイ酸アルカリ水溶液S3であり、
前記工程Aが、下記工程A1である、前記方法:
(A1)シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、およびS3を調製する工程。
[9]
前記工程Cで滴下される鉱酸が、0.1モル/L~2モル/Lの硫酸である、前記方法。
[10]
前記工程Cにおいて、前記シード液に前記ケイ酸アルカリ水溶液S2および前記鉱酸が同時に滴下される、前記方法。
[11]
前記工程Cにおいて、前記滴下中、前記シード液のpHが、8~11に維持される、前記方法。
[12]
前記工程Cが、前記滴下後の前記シード液に追加の鉱酸を滴下することを含む、前記方法。
[13]
前記ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量が、シリカ量に換算して、前記シード液の量の40倍~50倍である、前記方法。
[14]
前記工程AまたはA1で用いられる灰が、籾殻灰である、前記方法。
[15]
前記ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2が、前記工程Aにおいてまとめて調製される、前記方法。
[16]
前記ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、およびS3が、前記工程A1においてまとめて調製される、前記方法。
[17]
前記ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、および/またはS3中のシリカ濃度が、3~50%(w/w)である、前記方法。
[18]
さらに、下記工程Dを含む、前記方法:
(D)前記工程Cで得られた沈降シリカを超音波破砕することにより、該沈降シリカの平均粒径を1μm以下に調整する工程。
[19]
前記超音波破砕が、粒径1μm以上のシリカ粒子が残存しないように実施される、前記
方法。
[20]
前記沈降シリカのBET比表面積値が、100m/g~250m/gである、前記方法。
[21]
前記方法により得られた沈降シリカ。
[22]
沈降シリカであって、
BET比表面積値が100m/g~250m/gであり、且つ
超音波破砕後の平均粒径が1μm以下である、沈降シリカ。
[23]
沈降シリカを原料として目的物を製造する方法であって、
前記沈降シリカが、前記方法により得られる沈降シリカ、または前記沈降シリカであり、
前記目的物が、インクジェット記録紙填料、塗料の艶消し剤、ジョギングシューズ、またはタイヤである、方法。
本発明によれば、分散性がよく、且つ表面積の大きい沈降シリカを安価に製造できる。
<1>本発明の方法
本発明の方法は、下記工程A~Cを含む、沈降シリカの製造方法である:
(A)シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2を調製する工程;
(B)前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHを8~10に調整することにより、シード液を調製する工程;
(C)前記シード液に前記ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸を滴下することにより、沈降シリカを調製する工程。
<工程A>
工程Aにおいては、シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2を調製することができる。
工程Aにおいては、さらに、ケイ酸アルカリ水溶液S3(後述)を調製することもできる。すなわち、工程Aは、下記工程A1であってもよい:
(A1)シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、およびS3を調製する工程。
ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2は、それぞれ、工程BおよびCで用いられる。ケイ酸アルカリ水溶液S3は、工程Bにおいて用いられる場合がある。
ケイ酸アルカリ水溶液S1~S3は、それぞれ個別に調製されてもよく、そうでなくてもよい。すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液S1~S3の一部または全部をまとめて調製することもできる。例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2、S1およびS3、S2およびS3、またはS1~S3をまとめて調製することができる。
具体的には、例えば、工程Aをケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2について個別に実施することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2をそれぞれ個別に調製することができる。また、具体的には、例えば、工程Aをケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2に
ついてまとめて実施することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2をまとめて調製することができる。なお、「ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2をまとめて調製する」とは、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2として共通に用いるケイ酸アルカリ水溶液を調製することを意味する。すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2をまとめて調製する場合、調製されたケイ酸アルカリ水溶液の一部をケイ酸アルカリ水溶液S1として、残部の一部または全部をケイ酸アルカリ水溶液S2として用いることができる。他の組み合わせの場合についても同様である。
複数のケイ酸アルカリ水溶液を個別に調製する場合、工程Aの実施条件(原料の種類、原料の濃度、加熱温度、加熱時間等)は、それぞれについて、同一であってもよく、そうでなくてもよい。また、複数のケイ酸アルカリ水溶液を個別に調製する場合、それらの組成(シリカ濃度等)は、同一であってもよく、そうでなくてもよい。
ケイ酸アルカリ水溶液S1~S3としては、それぞれ、1種のケイ酸アルカリ水溶液を用いてもよく、2種またはそれ以上のケイ酸アルカリ水溶液を組み合わせて用いてもよい。
本発明の方法においては、シリカ含有植物体の灰を沈降シリカの原料として用いる。以下、シリカ含有植物体の灰を、「原料灰」ともいう。「シリカ含有植物体」とは、シリカ含有植物の植物体の全体またはその一部をいう。シリカ含有植物は、所望の程度にシリカを含有するものであれば、特に制限されない。シリカ含有植物としては、例えば、イネ、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、ハトムギ、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ等のイネ科植物が挙げられる。植物体の一部は、所望の程度にシリカを含有するものであれば、特に制限されない。植物体の一部としては、例えば、籾殻や藁が挙げられる。植物体の一部としては、特に、籾殻が挙げられる。すなわち、原料灰としては、特に、籾殻灰が挙げられる。原料灰は、シリカ含有植物体を燃焼させることにより得られる。原料灰は、具体的には、例えば、シリカ含有植物体を燃料としてバイオマスボイラーで燃焼させた際に発生する副生物として得られる。原料灰を製造する際の燃焼温度は、特に制限されない。燃焼温度は、例えば、400℃~900℃であってよい。原料灰としては、1種の原料灰を用いてもよく、2種またはそれ以上の原料灰を組み合わせて用いてもよい。また、原料灰は、原料灰中に微量に含まれるアルカリ土類金属類、重金属類、有機化合物等の夾雑物を除去するために、鉱酸中で加熱し、次いでろ過し、水洗してから使用してもよい。この場合に用いる鉱酸に制限はなく、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などを用いてよく、水で希釈してから使用してもよい。
原料灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸イオンを含有する水溶液(ケイ酸アルカリ水溶液)を調製することができる。言い換えると、原料灰を含有するアルカリ水溶液を加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液を調製することができる。原料灰を含有するアルカリ水溶液を、「原料混合液」ともいう。原料混合液は、例えば、原料灰、アルカリ、および水を混合することにより得られる。混合の順番は特に制限されない。原料混合液は、具体的には、例えば、原料灰とアルカリ水溶液とを混合することにより得られる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。アルカリとしては、特に、水酸化ナトリウムが挙げられる。アルカリとしては、1種のアルカリを用いてもよく、2種またはそれ以上のアルカリを組み合わせて用いてもよい。
原料灰とアルカリの使用量比や使用濃度は、本発明の方法に使用できるケイ酸アルカリ水溶液が得られる限り、特に制限されない。以下、特に、原料灰とアルカリ水溶液とを混合して原料混合液を得る場合を想定して原料灰とアルカリの使用量比や使用濃度について説明するが、当該説明は他の手順で原料混合液を得る場合にも準用できる。アルカリの使
用濃度は、原料灰との混合前のアルカリ水溶液中のアルカリ濃度として、例えば、0.1モル/L以上、0.3モル/L以上、0.5モル/L以上、1モル/L以上、または1.5モル/L以上であってもよく、4モル/L以下、3モル/L以下、または2モル/L以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。アルカリの使用濃度は、原料灰との混合前のアルカリ水溶液中のアルカリ濃度として、具体的には、例えば、1モル/L~4モル/Lであってもよい。使用されるアルカリの当量は、乾燥原料灰1gに対して、例えば、1ミリモル以上、5ミリモル以上、10ミリモル以上、または15ミリモル以上であってもよく、100ミリモル以下、50ミリモル以下、または20ミリモル以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。使用されるアルカリの当量は、乾燥原料灰1gに対して、具体的には、例えば、10ミリモル~100ミリモルであってもよい。また、原料混合液中のアルカリ濃度や原料灰濃度は、上記例示した原料灰との混合前のアルカリ水溶液中のアルカリ濃度と、上記例示した原料灰とアルカリの使用量比とから算出される範囲であってよい。
加熱条件は、本発明の方法に使用できるケイ酸アルカリ水溶液が得られる限り、特に制限されない。加熱温度は、例えば、50℃以上、60℃以上、または80℃以上であってもよく、100℃以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。加熱は、例えば、静置条件で実施してもよく、撹拌しながら実施してもよい。激しく攪拌した方が、高い抽出効率でシリカを抽出することができる。加熱時間は、例えば、1時間以上、3時間以上、5時間以上、または10時間以上であってもよく、24時間以下、18時間以下、12時間以下、または6時間以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。加熱時間は、具体的には、例えば、5時間~24時間であってよい。加熱後の原料混合液は、例えば、そのまま、あるいは希釈、濃縮、精製等の処理をしてから、以降の工程に用いることができる。例えば、加熱後、原料混合液から炭素分を除去することができる。炭素分は、例えば、フィルタープレス等で原料混合液を濾過することにより除去することができる。
ケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ濃度は、ケイ酸アルカリ水溶液を用いて本発明の方法を実施できる限り、特に制限されない。ケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ濃度は、ケイ酸アルカリ水溶液の使用態様等の諸条件に応じて、適宜設定できる。ケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ濃度は、例えば、0.03%(w/w)以上、0.1%(w/w)以上、0.3%(w/w)以上、1%(w/w)以上、または3%(w/w)以上であってもよく、50%(w/w)以下、30%(w/w)以下、15%(w/w)以下、10%(w/w)以下、5%(w/w)以下、3%(w/w)以下、または1%(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。ケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ濃度は、具体的には、例えば、0.03%(w/w)~50%(w/w)であってもよく、0.03%(w/w)~1.0%(w/w)であってもよく、3%(w/w)~50%(w/w)であってもよい。ケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度は、特に、工程Bにおいて希釈を実施しない場合に、0.03%(w/w)~1.0%(w/w)であってもよい。また、ケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度は、特に、工程Bにおいて希釈を実施する場合に、3%(w/w)~50%(w/w)であってもよい。また、ケイ酸アルカリ水溶液S2中のシリカ濃度は、特に、3%(w/w)~50%(w/w)であってもよい。また、ケイ酸アルカリ水溶液S3中のシリカ濃度は、特に、3%(w/w)~50%(w/w)であってもよい。シリカ濃度は、常法により測定することができる。シリカ濃度は、例えば、パックテストシリカ(共立理化学研究所)を用いて測定することができる。
<工程B>
工程Bにおいては、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHを所定の範囲に調整することにより、シード液を調製することができる。
「シード」とは、シリカの微粒子をいう。すなわち、工程Bにおいては、具体的には、ケイ酸アルカリ水溶液S1中のケイ酸イオンをシリカの微粒子として析出させる。工程Bにおいてシリカの微粒子を予め調製することで、続く工程Cにおいて分散性の良い沈降シリカが得られる。
pH調整には、鉱酸やアルカリを用いることができる。鉱酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸が挙げられる。鉱酸としては、特に、硫酸が挙げられる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。アルカリとしては、特に、水酸化ナトリウムが挙げられる。また、アルカリとしては、特に、ケイ酸アルカリ水溶液S3も挙げられる。鉱酸としては、1種の鉱酸を用いてもよく、2種またはそれ以上の鉱酸を組み合わせて用いてもよい。アルカリとしては、1種のアルカリを用いてもよく、2種またはそれ以上のアルカリを組み合わせて用いてもよい。鉱酸やアルカリの濃度は、特に制限されない。鉱酸やアルカリの濃度は、それぞれ、例えば、0.1モル/L以上、0.3モル/L以上、0.5モル/L以上、1モル/L以上、または1.5モル/L以上であってもよく、4モル/L以下、3モル/L以下、または2モル/L以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。鉱酸の濃度は、具体的には、例えば、0.1モル/L~2モル/Lであってもよい。アルカリの濃度は、具体的には、例えば、1モル/L~4モル/Lであってもよい。鉱酸やアルカリは、それぞれ、例えば、上記例示した濃度の水溶液として用いることができる。
工程BにおけるpHの「所定の範囲」は、8~10である。工程BにおけるpHの「所定の範囲」は、例えば、8.5以上であってもよく、9.5以下であってもよく、8.5~9.5であってもよい。
工程Bにおいて、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHは、所定の範囲に調整される前に、所定の範囲未満に調整されてもよく、されなくてもよい。すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHは、所定の範囲未満に調整されることなく、所定の範囲に調整されてよい。あるいは、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHは、所定の範囲未満に調整された後に、さらに所定の範囲に調整されてもよい。所定の範囲未満は、例えば、2以上であってもよく、8.5未満、8未満、または4以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。所定の範囲未満は、具体的には、例えば、2~4であってもよい。すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHは、例えば、2~4に調整された後に、さらに8~10に調整されてもよい。なお、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHが所定の範囲未満に調整されない場合と比較して、ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHが所定の範囲未満に調整される場合には、一次粒径が小さくなる傾向が認められる。よって、沈降シリカの所望の粒径に応じてpH調整の態様を変更することができる。
鉱酸やアルカリは、単独で、あるいは適宜組み合わせて、pH調整に用いることができる。例えば、pH調整は、鉱酸の添加により実施されてよい。すなわち、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S1に鉱酸を添加してpHを所定の範囲に調整してもよい。また、例えば、pH調整は、鉱酸およびアルカリの添加により実施されてよい。すなわち、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S1に鉱酸を添加してpHを所定の範囲未満に調整し、さらにケイ酸アルカリ水溶液S3や他のアルカリ等のアルカリを添加してpHを所定の範囲に調整してもよい。pHの増減は、複数回繰り返されてもよい。
pHを所定の範囲に調整にした後、すぐに工程Cを実施してもよいし、所定の時間が経過してから工程Cを実施してもよい。また、pHを所定の範囲未満に調整する場合、pHを所定の範囲未満にした後、すぐにpHを所定の範囲に調整してもよいし、所定の時間が経過してからpHを所定の範囲に調整してもよい。所定の時間の長さは、特に制限されな
い。pHを所定の範囲に調整した後の所定の時間の長さは、例えば、0時間超、1時間以上、3時間以上、または5時間以上であってもよく、24時間以下、18時間以下、12時間以下、または8時間以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。pHを所定の範囲に調整にした後の所定の時間の長さは、具体的には、例えば、0時間超24時間以下であってもよい。pHを所定の範囲未満に調整にした後の所定の時間の長さは、例えば、0時間超、0.5時間以上、または1時間以上であってもよく、10時間以下、5時間以下、または3時間以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。pHを所定の範囲未満に調整にした後の所定の時間の長さは、具体的には、例えば、0時間超5時間以下であってもよい。所定の時間が経過する際の温度は特に制限されない。時間経過時の温度は、例えば、室温であってもよく、室温より高くてもよい。すなわち、時間経過時にはケイ酸アルカリ水溶液S1を加熱してもよい。加熱温度は、例えば、20℃以上、40℃以上、または60℃以上であってもよく、100℃以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。pH調整や時間経過は、例えば、静置条件で実施してもよく、撹拌しながら実施してもよい。
工程Bの実施の際に、ケイ酸アルカリ水溶液S1を希釈してもよい。すなわち、工程Bは、ケイ酸アルカリ水溶液S1を希釈することを含んでいてもよい。希釈は、pH調整の前に実施してもよく、pH調整中に実施してもよく、pH調整後に実施してもよい。希釈は、特に、pH調整の前に実施してよい。希釈とpH調整は、その一部または全部を同時に実施してもよい。希釈とpH調整を同時に実施することは、例えば、水とpH調整用の成分とを同時に添加することや、pH調整用の成分で希釈を実施することにより達成できる。言い換えると、希釈には、水やpH調整用の成分を用いることができる。これらは、単独で、あるいは適宜組み合わせて、希釈に用いることができる。
希釈は、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度が所定の範囲となるように実施することができる。言い換えると、希釈は、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度が所定の範囲よりも高い場合に実施することができる。
また、希釈は、例えば、工程Bにおいて所定の範囲のシリカ濃度のシード液が得られるように実施することができる。
希釈後のケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度およびシード液中のシリカ濃度は、それぞれ、例えば、0.03%(w/w)以上、0.05%(w/w)以上、または0.08%(w/w)以上であってもよく、1%(w/w)以下、0.5%(w/w)以下、または0.3%(w/w)以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。希釈後のケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度およびシード液中のシリカ濃度は、それぞれ、具体的には、例えば、0.03~1.0%(w/w)であってもよい。シリカ濃度は、常法により測定することができる。シリカ濃度は、例えば、パックテストシリカ(共立理化学研究所)を用いて測定することができる。なお、パックテストシリカによれば、ケイ酸イオンの形態で存在するシリカのみが検出される。よって、シリカ粒子等のケイ酸イオン以外の形態で存在するシリカを含有するサンプル(シード液等)中のシリカ濃度は、例えば、JIS K 0101 44.2あるいは44.3に従ってサンプルを前処理(シリカのイオン化
)した後で、パックテストシリカ(共立理化学研究所)を用いて測定することができる。
なお、工程Bにおいて言及される「ケイ酸アルカリ水溶液S1」とは、特記しない限り、pH調整、加熱、希釈等の操作のタイミングや進行度に応じて、それらの操作が部分的または完全に実施された後のケイ酸アルカリ水溶液S1を意味し得る。すなわち、例えば、工程Cにおいて希釈される「ケイ酸アルカリ水溶液S1」や工程Cにおいて加熱される「ケイ酸アルカリ水溶液S1」とは、部分的または完全にシード液へと変換されたものであり得る。
<工程C>
工程Cにおいては、シード液にケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸を滴下することにより、沈降シリカを調製することができる。当該滴下される鉱酸を、以下、「鉱酸M1」ともいう。
ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下は、例えば、同時に実施することができる。すなわち、シード液にケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1を同時に滴下することができる。「ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下が同時に実施される」とは、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下が、それらが滴下される期間の一部または全部の期間において同時に実施されることをいう。「ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下が同時に実施される」とは、例えば、滴下されるケイ酸アルカリ水溶液S2の全量の80%(v/v)以上、90%(v/v)以上、または95%(v/v)以上の量が滴下される期間中、ケイ酸アルカリ水溶液S2を滴下しつつ鉱酸M1が滴下され、且つ、滴下される鉱酸M1の全量の80%(v/v)以上、90%(v/v)以上、または95%(v/v)以上の量が滴下される期間中、鉱酸M1を滴下しつつケイ酸アルカリ水溶液S2が滴下されていることであってよい。
ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下は、例えば、シード液のpHが所定の範囲に維持されるように実施することができる。すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下中、シード液のpHは、所定の範囲に維持されてよい。工程CにおけるpHの「所定の範囲」は、例えば、8以上、または8.5以上であってもよく、11以下、または9.5以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。工程CにおけるpHの「所定の範囲」は、具体的には、例えば、8~11、好ましくは8.5~9.5であってよい。
ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下は、特に、シード液のpHが所定の範囲に維持されるように同時に実施することができる。
ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量は、所望の沈降シリカが得られる限り、特に制限されない。ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量は、シリカ量に換算して、例えば、シード液の量の、20倍以上、30倍以上、または40倍以上であってもよく、100倍以下、70倍以下、または50倍以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量は、シリカ量に換算して、具体的には、例えば、シード液の量の、40倍~50倍であってもよい。ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量は、例えば、所望のBET値や粒度分布等の諸条件に応じて適宜設定できる。
鉱酸M1としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸が挙げられる。鉱酸M1としては、特に、硫酸が挙げられる。鉱酸M1としては、1種の鉱酸を用いてもよく、2種またはそれ以上の鉱酸を組み合わせて用いてもよい。鉱酸M1の濃度は、特に制限されない。鉱酸M1の濃度が低い方が、pHのぶれが小さく滴下を実施しやすい場合がある。鉱酸M1の濃度は、例えば、0.1モル/L以上、0.3モル/L以上、0.5モル/L以上、または1モル/L以上であってもよく、4モル/L以下、3モル/L以下、2モル/L以下、または1.5モル/L以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。鉱酸M1の濃度は、具体的には、例えば、0.1モル/L~2モル/Lであってもよい。鉱酸M1の滴下量は、所望の沈降シリカが得られる限り、特に制限されない。鉱酸M1の滴下量は、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量等の諸条件に応じて適宜設定できる。鉱酸M1の滴下量は、例えば、シード液のpHが所定の範囲に維持される量に設定することができる。
ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下条件は、所望の沈降シリカが得られる限り、特に制限されない。ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下時間は、例えば、15分以上、20分以上、または30分以上であってもよく、60分以下、50分以下、または40分以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下時間は、具体的には、例えば、15分~60分、好ましくは20分~50分であってよい。ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下速度は、例えば、上記例示した滴下量や滴下時間を満たすように設定することができる。ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下時のシード液の温度は、例えば、50℃以上、60℃以上、または70℃以上であってもよく、100℃以下、90℃以下、または80℃以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下時のシード液の温度は、具体的には、例えば、50℃~100℃、好ましくは70℃~90℃であってもよい。
ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の使用態様(種類、濃度、滴下条件等)は、滴下の全期間において同一であってもよく、そうでなくてもよい。
ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下後、シード液に追加の鉱酸を滴下することができる。当該滴下される追加の鉱酸を、以下、「鉱酸M2」ともいう。すなわち、工程Cは、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下後に、シード液に鉱酸M2を滴下することを含んでいてもよい。言い換えると、工程Cは、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下後のシード液に鉱酸M2を滴下することを含んでいてもよい。鉱酸M2については、鉱酸M1についての説明を準用できる。鉱酸M2の種類や濃度は、それぞれ、鉱酸M1の種類や濃度と同一であってもよく、なくてもよい。鉱酸M2は、例えば、シード液のpHが酸性になるまで滴下することができる。鉱酸M2の滴下後のシード液のpHは、シリカがゲル化せずに安定に存在する範囲であれば特に制限されない。鉱酸M2の滴下後のシード液のpHは、例えば、1.5以上、または2以上であってもよく、6以下、または3.5以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。鉱酸M2の滴下後のシード液のpHは、具体的には、例えば、1.5~6、好ましくは2~3.5であってよい。鉱酸M2の滴下は、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下後に、鉱酸M1の滴下を継続することにより、実施することができる。言い換えると、鉱酸M1を鉱酸M2としても用いることができる。鉱酸M2の滴下速度や鉱酸M2の滴下時のシード液の温度については、鉱酸M1の滴下速度や鉱酸M1の滴下時のシード液の温度についての説明を準用できる。鉱酸M2の滴下速度や鉱酸M2の滴下時のシード液の温度は、それぞれ、鉱酸M1の滴下速度や鉱酸M1の滴下時のシード液の温度と同一であってもよく、なくてもよい。鉱酸M2の使用態様(種類、濃度、滴下条件等)は、滴下の全期間において同一であってもよく、そうでなくてもよい。
なお、工程Cにおいて言及される「シード液」とは、特記しない限り、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下や鉱酸M2の滴下等の操作のタイミングや進行度に応じて、それらの操作が部分的または完全に実施された後のシード液を意味し得る。すなわち、例えば、工程Cにおける「シード液のpH」とは、ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸M1の滴下の開始後にあってはシード液とケイ酸アルカリ水溶液S2と鉱酸M1の混合物のpHを意味し、鉱酸M2の滴下の開始後にあってはシード液とケイ酸アルカリ水溶液S2と鉱酸M1と鉱酸M2の混合物のpHを意味する。
このようにして工程A~Cを実施することにより、沈降シリカが生成する。
生成した沈降シリカは、適宜、回収することができる。沈降シリカは、例えば、フィルタープレス等でシード液(沈降シリカ生成後のもの)を濾過することにより回収することができる。濾取物は、次いで、水等の洗浄用媒体で洗浄することができる。洗浄された沈
降シリカは、次いで、乾燥することができる。乾燥は、例えば、通常の乾燥機を用い、80℃以上の温度で加熱乾燥により実施できる。乾燥は、例えば、沈降シリカの水分含量が5~10%(w/w)となるまで実施してよい。
このようにして得られた沈降シリカは、分散性に優れている。このようにして得られた沈降シリカは、例えば、超音波破砕することにより、粒径を調整することができる。本発明の方法は、このようにして得られた沈降シリカを超音波破砕することにより、粒径を調整する工程を含んでいてもよい。超音波破砕により、例えば、沈降シリカの平均粒径を1μm以下に調整することができる。また、超音波破砕は、例えば、粒径1μm以上のシリカ粒子が残存しないように実施することができる。超音波破砕は、例えば、水中で実施することができる。超音波破砕の条件としては、沈降シリカ等の凝集物を分散させる通常の条件が挙げられる。なお、「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱法によって得られた粒度分布における算術平均粒径(体積基準分布)を意味する。
また、このようにして得られた沈降シリカは、高い比表面積を有する。比表面積は、通常、BET(Brunauer-Emmett-Teller法)比表面積として測定することができる。このようにして得られた沈降シリカのBET比表面積は、例えば、100m/g以上であってもよく、250m/g以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。このようにして得られた沈降シリカのBET比表面積は、具体的には、例えば、100m/g~250m/gであってもよい。沈降シリカの比表面積は、例えば、工程Bにおけるシリカ濃度、pH、および加熱時間、並びに工程Cにおけるケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量等によって調整することができる。
<2>本発明の沈降シリカ
本発明の沈降シリカは、所定の性質を有する沈降シリカである。本発明の沈降シリカの性質については、本発明の方法により得られる沈降シリカの性質の説明を準用できる。すなわち、本発明の沈降シリカは、本発明の方法により得られる沈降シリカの性質から選択される1つまたはそれ以上の性質を有していてよい。本発明の沈降シリカは、例えば、下記性質(1)~(3)から選択される1つまたはそれ以上の性質を有していてよい:
(1)BET比表面積値が、100m/g~250m/gである;
(2)超音波破砕後の平均粒径が、1μm以下である;
(3)超音波破砕後に、粒径1μm以上のシリカ粒子を含有しない。
「超音波破砕後の平均粒径が、1μm以下である」とは、沈降シリカを超音波破砕に供することにより平均粒径が1μm以下になることで足り、超音波破砕前の平均粒径は問わない。よって、平均粒径が1μm超の沈降シリカであっても、超音波破砕に供することにより平均粒径が1μm以下になるものであれば、上記性質(2)を有する沈降シリカに該当する。
「超音波破砕後に、粒径1μm以上のシリカ粒子を含有しない」とは、沈降シリカを超音波破砕に供することにより粒径1μm以上のシリカ粒子がなくなることで足り、超音波破砕前に粒径1μm以上のシリカ粒子を含有するか否かは問わない。よって、粒径1μm以上のシリカ粒子を含有する沈降シリカであっても、超音波破砕に供することにより粒径1μm以上のシリカ粒子がなくなるものであれば、上記性質(3)を有する沈降シリカに該当する。
本発明の沈降シリカは、例えば、少なくとも、上記性質の(1)を有していてもよく、(1)と(2)を有していてもよい。
本発明の沈降シリカを製造する方法は特に制限されない。本発明の沈降シリカは、例え
ば、本発明の方法により製造することができる。すなわち、本発明の沈降シリカの一態様は、本発明の方法により得られる沈降シリカである。
<3>本発明の沈降シリカの利用
本発明の沈降シリカの用途は特に制限されない。本発明の沈降シリカは、例えば、目的物の製造における原料として利用することができる。すなわち、本発明は、例えば、本発明の沈降シリカを原料として目的物を製造する方法を提供する。目的物としては、例えば、一般的に沈降シリカを原料として製造され得るものが挙げられる。目的物として、具体的には、例えば、インクジェット記録紙填料、塗料の艶消し剤、ジョギングシューズ、タイヤが挙げられる。目的物としては、特に、タイヤが挙げられる。目的物は、本発明の沈降シリカを原料として用いること以外は、例えば、目的物の通常の原料を用いて通常の方法により製造することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
<1>沈降シリカの調製1
<1-1>籾殻灰からのケイ酸ナトリウム水溶液の調製
2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液335mLに籾殻灰50gを加え、攪拌棒によっ
て攪拌した(250rpm)。80℃で6時間加熱攪拌し、次いで室温に戻し、遠心分離(日立工機(株) CF16RX II、8000×g、10分)して炭素分を沈殿させ、上清を
桐山ロートによりろ過した(ろ紙No.5B)。次いで、沈殿物に水を加え攪拌した後、再び遠心分離(8000g、10分)し、上清を桐山ロートでろ過し、先のろ液と混ぜた。次いで、このろ液の合計重量が400gになるように水で希釈し、ケイ酸ナトリウム水溶液400gを得た。このケイ酸ナトリウム水溶液0.1gをとり、水で4000倍に希釈後、「パックテストシリカ」((株)共立理化学研究所)で定量した。その結果、ケイ酸ナトリウム水溶液中のシリカ濃度は、10.2%(W/W)であった。
<1-2>シード液の調製
上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液2gを水196gに希釈し、1モル/L硫酸2gを添加することによりpH2.7に調整した。これを80℃で3時間加熱した。次いで上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液1gを添加することによりpH9.2に調整し、さらに80℃で6時間加熱した。この溶液を水で200gになるように希釈し、シード液とした。
<1-3>沈降シリカの調製
上記<1-2>で得たシード液100gをとり、80℃に加熱し攪拌した。上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液60gと、1モル/L硫酸をシード液に対して同時に24分かけて滴下しながら攪拌を続けた(253rpm)。この時pHは8.5~9.5の範囲に保った。ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、1モル/L硫酸のみ同じ速度で滴下を続け、pH2.9になった時点で滴下を終了した。滴下した1モル/L硫酸は49gであった。生じた白色沈殿物を桐山ロート(ろ紙No.5B)でろ過し、ろ取物を水100gで洗浄した。これをもう一度繰り返し、ろ取物を乾燥機(ADVANTEC FV-430)にて80℃で3時間加熱し、白色のフロック状沈降シリカを4.6g得た。これを沈降シリカNo.1とした。
<2>沈降シリカの調製2
<2-1>シード液の調製
上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液3gを水194.9gに希釈し、1モル/L硫酸2.1gを添加することによりpH9.4に調整した。これを80℃で9時間加
熱した。加熱後、この溶液を水で200gになるように希釈し、シード液とした。
<2-2>沈降シリカ調製
上記<2-1>で得たシード液100gをとり、80℃に加熱し攪拌した。上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液60gと、1モル/L硫酸をシード液に対して同時に26分かけて滴下しながら攪拌を続けた(269rpm)。この時pHは8.5~9.5の範囲に保った。ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、1モル/L硫酸のみ同じ速度で滴下を続け、pH3.2になった時点で滴下を終了した。滴下した1モル/L硫酸は45gであった。生じた白色沈殿物を桐山ロート(ろ紙No.5B)でろ過し、ろ取物を水100gで洗浄した。これをもう一度繰り返し、ろ取物を乾燥機(ADVANTEC FV-430)にて90℃で2時間加熱し、白色のフロック状沈降シリカを4.8g得た。これを沈降シリカNo.2とした。
<3>沈降シリカの調製3
<3-1>シード液の調製
上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液3gを水194.8gに希釈し、1モル/L硫酸2.2gを添加することによりpH8.7に調整した。
<3-2>沈降シリカ調製
上記<3-1>で得たシード液100gをとり、80℃に加熱し攪拌した。上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液75gと、1モル/L硫酸をシード液に対して同時に36分かけて滴下しながら攪拌を続けた(256rpm)。この時pHは8.5~9.5の範囲に保った。ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、1モル/L硫酸のみ同じ速度で滴下を続け、pH3.1になった時点で滴下を終了した。滴下した1モル/L硫酸は54gであった。生じた白色沈殿物を桐山ロート(ろ紙No.5B)でろ過し、ろ取物を水100gで洗浄した。これをもう一度繰り返し、ろ取物を乾燥機(ADVANTEC FV-430)にて90℃で2時間加熱し、白色のフロック状沈降シリカを5.3g得た。これを沈降シリカNo.3とした。
<4>沈降シリカの調製4
水100gを80℃に加熱し攪拌した。上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液75gと、1モル/L硫酸をこの水に対して同時に33分かけて滴下しながら攪拌を続けた(253rpm)。この時pHは8.5~9.5の範囲に保った。ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、1モル/L硫酸のみ同じ速度で滴下を続け、pH3.1になった時点で滴下を終了した。生じた白色スラリーを桐山ロート(ろ紙No.5B)でろ過し、ろ取物を水100gで洗浄した。これをもう一度繰り返し、ろ取物を乾燥機(ADVANTEC FV-430)にて80℃で3時間加熱し、白色のフロック状シリカを4.5g得た。これを沈降シリカNo.4とした。
<5>沈降シリカの調製5
上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液1.5gを水98.5gに加え、80℃に加熱し攪拌した。撹拌物のpHは10.6であった。これに上記<1-1>で得たケイ酸ナトリウム水溶液75gと、1モル/L硫酸を同時に32分かけて滴下しながら攪拌を続けた(261rpm)。この時pHは8.5~9.5の範囲に保った。ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、1モル/L硫酸のみ同じ速度で滴下を続け、pH3.1になった時点で滴下を終了した。生じた白色スラリーを桐山ロート(ろ紙No.5B)でろ過し、ろ取物を水100gで洗浄した。これをもう一度繰り返し、ろ取物を乾燥機(ADVANTEC FV-430)にて90℃で2時間加熱し、白色のフロック状シリカを7.7g得た。これを沈降シリカNo.5とした。
<6>沈降シリカの分析
得られた沈降シリカNo.1~5に水を加え、それぞれ、超音波破砕装置を用いて60Wで20分間粉砕した。粉砕物の平均粒径を直ちに粒度分布計((株)堀場製作所 LA-920)にて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007069604000001
沈降シリカNo.1~4のBET比表面積を、それぞれ、測定した(マイクロトラックベル(株) BELSORP-mini、吸着質 窒素、吸着温度 77K)。結果を表2に示す。
Figure 0007069604000002
表1及び表2から、鉱酸を添加して所定のpHのシード液を調整し、それにケイ酸ナトリウム水溶液を鉱酸と同時にpHを保ちながら滴下することにより、粒度分布の小さく、且つBET比表面積の大きい沈降シリカが得られた(No.1~3)。一方、水またはpH調整をしていないケイ酸ナトリウム希釈液に対してケイ酸ナトリウム水溶液を鉱酸と同時滴下して生成した沈降シリカは、粒度分布が大きく、分散性の劣るシリカであった(No.4~5)。
本発明によれば、分散性がよく、且つ表面積の大きい沈降シリカを安価に製造できる。

Claims (20)

  1. 沈降シリカの製造方法であって、
    下記工程A~Cを含
    (A)シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2を調製する工程;
    (B)前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHを8~10に調整することにより、シード液を調製する工程;
    (C)前記シード液に、前記ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸を滴下することにより、沈降シリカを調製する工程
    前記工程Aにおいて、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2が個別に調製されるか、または前記ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2の一部もしくは全部がまとめて調製され、
    前記工程Bにおいて調製された前記シード液中のシリカ濃度が、0.08%(w/w)~0.3%(w/w)であり、
    前記工程Cにおいて、前記ケイ酸アルカリ水溶液S2および鉱酸の滴下時の前記シード液の温度は80℃以下である、方法
  2. 前記工程Bが、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1を希釈することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記希釈が、前記pH調整の前に実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記希釈後の前記ケイ酸アルカリ水溶液S1中のシリカ濃度が、0.03%(w/w)~1.0%(w/w)である、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記工程Bにおいて、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHが、鉱酸の添加により8~10に調整される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記工程Bにおいて、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1のpHが、鉱酸の添加により2~4に調整された後に、さらにアルカリの添加により8~10に調整される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記pH調整に用いられるアルカリが、ケイ酸アルカリ水溶液S3であり、
    前記工程Aが、下記工程A1であ
    (A1)シリカ含有植物体の灰をアルカリ水溶液中で加熱することにより、ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、およびS3を調製する工程
    前記工程A1において、前記ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2およびS3が個別に調製されるか、または前記ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2およびS3の一部もしくは全部がまとめて調製される、請求項6に記載の方法
  8. 前記工程Cで滴下される鉱酸が、0.1モル/L~2モル/Lの硫酸である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記工程Cにおいて、前記シード液に前記ケイ酸アルカリ水溶液S2および前記鉱酸が同時に滴下される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記工程Cにおいて、前記滴下中、前記シード液のpHが、8~11に維持される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記工程Cが、前記滴下後の前記シード液に追加の鉱酸を滴下することを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ケイ酸アルカリ水溶液S2の滴下量が、シリカ量に換算して、前記シード液の量の40倍~50倍である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記工程AまたはA1で用いられる灰が、籾殻灰である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ケイ酸アルカリ水溶液S1およびS2が、前記工程Aにおいてまとめて調製される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、およびS3が、前記工程A1においてまとめて調製される、請求項14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ケイ酸アルカリ水溶液S1、S2、および/またはS3中のシリカ濃度が、3~50%(w/w)である、請求項15のいずれか1項に記載の方法。
  17. さらに、下記工程Dを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法:
    (D)前記工程Cで得られた沈降シリカを超音波破砕することにより、該沈降シリカの平均粒径を1μm以下に調整する工程。
  18. 前記超音波破砕が、粒径1μm以上のシリカ粒子が残存しないように実施される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記沈降シリカのBET比表面積値が、100m/g~250m/gである、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 沈降シリカを原料として、インクジェット記録紙填料、塗料の艶消し剤、ジョギングシューズ、またはタイヤを製造する方法であって、
    前記沈降シリカが、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法により得られる沈降シリカである、方法。
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