JP7058633B2 - トナーバインダー及びトナー - Google Patents
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Description
トナーの定着温度を低くする手段として、結着樹脂(トナーバインダー)のガラス転移点を低くする技術が一般的に使用されている。
しかしながら、ガラス転移点を低くし過ぎると、耐ホットオフセット性が低下し、また粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなることからトナーの保存性が低下する。このガラス転移点は、結着樹脂の設計ポイントであり、ガラス転移点を下げる方法では、さらに低温定着可能なトナーを得ることはできない。
しかしながら、結晶性樹脂の含有量を増やすと樹脂強度が低下する場合があり、また溶融混練時に結晶性樹脂と結着樹脂の相溶化により結晶性樹脂が非晶化し、その結果、トナーのガラス転移点が低下することで前述と同様の耐ホットオフセット性やトナーの保存性に課題が生じる。
かかる方法ではトナーの低温定着性及び光沢性は確保できるが、耐ホットオフセット性やトナーの流動性、粉砕する際の粉砕性が低下し、特に耐久性が不充分である。
また、溶融懸濁法や乳化凝集法を用いて得られた結晶性樹脂を含む結着樹脂の樹脂粒子を、非晶性樹脂であるシェル層で被覆する方法等も提案されているが(特許文献8~10)、結晶性樹脂が非晶性樹脂と相溶化し、短時間では結晶樹脂の再析出が不充分なことから定着後の画像強度及びドキュメントオフセット性が未だ不充分である。
すなわち本発明は、結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、結晶性ポリエステル樹脂(A)は、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が60~74℃であり、水酸基価(OHVA)が6.0~40.0mgKOH/gであり、水酸基価(OHVA)と酸価(AVA)の比率[OHVA/AVA]が1.0~3.0であり、数平均分子量と水酸基価と酸価とが下記関係式(1)を満たすポリエステル樹脂であって、非晶性ビニル樹脂(B)は、スチレンモノマーを構成単量体として含むビニル樹脂であり、非晶性ビニル樹脂(B)の酸価(AV B )が5.0~30.0mgKOH/gであるトナーバインダー;及びトナーバインダーを含有するトナーである。
Mn×(OHVA+AVA)/56100≦2.0 (1)
以下に結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピークのピークトップ温度の測定方法を記載する。
示差走査熱量計(例えばTA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて測定する。結晶性ポリエステル樹脂を20℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目の昇温を行い、続いて150℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を結晶性樹脂の吸熱ピークのピークトップ温度とする。
これらのうち、ジオール(x2)とジカルボン酸(y2)とを含有する成分を重縮合して得られる結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましく、ジオール(x2)とジカルボン酸(y2)に加え、さらにモノアルコール(x1)及び/又はモノカルボン酸(y1)を含有する成分を重縮合して得られる結晶性ポリエステル樹脂であることが低温定着性および耐熱保存性の観点から好ましい。
これらは、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
これらモノアルコールのうち耐熱保存性の観点から、炭素数8~24の直鎖又は分岐アルキルアルコールが好ましく、より好ましくは炭素数8~24の直鎖アルキルアルコールであり、さらに好ましくはドデシルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びリグノセリルアルコールであり、特に好ましくはステアリルアルコール及びベヘニルアルコールである。
これらのジオールのうち低温定着性および耐熱保存性の観点から、炭素数2~20の直鎖型脂肪族ジオールが好ましく、より好ましくは炭素数2~12の直鎖型脂肪族ジオールであり、さらに好ましくは、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール及び1,12-ドデカンジオールである。
これらのモノカルボン酸のうち、耐熱保存性の観点から飽和モノカルボン酸が好ましく、より好ましくはベヘン酸及びステアリン酸である。
これらのジカルボン酸のうち、低温定着性および耐熱保存性の観点から炭素数2~50のアルカンジカルボン酸が好ましく、より好ましくは炭素数2~50の直鎖型のアルカンジカルボン酸であり、さらに好ましくはアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸である。
これらの3価以上のカルボン酸成分のうち、トリメリット酸が好ましい。
エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006-243715号公報に記載の触媒{チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}、及び特開2007-11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)並びに酢酸亜鉛等が挙げられる。上記のうち耐ホットオフセット及び帯電安定性の観点から好ましくはチタン含有触媒である。
[OHVA/AVA]は結晶性ポリエステル樹脂(A)が非晶性ビニル樹脂(B)に相溶した後の結晶性ポリエステル樹脂(A)の結晶化のし易さを示している。[OHVA/AVA]が1.0未満であると、熱定着時に加熱により定着媒体上で溶融した(A)が、冷却により(B)中で相分離して結晶化するまでには時間を要するため、画像表面の硬度が速やかに回復できず、定着後の紙を搬送ローラーで搬送した際、定着後の画像に傷が生じることがある。例えば、モノアルコール(x1)及び/又はモノカルボン酸(y1)を含有する成分を重縮合したり、アルコール成分(X)とカルボン酸成分(Y)との反応比率1/1~1.5/1としたり、酸価(AVA)を7.0~20.0mgKOH/gとすることで上記範囲の達成が容易となる。
Mn×(OHVA+AVA)/56100≦2.0 (1)
関係式(1)において、OHVAは結晶性ポリエステル樹脂(A)の水酸基価、AVAは結晶性ポリエステル樹脂(A)の酸価、Mnは結晶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量である。
1.4≦Mn×(OHVA+AVA)/56100≦2.0 (1-1)
1.4≦Mn×(OHVA+AVA)/56100≦1.7 (1-2)
末端官能基数を大きくしたい場合は、モノアルコール(x1)およびモノカルボン酸(y1)などの単官能モノマーを使用しない、3価以上のポリオール(x3)および3価以上のカルボン酸成分(y3)などの3官能以上のモノマーを使用することで制御できる。
これら(メタ)アクリル酸エステルモノマーのうち保存安定性の観点から、好ましくはアルキル基の炭素数が1~18のアルキル(メタ)アクリレート及びそれらの2種以上の混合物であり、より好ましくはアルキル基の炭素数が1~7のアルキル(メタ)アクリレート及びそれらの2種以上の混合物であり、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が1~5のアルキル(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはn-ブチルアクリレートである。
これらカルボキシル基含有ビニルモノマーのうち帯電安定性の観点から好ましくはモノカルボン酸であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。
これらの重合方法のうち、製造安定性の観点から好ましいのは、溶液重合、懸濁重合、乳化重合及びこれらの組み合わせである。
これらのうち好ましいのは、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサネート、1,1-ジ-(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロフタレート及び2、2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
重合開始剤の使用量は、単量体の全量100重量部に対して、好ましくは0.01~5重量部、より好ましくは0.05~4重量部である。
これらのうち好ましいものは炭素数6~12の芳香族溶剤であり、より好ましくはトルエン、キシレン及びエチルベンゼンである。
帯電安定性の観点から5.0mgKOH/g以上が好ましく、耐熱保存性の観点から30.0mgKOH/g以下が好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ビニル樹脂(B)以外の公知のトナー用結着樹脂が含まれていてもよい。即ち、本発明のトナーバインダーは、結着樹脂として、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリウレタン樹脂等の樹脂が併用されていてもよいが、上記樹脂を含む場合は、トナーバインダー中の上記樹脂の重量割合がトナーバインダーの重量を基準として50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましく、11重量%以下が特に好ましい。
本発明のトナーバインダーは、必要により着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤などの種々の添加剤等を混合し、トナーとして用いられる。トナー中の本発明のトナーバインダーの含有量は、着色剤として染料または顔料を使用する場合は、好ましくは60~98重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは25~80重量%である。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1~40重量部、より好ましくは2~15重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、磁性粉の含有量は、トナーバインダー100重量部に対して、好ましくは20~150重量部、より好ましくは30~120重量部である。
上記の製造方法のうち、トナー粒径制御、帯電安定性の観点から混練粉砕法、及び少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法が好ましい。
工程(1):樹脂微粒子分散液(結晶性ポリエステル樹脂(A)の樹脂微粒子分散液(A0)及び非晶性ビニル樹脂(B)の樹脂微粒子分散液(B0))及び添加剤分散液(着色剤分散液及び離型剤分散液等)を得る工程
工程(2):樹脂微粒子分散液と添加剤分散液とを混合し、樹脂微粒子を凝集させ、樹脂微粒子の凝集体を形成させる工程
工程(3):凝集体を融合させて凝集体を融合させた樹脂粒子を得る工程
カチオン界面活性剤(s-2)としては、4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(s-3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(s-4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコ-ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤(s)の具体例としては、特開2002-284881号公報に記載のもの等が挙げられる。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、動的光散乱式粒子径分布測定装置「SZ-100」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂(A)を含む成分の有機溶剤溶液を、必要であれば適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させた後、有機溶剤を除去して分散液を製造することができる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体中の微粒子の粒径を0.05~1μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、好ましくは1000~30000rpm、より好ましくは5000~20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、好ましくは0.1~5分である。温度は5~200℃が好ましく、より好ましくは20~100℃である。
分散装置は、例えばホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、ホモミクサー[PRIMIX製]等のバッチ式乳化機、ウルトラビスコミル(アイメックス製)、エバラマイルダー[(株)荏原製作所製]、フィルミックス及びパイプラインホモミクサー[PRIMIX製]等が挙げられる。
樹脂微粒子を凝集させて凝集体を得る方法は特に限定されないが、分散液に、凝集剤を添加する方法が挙げられる。
凝集剤としては、無機酸の金属塩(塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅及び炭酸ナトリウム等)等が挙げられる。
また、工程(2)における凝集体を形成させる工程において、分散液のpHは樹脂粒子の体積平均粒径及び粒度分布制御の観点から、好ましくは2~10、より好ましくは3~6である。
工程(3)において、融合させる際の温度は、得られる樹脂粒子及びトナーの形状制御性の観点から、5~200℃が好ましく、さらに好ましくは30~100℃である。工程(3)において、凝集体を融合させる際の液のpHは、好ましくは3~10、より好ましくは5~10である。
<吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)>
示差走査熱量計(TA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて20℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目の昇温を行い、続いて150℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を吸熱ピークのピークトップ温度とした。
樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、それを試料溶液として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定した。
装置 : HLC-8120〔東ソー(株)製〕
カラム: TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度: 40℃
試料溶液: 0.25重量%のTHF溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
溶液注入量: 100μL
検出装置: 屈折率検出器
基準物質: 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)〔東ソー(株)製〕
JIS K0070に規定の方法で測定した。ただし、酸価の測定溶媒はアセトン、メタノール及びトルエンの混合溶媒(アセトン:メタノール:トルエン=12.5:12.5:75)、水酸基価の測定溶媒はTHFとした。
示差走査熱量計(TA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて、ASTM D3418-82に規定の方法(DSC法)で測定した。
ガラス転移温度の測定条件は以下の通り
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で-35℃まで冷却
(4)-35℃で10分間保持
(5)20℃/分で150℃まで昇温
(6)(5)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析しガラス転移温度を求めた。
樹脂粒子又は樹脂微粒子等の沈澱が起こらないよう注意しながら、乾燥前の試料約2.00gをはかりとり、120℃で1時間の条件で乾燥し、乾燥後の試料を取り出し重量を小数点第2位まで測定し、(乾燥後の試料の重量/乾燥前の試料の重量)×100から固形分濃度(重量%)を算出し、{(乾燥前の試料の重量-乾燥後の試料の重量)/乾燥前の試料の重量}×100から揮発分(重量%)を算出した。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、動的光散乱式粒子径分布測定装置「SZ-100」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
樹脂微粒子分散液をイオン交換水で100倍希釈して25℃に温調後、ディズポーサブルセル(四面透明)に充填した。次に、測定モードを粒子径測定モードにし、粒子径基準は散乱光強度として体積平均粒径を測定した。
コールターカウンター[商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]を用いて測定した。
まず、電解水溶液であるISOTON-II(ベックマン・コールター社製)100~150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1~5mL加えた。さらに測定試料を2~20mg加え、試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1~3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして50μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D50)(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)を求めた。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)410重量部、セバシン酸(y2-1)689重量部、ベヘニルアルコール(x1-1)22重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が10mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-1)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)420重量部、セバシン酸(y2-1)679重量部、ベヘン酸(y1-1)22重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が20mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-2)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)358重量部、ドデカン二酸(y2-2)710重量部、ステアリルアルコール(x1-2)42重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が13mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-3)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール(x2-2)371重量部、セバシン酸(y2-1)864重量部、ベヘニルアルコール(x1-1)23重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が7mgKOH/gになった時点で取り出した。流出したエチレングリコールは106部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-4)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)382重量部、ドデカン二酸(y2-2)719重量部、ベヘン酸(y1-1)11重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が10mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-5)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,9-ノナンジオール(x2-3)459重量部、ドデカン二酸(y2-2)634重量部、ステアリン酸(y1-2)5重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が8mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-6)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,4-ブタンジオール(x2-4)294重量部、ドデカン二酸(y2-2)710重量部、ベヘニルアルコール(x1-1)50重量部、ステアリルアルコール(x1-2)83重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が11mgKOH/gになった時点で取り出した。流出した1,4-ブタンジオールは28部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A-7)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,12-ドデカンジオール(x2-5)638重量部、アジピン酸(y2-3)451重量部、ベヘニルアルコール(x1-1)20重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が8mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A’-1)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)409重量部、セバシン酸(y2-1)699重量部、ベヘニルアルコール(x1-1)15重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が3mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A’-2)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)412重量部、セバシン酸(y2-1)713重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が9mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A’-3)を得た。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6-ヘキサンジオール(x2-1)385重量部、ドデカン二酸(y2-2)696重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下で酸価が1mgKOH/gになるまで反応した。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル樹脂(A’-4)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム10重量部およびイオン交換水3,500重量部を仕込み、窒素気流下200rpmで撹拌しながら80℃に昇温した。過硫酸カリウム12重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた水溶液を添加して80℃温調した後、スチレン850重量部、n-ブチルアクリレート136重量部、アクリル酸14重量部、t-ブチル-2エチルペルオキシヘキサネート2重量部のモノマー混合液を1時間かけて滴下し、さらに2時間温調撹拌することにより重合させ、固形分濃度が30重量%である(B-1)の樹脂微粒子分散液(B0-1)を得た。(B-1)の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1μmであった。
樹脂微粒子分散液(B0-1)から、遠心分離および脱水乾燥により水分除去して得られた非晶性ビニル樹脂(B-1)は酸価10.5mgKOH/g、ガラス転移温度61℃、重量平均分子量は12,000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム10重量部およびイオン交換水3,500重量部を仕込み、窒素気流下200rpmで撹拌しながら80℃に昇温した。過硫酸カリウム12重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた水溶液を添加して80℃温調した後、スチレン790重量部、n-ブチルアクリレート198重量部、アクリル酸12重量部、t-ブチル-2エチルペルオキシヘキサネート0.5重量部のモノマー混合液を1時間かけて滴下し、さらに2時間温調撹拌することにより重合させ、固形分濃度が30重量%である(B-2)の樹脂微粒子分散液(B0-2)を得た。(B-2)の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1μmであった。
樹脂微粒子分散液(B0-2)から、遠心分離および脱水乾燥により水分除去して得られた非晶性ビニル樹脂(B-2)は酸価9.1、ガラス転移温度65℃、重量平均分子量は50,000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム10重量部およびイオン交換水3,500重量部を仕込み、窒素気流下200rpmで撹拌しながら80℃に昇温した。過硫酸カリウム12重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた水溶液を添加して80℃温調した後、スチレン843重量部、n-ブチルアクリレート136重量部、アクリル酸21重量部、t-ブチル-2エチルペルオキシヘキサネート2重量部のモノマー混合液を1時間かけて滴下し、さらに2時間温調撹拌することにより重合させ、固形分濃度が30重量%である(B-3)の樹脂微粒子分散液(B0-3)を得た。(B-3)の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1μmであった。
樹脂微粒子分散液(B0-3)から、遠心分離および脱水乾燥により水分除去して得られた非晶性ビニル樹脂(B-3)は酸価14.9、ガラス転移温度61℃、重量平均分子量は13,000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム10重量部およびイオン交換水3,500重量部を仕込み、窒素気流下200rpmで撹拌しながら80℃に昇温した。過硫酸カリウム12重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた水溶液を添加して80℃温調した後、スチレン834重量部、n-ブチルアクリレート136重量部、アクリル酸30重量部、t-ブチル-2エチルペルオキシヘキサネート2重量部のモノマー混合液を1時間かけて滴下し、さらに2時間温調撹拌することにより重合させ、固形分濃度が30重量%である(B-4)の樹脂微粒子分散液(B0-4)を得た。(B-4)の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1μmであった。
樹脂微粒子分散液(B0-4)から、遠心分離および脱水乾燥により水分除去して得られた非晶性ビニル樹脂(B-4)は酸価20.2、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量は14,000であった。
容器に結晶性ポリエステル樹脂(A-2)10重量部とメチルエチルケトン90重量部を仕込み、これに界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル「イオネット DS-300」[三洋化成工業(株)製]0.5重量部を添加し、40℃で1時間かけて結晶性ポリエステル樹脂(A-2)の溶解液を作成した。その後、溶解液に40℃で水190重量を2時間かけて滴下しながら、回転数5,000rpmでホモミクサー(PRIMIX製)により転相乳化させたものを、50℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンを留去して、固形分濃度が30重量%である(A-2)の樹脂微粒子分散液(A0-2)を得た。(A-2)の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1μmであった。
製造例12において、(A-2)を(A-3)~(A-7)及び(A’-1)~(A’-4)に置き換えた以外は製造例12と同様にして、(A-3)~(A-7)及び(A’-1)~(A’-4)の樹脂微粒子分散液(A0-3)~(A0-7)、及び(A’0-1)~(A’0-4)をそれぞれ得た。(A-3)~(A-7)及び(A’0-1)~(A’0-4)の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1μmであった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、カーボンブラック「MA-100」[三菱化学(株)製]10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、イオン交換水40重量部を投入し、撹拌下30℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、さらにウルトラビスコミルで湿式粉砕し、着色剤分散液を得た。得られた着色剤分散液の着色剤微粒子の体積平均粒径は0.1μm、分散液の固形分濃度は20重量%であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP-9」[融点:75℃、日本精鑞(株)製]10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、イオン交換水15重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液の離型剤微粒子の体積平均粒径は0.1μm、分散液の固形分濃度は50重量%であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A-1)10部、非晶性ビニル樹脂(B-1)90部に対して、着色剤としてカーボンブラック「三菱ケミカル(株)製、MA-100」8部、離型剤としてのパラフィンワックス「日本精蝋(株)製、HNP-9」4部、荷電制御剤としてアイゼンスピロンブラック[保土谷化学工業(株)製、T-77]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製、FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製、PCM-30]で混練した。次いで気流式微粉砕機[(株)栗本鐵工所製、KJ-25]を用いて微粉砕した後、エルボージェット分級機[(株)マツボー製、EJ-L-3(LABO)型]で分級し、体積平均粒径D50が6μmのトナー粒子を得た。
次いで、トナー粒子113部に流動化剤としての疎水性シリカ[日本アエロジル(株)製、アエロジルR972]1部をサンプルミルにて混合して、トナー(T-1)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、結晶性ポリエステル樹脂(A-2)の樹脂微粒子分散液(A0-2)、非晶性ビニル樹脂(B-1)の樹脂微粒子分散液(B0-1)、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分で表2となるように仕込み、イオン交換水300重量部を仕込み、液温を30℃に調整した後、300rpmで撹拌しながら濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、結晶性ポリエステル樹脂(A-2)の樹脂微粒子、非晶性ビニル樹脂(B-1)の樹脂微粒子、着色剤、および離型剤の凝集を行うため、液温を60℃に調整し、300rpmで撹拌しながら、凝集剤として濃度10重量%の塩化マグネシウム水溶液を加えていき、適宜にサンプリングを行い、粒度分布測定装置(コールターマルチサイザー3 ベックマンコールター社製)を用いて粒径6μmであることを確認した後、液温を60℃に調整し、続いて0.3M硝酸水溶液を添加することにより、pHを4.5に調節し、30分後にpHを4.0に調節した。その後、80℃まで徐々に昇温し撹拌しながら3時間保持することにより融合を行った。
その後、30℃まで冷却して着色樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。得られた着色樹脂粒子112重量部と流動化剤としての疎水性シリカ[日本アエロジル(株)製、アエロジルR972]1重量部とを均一混合して、本発明のトナー(T-2)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(A-2)~(A-7)の樹脂微粒子分散液(A0-2)~(A0-7)、非晶性ビニル樹脂(B-1)~(B-4)の樹脂微粒子分散液(B0-1)~(B0-4)、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分で表2となるように仕込んだこと以外は実施例2と同様にトナーを製造し、実施例3~11に係るトナー(T-3)~(T-11)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(A’-1)~(A’-4)の樹脂微粒子分散液(A’0-1)~(A’0-4)、非晶性ビニル樹脂(B-1)~(B-2)の樹脂微粒子分散液(B0-1)~(B0-2)、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分で表2となるように仕込んだこと以外は実施例2と同様にトナーを製造し、比較例1~4に係るトナー(T’-1)~(T’-4)を得た。
以下に得られたトナーの低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐画像搬送傷、ドキュメントオフセット性及び耐久性の測定方法、評価方法、判定基準を説明する。
プリンターは市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて、トナーを紙面上に1.00mg/cm2となるよう現像した未定着画像を、市販モノクロ複写機[SF8400A、シャープ(株)製]の定着ユニットを用い、定着速度(加熱ローラーの周速)213mm/秒、加熱ローラーの温度90~200℃の範囲を5℃刻みで通した。紙は「CopyBond SF-70NA」(シャープ社製75g/m2)を用いた。
次に定着画像へのコールドオフセットの有無を目視し、コールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
この評価条件では、MFTは一般には130℃以下であることが好ましい。
上記低温定着性に記載した方法と同じ方法で、トナーを紙面上に載せ、この紙をソフトローラーに定着速度(加熱ローラーの周速)213mm/秒、加熱ローラーの温度90~200℃の範囲を5℃刻みで通した。
次に定着画像へのホットオフセットの有無を目視し、ホットオフセットの発生温度を測定した。
ホットオフセットの発生温度が高いほど、耐ホットオフセット性に優れることを意味する。この評価条件では、180℃以上であることが好ましい。
トナー1gを密閉容器に入れ、温度50℃、湿度50%の雰囲気で72時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが全く発生しておらず、耐熱保存性に優れる。
△:一部にブロッキングが発生しており、耐熱保存性が劣る。
×:全体にブロッキングが発生しており、耐熱保存性が大きく劣る。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F-150)20gとを50mLのガラス瓶に入れ、23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[京セラケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分後の帯電量/摩擦時間10分後の帯電量」を計算し、これを帯電安定性指数とした。帯電安定性指数が大きいほど帯電安定性に優れることを意味する。この評価条件では0.7以上であると好ましい。後述の通り、評価結果を表2に示す。なお、表2において、◎及び〇は、帯電安定性指数が0.7以上であることを表し、△は帯電安定性指数が0.7未満であることを表す。
上記の低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600-5-4(1999)に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。一般にはHB以上であることが好ましい。
トナー0.5gとフェライトキャリア20gとを50mLのガラス瓶に入れ、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間混合した二成分現像剤を用い、市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて紙全面ベタ画像を作成し、排紙ローラーによって生じた画像搬送傷の程度を以下の基準で評価した。
◎:画像搬送傷がない
○:30倍に拡大すると画像搬送傷が一部確認できる
△:画像搬送傷が目視で一部に確認できる
×:画像搬送傷が目視で全体に確認できる
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm2)をかけ、65℃で10分間静置した。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
○:抵抗なし
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
トナー0.5gとフェライトキャリア20gとを50mLのガラス瓶に入れ、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間混合した二成分現像剤を用い、市販モノクロ複写機[シャープ(株)製、AR5030、]を用いて連続コピーを行い、以下の基準で耐久性を評価した。
[判定基準]
◎:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
○:1万枚コピー後でカブリが発生している。
△:6千枚コピー後でカブリが発生している。
×:2千枚コピー後でカブリが発生している。
一方、比較例1~4に係るトナー(T’-1)~(T’-4)は、いくつかの性能項目が不良であった。
さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (6)
- 結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、結晶性ポリエステル樹脂(A)は、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が60~74℃であり、水酸基価(OHVA)が6.0~40.0mgKOH/gであり、水酸基価(OHVA)と酸価(AVA)の比率[OHVA/AVA]が1.0~3.0であり、数平均分子量と水酸基価と酸価とが下記関係式(1)を満たすポリエステル樹脂であって、非晶性ビニル樹脂(B)は、スチレンモノマーを構成単量体として含むビニル樹脂であり、非晶性ビニル樹脂(B)の酸価(AV B )が5.0~30.0mgKOH/gであるトナーバインダー。
Mn×(OHVA+AVA)/56100≦2.0 (1)
[関係式(1)において、OHVAは結晶性ポリエステル樹脂(A)の水酸基価、AVAは結晶性ポリエステル樹脂(A)の酸価、Mnは結晶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量である。] - 結晶性ポリエステル樹脂(A)がモノアルコール(x1)及び/又はモノカルボン酸(y1)を含有する成分を重縮合して得られる結晶性ポリエステル樹脂である請求項1に記載のトナーバインダー。
- 結晶性ポリエステル樹脂(A)の酸価(AVA)が7.0~20.0mgKOH/gである請求項1または2に記載のトナーバインダー。
- 結晶性ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量が7,000~30,000である請求項1~3のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ビニル樹脂(B)の重量比[(A):(B)]が、3:97~30:70である請求項1~4のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のトナーバインダーを含有するトナー。
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