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JP7054177B2 - 水晶デバイス及びその製造方法 - Google Patents

水晶デバイス及びその製造方法 Download PDF

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JP7054177B2
JP7054177B2 JP2018020120A JP2018020120A JP7054177B2 JP 7054177 B2 JP7054177 B2 JP 7054177B2 JP 2018020120 A JP2018020120 A JP 2018020120A JP 2018020120 A JP2018020120 A JP 2018020120A JP 7054177 B2 JP7054177 B2 JP 7054177B2
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Description

本発明は、エッチング加工が容易な結晶方位を有して形成される水晶デバイス及びその製造方法に関するものである。
水晶デバイスは、三次元の座標で表される水晶の結晶軸から特定の切断方位を選択してカットされた水晶ブランクを使用している。この水晶ブランクは、エッチングによって音叉型等に形状加工されることで、特有の振動モードや発振周波数を備えている(特許文献1)。
各種の振動モードの中でも、基部と、基部から延びる複数の振動腕とからなる音叉型の水晶デバイスが広く用いられている(特許文献2)。
この音叉型水晶デバイスの代表的な製造方法としては、数インチ角又は円形の水晶ウェハに、蒸着やスパッタなどで金などのプロテクト金属を成膜し、その上から感光性レジストを塗布して、音叉形状のパターンが並んだ露光マスクを使った露光、現像及び、プロテクト金属のパターニングを行った後、該ウェハをフッ酸若しくは酸性フッ化アンモニウム等の液体を浸した容器に漬け込んで、プロテクト金属及びレジスト膜でマスクされた場所以外のところを侵食させて溶解する化学的(ウェット)エッチング法が用いられている。このようなエッチング法によってZ板を加工する場合、板厚方向に浸食が進行し、平面方向には浸食が進み難いといった異方性を有している。この異方性を利用することで、切断面に該当する部分に耐食膜をパターン形成し、切断面部分の水晶面を露出した状態でエッチングを行うと該当箇所を選択的に加工することができる。
また、水晶ウェハからエッチング法などにより形成された振動本体部及び振動本体部を支持する支持枠からなる振動片と、振動片を挟持して振動本体部を封入する一対のウェハ状の封止体が、接合などにより一体化されたウェハレベルパッケージ(WLP)によって形成される水晶デバイスも知られている(特許文献3)。
特開2001-313537号公報 特開2004-357178号公報 特開2017-059918号公報
しかしながら、Z板にあっては、XY平面内の溝を形成する場合、溶解する方向によって、溝の深さやその切断面形状が大きく異なるといった特性を有している。水晶は3方晶系結晶のため、XY平面内で120°毎に3回対称軸が現れる。3回対称軸においてY軸に対して平行に設定される溝は、底面近くまでほぼ垂直な側壁が形成でき、エッチング液浸漬時間に応じた深掘りエッチングが可能となるが、X軸に対して平行な溝は一定の深さまでエッチングが進行した際に、自然結晶における錐面(R面、r面)の露出により深さ方向のエッチングレートが極端に遅くなり加工が進み難いといった問題を有している。
振動腕に溝を形成する場合、分極方向の関係からY´軸方向を長手とする矩形形状になっている。溝の底部の形状は、X軸方向に向かって逆方向より広い断面が発生することが知られている。この溝の傾斜角や逆方向の狭い断面の傾斜角は略一定であり、溝の底部に平行な面が出現する長さの短辺寸法があれば、これらのX軸方向への長さは自動的に略一定になる。
水晶デバイスの外形加工は、エッチングをZ´軸方向の両面から行い、貫通させることで抜き部分を形成するが、異方性を有しているため、抜き部の周辺にエッチング残りが生じ、抜き方向の角度(方位)や面積によっては、所望の形状にならない場合もあった。そのため、デバイスの小型化及び薄型化の要請と共に、抜き部の面積はさらに狭くなり、従来の設計では所望の特性が十分に得られなくなるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、エッチング容易な水晶結晶軸に沿って、振動本体部と、この振動本体部を支持する接続部分とを形成することで、振動片の小型化及び振動特性の向上を図ることのできる水晶デバイス及びその製造方法を提供することにある。
本発明の水晶デバイスは、X軸、Y軸及びZ軸を有する三次元の結晶方位のXY平面からなるZ板を、±15°の範囲でX軸を中心に回転させ、回転後のY´軸をY0軸とし、Z´軸を回転軸として前記Y0軸から100°~120°回転させた軸をY1軸、前記Y0軸から240°~260°回転させた軸をY2軸と定義したとき、これらY0軸,Y1軸,Y2軸を有するZ´板からなる振動片を備えた水晶デバイスであって、
前記振動片は、少なくとも一本の振動腕と該振動腕に繋がる基部とからなる振動本体部と、振動本体部を支持する支持部と、振動本体部と支持部とを繋ぐ接続部と、を備え、前記振動本体部の振動腕がY0軸に略沿って延びると共に、前記接続部を挟んで互いに対向する振動本体部及び支持部の基端面が、前記Y1軸及びY2軸に略沿ってそれぞれ形成されている。
本発明の水晶デバイスの製造方法は、X軸、Y軸及びZ軸を有する三次元の結晶方位のXY平面からなるZ板を、±15°の範囲でX軸を中心に回転させ、回転後のY´軸をY0軸とし、Z´軸を回転軸として前記Y0軸から100°~120°回転させた軸をY1軸、前記Y0軸から240°~260°回転させた軸をY2軸と定義したとき、これらY0軸,Y1軸,Y2軸を有するZ´板からなる振動片を備えた水晶デバイスの製造方法であって、
前記振動片は、少なくとも一本の振動腕と該振動腕に繋がる基部とからなる振動本体部と、振動本体部を支持する支持部と、振動本体部と支持部とを繋ぐ接続部と、を備え、前記振動本体部の振動腕がY0軸に略沿って延びると共に、前記接続部を挟んで互いに対向する振動本体部及び支持部の基端面が、前記Y1軸及びY2軸に略沿って、フルエッチングにより貫通加工又はハーフエッチングにより非貫通加工してなる。
本発明の水晶デバイスによれば、水晶結晶が有しているY0軸,Y1軸,Y2軸に沿って、振動本体部が形成されると共に、接続部を介して対向する振動本体部の基端面と支持部の基端面の一部が形成される。このように、エッチング深度の高い軸に沿って、振動片の主要部分の外形が加工できるので、設計通りの特性を有する水晶デバイスを得ることができる。
本発明の水晶デバイスの製造方法によれば、振動片を所定形状に貫通加工又は非貫通加工することができるので、バリ等の不良品の発生を低減させることができる。また、振動片の小型化及びより複雑な形状加工に対応することが可能となる。
本発明の水晶デバイスの結晶方位を示す直交座標図(a)、本発明において定義したY0軸,Y1軸,Y2軸を示す座標図(b)である。 第1実施形態(a)、第3実施形態(b)の振動片の平面図である。 Y0軸,Y1軸,Y2軸に対し、実験的に作成した溝の位置関係を示す座標図である。 ウェットエッチングによって形成される図3に示されたA1-A1断面図(a)、A2-A2断面図(b)である。 Y0軸とのなす角度θ3とZ´軸方向のエッチングレートとの関係を、図4の最深部の深さBの比を使って示したグラフである。 Y0軸とのなす角度θ3とウェットエッチングによって形成された図4の壁面深さCの比との関係を示すグラフである。 第1実施形態(a)、従来(b)、第2実施形態(c)における振動片の平面図である。 上記(a),(b),(c)における等価直列抵抗R1を比較したグラフである。 従来(a)、第3実施形態(b)、第4実施形態(c)におけるウェハレベルパッケージの振動片の平面図である。 図9の振動片を搭載した2端子構成(a)、4端子構成(b)のウェハレベルパッケージ水晶デバイスの斜視図である。 第5実施形態(a)、第6実施形態(b)、第7実施形態(c)の振動片の平面図である。 従来(a)、従来のフレーム部に荷重を加えたときの変位量を有限要素法によりシミュレーションした時の平面図(b)である。 第5実施形態(a)、第5実施形態のフレーム部に荷重を加えたときの変位量を有限要素法によりシミュレーションした時の平面図(b)である。 上記各フレーム部における荷重と変位量の関係を示すグラフである。
以下、本発明の水晶デバイスを構成する振動片の各種の実施形態について説明する。図1は、水晶結晶の方位をX軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光軸)からなる直交座標で示したものである。図2に示す振動片11a,21aは、X軸、Y軸及びZ軸を有する三次元の結晶方位のXY平面からなるZ板を、±15°の範囲でX軸を中心に回転(図1(a))させ、回転後のY´軸をY0軸として、Z´軸を回転軸として該Y0軸から100°~120°回転させた軸をY1軸、前記Y0軸から240°~260°回転させた軸をY2軸と定義したとき、これらの軸を有するZ´板(図1(b))からなる振動片によって構成されている。
図2(a)は、第1実施形態の振動片11aを示したものである。振動片11aは、励振電極12が形成される振動本体部13と、振動本体部13を支持する支持部14と、振動本体部13と支持部14とを繋ぐ接続部15とを備えている。振動本体部13は、基部16と、基部16から平行に延びる一対の振動腕17を備えている。一対の振動腕17には、長手方向に沿って一又は複数の溝部(図示せず)が設けられ、この溝部の壁面に沿って励振電極12が形成されている。この励振電極12は、基部16の上端から振動腕先端面18に向けて形成されている。この振動腕先端面18を有する振動腕17において、振動腕先端面18側の幅広形状となる部分は、発振周波数調整用の錘部として設けられているものであり、発振周波数の調整量に応じて適宜腕幅が変動するような段差状に形成される。支持部14は、基部16の一端から延びる接続部15を介して一対の振動腕17の外側を囲うようにして延びる一対の支持腕部19を備えている。一対の支持腕部19の先端部には電極端子(図示せず)が設けられ、電極端子から各振動腕17の溝部に沿って形成されている励振電極12に電気的に接続される電極パターンが一対の支持腕部19、接続部15及び基部16上に形成されている。
図2(b)は、後述する第3実施形態の振動片21aを示したものである。この振動片21aは、ウェハレベルパッケージ(WLP)によって形成される水晶デバイスの機能部を構成するものである。振動本体部13及び接続部15の構成は、第1実施形態と同様であるが、一対の支持腕部19が振動本体部13を取り囲むフレーム部22によって形成されている点が相違している。
図2(a),(b)において、振動本体部13の振動腕17がY0軸に沿って延びると共に、接続部15を挟んで互いに対向する振動本体部13の左側の基端面13a及び支持部14の左側の基端面14aがY1軸に沿って形成され、接続部15を挟んで互いに対向する振動本体部13の右側の基端面13b及び支持部14の右側の基端面14bがY2軸に沿って形成されている。なお、図2及び後述する図7,図9に示すθ1,θ2は、振動本体部13の基端面13a,13bに対するY0軸とのなす角度θ3の調整範囲を示すものであり、0°~20°の範囲に設定される。
水晶ブランクをエッチングによって形状加工する場合に、定義したY0軸、Y1軸及びY2軸に沿った方向がZ´方向の深堀加工に適している。このため、接続部15を挟んで互いに対向する基部16及び支持部14の左右の基端面をY1軸及びY2軸に沿って形成することで、より精密な加工精度を得ることができる。エッチング加工においては、本発明では、振動片11,21の小型化に伴う形状加工制限や等価直列抵抗R1等の振動特性とのバランスにおいて、前述したように、一対の振動腕17の長手方向をY0軸とした場合に、接続部15を挟んで互いに対向する基部16及び支持部14の一方の基端面が前記Y1軸の範囲内とし、他方のそれぞれの基端面が前記Y2軸の範囲内とした。以下、この条件の下で検証した結果を示す。
図3乃至図6は、水晶ウェハ10にエッチングで溝23を形成する場合の加工速度や加工形状をY0軸、Y1軸、Y2軸に対して検証したものである。実験は図3に示したように、Y0軸を0°としたZ板に対して、このY0軸とのなす角度θ3が150°まで10°刻みにZ´軸を中心に右回りに回転させた。そして、水晶ブランクに一定時間エッチングを施し、各角度における溝23の状態を観察した。図4は図3に示したような形状の溝23をエッチングによって形成した場合の断面形状例を示したものである。図4(a)は溝23aにおけるA-A断面図、図4(b)は溝23bにおけるB-B断面図である。これらの断面形状は、エッチングレートの最も大きな角度でも貫通しないようにエッチング制御した状態のものである。ここで、Aは溝幅、BはZ軸方向の中心深さ、CはZ軸方向の壁面深さを示す。なお、溝23の長さについては、溝幅Aに対して約7倍とした。
図5は、Y0軸とのなす角度θ3とZ´軸とのエッチングレートの関係を示したものである。この実験結果によれば、同時間のエッチングで掘れるZ´軸方向の中心深さBは、0°,60°,120°の中心深さBの平均値を100%としたとき、これらの角度から±20°の範囲で、概ね90%以上のエッチングレートが得られることが確認された。
図6は、Y0軸とのなす角度θ3とエッチング後の略垂直な壁面深さCとの関係を示したものである。この実験結果によれば、同時間のエッチングにおけるZ´軸方向の壁面深さCは、0°,60°,120°の壁面深さCの平均値を100%としたとき、これらの角度から±20°の範囲で、概ね80%以上の深さが確保できることが確認された。このような80%以上の深堀が可能となることで、エッチング残りによるバリ等の発生を抑えることができる。
図7は、従来の振動片を11b、図2に示した本発明の第1実施形態の振動片を11a、第2実施形態の振動片を11cとして、比較して示したものである。(b)は接続部15を介して繋がる基部16の基端面13a,13bと、この基端面13a,13bと対向する支持部14の下部内側の基端面14a,14bと、がY0軸に対して略直交するように形成されている。(a)は基部16の基端面13a,13bと、支持部14の基端面14a,14bと、がそれぞれY1軸及びY2軸の範囲内で、Y0軸とのなす角度θ3が左右とも75°に傾斜して形成されている。(c)は基部16の基端面13a,13bと、支持部14の基端面14a,14bと、がそれぞれY1軸上及びY2軸の範囲内で、Y0軸とのなす角度θ3が左右とも60°傾斜して形成されている。
図8は図7に示した、全長を揃えたそれぞれの振動片11a,11b,11cにおける等価直列抵抗R1を測定したものである。(b)に示した振動片11bに比べて(a)及び(c)に示した振動片11a,11cでは、振動本体部13の基部16の基端面13a,13bと同様に、対向する支持部14の基端面14a,14bをY1軸及びY2軸から所定の角度に傾斜させたため、エッチング残りが出難くなるので接続部15を短くでき、その分振動本体部13の基部16側を支持部14の下方側に向けて延伸させて形成することができる。これによって、一対の振動腕17に形成される励振電極長L1,L3をL2に対して、α1又はα2分だけ下方側に延長させることができるので、励振効果が増し、等価直列抵抗R1を低減させることができる。
基部16の基端面13a,13b及び支持部14の基端面14a,14bの傾斜角度をY1軸及びY2軸の角度範囲に設定することで、エッチング加工の容易性を高めることができる。一方、単純にエッチングの加工容易性だけを考えるなら、Y0軸とのなす角が60°に近くなる図7(c)に示した振動片11cが最も優れているが、図7(a)と同じ振動腕長にした場合、振動の緩衝場所となっている基部の総面積が小さくなることで支持部に振動が漏れ安くなることが予想される。図8に示した実験結果によれば、(b)の振動片11bのR1値が約75kΩであるのに対し、(a)の振動片11aのように、Y0軸とのなす角が75°の場合はR1値が68kΩ程度に低下する。一方、(c)の振動片11cのように、Y0軸に対する傾斜角度が60°の場合はR1値が71kΩであった。よってこれよりY0軸とのなす角を小さくすると、更に基部面積が小さくなり特性が悪化することが考えられるので、緩衝場所となる基部面積との兼ね合いを考え、Y1軸、Y2軸を特性の向上に有効な範囲とした。
図9は、完成すると図10となるウェハレベルパッケージ(WLP)によって形成されるWLP水晶デバイスの振動片21の各種形態を示したものである。(a)は従来の振動片21b、(b)は図2(b)に示した本発明の第3実施形態の振動片21a、(c)は本発明の第4実施形態の振動片21cである。(b)に示した振動片21aでは、一対の振動腕17の長手方向をY0軸とした場合、基部16の基端面13a,13bと、この基端面13a,13bと対向するフレーム部22のフレーム下部基端面22a,22bとが、それぞれY1軸及びY2軸の範囲内でY0軸とのなす角度θ3が左右とも75°傾斜している。
WLP水晶デバイスは、振動片21と一対の封止部の接合により形成されるが、この接合に金属同士の拡散現象を使った場合、パッケージとして気密性や機械強度の保持のため、振動片のフレーム部に一定の面積が必要になる。よって、振動片21a,21b、21cとも、フレーム部22の総面積は略同じとした。
図9(a),(b),(c)を比較すると、(a)に示した振動片21bに比べて(b)及び(c)に示した振動片21a,21cでは、振動本体部13の基部16の基端面13a,13bと同様に、対向するフレーム部22のフレーム下部基端面22a,22bをY1軸及びY2軸の各範囲に沿って傾斜させたため、振動本体部13の基部16側をフレーム部22の下方側に向けて延伸させて形成することができる。更に傾斜させた分、エッチング残りが出難くなるので、接続部15を短くでき、その分も振動本体部13の基部16側をフレーム部22の下方側に向けて延伸させて形成することができる。これによって、一対の振動腕17に形成される励振電極12の励振電極長L2,L3をL1に対して、β1分だけ下方側に延長させることができるので、励振効果が増し、等価直列抵抗R1を低減させることができる。
更に図9(c)は、振動片21cの一対の振動腕17の先端となる振動腕先端面18の角面と対向するフレーム部22のフレーム上部角面22c,22dをY2軸及びY1軸に沿って傾斜させている。図9(b)に示した振動片21aと比較すると、振動腕先端面18の振動腕先端角部18aと対向するフレーム部22のフレーム上部角面22c,22dをY2軸及びY1軸の各範囲に沿って傾斜させたことで、フレーム部22内の上方スペースが広がり、その分一対の振動腕17の上方を延伸させることができる。この時フレーム上部の中央付近の幅は細くなるが、後に示すシミュレーションでの証明により強度も保てる。これによって、(b)に示した振動片21aの励振電極長L2の励振電極12に対して、(c)に示した振動片21cでは、励振電極12の上方側をβ2分だけ延長させることができる。このため、振動片21cは、従来の振動片21aに対して、β1とβ2分の励振電極長L3を備えた励振電極12を形成することができ、等価直列抵抗R1のさらなる低減化を図ることが可能となる。
図10は、図9の振動片21aを機能部として、この機能部を一対の封止部43で挟んで形成されたWLP水晶デバイス41a,41bを実装面側から見た斜視図である。(a)に示すWLP水晶デバイス41aは一対の端子電極部42a,42bを備えた構成例であり、(b)に示すWLP水晶デバイス41bは一対の端子電極部に加えて、接地電極部GND又はNCからなる端子を備えた構成例である。
図11(a)の振動片31aは、第3の実施例である21aのフレーム部基端面22a、22bの傾斜を、フレーム上部角面22d、22cにとり、21aのフレーム部を上下対称形状としたものである。この時フレーム上部角面22cと振動腕先端角部18aの距離は、21aの振動腕先端面18と対向する内側面と略同じ距離γ1となるが、図11(b)の振動片31bの左右の振動腕における振動腕先端角部18aを、フレーム上部角面22c,22dの角度に合わせて傾斜させ、振動腕先端角外面18cとすることで、前記振動腕先端角部18aより、フレーム上部角面22c,22dとの距離を広げることができる。次に振動腕先端角外面18cとフレーム上部角面22c,22dの距離及び振動腕先端角部18bとフレーム上部角面22c,22dに挟まれた水平なフレーム部の距離を、共にエッチングに支障の出ない距離であるγ1にすれば、振動腕長を延伸でき、その分振動腕17に形成される励振電極12の長さを延長できるので、励振効果が増し、等価直列抵抗R1を低減させることができる。
図11(c)の振動片31cは、一対の振動腕先端面18の振動腕先端角外面18cと振動腕先端角内面18dの傾斜角度が均等となるように、左右対称な山型状にカットして形成したものである。また、振動腕先端角外面18c,18dは、Y2軸及びY1軸に沿って傾斜している。このように振動腕先端面18の角面を、フレーム部22の内側角面の傾斜に合わせて傾斜させることで、一対の振動腕17に内向きの振動が大きく掛かった場合でも、隣接する振動腕の振動腕先端角内面18d同士を接触し難くできる。言い換えると振動腕の接触を防ぐために、(b)形状ではd1の間隔が必要な場合でも、(c)形状ではd2の様にd1より間隔を狭くすることができる。よって、基部側の振動腕より、先端側の振動腕が幅広な錘効果を持たせた形状のとき、その分、先端側を幅広にして錘効果部の面積を増やすことができる。またこれにより、振動片31bより励振電極12を有する基部側振動腕を延伸でき、励振電極12の長さを延長できるので、更に励振効果が増し、等価直列抵抗R1を低減させることができる。また、振動腕17がY0軸に対して線対称になることで、励振時のバランスも向上し、振動をより安定させることができる。
上記各実施形態における検証結果によれば、接続部15を介して対向する振動本体部13の基端面13a,13bと、支持部の基端面14a,14bとのなす角度をY1軸及びY2軸に対してθ1及びθ2の範囲内に設定することによって、エッチングレートでY0軸とのなす角度θ3が0°,60°、120°に設定した場合の90%以上が確保できることが確認された。また、エッチング残りの制御の目安となる壁面深さに対しても、80%以上が確保できるので、エッチング残りを減少すると共に、接続部15を短小化することができるといった水晶デバイスの小型化に有利な効果があることが確認された。
また、振動本体部13の外周をフレーム部22で囲うWLP水晶デバイスにあっては、平行に延びる振動腕17を短くしたり、フレーム部22の幅を広げたりすることなく、接続部15と繋がる部分のフレーム部22をアーチ状にすることで、外部からの衝撃に対する強度を高めることができる。通常、小型の水晶デバイスは、樹脂モールドされることが多いが、この樹脂モールドにおいては、例えば12MPaほどの荷重に耐える必要がある。特にパッケージに水晶などの脆性材料が使用される場合、振動本体部を取り囲む壁は十分な厚みが必要になる。一方で音叉型振動子は、Y´軸に相当するY0軸方向に延びる振動腕が長い程、等価直列抵抗値の低R1化に有利となるが、その場合、振動腕を含む振動本体部が接続部を介して直角に繋がる、パッケージの壁厚に相当するフレーム幅Tが、その分細くなってしまい、相反する課題が発生する。この課題についても本実施形態で示した形状が有効であることの証明として、有限要素法によるシミュレーションを図12、図13に、その計算結果を図14に示す。
図12(a)は、図9(a)に示した従来の振動片21bの、接続部15に繋がるフレーム部22の幅をTとした場合の形態を示したものであり、図12(b)は(a)のフレーム部22のみをモデル化し、エリアEで示す箇所に任意の荷重Fを矢線方向から加えたときのフレーム部22の変位を有限要素法によりシミュレーションしたものである。また、図13(a)は図11(a)に示した振動片31aにおいて接続部15に繋がるフレーム部22の最小幅をTとした場合の形態を示したものであり、図13(b)は(a)のフレーム部22のみをモデル化し、エリアEで示す箇所に任意の荷重Fを矢線方向から加えたときのフレーム部22の変位を有限要素法によりシミュレーションしたものである。なお、図13(a),(b)では、最小幅Tのフレーム部22の長さについては、Y0軸方向に延びるフレーム22の両端部までの長さをWとしたときの約30%の長さ0.3Wとした。図14は、図12における加重Fを10Nとした場合の変位量を100%としたとき、エリアEにおける変位率を有限要素法によるシミュレーションによって求めた計算値のグラフである。その結果、図13に示した振動片31aは図12に示した振動片に対して、半分以下の変位率となり、倍以上耐荷重強度が大きいことが確認された。
先にも述べたように、図12(a)に示した振動片のフレーム部22は、耐荷重が小さいだけでなく、金属同士の拡散現象による接合方法によって接合した場合に接合面積が不十分になるおそれがあり、気密不良や接合強度不足による破損を発生させる可能性が高くなる。そのため特に小型化製品において、デバイス性能と、気密性や機械的強度などの信頼性を同時に向上させるには、新規の手法が必要になる。本発明の図13に示した振動片31aのフレーム部22の構造は、接続部15に繋がる付近のみフレーム部22を細くし、この細くしたフレーム部22の左右に位置するフレーム下部基端面22a,22bと、振動本体部基端面13a,13bと、を、平行に対向させつつ、Y1及びY2軸方向に略沿わせることで、エッチング残りが減り接続部15が短小化できる。これによって、振動腕長が延ばせ、同時に励振電極長も延ばせるので、等価直列抵抗値R1が小さくなりデバイス性能が向上する。さらに、フレーム下部基端面22a,22bがY1軸及びY2軸の角度でY0軸方向に延びるフレームまで広がるので、フレーム面積が大きくなり、気密性や接合強度及び耐荷重も向上する。
このように、本願発明のフレーム部22を備えた第3から第7実施形態の振動片にあっては、エッチングによる加工の容易性及び励振特性の向上に加えて、フレーム部22の強度の向上も図ることができる。
上記各実施形態の振動片は、一対の振動腕を備えた構成としたが、3以上の複数の振動腕を備えた構成の振動片であっても、同様の作用効果を得ることができる。
A 溝幅
B 最深部の深さ
C 壁面深さ
L1,L2,L3 励振電極長
10 水晶ウェハ
11a,11b,11c 振動片
12 励振電極
13 振動本体部
13a,13b 基端面
14 支持部
14a,14b 基端面
15 接続部
16 基部
17 振動腕
18 振動腕先端面
18a,18b 振動腕先端角部
18c 振動腕先端角外面
18d 振動腕先端角内面
19 支持腕部
21a,21b,21c 振動片
22 フレーム部
22a,22b フレーム下部基端面
22c,22d フレーム上部角面
23 溝
31a,31b,31c 振動片
41a,41b WLP水晶デバイス
42a,42b 端子電極部
43 封止部

Claims (7)

  1. X軸、Y軸及びZ軸を有する三次元の結晶方位のXY平面からなるZ板を、±15°の範囲でX軸を中心に回転させ、回転後のY´軸をY0軸とし、
    Z´軸を回転軸として前記Y0軸から100°~120°回転させた軸をY1軸、前記Y0軸から240°~260°回転させた軸をY2軸と定義したとき、
    これらY0軸,Y1軸,Y2軸を有するZ´板からなる振動片を備えた水晶デバイスであって、
    前記振動片は、少なくとも一本の振動腕と該振動腕に繋がる基部とからなる振動本体部と、振動本体部を支持する支持部と、振動本体部と支持部とを繋ぐ接続部と、を備え、
    前記振動本体部の振動腕がY0軸に略沿って延びると共に、前記接続部を挟んで互いに対向する振動本体部及び支持部の基端面が、前記Y1軸及びY2軸に略沿ってそれぞれ形成されている水晶デバイス。
  2. 請求項1において、
    前記支持部は、前記Y0軸に略沿って延びる少なくとも一本の支持腕部に繋がっている水晶デバイス。
  3. 請求項1において、
    前記支持部は、前記振動本体部の外周を囲うフレーム部によって形成されている水晶デバイス。
  4. 請求項において、
    前記フレーム部は、前記Y0軸方向に対して前記基部と逆方向に位置する前記振動腕の振動腕先端面と対向する内側面が、前記Y1軸及びY2軸に略沿ってそれぞれ形成されている水晶デバイス。
  5. 請求項1において、
    前記振動腕は、前記振動腕先端面の少なくとも一部が、前記Y1軸及びY2軸に略沿ってそれぞれ形成されている水晶デバイス。
  6. 請求項1において、
    前記振動片は、ウェハレベルパッケージの機能部として構成されている水晶デバイス。
  7. X軸、Y軸及びZ軸を有する三次元の結晶方位のXY平面からなるZ板を、±15°の範囲でX軸を中心に回転させ、回転後のY´軸をY0軸とし、
    Z´軸を回転軸として前記Y0軸から100°~120°回転させた軸をY1軸、前記Y0軸から240°~260°回転させた軸をY2軸と定義したとき、
    これらY0軸,Y1軸,Y2軸を有するZ´板からなる振動片を備えた水晶デバイスの製造方法であって、
    前記振動片は、少なくとも一本の振動腕と該振動腕に繋がる基部とからなる振動本体部と、振動本体部を支持する支持部と、振動本体部と支持部とを繋ぐ接続部と、を備え、
    前記振動本体部の振動腕がY0軸に略沿って延びると共に、前記接続部を挟んで互いに対向する振動本体部及び支持部の基端面が、前記Y1軸及びY2軸に略沿って、フルエッチングにより貫通加工又はハーフエッチングにより非貫通加工してなる水晶デバイスの製造方法。
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