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JP7051088B2 - マイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出方法及び装置 - Google Patents

マイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出方法及び装置 Download PDF

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JP7051088B2 JP2018031302A JP2018031302A JP7051088B2 JP 7051088 B2 JP7051088 B2 JP 7051088B2 JP 2018031302 A JP2018031302 A JP 2018031302A JP 2018031302 A JP2018031302 A JP 2018031302A JP 7051088 B2 JP7051088 B2 JP 7051088B2
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Description

本発明は、水溶液中に含まれる有価物を高圧二酸化炭素によって液液抽出する方法及び装置に関し、特に、両流体の混合にマイクロ混合器を用いて迅速、かつ均一に混合させて、瞬時に抽出平衡状態に到達させて、その後、分離器で上部に高圧二酸化炭素と抽出対象物、下部に抽出後の水溶液に分離する液液抽出方法及び装置に関する。
低極性有機溶剤の代替として、超臨界状態を含む高圧二酸化炭素の利用が提案される。つまり、高圧二酸化炭素の密度、粘度、及び誘電率は、ベンゼンやヘキサン、トルエンなどの低極性有機溶剤とほとんど同じ値であり、その代替が可能となるのである。また、二酸化炭素が溶媒特性を有するのは高圧環境下のみであり、大気圧に減圧すると溶媒特性を失ってしまう。そして、大気温度により瞬時に気化するため、高圧二酸化炭素中に溶解していた化学物質との分離が非常に容易で、かつ乾燥のためのエネルギーが不要である。
そこで、高圧二酸化炭素の上記したような特徴を利用した食品分野の抽出技術が古くから研究されており、一部実用化されている。例えば、非特許文献1では、コーヒー豆からカフェインを抽出しカフェインレスコーヒーと天然物由来のカフェインを得る方法について述べられている。また、特許文献1では、生姜パウダーから生姜エキスを抽出する方法が開示されている。更に、特許文献2では、マヨネーズからコレステロールを抽出する方法が開示されている。これらのように、食品を対象とする場合、被抽出物、若しくは抽出残物が直接体内に取り込まれるため、既存の有機溶剤を使った抽出プロセスでは残留溶剤が懸念されることになるが、高圧二酸化炭素を溶媒として使うことで本質的に安全性を確保し得る。同様に、食品以外にも医製薬や化粧品などのように、直接体内に取り込まれる製品の抽出技術にも高圧二酸化炭素の溶媒特性を利用するプロセスの利用が期待される。
現状の食品、医製薬、化粧品の製造プロセスにおいて、化学物質の抽出には、従来から用いられている有機溶剤が使用されている。目的抽出物の溶解度パラメーター(SP値)に対して少量添加で最大溶解度を得られるような単一溶媒、若しくは混合溶媒の設計、また、溶媒抽出した後、凍結乾燥、減圧蒸留などにより抽出対象物が熱変性を受けないように溶剤を分離し、かつ体内に取り込んでも問題のないような溶媒に転換することを志向している。この製造プロセスにおいて、残留溶剤リスクを極力低減する対策がGMP(Good Manufacturing Process)基準として定められている。
図3には、実用化されているコーヒー豆からカフェインを抽出する装置フローを示した。 凝縮器に供給された高圧二酸化炭素は十分に冷却され、凝縮器内の温度を一定にして、該温度での飽和蒸気圧力に制御される。例えば、5℃に制御すると、4MPaで一定となる。液体二酸化炭素を高圧吐出する高圧ポンプ内でベーパーロックを生じないように過冷却状態に冷却するため、凝縮器と高圧ポンプの間に予冷却器を設け、十分に液化冷却された二酸化炭素を高圧二酸化炭素ポンプで高圧吐出する。高圧吐出された高圧二酸化炭素は、加熱器により31℃以上に加熱されると超臨界二酸化炭素となる。抽出対象物を含む固体原料は抽出槽に充填されており、抽出槽下部より高圧二酸化炭素が供給されて、固形原料中に高圧二酸化炭素が含浸して、固形原料中の抽出対象物を表面まで移動させ、固体外部の高圧二酸化炭素に溶解させて抽出を行う。
高圧二酸化炭素中に溶解した抽出対象物は、抽出槽の圧力を一定に制御する背圧弁を経て蒸発器に流入する。蒸発器圧力は抽出槽に比べて低く、かつ凝縮器と連結されているため凝縮器と同じ圧力になり、かつ同じ温度となる。抽出槽出口の背圧弁上流の温度、圧力によって、減圧後の気液割合が決定される。抽出対象物は高圧環境では高圧二酸化炭素中に溶解しているが、圧力を下げることにより二酸化炭素が気液に分離し、気体二酸化炭素中の溶解度は瞬時に低下し、抽出対象物は液体二酸化炭素中に溶解、若しくは同伴される。従って、蒸発器下部に液体二酸化炭素と抽出対象物が存在するようになるため、蒸発器下部から定期的にブローすることで抽出対象物と液体二酸化炭素が排出され、瞬時に液体二酸化炭素は気体二酸化炭素に蒸発するため抽出対象物を回収することができる。
高圧二酸化炭素抽出プロセスのほとんどは、二酸化炭素を再利用する必要があるため、蒸発器内部に加熱手段として内部加熱器を設けている。若しくは、蒸発器外周からの加熱などにより、高圧二酸化炭素回収系の温度、圧力(ここでは5℃、4MPa)で液体二酸化炭素を蒸発させる必要がある。そのためには液体二酸化炭素の液面レベルを検知する手段が必要となる(例えば、特許文献3参照)。
蒸発された液体二酸化炭素は、減圧により一部気化した二酸化炭素と共に、蒸気圧分、気液平衡の気相に分配される有機物を溶解しているため、活性炭槽で有機物を除去された後、凝縮器で液化回収され循環再利用される。
ところで、従来から検討されてきた高圧二酸化炭素を用いた抽出技術は、以下に示す実用化に対するいくつかの障壁があった。
第1に、高圧二酸化炭素への抽出対象物の溶解度が低い点である。無機ガスの中で有機物を溶解できるガスは高圧二酸化炭素以外ないが、高圧二酸化炭素中への有機物の溶解度は高くても1wt%程度と低く、1のカフェインを抽出するために99の高圧二酸化炭素が必要となり、効率的なプロセスは期待できない。これは、抽出対象物を含む固形物の抽出処理量が大きい場合、処理プロセスが大型化する。また、固形物中の抽出対象物濃度が高い場合も、溶解度律速となるためこの場合も処理プロセスが大型化する。いずれも高圧二酸化炭素は循環再利用することが前提の大型装置が必要となる。
第2に、固形物中の抽出対象物を固形物表面に移動させるための物質移動律速である。従来からの高圧二酸化炭素による抽出技術は、抽出対象物は固形物中に含まれる場合が多く、固形物内部に高圧二酸化炭素が浸透し、抽出対象物を同伴して固形物内部を移動し、固形物表面に到達して固形物周囲に存在する高圧二酸化炭素に溶解して抽出される。固形物内部の物質移動が制限されるため、抽出速度は速くない。
第3に、大型圧力容器による設備コストの増大である。固形物を高圧容器に充填して処理をするため、処理量が大きくなると高圧容器が大型化する。高圧容器の円筒胴部の強度計算上、容器内径が大きくなると、比例的に肉厚も厚くなる。高圧容器に用いる材料は鍛造品がほとんどで製造サイズの制限がない継目溶接タイプ(セミシーム)を強度上、使用するケースはほぼない。従って、一品一品、インゴットとして鍛造する必要があるため材料が高価で、かつ鍛造サイズの限界があるため容器サイズに制限が生じる。よって、大処理量プロセスの場合、複数並列化するなどプラントコストは増大する傾向になる。
第4に、固形物を高圧容器に出し入れするため半回分式処理となるため、処理効率は高くない。固形物を出し入れする間は生産時間ではなくロスタイムとなる。
上記の課題はあるものの、人の体内に取り込むような対象物、特に、食品対象プロセスには、高圧二酸化炭素の溶剤残留の懸念がないことが勝るため、いくつかの適用例で実用化プロセスが稼働している。
近年、原料は固形物を対象にしているものの、疎水性を有する高圧二酸化炭素と親水性を有する水の両方を抽出槽に供給して、例えば抽出槽内で固形物を親水性の水中に保持して、抽出対象物の親水性物質を水中に溶解させ、疎水性を有する高圧二酸化炭素を底部からバブリングして疎水性有機物は高圧二酸化炭素中に溶解させる技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、図4に示す通り、特許文献4に開示の方法では、抽出槽内に液面が存在し、その検知手段として液面計や差圧計(差圧伝送器)を使用しているが、抽出槽内の液面レベルを一定にする手段までは開示されていない。さらに、抽出槽内径について、内径変化など液面検知手段が開示されておらず、水と高圧二酸化炭素など密度差が小さい流体同士のレベル変位は小さくなるため、制御性を著しく欠くことが推察される。また、高圧二酸化炭素側の流出ラインに、飛沫同伴される水をトラップする容器を有しているが、その容器からの水の排出手段がなく、時間の問題で、高圧二酸化炭素回収ラインに本来混入させたくない水が流入してしまう。また、特許文献4に開示の方法では、分散板を用いて少しでも気液接触効率を向上させるようになされているものの、水相の途中に分散板を用いた場合、分散板下部に存在する水と高圧二酸化炭素の接触効率は悪く、気液接触効率が大幅に改善するほどの効果は期待できない。
また、非特許文献2では、マイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出技術において、原料水溶液及び高圧二酸化炭素を連続供給し、マイクロデバイスで瞬時に平衡に到達させ、減圧して分離するというマイクロデバイスを用いた液液抽出方法について述べている。この装置フローでは、分離器は通常の縦型円筒容器であり、液面レベルを検知して、かつ液面レベルを連続的に制御する機構ではない。従って、連続的にかつ工業的に成立し得るプロセスではない。
また、非特許文献3~5では、マイクロデバイスを用いた液液平衡の測定について、マイクロデバイスで液液は瞬時に平衡状態に到達するとしている。これらの装置フローでは、液液平衡のデータを取るために可視化セルを用いており、状態観察に特化している。従って、液面レベルを検知して、かつ液面レベルを連続的に制御するものではない。
また、非特許文献6では、有機系ファインケミカルズの基幹物質であり、医薬品の有用なビルディングブロック、液晶分子やOLED燐光材料の基本骨格であるビアリール化合物について、いわゆる「鈴木カップリング反応」により合成されることを述べている。しかしながら、目的物質の合成と同時に、化学量論以上の共・副生成物を副生し、目的物質の分離精製コストの増大が課題であった。具体的には、鈴木カップリング反応は、反応媒体として水が用いられ、パラジウム触媒と塩基を用い、有機ホウ素化合物とハロゲン化アリールとをクロスカップリングさせてビアリール化合物を得る化学反応である。そのため、原料を反応場に均一に存在させるため親水性有機溶媒に原料を溶解させて供給することが多い。この反応では、不均一触媒としてパラジウム、均一触媒として塩基が用いられ、副生成物として多量の無機塩が水溶液として生成する。従って、反応終了後の流体は、水と親水性有機溶媒の混合物が主成分で、疎水性の目的物質、パラジウム触媒、高濃度の無機塩の混合物となる。
また、特許文献7では高温二酸化炭素の連続混合の装置について、非特許文献7ではバニリンの高圧二酸化炭素抽出について述べられている。
特開2005-143308号公報 特開平5-146276号公報 特開2008-014876号公報 特開2008-055255号公報 特開2008-012453号公報 特開2013-188654号公報 特開2012-086145号公報
Peker, H., Srinivasan, M. P., Smith J. M., Mccoy, B. J., "Caffeine extraction rates from coffee beans with supercritical carbon dioxide", AIChE J. 38 (1992) 761-770. Candela C. D. and Thomas G.,"Procsess intensification by the use of micro device for liquid fractionation with supercritical carbon dioxide, Chem. Eng. Res. Des.108(2016)139-145. M.Togo,Y.Inamori and Y.Shimoyama,"Phase transitions on (liquid + liquid) equilibria for (water + 1-methylnaphthalene + light aromatic hydrocarbon) ternary systems at T = (563, 573, and 583)K", J. Chem. Thermodyn.55(2012)1-6. M.Togo,T.Maeda,A.Ito,Y.Shimoyama,"Phase equilibria for the [{water + 1-methylnaphthalene + p-xylene}] system at T = (573, 623 and 653) K", J. Chem. Thermodyn.61(2013)100-104. M.Togo,T.Maeda, A.Ito,Y.Shimoyama, "Measurement and correlation of phase equilibria for (water + aromatic hydrocarbon) binary mixture at T = (573 to 623) K using microfluidic mixing" J. Chem. Thermodyn.67(2013)247-252. C. Liu, X. Rao, Y. Zhang, X. Li, J. Qiu, Z. Jin, "An aerobic and very fast Pd/C-catalyzed ligand-free and aqueous Suzuki reaction under mild conditions, Eur. J. Org. Chem. (2013) 4345-4350. K.Brudi, N.Dahmen, H. Schmieder, "Partition coefficients of organic substances in two-phase mixtures of water and carbon dioxide at pressures of 8 to 30 MPa and temperatures of 313 to 333 K", J. Supercrit. Fluids 9 (1996) 146-151.
以上述べたように、現時点で高速液液抽出に関して、連続的、かつ工業的に成立し得るプロセスの提案はなされていない。
本発明者らは、上記問題点に鑑みて、鋭意研究開発を積み重ねた結果、液状物を対象として、高圧二酸化炭素をマイクロ混合器で混合し高速液液抽出を行う本発明に至った。すなわち、対象物は水溶液中の疎水性有機物であり、高圧二酸化炭素とマイクロ混合を用いて混合し、従来からの固形物中からの高圧二酸化炭素抽出に比べて物質移動を劇的に改善し、瞬時に抽出平衡に到達させるのである。さらに、分離器で瞬時に高圧二酸化炭素と水溶液を分離するのである。
すなわち、本発明による方法は、原料水溶液中に含まれる抽出対象物である有価物を高圧二酸化炭素で液液抽出する方法であって、前記原料水溶液及び前記高圧二酸化炭素をそれぞれ高圧環境に連続供給しマイクロ混合器により混合し、滞留管を経て、前記マイクロ混合器及び前記滞留管の圧力を制御する第1圧力制御弁を通過させ、この減圧された流体を分離器に供給し、上部から前記高圧二酸化炭素と前記抽出対象物を排出し、これに前記高圧二酸化炭素中に溶解する前記抽出対象物の析出を抑制する析出抑制流体を混合し、圧力を制御する第2圧力制御弁を通過させ、一方、液面レベルを検知する液面検知手段により前記分離器の液面レベルを一定にしつつ前記分離器の下部のレベル制御弁から抽出後の水溶液を排出することを特徴とする。
更に、本発明による装置は、原料水溶液中に含まれる抽出対象物を高圧二酸化炭素で液液抽出する装置であって、前記原料水溶液を高圧環境に連続供給する原料水溶液高圧供給手段と、前記高圧二酸化炭素を前記高圧環境に連続供給する高圧二酸化炭素高圧供給手段と、それぞれの高圧流体を混合するマイクロ混合器と、前記マイクロ混合器で混合後、所定時間だけ滞留させる滞留管と、前記混合器及び前記滞留管の圧力を制御する第1圧力制御弁と、前記第1圧力制御弁を経て減圧された流体を前記分離器に供給し、その出口を前記分離器の内面に沿う、若しくは前記分離器の内面に衝突させるようにし、内径を2mm以上とした連結管と、前記分離器内で上部から前記抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素を排出する抽出対象物排出ラインと、前記抽出対象物排出ラインで前記分離器の圧力を制御する第2圧力制御弁と、前記第2圧力制御弁で減圧された前記高圧二酸化炭素中に溶解した前記抽出対象物の析出を抑制する析出抑制流体を前記第2圧力制御弁の手前で供給し混合器で混合する析出抑制流体高圧供給手段と、前記分離器内の液面レベルを検知する液面検知手段と、前記分離器の下部のレベル制御弁及び抽出後の水溶液を排出する抽出後流体排出ラインと、前記原料水溶液及び前記高圧二酸化炭素を任意の温度に調節する温調手段と、を含み、前記原料水溶液及び前記高圧二酸化炭素をそれぞれ高圧環境に連続供給し前記マイクロ混合器により混合し、前記滞留管を経て、前記マイクロ混合器及び前記滞留管の圧力を制御する第1圧力制御弁を通過させ、この減圧された流体を前記分離器に供給し、上部から前記高圧二酸化炭素と前記抽出対象物を排出し、これに前記高圧二酸化炭素中に溶解する前記抽出対象物の析出を抑制する前記析出抑制流体を混合し、圧力を制御する前記第2圧力制御弁を通過させ、一方、液面レベルを検知する前記液面検知手段により前記分離器の液面レベルを一定にしつつ前記分離器の下部の前記レベル制御弁から抽出後の水溶液を排出することを特徴とする。
本発明のマイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出装置を示す図である。 本発明の分離器を示す図である。 従来法の固形物を対象とした高圧二酸化炭素抽出装置を示す図である。 従来法の液状物を対象とした高圧二酸化炭素抽出装置を示す図である。
まず、対比のため、従来法による高圧二酸化炭素抽出装置について示す。
図3に示すように、固形物を対象とした二酸化炭素は、ボンベ、若しくはローリーから液体状態で凝縮器41に供給される。凝縮器41はチラー42によって十分に冷却されている。凝縮器41、液化二酸化炭素タンク43、予冷却器44、蒸発器51、活性炭容器55が二酸化炭素回収系となる。この中で、凝縮器41は、唯一温度制御を可能とされ、容積が最も大きくなる。そのため、凝縮器41の温度に応じて、その圧力が飽和蒸気圧力で一義的に制御され、回収系すべてがその圧力となる。
凝縮器41の中には冷却する機構としてチラー42と、冷却しすぎた際に復旧時間を短縮するために内部に加熱手段(図示せず)を設けることが好ましい。例えば、凝縮器41の温度を5℃に制御すると、二酸化炭素の5℃の飽和蒸気圧は4MPaであるため、二酸化炭素回収系のブースターなどの昇圧機器を用いない場合の回収可能圧力下限は4MPaとなる。
凝縮器41で冷却液化された二酸化炭素は、液化二酸化炭素タンク43に貯留され、高圧二酸化炭素ポンプ45の吸込ラインに予冷却器44を設けて、十分に過冷却することで高圧二酸化炭素ポンプ内でのベーパーロック発生による昇圧不良を防いでいる。高圧条件に吐出された高圧二酸化炭素は加熱器46で31℃を超過すると、超臨界二酸化炭素となる。高圧二酸化炭素の流量は、質量流量計47を用いて流量を計測する。例えば、コリオリ流量計などを用いることができる。質量流量計41は加熱器46の上下流いずれであってもかまわない。
その後、抽出槽48に流入し、抽出対象物を高圧二酸化炭素中に溶解させる。抽出槽48の下流に熱交換器49を設ける。減圧前の高圧二酸化炭素の温度、圧力は、減圧後の二酸化炭素の気液分配比を決定するため、必要に応じて加熱、冷却を行う。抽出圧力は、圧力制御弁50で一定に制御される。
減圧後の二酸化炭素は、蒸発器51に流入する。蒸発器51は、二酸化炭素回収系に接続されているため、凝縮器41が5℃、4MPaに制御されている場合は、蒸発器51の圧力も4MPaとなる。従って、抽出槽48の条件が40℃、20MPaであった場合、熱交換器49で加熱、冷却を行わずに5℃、4MPaに減圧すると、30%が気体、70%が液体となる。例えば、減圧前の熱交換器49で102℃、20MPaに加熱を行うと、5℃、4MPaに減圧した際、100%気体となる。減圧前の流体温度は、抽出対象物の熱安定性、蒸発器での気液分配比をいくつにするかによって決定される。
ここでは、40℃、20MPaから、5℃、4MPaに減圧され、30%の気体、70%の液体二酸化炭素となる場合も説明する。70%の液体二酸化炭素は蒸発器51の下部に貯留される。抽出対象物も同時に蒸発器51の下部に貯留される。一般的には5℃、4MPaの液化二酸化炭素中の抽出対象物の溶解度は、40℃、20MPaの超臨界二酸化炭素中の溶解度より低くなる。
また、液体二酸化炭素中に溶解していたとしても、蒸発器51の下部から抽出対象物を排出する際、下部に排出バルブ54aを設けることにより、高圧二酸化炭素と抽出対象物を分離タンク54に回収が可能であり、蒸発器51と分離タンク54を排出バルブ54aで仕切って、分離タンク54の圧力を大気圧に減圧することにより、抽出対象物を析出回収が可能となる。
いずれにせよ、5℃、4MPaの液体二酸化炭素(密度:0.896g/cc)と抽出対象物の比重差により抽出対象物の存在位置は決定され、溶解している場合は均一相、溶解していない場合は、液体二酸化炭素の上面、若しくは底面に存在する。差圧計(差圧伝送器)52を用いた蒸発器の液面レベル検知手段は、上記した特許文献3に記載の方法で可能である。
蒸発器51に設置されている差圧計52を用いて計測している液体二酸化炭素の液面レベルを一定にするために、内部加熱器53の出力を差圧計52の表示値と目標値により制御し、5℃、4MPaで液体二酸化炭素を蒸発させる機構を有している。その際、抽出対象物は分配係数に従って、気液分配されるものの、液体二酸化炭素を激しく沸騰させないように蒸発器51の内径に対して内部加熱器53の配置が考慮される。
また、サイリスターとPID制御を用いた加熱制御を含むことが好ましい。抽出対象物は定期的に蒸発器51の下部から排出バルブ54aを介して、分離タンク54に回収される。蒸発器51で蒸発された気体二酸化炭素と、圧力制御弁50の上流の流体条件(温度、圧力)により気化する二酸化炭素中には、気体二酸化炭素側の分配係数分の抽出対象物が含まれる。この気体二酸化炭素に同伴された抽出対象物を除去するために活性炭タンク55が設けられている。活性炭タンクを経て、清浄度を回復した気体二酸化炭素は凝縮器41に戻されて、液化されて、プラント内で循環再利用される。
この循環再利用型高圧二酸化炭素プロセスは、コーヒービーンズからカフェインを抽出するなどの固形物を対象とした従来法の高圧二酸化炭素抽出方法として多用されている。このプロセスは、凝縮器41で冷却、ポンプ45の出口の加熱器46で加熱、蒸発器51で加熱など何度も加熱冷却を繰り返すエネルギー多量消費型のプロセスであった。しかし、食品など直接体内へ取り込む対象物を既存の有機溶媒を用いて抽出するには、残留溶剤のリスクを排除できないため、高圧二酸化炭素による抽出技術を採用することになるのである。
かかる固形物を対象とした従来法の高圧二酸化炭素抽出方法には、以下の問題がある。
(1)高圧二酸化炭素への抽出対象物の溶解度が低い。
(2)抽出対象物が固形物中に存在するため、抽出対象物が存在する固形物内部まで高圧二酸化炭素が到達する必要があり、物質移動律速となる。
(3)大型圧力容器により設備コストが増大する。
(4)固形物を処理するため、高圧容器への出し入れが必要となり、処理効率が高くない。
上記(1)については、より高圧条件による溶解度上昇、若しくはエントレーナー添加による方法で溶解度を上げるなど、イニシャルコストアップやランニングコストアップにつながり適切な方法とは言い難い。(2)については、抽出対象物が固形物中に存在する限り、粉砕して表面積を増やす以外に解決策はない。(3)及び(4)は、固形物である以上、解決策はない。
また、図3の装置では、抽出対象物が固形物中に含まれるものを処理対象としたが、図4の装置では、抽出対象物が液体中に含まれるものに限定している。ここで、二酸化炭素回収系、高圧二酸化炭素供給系はほぼ同じである。異なるのは、抽出槽68が上部から原料水溶液タンク69から高圧原料水溶液ポンプ70を介して原料水溶液を供給され、下部から高圧二酸化炭素を供給して向流接触させるとともに、水溶液タンク71に抽出後の水溶液を導く構造となっている。
抽出槽68は上部から供給される原料水溶液を均等に抽出槽68の断面に分配させて流下させる構造を有していると考えられ、さらに下部から供給される高圧二酸化炭素も原料水溶液と効率的に接触する工夫がされていると推測される。しかも、並流接触が分配係数の壁を越えられないのに対して、向流接触は溶解度以下であれば、高圧二酸化炭素中の抽出対象物の濃度は分配係数で定義される濃度を超えることができる。しかし、このプロセスは実用化されていない。
本発明は、従来から行われてきた高圧二酸化炭素抽出技術の原料である固形物を水溶液に限定し、さらに抽出対象物を原料水溶液中に存在する疎水性有価物に限定した。若しくは、鈴木カップリング反応によりビアリール化合物を合成する場合において、反応終了後の流体は、水と親水性溶媒が主成分で、疎水性の抽出対象物、パラジウム触媒、高濃度の無機塩の混合物であり、これを本技術における抽出原料とした。いずれの抽出原料においても、連続抽出を行うためには、均一流体であることが求められる。
抽出原料を均一流体とすることにより、従来から行われてきた高圧二酸化炭素を用いた抽出技術の実用化障壁の課題のいくつかを解決でき得る。また、適用分野として、食品、医製薬、化粧品の製造工程における分離精製プロセスが挙げられる。この分野は製品を直接体内に取り込むため、従来型の有機溶剤抽出技術を高圧二酸化炭素抽出技術で代替される有用性を有する。
次に、上記した高圧二酸化炭素抽出技術の実用化への障壁に対する対策を述べる。
第1に、高圧二酸化炭素中への有機物の溶解度が低いことに対してである。疎水性有価物の高圧二酸化炭素中への溶解度を増加させるには、エントレーナー(助溶媒)を添加しない限り不可能である。このエントレーナー添加は、処理規模が小さく高付加価値の抽出対象物を得る場合のみ実現可能性がある。しかし、処理規模が大きく、付加価値がそれほど高くない抽出対象物を得る場合は、添加溶剤がランニングコストを高騰させることになる。
一方、原料水溶液中に存在する抽出対象物である疎水性有価物は、もともと水への溶解度が低く、一般的に低濃度であり、高圧二酸化炭素の溶解律速になり得ない。また、原料水溶液の処理量が多い場合は、従来と同様に使用する高圧二酸化炭素を循環再利用するプロセスが必要となる点は変わらない。
第2に、物質移動律速であることに対してである。これは従来からの原料が固形物であったのに対して水溶液であるため、原料水溶液と高圧二酸化炭素とも高圧ポンプで送液が可能である。加えて両流体の混合にマイクロ混合器を用いることで混合界面積を増大させて物質移動を促進させ得る。後述するように、両流体は混合されて数秒で抽出平衡状態に到達し、高速液液抽出が可能である。
第3に、大型容器による設備コストの増大に対してである。原料が固形物である場合、大型圧力容器が必要であったが、原料を水溶液とすることで、高圧ポンプで吐出してマイクロ混合器で混合し、小型の分離器で分離することができる。つまり、大型圧力容器が不要となる。設備がコンパクト化され、省スペース化と設備コストの大幅な圧縮が可能である。
第4に、半回分式処理による処理効率の低下に対してである。これは、上記した通り、連続処理となるため処理効率が高くなる。
そこで、発明者らは既存技術の課題を精査し、発明に至った。
まず、本発明の1つの実施例によるマイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出装置について図1を用いて説明する。ここでは、疎水性有機物を含む原料水溶液に限定される。
図1に示すように、原料水溶液は、原料水溶液タンク1に充填され、高圧原料水溶液ポンプ2を用いて高圧吐出される。高圧流体を発生させるポンプ2は、定量性を有するポンプであればよく、プランジャータイプ、ダイアフラムタイプ、ピストンタイプ、インテンシファイアータイプなどその型式は問わない。
また、高圧ポンプ2の出口には、圧力計3、圧力センサー4、安全弁5を設けることが好ましい。また、原料水溶液は、高圧二酸化炭素と混合する前に予熱手段6によって任意の混合温度まで加熱される。予熱手段6は、温水、電気、加熱媒体などその手段は限定されない。
高圧二酸化炭素は、サイフォン型ボンベ(若しくは、ローリーストレージ)7から予冷却器8を経て液化温度以下まで十分に冷却液化された後に、高圧二酸化炭素ポンプ9の吸込に接続され、高圧環境に定量的に吐出される。高圧二酸化炭素ポンプは、プランジャータイプ、ダイアフラムタイプ、ピストンタイプ、インテンシファイアータイプとその型式を限定するものではなく、任意の流量を一定に高圧連続吐出できるものであればその種類は問わない。なお、ポンプヘッドも冷却してベーパーロックによる吐出不良を回避することが好ましい。更に、高圧二酸化炭素は、安全弁の代わりに、高圧二酸化炭素戻り圧力制御弁12を使用し、後述する第1圧力制御弁15a又は第2圧力制御弁19で最大吐出圧力を設定し、それ以上に圧力が上昇しないように高圧二酸化炭素ポンプの吸込部に返流させる構造となっていることが好ましい。
また、高圧二酸化炭素吐出ラインには、圧力計10、圧力センサー11を設ける。原料水溶液と同様に混合部14の温度に加熱する予熱器13を設け、その加熱手段は温水、電気、熱媒体加熱などその方式は限定しない。原料水溶液と高圧二酸化炭素はマイクロ混合器14により迅速混合され、疑似均一流体を形成する。
ここで、マイクロ混合器14は、2mm以下、好ましくは1mm以下の内部流路であり、その形状をマイクロT字ミキサー、マイクロY字ミキサー、マイクロスワールミキサー、クシバ型マイクロミキサー、インターデジタルマイクロミキサー、多段分割流路型マイクロ混合器14とすることが好ましい。
例えば、マイクロT字ミキサーは、Swagelok社のガスクロマトグラフ用継手SS-1F0-3GC(商品番号)などであり、この継手は1/16インチ用のT字継手である。この内部流路は、内径0.3mmのマイクロサイズとなっており、マイクロ流路の長さは1.3mmと短く、圧力損失を低減している。通常のスタンダード型T字継手SS-100-3(商品番号)は、内径を1.3mm、長さ9mmの流路となっている。マイクロT字ミキサーの方がスタンダードT字ミキサーに比べて圧倒的に混合性能において高い。マイクロY字ミキサーは、例えば、YMC社において提供されている。
また、マイクロスワールミキサーについては、杉山商事社から販売されている(例えば、特許文献5参照)。
インターデジタルマイクロミキサーについては、ドイツ・マインツのIMM社製である。このミキサーは、流路を分割しているもののミキサー内部の構造体の強度が低いため、流路を分割して圧力損失が低減される傾向にはあるが、内部の構造体の機械的強度が低いため、許容できる圧力損失が低くなり、処理量、流体粘度に上限があり、数10cc/minレベルの処理量が上限となる。なお、マイクロT字ミキサー、マイクロY字ミキサー、マイクロスワールミキサーは1点混合型のマイクロミキサーであり、混合する流体の粘度が低いことが条件である。粘度が高いとマイクロ流路中で圧力損失が発生して処理流量を低く抑えなければならない。
クシバ型マイクロミキサーは、上記のインターデジタルマイクロミキサーを改良したものであるが、多段分割流路型マイクロ混合器とともに、内部の構造体の強度が高いため、許容できる圧力損失が高い。部材強度を有するものの、連続プロセスにおける部材圧力損失はそれほど大きくない方が好ましい。例えば、多段分割流路型マイクロ混合器で混合器の圧力損失を1MPa未満とした場合、原料水溶液と高圧二酸化炭素の場合で計算すると、処理量は実験室レベルの混合器であっても数t/hrを実現可能である。
マイクロ混合器14の下流には、第1圧力制御弁15aを設けて、マイクロ混合器14の圧力と、分離器17の圧力を独立して設定することも可能である。また、第1圧力制御弁15aは省くことも可能である。第1圧力制御弁15aは、混合後の圧力を計測している圧力センサー(図示せず)の計測値を設定値に制御するための制御出力の電気信号を空気圧力に変換する電空ポジショナー付きの空気圧制御による開度調節弁であればその型式などは問わない。例えば、フジキン社製ミニュコン(商品名)やリサーチコントロール社製のコントロール弁である。また、テスコム社製の背圧弁である。
第1の圧力制御弁15aの下流配管で分離器17の内部に疑似均一流体を解放する配管を連結管16としている。連結管16の出口は、分離器17内で疑似均一流体を噴霧させることなく、分離器17の内面に沿う流れを作り、若しくは分離器17の内面に衝突させるように仕向けられている。
また、分離領域内部にデミスターを併用して液滴を合一させて高圧二酸化炭素との分離を促進させる「飛沫同伴を抑制する機構」を有している。疑似均一流体であっても、原料水溶液は液体であるため、噴霧微粒化するとミストとなって高圧二酸化炭素に飛沫同伴されると考えられるが、噴霧微粒化させずに分離器内壁に沿う様に分離器17に流入すると、高圧二酸化炭素と原料水溶液の2相に分離すると考えられる。分離器内で相分離した抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と、抽出後の水溶液は分離器上部から抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素、分離器下部から抽出後の水溶液を連続的に排出する。そのために、抽出後の水溶液の液面レベルを検知する差圧計20を設けている。差圧計20によって液面レベルを検知する手段の詳細は後述する。また、液面検知手段は、差圧計の他、電極式、静電容量式であり得る。
分離器17の圧力は第2圧力制御弁19を用いて一定に制御される。第2圧力制御弁19は、分離器17の圧力を計測している圧力センサー(図示せず)の計測値を設定値に制御するための制御出力の電気信号を、空気圧力に変換する電空ポジショナー付きの空気圧制御による開度調節弁であればその型式などは問わない。例えば、フジキン社製ミニュコン(商品名)やリサーチコントロール社製のコントロール弁である。また、テスコム社製の背圧弁である。
抽出後の水溶液の分離器17内の液面は、差圧計20により検知され、液面レベルはレベル制御弁21によって一定に制御される。差圧計20は、例えば、横河電機社製、EJX130J-DMSOH-7A0DD/JF3/G11/M61/Z(耐圧42MPa、計測可能差圧範囲0~400、若しくは700KPa、商品番号)などを適用できるが、これに限定されるものではない。また、レベル制御弁21は、レベル計測値を設定値に制御するための制御出力の電気信号を空気圧力に変換する電空ポジショナー付きの空気圧制御による開度調節弁であればその型式などは問わない。例えば、フジキン社製ミニュコン(商品名)やリサーチコントロール社製のバージャメーターなどその型式は問わないが、電空変換器付の制御弁が好ましい。
分離器17の上部から抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素が第2圧力制御弁19を経て減圧排出される際、高圧二酸化炭素は大気圧になると同時に有機物の溶解度を急激に失うため、抽出対象物が常温で固体であれば大気圧の気体二酸化炭素中で固体析出する。また、二酸化炭素はジュールトムソン効果が大きいガスであるため、高圧から大気圧に減圧する際に周囲の流体を急激に冷却する。抽出対象物が常温で液体であっても、ジュールトムソン効果による冷却により固化する可能性はある。つまり、そのまま抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素を減圧すると、固体析出して閉塞を生じる危険性が高い。
そこで、必要に応じて析出抑制流体18を高圧二酸化炭素の減圧前の配管18aに混合する。ここで、析出抑制流体18は抽出対象物にとって良溶媒でなければならない。具体的には、水、エタノール、2-プロパノールが好ましい。また、抽出対象物である疎水性有価物に対して、析出抑制流体18として有機溶媒を用い、抽出と同時に転用溶媒、濃縮操作を行うことも可能である。図示しないものの、析出抑制流体18を供給する手段は、高圧原料水溶液ポンプと同等の高圧ポンプを用いて連続的に供給し、抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と析出抑制流体の混合器は、マイクロ混合器14と同等のものを用いる。
図2に分離器17の構造を示す。ここでは、レベル検知手段として高圧微差圧計を用いているが、手段を限定するものではなく、電極式、静電容量式であってもかまわない。なお、レベル検知方法としてフロート接点式などもあるが、検出部が不連続で間欠的な動作となるため液面の上下動が生じる。例えば、円筒胴型の分離器17の場合、レベル検知法は、連続的に液面を計測する手段の方がレベル制御弁21aの動作をPID制御するなど一定の液面レベルを保持することが可能となり、プロセスの安定性を確保し得るのである。また、後述するように、鈴木カップリング反応の反応後流体が抽出原料となる場合、電解質が水溶液中に存在するため、電極式の液面レベル計であることが好ましい。
差圧計20の測定原理は、液面水位を基準面からの圧力で表す。差圧計20を基準面として、H1[m]の水位に対して、上部流体が大気圧の空気であった場合、差圧計に生じる圧力Pは、
Figure 0007051088000001
である。差圧計には空気の圧力もかかっているものの、水比重の1/1000であるため無視できる。高圧二酸化炭素が上部に存在すると、差圧計への導管内の分離器上部側、すなわち高圧二酸化炭素側の密度が大きくなるため、大気圧での差圧と大きく異なる。
高圧二酸化炭素は、その温度、圧力により密度は変化する。例えば、40℃、18MPa、40℃、22MPaの場合、密度は0.820g/cc、0.857g/ccとなる。具体的には、分離器17の圧力を制御している高圧二酸化炭素ライン18aの第2圧力制御弁19の制御安定性のみならず、圧力一定であっても液面レベル制御弁21aの制御性が低ければ、液面を完全に排出してしまった場合は、下部からも高圧二酸化炭素が排出されるため、圧力は低下する。
従って、液面制御性が液液抽出プロセスの時間安定性に大きく影響を及ぼす。水密度と近い高圧二酸化炭素を上部流体として取り扱う際の下部水の液面制御は高圧二酸化炭素の密度を考慮する必要がある。
図2を用いて、上部に40℃、20MPaの高圧二酸化炭素、下部に40℃、20MPaの水が存在する場合の、差圧発信器表示について記載する。差圧発信器に係る差圧は、
Figure 0007051088000002
である。
ここで、密度に重力加速度を掛け合わせて比重量γ[kgf/m]とすると、差圧は
Figure 0007051088000003
で表される。ここで、例えば、内径100mmの円筒状の分離器の場合、水の流入流量を10cc/minとする場合、1mAq=9.80665kPaの液面上昇速度は、0.021231mm/sである。大気圧で発生する差圧上昇速度は、0.00020821kPa/sとなる。一方、40℃、20MPa、密度0.84g/ccの高圧二酸化炭素が上部を満たしている場合、同じ液面上昇速度0.021231mm/sの場合、差圧上昇速度は0.0000333kPa/sと16%に低下する。液面レベルを一定に調節するためには、目標設定値に対して単位時間当たりに変化する液面レベル、即ち差圧上昇速度に応じてレベル制御弁のPID制御を行う。その場合、差圧計20の測定範囲が0~700kPaであり、上記差圧上昇速度は非常に小さい。
従って、差圧計20で数値の変化が現れるようにレベル検知部の内径を小さくすることで、レベル制御弁の制御性を格段に向上させることとした。レベル検知部の内径を上記100mmから10mmに小さくした場合、水の流入流量が10cc/minで液面上昇速度が0.021231mm/s(内径100mm)が2.12314mm/s(内径10mm)に上昇する。上部の流体が40℃、20MPaの高圧二酸化炭素の場合、差圧上昇速度は0.0000333kPa/s(内径100mm)から0.003329kPa/s(内径10mm)に内径が10倍小さくなると、断面積は長さの2乗なので差圧上昇速度は100倍に増加する。従って、レベル制御弁の制御応答性は十分に時間安定性を増す。
次に、上記した装置の動作について図1を参照しつつ説明する。
ここでは、原料及び抽出対象物は、それぞれ水溶液、及び原料水溶液中に含まれる疎水性有価物である。これを高圧二酸化炭素で液液抽出する際、原料水溶液タンク1内の原料水溶液は、配管P1から高圧環境に連続的に供給される。また、二酸化炭素ボンベ7内の二酸化炭素は、高圧二酸化炭素ポンプ9で圧力を高められて配管P2から高圧環境に連続的に供給される。これらは、それぞれ予熱器6及び13を経て予熱されて、マイクロ混合器14で混合される。
混合後の流体は、任意の滞留時間を有する滞留管15を経る。滞留管15は、処理流量と抽出対象物によって最適化される必要があるが、おおむね原料水溶液と高圧二酸化炭素の混合流体について、乱流状態を保ったままの圧力損失を1MPa未満となる条件で、混合流体の体積流量と滞留管内容積から算出される滞留時間が30秒未満、好ましくは20秒未満が好ましい。
混合器14及び滞留部(滞留管)15の圧力と、分離部(分離器)17の圧力を異なる圧力で操作した方が高い抽出率や分離効率を得る場合は、第1の圧力制御弁15aを設置して圧力区分を設けることができる。一方、混合器14と滞留部15の圧力と、分離部17の圧力が同じ圧力で構わない場合、第1圧力制御弁15aを省くことができる。
原料水溶液と高圧二酸化炭素の混合流体は、相互溶解性は低いもののマイクロ混合器14によって疑似均一流体となる。これにより原料水溶液中の疎水性有機物である抽出対象物の抽出効率は高くなるが、この疑似均一流体を分離する必要がある。高圧二酸化炭素の密度は、例えば、40℃一定の場合、10MPaで0.63g/cc、20MPaで0.84g/cc、30MPaで0.91g/cc、40MPaで0.96g/cc、50MPaで0.99g/ccとなり、一般的な高圧二酸化炭素抽出収率が高い高圧条件ほど水溶液の密度1.0g/ccとほとんど差がなくなる。相互溶解しない両流体は比重差で分離する他なく、比重差が小さい場合、分離は困難である。高圧二酸化炭素中に抽出、溶解された抽出対象物の二酸化炭素中の溶解度は温度、圧力によって変化するため、二酸化炭素中に溶解し得る範囲で温度、圧力を変化させて、水溶液との比重差を得て分離する。このためには、圧力調節弁15aによりマイクロ混合器14と滞留部15の圧力と、分離部17の圧力を変化させることも重要となる場合がある。
例えば、抽出条件を40℃、30MPaで行い、分離条件を40℃、20MPaとした場合、目的抽出物が高圧二酸化炭素中に存在するのであれば、抽出部で0.09g/ccであった比重差は、分離部17で0.16g/ccにまで拡大し、比重差による分離性能及び液面検出に用いる差圧計の安定検出範囲となる。例えば、少し高圧二酸化炭素の温度を高めて抽出する場合、60℃一定の場合は、10MPaで0.29g/cc、20MPaで0.72g/cc、30MPaで0.83g/cc、40MPaで0.89g/cc、50MPaで0.93g/ccとなる。任意の温度、圧力で高圧二酸化炭素は密度を変化させることができるが、併せて抽出対象物の溶解度も変化するため、注意が必要である。
高圧二酸化炭素と水溶液は、マイクロ混合器14で疑似均一化された後、連結管16を経て分離器17に流入する。分離器17の上部からは抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素を排出する配管18aが接続されている。上述した通り、マイクロ混合器14と滞留管15の圧力と分離器17の圧力を同一圧力で制御する場合は、プロセス全体の圧力制御を行う圧力制御弁19を抽出対象物排出ラインに設ける。
分離器17の内部に流入する連結管16の末端開口部は、後述するように、3mm以上の内径を有するものに拡大して疑似均一流体の流速を下げて分離器17内に液滴を噴出させないようにすることが好ましい。
また、この圧力制御弁19で抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素を大気圧へ開放する場合は、高圧二酸化炭素に溶解した抽出対象物が減圧過程で固体析出するため、圧力制御性を悪化させる。抽出対象物の析出抑制のために、減圧前の抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素に析出抑制流体18を直接混合して、減圧時に抽出対象物の固体析出を抑制することが好ましい。
また、分離器17の下部に滞留する抽出後の水溶液の液面レベルを検出する手段を設ける。液面レベル検知手段で計測している液面レベルを一定に制御するように分離器17の下部の水溶液排出配管21にはレベル制御弁21aを設けている
ここで、高圧二酸化炭素が超臨界状態を含む高圧二酸化炭素であることが好ましい。二酸化炭素の臨界点は31℃、7.4MPaであり、臨界温度、臨界圧力を超過しているものが超臨界二酸化炭素である。ここで取り扱う抽出対象物は、物質によっては温度により変性を受ける物質もあることが想定され、操作温度は30から60℃、より好ましくは40から60℃であり、操作圧力は8から60MPa、より好ましくは20から40MPaである。
水溶液中に含まれる有価物が超臨界状態を含む高圧二酸化炭素に溶解する有機物、つまり、抽出対象物が多量の疎水性溶媒の中の特定の疎水性有価物であった場合、高圧二酸化炭素の溶媒能力であっても特定の疎水性有価物を抽出することは困難である。高圧二酸化炭素の溶媒特性を利用して、原料水溶液中に微量に溶解している疎水性有価物が抽出対象物である場合、原料水溶液と高圧二酸化炭素の極性が大きく異なるため、相互溶解しない点がポイントとなる。マイクロ混合器14で疑似均一流体にして物質移動の場を作って極短時間の滞留時間で抽出を行い、分離器17で即座に分離して抽出・分離操作が完了できるのである。
ここで、抽出原料は、鈴木カップリング反応によりビアリール化合物を合成する際の反応終了後の流体となり得る。これは、親水性有機溶媒と水の混合物が主成分であることが特徴で、その中に抽出対象物となる疎水性有価物が存在する。上記抽出原料中の抽出対象物である疎水性有価物は高圧二酸化炭素により液液抽出され、親水性有機溶媒と水の混合物は液体中に残存する。親水性有機溶媒の一例としてアルコールが挙げられる。
触媒としては、パラジウム触媒と反応副生成物として無機塩が共存する。その結果、カップリング反応の処理流体中に含まれる目的対象物のビアリール化合物を高圧二酸化炭素で抽出して、反応副生成物である無機塩はアルコール水溶液中に残存される分離精製プロセスの実現が期待される。
ここで、析出抑制流体18は、被抽出物に対して良溶媒であることが好ましい。抽出対象物が高圧二酸化炭素によって原料水溶液から抽出され、分離器上部から抽出対象物排出ライン18aに設置された第2圧力制御弁19を経て減圧される。二酸化炭素は高圧条件のみ溶媒効果を保有するが、大気圧に減圧されると瞬時にその効果を失う。その結果、高圧二酸化炭素に溶解していた抽出対象物は大気圧環境で析出することになる。常温、常圧環境で抽出対象物が固体か液体かによって、高圧二酸化炭素を大気圧へ減圧した際に析出する抽出対象物の状態が変化する。減圧後の抽出対象物が固体、液体に関わらず、高圧二酸化炭素は高圧から大気圧へ減圧された際に周囲流体を冷却する特徴、すなわちジュールトムソン効果が大きい流体であるため、急冷される。その場合、液体でも固化する、若しくは固体の場合はそのまま析出する。
さらに、二酸化炭素はよほどの高温条件を除いてほとんどの条件から大気圧に減圧すると三重点を経由して、固気条件となるため二酸化炭素の一部が氷となる。固化する場所は、減圧を行う第2圧力制御弁19の内部から出口近傍であり、析出閉塞のトラブルを回避するため、減圧前の抽出対象物を溶解させている高圧二酸化炭素に、析出抑制流体18を直接混合することが好ましい。
特に処理量が多い場合は、析出抑制流体18に高価なものを用いることはできないため、水、若しくはアルコール水溶液、アルコールを用いる。また、処理量が小さい場合、疎水性有機溶媒を析出抑制流体に用いることで、抽出と溶媒転溶、濃縮を同時に行うことも可能である。
高圧二酸化炭素中に疎水性有価物の他にアルコール成分の一部も抽出されるため、析出抑制流体18を供給しないことも考慮できる。これにより、抽出原料のアルコール濃度が減少し、疎水性有価物の溶解度も低下して、その結果、高圧二酸化炭素中に疎水性有価物が抽出されやすくなる、即ち高圧二酸化炭素への分配係数が上昇することが考えられる。
また、分離器17において、連結管16の出口は、分離器17の内面に沿う、若しくは分離器17の内面に衝突させる構造としている。ここで、滑らかな管路を流体が流れる場合、管壁の近くと中心部の付近とでは、流れの様子が異なる。その主たる原因は、管壁付近を流れる流体には、物体の種類や粘性、流速の大小に関わらず、管壁との間に必ず摩擦力が働くことにある。プラントルは、「管壁付近の流速分布は、流体の密度、動粘性係数、管面摩擦応力、壁からの距離によってきまり、管全体の流れを表す量であるレイノルズ数には無関係になる」ことを明らかにした。これをプラントルの壁法則という。これにより、粘度差が10倍異なる高圧二酸化炭素と抽出後の水溶液を分離することができる。
ここで、疑似均一流体とは言え、高圧二酸化炭素と水溶液は相溶しているわけではない。比重は近いものの粘度は異なる。例えば、40℃、20MPaの水の粘度は0.655cP、高圧二酸化炭素の粘度は0.078cPと約10倍差がある。粘度の異なる流体を分離するためには、固体壁に沿わす流れを作ると粘性を有する流体(この場合は水)は壁面で粘性底層を形成するため、壁に沿う流れの速度は遅くなり、疑似均一流体から水は分離しやすくなる。従って、分離器17の内面に流体が沿う、若しくは噴霧しないように連結管16の内径を大きくして噴出し流速を下げた上で、分離器17の内面に衝突して壁沿いに水溶液が付着して壁に沿う流れを生じる構造とすることが好ましいのである。
加えて、分離部17に流入する流体が分離器17内で噴霧されて飛沫同伴されないように飛沫を合一させて分離を促進する目的で、分離器17の上部にデミスターを設置することも可能である。このデミスターは圧力損失を発生せずに、飛沫同伴を抑制する機能を発揮するものであれば、「ステンレスたわし」のような簡易的なものでもよく、性能を重視してその形態は問わない。
ここで、図2に示すように、分離器17内の上部と下部からそれぞれ単独に高圧配管で接続された高圧微差圧計20を用いて分離器17内の液面レベルを検知する。それぞれ単独に分離器から高圧微差圧計に接続されていないと、エゼクター効果で差圧計測が安定せずに、正確な液面レベルを検知し得ないのである。分離器17の上部には、抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と、抽出後の水溶液と、を効率よく分離するため下部の液面計測領域34よりも断面積が大きい分離領域33を有し、分離器17の下部に抽出後の水溶液の液面レベルを検知するため上部の分離領域33よりも断面積が小さい液面計測領域34を有する分離器17を用いることが好ましい。第1圧力制御弁15a及び第2圧力制御弁19、レベル制御弁21aを流量、前後差圧、流体粘度から適切なCv値のものを選定することは言うまでもない。差圧計20を用いて液面レベルを検知する方法は各種の公知の方法を用いることができる。
差圧計20では、上部の高圧二酸化炭素環境と、下部の抽出後の水溶液にそれぞれ配管を独立して接続されている。若しくは、下部抽出後の水溶液の配管は、差圧計20のH側の下部から接続されており、さらに差圧計20のH側の上部に差圧計20のH側上下接続部を貫通させるように配管を接続し、H側上部の配管を、分離器17の上部の高圧二酸化炭素と接続して、かつ折り返して差圧計20のL側の上部に接続することも可能である。
Figure 0007051088000004
この関係式で示すように水密度と高圧二酸化炭素密度の差分が位置ヘッドの計測のポイントとなる。即ち、Δρが小さいと、位置ヘッドの計測値の変化が小さくなるため工夫が必要となる。前述の通り、原料水溶液と高圧二酸化炭素の混合流体において、相互溶解性は低いもののマイクロ混合器14によって疑似均一流体となる。
これにより原料水溶液中の疎水性有機物である抽出対象物の抽出効率は高くなるが、この疑似均一流体を分離する必要がある。そのため、前述の通り、分離器17に流入する連結管16の内径は3mm以上と太く、流入する流体の流速を遅くして、かつ連結管16の出口は分離器17の内面に沿う、若しくは分離器17の内面に衝突させるようにすることが好ましい。
高圧二酸化炭素中に抽出、溶解された抽出対象物の二酸化炭素中の溶解度は、温度、圧力によって変化するため、抽出対象物が二酸化炭素中に溶解し得る範囲で温度、圧力を変化させて、水溶液との比重差を得て分離するために、圧力調節弁21aによりマイクロ混合器14と滞留部15の圧力と、分離部17の圧力を変化させることも重要となる場合がある。任意の温度、圧力で高圧二酸化炭素は密度を変化させることができるが、併せて抽出対象物の溶解度も変化するため、注意が必要である。従って、分離器17には疑似均一流体の分離と、液面レベルの制御のための応答性の2つの役割が求められる。
ここで、図2を参照しつつ、液面レベルの制御のための応答性について、述べる。
分離器17の上部には、疑似均一流体の比重差分離を促進させる分離領域33を設けられている。分離領域33では飛沫を同伴しないように、疑似均一流体が分離器に流入する際に高速で噴出して微粒化されないように、連結管内径を1/16インチなど細いものを用いずに、内径3mm以上として疑似均一流体を分離器内壁に衝突させる、若しくは内壁に沿わして流入させる。また、分離領域33の上部には、飛沫同伴を抑制するためにデミスターを設置する。更に、分離領域33の内径を小さくせずに、飛沫粒径を仮定してその沈降速度以下の上昇流速、即ち分離領域の線速度を高めないことであってもよい。
次に、液面レベルを検知して、抽出後の水溶液の分離器17内での液面レベル制御応答性を高めるため、流入流量に対して液面検知領域34の内径を適切に設計することが非常に重要である。液面レベルを一定にするようにレベル制御弁21aを開閉するシステムの場合、レベル制御弁21aを閉じたときは、液面レベルが増加し、開けたときは液面レベルが減少する。そのためには流入流量に対して液面レベルの応答性が重要となるため、少なくとも数分以内にレベルが変化するレベル検知領域の内径に設計する必要がある。
ここで、上記した差圧計の計測原理は、高圧側に分離器17の下部の水溶液配管を接続し、低圧側に分離器17の上部の高圧二酸化炭素配管を接続する。差圧計の測定値では、両流体の密度が大きく影響する。分離器内に任意の水量を充填し、大気圧下で計測した水位を表すΔPは、40℃、20MPaの高圧二酸化炭素を上部に充填すると、実際の水面は変わらないものの上部の流体(高圧二酸化炭素)の密度が上昇するため、密度差がΔPに大きく影響を及ぼすため水位を表すΔPは低下する。従って、流入する抽出後の水溶液の流量が一定であっても、大気圧下でのレベル上昇速度に比べて、高密度の高圧二酸化炭素環境下のレベル上昇速度は小さくなる。
レベル制御の安定性を確保するためには、1~2minの間のレベル変位量がある程度ないと、検知している液面を一定にするため、制御システムで通常よく用いられるオートチューニングによるレベル制御弁のPID制御変数の決定が困難となる。従って、高圧二酸化炭素のように、抽出後の水溶液との密度差が小さい流体同士の水溶液の液面レベルを検知する手段として高圧微差圧計を用いる場合、レベル検知領域の内径は細い方が単位時間当たりのレベル変位量を高められるため、レベル制御弁の制御応答性を確保することが可能となる。
さらに、レベル制御弁のオリフィス流量係数Cv値を適切に選定することが非常に重要となる。レベル制御弁のCv値が適正値よりも大きい場合、レベル制御弁が開動作した場合に、分離器内のレベルが低下し、高圧二酸化炭素流入量が変化したレベル分の容積を満たすことができなかった場合、圧力は低下することになる。その場合、高圧二酸化炭素中の溶解度も同時に低下し、一定の抽出操作ができなくなる。
また、閉動作した場合、レベル制御値に上昇するまでレベル制御弁から抽出後の水溶液は排出されないため、間欠的な流出となる。安定した制御とは、投入流量と排出流量が一定で、かつお互い連続的に流れる状態であり、良好な制御性とは言えない。また、レベル制御弁のCv値が適正値よりも小さい場合は、流入する抽出後の水溶液を排出できなくなるため、本質的な問題となる。
以上、高圧二酸化炭素と水溶液の分離器、液面検出、レベル制御技術によって、原料水溶液中に含まれる疎水性有価物を高圧二酸化炭素によって高速に抽出するプロセスが達成される。ここでは、以下のように設定した。
・原料は水溶液としその中に含まれる疎水性有機物を抽出対象物とした。
・原料は親水性有機溶媒と水の混合物とし、その中に含まれる疎水性有機物を抽出対象物とした。
・原料と高圧二酸化炭素をそれぞれ連続的に供給し、マイクロ混合器を用いて瞬時に均一混合を行う。
・上記疑似均一流体となることで、物質移動を促進させることができるため、短時間で抽出平衡に達する。
・疑似均一流体を混合器、第1の圧力制御弁から分離器に連結される連結管が、分離器内で疑似均一流体を噴霧させることなく、壁面に沿う流れを作り、若しくは壁に衝突する流れを作り、さらには分離器上部にデミスターを併用して液滴を合一させて高圧二酸化炭素との分離を促進させる機構を有している。
・分離器上部から抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素を排出するラインを設ける。また、減圧後に抽出対象物が析出しないように必要に応じて析出抑制流体を連続的に供給し、減圧前の抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と混合して抽出対象物の析出を抑制する。
・分離器は、上部に抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と原料水溶液を分離するための分離領域と、分離器下部に貯留される抽出後の水溶液の液面レベルを検知するためのレベル検知領域に分けた構造を有している。また、レベル検知領域の内径は分離領域の内径よりも細く、流入量に応じて制御性を向上し得る適切な内径を有している。
・分離下部から抽出後の水溶液を一定のレベルを制御して連続的に排出するレベル制御弁を有している。
次に、上記したマイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出方法及び装置について、さらに具体的な実施例を説明する。
(装置構成)
後述する実施例において、特に言及しない限りは、以下に説明する装置構成である。
図1において、高圧原料水溶液ポンプ2には、プランジャータイプの定量ポンプ(日本精密社製)を用いた。原料水溶液の加熱は、一定温度で保たれたウォーターバス内に所定の時間流通させることにより行った。高圧二酸化炭素はボンベ7から予備冷却器8を経て液体二酸化炭素が高圧二酸化炭素ポンプ9の吸い込みに接続され、高圧環境に定量的に吐出される。高圧二酸化炭素ポンプ9には、プランジャータイプの定量ポンプ(日本精密社製)を用いた。原料水溶液と同様に混合部の温度に加熱する予熱器13を設け、その加熱手段としてはウォーターバスによる温水加熱を用いた。原料水溶液と高圧二酸化炭素はマイクロ混合器14により迅速混合され、疑似均一流体を形成する。
マイクロ混合器には1/16インチのマイクロT字ミキサー(内径0.3mm、スウェージロック社製、商品名:ロー・デッドボリューム・ティー)を用いた。第1圧力制御弁15aは省略した。下流配管で分離器17内部に疑似均一流体を開放する配管を連結管16としている。連結管16は1/4インチのSUS316製チューブを用いた。第2圧力制御弁19には、テスコム社製の背圧弁を用いた。差圧計20には、横河社製の差圧計を用い、レベル制御弁21にはリサーチコントロール社製のコントロール弁を用いた。CO側出口に合流させる析出抑制流体18にはエタノールまたは2-プロパノールを用いた。析出抑制流体18を供給する手段としては、プランジャータイプの定量ポンプ(日本精密社製)を用い、この混合器としては1/8インチマイクロT字ミキサー(スウェージロック社製)を用いた。
(原料水溶液)
実施例1では、原料水溶液として、水100gに対してバニリン0.1g、バニリン酸0.03g、アセトバニロン0.015gを溶解させた水溶液を用いた。実施例2乃至4、及び比較例1乃至4においては、上記水溶液にさらにグアヤコール0.015gを溶解させた水溶液を原料水溶液として用いた。実施例5乃至7においては、上記水溶液にさらに炭酸水素ナトリウムを7.6g溶解させた水溶液を原料水溶液として用いた。
実施例8及び比較例5においては、原料水溶液として製紙プロセスから得られる黒液を用いた。この黒液は、バニリン0.092wt%、バニリン酸0.028wt%、アセトバニロン0.018wt%、グアヤコール0.013wt%、塩(炭酸水素ナトリウムを主成分とする塩の混合物)7.6wt%のほか未同定の有機成分を炭素換算で90wt%超含む溶液である。
実施例9乃至12においては、原料水溶液として、クロスカップリング反応後の溶液として想定されるp-シアノビフェニル、KCO、KHCO、KBr、B(OH)を含む、エタノール―水等量混合溶液を用いた。基準濃度をp-シアノビフェニル1.9wt%、KCO1.6wt%、KHCO1.1wt%、KBr1.4wt%、B(OH)0.7wt%として、0.2、0.5、1.0基準濃度の原料溶液として用いた。
(分析方法)
得られたCO側・液側のそれぞれのサンプルについて、HPLCを用いた分析により、バニリン、バニリン酸、アセトバニロンおよびグアヤコール、又は、p-シアノビフェニルの濃度を測定した。この結果を基に、CO側・液側における各成分の流量を算出し、各成分の供給流量で割ることによってCO側・液側における各成分の収率を算出した。また、CO側の各成分の重量またはモル分率を液側の各成分の重量またはモル分率で割ることにより、各成分のCO側への分配係数を算出した。
(実施例1)
原料水溶液流量は約10g/minとし、CO流量は40g/min、抽出温度は40℃、抽出圧力は20MPaとした。内径40mmの分離器にテフロン(登録商標)社製のスペーサーを入れることにより、分離部の内径は20mm、液面制御部の内径は10mmとした。本実施例では、析出抑制流体としてエタノールを用いた。析出抑制流体の流量はCO流量と同等とした。
表1に実施例におけるCO側・液側への収率と分配係数を示す。40℃、20MPaにおけるCO側のバニリン抽出率は75.4%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.75g/g(1.83mol/mol)であったが、この値は、上記した非特許文献7の1.94mol/molに近い値であり、平衡分配係数に近い値を得られたことが確認できた。
(実施例2)
抽出圧力を15MPaとした以外は実施例1と同じ条件で抽出実験を行った。40℃、15MPaにおけるCO側のバニリン抽出率は69.9%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.57g/g(1.39mol/mol)であったが、上記した非特許文献7の1.41mol/molと近い値であり、20MPaの時と同様に平衡分配係数に近い値を得られたことが確認できた。
(実施例3)
抽出圧力を10MPaとした以外は実施例1と同じ条件で抽出実験を行った。40℃、10MPaにおけるCO側のバニリン抽出率は53.0%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.28g/g(0.67mol/mol)であったが、上記した非特許文献7の0.68mol/molと近い値であり、20、15MPaの時と同様に平衡分配係数に近い値を得られたことが確認できた。
実施例1乃至3により、10~20MPaの範囲で圧力により抽出率や分配係数を制御できることを明らかにした。また、40℃において、圧力によらず平衡分配係数に近い値が得られることを明らかにした。
(実施例4)
抽出温度を60℃とした以外は実施例1と同じ条件で抽出実験を行った。60℃、20MPaにおけるCO側のバニリン抽出率は66.9%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.51g/g(1.25mol/mol)であった。
実施例1及び4により、圧力20MPaにおいて、温度40~60℃で抽出率や分配係数を制御することができることを明らかにした。
(比較例1)
CO流量を20g/minとした以外は実施例1と同じ条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は60.0%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.75g/g(1.88mol/mol)であった。40℃、20MPaでは、分配係数が大きく変わることなく、COと原料水溶液の流量比によってCO側への各成分の抽出率が決まっていることを確認した。
(比較例2)
CO流量を20g/minとした以外は実施例2と同じ条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は52.9%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.55g/g(1.35mol/mol)であった。40℃、15MPaにおいても、分配係数が大きく変わることなく、COと原料水溶液の流量比によってCO側への各成分の抽出率が決まっていることを確認した。
(比較例3)
CO流量を20g/minとした以外は実施例3と同じ条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は34.7%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.26g/g(0.64mol/mol)であった。40℃、10MPaにおいても、分配係数が大きく変わることなく、COと原料水溶液の流量比によってCO側への各成分の抽出率が決まっていることを確認した。
(比較例4)
CO流量を20g/minとした以外は実施例4と同じ条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は49.7%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.49g/g(1.19mol/mol)であった。60℃、20MPaにおいても、分配係数が大きく変わることなく、COと原料水溶液の流量比によってCO側への各成分の抽出率が決まっていることを確認した。
比較例1乃至4により、CO流量を下げると、分配係数は大幅に変わることなく、CO抽出率が低下することを確認した。
Figure 0007051088000005
(実施例5)
原料水溶液として、炭酸水素ナトリウム含有する原料水溶液を用いた以外は実施例1と同じ条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は80.4%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は1.13g/gであった。実施例1と比べて、CO側へのバニリンおよびアセトバニロン、グアヤコールの抽出率、分配係数が上昇し、バニリン酸はその逆の結果となった。
(実施例6)
抽出圧力を15MPaとした以外は、実施例5と同様の条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は75.9%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.85g/gであった。炭酸水素ナトリウムを含む以外は同じ条件で抽出を行った実施例2と比べて、CO側へのバニリンおよびアセトバニロン、グアヤコールの抽出率、分配係数が上昇し、バニリン酸はその逆の結果となった。
(実施例7)
抽出圧力を10MPaとした以外は、実施例5と同様の条件で抽出実験を行った。CO側のバニリン収率は57.6%であった。また、バニリンのCO側への分配係数は0.36g/gであった。炭酸水素ナトリウムを含む以外は同じ条件で抽出を行った実施例3と比べて、CO側へのバニリンおよびアセトバニロン、グアヤコールの抽出率、分配係数が上昇し、バニリン酸はその逆の結果となった。
Figure 0007051088000006
実施例5乃至7と実施例1乃至3を比較すると、炭酸水素ナトリウムの含有する場合、バニリン・アセトバニロン・グアヤコールのCO側への分配係数が増大し、バニリン酸の分配係数が減少した。炭酸水素ナトリウムなどの塩が存在することで、水の極性が変化することやバニリン酸塩などを形成することにより、各溶媒への溶解度が変化し、ひいては、分配係数が変化したと考えられる。導入される塩の濃度をコントロールすることによっても分配係数を制御できることを示唆している。
(実施例8)
原料水溶液として、黒液を用いた。また、内径40mmの分離器にテフロン(登録商標)社製のスペーサーを入れることにより、液面制御部の内径を20mmとした。抽出温度は40℃、圧力は20MPaとした。原料水溶液の流量は約10g/min、CO流量は60g/minとした。上記以外は実施例1と同様である。
表3に結果を示す。バニリン抽出率は81.3%で、バニリンのCO側への分配係数は0.77g/gであった。また、バニリン酸、アセトバニロン、グアヤコールのCO側への分配係数はそれぞれ、0.00、1.29、0.77g/gであった。実施例1乃至7、比較例1乃至4の水溶液と同様に、有機物を多量に含む系においても、バニリンを、80%を超える抽出率で抽出することができることを確認した。
(比較例5)
CO流量を40g/minとした以外は実施例8と同様の条件で抽出実験を行った。バニリン抽出率は77.0%で、バニリンのCO側への分配係数は0.81g/gであった。また、バニリン酸、アセトバニロン、グアヤコールのCO側への分配係数はそれぞれ、0.01、1.42、2.26g/gであった。実施例8と比較して、原料水溶液に対するCOの流量が小さいため、バニリン等の抽出率が減少したと考えられる。
Figure 0007051088000007
実施例8及び比較例5では、実施例1と異なり高濃度の未同定有機物を含有するような黒液を原料水溶液とする本実施例においても、実施例1と同等レベルでCO側への高いバニリン・アセトバニロン・グアヤコール収率および分配係数が得られることが確認できた。
(実施例9)
原料水溶液として、クロスカップリング反応後の溶液として想定されるp-シアノビフェニル、KCO3、KHCO、KBr、B(OH)を含む、エタノール―水等量混合溶液を用いた。p-シアノビフェニル1.9wt%、KCO1.6wt%、KHCO1.1wt%、KBr1.4wt%、B(OH)0.7wt%を1基準濃度として、実施例9では、0.2基準濃度の原料溶液を用いた。原料水溶液流量は約18g/minとし、CO流量は40g/min、抽出温度は40℃、抽出圧力は20MPaとした。本実施例では析出抑制流体として2-プロパノールを用いた。析出抑制流体の流量はCO流量と同等とした。
得られたCO側・液側のそれぞれのサンプルについて、HPLCを用いた分析により、p-シアノビフェニルの濃度を測定した。この結果を基に、CO側・液側におけるp-シアノビフェニルの流量を算出し、p-シアノビフェニルの供給流量で割ることによってCO側・液側におけるp-シアノビフェニルの収率を算出した。p-シアノビフェニルのCO側、及び、液側の収率はそれぞれ、89.8%、11.3%となった。本実施例により、エタノールを水と等量含むような混合水溶液においても、目的成分を高い抽出率で得ることができることが示された。
(実施例10)
基準濃度を0.5とし、抽出温度を60℃、原料水溶液流量は約5.8g/minとし、CO流量は12g/minとした以外は実施例9と同等の条件で抽出実験を行った。p-シアノビフェニルのCO側、及び液側の収率はそれぞれ、84.6%、15.0%となった。
(実施例11)
基準濃度を1.0とした以外は実施例10と同等の条件で抽出実験を行った。p-シアノビフェニルのCO側、及び、液側の収率はそれぞれ、86.4%、10.0%となった。
実施例10、11より、抽出温度を上げることにより均一な高濃度水溶液を処理することが可能であり、抽出率を80%以上に保つことによって、1.2~5.4g/hの質量流量でp-シアノビフェニルをCO側に回収することができることが示された。
(実施例12)
析出抑制流体の送液を行わなかった以外は実施例9と同等の条件で抽出実験を行った。原料水溶液中に含まれるエタノールとともにp-シアノビフェニルをCO側に安定して回収することができた。p-シアノビフェニルのCO側の収率は87.7%であった。
Figure 0007051088000008
実施例9乃至11により、圧力20MPa、温度40-60℃で、5倍程度濃度が異なる、クロスカップリング反応後の溶液として想定されるp-シアノビフェニル、KCO、KHCO、KBr、B(OH)を含む、エタノール―水等量混合溶液から目的物質であるp-シアノビフェニルを80%以上の収率でCO側に安定して回収することができることが示された。実施例12により、析出抑制流体を用いなくとも、水溶液中に含まれるアルコール成分をCO側に同時に抽出することによって、CO側に目的物質を回収できることが示された。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1,71 原料水溶液タンク
2,70 原料水溶液ポンプ
3,10 圧力計
4,11 圧力センサー
5 安全弁
6,13 予熱器
7 ボンベ
8 予冷却器
9,45 二酸化炭素ポンプ
12 圧力制御弁
15a 第1圧力制御弁
19 第2圧力制御弁
14 混合器
17 分離器
16 連結管
20,52 差圧計
21a レベル制御弁
15 滞留管
18 析出抑制流体
21 水溶液排出配管
33 分離領域
34 液面検知領域
41 凝縮器
42 チラー
43 液化二酸化炭素タンク
44 予冷却器
51 蒸発器
54 活性炭容器
46 加熱器
47 質量流量計
48 抽出槽
49 熱交換器
50 圧力制御弁
54a 排出バルブ
53 内部加熱器
54 分離タンク
68 抽出槽

Claims (15)

  1. 親水性有機溶媒と水の混合物からなる原料水溶液中に含まれる疎水性の抽出対象物を高圧二酸化炭素で液液抽出する方法であって、
    前記原料水溶液及び前記高圧二酸化炭素をそれぞれ高圧環境に連続供給しマイクロ混合器により混合し、滞留管を経て、前記マイクロ混合器及び前記滞留管の圧力を制御する第1圧力制御弁を通過させ、この減圧された流体を分離器に供給し、
    上部から前記高圧二酸化炭素と前記抽出対象物を排出し、これに前記高圧二酸化炭素中に溶解する前記抽出対象物の析出を抑制する析出抑制流体を混合し、圧力を制御する第2圧力制御弁を通過させ、
    一方、液面レベルを検知する液面検知手段により前記分離器の液面レベルを一定にしつつ前記分離器の下部のレベル制御弁から抽出後の水溶液を排出することを特徴とするマイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出方法。
  2. 前記高圧二酸化炭素は、超臨界状態にあることを特徴とする請求項1記載の液液抽出方法。
  3. 前記抽出対象物は、前記高圧二酸化炭素に溶解する有機物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液液抽出方法。
  4. 前記原料水溶液の主成分は、更に、触媒及び無機塩の混合物であることを特徴とする請求項1記載の液液抽出方法。
  5. 前記触媒は、パラジウム触媒であることを特徴とする請求項4記載の液液抽出方法。
  6. 前記親水性有機溶媒の一部は、前記抽出対象物とともに前記高圧二酸化炭素に抽出させることで前記析出抑制流体の供給を抑制することを特徴とする請求項4又は5記載の液液抽出方法
  7. 前記マイクロ混合器は、マイクロT字ミキサー、マイクロY字ミキサー、マイクロスワールミキサー、クシバ型マイクロミキサー、IMMインターデジタルマイクロミキサー、多段分割流路型マイクロ混合器のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至6のうちの1つに記載の液液抽出方法。
  8. 前記析出抑制流体は、前記抽出対象物に対して良溶媒であることを特徴とする請求項1乃至7のうちの1つに記載の液液抽出方法。
  9. 前記分離器に流入する連結管の内径を2mm以上として流入する流体の流速を減じ、かつ、前記連結管の出口を前記分離器の内面に沿う、若しくは前記分離器の内面に衝突させるようにして、前記高圧二酸化炭素と前記水との分離を促進させることを特徴とする請求項1乃至8のうちの1つに記載の液液抽出方法。
  10. 前記液面検知手段は、電極式、静電容量式、差圧式のいずれか一つの方式の液面レベル計であることを特徴とする請求項1乃至9のうちの1つに記載の液液抽出方法。
  11. 前記液面検知手段は、前記分離器内の上部と下部からそれぞれ単独に高圧配管で接続された高圧微差圧計からなり、
    前記分離器の上部に、下部の液面計測領域よりも断面積の大きい分離領域を与えて、前記抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と、前記抽出後の水溶液との分離を促進させることを特徴とする請求項1乃至10のうちの1つに記載の液液抽出方法。
  12. 親水性有機溶媒と水の混合物からなる原料水溶液中に含まれる疎水性の抽出対象物を高圧二酸化炭素で液液抽出する装置であって、
    前記原料水溶液を高圧環境に連続供給する原料水溶液高圧供給手段と、
    前記高圧二酸化炭素を前記高圧環境に連続供給する高圧二酸化炭素高圧供給手段と、
    それぞれの高圧流体を混合するマイクロ混合器と、
    前記マイクロ混合器で混合後、所定時間だけ滞留させる滞留管と、
    前記混合器及び前記滞留管の圧力を制御する第1圧力制御弁と、
    前記第1圧力制御弁を経て減圧された流体を前記分離器に供給し、その出口を前記分離器の内面に沿う、若しくは前記分離器の内面に衝突させるようにし、内径を2mm以上とした連結管と、
    前記分離器内で上部から前記抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素を排出する抽出対象物排出ラインと、
    前記抽出対象物排出ラインで前記分離器の圧力を制御する第2圧力制御弁と、
    前記第2圧力制御弁で減圧された前記高圧二酸化炭素中に溶解した前記抽出対象物の析出を抑制する析出抑制流体を前記第2圧力制御弁の手前で供給し混合器で混合する析出抑制流体高圧供給手段と、
    前記分離器内の液面レベルを検知する液面検知手段と、
    前記分離器の下部のレベル制御弁及び抽出後の水溶液を排出する抽出後流体排出ラインと、
    前記原料水溶液及び前記高圧二酸化炭素を任意の温度に調節する温調手段と、を含み、
    前記原料水溶液及び前記高圧二酸化炭素をそれぞれ高圧環境に連続供給し前記マイクロ混合器により混合し、前記滞留管を経て、前記マイクロ混合器及び前記滞留管の圧力を制御する第1圧力制御弁を通過させ、この減圧された流体を前記分離器に供給し、上部から前記高圧二酸化炭素と前記抽出対象物を排出し、これに前記高圧二酸化炭素中に溶解する前記抽出対象物の析出を抑制する前記析出抑制流体を混合し、圧力を制御する前記第2圧力制御弁を通過させ、一方、液面レベルを検知する前記液面検知手段により前記分離器の液面レベルを一定にしつつ前記分離器の下部の前記レベル制御弁から抽出後の水溶液を排出することを特徴とするマイクロ混合器を用いた高圧二酸化炭素による液液抽出装置。
  13. 前記マイクロ混合器は、マイクロT字ミキサー、マイクロY字ミキサー、マイクロスワールミキサー、クシバ型マイクロミキサー、IMMインターデジタルマイクロミキサー、多段分割流路型マイクロ混合器のいずれかであることを特徴とする請求項12記載の液液抽出装置。
  14. 前記マイクロ混合器の内部流路は、1mm以下であることを特徴とする請求項13記載の液液抽出装置。
  15. 前記液面検知手段は、前記分離器内の上部と下部からそれぞれ単独に高圧配管で接続された高圧微差圧計からなり、前記分離器の上部に、下部の液面計測領域よりも断面積の大きい分離領域を与えて、前記抽出対象物を溶解した高圧二酸化炭素と、前記抽出後の水溶液との分離を促進させることを特徴とする請求項12乃至14のうちの1つに記載の液液抽出装置。
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