JP7049792B2 - 金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
従来、このような金属と熱可塑性樹脂との接合には、接着剤を使用することが一般的であった。しかし、接着剤を使用する方法は生産工程数を増加させるだけでなく、接着力が経時的に低下したり、高温下における接合強度が十分でなかったりする場合があったため、特に自動車等の耐熱性が要求される分野への適用を難しくしていた。また、ねじ止め等の機械的な接合方法も従来から広く行われてきたが、軽量化の点や作業工程が煩雑になる等の理由によって普及が限定されていた。
そして、このようなインサート成形で得られる金属と樹脂の複合体を、モバイル電子機器やノートパソコンの筐体、その他の移動用機器の部品に適用させるためには、樹脂が接合されていない金属表面に耐腐食性、耐候性を確保することが求められている。そして、このような性質は、例えば、電解酸化処理(金属種がアルミニウム合金の場合は「アルマイト処理」と呼ばれる)によって付与されている(例えば、特許文献2)。
樹脂の流動性の指標の一つとして溶融樹脂の粘度が挙げられる。高溶融粘度タイプの熱可塑性樹脂、特に高強度および高耐熱特性の視点から有望な非晶性エンジニアリングプラスチック類を用いる場合は、溶融時の流動性が一般的に劣るため射出成形による金属-樹脂接合の際には金型の温度管理面での工夫が必要であった(例えば、特許文献3)。
微細凹凸表面を有する金属部材と、
上記金属部材の上記微細凹凸表面に接合し、かつ、熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された樹脂部材と、
を備える金属/樹脂複合構造体であって、
上記金属部材の上記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが下記要件(1)および要件(2)を同時に満たし、
上記微細凹凸表面の表層は樹枝状層を含む金属/樹脂複合構造体であって、
電子顕微鏡を用いて測定される上記樹枝状層の平均厚みが190nm以上280nm以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。
(1)十点平均粗さ(Rz)の平均値が5μmを超える
(2)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が10μm以上400μm以下の範囲にある
[2]
上記[1]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
電子顕微鏡を用いて測定される上記樹枝状層の平均厚みが35nm以上700nm以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材の前記微細凹凸表面上の、JIS Z8781-4(2013)に準拠して測定されるCIELAB表示系におけるb*座標値が0以上9以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂を含む金属/樹脂複合構造体。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂およびポリエーテルイミド樹脂から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材は鉄系金属、アルミニウム系金属、マグネシウム系金属、銅系金属およびチタン系金属から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
微細凹凸表面を有する金属部材を金型内に配置し、上記金属部材の上記微細凹凸表面に接するように熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を上記金型内に射出し、上記熱可塑性樹脂または上記樹脂組成物により構成された樹脂部材を成形することにより、上記金属部材と上記樹脂部材とを接合させる工程を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の金属/樹脂複合構造体106の構造の一例を示す模式図である。図2は、本発明に係る実施形態の金属/樹脂複合構造体106の接合部断面の一例を示す概念図である。
図1および図2に示すように、金属/樹脂複合構造体106は、微細凹凸表面104を有する金属部材103と、金属部材103の微細凹凸表面104に接合し、かつ、熱可塑性樹脂(A)または熱可塑性樹脂(A)を含む樹脂組成物(P)により構成された樹脂部材105と、を備える。金属部材103の微細凹凸表面104には後述する特定の要件(1)と要件(2)を満たす微細凹凸形状が形成されている。そして、微細凹凸表面104の表層は樹枝状層103-1を含み、好ましい実施態様においては微細凹凸表面104の全表層の最表層部は樹枝状層103-1からなる。なお、本実施形態において「樹枝状」とは、木の枝のような形状で、複数の小枝が絡み合った形状として定義される。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、上記構成を備えることにより、金属/樹脂複合構造体における樹脂部材105を構成する熱可塑性樹脂(A)の溶融粘度が高く溶融時の流動性に劣る場合であっても、金属部材103と樹脂部材105との接合強度を良好にすることができる。さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は耐電解酸化性にも優れているため、例えば陽極酸化時の接合強度の低下を小さくすることができる。さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、高温・高湿環境下やヒートサイクル条件下にあっても接合強度の低下を小さくすることができる。
図3はSEM分析によって観察した、実施例1に係る金属/樹脂複合構造体106の接合部周辺の断面図を示す。図4はTEM分析によって観察した、実施例1に係る金属/樹脂複合構造体106の接合部周辺の断面図を示す。金属部材103の表面110に形成された微細凹凸形状に追従するように樹枝状層103-1が形成されていることが確認できる。
本実施形態に係る金属部材103は、少なくとも樹脂部材105との接合部表面に微細凹凸形状を有する金属部材である。ここで、本実施形態において、微細凹凸形状が形成された表面を微細凹凸表面104とも呼ぶ。本実施形態に係る微細凹凸表面104は、具体的には、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが下記要件(1)と要件(2)の特性を同時に満たしている。
要件(1);十点平均粗さ(Rz)の平均値が5μm超え、好ましくは7μm~30μm、より好ましくは8μm~25μm、さらに好ましくは10μm~20μmの範囲にある。なお、上記の十点平均粗さ(Rz)の平均値は、前述の任意の6直線部のRzを平均したものを採用することができる。
要件(2);粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が10μm~400μm、好ましくは50μm~350μm、より好ましくは70μm~330μm、さらに好ましくは70μm~250μm、さらにより好ましくは70μm~230μmの範囲にある。なお、上記粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は、前述の任意の6直線部のRSmを平均したものを採用することができる。
上記6直線部は、例えば、図5に示すような6直線部B1~B6を選択することができる。まず、基準線として、金属部材103の微細凹凸表面104の中心部Aを通る中心線B1を選択する。次いで、中心線B1と平行関係にある直線B2およびB3を選択する。次いで、中心線B1と直交する中心線B4を選択し、中心線B1と直交し、中心線B4と並行関係にある直線B5およびB6を選択する。ここで、各直線間の垂直距離D1~D4は、例えば、2~5mmである。
なお、通常、金属部材103の表面110中の接合部表面だけでなく、金属部材103の表面110全体に対して表面粗化処理が施されている。金属部材103の表面110全体に対して表面粗化処理が施されている場合は、金属部材103の接合部表面と同一面で、接合部表面以外の箇所から6直線部を選択してもよい。
アルミニウム合金としては、JIS H4000に規定された合金番号1050、1100、2014、2024、3003、5052、6063、7075等が好ましく用いられる。
また、樹脂部材105と接合する接合部表面の形状は、特に限定されないが、例えば、平面、曲面等が挙げられる。
ここで、エッチング剤や陽極酸化法、機械的切削法等を用いて金属部材の表面を粗化処理すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、エッチング剤や陽極酸化法、機械的切削法等を用いて金属部材の表面を粗化処理することによってミクロンオーダーの凹凸形状を形成した後に、温水による処理をさらにおこなうことによって、微細凹凸表面104の表層部に樹枝状層103-1を形成している。すなわち、本実施形態に係る金属部材103の微細凹凸表面104を得るためには、エッチング剤や陽極酸化法、機械的切削法等による粗化処理に加えて、温水による処理をおこなうことが重要となる。
以下、本実施形態に係る金属部材103の微細凹凸表面104の形成方法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る金属部材103の微細凹凸表面104の形成方法は、以下の例に限定されない。
これらの公知方法の中では、酸系エッチング剤による薬液処理が好ましい。酸系エッチング剤を用いる公知薬液処理方法としては、例えば国際公開第2015/8847号、特開2001-348684号公報、国際公開第2008/81933号等に開示された処理方法を採用することができる。
(1)前処理工程
金属部材103における樹脂部材105との接合側の表面に存在する酸化膜や水酸化物等からなる被膜を除去する工程である。通常、機械研磨や化学研磨処理が行われる。接合側表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なう場合もある。
(2)亜鉛イオン含有アルカリ水溶液による処理工程
水酸化アルカリ(MOH)と亜鉛イオン(Zn2+)とを質量比(MOH/Zn2+)1~100の割合で含む亜鉛イオン含有アルカリ水溶液中に、前処理後の金属部材103を浸漬し、金属部材表面に亜鉛含有被膜形成させる工程である。
(3)酸系エッチング剤による処理工程
上記工程(2)終了後の金属部材103を、第二鉄イオンと第二銅イオンの少なくとも一方と、酸を含む酸系エッチング剤により処理して金属部材103の表面上の亜鉛含有被膜を溶離させると共に、ミクロンオーダーの凹凸形状を形成させる工程である。
(4)温水による処理工程
上記工程(3)終了後の金属部材103を、45℃~95℃の温水に5~30分浸漬させることによって、金属部材103上に形成されているミクロンオーダーの凹凸形状の上に、ナノオーダーの間隙部を有する樹枝状層を付与する工程である。
温水処理時の温水の温度は、例えば金属/樹脂複合構造体106に耐候性や美麗装飾性を付与するためのアルマイト化処理等の陽極酸化処理を行う場合には重要なパラメーターとなる。すなわち、このような陽極酸化処理を行う際には、温水の温度は低い方が好ましく、具体的には45℃以上70℃以下、好ましくは45℃超え65℃以下、より好ましくは45℃超え60℃未満、特に好ましくは46℃以上59℃以下である。温水処理時の時間は通常5分~30分である。温水の温度が相対的に低い50℃前後の場合は処理時間15分~30分程度、温水の温度が相対的に高い60℃前後の場合は処理時間が5分~15分程度である。温水の温度が上記範囲を満たすことによって、例えば陽極酸化処理時のアルカリエチングと化学研磨の二工程において、金属-樹脂接合部の境界部分から強塩基性や強酸性の薬液が金属部材を溶かしつつ内部に向かって侵入し、接合面を破壊、延いては接合強度低下する現象をより効果的に防御することが可能となる。
(5)後処理工程
上記工程(4)の後に行われる洗浄工程である。通常は、水洗および乾燥操作からなる。スマット除去のために超音波洗浄操作を含めてもよい。
(3’)希硝酸による処理工程
工程(3’)は、工程(3)終了後の金属部材103を、濃度10~40質量%の希硝酸で洗浄後、水洗する工程である。この工程(3’)における水洗は金属表面の黄色成分が消失する程度に実施することが好ましい。より好ましくは、水洗、次いで乾燥後の金属部材表面の、JIS Z8781-4(2013)に準拠して測定されるCIELAB表示系におけるb*座標値が0以上7以下の範囲を満たすように水洗が行われる。このための具体的な水洗方法は特に限定されるものではないが、水洗時に超音波を併用する方法、あるいは水槽中の金属部材を垂直方法及び/または水平方向に搖動させる方法を一例として挙げることができる。
以下、本実施形態に係る樹脂部材105について説明する。
樹脂部材105は、熱可塑性樹脂(A)を含む樹脂組成物(P)により構成される。樹脂組成物(P)は、樹脂成分として熱可塑性樹脂(A)と、必要に応じて充填材(B)と、を含む。さらに、樹脂組成物(P)は必要に応じてその他の配合剤を含む。なお、便宜上、樹脂部材105が熱可塑性樹脂(A)のみからなる場合であっても、樹脂部材105は熱可塑性樹脂組成物(P)により構成されると記載する。
ここで、非晶性熱可塑性樹脂(A1またはA2)とは結晶状態をとりえないか、あるいは結晶化しても結晶化度が極めて低い熱可塑性樹脂を指し、さらに詳しくはアモルファスポリマーとも呼ばれ、原子または分子が三次元的に規則正しい空間格子をとらずに、それらが不規則に集合した固体状態(無定形)である。
無定形状態にはガラス状態とゴム状態があり、ガラス転移点(Tg)以下では硬いガラス状を示すが、Tg以上では軟らかいゴム状を示す特徴をもつ熱可塑性樹脂であり、上述の熱可塑性樹脂群の中では、例えば、ポリスチレン樹脂、ABS、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が該当する。このような非晶性熱可塑性樹脂は、高強度および高耐熱性を示すことから多くの産業分野で注目されている樹脂である。
非晶性熱可塑性樹脂の中では、寸法安定性に優れ、成形収縮が相対的に小さく、吸水率が小さな変性ポリフェニレンエーテル樹脂(以下、m-PPEと略記する場合がある)または該m-PPEを含有する樹脂組成物が好ましい。
樹脂組成物(P)は、金属部材103と樹脂部材105との線膨張係数差の調整や樹脂部材105の機械的強度を向上させる観点から、充填材(B)をさらに含んでもよい。
充填材(B)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維からなる群から一種または二種以上を選ぶことができる。これらのうち、好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、ミネラルから選択される一種または二種以上である。
樹脂組成物(P)には、個々の機能を付与する目的でその他の配合剤を含んでもよい。このような配合剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等が挙げられる。
樹脂組成物(P)の調製方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により調製することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、熱可塑性樹脂(A)、必要に応じて充填材(B)、さらに必要に応じてその他の配合剤と、をバンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機等の混合装置を用いて、混合または溶融混合することにより、樹脂組成物(P)が得られる。
図6は、本発明に係る実施形態の金属/樹脂複合構造体106を製造する過程の一例を模式的に示した構成図である。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、例えば、微細凹凸表面104を有する金属部材103を金型102内に配置し、熱可塑性樹脂(A)を含む樹脂組成物(P)を金型102内に射出することにより製造可能である。
射出工程は、例えば、微細凹凸表面104を有する金属部材103を射出成形用の金型102のキャビティ部にインサートし、金属部材103の微細凹凸表面104に接するように樹脂組成物(P)を射出する射出成形法によって樹脂部材105を成形し、金属/樹脂複合構造体106を製造する工程である。
具体的には、まず、射出成形用の金型102を用意し、その金型102を開いてその一部に金属部材103を設置する。その後、金型を閉じ、樹脂組成物(P)の少なくとも一部が金属部材103の表面110に形成された微細凹凸形状と接するように、上記金型内に樹脂組成物(P)を射出して固化する。その後、金型を開き離型することにより、金属/樹脂複合構造体106を得ることができる。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、高い気密性、水密性が発現するので、これらの特性に応じた用途に好適に用いられる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
微細凹凸表面を有する金属部材と、
前記金属部材の前記微細凹凸表面に接合し、かつ、熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された樹脂部材と、
を備える金属/樹脂複合構造体であって、
前記金属部材の前記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが下記要件(1)および要件(2)を同時に満たし、
前記微細凹凸表面の表層は樹枝状層を含む金属/樹脂複合構造体。
(1)十点平均粗さ(Rz)の平均値が5μmを超える
(2)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が10μm以上400μm以下の範囲にある
2.
1.に記載の金属/樹脂複合構造体において、
電子顕微鏡を用いて測定される前記樹枝状層の平均厚みが35nm以上700nm以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。
3.
1.または2.に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材の前記微細凹凸表面上の、JIS Z8781-4(2013)に準拠して測定されるCIELAB表示系におけるb*座標値が0以上9以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。
4.
1.乃至3.のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂を含む金属/樹脂複合構造体。
5.
1.乃至4.のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂およびポリエーテルイミド樹脂から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。
6.
1.乃至5.のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材は鉄系金属、アルミニウム系金属、マグネシウム系金属、銅系金属およびチタン系金属から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。
7.
1.乃至6.のいずれか1つに記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
微細凹凸表面を有する金属部材を金型内に配置し、前記金属部材の前記微細凹凸表面に接するように熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を前記金型内に射出し、前記熱可塑性樹脂または前記樹脂組成物により構成された樹脂部材を成形することにより、前記金属部材と前記樹脂部材とを接合させる工程を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
(表面粗化工程)
JIS H4000に規定された合金番号3003のアルミニウム合金板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム合金板を脱脂処理した後、水酸化ナトリウムを15質量%と酸化亜鉛を3質量%含有するアルカリ系エッチング剤(30℃)が充填された処理槽1に3分間浸漬(以下の説明では「亜鉛前処理」と略称する場合がある)後、水洗した。次いで、得られたアルミニウム合金板を、塩化第二鉄を3.9質量%と、塩化第二銅を0.2質量%と、硫酸を4.1質量%とを含有する酸系エッチング水溶液(以下の説明では「薬液1」と略称する場合がある)が充填された処理槽2に、30℃下で5分間浸漬し搖動させた。次いで、30質量%硝酸水溶液中に65℃下5分間浸漬後、十分水洗を行った。なお、以下の説明ではこの酸系エッチング剤を薬液1と略称する場合がある。次いで、58℃の温水槽に10分間浸漬し搖動させた後、流水で超音波洗浄(水中、1分間)を行い、その後乾燥させることによって表面処理済みのアルミニウム合金板1を得た。
また、表面粗さ測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
また、得られた表面処理済みのアルミニウム合金板1について、粗化面から5点を任意に選定し、JIS Z8781-4(2013)に準拠してCIELAB表示系のb*座標を測定したところ、その平均値は3.2であった。
上記方法で得られた表面処理済みアルミニウム合金板1を、日本製鋼所製の射出成形機J55-ADに装着された小型ダンベル金属インサート金型内に設置した。次いで、その金型内に樹脂組成物(P)として、サビックイノベーティブプラスチックス社製の変性ポリフェニレンエーテル(ノリルCN1134;ガラス繊維20質量%含有)を、シリンダー温度(樹脂温度)280℃、金型温度100℃、射出一次圧125~135MPa、保圧110MPaの条件にて射出成形し、樹脂部材を表面処理済みアルミニウム合金板1に射出接合させることによって金属/樹脂複合構造体を得た。
上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体を、60℃、95%RHに維持された恒温恒湿機(東京理化器械(株)製,EYEL4「エンビロス」)中に1500時間保管し、次いで、一昼夜かけて室温まで放冷後に上記と同様な方法で接合強度を測定した。その結果、接合強度は28MPaであった。
さらに、上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体を、ヒートショック試験機(日立アプライアンス(株)製,COSMPIA,ES-53L)にセットし、65℃×1時間/-40℃×1時間のサイクルを500サイクル実施後、一昼夜かけて室温まで放冷後に上記と同様な方法で接合強度を測定した。その結果、接合強度は24MPaであった。
これらの結果を表1にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、58℃の温水槽への10分間浸漬・搖動操作の代わりに60℃の温水槽への8分間浸漬・搖動操作を実施した点、および射出成形工程において、樹脂組成物(P)として、変性ポリフェニレンエーテルの代わりにポリプラスチック社製PBT樹脂(ジェラネックス930HL)を用い、シリンダー温度(樹脂温度)270℃、金型温度160℃、射出一次圧95MPa、保圧80MPaの条件にて射出成形した点を除いて実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板2および金属/樹脂複合構造体をそれぞれ得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は15μm、RSmの平均値は143μmであった。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:230nmと算出された。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、36MPaであった。破壊面の形態は母材破壊のみが認められた。
上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体についてアルマイト処理を行った。(アルマイト条件:上記金属/樹脂複合構造体を、アルカリエッチング工程として水酸化ナトリウム水溶液(50g/L)に55℃で60秒間浸漬、次いで化学研磨工程としてリン酸80容量%と硫酸20容積%の混合液に95℃、50秒間浸漬、次いでスマット除去として60%硝酸水溶液に室温下、30秒浸漬した。その後、各サンプルを硫酸水溶液(200g/L)に20℃で40分間通電した。その際の電流密度は1.0A/dm3)であった。最後に封孔処理として、酢酸ニッケル水溶液に95℃で20分間浸漬し、水洗、エアーブロー乾燥した。アルマイト処理後の金属/樹脂複合構造体の接合強度は28MPaであった。
これらの結果を表1にまとめた。
実施例2における表面粗化工程において、60℃の温水槽への8分間浸漬・搖動操作の代わりに55℃の温水槽への12分間浸漬・搖動操作を実施した以外は実施例2と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板3および金属/樹脂複合構造体をそれぞれ得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は14μm、RSmの平均値は150μmであった。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:200nmと算出された。
実施例2と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、36MPaであった。破壊面の形態は母材破壊のみが認められた。
上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体について実施例2と同様にしてアルマイト処理を行った後の接合強度を測定した結果34MPaであった。
これらの結果を表1にまとめた。
実施例2における表面粗化工程において、60℃の温水槽への8分間浸漬・搖動操作の代わりに50℃の温水槽への24分間浸漬・搖動操作を実施した以外は実施例2と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板4および金属/樹脂複合構造体をそれぞれ得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は12μm、RSmの平均値は165μmであった。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:250nmと算出された。
実施例2と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、35MPaであった。破壊面の形態は母材破壊のみが認められた。
上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体について実施例2と同様にしてアルマイト処理を行った後の接合強度を測定した結果34MPaであった。
これらの結果を表1にまとめた。
実施例1において合金番号3003のアルミニウム合金板の代わりに合金番号6063のアルミニウム合金板を用いた以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板5および金属/樹脂複合構造体をそれぞれ得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は18μm、RSmの平均値は148μmであった。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:270nmと算出された。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、27MPaであった。破壊面の形態は母材破壊のみが認められた。
これらの結果を表1にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、30質量%硝酸水溶液浸漬後の水洗操作を行わなかった以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板6および金属/樹脂複合構造体をそれぞれ得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は12μm、RSmの平均値は135μmであった。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:280nmと算出された。また、得られた表面処理済みのアルミニウム合金板6について、粗化面から5点を任意に選定し、JIS Z8781-4(2013)に準拠してCIELAB表示系のb*座標を測定したところ、その平均値は11.7であった。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、26MPaであった。破壊面の形態は母材破壊のみが認められた。
上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体を、実施例1と同様に恒温恒湿機中で1500時間保管し、次いで、一昼夜かけて室温まで放冷後に上記と同様な方法で接合強度を測定した。その結果、接合強度は18MPaであった。
さらに、上記射出成形工程で得られた金属/樹脂複合構造体を、実施例1と同様にヒートショック試験機中で500サイクルのヒートサイクル実施後、一昼夜かけて室温まで放冷後に上記と同様な方法で接合強度を測定した。その結果、接合強度は5MPaであった。
これらの結果を表1にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、58℃の温水槽への10分間浸漬・搖動操作の代わりに70℃の温水槽への10分間浸漬・搖動操作を実施した以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板7を得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は9μm、RSmの平均値は142μmであった。次いで、表面処理済みのアルミニウム合金板7を用いて、実施例1と同様にして射出成形工程を実施し金属/樹脂複合構造体を得た。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:260nmと算出された。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、23MPaであった。結果を表2にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、薬液1の代わりに塩化第二鉄を2.0質量%と、塩化第二銅を0.1質量%と、硫酸を2.1質量%とを含有する酸系エッチング剤(水溶液;以下の説明では薬液2と略称する場合がある)を用いた以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板8を得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は15μm、RSmの平均値は134μmであった。次いで、表面処理済みのアルミニウム合金板8を用いて、実施例1と同様にして射出成形工程を実施し金属/樹脂複合構造体を得た。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:190nmと算出された。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、26MPaであった。結果を表2にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、水酸化ナトリウムを15質量%と酸化亜鉛を3質量%含有するアルカリ系エッチング剤(30℃)への浸漬を行わなかった以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板9を得た。JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は21μm、RSmの平均値は308μmであった。次いで、表面処理済みのアルミニウム合金板9を用いて、実施例1と同様にして射出形工程を実施し金属/樹脂複合構造体を得た。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:220nmと算出された。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、24MPaであった。結果を表2にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、58℃の温水槽への10分間浸漬・搖動操作を行わなかった以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板10を得た。
JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は15μm、RSmの平均値は135μmであった。
次いで、表面処理済みのアルミニウム合金板10を用いて、実施例1と同様にして射出成形工程を実施し金属/樹脂複合構造体を得た。また、得られた金属/樹脂複合構造体の断面SEM分析を行ったところ、樹枝状層は全く観測されなかった。
実施例1と同様にして、引張せん断強度を測定し、接合強度を求めた結果、10MPaであった。結果を表2にまとめた。
実施例1における表面粗化工程において、酸系エッチング剤(水溶液)への浸漬・搖動を行わなかった以外は実施例1と同様に操作して表面処理済みのアルミニウム合金板11を得た。JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。その結果、Rz平均値は1μm、RSmの平均値は166μmであった。次いで、表面処理済みのアルミニウム合金板11を用いて、実施例1と同様にして射出成形工程を実施し金属/樹脂複合構造体を得ようとしたが、接合できなかった。また、接合する前のアルミニウム合金板表面のSEM観察を行ったところ、樹枝状層の平均厚み:100nmと算出された。結果を表2にまとめた。
102 金型
103 金属部材
103-1 樹枝状層
104 微細凹凸表面
105 樹脂部材
106 金属/樹脂複合構造体
107 ゲート/ランナー
110 表面
Claims (7)
- 微細凹凸表面を有する金属部材と、
前記金属部材の前記微細凹凸表面に接合し、かつ、熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された樹脂部材と、
を備える金属/樹脂複合構造体であって、
前記金属部材の前記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが下記要件(1)および要件(2)を同時に満たし、
前記微細凹凸表面の表層は樹枝状層を含む金属/樹脂複合構造体であって、
電子顕微鏡を用いて測定される前記樹枝状層の平均厚みが190nm以上280nm以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。
(1)十点平均粗さ(Rz)の平均値が5μmを超える
(2)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が10μm以上400μm以下の範囲にある - 請求項1に記載の金属/樹脂複合構造体において、
電子顕微鏡を用いて測定される前記樹枝状層の平均厚みが35nm以上700nm以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1または2に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材の前記微細凹凸表面上の、JIS Z8781-4(2013)に準拠して測定されるCIELAB表示系におけるb*座標値が0以上9以下の範囲にある金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂を含む金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂およびポリエーテルイミド樹脂から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材は鉄系金属、アルミニウム系金属、マグネシウム系金属、銅系金属およびチタン系金属から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
微細凹凸表面を有する金属部材を金型内に配置し、前記金属部材の前記微細凹凸表面に接するように熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を前記金型内に射出し、前記熱可塑性樹脂または前記樹脂組成物により構成された樹脂部材を成形することにより、前記金属部材と前記樹脂部材とを接合させる工程を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
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