本開示は、一般に埋め込み可能な医療用具に関し、より具体的には、組織層を結合して吻合を形成する埋め込み可能な医療用具、および組織の穴を通り抜けて材料が移動するのを閉塞、阻害、または防止し、組織の欠損を封止し、治癒する埋め込み可能な装置に関する。
胃腸(GI)管の病変は、きのこ形状を有する粘膜内層から突出したポリープの形態、または粘膜内層と同一平面上の平坦な病変である場合がある。胃腸管の粘膜内層から病変を除去する必要は、世界共通であり、増加している。大腸病変の尤度は年齢と共に増加する。60歳以上の人の約半分は、少なくとも1つ、しばしば複数の大腸病変を有している。ポリープによっては前癌性と見なされる。これは、癌ではないが、治療せずに放置していると癌になる可能性があることを意味する。胃腸管の病変は、典型的には癌スクリーニング試験(例えば、大腸内視鏡または軟性S状結腸鏡検査など)で発見される。
胃腸管の良性病変および初期悪性病変は、一般的に、電気焼灼スネア、ホットスネア、コールドスネア、または電気焼灼ナイフ装置を用いて内視鏡により除去される。胃腸管の大きな平坦な病変の除去には生理食塩水の助けを借りたポリープ切除術が行われることが多い。病変が大きくなって、胃腸管の粘膜層以外のものを侵襲的に包含するようになると、切除術が行われることが多い。これにより、病変と共に壁の組織の全厚みが除去される。この切除術は、典型的には、内視鏡ではなく、腹腔鏡あるいは開腹手術技術を用いて行われる。しかしながら、患者によっては開腹手術が選択肢ではない場合があり、腹腔鏡術では治療する胃腸管の内腔内の視覚化ができない場合がある。
大腸の大きな切除は、典型的には一部が内視鏡で行われない。それは、ひとつには、(例えば、クリップ、縫合などを用いて)欠損の端と端を近づけて内腔狭窄にならないように大腸にできた穴を適切に封止する用具および装置が利用できないからである。そのような用具および装置の開発は課題である。それは、ひとつには、蠕動運動および糞便物質を含む比較的厳しい大腸の環境のためである。
吻合は、2つの管状組織構造(例えば、血管または腸)同士の交差接続である。例えば、腸の一部を切除した場合、できた2つの端は腸の吻合術を用いて縫合またはステープル留め(吻合)されてもよい。この吻合術により、腸の一部の切除後に腸の連続性を復元する、あるいは切除できない病気の腸の部分を迂回することができる。
吻合は、様々な方法で形成してもよく、例えば、端と端、端と側部、および側部と側部の吻合が挙げられるが、これらに限定されない。縫合を用いてこのような吻合を形成することが多い。
本発明の一側面は、組織の欠損または構造を封止する医療用具に関する。この医療用具は、単一の長尺部材を有する枠を含む。長尺部材は、(1)第一の組織表面の形状に一致して、前記第一の組織表面に並置力を加えるようになっている支持部、(2)第二の組織表面の形状に一致して、前記第二の組織表面に並置力を加えるようになっている閉塞部、および(3)前記支持部と前記閉塞部の間に配置された欠損占有部を含む。前記欠損占有部は、前記欠損の穴の周りの組織に実質的な並置力を加えないようになっている。この医療用具はまた、前記閉塞部の少なくとも一部に取り付けられた封止材を含む。前記封止材は材料が前記穴を流れるのを阻害するようになっている。
本発明の第二の側面は、組織の欠損または構造を封止する医療用具に関する。この医療用具は、単一の巻き付けられた針金を含む針金部材を含む。前記針金は、(a)封止部材、(2)並置部材、および(3)前記封止部材と前記並置部材との間に配置された欠損占有部を含む。この医療用具はまた、前記封止部材の少なくとも一部に配置された被覆材を含む。
本発明の第三の側面は、(1)単一の長尺部材を含む枠および(2)内腔を規定する送達鞘を含む医療用具システムに関する。前記長尺部材は、(1)第一の組織表面の形状に一致して、前記第一の組織表面に並置力を加えるようになっている支持部、(2)第二の組織表面の形状に一致して、前記第二の組織表面に並置力を加えるようになっている閉塞部、(3)前記支持部と前記閉塞部との間に配置された欠損占有部、および (4)前記閉塞部の少なくとも一部に取り付けられた膜を形成する。前記膜は、材料が穴を通り抜けて流れるのを阻害するようになっている。また、この医療用具は、医療用具が内腔内に収められるような薄い形状の構成として構成可能である。さらに、この医療用具は、内腔から解放されるとこの薄い形状の構成から展開するようになっている。
本発明の第四の側面は、患者の身体の穴を封止する方法に関する。この方法は、経カテーテル技術を用いて前記穴に埋め込み可能な医療用具を挿入することを含む。この医療用具は、単一の巻き付けられた針金および被覆材を含む。前記針金は、(1)封止部材、(2)並置部材、および(3)前記封止部材と前記並置部材の間に配置された欠損占有部を形成する。前記被覆材は前記封止部材の少なくとも一部に設けられており、前記穴を完全に覆うようになっている。
本発明の第五の側面は、単一の長尺部材を含む埋め込み可能な医療用具に関する。前記単一の長尺部材は、(1)中心軸の周りに構成され、第一のフランジの外縁に円周封止部を形成する複数の第一の腕部を有する第一のフランジ、(2)前記中心軸の周りに構成された複数の第二の腕部を有する第二のフランジ、および(3)第一のフランジと第二のフランジを相互接続して、内腔壁の欠損を架橋する接続領域を形成する。態様によっては、前記第一の腕部および前記第二の腕部は、内腔壁の存在下で並置力が存在し、前記内腔壁の非存在下で並置力が存在しないように予め緊張させた配置を有する。
本発明の第六の側面は、単一の長尺部材を含む埋め込み可能な医療用具に関する。前記長尺部材は、(1)中心軸の周りに構成され、第一のフランジの外縁に円周封止部を形成する複数の第一の腕部を有する第一のフランジ、(2)前記中心軸の周りに構成され、第二のフランジの外縁に円周封止部を形成する複数の第二の腕部を有する第二のフランジ、および(3)第一のフランジと第二のフランジを相互接続して、内腔壁の欠損を架橋するようになっている接続領域を形成する。前記接続領域は、第一のフランジと第二のフランジを流体接続している。第一の腕部および第二の腕部は、前記内腔壁の存在下で並置力が存在し、前記内腔壁の非存在下で並置力が存在しないように予め緊張させた配置を有する。
本発明の第七の側面は、単一の長尺部材を含む埋め込み可能な医療用具に関する。前記単一の長尺部材は、(1)中心軸の周りに構成された複数の第一の腕部を有し、第一のフランジの外縁に円周封止部を形成する第一のフランジ、(2)前記中心軸の周りに構成された複数の第二の腕部を有する第二のフランジ、および(3)第一のフランジと第二のフランジを相互接続して、内腔壁の欠損を横切るようになっている接続領域を形成する。第一の腕部および第二の腕部は、内腔壁の非存在下で並置力が存在しないように予め緊張させた配置を有する。
本発明の第八の側面は、並置枠部材を含む埋め込み可能な医療用具に関する。前記並置枠部材は、(1)中心軸の周りに構成され、第一の円周封止部を形成する複数の第一の並置花弁体を有する第一のフランジ、(2)前記中心軸の周りに構成され、第二の円周封止部を形成する複数の第二の並置花弁体を有する第二のフランジ、および(3)第一のフランジと第二のフランジを接続する接続領域を形成する。前記接続領域は、前記中心軸に沿って穴を規定する。この埋め込み可能な医療用具はまた、複数の穴を形成する支持枠部材、および前記並置枠部材と前記支持枠部材のそれぞれの少なくとも一部に配置された被覆材を含む。例示的な態様では、支持枠は穴内に同軸に配置されている。
本発明の第九の側面は、枠、および前記枠の少なくとも封止部に配置された被覆材を含む組織封止装置に関する。前記枠は、並置部、封止部、および欠損占有部を含む。例示的な態様では、前記並置部および前記封止部は異なるように構成されている。前記枠は、前記封止部を形成するダイアモンド形状の花弁体、および前記並置部を形成する三角形状の花弁体を規定する。前記封止部のダイアモンド形状の花弁体の縁は互いに実質的に平行であり、物理接触線および封止縁を形成し、封止花弁体間の漏れ溝の存在を低減する。これに対して、前記並置部の三角形状の花弁体は個別であり、互いに接線で接触していてもよい。この組織封止装置は、被覆材が組織の穴を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるように構成されてもよい。
第十の側面は、枠、および前記枠の封止部の少なくとも一部に配置された被覆材を含む組織封止装置に関する。前記枠は、並置部、封止部、および欠損占有部を含む。例示的な態様では、前記並置部と前記封止部は異なるように構成されている。前記並置花弁体および前記封止花弁体は、前記欠損占有部から半径方向に伸びる直線部、および花弁体の自由端で前記直線部から伸びる本質的にダイアモンド形状の外部を含む。前記封止花弁体および前記並置花弁体は、前記封止花弁体が前記並置花弁体よりも丸みを帯びた最も外側の縁を有することを除いて実質的に同様である。前記封止花弁体の最も外側の縁は互いに接線で接触している。前記封止花弁体の縁の当接は、物理接触線および封止縁を形成し、封止花弁体間の漏れ溝の存在を低減する。前記並置部の並置花弁体は個別(被覆材で覆われていない)であり、互いに相対的に動いてもよい。前記封止花弁体のより丸みを帯びた端は(前記並置花弁体の丸みの少ない端に対して)、外部円周および並置部で実質的に均一な圧力分布を形成して、送達装置への装着を容易にする。この組織封止装置は、被覆材が組織の穴を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるように構成されてもよい。
添付の図面は、本開示をさらに理解するために含まれており、本明細書の一部を構成し、態様を例示し、また、以下の記述と共に本開示の原理を説明するものである。
図1Aは、いくつかの態様による例示的な組織封止装置の針金枠の平面図である。
図1Bは、図1Aの針金枠の正面図である。
図2Aは、表面に被覆材を有し、例示的な組織欠損にはめ込んだ図1Aの針金枠の平面図である。
図2Bは、表面に被覆材を有し、他の例示的な組織欠損に嵌合した図1Aの針金枠の平面図である。
図3Aは、いくつかの態様による他の例示的な組織封止装置の針金枠の平面図である。
図3Bは、図3Aの針金枠の正面図である。
図4は、表面に被覆材を有し、例示的な組織欠損にはめ込んだ図3Aの針金枠を示す平面図である。
図5は、いくつかの態様による他の例示的な組織封止装置の針金枠の平面図である。
図6は、表面に被覆材を有し、例示的な組織欠損にはめ込んだ図5の針金枠を示す平面図である。
図7は、いくつかの態様による他の例示的な組織封止装置の針金枠の斜視図である。
図8Aは、針金枠の閉塞部に配置された被覆材を有する図7の針金枠からなる例示的な封止装置の斜視図である。
図8Bは、図8Aの封止装置の正面図である。
図8Cは、図8Aの封止装置の他の斜視図である。
図9Aは、例示的な組織欠損にはめ込んだ図8Aの封止装置の平面図である。
図9Bは、例示的な組織欠損にはめ込んだ図8Aの封止装置の他の平面図である。
図9Cは、他の例示的な組織欠損にはめ込んだ図8Aの封止装置の斜視図である。
図9Dは、他の例示的な組織欠損にはめ込んだ図8Aの封止装置の他の斜視図である。
図10Aは、いくつかの態様による他の例示的な封止装置の平面図である。
図10Bは、図10Aの封止装置の他の平面図である。
図11Aは、例示的な組織欠損にはめ込んだ図10Aの封止装置の平面図である。
図11Bは、例示的な組織欠損にはめ込んだ図10Aの封止装置の他の平面図である。
図12は、いくつかの態様による他の例示的な封止装置の斜視図である。
図13Aは、例示的な送達鞘内に部分的に納められた図12の封止装置を示す斜視図である。
図13Bは、図13Aの送達鞘内に完全に収められた図12の封止装置の側面図である。
図14Aは、例示的な組織欠損にはめ込んだ他の封止装置の封止部の平面図である。
図14Bは、図14Aの封止装置の並置部の平面図である。
図15Aは、例示的な組織欠損にはめ込んだ他の封止装置の封止部の斜視図である。
図15Bは、図15Aの封止装置の並置部の斜視図である。
図16Aは、いくつかの態様による例示的な吻合装置の平面図である。
図16Bは、組織に嵌合して吻合を形成する図16Aの例示的な吻合装置を示す平面図である。
図16Cは、図16Aの例示的な吻合装置の正面図である。
図17Aは、いくつかの態様による他の例示的な吻合装置の平面図である。
図17Bは、組織に嵌合して吻合を形成する図17Aの例示的な吻合装置の平面図である。
図17Cは、図17Aの例示的な吻合装置の正面図である。
図18は、いくつかの態様による例示的な並置部材枠の平面図である。
図19は、図18の並置部材枠と共同して用いられてもよい例示的な支持枠の正面図である。
図20は、図19の支持枠の平面図である。
図21は、図18の並置部材枠および図19の支持枠の第一の配置を含む他の例示的な吻合装置の平面図である。
図22は、図18の並置部材枠および図19の支持枠の第二の配置を含む他の例示的な吻合装置の平面図である。
図23は、図18の並置部材枠と共同して用いられてもよい他の例示的な支持枠の正面図である。
図24は、図23の支持枠の平面図である。
図25は、図18の並置部材枠および図19の支持枠の第一の配置を含む他の例示的な吻合装置の平面図である。
図26は、他の例示的な並置部材枠の平面図である。
図27は、並置花弁体と封止花弁体が異なっている枠および被覆材を含む例示的な組織封止装置の平面図である。
図27Aは、図27の組織封止装置の側面図である。
図28は、並置花弁体と封止花弁体が異なっている枠および被覆材を含む他の例示的な組織封止装置の平面図である。
図28Aは、図28の組織封止装置の側面図である。
発明の詳細な説明
当業者には自明であるが、本開示の様々な側面は、意図された機能を行うようになっている任意の数の方法および装置により実現されてもよい。なお、本明細書で参照される添付の図面は必ずしも縮尺通りに描画されておらず、本開示の様々な側面を例示するために誇張されている場合もある。また、この点において、図面を限定的に解釈するべきではない。
本開示は、埋め込み可能な医療用具、およびこれら埋め込み可能な医療用具を用いて病状を治療する方法を提供する。例えば、本開示は、組織欠損を閉塞、封止し、治癒する埋め込み可能な装置を提供する。治療され得る組織としては、胃腸管、腹膜、血管(動脈または静脈)系の組織、心臓の組織、またはこれら組織の1つと合成構造(例えば、パッチまたは血管グラフト)の界面などが挙げられるが、これらに限定されない。埋め込み可能な医療用具が用いられてもよい欠損としては、意図的にあるいは外傷性事象または病気の過程により、自然にまたは人工的に形成された欠損が挙げられる。欠損は、これらに限定されないが、穿孔、破裂、創傷、断裂、エンドリーク(動脈ステント外部への血液の漏れ)、瘻などを含んでいてもよい。
また、本開示は、とりわけ、組織層を結合する、例えば、胆嚢と胃腸管の一部を結合して材料がその間を通って流れるのを容易にする吻合を形成する埋め込み可能な装置を提供する。この装置は、内視鏡あるいはカテーテルにより展開可能であり、組織構造同士をしっかり結合(本明細書では、このような結合を「短絡(shunt)」、「通路」、「短絡通路」、または「トンネル」とも言う場合がある)するのを容易にする自己展開型並置機構を含んでいてもよい。このような設計の特徴は、埋め込みを簡単にして合併症の尤度を低減する。態様によっては、本明細書で提供される装置により、組織構造(例えば、胆嚢と胃腸管の一部)の間に直接通路を形成することで導管または器官の閉塞を回避する治療が可能である。態様によっては、本明細書で提供される装置は一時的に埋め込まれる。一例として、この装置を埋め込んで、胆嚢および/またはそれに関連する管の閉塞がなくなるまでそのままにしておき、その後で装置を取り出す。他の例では、この装置は、装置の周辺で身体が組織吻合を成長させるまで埋め込まれたままである。その後、装置を取り出す。他の態様では、装置内および/または周囲への組織内殖により、装置を永久的に埋め込み、取り出さない。このような装置は、患者にとって他の種類の治療(例えば、胆嚢除去手術)の好適な候補がなく、かつ/または他の種類の治療(例えば、外胆汁瘻造設)の既知の合併症を回避するような代替治療を提供する場合がある。
図1Aおよび図1Bに示すように、例示的な組織封止装置の枠100は長尺部材110を含む。長尺部材110は、並置部120、封止部130、および欠損占有部140を形成するようになっている。欠損占有部140は、並置部120と封止部130の間に配置されている。さらに記載するように、欠損占有部140は、1つ以上の組織層の開口部すなわち穴(本明細書では、組織欠損とも言う)を横切るようになっている。並置部120および封止部130はそれぞれ、組織層の反対側に接するようになっている。態様によっては、長尺部材110は、単一の連続した針金を含む。
長尺部材110は様々な材料を含んでいてもよい。長尺部材110は、いくつか一般的な例が挙げられるようなエラストマー性材料、金属材料、線ばね、形状記憶合金針金、超弾性合金針金、またはこれらの組み合わせであってもよい。事実、一般に、好適に生体適合性、柔軟性、および復元性のある任意の種類の長尺部材110を本明細書で提供される組織封止装置に用いてもよい。例えば、長尺部材110は、ニチノール(NiTi)、L605鋼、ステンレス鋼、重合体材料、または任意の他の適切な生体適合性材料(これら材料の組み合わせを含む)を含んでいてもよい。態様によっては、生体吸収性材料(例えば、生体吸収性重合体を含む)を用いてもよい。そのような態様によっては、長尺部材110またはその一部は最終的に溶解してもよい。他の態様では、長尺部材110は、完全または部分的に被覆されて生物学的反応を刺激する。生物学的反応としては、これらに限定されないが、内皮細胞付着、内皮細胞移行、内皮細胞増殖、および血栓形成の耐性または促進などが挙げられる。
自明であるが、長尺部材110に好適な材料は、様々な金属形状記憶材料および超弾性合金を含む。形状記憶とは、臨界温度以上に加熱して塑性変形させた後に記憶している元の形状に戻る、あるいは実質的に戻る材料の能力を言う。超弾性とは、非常に大きなひずみを受けて変形しても恒久的には変形しない材料の能力を言う。例えば、本明細書で提供される態様によっては組織封止装置の枠に含まれる超弾性材料は、有意な量の折り曲げに耐えて、変形せずに元の枠の形状(またはそれに近い形状)に戻ることができる。態様によっては、好適な形状記憶および超弾性材料としては、物理的、化学的、および他の方法で処理されて高い弾力性を有する様々なステンレス、金属合金、例えば、コバルトクロム合金(例えば、ELGILOYTM)、白金/タングステン合金、およびNiTi合金を含む。
その超弾性特性により、NiTiは、本明細書で提供される組織封止装置の態様によっては長尺部材110の好適な材料となる。NiTi長尺部材110は、NiTi長尺部材110が送達鞘から身体内の標的部位に展開されると薄い送達形状から所望の形状に自己展開するように所望の形状に固定されてもよい。
態様によっては、長尺部材110を様々な方法で処理して高X線造影のために長尺部材110の放射線不透過性を高めてもよい。態様によっては、長尺部材110は、少なくとも部分的にコアに異なる材料(例えば、高められた放射線不透過性を有する材料など)を含む延伸埋込型(drawn-filled type)のNiTiである。態様によっては、長尺部材110は少なくとも一部にX線不透過性の外被または被覆を有する。態様によっては、1種以上のX線不透過性マーカーは、長尺部材110(および/または長尺部材110に取り付けられた被覆材)に取り付けられている。
態様によっては、長尺部材110の直径または厚みは約0.1mm~約1.50mmの範囲内であるが、態様によってはより小さいまたは大きい直径を有する長尺部材110を用いてもよい。態様によっては、長尺部材110の直径または厚みは約0.2mm~約0.5mmの範囲内である。なお、自明であるが、長尺部材110および本明細書で提供される他の組織封止装置の長尺部材は任意の好適な寸法または直径を有していてもよい。
態様によっては、長尺部材110は、長尺部材110の長さに沿って一定の直径を有する。態様によっては、長尺部材110の1つ以上の部分は直径が先細になっている、あるいは一定ではない。態様によっては、長尺部材110は、針金の直径が長尺部材110の長さに沿って変化するように芯なし研磨技術を用いて形成されていてもよい。長尺部材110は、丸い断面形状を有していてもよく、あるいは長方形または他の多角形など丸くない断面形状を有していてもよい。長尺部材110が有していてもよい他の断面形状の例としては、正方形、楕円形、長方形、三角形、D字形、または編組構築物または撚り構築物により形成された不規則な断面形状が挙げられる。態様によっては、長尺部材110は平坦な針金を含んでいてもよい。態様によっては、このような様々な種類の長尺部材110の組み合わせが組織封止装置に用いられる。態様によっては、装置の長尺部材110は、均一な断面形状および寸法を有しているが、態様によっては、長尺部材110のいくつかの部分は長尺部材110の他の部分と異なる断面形状および/または寸法を有している。
本明細書で提供される組織封止装置の長尺部材110は、例えば、有益な疲労耐性および弾性特性を有していてもよい。態様によっては、長尺部材110により、組織封止装置を弾性的に潰して、折り、かつ/または経カテーテルまたは内視鏡/胸腔鏡による送達のために内腔に収容するために薄い送達形状に畳むことができ、身体内の所望の標的部位に配置されて内腔から展開されると動作寸法および形状に自己展開することができる。さらに、態様によっては、枠100の長尺部材110(および本明細書で記載する他の枠の長尺部材)は、枠100を損傷することなく拡張することができる。例えば、態様によっては、例えば、より大きい寸法の装置が枠100を通して配置される場合に長尺部材110は変形することができ、長尺部材110は、しわや折りたたみなどの恒久的な変形を維持せずにその変形前の形状に戻る(または実質的に戻る)。
態様によっては、長尺部材110は1つの以上の固定要素(例えば、留め具、掛け具、突起、組織を傷つけない部材、および/または貫通部材、およびこれらの組み合わせ)を含んでいてもよい。例示的な態様では、このような固定要素は、身体内の標的部位に対して展開した後、組織封止装置のその場での移行を低減または阻害するという利点がある。
さらに図1Aおよび図1Bに示すように、態様によっては、並置部120(本明細書では支持部または並置部材とも言う)組織の欠損の周りの組織の表面に接触して、組織表面に並置力を加えるようになっている複数の特徴部を含む。例えば、図1Aおよび図1Bに示す態様では、並置部120の1つ以上の特徴部は、長尺な針金ループ122(本明細書では「指部」または「花弁体」とも言う)を含む。この態様では並置部120は8個の針金ループ122を含むが、8個より多いまたは少ない針金ループ122が含まれていてもよい。例えば、態様によっては、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、9個、10個、11個、12個またはそれ以上の針金ループ122を並置部120に含んでいてもよい。
図1Aおよび図1Bでは、並置部120の針金ループ122は、概ね卵型の形状として示されているが、卵型の形状である必要はないことは自明である。例えば、態様によっては、針金ループ122は、円形、三角形、線状、長方形、ダイアモンド形状、およびこれらの組み合わせであってもよい。例えば、態様によっては、針金ループ122は、欠損占有部140から半径方向に突出し、針金ループ122の自由端で第二のダイアモンド形状の一部と近接する第一の直線部を有していてもよい。他の組み合わせもまた想定され、本発明の範囲内と見なされる。図示の態様では、個々の針金ループ122のすべての形状および寸法は概ね均一であるが、そのような均一性は要件ではない。例えば、針金ループ122の1つ以上の形状または寸法は、同じ組織封止装置の1つ以上の他の針金ループ122と形状または寸法と異なっていてもよい。
態様によっては、針金ループ122は、組織表面接触に関連する荷重に独立して耐えるようになっている。すなわち、個々の針金ループ122は、他のいずれかの針金ループ122に実質的な力を加えずに組織表面の表面形状に従って屈曲させてもよい。この特徴部により、針金ループ122のそれぞれは、組織表面の表面形状が平面状でない場合でも並置力を加えることができる。従って、態様によっては、並置部120は、不規則な組織表面に非常によく一致するようになっている(例えば、図13Cを参照のこと)。態様によっては、個々の針金ループ122の一部は、隣接する針金ループ122と重なっていてもよい。そのような態様によっては、針金ループ122の動きによっては隣接する針金ループ122に力が誘導されてもよい。
また、長尺部材110は、封止部130(本明細書では、「閉塞部」、「中央部」、または「封止部材」とも言う)を形成する。以下でさらに記載するように、一般に流体を透過させない被覆材を封止部130に配置してもよい。態様によっては、封止部130は、組織の欠損の周りの組織表面に接触して組織表面に並置力を加えるようになっている1つ以上の特徴部を含む。例えば、図1Aおよび図1Bに示す態様では、封止部130の1つ以上の特徴部は長尺針金ループを含む。8個の針金ループ132が示されているが、8個より多いまたは少ない針金ループ132が含まれていてもよいことは自明である。例えば、態様によっては、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、9個、10個、11個、12個またはそれ以上の針金ループ132を並置部120に含んでいてもよい。また、並置部120の針金ループ122の数は、封止部130の針金ループ132の数と等しくなくてもよい。さらに、並置部120の針金ループ122の形状は、封止部130の針金ループ132の形状と異なっていてもよい。
図1Aおよび図1Bに示す態様は概ね卵型の形状を有する封止部130の針金ループ132を示しているが、卵型の形状は必要ではないことは自明である。例えば、態様によっては、針金ループ132は円形、三角形、線状、長方形、ダイアモンド形状、およびこれらの組み合わせであってもよい。例えば、態様によっては、針金ループ132は、欠損占有部140から半径方向に突出する第一の直線部、および針金ループ132の自由端に第二のダイアモンド形状部を有していてもよい。他の組み合わせおよび形状もまた想定され、本発明の範囲内と見なされる。また、図1Aおよび図1Bに示す態様では、針金ループ132のそれぞれの形状および寸法は概ね均一である。しかしながら、自明であるが、このような均一性は要件ではない。例えば、態様によっては、針金ループ132の1つ以上は1つ以上の他の針金ループ132と異なる形状または寸法を有する。
態様によっては、針金ループ132は、組織表面接触に関連する荷重に独立して耐えるようになっている。すなわち、個々の針金ループ132は、他のいずれかの針金ループ132に実質的な力を加えずに組織表面の表面形状に従って屈曲させてもよい。この特徴部により、針金ループ132のそれぞれは、組織表面の表面形状が平面状でない場合でも並置力を加えることができる。従って、態様によっては、封止部130は、不規則な組織表面に非常によく一致するようになっている(例えば、図13Dを参照のこと)。態様によっては、個々の針金ループ132の一部は隣接する針金ループ132と重なっていてもよい。そのような態様によっては、針金ループ132の動きによって隣接する針金ループ132に力が誘導されてもよい。
態様によっては、針金ループ132の少なくとも一部は互いに重なりあうようになっている。すなわち、個々の針金ループ132の少なくとも一部は、隣接する他の針金ループ132の少なくとも一部と重なりあっていてもよい。態様によっては、そのような重なりは、封止部130の封止能を高める場合がある。
図示の図1Aおよび図1Bの態様では、並置部120および封止部130はそれぞれ、その周囲に概ね円形の円周を規定しているが、すべての態様で円形形状は要求されない。例えば、態様によっては、並置部120または封止部130(あるいは両方)は、他の形状を規定していてもよく、例えば、楕円形、長方形、三角形、および他の幾何学的形状、規則的あるいは不規則な形状であってもよいが、これらに限定されない。
態様によっては、並置部120の針金ループ122と封止部130の対応する針金ループ132は平行ではない。例えば、態様によっては、針金ループ122の自由端と132の自由端の間の距離は、欠損占有部140付近の針金ループ122と針金ループ132の間の距離未満(例えば、図1Bに示すように)である。このような構成により、欠損占有部140に近いところの並置力に比べて、枠100の外半径の並置力が大きくなる。態様によっては、枠100の外半径の並置力が大きくなると、枠100の、有意に非平面状の不規則な組織表面への一致を容易にすることができる。態様によっては、枠100により並置力が大きくなる。さらに、針金ループ122の自由端と針金ループ132の自由端の間の距離は本質的にゼロまで低減させてもよい。態様によっては、枠100によりさらに並置力を大きくするために、針金ループ122および132は互いに交差していてもよい(例えば、図10を参照のこと)。
上述のように、態様によっては、長尺部材110(および本明細書で記載する他の装置のいくつかの態様の長尺部材)は、単一の連続した要素である。従って、長尺部材110は2つの自由端または終端を含む。態様によっては、長尺部材110の2つの自由端は、長尺部材110が閉じた折れ曲がりパターン(すなわち、連続したループ)を形成するように接合されていてもよい。長尺部材110の自由端は、様々な技術を用いて互いに接合されていてもよい。そのような技術はこれらに限定されないが、溶着(例えば、レーザー溶着)、スリーブ継手を用いた接着、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。態様によっては、突合せ継手を用いて長尺部材110の自由端を接合する。態様によっては、他の種類の継手を用いて長尺部材110の自由端を接合してもよい。例えば、これらに限定されないが、重ね継手、ねじり継手、圧着継手、およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの自由端は、(熱固定過程を用いる態様では)熱固定の前または後に接合されてもよい。態様によっては、自由端は接合されない。
ここで図1A~図1Bおよび図2A~2Bを参照して、被覆材210(本明細書では封止材または膜とも言う)を封止部130の少なくとも一部の表面または周囲に配置し、かつ/またはそれに取り付けてもよい。また、被覆材210は、枠100の封止部130に取り付けられて組織封止装置200を形成する。図示の組織封止装置200は、図2Aの大きな組織の穴230を封止している。図2Bでは、同じ組織封止装置200は、小さい組織の穴270を封止しているのが示されている。このような組織欠損230および270は、多くの原因でできる可能性がある。そのような原因として、非限定的な例をいくつか挙げると、病変を除去する切除、動脈瘤破裂、外傷に誘発された孔または断裂、瘻、虫垂炎または憩室炎、クローン病、および潰瘍などの病気などがある。
図2Aおよび図2Bは、組織封止装置200の設計が様々な異なる寸法および形状の穴230および270の封止にどのように有利に作用するのかを示している。これは、少なくとも一部には、欠損占有部140が組織の穴230および270の外周組織に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力をもたらす並置力は、欠損占有部140ではなく、実質的に並置部120および封止部130により加えられる。態様によっては、並置部120および封止部130により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置200は、被覆材210が組織の穴230および270を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。例えば、被覆材210は封止部130に接して設けられ、並置部120と欠損占有部140には接しないように設けられていてもよい。しかしながら、態様によっては、被覆材210は、封止部130に加えて、並置部120および/または欠損占有部140の全体または一部に接して設けられていてもよい。
一例示的な態様では、組織封止装置200を用いて、身体の内腔(例えば、腸または血管)の壁の欠損を閉塞/封止する。このような場合、被覆材210を有する封止部130が身体の内腔内に位置するように組織封止装置200を展開する。その配置で、身体の内腔内に含まれる材料を閉塞、すなわち、身体の内腔から漏れるのを防ぐ。また、その配置で、組織封止装置200は、内腔材料を欠損から分離する。状況によっては、この分離により欠損を治癒することができる。というのは、生体材料と欠損の接触は、場合によっては欠損の周りの組織の治癒過程を阻害または防止する傾向があるためである。例えば、大腸内の糞便物質は、大腸壁の穴の治癒過程を阻害する傾向がある。このような状況では、組織封止装置200は、被覆材210が大腸壁の穴を覆うように大腸内に一時的に埋め込まれてもよい。その結果、糞便物質が大腸から出て身体の他の部分を汚染しないように組織封止装置200により穴が封止されて、組織の治癒過程が阻害されないように穴の周りの組織が糞便物質から分離される。穴が治癒および/または閉鎖した後、組織封止装置200またはその一部を患者から取り出してもよい。あるいは、組織封止装置200またはその一部は、身体により自然に放出されてもよい。態様によっては、組織封止装置200は永久に埋め込まれていてもよい。
また、態様によっては、組織封止装置200の一部は回収可能であり、他の一部は欠損部位に残る。例えば、態様によっては、被覆材210の一部は、組織の内殖または内皮化のための足場材料を提供して、欠損の治癒を可能にすることがある。従って、被覆材210のこのような部分を組織封止装置200とは分離させて、組織封止装置200の他の部分が患者の身体から回収される際に欠損部位に留まっていてもよい。態様によっては、組織封止装置200またはその一部は、組織封止装置200の構造が経時的に悪化するような生吸収性である。例えば、そのような態様によっては、長尺部材110の一部は生吸収により悪化してもよい。そして、その後で組織封止装置200の他の一部が胃腸管から自然に放出されるか、あるいは回収されてもよい。場合によっては、長尺部材110は、身体から取り出す前に1つ以上の位置で切断する必要がある場合があってもよい。これは、例えば、組織の成長が長尺部材110の一部を巻き込んでいるような場合であり得る。
態様によっては、被覆材210は、血液、他の体液および物質の通りを阻害または低減する膜状材料からできている。態様によっては、被覆材210は、被覆材210への内皮化および組織の内殖を阻害または防止する材料組成および構成を有する。このような特徴は、例えば、組織封止装置200が患者に一時的に埋め込まれて、その後患者から回収されることを意図している場合に利点がある場合がある。
態様によっては、被覆材210またはその一部は、耐久性のある封止および/または封止装置の固定強度を大きくするため、内皮化を促進し、かつ/または組織内殖足場材料を提供する微多孔性構造を有する。このような特徴は、例えば、組織封止装置200が患者に長期に亘って、あるいは永久に埋め込まれることを意図している場合に利点がある場合がある。
態様によっては、被覆材210は延伸ポリ四フッ化エチレン(ePTFE)重合体などのフルオロ重合体を含む。態様によっては、被覆材210は、ポリエステル、シリコーン、ウレタン、他の生体適合性重合体、ダクロン、生体吸収性系、共重合体、またはこれらの組み合わせを含む。
態様によっては、組織封止装置200および他の組織封止装置の態様で用いられる被覆材210またはその一部は、材料の1つ以上の特性を向上させる1つ以上の化学または物理過程により変性されている。例えば、態様によっては、被覆材210に親水性被膜を施して、材料210の濡れ性を向上させ、透光性を高めてもよい。態様によっては、被覆材210またはその一部は、内皮細胞付着、内皮細胞移行、内皮細胞増殖、および血栓形成の耐性または促進の1つ以上を促進する化学部分で変性されていてもよい。態様によっては、被覆材210またはその一部は、1種以上の共有結合薬物(例えば、ヘパリン、抗生物質など)で変性または含浸されていてもよい。これらの薬物をその場で放出して、治癒を促進し、組織の炎症を低減し、感染を低減または阻害し、様々な他の治療法および転帰を促進してもよい。態様によっては、この薬物としていくつか例を挙げると、コルチコステロイド、ヒト成長因子、抗有糸分裂薬、抗血栓剤、幹細胞材料、またはデキサメタゾンリン酸ナトリウムなどである。態様によっては、被覆材210から標的部位に薬剤を個別に送達して、組織欠損の治癒を促進する。
被覆材210が組織封止装置200の枠100に接合または配置される前または後に被膜および処理を被覆材210に施してもよい。また、被覆材210またはその一部の一方または両方の面を被覆してもよい。態様によっては、組織封止装置200のいくつかの部分に配置された材料に特定の被膜および/または処理を施し、組織封止装置200の他の部分に配置された材料に他の被膜および/または処理を施す。態様によっては、複数の被膜および/または処理の組み合わせを被覆材210またはその一部に施す。態様によっては、組織封止装置200の特定の部分は、被覆および/または処理を施さないままである。
態様によっては、被覆材210の第一の部分は第一の材料から形成され、被覆材210の第二の部分は第二の材料から形成される。態様によっては、被覆材210は、同じであっても異なっていてもよい材料からなる複数の層で構成されている。態様によっては、被覆材210の一部には、組織封止装置200の生体内でのX線造影を向上させる1種以上のX線不透過性マーカーが付けられている。
態様によっては、被覆材210の少なくとも一部は、封止部130の長尺部材110に取り付けられている。この取り付けは、例えば、被覆材210を封止部130に縫い付ける、被覆材210を封止部130に付着させる、被覆材210の複数の層を積層して封止部130を包含する、クリップまたは掛け具を用いる、このような他の技術をまたはこれらの組み合わせなど様々な技術により達成されてもよい。態様によっては、封止部130の長尺部材110またはその一部を接着剤(例えば、フッ化エチレンプロピレン(FEP))または被覆材210を封止部130に接着する他の好適な接着剤で被覆してもよい。接着剤は、接触塗工、粉末塗工、含浸塗工、噴霧塗工、または任意の他の適切な手段により施してもよい。これにより、封止部130は、そうでなければ比較的柔らかい被覆材210に支持構造的な骨組みをもたらす。
組織封止装置200の設計は、例えば、胃腸管の動的な蠕動運動環境など、組織封止装置200が用いられることがあるいくつかの組織環境が動的であるという事実にもかかわらず身体の内腔壁の欠損の耐久性のある持続する封止を容易にする。組織封止装置200は、そのような動的環境でも封止を容易にする設計特徴部を含む。例えば、組織封止装置200は非常に柔軟性があり、従って、不規則な組織表面形状に非常によく一致する。さらに、並置部120および封止部130により加えられる並置力は、その場の装置の形状および/または直径から実質的に独立している。態様によっては、長尺部材110は1つ以上の補助組織固定要素 (例えば、留め具、掛け具、突起、組織を傷つけない部材、および/または貫通部材、およびこれらの組み合わせ)を含む。このような固定特徴部は身体内での組織封止装置200の固定力および抗移行力を高めることができる。
さらに以下で記載するように、組織封止装置200の構成(および本明細書で提供される他の組織封止装置の態様および吻合装置の態様)と、長尺部材110の柔軟性および弾性により、組織封止装置200を経カテーテルにより展開することができるようになっている。すなわち、態様によっては、組織封止装置200は、送達カテーテルまたは鞘の内腔内に一時的に収納するために弾性的に薄い形状の構成に畳んでもよい。組織封止装置200を展開するため、典型的にはX線造影(例えば、X線透視法)または直接視覚化をするための内視鏡光学機器を用いて薄い形状の構成の組織封止装置200を収納する鞘を患者の身体内に挿入し、標的部位に向ける。標的部位では、組織封止装置200を(例えば、プッシャー型カテーテルを用いて)鞘から押し出して解放し、その後、組織封止装置200は自己展開する、あるいは拡大した構成に展開させられる。例えば、図1Aおよび図1Bは、枠100は、外部の拘束力(例えば、送達鞘からの力)の非存在下で自然に向かう傾向にある拡大した構成の組織封止装置200の枠100を示している。
自明であるが、組織封止装置200 (および本明細書で記載する他の装置)を患者の身体内で展開すると、典型的には例えば、組織封止装置200が位置する組織および組織の穴組織封止装置200に拘束力が加わる。これらの拘束力のため、身体内の組織封止装置200の形状は、本開示の図面に示す形状とは異なる傾向にある場合がある。換言すれば、組織封止装置200を身体内で展開すると、組織封止装置200は、その元の完全に拡大した構成に展開しようとするが、組織封止装置200は標的部位の組織の外形により抑制されるかもしれない。このような状況では、組織封止装置200の形状は組織の外形に一致する傾向がある。
組織封止装置200が標的部位で元の形状に展開した後、組織の外形は経時的に変化してもよい。例えば、組織封止装置200を胃腸管内で展開させると、腸の蠕動波運動が標的部位の組織の外形を変化させる場合がある。このような状況では、組織封止装置200の柔軟性および弾性により、長尺部材110の形状は適応することができる。これにより、被覆材210と組織欠損の周りの組織との進行中の復元性のある接触を容易にする。
図3Aおよび図3Bに示すように、他の例示的な組織封止装置の枠400は長尺部材410を含む。長尺部材410は、並置部420、封止部430、および欠損占有部440を形成する。欠損占有部440は、並置部420と封止部430の間に配置されている。欠損占有部440は、1つ以上の組織層の開口部または穴を横断するようになっている。並置部420および封止部430はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっている。態様によっては、長尺部材410は、枠400を規定するように形成された単一の連続した針金を含む。長尺部材410は、並置部420を含む並置花弁体422、および封止部430を含む封止花弁体432を規定する。図示の態様では、並置花弁体422および封止花弁体432は、本質的に三角形の形状である。態様によっては、様々な異なる形状および/または異なる形状の組み合わせを花弁体422および432に用いてもよい。
枠400は、上記の枠100に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよい。しかしながら、(前述の花弁体422および432の形状に加えて)1つの違いは、長尺部材410の折れ曲がりパターンが隣接する花弁体422および432と部分的に重なっていることである。明確に言うと、長尺部材410は、個々の並置花弁体422は、その両側が隣接する並置花弁体422と部分的に重なるように形成されている。同様に、長尺部材410は、個々の封止用花弁体432の両側が隣接する封止花弁体432と部分的に重なるように形成されている。態様によっては、隣接する封止花弁体432のこのような重なりにより密封性を高めてもよい。
本明細書の記載から明らかであるが、枠400の並置部420および封止部430の寸法および形状は、図示の態様では同様である。しかしながら、このような類似性は必要ではない。例えば、非限定的な一例では、組織封止装置の枠は枠100の針金ループ122からなる並置部(図1Aおよび図1Bを参照のこと)、および枠400の封止花弁体432からなる封止部を含んでいてもよい。組織封止装置の一態様の形状、寸法、パターン、構成要素、特徴部などのすべての組み合わせを、本明細書で記載する他のすべての組織封止装置の態様の他のすべての形状、寸法、パターン、構成要素、特徴部などと組み合わせて、本明細書で記載する個々の態様に加えて、ハイブリッド型組織封止装置のバージョンを多数作成してもよい。
図4に示すように、被覆材510は、封止部430を含む長尺部材410の少なくとも一部の表面または周りに配置され、かつ/またはそれに取り付けられてもよい。被覆材510を封止部430の封止花弁体432に取り付けて、例示的な組織封止装置500を作成してもよい。図4に示す組織封止装置500は組織の穴530を封止している。
被覆材510は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材510は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように長尺部材410に取り付けられてもよい。
例示的な組織の穴530は概ね円形に描画されているが、組織封止装置500(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴530の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、部分的には、欠損占有部440が組織の穴530に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力のための並置力は、欠損占有部440ではなく、実質的に並置部420および封止部430により加えられる。事実、態様によっては、並置部420および封止部430により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置500は、被覆材510が組織の穴530を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっている。図4に示す態様では、被覆材510は封止部430に接して設けられ、並置部420と欠損占有部440には接しないように設けられている。しかしながら、態様によっては、被覆材510は、封止部430に加えて、並置部420および/または欠損占有部440の全体または一部に接して設けられていてもよい。
図3A、図3Bに示すように、態様によっては、巻き付け用の型を用いて長尺部材410を上述の形状に巻き付け、枠400を作成してもよい。態様によっては、長尺部材410を型に巻き付けた後、組立体を加熱して、型に巻き付けたような枠400の形状に対応する長尺部材410の形状記憶を誘導してもよい。また、長尺部材410の2つの自由端を上述のように接合してもよい。
図6に示すように、他の例示的な組織封止装置800は枠700および被覆材810を含む。被覆材810は、少なくとも枠700の封止部730に接して配置されている。図示の組織封止装置800は例示的な組織の穴830を封止している。
長尺部材710は、並置部720、封止部730、および欠損占有部740を含む枠700を形成している。図5および図6に示す態様では、並置部720および封止部730は互いに鏡像である。しかしながら、このような鏡像関係であることは必要ではない。従って、態様によっては、並置部720と封止部730は異なるように構成されている。欠損占有部740は並置部720と封止部730の間に配置されている。また、欠損占有部740は、1つ以上の組織層の欠損または穴830を横断するようになっている。並置部720および封止部730はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっている。
態様によっては、長尺部材710は、枠700を形成するように曲げられた単一の連続した針金を含む。長尺部材710は、並置部720を形成する並置花弁体722および封止部730を形成する封止花弁体732を規定する。図5および図6に示す態様では、並置花弁体722および封止花弁体732は本質的に台形形状である。他の態様では、異なる形状および異なる形状の組み合わせを花弁体722および732に用いてもよい。
枠700は、上記の枠100および400に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよい。しかしながら、(花弁体722および732の形状に加えて)1つの違いは、長尺部材710の折れ曲がりパターンが周辺枠724となっていることである。明確に言うと、長尺部材710は、長尺部材710の結合部分が並置部周辺枠724を規定するように巻き付けられている。同様に、長尺部材710は長尺部材710の結合部分が封止部周辺枠734を規定するように巻き付けられている。態様によっては、封止部周辺枠734を有すると密封性が高まる場合がある。
本明細書の記載から自明であるが、枠700の並置部720および封止部730の寸法および形状は同じであってもよいが、そのような類似性は必要ではない。例えば、非限定的な一例では、組織封止装置の枠は、枠100の針金ループ122を含む並置部(図1Aおよび図1Bを参照のこと)、封止花弁体732からなる封止部、および枠700の封止部周辺枠734を含んでいてもよい。自明であるが、組織封止装置の一態様の形状、寸法、パターン、構成要素、特徴部などのすべての組み合わせを、他のすべての組織封止装置の態様の任意の他の形状、寸法、パターン、構成要素、特徴部などと組み合わせて、本明細書で記載する個々の態様に加えて、ハイブリッド型組織封止装置のバージョンを多数作成してもよい。
被覆材810は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材810は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように長尺部材710に取り付けられている、あるいは配置されていてもよい。
例示的な組織の穴830は概ね円形に描画されているが、組織封止装置800(および本明細書で記載する他の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴830の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、部分的には、欠損占有部740が組織の穴830に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力のための並置力は、欠損占有部740ではなく、実質的に並置部720および封止部730により加えられる。事実、態様によっては、並置部720および封止部730により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置800は、被覆材810が組織の穴830を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっている。図示の態様では、被覆材810は封止部730に接して設けられ、並置部720と欠損占有部740には接しないように設けられている。しかしながら、態様によっては、被覆材810は、封止部730に加えて、並置部720および/または欠損占有部740の全体または一部に接して設けられていてもよい。
図5および図6に示すように、態様によっては、巻き付け用の型を用いて長尺部材710を上述の形状に巻き付けて枠700を作成してもよい。長尺部材710を型に巻き付けた後、組立体を加熱して、型に巻き付けたような枠700の形状に対応する長尺部材710の形状記憶を誘導してもよい。また、長尺部材710の2つの自由端を上述のように接合してもよい。
図7、図8A~図8C、および図9A~図9Dに示すように、他の例示的な組織封止装置1100は枠1000および被覆材1110を含む。被覆材1110は、少なくとも枠1000の封止部1030の表面に設けられている。図示の組織封止装置1100は例示的な組織の穴1230を封止している。図7は、被覆材1110を取り付ける前の枠1000を示している。
長尺部材1010は、並置部1020、封止部1030、および欠損占有部1040を含む枠1000を形成する。図示の態様では、長尺部材1010は、並置部1020と封止部1030が互いに鏡像であるように形成されているが、このような鏡像関係であることは必要ではない。従って、態様によっては、並置部1020と封止部1030は異なるように構成されている。欠損占有部1040は並置部1020と封止部1030の間に配置されている。また、欠損占有部1040は1つ以上の組織層の欠損または穴1230を横断するようになっている。並置部1020および封止部1030はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっている。
態様によっては、長尺部材1010は、枠1000の形状に形成された単一の連続した針金を含む。長尺部材1010は、並置部1020を形成する1つ以上の並置花弁体1022、および封止部1030を形成する1つ以上の封止花弁体1032を規定する。図示の態様では、並置花弁体1022および封止花弁体1032は、欠損占有部1040から半径方向に伸びる直線部、および花弁体1022および1032の自由端で直線部から伸びる本質的にダイアモンド形状の外部を含む。態様によっては、異なる形状および/または異なる形状の組み合わせを花弁体1022および1032に用いてもよい。
枠1000は、上記の枠100、400、および700に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよい。しかしながら、(上述のような花弁体1022および1032の形状に加えて)1つの違いは、並置部1020および封止部1030が穴1230の周りの組織の表面により大きな並置力を加えることができるようになっていることである。これは、(図10から最もよく分かるように)元の圧力が加えられていない状態で枠1000の並置花弁体1022および封止花弁体1032が互いに重なりあうようになっているためである。換言すれば、並置花弁体1022および封止花弁体1032は、並置花弁体1022の自由端が封止部1030の領域に位置し、封止花弁体1032の自由端が並置部1020の領域に位置するように互いに反対方向に凹んだ形状を有するようになっている。この並置花弁体1022と封止花弁体1032の交差(または重なり)により、並置花弁体1022および封止花弁体1032により穴1230の周りの組織の表面に加えられる並置力を高める場合がある。従って、態様によっては、組織封止装置1100は高められた一致性、封止力、および抗移行力を示す傾向がある場合がある。
被覆材1110を封止部1030に取り付けると、封止部1030(上記のような凹んだ形状に形成された)は部分的または完全に平坦になってもよい。換言すれば、図9Bに例示されているように、封止部1030は被覆材1110を封止花弁体1032に施した後に概ね平面状になってもよい。しかしながら、態様によっては、封止部1030は被覆材1110を封止花弁体1032に施した後に凹んだままであってもよい(例えば、図9Dを参照のこと)。
本明細書の記載から自明であるように、枠1000の並置部1020および封止部1030の寸法および形状は図示の態様では同じであるが、このような類似性は必要ではない。例えば、非限定的な一例では、組織封止装置の枠は、枠100の針金ループ122を含む並置部(図1Aおよび図1Bを参照のこと)および枠1000の封止花弁体1032を含む封止部を含んでいてもよい。
被覆材1110は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材1110は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように長尺部材1010に取り付けられていてもよい。
例示的な組織の穴1230は概ね円形に描画されているが、組織封止装置1100(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴1230の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、部分的には、欠損占有部1040が組織の穴1230に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力のための並置力は、欠損占有部1040ではなく、並置部1020および封止部1030に加えられる。事実、態様によっては、実質的に並置部1020および封止部1030により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置1100は、被覆材1110が組織の穴1230を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。図8Aおよび図8Cに示す態様では、被覆材1110は、封止部1030に接して設けられ、並置部1020と欠損占有部1040には接しないように設けられている。しかしながら、態様によっては、被覆材1110は、封止部1030に加えて、並置部1020および/または欠損占有部1040の全体または一部に接して設けられていてもよい。
図9Cおよび図9Dは、身体の内腔壁の欠損を治療する組織封止装置1100を示す。身体の内腔壁は、元々湾曲(すなわち、非平面状の表面)を有する。図9Cおよび図9Dに示すように、並置部1020は凸曲線の組織壁と接触し(図9Cを参照のこと)、封止部1030は凹曲線の組織壁と接触している(図9Dを参照のこと)。従って、組織封止装置1100は、湾曲しているまたは非平面状である身体の内腔壁および他の組織表面の欠損を封止するのに非常に適している。
ここで図9Dから分かるように、被覆材1110は穴1230を覆って、穴1230の周りの内腔壁組織の1つ以上の部分と接触している。この構成では、被覆材1110は、穴1230を修復する身体の治癒過程により生成した組織を支持する足場材料を与えることができる。換言すれば、被覆材1110は、穴1230を小さくする組織の再成長を物理的に支持してもよい。場合によっては、穴1230は、腸の全厚みの切除によりできるかもしれない。他の場合では、他の種類の生体組織または他の種類の欠損原因を上記のように治療してもよい。
長尺部材1010を適切な巻き付け用の型1300を用いて上記の形状に巻き付けて枠1000を作成してもよい。型に長尺部材1010を巻き付けた後、組立体を加熱して、型に巻き付けられたような枠1000の形状に対応する長尺部材1010の形状記憶を誘導してもよい。また、長尺部材1010の2つの自由端を上述のように接合してもよい。
図10A、図10B、図11A、および図11Bに示すように、他の例示的な組織封止装置1400は枠1410および被覆材1412を含む。被覆材1412は少なくとも枠1410の封止部1430の表面に配置されている。図示の組織封止装置1400は例示的な組織の穴1530を封止している。
枠1410は、並置部1420、封止部1430、および欠損占有部1440を含む。図示の態様では、並置部1420と封止部1430は異なるように構成されている。すなわち、並置部1420は1つ以上の幅の細い針金ループ1422を含み、封止部1430は1つ以上の幅の広い花弁体1432を含む。欠損占有部1440は、並置部1420と封止部1430の間に配置されている。また、欠損占有部1440は1つ以上の組織層の欠損または穴1530を横断するようになっていてもよい。また、並置部1420および封止部1430はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっていてもよい。
態様によっては、枠1410は枠1410を形成するように曲げられた単一の連続した針金を含む。枠1410は、並置部1420を形成する並置針金ループ1422、および封止部1430を形成する封止花弁体1432を規定する。図示の態様では、並置針金ループ1422は本質的に指のような形状であり、封止花弁体1432は中央欠損占有部1440から伸びる直線部の端で本質的にダイアモンドのような形状である。態様によっては、異なる形状および異なる形状の組み合わせを針金ループ1422および花弁体1432に用いてもよい。並置針金ループ1422と封止花弁体1432に異なる形状を用いると、封止部1430の構成とは独立して並置部1420の構成を個々に最適化する機会が得られるという利点がある場合がある。例えば、並置部1420は、不規則な組織の表面形状に対する潰れ方または一致性が最適化されており、封止部1430は封止力が最適化されていてもよい。態様によっては、他の性能特性または性能特性の組み合わせは、並置部1420および封止部1430それぞれの最適化に応じて選択してもよい。
枠1410は、上記の枠100、400、700、および1000に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよい。例えば、枠1410の折れ曲がりパターンにより、封止部1430の周辺枠を規定する。また、並置部1420の並置針金ループ1422および封止部1430の封止花弁体1432は並置力を高めるために重なり(交差)を有するように形成されている。被覆材1412は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材1412は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように枠1410に取り付けられていてもよい。
例示的な組織の穴1530は概ね円形に描画されているが、組織封止装置1400(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴1530の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、部分的には、欠損占有部1440が組織の穴1530に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力のための並置力は、欠損占有部1440ではなく、並置部1420および封止部1430により加えられる。事実、態様によっては、実質的に並置部1420および封止部1430により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとする。
組織封止装置1400は、被覆材1412が組織の穴1530を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。図10Aおよび図10Bに示す態様では、被覆材1412は、封止部1430に接して設けられ、並置部1420と欠損占有部1440とは接しないように設けられている。しかしながら、態様によっては、被覆材1412は、封止部1430に加えて、並置部1420および/または欠損占有部1440の全体または一部に接して設けられていてもよい。
図12に示すように、他の例示的な組織封止装置1600は、1つ以上の並置針金ループ1622および1つ以上の封止花弁体1632を規定する枠1610を含む。態様によっては、被覆材1612は封止花弁体1632の少なくとも一部に配置されている。
態様によっては、組織封止装置1600は、組織封止装置1400の特性および特徴のすべてを含む。また、組織封止装置1600の並置針金ループ1622は、並置針金ループ1622の自由端に環1624を含む。態様によっては、環1624は、枠1610の巻き付け過程の一部として一体形成されている。態様によっては、環1624は、後で枠1610に取り付けられる個別の構成要素として形成されている。自明であるが、環1624は、本明細書で提供される組織封止装置の態様および吻合装置の態様のすべての態様と組み合わせてもよい。態様によっては、環1624は、枠1610の他の位置に配置されていてもよく、これより多いまたは少ない環1624が含まれていてもよい。例えば、態様によっては、並置針金ループ1622に配置された環1624を有する代わりに、あるいはこれに加えて、環1624を封止花弁体1632に配置してもよい。
態様によっては、閉じるかぴんと張る、またはその両方ができるループを形成するように柔軟性部材1640を環1624のそれぞれに通す。柔軟性部材1640は紐、針金、ストラップ、縫合糸などであってもよい。態様によっては、柔軟性部材1640は重合体材料でできていてもよい。重合体材料としては、これらに限定されないが、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、絹などが挙げられる。態様によっては、柔軟性部材1640は金属材料からできていてもよい。金属材料としては、これらに限定されないが、ニチノール、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。追加の態様では、柔軟性部材1640は材料の組み合わせからできていてもよい。柔軟性部材1640は、単一フィラメント、撚り糸、編組撚り糸などからできていてもよい。態様によっては、柔軟性部材1640は、1つ以上の環1624に取り付けられていてもよく、また他の環1624に摺動して掛けてあってもよい。態様によっては、柔軟性部材1640は環1624のすべてに摺動して掛けてある。
柔軟性部材1640を引っ張る(ぴんと張る)と、巾着効果を生じる場合がある。すなわち、柔軟性部材1640を引っ張ると、並置針金ループ1622を互いに寄せることができる。組織封止装置1600を鞘の内腔に設置する目的で装置1600を潰して薄い形状の構成にする過程の一部として、このような動作を行うことは利点がある場合がある。このような動作は、まず装置1600を送達鞘内に設置する際、その場で装置1600を回収して、経カテーテル取り出し技術を用いて身体から回収し取り出す際に行ってもよい。例えば、組織封止装置1600を回収鞘に挿入するために、把持具を用いて柔軟性部材1640に張力をかけて潰し、薄い形状の構成にしてもよい。
例えば、身体から組織封止装置1600を回収したい場合、把持具を含む回収鞘を患者の身体内の組織封止装置1600の位置に送ってもよい。把持具を用いて、一時的に柔軟性部材1640と連結してもよい。その後、把持具を組織封止装置1600から後退させながら、張力を柔軟性部材1640に加える。把持具によって生じる柔軟性部材1640の張りと変位により、並置針金ループ1622は潰れて薄い形状の構成になる。把持具をさらに(回収鞘内までを含む)後退させながら、並置針金ループ1622を回収鞘の遠位端内に引き込む。回収鞘の遠位端部分には漏斗が含まれていてもよい。この漏斗は、回収鞘の遠位先端に幅の広い初期開口部をもたらして、並置針金ループ1622のすべての部分の捕捉を容易にする。把持具をさらに後退させながら、組織封止装置1600全体を回収鞘の内腔内に引き込んでもよい。次いで、組織封止装置1600を含む回収鞘を患者から取り出してもよい。所望であれば、本明細書で提供される任意の組織封止装置の態様は、様々な種類および構成の回収特徴部(例えば、柔軟性部材1640など)を含んでいてもよい。
図13Aおよび図13Bに示すように、組織封止装置1600(および本明細書で提供される他の組織封止装置の態様および吻合装置の態様のうちのいくつかの態様)は、鞘1700の内腔内に収納するための薄い形状の構成を有していてもよい。鞘1700は、身体内に最初に組織封止装置1600を設置するのに用いられてもよく、あるいは身体から組織封止装置1600をその場で回収するために鞘1700を用いてもよい。組織封止装置1600は、鞘1700の内腔内に収納することから発生する拘束力を除去すると自己展開するようになっていてもよい。すなわち、組織封止装置1600は、ひとたび鞘1700から解放されると自己展開してもよい。組織封止装置1600が鞘1700内に収まるような薄い形状の(つぶれた)構成にするため、態様によっては、組織封止装置1600の一部を1回以上折りたたんでもよい。
態様によっては、外径が約15Fr(5mm)の鞘1700を用いてもよい。しかしながら、態様によっては、15Frより小さい、あるいは大きい鞘を用いてもよい。態様によっては、例えば、6Fr、7Fr、8Fr、9Fr、10Fr、11Fr、12Fr、13Fr、14Fr、16Fr、17Fr、18Fr、19Fr、20Fr、および20Frより大きい外径を有する鞘を用いてもよい。
態様によっては、プッシャー型カテーテル1710は、摺動可能に鞘1700の内腔内に配置される。プッシャー型カテーテル1710は、例えば、臨床医のオペレータにより手動で用いられてもよく、鞘1700の遠位先端が身体内の標的埋め込み部位の所望の位置に来ると、鞘1700の内腔から組織封止装置1600を押し出して、組織封止装置1600を展開する。
図13Aおよび図13Bに示す構成では、並置部は、封止部の近位にある鞘1700の内腔内に収納されている。換言すれば、鞘1700から組織封止装置1600を展開すると、並置部が現れる前に組織封止装置1600の封止部が現れる。状況によっては、組織封止装置1600の鞘1700に対する向きを考慮した方向から標的組織欠損に接近することが重要な場合がある。例えば、身体の内腔壁の欠損を組織封止装置1600を用いて治療する際に、一般に(身体の内腔内に身体内腔の内容物を封止するため)封止部は身体の内腔に配置されることになる。従って、組織封止装置1600の鞘1700に対する向きが図13Aおよび図13Bに示すような向きであると、身体内腔への接近は(例えば、腹腔鏡により)身体内腔の外側からになる。この場合、封止部は、封止部が身体内腔の内側に配置されるように欠損を通して展開されてもよい。次いで、鞘1700を引き戻して、並置部を身体内腔の外表面に適切に配置してもよい。
他の構成では、組織封止装置1600は、封止部が並置部の近位にあるように鞘1700内に収納されてもよい。この構成では、身体内腔の欠損への接近は、(例えば、内視鏡技術を用いて)内腔内から行ってもよい。この場合、並置部は、並置部が身体内腔の外側に配置されるように欠損を通して展開してもよい。次いで、鞘1700を引き戻して、封止部を身体内腔の内表面に適切に配置してもよい。
組織封止装置1600を展開する医療手順によっては、展開過程は、X線造影または他の画像診断法を用いて行われる。上述のように、組織封止装置1600および本明細書で提供される他の装置の態様のうちのいくつかの態様は、展開後に回収可能である。従って、初期展開位置が満足でないと見なされると、組織封止装置1600を完全にまたは部分的に鞘1700内に回収して、より望ましい位置に再展開してもよい。
図14Aおよび図14Bに示すように、他の例示的な組織封止装置1800は枠1810および被覆材1812を含む。被覆材1812は少なくとも枠1810の封止部1830の表面に配置されている。図示の組織封止装置1800は、例示的な組織の穴1850を封止している。
枠1810は、並置部1820、封止部1830、およびその間に配置された欠損占有部を含む。図14Aおよび図14Bに示す態様では、並置部1820と封止部1830は異なるように構成されている。すなわち、並置部1820は1つ以上の幅の細い針金ループ1822を含み、封止部1830は1つ以上の幅の広い花弁体1832を含む。並置部1820および封止部1830はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっていてもよい。
態様によっては、枠1810は、枠1810を形成するように曲げられた単一の連続した針金を含む。枠1810は、並置部1820を形成する並置針金ループ1822、および封止部1830を形成する封止花弁体1832を規定する。図示の態様では、並置針金ループ1822は本質的に指のような形状であり、封止花弁体1832は本質的に円の扇形のような形状である。態様によっては、1つ以上の花弁体1832の各花弁体1832は、一般に、隣接する花弁体1832の少なくとも一部と当接するようになっているが、隣接する花弁体1832と重なってはいない。態様によっては、1つ以上の花弁体1832は、隣接する花弁体1832と分離するようになっていてもよい。態様によっては、1つ以上の花弁体1832は、隣接する花弁体1832と少なくとも部分的に重なるようになっていてもよい。
態様によっては、異なる形状および異なる形状の組み合わせを針金ループ1822および花弁体1832に用いてもよい。並置針金ループ1822と封止花弁体1832に異なる形状を用いると、封止部1830の構成とは独立して並置部1820の構成を個々に最適化する機会が得られるという利点がある場合がある。例えば、態様によっては、並置部1820は、不規則な組織の表面形状に対する潰れ方および一致性が最適化されており、封止部1830は封止力が最適化されていてもよい。態様によっては、他の性能特性または性能特性の組み合わせは、並置部1820および封止部1830のそれぞれの最適化に応じて選択してもよい。
枠1810は、上記の枠100、400、700、1000、1400、および1600に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよい。例えば、枠1810の折れ曲がりパターンにより、封止部1830の周辺枠が規定される。被覆材1812は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材1812は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように枠1810に取り付けられていてもよい。
組織の穴1850は概ね円形に描画されているが、組織封止装置1800(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴1850の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、部分的には、封止と抗移行力のための並置力が、欠損占有部ではなく、実質的に並置部1820および封止部1830により加えられるために達成される。事実、態様によっては、並置部1820および封止部1830により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置1800は、被覆材1812が組織の穴1850を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。図示の態様では、被覆材1812は、封止部1830に接して設けられ、並置部1820と欠損占有部には接しないように設けられている。しかしながら、態様によっては、被覆材1812は、封止部1830に加えて、並置部1820および/または欠損占有部の全体または一部に接して設けられていてもよい。
組織封止装置1800の並置針金ループ1822は、並置針金ループ1822の自由端付近に環1824を含む。態様によっては、環1824は、枠1810の巻き付け過程の一部として一体形成されている。態様によっては、環1824は、後で枠1810に取り付けられる個別の構成要素として形成されている。自明であるが、環1824を本明細書で提供される組織封止装置のすべての態様と組み合わせてもよい。態様によっては、環1824は、枠1810の他の位置に配置されてもよく、これより多いまたは少ない環1824が含まれていてもよい。例えば、態様によっては、並置針金ループ1822に配置された環1824を有する代わりに、あるいはこれに加えて、環1824を封止花弁体1832に配置してもよい。
態様によっては、閉じるかぴんと張る、またはその両方ができるループを形成するように柔軟性部材1860を環1824のそれぞれに通す。柔軟性部材1860は紐、針金、ストラップ、縫合糸などであってもよく、上記の柔軟性部材1640に関して記載した材料からできていてもよい。態様によっては、柔軟性部材1860は、1つ以上の環1824に取り付けられていてもよく、また他の環1824に摺動して掛けてあってもよい。態様によっては、柔軟性部材1860は、環1824のすべてに摺動して掛けてある。
柔軟性部材1860を引っ張る(ぴんと張る)と巾着効果を生じる場合がある。すなわち、柔軟性部材1860を引っ張ると、並置針金ループ1824を互いに寄せることができる。組織封止装置1800を鞘の内腔に設置するために組織封止装置1800を潰して薄い形状の構成にするのにこのような動作を行ってもよい。このような潰す動作は、まず装置1800を送達鞘内に設置する際、その場で装置1800を回収して、経カテーテル取り出し技術を用いて身体から回収し取り出す際に有用な場合がある。
図15Aおよび図15Bに示すように、他の例示的な組織封止装置1900は枠1910および被覆材1912を含む。被覆材1912は、少なくとも枠1910の封止部1930の表面に配置されている。図示の組織封止装置1900は、例示的な組織の穴1950を封止している。
枠1910は、並置部1920、封止部1930、およびこれらの間に配置された欠損占有部を含む。図示の態様では、並置部1920と封止部1930は異なるように構成されている。すなわち、並置部1920は1つ以上の幅の狭い針金ループ1922を含み、封止部1930は1つ以上の幅の広い花弁体1932を含む。並置部1920および封止部1930はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっていてもよい。
態様によっては、枠1910は、枠1910を形成するように曲げられた単一の連続した針金を含む。枠1910は、並置部1920を形成する並置針金ループ1922、および封止部1930を形成する封止花弁体1932を規定する。図示の態様では、並置針金ループ1922は本質的に長尺針金ループのような形状であり、封止花弁体1932は本質的に涙の雫のような形状である。態様によっては、1つ以上の花弁体1932の各花弁体1932は、一般に隣接する花弁体1932の少なくとも一部に当接するようになっているが、隣接する花弁体1932と重なってはいない。追加の態様では、1つ以上の花弁体1932は隣接する花弁体1932と分離するようになっている。態様によっては、1つ以上の花弁体1932は、隣接する花弁体1932と少なくとも部分的に重なり合っている。
態様によっては、異なる形状と異なる形状の組み合わせを針金ループ1922と花弁体1932に用いてもよい。並置針金ループ1922と封止花弁体1932に異なる形状を用いると、封止部1930の構成とは独立して並置部1920の構成を個別に最適化する機会が得られるという利点がある場合がある。
枠1910は、上記の枠100、400、700、1000、1400、1600、および1800に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよい。例えば、枠1910の折れ曲がりパターンにより、封止部1930の周辺枠が規定される。被覆材1912は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材1912は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように枠1910に取り付けられていてもよい。
例示的な組織の穴1950は概ね円形に描画されているが、組織封止装置1900(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴1950の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。
組織封止装置1900は、被覆材1912が組織の穴1950を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。図15Aおよび図15Bに示す態様では、被覆材1912は封止部1930に接して設けられ、並置部1920と欠損占有部には接しないように設けられている。しかしながら、態様によっては、被覆材1912は、封止部1930に加えて、並置部1920および/または欠損占有部の全体または一部に接して設けられていてもよい。
組織封止装置1900の並置針金ループ1922は、並置針金ループ1922の自由端付近に環1924を含む。態様によっては、環1924は、枠1910の巻き付け過程の一部として一体形成されている。態様によっては、環1924は、後で枠1910に取り付けられる個別の構成要素として形成されている。自明であるが、環1924を本明細書で提供される組織封止装置のすべての態様と組み合わせてもよい。態様によっては、環1924は枠1910の他の位置に配置されており、これより多いまたは少ない環1924が含まれていてもよい。例えば、態様によっては、並置針金ループ1922に配置された環1924を有する代わりに、あるいはこれに加えて、環1924を封止花弁体1932に配置してもよい。
態様によっては、閉じるかぴんと張る、または両方ができるループを形成するように柔軟性部材1960を環1924に通す。柔軟性部材1960は紐、針金、ストラップ、縫合糸などであってもよく、上記の柔軟性部材1640に関して記載した材料からできていてもよい。態様によっては、柔軟性部材1960は、1つ以上の環1924に取り付けられていてもよく、また他の環1924に摺動して掛けてあってもよい。態様によっては、柔軟性部材1960は、環1924のすべてに摺動して掛けてある。
柔軟性部材1960を引っ張る(ぴんと張る)と巾着効果を生じる場合がある。すなわち、柔軟性部材1960を引っ張ると、並置針金ループ1924を互いに寄せることができる。組織封止装置1900を送達鞘の内腔に設置するために装置1900を潰して薄い形状の構成にする、あるいは装置1900をその場で回収して経カテーテル取り出し技術を用いて身体から回収し取り出す際にこのような動作を行ってもよい。
態様によっては、針金巻き付け用型を用いて組織封止装置1800の枠1810を作成してもよい。すなわち、好適な巻き付け用型を用いて長尺部材を巻き付けて枠1810を作成してもよい。型で枠1810を形成した後、組立体を加熱して、型の形状に対応する枠1810の形状記憶を誘導してもよい。また、長尺部材の2つの自由端を上述のように接合してもよい。態様によっては、長尺部材の2つの自由端は接合されていない。また、同様に、針金巻き付け用型2100を用いて組織封止装置1900の枠1910を作成してもよい。すなわち、好適な巻き付け用型を用いて長尺部材を巻き付けて枠1910を作成してもよい。
例えば、胃腸管の環境での閉塞装置の使用には、蠕動運動中に有効な密封性能のための並置力により実質的に連続して内腔壁と接触する閉塞装置が必要である。蠕動運動は、通常の応力および材料輸送からの剪断応力に加えて、状況によっては閉塞装置に動的で、非対称、非平面的な大変位を加える場合がある。態様によっては、本明細書で提供される閉塞装置は、蠕動運動によって生じる状況で有効な閉塞および密封性のための一致性および並置力により実質的に連続して内腔壁と接触する。例えば、態様によっては、掛け具や突起を用いずに並置力で閉塞装置を設置することで、装置は移行に抗って封止し、安全に取り出すことができる。
ここで図16A~図16Cに示すように、例示的な吻合装置2200は、上記の組織封止装置にも関連する同じ設計上の特徴、特性、概念、および構築方法の多くを用いて構築されていてもよい。しかしながら、吻合装置2200(および本明細書で提供される他の吻合装置の態様)は、少なくとも材料(例えば、生体材料)を容易に通すことができる中央の穴2250のために組織封止装置とは区別される。すなわち、吻合装置2200のいくつかの部分は組織表面の周囲を実質的に封止するようになっているが、吻合装置2200の中央の穴2250は封止をせず、むしろ一般に中心軸2216に沿って中央の穴2250に材料(例えば、流体、固体、混合物)を容易に通すようになっている。
吻合装置2200は、長尺部材2212により形成された枠2210を含む。態様によっては、長尺部材2212は、(例えば、上記の組織封止装置に関して記載したように)吻合装置2200の枠2210を構築するように巻き付けられた、あるいは形成された単一の要素である。態様によっては、長尺部材2212は、枠2210を共同して規定するようになっている2つ以上の要素を含んでいてもよい。上記技術を用いて長尺部材2212を構築してもよく、例えば、上記の長尺部材110に関して記載した種類の材料からできていてもよい。
態様によっては、長尺部材2212は、第一のフランジ2220、第二のフランジ2230、および接続領域2240を形成する。フランジ2220および2230は、本明細書では「並置部」とも言う場合がある。接続領域2240は、本明細書では「中央部」とも言う場合がある。接続領域2240は、第一のフランジ2220と第二のフランジ2230の間に配置されて、相互接続する。接続領域2240は、1つ以上の組織層の開口部または穴2244を横断するようになっている。第一のフランジ2220および第二のフランジ2230はそれぞれ、組織層の反対側に接して、組織表面に並置力を加えるようになっている。
長尺部材2212は、第一のフランジ2220を形成する1つ以上の並置花弁体2222を規定する。長尺部材2212はまた、第二のフランジ2230を形成する1つ以上の並置花弁体2232を形成する。図示の態様では、第一のフランジ2220は5つの並置花弁体2222を含み、第二のフランジ2230も5つの並置花弁体2232を含む。本明細書では、並置花弁体2222および2232はまた、例えば、「腕部」、「フィン」、「ループ」、「並置部材」、または「指部」とも言う場合がある。
図示の態様はそれぞれ5つの並置花弁体2222および2232を含んでいるが、態様によっては他の数の並置花弁体2222および2232を含むことは自明である。すなわち、第一のフランジ2220および/または第二のフランジ2230は、5つ以上または5つ以下の並置花弁体2222および2232を含んでいてもよい。さらに、態様によっては、並置花弁体2222の量は並置花弁体2232の量と異なっていてもよい。さらに、並置花弁体2222の寸法および形状(本明細書では配置とも言う)は並置花弁体2232の寸法および形状と異なっていてもよい。態様によっては、1つ以上の個々の並置花弁体2222の軸は、1つ以上の個々の並置花弁体2232の軸とずれていてもよい(例えば、傾斜しているなど)。態様によっては、1つ以上の並置花弁体2222の軸は1つ以上の並置花弁体2232の軸と平行であってもよい。
図16A~図16Cに示す態様では、並置花弁体2222および2232は、本質的に輪の弧のような形状(例えば、ほぼ台形状)である。態様によっては、様々な異なる花弁体の配置および/または異なる花弁体の配置の組み合わせを並置花弁体2222および2232に用いてもよい。図示の態様では、並置花弁体2222および2232は互いに当接している。態様によっては、並置花弁体2222および2232のいくつかまたはすべては、隣接する並置花弁体2222および2232と部分的に重なりあっていいてもよいし、また並置花弁体2222および2232のいくつかまたはすべては隣接する並置花弁体2222および2232から離して設けられていてもよい。また、このような構成は、第二のフランジ2230と比べて第一のフランジ2220で均一または異なるように用いられてもよい。
図示の態様では、並置花弁体2222は、一般に並置花弁体2232と平行であり(図22Cから最もよくわかるように)、並置花弁体2222および2232は互いに離して設けられている。しかしながら、態様によっては、並置花弁体2222および2232は、材料が間にない場合は少なくとも部分的に互いに接触するように形成されていてもよい。並置花弁体2222および2232のこの構成および他のこのような構成は、本明細書では並置花弁体2222および2232の予め緊張させた配置とも言う場合がある。このような構成により、並置花弁体2222と2232の平行性を有する態様に比べて、並置花弁体2222および2232により加えられる並置力が大きくなる場合がある。さらに、並置花弁体2222および/または2232が隣接する並置花弁体2222および/または2232から離して設けられ、第一のフランジ2220と第二のフランジ2230の個々の花弁体同士の軸がずれている態様によっては、並置花弁体2222および2232のいくつかまたはすべては、間に材料がない時は互いに交差するように形成されていてもよい。このような構成により、並置花弁体2222と2232の接触を有する態様に比べて、並置花弁体2222および2232により加えられる並置力がさらに大きくなる場合がある。すべてのこのような構成の組み合わせもまた想定され、本開示の範囲内と見なされる。
さらに図16A、図16B、および図16Cに示すように、例示的な吻合装置2200はまた被覆材2214を含む。被覆材2214は、長尺部材2212の少なくとも一部の表面に配置され、かつ/またはこれに取り付けられていてもよい。図示の態様では、被覆材2214は、並置花弁体2222および2232と接続領域2240に取り付けられており、穴2250は覆われないままである。被覆材2214は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材2214は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように長尺部材2212に取り付けられていてもよい。態様によっては、被覆材2214は、骨組み2210と共同して、第一のフランジ2220および/または第二のフランジ2230の外周縁で円周封止部を形成する。
特に図16Bに示すように、例示的な吻合装置2200は、開口部2244を有する1つ以上の組織層で展開されたように描画されている。例示的な組織開口部2244は概ね円形に描画されているが、吻合装置2200(および本明細書で記載する他の吻合装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の組織開口部2244との一致にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、少なくとも部分的には接続領域2240が組織開口部2244に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力のための並置力は、接続領域2240ではなく、実質的に第一のフランジと第二のフランジ2220および2230により加えられる。事実、態様によっては、第一のフランジと第二のフランジ2220および2230により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、これにより信頼性の高い封止力、抗移行力、および吻合性能を様々な組織の表面形状に亘って、また動的な組織(例えば、胃腸管など)に対して伝える。
例示的な吻合装置2200(および本明細書で記載する他の吻合装置の態様)は、例えば、図13Aおよび図13Bを参照して上で記述した装置および技術を用いて展開されてもよい。
態様によっては、例示的な吻合装置2200(および本明細書で記載する他の吻合装置の態様)は、本明細書で提供される装置を用いて吻合された2つの組織が一緒に成長して組織吻合を形成する場合に実質的に身体の治癒応答を干渉しない。態様によっては、本明細書で記載する吻合装置は、(例えば、吻合組織が一緒に成長した後)展開後に取り出せるようになっている。従って、そのような態様によっては、本明細書で記載する吻合装置は、組織内殖を防止または阻害しないようになっており、組織を傷つけないような引き戻しができるように設計されている。例えば、態様によっては、本明細書で記載する吻合装置は、適切に封止し、留め具や突起を用いずに並置力を及ぼして移行に抗うようになっている(これにより、実質的に組織を傷つけないやり方で装置を取り出すのを容易にする)。このような態様によっては、本明細書で記載する吻合装置は、効率的な再配置および/または回収を容易にする特徴部を含んでいてもよい。このような特徴部としては、これらに限定されないが、1つ以上の並置花弁体2222および2232に配置された環、およびこのような環に通す柔軟性部材が挙げられる(例えば、上記の組織封止装置1800および1900を参照のこと)。
図17A~図17Cに示すように、他の例示的な吻合装置2300は、上記の組織封止装置と同様に上記の吻合装置2200に関連する同じ設計上の特徴、特性、概念、および構築方法の多くを用いて構築されていてもよい。吻合装置2200と同様、吻合装置2300(および本明細書で提供される他の吻合装置の態様)は、少なくとも材料を容易に通すことができる中央の穴2350のために組織封止装置とは区別される。すなわち、吻合装置2300のいくつかの部分は組織表面の周囲を実質的に封止するようになっているが、吻合装置2300の中央の穴2350は封止をせず、むしろ中心軸2316に沿って中央の穴2350に材料(例えば、流体、固体、混合物)を容易に通すようになっている。
吻合装置2300は、長尺部材2312によって形成された枠2310を含む。態様によっては、長尺部材2312は、(例えば、上記の組織封止装置に関して記載したように)吻合装置2300の枠2310を構築するように巻き付けられた、あるいは形成された単一の要素である。態様によっては、長尺部材2312は、枠2310を共同で規定するようになっている2つ以上の要素を含んでいてもよい。上記技術を用いて長尺部材2312を構築してもよく、例えば、上記の長尺部材110に関して記載した種類の材料でできていてもよい。
態様によっては、長尺部材2312は、第一のフランジ2320、第二のフランジ2330、および接続領域2340を形成する。接続領域2340は、第一のフランジ2320と第二のフランジ2330の間に配置されて、相互接続する。接続領域2340は、1つ以上の組織層の開口部または穴2344を横断するようになっている。第一のフランジ2320および第二のフランジ2330はそれぞれ、組織層の反対側に接して、組織表面に並置力を加えるようになっていてもよい。
長尺部材2312は、第一のフランジ2320を形成する1つ以上の並置花弁体2322を規定する。長尺部材2312はまた、1つ以上の第二のフランジ2330を形成する並置花弁体2332を規定する。図17A~図17Cに示す態様では、第一のフランジ2320は5つの並置花弁体2322を含み、第二のフランジ2330は5つの並置花弁体2332を含む。他の態様では、5つより多いまたは少ない花弁体2322および/または2332を含んでいてもよく、フランジ2320および2330の数は花弁体2322および2332の数と等しくなくてもよい。また、並置花弁体2322の形状も並置花弁体2332の形状と異なっていてもよい。態様によっては、1つ以上の個々の並置花弁体2322の軸は、1つ以上の個々の並置花弁体2332の軸とずれていてもよい(例えば、傾斜しているなど)。態様によっては、1つ以上の並置花弁体2322の軸は1つ以上の並置花弁体2332の軸と平行であってもよい。
枠2310は枠2210に関して記載したのと同じ特徴および特性の多くを共有していてもよいが、並置花弁体2322および2332は凹んだ形状になっていてもよい(図17Cから最もよく分かるように)。このような凹みにより、フランジ2320および2330は、一般に平面状の花弁体によって生じる並置力に比べて穴2344の周りの組織の表面により大きな並置力を加えることができる。また、より大きな面積に亘って並置力を分配する平面状フランジに比べて、フランジ2320および2330の凹形状は枠2310の外周に並置力を集中させて、より大きな圧力を組織に与える。また、フランジ2320および2330の凹形状により、組織の厚みの広い範囲を収容することができる。さらに、態様によっては、並置花弁体2322および2332は部分的に互いに接触して、互いに交差していてもよく(上記のとおり)、これにより並置能が高められる。従って、態様によっては、吻合装置2300は高められた一致性、封止性、および抗移行力を示していてもよい。さらに、並置花弁体2322および2332の凹みにより、吻合装置2300を広い範囲の組織の厚みと有効に共同して用いることができる。態様によっては、フランジ2320および2330の一方または他方は凹んだ花弁体を含んでいてもよく、フランジ2320および2330の他方は他の外形の花弁体(例えば、平面状の花弁体)を含んでいてもよい。
例示的な吻合装置2300はまた、被覆材2314を含む。被覆材2314は、長尺部材2312の少なくとも一部の表面または周りに配置され、かつ/またはそれに取り付けられてもよい。図17A~図17Cに示す態様では、被覆材2314は並置花弁体2322および2332と接続領域2340に取り付けており、穴2350は覆われないままである。被覆材2314は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。また、被覆材2314は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように長尺部材2312に取り付けられていてもよい。態様によっては、被覆材2314は、骨組み2310と共同して第一のフランジ2320および/または第二のフランジ2330の外周縁で円周封止部を形成する。
特に図17Bに示すように、例示的な吻合装置2300は、開口部2344を有する1つ以上の組織層で展開されたように描画されている。例示的な組織開口部2344は概ね円形に描画されているが、吻合装置2300(および本明細書で記載する他の吻合装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の組織開口部2344との一致にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。これは、少なくとも部分的には、接続領域2340が組織開口部2344に小さな半径方向の力を及ぼすようになっているために達成される。また、封止と抗移行力のための並置力は、接続領域2340ではなく、実質的に第一のフランジと第二のフランジ2320および2330により加えられる。事実、態様によっては、第一のフランジと第二のフランジ2320および2330により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、これにより信頼性の高い封止力、抗移行力、および吻合性能を様々な組織の表面形状に亘って、また動的な組織(例えば、胃腸管など)に対して伝える。
態様によっては、被覆材2314を第一のフランジと第二のフランジ2320および2330に取り付けると、並置花弁体2322および2332(上記のような凹形状に形成されている)のいくつかまたはすべては部分的あるいは完全に平坦になってもよい。換言すれば、態様によっては、第一のフランジと第二のフランジ2320および2330は、並置花弁体2322および2332に被覆材2314を施した後でより平坦になってもよい。しかしながら、他の態様では、第一のフランジと第二のフランジ2320および2330は、並置花弁体2322および2332に被覆材2314を施した後も凹んだままであってもよい。
図21~図22に示すように、追加の例示的な吻合装置2400aおよび2400bは、上記の組織封止装置と同様に上記の吻合装置2200および他に関連する同じ設計上の特徴、特性、概念、および構築方法の多くを用いて構築されていてもよい。吻合装置2200と同様、吻合装置2400aおよび2400b(および本明細書で提供される他の吻合装置の態様)は、少なくとも材料を容易に通すことができる中央の穴2450aおよび2450bのために上記組織封止装置とは区別される。すなわち、吻合装置2400aおよび2400bのいくつかの部分は組織表面の周囲を実質的に封止するようになっているが、吻合装置2400aおよび2400bの中央の穴2450aおよび2450bは封止をせず、むしろ中央の穴2450aおよび2450bに材料(例えば、流体、固体、混合物)を容易に通すようになっている。中央の穴2450aおよび2450bはそれぞれ、吻合装置2400aおよび2400bの縦軸を規定する。当業者には自明であるが、吻合装置2400aおよび2400bはまた組織封止装置として構成されていてもよい。
態様によっては、吻合装置2400aおよび2400bの枠は、2つの個別の枠部分から構築されている。すなわち、吻合装置2400aおよび2400bの枠は、支持枠2411(図19を参照のこと)と共同して用いられる並置部材枠2410(図18を参照のこと)を含む。図21および図22に示すように、態様によっては、支持枠2411は、並置部材枠2410の中に同軸に収められて吻合装置2400aおよび2400bのそれぞれの2つの部分からなる枠を構築してもよい。態様によっては、吻合装置2400aおよび2400bの枠は、単一の針金から一体に形成されていてもよく、管状またはシート状材料などの前駆材料を切断して形成してもよい。
吻合装置2400aおよび/または2400bの2つの部分からなる枠の態様によっては、支持枠2411は並置部材枠2410に付着されている。そのような態様によっては、支持枠2411は、紐、圧着カラー、溶着(例えば、レーザー溶着)接着剤などを用いて並置部材枠2410に付着される。そのような態様によっては、支持枠2411は並置部材枠2410に直接付着されておらず、これらの2つの枠部分は、支持枠2411と並置部材枠2410の少なくとも一部に配置された被覆材により一緒に保持されている。
2つの吻合装置2400aおよび2400bは、並置部材枠2410に対する支持枠2411の位置に関して互いに異なっている。吻合装置2400aは、支持枠2411により並置部材枠2410に対して位置合わせした状態で支持されるように配置される。すなわち、並置花弁体2422および2432を支持枠2411により長尺要素2412と接触させると、並置部材枠2410の並置花弁体2422および2432にさらなる剛性が与えられる。これに対して、吻合装置2400bは、支持枠2411により並置部材枠2410に対してずれた状態で支持されるように配置される。すなわち、支持枠2411は、並置花弁体2422および2432を長尺要素2412と接触させず、従って、並置花弁体2422および2432を直接支持しない。しかしながら、態様によっては、支持枠2411事態は、(図27から最もよく分かるように)並置花弁体2422および2432内で追加の並置花弁体となる。自明であるが、本明細書で記載する他の吻合装置の態様のように、接続領域(図示せず)は並置花弁体2422と2432の間に延びている。
態様によっては、吻合装置2400aおよび2400bの2つの部分からなる枠構築物は、いくつかの単一部分からなる枠構築物に比べて吻合装置2400aおよび2400bからさらなる半径方向の力を加えるのを容易にする。これは、少なくとも両方の枠部分、すなわち支持枠2411、並置部材枠2410が半径方向の力を及ぼすようになっていてもよいために当てはまる。支持枠2411と並置部材枠2410が同軸の関係であるため、これら枠からの半径方向の力は一般に追加される。
追加の態様では、1つ以上の長尺要素2412を用いて並置部材枠2410を構築してもよく、1つ以上の長尺要素2413を用いて支持枠2411を構築してもよい。態様によっては、長尺要素2412は長尺要素2413と同じ種類の長尺要素である。他の態様では、長尺要素2412は長尺要素2413と異なる種類の長尺要素である。そのような態様によっては、吻合装置2400aおよび2400bにより加えられる半径方向の力および並置力を個々に独立して所望のように調整してもよい。というのは、長尺要素2412は長尺要素2413と異なる種類の長尺要素であるからである。例えば、態様によっては、長尺要素2413は長尺要素2412よりも大きな剛性を有していてもよい。これは、例えば、選択した長尺要素2413が選択した長尺要素2412よりも大きい直径を有していてもよいために当てはまる。あるいは、選択した長尺要素2413は、選択した長尺要素2412よりも硬い材料でできていてもよい。そのような配置を選択することで、吻合装置2400aおよび2400bにより加えられる半径方向の力をより大きく調整してもよく、吻合装置2400aおよび2400bにより加えられる並置力を比較的小さくしてもよい。さらに、並置部材枠2410の支持枠2411に対する相対的な向きを(すなわち、2つの部分からなる枠状の吻合装置2400aまたは2400bを構成するか否か)を選択して、吻合装置2400aおよび/または2400bの特性を所望のように調整してもよい。
態様によっては、並置部材枠2410を構築するのに用いられる1つ以上の長尺要素2412の材料は、支持枠2411を構築するのに用いられる1つ以上の長尺要素2413とは異なる材料である。例えば、態様によっては、1つ以上の長尺要素2412はニチノールであり、1つ以上の長尺要素2413はステンレス鋼である。また、そのような態様によっては、並置部材枠2410は自己展開性であってもよく、支持枠2411はバルーン展開性であってもよい。
図23および図24に代替の支持枠2470が示されている。支持枠2470は並置部材枠(例えば、並置部材枠2410であるが、これに限定されない)と共同して用いられてもよい。従って、上述のような同軸に収められた2つの部分からなる枠構築物の利点は、並置部材枠2500を用いても達成される場合がある。
支持枠2470は、1つ以上の長尺部材2472から形成されていてもよい。1つ以上の長尺部材2472は、上記材料のいずれかからできていてもよく、上記の本明細書で提供される他の長尺部材に関して記載した技術のいずれかを用いて形成されていてもよい。態様によっては、支持枠2470は巻き付けた針金の構築物として形成される。態様によっては、支持枠2470は、上記のような前駆材料を切断して形成される。
支持枠2470は複数の頂部2484を含む。態様によっては、頂部2484は、並置部材枠に対して所望の配列で配置される。
図25に示すように、支持枠2470は、並置部材枠2410内に同軸に収められて吻合装置2480を構築してもよい。この点から、態様によっては、頂部2484は、支持枠2470と並置部材枠2410が互いに支持し合うように並置部材枠2410と配列されていてもよいことが分かる。
図26に代替の並置部材枠2500が示されている。並置部材枠2500は支持枠(例えば、これらに限定されないが、支持枠2411または支持枠2470)と共同して用いられてもよい。従って、上記のような同軸に収められた2つの部分からなる枠構築物の利点は、並置部材枠2500を用いても達成される場合がある。
並置部材枠2500は1つ以上の長尺要素2502から構築されていてもよい。1つ以上の長尺部材2502は上記材料のいずれかからできていてもよく、上記の本明細書で提供される他の長尺部材に関して記載した技術のいずれかを用いて形成されていてもよい。並置部材枠2500は並置花弁体2512および2522を含む。態様によっては、並置部材枠2500は巻き付けた針金の構築物として形成される。他の態様では、並置部材枠2500は、上記のような前駆材料を切断して形成される。
図27および図27Aに、枠2610および被覆材2612を含む他の例示的な組織封止装置2600が示されている。被覆材2612は、少なくとも枠2610の封止部2630の表面に配置されている。枠2610は1つ以上の長尺要素から形成されていてもよい。
枠2610は、並置部2620、封止部2630、および欠損占有部2650を含む。図示の態様では、並置部2620と封止部2630は異なるように構成されている。欠損占有部2650は並置部2620と封止部2630の間に配置されている。また、欠損占有部2650は1つ以上の組織層の欠損または穴を横断するようになっている。並置部2620および封止部2630はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっていてもよい。
態様によっては、枠2610は、枠2610を形成するように曲げられた単一の連続した針金を含む。図示の態様では、枠2610は、封止部2630を形成するダイアモンド形状の花弁体2632、および並置部2620を形成する三角形状の花弁体2622を規定する。図27から分かるように、封止部2630のダイアモンド形状の花弁体2632の縁は実質的に互いに平行であり、物理接触線と封止縁を形成し、封止花弁体2632間の漏れ溝の存在を低減する。これに対して、並置部2620の三角形状の花弁体2622は個別であり、互いに接線で接触していてもよい。また、封止花弁体2632および並置花弁体2622は、(例えば、埋め込み前、あるいは置いた状態で)並置力が任意の組織層の非存在下で存在するように予め緊張させた配置を有する。欠損占有部は、欠損の穴の周りの組織に実質的な並置力を加えない。
並置花弁体2622と封止花弁体2632に異なる形状を用いると、封止部2630の構成とは独立して並置部2620の構成を個々に最適化する機会が得られるという利点がある場合がある。自明であるが、態様によっては、1つ以上の個々の並置花弁体2622の軸は、1つ以上の個々の封止花弁体2632の軸とずれていてもよい(例えば、傾斜しているなど)。他の態様では、1つ以上の並置花弁体2622の軸は、1つ以上の封止花弁体2632の軸と平行であってもよい。
被覆材2612は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材2612は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように枠2610に取り付けまたは配置されていてもよい。
例示的な欠損占有部2650は概ね円形に描画されているが、組織封止装置2600(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。また、封止と抗移行力のための並置力は、欠損占有部2650ではなく、実質的に並置部2620および封止部2630により加えられる。事実、態様によっては、並置部2620および封止部2630により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置2600は、被覆材2612が組織の穴を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。
図28および図28Aには、枠2710および被覆材2712を含む他の例示的な組織封止装置2700が示されている。被覆材2712は、少なくとも枠2710の封止部2730に配置されている。枠2710は、1つ以上の長尺要素から形成されていてもよい。
枠2710は、並置部2720、封止部2730、および欠損占有部2750を含む。図示の態様では、並置部2720と封止部2730は異なるように構成されている。欠損占有部2750は並置部2720と封止部2730の間に配置されている。また、欠損占有部2750は、1つ以上の組織層の欠損または穴を横断するようになっている。並置部2720および封止部2730はそれぞれ、組織層の反対側と接するようになっていてもよい。
態様によっては、枠2710は、枠2710を形成するように曲げられた単一の連続した針金を含む。枠2710は、並置部2720を形成する1つ以上の並置花弁体2722、および封止部2730を形成する1つ以上の封止花弁体2732を規定する。態様によっては、1つ以上の個々の並置花弁体2722の軸は、1つ以上の個々の封止花弁体2732の軸とずれていてもよい(例えば、傾斜しているなど)。態様によっては、1つ以上の並置花弁体2722の軸は1つ以上の封止花弁体2732の軸と平行であってもよい。
図示の態様では、並置花弁体2722は、欠損占有部2750から半径方向に延びる直線部、および花弁体2722の自由端で直線部から延びる本質的にダイアモンド形状の外部を含む。封止花弁体2732はまた、欠損占有部2750から半径方向に延びる直線部、および花弁体2732の自由端で直線部から延びる本質的にダイアモンド形状の一部を含む。図示の態様では、封止花弁体2732が並置花弁体2722よりも丸みを帯びた最も外側の縁を有することを除いて封止花弁体2732と並置花弁体2722は実質的に同様である。また、封止花弁体2732および並置花弁体2722は、(例えば、埋め込み前、あるいは置いた状態で)並置力が任意の組織層の非存在下で存在するように予め緊張させた配置を有する。欠損占有部は、欠損の穴の周りの組織に実質的な並置力を加えない。並置花弁体2722と封止花弁体2732に異なる形状を用いると、封止部2730の構成とは独立して並置部2620の構成を個々に最適化する機会が得られるという利点がある場合がある。
図28から分かるように、封止花弁体2732の最も外側の縁は互いに接線で接触している。封止花弁体2732の縁の当接は物理接触線および封止縁を形成し、封止花弁体2732間の漏れ溝の存在を低減する。図示の態様では、封止花弁体2732同士は、被覆材2712により接触させられている。これに対して、並置部2720の並置花弁体2722は個別であり(被覆材で覆われていない)、互いに相対的に動いてもよい。あるいは、並置花弁体2722はその外縁で互いに接線により接触していてもよい。封止花弁体2732のより丸みを帯びた端は(並置花弁体2722の丸みの少ない端に対して)外部円周および並置部2720で実質的に均一な圧力分布を形成して、送達装置への装着を容易にする。
また、並置花弁体2722の形状により、組織封止装置2700は、容易に送達鞘および/または送達カテーテルに挿入あるいは被せることができる。柔軟性部材を少なくとも1つの並置花弁体2722に通してもよい。少なくとも一態様で、柔軟性部材は並置花弁体2722のそれぞれに通されている。柔軟性部材は紐、針金、ストラップ、縫合糸などであってもよい。柔軟性部材は重合体材料でできていてもよい。重合体材料として、これらに限定されないが、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、絹、または金属材料(例えば、ニチノール、アルミニウム、およびステンレス鋼)が挙げられる。また柔軟性部材は、単一フィラメント、撚り糸、編組撚り糸などからできていてもよい。
組織封止装置2700を送達鞘またはカテーテル内に設置する際、柔軟性部材に張力をかける(例えば、引っ張る)。これにより、柔軟性部材は並置花弁体2722の頂部2740に引き寄せられる。張力をかけて頂部2740の張力を実質的に均一に分布させると、並置花弁体2722は互いに引き寄せられて薄い形状の構成になる。次いで、組織封止装置2700の花弁体2722、2732を絡ませることなく組織封止装置2700を送達鞘またはカテーテル内に挿入してもよい。
被覆材2712は、上記の被覆材210に関して記載したような材料であってもよい。被覆材2712は、上記の被覆材210の長尺部材110への取り付けに関して記載したように枠2710に取り付けまたは配置されていてもよい。
例示的な欠損占有部2750は、概ね円形に描画されているが、組織封止装置2700(および本明細書で記載する他の組織封止装置の態様)の設計が様々な異なる寸法および形状の穴の封止にどのように有利に作用するのかを示していることは自明である。また、封止と抗移行力のための並置力は、欠損占有部2750ではなく、実質的に並置部2720および封止部2730により加えられる。事実、態様によっては、並置部2720および封止部2730により加えられる並置力は、実質的にその場の装置の形状または直径とは独立しており、従って様々な組織間の封止および動的な組織(例えば、胃腸管など)のための封止を信頼性の高いものとのする。
組織封止装置2700は、被覆材2712が組織の穴を完全に覆って封止するように患者に埋め込まれるようになっていてもよい。
本明細書で提供される組織封止および吻合装置は、1つ以上のカテーテル、送達鞘、および他の好適な装置および技術を用いて患者の体内の標的部位で展開可能である。実施によっては、本明細書で提供される装置は、内視鏡または腹腔鏡の手法を用いて展開可能である。
本明細書の記載から自明であるが、組織封止装置の一態様および/または閉塞器の一態様の形状、寸法、パターン、構成要素、特徴部などのすべての組み合わせを、他のすべての組織封止装置の態様または閉塞器の態様の任意の他の形状、寸法、パターン、構成要素、特徴部などと組み合わせて、本明細書で記載した個々の態様に加えて、ハイブリッド型の組織封止装置および閉塞装置の包括的範囲を作成してもよく、このような態様は本開示の範囲内と見なされる。
一般的に、また特定の態様に関して本願の発明を記述した。当業者には自明であるが、本開示の範囲を逸脱することなく様々な修正および変形をこれらの態様に施すことができる。従って、これらの態様は添付の項目およびそれらの均等物の範囲内に含まれる本発明修正および変形を含むことを意図している。
以下の項目[1]~[30]に、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
長尺部材を含み、並置部、封止部、および前記並置部と前記封止部の間に配置された欠損占有部を規定する枠、および
前記封止部の少なくとも一部に配置された被覆材を含み、
前記並置部は複数の並置花弁体を含み、
前記封止部は複数の封止花弁体を含み、
前記並置花弁体および前記封止花弁体は、組織層の非存在下で並置力が存在するように予め緊張させた配置を有する、組織の欠損または構造を封止する医療用具。
[2]
前記並置花弁体の配置は前記封止花弁体の配置と実質的に同じである、項目1に記載の医療用具。
[3]
前記並置花弁体の配置は前記封止花弁体の配置と異なる、項目1に記載の医療用具。
[4]
前記封止部は複数のダイアモンド形状の封止花弁体を含み、前記並置部は複数の三角形の並置花弁体を含む、項目2に記載の医療用具。
[5]
前記ダイアモンド形状の封止花弁体の最も外側の縁は互いに実質的に平行であって、封止縁を形成する項目3に記載の医療用具。
[6]
前記医療用具の封止のための並置力と抗移行力は実質的に前記並置部および前記封止部により加えられる、項目1に記載の医療用具。
[7]
前記並置花弁体は互いに独立して動くようになっている、項目1に記載の医療用具。
[8]
前記並置花弁体は、隣接する並置花弁体の少なくとも一部から離れている、あるいは隣接する並置花弁体の少なくとも一部と当接するようになっている、項目1に記載の医療用具。
[9]
前記長尺部材はニチノール針金である、項目1に記載の医療用具。
[10]
前記医療用具に設けられた1種以上のX線不透過性マーカーをさらに含む、項目1に記載の医療用具。
[11]
前記被覆材は、前記被覆材への組織の内殖または内皮化を促進するようになっている、項目1に記載の医療用具。
[12]
前記被覆材は、前記被覆材への組織の内殖または内皮化を阻害するようになっている、項目1に記載の医療用具。
[13]
前記枠は1つ以上の組織固定要素を含む、項目1に記載の医療用具。
[14]
前記並置部は前記被覆材を含まない、項目1に記載の医療用具。
[15]
前記並置部は第一の組織表面の形状に一致し、前記第一の組織表面に対して並置力を加えるようになっており、
前記封止花弁体は、いずれの他の封止用花弁体にも実質的な力を加えずに、前記第一の組織表面に関連する荷重に耐えるようになっている、項目1に記載の医療用具。
[16]
前記封止花弁体は前記並置花弁体からずれている、項目1に記載の医療用具。
[17]
長尺部材を含み、並置部、封止部、および前記並置部と前記封止部の間に配置された欠損占有部を規定する枠、および
前記封止部の少なくとも一部に配置された被覆材を含み、
前記並置部は複数の並置花弁体を含み、
前記封止部は複数の封止花弁体を含み、
前記並置花弁体は互いに独立して動くようになっており、
前記封止花弁体は互いに当接して封止縁を形成し、
前記並置花弁体および前記封止花弁体は、組織層の非存在下で並置力が存在するように予め緊張させた配置を有する、組織の欠損または構造を封止する医療用具。
[18]
前記並置花弁体の配置は前記封止花弁体の配置と実質的に同じである、項目17に記載の医療用具。
[19]
前記並置花弁体の配置は前記封止花弁体の配置と異なる、項目17に記載の医療用具。
[20]
前記並置花弁体および前記封止花弁体は、前記欠損占有部から半径方向に延びる直線部、および前記直線部から延びる実質的にダイアモンド形状の外部を有する、項目17に記載の医療用具。
[21]
前記封止花弁体の最も外側の縁は、前記並置花弁体の最も外側の縁に比べてより丸みを帯びている、項目20に記載の医療用具。
[22]
前記医療用具の封止のための並置力と抗移行力は実質的に前記並置部および前記封止部により加えられる、項目21に記載の医療用具。
[23]
前記並置部は前記被覆材を含まない、項目17に記載の医療用具。
[24]
前記並置花弁体は隣接する並置花弁体の少なくとも一部から離れている、あるいは隣接する並置花弁体の少なくとも一部に当接する、項目17に記載の医療用具。
[25]
前記長尺部材はニチノール針金である、項目17に記載の医療用具。
[26]
前記医療用具に設けられた1種以上のX線不透過性マーカーをさらに含む、項目17に記載の医療用具。
[27]
前記被覆材は前記被覆材への組織の内殖または内皮化を促進するようになっている、項目17に記載の医療用具。
[28]
前記被覆材は前記被覆材への組織の内殖または内皮化を阻害するようになっている、項目17に記載の医療用具。
[29]
前記枠は1つ以上の組織固定要素を含む、項目17に記載の医療用具。
[30]
前記並置部は、第一の組織表面の形状に一致し、前記第一の組織表面に対して並置力を加えるようになっており、
前記封止花弁体は、いずれの他の封止用花弁体にも実質的な力を加えずに前記第一の組織表面に関連付けられた荷重に耐えるようになっている、項目17に記載の医療用具。