JP7038470B2 - 乳タンパク質濃縮物の製造方法 - Google Patents
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本発明の実施の形態に係る乳濃縮物は、生乳、牛乳もしくは特別牛乳または脱脂乳(生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分を除去したもの)もしくは部分脱脂乳(生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分を部分的に除去したもの)を濃縮したものであって、例えば、「乳及び乳製品の成分規格等に関する厚生省省令」に規定される濃縮乳(生乳、牛乳又は特別牛乳を濃縮したものであって、乳固形分が25.5%以上であり、乳脂肪分が7.0%以上であるもの)や、脱脂濃縮乳(生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分を除去したものを濃縮したものであって、無脂乳固形分が18.5%以上であり、細菌数(標準平板培養法で1g当たり)が100,000以下であるもの。)のみならず、「生乳、牛乳又は特別牛乳を濃縮したものであって、乳固形分が25.5%未満であるもの(以下「省令外濃縮乳」という。)」、「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分を除去したものを濃縮したものであって、無脂乳固形分が18.5%未満であるもの(以下「省令外脱脂濃縮乳」という。)」等でもあり得るが、乳タンパク質濃縮物(Milk Protein Concentrate(以下「MPC」と略する)ともいう)であることが好ましい。なお、以下、説明の便宜上、生乳、牛乳、特別牛乳、脱脂乳および部分脱脂乳をまとめて「原料乳」と称することがある。
本発明の実施の形態に係る乳濃縮物は、上述の通り、pH調整工程、第1乳濃縮物調製工程、第1水添加工程、第2乳濃縮物調製工程、第2水添加工程および第3乳濃縮物調製工程を経て製造される。また、本発明の実施の形態に係る乳濃縮物が脱脂濃縮乳や、省令外脱脂濃縮乳、乳タンパク質濃縮物である場合、pH調整工程の前に、脱脂乳調製工程が設けられることが好ましい。また、第3乳濃縮調製工程の後に、pH再調整工程が設けられることが好ましい。以下、これらの工程について詳述する。
脱脂乳調製工程では、生乳、牛乳もしくは特別牛乳から、脱脂乳または部分脱脂乳が調製される。なお、ここにいう「脱脂乳」とは、生乳、牛乳または特別牛乳から、乳脂肪分を除去したものであって、例えば、「生乳、牛乳もしくは特別牛乳の乳脂肪分を0.5%未満としたもの」等である。また、ここにいう「部分脱脂乳」とは、生乳、牛乳または特別牛乳から、乳脂肪分を部分的に除去したものであって、例えば、「生乳、牛乳もしくは特別牛乳の乳脂肪分を0.5%以上3.0%未満の範囲内としたもの」等である。なお、脱脂乳調製工程は、上述の通り、必ずしも実施されなければならないものではない。脱脂濃縮乳や省令外脱脂濃縮乳の市販品を購入して、それをpH調整工程において原料乳(出発原料)として用いてもかまわない。
pH調整工程では、原料乳(例えば、冷却された原料乳)のpHが5.5以上6.5未満の範囲内に調整されて、pH調整原料乳が調製される。なお、アルカリの添加量の調整のしやすさや、低粘度の維持のしやすさの観点から、pHが所定値であることが好ましい。すなわち、かかる場合、pH調整工程では、pH調整原料乳のpHが5.5以上6.2以下の範囲内であることが好ましく、5.5以上6.0以下の範囲内であることがより好ましく、5.5以上5.8以下の範囲内であることがさらに好ましい。なお、原料乳のpHが通常では6.4以上7.2以下の範囲内であるため、このpH調整工程では、酸が用いられる。そして、この酸には、食品に添加し得る酸、すなわち、人体に無害な酸、例えば、塩酸、乳酸、酢酸等が用いられる。このように、原料乳のpHが酸性側に調整されると、pH調整原料乳では、タンパク質に静電的に付着しているカルシウムイオンやマグネシウムイオン等がタンパク質から解離する。そして、原料乳のpHを上記範囲内において適宜調整することによって、原料乳において解離するカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の含有量(個数)を調整することができる。
第1乳濃縮物調製工程では、pH調整工程の後に、pH調整原料乳が限外ろ過処理されて、第1乳濃縮物(第1乳タンパク質濃縮物)が調製される。この際、pH調整工程において解離したカルシウムイオンやマグネシウムイオン等が透過液として、pH調整原料乳(あるいは第1乳濃縮物)から分離される。なお、限外ろ過処理に供される限外ろ過膜には、平膜、中空糸膜、スパイラル膜、セラミック膜、回転膜、振動膜等が用いられ、その限外ろ過膜の分画分子量は、8000Da以上12000Da以下の範囲内であることが好ましく、9000Da以上11000Da以下の範囲内であることがより好ましく、9500Da以上10500Da以下の範囲内であることがさらに好ましい。ところで、この濃縮倍率は、原料乳の種類等によって、その下限値が変わり得るが、例えば、原料乳が脱脂乳である場合、この濃縮倍率は、2.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、原料乳が生乳である場合、この濃縮倍率は、1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましい。また、この濃縮倍率の上限値は、限外ろ過膜および限外ろ過装置の耐圧の程度によって、決定され得るが、例えば、原料乳が脱脂乳である場合、この濃縮倍率は4倍以下であることが好ましく、3.5倍以下であることがより好ましく、原料乳が生乳である場合、この濃縮倍率は、3倍以下であることが好ましく、2.5倍以下であることがより好ましい。なお、本発明者の鋭意検討により、この濃縮倍率が高いほど、第3乳濃縮物(後述)の熱安定性が高く、pH再調整(中和)工程において要するアルカリの添加量が少なく、pH再調整工程の後に、第3乳濃縮物の粘度が低くなることが明らかになっている。
第1水添加工程では、第1乳濃縮物に、第1乳濃縮物の質量の0.6倍以上の質量の水が添加されて、第1乳濃縮物希釈化物が調製される。なお、この水は、緩衝水溶液等であってもよい。ところで、この水の添加量は、限外ろ過膜装置やタンクの容量等によって決定され得るが、0.6倍以上2倍以下の範囲内であることが好ましく、0.7倍以上1.5倍以下の範囲内であることがより好ましく、0.8倍以上1倍以下の範囲内であることがさらに好ましい。また、この水の温度は、一般細菌の増殖を抑える等の観点から、0℃超20℃以下の範囲内であることが好ましく、1℃以上20℃以下の範囲内であることがより好ましく、2℃以上15℃以下の範囲内であることがさらに好ましく、3℃以上10℃以下の範囲内であることが特に好ましい。
第2乳濃縮物調製工程では、第1水添加工程において水で希釈化された第1乳濃縮物、すなわち、第1乳濃縮物希釈化物が限外ろ過処理されて、第2乳濃縮物(第2乳タンパク質濃縮物)が調製される。この際、pH調整工程において解離したカルシウムイオンやマグネシウムイオン等が透過液として、第1乳濃縮物希釈化物(あるいは第2乳濃縮物)から分離される。なお、限外ろ過処理に供される限外ろ過膜には、平膜、中空糸膜、スパイラル膜、セラミック膜、回転膜、振動膜等が用いられ、その限外ろ過膜の分画分子量は、8000Da以上12000Da以下の範囲内であることが好ましく、9000Da以上11000Da以下の範囲内であることがより好ましく、9500Da以上10500Da以下の範囲内であることがさらに好ましい。また、この限外ろ過膜として、第1乳濃縮物調製工程で用いられた限外ろ過膜をそのまま用いてもよいし、新しい限外ろ過膜を用いてもよい。また、後者の場合、第1乳濃縮物調製工程で用いられた限外ろ過膜と同じ種類の限外ろ過膜を用いてもよいし、第1乳濃縮物調製工程で用いられた限外ろ過膜と異なる種類の限外ろ過膜を用いてもよい。ところで、この濃縮倍率は、原料乳の種類等によって、その下限値が変わり得るが、例えば、原料乳が脱脂乳である場合、この濃縮倍率は、1.5倍以上であることが好ましく、1.8倍以上であることがより好ましく、原料乳が生乳である場合、この濃縮倍率は、1.3倍以上であることが好ましく、1.6倍以上であることがより好ましい。また、この濃縮倍率の上限値は、限外ろ過膜および限外ろ過装置の耐圧の程度によって、決定され得るが、例えば、原料乳が脱脂乳である場合、この濃縮倍率は、3.5倍以下であることが好ましく、3倍以下であることがより好ましく、原料乳が生乳である場合、この濃縮倍率は、2.8倍以下であることが好ましく、2.3倍以下であることがより好ましい。なお、この濃縮倍率は、第1乳濃縮物調製工程における濃縮倍率未満に設定される。
第2水添加工程では、第2乳濃縮物に、第2乳濃縮物の質量の0.6倍以上の質量の水が添加されて、第2乳濃縮物希釈化物が調製される。なお、この水は、緩衝水溶液等であってもよい。ところで、この水の添加量は、限外ろ過膜装置やタンクの容量等によって決定され得るが、0.6倍以上2倍以下の範囲内であることが好ましく、0.7倍以上1.5倍以下の範囲内であることがより好ましく、0.8倍以上1倍以下の範囲内であることがさらに好ましい。また、この水の温度は、一般細菌の増殖を抑える等の観点から、0℃超20℃以下の範囲内であることが好ましく、1℃以上20℃以下の範囲内であることがより好ましく、2℃以上15℃以下の範囲内であることがさらに好ましく、3℃以上10℃以下の範囲内であることが特に好ましい。
第3乳濃縮物調製工程では、第2水添加工程において水で希釈化された第2乳濃縮物、すなわち、第2乳濃縮物希釈化物が限外ろ過処理されて、第3乳濃縮物(第3乳タンパク質濃縮物)が調製される。この際、pH調整工程において解離したカルシウムイオンやマグネシウムイオン等が透過液として、第2乳濃縮物希釈化物(あるいは第3乳濃縮物)から分離される。この結果、目的の「カルシウムやマグネシウムの含有量(濃度)が低減された乳濃縮物」が得られる。なお、限外ろ過処理に供される限外ろ過膜には、平膜、中空糸膜、スパイラル膜、セラミック膜、回転膜、振動膜等が用いられ、その限外ろ過膜の分画分子量は、8000Da以上12000Da以下の範囲内であることが好ましく、9000Da以上11000Da以下の範囲内であることがより好ましく、9500Da以上10500Da以下の範囲内であることがさらに好ましい。また、この限外ろ過膜として、第2乳濃縮物調製工程で用いられた限外ろ過膜をそのまま用いてもよいし、新しい限外ろ過膜を用いてもよい。また、後者の場合、第2乳濃縮物調製工程で用いられた限外ろ過膜と同じ種類の限外ろ過膜を用いてもよいし、第2乳濃縮物調製工程で用いられた限外ろ過膜と異なる種類の限外ろ過膜を用いてもよい。ところで、この濃縮倍率は、原料乳の種類等によって、その下限値が変わり得るが、例えば、原料乳が脱脂乳である場合、この濃縮倍率は、1.5倍以上であることが好ましく、1.8倍以上であることがより好ましく、原料乳が生乳である場合、この濃縮倍率は、1.3倍以上であることが好ましく、1.6倍以上であることがより好ましい。また、この濃縮倍率の上限値は、限外ろ過膜および限外ろ過装置の耐圧の程度によって、決定され得るが、例えば、原料乳が脱脂乳である場合、この濃縮倍率は、3.5倍以下であることが好ましく、3倍以下であることがより好ましく、原料乳が生乳である場合、この濃縮倍率は、2.8倍以下であることが好ましく、2.3倍以下であることがより好ましい。なお、この濃縮倍率は、第1乳濃縮物調製工程における濃縮倍率未満に設定される。
pH再調整工程では、第3乳濃縮物(例えば、冷却された第3乳濃縮物、常温の第3乳濃縮物)のpHが6.5以上7.0以下の範囲内に調整されて、pHが再調整された乳濃縮物(以下「pH調整乳濃縮物」または「pH調整・第3乳濃縮物」ともいう。)が調製される。なお、熱安定性の向上のしやすさや、低粘度の維持のしやすさの観点から、pHが所定値であることが好ましい。すなわち、pH再調整工程では、pH調整乳濃縮物のpHが6.5以上6.9以下の範囲内とされることが好ましく、6.5以上6.8以下の範囲内とされることがより好ましく、6.5以上6.7以下の範囲内とされることがさらに好ましい。なお、第3乳濃縮物のpHが通常では5.5以上6.5未満の範囲内であるため、このpH再調整工程では、アルカリが用いられる。このアルカリには、食品に添加し得るアルカリ、すなわち、人体に無害なアルカリ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が用いられる。この際、アルカリは、稀薄水溶液の形態で用いられることが好ましく、具体的には、1~3Nのアルカリ水溶液の形態で用いられることがより好ましく、2Nのアルカリ水溶液の形態で用いられることがさらに好ましい。また、この際、第3乳濃縮物のナトリウムイオン/カリウムイオンの比率が、原料乳のナトリウムイオン/カリウムイオンの比率、または、その比率に近い比率になるように、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの混合水溶液を用いることが好ましく、具体的には、水酸化ナトリウム:水酸化カリウムが2~4:8~6である混合水溶液を用いることがより好ましく、水酸化ナトリウム:水酸化カリウムが3:7である混合水溶液を用いることがさらに好ましい。
本発明の実施の形態に係る乳濃縮物(第3乳濃縮物)は、乳製品の原料の一成分として用いることができる。すなわち、この乳濃縮物は、単独で、乳製品の原料(原料乳)として用いられてもよいし、水、生乳、殺菌乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、バターミルク、バター、クリーム、チーズ等の他の原料と混合して、乳製品の原料(原料乳の一部等)として用いられてもよい。
上述のようにして得られた乳濃縮物は、従来の乳濃縮物に比べて、カルシウムおよびマグネシウム等の濃度が比較的に高いが、熱安定性を良好に向上または維持している。そして、この乳濃縮物を原料として調製した乳製品は、従来の乳濃縮物を原料として調製した乳製品に比べてカルシウムおよびマグネシウム等の濃度が比較的に高いが、乳風味や他の物性を良好に向上または維持している。
1.乳濃縮物(第3乳濃縮物)の調製
先ず、クリームセパレーター(elecream社製 Separator F-3、容積:0.37L)を用いて、生乳を50℃で遠心分離処理(回転数:7000~8000rpm、処理流量:315L/h、処理時間:4.2秒、重力加速度:1500~4400G)して、脱脂乳を調製し、その脱脂乳を5℃に冷却した(脱脂乳調製工程)。次に、その冷却した脱脂乳に、2Nの塩酸水溶液を加えて、その脱脂乳のpHを5.7に調整し、5~10℃、2時間で放置した(pH調整工程)。次に、中空糸膜のモジュール(Koch社製 Romicon Hollow fiber CTG3” HF25-43 PM-10、分画分子量:10,000Da、膜面積:2.3m2)を用いて、その放置した脱脂乳を3.2倍の濃縮倍率で限外ろ過(UF)処理して、第1乳濃縮物(第1乳タンパク質濃縮物)を製造した(第1乳濃縮物調製工程)。続いて、この第1乳濃縮物に、第1乳濃縮物の質量の0.8倍の質量の冷水(5℃)を添加して、これらを混合し、第1乳濃縮物希釈化物を調製した(第1水添加工程)。そして、上記の中空糸膜のモジュールを用いて、その第1乳濃縮物希釈化物を1.8倍の濃縮倍率で限外ろ過処理(UF)して、第2乳濃縮物(第2乳タンパク質濃縮物)を製造した(第2乳濃縮物調製工程)。続いて、その第2乳濃縮物に、第2乳濃縮物の質量の0.8倍の質量の冷水(5℃)を添加して、これらを混合し、第2乳濃縮物希釈化物を調製した(第2水添加工程)。そして、上記の中空糸膜のモジュールを用いて、その第2乳濃縮物希釈化物を1.8倍の濃縮倍率で限外ろ過処理(UF)して、第3乳濃縮物(第3乳タンパク質濃縮物)を製造した(第3乳濃縮物調製工程)。
(1)熱安定性の確認試験
先ず、各pH再調整乳濃縮物を4mLずつで、14mL容の丸底バイアル瓶に計量して密封した。次に、この丸底バイアル瓶を130℃の油浴に浸漬すると共に、この丸底バイアル瓶を振とうしながら、各pH再調整乳濃縮物を目視にて確認しつつ、pH再調整乳濃縮物において凝固物が発生するまでの時間や、粘度が上昇するまでの時間を計測し、この計測時間を「熱凝固時間」とした。最後に、pH再調整の時点から2時間後に、各pH再調整乳濃縮物の10℃におけるpHを測定し、そのpHを各pH再調整乳濃縮物のpHとした。
(2-1)
上記pH再調整乳濃縮物を原料乳に用いて、発酵乳を調製し、その発酵乳について官能試験を行った。以下、その発酵乳の調製方法を説明した後、官能試験について詳述する。
5名の専門パネルが、上記のハードタイプの発酵乳およびソフトタイプの発酵乳を冷却(5℃)した状態で食し、甘味、塩味、酸味、えぐみ、乳風味、滑らかさ、不快な臭いの強弱(程度)を5段階で評価した。このとき、専門パネルの過半数が「実施例1(前述)の発酵乳は、比較例1(後述)の発酵乳に比べて、えぐみが少なく、乳風味や滑らかさが豊かである。」と評価した。
乳濃縮物の調製において、pH調整工程を省略し、冷却した脱脂乳のpHを調整することなく、その脱脂乳を初回(1回目)だけ限外ろ過処理した以外は、実施例1と同様にして、pH再調整乳濃縮物を調製した。そして、実施例1と同様にして、そのpH再調整乳濃縮物について熱安定性の確認試験を行った。なお、比較例1では、実施例1や実施例2と対比するためだけに、pHの再調整工程を実施したのであって、本発明におけるpH再調整の特許性を否定するものではない。
図1から明らかなように、pHが6.4から6.7までの範囲内において、実施例1で調製されたpH再調整乳濃縮物は、比較例1で調製されたpH再調整乳濃縮物に比べて、熱安定性に優れ、pHが6.75から7.0までの範囲において、実施例1で調製されたpH再調整乳濃縮物は、比較例1で調製されたpH再調整乳濃縮物と同等の熱安定性を示すことが明らかになった。なお、pHが6.4から7.0までの範囲内において、実施例1で調製されたpH再調整乳濃縮物は、熱安定性が顕著なレベルにあると評価されるべきである。
Claims (5)
- pH6.4以上6.7以下の範囲内において130℃における熱凝固時間が8分間以上である乳タンパク質濃縮物の製造方法であって、
脱脂乳のpHを5.5以上6.5未満の範囲内に調整してpH調整脱脂乳を調製するpH調整工程と、
前記pH調整脱脂乳を限外ろ過処理して第1乳タンパク質濃縮物を調製する第1乳タンパク質濃縮物調製工程と、
前記第1乳タンパク質濃縮物に、前記第1乳タンパク質濃縮物の質量の0.6倍以上の質量の水を添加して第1乳タンパク質濃縮物希釈化物を調製する第1水添加工程と、
前記第1乳タンパク質濃縮物希釈化物を限外ろ過して第2乳タンパク質濃縮物を調製する第2乳タンパク質濃縮物調製工程と、
前記第2乳タンパク質濃縮物に、前記第2乳タンパク質濃縮物の質量の0.6倍以上の質量の水を添加して第2乳タンパク質濃縮物希釈化物を調製する第2水添加工程と、
前記第2乳タンパク質濃縮物希釈化物を限外ろ過して第3乳タンパク質濃縮物を調製する第3乳タンパク質濃縮物調製工程と、
前記第3乳タンパク質濃縮物のpHを6.4以上6.7以下の範囲内に調整して第4乳タンパク質濃縮物を調製するpH再調整工程と
を備える、乳タンパク質濃縮物の製造方法。 - 前記pH調整工程では、前記脱脂乳のpHが5.5以上5.8以下の範囲内に調整されてpH調整脱脂乳が調製される
請求項1に記載の乳タンパク質濃縮物の製造方法。 - 前記pH再調整工程では、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの混合水溶液が前記第3乳タンパク質濃縮物に添加されることによって前記第3乳タンパク質濃縮物のpHが6.4以上6.7以下の範囲内に調整されて前記第4乳タンパク質濃縮物が調製される
請求項1または2に記載の乳タンパク質濃縮物の製造方法。 - 前記第4乳タンパク質濃縮物は、液状である
請求項1から3のいずれか1項に記載の乳タンパク質濃縮物の製造方法。 - 前記第4乳タンパク質濃縮物は、全固形分の20質量%あたり、タンパク質の含有量が9.0質量%以上15.5質量%以下の範囲内であり、灰分の含有量が0.20質量%以上1.30質量%以下の範囲内であり、ナトリウムの含有量が0.01質量%以上0.08質量%以下の範囲内であり、カリウムの含有量が0.03質量%以上0.36質量%以下の範囲内であり、カルシウムの含有量が0.08質量%以上0.34質量%以下の範囲内であり、マグネシウムの含有量が0.00質量%超0.02質量%以下の範囲内であり、リンの含有量が0.08質量%以上0.20質量%以下の範囲内であり、塩素の含有量が0.00質量%超0.25質量%以下の範囲内である
請求項1から4のいずれか1項に記載の乳タンパク質濃縮物の製造方法。
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