(実施の形態1)
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本実施の形態は、自動車の自動運転に関する。特に、本実施の形態は、車両の運転行動に関する情報を車両の乗員(例えば運転者)との間でやり取りするためのHMI(Human Machine Interface)を制御する装置(以下「運転支援装置」ともよぶ。)に関する。この運転支援装置は、車内向けの表示と車外向けの表示も制御する。本実施の形態における用語は次のように定義される。「運転行動」は、車両の走行中または停止時の操舵や制動などの作動状態、もしくは自動運転制御に係る制御内容を含んでおり、例えば、定速走行、加速、減速、一時停止、停止、車線変更、進路変更、右左折、駐車などである。また、運転行動は、巡航(車線維持で車速維持)、車線維持、先行車追従、追従時のストップアンドゴー、車線変更、追越、合流車両への対応、高速道への進入と退出を含めた乗換(インターチェンジ)、合流、工事ゾーンへの対応、緊急車両への対応、割込み車両への対応、右左折専用レーンへの対応、歩行者・自転車とのインタラクション、車両以外の障害物回避、標識への対応、右左折・Uターン制約への対応、車線制約への対応、一方通行への対応、交通標識への対応、交差点・ランドアバウトへの対応などであってもよい。
車両の周囲の歩行者に与える不安感を軽減するために、車両は、歩行者に対するメッセージを車外向けに表示すべきである。車外向けのメッセージを表示するためには、その用途のための専用のデバイス、例えば表示装置が車両に搭載される。専用のデバイスの搭載により、搭載するためのスペースが必要になったり、車両の製造コストが増加したりする。そのため、専用のデバイスの搭載は好ましくない。一方、車両には、車内向けの表示を実行するためのデバイスが搭載される。このようなデバイスを車外向けの表示にも使用できれば、専用のデバイスを搭載しなくても、歩行者に対するメッセージを車外向けに表示できる。
このように1つのデバイスを使用して、車内向けの表示と車外向けの表示とを実行する場合、歩行者が存在しなければ、車外向けの表示を実行しても意味がない。また、車両が走行している場合も、車外向けの表示を実行しても意味がない。一方、車両が停止し、車両の前を歩行者に横断させる場合に、車外向けの表示を実行すべきである。そのため、本実施の形態に係る運転支援装置は、歩行者の有無と車両の走行状態とを検出し、検出結果に応じて、車内向けの表示と車外向けの表示とを切りかえる。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は一例であり、本発明はこれらの実施の形態により限定されるものではない。
図1は、車両100の構成を示し、特に自動運転車両に関する構成を示す。車両100は、自動運転モードで走行可能であり、報知装置2、入力装置4、無線装置8、運転操作部10、検出部20、自動運転制御装置30、運転支援装置40を含む。図1に示す各装置の間は、専用線あるいはCAN(Controller Area Network)等の有線通信で接続されてもよい。また、USB(Universal Serial Bus)、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の有線通信または無線通信で接続されてもよい。
報知装置2は、車両100の走行に関する情報を乗員に報知する。報知装置2は、例えば、車内に設置されているカーナビゲーションシステム、ヘッドアップディスプレイ、センターディスプレイである。報知装置2は、ステアリングホイール、ピラー、ダッシュボード、メータパネル周りなどに設置されているLED(Light Emitting Diode)などの発光体などのような情報を表示する表示部でもよい。また、報知装置2は、情報を音声に変換して乗員に報知するスピーカであってもよいし、あるいは、乗員が感知できる位置(例えば、乗員の座席、ステアリングホイールなど)に設けられる振動体であってもよい。さらに、報知装置2は、これらの組合せであってもよい。
さらに、報知装置2は、相対する2面、例えば、表面と裏面に画像を表示可能な表示装置(以下、「両面表示装置」ともいう)を含む。両面表示装置は、車内から視認可能であるとともに、車外からも視認可能である車載の報知装置である。このような両面表示装置は、透明ディスプレイ、半透過ガラスである。また、両面表示装置は、フロントガラスに画像を投影するためのプロジェクタであってもよい。これらの構成およびこれらに対する制御については後述する。
入力装置4は、乗員による操作入力を受けつけるユーザインタフェース装置である。例えば入力装置4は、タッチパネル、レバー、ボタン、スイッチ、ジョイスティックやボリューム等のコントローラ、非接触でジェスチャーを認識するカメラ等のセンサ、音声を認識するマイク等のセンサや、それらの組合せであり、乗員が入力した自車の自動運転に関する情報を受けつける。また、自動運転と手動運転を切りかえるための操作信号を受けつけてもよい。入力装置4は、受けつけた情報を操作信号として運転支援装置40に出力する。
図2は、車両100の室内を模式的に示す。報知装置2として、センターディスプレイ2bが配置される。入力装置4は、ステアリング11に設けられた第1操作部4aであってもよく、運転席と助手席との間に設けられた第2操作部4bであってもよく、ジェスチャーを認識するカメラ等のセンサである第3操作部4cであってもよい。なお、センターディスプレイ2bと入力装置4は一体化されてもよく、例えばタッチパネルディスプレイとして実装されてもよい。車両100には、自動運転に関する情報を音声にて乗員へ提示するスピーカ6がさらに設けられてもよい。この場合、運転支援装置40は、自動運転に関する情報を示す画像をセンターディスプレイ2bに表示させ、それとともに、またはそれに代えて、自動運転に関する情報を示す音声をスピーカ6から出力させてもよい。
さらに、報知装置2における両面表示装置として透明ディスプレイ2aが配置される。透明ディスプレイ2aは、透過型ディスプレイともよばれ、ディスプレイ上に情報を表示しつつ、そのディスプレイの向こう側が透けて見える構造のディスプレイである。ここで、透明ディスプレイ2aに表示される情報における文字の向きが車内から読める向きである場合、当該情報は「車内向け提示情報」とよばれ、これは前述の車内向け表示に相当する。一方、透明ディスプレイ2aに表示される情報における文字の向きが車外から読める向きである場合、当該情報は「車外向け提示情報」とよばれ、これは前述の車外向け表示に相当する。つまり、車両内向け提示情報と車外向け提示情報とは、情報における文字の向きによって区別される。
図3は、車両100の別の室内を模式的に示す。これは、図2と比較して、報知装置2における両面表示装置として透明ディスプレイ2aの代わりに透明ディスプレイ2cが配置される。透明ディスプレイ2cは、透明ディスプレイ2aと同様の機能を有するが、フロントガラスを覆うように、あるいはフロントガラスと一体的に配置される。透明ディスプレイ2cにおいても、車両内向け提示情報と車外向け提示情報が表示可能である。
図4は、車両100のさらに別の室内を模式的に示す。これは、図3と比較して、報知装置2における両面表示装置として、プロジェクタ2dと、透明ディスプレイ2cの代わりに半透過ガラス2eが配置される。半透過ガラス2eは、透明ディスプレイ2cと同様の機能を有するが、フロントガラスを覆うように、あるいはフロントガラスと一体的に配置される。プロジェクタ2dは、半透過ガラス2eをスクリーンとして画像を投影する。プロジェクタ2dは、例えば、単焦点プロジェクタであり、半透過ガラス2eに投影された画像を車内の乗員あるいは車外の歩行者が認識可能な程度の照度を有する。ここで、投影される画像が、車内向け提示情報と車外向け提示情報に相当する。
さらに、ここでは、図2から図4において表示される車両内向け提示情報と車外向け提示情報を説明する。図5(a)-(c)は、車両100における表示を示す。図5(a)-(c)では、両面表示装置として透明ディスプレイ2cを例示するが、透明ディスプレイ2a、プロジェクタ2dを使った半透過ガラス2eにおいても同様の表示がなされればよい。また、図5(a)-(c)のそれぞれにおいて、左側には車内から見た場合の表示が示され、右側には車外から見た場合の表示が示される。図5(a)では、車内向け提示情報200として、例えば、映画の一場面が表示される。車内向け提示情報200は車内から見る場合に乗員が読めるように表示される。そのため、車内向け提示情報200は車外から見ると反対向きに表示される。
図5(b)では、車外向け提示情報202として、例えば、歩行者へのメッセージ「お先にどうぞ」が表示される。これは、車両100が停止し、車両100の前を歩行者に横断させるためのメッセージである。車外向け提示情報202は車外から見る場合に歩行者が読めるように表示される。そのため、車外向け提示情報202は車内から見ると反対向きに表示される。
図5(c)は、車内向け提示情報200の別の例であり、乗員に対する時刻、進路、時速の情報が透明ディスプレイ2cの下方に示される。ここでも、車内向け提示情報200は車内から見る場合に乗員が読めるように表示される。なお、透明ディスプレイ2cの上方には車内向け提示情報200が表示されないので、車両100において手動運転がなされる場合においても図5(c)の表示を適用可能である。図1に戻る。
無線装置8は、携帯電話通信システム、WMAN(Wireless Metropolitan Area Network)等に対応しており、無線通信を実行する。運転操作部10は、ステアリング11、ブレーキペダル12、アクセルペダル13、ウィンカスイッチ14を備える。ステアリング11、ブレーキペダル12、アクセルペダル13、ウィンカスイッチ14は、ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECUとモータECUおよびウィンカコントローラにより電子制御が可能である。自動運転モードにおいて、ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、モータECUは、自動運転制御装置30から供給される制御信号に応じて、アクチュエータを駆動する。またウィンカコントローラは、自動運転制御装置30から供給される制御信号に応じてウィンカランプを点灯あるいは消灯する。
検出部20は、車両100の周囲状況および走行状態を検出する。検出部20は、例えば、車両100の速度、車両100に対する先行車両の相対速度、車両100と先行車両との距離、車両100に対する側方車線の車両の相対速度、車両100と側方車線の車両との距離、車両100の位置情報を検出する。検出部20は、検出した各種情報(以下、「検出情報」という)を自動運転制御装置30に出力する。また、検出部20は、自動運転制御装置30を介して運転支援装置40に検出情報を出力してもよいし、運転支援装置40に直接出力してもよい。検出部20は、位置情報取得部21、センサ22、速度情報取得部23、地図情報取得部24を含む。
位置情報取得部21は、GNSS(Global Navigation Satellite System(s))受信機から車両100の現在位置を取得する。センサ22は、車外の状況および車両100の状態を検出するための各種センサの総称である。車外の状況を検出するためのセンサとして例えばカメラ、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、ソナー、気温センサ、気圧センサ、湿度センサ、照度センサ等が搭載される。車外の状況は、車線情報を含む自車の走行する道路状況、天候を含む環境、自車周辺状況、近傍位置にある他車両(隣接車線を走行する他車両等)を含む。なお、センサ22が検出できる車外の情報であれば何でもよい。また車両100の状態を検出するためのセンサ22として例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、傾斜センサ等が搭載される。
速度情報取得部23は、車速センサから車両100の現在速度を取得する。地図情報取得部24は、地図データベースから車両100の現在位置周辺の地図情報を取得する。地図データベースは、車両100内の記録媒体に記録されていてもよいし、使用時にネットワークを介して地図サーバからダウンロードしてもよい。なお、地図情報には、道路、交差点に関する情報が含まれている。
自動運転制御装置30は、自動運転制御機能を実装した自動運転コントローラであり、自動運転における車両100の行動を決定する。自動運転制御装置30は、制御部31、記憶部32、I/O(Input/Output部、入出力部)部33を備える。制御部31の構成はハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、その他のLSIを利用でき、ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア等のプログラムを利用できる。記憶部32は、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を備える。I/O部33は、各種の通信フォーマットに応じた通信制御を実行する。例えば、I/O部33は、自動運転に関する情報を運転支援装置40に出力するとともに、制御コマンドを運転支援装置40から入力する。また、I/O部33は、検出情報を検出部20から入力する。
制御部31は、運転支援装置40から入力した制御コマンド、検出部20あるいは各種ECUから収集した各種情報を自動運転アルゴリズムに適用して、車両100のアクセルスロットル開度、ステアリング舵角等の自動制御対象を制御するための制御値を算出する。制御部31は算出した制御値を、各制御対象のECUまたはコントローラに伝達する。本実施の形態ではステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、ウィンカコントローラに伝達する。なお電気自動車あるいはハイブリッドカーの場合、エンジンECUに代えてまたは加えてモータECUに制御値を伝達する。
運転支援装置40は、車両100と乗員との間のインタフェース機能を実行するHMIコントローラであり、制御部41、記憶部42、I/O部43を備える。制御部41は、HMI制御等の各種データ処理を実行する。制御部41は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用でき、ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア等のプログラムを利用できる。
記憶部42は、制御部41により参照され、または更新されるデータを記憶する記憶領域である。例えばフラッシュメモリ等の不揮発の記録媒体により実現される。I/O部43は、各種の通信フォーマットに応じた各種の通信制御を実行する。I/O部43は、操作信号入力部50、画像・音声出力部51、検出情報入力部52、コマンドIF(Interface、インタフェース)53、通信IF56を備える。
操作信号入力部50は、入力装置4に対してなされた乗員もしくは車外にいるユーザの操作による操作信号を入力装置4から受信し、制御部41へ出力する。画像・音声出力部51は、制御部41が生成した画像データあるいは音声メッセージを報知装置2へ出力して表示させる。検出情報入力部52は、検出部20による検出処理の結果であり、車両100の現在の周囲状況および走行状態を示す検出情報を検出部20から受信し、制御部41へ出力する。
コマンドIF53は、自動運転制御装置30とのインタフェース処理を実行し、行動情報入力部54とコマンド出力部55を含む。行動情報入力部54は、自動運転制御装置30から送信された車両100の自動運転に関する情報を受信し、制御部41へ出力する。コマンド出力部55は、自動運転制御装置30に対して自動運転の態様を指示する制御コマンドを、制御部41から受けつけて自動運転制御装置30へ送信する。
通信IF56は、無線装置8とのインタフェース処理を実行する。通信IF56は、制御部41から出力されたデータを無線装置8へ送信し、無線装置8から車外の装置へ送信させる。また、通信IF56は、無線装置8により転送された、車外の装置からのデータを受信し、制御部41へ出力する。
なお、ここでは、自動運転制御装置30と運転支援装置40は別個の装置として構成される。変形例として、図1の破線で示すように、自動運転制御装置30と運転支援装置40を1つのコントローラに統合してもよい。言い換えれば、1つの自動運転制御装置が、図1の自動運転制御装置30と運転支援装置40の両方の機能を備える構成であってもよい。
図6は、運転支援装置40の構成を示す。ここでは、車内向け提示情報200と車外向け提示情報202の表示に関する構成を中心に示しており、これは、表示制御装置の構成であるともいえる。また、運転支援装置40と報知装置2(透明ディスプレイ2c)との組合せは、表示制御システムであるともいえる。運転支援装置40は、検出情報入力部52、行動情報入力部54、制御部41、画像・音声出力部51を含む。制御部41は、判定部72、提示情報生成部74を含む。検出情報入力部52は、センサ22、位置情報取得部21に接続され、行動情報入力部54は、自動運転制御装置30に接続され、画像・音声出力部51は、両面表示装置の一例である透明ディスプレイ2cに接続される。
センサ22は、車両100の周辺、特に前方の歩行者の存在を検出可能なセンサであり、歩行者の存在に関する検出結果を検出情報として検出情報入力部52に出力する。センサ22として公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。速度情報取得部23は、前述のごとく、車速センサから車両100の現在速度を取得する。速度情報取得部23は、現在速度を検出情報として検出情報入力部52に出力する。自動運転制御装置30は、車両100の自動運転に関する行動情報を出力する。行動情報には、走行速度が含まれる。検出情報入力部52には、センサ22からの検出情報が入力されるとともに、速度情報取得部23からの検出情報が入力される。また、行動情報入力部54には、自動運転制御装置30からの行動情報が入力される。
ここでは、車両周辺の歩行者の存在の検出結果に関する情報が第1情報とよばれ、車両100の走行状態に関する情報が第2情報とよばれる。そのため、センサ22からの検出情報である検出結果が第1情報に相当し、速度情報取得部23からの検出情報である現在速度と、自動運転制御装置30からの走行速度の少なくとも1つが第2情報に相当する。つまり、現在速度と走行速度のいずれかだけが第2情報として使用されてもよいし、現在速度と走行速度とから導出した速度が第2情報として使用されてもよい。以下では、現在速度と走行速度を「速度情報」と総称する。また、第1情報が入力される入力部が第1情報入力部60とよばれ、第2情報が入力される入力部が第2情報入力部62とよばれる。そのため、検出情報入力部52のうち、センサ22に接続された部分が第1情報入力部60に相当する。また、検出情報入力部52のうち、速度情報取得部23に接続された部分と、行動情報入力部54の少なくとも1つが第2情報入力部62に相当する。
判定部72は、検出情報入力部52と行動情報入力部54とに接続され、歩行者の存在の判定結果と、車両100の速度情報とを取得する。判定部72は、判定結果と速度情報をもとに、透明ディスプレイ2cの表示内容として、車内向け提示情報200にするか、あるいは車外向け提示情報202にするかを決定する。ここでは、判定部72での判定を説明するために、図7(a)-(c)を説明する。図7(a)-(c)は、運転支援装置40による動作概要を示す。図7(a)は歩行者の存在の判定結果を示し、図7(b)は車両100の速度情報を示し、図7(c)は判定部72での判定結果を示す。
時間t1において、検出結果が歩行者なしを示し、速度情報は「V1km/h」を示す。なお、判定部72は、速度情報の速度に対するしきい値を定めるが、ここでは、例えば、しきい値を「0km/h」とする。そのため、速度がしきい値よりも高いことは、車両100が走行している状態に相当し、速度がしきい値以下であることは、車両100が停止している状態に相当する。なお、しきい値は、「0km/h」に限定されない。判定部72は、走行状態が走行を示し、検出結果が歩行者なしを示す場合、車内向け提示情報200を選択する。
時間t2において、検出結果が歩行者ありに変わり、速度情報が「V1km/h」から低下していく。これは、歩行者の検出によって、自動運転制御装置30が車両100を減速させる運転行動を実行することに相当する。判定部72は、走行状態が走行を示す場合に、検出結果が歩行者なしからありに変わると、走行状態が停止になるまで、車内向け提示情報200を選択し続ける。
時間t3において、検出結果が歩行者ありを示し、速度情報は「0km/m」を示す。これは、車両100を停止させる運転行動を実行することに相当する。判定部72は、走行状態が停止を示し、検出結果が歩行者ありを示す場合、車外向け提示情報202を選択する。
時間t4において、検出結果が歩行者なしに変わり、速度情報は「0km/m」を示す。これは、停止している車両100の前を歩行者が横断し終わったことに相当する。判定部72は、走行状態が停止を示す場合に、検出結果が歩行者ありからなしに変わると、走行状態が走行になるまで、車外向け提示情報202を選択し続ける。
時間t5において、検出結果が歩行者なしを示し、速度情報が「0km/h」から増加していく。これは、自動運転制御装置30が車両100を加速させる運転行動を実行することに相当する。判定部72は、走行状態が走行を示し、検出結果が歩行者なしを示す場合、車内向け提示情報200を選択する。図6に戻る。判定部72は、判定結果を提示情報生成部74に出力する。
提示情報生成部74は、判定部72における判定結果にしたがって、車内向け提示情報200、車外向け提示情報202を生成し、画像・音声出力部51に出力する。判定結果が車内向け提示情報200である場合、提示情報生成部74は、図5(a)に示すような車内向け提示情報200を生成する。提示情報生成部74は、画像・音声出力部51に車内向け提示情報200を出力し、画像・音声出力部51は、透明ディスプレイ2cに車内向け提示情報200を出力する。このような画像・音声出力部51は提示情報出力部ともいえる。透明ディスプレイ2cは車内向け提示情報200を表示する。一方、判定結果が車外向け提示情報202である場合、提示情報生成部74は、図5(b)のような車外向け提示情報202を生成する。提示情報生成部74は、画像・音声出力部51に車外向け提示情報202を出力し、画像・音声出力部51は、透明ディスプレイ2cに車外向け提示情報202を出力する。透明ディスプレイ2cは車外向け提示情報202を表示する。このようにして、判定部72における判定結果にしたがって、透明ディスプレイ2cの表示内容は、車内向け提示情報200と車外向け提示情報202との間で切り替わる。提示情報生成部74は提示処理部とよばれてもよい。
なお、車外向け提示情報202は、図5(b)に限定されない。図8(a)-(d)は、車両100における別の表示を示す。提示情報生成部74は、判定部72において車外向け提示情報202が選択された場合、センサ22において検出した歩行者の位置に応じて、画像が変化するような車外向け提示情報202を生成してもよい。図8(a)は、車両100の前方に向かって人物300が移動してくる場合を示す。その際、透明ディスプレイ2cに表示される車外向け提示情報202では、歩行者の画像が端部よりの部分に配置される。また、歩行者の画像は横方向に広がった形状を有する。
図8(b)は、図8(a)の車外向け提示情報202を人物300が見た場合を示す。人物300は、透明ディスプレイ2cの正面からずれた位置から車外向け提示情報202を見るので、歩行者の画像を横方向に広がっていないように見える。図8(c)は、図8(a)と比較して、歩行者が車両100の前方に近づいた場合を示す。その際、透明ディスプレイ2cに表示される車外向け提示情報202では、歩行者の画像が中央部分に配置される。また、歩行者の画像は横方向に広がっていない形状を有する。図8(d)は、図8(c)の車外向け提示情報202を人物300が見た場合を示す。
以上の構成による運転支援装置40の動作を説明する。図9(a)-(c)は、運転支援装置40による切替手順を示すフローチャートである。図9(a)は、全体的な処理を示す。車内向け中である場合(S10のY)、車内向け中処理が実行される(S12)。車内向け中でなく(S10のN)、車外向け中である場合(S14のY)、車外向け中処理が実行される(S16)。車外向け中でない場合(S14のN)、処理は終了される。図9(b)は、図9(a)のステップ12の車内向け中処理を示す。歩行者ありであり(S20のY)、停止中である場合(S22のY)、車外向け切替指示発行が実行される(S24)。その条件が成立しない場合(S20のN)、あるいは(S22のN)、処理は終了される。図9(c)は、図9(a)のステップ16の車外向け中処理を示す。歩行者ありでなく(S30のN)、停止中でない場合(S32のN)、車内向け切替指示発行が実行される(S34)。その条件が成立しない場合(S30のY)、あるいは(S32のY)、処理は終了される。
本実施の形態によれば、歩行者の存在の検出結果と車両の走行状態とをもとに、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえるので、両面表示装置に車内向け提示情報と車外向け提示情報とを表示できる。また、両面表示装置に車内向け提示情報と車外向け提示情報とが表示されるので、両面表示装置を効率的に使用しながら、外部にメッセージを表示できる。また、停止状態であり、かつ歩行者が存在する場合、車外向け提示情報を出力するので、歩行者が視認する可能性がある場合に車外向け提示情報を出力できる。また、走行しており、かつ歩行者が存在しない場合、車内向け提示情報を出力するので、歩行者が視認する可能性がない場合に車内向け提示情報を出力できる。また、歩行者の検出結果が変わっても走行状態が変化するまで、現在の提示情報を維持するので、早すぎる切替を抑制できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2を説明する。実施の形態2も実施の形態1と同様に、車内向けの表示と車外向けの表示を制御するに係る運転支援装置に関する。実施の形態1は、走行の状態と歩行者の有無に応じて、車内向け提示情報と車外向け提示情報とが切りかえられて表示される。実施の形態2では、これらが切りかえられるときに切替の予告が表示される。実施の形態2に係る車両100は、図1から図4と同様のタイプであり、運転支援装置40は、図6と同様のタイプである。ここでは、実施の形態1との差異を中心に説明する。
図6の判定部72は、前述のごとく、車両100の速度情報と、歩行者の存在の判定結果をもとに、透明ディスプレイ2cの表示内容を、車内向け提示情報200にするか、あるいは車外向け提示情報202にするかを決定する。さらに、判定部72は、車内向け提示情報200から車外向け提示情報202への切替を通知するための情報(以下、「内外切替予告」という)を出力するか否かを決定する。また、判定部72は、車外向け提示情報202から車内向け提示情報200への切替を通知するための情報(以下、「外内切替予告」という)を出力するか否かを決定する。ここでは、判定部72での判定を説明するために、図10(a)-(c)を説明する。図10(a)-(c)は、運転支援装置40による動作概要を示し、これは図7(a)-(c)と同様に示される。特に、説明を明瞭にするために、図10(a)-(b)は、図7(a)-(b)と同一である。
判定部72は、時間t1において、走行状態が走行を示し、検出結果が歩行者なしを示す場合、車内向け提示情報200を選択する。判定部72は、時間t2において、走行状態が走行を示す場合に、検出結果が歩行者なしからありに変わると、走行状態が停止になるまで、車内向け提示情報200を選択し続けるとともに、内外切替予告204の出力も決定する。判定部72は、時間t3において、走行状態が停止を示し、検出結果が歩行者ありを示す場合、車外向け提示情報202を選択する。その際、判定部72は、内外切替予告204の出力停止も決定する。判定部72は、時間t4において、走行状態が停止を示す場合に、検出結果が歩行者ありからなしに変わると、走行状態が走行になるまで、車外向け提示情報202を選択し続けるとともに、外内切替予告206の出力も決定する。判定部72は、時間t5において、走行状態が走行を示し、検出結果が歩行者なしを示す場合、車内向け提示情報200を選択する。その際、判定部72は、外内切替予告206の出力停止も決定する。図6に戻る。
提示情報生成部74は、判定部72における判定結果にしたがって、車内向け提示情報200、車外向け提示情報202を生成し、画像・音声出力部51に出力する。判定結果が車内向け提示情報200である場合、提示情報生成部74は、図5(a)に示すような車内向け提示情報200を生成し、判定結果が車外向け提示情報202である場合、提示情報生成部74は、図5(b)のような車外向け提示情報202を生成する。さらに、提示情報生成部74は、判定結果が車内向け提示情報200であり、かつ内外切替予告204の出力も決定された場合、内外切替予告204が重ね合わされた車内向け提示情報200を生成する。一方、提示情報生成部74は、判定結果が車外向け提示情報202であり、かつ外内切替予告206の出力も決定された場合、外内切替予告206が重ね合わされた車外向け提示情報202を生成する。このようにして、判定部72における判定結果にしたがって、透明ディスプレイ2cの表示内容は、車内向け提示情報200と車外向け提示情報202との間で切り替わる。これらの表示内容を図11(a)-(b)を使用しながら説明する。
図11(a)-(b)は、車両100における表示を示す。これは、図5(a)-(c)と同様に示される。図11(a)では、車内向け提示情報200として、例えば、映画の一場面が表示される。また、車内向け提示情報200に重ね合わせられるように、車内向け提示情報200の一部に内外切替予告204のメッセージが表示される。ここで、車内向け提示情報200と内外切替予告204は車内から見る場合に乗員が読めるように表示される。そのため、車内向け提示情報200と内外切替予告204は車外から見ると反対向きに表示されている。
図11(b)では、車外向け提示情報202として、例えば、歩行者へのメッセージが表示される。また、車外向け提示情報202に重ね合わせられるように、車外向け提示情報202の一部に外内切替予告206のメッセージが表示される。車外向け提示情報202は車外から見る場合に歩行者が読めるように表示され、外内切替予告206は車内から見る場合に乗員が読めるように表示される。そのため、車外向け提示情報202は車内から見ると反対向きに表示され、外内切替予告206は車外から見ると反対向きに表示されている。
なお、車内向け提示情報200と車外向け提示情報202とが切りかえられる際の表示は、図11(a)-(b)に限定されない。図12(a)-(d)は、車両100における別の表示を示す。図13(a)-(d)は、車両100におけるさらに別の表示を示す。これらは、センターディスプレイ2b、透明ディスプレイ2cを車内から見た場合を示す。図3に示したように、透明ディスプレイ2cの下方にはセンターディスプレイ2bが配置される。図12(a)では、図11(a)と同様に、車内向け提示情報200と内外切替予告204が透明ディスプレイ2cに表示される。図12(b)-(c)は、図12(a)に続く表示であり、内外切替予告204が消去されるとともに、車内向け提示情報200の表示面積が小さくなっていく。図12(d)は、図12(c)に続く表示である。透明ディスプレイ2cには車外向け提示情報202が表示される。これは、図10の時間t3での表示に相当する。一方、センターディスプレイ2bには車内向け提示情報200が表示される。
図13(a)では、図11(b)と同様に、車外向け提示情報202と外内切替予告206が透明ディスプレイ2cに表示される。さらに、センターディスプレイ2bには車内向け提示情報200が表示されるとともに、外内切替予告206も表示される。なお、車外向け提示情報202の表示中に、車内向け提示情報200は、別の表示デバイスに表示されるのではなく、両面表示装置に小さく表示されてもよい。図13(b)は、図13(a)に続く表示であり、透明ディスプレイ2cにおける車外向け提示情報202、外内切替予告206が消去され、センターディスプレイ2bにおける外内切替予告206も消去される。さらに、センターディスプレイ2bにおける車内向け提示情報200の表示面積が小さくなっていく。図13(c)は、図13(b)に続く表示であり、車内向け提示情報200がセンターディスプレイ2bから消去され、透明ディスプレイ2cの一部に表示される。図13(d)は、図13(c)に続く表示であり、車内向け提示情報200が透明ディスプレイ2cに表示される。これは、図10の時間t5に相当する。
以上の構成による運転支援装置40の動作を説明する。図14(a)-(e)は、運転支援装置40による切替手順を示すフローチャートである。図14(a)は、全体的な処理を示す。内外切替予告中である場合(S40のY)、内外切替予告中処理が実行される(S42)。内外切替予告中でなく(S40のN)、外内切替予告中である場合(S44のY)、外内切替予告中処理が実行される(S46)。外内切替予告中でなく(S44のN)、車内向け中である場合(S48のY)、車内向け中処理が実行される(S50)。車内向け中でなく(S48のN)、車外向け中である場合(S52のY)、車外向け中処理が実行される(S54)。車外向け中でない場合(S52のN)、処理は終了される。
図14(b)は、図14(a)のステップ42の内外切替予告中処理を示す。停止中である場合(S60のY)、車外向け切替指示発行が実行される(S62)。停止中でない場合(S60のN)、処理は終了される。図14(c)は、図14(a)のステップ46の外内切替予告中処理を示す。停止中でない場合(S70のN)、車内向け切替指示発行が実行される(S72)。停止中である場合(S70のY)、処理は終了される。図14(d)は、図14(a)のステップ50の車内向け中処理を示す。歩行者ありであり(S80のY)、停止中でない場合(S82のN)、内外切替指示発行が実行される(S84)。そうでない場合(S80のN)、あるいは(S82のY)、処理は終了される。図14(e)は、図14(a)のステップ54の車外向け中処理を示す。歩行者ありでなく(S90のN)、停止中である場合(S92のY)、外内切替指示発行が実行される(S94)。そうでない場合(S90のY)、あるいは(S92のN)、処理は終了される。
本実施の形態によれば、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間の切替がなされる場合に、切替予告を出力するので、切替の発生を乗員に知らせることができる。また、切替の発生が乗員に知らせられるので、乗員は切替にスムーズに対応できる。また、車内向け提示情報を出力し続けるので、車両の乗員は、中断することなく車内向け提示情報を見続けることができる。
(実施の形態3)
次に実施の形態3を説明する。実施の形態3もこれまでと同様に、車内向けの表示と車外向けの表示を制御するに係る運転支援装置に関する。実施の形態1は、走行の状態と歩行者の有無に応じて、車内向け提示情報と車外向け提示情報とが切りかえられて表示される。実施の形態3では、これらが切りかえられるときに両方向けの提示情報が表示される。実施の形態3に係る車両100は、図1から図4と同様のタイプであり、運転支援装置40は、図6と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
図6の判定部72は、前述のごとく、車両100の速度情報と、歩行者の存在の判定結果をもとに、透明ディスプレイ2cの表示内容を、車内向け提示情報200にするか、あるいは車外向け提示情報202にするかを決定する。さらに、判定部72は、車内向け提示情報200から車外向け提示情報202への切替の間、車外向け提示情報202から車内向け提示情報200への切替の間に、両方向け提示情報を出力するか否かを決定する。ここで、両方向け提示情報とは、透明ディスプレイ2c等に表示された場合に、文字の向きが車外と車内から読める情報である。ここでは、判定部72での判定を説明するために、図15(a)-(c)を説明する。図15(a)-(c)は、運転支援装置40による動作概要を示し、これは図7(a)-(c)と同様に示される。特に、説明を明瞭にするために、図15(a)-(b)は、図7(a)-(b)と同一である。
判定部72は、時間t1において、走行状態が走行を示し、検出結果が歩行者なしを示す場合、車内向け提示情報200を選択する。判定部72は、時間t2において、走行状態が走行を示す場合に、検出結果が歩行者なしからありに変わっても、走行状態が停止になる時間t3からTだけ前の時間t6になるまで、車内向け提示情報200を選択し続ける。この処理を詳細に説明すると、判定部72は、時間t2において、速度情報をもとに走行状態が停止になる時間t3を推定する。また、期間Tは例えば5秒のように予め定められているので、判定部72は、時間t3から期間Tを減算することによって時間t6を導出する。判定部72は、時間t6において、両方向け提示情報として停車予告208を選択する。判定部72は、時間t3において、走行状態が停止を示し、検出結果が歩行者ありを示す場合、車外向け提示情報202を選択する。
判定部72は、時間t7において、走行状態が停止を示し、検出結果が歩行者ありを示す場合、両方向け提示情報として発車予告210を選択する。ここで、時間t7は、検出結果が歩行者ありからなしに変わる時間t4よりも前の時間である。時間t7を説明するために、ここでは図16を使用する。図16は、判定部72での処理概要を示す。車両100の前方にセンサ22が配置され、センサ22は前方に向かって広がる検出範囲304を形成する。センサ22は、検出範囲304において歩行者306の存在を検出する。図16において、歩行者306は、検出範囲304を横切るように移動する。歩行者306が検出範囲304外に移動したときに、センサ22は歩行者306を検出しなくなり、検出結果が歩行者なしを示すようになる。このときが時間t4に相当する。一方、センサ22から前方に直進する方向に中心線302が規定される。歩行者306が移動し中心線302をまたいだときが時間t7とされる。ここで、時間t7と時間t5との間の期間は、固定値、例えば5秒のように予め定められてもよい。図15(a)-(c)に戻る。
判定部72は、時間t4において、走行状態が停止を示す場合に、検出結果が歩行者ありからなしに変わると、走行状態が走行になるまで、発車予告210を選択し続ける。判定部72は、時間t5のように、走行状態が走行を示し、検出結果が歩行者なしを示す場合、車内向け提示情報200を選択する。図6に戻る。
提示情報生成部74は、判定部72における判定結果にしたがって、透明ディスプレイ2cの表示内容を、車内向け提示情報200と車外向け提示情報202との間で切りかえる。判定結果が車内向け提示情報200である場合、提示情報生成部74は、図5(a)に示すような車内向け提示情報200を生成し、判定結果が車外向け提示情報202である場合、提示情報生成部74は、図5(b)のような車外向け提示情報202を生成する。さらに、提示情報生成部74は、車内向け提示情報200と車外向け提示情報202との間において判定結果が停車予告208である場合、停車予告208を生成する。一方、提示情報生成部74は、車外向け提示情報202と車内向け提示情報200との間において判定結果が発車予告210である場合、発車予告210を生成する。これらの表示内容を図17(a)-(d)を使用しながら説明する。
図17(a)-(d)は、車両100における表示を示す。図17(a)-(b)は、停車予告208を示し、特に図17(a)が車内から見た表示を示し、図17(b)が車外から見た表示を示す。図示のごとく、車内から文字を読むことができ、かつ車外からも文字を読むことができる。ここでは、「5」から「1」までのカウントダウンの表示がなされた後、メッセージが表示される。図17(c)-(d)は、発車予告210を示し、特に図17(c)が車内から見た表示を示し、図17(d)が車外から見た表示を示す。これらは停車予告208と同様であり、最後に表示されるメッセージの内容だけが停車予告208と異なる。
以上の構成による運転支援装置40の動作を説明する。図18(a)-(e)は、運転支援装置40による切替手順を示すフローチャートである。図18(a)は、全体的な処理を示す。停車予告中である場合(S100のY)、停車予告中処理が実行される(S102)。停車予告中でなく(S100のN)、発車予告中である場合(S104のY)、発車予告中処理が実行される(S106)。発車予告中でなく(S104のN)、車内向け中である場合(S108のY)、車内向け中処理が実行される(S110)。車内向け中でなく(S108のN)、車外向け中である場合(S112のY)、車外向け中処理が実行される(S114)。車外向け中でない場合(S112のN)、処理は終了される。
図18(b)は、図18(a)のステップ102の停車予告中処理を示す。停止中である場合(S120のY)、車外向け切替指示発行が実行される(S112)。停止中でない場合(S120のN)、処理は終了される。図18(c)は、図18(a)のステップ106の発車予告中処理を示す。停止中でない場合(S130のN)、車内向け切替指示発行が実行される(S132)。停止中である場合(S130のY)、処理は終了される。図18(d)は、図18(a)のステップ110の車内向け中処理を示す。歩行者ありであり(S140のY)、停止前5秒内である場合(S142のY)、停車予告切替指示発行が実行される(S144)。そうでない場合(S140のN)、あるいは(S142のN)、処理は終了される。図18(e)は、図18(a)のステップ114の車外向け中処理を示す。歩行者ありであり(S150のY)、発車前5秒内である場合(S152のY)、発車予告切替指示発行が実行される(S154)。そうでない場合(S150のN)、あるいは(S152のN)、処理は終了される。
本実施の形態によれば、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で両方向け提示情報を出力するので、切替をスムーズにできる。また、両方向け提示情報が出力されるので、乗員および歩行者が確認できる。また、両方向け提示情報として発車予告が出力されるので、乗員および歩行者が確認できる。
以上、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した装置や各処理部の機能は、コンピュータプログラムにより実現されうる。上述した機能をプログラムにより実現するコンピュータは、キーボードやマウス、タッチパッドなどの入力装置、ディスプレイやスピーカなどの出力装置、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)やUSBメモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置、ネットワークを介して通信を行うネットワークカードなどを備え、各部はバスにより接続される。
また、読取装置は、上記プログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。あるいは、ネットワークカードが、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置に記憶させる。また、CPUが、記憶装置に記憶されたプログラムをRAMにコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、上記各装置の機能が実現される。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の表示制御装置は、車内からも車外からも視認可能である車載の報知装置の表示内容を制御する表示制御装置であって、車両周辺の歩行者の存在の検出結果に関する第1情報が入力される第1情報入力部と、車両の走行状態に関する第2情報が入力される第2情報入力部と、第1情報入力部に入力された第1情報と、第2情報入力部に入力された第2情報とをもとに、報知装置の表示内容を、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえる提示処理部と、提示処理部において切りかえた車内向け提示情報あるいは車外向け提示情報を報知装置に出力する提示情報出力部と、を備える。
この態様によると、歩行者の存在の検出結果と、車両の走行状態とをもとに、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえるので、車両に搭載されるデバイスを効率的に使用しながら、外部にメッセージを表示できる。
提示情報出力部は、走行状態がしきい値よりも高い速度の状態を示し、かつ検出結果が歩行者の非存在を示す場合、車内向け提示情報を報知装置に出力し、走行状態がしきい値以下の速度の状態を示し、かつ検出結果が歩行者の存在を示す場合、車外向け提示情報を報知装置に出力してもよい。この場合、しきい値以下の速度の状態を示し、かつ歩行者が存在する場合、車外向け提示情報を出力するので、歩行者が視認する可能性がある場合に車外向け提示情報を出力できる。
提示情報出力部は、走行状態がしきい値よりも高い速度の状態を示す場合に、検出結果が歩行者の非存在から存在に変わると、走行状態がしきい値以下の速度の状態になるまで、車内向け提示情報を報知装置に出力し続け、提示情報出力部は、走行状態がしきい値以下の速度の状態を示す場合に、検出結果が歩行者の存在から非存在に変わると、走行状態がしきい値よりも高い速度の状態になるまで、車外向け提示情報を報知装置に出力し続ける。この場合、検出結果が変わっても走行状態が変化するまで、現在の提示情報を維持するので、早すぎる切替を抑制できる。
提示情報出力部は、走行状態がしきい値以下の速度の状態になるまで、車内向け提示情報を報知装置に出力し続ける場合、車内向け提示情報から車外向け提示情報への切替予告も報知装置に出力し、提示情報出力部は、走行状態がしきい値よりも高い速度の状態になるまで、車外向け提示情報を報知装置に出力し続ける場合、車外向け提示情報から車内向け提示情報への切替予告も報知装置に出力してもよい。この場合、切替予告を出力するので、切替の発生を乗員に知らせることができる。
提示情報出力部は、車外向け提示情報を出力している場合に、車内向け提示情報も出力してもよい。この場合、車内向け提示情報を出力し続けるので、車両の乗員は、中断することなく車内向け提示情報を見続けることができる。
提示情報出力部は、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえる場合、それらの間に両方向け提示情報を報知装置に出力してもよい。この場合、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で両方向け提示情報を出力するので、切替をスムーズにできる。
提示情報出力部は、車外向け提示情報から車内向け提示情報に切りかえる場合の両方向け提示情報として発車予告を出力してもよい。この場合、両方向け提示情報として発車予告が出力されるので、乗員および歩行者が確認できる。
本発明の別の態様は、車両である。この車両は、車内からも車外からも視認可能である車載の報知装置の表示内容を制御する表示制御装置を備える車両であって、表示制御装置は、車両周辺の歩行者の存在の検出結果に関する第1情報が入力される第1情報入力部と、車両の走行状態に関する第2情報が入力される第2情報入力部と、第1情報入力部に入力された第1情報と、第2情報入力部に入力された第2情報とをもとに、報知装置の表示内容を、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえる提示処理部と、提示処理部において切りかえた車内向け提示情報あるいは車外向け提示情報を報知装置に出力する提示情報出力部と、を備える。
この態様によると、歩行者の存在の検出結果と、車両の走行状態とをもとに、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえるので、車両に搭載されるデバイスを効率的に使用しながら、外部にメッセージを表示できる。
本発明のさらに別の態様は、表示制御方法である。この方法は、車内からも車外からも視認可能である車載の報知装置の表示内容を制御する表示制御方法であって、車両周辺の歩行者の存在の検出結果に関する第1情報が入力されるステップと、車両の走行状態に関する第2情報が入力されるステップと、入力された第1情報と、入力された第2情報とをもとに、報知装置の表示内容を、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえるステップと、切りかえた車内向け提示情報あるいは車外向け提示情報を報知装置に出力するステップと、を備える。
本発明のさらに別の態様は、表示制御システムである。この表示制御システムは、車内からも車外からも視認可能である車載の報知装置と、報知装置の表示内容を制御する表示制御装置とを備える。表示制御装置は、車両周辺の歩行者の存在の検出結果に関する第1情報が入力される第1情報入力部と、車両の走行状態に関する第2情報が入力される第2情報入力部と、第1情報入力部に入力された第1情報と、第2情報入力部に入力された第2情報とをもとに、報知装置の表示内容を、車内向け提示情報と車外向け提示情報との間で切りかえる提示処理部と、提示処理部において切りかえた車内向け提示情報あるいは車外向け提示情報を報知装置に出力する提示情報出力部と、を備える。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態1乃至3において、車両100には自動運転制御がなされている。しかしながらこれに限らず例えば、車両100は手動運転であってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施の形態1乃至3の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、組合せによる効果を得ることができる。