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JP7020874B2 - 複合部材およびその製造方法 - Google Patents

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JP7020874B2
JP7020874B2 JP2017221578A JP2017221578A JP7020874B2 JP 7020874 B2 JP7020874 B2 JP 7020874B2 JP 2017221578 A JP2017221578 A JP 2017221578A JP 2017221578 A JP2017221578 A JP 2017221578A JP 7020874 B2 JP7020874 B2 JP 7020874B2
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Description

本発明は、樹脂同士、または樹脂と異種材料とが接合された複合部材およびその製造方法に関する。
樹脂同士、または樹脂と金属やガラス、無機材料といった異種材料とが接合された複合部材は、従来から、インストルメントパネル周りのコンソールボックス等の自動車の内装部材やエンジン周り部品、インテリア部品、デジタルカメラや携帯電話等の電子機器の筐体部、インターフェース接続部、電源端子部等の外界と接触する部品に用いられている。
樹脂と樹脂、または樹脂と異種材料とを複合化する方法としては、樹脂と接合される相手側部材の接合面に微小な凹凸を形成しておきアンカー効果で接合する方法、接着剤や両面テープを用いて接着する方法、異種材料及び/又は樹脂成形品に折り返し片や爪等の固定部材を設け、この固定部材を用いて両者を固着させる方法、ねじ等を用いて接合する方法等がある。これらの中でも、樹脂板、金属板に微小な凹凸を形成する方法や接着剤を用いる方法は、複合成形品を設計する形状自由度の点で有効である(特許文献1、2)。
国際公開第WO2014/125999号パンフレット 特開2014-117724号公報
上記特許文献1、2に記載の方法は、レーザーで対象部材の表面に溝を形成するため、局所的な発熱があり、接合部材の熱膨張に起因する変形を生じることがあった。また樹脂にレーザー加工した場合、樹脂の炭化物が接合面に残り経時での接合性を劣化させる場合があるという課題があった。
本発明の目的は、樹脂同士、または樹脂と金属やガラス、無機材料といった異種材料とを複合化した複合部材およびその新たな製造方法を提供することにある。
本発明は、下記によって達成された。
1. 基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦100000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなる第2部材、とを接合してなる複合部材。
2.前記第2部材が、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦63000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなるものである前記1に記載の複合部材。
3.前記樹脂組成物が、エラストマを含むものである前記1又は2に記載の複合部材。
4.基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、エラストマを含む樹脂組成物からなる第2部材とを接合してなる複合部材。
5.前記エラストマが、オレフィン系重合体、ポリエステル系エラストマ及びウレタン系エラストマ、アクリル系重合体から選ばれる少なくとも1種である前記3又は4に記載の複合部材。
6. 前記エラストマが、グリシジル基を含有するエラストマである前記3~5いずれかに記載の複合部材。
7.前記無機粒子からなる層が、平均粒径1~500nmの無機粒子からなるものである、前記1~6いずれかに記載の複合部材。
8.前記無機粒子からなる層が、厚さ1~1500nmである、前記1~7いずれかの項に記載の複合部材。
9.前記無機粒子からなる層が、最密充填した無機粒子からなるものである、前記1~8いずれかに記載の複合部材。
10.前記基材が、JIS B 0601:1982に準拠して測定される表面粗さが、Rz=Rmax±10%、かつRmax=1~10μmである前記1~9いずれかに記載の複合部材。
11.前記基材上の層が、実質的に前記無機粒子のみからなるものである前記1~10いずれかに記載の複合部材。
12.前記樹脂組成物が粒径0.1~50μmの無機粒子からなる充填材を5~50質量%含有するものである前記1~11いずれかに記載の複合部材。
13.前記基材が、樹脂、ガラス、セラミックおよび金属から選ばれる少なくとも1種からなるものである前記1~12いずれかに記載の複合部材。
14.前記基材の熱伝導率λ(W/m・k)が2.0以下である前記1~13いずれかに記載の複合部材。
15.前記1~14いずれかに記載の複合部材の製造方法であって、移流集積法により、基材上に無機粒子からなる層を形成して第1部材を作成し、前記第1部材上に、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦100000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなる第2部材を射出成形により接合する、複合部材の製造方法。
本発明の複合部材は、基材が熱により変形することがなく、また、基材が樹脂の場合であっても灰分が残ることもなく、経時での接合性を確保することができる。
本発明の複合部材の一実施態様1を模式的に示す平面図である。 複合部材実施態様1の斜視図である。 複合部材実施態様1の接合強度を評価する方法の模式図である。 気密試験のための試料形態を示す模式図である。 気密試験機を用いた気密性評価の方法を示す縦断面図である。 本発明の実施態様3の第1部材(A)および複合部材(B)の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<複合部材>
本発明の複合部材の一態様は、基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦10000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなる第2部材とを接合してなることを特徴とする。また、本発明の複合部材の別の態様は、基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、熱可塑性樹脂及びエラストマを含む樹脂組成物からなる第2部材とを接合してなることを特徴とする。
≪基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材≫
本発明の第1部材上の無機粒子からなる層(以下、単に粒子層ともいう)は、平均粒径1~500nmの無機粒子からなるものであることが好ましい。また、層の厚さは1~1500nmであることが好ましい。この層は、最密充填した無機粒子からなる層であることが好ましい。具体的には、例えばいわゆる移流集積法を利用して無機粒子が配列した層であることが好ましい。
この方法による粒子層は、粒子が横毛管力によって集積し、最密構造を形成することが知られている。本発明では、この粒子層を2つの部材の接合に使用することを特徴とする。つまり本発明では、基材上に形成した最密構造を有する無機粒子層が接合材の役目を果たすという、これまでにない接合方法による複合部材を提供する。
なお、第1部材の接合面上にムラなく無機粒子が分散した状態とするためには、無機粒子が第1部材の表面に二次元配列(一層のみで存在)した状態よりも、複数層に重ね塗りされた状態で存在している方が好ましいが、一方で無機粒子層が極端に厚い場合、層内で無機粒子が厚さ方向に幾重にも三次元的に積層された状態となり、無機粒子同士の境界からの剥離による第1部材と第2部材の接合強度の低下が発生するおそれがあるため、無機粒子層の厚さは、無機粒子が第1部材の接合面全体に均一に二次元的に配列(5層以下、例えば1~3層で配列)した状態となることが好ましい。
無機粒子としては、シリカ粒子、チタン粒子、アルミナ粒子等の通常の無機物粒子、金属粒子、金属酸化物粒子を適用することができる。平均粒径は好ましくは1~500nmであり、より好ましくは10~100nmであり、さらに好ましくは20~50nmである。無機粒子からなる層の厚さは、好ましくは1~1500nmであって、10~300nmがより好ましく、20~100nmがさらに好ましい。
本発明の無機粒子からなる層は、最密充填であることが好ましい。無機粒子が全て同寸法の真球状である場合、最密充填時の体積充填率は理論上約74%であるが、実際には無機粒子の形状はある程度バラつくことが通常である。また、無機粒子が厚さ方向に積層されている場合であっても、第2部材との接合を考慮する場合、最表層の無機粒子の充填状態の影響が大きいと考えられるため、ここでいう最密充填とは、無機粒子からなる層の最表層における無機粒子の面積充填率が、80%以上であることをいい、85%以上がさらに好ましい。
なお、無機粒子の平均粒径および無機粒子からなる層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した。具体的には、基材上に形成した無機粒子層の表面をTEMにより撮影した画像上で、無作為に抽出した10個の無機粒子の直径を測定して平均粒径を求め、同様に無機粒子層の断面をTEMにより撮影した画像上で、層の厚さを無作為の5箇所において測定した平均値を無機粒子からなる層の厚さとした。
また最密充填であるか否かは、基材の無機粒子層形成面における任意の領域(1μm×1μm)をTEMにより撮影し、最表層における無機粒子の充填状態の観察によって決定した。ここで、観察領域内において無機粒子が厚さ方向に積層され、かつその積層状態が均一ではない場合は、適宜画像処理を行うことで平均化した面積充填率を求めればよい。
≪基材≫
本発明の粒子層を形成するための基材は、移流集積法を適用することができる素材からなる基材であれば制限はない。例えば、金属、ガラス、セラミック、樹脂等が挙げられるが、より接合力の強い最密構造を均一に形成させるためには、基材の熱伝導率が10W/m・K以下の素材であることが好ましく、5W/m・K以下の素材であることがより好ましく、2.0W/m・K以下の素材であることがさらに好ましい。
これは、粒子の自己集積現象が穏やかに進むことから、より最密化するために好ましいものと推定している。また、基材の熱伝導率が低ければ、無機粒子を分散させた液相の揮発も穏やかに進むことで、粒子層が全面にわたり均一に形成されやすくなるために好ましいものと推定している。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法にて熱拡散率、DSCにて比熱、水中置換法(JIS Z8807固体比重測定方法に準拠)にて比重を測定し、[熱伝導率]=[熱拡散率×比熱×比重]により算出した。
樹脂としては通常の環状ポリオレフィン(COC)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶性樹脂(LCP)等は、好ましい熱可塑性樹脂であり、特に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶性樹脂(LCP)が好ましく用いられる。これら樹脂の熱伝導率は1.0W/m・K以下である。
セラミックとしてはアルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素が挙げられる。これらの熱伝導率は、0.5~1.5W/m・Kである。金属としてはアルミニウム、ステンレス、マグネシウム、銅、チタン等が挙げられる。これらの熱伝導率は10~400W/m・Kである。
≪表面粗さが、Rz=Rmax±10%、かつRmax=1~10μmである基材≫
本発明の粒子層を形成する基材の表面は、表面粗さが、Rz=Rmax±10%、かつRmax=1~10μmであることが好ましい。より好ましいRzはRmax±5%である。また、Rmaxは1.5~8μmであることがより好ましく、2~5μmであることがさらに好ましい。このような面粗さとすることで、無機粒子の充填性を向上させることができる。
このような表面粗さとするためには、基材を作製する際に、要求される表面粗さに適した成形型を用いること、製造後の基材表面を研磨すること、基材表面をプラズマ、紫外線、コロナ放電等の活性種で処理すること、または基材表面に物理的及び/又は化学的に凹凸を形成及び/又は除去すること、基材に凹凸を生じるような粒子を含有させること等によって調整することができる。
なお本発明の表面粗さは、JIS B 0601:1982に準拠し、接触式表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ製、輪郭形状測定器サーフテストSV-3000CNC)によって、平板状試験片の中央部の流動直角方向15mmの範囲を測定した。
≪収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦10000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなる第2部材≫
本発明の第2部材は、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)が、E≦10000×exp(-2.64×sh)の関係を満足する樹脂組成物である。このような樹脂組成物としては、第1部材で挙げた樹脂を使用することができる。
第1部材で挙げた好ましい樹脂に加え、無機充填剤、エラストマ等を含有する樹脂組成物として、オレフィン樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、ポリエステル樹脂組成物、ポリアセタール樹脂組成物、PPS樹脂組成物等も第2部材として好ましい樹脂として挙げられる。無機充填剤としてはガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、マイカ、シリカ等の繊維状、板状、粒状、粉状の無機充填剤が挙げられ、特に第1部材上に形成する無機粒子層に用いられる無機物と同質の無機充填材を含有する場合、第1部材の無機粒子層と第2部材との親和性が優れる点で好ましい。
また、粒径としては0.1~50μmの無機充填材を含むことが好ましく、無機充填剤のアスペクト比が1~3であるものを含むことが好ましい。無機充填剤の含有量は、第2部材を構成する樹脂組成物が、上述の無機充填剤を5~50質量%含有することが好ましい。好ましいエラストマとしては、エチレン-エチルアクリレート共重合体(例えば、(株)NUC製NUC-6570等)等のオレフィン系重合体や、ポリエステル系エラストマ、ウレタン系エラストマ、ポリメタクリル酸エステルのアクリル系重合体(例えば、アイカ工業(株)製ゼフィアック、スタフィロイド等)等が挙げられる。
これらのエラストマは、共重合体としても良いし、コアシェル粒子の形状であっても、本発明の組成物に混合することができるのであれば、有効に使用することができる。
エラストマとしてはグリシジル基を含有することも好ましく、グリシジル基を含有するエラストマとしてはエチレン-グリシジルメタクリレート共重合体やエチレン-グリシジルメタクリレート-アクリル酸メチル共重合体のようなグリシジル基含有オレフィン系共重合体(例えば、住友化学(株)製ボンドファースト)が挙げられる。
エラストマの含有量としては、第2部材を構成する樹脂組成物中の1~30質量%含有することが好ましく、エラストマがグリシジル基を含有するエラストマである場合は、グリシジル基の含有量が第2部材を構成する樹脂組成物中の0.01~1質量%であることが好ましい。
これらのエラストマは、上述の樹脂中に添加材として含有させた状態で、第2部材を構成する樹脂組成物として用いても良いし、エラストマ自体又はエラストマに無機充填材等の添加材を含有させたものを、第2部材を構成する樹脂組成物として用いても良い。
本発明においては、上記の特性を有する樹脂組成物からなる第2部材が強い接合力を発揮する理由を下記のように推定している。第1部材上の粒子層は、まず基材との接着力が、移流集積法により最密構造を有するように形成されることにより、発揮される。そして収縮率と弾性率が上記式を満たす樹脂組成物は、最密構造の粒子層表面形状に対する追随性に優れかつ最密構造の表面積の大きさから、結果として接合力が強いと観察される。
なお、本発明において、「収縮率sh(%)」とは、80mm×80mm×2mmの平板状試験片を、一辺の中央部に設けた幅4mm×厚さ2mmのサイドゲートを有する金型を用いて、第2部材を構成する樹脂組成物を、実際に複合部材を製造する際の第2部材の成形条件と同様の成形条件にて射出成形した場合の、流動直角方向の成形収縮率(成形後、23℃50%RHにて24時間以上静置した平板状試験片を用いて、反ゲート側の端部(流動末端側の辺)から20mmの位置における成形品の流動直角方向の寸法(平板状試験片の幅)を測定し、当該位置に相当する金型寸法との差(収縮量)を、金型寸法で除した値)を指し、「弾性率E(MPa)」とは、ISO178に準拠して測定される曲げ弾性率を指すものとする。
<複合部材の製造方法>
≪第1部材の製造方法≫
本発明では、基材表面の層を構成する無機粒子を、水、イソプロピルアルコール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の液相中に分散させた液体に、基材を浸漬して引き上げることで、いわゆる移流集積法により基材表面に無機粒子層が形成された第1部材を製造することができる。
無機粒子層の形成時における無機粒子の配列しやすさの観点から、液相に用いる媒質は25℃における粘度が0.1~100mPa・sであることが好ましく、0.5~50mPa・sであることがより好ましく、1~30mPa・sであることがさらに好ましい。また、媒質中の無機粒子の含有量は5~50質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましい。
ただし、基材表面上に無機粒子が緻密に配列した層を形成することができるのであれば、移流集積法に限定されず、ブラシやスプレーによる塗布、スピンコートなどの各種薄膜形成法を用いることもできる。ここで、無機粒子層を形成する際に、第2部材との接合に用いる箇所以外については、意匠性等の要求により必要に応じ、塗布した液体を拭き取る、あるいはあらかじめ基材にマスキングを施しておくことで、無機粒子層を設けないようにしてもよい。
本発明では、無機粒子を分散させた液体を基材表面に配置した後、液体分を乾燥・揮発させることで、実質的に無機粒子のみからなる層が形成された第1部材を製造することができる。ここで、無機粒子が均質に配列した層を形成するには、液体分の乾燥・揮発を均一に進行させることが望ましく、その観点からは、液相の媒質は沸点が50~200℃のものが好ましく、60~160℃のものがより好ましく、70~130℃のものがさらに好ましい。
なお、基材に樹脂を用いる場合は射出成形や押出成形等の通常用いられる方法により基材となる樹脂成形品を作製すればよく、同様にガラスであればフロート法やダウンドロー法等、セラミックであれば常圧焼結法や反応焼結法等、通常用いられる方法により作製されたものを用いることができる。これらの基材は、意匠性、機能性、他部材との固定などの要求に応じ、適宜切削や溶着といった加工がなされたものを用いても良い。
≪第2部材の接合方法≫
本発明では、第1部材の無機粒子層の上に、第2部材を構成する樹脂組成物を溶融状態で接触させた上で、当該樹脂組成物を冷却固化させることで、第2部材の接合を行う。接合方法は特に限定されず、例えば、無機粒子層を有する第1部材を、第2部材成形用の金型中に配置し、第2部材を構成する樹脂組成物を、第1部材の無機粒子層上に射出成形(いわゆるインサート成形)することで、第2部材の接合を行うこともできるし、あらかじめ成形しておいた第2部材の表面のうち、接合に用いる領域を加熱溶融させた状態で、第1部材の無機粒子層と接触させて加圧(いわゆる溶着)することで接合を行うこともできる。
第2部材のインサート成形や溶着の条件は特に限定されず、第2部材を構成する樹脂組成物に含有される樹脂の種類に応じて適宜設定することができる。なお、インサート成形であれば、第2部材の形成と第1部材との接合を同時に行うことができるため、工程簡略化の面で有利である。また、第1部材の剛性や靱性が低く、インサート成形では樹脂圧により第1部材が変形又は破損してしまうような場合には、溶着で接合を行えば、加圧条件の設定自由度が高く、第1部材の変形や破損を抑制しやすいため有利である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお特に記載の無い場合、評価は23℃50%RHの測定室において行った。
[接合強度の評価]
<基材の調製>
アルミニウム:日本軽金属株式会社製「A5052」(熱伝導率138W/m・K)を、45mm×18mm×1.5mmに切削し、45mm×18mmの片面を表1に示す表面粗さになるように研磨した。
<第1部材の製造(粒子層の形成)>
イソプロピルアルコール中に粒径25nmのシリカ微粒子を15質量%含有する液体中に、上述の基材を浸してから研磨面が液面に対し垂直になるように引き上げる操作を1回行うことで、基材の研磨面に対しシリカ微粒子を移流集積法により塗布し、23℃で乾燥させてイソプロピルアルコールを揮発させ、基材表面に無機粒子層を形成して第1部材を製造した。無機粒子層形成面の任意の領域(1μm×1μm)をTEM観察したところ、シリカ微粒子の面積充填率は約90%であり最密充填状態で配列していることが確認された。
<複合部材の製造(第2部材との接合)>
第1部材の無機粒子層形成面の一部と、第2部材を形成するための80mm×10mm×4mmのキャビティの一部がオーバーラップするように設計された、複合部材成形用の金型内部に、第1部材を設置し、第2部材を構成する樹脂組成物を射出成形することで図1、2に示すような複合部材をインサート成形により製造した。ここで、第1部材と第2部材は、第1部材の無機粒子層形成面のうち、短辺(18mm)の中央部の幅10mm×当該短辺側端部からの距離10mmの領域が、第2部材の端部10mm×10mmの領域と重なるように配置されている。第1部材と第2部材の組み合せは表1に示す通りであり、第2部材に用いた各樹脂組成物及びその成形条件は以下の通りである。
POM樹脂組成物1:ポリプラスチックス株式会社製ポリアセタール樹脂組成物「ジュラコン(登録商標)M90-44」(収縮率2.0%、弾性率2500MPa)、シリンダ温度200℃、金型温度80℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
POM樹脂組成物2:ポリプラスチックス株式会社製ポリアセタール樹脂組成物「ジュラコン(登録商標)M140-44」を50質量%と、東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社製ポリエステル系エラストマ「グリラックスE510N」を50質量%とを溶融混練したポリアセタール樹脂組成物(収縮率1.3%、弾性率800MPa)、シリンダ温度200℃、金型温度80℃、射出速度15mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
POM樹脂組成物3:ポリプラスチックス株式会社製ポリアセタール樹脂組成物「ジュラコン(登録商標)M90-44」を74質量%と、アイカ工業株式会社製コアシェルポリマー「スタフィロイド PO-098」を24質量%と、株式会社NUC製エチレン-エチルアクリレート共重合体「NUC-6570」を2質量%とを溶融混練したポリアセタール樹脂組成物(収縮率1.7%、弾性率1100MPa)、シリンダ温度200℃、金型温度80℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
POM樹脂組成物4:ポリプラスチックス株式会社製ポリアセタール樹脂組成物「ジュラコン(登録商標)M270-44」を53質量%と、ポリプラスチックス株式会社製ポリアセタール樹脂組成物「ジュラコン(登録商標)M90-44」を10質量%と、東ソー株式会社製ウレタン樹脂「ミラクトランP485RSUI」を37質量%とを溶融混練したポリアセタール樹脂組成物(収縮率1.6%、弾性率1000MPa)、シリンダ温度200℃、金型温度80℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
PBT樹脂組成物:ウィンテックポリマー株式会社製ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物「ジュラネックス(登録商標) 7507K」(収縮率0.6%、弾性率13000MPa)、シリンダ温度260℃、金型温度60℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
PPS樹脂組成物1:株式会社クレハ製ポリフェニレンサルファイド樹脂「フォートロン KPS」(温度310℃で剪断速度1216sec-1における溶融粘度:30Pa・s)を59質量%と、日本電気硝子株式会社製ガラス繊維「ECS03T-747」(平均繊維長:3mm、平均直径:13μm)を35質量%と、エラストとして住友化学株式会社製エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体「ボンドファースト 7L」を6質量%とを溶融混練したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物(収縮率0.5%、弾性率10000MPa)、シリンダ温度320℃、金型温度150℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
PPS樹脂組成物2:ポリプラスチックス株式会社製ポリフェニレンサルファイド樹脂「ジュラファイド(登録商標) 0220A9」(収縮率1.7%、弾性率3800MPa)、シリンダ温度320℃、金型温度150℃、射出速度15mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
PPS樹脂組成物3:ポリプラスチックス株式会社製ポリフェニレンサルファイド樹脂「ジュラファイド(登録商標) 6165A6」(収縮率0.3%、弾性率18300MPa)、シリンダ温度320℃、金型温度150℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
COC樹脂組成物:ポリプラスチックス株式会社製環状ポリオレフィン樹脂「トパス(登録商標) 6013S-04」(収縮率0.2%、弾性率2900MPa)、シリンダ温度260℃、金型温度60℃、射出速度10mm/sec、保圧力40MPaにて射出成形した。
EEA樹脂組成物:株式会社NUC(メーカー名)製エチレンエチルアクリレート樹脂「NUC-6570」(収縮率3%、弾性率20MPa)、シリンダ温度250℃、金型温度30℃、射出速度8mm/sec、保圧力20MPaにて射出成形した。
<接合強度評価>
表1に示す第1部材と第2部材の組み合わせにて、上述の方法で調整した複合部材について、まず第1部材と第2部材との接触面の周囲のバリを除去した後、図3に示すように、試験片固定用治具4の凹部に第1部材を固定した。次いで、株式会社オリエンテック製、テンシロンUTA-50KNを用い、押し治具3を1mm/分の速度で降下させて第2部材を押し下げ、第1部材と第2部材とを剥離させた時の接合強度(MPa)を測定し、破壊強度が10MPa以上の場合を○、10MPa未満の場合を×として接合強度を評価した。結果を表1に示す。
[気密性の評価]
<基材の調製および第1部材の製造(粒子層の形成)>
アルミニウム:日本軽金属株式会社製「A5052」(熱伝導率138W/m・K)を、外径50mmφ、内径20mmφ、厚さ1mmの円環板状に切削し、片面を表1に示す表面粗さになるように研磨した後、接合強度の評価における第1部材の製造と同様の操作にて、基材の研磨面に無機粒子層を形成して第1部材1を得た。
<複合部材の製造(第2部材との接合)>
第1部材1の無機粒子層形成面の一部と、第2部材2を形成するための30mmφ×厚さ3mm(第1部材との重複部は厚さ2mm)のキャビティの一部がオーバーラップするように設計された、複合部材成形用の金型内部に、第1部材1を設置し、第2部材2を構成する樹脂組成物を内径H上に射出成形することで図4示すような複合部材5をインサート成形により製造した。(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)はAA断面を示す断面図である。
ここで、第1部材1と第2部材2は、第1部材1の無機粒子層形成面のうち、内径(20mmφ)から幅5mmの領域が、第2部材2の端部から幅5mm×厚さ2mmの領域と重なるように配置されている。第1部材1と第2部材2の組み合せおよび第2部材2に用いた各樹脂組成物の成形条件は上述の接合強度の評価と同様、表1に示す通りである。
<気密性評価>
表1に示す第1部材1と第2部材2の組み合わせにて、上述の方法で調整した複合部材について、まず第1部材1と第2部材2との接触面の周囲のバリを除去した後、図5に示す装置を用いて以下の気密性評価を行った。
図5は気密試験機7を用いた気密性評価の方法を示す縦断面図である。気密試験機7は、気密試験機本体8と気密試験機蓋9とを備える。Oリング10を介して複合部材5を気密試験機本体8に取り付け、複合部材5の下部を封止した。その後、気密試験機蓋9を複合部材5の第1部材1上に載せてクランプした。
次いで複合部材5の上に蒸留水11を注ぎ、複合部材5を蒸留水11中に完全に浸した。ライン12を介して空気を送り込み、気密試験機本体内部13に0.1MPaの圧力Pを6分間加え、第1部材1と第2部材2との界面から気泡の漏れがあるか否かを目視で観察した。上記の試験を3回実施し、以下の基準による気密性の評価結果を表1に示す。
○:1回も気泡の漏れが確認されなかった場合、気密性が良好であると評価した。
△:1~2回で気泡の漏れが確認された場合、気密性が中程度であると評価した。
×:3回とも漏れが確認された場合、気密性が不良であると評価した。
Figure 0007020874000001
なお、気密性はかなり厳しい評価であり、接合だけが必要な部材としては必ずしも必須の特性ではない。
[第2部材の無機充填剤種の影響評価]
第2部材を構成する材料およびその成形条件を下記のものに変更した以外は、上述の接合強度の評価と同様に、第2部材の無機充填剤種の影響を評価した。結果を表2に示す。
LCP樹脂組成物1:ポリプラスチックス株式会社製液晶ポリマー「ラペロス(登録商標) A950」にシリカ粒子を50質量%含有する液晶ポリマー組成物(収縮率0.5%、弾性率9500MPa)、シリンダ温度290℃、金型温度80℃、射出速度100mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
LCP樹脂組成物2:ポリプラスチックス株式会社製液晶ポリマー「ラペロス(登録商標) A950」にガラスビーズを50質量%含有する液晶ポリマー組成物(収縮率0.5%、弾性率9400MPa)、シリンダ温度290℃、金型温度80℃、射出速度100mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した。
Figure 0007020874000002
[基材種と表面粗さの影響評価]
<基材の調製>
a.アルミニウム:日本軽金属株式会社製「A5052」(熱伝導率138W/m・K)を、45mm×18mm×1.5mmに切削し、45mm×18mmの片面を表3に示す表面粗さになるように研磨した。
b.ガラス:旭硝子株式会社製「Dragontrail」(熱伝導率0.65W/m・K)を、45mm×18mm×1.5mmに切削し、45mm×18mmの片面を表3に示す表面粗さになるように研磨した。
c.PPS樹脂組成物1:前記PPS樹脂組成物1を、シリンダ温度320℃、金型温度150℃、射出速度20mm/sec、保圧力60MPaにて射出成形した65mm×13mm×6.5mmの棒状成形品の13mm×6.5mmの面を、表3に示す表面粗さになるように研磨した。
<第1部材の製造(粒子層の形成)>
イソプロピルアルコール中に粒径25nmのシリカ微粒子を15質量%含有する液体中に、上述の基材を浸してから研磨面が液面に対し垂直になるように引き上げる操作を1回行うことで、基材の研磨面に対しシリカ微粒子を移流集積法により塗布し、23℃で乾燥させてイソプロピルアルコールを揮発させ、基材表面に無機粒子層を形成して第1部材を製造した。
<複合部材の製造(第2部材との接合)>
a.アルミニウム基材については、上述の接合強度の評価と同様にして、PPS樹脂組成物1からなる第2部材を射出成形することで図1,2に示すような複合部材をインサート成形により製造した。
b.ガラス基材については、あらかじめPPS樹脂組成物1を上述の接合強度の評価と同様の成形条件で射出成形し、80mm×10mm×4mmの棒状成形品を得ておき、この80mm×10mmの面の端部10mm×10mmの領域が、ガラス基材の無機粒子層形成面の18mmの辺側端部から10mmと重複するように熱板溶着し、アルミニウム基材のインサート成形品と同様の複合部材を成形した。
ここで、熱板溶着の条件としては、ガラス基材と棒状成形品の接合面をそれぞれ320℃のホットプレート上で加温し、棒状成形品の接合面を軟化させた状態でガラス基材の接合面と接触させ、3MPaで加圧した後、常温で静置し棒状成形品を固化させた。
c.PPS樹脂組成物1基材については、無機粒子層を形成した13mm×6.5mmの面がキャビティ内の空間部に露出するようにして、130mm×13mm×6.5mmのキャビティを有する射出成形用金型にインサートし、PPS樹脂組成物1を上述の接合強度の評価と同様の成形条件で射出成形し、インサートした第1部材1の無機粒子層形成面上に溶融樹脂が射出されるように、インサート成形により第2部材2を設け130mm×13mm×6.5mmの図6(B)で示す複合部材を製造した。
<接合強度評価>
アルミニウム基材およびガラス基材を用いた複合部材については、上述の接合強度の評価と同様に、図3に示す治具を用いて接合強度を測定し、PPS樹脂組成物1基材を用いた複合部材については、オリエンテック社製テンシロンUTA-50kN(クロスヘッド速度10mm/分)にて引張試験を行い複合部材の接合強度を測定した。以下の基準による接合強度評価結果を表3に示す。
◎:接合強度30MPa以上
○:接合強度20MPa以上、30MPa未満
△:接合強度10MPa以上、20MPa未満
Figure 0007020874000003
[無機粒子層の影響評価]
上述の基材種と表面粗さの影響評価と同様のアルミニウム基材、ガラス基材、PPS樹脂組成物1基材を、いずれもRmax=4μm、Rz=4μmとなるように調製し、イソプロピルアルコール中に平均粒径25nmのシリカ粒子を分散させた液体に浸漬することで第1部材を製造した。ここで、液体中のシリカ粒子濃度および基材の浸漬回数を調整することにより、無機粒子層の厚さを表4に示すように変化させた。
他は上述の基材種と表面粗さの影響評価と同様にして、PPS樹脂組成物1からなる第2部材と接合した複合部材を製造し、接合強度の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0007020874000004
なお、基材にガラス、第2部材にCOC樹脂組成物を用いた実施例では、第1部材と第2部材の接合部が透明な複合部材が得られており、本発明の複合部材は透明部材用途にも適用可能なことが確認された。
[他の異材接合技術との比較]
基材として、45mm×18mm×1.5mmに切削したアルミニウム:日本軽金属株式会社製「A5052」の板に、化学エッチングの類として知られる大成プラス株式会社のNMT処理を施し、表面を粗化したものを第1部材として、上述の接合強度の評価と同様の成形条件・試験条件にて、PPS樹脂組成物1からなる第2部材と接合し、接合強度測定を実施した結果、接合強度は30MPaであった。
また、LCP樹脂組成物2からなる第2部材についても、同様にアルミニウム基材にNMT処理を施した第1部材との接合強度評価を行った結果、接合強度は15MPaであった。さらに特開2014-117724の実施例4に記載の試料(接合強度33MPa)と接合力を比較した。これらの結果から、本発明の複合部材は、従来の接合技術と比較して同等またはそれ以上の接合強度が得られることが確認された。
1 第1部材
2 第2部材
3 接合強度試験片押し治具
4 接合強度試験片固定用治具
5 気密性評価用試料
H 気密性評価用試料の中央に開けられた孔
7 気密試験機
8 気密試験機本体
9 気密試験機蓋
10 Oリング
11 蒸留水
12 ライン
13 気密試験機本体内部
P 気圧

Claims (14)

  1. 基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦100000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなる第2部材、とを射出成形または溶着してなる複合部材。
    なお、収縮率sh(%)は、80mm×80mm×2mmの平板状試験片を、一辺の中央部に設けた幅4mm×厚さ2mmのサイドゲートを有する金型を用いて、第2部材を構成する樹脂組成物を、実際に複合部材を製造する際の第2部材の成形条件と同様の成形条件にて射出成形した場合の、流動直角方向の成形収縮率(成形後、23℃50%RHにて24時間以上静置した平板状試験片を用いて、反ゲート側の端部(流動末端側の辺)から20mmの位置における成形品の流動直角方向の寸法(平板状試験片の幅)を測定し、当該位置に相当する金型寸法との差(収縮量)を、金型寸法で除した値)を指し、
    弾性率E(MPa)は、ISO178に準拠して測定される曲げ弾性率を指す。
  2. 前記第2部材が、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦63000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなるものである請求項1に記載の複合部材。
  3. 前記樹脂組成物が、エラストマを含むものである請求項1又は2に記載の複合部材。
  4. 前記エラストマが、オレフィン系重合体、ポリエステル系エラストマ、ウレタン系エラストマ及びアクリル系重合体、から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の複合部材。
  5. 前記エラストマが、グリシジル基を含有するエラストマである請求項3又は4に記載の複合部材。
  6. 前記無機粒子からなる層が、平均粒径1~500nmの無機粒子からなるものである、請求項1~いずれかの項に記載の複合部材。
  7. 前記無機粒子からなる層が、厚さ1~1500nmである、請求項1~いずれかの項に記載の複合部材。
  8. 前記無機粒子からなる層が、最密充填した無機粒子からなるものである、請求項1~いずれかの項に記載の複合部材。
  9. 前記基材が、JIS B 0601:1982に準拠して測定される表面粗さが、
    Rmax≧Rz≧Rmax-10%、かつRmax=1~10μmである、請求項1~いずれかの項に記載の複合部材。
  10. 前記基材上の層が、前記無機粒子のみからなるものである請求項1~いずれかの項に記載の複合部材。
  11. 前記樹脂組成物が粒径0.1~50μmの無機粒子からなる充填材を5~50質量%含有するものである請求項1~10いずれかの項に記載の複合部材。
  12. 前記基材が、樹脂、ガラス、セラミックから選ばれる少なくとも1種からなるものである請求項1~11いずれかの項に記載の複合部材。
  13. 前記基材の熱伝導率λ(W/m・k)が2.0以下である請求項1~12いずれかの項に記載の複合部材。
  14. 複合部材の製造方法であって、移流集積法により、基材上に無機粒子からなる層を形成して第1部材を作成し、前記第1部材上に、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)がE≦100000×exp(-2.64×sh)を満たす樹脂組成物からなる第2部材を射出成形または溶着により接合する、複合部材の製造方法。
    なお、収縮率sh(%)は、80mm×80mm×2mmの平板状試験片を、一辺の中央部に設けた幅4mm×厚さ2mmのサイドゲートを有する金型を用いて、第2部材を構成する樹脂組成物を、実際に複合部材を製造する際の第2部材の成形条件と同様の成形条件にて射出成形した場合の、流動直角方向の成形収縮率(成形後、23℃50%RHにて24時間以上静置した平板状試験片を用いて、反ゲート側の端部(流動末端側の辺)から20mmの位置における成形品の流動直角方向の寸法(平板状試験片の幅)を測定し、当該位置に相当する金型寸法との差(収縮量)を、金型寸法で除した値)を指し、
    弾性率E(MPa)は、ISO178に準拠して測定される曲げ弾性率を指す。
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