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JP6998120B2 - 生体用樹脂組成物及び生体用粘着シート - Google Patents

生体用樹脂組成物及び生体用粘着シート Download PDF

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JP6998120B2 JP2017066660A JP2017066660A JP6998120B2 JP 6998120 B2 JP6998120 B2 JP 6998120B2 JP 2017066660 A JP2017066660 A JP 2017066660A JP 2017066660 A JP2017066660 A JP 2017066660A JP 6998120 B2 JP6998120 B2 JP 6998120B2
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Description

本発明は、生体用樹脂組成物及び生体用粘着シートに関する。
創傷の保護や治療を目的とする絆創膏類や、消炎、鎮痛を目的とする湿布剤、テープ剤及びパップ剤などの生体に貼付されて使用される医療用品が広く利用されている。
このような生体貼付型の医療用品は、紙、不織布、各種樹脂フィルムに代表される基材と、生体に貼付するための粘着剤層と、粘着剤層を保護するための剥離フィルムと、を少なくとも有することが多い。
生体貼付型の医療用品は、使用する際に剥離フィルムを剥がし、粘着剤層を皮膚に貼付して使用され、使用後に生体から剥離される。
一般に粘着剤層は、有機溶剤を含む溶剤型の粘着剤組成物に比べ生体への刺激が少ないため、水分散型の粘着剤組成物から形成される。粘着剤組成物は、粘着成分として(メタ)アクリル系ポリマーを含む場合が多い。
生体への貼付に用いる粘着剤層を形成するための粘着剤組成物として、特許文献1には、下記単量体(a)~(d)、(a)アルキル基の炭素数3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40重量%以上、(b)アルキル基の炭素数4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル30重量%以下、(c)ラジカル重合性基の他に少なくとも1つの官能性基を有する官能性単量体10重量%以下、(d)上記単量体(a)~(c)と共重合可能で且つ該単量体(a)~(c)以外の共単量体55重量%以下〔但し単量体(a)~(d)の合計を100重量%とする〕、を(共)重合して得られるアクリル系(共)重合体であって、そのガラス転移点が+10℃以下の範囲内であるアクリル系(共)重合体を含有してなる医療用粘着剤組成物が記載されている。
特開平9-132525号公報
生体貼付型の医療用品は、使用する際に剥離フィルムを剥がすと、例えば粘着剤層同士がくっついてしまい生体に貼付できなくなったり、シワが発生したりといった不具合が生じる場合があった。近年、生体貼付型の医療用品は、その貼付面積が大きくなっており、このような不具合がより問題となっている。そのため、従来よりも、このような不具合が起きにくい性質、すなわち取扱い容易性に優れることが求められる。
また、生体貼付型の医療用品は、例えば8時間などの必要な期間、生体から意図せぬ離脱が起きないこと、すなわち保持性に優れることが求められる。
一般的に、取扱い容易性に優れる粘着剤層は、粘着力が低く、保持性に劣る傾向にある。また、保持性に優れる粘着剤層は、粘着力が高く、取扱い容易性に劣る傾向にある。このように、取扱い容易性と保持性とは背反する性能であると考えられる。
発明者らが検討したところ、上記の特許文献1に記載された粘着剤組成物は、取扱い容易性と保持性とのいずれも又はいずれかが十分ではない場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、取扱い容易性と保持性とに優れる粘着剤層を形成できる生体用樹脂組成物、及び該樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を含む生体用粘着シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決する手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Aを全構成単位に対して50質量%~94.5質量%と、
ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Bを全構成単位に対して5質量%~49.5質量%と、
カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位Cを全構成単位に対して0.5質量%~10質量%と、を含む(メタ)アクリル系ポリマーと、
界面活性剤と、を含む生体用樹脂組成物。
<2> 前記(メタ)アクリル系ポリマーは、ガラス転移温度が-30℃~0℃である<1>に記載の生体用樹脂組成物。
<3> 前記構成単位Aは、メチルアクリレートに由来する構成単位を含む、<1>又は<2>に記載の生体用樹脂組成物。
<4> 前記構成単位Bは、2-エチルヘキシルアクリレートに由来する構成単位を含む、<1>~<3>のいずれかに記載の生体用樹脂組成物。
<5> <1>~<4>のいずれかに記載の生体用樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を含む生体用粘着シート。
本発明によれば、取扱い容易性と保持性とに優れる粘着剤層を形成できる生体用樹脂組成物、及び該樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を含む生体用粘着シートを提供することができる。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質を複数種併用する場合には、特に断らない限り、その成分に該当する複数種の物質の合計量を意味する。
(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
生体用樹脂組成物とは、生体に貼付されて使用される粘着シート、いわゆる生体用粘着シートを形成するために使用される樹脂組成物を意味する。
生体用粘着剤層とは、生体に貼付して使用される粘着剤層を意味する。
<<生体用樹脂組成物>>
本発明の生体用樹脂組成物は、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Aを全構成単位に対して50質量%~94.5質量%と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Bを全構成単位に対して5質量%~49.5質量%と、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位Cを全構成単位に対して0.5質量%~10質量%と、を含む(メタ)アクリル系ポリマーと、界面活性剤と、を少なくとも含む。
本発明の生体用樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層は、取扱い容易性と保持性とに優れる。
この理由は明らかではないが、発明者らは以下のように推測している。
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、ガラス転移温度が高い(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Aと、ガラス転移温度が低い(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Bと、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位Cとを含む。
これらのうち、ガラス転移温度が(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する高い構成単位Aは、(メタ)アクリル系ポリマーを部分的に硬くし、粘着剤層同士の貼りつきを減らし、取扱い容易性を付与すると考えられる。また、ガラス転移温度が低い(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Bは、(メタ)アクリル系ポリマーを部分的に柔らかくし、被着体である生体への密着性を向上させ、保持性を付与すると考えられる。また、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位Cは、(メタ)アクリル系ポリマーに極性を付与し、界面活性剤と共に安定した乳化粒子の形成に寄与し、易貼付性及び保持性に寄与すると考えられる。
そして、本発明の生体用樹脂組成物は、これらの各構成単位を所定の割合で含むため、背反する取扱い容易性と保持性とを両立できると考えられる。
<(メタ)アクリル系ポリマー>
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Aを全構成単位に対して50質量%~94.5質量%と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Bを全構成単位に対して5質量%~49.5質量%と、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位Cを全構成単位に対して0.5質量%~10質量%と、を含む。
[構成単位A]
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおける構成単位Aは、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位である。
ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート(5℃)、ラウリルアクリレート(15℃)、ステアリルアクリレート(30℃)、メチルメタクリレート(103℃)、エチルメタクリレート(42℃)、n-ブチルメタクリレート(21℃)、イソブチルメタクリレート(48℃)、tert-ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート(36℃)及びイソステアリルメタクリレート(30℃)が挙げられる。
これらの中でもホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、取扱い容易性をより向上させる観点から、メチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、メチルアクリレートがより好ましい。
なお、各(メタ)アクリル酸アルキルエステルの後に付したかっこ書きは、各(メタ)アクリル酸アルキルエステルをホモポリマーとしたときのガラス転移温度である。
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおける構成単位Aの含有率は、全構成単位に対して50質量%~94.5質量%である。構成単位Aの含有率が50質量%未満であると易貼付性に劣る場合があり、構成単位Aの含有率が94.5質量%超であるとタックが低く保持性に劣る場合がある。
構成単位Aの含有率は、取扱い容易性をより向上させる観点から、65質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。また、構成単位Aの含有率は、タックをより高め、保持性をより向上させる観点から、90質量%以下が好ましく、87質量%以下がより好ましい。
[構成単位B]
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおける構成単位Bは、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位である。
ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、n-ブチルアクリレート(-57℃)、オクチルアクリレート(-80℃)及び2-エチルヘキシルアクリレート(-76℃)、ラウリルメタクリレート(-65℃)が挙げられる。
これらの中でもホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、保持性をより向上させる観点から、n-ブチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートからなる群より選択される1種以上が好ましく、2-エチルヘキシルアクリレートがより好ましい。
なお、各(メタ)アクリル酸アルキルエステルの後に付したかっこ書きは、各(メタ)アクリル酸アルキルエステルをホモポリマーとしたときのガラス転移温度である。
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおける構成単位Bの含有率は、全構成単位に対して5質量%~49.5質量%である。構成単位Bの含有率が5質量%未満であると保持性に劣る場合があり、構成単位Aの含有率が49.5質量%超であると取扱い容易性に劣る場合ある。
構成単位Bの含有率は、保持性をより向上させる観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。また、構成単位Bの含有率は、取扱い容易性をより向上させる観点から、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
[構成単位C]
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおける構成単位Cは、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位である。
カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2-ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー及びω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でもカルボキシ基を有するモノマーとしては、乳化重合した場合に乳化粒子が安定しやすく、易貼付性に優れる傾向にあるため、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおける構成単位Cの含有率は、全構成単位に対して0.5質量%~10質量%である。構成単位Cの含有率が0.5質量%未満であると乳化粒子としたときの安定性に劣る場合があり、構成単位Cの含有率が10質量%超であるとタックが低く保持性に劣る場合がある。
構成単位Cの含有率は、乳化粒子の安定性をより向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましい。また、構成単位Aの含有率は、タックをより高め、保持性をより向上させる観点から、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
[その他の構成単位]
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、構成単位A、構成単位B及び構成単位C以外のその他の構成単位を含んでいてもよい。
その他の構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃超0℃未満である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族モノビニル化合物、メチロール基を有するモノマー、水酸基を有するモノマー、グリシジル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー及び三級アミノ基を有するモノマーが挙げられる。
ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃超0℃未満である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、エチルアクリレート(-27℃)、イソアミルアクリレート(-45℃)、イソステアリルアクリレート(-18℃)、2-エチルヘキシルメタクリレート(-10℃)、トリデシルメタクリレート(-40℃)、イソオクチルメタクリレート(-30℃)、イソノニルメタクリレート(-30℃)及びイソデシルメタクリレート(-41℃)が挙げられる。
なお、各(メタ)アクリル酸アルキルエステルの後に付したかっこ書きは、各(メタ)アクリル酸アルキルエステルをホモポリマーとしたときのガラス転移温度である。
芳香族モノビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、p-クロロスチレン、クロロメチルスチレン及びビニルトルエンが挙げられる。
メチロール基を有するモノマーとしては、例えば、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロールメタクリルアミド、N-ブチロールアクリルアミド及びN-ブチロールメタクリルアミドが挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート及び3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アリルエーテル及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アリルエーテルが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドが挙げられる。
三級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
(メタ)アクリル系ポリマーにおけるその他の構成単位の含有率は、取扱い容易性と保持性とをより向上させる観点から、全構成単位に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が特に好ましく、含まないことが最も好ましい。
[ガラス転移温度]
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、取扱い容易性と保持性とをより向上させる観点から、-30℃~0℃が好ましく、-25℃~-5℃がより好ましく、-20℃~-8℃が更に好ましい。
本発明における(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、下記式の計算により求められる絶対温度(K)をセルシウス温度(℃)に換算した値である。
Figure 0006998120000001
式中、Tg、Tg、・・・・・及びTgは、モノマー1、モノマー2、・・・・・およびモノマーnそれぞれのモノマーをホモポリマーとしたときの絶対温度(K)で表されるガラス転移温度である。m、m、・・・・・およびmは、それぞれのモノマーの質量分率である。
なお、「ホモポリマーとしたときの絶対温度(K)で表されるガラス転移温度」は、そのモノマーを単独で重合して製造したホモポリマーの絶対温度(K)で表されるガラス転移温度をいう。
ホモポリマーのガラス転移温度は、そのホモポリマーを、示差走査熱量測定装置(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、EXSTAR6000)を用い、窒素気流中、測定試料10mg、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、得られたDSCカーブの変曲点を、ホモポリマーのガラス転移温度としたものである。
[合成方法]
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーの合成方法は、特に制限されない。(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法でモノマーを重合して合成できる。
なお、有機溶媒を使用せずに塗工しやすい粘度に調整し、生体用粘着剤層としたときの生体への刺激を減らす観点から、本発明の生体用樹脂組成物は水分散型が好ましい。水分散型の生体用樹脂組成物を、処理工程を少なくして製造する観点から、(メタ)アクリル系ポリマーの合成方法としては、乳化重合が好ましい。
乳化重合は、一般に、重合槽に所定の水性媒体、モノマー、重合開始剤、及び、必要に応じて用いられる還元剤、連鎖移動剤などの原料を仕込み、例えば窒素気流中で、撹拌しながら数時間加熱反応させる。
原料は、一括で重合槽に仕込んでもよいし、逐次仕込んでもよい。
乳化重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウムに代表される過硫酸塩や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン-1-カルボニトリル、アゾジベンゾイル及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)に代表されるアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレート及びt-ヘキシルパーオキシピバレートに代表される有機過酸化物が挙げられる。
乳化重合する際に使用される重合開始剤の量としては、(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマーの総量100質量部に対して0.01質量部~5質量部が好ましく、0.1~1質量部がより好ましい。
乳化重合に用いられる還元剤としては、例えば、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、チオグリコール酸、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸及びブドウ糖が挙げられる。
乳化重合する際に還元剤を使用する場合、還元剤の量としては、(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマーの総量100質量部に対して0.001質量部~5質量部が好ましく、0.01質量部~0.1質量部がより好ましい。
乳化重合に用いられる連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン、チオグリコール及び2-メルカプトプロピオン酸に代表されるメルカプタン化合物や酢酸アリル、α-メチルスチレンダイマー及びアリルカルビノールに代表されるアリル化合物が挙げられる。
乳化重合する際に連鎖移動剤を使用する場合、連鎖移動剤の量としては、(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマーの総量100質量部に対して0.01質量部~5質量部が好ましく、0.1~1質量部がより好ましい。
<界面活性剤>
本発明の生体用樹脂組成物は、界面活性剤を含有する。なお、本発明の生体用樹脂組成物に含まれる界面活性剤は、同一分子内に疎水基および親水基を有する。
本発明の生体用樹脂組成物に含まれる界面活性剤は、乳化重合に用いられる通常の界面活性剤である。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤類、アニオン系界面活性剤類、カチオン系界面活性剤類及び両性界面活性剤類が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独または二種以上を組み合わせてもよい。
ノニオン系界面活性剤類として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテルに代表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル類や、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに代表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類や、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート及びソルビタントリオレエートに代表されるソルビタン高級脂肪酸エステル類や、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートに代表されるポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類や、ポリオキシエチレンモノラウレート及びポリオキシエチレンモノステアレートに代表されるポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類や、オレイン酸モノグリセライド及びステアリン酸モノグリセライドに代表されるグリセリン高級脂肪酸エステル類や、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマーが挙げられる。
アニオン系界面活性剤類として、例えば、オレイン酸ナトリウムに代表される高級脂肪酸塩類や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表されるアルキルアリールスルホン酸塩類や、ラウリル硫酸ナトリウムに代表されるアルキル硫酸エステル塩類や、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムに代表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムに代表されるポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類や、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及びポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムに代表されるアルキルスルホコハク酸エステル塩や、これらの誘導体が挙げられる。
カチオン系界面活性剤類として、例えば、ラウリルアミンアセテートに代表されるアルキルアミン塩や、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド及びアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドに代表される第4級アンモニウム塩や、ポリオキシエチルアルキルアミンが挙げられる。
両性界面活性剤類として、例えば、ラウリルベタインに代表されるアルキルベタインが挙げられる。
さらに、共重合性の不飽和基を分子構造内に持つ、いわゆる反応性界面活性剤も好適に使用できる。
本発明の生体用樹脂組成物が含有する界面活性剤は、生体用樹脂組成物に十分な実績があり、生体に対する刺激が少ないため、10mol~100molの範囲、好ましくは20mol~70molの範囲のエチレンオキサイド鎖を分子内に有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ましい。
このような界面活性剤は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルとして第一工業製薬株式会社製 商品名ノイゲンEM-230DノイゲンEM-250、青木油脂工業株式会社製 商品名BLAUNON N-520、N-550、日油株式会社製 商品名ノニオンNS-230、NS-270がそれぞれ市販されている。
本発明の生体用樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、乳化粒子をより安定にする観点から、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して0.5質量部~20質量部が好ましく、1質量部~10質量部がより好ましく、2質量部~6質量部が更に好ましい。
[水性媒体]
本発明の生体用樹脂組成物は、有機溶媒を使用せずに塗工しやすい粘度に調整し、生体用粘着剤層としたときの生体への刺激を減らす観点から、水分散型であることが好ましい。そのため、本発明の生体用樹脂組成物は、水性媒体を含むことが好ましい。
水性媒体としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。水性媒体としては、水、水とアルコール系溶媒との混合液などが挙げられる。乳化粒子の安定性の観点から、水性媒体としては、水が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール及びプロピルアルコールが挙げられる。
本発明の生体用樹脂組成物は、作業効率の観点から、水性媒体を含むことが好ましい。
本発明の生体用樹脂組成物が水性媒体を含むことで、(メタ)アクリル系ポリマーが界面活性剤により水性媒体中に分散して乳化粒子を形成できる。
本発明の生体用樹脂組成物における水性媒体の含有量は、特に制限されず、生体用樹脂組成物の全質量に対して10.0質量%~70.0質量%が好ましく、20.0質量%~60.0質量%がより好ましく、30.0質量%~50.0質量%が更に好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の生体用樹脂組成物は、本発明の優れた効果を損なわない限り、各種薬剤、増粘剤、湿潤剤(保湿剤)、充填剤(賦形剤)、吸収促進剤、防腐剤、抗酸化剤、その他の安定化剤、顔料、染料、粘着付与剤及び無機充填材を含んでもよい。また、上記の(メタ)アクリル系ポリマー以外の(メタ)アクリル系樹脂や、(メタ)アクリル系オリゴマーを含んでもよい。
本発明の生体用樹脂組成物は、各種薬剤を含むことで、いわゆる経皮吸収製剤に適用できる。このような各種薬剤は、例えば冠血管拡張剤、抗不整脈剤、狭心症剤、血圧降下剤、強心剤、気管支喘息剤(気管支拡張剤)、抗高圧剤、カルシウム拮抗剤、消炎鎮痛剤、皮膚疾患用剤、局所麻酔剤、降圧利尿剤、催眠鎮静剤、中枢神経作用剤、精神活力剤、ホルモン剤、サルファ剤、抗結核剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤及び鎮痛剤が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンに代表される合成水溶性高分子や、カルボキシメチルセルロースNa、メチルセルロール及びヒドロキシメチルセルロースに代表される天然高分子誘導体や、デンプン及びゼラチンに代表される天然高分子が挙げられる。
湿潤剤(保湿剤)としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びソルビトールに代表される多価アルコールが挙げられる。
充填剤(賦形剤)としては、例えば、カオリン、亜鉛華、酸化チタン、タルク、ベントナイト、含水ケイ酸アルミニウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムに代表される無機物が挙げられる。
吸収促進剤としては、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール及びベンジルアルコールに代表される一価のアルコール類や、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びグリセリンに代表される多価アルコール類や、イソステアリン酸及びラウリン酸に代表される脂肪酸類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル及びパルミチン酸イソプロピルに代表される脂肪酸エステル類が挙げられる。
なお、多価アルコール類は、湿潤剤(賦形剤)としても、吸収促進剤としても利用できる。
防腐剤、抗酸化剤、その他の安定化剤等としては、例えば、チモール、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、パラオキシ安息香酸エチル(エチルパラベン)、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ビタミンE、エデト酸二ナトリウム及び酒石酸が挙げられる。
<用途>
本発明の生体用樹脂組成物は、例えば、生体用粘着シートを製造するための粘着剤組成物として使用できる。また、本発明の生体用樹脂組成物は、生体用粘着シートを製造するための粘着剤組成物において粘着力を調整するための補助剤としても使用できる。
<<粘着シート>>
本発明の生体用粘着シートは、本発明の生体用樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を少なくとも含む。
本発明の生体用粘着シートは、さらに基材を含むことが好ましい。基材としては、例えば、紙、不織布、樹脂フィルムが挙げられる。
なお、「本発明の生体用樹脂組成物を含む組成物」とは、本発明の生体用樹脂組成物のみを含む、すなわち本発明の生体用樹脂組成物自体、又は、本発明の生体用樹脂組成物を補助剤として含む組成物を意味する。
本発明の生体用粘着シートの製造方法は特に制限されない。
例えば、基材上に直接又は他の層を介して、本発明の生体用樹脂組成物又は本発明の生体用樹脂組成物を含む組成物を塗布し、乾燥させて粘着剤層を形成し、本発明の生体用粘着シートを製造できる。
塗布の方法は、特に制限されず、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いた公知の方法が挙げられる。
<適用例>
本発明の生体用粘着シートは、例えば、絆創膏類、ドレッシング材、ドレープ材として使用できる。
また、本発明の生体用粘着シートは、経皮吸収製剤と呼ばれる貼付剤類、湿布剤、テープ剤、パップ剤にも適用できる。
また、本発明の生体用粘着シートは、付け爪、付け睫毛、付けぼくろ、かつら、一時的に人体に貼るボディーシールやタトゥーシール、顔のしわやたるみを目立ちにくくするリフトアップテープ、二重まぶたに矯正するアイテープ、顔パック用のフェイスマスクにも適用できる。
また、本発明の生体用粘着シートは、各種治療や検査に用いる医療機器が備える電極(生体用電極)にも適用できる。
さらに、本発明の生体用粘着シートは、人体のみならず、例えば犬、猫、兎に代表される愛玩動物にも適用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
-水分散型の生体用樹脂組成物の調製-
撹拌機を備えた攪拌容器に脱イオン水20質量部、界面活性剤として、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製 商品名ノイゲンEM-230D:有効成分濃度70質量%)5.7質量部(有効成分:4質量部)を仕込み攪拌して溶解させ、次いでこれにホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるメチルアクリレート(MA)73.5質量部と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるn-ブチルアクリレート(BA)24.5質量部とおよびカルボキシ基を有するモノマーであるアクリル酸(AA)2.0質量部よりなるモノマー混合物を加えて攪拌し、モノマープレミックスを得た。
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応容器に、脱イオン水30質量部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら加熱し、反応容器内の水温が70℃に達した時点で還元剤として重亜硫酸ナトリウム0.03質量部を加えた後、重合開始剤として2%過硫酸カリウム水溶液20質量部(有効成分:0.4質量部)およびモノマープレミックスを逐次添加して重合開始させ、約5時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマーを合成し得た。重合反応終了後、同温度で約2時間攪拌を継続してから冷却し水分散型の生体用樹脂組成物を得た。なお、得られた水分散型の生体用樹脂組成物のpHは2.2であり、粘度(BL型粘度計、12rpm、25℃で測定)は130mPa・sであり、固形分は59.0%であった。また、(メタ)アクリル系ポリマーのTgを既述の方法で計算すると、-11.5℃であった。
-評価用試験片の作製-
水分散型の生体用樹脂組成物を剥離紙(王子タック株式会社製 商品名 G7B-J)上に乾燥後の質量が70~90g/mの範囲になるように塗工し、100℃で10分間の加熱乾燥後、不織布(日清紡績株式会社製 商品名 オイコスAP20600400)と貼り合せ、生体用樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を有する生体用粘着シートである評価用試験片とした。評価用試験片の大きさは15cm角である。この評価用試験片を用いて、以下の各項目を評価した。評価結果を表1に示す。
-保持性の評価-
上記で作製した評価用試験片をヒトの皮膚に貼付後8時間保持し、剥がれの有無を目視にて確認した。以下の評価基準で評価した。
<保持性の評価基準>
A:剥がれがなく、保持性に優れている。
B:剥落しており、保持性に劣る。
-取扱い容易性の評価-
上記で作製した評価用試験片について、剥離紙をはがした後から皮膚に貼付するまでの作業性を、粘着剤層の貼りつき及びシワの発生なる観点で、下記採点基準に従って採点した。モニターは10名とし、モニター10名の採点結果の平均値を、下記評価基準に従って評価し、取扱い容易性の評価結果とした。
<採点基準>
5点:非常に貼りやすい。
4点:貼りやすい。
3点:やや貼りやすい。
2点:やや貼りにくい。
1点:貼りにくい。
<取扱い容易性の評価基準>
A:4点以上;取扱い容易性に非常に優れている。
B:3点以上4点未満;取扱い容易性に優れている。
C:3点未満;取扱い容易性に劣る。
[実施例2~実施例8、比較例1~比較例5]
(メタ)アクリル系ポリマーにおけるモノマー及び界面活性剤の組成を表1に記載したとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、生体用樹脂組成物、評価用試験片を調製、作製し、評価した。既述の方法で計算した(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度と、評価結果を表1に示す。
Figure 0006998120000002
表1における略号は以下のとおりである。
MA:メチルアクリレート
BMA:n-ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
BA:n-ブチルアクリレート
AA:アクリル酸
EA:エチルアクリレート
EM-230D:商品名ノイゲンEM-230D(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、界面活性剤)
EM-250:商品名ノイゲンEM-250(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、界面活性剤)
NS-270:商品名ノニオンNS-270(日油株式会社製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、界面活性剤)
なお、「-」は、該当する物質を含まないことを意味する。
また、モノマーの略号のあとのかっこ書きは、そのモノマーをホモポリマーとしたときのガラス転移温度である。
また、各質量部数は、有効成分又は固形分換算値である。
表1に示したとおり、各実施例の生体用樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を有する生体用粘着シートである評価用試験片は、取扱い容易性と保持性とに優れていることが分かる。
一方、構成単位Aの含有率が50質量%未満であり、かつ、構成単位Bの含有率が全構成単位に対して49.5質量%超である比較例1及び比較例2は、取扱い容易性に劣っていた。構成単位Bを含まない比較例3は、保持性に劣っていた。構成単位Aの含有率が全構成単位に対して50質量%未満であり、かつ、構成単位Bを含まない比較例4は、保持性に劣っていた。構成単位Cの含有率が10質量%を超える比較例5は、タックが低く保持性に劣っていた。

Claims (5)

  1. ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Aを全構成単位に対して50質量%~94.5質量%と、
    ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が-50℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位Bを全構成単位に対して5質量%~49.5質量%と、
    カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位Cを全構成単位に対して0.5質量%~2質量%と、を含む(メタ)アクリル系ポリマーと、
    界面活性剤として20mol~70molの範囲のエチレンオキサイド鎖を分子内に有するポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量%に対して2質量%~6質量%と、を含む水分散型の生体用樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系ポリマーは、ガラス転移温度が-30℃~0℃である請求項1に記載の生体用樹脂組成物。
  3. 前記構成単位Aは、メチルアクリレートに由来する構成単位を含む、請求項1又は請求項2に記載の生体用樹脂組成物。
  4. 前記構成単位Bは、2-エチルヘキシルアクリレートに由来する構成単位を含む、請求項1~請求項3のいずれかに記載の生体用樹脂組成物。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の生体用樹脂組成物を含む組成物から形成された粘着剤層を含む生体用粘着シート。
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