JP6994327B2 - 複合材、ならびに該複合材から構成される防護用品および振動抑制材 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]50GPa以上の弾性率を有する繊維からなる基布(A)、および該基布(A)の少なくとも一方の表面に積層される樹脂組成物(B)からなる層を有する複合材であって、樹脂組成物(B)は、(a)少なくとも1種のビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロック(X)と少なくとも1種の共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(Y)とからなる、少なくとも1つのブロック共重合体および/または該ブロック共重合体の水素添加物、(b)オレフィン系樹脂、ならびに(c)炭化水素系ゴム用軟化剤を含有し、樹脂組成物(B)に含まれるオレフィン系樹脂(b)の含有比率が、樹脂組成物(B)の全質量に基づいて30質量%以下であり、軟化剤(c)の含有比率が、樹脂組成物(B)の全質量に基づいて10質量%以下であり、かつ樹脂組成物(B)の23℃、500Hzにおける損失係数ηは0.1以上である、複合材。
[2]ブロック共重合体(a)は、イソプレンおよび/またはブタジエンに由来する構造単位の3,4-結合単位および1,2-結合単位の含有量が45モル%以上のブロック共重合体(a1)、またはブロック共重合体(a1)と、イソプレンおよび/またはブタジエンに由来する構造単位の3,4-結合単位および1,2-結合単位の含有量が45モル%未満のブロック共重合体(a2)の混合物であり、該混合物のイソプレンおよび/またはブタジエンに由来する構造単位の3,4-結合単位および1,2-結合単位の含有量が35モル%以上である、前記[1]に記載の複合材。
[3]基布(A)は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、セラミック繊維、および金属繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維からなる織布、不織布、編物または複合布である、前記[1]または[2]に記載の複合材。
[4]基布(A)、および基布(A)の両表面に積層された樹脂組成物(B)からなる層を有する複合材(C)であって、該層の厚みは互いに10%以上異なる、前記[1]~[3]のいずれかに記載の複合材。
[5]前記[1]~[4]のいずれかに記載の複合材から構成される防護用品。
[6]前記[1]~[4]のいずれかに記載の複合材から構成される振動抑制材。
本発明において、基布(A)は、シート状の繊維質基材である。基布(A)は、50GPa以上、好ましくは60GPa以上、より好ましくは70GPa以上、特に好ましくは80GPa以上の弾性率を有する。基布(A)の弾性率が50GPa未満であると、複合材(C)に十分な耐創傷性または振動抑制性が付与されない。基布(A)の弾性率が上記下限値以上であると、複合材(C)は高い耐創傷性を発現することができる。なお、基布(A)の弾性率は、通常300GPa以下である。弾性率は、JIS R7606:2000に準じて測定することができ、例えば、温度23℃、湿度50%RHで引張速度1mm/分の条件下、引張試験機により測定することができる。
本発明において、樹脂組成物(B)は、
(a)少なくとも1種のビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロック(X)と少なくとも1種の共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(Y)とからなる、少なくとも1つのブロック共重合体および/または該ブロック共重合体の水素添加物(以下、「ブロック共重合体(a)ともいう」)、
(b)オレフィン系樹脂、ならびに
(c)炭化水素系ゴム用軟化剤(以下、「軟化剤(c)」ともいう)
を含有する。
本発明において、ブロック共重合体(a)は、少なくとも1種のビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロック(X)と、少なくとも1種の共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(Y)とからなる、少なくとも1つのブロック共重合体および/または該ブロック共重合体の水素添加物である。ブロック共重合体(a)は、該ブロック共重合体は、少なくとも部分的に水素添加されていてもよい。また、ブロック共重合体(a)は、ブロック共重合体とブロック共重合体の水素添加物との混合物であってもよい。
本発明の一実施態様において、オレフィン系樹脂(b)としては、強度、成形加工性、耐薬品性、耐熱性および/または非粘着性の改善の目的から、プロピレン系重合体、エチレン系重合体およびその混合物が好ましい。
本発明において、炭化水素系ゴム用軟化剤(c)としては、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等のプロセスオイル;流動パラフィン;エチレン、共役ジエン化合物、および/または炭素数4以上のα-オレフィンの単独重合体および共重合体;等が挙げられる。中でも、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル等のプロセスオイル、およびポリイソブチレン系樹脂(PIB)が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物(B)は、本発明の効果を著しく損なわない範囲であれば、必要に応じて、耐摩耗性、表面コート剤との接着性等の改善の目的に、極性エラストマー(d)を含有してもよい。極性エラストマー(d)としては、ポリウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーを挙げられ、極性エラストマーは一種類または二種以上の混合物であってもよい。なかでも、極性エラストマーは、ポリウレタン系エラストマーが好ましい。樹脂組成物(B)が極性エラストマー(d)を含有する場合、樹脂組成物(B)は、成分(a)100質量部に対して、極性エラストマー(e)を5~70質量部含有していることが、上記目的を達成する点から好ましく、5~50質量部がより好ましい。
また、樹脂組成物(B)は、軽量化の観点から、中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体等からなる有機中空フィラーを含有してもよい。
中でも、樹脂組成物(B)がポリビニル系短繊維、ポリアリレート系短繊維、グラファイト、マイカ、酸化チタン、アルミニウム粉末、および/またはカーボンブラックを含むことが好ましく、この場合、制振性を大きく改善する効果がある。
本発明の一実施態様である複合材(C)は、上記基布(A)の少なくとも一方の表面に樹脂組成物(B)からなる層を積層させてなる。樹脂組成物(B)からなる層は、単層であっても複層であってもよい。
まず評価方法について説明する。
サンプルに関して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件下、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwを算出した。
GPC;LC Solution (SHIMADZU社製)
検出器:示差屈折率計 RID-10A(SHIMADZU社製)
カラム:TSKgelG4000Hxlを2本直列(TOSOH社製)
ガードカラム:TSKguardcolumnHxl-L(TOSOH社製)
溶媒:テトラヒドロフラン
温度:40℃
流速:1ml/min
濃度:2mg/ml
JIS G 0602:1993に準じて測定した。具体的には、まず、後述する実施例および比較例における樹脂組成物(B)を用いて、射出成形機により厚み1.0mm、幅15.0mm、長さ250mmの平板状のサンプルを作製した。該平板状のサンプルの一方の表面に、両面粘着テープを介して振動体(厚み1.0mm、幅15.0mm、長さ250mmのSPCC鋼板)を貼合し、サンプルの他方の表面に、両面粘着テープを介して拘束層(厚み0.5mm、幅15.0mm、長さ250mmのアルミ板)を貼合した後、リオン社製、商品名「SA-01」の測定装置を用い、試験片の保持方式として中央支持法、試験片の加振方法として定常加振法、損失係数の算出方法として半値幅法を採用して、23℃、500Hzでの損失係数を算出した。測定は3回行い、その平均値を損失係数ηとし、下記のランク付けを行った。
◎ 損失係数(η)は0.12以上
○ 損失係数(η)は0.1以上
× 損失係数(η)は0.1未満
重合に使用した各モノマー成分の質量から算出した。
ブロック共重合体(a)をCDCl3に溶解して、1H-NMR測定を行った(装置:JNM-Lambda 500(日本電子(株)製、測定温度:50℃)。イソプレン由来の構造単位、ブタジエン由来の構造単位、またはイソプレンとブタジエンとの混合物由来の構造単位の全ピーク面積と、イソプレンの構造単位における1,2-結合単位および3,4-結合単位、ブタジエンの構造単位における1,2-結合単位および3,4-結合単位、またはイソプレンとブタジエンの混合物の場合には、それぞれの上記結合単位に対応するピーク面積との比から、ビニル結合含有量(1,2-結合単位と3,4-結合単位との含有量の合計)を算出した。
基布(A)上に積層される樹脂組成物(B)からなる層の厚みを、複合材(C)の断面を顕微鏡により観察することによって測定した。また、基布(A)の厚みに対して樹脂組成物(B)の含浸厚みの比率(樹脂含浸比率)は、複合材(C)の断面を顕微鏡により観察することによって測定した。複合材(C)の厚み、および複合材(C)中の樹脂組成物(B)の含浸厚みを無作為に10点測定し、その平均値を算出することによって樹脂含浸比率を決定した。樹脂含浸比率の算出は以下の式に従って行った。
樹脂含浸比率(%)=(樹脂組成物(B)の含浸厚み[平均])/(基布(A)の厚み[平均])
SATRA Technolgy製のSTM-611機を用いて、EN388:2003に従って耐創傷性を評価した。5Nの荷重下、回転する円形刃をサンプルに対して水平に当て、貫通するまでの回数から、EN388:2003に従ってインデックスを算出した。インデックスが10以上であることが好ましい。
2枚の複合材(C)を用いて、手袋を作製した。2枚の複合材の端部同士を接合する際は、複合材の端部同士が重なり合う部分の間に、5mm巾×100μm厚みの樹脂組成物(B)からなる層を配置し、溶着機(ヤマトミシン製NSW2735、電磁加熱式)を用いて、樹脂組成物(B)を介して2枚の複合材(C)を融着し、さらに、融着中央部分の縫製を行った。こうして手袋を作製した。
上記「(7)耐水浸透性の評価方法」にて作製した手袋を10人のモニターに装着させ、制振性、柔軟性、およびグリップ安定性の評価を行った。
手袋を装着したモニターに、チェーンソー(マキタ製MEA5000G)を用いて200~300mmφの丸太の切断作業をさせ、その際の制振性、柔軟性(ゴワゴワ感)およびグリップ安定性の官能評価を行った。耐水浸透性に関しては、良好と答えた人数が7人以上の場合が好ましく、9人以上がより好ましい。制振性に関しては、良好と答えた人数が5人以上の場合が好ましく、6人以上がより好ましく、7人以上がさらに好ましい。柔軟性およびグリップ安定性に関しては、良好と答えた人数が5人以上の場合が好ましく、6人以上がより好ましい。
以下の実施例および比較例において以下の基布を用いた。
・基布(A-1)
高剛性ポリアリレート繊維(クラレ製:ベクトラン(登録商標)HT、単糸繊度2.8dtex)を紡績することにより得られる撚係数2.5の20番手の紡績糸からなる平織布(弾性率:100GPa、坪量:200g/m2、厚み:430μm)
・基布(A-2)
アラミド繊維(デュポン製、ケブラー(登録商標)49、30/1、繊度:197dtex)からなる平織布(弾性率:75GPa、坪量:200g/m2、厚み:450μm)
・基布(A-3)
綿糸(龍田紡績製、30/1、繊度:178dtex)からなる平織布(弾性率:10GPa、坪量:200g/m2、厚み:490μm)
樹脂組成物(B)の調製において用いた成分は以下のとおりである。
特許第2703335号明細書、または特開2003-128870号公報に準じ、乾燥され、窒素で置換された耐圧反応器において、溶媒としてシクロヘキサン、開始剤としてn-ブチルリチウム、共触媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、スチレンモノマー、イソプレンモノマー、スチレンモノマーの順に添加し重合することによりA-B-Aの構造を有するブロック共重合体を得た。その後、得られたブロック共重合体を、シクロヘキサン中において、触媒としてPd-Cを用いて水素圧20kg/cm2で水素添加反応を行った。共触媒の添加量ならびにモノマーの添加比率および添加速度を適宜変更することにより、以下のブロック共重合体(a1-1)~(a1-3)および(a2-1)~(a2-2)を製造した。
・ブロック共重合体(a1-1)
水素添加されたスチレン/イソプレン/スチレン型トリブロック共重合体、ビニル結合含有量73%、重量平均分子量Mw:200000、スチレン含有量:27モル%
・ブロック共重合体(a1-2)
水素添加されたスチレン/イソプレン/スチレン型トリブロック共重合体、ビニル結合含有量55%、重量平均分子量Mw:270000、スチレン含有量:32モル%
・ブロック共重合体(a1-3)
水素添加されたスチレン/イソプレン/スチレン型トリブロック共重合体、ビニル結合含有量50%、重量平均分子量Mw:250000、スチレン含有量:30モル%
・ブロック共重合体(a2-1)
水素添加されたスチレン/イソプレン・ブタジエン/スチレン型トリブロック共重合体の水添ブロック共重合体、ビニル結合含有量40%、重量平均分子量Mw:260,000、スチレン含有量:34モル%
・ブロック共重合体(a2-2)
水素添加されたスチレン/イソプレン・ブタジエン/スチレン型トリブロック共重合体の水添ブロック共重合体、ビニル結合含有量8%、重量平均分子量Mw:270,000、スチレン含有量:33モル%
・オレフィン系樹脂(b)
ポリプロピレン プライムポリプロ F219DA(商品名)、株式会社プライムポリマー製、MFR(230℃、2.16kg荷重):8g/10分
・炭化水素系ゴム用軟化剤(c)
ダイアナプロセスオイルPW-380(商品名)、出光石油化学株式会社製、パラフィン系オイル、動粘度(40℃):381.6mm2/s、環分析パラフィン:73%、環分析ナフテン:27%、重量平均分子量Mw:1304
二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表1に記載の各成分を表1に示す配合に従って混合し、220℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物(B)を得た。得られたペレット状の樹脂組成物(B)を押出ラミ成形機(Tダイ型単層押出ラミ製膜機、口径40mm、L/D=24)に投入し、押出温度280℃において、樹脂組成物(B)からなる200μmの厚みの溶融膜を基材(A-1)に溶融積層させ、80℃の熱プレスロールを通過させることにより、複合材(C-1)を得た。
実施例2~7において、表1に示す配合に従い表1に記載の各成分を用いた以外は、実施例1と同様にして複合材(C-2)~(C-7)をそれぞれ作製した。また、比較例1~5において、表1に示す配合に従い表1に記載の各成分を用いた以外は、実施例1と同様にして複合材(C-1)’~(C-5)’をそれぞれ作製した。
トルエン溶剤に下記の各構成成分を表1に示す配合に従って添加し、120℃の油浴で4時間撹拌し、その後冷却することにより、濃度40質量%の樹脂組成物(B)溶液を調製した。この溶液を、離型処理したPETフィルム(東レフィルム加工製、セラピールBLK、厚み:50μm)の離型処理面に、ワイアーバーを用いて、塗工膜の厚みが150μm(乾燥後の厚みが75μmに相当)となるように塗布し、塗布直後に、塗工膜上に基布(A-2)を積層した。その後、乾燥処理を行うことにより、複合材(C-8)を作製した。
よって、本発明によれば、高い耐創傷性、制振性、柔軟性および耐水浸透性を有する防護用品を達成することができる。
これらの実施例および比較例では、上記した「(1)重量平均分子量Mw」、「(2)損失係数ηの測定」および「(4)1,2-結合および3,4-結合単位の含有量(ビニル結合含有量)」に加えて、次のような測定を行った。
振動抑制多層シート(C)の断面10箇所を顕微鏡で観察し、基布(A)の両側に存在する樹脂組成物(B)層の平均厚みをそれぞれ(B-1)mm、(B-2)mmとした場合、偏在厚み比率(%)を下記式により算出した。
|(B-1)-(B-2)|×100/{(B-1)+(B-2)}
なお、基布(A)を挟んで、片方側にそれぞれ(B)層が複数層積層している場合は、
その複数層の合計厚みを、それぞれ(B-1)mm、(B-2)mmとする。
リオン株式会社製の無音響箱(商品名:RKB-33L)内部を遮音隔壁で仕切り、一方に記録計付属の騒音計(リオン株式会社製:NL27)を、他方に騒音発生器(リオン株式会社製:SF-06)付属のスピーカーを直線状に設置し、実施例および比較例で作製した複合材を該遮音隔壁の窓(300×500mm角)に取付けた場合と、該シートを取り除いた場合との騒音レベル(デシベル:db、23℃-500Hz)の差を算出することにより、防音性(Δdb:音源透過減衰率に相当)の評価を行った。
Δdbが10以上を良好な結果とした。
JIS K7125試験法に準拠し、実施例および比較例で作製した複合材の測定面側を、厚み1.0mm、幅80mm、長さ200mmのSPCC鋼板に、70℃の熱プレスロールを用いて、加圧および加熱下で貼り付け、SPCC鋼板側を下向きに水平常盤に固定した。その上に、63×63mmのすべり片(アルミ板:200g)を配置し、23℃および50%RHの雰囲気下、島津製作所製オートグラフ型番AG-1、500Nを用い、水平速度100mm/分で引っ張った際の初期張力(静摩擦係数=ピーク張力/荷重)およびそれ以降の定常張力(動摩擦力係数=ピーク張力を除く平均張力/荷重)を測定した。
最外層が一方の面と他方の面とで異なる複合材の測定面側は、下記構成(C-9)については樹脂層(B)側とし、下記構成(C-11)については樹脂層(B)(1.3mm)側とした。
実施例および比較例で作製した複合材から、25mm×100mmの試験片をそれぞれ2枚ずつ切り出し、10回屈曲したときの屈曲部の微小クラックおよび/または白化の有無を目視で観察し、下記のランク付けを行い、平均値が2以下を好適とした。
ランク1:微小クラックおよび/または白化はなし
ランク2:微小クラックおよび/または白化は僅かにあり
ランク3:微小クラックおよび/または白化はあり
ランク4:微小クラックおよび/または白化は顕著
実施例および比較例において、以下の基布を用いた。
・基布(A-1)
高剛性ポリアリレート繊維(クラレ製:ベクトラン(登録商標)HT、単糸繊度2.8dtex)を紡績することにより得られる撚係数2.5の20番手の紡績糸からなる平織布(弾性率:100GPa、坪量:200g/m2、厚み:430μm)
・基布(A-2)
アラミド繊維(デュポン製、ケブラー(登録商標)49、30/1、繊度:197dtex)からなる平織布(弾性率:75GPa、坪量:200g/m2、厚み:450μm)
・基布(A-3)
綿糸(龍田紡績製、30/1、繊度:178dtex)からなる平織布(弾性率:10GPa、坪量:200g/m2、厚み:490μm)
樹脂組成物(B)の調製において用いた成分は、以下のとおりである。
(ブロック共重合体(a)の製造)
特許第2703335号明細書、または特開2003-128870号公報に準じ、乾燥され、窒素で置換された耐圧反応器において、溶媒としてシクロヘキサン、開始剤としてn-ブチルリチウム、共触媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、スチレンモノマー、イソプレンモノマー、スチレンモノマーの順に添加し重合することによりA-B-Aの構造を有するブロック共重合体を得た。その後、得られたブロック共重合体を、シクロヘキサン中において、触媒としてPd-Cを用いて水素圧20kg/cm2で水素添加反応を行った。共触媒の添加量ならびにモノマーの添加比率および添加速度を適宜変更することにより、以下のブロック共重合体(a1-1)~(a1-3)および(a2-1)~(a2-2)を製造した。
・ブロック共重合体(a1-1)
水素添加されたスチレン/イソプレン/スチレン型トリブロック共重合体、ビニル結合含有量73%、重量平均分子量Mw:200000、スチレン含有量:27モル%
・ブロック共重合体(a1-2)
水素添加されたスチレン/イソプレン/スチレン型トリブロック共重合体、ビニル結合含有量55%、重量平均分子量Mw:270000、スチレン含有量:32モル%
・ブロック共重合体(a1-3)
水素添加されたスチレン/イソプレン/スチレン型トリブロック共重合体、ビニル結合含有量50%、重量平均分子量Mw:250000、スチレン含有量:30モル%
・ブロック共重合体(a2-1)
水素添加されたスチレン/イソプレン・ブタジエン/スチレン型トリブロック共重合体の水添ブロック共重合体、ビニル結合含有量40%、重量平均分子量Mw:260,000、スチレン含有量:34モル%
・ブロック共重合体(a2-2)
水素添加されたスチレン/イソプレン・ブタジエン/スチレン型トリブロック共重合体の水添ブロック共重合体、ビニル結合含有量8%、重量平均分子量Mw:270,000、スチレン含有量:33モル%
・オレフィン系樹脂(b)
ポリプロピレン プライムポリプロ F219DA(商品名)、株式会社プライムポリマー製、MFR(230℃、2.16kg荷重):8g/10分
・炭化水素系ゴム用軟化剤(c)
ダイアナプロセスオイルPW-380(商品名)、出光石油化学株式会社製、パラフィン系オイル、動粘度(40℃):381.6mm2/s、環分析パラフィン:73%、環分析ナフテン:27%、重量平均分子量Mw:1304
実施例および比較例において作製した複合材は、下記構成(C-9)~(C-12)のいずれかを有した。
・構成(C-9)
T型ダイス単軸押出機(口径40mm、L/D=24、230℃)を使用し、後述するように樹脂組成物(B)を含浸した基布(A)の含浸した面と反対側の面に、樹脂組成物(B)からなる厚み1.8mmの溶融シートを押出しラミネートし、樹脂組成物含浸基布(B+A)/樹脂層(B)の構成を得、これを構成(C-9)とした。
・構成(C-10)
後述するように樹脂組成物(B)を含浸した2枚の基布(A)を、含浸した面が最表層となるよう配置し、それらの間に、T型ダイス単軸押出機(口径40mm、L/D=24、230℃)を使用して、樹脂組成物(B)からなる厚み1.6mmの溶融シートを押出しラミネートし、樹脂組成物含浸基布(B+A)/樹脂層(B)/樹脂組成物含浸基布(A+B)の構成を得、これを構成(C-10)とした。
・構成(C-11)
T型ダイス単軸押出機(口径40mm、L/D=24、230℃)を使用し、基布(A)に、樹脂組成物(B)からなる厚み1.3mmの溶融シートを押出しラミネートした後、基布(A)側に、樹脂組成物(B)からなる厚み0.7mmの溶融シートを押出しラミネートし、樹脂層(B)(1.3mm)/基布(A)/樹脂層(B)(0.7mm)の構成を得、これを構成(C-11)とした。
・構成(C-12)
T型ダイス単軸押出機(口径40mm、L/D=24、230℃)を使用し、基布(A)に、樹脂組成物(B)からなる厚み1mmの溶融シートを押出しラミネートした後、基布(A)側に、樹脂組成物(B)からなる厚み1mmの溶融シートを押出しラミネートし、樹脂層(B)/基布(A)/樹脂層(B)の構成を得、これをシート構成(C-12)とした。
二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表3に記載の各成分を表3に記載の配合に従って混合し、190℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物(B)を得た。次いで、得られたペレット状の樹脂組成物(B)をトルエン中で熱溶解し、濃度30質量%の樹脂組成物(B)の溶液を得た。得られた樹脂組成物(B)の溶液を基布(A)(0.43mm)に含浸させ、圧搾した後、100℃で10分間乾燥し、樹脂組成物(B)を含浸した基布(A)を得た。含浸した樹脂組成物(B)の質量から計算した樹脂組成物(B)の換算厚み(基布なしの場合)は0.11mmであった。
T型ダイス単軸押出機(口径40mm、L/D=24、230℃)を使用し、得られた樹脂組成物(B)を含浸した基布(A)の含浸した面と反対側の面に、樹脂組成物(B)からなる厚み1.8mmの溶融シートを押出しラミネートし、構成(C-9)を有する複合材(C)を得た。
実施例10~18において、表3に示す配合に従い表3に記載の各成分を用い、表3に記載の構成としたこと以外は実施例9と同様にして、複合材(C)をそれぞれ作製した。また、比較例6~10において、表3に示す配合に従い表3に記載の各成分を用いたこと以外は実施例9と同様にして、複合材をそれぞれ作製した。
よって、本発明によれば、高い振動抑制性、非粘着性および柔軟性を有する振動抑制材を達成することができる。
Claims (5)
- 50GPa以上の弾性率を有する繊維からなる基布(A)、および該基布(A)の少なくとも一方の表面に積層される樹脂組成物(B)からなる層を有する複合材であって、
樹脂組成物(B)は、
(a)少なくとも1種のビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロック(X)と少なくとも1種の共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(Y)とからなる、少なくとも1つのブロック共重合体および/または該ブロック共重合体の水素添加物、
(b)オレフィン系樹脂、ならびに
(c)炭化水素系ゴム用軟化剤
を含有し、
樹脂組成物(B)に含まれるオレフィン系樹脂(b)の含有比率が、樹脂組成物(B)の全質量に基づいて7質量%以上、30質量%以下であり、軟化剤(c)の含有比率が、樹脂組成物(B)の全質量に基づいて3質量%以上、10質量%以下であり、かつ樹脂組成物(B)の23℃、500Hzにおける損失係数ηは0.1以上であり、
上記ブロック共重合体(a)は、イソプレンおよび/またはブタジエンに由来する構造単位の3,4-結合単位および1,2-結合単位の含有量が45モル%以上のブロック共重合体(a1)、または
ブロック共重合体(a1)と、イソプレンおよび/またはブタジエンに由来する構造単位の3,4-結合単位および1,2-結合単位の含有量が45モル%未満のブロック共重合体(a2)の混合物であり、該混合物のイソプレンおよび/またはブタジエンに由来する構造単位の3,4-結合単位および1,2-結合単位の含有量が40モル%以上である、複合材。 - 基布(A)は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、セラミック繊維、および金属繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維からなる織布、不織布、編物または複合布である、請求項1に記載の複合材。
- 基布(A)、および基布(A)の両表面に積層された樹脂組成物(B)からなる層を有する複合材(C)であって、該層の厚みは互いに10%以上異なる、請求項1または2に記載の複合材。
- 請求項1~3のいずれかに記載の複合材から構成される防護用品。
- 請求項1~3のいずれかに記載の複合材から構成される振動抑制材。
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