次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の部品実装システム10の構成の概略を示す構成図であり、図2は部品実装機20の構成の概略を示す構成図であり、図3はフィーダ30の構成の概略を示す構成図である。また、図4はローダ50の構成の概略を示す構成図であり、図5は部品実装システム10の制御に関する構成図である。なお、図1の左右方向がX方向であり、前後方向がY方向であり、上下方向がZ方向である。
部品実装システム10は、図1に示すように、印刷機12と、印刷検査機14と、複数の部品実装機20と、実装検査機(図示略)と、ローダ50と、フィーダ保管庫60と、管理装置80(図5参照)とを備える。印刷機12は、基板S上にはんだを印刷する。印刷検査機14は、印刷機12で印刷されたはんだの状態を検査する。部品実装機20は、基板Sの搬送方向(X方向)に沿って複数並べて設置され、フィーダ30から供給された部品を基板Sに実装する。実装検査機は、部品実装機20で実装された部品の実装状態を検査する。ローダ50は、複数の部品実装機20に対して必要なフィーダ30を補給したり部品実装機20から使用済みのフィーダ30を回収したりする。フィーダ保管庫60は、部品実装機20で使用予定のフィーダ30や使用済みのフィーダ30を保管する。管理装置80は、システム全体を管理する。印刷機12と印刷検査機14と複数の部品実装機20と実装検査機は、この順番で基板Sの搬送方向に並べて設置されて生産ラインを構成する。フィーダ保管庫60は、部品実装システム10の生産ライン内に組み込まれており、複数の部品実装機20のうち基板Sの搬送方向の最も上流側の部品実装機20と印刷検査機14との間に設置されている。本実施形態では、基本的には、作業者がフィーダ保管庫60にフィーダ30を補給したり、フィーダ保管庫60からフィーダ30を回収したりする。なお、部品実装システム10が、これらの装置以外に部品が実装された基板Sのリフロー処理を行うリフロー装置などを備えてもよい。
部品実装機20は、図2に示すように、基板SをX方向に搬送する基板搬送装置21と、フィーダ30が供給した部品を吸着する吸着ノズルを有するヘッド22と、ヘッド22をXY方向に移動させるヘッド移動機構23と、装置全体を制御する実装制御装置28(図5参照)とを備える。実装制御装置28は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、基板搬送装置21やヘッド22、ヘッド移動機構23などに駆動信号を出力する。
フィーダ30は、図3に示すように、部品を所定ピッチで収容するテープを送り出すテープフィーダとして構成されている。フィーダ30は、テープが巻回されたテープリール32と、テープリール32からテープを送り出すテープ送り機構33と、2本の位置決めピン34を有するコネクタ35と、下端に設けられたレール部材37と、フィーダ制御装置39(図5参照)と、を備える。フィーダ制御装置39は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、テープ送り機構33に駆動信号を出力する。また、フィーダ制御装置39は、コネクタ35を介してフィーダ30の取付先の制御部(実装制御装置28や管理装置80など)と通信可能となる。
部品実装機20は、図2に示すように、前方にフィーダ30を取り付け可能な上下2つのエリアを有する。上のエリアはフィーダ30が部品を供給可能な供給エリア20Aであり、下のエリアはフィーダ30をストック可能なストックエリア20Bである。供給エリア20Aとストックエリア20Bには、側面視がL字状に形成され、それぞれ複数のフィーダ30が取り付けられるフィーダ台40が設けられている。フィーダ台40は、フィーダ30のレール部材37が挿入可能な間隔でX方向に複数配列されたスロット42と、2本の位置決めピン34が挿入可能な2つの位置決め穴44と、2つの位置決め穴44の間に設けられコネクタ35が接続されるコネクタ45とを備える。なお、部品実装機20がフィーダストックエリア20Bを備えるものに限られず、これを備えないものでもよい。
ローダ50は、図1に示すように、複数の部品実装機20の前面およびフィーダ保管庫60の前面に基板の搬送方向(X方向)に対して平行に設けられたX軸レール18に沿って移動可能となっている。なお、図2では、X軸レール18の図示を省略した。ローダ50は、図4,図5に示すように、ローダ移動機構51と、フィーダ移載機構53と、エンコーダ57と、左右の監視センサ58a,58bと、ローダ制御装置59とを備える。
ローダ移動機構51は、X軸レール18に沿ってローダ50を移動させるものであり、駆動用ベルトを駆動するサーボモータなどのX軸モータ52aと、X軸レール18に沿ったローダ50の移動をガイドするガイドローラ52bとを備える。フィーダ移載機構53は、フィーダ30を部品実装機20やフィーダ保管庫60に移載するものである。このフィーダ移載機構53は、フィーダ30をクランプするクランプ部54と、Y軸モータ55aの駆動によりクランプ部54をY軸ガイドレール55bに沿って前後方向(Y方向)に移動させるY軸スライダ55とを備える。また、フィーダ移載機構53は、クランプ部54およびY軸スライダ55がスライド可能に取り付けられたスライドベース56を、Z軸ガイドレール56bに沿って上下方向(Z方向)に移動させるZ軸モータ56aとを備える。
エンコーダ57は、ローダ50のX方向の移動位置を検出するものである。監視センサ58a,58bは、障害物(作業者を含む)の有無を監視するものであり、例えば赤外線センサにより構成される。監視センサ58aは、ローダ50の左側(基板Sの搬送方向と逆側)に取り付けられており、主にローダ50よりも左側の監視領域Sa(図1参照)における障害物を検知する。監視センサ58bは、ローダ50の右側(基板Sの搬送方向と同側)に取り付けられており、主にローダ50よりも右側の監視領域Sb(図1参照)における障害物を検知する。監視領域Sa,Sbは、ローダ50が部品実装機20の前方に位置する際に、その部品実装機20に隣接する左右1台分の部品実装機20の前方の領域を監視可能な程度の領域である。ローダ制御装置59は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成されている。ローダ制御装置59は、エンコーダ57や監視センサ58a,58bからの検知信号を入力し、ローダ移動機構51(X軸モータ52a)やフィーダ移載機構53(クランプ部54、Y軸モータ55a、Z軸モータ56a)に駆動信号を出力する。
ローダ制御装置59は、フィーダ30の自動交換を行う場合、まず、X軸モータ52aを制御して自動交換を行う部品実装機20のスロット42に、ローダ50のY軸スライダ55が対向することとなる位置までローダ50を移動させる。また、ローダ制御装置59は、部品実装機20の供給エリア20Aとの間で自動交換を行う場合には、Z軸モータ56aを制御して供給エリア20Aに対向する上部移載エリア50Aにスライドベース56(Y軸スライダ55)を移動させる。一方、ローダ制御装置59は、部品実装機20のストックエリア20Bとの間で自動交換を行う場合には、Z軸モータ56aを制御してストックエリア20Bに対向する下部移載エリア50Bにスライドベース56を移動させる。ローダ制御装置59は、ローダ50内のフィーダ30を部品実装機20に取り付ける場合には、クランプ部54でフィーダ30をクランプさせた状態でY軸モータ55aを制御してY軸スライダ55を後方(部品実装機20側)へ移動させる。これにより、フィーダ30のレール部材37がフィーダ台40のスロット42に挿入される。続いて、ローダ制御装置59は、クランプ部54によるフィーダ30のクランプを解除させることで、フィーダ30を部品実装機20のフィーダ台40に取り付ける。また、ローダ制御装置59は、フィーダ30を部品実装機20から取り外してローダ50内に回収する場合には、Y軸モータ55aを制御してY軸スライダ55を後方(部品実装機20側)へ移動させる。続いて、ローダ制御装置59は、フィーダ台40に取り付けられているフィーダ30をクランプ部54にクランプさせてから、Y軸モータ55aを制御してY軸スライダ55を前方(ローダ50側)へ移動させる。これにより、フィーダ30がフィーダ台40から取り外されて、ローダ50内に回収される。
フィーダ保管庫60は、複数のフィーダ30を収容するために、部品実装機20に設けられるフィーダ台40と同じ構成のフィーダ台40が設けられている。また、フィーダ保管庫60のフィーダ台40は、部品実装機20の供給エリア20Aのフィーダ台40と同じ高さ(Z方向位置)に設けられている。このため、ローダ50は、部品実装機20のフィーダ台40に対してフィーダ30を着脱するのと同じ動作で、フィーダ保管庫60のフィーダ台40に対してフィーダ30を着脱することができる。
また、フィーダ保管庫60の後方には、基板SをX方向に搬送する基板搬送装置62が設けられている。この基板搬送装置62は、印刷検査機14の図示しない基板搬送装置および隣接する部品実装機20の基板搬送装置21と、前後方向および上下方向の位置が同じ位置となっている。このため、基板搬送装置62は、印刷検査機14の基板搬送装置から受け取った基板Sを搬送して隣接する部品実装機20の基板搬送装置21に受け渡すことが可能となっている。
管理装置80は、図5に示すように、周知のCPU80aやROM80b、HDD80c、RAM80dなどで構成され、LCDなどのディスプレイ82と、キーボードやマウスなどの入力デバイス84とを備える。管理装置80は、基板Sの生産プログラムやフィーダ管理情報などを記憶している。基板Sの生産プログラムは、どの基板Sにどの部品を実装するか、また、そのように実装した基板Sを何枚作製するかなどを定めたプログラムをいう。フィーダ管理情報は、各部品実装機20やフィーダ保管庫60が保有するフィーダ30に関する情報である。図6は、フィーダ管理情報の一例を示す説明図である。フィーダ管理情報には、図示するように、各フィーダ30が装着されるフィーダ台40のスロット番号(位置情報)や各スロット42に装着されているフィーダ30のフィーダID(識別情報)、各フィーダ30が保有する部品種、部品残量、フィーダ30のX方向の幅WとY方向の長さLとを示すサイズなどが含まれる。なお、フィーダ30のなかには、幅Wが広いために、レール部材37が挿入される1のスロット42だけでなく、隣接する複数のスロット42を占有するものがある。一例として、図6ではスロット番号004の幅W2のフィーダ30がスロット番号004,005を占有している場合を示し、スロット番号004,005に共通のフィーダIDが登録され、それ以外の情報はスロット番号004に登録されている。勿論、スロット番号005にもスロット番号004の各情報と同じ情報が登録されていてもよい。
また、管理装置80は、実装制御装置28と有線により通信可能に接続されると共にローダ制御装置59と無線により通信可能に接続される他、印刷機12や印刷検査機14、実装検査機の各制御装置と通信可能に接続される。管理装置80は、実装制御装置28から部品実装機20の実装状況に関する情報や着脱されたフィーダ30に関する情報を受信したり、ローダ制御装置59からローダ50の駆動状況に関する情報を受信したりする。管理装置80は、部品実装機20のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30やフィーダ台40から取り外されたフィーダ30に関する情報を実装制御装置28から受信すると、その部品実装機20のフィーダ管理情報を更新する。また、管理装置80は、フィーダ保管庫60の基板搬送装置62に駆動信号を出力して基板搬送装置62に基板Sを搬送させる。また、管理装置80は、フィーダ保管庫60のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30のフィーダ制御装置39とコネクタ35,45を介して通信可能に接続され、フィーダ30の情報を取得可能となっている。管理装置80は、フィーダ保管庫60のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30やフィーダ台40から取り外されたフィーダ30に関する情報を取得すると、フィーダ保管庫60のフィーダ管理情報を更新する。
こうして構成された部品実装システム10の動作について、特にローダ50がフィーダ30を自動交換する際の動作について説明する。図7はフィーダ自動交換処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ローダ50のローダ制御装置59により実行される。フィーダ自動交換処理では、ローダ制御装置59は、管理装置80から出力されたフィーダ30の自動交換指示を受信するのを待つ(S100)。自動交換指示には、フィーダ30の着脱の指示とその着脱位置とが含まれている。なお、管理装置80は、基板Sの生産プログラムに基づいて、次の実装処理に必要な部品を収容したフィーダ30をフィーダ保管庫60から取り外す指示や、取り外したフィーダ30を各部品実装機20の供給エリア20Aに取り付ける指示を送信する。また、管理装置80は、次の実装処理に不要な部品を収容したフィーダ30や部品残量が値0となったフィーダ30を供給エリア20Aから取り外す指示や、取り外したフィーダ30をストックエリア20Bやフィーダ保管庫60に取り付ける指示を送信する。なお、複数のスロット42を占有する幅広のフィーダ30を対象とした自動交換指示には、フィーダ30を着脱する着脱位置としてのスロット番号に加えて、フィーダ30が占有することとなる隣接のスロット番号が含まれる。
ローダ制御装置59は、S100で自動交換指示を受信すると、受信した自動交換指示から、着脱対象となるフィーダ情報と、フィーダ30を着脱する位置情報とを取得する(S105)。S105の位置情報は、フィーダ30の着脱が、フィーダ保管庫60や部品実装機20の供給エリア20A、ストックエリア20Bのいずれのフィーダ台40で行われるかの情報と、各フィーダ台40におけるフィーダ30の着脱先のスロット番号の情報とを含む。次に、ローダ制御装置59は、S105の位置情報に基づいてローダ50の目標位置を設定する(S110)。なお、目標位置は、ローダ50が着脱位置でのフィーダ30の着脱が可能となる位置である。
続いて、ローダ制御装置59は、目標位置とローダ50の現在位置とに基づく進行方向において、監視センサ58aまたは監視センサ58bにより障害物(作業者)が検知されるか否かを判定する(S115)。ローダ制御装置59は、進行方向に障害物が検知されていないと判定すると、X軸モータ52aを制御し目標位置に向かってローダ50を移動させ(S120)、エンコーダ57による検出位置に基づいてローダ50が目標位置に到達したか否かを判定する(S125)。一方、ローダ制御装置59は、障害物が検知されたと判定すると、ローダ50を停止させて(S130)、S115に戻る。このように、ローダ制御装置59は、ローダ50の進行方向において障害物(作業者)が検知されると、ローダ50を停止させ、障害物が検知されなくなるとローダ50の移動を再開させる。そして、ローダ制御装置59は、S125でローダ50が目標位置に到達したと判定すると、ローダ50を停止させて(S135)、フィーダ状況確認処理を実行する(S140)。フィーダ状況確認処理は、S105で取得した位置情報に対応するスロット42において、フィーダ30の有無やフィーダ30の識別情報などを確認するための処理である。
図8はフィーダ状況確認処理の一例を示すフローチャートである。フィーダ状況確認処理では、ローダ制御装置59は、まず、今回の自動交換指示にフィーダ30の取り外しが含まれるか否かを判定し(S200)、取り外しが含まれないと判定すると、S220に進む。ローダ制御装置59は、フィーダ30の取り外しが含まれると判定すると、今回の取り外し位置のスロット42におけるフィーダ情報を管理装置80に要求し(S205)、管理装置80からフィーダ情報を受信するのを待つ(S210)。管理装置80は、ローダ制御装置59から要求を受信すると、要求されたスロット42におけるフィーダ30の有無の情報やフィーダ30が取り付けられている場合にはその識別情報などをフィーダ管理情報から読み出してローダ制御装置59に送信する。ローダ制御装置59は、S210で管理装置80からフィーダ情報を受信すると、受信したフィーダ情報とS105で取得したフィーダ情報とを照合して一致するか否かを確認して(S215)、S220に進む。このため、ローダ制御装置59は、フィーダ30の自動交換指示が出力された際のスロット42におけるフィーダ30の装着状況と、現在の装着状況とが一致するか否かを確認することができる。即ち、ローダ制御装置59は、自動交換指示としてフィーダ30の取り外しが指示されたにも拘わらず、作業者がそのフィーダ30を取り外したり、取り外した後に別のフィーダ30を取り付けたりしたことなどを把握することができる。
次に、ローダ制御装置59は、今回の自動交換指示に空きスロットへのフィーダ30の取り付けが含まれるか否かを判定し(S220)、取り付けが含まれないと判定すると、フィーダ状況確認処理を終了する。ローダ制御装置59は、フィーダ30の取り付けが含まれると判定すると、今回の取り付け位置のスロット42におけるフィーダ情報を管理装置80に要求し(S225)、管理装置80からフィーダ情報を受信するのを待つ(S230)。管理装置80は、ローダ制御装置59から要求を受信すると、要求されたスロット42におけるフィーダ30の有無の情報やフィーダ30が取り付けられている場合にはその識別情報などをフィーダ管理情報から読み出してローダ制御装置59に送信する。なお、空きスロットにフィーダ30が取り付けられない限り、管理装置80は当該スロット42にフィーダ30が存在しない旨のフィーダ情報を送信することになる。ローダ制御装置59は、S230で管理装置80からフィーダ情報を受信すると、受信したフィーダ情報から今回の取り付け位置のスロット42が空き状態のままか否かを確認して(S235)、フィーダ状況確認処理を終了する。このため、ローダ制御装置59は、フィーダ30の自動交換指示を受信した際のスロット42の空き状態が維持されているか否かを確認することができる。即ち、ローダ制御装置59は、自動交換指示として空きスロットへのフィーダ30の取り付けが指示されたにも拘わらず、作業者がそのスロット42にフィーダ30を取り付けたことなどを把握することができる。なお、取り付け対象が幅広のフィーダ30の場合には、管理装置80は、着脱位置として指定されたスロット42における情報に加えて、フィーダ30が占有することとなる隣接のスロット42における情報を含めてローダ制御装置59に送信する。このため、ローダ制御装置59は、着脱位置として指定されたスロット42だけでなく隣接のスロット42の空き状態も確認することになる。
ローダ制御装置59は、こうしてS140のフィーダ状況確認処理を実行すると、着脱位置のスロット42における現在のフィーダ状況(フィーダ30の装着状況)が自動交換指示が出力された際(受信した際)のフィーダ状況と差異がないか否かを判定する(S145)。ローダ制御装置59は、S145の判定を、S215,S235の確認結果に基づいて行う。ローダ制御装置59は、フィーダ状況に差異がないと判定すると、フィーダ着脱処理を実行して(S150)、S100に戻る。一方、ローダ制御装置59は、フィーダ状況に差異があると判定すると、フィーダ30の自動交換を中止して待機する旨を管理装置80に通知して(S155)、S100に戻る。即ち、ローダ50は、管理装置80から新たな指示を受信するまで、フィーダ30の着脱を行うことなく待機する。これにより、着脱位置のスロット42におけるフィーダ30の装着状況が、自動交換指示が出力された際の装着状況と異なる場合に、フィーダ30を交換するのを防止することができる。このため、自動交換指示と異なる種類のフィーダ30を取り外したり、指示された空きスロットに既にフィーダ30がセットされているにも拘わらずフィーダ30を取り付けたりするのを防止することができる。なお、管理装置80は、フィーダ30の取り付けを含む自動交換指示を送信した場合にS155の通知を受信すると、取り付け対象のフィーダ30が既に取り付けられているか否かを判定する。そして、管理装置80は、取り付け対象のフィーダ30が取り付けられていなければ、別の空きスロットを指定してフィーダ30を取り付けるなどの新たな自動交換指示をローダ制御装置59に送信する。また、管理装置80は、フィーダ30の取り外しを含む自動交換指示を送信した場合にS155の通知を受信すると、取り外し対象のフィーダ30が取り外されているか否かを判定する。そして、管理装置80は、取り外し対象のフィーダ30が取り外されていなければ、当該フィーダ30の現在のスロット42を指定してフィーダ30を取り外す旨の新たな自動交換指示をローダ制御装置59に送信する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフィーダ30が部品供給ユニットに相当し、部品実装機20が部品実装機に相当し、部品実装システム10が部品実装システムに相当し、ローダ50がユニット交換装置に相当し、管理装置80のHDD80cが情報記憶部に相当し、管理装置80のCPU80aが指示出力部に相当し、図7のフィーダ自動交換処理のS140,S145の処理(図8のフィーダ状況確認処理)を実行するローダ制御装置59が状況確認部に相当する。また、監視センサ58a,58bがセンサに相当する。
以上説明した部品実装システム10では、ローダ制御装置59が、自動交換指示を受信してからフィーダ30の着脱を開始するまでの間に、着脱位置のスロット42におけるフィーダ30の装着状況が自動交換指示が出力された際の装着状況と差異があるか否かを確認する。これにより、自動交換指示の後に作業者によるフィーダ30の着脱が行われたことなどによって、自動交換を指示通りに行えないことを把握することができる。
また、部品実装システム10では、目標位置へのローダ50の移動が完了したタイミングでローダ制御装置59がフィーダ30の装着状況を確認する。このため、確認後に速やかにフィーダ30の着脱を行うことで、指示とは異なる自動交換を行うのを防止することができる。
また、ローダ50は、フィーダ30の装着状況に差異があることが確認された場合、管理装置80から自動交換指示が新たに出力されるまで自動交換を行うことなく待機する。このため、ローダ50が指示とは異なる自動交換を行うのを確実に防止しつつ、新たな自動交換指示により適切な自動交換を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、ローダ50が目標位置に到着した際にフィーダ状況確認処理を行うものとしたが、これに限られず、ローダ50が目標位置に到着する前の移動中にフィーダ状況確認処理を行うものとしてもよい。図9は変形例のフィーダ自動交換処理を示すフローチャートである。なお、変形例では、図7のフローチャートと同じ処理には同じステップ番号を付して詳細な説明は省略する。変形例では、ローダ制御装置59は、ローダ50の移動中に目標位置が監視センサ58aまたは監視センサ58bのいずれかの監視領域内に入ったか否か(S121)、確認済みフラグが値0であるか否か(S122)、をそれぞれ判定する。S121では、ローダ制御装置59は、ローダ50の進行方向が左側であれば監視センサ58aの監視領域Sa内に目標位置が入ったか否かを判定し、ローダ50の進行方向が右側であれば監視センサ58bの監視領域Sb内に目標位置が入ったか否かを判定する。上述したように、監視領域Sa,Sbは、ローダ50に対し左右1台分の部品実装機20の前方の領域を監視可能な程度の領域である。このため、ローダ制御装置59がS115で障害物がないと判定し且つS121で監視領域Sa,Sb内に目標位置が入ったと判定した状態は、フィーダ30の着脱位置を含む部品実装機20の前に作業者が存在しておらずフィーダ30の着脱などの作業をしていない状態といえる。ローダ制御装置59は、目標位置が監視領域内ではないと判定したり、目標位置が監視領域内であっても確認済みフラグが値1であると判定したりすると、S125に進む。
一方、ローダ制御装置59は、目標位置が監視領域内であり且つ確認済みフラグが値0であると判定すると、フィーダ状況確認処理を実行し(S140a)、着脱対象のスロット42における現在のフィーダ状況が自動交換指示が出力された際の状況と差異がないか否かを判定する(S145a)。S140a,S145aは、実施形態のS140(図8),S145と同様に行われる。ローダ制御装置59は、S145aで装着状況に差異がないと判定すると、確認済みフラグを値1として(S123)、S125に進む。一方、ローダ制御装置59は、S145aで装着状況に差異があると判定すると、装着状況が異なるため自動交換を継続するかを確認する確認要求を管理装置80に送信して(S124)、S125に進む。管理装置80は、フィーダ台40の状況を確認して新たな自動交換指示をローダ制御装置59に送信するなどの対処を行う。また、ローダ制御装置59は、新たな自動交換指示を受信すると、その指示に基づいてS140aのフィーダ状況確認処理を実行し、問題がないことを確認するとS123で確認済みフラグを値1とする。
そして、ローダ制御装置59は、S125,S135でローダ50が目標位置に到達したと判定してローダ50を停止すると、確認済みフラグが値1であるか否かを判定する(S137)。ローダ制御装置59は、確認済みフラグが値1であると判定すると、S140,S145の処理をスキップしてS150のフィーダ着脱処理を実行し、確認済みフラグを値0に戻す(S151)。このように、変形例では、ローダ50の移動中にフィーダ状況確認処理を並行して実行しておくことで、ローダ50が目標位置に到達すると直ちにフィーダ着脱処理を実行可能とするのである。このため、ローダ50が目標位置に到達してからフィーダ状況確認処理を実行するものに比して、フィーダ状況確認処理の待ち時間が生じないから、フィーダ30の自動交換処理を迅速に行うことが可能となる。
また、ローダ制御装置59は、S115,S130で進行方向に障害物があると判定してローダ50を停止すると、確認済みフラグが値1であるか否かを判定し(S131)、確認済みフラグが値1でなく値0であればS115に戻る。一方、ローダ制御装置59は、確認済みフラグが値1であると判定すると、確認済みフラグを値0としてから(S132)、S115に戻る。これにより、ローダ制御装置59は、S124で確認済みフラグを一旦値1としても監視領域内で障害物を検知した場合には、確認済みフラグを値0に戻すことになる。このため、例えば、S140a,S145aでフィーダ状況が指示通りであることを確認した以降に、作業者が監視領域内に立ち入ったことなどを検知した場合には、確認済みフラグを値0に戻してフィーダ状況確認処理を再度実行することになる。これは、監視領域内に立ち入った作業者がフィーダ台40におけるフィーダ30の着脱を勝手に行うことがあり、着脱対象のスロット42のフィーダ状況が指示通りでなくなる可能性があるためである。これにより、確認済みフラグが値1で維持されていれば、フィーダ状況確認処理を実行した以降に作業者が監視領域内に立ち入っておらずスロット42のフィーダ状況が自動交換指示通りに保持されていることになる。このため、上述したように、S135でローダ50を停止した際に確認済みフラグが値1であれば、フィーダ状況確認処理を再実行することなく、直ちにS150のフィーダ着脱処理を実行するのである。
上述した実施形態や変形例では、ローダ50が目標位置に到達したタイミングや監視領域内に目標位置が入ったタイミングなどの所定タイミングでフィーダ状況確認処理を実行するものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、ローダ50の移動中にフィーダ状況確認処理を繰り返し行うものなどとしてもよい。図10は変形例のフィーダ自動交換処理を示すフローチャートである。変形例では、ローダ制御装置59は、ローダ50の移動中に前回のフィーダ状況確認処理の実行から所定時間が経過したか否かを判定し(S121a)、所定時間が経過していないと判定すると、S125に進む。なお、移動を開始してから一度もフィーダ状況確認処理を実行していなければ、ローダ制御装置59は、S121aでは移動開始から所定時間が経過したか否かを判定するものとする。一方、ローダ制御装置59は、前回のフィーダ状況確認処理の実行から所定時間が経過したと判定すると、フィーダ状況確認処理を実行し(S140a)、フィーダ状況に差異がないか否かを判定する(S145a)。ローダ制御装置59は、S145aでフィーダ状況に差異がないと判定すると、S125に進み、S145aでフィーダ状況に差異があると判定すると、S124で確認要求を管理装置80に送信してから、S125に進む。
そして、ローダ制御装置59は、S125,S135でローダ50が目標位置に到達したと判定してローダ50を停止すると、移動中に繰り返し行ったフィーダ状況確認処理のうち停止前に実行されたフィーダ状況確認処理即ち直近のフィーダ状況確認処理に基づいて、S145でフィーダ状況に差異がないことを確認した上で、S150でフィーダ着脱処理を実行する。このように、変形例では、ローダ制御装置59が所定時間毎にフィーダ状況確認処理を実行するため、着脱位置のスロット42のフィーダ状況が、自動交換指示を受信した際と異なることを速やかに検出して迅速に対処することができるから、適切なフィーダ自動交換作業をより効率よく行うことが可能となる。なお、この変形例では、ローダ50の移動中において所定時間毎にフィーダ状況確認処理を繰り返し行うものとしたが、これに限られず、ローダ50の移動中において所定距離毎にフィーダ状況確認処理を繰り返し行うものとしてもよい。この場合、ローダ制御装置59は、ローダ50が所定距離移動したことを検知する度にフィーダ状況確認処理を行えばよい。
上述した実施形態では、ローダ制御装置59が管理装置80との通信を介してフィーダ状況確認処理を実行するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、ローダ制御装置59が各部品実装機20の実装制御装置28との通信を介してフィーダ状況確認処理を実行するものとしてもよい。そのようにする場合、各部品実装機20のフィーダ管理情報は、管理装置80が管理するものに限られず、各部品実装機20の実装制御装置28がそれぞれ管理するものとしてもよい。
上述した実施形態では、ローダ制御装置59がフィーダ状況確認処理を実行するものとしたが、これに限られず、管理装置80や各部品実装機20の実装制御装置28がフィーダ状況確認処理を実行するものとしてもよい。そのようにする場合、ローダ制御装置59は、管理装置80や各部品実装機20の実装制御装置28からフィーダ状況確認処理の処理結果を取得して、フィーダ着脱処理を実行するか否かを判定するものなどとすればよい。また、管理装置80や各部品実装機20の実装制御装置28は、ローダ50が目標位置に到達したタイミングでフィーダ状況確認処理を実行するものなどとしてもよい。あるいは、管理装置80や各部品実装機20の実装制御装置28は、ローダ50の移動中にフィーダ状況確認処理を繰り返し実行するものとしてもよい。例えば上述した変形例のように、所定時間毎にフィーダ状況確認処理を繰り返し実行してもよいし、フィーダ台40にフィーダ30が着脱される度にフィーダ状況確認処理を実行してもよい。
本開示の部品実装システムにおいて、前記状況確認部は、前記着脱位置での前記部品供給ユニットの着脱が可能な所定位置まで前記ユニット交換装置が移動したタイミングで、前記状況確認処理を行うものとしてもよい。所定位置で状況確認処理を行うことにより、指示とは異なる自動交換を行うのをより確実に防止することができる。
本開示の部品実装システムにおいて、前記状況確認部は、前記着脱位置での前記部品供給ユニットの着脱が可能な所定位置へ前記ユニット交換装置が移動中のタイミングで、前記状況確認処理を行うものとしてもよい。こうすれば、所定位置で状況確認処理を行うための待ち時間が発生するのを抑えつつ自動交換を適切に行うことができる。
本開示の部品実装システムにおいて、前記ユニット交換装置は、所定範囲内で障害物の有無を検知するセンサを有し、前記状況確認部は、前記ユニット交換装置の移動中において前記センサの所定範囲内に前記所定位置が含まれると共に前記センサが障害物を検知していないタイミングで、前記状況確認処理を行うものとしてもよい。こうすれば、所定位置の近傍に作業者がいないタイミングで状況確認処理を行うことができる。また、そのタイミング以降に作業者が所定範囲内に立ち入ったために作業者により部品供給ユニットの着脱が行われた可能性があることを把握することができるから、指示とは異なる自動交換を行うのをさらに確実に防止することができる。
本開示の部品実装システムにおいて、前記状況確認部は、前記ユニット交換装置の移動中において所定時間毎または所定距離毎のタイミングで、前記状況確認処理を繰り返し行うものとしてもよい。こうすれば、所定位置への移動中に、自動交換を指示通りに行えなくなったことを速やかに把握することができるから、迅速な対処が可能となる。
本開示の部品実装システムにおいて、前記ユニット交換装置は、前記状況確認処理により前記着脱位置における前記部品供給ユニットの装着状況に差異があることが確認された場合、前記指示出力部から前記自動交換指示が新たに出力されるまで前記部品供給ユニットの着脱を中止するものとしてもよい。こうすれば、指示とは異なる自動交換を行うのを確実に防止しつつ、新たな自動交換指示により適切な自動交換を行うことができる。