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JP6980965B2 - スチールコード、タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、スチールコード、タイヤに関するものである。
特許文献1などにより、補強材としてタイヤに用いるスチールコードが知られている。特許文献1では、スチールコードについて、路上の石等の凹凸を踏んだ時にある程度までは凹んで衝撃を吸収する一方、高速回転時におけるタイヤの変形を防止することを目的として、スチールコードの負荷荷重と伸度とについて所定の関係にすることが提案されている。
特開2002−275772号公報
ところで、近年ではタイヤが路面上の突起物を踏んだ際等の衝撃に対する耐久性を高める観点から、スチールコードには耐衝撃性の向上が求められている。
しかしながら、特許文献1に開示されたタイヤ補強用スチールコードは、負荷荷重と伸度とを所定の関係にすることで、衝撃を吸収して車両の乗り心地を低下させることがなく、高速回転時のタイヤ変形を抑制しようとするものである。従って、耐衝撃性の観点では十分に検討がされていなかった。
このため、本開示の目的は、耐衝撃性に優れたスチールコードを提供することである。
本開示の一観点によれば、n本(n=3、または4)の素線が撚り合わされた1×n構造を有し、
長手方向と垂直な断面において、
最外接円の面積をS1、素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが37%以上60%以下であるスチールコードを提供する。
V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
また、本開示の他の観点によれば、n本(n=5)の素線が撚り合わされた1×n構造を有し、
長手方向と垂直な断面において、
最外接円の面積をS1、素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが33%以上55%以下であるスチールコードを提供する。
V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
本開示によれば、耐衝撃性に優れたスチールコードを提供できる。
本開示の一態様に係る1×4構造のスチールコードの説明図である。 図1のスチールコードの長手方向と垂直な面での断面図である。 本開示の一態様に係る1×3構造のスチールコードの長手方向と垂直な面での断面図である。 本開示の他の態様に係る1×5構造のスチールコードの長手方向と垂直な面での断面図である。 シャルピー衝撃試験の説明図である。 屈曲部と非屈曲部とが繰り返し形成されている素線の説明図である。 屈曲部と非屈曲部とが繰り返し形成されている素線の製造方法の説明図である。 本開示の一態様に係るタイヤの断面図である。 ベルト層を模式的に示した図である。 実験例1〜実験例11の空隙率と衝撃吸収指数との関係を示した図である。 実験例1〜実験例11の中心領域面積と衝撃吸収指数との関係を示した図である。 実験例12〜実験例16の空隙率と衝撃吸収指数との関係を示した図である。 実験例12〜実験例16の中心領域面積と衝撃吸収指数との関係を示した図である。 実験例17〜実験例26の空隙率と衝撃吸収指数との関係を示した図である。 実験例17〜実験例26の中心領域面積と衝撃吸収指数との関係を示した図である。
実施するための形態について、以下に説明する。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
(1)本開示の一態様に係るスチールコードは、n本(n=3、または4)の素線が撚り合わされた1×n構造を有し、
長手方向と垂直な断面において、
最外接円の面積をS1、素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが37%以上60%以下である。
V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
本発明の発明者らの検討によれば、空隙率Vを37%以上とすることで、1×3構造、または1×4構造のスチールコードに含まれる複数の素線が一体性をもって加えられる衝撃に対抗し、かつスチールコード内の空隙が加えられた衝撃を吸収できると推認される。
ただし、空隙率Vが60%を超えると、1×3構造、または1×4構造のスチールコードに含まれる複数の素線間の距離が大きくなるため、素線間の一体性が弱くなり、スチールコードに含まれる複数の素線が衝撃により個別に切断され易くなると推認される。
このため、本開示の一態様に係るスチールコードによれば、上記空隙率Vを37%以上60%以下とすることで、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることが可能になる。
(2)また、本開示の他の態様に係るスチールコードは、n本(n=5)の素線が撚り合わされた1×n構造を有し、
長手方向と垂直な断面において、
最外接円の面積をS1、素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが33%以上55%以下である。
V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
本発明の発明者らの検討によれば、空隙率Vを33%以上とすることで、1×5構造のスチールコードに含まれる複数の素線が一体性をもって加えられる衝撃に対抗し、かつスチールコード内の空隙が加えられた衝撃を吸収できると推認される。
ただし、空隙率Vが55%を超えると、1×5構造のスチールコードに含まれる複数の素線間の距離が大きくなるため、素線間の一体性が弱くなり、スチールコードに含まれる複数の素線が衝撃により個別に切断され易くなると推認される。
このため、本開示の他の態様に係るスチールコードによれば、上記空隙率Vを33%以上55%以下とすることで、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることが可能になる。
(3) 3本の前記素線が撚り合わされた1×3構造を有し、
長手方向と垂直な断面において、
前記最外接円の円周方向に沿って隣り合う前記素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積が0.07mm以上0.13mm以下であってもよい。
(4) 3本の前記素線が撚り合わされた1×3構造を有し、
前記空隙率Vが35.8%である1×3構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値とした場合の、シャルピー衝撃値の前記基準値に対する割合を示す衝撃吸収指数が、100%より大きく110%以下であってもよい。
(5) 4本の前記素線が撚り合わされた1×4構造を有し、
長手方向と垂直な面における断面において、
前記最外接円の円周方向に沿って隣り合う前記素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積が0.16mm以上0.32mm以下であってもよい。
(6) 4本の前記素線が撚り合わされた1×4構造を有し、
前記空隙率Vが36.4%である1×4構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値とした場合の、シャルピー衝撃値の前記基準値に対する割合を示す衝撃吸収指数が、100%より大きく140%以下であってもよい。
(7) 5本の前記素線が撚り合わされた1×5構造を有し、
長手方向と垂直な断面において、
前記最外接円の円周方向に沿って隣り合う前記素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積が0.24mm以上0.45mm以下であってもよい。
(8) 5本の前記素線が撚り合わされた1×5構造を有し、
前記空隙率Vが32.0%である1×5構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値とした場合の、シャルピー衝撃値の前記基準値に対する割合を示す衝撃吸収指数が、100%より大きく115%以下であってもよい。
(9) n本の前記素線のうち少なくとも1本の前記素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有していてもよい。
(10) n本の全ての前記素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有していてもよい。
(11) 前記素線を平面に置いた時の、前記平面から、前記平面から遠い側の前記屈曲部までの高さを屈曲高さと定義した場合に、
前記屈曲高さが0.10mm以上0.30mm以下であってもよい。
(12) 前記屈曲部と、前記非屈曲部との間の繰り返しピッチが5.0mm以上30.0mm以下であってもよい。
(13) 49N加えた際の初期伸びが0.06%以上0.35%以下であってもよい。
(14) 前記素線の直径が0.22mm以上0.42mm以下であってもよい。
(15)(1)〜(14)のいずれかに記載のスチールコードを含むタイヤとすることもできる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)に係るスチールコード、タイヤの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許の請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
〔スチールコード〕
以下、本実施形態に係るスチールコードについて図1〜図7に基づき説明する。
本実施形態に係るスチールコードはフィラメントとも呼ばれる素線をn本、螺旋状に撚り合わせた1×n構造を有している。
ここで、図1に本実施形態のスチールコード10の一構成例を示す。図1に示したスチールコード10は、4本の素線11を撚り合わせた構造を有している。
そして、1×n構造とは、n本の素線を単層(1層)となるように撚り合わせた構造を意味する。単層とは、後述する図2や、図3、図4に示すようにスチールコードの長手方向と垂直な断面において、素線が1つの円の円周方向に沿って単層(1層)となるように配列されている構造を意味する。
図1に示したスチールコード10は、4本の素線11を単層となるように撚り合わせており1×4構造となる。図1に示したスチールコード10の長手方向と垂直な面での断面図を図2に示す。なお、スチールコード10の長手方向は図中のY軸方向となる。また、長手方向と垂直な面は、図中のXZ平面と平行な面になる。
図2に示すように、4本の素線11が撚り合わされ、中心部には4本の素線11で囲まれた中心部空隙12が形成されている。
図2では、長手方向と垂直な断面において、隣り合う素線11が接している例を示しているが、後述する図3、図4のスチールコード30、40の場合の様に、一部または全ての隣り合う素線11が接触せず、素線11間に隙間が形成されていてもよい。
図3に1×3構造のスチールコード30の長手方向と垂直な面での断面図の構成例を示す。また、図4に1×5構造のスチールコード40の長手方向と垂直な面での断面図の構成例を示す。
図3に示した1×3構造のスチールコード30は、3本の素線11を単層となるように撚り合わせており、中心部に3本の素線11で囲まれた中心部空隙12が形成されている。図4に示した1×5構造のスチールコード40は、5本の素線11を単層となるように撚り合わせており、中心部に5本の素線11で囲まれた中心部空隙12が形成されている。
図3、図4では、隣り合う素線11間に素線間隙間13が形成されているが、隣り合う素線11の一部または全ては、例えば図2に示したスチールコード10のように接していても良い。
そして、本実施形態のスチールコードは、1×3構造、または1×4構造を有する場合、長手方向と垂直な断面において、最外接円の面積をS1、1本当たりの素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが37%以上60%以下である。
また、本実施形態のスチールコードは、1×5構造を有する場合、長手方向と垂直な断面において、最外接円の面積をS1、1本当たりの素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが33%以上55%以下である。
A(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
ここで、スチールコードの長手方向と垂直な断面における最外接円とは、図2に示した1×4構造のスチールコード10の断面の場合、4本の素線11の外周縁が内接する最外接円14を意味する。また、図3に示したスチールコード30の断面の場合、3本の素線11の外周縁が内接する最外接円14を意味する。図4に示したスチールコード40の断面の場合、5本の素線11の外周縁が内接する最外接円14を意味する。いずれの場合も最外接円14は真円となる。
最外接円14は、スチールコードの外形にも相当するため、本明細書において最外接円14の直径をコード径という場合もある。
そして、空隙率Vは、スチールコードの長手方向と垂直な断面において、最外接円14で囲まれた領域のうち、素線11が占有していない領域の面積の割合を示しており、上述の式(A)により算出することができる。なお、同一のスチールコードにおいては、スチールコードの長手方向と垂直な断面における空隙率は、測定する断面の位置に依らず一定であることから、スチールコードの長手方向の任意の位置の断面を用いて測定、算出できる。
スチールコードの長手方向と垂直な断面における空隙率Vは、例えば既述の隣り合う素線11間の素線間隙間13の有無やそのサイズ、中心部空隙12のサイズ等により調整することができる。
スチールコードの耐衝撃性を評価する方法として、シャルピー衝撃試験が挙げられる。シャルピー衝撃試験は、例えば図5に示すように、質量mのハンマー52を初期位置Aから回転軸53を中心として回転させ、ハンマー52の移動経路上に予めセットしておいた試料51に対して振り下ろすことで実施できる。ハンマー52は、試料51を破壊した後さらに回転方向に進行し、最高高さ位置Bに到達する。
ここで、試料51の位置を基準とした初期位置Aの高さをh1、試料51の位置を基準とした最高高さ位置Bの高さをh2とする。この場合、初期位置Aの位置エネルギーと、最高高さ位置Bの位置エネルギーとの差であるmg(h1−h2)が試料を破壊する際の吸収エネルギーとなる。係る吸収エネルギーがシャルピー衝撃値であり、数値が大きいほど耐衝撃性に優れたスチールコードであることを示す。
シャルピー衝撃試験は、試料の破壊に要したエネルギーを評価できるため、ピアノ線等の各種線材の耐衝撃性を評価するために広く用いられてきた。従来、シャルピー衝撃値には主に線材の材料の伸び率や、破断荷重が影響していると考えられており、線材の構造等の影響については知られていなかった。
しかし、本発明の発明者らの検討によれば、1×3構造、または1×4構造を有するスチールコードにおいて、空隙率Vを37%以上60%以下とすることで、空隙率Vが37%未満の場合と比較してシャルピー衝撃値が高くなることが確認できた。また、1×5構造を有するスチールコードにおいて、空隙率Vを33%以上55%以下とすることで、空隙率Vが33%未満の場合と比較してシャルピー衝撃値が高くなることが確認できた。すなわち、シャルピー衝撃試験で評価される耐衝撃性に対して、試料である線材の構造が影響していることを見出した。
これは、スチールコードの空隙率Vを構造に応じた上述の所定値以上とすることで、スチールコードに含まれる複数の素線が一体性をもって加えられる衝撃に対抗し、かつスチールコード内の空隙が、加えられた衝撃を吸収しているためと推認される。
ただし、1×3構造、または1×4構造を有するスチールコードにおいては、スチールコードの空隙率Vが60%を超えるとスチールコードに含まれる複数の素線間の距離が大きくなるため、素線間の一体性が弱くなると考えられる。このため、スチールコードに含まれる複数の素線が衝撃により個別に切断され易くなるため、耐衝撃性が低下するものと推認される。
また、1×5構造を有するスチールコードにおいては、スチールコードの空隙率Vが55%を超えると同様の理由から、耐衝撃性が低下するものと推認される。
以上のように、本実施形態のスチールコードは、空隙率Vを所定の範囲とすることで、耐衝撃性を高めることができる。このため、スチールコードの長手方向と垂直な断面において、空隙率Vが上記範囲となるように複数の素線の配置等を調整することが好ましい。
また、本実施形態のスチールコードは、スチールコードの長手方向と垂直な断面において、図2〜図4で示したように、中心部に素線で囲まれた空隙である中心部空隙12を有することが好ましい。これは中心部空隙12により衝撃を吸収することができ、特に耐衝撃性を高めることができるからである。このため、本実施形態のスチールコードは素線を3本以上有することが好ましい。ただし、素線の本数が5本を超えると、素線の直径、すなわち素線径を細くする必要があり製造コストが増大するため好ましくない。このため、本実施形態のスチールコードは、3本以上5本以下の素線を含むことが好ましい。
耐衝撃性を高めるために、スチールコードを単層ではなく2層以上の複層撚りの構造とすることも考えられるが、各層の素線径を細くする必要が生じることや、撚線工程が2工程以上になるといった製造工程の複雑化を招く恐れもある。このため、本実施形態のスチールコードは1×n構造の単層構造であることが好ましい。なお、複層とは、スチールコードの長手方向と垂直な断面において、素線が1つの円の円周方向に沿って配列されることで1つの層を形成しており、係る層を同心円状に複数層有する構造を意味する。
本実施形態のスチールコードが含有する素線の本数nが3本の場合、長手方向と垂直な断面において、最外接円の円周方向に沿って隣り合う素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積は0.07mm以上0.13mm以下であることが好ましい。
素線の本数nが3本の場合の、長手方向と垂直な断面における、最外接円の円周方向に沿って隣り合う素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域(以下、「中心領域」とも記載する)について図3を用いて説明する。図3は、既述の様に素線11の本数が3本のスチールコード30の、長手方向と垂直な面における断面図を示している。スチールコードの素線の本数nが3本の場合、最外接円14の円周方向に沿って隣り合う素線11の中心間を直線で結ぶと、線分O31−O32、線分O32−O33、線分O33−O31で囲まれた三角形の中心領域15が形成される。
素線の本数nが3本であり、中心領域15の面積が上述の様に0.07mm以上の場合、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができるため好ましい。
素線の本数nが3本であり、中心領域15の面積が0.07mm以上の場合、中心領域15は衝撃を吸収するのに十分なサイズの中心部空隙12を含むと考えられる。このため、スチールコード30に衝撃が加えられた場合に、中心領域15により衝撃を十分に吸収でき、耐衝撃性を高めることができると推認される。
ただし、素線の本数nが3本の場合、中心領域15の面積が0.13mmを超えると、素線間の距離も大きくなるため、素線間の一体性が弱くなると考えられる。このため、スチールコード30に含まれる複数の素線11が衝撃により個別に切断され易くなり、耐衝撃性が低下する恐れがある。従って、素線の本数nが3本の場合、中心領域15の面積は0.13mm以下であることが好ましい。
また、本実施形態のスチールコードが含有する素線の本数nが4本の場合、長手方向と垂直な断面において、最外接円の円周方向に沿って隣り合う素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積は0.16mm以上0.32mm以下であることが好ましい。
素線の本数nが4本の場合の中心領域について、図2を用いて説明する。図2は、既述の様に素線11の本数が4本のスチールコード10について、長手方向と垂直な面における断面図を示している。スチールコードの素線の本数nが4本の場合、最外接円14の円周方向に沿って隣り合う素線11の中心間を直線で結ぶと、線分O11−O12、線分O12−O13、線分O13−O14、線分O14−O11で囲まれた四角形の中心領域15が形成される。
素線の本数nが4本であり、中心領域15の面積が上述の様に0.16mm以上の場合、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができるため好ましい。
素線の本数nが4本であり、中心領域の面積が0.16mm以上の場合、中心領域15は衝撃を吸収するのに十分なサイズの中心部空隙12を含むと考えられる。このため、スチールコード10に衝撃が加えられた場合に、中心領域15により衝撃を十分に吸収でき、耐衝撃性を高めることができると推認される。
ただし、素線の本数nが4本の場合、中心領域15の面積が0.32mmを超えると、素線間の距離も大きくなるため、素線間の一体性が弱くなると考えられる。このため、スチールコードに含まれる複数の素線が衝撃により個別に切断され易くなり、耐衝撃性が低下する恐れがある。従って、素線の本数nが4本の場合、中心領域15の面積は0.32mm以下であることが好ましい。
また、本実施形態のスチールコードが含有する素線の本数nが5本の場合、長手方向と垂直な断面において、最外接円の円周方向に沿って隣り合う素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積が0.24mm以上0.45mm以下であることが好ましい。
素線の本数nが5本の場合の中心領域について、図4を用いて説明する。図4は、既述の様に素線の本数が5本のスチールコード40について、長手方向と垂直な面における断面図を示している。スチールコードの素線の本数nが5本の場合、最外接円14の円周方向に沿って隣り合う素線11の中心間を直線で結ぶと、線分O41−O42、線分O42−O43、線分O43−O44、線分O44−O45、線分O45−O41で囲まれた五角形の中心領域15が形成される。
素線の本数nが5本であり、中心領域15の面積が上述の様に0.24mm以上の場合、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができるため好ましい。
素線の本数nが5本であり、中心領域の面積が0.24mm以上の場合、中心領域15は衝撃を吸収するのに十分なサイズの中心部空隙12を含むと考えられる。このため、スチールコード40に衝撃が加えられた場合に、係る中心領域により衝撃を十分に吸収でき、耐衝撃性を高めることができると推認される。
ただし、素線の本数nが5本の場合、中心領域15の面積が0.45mmを超えると、素線間の距離も大きくなるため、素線間の一体性が弱くなると考えられる。このため、スチールコードに含まれる複数の素線が衝撃により個別に切断され易くなり、耐衝撃性が低下する恐れがある。従って、素線の本数nが5本の場合、中心領域の面積は0.45mm以下であることが好ましい。
本実施形態のスチールコードは、含有するn本の素線のうち少なくとも1本の素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有することもできる。また、本実施形態のスチールコードは、含有するn本の全ての素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有することもできる。
図6に、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する素線61を模式的に
示す。図6に示した素線61は、長手方向に沿って屈曲部62と、非屈曲部63とを交互に繰り返し有している。
なお、図6では屈曲部62において、90度に近い角度で屈曲した例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、例えば90度未満もしくは90度より大きい角度で屈曲していても良い。また、屈曲部62において素線は明確な屈曲点を有する必要はなく、例えば円弧状に湾曲した形状を有していても良い。
本実施形態のスチールコードが含有するn本の素線のうち、1本、または複数本の素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する形状を有することで、空隙率Vを調整することができる。このため、得られるスチールコードの耐衝撃性の程度を選択することができる。
ただし、スチールコードが、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する形状の素線を含むことで空隙率Vだけではなく、初期伸び等の特性にも影響を生じる。このため、スチールコードに要求される空隙率Vや、初期伸び等の特性に応じて、スチールコードが含有する、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する素線の本数や、その形状を選択することが好ましい。
長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する素線において、屈曲部と、非屈曲部との間の繰り返しピッチは、5.0mm以上30.0mm以下であることが好ましく、5.0mm以上20.0mm以下であることがより好ましい。
屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチとは、同じ形状の屈曲部間の距離を意味し、基準となる屈曲部から2つ隣の屈曲部までのスチールコードの長手方向の長さを意味する。このため、図6に示した例では、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPとは例えば屈曲部62Aから、その2つ隣の屈曲部62Cまでの距離を意味する。
屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチを5.0mm以上とすることで素線に屈曲部と、非屈曲部とを形成し易く、スチールコードの空隙率Vを要求に応じて正確に制御し易いため好ましい。ただし、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチを30.0mmより長くしようとすると、屈曲部と非屈曲部とを形成するための装置が大がかりになり、製造コストが増加する恐れがある。
また、素線を平面Sに置いた時の、平面Sから、平面Sから遠い側の屈曲部62Bまでの高さを屈曲高さhとする。
屈曲高さhは、0.10mm以上0.30mm以下であることが好ましく、0.12mm以上0.28mm以下であることがより好ましい。
これは、屈曲高さhを0.10mm以上とすることでスチールコードにした場合に空隙率Vを特に高めることができるからである。ただし、屈曲高さhを0.30mmよりも長くすると、素線同士を撚り合わせた際に、他の素線を傷付ける恐れがある。このため、屈曲高さhは0.30mm以下であることが好ましい。
長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する素線は、例えば図7に示すように、プリフォーム71を複数個配置しておき、素線72を複数のプリフォーム71間に通すことで形成することができる。プリフォーム71の配置や、大きさ、形状を変更することで、屈曲部の形状や、非屈曲部の長さ等を選択することができる。プリフォーム71は、例えばピン型(円柱型)や、歯車型の形状を有することができる。
本実施形態のスチールコードに含まれる素線の直径、すなわち素線径は、0.22mm以上0.42mm以下であることが好ましく、0.25mm以上0.38mm以下であることがより好ましい。
素線径を0.22mm以上とすることで該素線を含むスチールコードについて、破断荷重を十分に高めることができる。
ただし、素線径を過度に太くすると、該素線を含むスチールコードや、スチールコードを用いたタイヤの重量が増大することになり好ましくない。このため、素線径は0.42mm以下であることが好ましい。
本実施形態のスチールコードは、49N加えた際の初期伸びが0.06%以上0.35%以下であることが好ましく、0.07%以上0.30%以下であることがより好ましい。
初期伸びは、素線を撚ってスチールコードを製造した後、該スチールコードに長手方向に沿って荷重を付加した際の伸びを意味している。初期伸びは螺旋状に撚られた複数の素線が荷重を加えられることにより密着状態に至る過程で生じる伸びである。上述の初期伸びは、本実施形態のスチールコードに、49N印加した時のスチールコード500mm当たりの伸びの割合を意味する。
本実施形態のスチールコードは、後述のように例えばタイヤに埋め込んで使用することができる。本実施形態のスチールコードの初期伸びを0.06%以上とすることで、該スチールコードを埋め込んだタイヤについて、路面凹凸の吸収性能すなわち衝撃吸収性能を高めることができ、乗り心地性を向上させることができる。ただし、スチールコードの初期伸びが0.35%を超えると、撚線工程等における取扱い作業性が低下する恐れがあるため、0.35%以下であることが好ましい。
既述のシャルピー衝撃試験により測定されるシャルピー衝撃値は、周囲の温度や湿度の影響を受ける。このため、シャルピー衝撃試験の結果は、基準となる基準物のシャルピー衝撃値に対する相対的な割合として表示する。
具体的には、シャルピー衝撃試験を行う際は基準となる基準物を決めておき、係る基準物と、評価物とについて、同じ環境下においてシャルピー衝撃試験を行う。そして、基準物のシャルピー衝撃値を基準値(100%)とし、評価物のシャルピー衝撃値を該基準値に対する割合である衝撃吸収指数で示す。衝撃吸収指数が100%の場合には、シャルピー衝撃値が基準物と、評価物とで同じであることを意味する。
本実施形態のスチールコードにおいては、空隙率Vを選択することで耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができる。このため、係る空隙率Vによる効果を確認する場合には、衝撃吸収指数を算出する際の基準物と、評価物とはスチールコードに含まれる素線の素線径が同じであることが好ましい。
本実施形態のスチールコードは、含有する素線の本数nが3本の場合、衝撃吸収指数は、空隙率Vが35.8%である1×3構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値として用いることができる。そして、本実施形態のスチールコードは、含有する素線の本数nが3本の場合、上記基準値のシャルピー衝撃値に対する百分率での割合である衝撃吸収指数が100%より大きく、110%以下であることが好ましい。上記衝撃吸収指数を100%より大きく110%以下とすることで、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができる。
衝撃吸収指数の基準物として用いた空隙率Vが35.8%である1×3構造のスチールコードは、例えば予め屈曲部と非屈曲部とを形成していない3本の素線を撚り合せて作製することができる。係るスチールコードは、1×3構造のスチールコードにおいては空隙率Vが比較的小さくなっている。
そして、本発明の発明者らの検討によれば、空隙率Vを高めることでスチールコードの耐衝撃性を高めることができる。このため、空隙率Vが35.8%である1×3構造のスチールコードを基準とした衝撃吸収指数は100%よりも大きいことが好ましい。
ただし、上記衝撃吸収指数を110%より大きくしようとすると、例えば空隙率Vだけではなく、素線径を太くする必要等が生じる場合がある。素線径を太くするとスチールコードや、該スチールコードを用いたタイヤの重量が増加することになり好ましくない。このため、衝撃吸収指数は110%以下であることが好ましい。
本実施形態のスチールコードは、含有する素線の本数nが4本の場合、衝撃吸収指数は、空隙率Vが36.4%である1×4構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値として用いることができる。そして、本実施形態のスチールコードは、含有する素線の本数nが4本の場合、上記基準値のシャルピー衝撃値に対する百分率での割合である衝撃吸収指数が100%より大きく140%以下であることが好ましい。上記衝撃吸収指数を100%より大きく140%以下とすることで、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができる。
衝撃吸収指数の基準として用いた空隙率Vが36.4%である1×4構造のスチールコードは、例えば予め屈曲部と非屈曲部とを形成していない4本の素線を撚り合せて作製することができる。係るスチールコードは、1×4構造のスチールコードにおいては空隙率Vが比較的小さくなっている。
そして、本発明の発明者らの検討によれば、空隙率Vを高めることでスチールコードの耐衝撃性を高めることができる。このため、空隙率Vが36.4%である1×4構造のスチールコードを基準とした衝撃吸収指数は100%よりも大きいことが好ましい。
ただし、上記衝撃吸収指数を140%より大きくしようとすると、例えば空隙率Vだけではなく、素線径を太くする必要等が生じる場合がある。素線径を太くするとスチールコードや、該スチールコードを用いたタイヤの重量が増加することになり好ましくない。このため、衝撃吸収指数は140%以下であることが好ましい。
本実施形態のスチールコードは、含有する素線の本数nが5本の場合、衝撃吸収指数は、空隙率Vが32.0%である1×5構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値として用いることができる。そして、本実施形態のスチールコードは、含有する素線の本数nが5本の場合、上記基準値のシャルピー衝撃値に対する百分率での割合である衝撃吸収指数が100%より大きく115%以下であることが好ましい。上記衝撃吸収指数を100%より大きく115%以下とすることで、耐衝撃性に優れたスチールコードとすることができる。
衝撃吸収指数の基準として用いた空隙率Vが32.0%である1×5構造のスチールコードは、例えば予め屈曲部と非屈曲部とを形成していない5本の素線を撚り合せて作製することができる。係るスチールコードは、1×5構造のスチールコードにおいては空隙率Vが比較的小さくなっている。
そして、本発明の発明者らの検討によれば、空隙率Vを高めることでスチールコードの耐衝撃性を高めることができる。このため、空隙率Vが32.0%である1×5構造のスチールコードを基準とした衝撃吸収指数は100%よりも大きいことが好ましい。
ただし、上記衝撃吸収指数を115%より大きくしようとすると、例えば空隙率Vだけではなく、素線径を太くする必要等が生じる場合がある。素線径を太くするとスチールコードや、該スチールコードを用いたタイヤの重量が増加することになり好ましくない。このため、衝撃吸収指数は115%以下であることが好ましい。
〔タイヤ〕
次に、本実施形態におけるタイヤについて図8、図9に基き説明する。
本実施形態のタイヤは、既述のスチールコードを含むことができる。
図8は、本実施形態に係るタイヤ81の周方向と垂直な面での断面図を示している。図8ではCL(センターライン)よりも左側部分のみを示しているが、CLを対称軸として、CLの右側にも連続して同様の構造を有している。
図8に示すように、タイヤ81は、トレッド部82と、サイドウォール部83と、ビード部84とを備えている。
トレッド部82は、路面と接する部位である。ビード部84は、トレッド部82よりタイヤ81の内径側に設けられている。ビード部84は、車両のホイールのリムに接する部位である。サイドウォール部83は、トレッド部82とビード部84とを接続している。トレッド部82が路面から衝撃を受けると、サイドウォール部83が弾性変形し、衝撃を吸収する。
タイヤ81は、インナーライナー85と、カーカス86と、ベルト層87と、ビードワイヤ−88とを備えている。
インナーライナー85は、ゴムで構成されており、タイヤ81とホイールとの間の空間を密閉する。
カーカス86は、タイヤ81の骨格を形成している。カーカス86はポリエステル、ナイロン、レーヨンなどの有機繊維あるいはスチールコードと、ゴムと、により構成されている。
ビードワイヤ−88は、ビード部84に設けられている。ビードワイヤ−88は、カーカスに作用する引っ張り力を受け止める。
ベルト層87は、カーカス86を締め付けて、トレッド部82の剛性を高めている。図8に示した例では、タイヤ81は2層のベルト層87を有している。
図9は、2層のベルト層87を模式的に示した図である。図9は、ベルト層87の長手方向、すなわちタイヤ81の周方向と垂直な面での断面図を示している。
図9に示したように、2層のベルト層87は、タイヤ81の径方向に重ねあわされている。各ベルト層87は、複数本のスチールコード91と、ゴム92とを有している。複数本のスチールコード91は、一列に並列されている。また、ゴム92は、スチールコード91を被覆しており、個々のスチールコードの全周はそれぞれゴム92で覆われている。スチールコード91はゴム92の中に埋め込まれている。
本実施形態のタイヤによれば、スチールコード91として既述の耐衝撃性に優れたスチールコードを含んでいる。このため、本実施形態のタイヤについても耐衝撃性に優れたタイヤとすることができる。
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
まず、以下の実験例において作製したスチールコードの評価方法について説明する。
(1)素線径
素線径はマイクロメーターを用いて測定した。
(2)コード径
評価を行うスチールコードを透明樹脂に埋め込み、スチールコードの長手方向と垂直な面(断面)が露出するように試料を切り出した。
そして、投影機を用いて係る断面に含まれる複数本の素線の最外接円の直径を測定し、コード径とした。
(3)空隙率
(1)、(2)で測定した素線径およびコード径から、最外接円の面積S1、および1本当たりの素線の面積S2を算出し、以下の式(A)を用いて空隙率Vを算出した。
V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
(4)中心領域面積
(2)のコード径を算出する際に測定したスチールコードの長手方向と垂直な断面の観察結果から、最外接円の円周方向に沿って隣り合う素線の中心間を直線で結んだ領域である中心領域の面積を算出した。
(5)初期伸び
オートグラフ(株式会社島津製作所製 型式:AGS−J 1kN)を用いて、49N印加時のスチールコード500mm当たりの伸びの割合を測定、算出し、初期伸びとした。
(6)破断荷重
オートグラフ(株式会社島津製作所製 型式:AGS−H 10kN)を用いて、スチールコードの長手方向に沿って荷重を加え、破断した際にスチールコードに加えられていた荷重を破断荷重とした。
(7)衝撃吸収指数
図5に示したシャルピー衝撃試験装置を用い、シャルピー衝撃試験によりシャルピー衝撃値を測定し、測定したシャルピー衝撃値から衝撃吸収指数を算出した。
具体的には、基準物と、評価する試料とについて、同じ環境下においてシャルピー衝撃試験を行った。そして、基準物のシャルピー衝撃値を基準値(100%)とし、評価する試料のシャルピー衝撃値を該基準値に対する割合である衝撃吸収指数に換算した。
実験例2〜実験例11では実験例1で作製したスチールコードを基準物(基準コード)とした。
実験例13〜実験例16では実験例12で作製したスチールコードを基準物(基準コード)とした。
実験例18〜実験例26では実験例17で作製したスチールコードを基準物(基準コード)とした。
(実験例)
以下の各実験例のスチールコードを作製し、上述の評価を行った。なお、スチールコードはいずれもバンチャ―撚線機を用いて、撚りピッチが17.0mmとなるように素線を撚って作製した。
実験例3〜10、実験例13〜15、実験例18〜25が実施例、実験例1、2、11、12、16、17、26が比較例になる。
(実験例1〜実験例11)
実験例1〜実験例11として、含有する素線の本数が4本であって、空隙率の異なるスチールコードを作製し、評価を行った。
[実験例1]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。なお、4本全ての素線について屈曲部と非屈曲部とを形成していない素線を用いた。
評価結果を表1に示す。
[実験例2]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本中1本の素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが10mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。なお、残りの3本の素線については屈曲部と非屈曲部とを形成していない素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例3]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本中1本の素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが10mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。なお、残りの3本の素線については屈曲部と非屈曲部とを形成していない素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例4]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが10mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例5]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.27mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例6]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例7]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.28mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例8]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが12mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例9]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが8mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例10]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例11]
素線径が0.370mmの素線を4本用いて、撚り構成が1×4構造のスチールコードを作製した。この際、4本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが8mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
Figure 0006980965
表1に示した実験例1〜実験例11の空隙率と、衝撃吸収指数との関係を図10に、中心領域面積と、衝撃吸収指数との関係を図11にそれぞれ示す。
図10に示した結果によると、各実験例での空隙率に対する、衝撃吸収指数の値は近似曲線上に分布しており、空隙率が49.6%で衝撃吸収指数がピークを取ることが確認できた。
このように、空隙率と、衝撃吸収指数との間に相関がみられ、空隙率を選択することで、耐衝撃性を高められることが確認できた。さらに、空隙率を37%以上60%以下とすることで、衝撃吸収指数が100%よりも高くなり、耐衝撃性に優れていることが確認できた。
また、図11に示した結果によると、各実験例での中心領域面積に対する、衝撃吸収指数についても近似曲線上に分布し中心領域面積が0.220mm程度でピークを取ることが確認できた。
このように、中心領域面積と、衝撃吸収指数との間にも相関がみられることから、中心領域面積を選択することで、耐衝撃性を高められることが確認できた。さらに、含有する素線の本数が4本である実験例1〜実験例11のスチールコードの評価結果から、中心領域面積を0.16mm以上0.32mm以下とすることで、衝撃吸収指数が100%よりも高くなり、耐衝撃性に優れていることが確認できた。
(実験例12〜実験例16)
次に、実験例12〜実験例16として、含有する素線の本数が3本であって、空隙率の異なるスチールコードを作製し、実験例1〜実験例11の場合と同様に評価を行った。
[実験例12]
素線径が0.370mmの素線を3本用いて、撚り構成が1×3構造のスチールコードを作製した。なお、3本全ての素線について、屈曲部と非屈曲部とを形成していない素線を用いた。
評価結果を表1に示す。
[実験例13]
素線径が0.370mmの素線を3本用いて、撚り構成が1×3構造のスチールコードを作製した。この際、3本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例14]
素線径が0.370mmの素線を3本用いて、撚り構成が1×3構造のスチールコードを作製した。この際、3本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例15]
素線径が0.370mmの素線を3本用いて、撚り構成が1×3構造のスチールコードを作製した。この際、3本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが10mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例16]
素線径が0.370mmの素線を3本用いて、撚り構成が1×3構造のスチールコードを作製した。この際、3本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが10mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
表1に示した実験例12〜実験例16の空隙率と、衝撃吸収指数との関係を図12に、実験例12〜実験例16の中心領域面積と、衝撃吸収指数との関係を図13にそれぞれ示す。
図12に示した結果によると、各実験例での空隙率に対する、衝撃吸収指数の値は近似曲線上に分布しており、空隙率が52.5%程度で衝撃吸収指数がピークを取ることが確認できた。
このように、空隙率と、衝撃吸収指数との間に相関がみられ、空隙率を選択することで、耐衝撃性を高められることが確認できた。さらに、空隙率を37%以上60%以下とすることで、衝撃吸収指数が100%よりも高くなり、耐衝撃性に優れていることが確認できた。
また、図13に示した結果によると、各実験例での中心領域面積に対する、衝撃吸収指数についても近似曲線上に分布し中心領域面積が0.10mm程度でピークを取ることが確認できた。
このように、中心領域面積と、衝撃吸収指数との間にも相関がみられることから、中心領域面積を選択することで、耐衝撃性を高められることが確認できた。さらに、含有する素線の本数が3本である実験例12〜実験例16のスチールコードの評価結果から、中心領域面積を0.07mm以上0.13mm以下とすることで、衝撃吸収指数が100%よりも高くなり、耐衝撃性に優れていることが確認できた。
(実験例17〜実験例26)
次に、実験例17〜実験例26として、含有する素線の本数が5本であって、空隙率の異なるスチールコードを作製し、実験例1〜実験例11の場合と同様に評価を行った。
[実験例17]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。なお、素線には屈曲部と非屈曲部とを形成していない素線を用いた。
評価結果を表1に示す。
[実験例18]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本中3本の素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。なお、残りの2本の素線については屈曲部と非屈曲部とを形成していない素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例19]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.28mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例20]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例21]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが12mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例22]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが14mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例23]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが12mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例24]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.25mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが10mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例25]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.24mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが8mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
[実験例26]
素線径が0.370mmの素線を5本用いて、撚り構成が1×5構造のスチールコードを作製した。この際、5本全ての素線について、屈曲高さhが0.30mm、屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチPが8mmとなるように、屈曲部と非屈曲部とを形成した素線を用いた。評価結果を表1に示す。
表1に示した実験例17〜実験例26の空隙率と、衝撃吸収指数との関係を図14に、中心領域面積と、衝撃吸収指数との関係を図15にそれぞれ示す。
図14に示した結果によると、各実験例での空隙率に対する、衝撃吸収指数の値は近似曲線上に分布しており、空隙率が42.0%程度で衝撃吸収指数がピークを取ることが確認できた。
このように、空隙率と、衝撃吸収指数との間に相関がみられ、空隙率を選択することで、耐衝撃性を高められることが確認できた。さらに、空隙率を33%以上55%以下とすることで、衝撃吸収指数が100%よりも高くなり、耐衝撃性に優れていることが確認できた。
また、図15に示した結果によると、各実験例での中心領域面積に対する、衝撃吸収指数についても近似曲線上に分布し中心領域面積が0.35mm程度でピークを取ることが確認できた。
このように、中心領域面積と、衝撃吸収指数との間にも相関がみられることから、中心領域面積を選択することで、耐衝撃性を高められることが確認できた。さらに、含有する素線の本数が5本である実験例17〜実験例26のスチールコードの評価結果から、中心領域面積を0.24mm以上0.45mm以下とすることで、衝撃吸収指数が100%よりも高くなり、耐衝撃性に優れていることが確認できた。
また、実験例1〜実験例26を通して、初期伸びや、従来耐衝撃性に大きな影響を与えると考えられていた破断荷重と、衝撃吸収指数との間には相関性が無いことも確認できた。
10、30、40、91 スチールコード
11、61、72 素線
12 中心部空隙
13 素線間隙間
14 最外接円
15 中心領域
51 試料
52 ハンマー
53 回転軸
A 初期位置
B 最高高さ位置
62、62A、62B、62C 屈曲部
63 非屈曲部
P 屈曲部と非屈曲部との間の繰り返しピッチ
h 隣接する屈曲部の高さの差
71 プリフォーム
81 タイヤ
82 トレッド部
83 サイドウォール部
84 ビード部
85 インナーライナー
86 カーカス
87 ベルト層
88 ビードワイヤ−
92 ゴム

Claims (10)

  1. n本(n=3)の素線が撚り合わされた1×n構造を有し、
    長手方向と垂直な断面において、
    最外接円の面積をS1、前記素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが37%以上60%以下であり、
    V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
    前記最外接円の円周方向に沿って隣り合う前記素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積が0.07mm以上0.13mm以下であり、
    n本の前記素線のうち少なくとも1本の前記素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有しているスチールコード。
  2. n本(n=4)の素線が撚り合わされた1×n構造を有し、
    長手方向と垂直な断面において、
    最外接円の面積をS1、前記素線の面積をS2とした場合に、以下の式(A)で表される空隙率Vが37%以上60%以下であり、
    V(%)=(S1−nS2)/S1×100 ・・・(A)
    前記最外接円の円周方向に沿って隣り合う前記素線の中心間を結ぶ直線で囲まれた領域の面積が0.16mm以上0.32mm以下であり、
    n本の前記素線のうち少なくとも1本の前記素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有しているスチールコード。
  3. 3本の前記素線が撚り合わされた1×3構造を有し、
    前記空隙率Vが35.8%である1×3構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値とした場合の、シャルピー衝撃値の前記基準値に対する割合を示す衝撃吸収指数が、100%より大きく110%以下である請求項1に記載のスチールコード。
  4. 4本の前記素線が撚り合わされた1×4構造を有し、
    前記空隙率Vが36.4%である1×4構造のスチールコードのシャルピー衝撃値を基準値とした場合の、シャルピー衝撃値の前記基準値に対する割合を示す衝撃吸収指数が、100%より大きく140%以下である請求項2に記載のスチールコード。
  5. n本の全ての前記素線が、長手方向に沿って屈曲部と、非屈曲部とを繰り返し有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスチールコード。
  6. 前記素線を平面に置いた時の、前記平面から、前記平面から遠い側の前記屈曲部までの高さを屈曲高さと定義した場合に、
    前記屈曲高さが0.10mm以上0.30mm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスチールコード。
  7. 前記屈曲部と、前記非屈曲部との間の繰り返しピッチが5.0mm以上30.0mm以下である請求項から請求項のいずれか1項に記載のスチールコード。
  8. 49N加えた際の初期伸びが0.06%以上0.35%以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスチールコード。
  9. 前記素線の直径が0.22mm以上0.42mm以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスチールコード。
  10. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスチールコードを含むタイヤ。
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