JP6967750B2 - モータ制御装置およびモータ制御装置の制御方法 - Google Patents
モータ制御装置およびモータ制御装置の制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6967750B2 JP6967750B2 JP2018171282A JP2018171282A JP6967750B2 JP 6967750 B2 JP6967750 B2 JP 6967750B2 JP 2018171282 A JP2018171282 A JP 2018171282A JP 2018171282 A JP2018171282 A JP 2018171282A JP 6967750 B2 JP6967750 B2 JP 6967750B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- motor
- abnormality
- inverter
- power supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Stopping Of Electric Motors (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Description
また、この開示は、直流電源の電力により三相交流式のモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータの3つの入力端子にそれぞれ接続される3つの出力線と前記直流電源の正極に接続される電源線との間にそれぞれ接続される3つのハイサイドスイッチング素子と、該3つの出力線と該直流電源の負極に接続される接地線との間にそれぞれ接続される3つのローサイドスイッチング素子とを有するインバータと、前記インバータのスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するセンサと、前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサとに対して異常判定を行う異常判定部と、前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されるまで、前記センサにより検知された情報に基づいて前記インバータのスイッチング動作を制御する通常制御部と、前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されると、該モータの動作状態に応じて、前記3つのハイサイドスイッチング素子からなるハイサイドスイッチング素子群および前記3つのローサイドスイッチング素子からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする三相短絡制御と該ハイサイドスイッチング素子群および該ローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする全開放制御のいずれか一方を選択して行う異常制御部とを備え、前記異常制御部は、前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択する異常制御選択部と、前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されると、前記三相短絡制御と前記全開放制御のうち前記異常制御選択部により選択された制御を行う異常制御実行部とを有している。
また、この開示は、三相交流式のモータの3つの入力端子にそれぞれ接続される3つの出力線と直流電源の正極に接続される電源線との間にそれぞれ接続される3つのハイサイドスイッチング素子と、該3つの出力線と該直流電源の負極に接続される接地線との間にそれぞれ接続される3つのローサイドスイッチング素子とを有するインバータと、該インバータのスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するセンサとを備えたモータ制御装置の制御方法であって、前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサとに対して異常判定を行う異常判定ステップと、前記異常判定ステップにおいて前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定された場合に、前記モータの動作状態に応じて、前記3つのハイサイドスイッチング素子からなるハイサイドスイッチング素子群および前記3つのローサイドスイッチング素子からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする三相短絡制御と該ハイサイドスイッチング素子群および該ローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする全開放制御のいずれか一方を選択して行う異常制御ステップと、を含み、前記異常制御ステップは、前記異常判定ステップにより前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択する異常制御選択ステップと、前記異常判定ステップにより前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定された場合に、前記三相短絡制御と前記全開放制御のうち前記異常制御選択ステップにより選択された制御を行う異常制御実行ステップと、を含む。
図1は、実施形態1によるモータ制御装置10の構成を例示している。このモータ制御装置10は、直流電源2の電力により三相交流式のモータ3を制御するように構成されている。この例では、モータ3は、電気車両の駆動輪(図示を省略)を駆動するように構成されている。この電気車両には、モータ3と駆動輪との間において動力を伝達する動力伝達機構(図示を省略)が設けられている。動力伝達機構は、例えば、ディファレンシャルギアやドライブシャフトにより構成されている。モータ3の回転力は、動力伝達機構を経由して駆動輪に伝達される。これと同様に、駆動輪の回転力は、動力伝達機構を経由してモータ3に伝達される。なお、動力伝達機構を経由せずにモータ3と電気車両の駆動輪とが直結されていてもよい。
インバータ11は、スイッチング動作により直流電源2から供給された直流電力を三相の交流電力に変換して、その交流電力をモータ3に供給するように構成されている。具体的には、インバータ11は、3つのハイサイドスイッチング素子(第1,第2,第3ハイサイドスイッチング素子S1,S2,S3)と、3つのローサイドスイッチング素子(第1,第2,第3ローサイドスイッチング素子S4,S5,S6)とを有している。
平滑キャパシタ12は、電源線LPと接地線LGとの間に接続され、電源線LPに印加される電源電圧VPを平滑化するように構成されている。具体的には、平滑キャパシタ12は、電源電圧VPのリップルの低減やサージ電圧の吸収などを行うように構成されている。例えば、平滑キャパシタ12は、電解コンデンサやフィルムコンデンサによって構成されている。
センサ20は、インバータ11のスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するように構成されている。この例では、モータ制御装置10には、3つの出力線LOu〜LOwにそれぞれ対応する3つの電流センサ(第1,第2,第3電流センサ21u,21v,21w)や磁極位置センサ22などの各種センサが設けられている。
制御部30は、センサ20により検知された情報や外部から入力された制御指令などに基づいてインバータ11のスイッチング動作を制御するように構成されている。例えば、制御部30は、CPUなどの演算処理部と、演算処理部を動作させるためのプログラムや情報などを記憶するメモリなどの記憶部と、スイッチング素子S1〜S6にゲート信号を供給してスイッチング素子S1〜S6のオンオフを制御するゲートドライブICなどの駆動回路とによって構成されている。
図1に示すように、この例では、制御部30は、異常判定部31と、スイッチング制御部32と、動作制御部33とを有している。すなわち、異常判定部31とスイッチング制御部32と動作制御部33は、ソフトウェアにより実現されており、制御部30の機能の一部を構成している。
異常判定部31は、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20の少なくとも1つに対して異常判定を行うように構成されている。この例では、異常判定部31は、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20との全部に対して異常判定を行う。なお、異常判定部31(制御部30)は、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20の異常を以下のように判定するものであってもよい。
例えば、異常判定部31は、電源電圧VPを入力し、電源電圧VPに基づいて直流電源2の異常を判定する。具体的には、異常判定部31は、電源電圧VPが予め定められた電源電圧閾値を上回る場合に、直流電源2に異常があると判定する。
また、異常判定部31は、電流センサ21u〜21wにより検知された相電流iu〜iwを入力し、相電流iu〜iwに基づいてモータ3およびインバータ11の異常を判定する。具体的には、異常判定部31は、3つの相電流iu〜iwの位相差が正常範囲(例えば120°±αの範囲、αは120°よりも小さい)を逸脱している場合に、モータ3およびインバータ11に異常があると判定する。
また、異常判定部31は、センサ20(この例では電流センサ21u〜21wと磁極位置センサ22)の出力を入力し、センサ20の出力に基づいてセンサ20の異常を判定する。具体的には、異常判定部31は、センサ20の出力が最大レベル(または最小レベル)で一定となっている期間の長さが予め定められた正常期間長さよりも長い場合に、センサ20に異常があると判定する。なお、一般的に、センサ20に断線などの異常が発生した場合、そのセンサ20の出力は、最大レベル(または最小レベル)で一定となる。
また、この例では、異常判定部31は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6の各々に対してそのスイッチング素子が常にオン状態となる短絡異常であるか否かを判定するように構成されている。なお、異常判定部31は、スイッチング素子S1〜S6の短絡異常を以下のように判定するものであってもよい。
また、この例では、異常判定部31は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6の各々に対してそのスイッチング素子が常にオフ状態となる開放異常であるか否かを判定するように構成されている。なお、異常判定部31は、スイッチング素子S1〜S6の開放異常を以下のように判定するものであってもよい。
スイッチング制御部32は、通常制御と三相短絡制御と全開放制御とを行うように構成されている。また、スイッチング制御部32は、通常制御において、モータ3の回転速度に応じてモータ3に対して弱め界磁制御を実施するように構成されている。具体的には、スイッチング制御部32は、通常制御において、モータ3の回転速度が高回転閾値を上回る場合に、モータ3に対して弱め界磁制御を実施し、モータ3の回転速度が高回転閾値を上回らない場合に、モータ3に対して弱め界磁制御を実施しないように構成されている。
図2は、スイッチング制御部32の構成を例示している。スイッチング制御部32は、座標変換部301と、電流指令生成部302と、電流制御部303と、座標逆変換部304と、PWM信号生成部305と、弱め界磁制御部306とを有している。
動作制御部33は、異常判定部31による異常判定の結果に応じてスイッチング制御部32の動作を制御するように構成されている。なお、動作制御部33の動作は、異常判定により異常があると判定されるまで行われる動作(通常動作)と、異常判定により異常があると判定された場合に行われる動作(異常発生対応動作)と、異常判定により異常があると判定された後の期間(異常継続期間)に行われる動作(異常継続対応動作)とに大別される。
動作制御部33は、異常判定部31により異常があると判定されるまで、スイッチング制御部32に通常制御を行わせるように構成されている。
また、動作制御部33は、異常判定部31により異常があると判定されると、モータ3の動作状態に応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方をスイッチング制御部32に行わせるように構成されている。この例では、動作制御部33は、異常判定部31により異常があると判定されると、モータ3に対する弱め界磁制御の実施の有無およびモータ3の回転速度のうち少なくとも一方に応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方をスイッチング制御部32に行わせるように構成されている。具体的には、動作制御部33は、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されている場合またはモータ3の回転速度が予め定められた回転速度閾値を上回る場合に、スイッチング制御部32に三相短絡制御を行わせ、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されておらず且つモータ3の回転速度が回転速度閾値を上回らない場合に、スイッチング制御部32に全開放制御を行わせるように構成されている。
また、動作制御部33は、異常判定部31により異常があると判定された後の期間(異常継続期間)において、モータ3に作用するトルクTetに応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方をスイッチング制御部32に行わせるように構成されている。具体的には、動作制御部33は、異常継続期間において、三相短絡制御が行われている場合にモータ3に作用するトルクTetが第1トルク閾値Tth1を下回ると、スイッチング制御部32が三相短絡制御を終了して全開放制御を開始するようにスイッチング制御部32の動作を制御する。また、動作制御部33は、異常継続期間において、全開放制御が行われている場合にモータ3に作用するトルクTetが第2トルク閾値Tth2を上回ると、スイッチング制御部32が全開放制御を終了して三相短絡制御を開始するようにスイッチング制御部32の動作を制御する。
次に、図3を参照して三相短絡制御における挙動について説明する。図3は、三相短絡制御が行われている場合においてモータ3に作用するトルクTetとモータ3の回転速度との関係を例示している。三相短絡制御が行われている場合、モータ3には回生トルクが作用する。この回生トルクは、負の値を有するトルク(すなわちモータ3の回転方向に対して逆方向に作用するトルク)であり、図3に示すように、モータ3の回転速度が低くなるに連れてモータ3に作用するトルクTet(負の値を有する回生トルク)の絶対値が次第に大きくなる傾向にある。そのため、三相短絡制御が行われている場合にモータ3の回転速度が低下する(例えば電気車両の車速が低下する)と、モータ3に作用する回生トルク(負の値を有するトルクTet)によりモータ3の回転速度が急激に低下してしまう可能性がある。
次に、図4を参照して全開放制御における挙動について説明する。図4は、全開放制御が行われている場合においてモータ3に作用するトルクTetとモータ3の回転速度との関係を例示している。全開放制御が行われている場合、モータ3の回転速度が高くなるに連れてモータ3の誘起電圧が高くなる傾向にある。そのため、全開放制御が行われている場合にモータ3の回転速度が上昇する(例えば下り坂などにより電気車両の車速が上昇する)と、モータ3からインバータ11を経由して直流電源2側に回生される電力により直流電源2とインバータ11とを接続する電力線(電源線LPと接地線LG)が過電圧(例えば法規制電圧を上回る電圧)となる可能性がある。
次に、図5を参照して、スイッチング制御部32の通常制御における弱め界磁制御の切り換え動作について説明する。この切り換え動作は、異常判定部31により異常があると判定されるまで繰り返し行われる。
まず、スイッチング制御部32(具体的には弱め界磁制御部306)は、モータ3の回転速度を取得する。この例では、スイッチング制御部32は、磁極位置センサ22により検知された磁極位置θeに基づいてモータ3の回転速度を算出する。そして、スイッチング制御部32は、モータ3の回転速度が高回転閾値を上回るか否かを判定する。モータ3の回転速度が高回転閾値を上回る場合にはステップS12へ進み、そうでない場合にはステップS13へ進む。
モータ3の回転速度が高回転閾値を上回る場合、スイッチング制御部32は、モータ3に対して弱め界磁制御を実施する。例えば、スイッチング制御部32は、電流センサ21u〜21wにより検知された相電流iu〜iwと磁極位置センサ22により検知された磁極位置θeとに基づいて、モータ3のd軸電流が負となるように、6つのスイッチング素子S1〜S6にそれぞれ供給される6つのゲート信号をPWM制御してインバータ11のスイッチング動作を制御する。このように負のd軸電流を流すことにより、電機子反作用による減磁効果を利用してd軸方向の磁束を減少させることができる。これにより、モータ3の回転により発生する逆起電力を低減することができるので、モータ3の回転速度を上昇させることができる。
一方、モータ3の回転速度が高回転閾値を上回らない場合、スイッチング制御部32は、モータ3に対する弱め界磁制御を解除する。例えば、スイッチング制御部32は、モータ3に対して最大トルク電流制御などの他の同期制御が実施されるように、6つのスイッチング素子S1〜S6にそれぞれ供給される6つのゲート信号をPWM制御してインバータ11のスイッチング動作を制御する。
次に、図6を参照して、動作制御部33の異常発生対応動作について説明する。この異常発生対応動作は、異常判定部31により異常があると判定されたときに行われる。
まず、動作制御部33は、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されているか否かを判定する。例えば、スイッチング制御部32(具体的には弱め界磁制御部306)は、モータ3に対する弱め界磁制御を実施している場合に、弱め界磁制御を実施していることを示すフラグ(以下「弱め界磁フラグ」と記載)を立てた状態にし、モータ3に対する弱め界磁制御を解除すると弱め界磁フラグを降ろした状態にする。そして、動作制御部33は、弱め界磁フラグに基づいてモータ3に対する弱め界磁制御の実施の有無を判定する。モータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合(例えば弱め界磁フラグが降ろされている場合)にはステップS23へ進み、そうでない場合にはステップS22へ進む。
次に、動作制御部33は、モータ3の回転速度を取得する。この例では、動作制御部33は、磁極位置センサ22により検知された磁極位置θeに基づいてモータ3の回転速度を算出する。そして、動作制御部33は、モータ3の回転速度が回転速度閾値を上回るか否かを判定する。モータ3の回転速度が回転速度閾値を上回らない場合にはステップS23へ進み、そうでない場合にはステップS24へ進む。なお、回転速度閾値は、例えば図3に基づいて、モータ3に作用するトルクTetの絶対値の増加の割合が高くならない回転速度、すなわち、第1回転速度R1であってもよい。
モータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合、または、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されており且つモータ3の回転速度が回転速度閾値を上回らない場合、動作制御部33は、三相短絡制御と全開放制御のうち全開放制御が行われるようにスイッチング制御部32を制御する。これにより、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6の全部がオフ状態となり、インバータ11のスイッチング動作が停止する。
一方、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されており且つモータ3の回転速度が回転速度閾値を上回る場合、動作制御部33は、三相短絡制御と全開放制御のうち三相短絡制御が行われるようにスイッチング制御部32を制御する。これにより、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群がオン状態となるとともに他方のスイッチング素子群がオフ状態となり、インバータ11のスイッチング動作が停止する。
異常判定部31により異常があると判定された場合(例えば電気車両の走行中に直流電源2が失陥するという異常が発生した場合)に全開放制御が行われると、モータ3のステータコイルに蓄積された電力がスイッチング素子S1〜S6に逆並列接続された還流ダイオードを経由して平滑キャパシタ12に供給されて平滑キャパシタ12が充電され、その結果、平滑キャパシタ12の端子間電圧が上昇することになる。この平滑キャパシタ12の端子間電圧の上昇は、モータ3の回転速度が高くなるほど大きくなる傾向にある。すなわち、異常判定部31により異常があると判定されて全開放制御が行われている場合、モータ3の回転速度が高くなるほど、直流電源2とインバータ11とを接続する電力線(電源線LPおよび接地線LG)に印加される電圧が高くなり、直流電源2とインバータ11とを接続する電力線が過電圧となる可能性が高くなる。
次に、図7を参照して、動作制御部33の異常継続対応動作について説明する。この異常継続対応動作は、異常判定部31により異常があると判定された後の期間(異常継続期間)に繰り返し行われる。
まず、動作制御部33は、スイッチング制御部32において三相短絡制御が行われているか否かを判定する。スイッチング制御部32において三相短絡制御が行われている場合にはステップS26へ進み、そうでない場合にはステップS28へ進む。
三相短絡制御が行われている場合、動作制御部33は、モータ3に作用するトルクTetが第1トルク閾値Tth1を下回るか否かを判定する。モータ3に作用するトルクTetが第1トルク閾値Tth1を下回る場合にはステップS27へ進む。
三相短絡制御が行われている場合にモータ3に作用するトルクTetが第1トルク閾値Tth1を下回ると、動作制御部33は、スイッチング制御部32が三相短絡制御を終了して全開放制御を開始するようにスイッチング制御部32を制御する。
一方、スイッチング制御部32において三相短絡制御が行われていない場合(すなわちスイッチング制御部32において全開放制御が行われている場合)、動作制御部33は、モータ3に作用するトルクTetが第2トルク閾値Tth2を上回るか否かを判定する。モータ3に作用するトルクTetが第2トルク閾値Tth2を上回る場合にはステップS29へ進む。
全開放制御が行われている場合にモータ3に作用するトルクTetが第2トルク閾値Tth2を上回ると、動作制御部33は、スイッチング制御部32が全開放制御を終了して三相短絡制御を開始するようにスイッチング制御部32を制御する。
以上のように、異常判定により異常があると判定された後の異常継続期間においてモータ3に作用するトルクTetに応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方を行うことにより、モータ3の急減速および直流電源2とインバータ11とを接続する電力線の過電圧の両方を効果的に抑制することができる。
なお、図6に示した動作制御部33の異常発生対応動作においてステップS22が省略されていてもよい。すなわち、動作制御部33は、異常判定部31により異常があると判定された場合に、モータ3に対する弱め界磁制御の実施の有無に応じて、三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方をスイッチング制御部32に行わせるように構成されていてもよい。具体的には、動作制御部33は、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されている場合に、三相短絡制御をスイッチング制御部32に行わせ、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合に、全開放制御をスイッチング制御部32に行わせるように構成されていてもよい。
図8は、実施形態2によるモータ制御装置10の構成を例示している。実施形態2によるモータ制御装置10は、実施形態1によるモータ制御装置10と比べて、制御部30の構成が異なっている。実施形態2によるモータ制御装置10のその他の構成は、実施形態1によるモータ制御装置10の構成と同様となっている。
以上のように、異常判定部31をハードウェアによって構成することにより、異常判定部31をソフトウェアによって構成する場合よりも、異常判定部31における異常判定を迅速に行うことができる。
図9は、実施形態3によるモータ制御装置40の構成を例示している。実施形態3によるモータ制御装置40は、実施形態1によるモータ制御装置10の制御部30を制御部50で置き換えて構成されている。実施形態3によるモータ制御装置40のその他の構成は、実施形態1によるモータ制御装置10の構成と同様となっている。
制御部50は、センサ20により検知された情報や外部から入力された制御指令などに基づいてインバータ11のスイッチング動作を制御するように構成されている。例えば、制御部50は、CPUなどの演算処理部と、演算処理部を動作させるためのプログラムや情報などを記憶するメモリなどの記憶部と、スイッチング素子S1〜S6にゲート信号を供給してスイッチング素子S1〜S6のオンオフを制御するゲートドライブICなどの駆動回路とによって構成されている。
異常判定部51は、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20の少なくとも1つに対して異常判定を行うように構成されている。この例では、異常判定部51は、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20との全部に対して異常判定を行う。なお、異常判定部51は、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20の異常を、実施形態1によるモータ制御装置10の異常判定部31と同様にして判定してもよい。
通常制御部52は、異常判定部51により直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20のうち少なくとも1つが異常であると判定されるまで、センサ20により検知された情報に基づいてインバータ11のスイッチング動作を制御する。具体的には、通常制御部52は、モータ3のトルクがトルク指令Teに示された目標トルクとなるように電流センサ21u〜21wや磁極位置センサ22などの各種センサからの検知信号(具体的には3つの出力線LOu〜LOwをそれぞれ流れる相電流iu〜iwとモータ3の磁極位置θe)に基づいてインバータ11のスイッチング動作を制御する。
異常制御部53は、異常判定部51により直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20のうち少なくとも1つが異常であると判定されると、モータ3の動作状態に応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方を選択して行う。三相短絡制御では、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする。全開放制御では、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする。
次に、図10を参照して、異常制御部53による三相短絡制御の詳細について説明する。
まず、異常制御部53は、異常判定部51による異常判定の結果に基づいて、6つのスイッチング素子(3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6)の中に異常判定部31により短絡異常であると判定されたスイッチング素子があるか否かを判定する。6つのスイッチング素子S1〜S6の中に短絡異常であると判定されたスイッチング素子がある場合には、ステップS32へ進み、そうでない場合には、ステップS33へ進む。
6つのスイッチング素子S1〜S6の中に短絡異常であると判定されたスイッチング素子がある場合、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群のうち異常判定部51により短絡異常であると判定されたスイッチング素子を含むスイッチング素子群をオン状態にする。例えば、異常判定部51により第1ハイサイドスイッチング素子S1が短絡異常であると判定された場合、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3がオン状態となるとともに3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6がオフ状態となるように、6つのスイッチング素子S1〜S6に供給されるゲート信号を制御する。
一方、6つのスイッチング素子S1〜S6の中に短絡異常であると判定されたスイッチング素子がない場合、異常制御部53は、異常判定部51による異常判定の結果に基づいて、6つのスイッチング素子(3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6)の中に異常判定部51により開放異常であると判定されたスイッチング素子があるか否かを判定する。6つのスイッチング素子S1〜S6の中に開放異常であると判定されたスイッチング素子がある場合には、ステップS34へ進み、そうでない場合には、ステップS35へ進む。
6つのスイッチング素子S1〜S6の中に開放異常であると判定されたスイッチング素子がある場合、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群のうち異常判定部51により開放異常であると判定されたスイッチング素子を含むスイッチング素子群をオフ状態にする。例えば、異常判定部51により第1ハイサイドスイッチング素子S1が開放異常であると判定された場合、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3がオフ状態となるとともに3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6がオン状態となるように、6つのスイッチング素子S1〜S6に供給されるゲート信号を制御する。
6つのスイッチング素子S1〜S6の中に短絡異常であると判定されたスイッチング素子がなく且つ開放異常であると判定されたスイッチング素子もない場合、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群のうち予め定められたスイッチング素子群をオン状態にする。例えば、6つのスイッチング素子S1〜S6の中に短絡異常であると判定されたスイッチング素子がなく且つ開放異常であると判定されたスイッチング素子もない場合に三相短絡制御においてオン状態にすべきスイッチング素子群としてローサイドスイッチング素子群が予め定められている場合、異常制御部53は、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3がオフ状態となるとともに3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6がオン状態となるように、6つのスイッチング素子S1〜S6に供給されるゲート信号を制御する。
以上のように、直流電源2だけでなく、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20とに対して異常判定を行うことにより、直流電源2に異常が発生した場合だけでなく、直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20の少なくとも1つに異常が発生した場合にモータ3の動作状態に応じて三相短絡制御と全開放制御とを選択的に行うことができる。これにより、直流電源2の異常による電力線(電源線LPと接地線LG)の過電圧だけでなく、直流電源2やモータ3やインバータ11やセンサ20の異常による電力線の過電圧を抑制することができる。
なお、図6に示した異常制御部53による動作においてステップS22が省略されていてもよい。すなわち、異常制御部53は、通常制御部52によるモータ3に対する弱め界磁制御の実施の有無に応じて、三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方を選択するように構成されていてもよい。具体的には、異常制御部53は、通常制御部52によりモータ3に対する弱め界磁制御が実施されている場合に三相短絡制御を選択し、通常制御部52によりモータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合に全開放制御を選択するように構成されていてもよい。
図11は、実施形態4によるモータ制御装置40の構成を例示している。実施形態4によるモータ制御装置40は、実施形態3によるモータ制御装置40と比べて、制御部50の構成が異なっている。実施形態4によるモータ制御装置40のその他の構成は、実施形態3によるモータ制御装置40の構成と同様となっている。
実施形態4の異常制御部53は、異常制御選択部531と、異常制御実行部532とを有している。
異常制御選択部531は、異常判定部51により直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20のうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、モータ3の動作状態に応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方を選択する。
異常制御実行部532は、異常判定部51により直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20のうち少なくとも1つが異常であると判定されると、三相短絡制御と全開放制御のうち異常制御選択部531により選択された制御を行う。
次に、図12を参照して、異常制御選択部531による動作について説明する。この異常制御選択部531による動作は、異常判定部51により直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20のうち少なくとも1つが異常であると判定されるまで繰り返し行われる。
まず、図6に示したステップS21と同様に、異常制御選択部531は、通常制御部52によるモータ3に対する弱め界磁制御が実施されているか否かを判定する。モータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合には、ステップS43へ進み、そうでない場合には、ステップS42へ進む。
次に、図6に示したステップS22と同様に、異常制御選択部531は、モータ3の回転速度を取得し、モータ3の回転速度が回転速度閾値を上回るか否かを判定する。モータ3の回転速度が回転速度閾値を上回らない場合には、ステップS43へ進み、そうでない場合には、ステップS44へ進む。なお、回転速度閾値は、図6と同様に、第1回転速度R1であってもよい。
通常制御部52によりモータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合、または、モータ3に対する弱め界磁制御が実施されており且つモータ3の回転速度が回転速度閾値を上回らない場合、異常制御選択部531は、三相短絡制御と全開放制御のうち全開放制御を選択する。例えば、異常制御選択部531は、三相短絡制御と全開放制御のうちどちらの制御が選択されているのかを識別するためのフラグ(以下「処理フラグ」と記載)を降ろした状態にする。すなわち、処理フラグが立っている場合には、三相短絡制御と全開放制御のうち三相短絡制御が選択されていることになり、処理フラグが降ろされている場合には、三相短絡制御と全開放制御のうち全開放制御が選択されていることになる。
一方、通常制御部52によりモータ3に対する弱め界磁制御が実施されており且つモータ3の回転速度が回転速度閾値を上回る場合、異常制御選択部531は、三相短絡制御と全開放制御のうち三相短絡制御を選択する。例えば、異常制御選択部531は、処理フラグを立てた状態にする。
次に、図13を参照して、異常制御実行部532による動作について説明する。この異常制御実行部532による動作は、異常判定部51により直流電源2とモータ3とインバータ11とセンサ20のうち少なくとも1つが異常であると判定されたときに行われる。
まず、異常制御実行部532は、異常制御選択部531により三相短絡制御と全開放制御のうち三相短絡制御が選択されているか否か(例えば処理フラグが立っているか否か)を判定する。異常制御選択部531により三相短絡制御が選択されている場合(処理フラグが立っている場合)には、ステップS52へ進み、そうでない場合には、ステップS53へ進む。
異常制御選択部531により三相短絡制御が選択されている場合、異常制御実行部532は、三相短絡制御と全開放制御のうち三相短絡制御を行う。これにより、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3からなるハイサイドスイッチング素子群および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群がオン状態となるとともに他方のスイッチング素子群がオフ状態となり、インバータ11のスイッチング動作が停止する。なお、異常制御実行部532による三相短絡制御の詳細は、図10に示した異常制御部53による三相短絡制御の詳細と同様であってもよい。
一方、異常制御選択部531により三相短絡制御が選択されていない場合(すなわち全開放制御が選択されている場合)、異常制御実行部532は、三相短絡制御と全開放制御のうち全開放制御を行う。これにより、3つのハイサイドスイッチング素子S1〜S3および3つのローサイドスイッチング素子S4〜S6の全部がオフ状態となり、インバータ11のスイッチング動作が停止する。
以上のように、異常判定部51により異常があると判定される前にモータ3の動作状態に応じて三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方を選択しておくことができるので、異常判定部51により異常があると判定された場合に三相短絡制御または全開放制御を迅速に行うことができる。
また、図12に示した異常制御選択部531による動作においてステップS42が省略されていてもよい。すなわち、異常制御選択部531は、通常制御部52によるモータ3に対する弱め界磁制御の実施の有無に応じて、三相短絡制御と全開放制御のいずれか一方を選択するように構成されていてもよい。具体的には、異常制御選択部531は、通常制御部52によりモータ3に対する弱め界磁制御が実施されている場合に三相短絡制御を選択し、通常制御部52によりモータ3に対する弱め界磁制御が実施されていない場合に全開放制御を選択するように構成されていてもよい。
図14は、実施形態5によるモータ制御装置40の構成を例示している。実施形態5によるモータ制御装置40は、実施形態3によるモータ制御装置40と比べて、制御部50の構成が異なっている。実施形態5によるモータ制御装置40のその他の構成は、実施形態3によるモータ制御装置40の構成と同様となっている。
以上のように、異常判定部51をハードウェアによって構成することにより、異常判定部51をソフトウェアによって構成する場合よりも、異常判定部51における異常判定を迅速に行うことができる。
2 直流電源
3 モータ
11 インバータ
12 平滑キャパシタ
20 センサ
21u〜21w 電流センサ
22 磁極位置センサ
30、50 制御部
31、51 異常判定部
32 スイッチング制御部
33 動作制御部
52 通常制御部
53 異常制御部
531 異常制御選択部
532 異常制御実行部
55 制御処理部
LP 電源線
LG 接地線
LOu〜LOw 出力線
Claims (13)
- 直流電源の電力により三相交流式のモータを制御するモータ制御装置であって、
前記モータの3つの入力端子にそれぞれ接続される3つの出力線と前記直流電源の正極に接続される電源線との間にそれぞれ接続される3つのハイサイドスイッチング素子と、
該3つの出力線と該直流電源の負極に接続される接地線との間にそれぞれ接続される3つのローサイドスイッチング素子とを有するインバータと、
前記インバータのスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するセンサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つに対して異常判定を行い、
前記異常判定により異常があると判定されるまで、前記センサにより検知された情報に基づいて前記インバータのスイッチング動作を制御する通常制御を行い、
前記異常判定により異常があると判定された後の異常継続期間において、前記モータに作用するトルクに応じて、前記3つのハイサイドスイッチング素子からなるハイサイドスイッチング素子群および前記3つのローサイドスイッチング素子からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする三相短絡制御と該ハイサイドスイッチング素子群および該ローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする全開放制御のいずれか一方を行い、
前記制御部は、さらに、
前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサとに対して異常判定を行う異常判定部と、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されるまで、前記センサにより検知された情報に基づいて前記インバータのスイッチング動作を制御する通常制御部と、
異常制御部と、を有し、
前記異常制御部は、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択する異常制御選択部と、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されると、前記三相短絡制御と前記全開放制御のうち前記異常制御選択部により選択された制御を行う異常制御実行部と、を有している、
モータ制御装置。 - 前記制御部は、
前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つに対して異常判定を行う異常判定部と、
前記通常制御と前記三相短絡制御と前記全開放制御とを行うスイッチング制御部と、
前記異常判定部により異常があると判定されるまで前記スイッチング制御部に前記通常制御を行わせ、前記異常継続期間において前記モータに作用するトルクに応じて該三相短絡制御と該全開放制御のいずれか一方を該スイッチング制御部に行わせる動作制御部と、を有している、
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記異常判定部は、前記スイッチング制御部および前記動作制御部とは別体のハードウェアにより構成され、前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つに異常があると判定すると異常検知信号を該動作制御部に出力する、
請求項2に記載のモータ制御装置。 - 前記動作制御部は、前記スイッチング制御部とは別体のハードウェアにより構成され、前記通常制御と前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか1つを行わせるための制御信号を該スイッチング制御部に出力する、
請求項2または3に記載のモータ制御装置。 - 前記制御部は、前記異常継続期間において、前記三相短絡制御が行われている場合に前記モータに作用するトルクが予め定められた第1トルク閾値を下回ると該三相短絡制御を終了して前記全開放制御を開始し、該全開放制御が行われている場合に該モータに作用するトルクが予め定められた第2トルク閾値を上回ると該全開放制御を終了して該三相短絡制御を開始する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記センサは、前記モータに流れる相電流を検知する電流センサと、該モータの磁極位置を検知する磁極位置センサとを含み、
前記制御部は、前記電流センサにより検知された前記相電流と前記磁極位置センサにより検知された前記磁極位置とに基づいて前記モータに作用するトルクを取得する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記制御部は、
前記通常制御において、前記モータの回転速度に応じて該モータに対して弱め界磁制御を実施し、
前記異常判定により異常があると判定されると、前記モータに対する弱め界磁制御の実施の有無および該モータの回転速度のうち少なくとも一方に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を行う、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記異常判定部は、前記通常制御部および前記異常制御部とは別体のハードウェアによって構成され、前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定すると異常検知信号を出力し、
前記通常制御部は、前記異常判定部により前記異常検知信号が出力されるまで、前記センサにより検知された情報に基づいて前記インバータのスイッチング動作を制御し、
前記異常制御部は、前記異常判定部により前記異常検知信号が出力されると、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択して行う、
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記異常判定部は、前記3つのハイサイドスイッチング素子および前記3つのローサイドスイッチング素子の各々に対して該スイッチング素子が常にオン状態となる短絡異常であるか否かを判定し、
前記異常制御部は、前記三相短絡制御において、前記ハイサイドスイッチング素子群および前記ローサイドスイッチング素子群のうち前記異常判定部により前記短絡異常であると判定されたスイッチング素子を含むスイッチング素子群をオン状態にするように構成されている、
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記異常判定部は、前記3つのハイサイドスイッチング素子および前記3つのローサイ
ドスイッチング素子の各々に対して該スイッチング素子が常にオフ状態となる開放異常であるか否かを判定するように構成され、
前記異常制御部は、前記三相短絡制御において、前記ハイサイドスイッチング素子群および前記ローサイドスイッチング素子群のうち前記異常判定部により前記開放異常であると判定されたスイッチング素子を含むスイッチング素子群をオフ状態にするように構成されている、
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 直流電源の電力により三相交流式のモータを制御するモータ制御装置であって、
前記モータの3つの入力端子にそれぞれ接続される3つの出力線と前記直流電源の正極に接続される電源線との間にそれぞれ接続される3つのハイサイドスイッチング素子と、該3つの出力線と該直流電源の負極に接続される接地線との間にそれぞれ接続される3つのローサイドスイッチング素子とを有するインバータと、
前記インバータのスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するセンサと、
前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサとに対して異常判定を行う異常判定部と、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されるまで、前記センサにより検知された情報に基づいて前記インバータのスイッチング動作を制御する通常制御部と、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されると、該モータの動作状態に応じて、前記3つのハイサイドスイッチング素子からなるハイサイドスイッチング素子群および前記3つのローサイドスイッチング素子からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする三相短絡制御と該ハイサイドスイッチング素子群および該ローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする全開放制御のいずれか一方を選択して行う異常制御部とを備え、
前記異常制御部は、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択する異常制御選択部と、
前記異常判定部により前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定されると、前記三相短絡制御と前記全開放制御のうち前記異常制御選択部により選択された制御を行う異常制御実行部とを有している、
モータ制御装置。 - 三相交流式のモータの3つの入力端子にそれぞれ接続される3つの出力線と直流電源の正極に接続される電源線との間にそれぞれ接続される3つのハイサイドスイッチング素子と、該3つの出力線と該直流電源の負極に接続される接地線との間にそれぞれ接続される3つのローサイドスイッチング素子とを有するインバータと、該インバータのスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するセンサとを備えたモータ制御装置の制御方法であって、
前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つに対して異常判定を行う異常判定ステップと、
前記異常判定ステップにより異常があると判定されるまで、前記センサにより検知された情報に基づいて前記インバータのスイッチング動作を制御する通常制御ステップと、
前記異常判定ステップにより異常があると判定された後の異常継続期間において、前記モータに作用するトルクに応じて、前記3つのハイサイドスイッチング素子からなるハイサイドスイッチング素子群および前記3つのローサイドスイッチング素子からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする三相短絡制御と該ハイサイドスイッチング素子群および該ローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする全開放制御のいずれか一方を行う異常継続対応ステップと、を含み、
異常制御ステップを、さらに含み、
前記異常制御ステップは、
前記異常判定ステップにより前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択する異常制御選択ステップと、
前記異常判定ステップにより前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定された場合に、前記三相短絡制御と前記全開放制御のうち前記異常制御選択ステップにより選択された制御を行う異常制御実行ステップと、を含む、
モータ制御装置の制御方法。 - 三相交流式のモータの3つの入力端子にそれぞれ接続される3つの出力線と直流電源の正極に接続される電源線との間にそれぞれ接続される3つのハイサイドスイッチング素子と、該3つの出力線と該直流電源の負極に接続される接地線との間にそれぞれ接続される3つのローサイドスイッチング素子とを有するインバータと、該インバータのスイッチング動作の制御に用いられる情報を検知するセンサとを備えたモータ制御装置の制御方法であって、
前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサとに対して異常判定を行う異常判定ステップと、
前記異常判定ステップにおいて前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定された場合に、前記モータの動作状態に応じて、前記3つのハイサイドスイッチング素子からなるハイサイドスイッチング素子群および前記3つのローサイドスイッチング素子からなるローサイドスイッチング素子群のうち一方のスイッチング素子群をオン状態にするとともに他方のスイッチング素子群をオフ状態にする三相短絡制御と該ハイサイドスイッチング素子群および該ローサイドスイッチング素子群の全部をオフ状態にする全開放制御のいずれか一方を選択して行う異常制御ステップと、を含み、
前記異常制御ステップは、
前記異常判定ステップにより前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定される前に、前記モータの動作状態に応じて前記三相短絡制御と前記全開放制御のいずれか一方を選択する異常制御選択ステップと、
前記異常判定ステップにより前記直流電源と前記モータと前記インバータと前記センサのうち少なくとも1つが異常であると判定された場合に、前記三相短絡制御と前記全開放制御のうち前記異常制御選択ステップにより選択された制御を行う異常制御実行ステップと、を含む、
モータ制御装置の制御方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE102018133248.3A DE102018133248B4 (de) | 2018-01-05 | 2018-12-20 | Motorsteuervorrichtung und Steuerverfahren für Motorsteuervorrichtung |
CN201811600808.8A CN110022116B (zh) | 2018-01-05 | 2018-12-26 | 电动机控制装置和电动机控制装置的控制方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018000778 | 2018-01-05 | ||
JP2018000778 | 2018-01-05 | ||
JP2018004892 | 2018-01-16 | ||
JP2018004892 | 2018-01-16 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019122238A JP2019122238A (ja) | 2019-07-22 |
JP2019122238A5 JP2019122238A5 (ja) | 2020-11-12 |
JP6967750B2 true JP6967750B2 (ja) | 2021-11-17 |
Family
ID=67305594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018171282A Active JP6967750B2 (ja) | 2018-01-05 | 2018-09-13 | モータ制御装置およびモータ制御装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6967750B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7002060B2 (ja) * | 2019-11-26 | 2022-01-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 車両駆動装置 |
JP7156260B2 (ja) * | 2019-12-04 | 2022-10-19 | トヨタ自動車株式会社 | インバータの制御装置 |
JP7502020B2 (ja) * | 2019-12-16 | 2024-06-18 | ファナック株式会社 | 保護機構を有するモータ駆動装置 |
JP7298501B2 (ja) * | 2020-02-13 | 2023-06-27 | 株式会社デンソー | 電力変換器の制御回路 |
JP2021145408A (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-24 | 株式会社デンソー | 電力変換器の制御回路 |
JP2022059188A (ja) * | 2020-10-01 | 2022-04-13 | 富士電機株式会社 | 電力変換装置 |
JP7501297B2 (ja) * | 2020-10-07 | 2024-06-18 | 株式会社デンソー | モータ制御装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015126608A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の電力制御装置 |
JP6333563B2 (ja) * | 2014-01-29 | 2018-05-30 | 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 | インバータ制御装置およびそれを用いた冷凍装置 |
JP6296169B2 (ja) * | 2014-11-14 | 2018-03-20 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | インバータ制御装置及び車両用制御装置 |
JP6500877B2 (ja) * | 2016-01-20 | 2019-04-17 | トヨタ自動車株式会社 | モータ制御装置 |
JP6763196B2 (ja) * | 2016-05-16 | 2020-09-30 | 株式会社豊田自動織機 | インバータ装置 |
-
2018
- 2018-09-13 JP JP2018171282A patent/JP6967750B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019122238A (ja) | 2019-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6967750B2 (ja) | モータ制御装置およびモータ制御装置の制御方法 | |
US9054626B2 (en) | Motor control apparatus | |
JP7091815B2 (ja) | 電力変換器の制御回路 | |
JP4968698B2 (ja) | 電動機の制御装置 | |
JP4706324B2 (ja) | モータ駆動システムの制御装置 | |
JP6169203B1 (ja) | 電動機制御装置および電動機制御方法 | |
JP4748171B2 (ja) | Eps用モータ駆動装置 | |
CN105915093B (zh) | 用于逆变器的控制系统 | |
CN110022116B (zh) | 电动机控制装置和电动机控制装置的控制方法 | |
JP6275214B2 (ja) | 車両用回転電機の制御装置、及び制御方法 | |
CN105939127A (zh) | 逆变器的故障诊断装置及故障诊断方法 | |
JP6173516B1 (ja) | 電動機制御装置および電動機制御方法 | |
JP2011019302A (ja) | モータ駆動システムの制御装置 | |
JP2009189146A (ja) | 電動モータの制御装置 | |
JP2011125154A (ja) | 回転電機の減磁判定システム | |
JP6983305B2 (ja) | 車両制御装置 | |
JP2009225500A (ja) | モータ駆動装置およびその制御方法 | |
JP2019062589A (ja) | 電動機制御装置および電動機制御方法 | |
JP5482050B2 (ja) | モータ制御装置およびモータの欠相診断方法 | |
JP6342043B1 (ja) | 電動機制御装置および電動機制御方法 | |
JP6852539B2 (ja) | 回転電機制御装置 | |
JP2010268599A (ja) | 永久磁石モータの制御装置 | |
JP6203318B1 (ja) | 電動機制御装置および電動機制御方法 | |
JP6708843B2 (ja) | 駆動装置 | |
JP2007202295A (ja) | 交流モータ制御装置および制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201005 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201005 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210730 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210817 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211005 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211012 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6967750 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
SZ03 | Written request for cancellation of trust registration |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313Z03 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |