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JP6966245B2 - 支援装置および支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロセス制御で利用される数学モデルを表示することでモデルの作成を支援する支援装置および支援方法に関するものである。
伝達関数モデル、状態空間表現モデルなどの数学モデルを用いて制御変数の将来の応答を予測し、予測した応答が参照軌道や目標値に漸近するような操作変数を算出するモデル制御方法がある。このような数学モデルを利用した制御手法を実施するためには、モデルを作成(推定)する必要がある。このモデル作成方法にはいくつかあるが、代表的な方法の1つとしてシステム同定と呼ばれる方法がある。システム同定では、モデリング対象の入出力時系列データを統計的に処理し、入出力を再現するようなモデルを、最小2乗法などを用いて推定することで作成する。
システム同定によるモデル作成では、一般的には、エンジニアがモデルを試行錯誤で複数作成し、作成した複数のモデルを精度などの観点で評価し、評価結果が高くかつ利用目的に対して妥当と思われるものを選択するといった手順を経ることが多い。このため、モデル作成作業を通して多くのモデルが作成される。このように、試行錯誤が必要なのは、モデル作成の作業には多くの設定条件があるからである。
設定条件の例としては、モデルの作成に使用する入出力時系列データの前処理方法(ノイズ除去やトレンド除去)、モデルの種類や次数(モデルのパラメータ数)、推定手法などが挙げられる。また、モデルの作成に利用可能な時系列データが、長い期間にわたって存在する場合、期間の選択も設定条件のひとつとなる。このようにモデル作成時の条件は、多くの設定条件の組み合わせから構成されるため、試行錯誤を繰り返すとモデルの候補数は必然的に多くなる。
Lennart Ljung , "Matlab&Simulink, System Identification Toolbox Getting Started Guide", The MathWorks, Inc. , R2015b, p. 4-15, 2015.
前述したように、モデル制御方法に用いるモデルの作成では、試行錯誤によってモデル候補が多くなることがあり、この中から妥当なモデルを選択するのは労力のかかる作業となる。
プロセス制御では、目標値が設定変更された時や外乱が入った時の過渡特性がしばしば重視される。この過渡特性を良くするためには、過渡応答の精度が高い数学モデルを用いることが重要となる。しかし、数多いモデル候補の中から過渡応答の精度が高いモデルを選択することは、後述する2つの理由により容易ではない。
第1に、システム同定の分野では、評価指標を基準としてモデルを並べることが一般的ではない。例えば、非特許文献1の技術では、推定したモデル候補のステップ応答をグリッド状に並べて表示し、エンジニアが表示されているモデル候補の中から選択する画面が開示されている。しかし、この画面では、モデルは推定した順に並べられているだけである。手動で並び替えることはできるが、評価指標に従って並び替えるような機能は無い。このため、モデル候補の数が少ないうちはともかく、候補が多くなると、どのモデルの評価結果が良いかわからなくなってしまう。
第2に、システム同定の分野で一般的に使われているRMSE(Root Mean Square Error;2乗平均誤差)や、RMSEを基に計算される適合率といった評価指標は、モデルの過渡応答の精度を反映しないことが少なくないことである。RMSEは、実際の制御対象とモデルの出力誤差から計算されるが、この誤差は入力時系列データに依存する。ところが、プロセス制御では、プロセスを大きく変動させるような操作入力は避けられることが多い。このため、RMSEも、変化・変動が少なく定常状態が長く続くような入力を与えて計算されることが多い。過渡応答は、入力に変化があった時の応答出力であるから、変化・変動が少ない時系列データから計算されたRMSEは、過渡特性をあまり反映しないものになる。
これら2つの課題により、多くのモデル候補の中から過渡特性の精度に優れたモデル、すなわち制御系の過渡特性が良くなるモデルを選抜することが、エンジニアにとって労力のかかる作業となっている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、定常状態が大半を占める時系列データでモデルを評価せざるを得ない状況であっても、試作した多くのモデルの中より、過渡特性の精度が優れたモデルが効率的に選択できるようにすることを目的とする。
本発明に係る支援装置は、制御対象の複数のモデルを記憶するモデル記憶部と、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを記憶する入出力データ記憶部と、操作入力を用いた複数のモデルの各々のモデル出力と制御出力との差に、モデル出力の過渡特性の精度を反映させて複数のモデルの各々の評価指標を計算するように構成された評価算出部と、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定するように構成された順番決定部と、順番決定部が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部に表示させるように構成された表示制御部とを備える。
上記支援装置において、評価算出部は、操作入力を用いて複数のモデルの各々の出力であるモデル出力を求めるように構成されたモデル出力計算機能部と、制御出力およびモデル出力をフィルタに通して過渡応答を強調させた強調制御出力および強調モデル出力を求めるように構成された過渡応答強調機能部と、強調制御出力と強調モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算するように構成された評価指標計算機能部とを備える。
上記支援装置において、評価算出部は、複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成するように構成されたモデル補正機能部と、操作入力を用いて複数の補正モデルの各々の出力である補正モデル出力を求めるように構成されたモデル出力計算機能部と、制御出力と補正モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算するように構成された評価指標計算機能部とを備える。
上記支援装置において、評価算出部は、操作入力を用いて複数のモデルの各々の出力であるモデル出力を求めるように構成されたモデル出力計算機能部と、制御出力およびモデル出力の各々より過渡応答区間を抽出して抽出制御出力および抽出モデル出力を求めるように構成された過渡状態区間抽出機能部と、抽出制御出力と抽出モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算するように構成された評価指標計算機能部とを備える。
本発明に係る支援方法は、制御対象の複数のモデルをモデル記憶部に記憶する第1ステップと、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを入出力データ記憶部に記憶する第2ステップと、操作入力を用いた複数のモデルの各々のモデル出力と制御出力との差に、モデル出力の過渡特性の精度を反映させて複数のモデルの各々の評価指標を計算する第3ステップと、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する第4ステップと、第3ステップで決定した順番により複数のモデルを並べて表示部に表示させる第5ステップとを備える。
上記支援方法において、第3ステップは、操作入力を用いて複数のモデルの各々の出力であるモデル出力を求める第6ステップと、制御出力およびモデル出力をフィルタに通して過渡応答を強調させた強調制御出力および強調モデル出力を求める第7ステップと、強調制御出力と強調モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する第8ステップとを備える。
上記支援方法において、第3ステップは、複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成する第9ステップと、操作入力を用いて複数の補正モデルの各々の出力である補正モデル出力を求める第10ステップと、制御出力と補正モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する第11ステップとを備える。
上記支援方法において、第3ステップは、操作入力を用いて複数のモデルの各々の出力であるモデル出力を求める第6ステップと、制御出力およびモデル出力の各々より過渡応答区間を抽出して抽出制御出力および抽出モデル出力を求める第12ステップと、抽出制御出力と抽出モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する第13ステップとを備える。
以上説明したことにより、本発明によれば、定常状態が大半を占める時系列データでモデルを評価せざるを得ない状況であっても、試作した多くのモデルの中より、過渡特性の精度が優れたモデルが効率的に選択できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における支援装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態1における支援方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態2における支援装置の構成を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態2における支援方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、実施の形態2における支援装置による表示例を示す構成図である。 図6は、従来の技術による表示例を示す構成図である。 図7は、ステップ状の波形の操作入力および制御出力の状態を説明するための説明図である。 図8は、ステップ状の波形の制御出力の状態を説明するための説明図である。 図9は、実施の形態2における効果をスペクトル解析で確認した結果を示す特性図である。 図10は、本発明の実施の形態3における支援装置の構成を示す構成図である。 図11は、本発明の実施の形態3における支援方法を説明するためのフローチャートである。 図12は、本発明の実施の形態4における支援装置の構成を示す構成図である。 図13は、本発明の実施の形態4における支援方法を説明するためのフローチャートである。 図14は、本発明の実施の形態5における支援装置の構成を示す構成図である。 図15は、モデル記憶部101に保存されている複数のモデルを説明するための説明図である。 図16は、モデル集合をグループ毎に表示した状態を示す説明図である。 図17は、モデル集合をグループ毎に表示した状態を示す説明図である。 図18は、本発明の実施の形態における支援装置のハードウエア構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1における支援装置について、図1を参照して説明する。この支援装置は、モデル記憶部101、入出力データ記憶部102、評価算出部103、順番決定部104、表示制御部105、表示部106、操作受付部107を備える。
モデル記憶部101は、制御対象の複数のモデルを記憶する。モデル記憶部101は、例えば、伝達関数、微分方程式、ステップ応答など公知の形態でモデルを記憶する。各モデルは、システム同定などの手段によって試作することができる。
入出力データ記憶部102は、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを記憶する。操作入力、制御出力は、時系列データである。入出力データは、実際の制御対象への操作入力と、この操作入力の結果として出力された制御出力が組になったものである。時間間隔が一定のデータであると実施が容易になるので好ましい。また、過渡特性を評価する必要があるので、データの時間間隔は、過渡応答の形状が十分細かく再現できる程度に短いことが重要となる。例えば、目標値が変更されて制御対象からの制御出力が整定するまで、データが0〜5点しか無いようなデータでは過渡特性の評価は困難である。
評価算出部103は、上記操作入力を用いた複数のモデルの各々のモデル出力と上記制御出力との差に、モデル出力の過渡特性の精度を反映させて複数のモデルの各々の評価指標を計算する。
順番決定部104は、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する。表示制御部105は、順番決定部104が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。操作受付部107は、エンジニアによる操作指示を受け付ける。例えば、操作受付部107が受け付けたエンジニアによる操作指示で、モデル記憶部101に、制御対象のモデルが記憶される。
次に、実施の形態1における支援装置の動作(支援方法)について、図2を参照して説明する。まず、ステップS101で、対象となるモデル制御に用いるためにエンジニアが試行錯誤で試作した複数のモデルを、モデル記憶部101に記憶する(第1ステップ)。次に、ステップS102で、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを、入出力データ記憶部102に記憶する(第2ステップ)。
次に、ステップS103で、評価算出部103が、モデル記憶部101に記憶されている複数のモデルの各々について、入出力データ記憶部102に記憶されている操作入力を用いた複数のモデルの各々のモデル出力と制御出力との差に、モデル出力の過渡特性の精度を反映させて評価指標を計算する(第3ステップ)。
上述した評価指標の算出が、モデル記憶部101に記憶されている全てのモデルについて実施されると(ステップS104のy)、ステップS105で、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する(第4ステップ)。次に、ステップS106で、表示制御部105が、順番決定部104が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる(第5ステップ)。
上述したように、実施の形態1によれば、評価指標として既存のRMSEなどの誤差だけではなく、この差にモデルの出力における過渡特性の精度を反映させて差を強調させた評価指標を用いる。この評価指標に従ってモデルを並べて一覧表示することで、過渡特性の精度に優れたモデルが容易に判別できるようにする。これにより、エンジニアが数多いモデル候補の中から、制御系の過渡特性が良くなるようなモデルを選択する作業の負荷が軽減されるようになる。
なお、2つの問題点の片方だけを解決しても課題は解決しない。例えば、RMSEが小さい順にモデルを一覧表示することは、既存技術だけで容易に実現できる。しかしながら、過渡特性の精度を反映していない指標の順にモデルを並べて表示しても、エンジニアの負担は軽減しない。また、過渡特性の精度を重視した指標を使っても、モデルを並べる順番に指標値が反映しなければ、どのモデルが優れているかがわかりやすい表示とは言えない。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2における支援装置について、図3を参照して説明する。この支援装置は、モデル記憶部101、入出力データ記憶部102、評価算出部103、順番決定部104、表示制御部105、表示部106、操作受付部107を備える。
実施の形態2では、評価算出部103が、モデル出力計算機能部131、過渡応答強調機能部132、評価指標計算機能部133を備える。他の構成は、前述した実施の形態1と同様である。
モデル出力計算機能部131は、操作入力を用いて複数のモデルの各々の出力であるモデル出力を求める。モデル出力計算機能部131は、モデル記憶部101に記憶されている各モデルに対し、入出力データ記憶部102に記憶されている操作入力を入力し、よく知られたシミュレーションなどによって、時系列データであるモデル出力を得る。なお、平等に評価するために、各モデルに適用するデータは同じにすることが好ましく、また、一般的である。
過渡応答強調機能部132は、制御出力およびモデル出力をフィルタに通して過渡応答を強調させた強調制御出力および強調モデル出力を求める。過渡応答強調機能部132は、評価データの制御出力とモデル出力に対し、周波数フィルタを適用して過渡応答を強調したデータを求める。例えば、ハイパスフィルタに通して低周波域を濾波し、中高周波域を強調したり、バンドパスフィルタに通して中周波域を強調したりする。このようにして、定常応答をカットし、過渡応答を強調した強調制御出力および強調モデル出力を得る。
ハイパスフィルタやバンドパスフィルタによる信号処理は、MATLAB(登録商標)Signal Processing Toolboxなどの数値計算ソフトウェアなどを使うことで容易に実施可能である。ここで、フィルタのカットオフ周波数(遮断周波数)などを決定しておく必要があるが、これにはいくつかの方法がある。
例えば、モデリング対象の知見を利用することで、フィルタのカットオフ周波数が決定できる。例えば、反応炉の温度変化をモデリングする場合に、反応炉へ供給する加熱用の蒸気の流量を一定量増加させ、流量を維持したとき、この後で温度が落ち着くまでには30分程度の時間を要する、といった知見である。この知見に応じて30分を超える長い周期の成分(つまり低周波数成分)を減衰させるようにフィルタのカットオフ周波数を決定する。すなわち、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、「8.3×10-4=1/(60×30)[Hz]」と計算できる。
また、モデルの周波数特性を元にカットオフ周波数を決定してもよい。例えば、モデルのカットオフ周波数(ボード線図上で、ゲインが直流ゲインの半分まで減衰する周波数)を求め、この中央値の半分の周波数をフィルタのカットオフ周波数とする。モデルの周波数特性の統計値を利用すれば、モデル間の動特性の差異が残るようにフィルタのカットオフ周波数を決めることができる。
評価指標計算機能部133は、強調制御出力と強調モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する。評価指標計算機能部133は、全てのモデルに対して評価指標を計算する。
評価指標として一般的なRMSEは、制御対象(モデリング対象)が出力した制御出力と、モデル出力とを用いて、次式のように計算される。
Figure 0006966245
これに対し、実施の形態2では、過渡応答強調機能部132が出力した強調制御出力と強調モデル出力との間の誤差を用いて、以下のような評価指標を計算する。以下、この評価指標を補正RMSEと呼ぶ。
Figure 0006966245
この評価指標では、強調制御出力と強調モデル出力との2つの出力時系列データの差のうち、定常応答に対応する低い周波数成分は減衰しているので、評価指標の値への影響が小さくなる。一方で、2つの出力時系列データの差のうち、過渡応答に対応した中周波数成分は、フィルタを通過するので、評価指標の値に反映されることになる。
実施の形態2では、上述したように各モデルに対して評価指標を求め、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定し、表示制御部105が、決定された順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。
実施の形態2における評価指標は、制御出力およびモデル出力を信号処理した上での両者の差異で、誤差を評価したものであるという性質はRMSEと変わらない。従って、誤差が小さい順番、すなわち実施の形態2における評価指標の昇順に表示すれば、過渡特性の精度が高いモデルから表示されることになる。
次に、実施の形態2における支援装置の動作(支援方法)について、図4を参照して説明する。まず、ステップS101で、対象となるモデル制御に用いるためにエンジニアが試行錯誤で試作した複数のモデルを、モデル記憶部101に記憶する。次に、ステップS102で、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを、入出力データ記憶部102に記憶する。
次に、ステップS131で、モデル出力計算機能部131が、操作入力を用い、モデル記憶部101に記憶されているモデルについて、このモデルの出力であるモデル出力を求める(第6ステップ)。
次に、ステップS132で、過渡応答強調機能部132が、制御出力およびモデル出力をフィルタに通して過渡応答を強調させた強調制御出力および強調モデル出力を求める(第7ステップ)。
次に、ステップS133で、評価指標計算機能部133が、強調制御出力と強調モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する(第8ステップ)。
上述した評価指標の算出が、モデル記憶部101に記憶されている全てのモデルについて実施されると(ステップS104のy)、ステップS105で、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する。次に、ステップS106で、表示制御部105が、順番決定部104が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。
各モデルの表示方法は各種あるが、プロセス制御ではステップ応答が重視されることが多い。この場合、例えば、図5に例示するように、ステップ応答と共に決定された順番で各モデルを並べて表示する。なお、この表示形態に限るものではなく、各種公知技術によりモデルの情報を表示して良い。
ステップ応答のプロットでモデルを表す場合は、時間軸(横軸)と出力軸(縦軸)のレンジを同一にし、モデル候補間の差異があきらかになるように表示することが望ましい。例えば、一番左上が表示順1で、以降、ステップ応答に付した番号の順番のように画面へステップ応答を表示する。後述するRMSEに基づいた表示に比べ、実施の形態2による表示では、過渡特性の精度が高い順に表示されるので、エンジニアが過渡特性に優れた制御系を設計しやすくなる。
ここで、比較のために、一般的な評価指標であるRMSEに基づいてモデル候補を表示した場合の表示例を図6に示す。図5に示す表示例と図6に示す表示例とについて、過渡特性を表すパラメータの一つである応答速度について着目する。図6の一番左の列を見ると、1,2,6のモデルが3,4,5のモデルに比べて応答が速い。このように、図6に示す例では、過渡特性が異なるモデルがバラバラに並べられて表示された状態となっている。
一方、図5に示す実施の形態2における表示例では、応答速度が速いモデル候補が先に、応答速度の遅いモデルが後に表示されている。この例では、応答速度が速いモデルの方が過渡特性が実際の制御対象に近い。実施の形態2によれば、先に並んだモデルから見て行けば過渡特性の精度が優れたモデルから検討することが可能となる。一方、図6に示すようにRMSEの順番に並べた場合は、過渡特性の精度の優劣を表示画面から判断するのは難しく、モデルを選択する作業の効率は低いままである。なお、評価指標は、RMSEの他に、FPE(Final Prediction Error),AIC(Akaike Information Criterion)などがあるが、この問題は評価指標の種類に関係無く起こりうる。
このように、一般的なRMSEを用いると、過渡特性の精度を評価するのは難しい。これに対し、実施の形態2によれば、過渡応答強調機能部132により強調制御出力および強調モデル出力を求めることで、過渡特性の精度が評価できるようになる。以下、この点について説明する。
例えば、図7の(a)に示すようなステップ状の波形で操作入力が制御対象へ入力され、図7の(b)に実線で示すように、制御対象より制御出力が出力され、また、2つのモデルより、一点鎖線と点線で示されるモデル出力が出力される場合を考える。なお、図8の(a)に、制御出力およびモデル出力の立ち上がりステップの応答部分を拡大して示す。また、図8の(b)に、制御出力およびモデル出力の定常部分の応答を拡大して示す。
この例では、応答が早いモデル(一点鎖線)と応答が遅いモデル(点線)とがあるが、図8の(a)に示すように、過渡応答の精度は、応答が早いモデル(一点鎖線)の方が高い。
従来の技術では、図6に示す全時間に対して出力誤差を形成し、この誤差からRMSEを計算する。前述したように、プロセス制御では大きな変動・変化を避けることが多いため、RMSEの計算対象の大半は、図6の(b)に示すような定常状態となる。このため、RMSEでは、この定常状態での誤差の大きさが強く影響することになる。これは、過渡応答よりも、モデルの直流ゲインや低域特性の精度がRMSEを支配することを意味する。例えば、図6の(b)に示すように、定常状態では、応答が遅いモデル(点線)の方が、速いモデル(一点鎖線)よりも直流ゲインの精度が高いため、誤差が小さくなっている。この差が、ほぼそのままRMSEの差となるため、RMSEでは応答が遅いモデルの方が評価が高くなる。
実施の形態2では、定常状態の差が評価指標に影響するのを抑制し、過渡状態の差を強調するため、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタといった周波数フィルタを用い、過渡応答を強調させた強調制御出力および強調モデル出力を求めている。この効果をスペクトル解析で確認した結果を図9に示す。
図9の(a)は、応答の速いモデル(点線)と応答の遅いモデル(実線)の双方について、過渡応答強調機能部132を用いずに2つの出力時系列データから誤差を算出し、このスペクトル密度を計算してプロットしたものである。一方、図9の(b)は、過渡応答強調機能部132においてカットオフ周波数0.84×10-3[Hz]のハイパスフィルタを使用して強調制御出力および強調モデル出力を求め、これらの間の誤差を算出し、スペクトル密度をプロットしたものである。過渡応答強調機能部132で過渡応答を強調したデータから計算した誤差は、カットオフ周波数より低い周波数域でのパワーが減少している。この結果、定常状態の誤差は評価指標にはあまり反映されず、過渡状態の誤差が強調された評価指標となる。
以上に説明したように、実施の形態2では、過渡応答強調機能部により、制御出力およびモデル出力をフィルタに通して過渡応答を強調させた強調制御出力および強調モデル出力を求め、これらの間の誤差を元に評価指標を計算する。この評価指標に従ってモデルを並べて一覧表示することで、過渡特性の精度に優れたモデルが容易に判別できるようにする。この結果、実施の形態2によれば、エンジニアが数多いモデル候補の中から、制御系の過渡特性が良くなるようなモデルを選択する作業の負荷が軽減されるようになる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3における支援装置について、図10を参照して説明する。この支援装置は、モデル記憶部101、入出力データ記憶部102、評価算出部103、順番決定部104、表示制御部105、表示部106、操作受付部107を備える。
実施の形態3では、評価算出部103が、モデル補正機能部134、モデル出力計算機能部135、評価指標計算機能部136を備える。他の構成は、前述した実施の形態1,2と同様である。
モデル補正機能部134は、複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成する。モデル補正機能部134は、モデル記憶部101に記憶されている全てのモデルの直流ゲインを同一の値へ変更(補正)して補正モデルとする。この変更は、例えば伝達関数モデルの分母多項式係数を固定した上で、全ての分子多項式係数をモデルの直流ゲインで割ってから同一の値を乗ずるという方法で実施できる。直流ゲインを変更する同一の値は、全てのモデルの直流ゲインの平均値が好ましい。または、全てのモデルの直流ゲインの中央値、最小値、最大値など、他の統計量を採用してもよい。さらに、モデリング対象の知見からおおよその直流ゲインが想定される場合には、それを同一の値としてもよい。
モデル出力計算機能部135は、入出力データ記憶部102に記憶されている操作入力を用いて複数の補正モデルの各々の出力である補正モデル出力を求める。モデル出力計算機能部135は、モデル記憶部101に記憶されている全てのモデルについて、補正モデル出力を求める。
評価指標計算機能部136は、制御出力と補正モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する。評価指標計算機能部136は、制御出力と各補正モデル出力との間の誤差に対して、以下の式に示すようにRMSEを計算する。式で表すと以下のようになる。
Figure 0006966245
実施の形態3では、上述したように各モデルに対して評価指標を求め、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定し、表示制御部105が、決定された順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。
次に、実施の形態3における支援装置の動作(支援方法)について、図11を参照して説明する。まず、ステップS101で、対象となるモデル制御に用いるためにエンジニアが試行錯誤で試作した複数のモデルを、モデル記憶部101に記憶する。次に、ステップS102で、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを、入出力データ記憶部102に記憶する。
次に、ステップS134で、モデル補正機能部134は、複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成する(第9ステップ)。
次に、ステップS135で、モデル出力計算機能部135が、入出力データ記憶部102に記憶されている操作入力を用いて複数の補正モデルの各々の出力である補正モデル出力を求める(第10ステップ)。
次に、ステップS136で、評価指標計算機能部136が、制御出力と補正モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する(第11ステップ)。
上述した評価指標の算出が、モデル記憶部101に記憶されている全てのモデルについて実施されると(ステップS104のy)、ステップS105で、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する。次に、ステップS106で、表示制御部105が、順番決定部104が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。
次に、実施の形態3における効果について説明する。表1に、従来の補正をしない場合の結果を示し、表2に、実施の形態3による結果を示す。本実施例による補正RMSEの効果を示すため、通常のRMSEと比較している。表1は、通常の(補正が無い)RMSEである。また、表2は、実施の形態による結果である。また、定常状態と過渡状態の寄与を調べるため、評価期間を5個のセグメントに分け、それぞれのセグメントでの積算誤差も示した。なお、このセグメント分けは、効果を説明するために行ったものである。
入力時系列データは図7を用いて説明した例と同様のステップ状のものであり、セグメント1、3、4は定常状態、2と5は過渡状態である。より詳細に言えば、セグメント1は入力値0で一定、セグメント2で立ち上がり、セグメント3、4では入力値が1で一定で、セグメント5で入力値が立ち下がる。
Figure 0006966245
Figure 0006966245
表1では、定常状態(セグメント1,3,4)の誤差積算値はモデル毎にまちまちであるが、表2では、全てのモデルで同じである。一方で、表2に示す結果では、過渡状態であるセグメント2および5では、モデル間に誤差積算値の差異がある。このように、補正モデルから計算された補正RMSEは、過渡状態での差異が強調され、定常状態の差異が抑制された評価指標となる。
上述した効果は、モデルの直流ゲインを同一にしたことで得られている。直流ゲインが同一ならば、定常状態での入力と出力の比率が同一になる。従ってモデルの定常状態における誤差も同一となり、モデル間で差異が出ない。この結果、実施の形態3による評価指標は、動特性の差異が強調されたものとなる。
以上に説明したように、実施の形態3では、モデル補正機能部で、複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成し、これらの間の誤差を元に評価指標を計算する。この評価指標に従ってモデルを並べて一覧表示することで、過渡特性の精度に優れたモデルが容易に判別できるようにする。この結果、実施の形態3によれば、エンジニアが数多いモデル候補の中から、制御系の過渡特性が良くなるようなモデルを選択する作業の負荷が軽減されるようになる。また、実施の形態3によれば、モデリング対象が未知で、着目したい周波数域が不明であっても実施可能であるところに特徴がある。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4における支援装置について、図12を参照して説明する。この支援装置は、モデル記憶部101、入出力データ記憶部102、評価算出部103、順番決定部104、表示制御部105、表示部106、操作受付部107を備える。
実施の形態4では、評価算出部103が、モデル出力計算機能部131、過渡状態区間抽出機能部137、評価指標計算機能部138を備える。
モデル出力計算機能部131は、操作入力を用いて複数のモデルの各々の出力であるモデル出力を求める。モデル出力計算機能部131は、モデル記憶部101に記憶されている各モデルに対し、入出力データ記憶部102に記憶されている操作入力を入力し、よく知られたシミュレーションなどによって、時系列データであるモデル出力を得る。なお、平等に評価するために、各モデルに適用するデータは同じにすることが好ましく、また、一般的である。モデル出力計算機能部131は、実施の形態2と同様である。
過渡状態区間抽出機能部137は、制御出力およびモデル出力の各々より過渡応答区間を抽出して抽出制御出力および抽出モデル出力を求める。過渡状態区間抽出機能部137は、入出力データ記憶部102に記憶されている時系列データの操作入力および制御出力から過渡状態にある区間を判定し、制御出力およびモデル出力の各々より過渡状態区間の時系列データのみを取り出す。
過渡状態区間を判定する方法はいくつか考えられるが、一例として操作入力の時間−周波数解析を用いた方法を示す。
[第1ステップ]操作入力を一定長の区間に分割する。
[第2ステップ]分割した各区間で操作入力のパワースペクトル密度を計算する。MATLAB(登録商標)Signal Processing Toolbox,spectrogram関数などで計算可能である。
[第3ステップ]所定の周波数よりも低い周波数に対応するパワースペクトル密度を積算する。
[第4ステップ]積算したパワースペクトル密度が所定のしきい値を超えた区間を定常区間と判定する。
[第5ステップ]制御出力およびモデル出力の各々から定常区間と判定された区間のデータを取り除き抽出制御出力および抽出モデル出力とする。
上述した所定の周波数は、どの周波数までが低周波域かを決めるものなので、実施の形態2におけるカットオフ周波数と同様に決めることができる。
なお、過渡状態区間を判定は、上述した方法に限らない。この他にも、短時間フーリエ変換やウェーブレット変換により時間−周波数解析を行い、低周波数成分のパワーを計算して定常区間を判定することも可能である。また、過渡状態区間の判定は制御出力よりも操作入力を用いて行う方が好ましい。
評価指標計算機能部138は、過渡状態区間抽出機能部137により求められた抽出制御出力と抽出モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する。
実施の形態4では、上述したように各モデルに対して評価指標を求め、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定し、表示制御部105が、決定された順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。
次に、実施の形態4における支援装置の動作(支援方法)について、図13を参照して説明する。まず、ステップS101で、対象となるモデル制御に用いるためにエンジニアが試行錯誤で試作した複数のモデルを、モデル記憶部101に記憶する。次に、ステップS102で、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを、入出力データ記憶部102に記憶する。
次に、ステップS131で、モデル出力計算機能部131が、操作入力を用い、モデル記憶部101に記憶されているモデルについて、このモデルの出力であるモデル出力を求める(第6ステップ)。
次に、ステップS137で、過渡状態区間抽出機能部137が、制御出力およびモデル出力の各々より過渡応答区間を抽出して抽出制御出力および抽出モデル出力を求める(第12ステップ)。
次に、ステップS138で、評価指標計算機能部138が、過渡状態区間抽出機能部137により求められた抽出制御出力と抽出モデル出力との間の誤差を元に評価指標を計算する(第13ステップ)。
上述した評価指標の算出が、モデル記憶部101に記憶されている全てのモデルについて実施されると(ステップS104のy)、ステップS105で、順番決定部104が、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する。次に、ステップS106で、表示制御部105が、順番決定部104が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。
以上に説明したように、実施の形態4では、過渡状態区間抽出機能部で、制御出力およびモデル出力の各々より過渡応答区間を抽出して抽出制御出力および抽出モデル出力を求め、これらの間の誤差を元に評価指標を計算する。この評価指標に従ってモデルを並べて一覧表示することで、過渡特性の精度に優れたモデルが容易に判別できるようにする。この結果、実施の形態4によれば、エンジニアが数多いモデル候補の中から、制御系の過渡特性が良くなるようなモデルを選択する作業の負荷が軽減されるようになる。また、実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、モデリング対象が未知で、着目したい周波数域が不明であっても実施可能であるところに特徴がある。
なお、本発明では過渡特性の精度を重視した表示を目的としているので、求めた評価指標の順に表示することが好ましいとしたが、過渡特性と定常特性の両方の精度を考慮した表示順にするといった他の表示形態も考えられる。例えば、本発明により得られた評価指標と、一般的なRMSEの重み付き和や順位の和に基づいて表示すれば、両方の評価のバランスをとった表示が可能となる。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5における支援装置について、図14を参照して説明する。この支援装置は、モデル記憶部101、入出力データ記憶部102、評価算出部103、順番決定部104、表示制御部105、表示部106、操作受付部107を備える。これらは、前述した実施の形態と同様である。また、実施の形態5における支援装置は、特徴量算出部、分類部、分類表示制御部を備える。
モデル記憶部101は、制御対象の複数のモデルを記憶する。モデル記憶部101は、例えば、伝達関数、微分方程式、ステップ応答など公知の形態でモデルを記憶する。入出力データ記憶部102は、制御対象への操作入力と、操作入力により制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを記憶する。
評価算出部103は、上記操作入力を用いた複数のモデルの各々のモデル出力と上記制御出力との差に、モデル出力の過渡特性の精度を反映させて複数のモデルの各々の評価指標を計算する。順番決定部104は、評価指標の大小により複数のモデルの表示の順番を決定する。表示制御部105は、順番決定部104が決定した順番により複数のモデルを並べて表示部106に表示させる。操作受付部107は、エンジニアによる操作指示を受け付ける。
特徴量算出部108は、モデル記憶部101に記憶されている複数のモデルの各々について、設定されている評価項目に該当する特徴量を算出する。特徴量とは、エンジニアが似たモデルを選別する判断材料になっているであろう数値である。評価項目は、例えば、直流ゲインとすればよい。なお、評価項目には、オーバーシュート量、アンダーシュート量、立ち上がり時間、整定時間、むだ時間、カットオフ周波数、共振周波数などもある。特徴量の評価項目は、対象となるモデル制御に最適なモデルの選択に際して適宜に設定すればよい。
分類部109は、特徴量算出部108により算出された特徴量に応じ、例えばクラスタリング手法などにより、モデル記憶部101に記憶されている複数のモデルを複数のグループに分類する。分類されたグループでは、定常特性が近いモデルが集められたものとなる。分類表示制御部110は、複数のグループを分類部109により分類されたグループ毎に表示部106に表示させる。
実施の形態5によれば、定常特性の比較は、特徴量算出部108、分類部109、分類表示制御部110で実施し、過渡特性の比較は、評価算出部103、順番決定部104、表示制御部105により実施するという役割分担ができる。なお、直流ゲインは、数学モデルから計算することが可能である。
例えば、図15に示す複数のモデルが得られてモデル記憶部101に保存されている場合を例に説明する。
分類表示制御部110は、モデル集合を分類部109が分けたグループ毎に表示する。例えば、図16に示すように、グループに含まれるモデルの直流ゲインの代表値(平均値など)、RMSEの代表値、当該グループに含まれるモデルの個数といったグループの特徴がわかるような情報、およびこのグループに含まれるモデルのステップ応答の平均値をプロットした代表図を、グループ毎に表示する。また、グループを選択するための手段を用意する。グループを並べる順番は、RMSEが小さい順や、グループに含まれるモデルの数が多い順といった順番が好ましい。
なお、上述したモデルの代表図はステップ応答の平均値に限るものではなく、モデルの特徴を図示したものであれば何でも良い。また、グループに含まれるモデルの数があまり多くなければ、グループに含まれるモデルのステップ応答を1枚のグラフに重ねてプロットするといった方法も可能である。
さらに図16における表示状態の中でいずれかのグループを選択すると、表示部106には、図17に示すように、選択されたグループに含まれるモデル候補を個別に表示する。この表示順は、例えば、実施の形態3における評価指標に従って決定する。実施の形態3における評価算出部103が、指定されたグループに含まれる各モデルの評価指標を計算し、順番決定部104が各モデルのグループ内における表示順を計算した評価指標に基づいて決定し、この順番に従って表示制御部105が各モデルの情報を表示部106表示する。この評価指標は、各グループに含まれるモデルの直流ゲインを同一値にした補正モデルを生成し、この補正モデルで補正RMSEを計算することで得る。特徴量算出部108が、直流ゲインを特徴量として採用した場合は、同一値は各グループに含まれるモデルの直流ゲインの集合平均にする方が好ましい。
以上のようにすることで、分類部109によって定常特性を基にモデルをグループに分け、各グループ内では過渡特性の精度順に評価することが可能となり、効率が良いモデル選択が可能となる。
実施の形態5によれば、定常特性や直流ゲインの精度が悪いモデルが混入している場合や、モデル間で定常特性や直流ゲインのバラツキが大きい場合に最も効果を発揮する。前述した実施の形態3によれば、どのモデルでも直流ゲインが大体合っており、過渡特性の精度が良いモデルと悪いモデルが混在しているようなケースでは、過渡特性の差異を強調することで効果を発揮する。しかし、直流ゲインを同一値に揃えることで過渡特性の差異を強調しているため、直流ゲインの精度は比較できなくなる。そのため、前述したような場合に、実施の形態3だけを適用すると、誤って定常特性の精度が低く、整定時間や立ち上がり時間といった過渡特性の精度だけが良く合っているモデルが選択される恐れがある。
実施の形態5によれば、定常特性を表す特徴量で分類を実施し、分類したグループ毎にモデル集合を表示し、選択したグループ内で過渡特性の精度を比較するので、定常特性、過渡特性の両方の精度が優れたモデルを選択しやすくなる。この結果、定常特性の精度が低いモデルを誤って選択する恐れを減ずることができる。
なお、支援装置は、図18に示すように、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)201と主記憶装置202と外部記憶装置203とネットワーク接続装置204となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。ネットワーク接続装置204は、ネットワーク205に接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、操作入力を用いた複数のモデルの各々のモデル出力と制御出力との差に、モデル出力の過渡特性の精度を反映させて複数のモデルの各々の評価指標を計算するようにしたので、定常状態が大半を占める時系列データでモデルを評価せざるを得ない状況であっても、試作した多くのモデルの中より、過渡特性の精度が優れたモデルが効率的に選択できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…モデル記憶部、102…入出力データ記憶部、103…評価算出部、104…順番決定部、105…表示制御部、106…表示部、107…操作受付部。

Claims (2)

  1. 制御対象の複数のモデルを記憶するモデル記憶部と、
    前記制御対象への操作入力と、前記操作入力により前記制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを記憶する入出力データ記憶部と、
    前記操作入力を用いた前記複数のモデルの各々のモデル出力と前記制御出力との差に、前記モデル出力の過渡特性の精度を反映させて前記複数のモデルの各々の評価指標を計算するように構成された評価算出部と、
    前記評価指標の大小により前記複数のモデルの表示の順番を決定するように構成された順番決定部と、
    前記順番決定部が決定した順番により前記複数のモデルを並べて表示部に表示させるように構成された表示制御部と
    を備え
    前記評価算出部は、
    前記複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成するように構成されたモデル補正機能部と、
    前記操作入力を用いて前記複数の補正モデルの各々の出力である補正モデル出力を求めるように構成されたモデル出力計算機能部と、
    前記制御出力と前記補正モデル出力との間の誤差を元に前記評価指標を計算するように構成された評価指標計算機能部と
    を備えることを特徴とする支援装置。
  2. 制御対象の複数のモデルをモデル記憶部に記憶する第1ステップと、
    前記制御対象への操作入力と、前記操作入力により前記制御対象より出力された制御出力とから構成された入出力データを入出力データ記憶部に記憶する第2ステップと、
    前記操作入力を用いた前記複数のモデルの各々のモデル出力と前記制御出力との差に、前記モデル出力の過渡特性の精度を反映させて前記複数のモデルの各々の評価指標を計算する第3ステップと、
    前記評価指標の大小により前記複数のモデルの表示の順番を決定する第4ステップと、
    前記第3ステップで決定した順番により前記複数のモデルを並べて表示部に表示させる第5ステップと
    を備え
    前記第3ステップは、
    前記複数のモデルについて直流ゲインを同一の値に補正した複数の補正モデルを生成する第9ステップと、
    前記操作入力を用いて前記複数の補正モデルの各々の出力である補正モデル出力を求める第10ステップと、
    前記制御出力と前記補正モデル出力との間の誤差を元に前記評価指標を計算する第11ステップと
    を備えることを特徴とする支援方法。
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