A. 車載通信システムの構成:
図1に示すように、車両2は、フロントウインドシールド3の内側に設置されたカメラモジュール1を備える。カメラモジュール1は、車両2の外界5を撮像するように構成されている。カメラモジュール1の詳細については後述する。車両2には、複数のECU110と、これらのECU110を接続する通信配線120とを含む車内LANとしての車載通信システム100が構築されている。後述するように、通信システム100は、2Mbps以上の高い通信速度で通信可能に構成されている。カメラモジュール1は、車両用カメラを制御する制御回路として機能するカメラ用のECU110を含んでいる。他の種類のECU110としては、例えば、自動運転ECUや、駆動部制御ECU、ブレーキ制御ECU、操舵角制御ECUなどの各種のECUを使用可能である。
図2に示すように、複数のECU110は、通信配線120を介してディジーチェーン接続されている。通信配線120は、複数の配線側コネクタ122の間をペア配線120_1,120_2で接続したものであり、ディジーチェーン接続の端部にあるECU110以外の各ECU110に、第1ペア配線120_1及び第2ペア配線120_2との接続を提供する。2組のペア配線120_1,120_2は同じ構造を有しており、例えば撚り対線で構成されている。
本実施形態において、ECU110をディジーチェーン接続した理由は、通信速度を2Mbps以上の高い値に設定した場合に、通常のバス型(「ライン型」とも言う)のトポロジでは通信波形の乱れが大きくなるため、通信配線120に接続可能なノード数(すなわちECU数)が減少してしまうからである。ディジーチェーン接続を採用すれば、ECU110を介して信号が伝搬するので、通信波形が大きく乱れることが無く、接続可能なノード数をより大きくすることが可能である。
個々のECU110は、メモリ114を含むプロセッサ112と、通信コントローラ116と、トランシーバ118と、基板側コネクタ130と、配線基板140と、を有する。基板側コネクタ130は、配線側コネクタ122に接続される。トランシーバ118は、配線基板140及びコネクタ130,122を介して2組のペア配線120_1,120_2と接続可能に構成されている。
第1ペア配線120_1は、高電圧配線120_1Hと低電圧配線120_1Lの2本の配線で構成されている。高電圧配線120_1Hは、低電圧配線120_1Lよりも高い電圧で信号を伝送する配線である。第2ペア配線120_2も、同様に、高電圧配線120_2Hと低電圧配線120_2Lの2本の配線で構成されている。高電圧配線120_1H,120_2Hは、CANバス(Controller Area Network Bus)規格のハイワイヤ(CAN_H配線)に相当し、低電圧配線120_1L,120_2Lはローワイヤ(CAN_L配線)に相当する。ローワイヤで伝送される信号は、ハイワイヤで伝送される信号波形を反転してレベルシフトした信号であり、両者は差動ペア信号に相当する。
2組のペア配線120_1,120_2の符号の末尾にあるアンダーバー以降の符号”_1”,”_2”は、個々のECU110に接続される2組のペア配線を区別するために便宜的に付したものである。また、”_1H”,”_1L”,”_2H”,”_2L”等の符号で使用されている”H”及び”L”の文字は、ペア配線のハイワイヤとローワイヤに関連する部材であることをそれぞれ意味している。但し、これらを区別する必要が無い場合にはアンダーバー以降の符号を省略して説明する。この点は、後述する他の要素についても同様である。
2本の高電圧配線120_1H,120_2Hは、配線基板140の配線パターンで互いに接続されていることが好ましい。同様に、2本の低電圧配線120_1L,120_2Lも、配線基板140の配線パターンで互いに接続されていることが好ましい。こうすれば、複数のECU110の接続の論理的なトポロジーがバス接続になるので、CANバス規格に従って通信を行うことが可能である。但し、このような接続を行わずに、CANバス規格以外の他の規格や方法に従って通信を行っても良い。
本実施形態において、複数のECU110は、物理的にディジーチェーン接続されているとともに、論理的にはバス接続されている。ここで、「物理的にディジーチェーン接続する」という語句は、複数のECU110の間の通信配線120が、各ECU110の基板側コネクタ130を介して接続されており、基板側コネクタ130がECU110を2組のペア配線120_1,120_2と接続するように構成されている接続方式を意味する。一方、通常のCANバスで使用されているライン型接続は、通信配線から引き出された1組のペア配線にECUが接続される接続方式である。
通信コントローラ116は、プロセッサ112とトランシーバ118との間で信号を仲介するとともに、他のECU110との間の通信を制御する。トランシーバ118は、通信配線120を介して他のECU110との間で信号の送受信を実行する。本実施形態において、車載通信システム100は、転送可能なデータ長の最大値が64バイト以上であり、また、データ転送の通信速度として、2Mbps以上の複数の通信速度の中から1つの通信速度を選択可能に構成されている。具体的には、例えば、2Mbps,4Mbps,6Mbps,8Mbps,10Mbpsの5つの通信速度の中から1つの通信速度を選択して使用できる。このような通信を行うために、車載通信システム100は、例えばCAN FD規格(CAN Flexible Data Rate規格,ISO 11898-1:2015)に準じた通信を実行するものとしてもよい。
図2及び図3に示すように、ECU110の配線基板140には、通信配線120の配線側コネクタ122との接続を行うための基板側コネクタ130が設けられている。配線基板140を「制御基板」とも呼ぶ。
基板側コネクタ130は、コネクタケース134と、コネクタケース134の外側に設けられた表面実装型の複数のコネクタピン131,132とを有する。なお、図3では、コネクタ130以外の他の回路要素の図示は省略されている。複数のコネクタピン131,132は、配線基板140の表面に設けられた複数のランド142に接続される。
本実施形態において、表面実装型のコネクタピン131,132を用いている理由は、通信速度を2Mbps以上の高い値に設定した場合に、信号波形の乱れを低減するためである。すなわち、仮に、スルーホール実装型のコネクタピンを用いた場合には、配線基板140の裏側にコネクタピンが突き抜けてスタブとなるので、そのスタブに起因する不要な反射波が発生する可能性がある。一方、表面実装型のコネクタピン131,132を用いるようにすれば、スタブに起因する不要な反射波が発生することがなく、信号波形の乱れを低減できる。
一対の第1コネクタピン131_H,131_Lは、第1ペア配線120_1の2つの配線120_1H,120_1Lと接続するための接続端子である。図3のX軸及びY軸は、配線基板140を水平に配置した状態における水平方向を示しており、Z軸は鉛直上向き方向を示している。配線基板140を水平に配置した状態において、各コネクタピン131は、コネクタケース134から水平に延びる突出部131aと、突出部131aの先端から下方に延びるリード部131bと、リード部131bの先端から水平に延びるコンタクト部131cとを有している。コンタクト部131cは、ハンダによってランド142と接続される。
一対の第2コネクタピン132_H,132_Lは、第2ペア配線120_2の2つの配線120_2H,120_2Lと接続するための接続端子である。配線基板140を水平に配置した状態において、各コネクタピン132は、コネクタケース134から水平に延びる突出部132aと、突出部132aの先端から下方に延びるリード部132bと、リード部132bの先端から水平に延びるコンタクト部132cとを有している。コンタクト部132cは、ハンダによってランド142と接続される。
複数のランド142は、第1ペア配線120_1用の第1高電圧用ランド142_1H及び第1低電圧用ランド142_1Lと、第2ペア配線120_2用の第2高電圧用ランド142_2H及び第2低電圧用ランド142_2Lとを含んでいる。一対の第1コネクタピン131_H,131_Lは、第1高電圧用ランド142_1H及び第1低電圧用ランド142_1Lとそれぞれ接続される。一対の第2コネクタピン132_H,132_Lは、第2高電圧用ランド142_2H及び第2低電圧用ランド142_2Lとそれぞれ接続される。
本実施形態において、一対の第1コネクタピン131のリード部131bの高さH1は互いに等しく、一対の第2のコネクタピン132のリード部132bの高さH2も互いに等しい。また、これらの高さH1,H2は互いに異なる値に設定されている。図3の例では、H2<H1であるが、これと逆に、H1<H2の関係に設定されていてもよい。本実施形態では、一対の第1コネクタピン131のリード部131bを同じ高さH1とし、また、一対の第2コネクタピン132のリード部132bを同じ高さH2としているので、各ペア配線120_1,120_2で送信される2つの信号の対称性を損なう可能性を低減できるという利点がある。また、第1コネクタピン131のリード部131bの高さH1と第2コネクタピン132のリード部132bは高さH2を互いに異なるものとしたので、第1コネクタピン131の突出部131aの高さ位置において一対の第1コネクタピン131の間に第2コネクタピン132が存在しないものとなり、同様に、第2コネクタピン132の突出部132aの高さ位置において一対の第2コネクタピン132の間に第1コネクタピン131が存在しないものとなる。この結果、一対の第1コネクタピン131を介して送信される2つの信号の対称性や、一対の第2コネクタピン132を介して送信される2つの信号の対称性を損なう可能性を低減でき、信号波形の乱れを更に低減できる。
本実施形態では、更に、配線基板140を水平に配置した状態において、高電圧用の2つのコネクタピン131_H,132_Hのコネクタケース134からのそれぞれの突出部131a,132aが、互いに上下に重なる位置に配置されている。同様に、低電圧用の2つのコネクタピン131_L,132_Lのコネクタケース134からのそれぞれの突出部131a,132aも、互いに上下に重なる位置に配置されている。この構成によれば、コネクタ130の横幅を小さくすることができる。また、高電圧用のコネクタピン131_H,132_H同士の距離や、低電圧用のコネクタピン131_L,132_L同士の距離を小さくできるので、信号波形の乱れを更に低減できる。このように、突出部131a,132aを上下に重なる位置にするために、図3の例では、突出部131a,132aが、それぞれ略L字状の形状に形成されている。こうすれば、突出部131a,132aを上下に重なる位置に配置することが容易であるという利点がある。但し、突出部131a,132aの配置や形状としては、これ以外の配置や形状を採用してもよい。
図4に示すように、コネクタケース134の裏側には、配線側コネクタ122(図2)と嵌合する嵌合部136が設けられている。図4の例では、嵌合部136は凹部である。嵌合部136には、コネクタピン131,132の嵌合端131p_H,131p_L,132p_H,132p_Lが突出している。2つの第1嵌合端131p_H,131p_Lは、第1ペア配線120_1と接続される。2つの第2嵌合端132p_H,132p_Lは、第2ペア配線120_2と接続される。なお、図4では、図示の便宜上、配線側コネクタ122(図2)は図示を省略している。第1コネクタピン131の2つの嵌合端131p_H,131p_Lの間には、他のコネクタピンの嵌合端が存在しないので、2つの嵌合端131pを介して送信される2つの信号の対称性を損なう可能性を低減でき、信号波形の乱れを更に低減できる。第2コネクタピン132の2つの嵌合端132p_H,132p_Lについても同様である。なお、これらの嵌合端131p,132pは、コネクタケース134を真っ直ぐに貫通し、図3に示した突出部131a,132aとしてコネクタケース134から突出している。
図5に示すように、配線基板140の表面において、第1高電圧用ランド142_1Hと第2高電圧用ランド142_2Hは、他のランドが間に存在せずに互いに隣り合った位置に配置されている。また、これらの2つの高電圧用ランド142_1H,142_2Hは、配線基板140の配線パターン144_Hで互いに接続されている。第1低電圧用ランド142_1Lと第2低電圧用ランド142_2Lも、他のランドが間に存在せずに互いに隣り合った位置に配置されている。また、これらの2つの低電圧用ランド142_1L,142_2Lは、配線基板140の配線パターン144_Lで互いに接続されている。このような配置を採用すれば、配線基板140における配線パターン144_H,144_Lの距離を短くすることができるので、信号波形の乱れを低減でき、また、配線基板140の配線面積も低減できる。なお、ランド142や配線パターン144の配置や形状としては、これ以外の配置や形状を採用してもよい。
以上のように、本実施形態の車載通信システム100では、2Mbps以上の通信速度で通信を行うシステムにおいて物理的な接続形態としてディジーチェーン接続を採用したので、従来のバス型接続に比べて信号波形の乱れを低減できる。また、各ECU110の基板側コネクタ130は、表面実装型のコネクタピン131,132を用いて配線基板140に接続されるので、スルーホール実装型のコネクタピンを用いる場合に配線基板140の裏側に突き抜けるピンのスタブに起因する不要な反射波が発生することがなく、信号波形の乱れを更に低減できる。更に、第1ペア配線120_1用の一対の第1コネクタピン131のリード部131bを同じ高さH1とし、第2ペア配線120_2用の一対の第2コネクタピン132のリード部132bを同じ高さH2としたので、各ペア配線で送信される2つの信号の対称性を損なう可能性を低減でき、信号波形の乱れを更に低減できる。
B. 車両用カメラの第1形態:
以下では、上述した車載通信システム100で使用可能な車両用カメラ(カメラモジュール)の第1形態と第2形態について順次説明する。
図6,図7に示すように、車両用カメラの第1形態としてのカメラモジュール1は、車両2に搭載されて外界5を撮像するように構成される。尚、以下の説明では、水平面上における車両2の鉛直方向が上下方向に設定され、水平面上における車両2の水平方向のうち車長方向及び車幅方向がそれぞれ前後方向及び左右方向に設定される。
カメラモジュール1は、車両2におけるフロントウインドシールド3の内側に、装着される。フロントウインドシールド3は、車両2において運転席の前方に位置している。フロントウインドシールド3は、自身の内側となる車室4内を外界5とは仕切っている。フロントウインドシールド3は、例えばガラス等の透光性材料により形成されることで、外界5の風景から入射する光像を車室4内へと透過させる。
フロントウインドシールド3においてカメラモジュール1の装着箇所は、車室4内の運転席に着座した乗員の視界を実質妨げない箇所に、設定されている。具体的には図6に示すように、上下における装着箇所は、車両2においてフロントウインドシールド3の外周縁部を枠状に保持するピラー6の開口窓6a内のうち、上縁部から例えば20%程度の範囲Xv内に設定されている。左右における装着箇所は、開口窓6aの中心から両側へ例えば15cm程度の範囲Xh内に設定されている。これらの設定により装着箇所は、フロントウインドシールド3を払拭するワイパーの払拭範囲Xr内であって、前後方向に対してフロントウインドシールド3が例えば22〜90°程度傾斜する部分に、位置することとなる。
図7,図8,図9に示すようにカメラモジュール1は、ブラケットアセンブリ10、カメラケーシング20、イメージアセンブリ30、フード40及び回路ユニット50を備えている。
ブラケットアセンブリ10は、ブラケット本体11、クッション13及び装着パッド12を組み合わせて構成されている。ブラケット本体11は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として略平板状に形成されている。ブラケット本体11は、フロントウインドシールド3の内面3aに沿って配置される。ブラケット本体11は、例えば緩衝機能を有したエラストマー製等のクッション13を、複数保持している。
図7,図8に示すようにブラケット本体11は、両面間にて自身を貫通する装着スロット60を、複数有している。装着パッド12は、それら各装着スロット60に個別に対応して複数、設けられている。各装着パッド12は、例えば緩衝機能を有した粘着シートを、樹脂製等の基材に貼着してなる。図7に示すように各装着パッド12の基材は、それぞれ対応する装着スロット60に嵌合固定されることで、ブラケット本体11に保持されている。各装着パッド12の粘着シートは、フロントウインドシールド3の内面3aに対して貼着固定により装着される。これによりクッション13は、フロントウインドシールド3との間に介装されることとなる。尚、各装着パッド12は、例えば緩衝機能を有したエラストマー製等の吸着パッドであってもよい。
図7,図9,図10に示すようにカメラケーシング20は、一対のケーシング部材21,22を組み合わせて構成されている。各ケーシング部材21,22は、例えばアルミニウム等の比較的高放熱性を有した硬質材料により、全体として中空状に形成されている。
逆カップ状のアッパケーシング部材21は、ブラケットアセンブリ10の下側に配置されることで、同アセンブリ10とは反対側となる下側に開口部を向けている。アッパケーシング部材21は、外周側へ突出する嵌合突部213を、外周縁部の複数箇所に有している。ここでブラケット本体11には、それら各嵌合突部213に個別に対応して、複数の嵌合突部61が設けられている。各嵌合突部61は、それぞれ対応する嵌合突部213に対して、例えばスナップフィット等で嵌合固定されている。これによりカメラケーシング20は、ブラケットアセンブリ10を介してフロントウインドシールド3の内側に位置決めされる。
アッパケーシング部材21は、対向壁部210、屈曲壁部211及び凹壁部212を上壁部に有している。対向壁部210は、ブラケットアセンブリ10を挟んでフロントウインドシールド3の内面3aと対向する姿勢に、配置される。対向壁部210は、この配置姿勢下においてフロントウインドシールド3と可及的に近接した状態に維持される。
屈曲壁部211は、対向壁部210に対して屈曲されている。屈曲壁部211は、対向壁部210から前側へ離間するほど、フロントウインドシールド3から下側へ離間する姿勢に、配置される。この配置姿勢下、屈曲壁部211が対向壁部210となす略山形の尾根状部分(即ち、稜線部分)214は、アッパケーシング部材21のうち左右の略全域に延伸して、フロントウインドシールド3に可及的に近接している。
凹壁部212は、屈曲壁部211に対して屈曲されている。凹壁部212は、屈曲壁部211から前側へ離間するほど、上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。凹壁部212は、この配置姿勢下においてフロントウインドシールド3との間に、フード40を収容する収容凹所215を画成する。
皿状のロアケーシング部材22は、アッパケーシング部材21の下側に配置されることで、アッパケーシング部材21側となる上側に開口部を向けている。ロアケーシング部材22は、アッパケーシング部材21に螺子で締結されている。これによりケーシング部材21,22は、イメージアセンブリ30及び回路ユニット50を収容する収容空間25を、共同して画成している。
図7,図11,図12に示すようにイメージアセンブリ30は、アセンブリホルダ31、レンズユニット33及びイメージャ34を組み合わせて構成されている。アセンブリホルダ31は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として中空ブロック状に形成されている。アセンブリホルダ31は、収容したイメージャ34へと光像を導く後側光路空間310を、画成している。アセンブリホルダ31において左右の両端部311は、上側に位置するアッパケーシング部材21に対して、螺子で締結されている。
図7,図8,図10,図11,図12,図14に示すようにレンズユニット33は、レンズ鏡筒35及び広角レンズ36を含んでなる。レンズ鏡筒35は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として略円筒状に形成されている。レンズ鏡筒35は、収容した広角レンズ36から光像を導く前側光路空間357を、画成している。レンズ鏡筒35は、アセンブリホルダ31の前端部に接触固定されることで、前側光路空間357を後側光路空間310に連通させている。
図7,図10に示すようにレンズ鏡筒35の前端部は、屈曲壁部211を通してカメラケーシング20外に露出している。この露出のために屈曲壁部211には、左右中心を両壁面間にて貫通することでレンズ鏡筒35の挿通される貫通孔状に、レンズ窓216が設けられている。また凹壁部212には、左右中心にて上壁面に開口することでレンズ窓216と繋がる窪み状に、逃がし孔217が設けられている。
図7,図8,図10,図14に示すように広角レンズ36は、例えばガラス等の透光性材料により凹メニスカスレンズ状に形成されている。広角レンズ36は、レンズ鏡筒35の前端部に嵌合固定されることで、前側光路空間357を前側から閉塞している。広角レンズ36の主点Ppを通る光軸Awは、前後方向に対しては前側ほど下側若しくは上側へ傾斜して設定、又は前後方向に沿って設定される。
レンズユニット33全体として所期のレンズ画角を確保するように、広角レンズ36を通すことで例えば75〜150°程度の比較的広い画角が与えられているが、それよりも広い画角が与えられていてもよい。また、レンズユニット33全体として所期の明るさ及び分解能を確保するように広角レンズ36には、例えば2以上のFナンバーが設定されている。これらの画角及びFナンバーを実現するため、広角レンズ36において主点Ppから焦点Pfまでの焦点距離は比較的短くなるように、また広角レンズ36におけるサイズは後に詳述の如く光軸Awよりも上側にて比較的大きくなるように、それぞれ設定されている。
図7,図17に示すイメージャ34は、例えばCCD又はCMOS等といったカラー式若しくはモノクロ式撮像素子を主体に構成されている。イメージャ34は、そうした撮像素子の前側に例えば赤外カットフィルタ(図示しない)等を組み合わせたものであってもよい。イメージャ34は、全体として矩形平板状に形成されている。イメージャ34は、図7の如くアセンブリホルダ31に収容されることで、後側光路空間310内に配置されている。ここで広角レンズ36の焦点Pfは、前側光路空間357内に設定されることで、イメージャ34よりも前側に位置している。
以上説明したイメージアセンブリ30の構成下、外界5からフロントウインドシールド3を透過した光像は、広角レンズ36を含むレンズユニット33を通してイメージャ34に結像される。このとき、広角レンズ36の焦点Pfよりも後側のイメージャ34には、外界5のうち撮像対象範囲内からの光像が倒立像として結像される。イメージャ34は、この結像した倒立像を撮影することで、外界5を撮像してなる信号又はデータを出力可能に構築されている。
図7,図8に示すようにフード40は、例えば樹脂成形等によりブラケット本体11と一体に形成されることで、ブラケットアセンブリ10の一部を構成している。上側から視たフード40の全体形状は、広角レンズ36の光軸Awに関して左右対称の皿状を、呈している。フード40は、ベース壁部41、後端壁部42及び側壁部43を有している。
ベース壁部41は、凹壁部212よりも上側且つ光軸Awよりも下側であって、屈曲壁部211よりも前側に設けられている。ベース壁部41は、凹壁部212とフロントウインドシールド3との間にて、収容凹所215に収まっている。ベース壁部41は、屈曲壁部211から前側へ離間するほど、上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。これにより、ベース壁部41の上側を向く底壁面41aは、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3の内面3aと対向する台形の略平面状に、広がった状態となる。外界5のうちイメージャ34による撮像対象範囲(以下では単に、撮像対象範囲という)内の光像は、フロントウインドシールド3を透過することで、この撮像空間410へと導かれる。
ベース壁部41には、複数の規制リブ411が設けられている。各規制リブ411は、フロントウインドシールド3側となる上側の撮像空間410内へ向かって、ベース壁部41の底壁面41aから突出している。各規制リブ411は、直線状に延伸する凸条であり、左右方向に実質沿って配置される。各規制リブ411は、互いに所定間隔ずつを空けて、前後に並んでいる。各規制リブ411は、ベース壁部41へと入射する光を互いの対向壁面にて多重反射することで、当該入射光を相互間にトラップする。このトラップ機能を実現するように各規制リブ411の突出高さは、それぞれ所定値ずつに設定されている。
後端壁部42は、光軸Awに対して左右の中心を実質心合わせして、設けられている。後端壁部42は、ベース壁部41のうち後縁部から上側へ立設されている。後端壁部42は、下側の屈曲壁部211と対向して広がっている。後端壁部42は、ベース壁部41から後側へ離間するほど、上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。
後端壁部42には、左右中心を両壁面間にて貫通することでレンズ鏡筒35の挿通される貫通孔状に、レンズ窓420が設けられている。レンズ鏡筒35において広角レンズ36の設けられる前端部は、上述のレンズ窓216及びこのレンズ窓420を通してベース壁部41よりも上側の撮像空間410内に露出している。これにより、外界5の撮像対象範囲内から撮像空間410へと導かれた光像は、広角レンズ36を含むレンズユニット33に入射可能となっている。
レンズ窓420を通して露出したレンズ鏡筒35の周囲では、同鏡筒35から前側に離間した箇所に比べて、少なくとも1つの規制リブ411が高く突出している。即ち、広角レンズ36の周囲では、少なくとも1つの規制リブ411である特定リブ411aの突出高さが、高くなっている。ここで図7,図8には、レンズユニット33のうち広角レンズ36に近接するほど突出高さの高くなる複数の特定リブ411aが、示されている。
露出したレンズ鏡筒35の周囲においてベース壁部41には、左右中心にて底壁面41aに開口することでレンズ窓420と繋がる窪み状に、入射孔421が設けられている。この入射孔421は、下側の凹壁部212に設けられた逃がし孔217によって逃がされている。これにより、外界5の撮像対象範囲全域から光像をレンズユニット33へと入射可能にする窪み深さが、入射孔421に与えられている。
側壁部43は、光軸Awに対する左右の対称位置にそれぞれ設けられることで、撮像空間410を左右の両側から挟んでいる。各側壁部43は、ベース壁部41のうち左右の側縁部から上側へ立設されている。各側壁部43は、ベース壁部41の底壁面41aに対して実質垂直に形成され、上下方向に実質沿って配置される。各側壁部43では、台形平面状の内壁面43aの左右における相互間隔が前側ほど漸次広がっている。各側壁部43では、ベース壁部41からの高さが前側ほど漸次低くなっている。これにより各側壁部43は、フロントウインドシールド3の内面3aに対して図7の如き隙間430を前後の全域で空ける姿勢に、配置される。
以上説明した構成のフード40は、外界5のうち撮像対象範囲外からレンズユニット33への余剰光の入射、例えばフロントウインドシールド3の内面3aによる反射光の入射等を、規制可能となっている。それと共にフード40は、各規制リブ411による光トラップ機能により、ベース壁部41からレンズユニット33への光反射も、規制可能となっている。
図7,図11,図12に示すように回路ユニット50は、イメージアセンブリ30の構成要素31,33,34と共に、収容空間25内での収容位置を決められている。回路ユニット50は、基板51,53,54及び回路52,55を組み合わせて構成されている。
図7,図11に示すように撮像基板51は、例えばガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、略矩形平板状に形成されている。撮像基板51は、アセンブリホルダ31に対して螺子で締結されている。これにより撮像基板51は、後側光路空間310を後側から閉塞している。
撮像基板51には、後側光路空間310内に露出する前側実装面510と、それとは反対側にて収容空間25内に露出する後側実装面511とが、形成されている。前側実装面510には、イメージャ34が実装されている。両実装面510,511には、撮像回路52を構成する複数の回路素子が、実装されている。これらの実装により撮像回路52では、イメージャ34との間にて信号又はデータの送受信が可能となっている。
図7,図11,図12に示すようにフレキシブル基板(FPC)53は、例えば可撓性を有した樹脂製等のベースフィルムに導電性配線を保持させてなり、全体として略矩形帯状に形成されている。FPC53の一端部は、撮像基板51の下端部に対して接続されている。
図7,図12に示すように制御基板54は、例えばガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、略矩形平板状に形成されている。制御基板54は、収容空間25内にて両面を上側と下側とに向けている。これにより制御基板54には、上側を向く上側実装面540と、下側を向く下側実装面541とが、それぞれ形成されている。制御基板54は、自身の外周縁部と上側実装面540の複数箇所とをアッパケーシング部材21に当接させていると共に、下側実装面541の複数箇所をロアケーシング部材22に当接させている。これにより制御基板54は、両ケーシング部材21,22の間にて位置決めされている。
制御基板54には、左右中心を両実装面540,541間にて貫通することで撮像基板51及びアセンブリホルダ31の挿通される略矩形孔状に、接続孔542が設けられている。これにより撮像基板51及びアセンブリホルダ31は、制御基板54の上側と下側とに跨って配置されている。それと共に撮像基板51でのイメージャ34の実装箇所は、制御基板54の少なくとも上側に位置している。ここで撮像基板51におけるイメージャ34の実装箇所は、制御基板54の上側に位置していればよい。例えば実装箇所の下端は、図7の如く接続孔542内に収まっていてもよいし、図示はしないが接続孔542の上側又は下側に位置していてもよい。
図7,図12に示すように両実装面540,541には、制御回路55を構成する複数の回路素子が、実装されている。上側実装面540には、カメラケーシング20外に露出する外部コネクタ544が、実装されている。この外部コネクタ544は、カメラケーシング20外の外部回路に対して、接続される。
図7に示すように下側実装面541には、収容空間25内に露出する内部コネクタ543が、実装されている。この内部コネクタ543は、制御基板54よりも下側に配置されたFPC53の他端部に対して、接続されている。これにより、制御基板54がFPC53を介して撮像基板51と接続されて、制御回路55及び撮像回路52の間にて信号又はデータの送受信が可能となっている。
制御回路55は、プロセッサを主体としたマイクロコンピュータ550を、下側実装面541に実装される回路素子として、含んでいる。撮像回路52との共同により制御回路55は、イメージャ34からの出力を画像処理することで、図13に例示するように外界画像551を生成する。このとき外界画像551は、同画像551に映る撮像対象範囲内の構造物及び障害物を画像認識可能に、生成される。ここで、車両2がそのルーフパネルよりも上側の構造物となる信号機5aに近接したとき、外界画像551には信号機5aが画像認識可能に映るように、撮像対象範囲が設定されている。それと共に、車両2のフロントバンパが交差点5bに近接したとき、外界画像551には左右から交差点5bに進入してくる前方障害物5c(例えば歩行者、自転車及び他車両等)が画像認識可能に映るように、撮像対象範囲が設定されている。
撮像回路52との共同によりさらに制御回路55は、イメージャ34による撮像時の露光状態を含めたイメージャ34の撮像作動を、制御する。このとき、図13に例示の如く画像処理機能によって生成された外界画像551の下部にて車両2の一部(例えばボンネット等)が映る車両撮影画素551aの範囲を避けて、有効画素551bの範囲が設定される。これにより、設定された範囲における有効画素551bの画素値に基づくことで、次回撮影時の露光状態が制御されることになる。尚、露光制御に用いられる画素値は、例えば有効画素551bの範囲のうち特定1画素の階調値であってもよいし、有効画素551bの範囲のうち複数画素の階調値であってもよい。
制御回路55は、以上説明した画像処理機能及び撮像制御機能の他、例えば外界画像551に映る撮像対象範囲内の構造物及び障害物を画像認識する画像認識機能等を、備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、画像処理機能及び撮像制御機能のうち少なくとも一方を、制御回路55のみが備えていてもよいし、撮像回路52のみが備えていてもよい。
なお、第1形態における制御基板54は図2〜図5で説明した配線基板140に相当し、制御回路55は図2で説明したECU110に相当し、外部コネクタ544は図2〜図4で説明した基板側コネクタ130に相当する。
次に、レンズユニット33の詳細構造を説明する。
図14に示すようにレンズユニット33は、レンズ鏡筒35内において広角レンズ36の後側となる後段に、レンズセット37を組み合わせて構成されている。換言すれば、レンズユニット33のレンズ鏡筒35内では、レンズセット37よりも前側となる外界5側の前段に、広角レンズ36が組み合わされている。
レンズセット37は、広角レンズ36から光学作用を受けた光像に対して例えば色収差抑制等の光学作用をさらに与えるために、複数の後段レンズ371,372,373,374,375を前後に並べて構成されている。各後段レンズ371,372,373,374,375は、それぞれ非球面状又は球面状の光学面を前後両側に有している。各後段レンズ371,372,373,374,375に実質共通の光軸としてレンズセット37の光軸Alは、広角レンズ36の光軸Awとも実質共通(即ち、実質一致)している。これにより、広角レンズ36の光軸Awと共にレンズセット37の光軸Alは、同レンズ36の主点Ppを通っている。
前側からの並び順が1番目の第1後段レンズ371は、例えばガラス等の透光性材料により両凸レンズ状に形成され、広角レンズ36から後側に所定間隔を空けている。前側からの並び順が2番目の第2後段レンズ372は、例えばガラス等の透光性材料により両凹レンズ状に形成されて、第1後段レンズ371から後側に所定間隔を空けている。前側からの並び順が3番目の第3後段レンズ373は、例えばガラス等の透光性材料により両凸レンズ状に形成され、第2後段レンズ372の後側光学面に重ねて固定されている。前側からの並び順が4番目の第4後段レンズ374は、例えばガラス等の透光性材料により凸メニスカスレンズ状に形成され、第3後段レンズ373から後側に所定間隔を空けている。前側からの並び順が5番目の第5後段レンズ375は、例えばガラス等の透光性材料により両凸レンズ状に形成され、第4後段レンズ374から後側に所定間隔を空けている。
図14,図15,図16に示すように広角レンズ36は、これら後段レンズ371,372,373,374,375とは反対の前側となる外界5側に、球面状又は非球面状の広角光学面360(図7も参照)を有している。即ち、広角レンズ36の前側光学面が広角光学面360を構成している。図14,図16に示すように広角光学面360は、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも下側となる箇所にて、カット状に形成されている。これにより、前側から視た広角光学面360の外形輪郭は、下部を除いた1周未満の範囲に延伸する有効径の円弧部分360aでの両端間にて弦部分360bの延伸する部分円形状を、呈している。ここで、光軸Aw,Alよりも下側でのカット状を実現する直線状弦部分360bは、実質一定曲率である真円状円弧部分360aの両端間を、左右方向に実質沿って接続した状態に配置される。尚、カット状には、実際に切削加工等でカットされている形状に限らず、成形等で予め与えられている形状も、含まれる。
このような広角光学面360において、弦部分360bの左右中心に定義される最下部Pwlと、円弧部分360aの左右中心に定義される最上部Pwuとは、前側から視た投影視にて、幾何中心Cwgに関しての上下対称となる。即ち、前側から視た投影視にて広角光学面360の幾何中心Cwgは、同光学面360の最下部Pwl及び最上部Pwu間を2等分する中点に、定義される。
こうした定義下にて広角光学面360の幾何中心Cwgは、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも上側にずれている。これにより広角光学面360のサイズは、光軸Aw,Alの下側よりも光軸Aw,Alの上側にて、大きくなっている。即ち、広角光学面360において光軸Aw,Alから最下部Pwlまでの距離(即ち、径)に定義される下側サイズRwlよりも、同光学面360において光軸Aw,Alから最上部Pwuまでの距離(即ち、径)に定義される上側サイズRwuは、大きく設定されているのである。
図14,図15に示すようにレンズ鏡筒35は、鏡筒本体350、スペーサ351,352,353,354及びキャップ355,356を含んでなる。鏡筒本体350は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により形成されている。鏡筒本体350は、前側光路空間357を画成する一対の収容部350a,350bを、有している。図14に示すように広角収容部350aの内形輪郭は、広角光学面360の外形輪郭に沿った部分円筒孔状を、呈している。広角収容部350aには、広角レンズ36の外周面362が前側から嵌入されている。
後段収容部350bの内形輪郭は、後段レンズ371,372,374,375の外形輪郭に沿った円筒孔状を、呈している。後段収容部350bには、第1後段レンズ371が前側から嵌入されている。それと共に後段収容部350bには、第2及び第3後段レンズ372,373の一体固定物と、第4及び第5後段レンズ374,375の各々とが、後側から嵌入されている。
第1スペーサ351は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、部分円形状の外形輪郭且つ円筒孔状の内形輪郭を有した環板状に、形成されている。第1スペーサ351は、広角収容部350aに前側から嵌入されている。第1スペーサ351は、広角レンズ36を後側から係止していると共に、第1後段レンズ371を前側から係止している。第2スペーサ352は、例えば樹脂成形等により後段収容部350bと一体に、円環板状に形成されている。第2スペーサ352は、後側から係止した第1後段レンズ371を第1スペーサ351との間に挟持していると共に、第2後段レンズ372を前側から係止している。
第3及び第4スペーサ353,354は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、円筒状に形成されている。第3及び第4スペーサ353,354は、後段収容部350bに後側から嵌入されている。第3スペーサ353は、後側から係止した第2後段レンズ372を第2スペーサ352との間に挟持していると共に、第4後段レンズ374を前側から係止している。第4スペーサ354は、後側から係止した第4後段レンズ374を第3スペーサ353との間に挟持していると共に、第5後段レンズ375を前側から係止している。
図14,図15に示すようにフロントキャップ355は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、部分円形状の外形輪郭と内形輪郭とを有した環板状に、形成されている。フロントキャップ355は、広角収容部350aに前側から外嵌されており、特に当該外嵌箇所では広角収容部350aに接着されているとよい。フロントキャップ355は、前側から係止した広角レンズ36を第1スペーサ351との間に挟持している。
ここで、フロントキャップ355が広角レンズ36の広角光学面360を係止するために有する係止爪部355aは、広角収容部350aへの同キャップ355の外嵌前から予め、例えば樹脂成形等によって部分円環状に形成されている。この係止爪部355aによる広角レンズ36の係止箇所は第1形態では、広角光学面360の外形輪郭に沿う周方向において弦部分360bの最下部Pwlから円弧部分360aの最上部Pwuへ向かうほど、後側にずれている。
図14に示すようにリアキャップ356は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、円環板状に形成されている。リアキャップ356は、後段収容部350bに後側から嵌入されており、特に当該嵌合箇所にて後段収容部350bに螺着又は接着されているとよい。リアキャップ356は、後側から係止した第5後段レンズ375を第4スペーサ354との間に挟持している。
以上の如き構成のレンズユニット33では、各収容部350a,350bと、それら収容部350a,350bに収容される各構成要素との間のクリアランスを通じて、鏡筒本体350内の前側光路空間357と外部との間での呼吸(例えば空気抜き等)が可能となっている。
次に、イメージャ34の詳細構造を説明する。
図7に示すイメージャ34は、広角レンズ36及びレンズセット37を通して結像される光像の倒立像を撮影可能な領域として、図17に示す有効撮影領域340を、有している。即ち有効撮影領域340は、イメージャ34の前側から視た外形輪郭内の平面形状のうち、広角レンズ36及びレンズセット37を通した外界5からの光に感知可能な領域を、意味する。有効撮影領域340は、イメージャ34のうち広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alに対して実質垂直となる前面340e側に、それら光軸Aw,Alを囲んで形成されている。これにより、前側から視た有効撮影領域340の外形輪郭は、上下2辺340a,340b且つ左右2辺340c,340dを有した矩形状を、呈している。ここで上下2辺340a,340bは、左右方向に実質沿って配置される。一方で左右2辺340c,340dは、上下方向に対しては上側ほど前側へ若しくは後側へ傾斜して配置、又は上下方向に沿って配置される。
このような有効撮影領域340において、下辺340bの左右中心に定義される最下部Pilと、上辺340aの左右中心に定義される最上部Piuとは、前側から視た投影視にて幾何中心Cigに関しての上下対称となる。即ち、前側から視た投影視にて有効撮影領域340の幾何中心Cigは、同領域340の最下部Pil及び最上部Piu間を2等分する中点に、定義される。
こうした定義下にて有効撮影領域340の幾何中心Cigは、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも下側にずらされている。これにより有効撮影領域340のサイズは、光軸Aw,Alの上側よりも光軸Aw,Alの下側にて、大きくなっている。即ち、有効撮影領域340において光軸Aw,Alから最上部Piuまでの距離に定義される上側サイズRiuよりも、同領域340において光軸Aw,Alから最下部Pilまでの距離に定義される下側サイズRilは、大きく設定されているのである。
以上説明した第1形態の作用効果を、以下に説明する。
第1形態のレンズユニット33によると、車両2の外界5からの光像をイメージャ34に結像させる広角レンズ36が外界5側に有する広角光学面360のサイズは、広角レンズ36における光軸Awの下側よりも当該光軸Awの上側にて大きい。同様に広角光学面360のサイズは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)の下側よりも当該光軸Alの上側にて大きい。これらによれば、車両2が映り易い光軸Aw,Alの下側よりも、車両2が映り難い光軸Aw,Alの上側にて、広角光学面360のサイズが大きくなる。故に、広角光学面360のサイズが大きくなる上側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両2により外界5の撮像対象範囲が制限される下側では、広角光学面360のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュール1の小型化を図ることができる。
また、第1形態のレンズユニット33によると、車両2の外界5からの光像をイメージャ34に結像させる広角レンズ36が外界5側に有する広角光学面360の幾何中心Cwgは、広角レンズ36の光軸Awよりも上側にずれている。同様に広角光学面360の幾何中心Cwgは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)よりも上側にずれている。これらによれば、車両2が映り易い光軸Aw,Alよりも下側ではなく、車両2が映り難い光軸Aw,Alよりも上側に、広角光学面360の幾何中心Cwgが位置ずれすることになる。故に、幾何中心Cwgのずれ量に応じて広角光学面360のサイズが下側よりも大きくなる上側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両2により外界5の撮像対象範囲が制限される下側では、幾何中心Cwgのずれ量に応じて広角光学面360のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュール1の小型化を図ることができる。
また、第1形態のイメージャ34によると、車両2の外界5から結像される光像の倒立像を撮影可能な有効撮影領域340のサイズは、広角レンズ36における光軸Awの上側よりも当該光軸Awの下側にて大きい。同様に有効撮影領域340のサイズは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)の上側よりも当該光軸Alの下側にて大きい。これらによれば、有効撮影領域340のサイズが大きくなる下側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲から倒立像が結像する面積を確保して、撮像される当該上側範囲を可及的に広く設定することができる。
また、第1形態のイメージャ34によると、車両2の外界5から結像される光像の倒立像を撮影可能な有効撮影領域340の幾何中心Cigは、広角レンズ36の光軸Awよりも下側にずれている。同様に有効撮影領域340の幾何中心Cigは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)よりも下側にずれている。これらによれば、幾何中心Cigのずれ量に応じて有効撮影領域340のサイズが上側よりも大きくなる下側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲から倒立像が結像する面積を確保して、撮像される当該上側範囲を可及的に広く設定することができる。
また、第1形態の広角レンズ36によると、主点Ppよりも下側にてカット状に形成の広角光学面360では、主点Ppよりも上側にサイズが大きくなる。これによれば、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識可能に撮像するための広角レンズ36を、比較的簡素な形状にて小さく製造することができる。
また第1形態によると、レンズユニット33及びイメージャ34がカメラケーシング20に収容される。こうした収容構成下、レンズユニット33における広角光学面360のサイズが上側よりも下側にて小さくされることによれば、イメージャ34に必要な収容スペースを確保しつつ、カメラケーシング20の大型化を抑えることができる。
また第1形態によると、イメージャ34を制御する制御回路55が制御基板54に実装されてなる回路ユニット50は、レンズユニット33及びイメージャ34と共にカメラケーシング20に収容される。こうした収容構成下、レンズユニット33における広角光学面360のサイズが上側よりも下側にて小さくされることによれば、イメージャ34に必要な収容スペースだけでなく、回路ユニット50に必要な収容スペースも確保しつつ、カメラケーシング20の大型化を抑えることができる。
また、第1形態の制御回路55によると、イメージャ34からの出力を画像処理して生成された外界画像551のうち、車両撮影画素551aを避けて設定される有効画素551bの画素値に基づくことで、イメージャ34による撮像時の露光が制御される。これによれば、車両2が映らないことで外界5の明るさに追従し易い有効画素551bの画素値を、露光制御に反映させることができる。換言すれば、車両2の映りにより外界5の明るさには追従し難い車両撮影画素551aの画素値が露光制御に反映されるのを回避して、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識に適切な露光状態で撮像することができる。
また、第1形態の回路ユニット50によると、イメージャ34の実装される撮像基板51と、制御回路55の実装される制御基板54とを、FPC53で製造公差を吸収しつつ接続して、カメラケーシング20の正規位置に容易に収容させることができる。しかも、制御基板54の少なくとも上側にてイメージャ34の実装される撮像基板51を、制御基板54の上側と下側とに跨って配置することによれば、回路ユニット50に必要な収容スペースを上下に縮小することができる。
また、第1形態のカメラケーシング20によると、フロントウインドシールド3と対向するように配置の対向壁部210に対して屈曲した屈曲壁部211は、対向壁部210から離間するほどフロントウインドシールド3から離間する姿勢に、配置される。これによれば、カメラケーシング20外への露出のためにレンズユニット33の通される屈曲壁部211と対向壁部210とがなす尾根状部分214をフロントウインドシールド3に近接させた状態にて、カメラケーシング20をフロントウインドシールド3の内側に装着することができる。故に、フロントウインドシールド3に近接して装着されることになる小型のカメラケーシング20によれば、外界5に対する乗員の視界が確保され得るだけでなく、外界5からレンズユニット33までの光路が屈曲壁部211及びフロントウインドシールド3の間に確保され得る。
また、第1形態のフード40によると、外界5のうちイメージャ34による撮像対象範囲外からは、レンズユニット33への余剰光入射が規制されることになる。これによれば、広角レンズ36により画角の広がったレンズユニット33には入射し易くなる余剰光が、撮像対象範囲内からの正規の光像に重畳して撮像の妨げとなる事態を、抑制することができる。
また、第1形態のフード40によると、フロントウインドシールド3と対向するように配置のベース壁部41にて複数の規制リブ411がフロントウインドシールド3側へと突出していることで、レンズユニット33への光反射が規制されることになる。これによれば、フロントウインドシールド3との対向配置下では光入射の増大し易いベース壁部41での反射光が、撮像対象範囲内からの正規の光像に重畳して撮像の妨げとなる事態を、抑制することができる。
また、第1形態のフード40によると、レンズユニット33の周囲にて突出高さの高い規制リブ411としての特定リブ411aは、ベース壁部41での反射光が広角レンズ36へと向かう光路を遮断し易くなる。これによれば、画角の広がったレンズユニット33には入射し易くなるベース壁部41での反射光が、撮像対象範囲内からの正規の光像に重畳して撮像の妨げとなる事態を、抑制することができる。
また、車両用カメラの第1形態としてのカメラモジュール1によれば、カメラモジュール1で撮影した画像を、車載通信システム100を介して他のECU110に高速に転送することができる。この結果、例えば、自動運転ECUが、カメラモジュール1で撮像した画像を利用した運転支援を容易に行うことが可能である。
C. 車両用カメラの第2形態:
図18,図19に示すように、車両用カメラの第2形態としてのカメラモジュール1aは、ブラケットアセンブリ610、カメラケーシング620、複数のレンズユニット630、フード640及び撮像系650を備えている。尚、図19では、一部構成要素の図示が省略されている。
ブラケットアセンブリ610は、ブラケット本体611及び装着パッド612を組み合わせてなる。ブラケット本体611は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として略平板状に形成されている。ブラケット本体611は、フロントウインドシールド3の内面3aに沿って配置される。図18に示すようにブラケット本体611には、複数の装着パッド612が嵌合固定されている。各装着パッド612は、フロントウインドシールド3の内面3aに対して接着固定されている。これにより、ブラケットアセンブリ610を含むカメラモジュール1aは、車両2に対して位置決めされた状態下、フロントウインドシールド3の内側に装着されている。
カメラケーシング620は、一対のケーシング部材621,622を組み合わせてなる。各ケーシング部材621,622は、例えばアルミニウム等の比較的高放熱性を有した硬質材料により、全体として中空状に形成されている。
逆カップ状のアッパケーシング部材621は、ブラケットアセンブリ610の下側に配置されることで、同アセンブリ610とは反対側となる下側に開口部を向けている。アッパケーシング部材621は、ブラケット本体611に対して嵌合固定されている。これによりカメラケーシング620は、ブラケットアセンブリ610を介してフロントウインドシールド3の内側に位置決めされる。また、この位置決め姿勢下においてアッパケーシング部材621とフロントウインドシールド3との間には、フード640を収容する収容凹所212が画成される。
皿状のロアケーシング部材622は、アッパケーシング部材621の下側に配置されることで、アッパケーシング部材621側となる上側に開口部を向けている。ロアケーシング部材622は、アッパケーシング部材621に螺子で締結されている。これによりケーシング部材621,622は、レンズユニット630及び撮像系650を収容する収容空間25を、共同して画成している。
複数(第2形態では3つ)のレンズユニット630は、カメラケーシング620の収容空間625内に配置されている。図18,図19に示すように各レンズユニット630の前端部は、アッパケーシング部材621の縦壁部910を貫通する共通のレンズ窓911を通して、カメラケーシング620外に露出している。これにより各レンズユニット630には、互いにずれて設定される光軸Aw,An,Atまわりに、図20に示すような互いに大きさの異なる画角θw,θn,θtが設定されている。これら各レンズユニット630では、外界5からの光像が互いの画角θw,θn,θt内へとそれぞれ個別に、入射可能となっている。
図18,図19に示すようにフード640は、例えば樹脂成形等によりブラケット本体611と一体形成されることで、ブラケットアセンブリ610の一部を構成している。上側から視たフード640の全体形状は、各レンズユニット630の光軸Aw,An,Atに関して横方向での対称形状となる皿状を、呈している。フード640は、ベース壁部641及び側壁部643を有している。
図18に示すようにベース壁部641は、アッパケーシング部材621とフロントウインドシールド3との間にて、収容凹所912内に収まっている。ベース壁部641は、前側へ向かうほど上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。これによりベース壁部641の底壁面641aは、図18,図19に示す光軸Aw,An,At上の撮像空間710を空けてフロントウインドシールド3の内面3aとは対向した略平面状に、広がる状態となる。この状態下、外界5のうち撮像系650による撮像対象範囲内の光像は、フロントウインドシールド3を透過することで、撮像空間710から各レンズユニット630へと導かれることになる。
側壁部643は、横方向に光軸Aw,An,Atを挟んだ対称位置にそれぞれ設けられることで、撮像空間710を両側から挟んでいる。各側壁部643は、ベース壁部641のうち横方向の側縁部から上側へ立設されており、それぞれストレート平板状を呈している。各側壁部643の横方向における相互間隔は、前側ほど漸次広がっている。これらにより、各側壁部643の後端部間を通して撮像空間710内には、各レンズユニット630の前端部が露出している。各側壁部643のベース壁部641からの高さは、前側ほど漸次低くなっている。これにより各側壁部643は、図18に示すように、フロントウインドシールド3の内面3aに対して隙間730を前後方向の全域で空ける姿勢に、配置される。
ここまで説明の構成によりフード640は、外界5のうち撮像対象範囲内から各レンズユニット630への光像の入射を許容するように、それら各レンズユニット630の画角θw,θn,θtに応じて撮像空間710を画成している。それと共にフード640は、外界5のうち撮像対象範囲外から各レンズユニット630への余剰光の入射、例えばフロントウインドシールド3の内面3aによる反射光の入射等を規制可能に、撮像空間710を画成している。
撮像系650は、複数のイメージャユニット651を制御基板654及び制御回路655に組み合わせてなる。これら撮像系650の構成要素651,654,655は、カメラケーシング620の収容空間625内に配置されている。
複数(第2形態では3つ)のイメージャユニット651は、互いに異なるレンズユニット630の後側に、それぞれ個別に対応して位置決めされている。ここで各イメージャユニット651の位置は、互いに異なる画角θw,θn,θtに応じた各レンズユニット630の焦点距離に合わせて、前後方向にずれている。各イメージャユニット651は、撮像基板810、撮像素子811及び撮像回路812を有している。ここで撮像基板810は、例えばガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、略矩形の平板状に形成されている。撮像素子811は、例えばCCD又はCMOS等のカラー式若しくはモノクロ式イメージャから構成され、撮像基板810に実装されている。撮像素子811は、水平面上の車両2における鉛直方向及び水平方向にそれぞれ対応した上下方向及び横方向に沿って、マトリクス状に配置される複数画素を、有している。撮像回路812は、撮像素子511の出力を処理可能な複数の回路素子から構成され、撮像基板810に実装されている。
こうした各イメージャユニット651では、外界5からフロントウインドシールド3を透過した光像が、対応するレンズユニット630を通して撮像素子811に結像される。各イメージャユニット651では、この結像した光像を撮像素子811が撮影することで、当該撮像素子811から出力の信号又はデータが撮像回路812にて処理される。
制御基板654は、例えばガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、略矩形の平板状に形成されている。制御基板654は、両ケーシング部材621,622の間にて位置決めされている。制御基板654には、カメラケーシング620外に露出するように、外部コネクタ842が実装されている。外部コネクタ842は、カメラケーシング620外の外部回路に対して、接続される。ここで外部コネクタ842は、制御基板654において後側縁部844よりもさらに後側へと突出した凸状基板部843に、実装されている。尚、図示はしないが、カメラケーシング620と共に凸状基板部843は、フロントウインドシールド3におけるカメラモジュール1aの装着箇所に応じて、車室4内のルームミラー(ここでは電子ミラーも含む)の基部を避けるように配置される。
制御回路655は、マイクロコンピュータを含む複数の回路素子から構成され、制御基板654に実装されている。制御回路655は、各イメージャユニット651の撮像回路812に対して、それぞれ個別のフレキシブル基板(FPC)840により接続されている。ここで制御基板654には、それら各FPC840がそれぞれ個別に対応して挿通されるように、複数の通窓841が設けられている。これにより、制御基板654の上側にて各イメージャユニット651の撮像回路812と接続された各FPC840は、それぞれ対応する通窓841を上下方向に貫通することで、制御基板654の下側にて制御回路655と接続されている。
各イメージャユニット651の撮像回路812との共同により制御回路655は、撮像時の露光状態を含めた各イメージャユニット651での撮像素子811の撮影作動を、制御する。さらに、各イメージャユニット651の撮像回路812との共同により制御回路655は、各イメージャユニット651の撮像素子811から出力された信号又はデータに対して、画像処理を施す。これら撮像制御機能及び画像処理機能により、各レンズユニット630を通した撮像結果としては、外界5のうち各レンズユニット630の画角θw,θn,θtに応じた範囲が映るように、外界画像が生成される。このとき、外界画像に映る画角θw,θn,θt内の例えば障害物又は構造物等の物体を認識可能に、同画像は生成されることになる。以上より各レンズユニット630を通した外界撮像は、それぞれ対応するイメージャユニット651によって実現される。尚、撮像制御機能及び画像処理機能のうち少なくとも一方を、制御回路655のみが備えていてもよいし、各イメージャユニット651の撮像回路812のみが備えていてもよい。
制御回路655は、外界画像に映る物体を認識する画像認識機能も、備えている。この画像認識機能では、例えば障害物が歩行者、自転車及び他車両等のうちいずれであるか、あるいは構造物が信号機、交通標識及び建物等のうちいずれであるか、物体の種類を制御回路55が判別する。また画像認識機能では、図22に示ように各レンズユニット630を通して生成の外界画像同士にて同一箇所Pw,Pn,Ptが映る画素につき、それぞれ光軸Aw,An,Atに対する位置座標のずれを、制御回路655が例えばアライメント処理等によって補正する。このとき具体的には、同一箇所Pw,Pn,Ptとしての例えば消失点等に、それぞれ対応する光軸Aw,An,Atに対しての位置座標のずれが上下方向及び横方向のうち少なくとも一方に認められると、当該ずれが補正されることになる。
なお、第2形態における制御基板654は図2〜図5で説明した配線基板140に相当し、制御回路655は図2で説明したECU110に相当し、外部コネクタ842は図2〜図4で説明した基板側コネクタ130に相当する。
次に、各レンズユニット630の詳細構造を説明する。
図18,図19,図21に示すように、レンズユニット630の1つである広角ユニット630wは、広角鏡筒632w及び広角レンズ634wを含んでなる。広角鏡筒632wは、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、中空状に形成されている。広角鏡筒632wは、アッパケーシング部材621に対して螺子固定又は接着固定されている。広角レンズ634wは、例えばガラス等の透光性材料により、凹メニスカスレンズ状に形成されている。広角レンズ634wは、図示しない色収差抑制用の後段レンズセットと共に、広角鏡筒632w内に収容されている。そこで、後段レンズセットよりも前側にて広角ユニット630wの前端部をなす広角レンズ634wから、フロントウインドシールド3の内面3aが設定間隔を空けて離間するように、広角鏡筒632wが位置決めされている。
図18,図20,図21に示す広角ユニット630wの光軸Awは、前後方向に対しては前側ほど下側若しくは上側へ傾斜して延伸、又は前後方向に沿って延伸するように、設定されている。図20に示すように広角ユニット630wの画角θwは、広角レンズ634wの採用により、例えば120°程度の比較的広い大角度に設定されているが、それよりも広い角度に設定されていてもよい。広角ユニット630wの画角θw内での被写界深度Dwは、広角レンズ634wの採用により、外界5において車両2の乗員から見た手前側(以下、単に手前側という)の近点Dwcと、同乗員から見た奥行側(以下、単に奥行側という)の遠点Dwfとで挟まれる所定範囲に、規定されている。
図18,図19,図21に示すように、レンズユニット630の別の1つである狭角ユニット630nは、狭角鏡筒632n及び狭角レンズ634nを含んでなる。狭角鏡筒632nは、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、中空状に形成されている。狭角鏡筒632nは、アッパケーシング部材621に対して螺子固定又は接着固定されている。狭角レンズ634nは、例えばガラス等の透光性材料により、凹メニスカスレンズ状に形成されている。狭角レンズ634nは、図示しない色収差抑制用の後段レンズセットと共に、狭角鏡筒632n内に収容されている。そこで、後段レンズセットよりも前側にて狭角ユニット630nの前端部をなす狭角レンズ634nが広角レンズ634wの真上にて前後ずれも横ずれも実質なく配置されるように、狭角鏡筒632nが位置決めされている。こうした構成により、下側へ向かうほどフロントウインドシールド3の傾斜する前側を奥行側として、広角ユニット630wが上側の狭角ユニット630nよりも当該奥行側には実質張り出さない状態となる。
図18,図20,図21に示す狭角ユニット630nの光軸Anは、前後方向に対しては前側ほど下側若しくは上側へ傾斜して延伸、又は前後方向に沿って延伸するように、設定されている。それと共に狭角ユニット630nの光軸Anは、広角ユニット630wの光軸Awから実質上下方向に限って偏心することで、車両2における横方向位置を当該光軸Awと位置合わせされている。図20に示すように狭角ユニット630nの画角θnは、狭角レンズ634nの採用により、広角ユニット630wの画角θwよりも狭い、例えば60°程度の中角度に設定されている。これらの設定により、狭角ユニット630n及び広角ユニット630wの画角θn,θw同士が互いにオーバーラップする状態となっている。狭角ユニット630nの画角θn内での被写界深度Dnは、狭角レンズ634nの採用により、外界5において手前側の近点Dncと奥行側の遠点Dnfとで挟まれる所定範囲に、規定されている。
ここで特に第2形態では、狭角ユニット630nの近点Dncよりも奥行側に、広角ユニット630wの遠点Dwfが設定されている。それと共に第2形態では、広角ユニット630wの近点Dwcよりも奥行側に、狭角ユニット630nの近点Dncが設定されている。さらに第2形態では、広角ユニット630wの遠点Dwfよりも奥行側に、狭角ユニット630nの遠点Dnfが設定されている。これらの設定により、狭角ユニット630nの近点Dnc及び遠点Dnfの間には広角ユニット630wの遠点Dwfが位置することで、それらユニット630n,630wが被写界深度Dn,Dw同士のオーバーラップする領域Rnwを形成している。
図18,図19,図21に示すように、レンズユニット630のさらに別の1つである望遠ユニット630tは、望遠鏡筒632t及び望遠レンズ634tを含んでなる。望遠鏡筒632tは、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、中空状に形成されている。望遠鏡筒632tは、アッパケーシング部材621に対して螺子固定又は接着固定されている。望遠レンズ634tは、例えばガラス等の透光性材料により、凹レンズ状に形成されている。望遠レンズ634tは、図示しない色収差抑制用の後段レンズセットと共に、望遠鏡筒632t内に収容されている。そこで、後段レンズセットよりも前側にて望遠ユニット630tの前端部をなす望遠レンズ634tが狭角レンズ634nの真上にて前後ずれも横ずれも実質なく配置されるように、望遠鏡筒632tが位置決めされている。こうした構成により、狭角ユニット630nが上側の望遠ユニット630tより奥行側には実質張り出さず、且つ広角ユニット630wも上側の望遠ユニット630tより奥行側には実質張り出さない状態となる。
図18,図20,図21に示すように望遠ユニット630tの光軸Atは、前後方向に対しては前側ほど下側若しくは上側へ傾斜して延伸、又は前後方向に沿って延伸するように、設定されている。それと共に望遠ユニット630tの光軸Atは、広角ユニット630w及び狭角ユニット630nの両光軸Aw,Anから実質上下方向に限って偏心することで、車両2における横方向位置を当該両光軸Aw,Anと位置合わせされている。図20に示すように望遠ユニット630tの画角θtは、望遠レンズ634tの採用により、広角ユニット630w及び狭角ユニット630nの両画角θw,θnよりも狭い、例えば35°程度の小角度に設定されている。これらの設定により、望遠ユニット630t及び狭角ユニット630nの画角θt,θn同士が互いにオーバーラップすると共に、望遠ユニット630t及び広角ユニット630wの画角θt,θw同士も互いにオーバーラップする状態となっている。望遠ユニット630tの画角θt内での被写界深度Dtは、望遠レンズ634tの採用により、外界5において手前側の近点Dtcと奥行側の遠点Dtfとで挟まれる所定範囲に、規定されている。
ここで特に第2形態では、望遠ユニット630tの近点Dtcよりも奥行側に、狭角ユニット630nの遠点Dnfが設定されている。それと共に第2形態では、狭角ユニット630nの近点Dnc並びに広角ユニット630wの近点Dwc及び遠点Dwfよりも奥行側に、望遠ユニット630tの近点Dtcが設定されている。さらに第2形態では、狭角ユニット630nの遠点Dnf及び広角ユニット630wの遠点Dwfよりも奥行側に、望遠ユニット630tの遠点Dtfが設定されている。これらの設定により、望遠ユニット630tの近点Dtc及び遠点Dtfの間には狭角ユニット630nの遠点Dnfが位置することで、それらユニット630t,630nが被写界深度Dt,Dn同士のオーバーラップする領域Rtnを形成している。但し、第2形態にて望遠ユニット630tの近点Dtc及び遠点Dtfの間からは広角ユニット630wの遠点Dwfが外れることで、それらユニット630t,630wの被写界深度Dt,Dw同士は互いにずれてオーバーラップしない状態となっている。
ここまでの説明から第2形態では、上下方向にてレンズユニット630同士が重なる注目組として、第1〜第4注目組が想定される。具体的に第1注目組は、上下方向に互いに重なる広角ユニット630wと狭角ユニット630nとから、構成される。第2注目組は、上下方向に互いに重なる広角ユニット630wと望遠ユニット630tとから、構成される。第3注目組は、上下方向に互いに重なる狭角ユニット630nと望遠ユニット630tとから、構成される。第4注目組は、上下方向に互いに重なる広角ユニット630wと狭角ユニット630nと望遠ユニット630tとから、構成される。
さて、このように第1〜第4注目組を構成するレンズユニット630としての各ユニット630w,630n,630tは、それぞれ対応する遠点Dwf,Dnf,Dtfを対応遠点として、下記の式1を個別に満たす。これにより、各ユニット630w,630n,630tを個別に通した外界撮像による画像認識の限界位置は、それぞれ対応遠点Dwf,Dnf,Dtfによって規定されることになる。
Lf=F・Sf/Wf …(式1)
ここで式1中のLfは、各ユニット630w,630n,630tから対応遠点Dwf,Dnf,Dtfまでの距離を、表す。式1中のFは、各ユニット630w,630n,630tにおける焦点距離(詳細には、各レンズ634w,634n,634tとその後段レンズセットとの合成焦点)を、表す。式1中のSfは、各ユニット630w,630n,630tの対応遠点Dwf,Dnf,Dtfにて画像認識の必要とされる最小物体サイズを、意味する。この最小物体サイズSfは、例えば外部回路での車両制御にて必要とされる対応遠点Dwf,Dnf,Dtfでの物体サイズとして、物体の種類毎に水平方向及び鉛直方向の各々にて予め想定される寸法値のうち最小値等に、設定される。式1中のWfは、撮像系650のうち各ユニット630w,630n,630tにそれぞれ対応したイメージャユニット651の撮像素子811において、画像認識に必要な最小画素幅を、意味する。この最小画素幅Wfは、例えば撮像素子811の上下方向及び横方向にて共通となる画素数分の画素幅であって、撮像素子811を通して生成の外界画像においてパターンマッチングでの画像認識に最低限必要な画素数分の画素幅等に、設定される。尚、ここで撮像素子811がカラー式イメージャから構成される場合には、例えばRGB等のカラーフィルタにそれぞれ対応した複数のサブピクセルを1画素として、最小画素幅Wfは設定される。
また一方、第1〜第4注目組を構成するレンズユニット630としての各ユニット630w,630n,630tは、それぞれ対応する近点Dwc,Dnc,Dtcを対応近点として、下記の式2を個別に満たす。これにより、各ユニット630w,630n,630tを個別に通した外界撮像においてピントの合う結像限界位置は、それぞれ近点Dwc,Dnc,Dtcによって規定されることになる。
Lc=F・Dc/Pc …(式2)
ここで式2中のLcは、各ユニット630w,630n,630tから対応近点Dwc,Dnc,Dtcまでの距離を、表す。式2中のFは、式1の場合と同様、各ユニット630w,630n,630tにおける焦点距離を、表す。式2中のDcは、各ユニット630w,630n,630tにおける有効径を、表す。この有効径Dcは、例えば各ユニット630w,630n,630tの鏡筒632w,632n,632tにおいて、レンズ634w,634n,634tを露出させる筒窓の直径等に、設定される。式2中のPcは、撮像系650のうち各ユニット630w,630n,630tにそれぞれ対応したイメージャユニット651の撮像素子811における複数画素の画素ピッチを、表す。この画素ピッチPcは、例えば撮像素子811の上下方向及び横方向にて共通となる各画素の配列ピッチ等に、設定される。尚、ここで撮像素子811がカラー式イメージャから構成される場合には、例えばRGB等のカラーフィルタにそれぞれ対応した複数のサブピクセルを1画素として、画素ピッチPcは設定される。
以上の第2形態による作用効果を、以下に説明する。
第2形態によると、互いにずれた光軸Aw,An,Atまわりの互いに異なる画角θw,θn,θtのうち、少なくとも2つずつ同士がオーバーラップするように、第1〜第4注目組のレンズユニット630はそれぞれ構成される。こうした第1〜第4注目組では、構成するレンズユニット630同士が車両2の上下方向にて重なる配置構造により、光軸Aw,An,Atのうち少なくとも2つずつ同士が車両2の横方向にて近接する。これによれば図22に例示するように、第1〜第4注目組をそれぞれ構成する各レンズユニット630を個別に通して生成される外界画像同士では、同一箇所Pw,Pn,Ptが映る画素の対応光軸Aw,An,Atに対する位置座標に、横方向の大きなずれは生じ難くなる。故に、第1〜第4注目組の各レンズユニット630を通した外界撮像による画像位置精度を、横方向にて高めることができる。ここで特に第2注目組だけを見れば、狭角ユニット630nとは別の狭角ユニットとして画角θtが画角θwよりも狭い望遠ユニット630tと、当該画角θwの広角ユニット630wとにより、そうした高い画像位置精度が実現され得るといえる。
また、第2形態の第1〜第4注目組によると、構成するレンズユニット630の光軸Aw,An,Atのうち、少なくとも2つずつ同士が上下方向に限って偏心した状態となる。これによれば、第1〜第4注目組をそれぞれ構成する各レンズユニット630を通して生成の外界画像同士にて、同一箇所Pw,Pn,Ptが映る画素の位置座標に横方向のずれ自体が生じ難くなる。故に、外界撮像による高い画像位置精度を、横方向では少ないずれ補正量にて確保することできる。
また、第2形態の第1及び第3注目組によると、上下方向に重なるレンズユニット630の被写界深度Dw,Dn,Dtのうち2つずつ同士は、オーバーラップする領域Rnw,Rtnを形成することになる。これによれば、第1及び第3注目組をそれぞれ構成する各レンズユニット630を通した外界撮像により、オーバーラップ領域Rnw,Rtnを含んだ広い範囲でピントを合わせて、横方向での画像位置精度を高めることができる。
また第2形態によると、第1及び第4注目組のレンズユニット630として、画角θwの広い広角ユニット630wと画角θnの狭い狭角ユニット630nとでは、上下方向にて重なる配置構造により、光軸Aw,An同士が横方向にて近接する。これによれば、広角ユニット630wと狭角ユニット630nとをそれぞれ通して生成される外界画像同士では、同一箇所Pw,Pnが映る画素の位置座標に横方向の大きなずれは生じ難くなる。故に狭角ユニット630nと、その被写界深度Dnの近点Dncよりも奥行側に遠点Dwfが設定される被写界深度Dwの広角ユニット630wとを通すことで、それら両被写界深度同士のオーバーラップ領域Rnwを含んだ広い範囲でピントを合わせて、外界撮像による横方向での画像位置精度を高めることができる。
また第2形態によると、第4注目組のレンズユニット630として、広角ユニット630w及び狭角ユニット630nと、それらよりも画角θtの狭い望遠ユニット630tとでは、上下方向にて重なる配置構造により、光軸Aw,An,At同士が横方向にて近接する。これによれば、広角ユニット630wと狭角ユニット630nと望遠ユニット630tとをそれぞれ通して生成される外界画像同士では、同一箇所Pw,Pn,Ptが映る画素の位置座標に横方向の大きなずれは生じ難くなる。故に望遠ユニット630tと、その被写界深度Dtの近点Dtcよりも奥行側に遠点Dnfが設定される被写界深度Dnの狭角ユニット630nと、上述した被写界深度Dwの広角ユニット630wとを通すことで、それら被写界深度のうち2つずつ同士のオーバーラップ領域Rtn,Rnwを含んだ広い範囲でピントを合わせて、外界撮像による横方向での画像位置精度を高めることができる。
さて第2形態によると、画角θn,θw同士のオーバーラップした第1注目組を構成するレンズユニット630の被写界深度Dn,Dw同士では、外界5において一方の近点Dnc及び遠点Dnfの間に他方の遠点Dwfが設定されることで、それら深度Dn,Dw同士のオーバーラップする領域Rnwが形成される。ここで第1注目組での一方及び他方の各遠点Dnf,Dwfは、それぞれ対応するレンズユニット630を個別に通した外界撮像による画像認識の限界位置を、規定する。これによれば、第1注目組において被写界深度Dn,Dw同士のオーバーラップする各レンズユニット630を通して生成の外界画像ではいずれも、当該オーバーラップの領域Rnwにて移動する物体を画像認識して判別することが可能となる。故に、第1注目組の各レンズユニット630を通した外界撮像の結果となる外界画像では、被写界深度Dn,Dw同士のオーバーラップ領域Rnwにて移動物体がロストされる事態を、回避することができる。
また第2形態によると、画角θt,θn同士のオーバーラップした第3注目組を構成するレンズユニット630の被写界深度Dt,Dn同士では、外界5において一方の近点Dtc及び遠点Dtfの間に他方の遠点Dnfが設定されることで、それら深度Dt,Dn同士のオーバーラップする領域Rtnが形成される。ここで第3注目組での一方及び他方の各遠点Dtf,Dnfは、それぞれ対応するレンズユニット630を個別に通した外界撮像による画像認識の限界位置を、規定する。これによれば、第3注目組において被写界深度Dt,Dn同士のオーバーラップする各レンズユニット630を通して生成の外界画像ではいずれも、当該オーバーラップの領域Rtnにて移動する物体を画像認識して判別することが可能となる。故に、第3注目組の各レンズユニット630を通した外界撮像の結果となる外界画像では、被写界深度Dt,Dn同士のオーバーラップ領域Rtnにて移動物体がロストされる事態を、回避することができる。
また第2形態によると、第1及び第3注目組を構成するレンズユニット630は、それぞれ対応する遠点Dwf,Dnf,Dtfを対応遠点とした上述の式1を、満たす。これによれば、第1及び第3注目組での各遠点Dwf,Dnf,Dtfは、それぞれ対応するレンズユニット630を通した外界撮像による画像認識の限界位置を、正確に規定し得る。故にオーバーラップ領域Rnw,Rtnでは、画像認識不良に起因した移動物体のロストを回避する効果の信頼性を、担保することができる。
また第2形態によると、第1及び第3注目組を構成するレンズユニット630は、それぞれ対応する近点Dwc,Dnc,Dtcを対応近点とした上述の式2を、満たす。これによれば、第1及び第3注目組での各近点Dwc,Dnc,Dtcは、それぞれ対応するレンズユニット630を通した外界撮像によりピントの合う結像限界位置を、正確に規定し得る。故に、オーバーラップ領域Rnw,Rtnでは、結像不良に起因した移動物体のロストを回避する効果の信頼性を、担保することができる。
また、車両用カメラの第2形態としてのカメラモジュール1aによれば、カメラモジュール1aで撮影した画像を、車載通信システム100を介して他のECU110に高速に転送することができる。この結果、例えば、自動運転ECUが、カメラモジュール1で撮像した画像を利用した運転支援を容易に行うことが可能である。
本発明は上述した実施形態やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。