JP6952297B2 - 細胞培養用中空糸膜及び細胞培養方法 - Google Patents
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Description
項1. 細胞を中空部分内に導入して培養するための高分子製中空糸膜であり、内径が20μm〜150μmの範囲であり、膜厚が30μm〜250μmの範囲であり、中空糸膜壁を液体が通過することのできる多孔質となっている、細胞培養用中空糸膜。
項2. 前記中空糸膜が、孔径0.02μm〜0.5μmの範囲である、項1に記載の細胞培養用中空糸膜。
項3. 前記中空糸膜の水に対する接触角が60°以下であり、25℃の純水透水量が300L/(m2・atm・h)以上である、項1または2に記載の細胞培養用中空糸膜。
項4. 前記中空糸膜が、ポリアミド及び/又はポリアミドの共重合体である、項1〜3のいずれかに記載の細胞培養用中空糸膜。
項5. 前記中空糸膜の内径が、90μm〜150μmの範囲である、項1〜4いずれかに記載の細胞培養用中空糸膜。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の細胞培養用中空糸膜が複数本同方向に配置されており、片方の端部又は両方の端部が接着剤によってシールされており、少なくとも一方の端部は開口した状態となっている、細胞培養用の中空糸膜モジュール。
項7. 項1〜5のいずれかに記載の細胞培養用中空糸膜の内部に細胞を充填し、前記細胞培養用中空糸膜を当該細胞の培養液に浸漬し、当該細胞にとって適切な温湿度、ガス雰囲気下に置いて培養する、細胞の培養方法。
粒子阻止率=(初期吸光度−透過液吸光度)/初期吸光度×100
熱誘起相分離法にて製膜した孔径0.1μmのポリアミド6中空糸膜(内径118μm、膜厚85μm、透水量1500L/(m2・atm・h)、水接触角51°、ユニチカ株式会社製)を9本束ね、有効長さ26mmになるようにモジュールを作製した。モジュールは両端をシリコンゴムで接着し、片端は注射筒に連結できるような構造にした。中空糸膜内部の有効培養体積は2.6mm2であった。このモジュールにラット初代肝細胞を2.2×106個導入し、遠心機にて200G×180秒遠心し細胞を充填した。これを培地中に置き温度37℃、湿度95%、二酸化炭素濃度5%の条件下45rpmで旋回培養した。その結果、細胞生存率は図2に示すように7日間培養後も40%以上と高い値を示した。また、図3に示すようにアンモニア除去速度は約400μmol/cm3/日、図4に示すようにアルブミン分泌速度は約2mg/cm3/日といずれも高い値を示し、肝細胞として高い機能を発現したことが分かった。
培養7日後の中空糸膜中の細胞において、酸素欠乏性を把握するため低酸素誘導因子の発現を免疫蛍光染色によって確認したところ、図5に示すように緑色の細胞は中心部までほとんど無く、酸素が欠乏していない様子が確認できた。
ポリアミド6中空糸膜に孔径0.1μm、内径148μm、膜厚94μm、透水量1500L/(m2・atm・h)、水接触角51°のものを用い、これを8本束ね、有効長さ19mmになるようにモジュールを作製した以外は実施例1と同様にラット初代肝細胞を培養した。この時のモジュールの有効培養体積は2.6mm2であった。その結果、細胞生存率は図2に示すように7日間培養後も40%以上と高い値を示した。また、図3に示すように7日間培養後のアンモニア除去速度は約350μmol/cm3/日、図4に示すように7日間培養後のアルブミン分泌速度は約2mg/cm3/日といずれも高い値を示し、肝細胞として高い機能を発現したことが分かった。
中空糸膜にエチレン−ビニルアルコールコートのポリエチレン製血漿分離膜(孔径0.3μm、内径330μm、膜厚50μm)を用い、これを2本束ね、有効長さ15mmになるようにモジュールを作製した以外は実施例1と同様にラット初代肝細胞を培養した。この時のモジュールの有効培養体積は2.6mm2であった。その結果、細胞生存率は図2に示すように7日間培養後には15%程度と著しく低下した。また、図3に示すように7日間培養後のアンモニア除去速度は約200μmol/cm3/日、図4に示すように7日間培養後のアルブミン分泌速度は約0.8mg/cm3/日といずれも低くなった。
培養7日後の中空糸膜中の細胞において、酸素欠乏性を把握するため低酸素誘導因子の発現を免疫蛍光染色によって確認したところ、図6に示すように中空糸膜内部の細胞はほとんどが緑色に発色しており、大部分の細胞において酸素が欠乏している様子が確認できた。
中空糸膜にポリアミド6中空糸膜(孔径0.1μm、内径366μm、膜厚105μm、透水量4000L/(m2・atm・h)、水接触角51°、ユニチカ株式会社製)を用い、これを2本束ね、有効長さ12mmになるようにモジュールを作製した以外は実施例1と同様にラット初代肝細胞を培養した。この時のモジュールの有効培養体積は2.5mm2であった。その結果、細胞生存率は7日間培養後には20%程度と著しく低下した。
実施例1で使用した孔径0.1μmのポリアミド6中空糸膜(内径118μm、膜厚85μm、透水量1500L/(m2・atm・h)、水接触角51°、ユニチカ株式会社製)を10本束ね、有効長さ22mmになるようにモジュールを作製した。モジュールは両端をシリコンゴムで接着し、片端は注射筒に連結できるような構造にした。中空糸膜内部の有効培養体積は2.4mm2であった。このモジュールに、マウス肝がん由来ヘパトーマ細胞(Hepa1−6)に対し、薬剤誘導型遺伝子発現誘導系を用いて8つの肝転写因子を発現するよう樹立された細胞株を導入し、実施例1と同様に、遠心機にて200G×180秒遠心し細胞を充填した。細胞に導入した導入転写因子は、Hepatocyte nuclear factor(HNF)−1α、−1β、−3β、−4α、6及び、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)−α、−β、−γである(Biochemical Engineering Journal 60,67-73, 2012)。このモジュールを培養5日目まではDMEM及び10%FBSの培地にて増殖培養を行い、5日目からはドキシサイクリンを0.1μg/mL添加した培地にて機能発現誘導を行った。その結果、細胞数は図7に示すように5日目まで細胞は順調に増殖し、機能発現誘導以降は徐々に低減した。またアンモニア除去速度は図8のように12日後に約700μmol/cm3/日と高い値を示し、尿素生成速度も図9のように12日後に約30mg/cm3/日と高い値を示した。このことから、遺伝子導入細胞株においても本発明の中空糸膜を用いることで効果的な増殖、機能発現ができることがわかった。
中空糸膜に三酢酸セルロース製の血漿分離膜(孔径0.2μm、内径285μm、膜厚51μm)を用い、これを6本束ね、有効長さ30mmになるようにモジュールを作製した以外は実施例3と同様にマウス肝がん由来ヘパトーマ細胞(Hepa1−6)に対し、薬剤誘導型遺伝子発現誘導系を用いて8つの肝転写因子を発現するよう樹立された細胞株を増殖培養、機能発現誘導した。このモジュールの有効培養体積は11.5mm2であった。その結果、図7に示すように5日目まで細胞は順調に増殖し、機能発現誘導以降は徐々に低減した。しかし、図8、図9に示すように機能発現はほとんど認められなかった。このことから、この中空糸膜では遺伝子導入細胞株での機能発現はできないことが分かった。
2:中空糸膜
3:受け皿
4:圧力調整バルブ
5:入口圧力計
6:出口圧力計
Claims (3)
- 細胞を中空部分内に導入して培養するための高分子製中空糸膜(但し、異形断面を有する中空糸膜を除く)であり、
前記中空糸膜は、ポリアミド及び/又はポリアミドの共重合体であり、
前記ポリアミドの共重合体は、ポリアミド成分の比率が70モル%以上であり、
内径が90μm〜150μmの範囲であり、
膜厚が30μm〜250μmの範囲であり、
孔径が0.05μm〜0.2μmであり、
中空糸膜壁を液体が通過することのできる多孔質となっており、
前記中空糸膜の水に対する接触角が60°以下であり、25℃の純水透水量が300L/(m2・atm・h)以上であることを特徴とする、細胞培養用中空糸膜。 - 請求項1に記載の細胞培養用中空糸膜が複数本同方向に配置されており、片方の端部又は両方の端部が接着剤によってシールされており、少なくとも一方の端部は開口した状態となっている、細胞培養用の中空糸膜モジュール。
- 請求項1に記載の細胞培養用中空糸膜の内部に細胞を充填し、前記細胞培養用中空糸膜を当該細胞の培養液に浸漬し、当該細胞にとって適切な温湿度、ガス雰囲気下に置いて培養する、細胞の培養方法。
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