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JP6948273B2 - ハニカムフィルタ - Google Patents

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JP6948273B2
JP6948273B2 JP2018018956A JP2018018956A JP6948273B2 JP 6948273 B2 JP6948273 B2 JP 6948273B2 JP 2018018956 A JP2018018956 A JP 2018018956A JP 2018018956 A JP2018018956 A JP 2018018956A JP 6948273 B2 JP6948273 B2 JP 6948273B2
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Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質(パティキュレートマター(以下、「PM」という場合がある。))等を除去するためのハニカムフィルタに関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、環境汚染の原因となるような炭素を主成分とするスス等のPMが多量に含まれている。そのため、ディーゼルエンジン等の排気系には、PMを除去(捕集)するためのフィルタが搭載されることが一般的である。
このような目的で使用されるフィルタとして、セラミック材料等からなるハニカムフィルタが広く使用されている。通常、ハニカムフィルタは、ハニカム構造部と目封止部とから構成される。ハニカム構造部は、流体が流入する側の端面である流入端面から流体が流出する側の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する。このハニカム構造部の何れかの端面において、各セルの一方の端部を目封止する目封止部を配設することにより、ハニカムフィルタが得られる(例えば、特許文献1,2参照)。
このようなハニカムフィルタを排ガスに含まれるPMの除去に用いると、排ガスは、ハニカムフィルタの流入端面から、流出端面において端部が目封止されたセル内に流入する。その後、排ガスは、多孔質の隔壁を透過して、流入端面において端部が目封止されたセル内に移動する。そして、排ガスが、多孔質の隔壁を透過する際に、この隔壁が濾過層となり、排ガス中のPMが隔壁に捕捉されて隔壁上に堆積する。こうして、PMが除去された排ガスは、その後、流出端面から外部に流出する。
ところで、ハニカムフィルタを長期間継続して使用するためには、定期的にフィルタに再生処理を施す必要がある。即ち、ハニカムフィルタの隔壁上に経時的に堆積したPMによって増大した圧力損失を低減させてフィルタ性能を初期状態に戻すため、隔壁上に堆積したPMを燃焼させて除去する必要がある。
再生時のハニカムフィルタの温度は、通常は800〜900℃程度である。しかし、前回の再生時におけるPMの燃焼が不十分でフィルタ内にPMが過剰に堆積している場合には、ハニカムフィルタの温度が、その耐熱限界温度である1300℃前後まで上昇し、ハニカムフィルタにクラックが発生することが有る。
このようなクラックが発生したハニカムフィルタをそのまま使い続けると、そのクラックからPMが漏れ出し、環境を汚染することになるため、クラックの発生を検知できるようにする技術が求められている。
ハニカムフィルタのクラックを検知するための技術としては、ハニカムフィルタの下流側に、ハニカムフィルタのクラックから漏れ出したPMを検知できる装置を配置することが考えられる。従来、PMを検知できる装置として、PMの粒子数(PN:Particle Number)を測定するPN測定装置や、PMの重量を測定するPMセンサが知られている。
特開昭57−7215号公報 特開2000−279729号公報
しかしながら、PN測定装置は、非常に高価であることに加え、市販の車両に搭載することが困難なほど大型であるため、これを用いてクラックの発生を検知することは現実的ではない。また、PMセンサは、ハニカムフィルタに生じたクラックが微細なものである場合は、そのクラックの発生を検知することが困難である。即ち、微細なクラックから漏れ出すことができるPMは、粒径が小さく極めて軽量であるため、一般的なPMセンサの感度では、クラックから漏れ出したPMによる重量の増加を検知できない。
また、ハニカムフィルタの圧力損失の変化によって、ハニカムフィルタのクラックを検知することも考えられるが、上記のようにハニカムフィルタに生じたクラックが微細なものである場合は、圧力損失の変化が小さ過ぎて、クラックの発生を検知することは困難である。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、ハニカムフィルタの再生時において、過剰な昇温によりクラックが発生した場合に、そのクラックの発生を安価かつ容易に検知可能なハニカムフィルタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のハニカムフィルタが提供される。
[1] 複数個のハニカムセグメントから構成されたハニカムフィルタであって、
前記ハニカムセグメントは、流体が流入する側の端面である流入端面から流体が流出する側の端面である流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、複数の前記セルにおける前記流入端面側又は前記流出端面側の何れか一方の端部に配設された目封止部と、を備えたものであり、
前記ハニカムフィルタは、複数個のハニカムセグメントが、前記セルの延びる方向と垂直の方向において組み合わせられ、接合一体化したものであり、
前記ハニカム構造部は、炭化珪素からなる骨材と、前記骨材同士を結合する結合材とから構成されており、
前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に直交する断面において、当該断面の重心を中心とする直径3.6cmの円内に少なくともその一部が含まれる前記ハニカムセグメントを内側セグメントとし、それ以外の前記ハニカムセグメントを外側セグメントとし、
前記外側セグメントの内の少なくとも1つは、前記隔壁の表面に、厚さ0.3μm以下の保護層を有するか、保護層を有さない低耐熱性セグメントであり、
前記内側セグメント及び前記外側セグメントの内、前記低耐熱性セグメント以外のものは、前記隔壁の表面に厚さ0.5〜7.3μmの保護層を有する高耐熱性セグメントであり、
前記保護層は、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含む層であり、
前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に直交する断面における全ての前記ハニカムセグメントの断面積に対する前記低耐熱性セグメントの断面積の比率が、16〜76%であるハニカムフィルタ。
[2] 前記高耐熱性セグメントの前記保護層の厚さが、1.0〜6.0μmである[1]に記載のハニカムフィルタ。
[3] 前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に直交する断面における全ての前記ハニカムセグメントの断面積に対する前記低耐熱性セグメントの断面積の比率が、32〜66%である[1]又は[2]に記載のハニカムフィルタ。
[4] 前記結合材が、珪素又はコージェライトを含むものである[1]〜[3]の何れかに記載のハニカムフィルタ。
[5] 前記ハニカム構造部に触媒が担持された[1]〜[4]の何れかに記載のハニカムフィルタ。
本発明のハニカムフィルタは、フィルタ内の最高温度が、クラックが発生するレベルの温度となった時に、ハニカムフィルタを構成する一部のハニカムセグメントがアクティブ酸化によりファイバー化して、変形する。そして、この変形により、ハニカムフィルタには、比較的粒径が大きく重量の重いPMでも通過できるような大きなクラックが発生する。このため、本発明のハニカムフィルタにおいては、クラックから漏れ出したPMのPMセンサによる検知や、変形による圧力損失の変化の検知が容易であり、高価で大型なPN測定装置を使用しなくても、クラックの発生を容易に検知することができる。
本発明のハニカムフィルタの一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面において、内側セグメントと外側セグメントとを示す説明図である。 ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面において、内側セグメントと外側セグメントとを示す説明図である。 低耐熱性セグメントの一の実施形態であって、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。 低耐熱性セグメントの他の一の実施形態であって、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。 高耐熱性セグメントの一の実施形態であって、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明のハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明の要件を満たさないハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 本発明の要件を満たさないハニカムフィルタにおける、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。 エンジンをアイドル状態としてハニカムフィルタを再生した場合において、ハニカムフィルタにファイバー化による変形が生じたときの圧力損失の変化を示すグラフである。 エンジンをアイドル状態としてハニカムフィルタを再生した場合において、ハニカムフィルタにファイバー化による変形が生じなかったときの圧力損失の変化を示すグラフである。
以下、本発明を具体的な実施形態に基づき説明するが、本発明は、それらの実施形態に限定されて解釈されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等を加え得るものである。
(1)ハニカムフィルタ:
図1は、本発明のハニカムフィルタの一の実施形態を模式的に示す斜視図である。本発明のハニカムフィルタの一の実施形態であるハニカムフィルタ100は、複数個のハニカムセグメント7から構成される。ハニカムセグメント7は、ハニカム構造部4と目封止部3とを備える。ハニカム構造部4は、排ガス等の流体が流入する側の端面である流入端面11から流体が流出する側の端面である流出端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有する。目封止部3は、複数のセル2における流入端面11側又は流出端面12側の何れか一方の端部に配設されている。ハニカムフィルタ100が、複数個のハニカムセグメント7が、セル2の延びる方向と垂直の方向において組み合わせられ、接合材8を介して接合一体化することによって構成されている。
ハニカムフィルタ100を構成する複数個のハニカムセグメント7は、その一部が内側セグメント7aであり、残りの一部が外側セグメント7bである。図2及び図3は、ハニカムフィルタ100のセルの延びる方向に直交する断面において、内側セグメント7aと外側セグメント7bとを示す説明図である。尚、これらの図においては、ハニカムセグメント7の隔壁や目封止部の描画は省略されている。
本発明においては、図2及び図3に示すように、ハニカムフィルタ100のセルの延びる方向に直交する断面において、当該断面の重心Gを中心Oとする直径3.6cmの円13内に少なくともその一部が含まれるハニカムセグメント7を内側セグメント7aとする。また、この内側セグメント7a以外のハニカムセグメントを外側セグメント7bとする。尚、ここで言う「重心」とは、ハニカムフィルタ100のセル2の延びる方向に直交する断面において、ハニカムフィルタ100の外周縁により描かれる図形の重心のことである。図2の例では、ハニカムフィルタ100を構成する16個のハニカムセグメント7の内、円13内に少なくともその一部が含まれる4個のハニカムセグメント7が内側セグメント7aであり、それ以外の12個のハニカムセグメント7が外側セグメント7bである。また、図3の例では、ハニカムフィルタ100を構成する25個のハニカムセグメント7の内、円13内に少なくともその一部が含まれる1個のハニカムセグメント7が内側セグメント7aであり、それ以外の24個のハニカムセグメント7が外側セグメント7bである。
ハニカムフィルタ100において、外側セグメント7bの内の少なくとも1つは、低耐熱性セグメントである。また、内側セグメント7a及び外側セグメント7bの内、低耐熱性セグメント以外のものは、高耐熱性セグメントである。ここで、低耐熱性セグメントとは、隔壁の表面に、厚さ0.3μm以下の保護層を有するか、保護層を有さないハニカムセグメントである。また、高耐熱性セグメントとは、隔壁の表面に厚さ0.5〜7.3μmの保護層を有するハニカムセグメントである。尚、保護層とは、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含む層である。
図4は、低耐熱性セグメントの一の実施形態であって、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。図5は、低耐熱性セグメントの他の一の実施形態であって、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。図6は、高耐熱性セグメントの一の実施形態であって、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。
図4に示す低耐熱性セグメントBの一の実施形態においては、隔壁1の表面に、厚さ0.3μm以下の保護層6が形成されている。また、図5に示す低耐熱性セグメントBの他の一の実施形態においては、隔壁1の表面に、保護層が形成されておらず、隔壁1の表面が、セル2内に直接露出した状態となっている。また、図6に示す高耐熱性セグメントAの一の実施形態においては、隔壁1の表面に、厚さ0.5〜7.3μmの保護層5が形成されている。
尚、このような保護層の有無や厚さ以外の構造は、低耐熱性セグメントBと高耐熱性セグメントAとで同一であってよい。即ち、低耐熱性セグメントBと高耐熱性セグメントAとの何れにおいても、ハニカム構造部4は、流入端面11から流出端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有する。複数のセル2の内の一部のセルは、ハニカム構造部4の流入端面11側において、端部が目封止部3によって目封止された入口目封止セル2bである。また、複数のセル2の内の残りのセルは、ハニカム構造部4の流出端面12側において、端部が目封止部3によって目封止された出口目封止セル2aである。出口目封止セル2aと入口目封止セル2bとは、隔壁1を隔てて隣接するように交互に配置されている。
高耐熱性セグメントAの保護層5は、高耐熱性セグメントAのアクティブ酸化を抑制するために形成されたものである。ここで、「アクティブ酸化」とは、炭化珪素材料が、低酸素雰囲気下で高温に晒された際に生じる、炭化珪素の酸化分解反応である。具体的には、下式(1)のように、炭化珪素(SiC)から一酸化珪素(SiO)ガスが発生する。このアクティブ酸化によって発生したSiOガスは、その後、下式(2)のように、雰囲気中の酸素(O)と化合して二酸化珪素(SiO)からなる繊維状物質(ファイバー)を析出する。このような現象を、「ファイバー化」という。
式(1):SiC(固体)+O(気体)→SiO(気体)+CO(気体)
式(2):SiO(気体)+1/2O(気体)→SiO(固体)
隔壁1の表面に、保護層を有していないか、保護層6を有していても、その厚さが0.3μm以下である低耐熱性セグメントBでは、ハニカムフィルタ100の再生時のような低酸素雰囲気下において、1200℃程度で骨材である炭化珪素がアクティブ酸化する。そして、このアクティブ酸化によってファイバー化が生じると、低耐熱性セグメントBが変形し、それに伴って、大きなクラックが発生する。また、ファイバー化の初期段階では、低耐熱性セグメントBの変形により流路(セル)が狭まり、圧力損失が一時的に上昇する。
一方、隔壁1の表面に、厚さ0.5〜7.3μmの保護層5を有している高耐熱性セグメントAでは、ハニカムフィルタ100の再生時のような低酸素雰囲気下においても、1300℃程度まではアクティブ酸化は起こらず、ファイバー化も生じない。即ち、高耐熱性セグメントAにクラックが発生するレベルの温度は1300℃程度であり、この温度は、低耐熱性セグメントBにファイバー化が生じる温度よりも100℃程度高い。
図7〜図13は、本発明のハニカムフィルタ100における、高耐熱性セグメントAと低耐熱性セグメントBとの組み合わせの例を示す説明図である。尚、これらの図においては、ハニカムセグメントの隔壁や目封止部の描画は省略されている。また、これらの図においては、点線で囲まれたハニカムセグメントが内側セグメントであり、それ以外のハニカムセグメントが外側セグメントである。
図7の例では、ハニカムフィルタ100を構成する16個のハニカムセグメントの内、4個の内側セグメントのみが高耐熱性セグメントAであり、12個の外側セグメントは全て低耐熱性セグメントBである。図8の例では、ハニカムフィルタ100を構成する16個のハニカムセグメントの内、4個の内側セグメントと4個の外側セグメントとが高耐熱性セグメントAであり、8個の外側セグメントが低耐熱性セグメントBである。図9の例では、ハニカムフィルタ100を構成する16個のハニカムセグメントの内、4個の内側セグメントと9個の外側セグメントとが高耐熱性セグメントAであり、3個の外側セグメントが低耐熱性セグメントBである。図10の例では、ハニカムフィルタ100を構成する16個のハニカムセグメントの内、4個の内側セグメントと6個の外側セグメントとが高耐熱性セグメントAであり、6個の外側セグメントが低耐熱性セグメントBである。
また、図11の例では、ハニカムフィルタ100を構成する25個のハニカムセグメントの内、1個の内側セグメントと4個の外側セグメントとが高耐熱性セグメントAであり、20個の外側セグメントが低耐熱性セグメントBである。図12の例では、ハニカムフィルタ100を構成する25個のハニカムセグメントの内、1個の内側セグメントと8個の外側セグメントとが高耐熱性セグメントAであり、16個の外側セグメントが低耐熱性セグメントBである。図13の例では、ハニカムフィルタ100を構成する25個のハニカムセグメントの内、1個の内側セグメントと15個の外側セグメントとが高耐熱性セグメントAであり、9個の外側セグメントが低耐熱性セグメントBである。
本発明者らが検討したところによると、ハニカムフィルタ100の再生時において、最も高温となる中央付近(内側セグメントが配置された付近)の温度が、1300℃程度に達した時には、最も低温となる外周付近でも1200℃程度に達する。このため、高耐熱性セグメントAが、クラックが発生するレベルの温度(1300℃程度)に達した時には、低耐熱性セグメントBは、アクティブ酸化が生じる温度(1200℃程度)に達しており、ファイバー化による変形が始まっている。即ち、外側セグメントの内の少なくとも1つが低耐熱性セグメントBであるハニカムフィルタ100においては、高耐熱性セグメントAがクラックの発生するレベルの温度に達した時には、前記外側セグメント(低耐熱性セグメントB)に変形が生じることになる。そして、このファイバー化による変形により、ハニカムフィルタ100には、比較的粒径が大きく重量の重いPMでも通過できるような大きなクラックが発生する。また、ファイバー化の初期段階では、低耐熱性セグメントBの変形により流路(セル)が狭まり、圧力損失が一時的に上昇する。
このように、ハニカムフィルタ100は、それを構成する複数個のハニカムセグメントの一部として、高耐熱性セグメントAがクラックの発生するレベルの温度に達した時に、大きなクラックが発生するような低耐熱性セグメントBを意図的に含ませたものである。このため、本発明のハニカムフィルタ100においては、クラックから漏れ出したPMのPMセンサによる検知や、変形による圧力損失の変化の検知が容易であり、高価で大型なPN測定装置を使用しなくても、クラックの発生を容易に検知することができる。
ハニカムフィルタ100における低耐熱性セグメントB及び高耐熱性セグメントAの配置や個数は、図7〜図13の例に限定されるものではない。但し、ハニカムフィルタ100のセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメントA及び低耐熱性セグメントB)の断面積に対する低耐熱性セグメントBの断面積の比率は16〜76%であり、好ましくは32〜66%である。この比率が16%未満では、クラックの発生が検知し難くなる場合が有る。一方、この比率が76%を超えると、再生時にクラックを発生させずに燃焼させることができるPMの量が少なくなり過ぎる場合が有る。図14は、本発明の要件を満たさないハニカムフィルタにおける、低耐熱性セグメントと高耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。図14の例では、ハニカムフィルタ200を構成する25個のハニカムセグメントの内、1個の内側セグメントのみが高耐熱性セグメントAで、24個の外側セグメントが全て低耐熱性セグメントBであり、前記比率が76%を超えている。また、図15も、本発明の要件を満たさないハニカムフィルタにおける、低耐熱性セグメントと高耐熱性セグメントとの組み合わせの例を示す説明図である。図15の例では、ハニカムフィルタ300を構成する16個のハニカムセグメントの内、4個の内側セグメントが低耐熱性セグメントBで、12個の外側セグメントが高耐熱性セグメントAである。
図6に示すような高耐熱性セグメントAの隔壁1の表面に形成される保護層5の厚さは、0.5〜7.3μmであり、好ましくは1.0〜6.0μmである。この保護層5の厚さが0.5μm未満では、高耐熱性セグメントAのアクティブ酸化を十分に抑制することができず、再生時にクラックを発生させずに燃焼させることができるPMの量が少なくなり過ぎる場合が有る。一方、この保護層の厚さが7.3μmを超えると、熱膨張係数の増加により、再生時に生じる熱応力が増大してクラックが発生しやすくなり、再生時にクラックを発生させずに燃焼させることができるPMの量が少なくなり過ぎる場合が有る。
図5に示すような低耐熱性セグメントBは、隔壁1の表面に保護層が形成されていないか、例えば、図4に示すような保護層6が形成されていたとしても、その厚さは0.3μm以下である。低耐熱性セグメントBの隔壁1の表面に、厚さが0.3μmを超える保護層6が形成されていると、高耐熱性セグメントAがクラックの発生するレベルの温度に達しても、低耐熱性セグメントBにファイバー化による変形や、それに伴うクラックが生じない場合が有る。
保護層は、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含む。40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含む保護層を、0.5〜7.3μmの厚さとなるように高耐熱性セグメントAの隔壁1の表面に形成することにより、高耐熱性セグメントAのアクティブ酸化を効果的に抑制することができる。保護層に含まれる珪素と酸素との少なくとも一方が、40質量%未満であると、前記のような厚さの保護層を高耐熱性セグメントAの隔壁1の表面に形成しても、高耐熱性セグメントAのアクティブ酸化を十分に抑制することができない。尚、保護層は、49質量%以上の珪素と42質量%以上の酸素とを含むことが好ましく、50質量%以上の珪素と43質量%以上の酸素とを含むことがより好ましく、53質量%以上の珪素と46質量%以上の酸素とを含むことが更に好ましい。
このような保護層の形成方法としては、例えば、骨材が炭化珪素であるハニカムセグメントを酸素雰囲気下(例えば、酸素濃度15〜20質量%)において、900〜1400℃で5〜20時間程度加熱する方法が挙げられる。このような方法で、ハニカムセグメントを酸化処理することにより、骨材である炭化珪素の一部が酸化され、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含むシリカ(SiO)質の保護層(酸化膜)が形成される。
尚、保護層の有無の確認及び保護層の厚さの測定は、FE−EPMA(電界放出型電子線マイクロアナライザ)を用いて行うことができる。具体的には、まず、FE−EPMAにて、ハニカムセグメントの隔壁を構成するSiC粒子(骨材)を覆う、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含む層(保護層)の有無を確認する。次いで、保護層が形成されていることを確認できた隔壁から、縦100μm×横100μmの視野を無作為に5箇所抽出する。そして、それぞれの視野について、SiC粒子(骨材)を覆っている保護層を、無作為に10箇所抽出して厚さを計測し、計50箇所の厚さの平均値を保護層の厚さとする。
図1に示すようなハニカムフィルタ100のハニカム構造部4は、炭化珪素(SiC)からなる骨材と、その骨材同士を結合する結合材とから構成されている。結合材は、珪素(Si)又はコージェライトを含むものであることが好ましい。結合材が珪素を含むことにより、高い熱伝導率が得られ、フィルタ再生時の温度を抑制できる。また、結合材がコージェライトを含むことにより、熱膨張率が低くなり、クラックが発生し難くなる。
目封止部3を構成する材料としては、目封止部3とハニカム構造部4との熱膨張差を小さくするため、ハニカム構造部4を構成する材料と同じ材料を用いることが好ましい。セル2の延びる方向における目封止部3の長さ(目封止部3の深さ)は、特に限定されず、ハニカムフィルタ100の使用環境等に応じて適宜決定することができる。
隔壁1の厚さは、50〜500μmであることが好ましく、100〜400μmであることが特に好ましい。隔壁1の厚さが50μm未満であると、十分な強度が得られない場合がある。また、隔壁1の厚さが500μmを超えると、圧力損失が高くなり過ぎて、ハニカムフィルタ100をディーゼルエンジン等の排気系に搭載した場合に、エンジンの出力低下を招くことがある。
隔壁1の気孔率は、25〜80%であることが好ましく、30〜76%であることが更に好ましく、35〜72%であることが特に好ましい。隔壁1の気孔率が25%未満であると、圧力損失が高くなり過ぎて、ハニカムフィルタ100をディーゼルエンジン等の排気系に搭載した場合に、エンジンの出力低下を招くことがある。また、隔壁1の気孔率が80%を超えると、十分な強度が得られない場合がある。尚、ここで言う「気孔率」は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
隔壁1の平均細孔径は、5〜100μmであることが好ましく、7〜80μmであることが更に好ましく、9〜50μmであることが特に好ましい。隔壁1の平均細孔径が5μm未満であると、圧力損失が高くなり過ぎて、ハニカムフィルタ100をディーゼルエンジン等の排気系に搭載した場合に、エンジンの出力低下を招くことがある。また、隔壁1の平均細孔径が100μmを超えると、十分な強度が得られない場合がある。尚、ここで言う「平均細孔径」は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカム構造部4のセル密度は、15〜650セル/cmであることが好ましく、30〜550セル/cmであることが更に好ましい。ハニカム構造部4のセル密度が15セル/cm未満であると、ハニカムフィルタ100の強度や有効濾過面積が不十分となる場合がある。また、ハニカム構造部4のセル密度が650セル/cm超えると、セル2を取り囲む隔壁1の相互間の距離が短くなるため、流路(セル2)にPMの詰まりが生じる場合がある。
ハニカム構造部4のセル形状(セル2が延びる方向に直交する断面におけるセル2の形状)には、特に制限はない。好ましいセル形状としては、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形、円形、楕円形、あるいはこれらの組合せを挙げることができる。四角形の中では、正方形または長方形が好ましい。
ハニカムフィルタ100の全体形状は、特に限定されない。ハニカムフィルタ100の好ましい全体形状としては、円柱状、端面が楕円形の柱状、端面が正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、八角形等の多角形の柱状等が挙げられる。尚、図1に示すハニカムフィルタ100の形状は円柱状である。
ハニカムフィルタ100には、外周コート層9が形成されていてもよい。外周コート層9の厚さは、0.05〜3.0mmであることが好ましく、0.1〜1.5mmであることが更に好ましい。外周コート層9の厚さが0.05mm未満であると、外周コート層9の強度が不足して、外周コート層9が割れ易くなる場合が有る。また、外周コート層9の厚さが3.0mmを超えると、圧力損失が高くなり過ぎる場合が有る。
ハニカム構造部4には、触媒が担持されていることが好ましい。触媒が担持されることにより、再生時におけるPMの燃焼を促進したり、排ガス中に含まれる有害な成分を浄化したりすることができる。触媒としては、例えば、酸化触媒、三元触媒、還元触媒等を挙げることができる。
触媒の担持量は、10〜500g/Lであることが好ましく、20〜400g/Lであることが更に好ましく、30〜300g/Lであることが特に好ましい。触媒の担持量が10g/L未満であると、触媒性能が十分に発現しない場合がある。また、触媒の担持量が500g/Lを超えると、流路(セル)の断面積が小さくなり、圧力損失が高くなり過ぎる場合がある。尚、ここで言う触媒の担持量(g/L)とは、ハニカム構造部の単位体積(1L)当たりに担持される触媒の量(g)のことである。
(2)ハニカムフィルタの製造方法:
以下、本発明のハニカムフィルタの製造方法の一例を説明する。まず、セラミック原料を含有する成形原料を調製する。セラミック原料としては、骨材となる炭化珪素と、結合材となる珪素又はコージェライト化原料とからなるものが好ましい。尚、コージェライト化原料とは、焼成されることによりコージェライトになる原料のことであり、具体的には、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合された原料である。
成形原料は、前記セラミック原料に、分散媒、焼結助剤、有機バインダ、界面活性剤、造孔材等を混合して調製することが好ましい。
分散媒としては、水を用いることが好ましい。分散媒の含有量は、成形原料を混練して得られる坏土が成形しやすい硬度となるように適宜調整する。具体的な分散媒の含有量としては、成形原料全体に対して20〜80質量%であることが好ましい。
焼結助剤としては、例えば、イットリア、マグネシア、酸化ストロンチウム等を用いることができる。焼結助剤の含有量は、成形原料全体に対して0.1〜0.3質量%であることが好ましい。
有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。有機バインダの含有量は、成形原料全体に対して2〜10質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、成形原料全体に対して2質量%以下であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、澱粉、発泡樹脂、中空樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、成形原料全体に対して10質量%以下であることが好ましい。
次に、成形原料を混練して坏土を形成する。成形原料を混練して坏土を形成する方法には特に制限はない。例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次いで、得られた坏土を成形して、ハニカム成形体を形成する。ハニカム成形体は、流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有する成形体である。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法には特に制限はなく、押出成形法、射出成形法等の公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ等に対応した口金を用いて押出成形する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
こうして得られたハニカム成形体を乾燥させた後、焼成する。乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。中でも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組み合わせて行うことが好ましい。
乾燥後のハニカム成形体(ハニカム乾燥体)を焼成して、ハニカム構造部を作製する。尚、この焼成(本焼成)の前に、ハニカム成形体中に含まれているバインダ等を除去するため、仮焼(脱脂)を行うことが好ましい。仮焼の条件は、特に限定されるものではなく、ハニカム成形体中に含まれている有機物(有機バインダ、界面活性剤、造孔材等)を除去することができるような条件あればよい。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度である。そのため、仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成(本焼成)は、仮焼したハニカム成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われるものである。焼成の条件(温度、時間、雰囲気等)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。
次に、ハニカム構造部に目封止部を形成する。目封止部は、出口目封止セルについては、ハニカム構造部の流出端面側において、端部が目封止されるように形成し、入口目封止セルについては、ハニカム構造部の流入端面側において、端部が目封止されるように形成する。この目封止部の形成には、従来公知の方法を用いることができる。具体的な方法の一例としては、まず、前記のような方法で作製したハニカム構造部の端面にシートを貼り付ける。次いで、このシートの、目封止部を形成しようとするセルに対応した位置に穴を開ける。次に、このシートを貼り付けたままの状態で、目封止部の形成材料をスラリー化した目封止用スラリーに、ハニカム構造部の端面を浸漬し、シートに開けた孔を通じて、目封止しようとするセルの開口端部内に目封止用スラリーを充填する。
こうしてセル内に充填した目封止用スラリーを乾燥した後、焼成して硬化させることにより、ハニカム構造部と目封止部とを備えたハニカムセグメントが得られる。目封止部の形成材料には、ハニカム構造部の形成材料と同じ材料を用いることが好ましい。尚、目封止部の形成は、ハニカム成形体の乾燥後、仮焼後あるいは焼成(本焼成)後の何れの段階で行ってもよい。
こうして得られたハニカムセグメントの内、高耐熱性セグメントとするものには、保護層を形成するための酸化処理を施す。酸化処理の方法としては、例えば、ハニカムセグメントを酸素雰囲気下(例えば、酸素濃度15〜20質量%)において、900〜1400℃で5〜20時間程度加熱する方法が挙げられる。このような方法で、ハニカムセグメントを酸化処理することにより、骨材である炭化珪素の一部が酸化され、隔壁の表面に、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含むシリカ(SiO)質の保護層(酸化膜)が形成される。
前記のようにして得られたハニカムセグメントの内、低耐熱性セグメントとするものには、基本的に保護層は不要であるため、酸化処理を施す必要は無い。但し、低耐熱性セグメントであっても、厚さが0.3μm未満であれば、隔壁の表面に保護層が形成されていても良い。厚さが0.3μm未満の保護層は、特に酸化処理を施さなくても、上記したハニカム成形体の焼成(本焼成)の過程で形成されることが有る。尚、厚さが0.3μm未満の保護層を酸化処理によって形成する場合には、高耐熱性セグメントの保護層を形成する場合よりも、加熱雰囲気の酸素濃度を低くしたり、加熱時間を短くしたりすることにより、形成される保護層の厚さを調整することが好ましい。
次いで、高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメントのそれぞれの側面に、スラリー状の接合材を塗布し、その接合材により、当該側面同士が接合されるように、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとを組み合わせる。この時、外側セグメントの内の少なくとも1つは、低耐熱性セグメントとなるようにする。また、最終的に得られるハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメントの断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率が16〜76%となるように、高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとの個数を調整する。高耐熱性セグメントと低耐熱性セグメントとをこのように組み合わせ、接合材を加熱乾燥させることにより、複数個のハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)が接合材を介して接合一体化されたハニカムセグメント接合体が得られる。
接合材としては、例えば、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、セラミック粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材と水とを加えて混練し、スラリー状としたものが、好適に使用できる。接合材を高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメントのそれぞれの側面に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
ハニカムセグメント接合体は、そのままの状態でもハニカムフィルタとして使用できるが、必要に応じて、その外周部分に研削加工を施し、円柱状等の所望の形状としてもよい。この場合、研削加工後の外周部分(加工面)に、外周コート層を形成することが好ましい。
外周コート層は、研削加工後のハニカムセグメント接合体の加工面に、外周コート材を塗布することにより形成される。外周コート材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、セラミック粒子等の無機原料機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材と水とを加えて混練し、スラリー状としたものが好適に使用できる。外周コート材をハニカム接合体の加工面に塗布する方法は、特に限定されない。好適な方法としては、例えば、研削加工後のハニカムセグメント接合体をろくろ上で回転させながら、その加工面に、外周コート材をゴムヘラなどでコーティングする方法を挙げることができる。
(3)触媒の担持方法:
次に、前記のようにして製造されたハニカムフィルタのハニカム構造部に、触媒を担持する方法の一例を説明する。まず、担持させようとする触媒を含む触媒スラリーを調製する。この触媒スラリーを、ハニカム構造部の隔壁にコートする。コートの方法は、特に限定されない。例えば、ハニカム構造部の一方の端面を触媒スラリー中に漬けた状態で、ハニカム構造部の他方の端面から吸引する方法(吸引法)が好適なコート方法として挙げられる。こうして、ハニカム構造部の隔壁に触媒スラリーをコートした後、触媒スラリーを乾燥させる。更に、乾燥した触媒スラリーを焼成してもよい。このようにして、ハニカム構造部に酸化触媒が担持されたハニカムフィルタを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合してセラミック原料を得た。得られたセラミック原料に、有機バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、分散媒として水を添加して成形原料とし、この成形原料を真空土練機により混練して坏土を作製した。有機バインダの添加量は、セラミック原料100質量部に対し、7質量部とした。造孔材の添加量は、セラミック原料100質量部に対し、3質量部とした。水の添加量は、セラミック原料100質量部に対し、42質量部とした。
得られた坏土を、所定形状の口金を用いて押出成形し、全体形状が四角柱状のハニカム成形体を得た。こうして得られたハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機で乾燥した後、更に熱風乾燥機で乾燥させて、ハニカム乾燥体を得た。
次いで、ハニカム乾燥体の所定のセルの一方の端部と、残余のセルの他方の端部とに目封止部を形成した。目封止部の形成は、ハニカム乾燥体の両端面が、端部に目封止部が形成されたセルと、端部に目封止部が形成されていないセルとによって、市松模様を呈するように行った。目封止部の形成方法としては、まず、ハニカム乾燥体の端面にシートを貼り付け、このシートの、目封止部を形成しようとするセルに対応した位置に穴を開けた。続いて、このシートを貼り付けたままの状態で、目封止部の形成材料をスラリー化した目封止用スラリーに、ハニカム乾燥体の端面を浸漬し、シートに開けた孔を通じて、目封止しようとするセルの端部内に目封止用スラリーを充填した。尚、目封止部の形成材料には、前記成形原料と同じものを用いた。
こうして、セルの端部内に充填した目封止用スラリーを乾燥させた後、ハニカム乾燥体を、大気雰囲気にて約400℃で仮焼(脱脂)した。その後、Ar不活性雰囲気にて約1450℃で焼成することにより、ハニカムセグメントを得た。得られたハニカムセグメントは、セルの延びる方向に直交する断面が一辺36mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが152mmであった。また、得られたハニカムセグメントのハニカム構造部は、炭化珪素からなる骨材と、珪素からなり、骨材同士を結合する結合材とから構成されていた。
このようにして得られた複数個のハニカムセグメントの内の一部のハニカムセグメントに酸化処理を施して隔壁の表面に、厚さが1.5μmで、53質量%の珪素と46質量%の酸素とを含むSiO質の保護層(酸化膜)を形成した。酸化処理は、ハニカムセグメントを酸素濃度20質量%の酸素雰囲気下において、1300℃で5時間加熱する方法で行った。こうして酸化処理を施したハニカムセグメントを高耐熱性セグメントとし、酸化処理を施さなかったハニカムセグメントを低耐熱性セグメントとした。
続いて、アルミナ粉に、シリカファイバー、有機バインダ及び水を添加してスラリー状の接合材を得た。この接合材を、高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメントのそれぞれの側面に厚さ約1mmとなるように塗布した。そして、このように接合材が塗布された4個の高耐熱性セグメントAと12個の低耐熱性セグメントBとからなる合計16個のハニカムセグメントを、図7に示す配置となるように組み合わせ、ハニカムセグメント積層体を作製した。このハニカムセグメント積層体を、120℃で2時間乾燥させて、全体形状が四角柱状のハニカムセグメント接合体を得た。
次いで、このハニカムセグメント接合体の全体形状が円柱状となるように、その外周を研削加工した。研削加工後、その加工面に接合材と同じ組成の外周コート材を1mmの厚さで塗布し、700℃で2時間乾燥硬化させて外周コート層を形成した。
こうして作製された実施例1のハニカムフィルタは、直径が144mmで、長さが152mmであった。隔壁の厚さは320μmで、隔壁の気孔率は52%であった。セル密度は46セル/cmで、セル形状は正方形であった。ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)の断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率は、66%であった。
(実施例2〜4,6〜8)
酸化処理の条件を調整することにより、高耐熱性セグメントの保護層の珪素と酸素との含有量及び/又は保護層の厚さを表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4,6〜8のハニカムフィルタを作製した。
(実施例5)
各ハニカムセグメントのハニカム構造部に触媒を担持させた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のハニカムフィルタを作製した。尚、触媒の担持は、吸引法により、ハニカムセグメント接合体の隔壁の表面に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)を5:1の比率で含有する触媒スラリーのコート層を形成した後、 加熱乾燥することにより行った。ハニカムフィルタの体積1リットル当たりの貴金属(Pt、Rh)の合計担持量は15gとした。
(実施例9)
低耐熱性セグメントとして、隔壁の表面に、厚さが0.3μmで、50質量%の珪素と43質量%の酸素とを含むSiO質の保護層(酸化膜)を形成したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例9のハニカムフィルタを作製した。
(実施例10)
セラミック原料の金属珪素粉末をコージェライト化原料に変更した以外は、実施例4と同様にして、実施例10のハニカムフィルタを作製した。
(実施例11)
酸化処理の条件を調整することにより、高耐熱性セグメントの保護層の厚さを表1に示す値に変更するとともに、各ハニカムセグメントのハニカム構造部に触媒を担持させた以外は、実施例10と同様にして、実施例11のハニカムフィルタを作製した。尚、触媒の担持は、吸引法により、ハニカムセグメント接合体の隔壁の表面に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)を5:1の比率で含有する触媒スラリーのコート層を形成した後、加熱乾燥することにより行った。ハニカムフィルタの体積1リットル当たりの貴金属(Pt、Rh)の合計担持量は15gとした。
(実施例12)
13個の高耐熱性セグメントAと3個の低耐熱性セグメントBとからなる合計16個のハニカムセグメントを、図9に示す配置となるように組み合わせた以外は、実施例2と同様にして、実施例12のハニカムフィルタを作製した。尚、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)の断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率は、16%であった。
(実施例13)
10個の高耐熱性セグメントAと6個の低耐熱性セグメントBとからなる合計16個のハニカムセグメントを、図10に示す配置となるように組み合わせた以外は、実施例1と同様にして、実施例13のハニカムフィルタを作製した。尚、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)の断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率は、32%であった。
(実施例14)
5個の高耐熱性セグメントAと20個の低耐熱性セグメントBとからなる合計25個のハニカムセグメントを、図11に示す配置となるように組み合わせた以外は、実施例1と同様にして、実施例14のハニカムフィルタを作製した。但し、使用したハニカムセグメントは、セルの延びる方向に直交する断面が一辺39mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが152mmであった。また、ハニカムフィルタは、直径が191mmで、長さが152mmであった。尚、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)の断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率は、76%であった。
(実施例15)
9個の高耐熱性セグメントAと16個の低耐熱性セグメントBとからなる合計25個のハニカムセグメントを、図12に示す配置となるように組み合わせた以外は、実施例1と同様にして、実施例15のハニカムフィルタを作製した。但し、使用したハニカムセグメントは、セルの延びる方向に直交する断面が一辺39mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが152mmであった。また、ハニカムフィルタは、直径が191mmで、長さが152mmであった。尚、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)の断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率は、56%であった。
(比較例1)
16個のハニカムセグメントが全て低耐熱性セグメントである以外は、実施例1と同様にして、比較例1のハニカムフィルタを作製した。
(比較例2)
12個の高耐熱性セグメントAと4個の低耐熱性セグメントBとからなる合計16個のハニカムセグメントを、図15に示す配置となるように組み合わせた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のハニカムフィルタを作製した。比較例2のハニカムフィルタは、4個の内側セグメントが低耐熱性セグメントBで、12個の外側セグメントが高耐熱性セグメントAである。
(比較例3)
酸化処理の条件を調整することにより、高耐熱性セグメントの保護層の珪素と酸素との含有量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のハニカムフィルタを作製した。
(比較例4)
4個の高耐熱性セグメントAの代わりに、4個の低耐熱性セグメントを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のハニカムフィルタを作製した。但し、この4個の低耐熱性セグメントは、隔壁の表面に、厚さが0.3μmで、51質量%の珪素と43質量%の酸素とを含むSiO質の保護層(酸化膜)を形成したものである。尚、残りの12個の低耐熱性セグメントBは、酸化処理を施しておらず、隔壁の表面に保護層が形成されていないものである。
(比較例5)
16個のハニカムセグメントが全て高耐熱性セグメントである以外は、実施例1と同様にして、比較例5のハニカムフィルタを作製した。
(比較例6)
1個の高耐熱性セグメントAと24個の低耐熱性セグメントBとからなる合計25個のハニカムセグメントを、図14に示す配置となるように組み合わせた以外は、実施例1と同様にして、比較例6のハニカムフィルタを作製した。但し、使用したハニカムセグメントは、セルの延びる方向に直交する断面が一辺39mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが152mmであった。また、ハニカムフィルタは、直径が191mmで、長さが152mmであった。尚、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する断面における全てのハニカムセグメント(高耐熱性セグメント及び低耐熱性セグメント)の断面積に対する低耐熱性セグメントの断面積の比率は、95%であった。
(評価)
上記のようにして作製された実施例1〜15及び比較例1〜6のハニカムフィルタについて、下記に示す方法により、「PM堆積限界」、「圧力損失の検知性能」及び[総合判定]の各評価を行った。その結果を表2に示す。
[PM堆積限界]
まず、排気量3000cc、直列6気筒のコモンレール式直噴ディーゼルエンジンから排出される排ガスをハニカムフィルタに流入させて、ハニカムフィルタ内にPMを6g/L堆積させた。次いで、上記ディーゼルエンジンの排気系に酸化触媒を設置し、その下流に、上記のようにしてPMを堆積させたハニカムフィルタを設置した。次に、上記ディーゼルエンジンをエンジン回転数2000rpm、エンジントルク178N・mに保った状態でポスト噴射を行い、ハニカムフィルタへ流入する排ガスの温度が600℃に達した後、アイドル状態に切り換えて、ハニカムフィルタの強制再生を行った。その後、ハニカムフィルタを取り外し、X線CTスキャナによってハニカムフィルタのクラックの有無を観察した。ハニカムフィルタ内のPMの堆積量を次第に増加させて、この操作を繰り返し行い、ハニカムフィルタにクラックが発生しない最大のPM堆積量を調べた。評価は、比較例5のハニカムフィルタを基準とした。例えば、表2中の「−1g/L」は、ハニカムフィルタにクラックが発生しない最大のPM堆積量が、比較例5と比べて、1g/L少なかったことを示している。ハニカムフィルタにクラックが発生しない最大のPM堆積量が、比較例5と同等だった場合を「A」とし、比較例5よりも少ないが、比較例5との差が1g/L以下であった場合を「B」とし、比較例5との差が1g/Lを超えていた場合を「C」とした。
[圧力損失の検知性能]
まず、排気量3000cc、直列6気筒のコモンレール式直噴ディーゼルエンジンから排出される排ガスをハニカムフィルタに流入させて、ハニカムフィルタ内にPMを堆積させた。PMの堆積量は、上記PM堆積限界において調べた、「ハニカムフィルタにクラックが発生しない最大のPM堆積量」よりも多い量とした。次いで、上記ディーゼルエンジンの排気系に酸化触媒を設置し、その下流に、上記のようにしてPMを堆積させたハニカムフィルタを設置した。次に、上記ディーゼルエンジンをエンジン回転数2000rpm、エンジントルク178N・mに保った状態でポスト噴射を行い、ハニカムフィルタへ流入する排ガスの温度が600℃に達した後、アイドル状態に切り換えて、ハニカムフィルタの強制再生を行った。そして、この強制再生時におけるハニカムフィルタの圧力損失の変化を調べた。この強制再生時において、ハニカムフィルタを構成する一部のハニカムセグメントに、ファイバー化による変形が生じた場合には、図16のグラフに矢印で示したように、圧力損失が一時的に上昇する。これは、ファイバー化による変形により、流路(セル)が狭まるためである。一方、ハニカムフィルタを構成するハニカムセグメントにファイバー化による変形が生じなかった場合には、図17に示すように、強制再生によるPMの燃焼が進行するのに伴って、圧力損失はなだらかに低下する。即ち、ハニカムフィルタが、クラックが発生するレベルの温度に達した時に、一部のハニカムセグメントに、ファイバー化による変形が生じるハニカムフィルタは、圧力損失の変化を調べることにより、クラックの発生を検知することができる。図16に示すような圧力損失の一時的な上昇が顕著に現れた場合を「A」とし、顕著ではないが、圧力損失の一時的な上昇を確認できた場合を「B」とし、圧力損失の一時的な上昇を確認できなかった場合を「C」とした。
[総合判定]
「PM堆積限界」及び「圧力損失の検知性能」の両方が「A」である場合を「A」とした。「PM堆積限界」及び「圧力損失の検知性能」の両方が「B」である場合と、何れか一方が「A」で他方が「B」である場合とを「B」とした。「PM堆積限界」及び「圧力損失の検知性能」の内の、少なくとも一方が「C」である場合を「C」とした。
Figure 0006948273
Figure 0006948273
(考察)
表2に示すとおり、本発明の実施例である実施例1〜15は、総合判定が「A」又は[B]であった。ハニカムフィルタが低耐熱性セグメントのみで構成されている比較例1及び4は、「PM堆積限界」が「C」であり、ハニカムフィルタ全体としての耐熱性が不十分であった。高耐熱性セグメントの保護層に含まれる珪素と酸素との含有量が、それぞれ40質量%未満である比較例3も、「PM堆積限界」が「C」であり、ハニカムフィルタ全体としての耐熱性が不十分であった。ハニカムフィルタが高耐熱性セグメントのみで構成されている比較例5は、「圧力損失の検知性能」が「C」であり、圧力損失の変化を調べることによって、クラックの発生を検知することは困難なものであった。低耐熱性セグメントの断面積の比率が76%を超える比較例6は、「PM堆積限界」が「C」であり、ハニカムフィルタ全体としての耐熱性が不十分であった。また、この比較例6は、「圧力損失の検知性能」も「C」であり、圧力損失の変化を調べることによって、クラックの発生を検知することは困難なものであった。更に、内側セグメントを低耐熱性セグメントとし、外側セグメントを高耐熱性セグメントとした比較例2についても、「PM堆積限界」が「C」であり、ハニカムフィルタ全体としての耐熱性が不十分であった。
本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質等を除去するためのハニカムフィルタとして、好適に利用することができる。
1:隔壁、2:セル、2a:出口目封止セル、2b:入口目封止セル、3:目封止部、4:ハニカム構造部、5:保護層、6:保護層、7:ハニカムセグメント、7a:内側セグメント、7b:外側セグメント、8:接合材、9:外周コート層、11:流入端面、12:流出端面、13:円、100:ハニカムフィルタ、200,300:ハニカムフィルタ、A:高耐熱性セグメント、B:低耐熱性セグメント、G:重心、O:中心。

Claims (5)

  1. 複数個のハニカムセグメントから構成されたハニカムフィルタであって、
    前記ハニカムセグメントは、流体が流入する側の端面である流入端面から流体が流出する側の端面である流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、複数の前記セルにおける前記流入端面側又は前記流出端面側の何れか一方の端部に配設された目封止部と、を備えたものであり、
    複数個のハニカムセグメントは、前記セルの延びる方向と垂直の方向において組み合わせられ、接合一体化したものであり、
    前記ハニカム構造部は、炭化珪素からなる骨材と、前記骨材同士を結合する結合材とから構成されており、
    前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に直交する断面において、当該断面の重心を中心とする直径3.6cmの円内に少なくともその一部が含まれる前記ハニカムセグメントを内側セグメントとし、それ以外の前記ハニカムセグメントを外側セグメントとし、
    前記外側セグメントの内の少なくとも1つは、前記隔壁の表面に、厚さ0.3μm以下の保護層を有するか、保護層を有さない低耐熱性セグメントであり、
    前記内側セグメント及び前記外側セグメントの内、前記低耐熱性セグメント以外のものは、前記隔壁の表面に厚さ0.5〜7.3μmの保護層を有する高耐熱性セグメントであり、
    前記保護層は、40質量%以上の珪素と40質量%以上の酸素とを含む層であり、
    前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に直交する断面における全ての前記ハニカムセグメントの断面積に対する前記低耐熱性セグメントの断面積の比率が、16〜76%であるハニカムフィルタ。
  2. 前記高耐熱性セグメントの前記保護層の厚さが、1.0〜6.0μmである請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に直交する断面における全ての前記ハニカムセグメントの断面積に対する前記低耐熱性セグメントの断面積の比率が、32〜66%である請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記結合材が、珪素又はコージェライトを含むものである請求項1〜3の何れか一項に記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記ハニカム構造部に触媒が担持された請求項1〜4の何れか一項に記載のハニカムフィルタ。
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