JP6946008B2 - チーズ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ペニシリウム属又はアスペルギルス属のカビに由来する1つ以上の酵素と、凝固性を有する乳由来のタンパク質と、を含み、カビ胞子及びカビ菌糸体を殆ど含まない又は含まないことを特徴とするカビ培養物。
(2)ゲル状又は固形状であることを特徴とする請求項1に記載のカビ培養物。
(3)(1)又は(2)に記載のカビ培養物を含み、カビ胞子及びカビ菌糸体を殆ど含まない、もしくは含まないことを特徴とするチーズ。
(4)メチルケトン類の含有量が3000ppb以上8000ppb以下、かつエチルエステル類の含有量が60ppb以上200ppb以下であり、さらにメチルケトン類の含有量をエチルケトン類の含有量で除した値が15以上135以下であることを特徴とする(3)に記載のチーズ。
(5)凝固性を有する乳由来のタンパク質を含むゲル状物又は固形状物と、
カビ胞子及びカビ菌糸体が透過できない膜と、を用い、
前記ゲル状又は固形状物中にカビ胞子が混入しないように、カビ胞子を前記膜の上に接種する工程と、
好気または嫌気的条件下で培養する工程と、
培養後、前記膜を取り除く工程と、
を含むことを特徴とするカビ胞子及びカビ菌糸体を殆ど含まない又は含まないカビ培養物の製造方法。
(6)(1)又は(2)に記載のカビ培養物を添加する工程を含むことを特徴とするチーズの製造方法。
本発明について、以下に詳細に説明する。
カビ培養物は以下に記載したカビ胞子と、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地と、フィルターと、を用いることにより調製することができる。
カビ培養物の調製に用いるカビは、Penicillium属、Aspergillus属、Monascus属に分類されるもののうち、食品として用いることができるものであればどのようなものも用いることができ、これらのうちの少なくとも1種類以上のカビを用いることができる。
カビ培養物の調製に用いるカビは、Penicillium属ではPenicillium roqueforti、
Penicillium camembertiを用いることが好ましく、Aspergillus 属ではAspergillus oryzaeを用いることが好ましい。
カビ培養物の調製に用いるカビ胞子の調製は、カビ胞子を回収できる方法であればどのような方法を用いてもよいが、一態様として以下の方法を例示することができる。
滅菌処理した標準寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地等の固体培地上でカビを培養する。培地の種類、培養温度、培養時間は用いるカビの種類により調整することができるが、滅菌処理したポテトデキストロース寒天培地にカビを表面塗抹し、25℃程度で10日間程度培養する方法を例示することができる。
表面にカビが生育した固体培地に滅菌処理した水、又は滅菌処理した0.9%程度の食塩水を加えて、固体培地表面に生育したカビを液中に懸濁させる。この懸濁液を濾過してカビ胞子を濾別することでカビ胞子を得ることができる。
カビ胞子の濾過に用いるフィルターは、食品として用いることができない成分の溶出等がなく、孔径が20μm以下のものであればどのようなものでもよい。
カビ培養物を調整するための培地には、凝固性を有する食品タンパク質を含む培地であれば何を用いても良いが、一態様としてβ−ラクトグロブリンを含む培地を用いた例を挙げることが出来る。実際、カビ培養物はチーズの原材料となることから、培地に含まれるタンパク質は主に乳由来成分からなるものが好ましい。
また、後述するとおり、フィルターを載せること、及びカビ培養物はチーズカードと混合して用いることから、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地は、固体状あるいはゲル状のものが好ましい。
培地は、凝固性を有する乳由来のタンパク質が含まれることによりゲル状あるいは固形状とすることができる。よって、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地は、冷却時に固形状あるいはゲル状となる程度に凝固性を有する乳由来のタンパク質が含まれていればよく、β−ラクトグロブリン以外の乳由来成分を含むことを妨げない。一態様として例示したβ−ラクトグロブリンを含む培地においては、その含量は20重量%以下程度であればよく、4重量%以上15重量%以下が特に好ましい。
培地の調製には、凝固性を有する乳由来のタンパク質の供給源としてホエイタンパク質を50%程度以上含むホエイタンパク質濃縮物を用いることができる。また、その他の原料として、乳タンパク質を50%程度以上含む乳タンパク質濃縮物、全脂粉乳、脱脂粉乳、バター等の乳由来原料の使用も可能である。
上記した原材料を水に溶解させ、滅菌処理することにより凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地を得ることができる。滅菌処理は常法により行なえばよい。
このほかに、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地の調製には、ラクターゼで処理したホエイタンパク質濃縮物を用いることもできる。具体例として、乳糖を約20重量%、ホエイタンパク質を約80重量%含むホエイタンパク質濃縮物の25重量%水溶液を調製し、これをラクターゼで処理し、ホエイタンパク質濃縮物に含まれる乳糖の80%程度をグルコースとガラクトースに分解したものを用いることができる。上記した乳糖の分解は、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地の滅菌処理の前に行なってもよいし、後述するカビ培養物の調製の際のカビの培養と同時に行なってもよい。使用するラクターゼは食品に使用できるものであればどのようなものでもよい。
また、酸やアルカリの添加により、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地のpHを調整することができる。pHはカビの酵素産生に影響するため、3.5〜8.0が好ましく、4.0〜6.5がより好ましい。
カビ培養物の調製に用いるフィルターは、カビ胞子及びカビ菌糸体を回収でき、かつ、カビの生育にともない生成される酵素や香気成分を透過できるものであればどのようなものでもよい。当該フィルターは、上限として、孔径が20μm以下のものであればよく、10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましく、1μm以下がよりいっそう好ましい。また、下限として、0.01μm以上のものであればよく、0.05μm以上が好ましく、0.2μm以上がさらに好ましく、0.1μm以上がよりいっそう好ましい。孔径の範囲としては、0.01〜20μmが好ましく、0.1〜1μmの範囲が最も好ましい。
フィルターの材質は食品の製造に用いることができるものであればどのようなものでもよく、セルロース、ホウケイ酸ガラス、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等を例示することができ、このうち、セルロース、ホウケイ酸ガラス、ポリエステルが好ましい。
フィルターは、1枚で用いても良く、2枚以上を組み合わせて用いることもできる。
滅菌処理し、冷却した固体状あるいはゲル状の凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地に、滅菌処理した上記のフィルターを載せ、このフィルターを載せた培地にカビ胞子を接種する。カビ胞子の接種はフィルターの上に行ない、凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地にカビ胞子が直接接触しないようにする。
フィルター上にカビ胞子を接種した凝固性を有する乳由来のタンパク質を含む培地を、5〜40日程度、10〜40℃程度で培養する。
培養後、フィルターを除去することによりカビ胞子、カビ菌糸体を殆ど、又は全て取り除き、カビ胞子、カビ菌糸体を殆ど含まない、又は含まないカビ培養物を得ることができる。
カビ培養物の調製に際し、接種するカビ胞子はフィルター1平方センチメートル当たり10〜100,000個程度であればよく、100〜10,000程度が好ましく、500〜5,000個程度がさらに好ましい。
上記のとおり調製したカビ胞子、カビ菌糸体を殆ど含まない、又は含まないカビ培養物は、そのままチーズの製造に用いることができるが、破砕したものを用いてもよい。また、カビ培養物は10℃程度で冷蔵、あるいは−30℃以下で凍結保存することができる。
カビ培養物には、カビ由来の酵素や香気成分が含まれており、これを適度に希釈してチーズの製造に用いることにより、いわゆる食べごろの期間が長いカビ系チーズを得ることができる。
カビ培養物を用いたチーズの調製の一様態について説明する。
原料乳に乳酸菌とレンネット等を添加し、乳を凝固させ、チーズカードを生成させた後、チーズカード中からホエイを排出する。
ホエイを分離したチーズカードに対し、カビ培養物を添加する。カビ培養物の添加量は0.1重量%〜20重量%であればよく、0.5〜5重量%が特に好ましい。
チーズカードとカビ培養物を均一になるように混合し、混合したものをモールドに詰め、チーズプレス機を使用して荷重をかけ成型する。
プレス成形したカードをモールドから取り出して、20%程度の食塩水中に浸漬して加塩する。加塩後、チーズを食塩水から取り出し、布をかけて10℃程度の熟成庫内に静置する。
1日に1回程度、チーズを上下反転させ、チーズ中の水分を抜きながら1次熟成させたのち、食用ワックスをチーズ上面にコーティングして、引き続き10℃程度の熟成庫内で2次熟成させることによりカビ系チーズを得ることができる。
本発明のカビ培養物を用いて製造したカビ系チーズについて説明する。
本願のカビ培養物を用いて製造したカビ系チーズは、カビ胞子やカビ菌糸体を殆ど含まない、又は含まないものであるが、カビ系チーズの風味に寄与するメチルケトン類とエチルエステル類を適度に含むものである。
すなわち、本願のカビ系チーズは、メチルケトン類の含有量が3000ppb以上8000ppb以下程度、かつエチルエステル類の含有量が60ppb以上200ppb以下程度であり、カビ胞子やカビ菌糸体を殆ど含まない、又は含まないにもかかわらず、カビ系チーズの風味に寄与する香気成分を適度に含むものである。
また、本願のカビ系チーズに含まれるメチルケトン類とエチルエステル類の比は15:1から135:1程度(メチルケトン類の含有量をエチルケトン類の含有量で除した値が15以上135以下程度)であり、バランスの取れたカビ系チーズらしい風味を有している。
さらに、本願のカビ系チーズは、カビ胞子やカビ菌糸体を殆ど含まないため、3ヶ月程度熟成した場合であっても香気成分は上記した範囲内にあり、所謂食べごろの期間が長いものとなっている。
なお、本願明細書においてカビ胞子やカビ菌糸体を殆ど含まない、または含まないとは、換言すればカビ胞子やカビ菌糸体を実質的に含まないことを意味し、厳密な意味で完全に全て除去されていることまでは要求されない。すなわち、実質的に含まないとは、カビの増殖が抑えられる程度に含まれないことを意味する。例えば、後述する実施例に示すように目視観察により確認できない程度をいう。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す菌株を、マッシュポテトとグルコースを混合して調製した寒天培地上に植菌し、25℃で10日間培養後、湿熱滅菌した0.9%NaCl溶液を菌体が繁茂した寒天培地上に添加して懸濁した。この懸濁液をガーゼで濾過して菌糸体を濾別し、胞子のみを回収した。得られた懸濁液中の胞子数を、血球計算盤を用いて予め計測し、接種用の胞子懸濁液(カビ胞子)として用いた。
市販のホエイタンパク質濃縮物(ホエイタンパク質含量:80重量%) を25%(w/w)になるよう水に溶解し、所定のpH(4.0〜7.0)に調整したものを湿熱滅菌してβ−ラクトグロブリンを含む培地を調製した。
β−ラクトグロブリンを含む培地は滅菌した容器内に深さ10mmになるように注ぎ込み、室温まで冷却して固化させた。この培地に滅菌したキッチンペーパー(フィルター)を載せて1時間静置した。
キッチンペーパーを載せたβ−ラクトグロブリンを含む培地に1平方センチメートル当たり550個の胞子数となるよう予め調製しておいた胞子懸濁液(カビ胞子)を接種した。これを好気条件下で10〜30日、10〜30℃で培養した。
培養後に培地からキッチンペーパーをめくって菌糸体を取り除き、カビ培養物を得た。目視で確認したところ、得られたカビ培養物には菌糸体は認められなかった。このカビ培養物をフードプロセッサーで粉砕し、チーズの製造に用いるまで−80℃で保存した。
原料乳は、脂肪が約3%になるように調整し、プレート型殺菌機により75℃で15秒間殺菌した後、約30℃まで冷却したものを用いた。この原料乳をジャケット付きのチーズバットに移し、乳酸菌スターターとしてLactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus.lactis subsp. lactis biovar. diacetylactis及び/又はLeuconostoc 属を含むスターター粉末(クリスチャンハンセン社)と、仔牛レンネット(クリスチャンハンセン社)を添加し、緩やかに撹拌したのち、約30℃で静置した。
約30分経過した時点で乳の凝固が起こり、凝固開始から5分後に水平カードナイフと垂直カードナイフを使用して、チーズカードを約10mmの立方体になるよう切断した。切断後、緩やかに撹拌しながらチーズカード中からホエイを流出させた。
ホエイの流出を促進するために、カードとホエイの混合物を5分間に2℃の速度で約40℃まで加温した。約40℃に保ちながら15分間撹拌し、その後、カードとホエイを分離してチーズバット内に堆積した。
得られたチーズカードに対し、カビ培養物を1%の割合で均一になるように混合し、1kg容量の樹脂製モールドに詰めた。コントロールとして、カビを添加していないβ-ラクトグロブリン培地を湿熱滅菌(121℃、15分間)し、フードプロセッサーにて粉砕したものを1%添加したチーズを調製した。チーズプレス機を使用して1kg/cm2の荷重をかけて10分間1次プレスした。その後カードを反転し、約2kg/cm2の荷重をかけて約1時間プレス成型した。プレス成形したカードをモールドから取り出して重量を測定し、11.5℃の25%食塩水中に24時間浸漬して加塩した。加塩後、チーズを食塩水から取り出し、布をかけて11.5℃熟成庫内に静置した。
1日に1回、チーズを上下反転させ、チーズ中の水分が約15%抜けるまで1次熟成させたのち、食用ワックスをチーズ上面にコーティングして引き続き11.5℃熟成庫内で2次熟成させた。チーズの熟成は3ヶ月間実施した。
製造したナチュラルチーズについて、以下の項目で評価した。
(i) 香り・呈味性・食感・外観の官能評価
熟練された5名のパネラーによって、カビ系チーズの香り、呈味性、食感、外観の好ましさについて官能評価を行った。評価は、◎:非常に好ましい、○:好ましい、△:どちらともいえない、×:好ましくない、とした。
(ii)熟度測定
ケルダール蒸留法により、チーズ中の全窒素量(TN)及び非タンパク質態窒素量(NPN)を求め、NPN/TN比で求めた。
(iii) 香気成分分析
各試料をフードプロセッサで破砕後、バイアルに1g、内部標準試料として5ppmの2−メチル−2−ブテナールを0.05g添加した。ヘッドスペースを高純度窒素で置換した後、セプタム付きスクリューキャップで密栓した。DVB /Carboxen /PDMS樹脂性のSPMEファイバーを用い、37℃60分加温し、ヘッドスペースに揮発した香気成分を捕集してGC/MS分析に供し、メチルケトン類及びエチルエステル類の含量を測定した。検出器は、Agilent technologies社製MSD 5975C、カラムはAgilent technologies社製VF-5msを使用した。試料注入はスプリットレス注入法を用い、昇温条件として37℃で2分保持したのち毎分10℃ずつ100℃まで昇温、1分保持したのち毎分2℃ずつ140℃まで昇温、5分保持したのち毎分30℃で220℃まで昇温後、毎分10℃ずつ300℃まで昇温、5分保持する条件で測定を行った。
官能評価及び熟度の結果を表2に示す。
コントロールはゴーダチーズらしい適度な風味や旨み、食感を有しており、外観上も一般的なゴーダチーズの熟成3ヶ月目品と同等の状態であった。本結果から、上記に記載の条件がチーズ製造条件として問題のないことが確認された。
A.oryzaeを用いて調製したカビ培養物を添加して調製した実施例品1、2P.roquefortiを用いて調製したカビ培養物を添加して調製した実施例品3、P.camemberti を用いて調製したカビ培養物を添加して調製した実施例品4はいずれも、カビ培養物を添加していないコントロール品と比較して、香りや呈味性の評価が高く、熟度が増加した。
実施例品1はチーズ表面へのカビの増殖は認められず、またチーズ中に菌糸体を含まないことを目視で確認した。実施例品1は3ヶ月の熟成後も外観や食感の大きな変化はなく、良好な状態を保持していた。
実施例品1よりもカビ培養物の培養温度が5℃高い条件の実施例品2は、実施例品1よりもやや苦味があり、ランシッド臭が強く感じられ、旨みも強く、呈味性においては評価が大きく分かれた。
一方、菌体を含む培養物を添加した比較例品はチーズ表面にカビが繁殖し、チーズ中に菌糸体が含まれていた。熟成期間中における外観の変化や硬さの脆化が顕著であり、食感としても好ましくなかった。また、熟成期間中における風味の変化が激しく、食べ頃期間の保持という点からみても好ましくなかった。
また、実施例品3は、コントロール品と比較してブルー系の風味は弱いものの、風味と旨みのバランスのよい特徴のあるチーズとなり、実施例品4は、コントロール品と比較してカマンベールとブルーの両方の風味を呈し、マッシュルーム様の風味とゴーダ系の旨みを有するチーズとなった。この結果は、様々な種類のカビを用いてカビ培養物を調製することにより、所望の風味のカビ系チーズを調製することができることを示すものである。
一方、カビ培養物を用いていないコントロール品は、メチルケトン類及びエチルエステル類とも実施例品と比較すると低かった。実施例品はコントロール品にはない特徴的な香りや呈味が認められたが、これはメチルケトン類及びエチルエステル類の生成量の差が原因であると考えられた。
また、カビ培養物中にカビ菌糸体を含む比較例品は、メチルケトン類は実施例品1から実施例品4と同程度であるが、エチルエステル類は実施例品1から実施例品4よりも2.5〜8倍程度多く、メチルケトン類とエチルエステル類のバランスが悪いため官能評価において好ましくないと評価されたと考えられた。
Claims (3)
- ペニシリウム属又はアスペルギルス属のカビに由来する1つ以上の酵素及び香気成分、並びに凝固性を有する乳由来のタンパク質を含み、カビ胞子及びカビ菌糸体を殆ど含まない又は含まないことを特徴とするカビ培養物を含み、カビ胞子及びカビ菌糸体を殆ど含まない、もしくは含まないことを特徴とするチーズであって、
メチルケトン類の含有量が3000ppb以上8000ppb以下、かつエチルエステル類の含有量が60ppb以上200ppb以下であり、さらにメチルケトン類の含有量をエチルケトン類の含有量で除した値が15以上135以下であることを特徴とする前記チーズ。 - 凝固性を有する乳由来のタンパク質を含むゲル状物又は固形状物と、
カビ胞子及びカビ菌糸体が透過できないフィルターと、を用い、
前記ゲル状物又は固形状物中にカビ胞子が混入しないように、カビ胞子を前記フィルターの上に接種する工程と、
好気または嫌気的条件下で培養する工程と、
培養後、前記フィルターを取り除く工程と、
を含むことを特徴とするカビ胞子及びカビ菌糸体を殆ど含まない又は含まないカビ培養物の製造方法。 - 請求項2に記載の製造方法によって製造されたカビ培養物を添加する工程を含むことを特徴とするチーズの製造方法。
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