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JP6938141B2 - 舶用ディーゼルエンジン - Google Patents

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JP6938141B2
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Description

本発明は、舶用ディーゼルエンジンに関するものである。
舶用ディーゼルエンジンは、運転が開始されると回転数を増加させる。エンジンは、回転機械であるため、共振等が生じ、その回転数域での長時間の運転が禁止される危険回転数域(Barred Range、Critical Speed)がある。特許文献1には、エンジンの回転数が危険回転数域となる状態では、燃料を噴射する角度と燃焼領域で燃焼された空気を排気する排気弁を開く角度を調整することが記載されている。具体的には、危険回転数域での排気角度を、危険回転数域よりも低い領域での排気角度よりも小さくすることが記載されている。
実用新案登録第3174346号公報
また、舶用ディーゼルエンジンでは、危険回転数域で運転する時間を短くするため、危険回転数域では、エンジンの回転数を短時間に増加させるための制御が実行する場合がある。このように、エンジンの回転数を増加させる制御を実行すると、エンジンでの燃料と空気とのバランスが崩れ、燃料の燃焼が不十分となり、回転数の増加速度が低下したり、黒煙が発生したりする恐れがある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、危険回転数域での燃焼を安定させ、エンジン本体をより良い条件で運転させることができる舶用ディーゼルエンジンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明は、舶用ディーゼルエンジンであって、排気弁を開閉し、燃焼室内からの排気を制御するエンジン本体と、前記エンジン本体を制御し、前記エンジン本体の負荷または回転数が高くなるにしたがって、燃焼サイクルにおける前記排気弁を閉じるタイミングが遅くなる排気弁閉タイミングパターンに基づいて、前記排気弁の動作を制御する制御装置と、を有し、前記エンジン本体は、回転数に対して、危険回転域を通過する間である危険回転範囲と、前記危険回転範囲よりも回転数が低い第1範囲および前記危険回転範囲よりも回転数が高い第2範囲を有し、前記危険回転域は、共振が生じ、その回転数域での長時間の運転が禁止される範囲であり、前記排気弁閉タイミングパターンは、前記危険回転範囲と前記第1範囲との境界の点に前記回転数の上昇に対する前記排気弁を閉じるタイミングの変化の変化率が変化する点を有し、前記排気弁閉タイミングパターンは、前記変化率が変化する点よりも前記危険回転範囲側における変化率が、前記変化率が変化する点よりも前記第1範囲側における変化率よりも小さくなり、前記第2範囲では、前記エンジン本体の回転数が高くなるにしたがって、前記第1範囲での前記変化率より変化率が大きくなってから前記第1範囲での前記変化率と同じとなことを特徴とする。
舶用ディーゼルエンジンは、エンジン本体の回転数が高くなるにしたがって、燃焼サイクルにおける排気弁を閉じるタイミングが遅くなる排気弁閉タイミングパターンを設定し、さらに、排気弁閉タイミングパターンの変化率が変化する点よりも危険回転範囲側の変化率を、変化率が変化する点よりも第1範囲側の変化率よりも小さくする。これにより、舶用ディーゼルエンジンは、エンジン本体が危険回転数で回転している状態の際に、燃焼室により多くの空気が保持された状態で燃焼を行うことができる。これにより、危険回転数域での燃焼を安定させることができる。これにより、危険回転数域でエンジンの回転数が増加する速度をより高くし、かつ、燃焼時の黒煙の発生を抑制することができる。
また、前記排気弁閉タイミングパターンは、回転数を含むパラメータで算出される前記エンジン本体の負荷と、前記排気弁を閉じるタイミングと、が対応付けられ、前記エンジンの負荷が高くなるにしたがって、燃焼サイクルにおける前記排気弁を閉じるタイミングが遅くなることが好ましい。
また、前記排気弁閉タイミングパターンは、前記危険回転範囲で、前記排気弁の閉タイミングが一定であることが好ましい。
また、前記排気弁閉タイミングパターンは、前記エンジン本体の回転数が増加する場合と、前記エンジン本体の回転数が減少する場合と、で前記危険運転範囲の前記エンジン本体の回転数と前記排気弁を閉じるタイミングと、が異なることが好ましい。
本発明によれば、危険回転数域での運転時も燃焼室での空気量を多くすることができ、危険回転数域での燃焼を安定させることができる。これにより、危険回転数域でエンジンの回転数が増加する速度をより高くし、かつ、燃焼時の黒煙の発生を抑制することができる。
図1は、本実施形態のEGRシステムを備えた舶用ディーゼルエンジンを表す概略図である。 図2は、本実施形態のEGRシステムを表す概略構成図である。 図3は、本実施形態のエンジン本体の概略構成を示す模式図である。 図4は、エンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係を示すグラフである。 図5は、エンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係の他の例を示すグラフである。 図6は、エンジン本体の回転数と排気弁閉タイミングとの関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、EGRシステムを備えた舶用ディーゼルエンジンを表す概略図、図2は、EGRシステムを表す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の舶用ディーゼルエンジン10は、エンジン本体(エンジン)11と、過給機12と、EGRシステム13を備えている。
図2に示すように、エンジン本体11は、図示しないが、プロペラ軸を介して推進用プロペラを駆動回転させる推進用の機関(主機関)である。このエンジン本体11は、ユニフロー掃排気式のクロスヘッド式ディーゼルエンジンであって、2ストロークディーゼルエンジンであり、シリンダ内の吸排気の流れを下方から上方への一方向とし、排気の残留を無くすようにしたものである。エンジン本体11は、ピストンが上下移動する複数のシリンダ21と、各シリンダ21に連通する掃気トランク22と、各シリンダ21に連通する排気マニホールド23とを備えている。そして、各シリンダ21と掃気トランク22との間に掃気ポート24が設けられ、各シリンダ21と排気マニホールド23との間に排気流路25が設けられている。そして、エンジン本体11は、掃気トランク22に給気ラインG1が連結され、排気マニホールド23に排気ラインG2が連結されている。
図3は、エンジン本体を表す概略図である。図3は、エンジン本体11のうち1つのピストン及びシリンダ21に対応する部分を示している。エンジン本体11は、下方に位置する台板111と、台板111上に設けられる架構112と、架構112上に設けられるシリンダジャケット113とを有している。この台板111と架構112とシリンダジャケット113は、上下方向に延在する複数のテンションボルト(タイボルト/連結部材)114及びナット115により一体に締結されて固定されている。
シリンダジャケット113は、シリンダライナ116が設けられており、このシリンダライナ116の上端にシリンダカバー117が設けられている。シリンダライナ116とシリンダカバー117は、空間部118を区画しており、この空間部118内にピストン119が上下に往復動自在に設けられることで、燃焼室120が形成される。また、シリンダカバー117は、排気弁(排ガス弁)121が設けられている。この排気弁121は、燃焼室120と排ガス管122とを開閉するものである。なお、排気弁121は、燃焼室120と排ガス管122とを開閉する機能を有していればよく、必ずしもシリンダカバー117の中央部に設ける必要はない。
そのため、燃焼室120に対して、燃料噴射ポンプから供給された燃料と、過給機12により圧縮された燃焼用ガスが供給されることで燃焼する。そして、この燃焼で発生したエネルギによりピストン119が上下動する。また、このとき、排気弁121により燃焼室120が開放されると、燃焼によって生じた排ガスが排ガス管122に押し出される一方、掃気ポート24から燃焼用ガスが燃焼室120に導入される。排ガス管122は、排気マニホールド23と接続している。
ピストン119は、ピストン棒123の上端部に接続されるとともに、ピストン棒123とともにピストン軸方向に移動可能に連結されている。台板111は、クランクケースとされており、クランクシャフト124を回転自在に支持する軸受125が設けられている。また、クランクシャフト124は、クランク126を介して連接棒127の下端部が回動自在に連結されている。架構112は、上下方向に延在する一対のガイド板128が所定間隔を空けて固定されており、一対のガイド板128の間にクロスヘッド129が上下に移動自在に支持されている。クロスヘッド129は、ピストン棒123の下端部に設けられたクロスヘッドピンの下半部を連接棒127の上端部に接続されるクロスヘッド軸受が回動自在となるように連結されている。
そのため、シリンダジャケット113の燃焼室120で発生したエネルギが伝達されたピストン119は、ピストン棒123と共に、エンジン本体11の設置面に向かって(台板111側の方向、即ち、ピストン軸方向における下向き)に押し下げる。すると、ピストン棒123は、クロスヘッド129をピストン軸方向に押し下げ、連接棒127及びクランク126を介してクランクシャフト124を回転させる。
エンジン本体11には、回転数検出部62と、燃料投入量検出部64とが配置されている。回転数検出部62は、エンジン本体11の回転数(プロペラ軸と接続された回転軸の回転数)を検出する。回転数検出部62は、エンジン本体11に挿入された回転軸の回転数を検出してもよいが、プロペラ軸の回転数を検出してもよい。燃料投入量検出部64は、エンジン本体11の燃料投入量を検出する。
エンジン制御装置26は、エンジン本体11の運転を制御する。エンジン制御装置26は、要求負荷等の各種入力条件及び回転数検出部62と燃料投入量検出部64等の各種センサで検出した結果とに基づいて、エンジン本体11の運転を制御する。エンジン制御装置26は、シリンダ21への燃料の噴射タイミングや、噴射量、排気弁121の開閉タイミングを制御して、エンジン本体11の燃料投入量や回転数、燃焼室120での燃焼を制御する。エンジン制御装置26は、燃料投入量や回転数を制御することで、エンジン本体11の出力を制御する。
過給機12は、コンプレッサ(圧縮機)31とタービン32とが回転軸33により一体に回転するように連結されて構成されている。この過給機12は、エンジン本体11の排気ラインG2から排出された排ガスによりタービン32が回転し、タービン32の回転が回転軸33により伝達されてコンプレッサ31が回転し、このコンプレッサ31が空気及び再循環ガスの少なくとも一方を圧縮し、圧縮した圧縮気体として給気ラインG1からエンジン本体11に供給する。コンプレッサ31は外部(大気)から空気を吸入する吸入ラインG6に接続されている。
過給機12は、タービン32を回転した排ガスを排出する排気ラインG3が連結されており、この排気ラインG3は、図示しない煙突(ファンネル)に連結されている。また、排気ラインG3から給気ラインG1までの間にEGRシステム13が設けられている。
EGRシステム13は、排ガス再循環ラインG4、G5、G7と、スクラバ42と、デミスタユニット14と、EGRブロワ(送風機)47と、EGR制御装置60と、を備えている。このEGRシステム13は、エンジン本体11から排出された排ガスの一部を再循環ガスとして空気と混合した後、過給機12により圧縮して燃焼用ガスとして舶用ディーゼルエンジン10に再循環させることで、燃焼によるNOxの生成を抑制するものである。なお、ここでは、タービン32の下流側から排ガスの一部を抽気したが、タービン32の上流側から排ガスの一部を抽気してもよい。
なお、以下の説明にて、排ガスとは、エンジン本体11から排気ラインG2に排出された後、排気ラインG3から外部に排出されるガスである。再循環ガスとは、排気ラインG3から分離された一部の排ガスを指す。再循環ガスは排ガス再循環ラインG4、G5、G7によりエンジン本体11に戻されるものである。
排ガス再循環ラインG4は、一端が排気ラインG3の中途部に接続されている。排ガス再循環ラインG4は、EGR入口バルブ(開閉弁)41Aが設けられており、他端がスクラバ42に接続されている。EGR入口バルブ41Aは、排ガス再循環ラインG4を開閉することで、排気ラインG3から排ガス再循環ラインG4に分流する排ガスをON/OFFする。なお、EGR入口バルブ41Aを流量調整弁とし、排ガス再循環ラインG4を通過する排ガスの流量を調整するようにしてもよい。
スクラバ42は、ベンチュリ式のスクラバであり、中空形状をなすスロート部43と、排ガスが導入されるベンチュリ部44と、元の流速に段階的に戻す拡大部45とを備えている。スクラバ42は、ベンチュリ部44に導入された再循環ガスに対して水を噴射する水噴射部46を備えている。スクラバ42は、SOxや煤塵などの微粒子(PM)といった有害物質が除去された再循環ガス及び有害物質を含む排水を排出する排ガス再循環ラインG5が連結されている。なお、本実施形態では、スクラバとしてベンチュリ式を採用しているが、この構成に限定されるものではない。また、舶用ディーゼルエンジン10は、スクラバ42以外の排ガス洗浄装置を備えていてもよい。
排ガス再循環ラインG5は、デミスタユニット14とEGRブロワ47が設けられている。
デミスタユニット14は、水噴射により有害物質が除去された再循環ガスと排水を分離するものである。デミスタユニット14は、排水をスクラバ42の水噴射部46に循環する排水循環ラインW1が設けられている。そして、この排水循環ラインW1は、ミスト(排水)を一時的に貯留するホールドタンク49とポンプ50が設けられている。
EGRブロワ47は、スクラバ42内の再循環ガスを排ガス再循環ラインG5からデミスタユニット14を経由して、コンプレッサ31に送るものである。
排ガス再循環ラインG7は、一端がEGRブロワ47に接続されると共に、他端が混合器(図示略)を介してコンプレッサ31に接続されており、EGRブロワ47により再循環ガスがコンプレッサ31に送られる。排ガス再循環ラインG7は、EGR出口バルブ(開閉弁または流量調整弁)41Bが設けられている。吸入ラインG6からの空気と、排ガス再循環ラインG7からの再循環ガスは、混合器で混合されることで燃焼用ガスが生成される。なお、この混合器は、サイレンサと別に設けられてもよいし、混合器を別途設けることなく、再循環ガスと空気を混合する機能を付加するようにサイレンサを構成してもよい。そして、過給機12は、コンプレッサ31が圧縮した燃焼用ガスを給気ラインG1からエンジン本体11に供給可能であり、給気ラインG1にエアクーラ(冷却器)48が設けられている。このエアクーラ48は、コンプレッサ31により圧縮されて高温となった燃焼用ガスと冷却水とを熱交換することで、燃焼用ガスを冷却するものである。また、EGRシステム13は、給気ラインG1または掃気トランク22に酸素濃度検出部66が配置されている。本実施形態の酸素濃度検出部66は、エアクーラ48よりもエンジン本体11側に配置されている。酸素濃度検出部66は、エンジン本体11に供給される空気の酸素濃度、つまりEGRシステム13が稼働している場合は、燃焼用ガスの酸素濃度を検出する。
EGR制御装置60は、EGRシステム13の各部の動作を制御する。EGR制御装置60は、エンジン制御装置26から負荷情報を取得する。EGR制御装置60は、エンジン制御装置26にEGRシステム13のON、OFFの情報を送る。EGR制御装置60は、回転数検出部62からエンジン本体11の回転数情報を取得する。EGR制御装置60は、燃料投入量検出部64からエンジン本体11の燃料投入量の情報を取得する。EGR制御装置60は、酸素濃度検出部66からエンジン本体11に供給される燃焼用ガスの酸素濃度の情報を取得する。EGR制御装置60は、取得したエンジン本体11の負荷情報と、エンジン本体11に供給される空気の酸素濃度とに基づいて、EGRブロワ47の運転状態、EGRシステム13からエンジン本体11に供給する再循環ガスの量を制御する。EGR制御装置60は、エンジン本体11の負荷と酸素濃度の目標値との関係を記憶しており、負荷に応じて酸素濃度の目標値を算出する。EGR制御装置60は、エンジン本体11の負荷と酸素濃度の目標値との関係とに基づいて酸素濃度の目標値を算出し、算出した酸素濃度の目標値と取得した酸素濃度との関係と現在のEGRブロワ47の周波数とに基づいて、EGRブロワ47の周波数(運転周波数)を算出する。EGR制御装置60は、算出したEGRブロワ47の周波数でEGRブロワ47を回転させる。EGR制御装置60は、EGRブロワ47以外の各部、例えば、EGR入口バルブ41A、EGR出口バルブ41Bの開閉や、スクラバ42の運転も制御する。
以下、本実施形態のEGRシステム13の作用を説明する。図2に示すように、エンジン本体11は、掃気トランク22からシリンダ21内に燃焼用ガスが供給されると、ピストンによってこの燃焼用ガスが圧縮され、この高温の燃焼用ガスに対して燃料を噴射することで自然着火し、燃焼する。そして、発生した燃焼ガスは、排ガスとして排気マニホールド23から排気ラインG2に排出される。エンジン本体11から排出された排ガスは、過給機12におけるタービン32を回転した後、排気ラインG3に排出され、EGR入口バルブ41A及びEGR出口バルブ41Bが閉止しているときは、全量が排気ラインG3から外部に排出される。
一方、EGR入口バルブ41A及びEGR出口バルブ41Bが開放しているとき、排ガスは、その一部が再循環ガスとして排気ラインG3から排ガス再循環ラインG4に流れる。排ガス再循環ラインG4に流れた再循環ガスは、スクラバ42により、有害物質が除去される。即ち、スクラバ42は、再循環ガスがベンチュリ部44を高速で通過するとき、水噴射部46から水を噴射することで、この水により再循環ガスを冷却すると共に、有害物質を水と共に落下させて除去する。そして、有害物質を含むミスト(排水)は、再循環ガスと共にデミスタユニット14に流入する。
スクラバ42により有害物質が除去された再循環ガスは、排ガス再循環ラインG5に排出され、デミスタユニット14によりミスト(排水)が分離された後、排ガス再循環ラインG7により過給機12に送られる。そして、この再循環ガスは、吸入ラインG6から吸入された空気と混合されて燃焼用ガスとなり、過給機12のコンプレッサ31で圧縮された後、エアクーラ48で冷却され、給気ラインG1からエンジン本体11に供給される。
次に、図4を用いて、舶用ディーゼルエンジン10のエンジン制御装置26で実行するエンジン本体11の制御について説明する。図4は、エンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係を示すグラフである。エンジン制御装置26は、図4に示すエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係である排気弁閉タイミングパターンに基づいて、エンジン負荷に応じて、排気弁閉タイミングを変化させる。排気弁閉タイミングは、燃焼サイクルにおいて排気弁を閉じるタイミングであり、燃焼サイクルの角度で示すことができる。図4の実線で示す排気弁閉タイミングパターン210は、本実施形態のエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係を示している。図4の点線で示す排気弁閉タイミングパターン212は、比較例のエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係を示している。排気弁閉タイミングパターン210、212は、いずれもエンジン負荷が増加すると、排気弁閉タイミングが遅くなる関係となる。エンジン制御装置26は、エンジン負荷を検出し、検出したエンジン負荷と図4の実線で示す排気弁閉タイミングパターン210の関係に基づいて排気弁121を閉じるタイミングである排気弁閉タイミングを制御する。
排気弁121を閉じるタイミングは、上述したようにエンジン本体11のピストンの1ストロークを360度とした角度、つまりクランク角度に基づいて制御する。つまり、エンジン制御装置26は、クランク角度が設定された角度となった場合に排気弁121を開く。排気弁121が閉じるタイミングが遅くなると、クランク角度がより大きい角度で排気弁121が閉じられる。
比較例の排気弁閉タイミングパターン212は、エンジン負荷の変化量に対する排気弁閉タイミングの変化量である変化率が一定となる。なお、図4の比較例では、変化率を一定としたが変化量が変化してもよい。ここで、排気弁閉タイミングパターン212は、危険回転数を考慮せずに、各エンジン負荷で燃費等のエンジン性能が高くなる排気弁閉タイミングを算出して、その結果に基づいて設定した理想線となるエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係である。ここで、理想線は、まず、エンジンの設計出力から燃焼時最大圧力を決定する。そこから各負荷の燃焼時圧力を決定し、その燃焼時圧力から圧縮圧力を設計し、その圧縮圧力になるように計画の排気弁の閉タイミングを決定する。その後、試運転によって計画の排気弁閉タイミング付近で、変更・調整し、燃費及び排ガス出口温度等のパラメータが最適になるように排気弁閉タイミングを決定する。各負荷で上述した排気弁閉タイミングを実施し、最適な排気弁閉タイミングの角度を各負荷で決定する。排気弁閉タイミングパターン212は、この時各負荷のタイミングを滑らかにつながるように微調整を実施し、決定する。
本実施形態の排気弁閉タイミングパターン210は、エンジン負荷が危険回転数域と重なる範囲(エンジン負荷A以上エンジン負荷A以下の範囲)である危険回転範囲220と、危険回転範囲220よりもエンジン負荷が小さい範囲(エンジン負荷A未満の範囲)である第1範囲222及び危険回転範囲220よりもエンジン負荷が大きい範囲(エンジン負荷Aより大きいの範囲)である第2範囲224と、でエンジン負荷に対する排気弁閉タイミングの変化量の変化率が異なる。ここで、エンジン負荷Aは、エンジン負荷Aよりも高い負荷である。また、エンジン負荷は、エンジン回転数と燃料投入量等によって変化する。危険回転数域は、各種条件で変化する燃料投入量の変化幅を考慮して、回転数が危険回転数域となる負荷の範囲である。エンジン負荷Aは、危険回転数域で想定される燃料投入量の最小値と危険回転数の最小値とに基づいて算出される。エンジン負荷Aは、危険回転数域で想定される燃料投入量の最大値と危険回転数の最大値とに基づいて算出される。なお、エンジン負荷は、燃料投入量以外のパラメータとエンジン本体11の回転数に基づいて算出される。
排気弁閉タイミングパターン210は、エンジン負荷Aで変化率が変化する点230があり、エンジン負荷Aで変化率が変化する点232があり、エンジン負荷Aよりも高い値であるエンジン負荷Aで変化率が変化する点234がある。排気弁閉タイミングパターン210は、変化率が変化する点230(エンジン負荷A)よりもエンジン負荷が低い部分が線分240となり、変化率が変化する点230(エンジン負荷A)と変化率が変化する点232(エンジン負荷A)との間が線分242となり、変化率が変化する点232(エンジン負荷A)と変化率が変化する点234(エンジン負荷A)との間が線分244となり、変化率が変化する点234(エンジン負荷A)よりもエンジン負荷が高い部分が線分246となる。線分240と線分246は、排気弁閉タイミングパターン212と同じ傾きとなる。線分242は、線分240と線分244を結んでおり、変化率が変化しない、つまり、排気弁閉タイミングが変化しない。線分244は、線分242と線分246とを結んでおり、変化率が線分242及び線分246よりも大きい。したがって、排気弁閉タイミングパターン210は、エンジン負荷(エンジン本体11の回転数)が、危険回転数域を通過する間を含む危険回転範囲220と、危険回転範囲220よりも回転数が低い第1範囲222とで、回転数の上昇に対する排気弁を閉じるタイミングの変化の変化率が変化する変化率が変化する点230を有し、変化率が変化する点230よりも危険回転範囲220側の線分242の変化率が、変化率が変化する点230よりも第1範囲222側の線分240の変化率よりも小さい。
エンジン制御装置26は、排気弁閉タイミングパターン210に基づいて、排気弁閉タイミングを制御することで、排気弁閉タイミングパターン212で運転した場合よりも危険回転範囲220での排気弁閉タイミングが早くなる。これにより、危険回転数で運転されている場合、危険回転範囲220以外の場合に比べて、エンジン本体11の負荷(回転数)の上昇に比例した燃焼室120での燃料燃焼時の酸素過剰率の低下を抑制することができる。排気弁閉タイミングパターン212で運転した場合と比べ同じ負荷での燃焼室120の酸素過剰率の低下を抑制することができる。
エンジン制御装置26は、危険回転範囲220で負荷が上昇しても燃焼室120に供給する燃料の増加に対応して酸素の量を増加させることができ、空気過剰率の低下を抑制できることで、燃料の燃焼を好適に行うことができる。具体的には、エンジン制御装置26は、危険回転範囲220の負荷を短時間で通過するために、燃料投入量を増加させ、燃焼で生じる出力を増加させ、回転数を短時間に増速させる処理を実行する。エンジン制御装置26は、この処理を実行することで燃料投入量が多くなる。ここで、ディーゼルエンジンシステム10は、エンジン負荷が上昇すると過給機12の回転数が上昇するため、単位時間当たりに供給される空気量は増加するが、危険回転範囲220では、燃料の増加の上昇に対して、過給機12の回転数の上昇が少なくなりやすく、排気弁閉タイミングが他の領域と同様に変化すると、燃料に対する酸素量が少なくなる。エンジン制御装置26は、排気弁閉タイミングパターン210に基づいて、排気弁閉タイミングを制御することで、燃料投入量が増加した場合でも燃焼室120に供給する燃料の増加に対応して空気量を多く保持することができるため、燃焼室120に供給する燃料に対して酸素が少なくなることを抑制できる。これにより、燃料に対して酸素が少なくなり、燃焼が不安定になることを抑制でき、不完全燃焼で黒煙が発生することを抑制できる。また、燃焼が安定して実行できることで、所望の出力を得ることができ、回転数を好適に上昇させることができる。特に、本実施形態の舶用ディーセルエンジン10は、EGRシステム13を稼動させることで、燃焼室120に供給される空気の酸素濃度が低くなり、燃焼の不安定性や黒煙発生のリスクが大きくなるが、排気弁閉タイミングパターン210に基づいて、排気弁閉タイミングを制御することで、燃焼が不安定になることを抑制でき、不完全燃焼で黒煙が発生することを抑制できる。また、燃焼が安定して実行できることで、所望の出力を得ることができ、回転数を好適に上昇させることができる。
排気弁閉タイミングパターン210は、危険回転範囲220での排気弁の閉タイミングを一定とすることで、危険回転範囲220においてエンジン負荷が上昇しても燃焼室120内に保持する酸素の量を、エンジン負荷が小さい条件と同様以上の量とすることができる。また、危険回転範囲220での排気弁の閉タイミングを一定とすることで、パラメータの設定を簡単にすることができ、制御を簡単にすることができる。制御を簡単にできることでエンジン本体11の運転を安定させることができる。
また、排気弁閉タイミングパターン210は、危険回転範囲220の線分242と、排気弁閉タイミングパターン210を排気弁閉タイミングパターン212に近づける線分244以外は、理想線となるように算出した排気弁閉タイミングパターン212と一致するパターンとすることが好ましい。これにより、危険回転数範囲220以外の負荷の範囲で、エンジン本体11をより効率よく運転することができる。
ここで、排気弁閉タイミングパターン210は、線分242の変化率はゼロに近いことが好ましい。これにより、エンジン本体11の負荷が線分242の範囲で増減した場合に、排気弁閉タイミングの変動が大きくなりすぎ、エンジン本体11の運転が不安定になることを抑制できる。
また、排気弁閉タイミングパターン210は、回転数を含むパラメータで算出されるエンジン本体11の負荷と排気弁を閉じるタイミングとを対応付け、エンジン本体11の負荷が高くなるにしたがって、燃焼サイクルにおける排気弁を閉じるタイミングが遅くなる関係とすることで、エンジン本体11の運転効率を高くすることができる。
ここで、排気弁閉タイミングパターン210は、危険回転範囲220で排気弁閉タイミングを一定としたが本発明はこれに限定されない。また、エンジン制御装置26は、負荷が増加(上昇)する場合と、減少する場合とで、適用する排気弁閉タイミングパターン210を切り換えてもよい。
図5は、エンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係の他の例を示すグラフである。以下、図5を用いて、排気弁閉タイミングパターンの他の例を説明する。図5のエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係を用いるエンジン制御装置26は、排気弁閉タイミングパターン250と排気弁閉タイミングパターン252と、を有する。排気弁閉タイミングパターン250は、エンジン負荷が増加する場合に適用されるエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係である。排気弁閉タイミングパターン252は、エンジン負荷が減少する場合に適用されるエンジン負荷と排気弁閉タイミングとの関係である。
排気弁閉タイミングパターン250は、エンジン負荷Aで変化率が変化する点230aがあり、エンジン負荷Aで変化率が変化する点232aがあり、エンジン負荷Aよりも高い値であるエンジン負荷Aで変化率が変化する点234aがある。排気弁閉タイミングパターン250は、変化率が変化する点230a(エンジン負荷A)よりもエンジン負荷が低い部分が線分240aとなり、変化率が変化する点230a(エンジン負荷A)と変化率が変化する232a(エンジン負荷A)との間が線分242aとなり、変化率が変化する点232a(エンジン負荷A)と変化率が変化する点234a(エンジン負荷A)との間が線分244aとなり、変化率が変化する点234a(エンジン負荷A)よりもエンジン負荷が高い部分が線分246aとなる。線分240aと線分246aは、排気弁閉タイミングパターン210と同様で理想線に基づいて算出される排気弁閉タイミングパターンと同じ傾きとなる。線分242aは、線分240aと線分244aを結んでおり、負荷が増加するにしたがって排気弁閉タイミングが遅くなる。線分242aは、線分240aに比べて変化率が小さくなる。つまり線分242aは、図5に示す縦軸を排気弁閉タイミングの角度とし、横軸をエンジン本体11の負荷としたグラフにおいて、線分240aよりも傾きが小さくなる。線分244aは、線分242aと線分246aとを結んでおり、変化率が線分242a及び線分246aよりも大きい。
このように、排気弁閉タイミングパターン250は、線分242aの変化率が0ではないが、エンジン負荷(エンジン本体の回転数)が、危険回転数域を通過する間を含む危険回転範囲220と、危険回転範囲220よりも回転数が低い第1範囲222とで、回転数の上昇に対する排気弁を閉じるタイミングの変化の変化率が変化する変化率が変化する点230aを有し、変化率が変化する点230aよりも危険回転範囲220側の線分242aの変化率が、変化率が変化する点230aよりも第1範囲222側の線分240aの変化率よりも小さい関係を満たす。エンジン制御装置26は、線分242aの変化率が0ではない場合も変化率が変化する点230aよりも危険回転範囲220側の線分242aの変化率が、変化率が変化する点230aよりも第1範囲222側の線分240aの変化率よりも小さい関係を満たすことで、上記と同様の効果を得ることができる。また、排気弁閉タイミングパターン250は、危険回転範囲220でのエンジン本体11の運転が、排気弁閉タイミングパターン210の場合よりも不安定になる恐れがあるが、運転の効率を上昇させることができる。
排気弁閉タイミングパターン252は、エンジン負荷Aよりも負荷が小さいエンジン負荷Aで変化率が変化する点があり、エンジン負荷Aで変化率が変化する点があり、エンジン負荷Aで変化率が変化する点がある。排気弁閉タイミングパターン252は、エンジン負荷Aよりもエンジン負荷が低い部分が線分240bとなり、エンジン負荷Aとエンジン負荷Aとの間が線分248となり、エンジン負荷Aとエンジン負荷Aとの間が線分244bとなり、エンジン負荷Aよりもエンジン負荷が高い部分が線分246bとなる。線分240bと線分246bは、排気弁閉タイミングパターン250と同様で理想線に基づいて算出される排気弁閉タイミングパターンと同じ傾きとなる。線分248は、線分240bと線分244bを結んでおり、変化率が線分240b及び線分244bよりも大きい。線分244bは、線分248と線分246bを結んでおり、負荷が変化しても排気弁閉タイミングが変化しない。線分244bは、変化率が0となる。
エンジン制御装置26は、エンジン本体11の負荷が減少する場合、例えば、所定の船速で航行している状態からエンジン本体11を停止させる場合、排気弁閉タイミングパターン252に基づいて排気弁閉タイミングを制御する。エンジン制御装置26は、エンジン本体11の負荷が減少する場合、危険回転範囲220で、燃料の投入が少なくなるため、排気弁閉タイミングパターン252に示すように、変化率が変化する点230aよりも危険回転範囲220側の線分244bの変化率が、変化率が変化する点230aよりも第1範囲222側の線分248の変化率よりも小さい関係を満たすことで、危険回転範囲220での排気弁閉タイミングの変動を抑制することができる。これにより、危険回転範囲220において酸素過剰率が急激に変化することを抑制でき、燃焼を安定させることができる。
エンジン制御装置26は、排気弁閉タイミングパターンとして、エンジン本体の回転数が増加する場合と、エンジン本体の回転数が減少する場合と、危険運転範囲220のエンジン本体11の回転数と排気弁を閉じるタイミングと、が異なる関係を用いることがで、エンジン本体11をより安定して運転させることができる。
また、上記実施形態は、エンジン負荷に基づいて排気弁閉タイミングを制御したが、これに限定されない。エンジン制御装置は、エンジン本体11の回転数に基づいて、排気弁閉タイミングを制御してもよい。図6は、エンジン本体の回転数と排気弁閉タイミングとの関係を示すグラフである。図6は、図4と同様に理想線で算出したエンジン本体の回転数と排気弁閉タイミングとの関係である排気弁閉タイミングパターン262も示す。図6に示す排気弁閉タイミングパターン260は、エンジン本体の回転数が危険回転数域と重なる範囲(エンジン回転数B以上エンジン回転数B以下の範囲)である危険回転範囲220aと、危険回転範囲220aよりもエンジン回転数が小さい範囲(エンジン回転数B未満の範囲)である第1範囲222a及び危険回転範囲220aよりもエンジン回転数が大きい範囲(エンジン回転数Bより大きい範囲)である第2範囲224aと、でエンジン回転数に対する排気弁閉タイミングの変化量の変化率が異なる。ここで、エンジン回転数Bは、エンジン回転数Bよりも高い回転数である。
排気弁閉タイミングパターン260は、エンジン回転数Bで変化率が変化する点230cがあり、エンジン回転数Bで変化率が変化する点232cがあり、エンジン回転数Bよりも高い値であるエンジン回転数Bで変化率が変化する点234cがある。排気弁閉タイミングパターン260は、変化率が変化する点230c(エンジン回転数B)よりもエンジン回転数が低い部分が線分240cとなり、変化率が変化する点230c(エンジン回転数B)と変化率が変化する点232c(エンジン回転数B)との間が線分242cとなり、変化率が変化する点232c(エンジン回転数B)と変化率が変化する点234c(エンジン回転数B)との間が線分244cとなり、変化率が変化する点234c(エンジン回転数B)よりもエンジン回転数が高い部分が線分246cとなる。線分240cと線分246cは、排気弁閉タイミングパターン262と同じ傾きとなる。線分242cは、線分240cと線分244cを結んでおり、変化率が変化しない、つまり、排気弁閉タイミングが変化しない。線分244cは、線分242と線分246とを結んでおり、変化率が線分242c及び線分246cよりも大きい。したがって、排気弁閉タイミングパターン260は、エンジン回転数(エンジン本体の回転数)が、危険回転数域を通過する間を含む危険回転範囲220aと、危険回転範囲220aよりも回転数が低い第1範囲222aとで、回転数の上昇に対する排気弁を閉じるタイミングの変化の変化率が変化する変化率が変化する点230cを有し、変化率が変化する点230cよりも危険回転範囲220a側の線分242cの変化率が、変化率が変化する点230cよりも第1範囲222a側の線分240cの変化率よりも小さい。
エンジン制御装置26は、排気弁閉タイミングパターン260に基づいて、排気弁閉タイミングを制御することで、排気弁閉タイミングパターン262で運転した場合よりも危険回転範囲220aでの排気弁閉タイミングが早くなる。これにより、危険回転数で運転されている場合、危険回転範囲220a以外の場合に比べて、エンジン本体11の負荷(回転数)の上昇(増加)に比例して燃焼室120での燃料燃焼時の酸素過剰率が低下することを抑制できる。つまり、投入される燃料に対する酸素の量の減少を少なくすることができ、排気弁閉タイミングパターン262で運転した場合と比べ同じ負荷での燃焼室120の酸素の量を多くすることができる。このように、エンジン制御装置26は、エンジン負荷ではなく、エンジン本体11の回転数に基づいて制御を行っても、エンジン負荷の場合と同様の効果を得ることができる。
また、エンジン制御装置26は、排気弁閉タイミングに加え、排気弁を開くタイミングである排気弁開タイミングも、危険回転数域とその他の回転数域とで変化率を変化させてもよい。
また、上記実施形態においては、EGRを備える内燃機関を例としたが、EGRを備えない内燃機関にも適用される。
10 舶用ディーゼルエンジン
11 エンジン本体
12 過給機
13 EGRシステム
14 デミスタユニット
26 エンジン制御装置
41A EGR入口バルブ
41B EGR出口バルブ
42 スクラバ
47 EGRブロワ
48 エアクーラ(冷却器)
60 EGR制御装置
62 回転数検出部
64 燃料投入量検出部
66 酸素濃度検出部
111 台板
112 架構
113 シリンダジャケット
114 テンションボルト(タイボルト/連結部材)
115 ナット
116 シリンダライナ
117 シリンダカバー
118 空間部
119 ピストン
120 燃焼室
121 排気弁
122 排ガス管
123 ピストン棒
124 クランクシャフト
125 軸受
126 クランク
127 連接棒
128 ガイド板
129 クロスヘッド

Claims (4)

  1. 排気弁を開閉し、燃焼室内からの排気を制御するエンジン本体と、
    前記エンジン本体を制御し、前記エンジン本体の負荷または回転数が高くなるにしたがって、燃焼サイクルにおける前記排気弁を閉じるタイミングが遅くなる排気弁閉タイミングパターンに基づいて、前記排気弁の動作を制御する制御装置と、を有し、
    前記エンジン本体は、回転数に対して、危険回転域を通過する間である危険回転範囲と、前記危険回転範囲よりも回転数が低い第1範囲および前記危険回転範囲よりも回転数が高い第2範囲を有し、
    前記危険回転域は、共振が生じ、その回転数域での長時間の運転が禁止される範囲であり、
    前記排気弁閉タイミングパターンは、前記危険回転範囲と前記第1範囲との境界の点に前記回転数の上昇に対する前記排気弁を閉じるタイミングの変化の変化率が変化する点を有し、
    前記排気弁閉タイミングパターンは、前記変化率が変化する点よりも前記危険回転範囲側における変化率が、前記変化率が変化する点よりも前記第1範囲側における変化率よりも小さくなり、
    前記第2範囲では、前記エンジン本体の回転数が高くなるにしたがって、前記第1範囲での前記変化率より変化率が大きくなってから前記第1範囲での前記変化率と同じとなことを特徴とする舶用ディーゼルエンジン。
  2. 前記排気弁閉タイミングパターンは、回転数を含むパラメータで算出される前記エンジン本体の負荷と、前記排気弁を閉じるタイミングと、が対応付けられ、
    前記エンジン本体の負荷が高くなるにしたがって、燃焼サイクルにおける前記排気弁を閉じるタイミングが遅くなることを特徴とする請求項1に記載の舶用ディーゼルエンジン。
  3. 前記排気弁閉タイミングパターンは、前記危険回転範囲で、前記排気弁の閉タイミングが一定であることを特徴とする請求項1または2に記載の舶用ディーゼルエンジン。
  4. 前記排気弁閉タイミングパターンは、前記エンジン本体の回転数が増加する場合と、前記エンジン本体の回転数が減少する場合とで前記危険回転範囲の前記エンジン本体の回転数と前記排気弁を閉じるタイミングと、が異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の舶用ディーゼルエンジン。
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