JP6922675B2 - 製造プロセスの状態予測装置、方法及びプログラム、並びに製造プロセスの制御システム - Google Patents
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Description
例えば鋼板の熱間圧延の冷却では、伝熱理論に基づくモデルで鋼板温度を計算し、冷却装置出側の温度(冷却停止温度)が所望の値となるように操作量である冷却水量や搬送速度を設定する。しかしながら、鋼種毎の表面性状に起因する熱伝達率の違い等、モデルで表現しきれない部分があり、誤差が生じることがある。これらの誤差を実績から経験的に予測し、補償するのに機械学習が用いられている。
また、熱延鋼板の熱間圧延での幅制御では、製品幅が所望の値になるように操作量である粗圧延機出側の幅(粗出側幅)狙い値を設定する。ただし、その後の仕上げ圧延では、圧延機間の張力や熱収縮に起因する「幅縮み」が起きる。所望の製品幅となる粗出側幅を得るためには、この幅縮み量を予測する必要があるが、鋼種や張力と幅縮み量の関係を表わした一般的なモデルはいまだに確立していない。そこで、幅縮み量を実績から経験的に予測し、製品幅に反映させるのに機械学習が用いられている。
しかしながら、層別学習では下記のような問題があり、予測精度には限界がある。
・層別が粗すぎると、目的変数の傾向の異なる製品を同じ区分で学習することになり、予測精度が上がらない。
・層別が細かすぎると、1区分に入ってくる実績が少なくなり、学習が進まず、予測精度が上がらない。
・考慮する製造条件数を増やすと、層別が細かくなりすぎ学習が進まないため、考慮可能な製造条件数は高々4条件程度である。そのため、他にも目的変数の変動の要因となりそうな製造条件があっても考慮できず、予測精度が上がらない。
・同一区分内では製造条件によらず目的変数は一値として扱うため、製造条件と目的変数間の関係性を表現できず、予測精度が上がらない。
知能的機械学習法に関する技術として、特許文献2には、厚鋼板の冷却停止時における温度制御の精度を向上させるため、過去の操業実績をデータベースに保存しておき、次回以降の冷却制御を行う前に、圧延実績や冷却条件等の製造条件が当該厚鋼板と類似した実績データを抽出し、抽出した過去データから、当該厚鋼板の冷却停止温度予測モデルに係る誤差や熱伝達係数補正量を推定し、この誤差や熱伝達係数補正量と温度予測モデルとを組み合わせて、冷却ゾーンの水冷装置の水量や鋼板搬送速度の決定を行う手法が開示されており、所謂Just−In−Time学習法を適用することが提案されている。また、特許文献3には、圧延機の設定計算における学習制御において、材料特有のモデル誤差を、ニューラルネットで求める手法が開示されている。
この誤差の原因として、例えば圧延であれば、ロールの摩耗や熱膨張、設備の経時劣化等、定量値が得られず、製造条件として入力できない因子の存在が挙げられる。
ここで、ロールの摩耗や設備の経時劣化等の因子は、ある製品の製造時点とその次の製品の製造時点の間で急激に進行するとは考えられず、ロール研磨や交換、設備補修等がない限り、時間方向で連続性(時間的連続性)があるといえる。
本願では、これらの時間的連続性があり、誤差の原因となる因子を、時間的連続性がある誤差因子とする。そして、時間的連続性がある誤差因子による目的変数への影響代を時間変動成分とする。
[1] 製品を製造する製造プロセスを対象にして、
予測対象製品の製造条件を入力として、前記製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を目的変数として予測し、
製造条件の実績値と目的変数の実績値とを用いて学習を行う製造プロセスの状態予測装置であって、
予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値である第1の予測値を出力する第1の予測手段と、
時間的連続性がある誤差因子の目的変数への影響代の予測値である第2の予測値を出力する第2の予測手段と、
前記第1の予測手段が出力した第1の予測値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との和又は積を、目的変数の予測値として出力する演算手段とを備え、
前記第1の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との差又は比を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、前記解析した関係を予測対象製品の第1の予測値出力に反映する機能を有する第1の学習法により学習し、
前記第2の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第1の予測手段が出力した第1の予測値との差又は比を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の第2の予測値出力に反映する機能を有する第2の学習法により学習することを特徴とする製造プロセスの状態予測装置。
[2] 前記第1の学習法は、Just−In−Time学習法又はニューラルネットワークを用いた学習法であることを特徴とする[1]に記載の製造プロセスの状態予測装置。
[3] 前記第2の学習法は、指数平滑学習法又は移動平均学習法であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の製造プロセスの状態予測装置。
[4] 熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスを対象にして、
予測対象製品となる熱延鋼板の製造条件である圧延条件を入力として、粗圧延した後に仕上げ圧延で当該熱延鋼板に生じる幅縮み量を目的変数として予測することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の製造プロセスの状態予測装置。
[5] [1]乃至[4]のいずれか一つに記載の製造プロセスの状態予測装置と、
予測対象製品の製造条件と、前記製造プロセスの状態予測装置が出力した目的変数の予測値とに基づいて、前記製造プロセスにおける所定の設定値を設定する設定計算手段とを備えたことを特徴とする製造プロセスの制御システム。
[6] 製品を製造する製造プロセスを対象にして、
予測対象製品の製造条件を入力として、前記製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を目的変数として予測し、
製造条件の実績値と目的変数の実績値とを用いて学習を行う製造プロセスの状態予測方法であって、
第1の予測手段が、予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値である第1の予測値を出力するステップと、
第2の予測手段が、時間的連続性がある誤差因子の目的変数への影響代の予測値である第2の予測値を出力するステップと、
演算手段が、前記第1の予測手段が出力した第1の予測値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との和又は積を、目的変数の予測値として出力するステップとを有し、
さらに、
前記第1の予測手段が、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との差又は比を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、前記解析した関係を予測対象製品の第1の予測値出力に反映する機能を有する第1の学習法により学習するステップと、
前記第2の予測手段が、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第1の予測手段が出力した第1の予測値との差又は比を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の第2の予測値出力に反映する機能を有する第2の学習法により学習するステップとを有することを特徴とする製造プロセスの状態予測方法。
[7] 前記第1の学習法は、Just−In−Time学習法又はニューラルネットワークを用いた学習法であることを特徴とする[6]に記載の製造プロセスの状態予測方法。
[8] 前記第2の学習法は、指数平滑学習法又は移動平均学習法であることを特徴とする[6]又は[7]に記載の製造プロセスの状態予測方法。
[9] 製品を製造する製造プロセスを対象にして、
予測対象製品の製造条件を入力として、前記製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を目的変数として予測し、
製造条件の実績値と目的変数の実績値とを用いて学習を行うためのプログラムであって、
予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値である第1の予測値を出力する第1の予測手段と、
時間的連続性がある誤差因子の目的変数への影響代の予測値である第2の予測値を出力する第2の予測手段と、
前記第1の予測手段が出力した第1の予測値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との和又は積を、目的変数の予測値として出力する演算手段としてコンピュータを機能させ、
前記第1の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との差又は比を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、前記解析した関係を予測対象製品の第1の予測値出力に反映する機能を有する第1の学習法により学習し、
前記第2の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第1の予測手段が出力した第1の予測値との差又は比を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の第2の予測値出力に反映する機能を有する第2の学習法により学習することを特徴とするプログラム。
[10] 前記第1の学習法は、Just−In−Time学習法又はニューラルネットワークを用いた学習法であることを特徴とする[9]に記載のプログラム。
[11] 前記第2の学習法は、指数平滑学習法又は移動平均学習法であることを特徴とする[9]又は[10]に記載のプログラム。
(第1の実施形態)
図1に、第1の実施形態に係る製造プロセスの制御システムの構成例を示す。
本実施形態に係る製造プロセスの制御システムは、製造プロセスにおいて実操業を実施するための設備1と、上位コンピュータ2と、学習器3と、プロセスコンピュータ4とを備える。
図1のうち、学習器3が本発明である製造プロセスの状態予測装置として機能するものであり、それ以外の構成は図1の構成に限定されるものでない。製造プロセス制御への機械学習の適用構成として公知なものであればすべて適用可能である。
設備1は、例えば鋼板の圧延に用いられる圧延機である。なお、圧延機を図示するが、圧延機に限られるものではなく、鋼板の冷却に用いられる冷却装置等であってもよい。
図1の例では、予測対象製品の製造条件が上位コンピュータ2から与えられるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば前工程のプロセスコンピュータから与えられるようにしてもよい。
本実施形態において、学習器3は、製造条件起因成分学習部31と、時間変動成分学習部32とを備える。
また、図1の例では、上位コンピュータ2からの製造条件と設備1からの製造条件実績値とを区別して描いているが、製造条件実績値は実操業後の製造条件という意味で、計測器がない場合や、設定値と実績値にほとんど違いがない場合等は、操業前に与えられた製造条件をそのまま操業後の製造条件実績値として扱うこともある。
製造条件起因成分学習部31は、予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値(以下、製造条件起因成分予測値と呼ぶ)を出力する。詳細は後述するが、製造条件起因成分学習部31は知能的機械学習法による学習機能を有しており、予測対象製品の製造条件を入力として、採用している知能的機械学習法のルールに基づいて製造条件起因成分予測値を出力する。本実施形態では、製造条件起因成分学習部31が本発明でいう第1の予測手段に相当し、製造条件起因成分予測値が本発明でいう第1の予測値に相当する。
製造条件起因成分学習部31は、製品を製造した際の、製造条件実績値と、演算部34の演算結果(すなわち、目的変数実績値と時間変動成分学習部32が出力した時間変動成分予測値との差)とに基づいて、知能的機械学習法により学習する。知能的機械学習法とは、入力値又は入力値から抽出される特徴量と学習対象の値との関係を解析する機能を有する学習法であり、例えばJust−In−Time学習法、ニューラルネットワークを用いた学習法、サポートベクター回帰による学習法が該当する。製造条件起因成分学習部31での知能的機械学習法は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と時間変動成分学習部32が出力した時間変動成分予測値との差を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、当該解析した関係を予測対象製品の製造条件起因成分予測値出力に反映する機能を有する。製造条件起因成分学習部31では、製造条件実績値を入力値とし、図5の左図に示すように目的変数実績値と時間変動成分予測値との差を学習対象の値として、製造条件と、目的変数実績値と時間変動成分予測値との差との関係を解析する。
時間変動成分学習部32は、製品を製造した際の演算部35の演算結果(すなわち、目的変数実績値と製造条件起因成分学習部31が出力した製造条件起因成分予測値との差)に基づいて、時間追従型学習法により学習する。時間追従型学習法とは、時間的に新しい学習対象の値を優先的に予測値に反映する機能を有する学習法であり、例えば指数平滑学習法又は移動平均学習法(重みつき移動平均も含む)が該当する。時間変動成分学習部32での時間追従型学習法は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と製造条件起因成分学習部31が出力した製造条件起因成分予測値との差を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の時間変動成分予測値出力に反映する機能を有する。時間変動成分学習部32では、図5の右図に示すように目的変数実績値と製造条件起因成分予測値との差を、時間的に新しいものほど優先的に時間変動成分予測値に反映する。
ステップS4で、設定計算部として機能するプロセスコンピュータ4は、予測対象製品の製造条件と、ステップS3において出力される目的変数予測値とに基づいて、設備1の設定値を設定する。これを受けて、設備1は設定値に基づいて操業を実施する。
図3では表現の簡便化のため、製造条件起因成分学習部31に入力される製造条件も、設定計算部4に入力される製造条件もx[q]で同じにしているが、上述のように設定計算部4に用いる製造条件を学習器3では用いない場合もあるし、設定計算部4に用いない製造条件を学習器3で用いる場合もある。
Just−In−Time学習法を採用する場合、データベースとなる記憶領域DBが設けられており、記憶領域DB内には過去製品の製造条件実績値xact[0],・・・,xact[q−1]と、目的変数実績値とその製品製造時の時間変動成分予測値との差yact[0]−y^time[0],・・・,yact[q−1]−y^time[q−1]とが保存されている。なお、y^timeの表記は、ytimeの上に^が付されているものとする。この記憶領域DBに予測対象製品の製造条件x[q]を入力し、それと類似する製造条件のデータ(類似データ)xact[inbr],yact[inbr]−y^time[inbr](inbr=inbr0,・・・,inbrN)を抽出する。類似度は、予測対象製品の製造条件x[q]との製造条件空間におけるユークリッド距離等により判定する。このようにして抽出した類似データを用いて、局所回帰モデルを生成する。回帰法としては、式(1)に示すリッジ回帰(λは正則化係数)等がある。そして、生成した局所回帰モデルに、予測対象製品の製造条件x[q]を入力し、式(2)に示すように、製造条件起因成分予測値y^spec[q]を得る。なお、y^specの表記は、yspecの上に^が付されているものとする。
図4に、第2の実施形態に係る製造プロセスの制御システムの構成例を示す。
以下、図1に示す第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して説明し、第1の実施形態との相違点だけを説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の演算部33、34、35において+を×に、−を÷に置き替えたものとなっている。
具体的には、演算部33は、製造条件起因成分学習部31が出力した製造条件起因成分予測値と、時間変動成分学習部32が出力した時間変動成分予測値との積を、目的変数予測値として出力する。
また、演算部34は、目的変数実績値と、時間変動成分学習部32が出力した時間変動成分予測値との比を演算して、製造条件起因成分学習部31に出力する。
また、演算部35は、目的変数実績値と、製造条件起因成分学習部31が出力した製造条件起因成分予測値との比を演算して、時間変動成分学習部32に出力する。
この場合に、図1では、一つのコンピュータが学習器3として機能するかのように図示するが、複数のコンピュータが相まって学習器3として機能し、ネットワークを介して相互に入出力を行うような形態でもよい。
また、図1では、学習器3をプロセスコンピュータ4と別途設置する構成として図示するが、例えばプロセスコンピュータ4の計算能力が十分に高い場合は、プロセスコンピュータ4が学習器3として機能するように構成してもよく、本発明を適用する製造プロセスの状態予測装置のハードウェア構成は限定されるものではない。
図6に、数値実験のための機能構成を示す。数値実験では、熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスを対象にして、予測対象製品となる熱延鋼板の製造条件である圧延条件を入力として、粗圧延した後に仕上げ圧延で当該熱延鋼板に生じる幅縮み量を目的変数として予測する。幅縮み量は、粗圧延機で圧延後の熱延鋼板の出側の幅(粗出側幅)と、仕上げ圧延機で圧延後の当該熱延鋼板の出側の幅(仕上げ出側幅)との差分として定義される。
本発明を適用した手法(発明法と呼ぶ)では、パーソナルコンピュータ100で製造条件起因成分学習部31、時間変動成分学習部32、演算部33〜35を再現して、数値実験を行った。工場の操業実績記録に残っている製造条件をパーソナルコンピュータ100に入力し、それに基づく幅縮み量の予測値を、同じく操業実績記録に残っている幅縮み量の実績値と比較した。製造条件起因成分学習部31にはJust−In−Time学習法を採用し、時間変動成分学習部には層別なし指数平滑学習法を採用した。
また、比較法2として、製造条件起因成分学習部31に知能的機械学習法でなく、指数平滑処理による層別学習を採用する手法の数値実験も行った。
一方、図8に、比較法1による幅縮み量予測精度を表わす散布図を示す。図9に、比較法2による幅縮み量予測精度を表わす散布図を示す。
発明法では、比較法1より5%程度の予測誤差のばらつきが減少していることが確認できる。これは、比較法1と比べて、発明法では製造条件起因成分と時間変動成分との切り分けがより良くできていることを示している。
また、比較法2と比較しても、発明法の予測精度が良いことが確認できる。これは、製造条件起因成分学習部31に指数平滑処理による層別学習を採用する場合、背景技術の欄で既述した層別学習での問題に起因して予測精度が上がらないためであり、換言すれば、製造条件起因成分学習部31に知能的機械学習法を用いる本発明の特徴が効果を発揮していることを示している。
本発明は、上記実施形態のように鋼板の冷却や幅制御に適用されるだけでなく、汎用的に適用可能であって、製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を予測するのに広く効果を有する。
また、本発明は、本発明の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
Claims (11)
- 製品を製造する製造プロセスを対象にして、
予測対象製品の製造条件を入力として、前記製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を目的変数として予測し、
製造条件の実績値と目的変数の実績値とを用いて学習を行う製造プロセスの状態予測装置であって、
予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値である第1の予測値を出力する第1の予測手段と、
時間的連続性がある誤差因子の目的変数への影響代の予測値である第2の予測値を出力する第2の予測手段と、
前記第1の予測手段が出力した第1の予測値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との和又は積を、目的変数の予測値として出力する演算手段とを備え、
前記第1の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との差又は比を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、前記解析した関係を予測対象製品の第1の予測値出力に反映する機能を有する第1の学習法により学習し、
前記第2の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第1の予測手段が出力した第1の予測値との差又は比を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の第2の予測値出力に反映する機能を有する第2の学習法により学習することを特徴とする製造プロセスの状態予測装置。 - 前記第1の学習法は、Just−In−Time学習法又はニューラルネットワークを用いた学習法であることを特徴とする請求項1に記載の製造プロセスの状態予測装置。
- 前記第2の学習法は、指数平滑学習法又は移動平均学習法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造プロセスの状態予測装置。
- 熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスを対象にして、
予測対象製品となる熱延鋼板の製造条件である圧延条件を入力として、粗圧延した後に仕上げ圧延で当該熱延鋼板に生じる幅縮み量を目的変数として予測することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造プロセスの状態予測装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造プロセスの状態予測装置と、
予測対象製品の製造条件と、前記製造プロセスの状態予測装置が出力した目的変数の予測値とに基づいて、前記製造プロセスにおける所定の設定値を設定する設定計算手段とを備えたことを特徴とする製造プロセスの制御システム。 - 製品を製造する製造プロセスを対象にして、
予測対象製品の製造条件を入力として、前記製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を目的変数として予測し、
製造条件の実績値と目的変数の実績値とを用いて学習を行う製造プロセスの状態予測方法であって、
第1の予測手段が、予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値である第1の予測値を出力するステップと、
第2の予測手段が、時間的連続性がある誤差因子の目的変数への影響代の予測値である第2の予測値を出力するステップと、
演算手段が、前記第1の予測手段が出力した第1の予測値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との和又は積を、目的変数の予測値として出力するステップとを有し、
さらに、
前記第1の予測手段が、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との差又は比を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、前記解析した関係を予測対象製品の第1の予測値出力に反映する機能を有する第1の学習法により学習するステップと、
前記第2の予測手段が、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第1の予測手段が出力した第1の予測値との差又は比を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の第2の予測値出力に反映する機能を有する第2の学習法により学習するステップとを有することを特徴とする製造プロセスの状態予測方法。 - 前記第1の学習法は、Just−In−Time学習法又はニューラルネットワークを用いた学習法であることを特徴とする請求項6に記載の製造プロセスの状態予測方法。
- 前記第2の学習法は、指数平滑学習法又は移動平均学習法であることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造プロセスの状態予測方法。
- 製品を製造する製造プロセスを対象にして、
予測対象製品の製造条件を入力として、前記製造プロセスにおける所定の状態を表わす値を目的変数として予測し、
製造条件の実績値と目的変数の実績値とを用いて学習を行うためのプログラムであって、
予測対象製品の製造条件を入力として、製造条件に起因する目的変数への影響代の予測値である第1の予測値を出力する第1の予測手段と、
時間的連続性がある誤差因子の目的変数への影響代の予測値である第2の予測値を出力する第2の予測手段と、
前記第1の予測手段が出力した第1の予測値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との和又は積を、目的変数の予測値として出力する演算手段としてコンピュータを機能させ、
前記第1の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第2の予測手段が出力した第2の予測値との差又は比を第1の実績値とし、過去に製品を製造した際の製造条件の実績値と第1の実績値との関係を解析し、前記解析した関係を予測対象製品の第1の予測値出力に反映する機能を有する第1の学習法により学習し、
前記第2の予測手段は、過去に製品を製造した際の目的変数の実績値と前記第1の予測手段が出力した第1の予測値との差又は比を第2の実績値とし、時間的に新しい第2の実績値を優先的に予測対象製品の第2の予測値出力に反映する機能を有する第2の学習法により学習することを特徴とするプログラム。 - 前記第1の学習法は、Just−In−Time学習法又はニューラルネットワークを用いた学習法であることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
- 前記第2の学習法は、指数平滑学習法又は移動平均学習法であることを特徴とする請求項9又は10に記載のプログラム。
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