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JP6922346B2 - 搬送システム - Google Patents

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JP6922346B2
JP6922346B2 JP2017071953A JP2017071953A JP6922346B2 JP 6922346 B2 JP6922346 B2 JP 6922346B2 JP 2017071953 A JP2017071953 A JP 2017071953A JP 2017071953 A JP2017071953 A JP 2017071953A JP 6922346 B2 JP6922346 B2 JP 6922346B2
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J13/00Devices or arrangements of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, specially adapted for supporting or handling copy material in short lengths, e.g. sheets
    • B41J13/0009Devices or arrangements of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, specially adapted for supporting or handling copy material in short lengths, e.g. sheets control of the transport of the copy material

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Description

本開示は、第一及び第二ローラの回転により、シートを搬送するシステムに関する。
従来、複数のローラの回転によりシートを搬送する搬送システムが知られている。シートの搬送制御は、ローラ毎のモータを制御することによって実現される。この種の搬送システムは、例えば、インクジェットプリンタ等の画像形成システムに搭載される。
シートの撓みの変化によって、インク液滴の着弾点にずれが生じ、これによりシートに形成される画像の品質が低下するのを抑えるために、シート張力を制御しながら、シートを搬送するシステムも知られている(特許文献1参照)。
特開2014−197319号公報
しかしながら、シート張力を制御しながら、複数ローラによりシートを搬送するシステムでは、複数ローラのうちの単一ローラによりシートが搬送される張力制御が不可能な期間と、複数ローラによりシートが搬送される張力制御可能な期間と、で制御を切り替える際、制御誤差が大きくなる可能性がある。例えば、張力制御可能な期間に入り、シート張力をゼロから目標張力に近づける制御の際には、上流側のローラの回転が抑えられる。このとき、シートの速度が目標速度から低下する方向に乖離してしまう可能性がある。
そこで、本開示の一側面によれば、シートが複数ローラにより搬送される期間の初期にシートの運動が目標から乖離するのを抑えながら、シート張力を制御可能な技術を提供できることが望ましい。
本開示の一側面に係る搬送システムは、搬送機構と、第一駆動デバイスと、第二駆動デバイスと、第一計測デバイスと、第二計測デバイスと、制御デバイスと、を備える。搬送機構は、第一ローラと第二ローラとを備える。第一ローラ及び第二ローラは、シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置される。搬送機構は、第一ローラ及び第二ローラの回転により、シートを搬送する。
第一駆動デバイスは、第一ローラを回転駆動する。第二駆動デバイスは、第二ローラを回転駆動する。第一計測デバイスは、第一ローラの回転運動に関する状態量を計測する。第二計測デバイスは、第二ローラの回転運動に関する状態量を計測する。制御デバイスは、第一駆動デバイス及び第二駆動デバイスを制御する。具体的には、制御デバイスは、第一操作量U1に対応する駆動信号を第一駆動デバイスに入力して第一駆動デバイスを制御し、第二操作量U2に対応する駆動信号を第二駆動デバイスに入力して第二駆動デバイスを制御する。
この制御デバイスは、第一ローラ及び第二ローラの一方によってシートが搬送される第一期間には、第一計測デバイスにより計測された状態量と目標状態量とに基づき、第一操作量U1を算出し、第二計測デバイスにより計測された状態量と目標状態量とに基づき、
第二操作量U2を算出する。
制御デバイスは、第一ローラ及び第二ローラの両者によってシートが搬送される第二期間には、第二計測デバイスにより計測された状態量と目標状態量とに基づき、第二操作量U2を算出する。第二期間において、制御デバイスは更に、第一操作量U1と第一計測デバイスにより計測された状態量とに基づき、第一ローラに作用する張力の推定値である第一張力推定値R1を算出し、第二操作量U2と第二計測デバイスにより計測された状態量とに基づき、第二ローラに作用する張力の推定値である第二張力推定値R2を算出する。
第二期間において、制御デバイスは更に、第一張力推定値R1と第二張力推定値R2と目標張力Rrとに基づき、シートの張力を目標張力Rrに制御するための操作量である張力操作量URを算出し、第二操作量U2から張力操作量URを減算することにより、シートを目標張力で搬送するための第一操作量U1=U2−URを算出する。更に、制御デバイスは、第二期間の初期には、第一操作量U1の変化を抑える方向に第一操作量U1を調整する。
第一期間での上述した制御により、第一期間から第二期間への移行時には、第一操作量U1と第二操作量U2とが互いに近似する。一方、第二期間の初期には、シート張力を、実質的にゼロから目標張力Rrに制御しようとするために、大きな張力操作量URが算出され、そのままでは第一操作量U1が大きく変化する。このことによって、シートの運動が目標から乖離する。
これに対し、本開示の一側面によれば、第二期間の初期には、第一操作量U1の変化を抑える方向に第一操作量U1が調整される。従って、シートの運動が目標から乖離するのを抑えながら、シート張力を制御することができる。上述した状態量及び目標状態量は、それぞれ、速度及び目標速度であってもよい。この場合には、シートの速度が目標速度から乖離するのを抑えつつ、シート張力を目標張力まで上昇させることができる。
本開示の一側面によれば、制御デバイスは、第二期間において、ゲインK1と第二操作量U2と張力操作量URとに基づき、式U1=K1×U2−URに従う第一操作量U1を算出するように構成されてもよい。この場合、制御デバイスは、第二期間の初期には、調整パラメータとしてのゲインK1を、値1より大きい初期値から値1まで減少方向に調整することにより、第一操作量U1の変化を抑える方向に第一操作量U1を調整する構成にされ得る。
あるいは、制御デバイスは、第二期間の開始時には、ゲインK1を、値1より大きい初期値に設定し、第一張力推定値R1及び第二張力推定値R2に基づくシートの推定張力RP=(R2−R1)/2と目標張力Rrとの偏差(Rr−RP)が基準未満に変化したことを条件にゲインK1を値1に設定することにより、第二期間の初期には、第一操作量U1の変化を抑える方向に第一操作量U1を調整する構成にされてもよい。
本開示の一側面によれば、制御デバイスは、第二期間において、ゲインK2と第一張力推定値R1と第二張力推定値R2と目標張力Rrとに基づき、式UR=K2×{Rr−(R2−R1)/2}に従う張力操作量URを算出するように構成されてもよい。この場合、制御デバイスは、第二期間の初期には、調整パラメータとしてのゲインK2を初期値から標準値まで増加方向に調整することにより、第一操作量U1の変化を抑える方向に第一操作量U1を調整する構成にされ得る。
本開示の一側面によれば、制御デバイスは、第二期間の初期には、調整パラメータとしての目標張力Rrを初期値から標準値まで増加方向に調整することにより、第一操作量U
1の変化を抑える方向に第一操作量U1を調整する構成にされてもよい。
本開示の一側面によれば、制御デバイスは、上記調整パラメータの値を、シートの種類に応じた速度で変化するように調整する構成にされてもよい。制御デバイスは、初期値として、シートの種類に応じた値を設定する構成にされてもよい。シートの種類によって、シートの歪と張力との関係が変化する。従って、シートの種類に応じた調整及び/又は設定によって、シートの運動が目標から乖離するのを抑制しながら、シート張力を迅速に目標張力に調整することができる。
本開示の一側面によれば、制御デバイスは、第一張力推定値R1と第二張力推定値R2と目標張力Rrとに基づき、所定関数により張力操作量URを算出し、第二操作量U2から張力操作量URを減算することにより、シートを目標張力Rrで搬送するための第一操作量U1=U2−URを算出する構成にされてもよい。この場合、上記所定関数は、第二期間の初期における張力操作量URの変化を抑えるための微分要素を含むことができる。微分要素の存在によって、第二期間の初期における張力操作量URの変化を抑えることができ、結果として、第二期間の初期における第一操作量U1の変化を抑えることができる。
制御デバイスは、第二期間において、第一張力推定値R1及び第二張力推定値R2に基づくシートの推定張力RP=(R2−R1)/2と目標張力Rrとの偏差(Rr−RP)を、比例微分制御器に入力して張力操作量URを算出することにより、第二期間の初期における張力操作量URの変化を抑えるように構成されてもよい。
画像形成システムにおける用紙搬送経路周辺の構成を表す図である。 画像形成システムの全体構成を表すブロック図である。 搬送制御デバイスが実行する搬送制御処理のフローチャートである。 速度−速度制御系の構成を表すブロック図である。 速度−張力制御系の構成を表すブロック図である。 張力推定器の構成を表すブロック図である。 目標速度及び目標張力と共に、ゲインの調整態様を示すグラフである。 速度変動の改善を説明したグラフである。 メインコントローラが実行する処理を表すフローチャートである。 変形例におけるゲインの調整態様を示すグラフである。 変形例における目標張力の調整態様を示すグラフである。 変形例におけるゲインの調整態様を示すグラフである。 変形例のゲイン調整に関するフローチャートである。 変形例における張力制御器の構成を表すブロック図である。
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の画像形成システム1は、インクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、図1に示すように、用紙Qの搬送経路を構成するプラテン101の上方に、インクジェットヘッド31を備える。インクジェットヘッド31は、下面にインク液滴を吐出するノズル群を備え、プラテン101上を通過する用紙Qに向けてインク液滴を吐出する。この吐出動作によって、用紙Qに画像を形成する。
インクジェットヘッド31は、ライン方向(図1法線方向)に長尺な形状を有し、プラテン101上を通過する用紙Qのライン方向の全域に対して同時に画像を形成可能な構成にされる。画像形成システム1は、用紙Qを図1に示す搬送方向に定速搬送した状態で、
長尺なインクジェットヘッド31からインク液滴を吐出することによって、用紙Qに画像を形成する。
用紙Qは、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転によって、プラテン101に沿う搬送経路の上流から下流に搬送される。第一ローラ110は、プラテン101の上流に設けられ、第一従動ローラ115に対向配置される。第二ローラ120は、プラテン101の下流に設けられ、第二従動ローラ125に対向配置される。
第一ローラ110は、対向する第一従動ローラ115との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、用紙Qを下流に搬送する。第一ローラ110は、直流モータで構成される第一モータ73によって回転駆動される。第二ローラ120は、対向する第二従動ローラ125との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、用紙Qを下流に搬送する。第二ローラ120は、直流モータで構成される第二モータ83によって回転駆動される。
即ち、この画像形成システム1では、プラテン101を挟んで搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラ110及び第二ローラ120によって、用紙Qを搬送方向に離れた二地点で担持する。この状態で、第一モータ73及び第二モータ83を回転駆動することにより、用紙Qを下流に搬送する。
画像形成システム1は、用紙Qを第一ローラ110に供給する前の段階から、第一モータ73及び第二モータ83を回転駆動し、第一ローラ110及び第二ローラ120を定速回転させる。そして、第一ローラ110及び第二ローラ120が定速回転している状態で、用紙Qを、第一ローラ110の上流から第一ローラ110に供給する。
具体的には、画像形成システム1は、図2に示すように、メインコントローラ10と、通信インタフェース20と、記録部30と、給紙部40と、用紙搬送部50とを備える。上述した第一ローラ110、第一従動ローラ115、第二ローラ120、及び第二従動ローラ125、並びに、プラテン101を備える用紙Qの搬送機構100は、用紙搬送部50に設けられる。
メインコントローラ10は、CPU11及びROM13を備え、画像形成システム1を統括制御する。統括制御は、CPU11がROM13に記録されたプログラムに従う処理を実行することにより実現される。通信インタフェース20は、メインコントローラ10と外部機器との間の通信を実現する。メインコントローラ10は、通信インタフェース20を介して外部機器から印刷指令を受信すると、印刷指令と共に受信した印刷対象の画像データに基づき、この印刷対象の画像データに基づく画像が用紙Qに形成されるように、記録部30、給紙部40、及び用紙搬送部50を制御する。
記録部30は、上述したインクジェットヘッド31と、その駆動回路(図示せず)とを備える。記録部30は、メインコントローラ10からの指示に従って、インクジェットヘッド31を駆動し、用紙Qに印刷対象の画像データに基づく画像を形成する。
給紙部40は、メインコントローラ10からの指示に従って、第一ローラ110に用紙Qを供給するように構成される。給紙部40は、図示しない給紙ローラ及び給紙トレイを備える。
用紙搬送部50は、上述した搬送機構100の他に、搬送制御デバイス60と、第一駆動回路71と、第一モータ73と、第一エンコーダ75と、第一信号処理回路77と、第二駆動回路81と、第二モータ83と、第二エンコーダ85と、第二信号処理回路87と
、レジストセンサ90とを備える。
第一駆動回路71は、搬送制御デバイス60から入力される操作量U10に対応する駆動電流で第一モータ73を駆動する。第一駆動回路71は、第一モータ73をPWM駆動することができる。第一モータ73は、第一駆動回路71によって駆動されて、第一ローラ110を回転駆動する。
第一エンコーダ75は、第一ローラ110の回転に応じたパルス信号を出力するロータリエンコーダである。第一エンコーダ75は、直接又は間接的に第一ローラ110の回転運動を観測可能な位置に設けられる。第一エンコーダ75は、周知のロータリエンコーダと同様、上記パルス信号として、位相が異なるA相信号及びB相信号を出力する。以下、A相信号及びB相信号をエンコーダ信号と表現する。
第一エンコーダ75から出力されるエンコーダ信号は、第一信号処理回路77に入力される。第一信号処理回路77は、このエンコーダ信号に基づいて、第一ローラ110の回転量X1及び回転速度V1を計測し、計測した回転量X1及び回転速度V1の情報を搬送制御デバイス60に入力する。
第二駆動回路81は、搬送制御デバイス60から入力される操作量U20に対応する駆動電流で第二モータ83を駆動する。第二駆動回路81は、第二モータ83をPWM駆動することができる。第二モータ83は、第二駆動回路81によって駆動されて、第二ローラ120を回転駆動する。
第二エンコーダ85は、第二ローラ120の回転に応じたエンコーダ信号を出力するロータリエンコーダである。第二エンコーダ85は、直接又は間接的に第二ローラ120の回転運動を観測可能な位置に設けられる。
第二エンコーダ85から出力されるエンコーダ信号は、第二信号処理回路87に入力される。第二信号処理回路87は、このエンコーダ信号に基づいて、第二ローラ120の回転量X2及び回転速度V2を計測し、計測した回転量X2及び回転速度V2の情報を搬送制御デバイス60に入力する。
レジストセンサ90は、用紙Qが通過したことを検知する。図1に示すように、レジストセンサ90は、第一ローラ110の上流に設けられて、用紙Qがこの地点を通過したことを表す信号を、搬送制御デバイス60に入力する。
搬送制御デバイス60は、第一信号処理回路77、第二信号処理回路87、及び、レジストセンサ90から入力信号に基づき、第一モータ73及び第二モータ83を制御する。搬送制御デバイス60は、ASICのような専用回路として構成されてもよいし、マイクロコンピュータにより構成されてもよい。この場合、搬送制御デバイス60は、図2で示すようにCPU61と、ROM63とを備え、ROM63に記録されたプログラムに従う処理をCPU61にて実行することにより、第一モータ73及び第二モータ83の制御を実現する。
具体的に、搬送制御デバイス60は、用紙Qが定速搬送されるように、第一モータ73に対する操作量U10及び第二モータ83に対する操作量U20を算出する。用紙Qが第一ローラ110及び第二ローラ120の両者からの力を受けて搬送されるときには、用紙Qが張力を有した状態で定速搬送されるように、操作量U10及び操作量U20を算出する。搬送制御デバイス60は、これらの操作量U10,U20を、対応する第一駆動回路71及び第二駆動回路81に入力する。これにより、第一モータ73及び第二モータ83
の回転、並びに用紙Qの搬送は、制御される。
付言すると、上記張力を考慮したモータ制御を行うのは、仮に張力を考慮しないモータ制御を行った場合には、制御誤差に起因して、プラテン101上で用紙Qが撓む可能性があるためである。この撓みは、用紙Qに形成される画像の品質に悪影響を与える。このような理由により、搬送制御デバイス60は、用紙Qの速度と共に張力を制御するように、第一モータ73及び第二モータ83を制御する。
搬送制御デバイス60は、メインコントローラ10からの指示に従って、図3に示す搬送制御処理を実行することにより、速度及び張力を考慮した用紙搬送を実現する。搬送制御処理を開始すると、搬送制御デバイス60は、用紙Qの先端が第二ローラ120に到達するまでの期間、即ち、用紙Qが第一ローラ110及び第二ローラ120の両者により挟持及び搬送される状態になるまでの期間、図4に示す制御系200に従う速度−速度制御(S110)を、所定の制御周期で繰返し実行する。
用紙Qの先端が第二ローラ120に到達したことは、次の手順で判別可能である。即ち、レジストセンサ90が用紙Qの先端を検知した時点での回転量X1=XGを記憶し、記憶した回転量XGと、最新の回転量X1との差分から、用紙Qの先端が第二ローラ120に到達したことを判別することができる。
搬送制御デバイス60は、S110において、制御系200に従う操作量U10及び操作量U20の算出、操作量U10の第一駆動回路71への入力、及び、操作量U20の第二駆動回路81への入力を行うことができる。
図4に示すように、制御系200は、速度指令器210を備えると共に、第一モータ73に対する操作量U10を算出するための構成として、速度偏差算出器212と、速度制御器213と、第一操作量補正器216と、外乱オブザーバ217と、を備える。
速度指令器210は、用紙Qの目標速度Vrとして一定の目標速度を出力する。速度偏差算出器212は、速度指令器210から入力される目標速度Vrと、第一信号処理回路77から入力される第一ローラ110の回転速度V1との偏差E1=Vr−V1を算出する。速度制御器213は、第一モータ73に対する操作量として、偏差E1に対応した操作量U11を算出する。速度制御器213は、例えば、比例制御器で構成される。この場合、速度制御器213は、偏差E1に比例した操作量U11を算出する。
第一操作量補正器216は、速度制御器213からの操作量U11に、外乱オブザーバ217からの補償量U15を加算して、操作量U10=U11+U15を算出し、算出した操作量U10を、第一駆動回路71に入力する。操作量U10は、外乱補償後の第一モータ73に対する操作量に対応する。外乱オブザーバ217は、計測された第一ローラ110の回転速度V1と、第一モータ73に入力された操作量U10と、から補償量U15を算出する。
制御系200は、第二モータ83に対する操作量U20を算出するための構成として、速度偏差算出器222と、速度制御器223と、第二操作量補正器226と、外乱オブザーバ227と、を更に備える。
速度偏差算出器222は、速度指令器210から入力される目標速度Vrと、第二信号処理回路87から入力される第二ローラ120の回転速度V2との偏差E2=Vr−V2を算出する。速度制御器223は、第二モータ83に対する操作量として、偏差E2に対応した操作量U21を算出する。速度制御器223は、例えば、比例制御器で構成される
。この場合、速度制御器223は、偏差E2に比例した操作量U21を算出する。
第二操作量補正器226は、操作量U21に、外乱オブザーバ227からの補償量U25を加算して、操作量U20=U21+U25を算出し、算出した操作量U20を、第二駆動回路81に入力する。外乱オブザーバ227は、計測された第二ローラ120の回転速度V2と、第二モータ83に入力された操作量U20と、から補償量U25を算出する。
即ち、搬送制御デバイス60は、S110において、第一ローラ110の速度V1と目標速度Vrとの偏差に基づき、第一モータ73に対する操作量U10を算出して、第一駆動回路71に入力し、第二ローラ120の速度V2と目標速度Vrとの偏差に基づき、第二モータ83に対する操作量U20を算出して、第二駆動回路81に入力する。これにより、用紙Qが目標速度Vrで定速搬送されるように、第一ローラ110及び第二ローラ120を制御する。
搬送制御デバイス60は、用紙Qの先端が第二ローラ120に到達すると(S120でYes)、用紙Qの後端が第一ローラ110を抜けるまでの期間、即ち、用紙Qが第一ローラ110及び第二ローラ120の両者により挟持及び搬送される期間、ゲイン調整しつつ(S130)、図5に示す制御系300に従う速度−張力制御(S140)を、所定の制御周期で繰返し実行する。
制御系300は、制御系200と一部重複する構成を有する。制御系300が有する構成要素の内、制御系200と同一符号が付された構成要素は、制御系200と同一の構成要素であると理解されてよい。
図5に示す制御系300は、速度指令器210を備えると共に、第二モータ83に対する操作量U20を算出するための構成として、速度偏差算出器222と、速度制御器223と、第二操作量補正器226と、外乱オブザーバ227と、を備える。
この他、制御系300は、第一モータ73に対する操作量U10を算出するための構成として、張力指令器310と、張力算出器311と、張力偏差算出器312と、張力制御器313と、第一操作量算出器314と、基準操作量入力器315と、第一操作量補正器316と、外乱オブザーバ317と、を備える。
制御系300は、更に、第一張力推定器319と第二張力推定器329とを備える。詳細は後述するが、第一張力推定器319は、第一ローラ110に作用する用紙Qからの張力を推定して、その推定値R1を出力するように構成される。第二張力推定器329は、第二ローラ120に作用する用紙Qからの張力を推定して、その推定値R2を出力するように構成される。
張力指令器310は、用紙Qの目標張力Rrとして一定の目標張力を出力する。張力算出器311は、第一張力推定器319及び第二張力推定器329からの推定値R1,R2に基づき、用紙Qの推定張力RPを、式RP=(R2−R1)/2に従って算出する。
張力偏差算出器312は、張力指令器310から入力される目標張力Rrと、張力算出器311から入力される用紙Qの推定張力RPとの偏差Re=Rr−RPを算出する。張力制御器313は、偏差Reに基づき、用紙Qの張力を目標張力Rrに制御するための操作量である張力操作量URを算出する。具体的には、張力制御器313は、比例器313Aを備え、偏差Reに比例した張力操作量UR=K2・Reを算出する。係数K2は、比例器313Aのゲインである。
第一操作量算出器314は、基準操作量入力器315から入力される操作量U22=(K1・U21)から、張力操作量URを減算して、操作量U11=(U22−UR)を算出する。操作量U11は、用紙Qを目標張力Rrで搬送するための第一モータ73に対する操作量に対応する。
基準操作量入力器315は、速度制御器223からの操作量U21にゲインK2を作用させた操作量U22=(K1・U21)を、第一操作量算出器314に入力する。ゲインK2は、通常、値「1」であり、この場合の操作量U22は、第二モータ83に対する操作量U21に対応する。
第一操作量補正器316は、操作量U11に、外乱オブザーバ317からの補償量U15を加算して、操作量U10=U11+U15を算出し、算出した操作量U10を、第一駆動回路71に入力する。
外乱オブザーバ317は、計測された第一ローラ110の回転速度V1と、第一モータ73に入力された操作量U10と、から外乱を補償するための補償量U15を算出する。これにより、第一モータ73は、外乱補償後の操作量U10に応じた駆動電流で駆動される。
第一張力推定器319は、計測された第一ローラ110の回転速度V1と、第一モータ73に入力された操作量U10と、に基づいて第一ローラ110に作用する張力の推定値R1を算出する。
第一張力推定器319は、図6に示すように、逆モデル演算器411と、減算器413と、ローパスフィルタ415とを備える。逆モデル演算器411は、操作量U10から回転速度V1までの伝達関数モデルPの逆モデルP-1を用いて、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1を、対応する操作量U0に変換するものである。減算器413は、第一モータ73に入力された操作量U10と、逆モデル演算器411にて算出された回転速度V1に対応する操作量U0との偏差(U10−U0)を算出する。
ローパスフィルタ415は、この偏差(U10−U0)から高周波成分を除去して、高周波成分除去後の偏差(U10−U0)を、外乱推定値τとして出力する。偏差(U10−U0)は、操作量U10が電流指令値である関係上、単位をアンペアとするものであるが、直流モータが駆動源である場合、アンペアとトルク(反力)との間には比例関係が成立する。このため、偏差(U10−U0)は、外乱として制御対象に作用する力を間接的に表す。
外乱推定値τには、張力を原因とする外乱成分の他に、回転に伴う粘性摩擦成分及び動摩擦成分が含まれる。このため、第一張力推定器319は、外乱推定値τから粘性摩擦成分及び動摩擦成分を除去することによって、第一ローラ110に作用する張力の推定値R1を算出する。
第一張力推定器319は、外乱推定値τから粘性摩擦成分を除去するための構成として、粘性摩擦推定器421と、減算器423とを更に備える。粘性摩擦推定器421は、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1に、所定係数Dを乗算した値(D・V1)を、粘性摩擦力推定値として出力する。減算器423は、外乱推定値τを、この粘性摩擦力推定値で減算することにより、粘性摩擦成分除去後の外乱推定値τ1=(τ―D・V1)を出力する。
この他、第一張力推定器319は、外乱推定値τから動摩擦成分を除去するための構成として、動摩擦推定器425と、減算器427とを備える。動摩擦推定器425は、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1がゼロであるときには、動摩擦力推定値としてゼロを出力し、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1がゼロではないときには、動摩擦力推定値として、ゼロではない所定値μNを出力する。減算器427は、外乱推定値τ1を動摩擦力推定値で減算する。第一張力推定器319は、この減算器427により算出された値を、第一ローラ110に作用する張力の推定値R1として出力する。
第二張力推定器329も同様の原理で、計測された第二ローラ120の回転速度V2と、第二モータ83に入力された操作量U20と、に基づいて第二ローラ120に作用する張力の推定値R2を算出及び出力する。
S140において、搬送制御デバイス60は、上述したように第二ローラ120の速度V2と目標速度Vrとの偏差に基づき、第二モータ83に対する操作量U21を算出し、外乱補償後の操作量U20を、第二駆動回路81に入力する。
更に、搬送制御デバイス60は、第一モータ73に対する操作量U10と第一ローラ110の速度V1とに基づき、第一ローラ110に作用する張力の推定値R1を算出し、第二モータ83に対する操作量U20と第二ローラ120の速度V2とに基づき、第二ローラ120に作用する張力の推定値R2を算出する。
搬送制御デバイス60は、これらの推定値R1と推定値R2と目標張力Rrとに基づき、用紙Qの張力を目標張力Rrに制御するための張力操作量URを算出する。更に、第二モータ83に対する操作量U21にゲインK1を作用させた操作量U22=K1・U21から張力操作量URを減算することにより、用紙Qを目標張力Rrで搬送するための操作量U11=U22−URを算出し、操作量U11に対応する外乱補償後の操作量U10を、第一駆動回路71に入力する。
このように、搬送制御デバイス60は、速度−張力制御期間において、ゲインK1と操作量U21と張力操作量URとに基づき、式U11=K1×U21−URに従う操作量U11を算出し、当該操作量U11に外乱補償を付加した操作量U10を第一駆動回路71に入力して、第一モータ73を駆動する。K1=1であるときには、操作量U11=U21−URであり、第一モータ73に対する操作量U11は、第二モータ83に対する操作量U21から張力操作量URだけ少ない操作量として算出される。これにより、目標張力Rrに対応する張力を有した状態での用紙搬送が実現される。
搬送制御デバイス60は更に、S130においてゲインK1を調整することにより、用紙Qの先端が第二ローラ120に到達した直後の一定期間には、操作量U11の変化を抑える方向に操作量U11を調整する。
速度−速度制御から速度−張力制御への切替時点Twの直前では、操作量U11と操作量U21とがほぼ同じ値を示す。従って、切替時点Twの直後では、操作量U11を、式U11=U21−URに従って算出すると、操作量U11が急激に低下し、第二ローラ120の回転により搬送される用紙Qに対して、第一ローラ110から逆方向の力が大きく作用する。これにより用紙Qには張力が発生する一方で、過度の力が、用紙Qの速度V2を、目標速度Vrから下げる方向に働く。
このような速度V2の目標速度Vrからの乖離を抑えるために、本実施形態では、速度−速度制御から速度−張力制御への切替時点Twから所定時間DTが経過するまでの期間
である、速度−張力制御の実行初期には、図7に示すように、基準操作量入力器315のゲインK1を、値1より大きい初期値Cに設定する。そして、この初期値Cから値1までゲインK1を減少方向に徐々に調整することにより、操作量U11の変化を抑える方向に操作量U11を調整しつつ、目標張力Rrを実現する。
具体的に、搬送制御デバイス60は、制御周期毎に実行するS130において、図7に示すように、ゲインK1を、値1より大きい初期値Cから、所定時間DTで値1まで単調減少させるように調整する。搬送制御デバイス60は、その後、速度−張力制御を終了するまでゲインK1を値1に維持するように動作する。以下、所定時間DTのことを調整時間DTとも表現する。この所定時間DTは、予め設計段階で定められるものであり、目標張力値への推定張力の追従性や、許容される速度低下を考慮して、設定される。
搬送制御デバイス60は、用紙Qの後端が第一ローラ110を通過すると(S150でYes)、用紙Qの後端が第二ローラ120を抜けるまでの期間、即ち、用紙Qが排紙トレイに排出されるまでの期間、図4に示す制御系200に従う速度−速度制御(S160)を、所定の制御周期で繰返し実行する。搬送制御デバイス60は、用紙Qの排出が完了すると(S170でYes)、図3に示す処理を終了する。
以上に説明した本実施形態の画像形成システム1によれば、速度−速度制御から速度−張力制御への切替に伴って、用紙搬送に関する速度制御精度が一時的に低下する現象を、ゲインK1の調整により抑制することができる。即ち、速度−張力制御への切替直後において、目標張力Rrを実現するために過度に第一モータ73に対する操作量U11が低下するのを抑制することができ、過度の操作量U11の低下による、用紙速度の目標速度からの乖離を抑制することができる。
図8には、用紙速度の目標速度Vrからの乖離が、本実施形態の技術で抑制されることを示す。図8では、時間対速度のグラフに、目標速度Vrと、本実施形態によって実現される速度V2の軌跡と、本実施形態において仮にゲインK1を調整せずに値1に保持した場合(参考例)における速度V2の軌跡とを、示す。
このように、本実施形態によれば、速度及び張力を制御する用紙Qの搬送系において、単一ローラでの搬送過程から、二ローラでの搬送過程への移行に伴う制御切替時に、速度低下を抑えつつ用紙張力を目標張力Rrまで上昇させることができる。従って、画質低下を抑えて、用紙Qに良好な品質の画像を、インクジェットヘッド31からのインク液滴の吐出により形成することができる。
続いて、上記実施形態の画像形成システム1に対する変形例を説明する。変形例の画像形成システム1は、説明される構成及び動作を除いて、上記実施形態の画像形成システム1と同様に構成されていると理解されてよい。
[第一変形例]
第一変形例の画像形成システム1は、搬送される用紙Qの種類によって初期値C及び調整時間DTの少なくとも一方を変更するように構成される。メインコントローラ10は、印刷指令を受信すると、その印刷指令に含まれる用紙種情報に基づき、図9に示す処理を実行する。この処理は、具体的には、ROM13が記憶するプログラムに従ってCPU11が実行する処理である。
図9に示す処理を開始すると、メインコントローラ10は、受信した用紙種情報から、第一ローラ110に供給される用紙Qの種類を判別する(S210)。そして、判別した用紙Qの種類に対応した初期値C及び調整時間DTをROM13から読み出す(S220
)。
メインコントローラ10のROM13は、用紙の種類毎に、初期値C及び調整時間DTを定義する設定データを記憶する。メインコントローラ10は、ROM13から、判別した用紙の種類に対応した設定データの初期値C及び調整時間DTを読み出すことができる。
その後、メインコントローラ10は、上記読み出した初期値C及び調整時間DTを搬送制御デバイス60に設定し、搬送制御デバイス60に、図3に示す搬送制御処理を実行させる(S230)。これにより、メインコントローラ10は、用紙Qの種類に対応した初期値C及び調整時間DTに従うゲインK1の調整を、制御周期毎のS130において搬送制御デバイス60に実行させることができる。
本変形例によれば、用紙の種類毎に、用紙に形成される画像品質が最大限向上するように、初期値C及び調整時間DTを切り替えることができ、高性能な画像形成システム1を提供することができる。用紙の種類毎に最適な初期値C及び調整時間DTの組合せは、試験により求めることができる。例えば、用紙が硬い種類であるほど、ゲインK1の減少速度を緩める方向に調整時間DTを定めることができる。
[第二変形例]
第二変形例の画像形成システム1は、ゲインK1に代えて、張力制御器313における比例器313AのゲインK2を調整するように構成される。図10に示すように、搬送制御デバイス60は、切替時点TwでゲインK2をゼロに設定し、その後時間DTをかけて、ゲインK2を値ゼロから標準値KSまで単調増加させるように、S130の処理を実行する。
この際、搬送制御デバイス60は、基準操作量入力器315のゲインK1を、切替時点Twから値1に保持するように動作することができる。搬送制御デバイス60は、ゲインK2が標準値KSに到達した後、ゲインK2を標準値KSに保持するように動作する。
速度−張力制御の実行初期においてゲインK2を標準値KSより小さくすると、張力操作量UTが小さくなることから、操作量U11の低下が結果として抑えられる。従って、ゲインK2を図10に示すように調整しても上述した実施形態と同様の効果が得られる。
[第三変形例]
第三変形例の画像形成システム1は、ゲインK1に代えて、目標張力Rrを調整するように構成される。図11に示すように、搬送制御デバイス60は、張力指令器310から出力する目標張力Rrを、切替時点Twでゼロに設定し、その後時間DTをかけて、値ゼロから標準値RSまで単調増加させるように、S130の処理を実行する。
この際、搬送制御デバイス60は、基準操作量入力器315のゲインK1を、切替時点Twから値1に保持するように動作することができる。搬送制御デバイス60は、目標張力Rrが標準値RSに到達した後、目標張力Rrを標準値RSに保持するように動作する。
速度−張力制御の実行初期において目標張力Rrを標準値RSより小さくすると、張力の偏差Reが小さくなることから、張力操作量UTが小さくなり、操作量U11の低下が結果として抑えられる。従って、目標張力Rrを図11に示すように調整しても上述した実施形態と同様の効果が得られる。
[第四変形例]
第四変形例の画像形成システム1は、ゲインK1を、図12に示すように調整する構成にされる。即ち、搬送制御デバイス60は、切替時点Twにおいて、ゲインK1を初期値Cに設定し、偏差Reが閾値未満に変化すると、ゲインK1を標準値K1=1に変更するように、S130の処理を実行する。
例えば、搬送制御デバイス60は、S130において、図13に示す処理を実行することができる。図13に示されるフラグFLは、搬送制御処理(図3参照)の開始時に値ゼロにリセットされる。搬送制御デバイス60は、図13に示す処理を制御周期毎に実行することができる。
S131において、搬送制御デバイス60は、フラグFLが値1にセットされているか否かを判断する。フラグFLが値1にセットされている場合(S131でYes)、S137に移行し、フラグFLが値ゼロである場合(S131でNo)、S133に移行する。
S133において、搬送制御デバイス60は、張力偏差算出器312において算出された偏差Reが予め定められた閾値未満であるか否かを判断する。偏差Reが閾値以上である場合(S133でNo)、搬送制御デバイス60は、ゲインK1を1より大きい初期値Cに設定する(S135)。偏差Reが閾値未満である場合(S133でYes)、S137に移行する。
S137において、搬送制御デバイス60は、ゲインK1を値1に設定し、更には、フラグFLを値1にセットする(S139)。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。特に、用紙Qの張力が目標張力Rrに近づいたことを条件に、ゲインK1を標準値1に設定するので、状況に合わせて適切な時期にゲインK1を標準値1に設定することができる。
[第五変形例]
速度−張力制御の実行初期において操作量U11の変化を抑えることは、ゲインK1,K2の調整や、目標張力Rrの調整に依らない方法で実現されてもよい。第五変形例の画像形成システム1は、制御系300における張力制御器313(図5参照)が、図14に示す張力制御器500に置き換えられた制御系に従って、速度−張力制御を行う構成にされる。
図14に示すように、張力制御器500は、比例器510と微分器520とを備え、比例微分制御器として機能する。張力制御器500は、具体的には、比例要素と微分要素とを含む伝達関数で構成され得る。この張力制御器500は、張力偏差算出器312からの偏差Reに基づく比例器510の出力Upと、偏差Reに基づく微分器520の出力Udとの加算値Up+Udを、張力操作量URとして出力する。微分器520のゲインは、切替時点Twの直後において比例器510の出力Upが微分器520の出力Udで低減されるように定められる。
本変形例において、ゲインK1は値1に保持される。本変形例によっても、微分器520の効果によって、制御の切替時点Twの直後において、操作量U11の変化を抑制することができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、変形例を含む本開示の例示的実施形態を説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、本開示は、画像形成システム以外のシステムに適用されてもよい。
変形例を含む上述の実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[対応関係]
最後に用語間の対応関係を説明する。第一モータ73は、第一駆動デバイスの一例に対応し、第二モータ83は、第二駆動デバイスの一例に対応し、第一エンコーダ75及び第一信号処理回路77は、第一計測デバイスの一例に対応し、第二エンコーダ85及び第二信号処理回路87は、第二計測デバイスの一例に対応し、搬送制御デバイス60及びメインコントローラ10は、制御デバイスの一例に対応する。
1…画像形成システム、10…メインコントローラ、11…CPU、13…ROM、30…記録部、31…インクジェットヘッド、40…給紙部、50…用紙搬送部、60…搬送制御デバイス、61…CPU、63…ROM、71…第一駆動回路、73…第一モータ、75…第一エンコーダ、77…第一信号処理回路、81…第二駆動回路、83…第二モータ、85…第二エンコーダ、87…第二信号処理回路、90…レジストセンサ、100…搬送機構、110…第一ローラ、120…第二ローラ、200…制御系、210…速度指令器、212…速度偏差算出器、213…速度制御器、216…第一操作量補正器、217…外乱オブザーバ、222…速度偏差算出器、223…速度制御器、226…第二操作量補正器、227…外乱オブザーバ、300…制御系、310…張力指令器、311…張力算出器、312…張力偏差算出器、313…張力制御器、313A…比例器、314…第一操作量算出器、315…基準操作量入力器、316…第一操作量補正器、317…外乱オブザーバ、319…第一張力推定器、329…第二張力推定器、411…逆モデル演算器、413…減算器、415…ローパスフィルタ、421…粘性摩擦推定器、423…減算器、425…動摩擦推定器、427…減算器、500…張力制御器、510…比例器、520…微分器、Q…用紙。

Claims (10)

  1. シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラと第二ローラとを備え、前記第一ローラ及び前記第二ローラの回転により、前記シートを搬送する搬送機構と、
    前記第一ローラを回転駆動する第一駆動デバイスと、
    前記第二ローラを回転駆動する第二駆動デバイスと、
    前記第一ローラの回転運動に関する状態量を計測する第一計測デバイスと、
    前記第二ローラの回転運動に関する状態量を計測する第二計測デバイスと、
    前記第一駆動デバイス及び前記第二駆動デバイスを制御する制御デバイスと、
    を備え、
    前記制御デバイスは、
    第一操作量U1に対応する駆動信号を前記第一駆動デバイスに入力して前記第一駆動デバイスを制御し、第二操作量U2に対応する駆動信号を前記第二駆動デバイスに入力して前記第二駆動デバイスを制御し、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラの一方によって前記シートが搬送される第一期間には、
    前記第一計測デバイスにより計測された状態量と目標状態量とに基づき、前記第一操作量U1を算出し、
    前記第二計測デバイスにより計測された状態量と前記目標状態量とに基づき、前記第二操作量U2を算出し、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラの両者によって前記シートが搬送される第二期間には、
    前記第二計測デバイスにより計測された状態量と前記目標状態量とに基づき、前記第二操作量U2を算出し、
    前記第一操作量U1と前記第一計測デバイスにより計測された状態量とに基づき、前記第一ローラに作用する張力の推定値である第一張力推定値R1を算出し、
    前記第二操作量U2と前記第二計測デバイスにより計測された状態量とに基づき、前記第二ローラに作用する張力の推定値である第二張力推定値R2を算出し、
    前記第一張力推定値R1と前記第二張力推定値R2と目標張力Rrとに基づき、前記シートの張力を前記目標張力Rrに制御するための操作量である張力操作量URを算出し、前記第二操作量U2から前記張力操作量URを減算することにより、前記シートを前記目標張力Rrで搬送するための前記第一操作量U1=U2−URを算出し、
    前記第二期間の初期には、前記第一操作量U1の変化を抑える方向に前記第一操作量U1を調整する
    ように構成される搬送システム。
  2. 前記制御デバイスは、前記第二期間において、ゲインK1と前記第二操作量U2と前記張力操作量URとに基づき、式U1=K1×U2−URに従う前記第一操作量U1を算出し、前記第二期間の初期には、調整パラメータとしての前記ゲインK1を、値1より大きい初期値から値1まで減少方向に調整することにより、前記第一操作量U1の変化を抑える方向に前記第一操作量U1を調整する請求項1記載の搬送システム。
  3. 前記制御デバイスは、前記第二期間において、ゲインK2と前記第一張力推定値R1と前記第二張力推定値R2と前記目標張力Rrとに基づき、式UR=K2×{Rr−(R2−R1)/2}に従う前記張力操作量URを算出し、前記第二期間の初期には、調整パラメータとしての前記ゲインK2を初期値から標準値まで増加方向に調整することにより、前記第一操作量U1の変化を抑える方向に前記第一操作量U1を調整する請求項1記載の搬送システム。
  4. 前記制御デバイスは、前記第二期間の初期には、調整パラメータとしての前記目標張力Rrを初期値から標準値まで増加方向に調整することにより、前記第一操作量U1の変化を抑える方向に前記第一操作量U1を調整する請求項1記載の搬送システム。
  5. 前記制御デバイスは、前記第二期間において、ゲインK1と前記第二操作量U2と前記張力操作量URとに基づき、式U1=K1×U2−URに従う前記第一操作量U1を算出し、前記第二期間の開始時には、前記ゲインK1を、値1より大きい初期値に設定し、前記第一張力推定値R1及び前記第二張力推定値R2に基づく前記シートの推定張力RP=(R2−R1)/2と前記目標張力Rrとの偏差(Rr−RP)が基準未満に変化したことを条件に前記ゲインK1を値1に設定することにより、前記第二期間の初期には、前記第一操作量U1の変化を抑える方向に前記第一操作量U1を調整する請求項1記載の搬送システム。
  6. 前記制御デバイスは、前記調整パラメータの値を、前記シートの種類に応じた速度で変化させるように調整する請求項2〜請求項4のいずれか一項記載の搬送システム。
  7. 前記制御デバイスは、前記初期値として、前記シートの種類に応じた値を設定する請求項2〜請求項5のいずれか一項記載の搬送システム。
  8. シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラと第二ローラとを備え、前記第一ローラ及び前記第二ローラの回転により、前記シートを搬送する搬送機構と、
    前記第一ローラを回転駆動する第一駆動デバイスと、
    前記第二ローラを回転駆動する第二駆動デバイスと、
    前記第一ローラの回転運動に関する状態量を計測する第一計測デバイスと、
    前記第二ローラの回転運動に関する状態量を計測する第二計測デバイスと、
    前記第一駆動デバイス及び前記第二駆動デバイスを制御することによって、前記搬送機構による前記シートの搬送を制御する制御デバイスと、
    を備え、
    前記制御デバイスは、
    第一操作量U1に対応する駆動信号を前記第一駆動デバイスに入力して前記第一駆動デバイスを制御し、第二操作量U2に対応する駆動信号を前記第二駆動デバイスに入力して前記第二駆動デバイスを制御し、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラの一方によって前記シートが搬送される第一期間には、
    前記第一計測デバイスにより計測された状態量と目標状態量とに基づき、前記第一操作量U1を算出し、
    前記第二計測デバイスにより計測された状態量と前記目標状態量とに基づき、前記第二操作量U2を算出し、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラの両者によって前記シートが搬送される第二期間には、
    前記第二計測デバイスにより計測された状態量と前記目標状態量とに基づき、前記第二操作量U2を算出し、
    前記第一操作量U1と前記第一計測デバイスにより計測された状態量とに基づき、前記第一ローラに作用する張力の推定値である第一張力推定値R1を算出し、
    前記第二操作量U2と前記第二計測デバイスにより計測された状態量とに基づき、前記第二ローラに作用する張力の推定値である第二張力推定値R2を算出し、
    前記第一張力推定値R1と前記第二張力推定値R2と目標張力Rrとに基づき、所定関数により前記シートの張力を前記目標張力Rrに制御するための操作量である張力操作量URを算出し、前記第二操作量U2から前記張力操作量URを減算することにより、前記シートを前記目標張力Rrで搬送するための前記第一操作量U1=U2−URを算出する
    ように構成され、前記所定関数は、前記第二期間の初期における前記張力操作量URの変化を抑えるための微分要素を含む搬送システム。
  9. 前記制御デバイスは、前記第二期間において、前記第一張力推定値R1及び前記第二張力推定値R2に基づく前記シートの推定張力RP=(R2−R1)/2と前記目標張力Rrとの偏差(Rr−RP)を、比例微分制御器に入力して前記張力操作量URを算出することにより、前記第二期間の初期における前記張力操作量URの変化を抑える請求項8記載の搬送システム。
  10. 前記状態量及び前記目標状態量は、それぞれ、速度及び目標速度である請求項1〜請求項9のいずれか一項記載の搬送システム。
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