JP6887122B2 - 照明システム - Google Patents

Description

本発明は、照明システムに関する。

従来、太陽光による照明を再現できる照明システムが知られている（例えば特許文献１参照）。この特許文献１に記載の照明システムにおいては、照明システムの一部である光拡散部材の向こう側に無限の空間が存在しているようにユーザに知覚させることで、光拡散部材で拡散された光があたかも太陽光であるかの印象をユーザに与えている。

特表２０１６−５１４３４０号公報

しかしながら、特許文献１の照明システムでは、光拡散部材の向こう側の空間が無限空間と知覚させるべく、発光モジュールと光拡散部材との距離を大きくする必要があるが、この距離を大きくすればするほどシステム全体の奥行方向の大型化を招いてしまう。

そこで、本発明は、発光モジュールと光拡散部材との間隔を大きくしなくとも、出射した光が太陽光であるものと印象付けることのできる照明システムを提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る照明システムは、空を模した色の第一照明光を出射する出射部を有する内照式の第一照明器具と、日差しを模した色の第二照明光を対象物に投影する投影部を有する投影式の第二照明器具と、を備え、第一照明器具と第二照明器具とは同一空間内に配置されており、第一照明器具は、第二照明光が対象物に投影した投影面よりも高い位置に配置されている。

本発明によれば、発光モジュールと光拡散部材との間隔を大きくしなくとも、出射した光が太陽光であるものと印象付けることのできる照明システムを提供することができる。

図１は、実施の形態に係る照明システムの概略構成を示す模式図である。 図２は、実施の形態に係る第一照明器具を示す斜視図である。 図３は、実施の形態に係る第一照明器具の一部を分解して示す分解斜視図である。 図４は、実施の形態に係る第二照明器具の概略構成を示す斜視図である。 図５は、実施の形態に係る第二照明器具の器具本体の内部構造を模式的に示す部分断面図である。 図６は、実施の形態に係る光拡散部材、レンズ及び投影面の水平方向の位置関係を示す天井伏図である。 図７は、変形例１に係る照明システムの概略構成を示す模式図である。 図８は、変形例２に係る照明システムの概略構成を示す模式図である。 図９は、変形例３に係る照明システムの概略構成を示す模式図である。 図１０は、変形例４に係る照明システムの概略構成を示す模式図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。

［照明システム］
以下、本発明の実施の形態に係る照明システム１について説明する。

図１は、実施の形態に係る照明システム１の概略構成を示す模式図である。図１に示すように、照明システム１は、内照式の第一照明器具１００と、投影式の第二照明器具２００とを備えており、これらが、例えば建物の部屋をなす同一空間Ｈに設置されている。ここで空間Ｈとは、ある程度閉塞された空間であればよく、部屋以外にも、廊下、階段、浴室、キッチン、トイレ、玄関、ホールなどが挙げられる。照明システム１は、太陽光を擬似的に再現することができる照明システムであるので、例えば窓のない空間Ｈに対して設置されることが好適である。

そして、空間Ｈは、天面ｈ１、床面ｈ２及び複数の壁面ｈ３により形成されている。本実施の形態では、天面ｈ１に対して、第一照明器具１００と第二照明器具２００とが配置されている場合を例示する。

［第一照明器具］
次に、第一照明器具１００について説明する。図２は、実施の形態に係る第一照明器具１００を示す斜視図である。図３は、実施の形態に係る第一照明器具１００の一部を分解して示す分解斜視図である。

図２及び図３に示すように、第一照明器具１００は、筐体１０と、発光モジュール２０と、光反射部材３０と、光拡散部材４０と、制御部５０と、電源部６０とを備える。

筐体１０は、発光モジュール２０と、光反射部材３０と、光拡散部材４０と、制御部５０と、電源部６０とを収容する箱状の収容体である。

筐体１０は、収容部１１と、枠部１２とを有する。

収容部１１は、発光モジュール２０と、光反射部材３０と、光拡散部材４０と、制御部５０と、電源部６０とを収容する箱体である。なお、制御部５０及び電源部６０は収容部１１に収容されていなくてもよく、例えば筐体１０の外側に配置されていてもよい。収容部１１は、床面ｈ２側の底面に開口を有しており、当該開口が覆われるように光拡散部材４０が収容されている。

枠部１２は、平面視で略矩形状をなした枠状の部材であり、収容部１１の底面の端縁に配置される。枠部１２は、光拡散部材４０を額縁状に覆って保持している。これにより、枠部１２の開口からは光拡散部材４０が露出している。また、枠部１２は、当該枠部１２における収容部１１とは反対側の表面１２１が、天面ｈ１と面一となるように天井に埋め込まれる。これにより、光拡散部材４０は、枠部１２の表面１２１よりも奥側に配置されている。

発光モジュール２０は、空を模した色の第一照明光を出射するための光源である。図３に示すように、発光モジュール２０は、光反射部材３０の光拡散部材４０とは逆側の端部に固定される。発光モジュール２０は、基板２１と、基板２１に実装された複数の第一光源２２とで構成されている。

基板２１は、複数の第一光源２２を実装するためのプリント配線基板であり、略矩形状に形成されている。

第一光源２２は、例えば、ＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）などの発光素子である。本実施の形態では、第一光源２２は、赤色光、緑色光及び青色光を発光するＲＧＢタイプのＬＥＤである。第一光源２２は、基板２１の床面側の面に複数配置されている。例えば、複数の第一光源２２は、基板２１における床面側の面に、マトリクス状に配置されている。なお、ＬＥＤは、ＳＭＤ（Ｓｕｒｆａｃｅ Ｍｏｕｎｔ Ｄｅｖｉｃｅ）型のＬＥＤであってもよいし、ＣＯＢ（Ｃｈｉｐ Ｏｎ Ｂｏａｒｄ）型のＬＥＤであってもよい。

本実施の形態では、第一光源２２はＲＧＢタイプのＬＥＤであることから、青色光、緑色光及び赤色光の明るさを調整することで様々な色の光を出射することができる。

光反射部材３０は、複数の第一光源２２を囲むように配置され、第一光源２２から出射された光に対して反射性を有する光学部材である。つまり、光反射部材３０は、第一光源２２から出射され光反射部材３０に入射した光を反射する。本実施の形態では、光反射部材３０は、複数の第一光源２２を囲む枠状の部材であり、その内面で光を反射する。

光反射部材３０は、例えばアルミニウム（ＡＩ）などの金属材料で形成された、鏡面を有する反射板に対して、拡散処理を施すことで形成されている。例えば、拡散処理とは、アルマイト処理などのつや消し処理である。なお、拡散処理は、少なくとも光反射部材３０の内面に施されていればよい。

光拡散部材４０は、発光モジュール２０から出射された光に対して、透光性、及び、光を拡散させる光拡散性を有している。例えば、光拡散部材４０は、透明なアクリル若しくはＰＥＴ（Ｐｏｌｙ Ｅｔｈｙｌｅｎｅ Ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ）などの樹脂材料、又はガラスから構成された透明板に拡散加工が施されることで作製される。光拡散部材４０は、平面視において矩形状の板材である。光拡散部材４０は、光反射部材３０の発光モジュール２０とは逆側の端部に固定されている。言い換えると、光拡散部材４０は、発光モジュール２０と対向しており、発光モジュール２０を覆うように配置されている。これにより、発光モジュール２０から出射された光、及び光反射部材３０で反射した光は、光拡散部材４０によって拡散されて、外方へと出射される。この際、発光モジュール２０の各第一光源２２で発せられた光は、光拡散部材４０によって拡散されて、粒状感なく混ざり合うことになる。これにより、例えば、青空、曇り空、夕焼けなどの空を模した色の第一照明光を違和感なく光拡散部材４０から出射することができる。つまり、光拡散部材４０は、空を模した色の第一照明光を出射する出射部である。出射部である光拡散部材４０は、全面にわたって擬似的な空を模した色が表現されている。ユーザは、光拡散部材４０を観察することで、あたかもそこから空を眺めているような印象を受ける。

なお、光拡散部材４０と発光モジュール２０との間には、その他の部材は介在していないために、発光モジュール２０の各第一光源２２から出射された光は、波長変換層を経由することなく、光拡散部材４０から出射されることになる。

制御部５０は、発光モジュール２０の点灯、消灯、調光、及び調色（発光色又は色温度の調整）などの動作を制御する制御装置である。例えば、制御部５０は、記憶部（図示しない）に記憶された表示像に関する情報を取得し、当該情報に応じて発光モジュール２０で表示像を再現する。例えば、制御部５０は、青空を表示する場合には、記憶部から青空に関する情報を取得し、取得した情報を基に発光モジュール２０を制御する。なお、制御部５０と発光モジュール２０（複数の第一光源２２）とは、信号線により電気的に接続されている。

本実施の形態では、第一光源２２はＲＧＢタイプのＬＥＤである。そのため、制御部５０は、青色ＬＥＤ、緑色ＬＥＤ及び赤色ＬＥＤそれぞれの明るさに関する情報を含む制御信号を、信号線を介して第一光源２２に出力する。制御信号を受信した第一光源２２は、当該制御信号に基づいて青色、緑色及び赤色を発光する。

制御部５０は、マイクロコンピュータ、プロセッサなど、又は専用回路によって実現される。本実施の形態では、制御部５０は発光モジュール２０における光拡散部材４０とは反対側の面に配置されている。

電源部６０は、例えば商用電源などの電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路である。電源部６０は、発光モジュール２０の複数の第一光源２２を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。電源部６０は、例えば、商用電源から供給される交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力を発光モジュール２０に供給する。電源部６０は、電力系統と電力線等によって電気的に接続される。

［第二照明器具］
次に第二照明器具２００について説明する。

第二照明器具２００は、日差しを模した色の第二照明光を対象物に投影する照明器具である。具体的には、図１に示すように、第二照明器具２００は、空間Ｈをなす複数の面のうち、床面ｈ２及び壁面ｈ３を対象物として、当該対象物に日差しを模した色の第二照明光Ｌ２を投影することで、投影面Ｆを形成する。投影面Ｆは、第一照明器具１００の光拡散部材４０を窓と仮定した場合に、この窓を透過した太陽光が壁面ｈ３に形成する日向を擬似的に表現している。

つまり、第一照明器具１００では擬似的な空を再現し、第二照明器具２００では第一照明器具１００で再現された空から入射した日差し及び日向を擬似的に再現する。

第二照明器具２００について具体的に説明する。

図４は、実施の形態に係る第二照明器具２００の概略構成を示す斜視図である。図５は、実施の形態に係る第二照明器具２００の器具本体２１０の内部構造を模式的に示す部分断面図である。

図４に示すように、第二照明器具２００は、スポットライトであり、筒状の器具本体２１０と、器具本体２１０を保持する一対のアーム２２０とを備えている。第二照明器具２００は、図１に示すように、天面ｈ１に形成された設置口ｈ４から器具本体２１０が露出するように、天井に設置されている。

図５に示すように、器具本体２１０は、基板２１１と、第二光源２１２と、波長変換層２１３と、レンズ２１４と、マスク２１５と、支持部材２１６とを備えている。

基板２１１は、第二光源２１２が実装される基板であり、第二光源２１２に電力を供給するための金属配線を有している。

第二光源２１２は、例えば、ＬＥＤなどの発光素子である。本実施の形態では、第二光源２１２は、例えば青色光を発光する青色ＬＥＤである。なお、青色ＬＥＤは、ＳＭＤ（Ｓｕｒｆａｃｅ Ｍｏｕｎｔ Ｄｅｖｉｃｅ）型のＬＥＤであってもよいし、ＣＯＢ（Ｃｈｉｐ Ｏｎ Ｂｏａｒｄ）型のＬＥＤであってもよい。なお、第二光源としては、ＬＥＤ以外にもレーザーダイオードを用いることが可能である。

波長変換層２１３は、第二光源２１２を封止する封止層である。波長変換層２１３は、具体的には、波長変換材として黄色蛍光体粒子を含んだ透光性樹脂材料で構成される。透光性樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂が用いられるが、エポキシ樹脂またはユリア樹脂などが用いられてもよい。また、黄色蛍光体粒子には、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット（ＹＡＧ）系の蛍光体粒子が採用される。

この構成により、第二光源２１２が発した青色光の一部は、波長変換層２１３に含まれる黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換される。そして、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と、黄色蛍光体粒子によって波長変換された黄色光とは、波長変換層２１３中で拡散及び混合される。これにより、波長変換層２１３からは、日差しを模した色（白色）の光が出射される。

レンズ２１４は、波長変換層２１３から発せられた光の配光を制御するレンズ２１４である。具体的には、レンズ２１４は例えば両凸レンズであり、波長変換層２１３に対向する位置に配置されている。

マスク２１５は、レンズ２１４を透過した光を部分的に遮光して、第二照明光Ｌ２を形成する。具体的には、マスク２１５は、遮光性の部材によって形成された板材であり、その中央部に開口２１５ａが形成されている。マスク２１５は、レンズ２１４に対向する位置に配置されており、開口２１５ａからレンズ２１４の一部が露出している。この開口２１５ａを透過した光が、第二照明光Ｌ２となり投影面Ｆを形成する。つまり、開口２１５ａの平面視形状が投影面Ｆの形状を決定する。そして、このマスク２１５の開口２１５ａから露出したレンズ２１４は、日差しを模した色の第二照明光Ｌ２を対象物に投影する投影部である。

支持部材２１６は、例えば金属製の筐体であり、基板２１１と、第二光源２１２と、波長変換層２１３と、レンズ２１４と、マスク２１５とを収容している。支持部材２１６は、器具本体２１０の外観をなす部材であり、図４に示すように一対のアーム２２０によって支持されている。

一対のアーム２２０は、設置口ｈ４内において、水平方向に回動可能となっている（図４中、矢印Ｙ１参照）。また、一対のアーム２２０は、器具本体２１０を上下方向に回動可能に支持している（図４中、矢印Ｙ２参照）。一対のアーム２２０の水平方向の回動と、器具本体２１０の上下方向の回動とを組み合わせることで、器具本体２１０の姿勢を調整することができる。これにより、投影面Ｆの位置も調整することが可能である。

本実施の形態では、手動で器具本体２１０の姿勢を調整することにする。このため、第二照明器具２００を設置口ｈ４に設置する際には、所望の位置に投影面Ｆが形成されるように、作業者が器具本体２１０の姿勢を調整しておく。ここで、所望の位置とは、第一照明器具１００の光拡散部材４０を窓と仮定し、当該窓から太陽光が入射した場合に、日向が出現すると推定される位置である。

なお、第二照明器具２００の姿勢を調整するための駆動源を第二照明器具２００に設けておけば、器具本体２１０の姿勢を自動で調整することも可能である。

また、第二照明器具２００は、図示は省略するが制御部及び電源部を備えている。

制御部は、第二光源２１２と電気的に接続されており、当該第二光源２１２の点灯、消灯などを制御する制御装置である。制御部は、マイクロコンピュータ、プロセッサなど、又は専用回路によって実現されている。

電源部は、例えば商用電源などの電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路である。電源部は、第二光源２１２を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。電源部は、例えば、商用電源から供給される交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力を第二光源２１２に供給する。電源部は、電力系統と電力線等によって電気的に接続される。

［第二照明光の条件］
本実施の形態では、第二照明光は、輝度及び色温度が一定であるものとする。ここで、第二照明光は、輝度条件及び色温度条件を含む条件を満たしていることで、第一照明器具１００が出射する第一照明光との複合的な視覚効果で、第二照明光がなす日差しにリアリティを持たすことができる。

輝度条件とは、現実の空と日差しとの関係性を輝度で規定した条件である。具体的な輝度条件とは、第二照明光Ｌ２の外側から出射部（第一照明器具１００の光拡散部材４０）と、投影部（第二照明器具２００のレンズ２１４）とを観察した場合、出射部が投影部よりも輝度が高いという条件である。換言すると、第二照明光Ｌ２の外側から出射部を眺めたときには、投影部が暗く見えることになる。つまり、第二照明光Ｌ２の外側からは、投影部が目立たなくなるので、ユーザが第二照明光Ｌ２の外側から出射部を眺めたときに、当該出射部で再現されている空をユーザに強く印象付けることができる。

また、輝度条件を、第二照明光Ｌ２の内側から出射部（第一照明器具１００の光拡散部材４０）と、投影部（第二照明器具２００のレンズ２１４）とを観察した場合、出射部が投影部よりも輝度が低いという条件としてもよい。換言すると、第二照明光Ｌ２の内側から出射部を眺めたときには、投影部がより明るく見えることになる。つまり、窓から太陽を眺めたときのきらめきをユーザに印象付けることができる。

なお、上記した２つの輝度条件は、少なくとも一つだけ満たしていればよい。２つの輝度条件を満たしている場合には、より効果的な演出効果を発揮することができる。

また、色温度条件とは、現実の空と日向との関係性を色温度で規定した条件である。具体的な色温度条件とは、第二照明光Ｌ２が第一照明光よりも色温度が低いという条件である。例えば、現実の青空と日向との関係では、青空の色温度は１００００Ｋ〜１２０００Ｋ程度であり、日向の色温度は６０００Ｋ〜６５００Ｋ程度である。また、現実の夕空と日向との関係では、夕空の色温度は３０００Ｋ〜３５００であり、日向の色温度は２０００〜２７００Ｋ程度である。このように、日中における空と日向との色温度の関係は、いずれの場合でも日向の方が空よりも色温度が低い。つまり、上述したように、第二照明光Ｌ２が第一照明光よりも色温度が低いという色温度条件であれば、擬似的な空と日向とを確実に、第一照明光と第二照明光Ｌ２とで再現することができる。

［各部の位置関係］
次に、第一照明器具１００の光拡散部材４０、第二照明器具２００のレンズ２１４及び投影面Ｆの位置関係について説明する。

図１に示すように、光拡散部材４０とレンズ２１４とは、天面ｈ１に配置されることで、投影面Ｆよりも高い位置に配置されている。日中時において太陽光は概ね上方から降り注いでいる。つまり、投影面Ｆよりも高い位置に光拡散部材４０が配置されていれば、現実の太陽と日向との位置関係を、第一照明器具１００と投影面Ｆとで再現することができる。

次に、光拡散部材４０と、レンズ２１４及び投影面Ｆの水平方向での位置関係について説明する。図６は、実施の形態に係る光拡散部材４０、レンズ２１４及び投影面Ｆの水平方向の位置関係を示す天井伏図である。つまり、図６では、光拡散部材４０を平面視した場合の各部の位置関係を図示している。なお、図６においては、便宜上、投影面Ｆに厚みを持たせて図示している。

投影面Ｆには、レンズ２１４から投影された第二照明光Ｌ２によって影が形成される。また、前述したように、第一照明器具１００の光拡散部材４０を窓と仮定し、当該窓から太陽光が入射した場合に、日向が出現すると推定される位置に、投影面Ｆが形成される。このため、投影面Ｆ上に形成される影も、太陽光によって形成された影であるかのように印象付けることが望まれる。

図６に示すように、光拡散部材４０を平面視した場合の当該平面に直交する面であって、投影面Ｆの中心の法線Ｎを含む基準面Ｓ１００を境界として、当該基準面Ｓ１００よりも図における左側を第一領域Ｒ１とし、当該基準面Ｓ１００よりも図における右側を第二領域Ｒ２とすると、光拡散部材４０とレンズ２１４とは、いずれも第一領域Ｒ１に設置されている。換言すると、光拡散部材４０を平面視した場合に、光拡散部材４０とレンズ２１４とが、いずれも基準面Ｓ１００を境界として同じ側に配置されている。

このように、光拡散部材４０とレンズ２１４とが第一領域Ｒ１に配置されていると、光拡散部材４０を窓と仮定した場合に当該窓から入射した太陽光Ｌ１０と、レンズ２１４の中心Ｓ２から投影された第二照明光Ｌ２とが概ね同じ方向に進むことになる。つまり、第二照明光Ｌ２によって投影面Ｆに形成される影も、太陽光Ｌ１０によって形成された影と概ね同じ方向に伸びることになる。これにより、投影面Ｆ上に形成される影が、太陽光によって形成された影であるかのように印象付けることができる。

比較例として、光拡散部材４０が第二領域Ｒ２に設置され、レンズ２１４Ａが第一領域Ｒ１に設置された場合を例示する。この場合には、光拡散部材４０を窓と仮定した場合に当該窓から入射した太陽光Ｌ１０と、レンズ２１４Ａの中心から投影された第二照明光Ｌ３との進行方向が大きく異なることになる。つまり、第二照明光Ｌ３によって投影面Ｆに形成された影は、太陽光Ｌ１０によって形成された影とは全く異なる方向に伸びることになり、ユーザに違和感を与えることになる。

これらのことから、光拡散部材４０を平面視した場合に、基準面Ｓ１００を境界として同じ側に光拡散部材４０とレンズ２１４とが配置されていれば、投影面Ｆ上に形成される影が、太陽光によって形成された影であるかのように印象付けることができる。特に、光拡散部材４０とレンズ２１４とを近接配置すれば、太陽光Ｌ１０と第二照明光Ｌ２とを平行に近づけることができるので、よりリアリティのある影を投影面Ｆ上に形成することができる。

なお、本実施の形態では、光拡散部材４０を平面視した場合に、光拡散部材４０とレンズ２１４とのそれぞれの全体が、いずれも基準面Ｓ１００を境界として同じ側に配置されている場合を例示した。しかしながら、光拡散部材４０とレンズ２１４とのそれぞれの中心Ｓ１、Ｓ２が同じ側に配置されていればよい。

また、本実施の形態では、投影面Ｆが壁面ｈ３に形成されている場合を例示した。他方、床面ｈ２に形成された投影面Ｆ１においても、光拡散部材４０を平面視した場合の当該平面に直交する面であって、投影面Ｆ１の中心の法線Ｎを含む面を基準面Ｓ１００とすればよい。

［効果など］
以上のように、上記実施の形態によれば、照明システム１は、空を模した色の第一照明光を出射する出射部（光拡散部材４０）を有する内照式の第一照明器具１００と、日差しを模した色の第二照明光Ｌ２を対象物（床面ｈ２）に投影する投影部（レンズ２１４）を有する投影式の第二照明器具２００と、を備え、第一照明器具１００と第二照明器具２００とは同一空間Ｈ内に配置されており、第一照明器具１００は、第二照明光Ｌ２が対象物に投影した投影面Ｆよりも高い位置に配置されている。

この構成によれば、空を模した色の第一照明光を出射する第一照明器具１００とは別に、日差しを模した色の第二照明光Ｌ２を投影する第二照明器具２００とを備えているので、第一照明器具１００が再現する空と、第二照明器具２００が再現する日向（投影面Ｆ）との複合的な視覚効果で、第一照明器具１００及び第二照明器具２００が出射した光（第一照明光及び第二照明光Ｌ２）が太陽光であるものと印象付けることができる。つまり、第一照明器具１００における発光モジュール２０と光拡散部材４０との距離を大きくしなくとも、第一照明器具１００及び第二照明器具２００が出射した光（第一照明光及び第二照明光Ｌ２）が太陽光であるものと印象付けることができる。

また、第二照明光Ｌ２は、第一照明光よりも色温度が低い。

この構成によれば、擬似的な空と日向とを確実に、第一照明光と第二照明光Ｌ２とで再現することができる。

また、第二照明光Ｌ２の外側から出射部と投影部とを観察した場合、出射部は投影部よりも輝度が高い。

この構成によれば、第二照明光Ｌ２の外側からは、投影部が目立たなくなるので、ユーザが第二照明光Ｌ２の外側から出射部を眺めたときに、当該出射部で再現されている空をユーザに強く印象付けることができる。

また、第二照明光Ｌ２の内側から出射部と投影部とを観察した場合、出射部は投影部よりも輝度が低い。第二照明光Ｌ２の内側から出射部を眺めたときには、投影部がより明るく見えることになる。つまり、窓から太陽を眺めたときのきらめきをユーザに印象付けることができる。

また、出射部と投影部とは、出射部を平面視した場合に、当該平面に直交する面であって、投影面Ｆの中心の法線Ｎを含む基準面Ｓ１００を境界として、同じ側に配置されている。

この構成によれば、光拡散部材４０を平面視した場合に、基準面Ｓ１００を境界として同じ側に光拡散部材４０とレンズ２１４とが配置されているので、投影面Ｆ上に形成される影が、太陽光によって形成された影であるかのように印象付けることができる。

また、第一照明器具１００と第二照明器具２００とは、空間Ｈをなす複数の面のうち、同一面（天面ｈ１）に配置されている。

この構成によれば、第一照明器具１００と第二照明器具２００とが同一面に配置されているので、第一照明器具１００と第二照明器具２００とをより近接させて配置することができる。これにより、第一照明器具１００の光拡散部材４０を窓と仮定した場合に当該窓から入射した太陽光Ｌ１０と、第二照明光Ｌ２とを平行に近づけることができ、よりリアリティのある影を投影面Ｆ上に形成することができる。

また、第一照明器具１００は、第一光源２２としてＬＥＤを備え、当該第一光源２２から出射された光は、波長変換層を経由することなく出射部から出射され、第二照明器具２００は、第二光源２１２としてＬＥＤまたはレーザーダイオードを備え、当該第二光源２１２から出射された光は、波長変換層２１３を経由して投影部から出射される。

この構成によれば、波長変換層を有さない第一照明器具１００と、波長変換層２１３を有する第二照明器具２００とからなる照明システム１であっても、第一照明器具１００及び第二照明器具２００が出射した光（第一照明光及び第二照明光Ｌ２）が太陽光であるものと印象付けることができる。

また、第一照明器具１００は、さらに、出射部を保持する枠部１２を備え、出射部は、枠部１２における空間Ｈ側の表面よりも、奥側に配置されている。

例えば、出射部である光拡散部材４０が天面ｈ１と面一で配置されている場合では、ユーザは天井が薄い板に見えることがあり、リアリティのある空を再現することが困難となる。しかしながら、枠部１２における空間Ｈ側の表面よりも、出射部が奥側に配置されていれば、よりリアリティのある空を再現することができる。

［変形例１］
上実施の形態では、第一照明器具１００と第二照明器具２００とが、空間Ｈをなす複数の面のうち、同一面（天面ｈ１）に配置されている場合を例示した。この変形例１では、第一照明器具１００と第二照明器具２００とが、空間Ｈをなす複数の面のうち、異なる面に配置されている場合について説明する。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同一の部分においては、その説明を省略する場合がある。

図７は、変形例１に係る照明システム１Ａの概略構成を示す模式図である。図７に示すように、第二照明器具２００は、上記実施の形態と同様に天面ｈ１に設置されているが、第一照明器具１００は、壁面ｈ３に設置されている。この場合、第一照明器具１００は、壁用の窓として印象付けることができる。そして、第二照明器具２００は、第一照明器具１００が設置された壁面ｈ３とは異なる壁面ｈ３に投影面Ｆ２を投影している。ここで、日の出時、日没時においては、太陽光は概ね水平な方向の光線となる。この場合、投影面Ｆ２の少なくとも一部が、第一照明器具１００の光拡散部材４０よりも低い位置に配置されていれば、当該投影面Ｆ２にて、日の出時または日没時での日向を再現することができる。つまり、この場合における第一照明器具１００と投影面Ｆ２との位置関係は、第一照明器具１００が投影面Ｆ２よりも高い位置に配置されているものとする。

このように、第一照明器具１００と第二照明器具２００とが、空間Ｈをなす複数の面のうち、異なる面（壁面ｈ３及び天面ｈ１）に配置されているので、設置レイアウトの自由度を高めることができる。

［変形例２］
また、上記実施の形態では、空間Ｈをなす複数の面のうち、一つの面（壁面ｈ３）にのみ投影面Ｆが形成される場合を例示した。しかしながら、投影面は複数の面に連続して形成されていてもよい。

図８は、変形例２に係る照明システム１Ｂの概略構成を示す模式図である。図８に示すように、照明システム１Ｂの第二照明器具２００により形成された投影面Ｆ３は、壁面ｈ３と床面ｈ２とに連続して形成されている。このような投影面Ｆ３を形成するには、第二照明器具２００の器具本体２１０の姿勢を調整したり、マスク２１５の開口２１５ａの形状及び大きさを調整したりすればよい。

このように、空間Ｈをなす複数の面のうち、隣り合う面に投影面Ｆが連続して形成されていれば、より多様な演出効果を実現することができる。

［変形例３］
上記実施の形態では、第一照明器具１００が筐体１０を備えている場合を例示したが、第一照明器具は筐体を備えていなくてもよい。この場合、第一照明器具の構成部材（発光モジュール、光反射部材、光拡散部材、制御部、電源部等）は直接天井に設置されることになる。

図９は、実施例３に係る照明システム１Ｃの概略構成を示す模式図である。図９に示すように、照明システム１Ｃの第一照明器具１００ｃは、筐体を備えていないので、光拡散部材４０は、天面ｈ１に形成された開口ｈ１１内であって、天面ｈ１よりも奥側に配置されている。つまり、出射部は、空間Ｈをなす複数の面のうち、一つの面（天面ｈ１）に形成された開口ｈ１１内であって、当該一つの面よりも奥側に配置されていればよい。

この構成によれば、筐体がなくとも、出射部は、天面ｈ１に対して面一ではなく、天面ｈ１よりも奥側に配置されているので、よりリアリティのある空を再現することができる。

［変形例４］
上記実施の形態では、第一照明器具１００と第二照明器具２００とが異なる位置に配置されている場合を例示したが、第一照明器具と第二照明器具とが重なる位置に配置されていてもよい。つまり、第二照明器具の投影部が第一照明器具の出射部の内部に含まれていてもよい。

図１０は、変形例４に係る照明システム１Ｄの概略構成を示す模式図である。図１０に示すように、変形例４では、第二照明器具２００ｄの器具本体２１０の全体が、第一照明器具１００ｄの光拡散部材４０ｄ（出射部）よりも内方に配置されている。そして発光モジュール２０ｄには、第二照明器具２００ｄの第二照明光Ｌ２が通過する貫通孔２９が形成されている。なお、第二照明器具２００ｄが第一照明器具１００ｄの筐体の外方にある場合には、筐体に対して第二照明光Ｌ２が通過する貫通孔を形成してもよい。

このように、第一照明器具１００ｄの光拡散部材４０ｄの内部に、第二照明器具２００の投影部が配置されていると、光拡散部材４０ｄは、投影部よりも輝度が低くなる。

［他の実施の形態］
以上、実施の形態に係る照明システム１について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。

例えば、上記実施の形態では、第二照明光Ｌ２の輝度及び色温度が固定されている場合を例示したが、第一照明器具１００と同様に第二照明器具２００においても、第二照明光Ｌ２の調光及び調色を制御することも可能である。この場合、第一照明器具１００での調光及び調色に連動して、第二照明器具２００で第二照明光Ｌ２の調光及び調色を制御してもよい。第二照明器具２００で第二照明光Ｌ２の調光及び調色を行う際には、第二照明光Ｌ２が上記した条件（輝度条件、色温度条件）を満たすようにしていれば、擬似的な空と日差しとを違和感なく表現することが可能である。また、上記した条件を満たすように、第一照明器具１００で第一照明光の調光及び調色を行ってもよい。

また、第二照明器具は、投影式であれば、スポットライト以外の照明器具であってもよい。スポットライト以外の照明器具としては、例えば、プロジェクタ装置、短焦点プロジェクタ装置などが挙げられる。なお、プロジェクタ装置には、画像投影用のプロジェクタ装置と、照明用のプロジェクタ装置とが含まれる。

その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。

１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ 照明システム
１２ 枠部
２２ 第一光源
４０ 光拡散部材（出射部）
１００、１００ｃ、１００ｄ 第一照明器具
１２１ 表面
２００、２００ｄ 第二照明器具
２１２ 第二光源
２１３ 波長変換層
２１４ レンズ（投影部）
Ｆ、Ｆ１、Ｆ２、Ｆ３ 投影面
Ｈ 空間
ｈ１ 天面（面）
ｈ１１ 開口
ｈ２ 床面（面）
ｈ３ 壁面（面）
Ｌ２ 第二照明光
Ｎ 法線
Ｓ１００ 基準面

Claims (10)

1. 空を模した色の第一照明光を出射する出射部を有する内照式の第一照明器具と、
   日差しを模した色の第二照明光を対象物に投影する投影部を有する投影式の第二照明器具と、を備え、
   前記第一照明器具と前記第二照明器具とは同一空間内に配置されており、
   前記第一照明器具は、前記第二照明光が前記対象物に投影した投影面よりも高い位置に配置されており、
   前記第二照明器具は、前記第一照明器具を窓と仮定した場合に、当該窓を通過した太陽光が前記対象物に形成する日向を前記投影面で擬似的に再現するため、前記第二照明光を形成するマスクを有する
   照明システム。
2. 前記第二照明光は、前記第一照明光よりも色温度が低い
   請求項１に記載の照明システム。
3. 前記第二照明光の外側から前記出射部と前記投影部とを観察した場合、前記出射部は前記投影部よりも輝度が高い
   請求項１または２に記載の照明システム。
4. 前記第二照明光の内側から前記出射部と前記投影部とを観察した場合、前記出射部は前記投影部よりも輝度が低い
   請求項１〜３のいずれか一項に記載の照明システム。
5. 前記出射部と前記投影部とは、前記出射部を平面視した場合に、当該平面に直交する面であって、前記投影面の中心の法線を含む基準面を境界として、同じ側に配置されている
   請求項１〜４のいずれか一項に記載の照明システム。
6. 前記第一照明器具と前記第二照明器具とは、前記空間をなす複数の面のうち、異なる面に配置されている
   請求項１〜５のいずれか一項に記載の照明システム。
7. 前記第一照明器具と前記第二照明器具とは、前記空間をなす複数の面のうち、同一面に配置されている
   請求項１〜５のいずれか一項に記載の照明システム。
8. 前記第一照明器具は、第一光源としてＬＥＤを備え、当該第一光源から出射された光は、波長変換層を経由することなく前記出射部から出射され、
   前記第二照明器具は、第二光源としてＬＥＤまたはレーザーダイオードを備え、当該第二光源から出射された光は、波長変換層を経由して前記投影部から出射される
   請求項１〜７のいずれか一項に記載の照明システム。
9. 前記出射部は、前記空間をなす複数の面のうち、一つの面に形成された開口内であって、当該一つの面よりも奥側に配置されている
   請求項１〜８のいずれか一項に記載の照明システム。
10. 前記第一照明器具は、さらに、前記出射部を保持する枠部を備え、
    前記出射部は、前記枠部における前記空間側の表面よりも、奥側に配置されている
    請求項１〜８のいずれか一項に記載の照明システム。

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