[go: up one dir, main page]

JP6884491B2 - 熱音響エンジン - Google Patents

熱音響エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP6884491B2
JP6884491B2 JP2019556032A JP2019556032A JP6884491B2 JP 6884491 B2 JP6884491 B2 JP 6884491B2 JP 2019556032 A JP2019556032 A JP 2019556032A JP 2019556032 A JP2019556032 A JP 2019556032A JP 6884491 B2 JP6884491 B2 JP 6884491B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage device
heat storage
heat exchanger
pipe
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019556032A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019102564A1 (ja
Inventor
深谷 典之
典之 深谷
伊藤 剛
伊藤  剛
竜樹 加瀬
竜樹 加瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Motor Wheel Co Ltd
Original Assignee
Central Motor Wheel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Motor Wheel Co Ltd filed Critical Central Motor Wheel Co Ltd
Publication of JPWO2019102564A1 publication Critical patent/JPWO2019102564A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6884491B2 publication Critical patent/JP6884491B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

本発明は、熱音響エンジンに関する。
従来より、作動気体が封入された熱音響用配管に組み込まれる熱音響エンジンが知られている(例えば、特許文献1を参照)。熱音響エンジンは、蓄熱器と、高温側熱交換器と、低温側熱交換器とを備える。蓄熱器は、熱音響用配管の長手方向に貫通する複数の流路を有する。高温側熱交換器は、蓄熱器の長手方向の一端部に連結されて、蓄熱器の一端部(及び、蓄熱器の一端部近傍に位置する作動気体)を加熱する。低温側熱交換器は、蓄熱器の長手方向の他端部に連結されて、蓄熱器の他端部(及び、蓄熱器の他端部近傍に位置する作動気体)を冷却する。
熱音響エンジンによれば、蓄熱器の両端部にそれぞれ連結された高温側・低温側熱交換器の作用により、蓄熱器の両端部間にて温度勾配が発生する。この温度勾配によって作動気体が蓄熱器の長手方向に沿って自励振動することで、縦波による振動波(音波)が発生する。この結果、熱音響用配管内にて音響エネルギー(振動エネルギー)が発生する。このように熱音響用配管内で発生した音響エネルギーは、典型的には、発電機の発電駆動、及び、冷凍機の冷凍作動などに使用され得る。
WO2013/084830号公報
ところで、工場等の設備、及び、車両等から排出・廃棄される高温の廃棄流体の排熱の量が未だ多いことに鑑み、高温の廃棄流体が有する熱エネルギーを高い効率で回収して有効活用する技術が望まれている。このため、上述した熱音響エンジンの高温側熱交換器に使用される熱源(常温より高温の加熱源)として、高温の廃棄流体を利用することが考えられる。
この場合、高温の廃棄流体の流路(例えば、工場の煙突、及び、車両の排気管)から分岐・延出させた分岐管を、熱音響用配管における高温側熱交換器が組み込まれた部分に接続し、当該部分の内部にて横断させる構成が考えられる。この構成では、当該部分の内部にて、作動気体が、分岐管内の高温の廃棄流体との間で、分岐管の管壁を介して熱交換を行うことで、蓄熱器の一端部近傍に位置する作動気体(及び、蓄熱器の一端部)が加熱される。
しかしながら、この構成では、分岐管内にて、廃棄流体の通過に起因する煤や汚れが付着し、分岐管の詰まりや劣化が発生する可能性がある。また、熱音響用配管における高温側熱交換器が組み込まれた部分にて分岐管を横断(貫通)させる必要があるため、高温側熱交換器そのものの構造が複雑になり、高温側熱交換器そのものの製造コストが高くなる。更には、高温の廃棄流体の流路から分岐管を分岐させるため、高温の廃棄流体の流路(例えば、工場の煙突、及び、車両の排気管)を大幅に改造する必要がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成を有し且つ製造コストが低い高温側熱交換器を備えた熱音響エンジンを提供することである。
本発明に係る熱音響エンジンは、上述と同様の蓄熱器、高温側熱交換器、及び、低温側熱交換器を備える。本発明に係る熱音響エンジンの特徴は、前記高温側熱交換器が、前記蓄熱器の前記一端部に連結され、前記複数の流路に連通すると共に前記作動気体が通過する貫通孔である第1開口部が形成された第1部分と、前記熱音響用配管の外部に位置すると共に常温より高温の流体が通過する流路に介挿され、前記流体が通過する貫通孔である第2開口部が形成された第2部分と、前記第1部分から一体で前記熱音響用配管の外部に延出すると共に前記第1部分と前記第2部分とを一体で連結する連結部分と、を備え、熱伝導性を有する固体材料で構成され、前記第1開口部が、仕切り部によって仕切られている、ことにある。
これによれば、高温側熱交換器を構成する第1部分、第2部分、及び、連結部分が、熱伝導性を有する固体材料で一体に構成されている。熱音響用配管の外部に位置する流路を通過する常温より高温の流体(典型的には、廃棄流体)が有する熱が、固体の熱伝導によって、第2部分、連結部分、及び第1部分を順に介して、第1部分の近傍(即ち、蓄熱器の一端部の近傍)に位置する作動気体に伝達され、当該作動気体、及び、蓄熱器の一端部が加熱される。
換言すれば、上述のように、高温の流体が通過する分岐管を熱音響用配管の内部に横断(貫通)させることなく、固体の熱伝導のみを利用して、互いに離れて位置する高温の流体と作動気体との間で熱交換を行わせることができる。このため、高温側熱交換器を、簡易な構成で且つ低い製造コストで製造することができる。
更に、蓄熱器内の複数の流路に連通する第1部分の第1開口部が、仕切り部によって仕切られている。これにより、このような仕切り部がない場合(即ち、第1開口部が1つの大きな貫通孔である場合)と比べて、作動気体と接触する第1開口部の表面積が大きくなるので、第1部分と作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
加えて、このような仕切り部がない場合には、蓄熱器の一端部近傍で長手方向に沿って自励振動している作動気体が蓄熱器の一端から蓄熱器の外部(即ち、第1開口部)に移動した直後に広い空間に突然進入することに起因して、作動気体の自励振動が減衰する現象が発生し易い。これに対し、このような仕切り部が設けられることで、このような現象が発生し難くなり、高温の流体が有する熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高くなる。
上記本発明に係る熱音響エンジンでは、前記仕切り部が、前記第1開口部における前記連結部分側の縁部から前記連結部分側と反対側の縁部の近傍まで互いに平行に延びる片持ち梁状の形状を有していることが好適である。
これによれば、仕切り部の基端が、第1開口部における連結部分側の縁部(即ち、高温の流体の熱が伝導してくる側の縁部)と繋がっている。従って、仕切り部の基端が、第1開口部における連結部分側の縁部とは異なる位置にある縁部と繋がっている態様と比べて、高温の流体の熱を仕切り部に効率良く伝導することができる。
更には、仕切り部の先端(自由端)が、第1開口部における連結部分側と反対側の縁部と繋がっていない(即ち、先端と縁部との間に空気層が介在する)。従って、仕切り部の先端が、第1開口部における連結部分側と反対側の縁部にも繋がっている態様(即ち、仕切り部が互いに平行に延びる両持ち梁状の形状を有している態様)と比べて、仕切り部の温度が、相対的に低温となっている「第1開口部における連結部分側と反対側の縁部」による影響を受けて低下する現象が発生し難くなる。この結果、仕切り部の温度が高い温度に維持され得るので、高温の流体と作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
上記本発明に係る熱音響エンジンでは、前記高温側熱交換器の外縁の近傍部分には、前記外縁に沿う貫通孔であるスリットが形成されていることが好適である。
これによれば、高温側熱交換器における外縁部と、外縁部を除く中央部分(即ち、高温の流体の熱が第2部分から第1部分へ伝導していく主たる経路となる部分)との間に空気層が介在する。従って、このようなスリットが全く設けられていない場合と比べて、高温側熱交換器の中央部分の温度が、相対的に低温となっている高温側熱交換器の外縁部による影響を受けて低下する現象が発生し難くなる。この結果、高温側熱交換器の中央部分の温度が高い温度に維持され得るので、高温の流体と作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
図1は、本発明に係る熱音響エンジンを含む熱音響発電システムの概略構成を模式的に示す図である。 図2は、図1に示した熱音響エンジンの構成を模式的に示す図である。 図3は、図2に示した蓄熱器の端面(複数の流路)の一例を示す図である。 図4は、図2に示した高温側熱交換器の平面図である。 図5は、変形例に係る高温側熱交換器の平面図である。
以下、本発明に係る熱音響エンジンの実施形態について図面を参照しながら説明する。
(構成)
図1に示すように、熱音響発電システム100は、金属製の配管からなる配管構成部101を備えている。配管構成部101は、環状(ループ状)の配管部分である環状配管102と、環状配管102から分岐し且つその管内空間が環状配管102の管内空間と連通する分岐配管103と、を含む。この環状配管102が本発明の「熱音響用配管」に相当する。
分岐配管103は、環状配管102から分岐する分岐点を一方端103aとし、この一方端103aから他方端103bまで長尺状に延びる配管部分である。分岐配管103が他方端103bにてエネルギー取り出し部160によって封止されている。環状配管102及び分岐配管103の双方に所定の作動気体(本実施形態では、ヘリウム)が所定圧力下で封入されている。尚、作動気体としては、ヘリウムに代えて或いは加えて、窒素、アルゴン、空気、これらの混合気体等が採用され得る。
環状配管102には、直列に接続された3つの熱音響エンジン(「原動機」ともいう)110が設けられている。これら3つの熱音響エンジン110によって、所謂「多段型の熱音響エンジン」が構成されている。各熱音響エンジン110は、環状配管102の管内に組み込まれた蓄熱器111と、蓄熱器111の高温部である一端部111aに連結された高温側熱交換器112と、蓄熱器111の常温部(或いは低温部)である他端部111bに連結された低温側熱交換器113と、を備えている。なお、熱音響エンジン110の設置数は、3つに限定されるものではなく、必要に応じてその他の設置数が選択され得る。
図2、及び、図3に示すように、蓄熱器111は、環状配管102の配管長手方向(配管の延在方向、x軸方向)に垂直な方向の断面の形状が円形となる円柱状の構造体である。蓄熱器111の配管長手方向の両端面は、配管長手方向(x軸方向)と垂直な平面である。蓄熱器111は、一端部111aと他端部111bとの間で配管長手方向(x軸方向)に沿って互いに平行に延びる貫通した複数の流路111cを有する。この複数の流路111c内にて作動気体が振動するようになっている。
図3に示す例では、複数の流路111cは、蓄熱器111の内部を縦横に仕切る多数の壁によってマトリクス状に区画・形成されている。なお、蓄熱器111の内部にて配管長手方向に延びる貫通した複数の流路が形成されている限りにおいて、蓄熱器111の内部は、ハニカム状等を含みどのように仕切られていてもよい。
蓄熱器111としては、例えば、典型的にはセラミック製の構造体や、ステンレス鋼によるメッシュ薄板の複数を微小ピッチで平行に積層した構造体、金属繊維からなる不織布状物などを用いることができる。尚、蓄熱器111として横断面が円形のもの代えて、横断面が楕円形、多角形等のものを採用することもできる。
蓄熱器111において、一端部111aと他端部111bとの間に所定の温度勾配が生じると、環状配管102内の作動気体が不安定になって配管長手方向に沿って自励振動する。この結果、配管長手方向に沿って振動する縦波による振動波(「音波」、「振動流」或いは「仕事流」ともいう)が形成され、この振動波が環状配管102の管内から分岐配管103の管内へと伝わるようになっている。
図2に示すように、低温側熱交換器113は、冷却源130から、冷風、冷水等の冷却用流体が供給されるように構成されている。具体的には、低温側熱交換器113は、蓄熱器111の他端部111bに組み付けられる本体ブロック113aと、本体ブロック113aに組み付けられる導入管113b、とを備える。本体ブロック113aには、配管長手方向(x軸方向)に沿って貫通する円柱状の冷却用内部空間113cが形成されている。
冷却用内部空間113cは、蓄熱器111の複数の流路111cと連通しており、冷却用内部空間113c内にて作動気体が振動するようになっている。導入管113bは、冷却用内部空間113cを配管長手方向に直交する方向(z軸方向)に横断(貫通)するように、本体ブロック113aに気密的に組み付けられている。
導入管113bは、冷却源130と接続されている。冷却源130から供給される冷却用流体を導入管113bに流すことによって、導入管113b内の冷却用流体と、本体ブロック113aの冷却用内部空間113c内の作動気体との間で熱交換が行われる。この結果、蓄熱器111の他端部111b周辺の作動気体、及び、蓄熱器111の他端部111bが冷却されるようになっている。熱交換後の温度が上昇した導入管113b内の冷却用流体は、冷却源130に戻されて再び冷却されるようになっている。
図2に示すように、高温側熱交換器112は、管路120内を流れる常温より高温の流体が有する熱を、蓄熱器111の一端部111a周辺の作動気体、及び、蓄熱器111の一端部に伝達し、これらを加熱するように構成されている。管路120内を流れる常温より高温の流体は、典型的には、工場等の設備、及び、車両等から排出・廃棄される高温の廃棄流体であり、従って、管路120は、工場の煙突、及び、車両の排気管等である。
高温側熱交換器112は、互いに離れて位置する管路120の一部と蓄熱器111の一端部111a(環状配管102の一部)とを連結する、長尺板状の中実部材である(後述する図4も参照)。高温側熱交換器112は、固体の熱伝導のみを利用して、互いに離れて位置する高温の流体と作動気体との間で熱交換を行わせるように構成されている。高温側熱交換器112の詳細な構成については後述する。
上述した高温側熱交換器112による加熱作用と低温側熱交換器113による冷却作用との協働によって、蓄熱器111において一端部111aと他端部111bとの間に所定の温度勾配が生じる。即ち、高温側熱交換器112及び低温側熱交換器113は、配管構成部101に封入された作動気体を自励振動させるために蓄熱器111の複数の流路111cの両端部間に温度勾配が生じるように作動気体との間で熱交換を行う熱交換器を構成している。
図1に戻り、分岐配管103は、環状配管102とタービン140との間に直線状に延在する第1配管部104と、タービン140を挟んで環状配管102とは反対側に直線状に延在する第2配管部105と、第1配管部104と第2配管部105を連結するようにクランク状に屈曲したクランク配管部106と、を備えている。
タービン140は、分岐配管103の管内に連通するように構成され、分岐配管103の管内に存在する作動気体の振動波による音響エネルギー(「振動エネルギー」ともいう)を機械的な回転エネルギーに変換する機能を果たす。即ち、このタービン140は、分岐配管103に設けられ熱音響エンジン110における作動気体の自励振動によって生じた音響エネルギーを受けて回転する。タービン140には、このタービン140の回転による運動エネルギー(回転エネルギー)を電力に変換するための発電機150が接続されている。
分岐配管103の他方端103b、即ち、第2配管105の両側の管端部のうちタービン140とは反対側の管端部には、作動気体の音響エネルギーを分岐配管103から管外に取り出すためのエネルギー取り出し部160が設けられている。このエネルギー取り出し部160は、典型的には圧力振動を受けて電気エネルギー(電力)を出力することが可能な公知のリニア発電機やスピーカー型発電機等によって構成される。
(作動)
以下、上記のように構成された熱音響発電システム100の作動について、前述の内容に沿って簡単に説明する。図1に示すように、各熱音響エンジン110において、蓄熱器111の一端部111aが高温側熱交換器112によって加熱され、且つ蓄熱器111の他端部111bが低温側熱交換器113によって冷却されると、蓄熱器111の一端部111aと他端部111bとの間に温度勾配が生じる。この温度勾配によって、各蓄熱器111では主として作動気体の自励振動による振動波が形成される。この振動波(音波)による音響エネルギー(振動エネルギー)は、配管構成部101の環状配管102から分岐配管103を通じてタービン140に伝達され、更にはエネルギー取り出し部160に伝達される。この場合、分岐配管103は、熱音響エンジン110において発生した作動気体の音響エネルギーを導くための共鳴管(導波管)として構成される。音響エネルギーの一部は、エネルギー取り出し手段であるタービン140によって取り出され当該タービン140に接続された発電機150によって電気エネルギー(電力)に変換され、またエネルギー取り出し部160によって取り出されて所定のエネルギー(例えば、振動エネルギーや電気エネルギー等)に変換される。
(高温側熱交換器の構成、並びに、作用・効果)
上述のように、高温側熱交換器112は、熱源(常温より高温の加熱源)として、工場等の設備、及び、車両等から排出・廃棄される高温の廃棄流体を利用している。この場合、高温側熱交換器112として、低温側熱交換器113と同様、管路120から、高温の廃棄流体が供給されるように構成され得る。即ち、高温側熱交換器112として、管路120から分岐・延出させた分岐管を、蓄熱器111の一端部111aに組み付けられた本体ブロックに接続し、本体ブロックの内部空間にて横断させる構成が考えられる。
しかしながら、この構成では、分岐管内にて、廃棄流体の通過に起因する煤や汚れが付着し、分岐管の詰まりや劣化が発生する可能性がある。また、蓄熱器111の一端部111aに組み付けられた本体ブロックにて分岐管を気密的に横断(貫通)させる必要があるため、高温側熱交換器そのものの構造が複雑になり、高温側熱交換器そのものの製造コストが高くなる。更には、管路120から分岐管を分岐させるため、管路120を大幅に改造する必要がある。
そこで、本実施形態では、図2及び図4に示すように、高温側熱交換器112が、熱伝導性が良好な固体材料(典型的には、金属材料)からなる長尺板状の1つの中実部材のみで構成されている。具体的には、高温側熱交換器112は、蓄熱器111の一端部111aに連結された第1部分112aと、管路120に介挿・固定された第2部分112bと、第1部分112aから一体で環状配管102の外部に延出すると共に第1部分112aと第2部分112bとを一体で連結する連結部分112cと、から構成される。本例では、連結部分112cは、蓄熱器111の一端部111aと管路120との間を結ぶ方向(z軸方向)に沿って、第1、第2部分112a,112b間を直線状に延びている。なお、連結部分112cが、第1、第2部分112a,112b間を屈曲しながら延びていてもよいことはもちろんである。
第1部分112aには、板厚方向(x軸方向、配管長手方向)に貫通する貫通孔である第1開口部112a1が形成されている。第1開口部112a1の輪郭形状は、円柱状の蓄熱器111(図3を参照)の内径と略同一寸法の直径を有する円形状となっている。第1開口部112a1は、蓄熱器111の複数の流路111c(図3を参照)と連通しており、作動気体が第1開口部112a1を通過可能となっている。
第1開口部112a1は、複数の仕切り部112a2によって仕切られた複数の開口で構成されている。複数の仕切り部112a2それぞれは、第1開口部112a1における連結部分112c側(z軸正方向側)の縁部から連結部分112c側と反対側(z軸負方向側)の縁部の近傍まで、連結部分112cの延在方向(z軸方向)に沿って互いに平行に延びる片持ち梁状の形状を有している。
第2部分112bには、板厚方向(x軸方向、管路120の延在方向)に貫通する貫通孔である第2開口部112b1が形成されている。第2開口部112b1の輪郭形状は、円管状の管路120(図2を参照)の内径と略同一寸法の直径を有する円形状となっている。第2開口部112b1は、管路120の内部空間と連通しており、高温の廃棄流体が第2開口部112b1を通過可能となっている。
第2開口部112b1は、複数の仕切り部112b2によって仕切られた複数の開口で構成されている。複数の仕切り部112b2それぞれは、第2開口部112b1における連結部分112c側(z軸負方向側)の縁部から連結部分112c側と反対側(z軸正方向側)の縁部の近傍まで、連結部分112cの延在方向(z軸方向)に沿って互いに平行に延びる片持ち梁状の形状を有している。
本例では、第1開口部112a1が第2開口部112b1より大きいことに起因して、第1部分112aが第2部分112bより大きくなっている。このため、連結部分112cは、第2部分112bから第1部分112aに向けて幅寸法(y軸方向の寸法)が次第に大きくなる形状を有している。なお、第1部分112aが第2部分112bより小さくても、或いは、第1、第2部分112a,112bの大きさが同じであってもよいことはもちろんである。
以上の構成を有する高温側熱交換器112によれば、環状配管102の外部に位置する管路120を通過する常温より高温の流体(典型的には、廃棄流体)が有する熱が、固体の熱伝導によって、第2部分112b、連結部分112c、及び第1部分112aを順に介して、第1部分112aの近傍(即ち、蓄熱器111の一端部111aの近傍)に位置する作動気体に伝達され、当該作動気体、及び、蓄熱器111の一端部111aが加熱される。
換言すれば、高温の流体が通過する分岐管を環状配管102の内部に横断(貫通)させることなく、固体の熱伝導のみを利用して、互いに離れて位置する高温の流体と作動気体との間で熱交換を行わせることができる。このため、高温側熱交換器112を、簡易な構成で且つ低い製造コストで製造することができる。
また、蓄熱器111内の複数の流路111cに連通する第1部分112aの第1開口部112a1が、片持ち梁状の複数の仕切り部112a2によって仕切られた複数の開口で構成される。これにより、このような複数の仕切り部112a2がない場合(即ち、第1開口部112a1が1つの大きな貫通孔である場合)と比べて、作動気体と接触する第1開口部112a1の表面積が大きくなるので、第1部分112aと作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
また、このような複数の仕切り部112a2がない場合には、蓄熱器111の一端部111a近傍で配管長手方向(x軸方向)に沿って自励振動している作動気体が蓄熱器111の一端111aから蓄熱器111の外部(即ち、第1開口部112a1)に移動した直後に広い空間に突然進入することに起因して、作動気体の自励振動が減衰する現象が発生し易い。これに対し、このような複数の仕切り部112a2が設けられることで、このような現象が発生し難くなり、高温の流体が有する熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高くなる。
また、片持ち梁状の複数の仕切り部112a2それぞれの基端が、第1開口部112a1における連結部分112c側(z軸正方向側)の縁部(即ち、高温の流体の熱が伝導してくる側の縁部)と繋がっている。従って、複数の仕切り部112a2それぞれの基端が、第1開口部112a1における連結部分112c側の縁部とは異なる位置にある縁部と繋がっている態様と比べて、高温の流体の熱を複数の仕切り部112a2に効率良く伝導することができる。
また、片持ち梁状の複数の仕切り部112a2それぞれの先端(自由端)が、第1開口部112a1における連結部分112c側と反対側(z軸負方向側)の縁部と繋がっていない(即ち、先端と縁部との間に空気層が介在する)。従って、複数の仕切り部112a2それぞれの先端が、第1開口部112a1における連結部分112c側と反対側の縁部にも繋がっている態様(即ち、複数の仕切り部112a2それぞれが互いに平行に延びる両持ち梁状の形状を有している態様)と比べて、複数の仕切り部112a2の温度が、相対的に低温となっている「第1開口部112a1における連結部分112c側と反対側の縁部」による影響を受けて低下する現象が発生し難くなる。この結果、複数の仕切り部112a2の温度が高い温度に維持され得るので、高温の流体と作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
また、管路120の内部空間に連通する第2部分112bの第2開口部112b1が、片持ち梁状の複数の仕切り部112b2によって仕切られた複数の開口で構成される。これにより、このような複数の仕切り部112b2がない場合(即ち、第2開口部112b1が1つの大きな貫通孔である場合)と比べて、高温の流体と接触する第2開口部112b1の表面積が大きくなるので、第2部分112bと高温の流体との間の熱伝達効率が高くなる。
また、片持ち梁状の複数の仕切り部112b2それぞれの基端が、第2開口部112b1における連結部分112c側(z軸負方向側)の縁部(即ち、高温の流体の熱が伝導していく側の縁部)と繋がっている。従って、複数の仕切り部112b2それぞれの基端が、第2開口部112b1における連結部分112c側の縁部とは異なる位置にある縁部と繋がっている態様と比べて、高温の流体の熱を連結部分112cに効率良く伝導することができる。
また、片持ち梁状の複数の仕切り部112b2それぞれの先端(自由端)が、第2開口部112b1における連結部分112c側と反対側(z軸正方向側)の縁部と繋がっていない(即ち、先端と縁部との間に空気層が介在する)。従って、複数の仕切り部112b2それぞれの先端が、第2開口部112b1における連結部分112c側と反対側の縁部にも繋がっている態様(即ち、複数の仕切り部112b2それぞれが互いに平行に延びる両持ち梁状の形状を有している態様)と比べて、複数の仕切り部112b2の温度が、相対的に低温となっている「第2開口部112b1における連結部分112c側と反対側の縁部」による影響を受けて低下する現象が発生し難くなる。この結果、複数の仕切り部112b2の温度が高い温度に維持され得るので、高温の流体と作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施形態では、第1部分112aの第1開口部112a1が、片持ち梁状の複数の仕切り部112a2によって仕切られているが、両持ち梁状の複数の仕切り部によって仕切られていてもよい。また、片持ち梁状の複数の仕切り部112a2の基端が、第1開口部112a1における連結部分112c側(z軸正方向側)の縁部と繋がっているが、第1開口部112a1における連結部分112c側とは異なる位置の縁部と繋がっていてもよい。
また、上記実施形態では、第2部分112bの第2開口部112b1が、片持ち梁状の複数の仕切り部112b2によって仕切られているが、両持ち梁状の複数の仕切り部によって仕切られていてもよい。また、片持ち梁状の複数の仕切り部112b2の基端が、第2開口部112b1における連結部分112c側(z軸負方向側)の縁部と繋がっているが、第2開口部112b1における連結部分112c側とは異なる位置の縁部と繋がっていてもよい。更には、このような複数の仕切り部112b2がなくてもよい(即ち、第2開口部112b1が1つの大きな貫通孔であってもよい)。
また、上記実施形態では、高温側熱交換器112が、長尺板状の1つの中実部材で構成されているが、平面視同一形状の薄板部材を積層して構成されてもよい。高温側熱交換器112が板厚の比較的大きい1つの中実部材で構成される場合には、非常に複雑な形状を有する片持ち梁状の複数の仕切り部112a2,112b2を形成するために、高温側熱交換器112をワイヤーカット放電加工等を用いて製造する必要がある。これに対し、高温側熱交換器112が薄板部材を積層して構成される場合には、各薄板部材をプレス加工等で製造することができるので、高温側熱交換器112の製造コストを低減することが可能である。
また、上記実施形態においては、図5に示すように、高温側熱交換器112の外縁の近傍部分に、外縁に沿う貫通孔であるスリット112dが形成されてもよい。図5に示す例では、高温側熱交換器112の外縁の4か所(第1部分112aにおける連結部分112c側と反対側の縁部、第2部分112bにおける連結部分112c側と反対側の縁部、連結部分112cにおける幅方向両側のそれぞれの縁部)にスリット112dが形成されているが、これらのうち1か所、2か所、或いは3か所にスリット112dが形成されていてもよい。
このように、スリット112dを設けることで、高温側熱交換器112における外縁部と、外縁部を除く中央部分(即ち、高温の流体の熱が第2部分112bから第1部分112aへ伝導していく主たる経路となる部分)との間に空気層が介在する。従って、このようなスリット112dが全く設けられていない場合(図4を参照)と比べて、高温側熱交換器112の中央部分の温度が、相対的に低温となっている高温側熱交換器112の外縁部による影響を受けて低下する現象が発生し難くなる。この結果、高温側熱交換器112の中央部分の温度が高い温度に維持され得るので、高温の流体と作動気体との間の熱伝達効率が高くなる。
110…熱音響エンジン、102…環状配管(熱音響用配管)、111…蓄熱器、111a…一端部、111b…他端部、111c…複数の流路、112…高温側熱交換器、112a…第1部分、112a1…第1開口部、112a2…仕切り部、112b…第2部分、112b1…第2開口部、112b2…仕切り部、112c…連結部分、112d…スリット、113…低温側熱交換器

Claims (2)

  1. 作動気体が封入された熱音響用配管に組み込まれる熱音響エンジンであって、
    前記熱音響用配管の長手方向に貫通する複数の流路を有する蓄熱器と、
    前記蓄熱器の前記長手方向の一端部に連結され、前記蓄熱器の前記一端部を加熱する高温側熱交換器と、
    前記蓄熱器の前記長手方向の他端部に連結され、前記蓄熱器の前記他端部を冷却する低温側熱交換器と、
    を備え、
    前記高温側熱交換器は、
    前記蓄熱器の前記一端部に連結され、前記複数の流路に連通すると共に前記作動気体が通過する貫通孔である第1開口部が形成された第1部分と、
    前記熱音響用配管の外部に位置すると共に常温より高温の流体が通過する流路に介挿され、前記流体が通過する貫通孔である第2開口部が形成された第2部分と、
    前記第1部分から一体で前記熱音響用配管の外部に延出すると共に前記第1部分と前記第2部分とを一体で連結する連結部分と、
    を備え、熱伝導性を有する固体材料で構成され、
    前記第1開口部は、仕切り部によって仕切られ
    前記高温側熱交換器の外縁の近傍部分には、前記外縁に沿う貫通孔であるスリットが形成されている、熱音響エンジン。
  2. 請求項1に記載の熱音響エンジンにおいて、
    前記仕切り部は、前記第1開口部における前記連結部分側の縁部から前記連結部分側と反対側の縁部の近傍まで互いに平行に延びる片持ち梁状の形状を有している、熱音響エンジン。

JP2019556032A 2017-11-23 2017-11-23 熱音響エンジン Active JP6884491B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/042118 WO2019102564A1 (ja) 2017-11-23 2017-11-23 熱音響エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019102564A1 JPWO2019102564A1 (ja) 2020-10-22
JP6884491B2 true JP6884491B2 (ja) 2021-06-09

Family

ID=66631849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019556032A Active JP6884491B2 (ja) 2017-11-23 2017-11-23 熱音響エンジン

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6884491B2 (ja)
WO (1) WO2019102564A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110341924B (zh) * 2018-04-03 2020-09-01 中国科学院理化技术研究所 一种舰船推进系统
JP7438581B1 (ja) 2023-01-06 2024-02-27 関東冶金工業株式会社 熱音響機関及び熱処理炉
JP7374534B1 (ja) 2023-01-06 2023-11-07 関東冶金工業株式会社 音波発生装置、熱音響機関及び熱処理炉

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2457467A1 (fr) * 1979-01-17 1980-12-19 Collard Et A Trolart Sa G Echangeur de chaleur entre plusieurs fluides
JPS5769956U (ja) * 1980-10-17 1982-04-27
CN1916404A (zh) * 2006-09-05 2007-02-21 浙江大学 采用热管传热驱动的热声发动机
JP2009024931A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 熱交換器
CN201513994U (zh) * 2008-07-22 2010-06-23 杨泰和 借自来水温能作均温的装置
JP4888480B2 (ja) * 2008-12-15 2012-02-29 株式会社デンソー 排気浄化システムの制御装置
DE102010029663A1 (de) * 2010-06-02 2011-12-08 Willy Kretz Wärmetauscher mit modularem Wärmeleitelement
US20140209070A1 (en) * 2013-01-25 2014-07-31 Woodward, Inc. Heat Exchange in a Vehicle Engine System
JP6233835B2 (ja) * 2013-09-13 2017-11-22 学校法人東海大学 熱音響機関及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019102564A1 (ja) 2020-10-22
WO2019102564A1 (ja) 2019-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4958910B2 (ja) 熱音響装置
CN109312964B (zh) 热声发动机及热声发动机的设计方法
JP6884491B2 (ja) 熱音響エンジン
JP2019190718A (ja) 熱音響装置
JP2013234820A (ja) 熱音響機関
JP2012202586A (ja) 熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法
JP6257412B2 (ja) 熱・音波変換部品の製造方法、熱・音波変換部品、及び熱・音波変換器
JP4035069B2 (ja) 熱音響効果を利用した音波増幅・減衰器を備えた配管装置
JP5453950B2 (ja) 熱音響機関
JP5310287B2 (ja) 熱音響機関
JP2016217265A (ja) 熱音響発電システム
JPWO2019049221A1 (ja) 熱音響温調システム
JP6158926B2 (ja) 熱・音波変換部品及び熱・音波変換器
JP6178735B2 (ja) 熱・音波変換部品、熱・音波変換器、及び熱・音波変換部品の製造方法
JP5526600B2 (ja) 熱音響機関
JP2006145176A (ja) 熱音響エンジン
JP6532819B2 (ja) 熱音響エンジン
JP2019163924A (ja) 熱音響システム用熱交換器、往復振動流を用いたエネルギー変換器、熱音響エンジン、および、スターリングエンジン。
WO2017098938A1 (ja) 熱音響エンジンの製造方法
JP5446498B2 (ja) 熱音響機関
WO2019087952A1 (ja) 工業炉
JP6938095B2 (ja) 熱音響機関
JP2018091525A (ja) 熱音響エンジン及び蓄熱器
WO2021084868A1 (ja) 熱音響装置
JP2023154240A (ja) 熱音変換器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6884491

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250